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特許7248849半導体パッケージおよび高周波モジュール
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  • 特許-半導体パッケージおよび高周波モジュール 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】半導体パッケージおよび高周波モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20230322BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
H01L21/92 602N
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022124000
(22)【出願日】2022-08-03
【審査請求日】2022-08-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】冨田 道和
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】特許第7104260(JP,B1)
【文献】特開2013-153048(JP,A)
【文献】特開2004-327488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICチップと、
平面視において前記ICチップを囲み、平面視における外形が長方形または正方形であるモールド樹脂と、
前記ICチップおよび前記モールド樹脂の一方の面に形成された絶縁層と、
前記絶縁層に形成された複数のはんだバンプと、
前記絶縁層に形成され、前記ICチップを前記複数のはんだバンプに接続する複数の再配線と、を備え、
前記複数のはんだバンプには、前記ICチップの高周波端子に接続されて互いに同じ種類の高周波信号が流される2つ以上4つ以下の高周波バンプが含まれ、
前記2つ以上4つ以下の高周波バンプの各々は、平面視において前記モールド樹脂の中心から等距離に配置されている、半導体パッケージ。
【請求項2】
前記複数の再配線のうち、前記ICチップを前記2つ以上4つ以下の高周波バンプに接続する再配線の長さは互いに等しい、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
平面視における前記ICチップの外形は長方形または正方形であり、
平面視において前記ICチップの中心と前記モールド樹脂の中心とが一致する、請求項1または2に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記はんだバンプを除いた厚みが1mm以下である、請求項1または2に記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記複数のはんだバンプにおける最小ピッチは0.3mm以上である、請求項1または2に記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記2つ以上4つ以下の高周波バンプは、平面視で前記モールド樹脂と重なった位置にある、請求項1または2に記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
前記複数のはんだバンプには、前記ICチップのGND端子に前記再配線を介して接続される複数のGNDバンプが含まれ、
前記2つ以上4つ以下の高周波バンプには、第1高周波バンプおよび第2高周波バンプが含まれ、
前記複数のGNDバンプには、平面視において前記第1高周波バンプに隣接する複数の第1GNDバンプと、平面視において前記第2高周波バンプに隣接する複数の第2GNDバンプと、が含まれ、
前記第1高周波バンプと前記複数の第1GNDバンプとの位置関係と、前記第2高周波バンプと前記複数の第2GNDバンプとの位置関係とは、互いに同じである、請求項1または2に記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
前記複数のGNDバンプには、前記第1GNDバンプであり、かつ、前記第2GNDバンプでもあるGNDバンプが含まれる、請求項7に記載の半導体パッケージ。
【請求項9】
請求項7に記載の半導体パッケージと、
前記半導体パッケージが実装された基板と、を備え、
前記基板は、前記高周波バンプに接合される高周波パッドと、前記GNDバンプに接合されるGNDパッドと、を有し、
前記基板のうち前記高周波パッドの周縁に位置する部位および前記基板のうち前記GNDパッドの周縁に位置する部位には、フラックスが付着している、高周波モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージおよび高周波モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体パッケージ(半導体チップ)および基板を備える高周波モジュール(半導体装置)が開示されている。半導体パッケージは、ICチップ(ベアチップ)と、絶縁層と、再配線を介してICチップに接続された複数のはんだバンプと、を備える。この半導体パッケージは、基板上に設けられたパッドに対してはんだバンプが接合されることにより、基板に実装されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-186281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば特許文献1に記載の高周波モジュールにおいて、基板には、ICチップによって信号が供給される複数の素子(例えば、アンテナ等)が実装される場合がある。ここで、ICチップが供給する信号の種類によっては、ICチップと各素子とを結ぶ伝送経路の長さ(伝送距離)が複数の素子間で同一であることを要する場合がある。具体的に、各伝送経路には、再配線と、はんだバンプと、パッドと、基板内の配線等と、が含まれるため、これらの長さの合計値が素子間で同一であることを要する。
【0005】
しかし、上述した半導体パッケージにおいては、ICチップと絶縁層との間の熱膨張係数の差等に起因して、はんだづけ時(リフロー時)に反りが生じる場合がある。半導体パッケージにこのような反りが生じると、基板と半導体パッケージとの間の隙間の大きさが面内方向において一定でなくなる。このため、はんだが固まった際にはんだバンプの高さがバラつく可能性がある。この場合、素子間で伝送距離に差が生じてしまう。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされ、反りに起因する伝送距離差を抑制できる半導体パッケージおよび高周波モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の態様1に係る半導体パッケージは、ICチップと、平面視において前記ICチップを囲み、平面視における外形が長方形または正方形であるモールド樹脂と、前記ICチップおよび前記モールド樹脂の一方の面に形成された絶縁層と、前記絶縁層に形成された複数のはんだバンプと、前記絶縁層に形成され、前記ICチップを前記複数のはんだバンプに接続する複数の再配線と、を備え、前記複数のはんだバンプには、前記ICチップの高周波端子に接続されて互いに同じ種類の高周波信号が流される2つ以上4つ以下の高周波バンプが含まれ、前記2つ以上4つ以下の高周波バンプの各々は、平面視において前記モールド樹脂の中心から等距離に配置されている。
【0008】
本発明の態様1によれば、ICチップおよびモールド樹脂と絶縁層との間の熱膨張係数の差に起因して半導体パッケージが反ったとしても、高周波バンプに係る伝送距離差を抑制することができる。
【0009】
また、本発明の態様2は、態様1の半導体パッケージにおいて、前記複数の再配線のうち、前記ICチップを前記2つ以上4つ以下の高周波バンプに接続する再配線の長さは互いに等しい。
【0010】
また、本発明の態様3は、態様1または態様2の半導体パッケージにおいて、平面視における前記ICチップの外形は長方形または正方形であり、平面視において前記ICチップの中心と前記モールド樹脂の中心とが一致する。
【0011】
また、本発明の態様4は、態様1から態様3のいずれか一つの半導体パッケージにおいて、前記はんだバンプを除いた厚みが1mm以下である。
【0012】
また、本発明の態様5は、態様1から態様4のいずれか一つの半導体パッケージにおいて、前記複数のはんだバンプにおける最小ピッチは0.3mm以上である。
【0013】
また、本発明の態様6は、態様1から態様5のいずれか一つの半導体パッケージにおいて、前記2つ以上4つ以下の高周波バンプは、平面視で前記モールド樹脂と重なった位置にある。
【0014】
また、本発明の態様7は、態様1から態様6のいずれか一つの半導体パッケージにおいて、前記複数のはんだバンプには、前記ICチップのGND端子に前記再配線を介して接続される複数のGNDバンプが含まれ、前記2つ以上4つ以下の高周波バンプには、第1高周波バンプおよび第2高周波バンプが含まれ、前記複数のGNDバンプには、平面視において前記第1高周波バンプに隣接する複数の第1GNDバンプと、平面視において前記第2高周波バンプに隣接する複数の第2GNDバンプと、が含まれ、前記第1高周波バンプと前記複数の第1GNDバンプとの位置関係と、前記第2高周波バンプと前記複数の第2GNDバンプとの位置関係とは、互いに同じである。
【0015】
また、本発明の態様8は、態様7の半導体パッケージにおいて、前記複数のGNDバンプには、前記第1GNDバンプであり、かつ、前記第2GNDバンプでもあるGNDバンプが含まれる。
【0016】
また、本発明の態様9に係る高周波モジュールは、態様7または態様8の半導体パッケージと、前記半導体パッケージが実装された基板と、を備え、前記基板は、前記高周波バンプに接合される高周波パッドと、前記GNDバンプに接合されるGNDパッドと、を有し、前記基板のうち前記高周波パッドの周縁に位置する部位および前記基板のうち前記GNDパッドの周縁に位置する部位には、フラックスが付着している。
【発明の効果】
【0017】
本発明の上記態様によれば、反りに起因する伝送距離差を抑制可能な半導体パッケージおよび高周波モジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る半導体パッケージの平面図である。
図2】本発明の実施形態に係る半導体パッケージの一部分についての、厚さ方向に沿う断面の概略図である。
図3】本発明の実施形態に係る高周波モジュールの一部分についての、厚さ方向に沿う断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る半導体パッケージおよび高周波モジュールについて図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体パッケージ1を、その厚さ方向から見た図である。図2は、半導体パッケージ1の一部分についての、厚さ方向に沿った断面の概略図である。
図1および図2に示すように、半導体パッケージ1は、ICチップ10と、モールド樹脂20と、絶縁層Lと、複数の再配線50と、複数のはんだバンプBと、を備えている。図2に示すように、本実施形態に係る絶縁層Lは、第1絶縁層30および第2絶縁層40を含んでいる。半導体パッケージ1の厚さは、はんだバンプBを除いて1mm以下(例えば、500μm程度)である。
【0020】
図3に示すように、半導体パッケージ1は、高周波モジュール3を構成する部品として用いられる。高周波モジュール3は、基板2と、基板2に実装された半導体パッケージ1と、を備える。基板2は、複数のパッド(高周波パッド2s、GNDパッド2g等)を有しており、これらのパッドに対してはんだバンプB(高周波バンプBs、GNDバンプBg等。ともに後述する。)が接合される。これにより、基板2と半導体パッケージ1とが電気的に接続される。
【0021】
(方向定義)
半導体パッケージ1を厚さ方向から見ることを平面視という。半導体パッケージ1の厚さ方向は、絶縁層LとICチップ10とが対向する方向でもある。半導体パッケージ1を平面視した図を平面図という。図2図3に示すように、厚さ方向をZ軸によって表す。厚さ方向において、絶縁層L側を下側あるいは-Z側と表し、ICチップ10側を上側あるいは+Z側と表す。なお、+Z側が重力方向における上側でなくてもよい。図1は、半導体パッケージ1を-Z側から見た平面図である。
【0022】
図1に示すように、半導体パッケージ1(モールド樹脂20)の外形は、平面視において長方形である。このため、半導体パッケージ1においては、互いに直交する第1中心線Xおよび第2中心線Yを定義することができる。すなわち、半導体パッケージ1は、第1中心線Xに平行な2つの辺と、第2中心線Yに平行な2つの辺と、を有する。以下、第1中心線Xに沿う方向をX方向といい、第2中心線Yに沿う方向をY方向という場合がある。第1中心線Xと第2中心線Yとが交差する点を、半導体パッケージ1(モールド樹脂20)の平面視における中心Oと定義する。半導体パッケージ1(モールド樹脂20)の中心Oは、半導体パッケージ1(モールド樹脂20)の2つの対角線の交点でもある。なお、本明細書において文言「長方形」には、製造誤差を取り除けば長方形とみなせる場合も含まれるものとする。
【0023】
ICチップ10は、複数のアナログ回路(インダクタ等、不図示)を含んでおり、高周波信号を処理するように構成されている。本実施形態に係るICチップ10の外形は、平面視において長方形である。つまり、ICチップ10は、X方向に平行な2つの辺と、Y方向に平行な2つの辺と、を有する。ICチップ10の2つの対角線の交点を、ICチップ10の平面視における中心O´と定義する。本実施形態において、半導体パッケージ1(モールド樹脂20)の中心OとICチップ10の中心O´とは平面視において一致している。なお、本明細書において文言「一致」には、製造誤差を取り除けば一致とみなせる場合も含まれるものとする。
【0024】
モールド樹脂20は、平面視においてICチップ10を囲っている。図2に示すように、ICチップ10およびモールド樹脂20は、厚さ方向において同じ位置にある。ICチップ10とモールド樹脂20とは接している。モールド樹脂20の具体的な材質としては、例えばエポキシを採用できる。また、モールド樹脂20にシリカ等のフィラーが含まれていてもよい。
【0025】
半導体パッケージ1の製法としては、いわゆるFOWLP(Fan Out Wafer Level Package)を採用できる。具体例として、複数のICチップ10を格子状に配置し、それらのICチップ10間の隙間にモールド樹脂20を充填し、再配線50等を形成した後でモールド樹脂20を切断してもよい。このような製法によれば、一度に複数の半導体パッケージ1を効率よく得ることができる。
【0026】
図2に示すように、ICチップ10の上面(+Z側の端面)には、モールド樹脂20等を設けず、ICチップ10を剥き出しにすることが好ましい。これにより、ICチップ10の放熱性を高めることができる。あるいは、放熱性を高めるための構造物(放熱シート、放熱フィン等)をICチップ10の上面に設けてもよい。
【0027】
図2に示すように、ICチップ10の下面(-Z側の端面)には、複数の端子11が設けられている。各端子11は、例えばアルミニウム製のパッドである。複数の端子11は、機能に応じて、高周波端子11s、GND端子11g、デジタル信号端子11d、電源端子(不図示)に分類できる。高周波端子11sは、上述したアナログ回路に電気的に接続されて、高周波信号が流される端子11である。GND端子11gは、ICチップ10のGND回路(不図示)に電気的に接続されて、GND電位とされる端子11である。デジタル信号端子11dは、ICチップ10のデジタル回路(不図示)に電気的に接続されて、デジタル信号が流される端子11である。電源端子は、ICチップ10の各部に駆動電力を供給するための端子11である。
【0028】
図2に示されるように、高周波端子11sは、再配線50を介して、はんだバンプBに電気的に接続されている。図示は省略するが、他の端子11(GND端子11g、デジタル信号端子11d、電源端子)もそれぞれ、再配線50を介して、はんだバンプBに電気的に接続されている。本明細書では、高周波端子11sに接続されるはんだバンプBを「高周波バンプBs」といい、GND端子11gに接続されるはんだバンプBを「GNDバンプBg」といい、デジタル信号端子11dに接続されるはんだバンプBを「デジタルバンプBd」という。
【0029】
各はんだバンプBは、略球状である。各はんだバンプBは、絶縁層Lに形成されている。また、各はんだバンプBは、第2絶縁層40から-Z側に突出している。これらのはんだバンプBの材質としては、SAC305、SAC405等を採用できる。
【0030】
図2に示すように、ICチップ10の下面には、パッシベーション膜12が設けられている。パッシベーション膜12は、例えば窒化膜、酸化膜等であり、ICチップ10を保護する役割を有する。ただし、端子11と再配線50との接続のために、パッシベーション膜12のうち端子11と重なる部分には開口が形成されている。
【0031】
第1絶縁層30は、ICチップ10およびモールド樹脂20の-Z側に積層されている。第2絶縁層40は、第1絶縁層30の-Z側に積層されている。つまり、絶縁層Lは、ICチップ10およびモールド樹脂20の一方の面(下面)に形成されている。言い換えれば、絶縁層Lは、平面視においてICチップ10およびモールド樹脂20と重なっている。第1絶縁層30および第2絶縁層40の材質としては、例えば透明な樹脂(例えばポリイミド等)を好適に用いることができる。なお、絶縁層Lは1層構造を有していてもよいし、3層以上の構造を有していてもよい。
【0032】
再配線50は、絶縁層Lに形成されている。再配線50の材質としては、例えば銅を採用できる。再配線50は、端子接合部51と、貫通部52と、延在部53と、を有する。端子接合部51は端子11に接合されている。貫通部52は端子接合部51から-Z側に延び、厚さ方向において第1絶縁層30を貫通している。延在部53は、厚さ方向に直交する方向(面内方向)に延びており、平面視において、ICチップ10およびモールド樹脂20の境界を跨ぐように配置されている。以下、延在部53のうち、平面視においてICチップ10と重なる部分をファンイン部53Aと称し、平面視においてモールド樹脂20と重なる部分をファンアウト部53Bと称する。図2の例では、延在部53のうち、ファンアウト部53Bに、はんだバンプBが接合されている。これにより、平面視においてモールド樹脂20と重なる位置に配置されたはんだバンプB(高周波バンプBs)を、端子11(高周波端子11s)に接続することができる。ただし、再配線50の形状は適宜変更可能である。例えば、平面視においてICチップ10と重なるはんだバンプBと、端子11と、を接続する再配線50については、ファンアウト部53Bを有していなくてもよい。
【0033】
図1に示すように、本実施形態に係る半導体パッケージ1は、第1高周波バンプBs1~第6高周波バンプBs6からなる6つの高周波バンプBsを有する。また、6つの高周波バンプBsは、第1高周波バンプ群G1、第2高周波バンプ群G2、および第3高周波バンプ群G3からなる3つの群をなしている。第1高周波バンプ群G1には第1高周波バンプBs1および第2高周波バンプBs2が含まれ、第2高周波バンプ群G2には第3高周波バンプBs3および第4高周波バンプBs4が含まれ、第3高周波バンプ群G3には第5高周波バンプBs5および第6高周波バンプBs6が含まれる。
【0034】
また、各高周波バンプ群G1~G3に含まれる2つの高周波バンプBsには、互いに同じ種類の高周波信号が流される。例えば、第1高周波バンプ群G1に含まれる2つの高周波バンプBs(第1高周波バンプBs1および第2高周波バンプBs2)にはローカル信号(差動信号)が流される。第2高周波バンプ群G2に含まれる2つの高周波バンプBs(第3高周波バンプBs3および第4高周波バンプBs4)にはV偏波が流される。第3高周波バンプ群G3に含まれる2つの高周波バンプBs(第5高周波バンプBs5および第6高周波バンプBs6)にはH偏波が流される。
【0035】
ここで、本実施形態においては、同じ種類の信号が流される高周波バンプBs同士は、平面視においてモールド樹脂20の中心Oから等距離に配置されている。例えば、第1高周波バンプBs1および第2高周波バンプBs2は、第1中心線Xに関して対称に配置されることで、中心Oから等距離に配置されている。同様に、第3高周波バンプBs3および第4高周波バンプBs4は、第2中心線Yに関して対称に配置されることで、中心Oから等距離に配置されている。また、第5高周波バンプBs5および第6高周波バンプBs6は、第2中心線Yに関して対称に配置されることで、中心Oから等距離に配置されている。なお、中心Oから高周波バンプBsまでの距離は、平面視において中心Oと高周波バンプBsの中心とを結ぶ直線の長さとして定義される。また、本明細書において文言「等距離」「対称」には、製造誤差を取り除けば等距離、対称である場合も各々含まれるものとする。
【0036】
また、高周波バンプBsは、平面視において複数のGNDバンプBgによって囲まれることが好ましい。本実施形態においては、図1に示されるように、各高周波バンプBsには、平面視において3つのGNDバンプBgが隣接している。例えば、第1高周波バンプBs1には、紙面左側、紙面上側、紙面下側に一つずつGNDバンプBg(以下、第1GNDバンプBg1という)が配されている。このような配置によれば、GNDバンプBgがシールドとなり、高周波バンプBsからノイズが放射されること、あるいは、空間中のノイズが高周波バンプBsを流れる高周波信号に影響すること、を抑制できる。なお、1つの高周波バンプBsに隣接するGNDバンプBgの数は適宜変更可能である。ただし、1つの高周波バンプBsに対し3つ以上のGNDバンプBgが隣接していることが望ましい。
【0037】
また、本実施形態において、高周波バンプBsとそれに隣接する3つのGNDバンプBgとの位置関係は、全ての高周波バンプBsにおいて共通している。ここで、「高周波バンプBsとそれに隣接する3つのGNDバンプBgとの位置関係」とは、高周波バンプBsから見た各GNDバンプBgの相対位置を意味する。また、文言「位置関係が共通する」には、回転、反転、および製造誤差を取り除けば位置関係が共通するとみなせる場合も含まれるものとする。
【0038】
例えば、第2高周波バンプBs2には、第1高周波バンプBs1と同様に、紙面左側、紙面上側、紙面下側に一つずつGNDバンプBg(以下、第2GNDバンプBg2という)が配されている。第2高周波バンプBs2に対する第2GNDバンプBg2の配置は、第1高周波バンプBs1に対する第1GNDバンプBg1の配置と一致する。同様に、第4高周波バンプBs4には3つのGNDバンプBg(以下、第4GNDバンプBg4という)が隣接し、第6高周波バンプBs6には3つのGNDバンプBg(以下、第6GNDバンプBg6という)が隣接している。第4高周波バンプBs4に対する第4GNDバンプBg4の配置、および第6高周波バンプBs6に対する第6GNDバンプBg6の配置の各々は、第1高周波バンプBs1に対する第1GNDバンプBg1の配置と一致する。
【0039】
また、第3高周波バンプBs3には、紙面右側、紙面上側、紙面下側に一つずつGNDバンプBg(以下、第3GNDバンプBg3という)が配されている。第3高周波バンプBs3に対する第3GNDバンプBg3の配置は、180°回転させることで、第1高周波バンプBs1に対する第1GNDバンプBg1の配置と一致する。同様に、第5高周波バンプBs5には3つのGNDバンプBg(以下、第5GNDバンプBg5という)が隣接している。第5高周波バンプBs5に対する第5GNDバンプBg5の配置は、180°回転させることで、第1高周波バンプBs1に対する第1GNDバンプBg1の配置と一致する。
【0040】
また、本実施形態においては、第1高周波バンプBs1と第2高周波バンプBs2とは1つのGNDバンプBgを共有している。つまり、第1GNDバンプBg1であり、かつ、第2GNDバンプBg2でもあるGNDバンプBgが存在する。
【0041】
また、本実施形態において、各高周波バンプ群G1~G3に含まれる2つの高周波バンプBsとICチップ10とを接続する2つの再配線50の長さは、互いに略等しい。例えば、ICチップ10と第1高周波バンプBs1とを接続する再配線50の長さと、ICチップ10と第2高周波バンプBs2とを接続する再配線50の長さとは、互いに略等しい。なお、本明細書において文言「略等しい」には、製造誤差(10μm程度)を取り除けば等しいとみなせる場合も含まれるものとする。
【0042】
図3に示すように、基板2には、複数のビアホール2bが形成されている。ビアホール2bは、スルーホールビアであってもよい。また、ビアホール2b上に、パッド(高周波パッド2s、GNDパッド2g等)が形成されている。つまり、いわゆるパッドオンビア構造が採用されている。高周波パッド2sは高周波バンプBsに接合され、GNDパッド2gはGNDバンプBgに接合される。GNDパッド2gは、ビアホール2bを介して、基板2のGND層2dに接続されている。
【0043】
本実施形態に係る高周波パッド2sは、ビアホール2bを介して、アンテナ2c(例えばパッチアンテナ等)に接続される。本実施形態に係る高周波モジュール3は、アンテナモジュールと呼ぶこともできる。図2および図3に示すように、ICチップ10は、再配線50、はんだバンプB(高周波バンプBs)、高周波パッド2s、およびビアホール2bを介して、アンテナ2cに高周波信号を供給する。言い換えれば、ICチップ10とアンテナ2cとを結ぶ伝送経路には、再配線50と、高周波バンプBsと、高周波パッド2sと、ビアホール2bと、が含まれる。基板2の材質は、例えば、PPE(変性ポリフェニレンエーテル)等の高周波用材料であってもよい。
【0044】
また、本実施形態に係る半導体パッケージ1は、基板2に対してSMT(Surface Mount Technology)によって実装されていてもよい。この場合、複数のはんだバンプBにおける最小ピッチは、0.3mm以上であることが好ましい。「ピッチ」とは、隣り合うはんだバンプBの中心間の距離である。「はんだバンプBにおける最小ピッチ」とは、はんだバンプB間のピッチの最小値である。最小ピッチを0.3mm以上とすることにより、基板2における高周波パッド2s、GNDパッド2g等の形成を安定化させるとともに、SMTにおける位置合わせの精度を高めることができる。また、最小ピッチを大きくすることで、基板2の設計の難易度を下げてコストダウンを図ることができる。なお、最小ピッチは0.4mm以上であることがより好ましい。この場合、SMTによる実装の難易度をより下げ、また、基板2の設計コストをより抑えることができる。
【0045】
より具体的に、本実施形態に係る半導体パッケージ1は、基板2に対して次のような方法で実装されてもよい。まず、フラックスFと粒子状のはんだとが混合されたペーストをパッド2g、2s上に塗布する塗布工程が行われる。次に、パッド2g、2sが上方を向くよう基板2を配置し、パッド2g、2sとバンプBg、Bsとが各々接触するよう半導体パッケージ1を基板2の上に載置する載置工程が行われる。次に、半導体パッケージ1および基板2を加熱(リフロー)し、バンプBg、Bsとペースト内のはんだ粒子とを溶融させて一体化させる加熱工程(リフロー工程)が行われる。最後に、半導体パッケージ1および基板2を冷却してはんだを固体化し、パッド2g、2sとバンプBg、Bsとを各々接合する冷却工程が行われる。これらの工程により、半導体パッケージ1が基板2に実装され、図3に示すような高周波モジュール3が得られる。
【0046】
ここで、上記冷却工程においては、図3に示すように、フラックスFが、バンプBg、Bsの周縁に残留して基板2に付着する。一般に、フラックスFは誘電材料であるため、基板2に付着したフラックスFは、高周波バンプBsを流れる高周波信号の特性に影響を与える。そこで、本実施形態に係る半導体パッケージ1においては、上述したように、全ての高周波バンプBsについて、高周波バンプBsとそれを囲むGNDバンプBgとの位置関係が共通している。このため、全ての高周波バンプBsについて、高周波バンプBsの周辺に付着するフラックスFの形状を同一にすることができる。これにより、フラックスFが高周波信号に与える影響を高周波バンプBsの間で均し、高周波特性のばらつきの増大を抑制することができる。以上の理由から、本実施形態に係る高周波モジュール3においては、高周波信号への悪影響を抑えつつ、基板2の表面からフラックスFを除去する洗浄工程を省略することができる。これにより、作業コストを低減することができる。
【0047】
また、上記工程完了時、各高周波バンプ群G1~G3に属する2つの高周波バンプBsに対応する2つの伝送経路の長さは、互いに略等しくなっている。例えば、ICチップ10から第3高周波バンプBs3を通ってアンテナ2cまで延びる伝送経路の長さと、ICチップ10から第4高周波バンプBs4を通ってアンテナ2cまで延びる伝送経路の長さとは、互いに略等しくなっている。以下、このように伝送距離が略等しくなる原理について説明する。ただし、説明を容易とするため、第3高周波バンプBs3に係る伝送経路と第4高周波バンプBs4に係る伝送経路とを代表させ、これらの長さが略等しくなる原理について説明を行う。
【0048】
上述したように、ICチップ10と第3高周波バンプBs3とを結ぶ再配線50と、モールド樹脂20と第4高周波バンプBs4とを結ぶ再配線50とは、互いに同じ長さを有する。また、基板2に形成されるビアホール2bの長さおよび高周波パッド2sの厚みは一定であるとみなせる。このため、2つの伝送経路の長さを等しくすることは、高周波バンプBs3、Bs4の大きさ(高さ)を等しくすることと同義であるといえる。
【0049】
高周波モジュール3完成時における高周波バンプBs3、Bs4の高さは、上述した冷却工程直前における半導体パッケージ1と基板2との間の間隔に依存する。つまり、半導体パッケージ1と基板2との間隔が狭ければ高周波バンプBs3、Bs4の高さは小さくなり、当該間隔が広ければ高周波バンプBs3、Bs4の高さは大きくなる。したがって、理想的には、冷却工程直前において、半導体パッケージ1と基板2との間隔が、半導体パッケージ1の全体にわたって一定であることが望ましい。しかし、ICチップ10およびモールド樹脂20と、絶縁層Lと、の間には熱膨張係数の差があるため、加熱工程において、半導体パッケージ1には反りが生じる。このため、半導体パッケージ1と基板2との間隔は面内方向において不均一になりやすい。
【0050】
そこで、本実施形態に係る半導体パッケージ1においては、第3高周波バンプBs3および第4高周波バンプBs4が、平面視において半導体パッケージ1の中心Oから等距離に配されている。加熱工程において、半導体パッケージ1は中心Oについて対称的に反ると考えられる。このため、半導体パッケージ1に反りが生じたとしても、第3高周波バンプBs3の位置における半導体パッケージ1と基板2との間隔と、第4高周波バンプBs4の位置における半導体パッケージ1と基板2との間隔と、の差を抑制することができる。したがって、第3高周波バンプBs3の大きさ(高さ)と第4高周波バンプBs4の大きさ(高さ)との差を抑制し、第3高周波バンプBs3に係る伝送経路の長さと第4高周波バンプBs4に係る伝送経路の長さとの差を抑制することができる。同様の原理により、第5高周波バンプBs5に係る伝送経路の長さと第6高周波バンプBs6に係る伝送経路の長さとの差を抑制することができる。また、第1高周波バンプBs1および第2高周波バンプBs2はローカル信号(差動信号)の伝送経路を構成する高周波バンプBsであるが、同様の原理により、第1高周波バンプBs1に係る伝送経路の長さと第2高周波バンプBs2に係る伝送経路の長さとの差を抑制できる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係る半導体パッケージ1は、ICチップ10と、平面視においてICチップ10を囲み、平面視における外形が長方形であるモールド樹脂20と、ICチップ10およびモールド樹脂20の一方の面に形成された絶縁層Lと、絶縁層Lに形成された複数のはんだバンプBと、絶縁層Lに形成され、ICチップ10を複数のはんだバンプBに接続する複数の再配線50と、を備え、複数のはんだバンプBには、ICチップ10の高周波端子11sに接続されて互いに同じ種類の高周波信号が流される2つの高周波バンプBs1、Bs2が含まれ、各高周波バンプBs1、Bs2は、平面視においてモールド樹脂20の中心Oから等距離に配置されている。
【0052】
この構成により、ICチップ10およびモールド樹脂20と絶縁層Lとの間の熱膨張係数の差に起因して半導体パッケージ1が反ったとしても、高周波バンプBsに係る伝送距離差を抑制することができる。
【0053】
また、平面視におけるICチップ10の外形は長方形であり、平面視においてICチップ10の中心O´とモールド樹脂20の中心Oとが一致する。この構成により、半導体パッケージ1の反りの対称性を高め、より確実に伝送距離差を抑制することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る半導体パッケージ1は、はんだバンプBを除いた厚みが1mm以下であってもよい。このように半導体パッケージ1の厚みが小さい場合、半導体パッケージ1は反りやすくなるが、半導体パッケージ1が上記の特徴を有することにより、伝送距離差を効果的に抑制することができる。
【0055】
また、複数のはんだバンプBにおける最小ピッチは0.3mm以上であってもよい。この構成によれば、基板2におけるパッドの形成を安定化させるとともに、SMTにおける位置合わせの精度を高めることができる。また、最小ピッチを大きくすることで、基板2の設計の難易度を下げてコストダウンを図ることができる。
【0056】
また、複数のはんだバンプBには、ICチップ10のGND端子11gに再配線50を介して接続される複数のGNDバンプBgが含まれ、2つの高周波バンプBsには、第1高周波バンプBs1および第2高周波バンプBs2が含まれ、複数のGNDバンプBgには、平面視において第1高周波バンプBs1に隣接する複数の第1GNDバンプBg1と、平面視において第2高周波バンプBs2に隣接する複数の第2GNDバンプBg2と、が含まれ、第1高周波バンプBs1と複数の第1GNDバンプBg1との位置関係と、第2高周波バンプBs2と複数の第2GNDバンプBg2との位置関係とは、互いに同じであってもよい。この構成を有する半導体パッケージ1を基板2に実装して高周波モジュール3を製造することにより、各高周波バンプBs1、Bs2の周辺に付着するフラックスFの形状を同一にすることができる。これにより、フラックスFが高周波信号に与える影響を高周波バンプBsの間で均し、高周波特性のばらつきの増大を抑制することができる。
【0057】
また、複数のGNDバンプBgには、第1GNDバンプBg1であり、かつ、第2GNDバンプBg2でもあるGNDバンプBgが含まれていてもよい。この構成によれば、半導体パッケージ1の小型化を実現しやすくなる。
【0058】
また、本実施形態に係る高周波モジュール3は、上記した半導体パッケージ1と、半導体パッケージ1が実装された基板2と、を備え、基板2は、高周波バンプBsに接合される高周波パッド2sと、GNDバンプBgに接合されるGNDパッド2gと、を有し、基板2のうち高周波パッド2sの周縁に位置する部位および基板2のうちGNDパッド2gの周縁に位置する部位には、フラックスFが付着している。この構成により、各高周波バンプBs1、Bs2の周辺に付着するフラックスFの形状を同一にすることができる。これにより、フラックスFが高周波信号に与える影響を高周波バンプBsの間で均し、高周波特性のばらつき増大を抑制することができる。
【0059】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0060】
例えば、モールド樹脂20の外形は、平面視において正方形であってもよい。同様に、ICチップ10の外形は、平面視において正方形であってもよい。つまり、ICチップ10およびモールド樹脂20の外形は、各々矩形であればよい。なお、本明細書において文言「正方形」には、製造誤差を取り除けば正方形とみなせる場合も含まれるものとする。
【0061】
また、各高周波バンプ群G1~G3が含む高周波バンプBsの数は3つまたは4つであってもよい。言い換えれば、互いの同じ種類の高周波信号が流される高周波バンプBsが3つまたは4つ存在してもよい。この場合においても、各高周波バンプ群G1~G3において高周波バンプBsとモールド樹脂20の中心Oとを等距離とすることにより、前記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、高周波バンプ群の数も適宜変更可能である。
【0062】
また、前記実施形態では、全ての高周波バンプBsにおいて高周波バンプBsとGNDバンプBgとの位置関係が同じであると説明したが、高周波バンプBsとGNDバンプBgとの位置関係はこれに限られない。例えば、異なる機能を有する(例えば、LO信号が流される)一部の高周波バンプ群におけるバンプBs、Bg間の位置関係が、他の高周波バンプ群におけるバンプBs,Bg間の位置関係と異なっていてもよい。
【0063】
また、前記実施形態においては第1高周波バンプBs1と第2高周波バンプBs2とがGNDバンプBgを共有していたが、第3高周波バンプBs3と第4高周波バンプBs4とがGNDバンプBgを共有するように各高周波バンプBs1~Bs6が配置されていてもよい。あるいは、第5高周波バンプBs5と第6高周波バンプBs6とがGNDバンプBgを共有するように各高周波バンプBs1~Bs6が配置されていてもよい。
【0064】
また、ICチップ10からアンテナ2cまでの伝送距離を一定にすることができれば、再配線50の長さは異なっていてもよい。
【0065】
また、平面視においてモールド樹脂20の中心OとICチップ10の中心O´とは一致していなくてもよい。
【0066】
また、半導体パッケージ1と基板2との間にアンダーフィルが塗布されてもよい。アンダーフィルは、エポキシやシリカ等のフィラーを含有していてもよい。この場合、ICチップ10とモールド樹脂20との接続の機械的強度を高めることができる。
【0067】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…半導体パッケージ 2…基板 2s…高周波パッド 2g…GNDパッド 3…高周波モジュール 10…ICチップ 11s…高周波端子 11g…GND端子 20…モールド樹脂 50…再配線 B…はんだバンプ Bs…高周波バンプ Bs1…第1高周波バンプ Bs2…第2高周波バンプ Bg…GNDバンプ Bg1…第1GNDバンプ Bg2…第2GNDバンプ L…絶縁層 O…モールド樹脂の中心 O´…ICチップの中心 F…フラックス
【要約】
【課題】反りに起因する伝送距離差を抑制できる半導体パッケージおよび高周波モジュールを提供する。
【解決手段】半導体パッケージは、ICチップと、平面視において前記ICチップを囲み、平面視における外形が長方形または正方形であるモールド樹脂と、前記ICチップおよび前記モールド樹脂の一方の面に形成された絶縁層と、前記絶縁層に形成された複数のはんだバンプと、前記絶縁層に形成され、前記ICチップを前記複数のはんだバンプに接続する複数の再配線と、を備え、前記複数のはんだバンプには、前記ICチップの高周波端子に接続されて互いに同じ種類の高周波信号が流される複数の高周波バンプが含まれ、前記複数の高周波バンプの各々は、平面視において前記モールド樹脂の中心から等距離に配置されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3