(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】呼吸測定装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/087 20060101AFI20230323BHJP
【FI】
A61B5/087
(21)【出願番号】P 2021563393
(86)(22)【出願日】2020-04-14
(86)【国際出願番号】 KR2020005016
(87)【国際公開番号】W WO2020231019
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-10-22
(31)【優先権主張番号】10-2019-0054708
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521465131
【氏名又は名称】ブリーシングス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BREATHINGS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】815-ho,200,Gieopdosi-ro,Jijeong-myeon Wonju-si Gangwon-do 26354,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】李 仁 杓
(72)【発明者】
【氏名】尹 技 相
(72)【発明者】
【氏名】宋 昌 浩
【審査官】高松 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-508577(JP,A)
【文献】特表2012-519017(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0105404(KR,A)
【文献】国際公開第2018/073343(WO,A1)
【文献】特表2017-525512(JP,A)
【文献】特表2018-528803(JP,A)
【文献】特表2000-501626(JP,A)
【文献】特表2000-510754(JP,A)
【文献】特表2020-528796(JP,A)
【文献】特開平10-94533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の呼吸によって発生する空気が流入して移動するように内部に空気流路が形成され
、上部の一部が除去されることにより前記空気流路の一部が開口して形成される開口部が設けられる第1本体と、
前記空気流路を移動する空気の圧力を測定する呼吸測定ユニットを含み、前記第1本体に着脱可能に形成され、前記第1本体に形成された前記開口部を閉鎖するように設けられる第2本体と、
前記空気流路の流入側に着脱可能に結合されるマウスピースと、を含
み、
前記第1本体及び第2本体の分離によって、第1本体を洗浄して前記空気流路の内部異物を手軽く除去することができる呼吸測定装置であって、
前記呼吸測定ユニットは、
前記空気流路の開口部に対応して形成され、前記第1本体と第2本体の結合によって前記空気流路の開口部を閉鎖するように設けられる呼吸測定センサーモジュールと、
前記呼吸測定センサーモジュールから前記空気流路の内部の中心側に延設される第1差圧生成ブロックと、を含み、該第1差圧生成ブロックは、所定の厚さ及び高さを有する部材であり、前記呼吸測定センサーモジュールの中心部に配置され、
さらに、
前記空気流路の内面に配置され、前記空気流路の内面から前記空気流路の内部の中心側に延び、前記第1差圧生成ブロックに対応して向き合うように配置される第2差圧生成ブロックを含み、該第2差圧生成ブロックは、前記第1差圧生成ブロックに対応する所定の厚さ及び高さを有する部材として形成され、
前記第1差圧生成ブロック及び前記第2差圧生成ブロックは、前記呼吸測定センサーモジュールのセンシング感度を高めるための前記空気流路の内部のオリフィスの代替となる、
ことを特徴とする、呼吸測定装置。
【請求項2】
前記呼吸測定センサーモジュールは、
前記呼吸測定センサーモジュールの内部を貫通するように形成され、入口及び出口が前記第1差圧生成ブロックの両側にそれぞれ形成されるセンシング流路と、
前記センシング流路の入口及び出口の圧力差を感知する感知部と、を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の呼吸測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は呼吸測定装置に関し、より詳しくは呼吸測定装置を小型化して家庭や病院だけではなく、いつでもどこでも被検者の呼吸量を測定することができ、呼吸気流を測定するセンサーと呼吸気流が移動する空気流路とを別に構成して着脱可能に構成することにより、センサー及び空気流路に生成された異物を手軽く洗浄して除去することができる呼吸測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、呼吸量の検査に使われる測定装置は2方式に分類される。第1方式は肺の膨張及び収縮による変化、すなわち肺容積の変化を量的に測定する方式で、所定の様式にしたがって被検者が呼吸するうちに肺容積の変化を直接測定する方式である。第2方式は被検者が息をするうちに肺の内外に流動する空気の流れを感知及び測定して呼吸量を測定する方式である。
【0003】
従来には、呼吸量測定方式として、第1方式である肺容積の変化を直接測定する方式が主に使われていたが、使われる検査装置の構造が複雑であり、移動による使用不便の問題点があるから、近来には被検者の呼吸による気流を測定する方式及び装置が主に用いられている。
【0004】
しかし、前述した気流を測定する呼吸測定装置は、概して内部形態が複雑であり、サイズが非常に大きくて携帯が不可能であり、家庭や病院のみで使われる問題点がある。
【0005】
最近には、黄砂、重金属、粒子状物質による大気汚染が急増しており、このような環境で赤子、幼児や老弱者は呼吸器疾患に非常に脆弱であるので、呼吸量測定によって呼吸器の健康状態を持続的に点検することが非常に重要である。
【0006】
しかし、病院や家庭を脱する環境では早くて簡便で正確に被検者の呼吸量を測定することがほとんど不可能であって問題点として指摘されている。
【0007】
また、従来の呼吸測定装置は呼吸気流を測定するセンサーと呼吸気流が移動する空気流路が一体型に形成されているので、洗浄が困り、前記センサーと空気流路に生成された異物を除去しにくい問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記のような問題点を解決するためのものであり、本発明の目的は、呼吸測定装置を小型化して家庭や病院だけではなく、いつでもどこでも被検者の呼吸量を測定することができ、呼吸気流を測定するセンサーと呼吸気流が移動する空気流路を別に構成して着脱可能にすることにより、センサー及び空気流路に生成された異物を手軽く洗浄して除去することができる呼吸測定装置を提供することである。また、構造をより単純化しながらもセンシング感度を高めることができる呼吸測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的は、本発明によって、使用者の呼吸によって発生する空気が流入して移動するように内部に空気流路が形成され、上部の一部が除去されることにより前記空気流路の一部が開口して形成される開口部が設けられる第1本体と、前記空気流路を移動する空気の圧力を測定する呼吸測定ユニットを含み、前記第1本体に着脱可能に形成され、前記第1本体に形成された前記開口部を閉鎖するように設けられる第2本体と、前記空気流路の流入側に着脱可能に結合されるマウスピースとによって達成され、前記第1本体及び第2本体の分離によって、第1本体を洗浄して前記空気流路の内部異物を手軽く除去することができる。
【0010】
ここで、前記呼吸測定ユニットは、前記空気流路の開口部に対応して形成され、前記第1本体と第2本体の結合によって前記空気流路の開口部を閉鎖するように設けられる呼吸測定センサーモジュールと、 前記呼吸測定センサーモジュールから前記空気流路の内部の中心側に延設される第1差圧生成ブロックと、を含み、該第1差圧生成ブロックは、所定の厚さ及び高さを有する部材であり、前記呼吸測定センサーモジュールの中心部に配置される。
【0011】
また、前記空気流路の内面に配置され、前記空気流路の内面から前記空気流路の内部の中心側に延び、前記第1差圧生成ブロックに対応して向き合うように配置される第2差圧生成ブロックを含み、該第2差圧生成ブロックは、前記第1差圧生成ブロックに対応する所定の厚さ及び高さを有する部材として形成され、前記第1差圧生成ブロック及び前記第2差圧生成ブロックは、前記呼吸測定センサーモジュールのセンシング感度を高めるための前記空気流路の内部のオリフィスの代替となる、
【0012】
一方、前記呼吸測定センサーモジュールは、前記呼吸測定センサーモジュールの内部を貫通するように形成され、入口及び出口が前記第1差圧生成ブロックの両側にそれぞれ形成されるセンシング流路と、前記センシング流路の入口及び出口の圧力差を感知する感知部とを含むことができる。
【0013】
前記呼吸測定装置は、前記マウスピースと前記空気流路の流入側との間に設けられるマウスピース結合部材をさらに含み、前記マウスピース結合部材には金属体が形成され、前記マウスピースには前記金属体と着脱可能に結合される磁性体が形成されることができる。
【0014】
また、前記マウスピース結合部材に設けられ、前記空気流路の流入側から流入する汚染物を濾すように設けられるフィルターをさらに含むことができる、
【0015】
前記空気流路の流入側と前記マウスピース結合部材との間に配置され、回転によって前記空気流路の内部に流入する呼吸気の圧力を調節する呼吸圧力調節ユニットをさらに含むことができる。
【0016】
前記呼吸圧力調節ユニットは、中心部に回転軸が形成されて回転可能に設けられる回転部材と、前記回転部材を貫通するように形成され、前記回転軸を中心に放射状に形成される複数の圧力調節孔とを含むことができる。
【0017】
前記複数の圧力調節孔はその断面積が互いに異なるように形成されることができる。
【発明の効果】
【0018】
これにより、本発明は、呼吸測定装置を小型化して家庭や病院だけではなく、いつでもどこでも被検者の呼吸量を測定することができ、呼吸気流を測定するセンサーと呼吸気流が移動する空気流路とを別に構成して着脱可能にすることにより、センサー及び空気流路に生成された異物を手軽く洗浄して除去することができる効果がある。また、一つ以上の差圧生成ブロックを空気流路の内部に形成することにより、構造をより単純化しながらもセンシング感度を高めることができる効果がある。呼吸圧力調節ユニットによって空気流路に流入する呼吸気の圧力を調節することにより、使用者が呼吸運動の際に使用者の健康状態に合う呼吸気圧力を提供することができるので、個別使用者の呼吸運動効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】本発明による呼吸測定装置の第1本体を示す平面図である。
【
図6】本発明による呼吸測定装置の呼吸測定ユニットを示す図である。
【
図7】本発明による呼吸測定装置の呼吸圧力調節ユニットを示す図である。
【
図8】本発明による呼吸測定装置のマウスピースを示す図である。
【
図9】本発明による呼吸測定装置のフィルターを示す図である。
【
図10】本発明による呼吸測定装置の呼吸量測定原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で開示している本発明の概念による実施例についての特定の構造的又は機能的説明はただ本発明の概念による実施例を説明するための目的で例示するものであり、本発明の概念による実施例は多様な形態に実施することができ、この明細書で説明する実施例に限定されない。
【0021】
本発明の概念による実施例は多様な変更を加えることができ、さまざまな形態を有することができるが、特定の実施例を図面に例示しこの明細書に詳細に説明しようとする。しかし、これは本発明の概念による実施例を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物又は代替物を含む。
【0022】
“第1”、“第2”などの用語は多様な構成要素を説明するのに使えるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一構成要素を他の構成要素と区別する目的のみで、例えば本発明の概念による権利範囲から逸脱しない範疇内で、第1構成要素は第2構成要素と名付けることができ、同様に第2構成要素は第1構成要素とも名付けることができる。
【0023】
ある構成要素が他の構成要素に“連結されている”又は“接続されている”と言及するときには、その他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されていることもできるが、中間にさらに他の構成要素が存在することもできると理解されなければならない。一方、ある構成要素が他の構成要素に“直接連結されている”又は“直接接続されている”と言及するときには、中間にさらに他の構成要素が存在しないと理解されなければならない。構成要素間の関係を説明する表現、例えば“~の間に”と“すぐ~の間に”又は“~に隣合う”と“~に直接隣合う”なども同様に解釈されなければならない。
【0024】
この明細書で使用する用語は単に特定の実施例を説明するために使用するものであり、本発明を限定しようとするものではない。単数の表現は、文脈上明白に他に指示しない限り、複数の表現を含む。この明細書で、“含む”又は“有する”などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0025】
他に定義しない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで使う全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。一般的に使われる辞書に定義されているもののような用語は関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならなく、この明細書で明白に定義しない限り、理想的に又は過度に形式的な意味と解釈されない。
【0026】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例による呼吸測定装置について説明する。
【0027】
本発明による呼吸測定装置は、
図1から
図4に示すように、使用者の呼吸によって発生する空気が流入して移動するように内部に空気流路110が形成され、空気流路110の一部が開口して形成された開口部120が設けられる第1本体100、前記第1本体100に着脱可能に形成され、前記第1本体に形成される開口部120を閉鎖するように設けられる第2本体200、空気流路110を移動する空気の圧力を測定する呼吸測定ユニット300、空気流路110の流入側111に設けられるマウスピース結合部材400、及びマウスピース結合部材400に着脱可能に結合されるマウスピース500を含む。
【0028】
まず、第1本体100は内部に中空の空気流路110が形成された部材であり、一側(
図1の左側、空気流入側)及び他側(
図1の右側、空気排出側)が開放して空気流路110が外部と連通するように形成される。そして、第1本体100の上部の一部が除去されて開口部120が形成され、空気流路110の上部の一部が開放するように形成される。
【0029】
そして、第2本体200は第1本体100の長さに対応する長さを有するように形成され、その下部が第1本体100に着脱可能に結合される。
【0030】
一方、呼吸測定ユニット300は、
図4から
図6に示すように、前記空気流路の開口部に対応するように形成され、前記第1本体と第2本体の結合によって前記空気流路の開口部を閉鎖するように設けられる呼吸測定センサーモジュール310、前記呼吸測定センサーモジュール310から前記空気流路の内部中心側に延設される第1差圧生成ブロック320、及び前記空気流路の内面に配置され、前記空気流路の内面から前記空気流路の内部中心側に延び、前記第1差圧生成ブロックに対応して向き合うように配置される第2差圧生成ブロック330を含む。
【0031】
呼吸測定センサーモジュール310は第1本体100の開口部120に対応して形成される部材であり、第1本体100及び第2本体200が結合されるとき、呼吸測定センサーモジュール310が開口部120を閉鎖するようになる。すなわち、第1本体100及び第2本体200の結合によって呼吸測定センサーモジュール310が開口部120を覆って空気流路110を密閉させる。前記のように、第1本体100及び第2本体200が完全に分離されるように形成され、第1本体100及び第2本体200の分離によって空気流路110の一部が開放することができるので、第1本体を洗浄して空気流路110の内部異物を手軽く除去することができる。ここで、呼吸測定センサーモジュール310の下端面は前記空気流路110の上部外面とともに一直線上に位置するように配置される。
【0032】
そして、第1差圧生成ブロック320は所定の厚さ及び高さを有する部材であり、呼吸測定センサーモジュール310の中心部に配置され、前述した第1差圧生成ブロック320は呼吸測定センサーモジュール310の表面から空気流路110の内部中心側に突出するように形成される。
【0033】
前記呼吸測定センサーモジュール310は、前記呼吸測定センサーモジュール310の内部を貫通するように形成され、入口及び出口が前記第1差圧生成ブロックの両側にそれぞれ形成されるセンシング流路、及び圧力差を感知する感知部を含むことができる。より具体的に、前述した呼吸測定センサーモジュール310の内部には空気流路を通過する空気の圧力を測定するためのセンシング流路311が形成され、センシング流路311の入口及び出口は空気の流動方向において第1差圧生成ブロック320を挟んで両側にそれぞれ形成される。そして、センシング流路311の内部には感知部312が配置される。感知部312は差圧センサーであり、センシング流路311の入口側及び出口側の圧力差を感知し、これに基づいて呼吸量を計算することができる。
【0034】
呼吸測定センサーモジュール310は回路基板340に設けられ、回路基板340は第2本体200の内部に搭載される。呼吸測定センサーモジュール310は、第2本体と第1本体が結合するとき、呼吸測定センサーモジュール310が第1本体の開口部120を閉鎖するように、第2本体に露出されるように設けられる(
図4及び
図5参照)。
【0035】
また、第2差圧生成ブロック330は第1差圧生成ブロック320に対応する所定の厚さ及び高さを有する部材として形成され、空気流路110の内面上に配置される。ここで、第2差圧生成ブロック330は第1差圧生成ブロック320と向き合うように配置される。
【0036】
そして、本発明の呼吸測定ユニット300は、第3差圧生成ブロック350及び第4差圧生成ブロック360をさらに含むことができる。前述した第3差圧生成ブロック350及び第4差圧生成ブロック360は、
図5に示すように、空気流路110の両側にそれぞれ形成されることもできる。
【0037】
第1から第4差圧生成ブロックは所定の厚さ及び高さを有する形状の部材であり、本発明では四角形部材として構成したが、必ずしも四角形ではなければならないものではなく、後述するように所定の厚さ及び高さで差圧を生成することができれば、形状は多様に構成することができる。
【0038】
前記のように構成される呼吸測定ユニット300で使用者の呼吸を測定する。
【0039】
以下では、本発明の呼吸測定ユニット300が使用者の呼吸量を測定する原理について詳細に説明する。
【0040】
図10は一般的な流路の内部にオリフィス管を設け、その圧力変化を示す図である。
【0041】
図10を参照すると、オリフィス管の上流断面aと流れが絞られた断面bとの間にはベルヌーイ方程式と連続方程式が成り立つ。
【数1】
【数2】
(V:平均流速、P:圧力、ρ:流体の密度)
オリフィス管を通過する体積流量Qと差圧(P
1-P
2)との関係は次の通りである。
【数3】
【数4】
【0042】
したがって、P1とP2を知れば流量Qを求めることができる。
【0043】
本発明は第1差圧生成ブロック320及び第2差圧生成ブロック330が上述した測定原理のオリフィス管を代替するものであるので、呼吸測定センサーモジュール310のセンシング流路311の内部に位置する感知部312の感知結果によってP1とP2を求めることができる。
【0044】
前記のように求めたP1及びP2を前記式に代入すれば、使用者の呼吸量を測定することができる。
【0045】
一方、第1本体とマウスピースとの間にはマウスピース結合部材400が設けられることができる。マウスピース結合部材400は所定の厚さを有するプレートからなり、前記第1本体の空気流路110の流入側111に設けられてマウスピースと結合される。ここで、マウスピース結合部材400の一側にはマウスピース500と結合するための金属体410が形成され、空気流路110の流入側111と連通するようにフィルター420が設けられる(
図9参照)。前述したフィルター420は一般的な金属網、プレフィルターなどからなり、空気流路110の流入側111からの異物を濾すように設けられる。マウスピース結合部材400は第1本体とは別個の構成要素として存在することができるが、必要に応じて第1本体と一体に形成されることもできる。
【0046】
マウスピース500は、
図8に示すように、使用者が口で噛んで息を吹き入れるように空気流路110と連結される呼吸孔520が形成された部材であり、一側に磁性体510が設けられ、マウスピース結合部材400の金属体410と着脱可能に結合される。前記のように、マウスピース500が着脱可能に結合されるので、呼吸孔520の内部及びフィルター420を手軽く掃除することができる。ここで、磁性体と金属体はマウスピース結合部材とマウスピースに対応するように配置されることができる。
【0047】
一方、呼吸測定装置は、必要に応じて、流入する呼吸気圧力を調節するために呼吸圧力調節ユニット600をさらに含むことができる。
【0048】
呼吸圧力調節ユニット600は、
図7に示すように、回転部材610、回転軸620及び複数の圧力調節孔630を含む。
【0049】
回転部材610は所定の厚さを有する円形プレートからなり、空気流路110の流入側111とマウスピース結合部材400との間に配置されることができる。ここで、回転部材610の中心部には回転軸620が形成され、回転軸620によって回転部材610が回転可能に設けられる。
【0050】
圧力調節孔630は回転部材610を貫通するように形成されるホールであり、複数個が回転軸620を中心に放射状に形成される。ここで、それぞれの圧力調節孔630はその断面積が互いに異なるように形成される。
【0051】
前記のように構成される呼吸圧力調節ユニット600は、回転部材610の回転によって互いに異なる圧力調節孔630が空気流路110と連通し、それぞれの圧力調節孔630の断面積によって空気流路110に流入する呼吸気の圧力を調節する。
【0052】
上述したように構成される本発明による呼吸測定装置は、呼吸測定装置を小型化して家庭や病院だけではなく、いつでもどこでも被検者の呼吸量を測定することができ、呼吸気流を測定する呼吸測定センサーモジュール310と呼吸気流が移動する空気流路110を別に構成し、着脱可能に構成することにより、呼吸測定センサーモジュール310及び空気流路110に生成された異物を手軽く洗浄して除去することができる効果がある。特に、使用者の呼吸が直接通過する第1本体が分離可能に構成されることにより、洗浄が非常に容易になり、第2本体の呼吸測定センサーモジュールが感知部と一体型に形成されることにより、着脱が繰り返されてもセンシング誤差がほとんど発生しない特有の効果がある。
【0053】
また、既存のオリフィス管を代替するように一つ以上の差圧生成ブロックが空気流路の内部に形成されることにより、構造をより単純化しながらもセンシング感度を高めることができる効果がある。
【0054】
一方、呼吸圧力調節ユニット600は、それぞれの圧力調節孔630の断面積によって空気流路110に流入する呼吸気の圧力を調節することができるので、使用者が呼吸運動の際に使用者の健康状態に合う呼吸気圧力を提供することができ、個々の使用者の呼吸運動効果を高めることができる。
【0055】
以上で本発明による呼吸測定装置の好適な実施例について説明した。
【0056】
前述した実施例は全ての面で例示的なもので、限定的なものではないことを理解しなければならなく、本発明の範囲は前述した詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって決定される。そして、この特許請求の範囲の意味及び範囲はもちろんのこと、その等価概念から導出される全ての変更及び変形可能な形態が本発明の範疇に属するものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0057】
100 第1本体
110 空気流路
120 開口部
200 第2本体
300 呼吸測定ユニット
310 呼吸測定センサーモジュール
311 センシング流路
312 感知部
320 第1差圧生成ブロック
330 第2差圧生成ブロック
340 基板
350 第3差圧生成ブロック
360 第4差圧生成ブロック
400 マウスピース結合部材
410 金属体
420 フィルター
500 マウスピース
510 磁性体
520 呼吸孔
600 呼吸圧力調節ユニット
610 回転部材
620 回転軸
630 圧力調節孔