(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】契約取引装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/04 20120101AFI20230323BHJP
【FI】
G06Q40/04
(21)【出願番号】P 2022529536
(86)(22)【出願日】2021-10-11
(86)【国際出願番号】 CN2021123151
(87)【国際公開番号】W WO2022078303
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】202011104069.0
(32)【優先日】2020-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011457356.X
(32)【優先日】2020-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110132451.0
(32)【優先日】2021-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522198597
【氏名又は名称】▲張▼大成
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼大成
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼▲潔▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼超
(72)【発明者】
【氏名】侯典▲傑▼
(72)【発明者】
【氏名】汪欣
(72)【発明者】
【氏名】郭子▲気▼
(72)【発明者】
【氏名】梁▲堯▼
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/044471(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第110555775(CN,A)
【文献】Balancer,月刊暗号資産,J-CAM,2020年09月18日,Vol.3 No.11,pp.64-65
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
契約対象マネージャ、証拠金決定器、取引エンジン、ユーザポジション保有調整プロセッサー、取引データメモリ、及びポジションクロージングプロセッサーを含み、
前記契約対象マネージャは、第1の資産Aと第2の資産Bとの間の契約為替レートPhを管理するために使用され、
前記証拠金決定器は、取引ユーザが利用可能な資産の1つを取引証拠金として選択するために使用され、
前記取引エンジンは、前記契約為替レートPhに関する取引ユーザの取引命令を受信した後に取引を実行するために使用され、
前記ユーザポジション保有調整プロセッサーは、前記契約為替レートPhの変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産Aに換算された数が契約為替レートPhと負の相関を持ち、第2の資産Bに換算された数が契約為替レートPhと正の相関を持つように構成され、
前記取引データメモリは、取引ユーザの基本情報を格納するために使用され、
前記ポジションクロージングプロセッサーは、プリセット清算価格に達した取引ユーザに対して強制ポジションクロージング命令を送信するために使用される
ことを特徴とする契約取引装置。
【請求項2】
スポットマーケットプロセッサーをさらに含み、前記スポットマーケットプロセッサーは、スポットマーケットサーバゲートウェイへの照会要求を送信して、第1の資産Aと第2の資産Bのスポット価格、又は第1の資産Aと第2の資産Bとの間のスポット為替レートPxを取得できるように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の契約取引装置。
【請求項3】
前記取引ユーザの契約ポジション保有量が証拠金の対応する種類に換算された数は、前記取引ユーザの証拠金の数よりも大きい
ことを特徴とする請求項1に記載の契約取引装置。
【請求項4】
前記ユーザポジション保有調整プロセッサーは、前記契約為替レートPhのc乗の変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産A又は第2の資産Bに換算された数がb/(Ph)^cのd倍になるように維持するように構成され、ここで、0<|c|<1、b>0、d>0、及びbとcはプリセット定数である
ことを特徴とする請求項1に記載の契約取引装置。
【請求項5】
前記契約取引装置はブロックチェーン上で実行され、前記連続期間は前記ブロックチェーン上の1つのブロックの時間よりも長い
ことを特徴とする請求項1に記載の契約取引装置。
【請求項6】
前記取引ユーザの契約ポジション保有の数はLであり、前記契約ポジション保有の単一価値は、0.1米ドルより大きく1000米ドルより小さい
ことを特徴とする請求項1に記載の契約取引装置。
【請求項7】
資産演算増幅器をさらに含み、前記取引ユーザの資産増幅率は、ポジション保有価値と証拠金価値との比率であり、前記取引ユーザの初期資産増幅率は、前記資産演算増幅器によりm0として構成され、前記初期資産増幅率は、Pq/P0=((m0-1)/m0)^2を満たすように構成され、前記Pqは第1の設定価格であり、前記P0は第2の設定価格である
ことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の契約取引装置。
【請求項8】
L*(P2^0.5-P1^0.5)に従って、第1の資産A又は第2の資産Bに変換された前記取引ユーザの取引証拠金の変化を計算するようにさらに構成され、前記P1は第1の時刻の第1の資産Aと第2の資産Bとの間の為替レートであり、前記P2は第2の時刻の第1の資産Aと第2の資産Bとの間の為替レートであり、前記Lは本契約取引装置で前記取引ユーザのポジション保有の数である
ことを特徴とする請求項7に記載の契約取引装置。
【請求項9】
前記資産演算増幅器はまた、第1の価格Pnでの取引ユーザの資産増幅率をm=m0*Pn^0.5/(P0^0.5+m0(Pn^0.5-P0^0.5))として構成する
ことを特徴とする請求項7に記載の契約取引装置。
【請求項10】
第1の価格Pnでの前記取引ユーザの証拠金の数はu=u0*(Pn^0.5-Pq^0.5)/(P0^0.5-Pq^0.5)であり、u0は第2の設定価格P0での前記取引ユーザの証拠金の数であり、前記Pqは前記取引ユーザの清算価格である
ことを特徴とする請求項7に記載の契約取引装置。
【請求項11】
前記取引ユーザの初期資産増幅率は、|((m0-1)/m0)^2-(m0-2)/m0|<11.11%を満たす
ことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の契約取引装置。
【請求項12】
さらに、前記取引ユーザの非代替性トークンを作成し、前記非代替性トークンの属性には、少なくとも取引ユーザの契約ポジション保有数と契約ポジション保有価格が含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載の契約取引装置。
【請求項13】
前記契約ポジション保有数は整数である
ことを特徴とする請求項12に記載の契約取引装置。
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本願は、2020年10月18日に提出された出願番号が2020111040690、発明の名称が「契約取引システム」である中国特許出願、2020年12月13日に提出された出願番号が202011457356X、発明の名称が「契約取引システム」である中国特許出願、及び2021年1月31日に提出された出願番号が2021101324510、発明の名称が「契約取引システム」である中国特許出願に基づき優先権を主張し、これらの中国特許出願の内容のすべてを本願に援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、ブロックチェーンの技術分野に関し、特に契約取引装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ブロックチェーン技術は、その分散化と情報の不変性などの特徴により、金融や保険等の分野の企業にますます支持されるようになっており、特に今年以来、分散型金融(DEFI)は爆発的な発展を遂げ、その中で自動マーケットメーカーAMM(Automated Market Maker)はこのDEFIの波の中で急速に上昇しているが、自動マーケットメーカーは資金プールの流動性マイニングモードを採用しているため、このようなマルチアセットプールモードにより、流動性マイニングに参加するユーザは常に市場とは逆の行動を取り、マーケットメーカーがブロックチェーン上に保存した資産とデータが損害を被り、このような資産とデータの不安全さは、通常、業界では変動損失と呼ばれ、フランスのオルレアン大学の研究者であるAlexis Direrは、変動損失は永続的である可能性があり、既存の取引システムはこのリスクを効果的に削減することが困難であり、DEFIのさらなる発展を厳しく制限していることを指摘する論文を発表した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術的問題を解決し、変動損失を削減し、ユーザの資産とデータのセキュリティを向上させて、単一資産マイニングを実現するために、本発明の実施例は、契約取引装置を開示している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記契約取引装置は、契約対象マネージャ、証拠金決定器、取引エンジン、スポットマーケットプロセッサー、ユーザポジション保有調整プロセッサー、取引データメモリ、及びポジションクロージングプロセッサーを含み、
前記契約対象マネージャは、第1の資産Aと第2の資産Bとの間の契約為替レートPhを管理するために使用され、
前記証拠金決定器は、取引ユーザが利用可能な資産の1つを取引証拠金として選択するために使用され、
前記取引エンジンは、前記契約為替レートPhに関する取引ユーザの取引命令を受信した後に取引を実行するために使用され、
前記スポットマーケットプロセッサーは、スポットマーケットサーバゲートウェイへの照会要求を送信して、第1の資産Aと第2の資産Bのスポット価格、又は第1の資産Aと第2の資産Bとの間のスポット為替レートPxを取得できるように構成され、
前記ユーザポジション保有調整プロセッサーは、前記契約為替レートPhの変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産Aに換算された数が契約為替レートPhと負の相関を持ち、第2の資産Bに換算された数が契約為替レートPhと正の相関を持つように構成され、
前記取引データメモリは、取引ユーザの基本情報を格納するために使用され、
選択的に、前記基本情報には、注文情報、ポジション保有状態、資産増幅率、及び取引記録のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0006】
前記ポジションクロージングプロセッサーは、プリセット清算価格に達した取引ユーザに対して強制ポジションクロージング命令を送信するために使用され、
この契約取引装置により、契約為替レートPhの変化に応じて、ユーザのポジション保有量をリアルタイムで調整でき、したがって、自動マーケットメーカーの変動損失を効果的に削減し、資産とデータのセキュリティを向上させることができる。
【0007】
選択的に、前記ユーザポジション保有調整プロセッサーは、前記契約為替レートPhの変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産Aに換算された数が契約為替レートPhの低下に伴って増加し、第2の資産Bに換算された数が契約為替レートPhの上昇に伴って増加するように構成され、
選択的に、前記ユーザポジション保有調整プロセッサーはまた、前記契約為替レートPhの変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産Aに換算された数が契約為替レートPhの上昇に伴って減少し、第2の資産Bに換算された数が契約為替レートPhの低下に伴って減少するように構成されてもよく、
上記の設計により、契約為替レートPhが上昇するか低下するかに関係なく、自動マーケットメーカーの変動損失を効果的に削減することができ、ユーザの資産とデータのセキュリティが保証される。
【0008】
選択的に、前記ユーザポジション保有調整プロセッサーは、前記契約為替レートPhのc乗の変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産Aに換算された数がb/(Ph)^cのd倍になるように維持するように構成され、ここで、0<|c|<1、b>0、d>0、及びbとcはプリセット定数であり、選択的に、c=0.5または-0.5であり、
さらに、第1の資産A又は第2の資産Bなど、取引対象に関連する種類を取引証拠金として選択することができ、
好ましくは、前記取引ユーザの前記取引証拠金はすべてステーブルコインである。
【0009】
また、第1の資産Aと第2の資産Bとは異なるC種類など、取引対象とは異なる種類を取引証拠金として選択することができ、このようにして、AとBを保有せずに、AB間の為替レートPhを売買することができる。
【0010】
さらに、前記契約取引装置は、資産演算増幅器をさらに含み、前記資産演算増幅器は、取引ユーザの資産増幅率をポジションクロージングプロセッサーにフィードバックし、前記取引ユーザの資産増幅率は、ポジション保有価値と証拠金価値の比率であり、好ましくは、前記取引ユーザの初期資産増幅率がm0の場合、|((m0-1)/m0)^2-(m0-2)/m0|<11.11%である。
【0011】
さらに、前記取引エンジンは、仮想価格設定システムをさらに含み、前記仮想価格設定システムには、仮想種類Cと仮想種類Dが含まれ、前記仮想種類Cの仮想価値が第1の資産Aに換算された数は、契約為替レートPhと負の相関を持ち、第2の資産Bに換算された数は、契約為替レートPhと正の相関を持ち、前記仮想種類Dの仮想価値は、第1の資産A又は第2の資産Bの価格と正の相関を持ち、前記マッチメイキング取引は、前記仮想価格設定システムに従って前記取引ユーザの取引価格を決定することを含む。
【0012】
選択的に、前記契約取引装置は、決済システムをさらに含み、前記決済システムは、前記契約で合意された決済日にポジションをクローズするために使用され、
前記決済システムは、決済価格計算システムを含み、前記決済価格計算システムは、決済前にスポットマーケットサーバゲートウェイへの照会を送信し、照会されたスポット為替レートPxに従って決済価格を決定し、
選択的に、前記契約取引装置は、資金調達レートマネージャをさらに含み、前記資金調達レートマネージャは、一定の時間にロングポジションユーザ又はショートポジションユーザに資金調達レートを請求するために使用され、
前記資金調達レートマネージャが採用する調達レート請求方式には、以下が含まれ、契約為替レートPhがスポット為替レートに対して正のプレミアムを持っている場合、ロングポジションユーザに資金調達レートを請求し、ショートポジションユーザに資金調達レートを補助し、契約為替レートPhがスポット為替レートに対して負のプレミアムを持っている場合、ショートポジションユーザに資金調達レートを請求し、ロングポジションユーザに資金調達レートを補助し、上記の方式により、取引ユーザは、決済を通じてポジションを移すことなく、常に関連するポジションを保有することができる。
【0013】
前記契約取引装置の選択可能な取引対象は、ビットコインからステーブルコインへの為替レート、イーサリアムからステーブルコインへの為替レート、及びステーブルコインからステーブルコインへの為替レートのうちの1つ又は複数を含んでもよく、
前記ステーブルコインには、デジタル通貨USDT、USDC、PAX、TUSD、BUSD、DAI、DCEP、EURT、GYENのうちの1つ又は複数が含まれる。
さらに、前記取引データメモリには、集中型データベース又は分散型データベースが含まれる。
【0014】
前記集中型データベースには分散式データベースが含まれ、
前記分散型データベースにはパブリックブロックチェーンが含まれ、
前記パブリックブロックチェーンには、イーサリアム、ポルカドット、EOS(ENTERPRISE OPERATION SYSTEM)、トロン、及びcosmoのうちの少なくとも1つが含まれ、
前記パブリックブロックチェーンにはストレージブロックチェーンがさらに含まれ、前記ストレージブロックチェーンは、契約取引関連データを格納するために使用される。
【0015】
前記ストレージブロックチェーンにはIPFS又はStorjが含まれる。
【0016】
本発明に提供されている契約取引装置は、自動マーケットメーカーの変動損失を効果的に削減し、マーケットメーカーの資産とデータのリスクを軽減することができる。
【0017】
上記の技術的効果を実現するために、本発明の1つ又は複数の実施例は、取引方法をさらに提供し、前記取引方法は、下記のステップを含む。
S1:前記契約為替レートPhとスポット為替レートPxの差を監視する。
S2:前記差がプリセット値よりも小さい場合、前記契約取引装置で0.9Vから1.1Vの価値で前記契約為替レートPhのロングポジション契約を確立する。
S3:自動マーケットメイク取引所の資金プールA-Bに、V/2の等価値を持つ第1の資産AとV/2の等価値を持つ第2の資産Bを預け入れる。
【0018】
選択的に、前記取引方法は、下記のステップをさらに含む。
S4:前記ロングポジション契約の清算価格を監視する。
S5:前記清算価格がスポット価格から設定範囲を下回る場合、契約口座に証拠金を追加する。
【0019】
一実施例では、本発明の契約取引装置を使用する取引方法は、下記のステップを含む。
S6:本契約取引装置において、第1の資産Aから第2の資産Bへの契約為替レートPyでロングポジション又はショートポジションの指値注文を行い、前記注文の注文量はV契約である。
S7:前記指値注文の取引状態を監視し、前記指値注文が実行された後、V/2の等価値を持つ第1の資産AとV/2の等価値を持つ第2の資産Bを自動マーケットメイク取引所の資金プールA-Bに預け入れる。
【0020】
前記指値注文が実行された後、下記のステップをさらに含む。
S8:取引ユーザの利用可能な資産をV/2の等価値を持つ第1の資産AとV/2の等価値を持つ第2の資産Bに交換する。
【0021】
本発明の別の実施例は、契約取引装置を開示し、前記契約取引装置は、契約対象マネージャ、証拠金決定器、資金プールマネージャ、取引エンジン、スポットマーケットプロセッサー、ユーザポジション保有調整プロセッサー、取引データメモリ、及び資金プールポジション保有調整プロセッサーを含み、
前記契約対象マネージャは、第1の資産Aと第2の資産Bとの間の契約為替レートPhを管理するために使用され、
前記証拠金決定器は、取引ユーザが利用可能な資産の1つを取引証拠金として選択するために使用され、
前記資金プールマネージャは、第1の資産A及び/又は第2の資産Bを受け取って資金プールに預け入れるように構成され、
前記取引エンジンは、前記契約為替レートPhに関する取引ユーザの取引命令を受信した後、前記取引ユーザと資金プールとの間でマッチメイキング取引を実行するために使用され、
前記スポットマーケットプロセッサーは、スポットマーケットサーバゲートウェイへの照会要求を送信して、第1の資産Aと第2の資産Bのスポット価格、又は第1の資産Aと第2の資産Bとの間のスポット為替レートPxを取得できるように構成され、
前記ユーザポジション保有調整プロセッサーは、前記契約為替レートPhの変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産Aに換算された数が契約為替レートPhと負の相関を持ち、第2の資産Bに換算された数が契約為替レートPhと正の相関を持つように構成され、
前記取引データメモリは、取引ユーザの基本情報を格納するために使用され、
前記資金プールポジション保有調整プロセッサーは、前記契約為替レートがプリセット値に達したときに、前記契約ポジション保有量の強制ポジション増加又はポジション減少の命令を送信するために使用される。
【0022】
選択的に、前記ユーザポジション保有調整プロセッサーは、前記契約為替レートPhのc乗の変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産Aに換算された数がb/(Ph)^cのd倍になるように維持するように構成され、ここで、0<|c|<1、b>0、d>0、及びbとcはプリセット定数である。
【0023】
一実施例では、前記契約取引装置は、バウチャージェネレーターをさらに含み、前記バウチャージェネレーターは、前記資金プールマネージャが第1の資産A又は第2の資産Bの預金を受け取った後に第1のバウチャーを生成するように構成されるか、又は、前記取引ユーザと資金プールの間で取引が確立された後に第2のバウチャーを生成するように構成され、前記第1のバウチャーは、前記資金プール内の第1の資産A又は第2の資産Bの数と正の相関を持ち、前記第1のバウチャーは、資金プールへの引き出し要求を送信するためのバウチャーとして構成され、前記第2のバウチャーは、前記取引ユーザと前記資金プールの間の契約ポジション保有量と連続期間内で正の相関を持ち、前記第2のバウチャーは、前記取引ユーザの証拠金を解放するためのバウチャーとして構成される。
【0024】
選択的に、前記第1のバウチャーにより表される資金量が第2の資産Bに換算された数は、前記第2のバウチャーにより表されるポジション保有量が第2の資産Bに換算された数以上である。
【0025】
選択的に、前記契約取引装置は、バウチャーバーナーをさらに含み、前記バウチャーバーナーは、バウチャー所有者が前記契約取引装置への引き出し要求を送信した後に第1のバウチャー又は第2のバウチャーを破棄するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2】本発明の実施例の契約取引装置の効果図である。
【
図3】本発明の別の実施例の契約取引装置の効果図である。
【
図4】本発明の別の実施例の契約取引装置の作業原理図である。
【
図5】本発明の仮想価格設定システムの原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施例は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明し、以下の実施例は、本発明を説明及び解釈するためだけのものであり、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0028】
図1に示すように、本発明の一実施例では、契約取引装置は、契約対象マネージャ、証拠金決定器、取引エンジン、スポットマーケットプロセッサー、ユーザポジション保有調整プロセッサー、取引データメモリ、及びポジションクロージングプロセッサーを含む。
【0029】
前記契約対象マネージャは、第1の資産Aと第2の資産Bとの間の契約為替レートPhを管理するために使用され、
前記契約為替レートPhは、買い手と売り手の基本資産に対する第1の資産Aの価格PhAと、基本資産に対する第2の資産Bの価格PhBの比率であり、即ち、Ph=PhA/PhBである。
【0030】
前記証拠金決定器は、取引ユーザが利用可能な資産の1つを取引証拠金として選択するために使用され、
ここで、取引ユーザの証拠金は、種類Aと種類Bに限定されず、種類AB等の他の資産のこともある。
【0031】
前記取引エンジンは、前記契約為替レートPhに関する取引ユーザの取引命令を受信した後に取引を実行するために使用され、例えば、取引エンジンは、ロングポジションとショートポジションの取引ユーザの取引命令を受信した後、ロングポジション取引ユーザとショートポジション取引ユーザの間でマッチメイキング取引を実行し、取引ユーザには、ロングポジションの買い手又はショートポジションの売り手が含まれる。
【0032】
前記スポットマーケットプロセッサーは、スポットマーケットサーバゲートウェイへの照会要求を送信して、第1の資産Aと第2の資産Bのスポット価格、又は第1の資産Aと第2の資産Bとの間のスポット為替レートPxを取得できるように構成され、選択的に、スポット為替レートPxは契約為替レートと同じである。
【0033】
ここでのスポットマーケットサーバは、Binance、Huobi、OKEX等の集中型取引所であってもよいし、Uniswap、Curve、SushiSwap、Balancer、Kyber Network等の分散型取引所であってもよく、詳細についてはhttps://debank.com/ranking/dexを参照でき、もちろん、スポットマーケットサーバは取引所に限定されるものではなく、tradingview、aicoin等の見積もりを提供するサードパーティの見積もりプラットフォームであってもよく、又はブロックチェーンベースのオラクルLink等からスポット価格情報を取得することもできる。
【0034】
前記スポット為替レートPxは、第1の資産Aのスポット価格PxAと第2の資産Bのスポット価格PxBとの比であり、即ち、Px=PxA/PxBである。一般に、スポット資産増幅契約取引では、Px=Phであり、先物資産増幅契約取引では、PhはPxから逸脱する。本発明の価格は、取引対象に関連する第1の資産Aと第2の資産Bの交換数の比率を指す。
【0035】
前記ユーザポジション保有調整プロセッサーは、前記契約為替レートPhの変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産Aに換算された数が契約為替レートPhと負の相関を持ち、第2の資産Bに換算された数が契約為替レートPhと正の相関を持つように構成され、
前記取引データメモリは、取引ユーザの基本情報を格納するために使用され、前記基本情報には、注文情報、ポジション保有状態、資産増幅率、及び取引記録のうちの少なくとも1つが含まれ、前記取引データメモリは、マーケットデータ等を格納するためにも使用できる。
【0036】
前記ポジションクロージングプロセッサーは、プリセット清算価格に達した取引ユーザに対して強制ポジションクロージング命令を送信するために使用され、
ここでのプリセット清算価格は、リアルタイムで計算された価格ではなく、ユーザがポジションをオープンしたときに設定された価格を指す。
【0037】
一実施例では、前記ポジションクロージング命令を送信してから前記ユーザのポジションがオープンするまでの時間は、前記連続期間以上である。
【0038】
上記の取引システムにより、取引ユーザは、単一の証拠金資産を保有しながら、多種の為替レートの変化を取引することができ、多種の資産を同時に保有することに相当し、ポジション保有調整システムにより、取引ユーザは、契約為替レートPhの変化に応じて、第1の資産Aと第2の資産Bのポジション保有量を動的に調整でき、自動マーケットメーカーのマルチアセット保有リスクを非常によく減らすことができる。
【0039】
市場の変化によりよく適応し、自動マーケットメーカーの上記のリスクを効果的に削減するために、ユーザポジション保有調整プロセッサーはまた、前記契約為替レートPhの変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産Aに換算された数が契約為替レートPhの低下に伴って増加し、第2の資産Bに換算された数が契約為替レートPhの上昇に伴って増加するように構成されてもよく、又はユーザポジション保有調整プロセッサーはまた、前記契約為替レートPhの変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産Aに換算された数が契約為替レートPhの上昇に伴って減少し、第2の資産Bに換算された数が契約為替レートPhの低下に伴って減少するように構成されてもよく、
なお、連続期間とは、ロングポジション取引ユーザとショートポジション取引ユーザのポジション保有量の上記の関係が持続可能であることを意味し、例えば、ポジション保有時間は、ブロックチェーン上の1つのブロックでの自動マーケットメーカーの時間よりも長く、即ち、ロングポジション取引ユーザとショートポジション取引ユーザの契約ポジション保有量は、連続期間内で上記の関係を満たす必要がある。
【0040】
上記のリスクをより正確に低減するために、ユーザポジション保有調整プロセッサーは、前記契約為替レートPhのc乗の変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産Aに換算された数がb/(Ph)^cのd倍になるように維持するように構成され、ここで、0<c<1、b>0、d>0、及びbとcはプリセット定数であり、
選択的に、c=0.5、d=1であり、以下では、Uniswap取引を例として、本発明の契約取引装置がどのようにUniswapの変動損失のリスクを低減するか、又は単一資産マイニングを実現し、ユーザの資産とデータのセキュリティを向上させるかを詳細に説明し、Uniswapが定数積自動マーケットメイクメカニズムに基づいていることが知られており、即ち、資金プールに第1の資産Aと第2の資産Bが含まれており、
ここでは、第1の資産Aのデジタル通貨ETHと第2の資産Bのデジタル通貨USDTからなる資金プールを例として説明するが、本発明は特定の種類に限定されず、ここで、資金プール内のデジタル通貨ETHの数がxで、デジタル通貨USDTの数がyである場合、資金プールデジタル通貨ETH-デジタル通貨USDTはy=k/xを満たし、したがって、トレーダーの実際の為替価格Pは|Δy/Δx|であり、|Δy/Δx|=|dy/dx|=|y’|=k/x^2、即ち、x=(k/P)^0.5であり、
本発明の契約取引装置を利用する流動性マイニングユーザが、デジタル通貨ETHを長期間保有し、同時にUniswapで流動性マイニングを行って手数料とトークンを獲得しようとしているとすると、関連技術には効果的な手段がなく、デジタル通貨ETHの価格が上がると、マーケットメーカーはデジタル通貨ETHを失い、価格が下がると、デジタル通貨USDTが失われ、これがいわゆる変動損失であり、ユーザの操作を容易にするために、b/(Ph)^cの範囲は、一般に、0.1米ドルから1000米ドルの等価値の間に設定され、一実施例では、本発明の契約取引装置のパラメーターは、b=1、c=0.5に設定され、ここで、各取引ユーザのb及びcは同じであり、このようにして、各取引ユーザの契約ポジション保有量を複数の契約に分割することができ、単一の契約の絶対値は1/(Ph)^0.5デジタル通貨ETHに維持され、
1/(Ph)^0.5は価格と負の相関関係があるため、実際の市場トレンドと同じにするために、単一の契約の値を-1/(Ph)^0.5デジタル通貨ETHと定義し、このとき、価格の上昇に伴い契約価値も増加し、市場ルールに沿っており、このようにしても、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産Aに換算された数がb/(Ph)^cのd倍になるように維持する要求を満たすことができ、デジタル通貨ETH/デジタル通貨USDTの価格がP0の場合、マーケットメーカーはx0デジタル通貨ETHとy0デジタル通貨USDTをUniswap資金プールデジタル通貨ETH-デジタル通貨USDTに預け入れ、同時に本発明の契約取引装置でL=2x0*((P0)^0.5)契約をロングポジションし、即ち、この時点で-2x0デジタル通貨ETHを保有し、デジタル通貨ETH/デジタル通貨USDTの価格がPnに変動した場合、
Uniswapでは、手数料を考慮せずに以下を満足し、
x0=(k/P0)^0.5
xn=(k/Pn)^0.5
Uniswapにおけるデジタル通貨ETHの損益の変化は、2xn-2x0=2*x0(P0/Pn)^0.5-2x0であり、
本発明の契約取引装置において流動性マイニングユーザが保有するデジタル通貨ETHポジションは、ユーザポジション保有調整プロセッサーの制御下で、-2x0*((P0)^0.5)*1/(Pn)^0.5に調整され、
本契約取引装置における流動性マイニングユーザのデジタル通貨ETHの損益の変化は、2x0-2x0*((P0)^0.5)*1/(Pn)^0.5であり、
したがって、この時点でこのマーケットメーカーが保有するデジタル通貨ETHの純損益は、
2*x0(P0/Pn)^0.5-2x0+2x0-2x0*((P0)^0.5)*1/(Pn)^0.5=0であり、
これから分かれるように、デジタル通貨ETHの価格がどのように変動しても、このマーケットメーカーの純損益は0であり、本発明の契約取引装置により、変動損失がほぼ完全に低減され、ユーザデータと資産のセキュリティが保証され、マーケットメーカーがデジタル通貨ETHを損失することなく長期間保有できるだけでなく、マーケットメイキング手数料とUNIトークンを獲得でき、単一資産の流動性マイニングを実現したことに相当していることを示している。
【0041】
一実施例では、このマーケットメーカーがデジタル通貨USDTを保有しようとしている場合は、上記の方法に従って、既存の取引所のコイン本位契約で2x0デジタル通貨ETHの等価値をショートポジションすることを選択することができ、デジタル通貨USDTを長期間保有しながら、マーケットメイキング手数料とUNIトークンを獲得することを実現することができる。
【0042】
マーケットメーカーが変動損失のリスクを軽減することをより直感的に反映するために、一実施例では、2020年3月16日から2020年9月1日までのデータをバックテスト用に選択しており、2020年3月16日に、2つのデジタル通貨ETHの等価値をUniswapに預け入れており、
図2は、デジタル通貨ETHの価格が100米ドルから490米ドルに上昇しており、Uniswapでのみマーケットメイキング(流動性マイニング)を行った場合、デジタル通貨ETHの数が2から0.903507903に減少したことを示し、半分以上減少しており、デジタル通貨ETHを長期間保有しようとしているユーザにとって、このような損失は容認できないものであり、当初から本契約取引装置での取引を選択した場合は、その正味デジタル通貨ETHの数が2つのままであり、本契約取引装置が上記のリスクを完全に軽減し、コイン本位のヘッジを実現し、ユーザデータと資産のセキュリティを保証したことを示す。
【0043】
一実施例では、ユーザポジション保有調整プロセッサーはまた、前記契約為替レートPhのc乗の変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第2の資産Bに換算された数がb/(Ph)^cのd倍になるように維持するように構成されてもよく、ここで、-1<c<0、b>0、d>0、及びbとcはプリセット定数であり、このようにして、取引ユーザのポジション保有量が第2の資産Bに換算された数は価格変動に合わされる。
【0044】
一実施例では、c=-0.5、b=1を選択し、即ち、単一の契約の価値が第2の資産Bに換算された数は(Ph)^0.5であり、bとcは一般にb/(Ph)^cが0.1~1000米ドルになるようにし、これにより、本契約取引装置は、ブロックチェーン上でよりよく実行されることができ、
デジタル通貨ETH/デジタル通貨USDT価格がP0の場合、流動性マイニングユーザはx0デジタル通貨ETHとy0デジタル通貨USDTをUniswap資金プールデジタル通貨ETH-デジタル通貨USDTに預け入れ、同時に本発明の契約取引装置でL=2y0/(P0)^0.5契約をショートポジションし、即ち、この時点で2y0デジタル通貨USDTのショートオーダーを保有し、デジタル通貨ETH/デジタル通貨USDTの価格がPnに変動した場合、
Uniswapで手数料を考慮せずに以下を満足し、
x0=(k/P0)^0.5
xn=(k/Pn)^0.5
y0=(kP0)^0.5
yn=(kPn)^0.5
yn=y0*(Pn/P0)^0.5
この流動性マイニングユーザのUniswapにおけるデジタル通貨USDTの変化は、2yn-2y0=2y0*(Pn/P0)^0.5-2y0であり、
この流動性マイニングユーザの本発明の契約取引装置におけるデジタル通貨USDTの変化は、2y0-(2y0/(P0)^0.5)*(Pn)^0.5であり、
したがって、この流動性マイニングユーザのデジタル通貨USDTの純損益は、2y0*(Pn/P0)^0.5-2y0+2y0-2y0/(P0)^0.5*(Pn)^0.5=0であり、
これから分かれるように、デジタル通貨ETHの価格がどのように変動しても、このマーケットメーカーのデジタル通貨USDTの純損益は0であり、本発明の契約取引装置により、変動損失がほぼ完全に低減され、ユーザデータと資産のセキュリティが保証され、マーケットメーカーがデジタル通貨USDTを損失することなく長期間保有できるだけでなく、マーケットメイキング手数料とUNIトークンを獲得できることに相当し、単一資産の流動性マイニングとステーブルコインのヘッジを実現したことに相当することを示している。
【0045】
マーケットメーカーが変動損失のリスクを軽減することをより直感的に反映するために、一実施例では、
図3に示すように、2020年2月15日から2020年3月13日までのデジタル通貨ETH/デジタル通貨USDTデータをバックテスト用に選択し、2020年2月15日に、1000デジタル通貨USDTの等価値をUniswapデジタル通貨ETH-デジタル通貨USDT資金プールに預け入れており、
図2は、デジタル通貨ETHの価格が290デジタル通貨USDTから85デジタル通貨USDTに下落したことを示しており、この流動性マーケットメーカーがUniswapでのみマーケットメイキングを行った場合、その間のデジタル通貨USDTの損失率は高く43%に達しており、同時に本発明の契約取引装置で取引することを選択した場合、その間の正味デジタル通貨USDTが1000米ドルのままであり、本発明の契約取引装置が自動マーケットメイクメカニズムの変動損失リスクを完全に軽減し、自動マーケットメーカーのヘッジを真に実現し、ユーザデータと資産のセキュリティを保証したことを示す。
【0046】
したがって、本契約取引装置はまた、L*(P2^0.5-P1^0.5)に従って、第1の資産A又は第2の資産Bに変換された前記取引ユーザの取引証拠金の変化を計算するように構成され、P1は第1の時刻の第1の資産Aと第2の資産Bとの間の為替レートであり、前記P2は第2の時刻の第1の資産Aと第2の資産Bとの間の為替レートであり、前記Lは本契約取引装置で前記取引ユーザのポジション保有の数である。
【0047】
前記Pqは前記取引ユーザの清算価格、前記P0は前記取引ユーザのポジションオープン価格、u0はポジションオープン証拠金の数、及びm0はポジションオープン資産増幅率であり、取引ユーザの契約証拠金の価格P0からPqへの変化は、
u0=L(P0^0.5-Pq^0.5)であり、
価格Pnでの前記取引ユーザの証拠金uは、
L(Pn^0.5-Pq^0.5)=u0*(Pn^0.5-Pq^0.5)/(P0^0.5-Pq^0.5)である。
【0048】
一実施例では、取引証拠金を第1の資産A又は第2の資産Bとして選択することができ、
一実施例では、取引ユーザの取引証拠金はすべてステーブルコインであり、
一実施例では、第1の資産A及び第2の資産Bとは異なる資産ABを選択することができ、その結果、AとBを保有せずに、AとBの為替レートを取引することができ、例えば、Aはデジタル通貨BTC、Bはデジタル通貨USDT、及びABはデジタル通貨ETHであるため、デジタル通貨ETHを保有することでデジタル通貨BTC/USDTの為替レートを取引することができる。
【0049】
一実施例では、契約取引装置は、資産演算増幅器をさらに含み、前記資産演算増幅器は、取引ユーザの資産増幅率をポジションクロージングプロセッサーにフィードバックし、前記取引ユーザの資産増幅率は、ポジション保有価値と証拠金価値の比率であり、本発明の契約取引装置は、1~1000倍の資産増幅取引を提供し、取引ユーザは、資産演算増幅器を介して、借りることなく、小量の証拠金で大額のお金を取引することができ、それによって資金効率が向上され、即ち、前記取引ユーザの契約ポジション保有量が証拠金の対応する種類に換算された数は、前記取引ユーザの証拠金の数よりも大きく、トレーダーは資産自体を保有せずに資産の価格変動を推測することができ、前記取引ユーザの契約ポジション保有量の価値の変化は、前記取引ユーザの契約証拠金の変化に等しい。本発明における契約ポジション保有量は、取引対象に対応する仮想資産を指すため、取引ユーザの契約ポジション保有量の価値の変化は、前記取引ユーザの契約証拠金の変化に等しい。
【0050】
マーケットメーカーが本発明の契約取引装置で取引することを選択した場合、本システムで取引するために資金の約10%を取り出すだけでよく、資金の利用率が大幅に向上する。
【0051】
本契約取引装置と既存の契約取引装置の近似を保証するために、前記取引ユーザの初期資産増幅率はm0に設定され、好ましくは、|((m0-1)/m0)^2-(m0-2)/m0|<11.11%であり、
ここで、((m0-1)/m0)^2は、本契約取引装置の第1の設定価格Pqと第2の設定価格P0の比率であり、ここで、(m0-2)/m0は、既存の契約取引装置の第1の設定価格Pqと第2の設定価格P0の比率であり、選択的に、第1の設定価格は取引ユーザの清算価格であり、第2の設定価格P0は取引ユーザのポジションオープン価格であり、したがって、|((m0-1)/m0)^2-(m0-2)/m0|の差が小さいほど、2つの契約取引装置は近くなり、
ポジションを超える、即ち、清算価格を超えるリスクを回避するために、前記資産演算増幅器は、取引ユーザの資産増幅率をリアルタイムでポジションクロージングプロセッサーにフィードバックし、資産増幅率が高すぎる場合、リスク警告のために取引ユーザにリマインダーを送信することもでき、システムにより設定された資産増幅率閾値を超えると、取引エンジンに強制ポジションクロージング命令を送信し、即ち、ユーザポジションがポジションクロージングされる。
【0052】
第2の設定価格が第1の価格Pnの場合、以下を満足し、
Pq/P0=((m0-1)/m0)^2
Pq/Pn=((m-1)/m)^2
したがって、第1の価格Pnで、本契約取引装置はまた、取引ユーザの資産増幅率がm=m0*Pn^0.5*(P0^0.5+m0(Pn^0.5-P0^0.5))になるように構成される。
【0053】
一実施例では、本発明に記載の取引エンジンは、仮想価格設定システムをさらに含み、前記仮想価格設定システムには、仮想種類Cと仮想種類Dが含まれ、前記仮想種類Cの仮想価値が第1の資産Aに換算された数は、契約為替レートPhと負の相関を持ち、第2の資産Bに換算された数は、契約為替レートPhと正の相関を持ち、前記仮想種類Dの仮想価値は、第1の資産A又は第2の資産Bの価格と正の相関を持ち、前記マッチメイキング取引は、前記仮想価格設定システムに従って前記取引ユーザの取引価格を決定することを含み、好ましくは、前記仮想種類Cの数xと仮想種類Dの数yはxy=kを満たし、kは定数である。
【0054】
一実施例では、本発明の契約取引装置は、決済システムをさらに含み、前記決済システムは、前記契約で合意された決済日にポジションをクローズするために使用され、このようにして、本契約取引装置上で有期契約商品を発行することができ、有期契約は一定の時間に強制的に決済される。
【0055】
決済価格を決定するために、前記決済システムは、決済価格計算システムを含み、前記決済価格計算システムは、決済前にスポットマーケットサーバゲートウェイへの照会を送信し、照会されたスポット為替レートPxに従って決済価格を決定し、
ここでのスポットマーケットサーバは、Binance、Huobi、OKEX等の集中型取引所であってもよいし、Uniswap、Curve、SushiSwap、Balancer、Kyber Network等の分散型取引所であってもよく、詳細についてはhttps://debank.com/ranking/dexを参照でき、もちろん、スポットマーケットサーバは取引所に限定されるものではなく、tradingview、aicoin等の見積もりを提供するサードパーティの見積もりプラットフォームであってもよく、又はブロックチェーンベースのオラクルLink等からスポット価格情報を取得することもできる。
【0056】
一実施例では、本発明の契約取引装置は、資金調達レートマネージャをさらに含み、前記資金調達レートマネージャは、一定の時間にロングポジションユーザ又はショートポジションユーザに資金調達レートを請求するために使用され、
前記資金調達レートマネージャが採用する調達レート請求方式には、以下が含まれ、契約為替レートPhがスポット為替レートに対して正のプレミアムを持っている場合、ロングポジションユーザに資金調達レートを請求し、ショートポジションユーザに資金調達レートを補助し、契約為替レートPhがスポット為替レートに対して負のプレミアムを持っている場合、ショートポジションユーザに資金調達レートを請求し、ロングポジションユーザに資金調達レートを補助し、上記の方式により、取引価格はスポット価格を効果的にアンカーするため、取引ユーザは、決済を通じてポジションを移すことなく、常に関連するポジションを保有することができる。
【0057】
一実施例では、本発明の契約取引装置の選択可能な取引対象は、ビットコインからステーブルコインへの為替レート、イーサリアムからステーブルコインへの為替レート、及びステーブルコインからステーブルコインへの為替レートのうちの1つ又は複数を含んでもよく、
前記ステーブルコインには、デジタル通貨USDT、USDC、PAX、TUSD、BUSD、DAI、DCEP、EURT、GYENのうちの1つ又は複数が含まれる。
さらに、前記取引データメモリには、集中型データベース又は分散型データベースが含まれる。
【0058】
前記集中型データベースには、mysql、SQL Server、Oracle、Sybase、及びDB2のうちの1つ又は複数が含まれる。
【0059】
データストレージの効率とセキュリティを向上させるために、前記集中型データベースには分散式データベースが含まれ、
前記分散型データベースにはパブリックブロックチェーンが含まれ、
前記パブリックブロックチェーンには、イーサリアム、ポルカドット、EOS(ENTERPRISE OPERATION SYSTEM)、トロン、及びcosmoのうちの少なくとも1つが含まれ、
前記パブリックブロックチェーンにはストレージブロックチェーンがさらに含まれ、前記ストレージブロックチェーンは、契約取引関連データを格納するために使用される。
【0060】
前記ストレージブロックチェーンにはIPFS又はStorjが含まれる。
【0061】
一実施例では、本発明の契約取引装置における実行可能プログラムは、契約対象マネージャ、証拠金決定器、取引エンジン、スポットマーケットプロセッサー、ユーザポジション保有調整プロセッサー、及びポジションクロージングプロセッサーのうちの少なくとも1つを含み、
前記実行可能プログラムは、Amazon AWS、アリババクラウド、テンセントクラウド等のクラウドサーバ上で実行でき、
イーサリアム、ポルカドット、EOS(ENTERPRISE OPERATION SYSTEM)、トロン、及びcosmo等のパブリックブロックチェーンのようなブロックチェーン上でも実行できる。
【0062】
ブロックチェーン上で実行する場合、本発明の一実施例は、ブロックチェーンシステムをさらに提供し、前記ブロックチェーンシステムは、前記契約取引装置内の実行可能プログラムの実行に参加するか、又は実行をトリガするように構成され、前記実行可能プログラムは、契約対象マネージャ、証拠金決定器、取引エンジン、スポットマーケットプロセッサー、ユーザポジション保有調整プロセッサー、及びポジションクロージングプロセッサーのうちの少なくとも1つで実行される。
【0063】
一実施例では、本発明は、取引方法をさらに提供し、前記取引方法は、下記のステップを含む。
S1:前記契約為替レートPhとスポット為替レートPxの差を監視する。
S2:前記差がプリセット値よりも小さい場合、前記契約取引装置で0.9Vから1.1Vの価値で前記契約為替レートPhのロングポジション契約を確立する。
S3:自動マーケットメイク取引所の資金プールA-Bに、V/2の等価値を持つ第1の資産AとV/2の等価値を持つ第2の資産Bを預け入れる。
【0064】
選択的に、前記取引方法は、下記のステップをさらに含む。
S4:前記ロングポジション契約の清算価格を監視する。
S5:前記清算価格がスポット価格から設定範囲を下回る場合、契約口座に証拠金を追加する。
上記のステップにより、清算による損失を回避することができる。
【0065】
一実施例では、本発明は、別のヘッジ方法をさらに提供し、前記取引方法は、下記のステップを含む。
S6:本契約取引装置において、第1の資産Aから第2の資産Bへの契約為替レートPyでロングポジション又はショートポジションの指値注文を行い、前記注文の注文量はV契約である。
S7:前記指値注文の取引状態を監視し、前記指値注文が実行された後、V/2の等価値を持つ第1の資産AとV/2の等価値を持つ第2の資産Bを自動マーケットメイク取引所の資金プールA-Bに預け入れる。
【0066】
前記指値注文が実行された後、下記のステップをさらに含む。
S8:取引ユーザの利用可能な資産をV/2の等価値を持つ第1の資産AとV/2の等価値を持つ第2の資産Bに交換する。
ここで、Vは正の整数であり、この取引方法を使用すると、ブロックチェーンが混雑している場合のスリッページロスを効果的に減らすことができる。
【0067】
一実施例では、本発明は、少なくとも1つのコンピュータプロセッサーから構成される契約取引装置により実行される契約取引方法をさらに提供し、前記契約取引方法は、
契約対象マネージャが、契約取引対象を決定し、前記契約対象には、第1の資産Aと第2の資産Bとの間の契約為替レートPhが含まれることと、
スポットマーケットプロセッサーが、第1の資産Aと第2の資産Bのスポット価格、又は第1の資産Aと第2の資産Bとの間のスポット為替レートPxを取得することと、
取引エンジンが、取引ユーザと前記契約為替レートPhの間の契約取引を実行することと、
契約ポジション保有調整プロセッサーが、前記契約為替レートPhの変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、第1の資産Aに換算された数が契約為替レートPhと負の相関を持ち、第2の資産Bに換算された数が契約為替レートPhと正の相関を持つように調整することと、
取引メモリが、取引ユーザの基本情報を格納することと、
ポジションクロージングプロセッサーが、前記取引ユーザに対してプリセット清算価格を設定し、プリセット清算価格に達した取引ユーザに対して強制ポジションクロージング命令を送信することと、を含む。
【0068】
一実施例では、本発明に記載の契約取引方法は、
前記契約為替レートPhのc乗の変化に応じて、前記取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産A又は第2の資産Bに換算された数がb/(Ph)^cのd倍になるように維持し、ここで、0<|c|<1、b>0、d>0、及びbとcはプリセット定数であることをさらに含む。
【0069】
一実施例では、本発明に記載の契約取引方法は、
資産演算増幅器が、前記取引ユーザの初期資産増幅率をm0として構成し、前記初期資産増幅率はPq/P0=((m0-1)/m0)^2を満たし、前記Pqは清算価格、前記P0はポジションオープン価格、及び前記取引ユーザの資産増幅率は、ポジション保有価値と証拠金価値の比率であることをさらに含む。
【0070】
一実施例では、本発明に記載の契約取引方法は、
契約ポジション保有調整プロセッサーが、L*(P2^0.5-P1^0.5)に従って、前記取引ユーザの取引証拠金が第1の資産A又は第2の資産Bに換算される変化を計算し、前記P1は第1の時刻の第1の資産Aと第2の資産Bとの間の為替レートであり、前記P2は第2の時刻の第1の資産Aと第2の資産Bとの間の為替レートであり、前記Lは本契約取引装置で前記取引ユーザのポジション保有の数であることをさらに含む。
【0071】
一実施例では、本発明に記載の契約取引方法は、
前記契約ポジション保有調整プロセッサーが、u=u0*(Pn^0.5-Pq^0.5)/(P0^0.5-Pq^0.5)に従って、第1の価格Pnでの前記取引ユーザの証拠金の数を計算し、ここで、u0は第2の設定価格P0での前記取引ユーザの証拠金の数であり、前記Pqは前記取引ユーザの清算価格であることをさらに含む。
【0072】
一実施例では、本発明に記載の契約取引方法は、
前記取引エンジンが、第1の資産Aから第2の資産Bへの契約為替レートPhでロングポジション又はショートポジションする指値注文を受け取り、前記注文の注文量はV契約であることをさらに含む。
【0073】
一実施例では、本発明に記載の契約取引方法は、
前記契約ポジション保有調整プロセッサーが、前記取引ユーザの証拠金又は契約ポジション保有量を等しい価値の2つの部分に分割し、前記スポット為替レートPxに従って、その半分を前記契約取引対象に関する種類の別の資産に交換することをさらに含む。
【0074】
一実施例では、本発明に記載の契約取引方法は、
トークンマネージャが、前記取引ユーザに対して非代替性トークンを作成することをさらに含む。
【0075】
一実施例では、本発明に記載の契約取引方法は、
前記資産演算増幅器が、前記取引ユーザの初期資産増幅率が|((m0-1)/m0)^2-(m0-2)/m0|<11.11%を満たすように構成することをさらに含む。
【0076】
上記のすべての取引方法は、Amazon AWS、アリババクラウド、テンセントクラウド等のクラウドサーバ上で実行でき、クラウドサーバ上で実行すると、取引処理速度を効果的に向上させることができる。もちろん、イーサリアム、ポルカドット、EOS(ENTERPRISE OPERATION SYSTEM)、トロン、cosmo等のブロックチェーン上でも実行でき、ブロックチェーンで実行する場合、スマート契約の形で前記取引方法を実現でき、これにより、資産損失のリスクを効果的に減らすことができる。
【0077】
ブロックチェーン上で本発明の契約取引装置を実現するために、一選択可能な実施例では、以下のスマート契約が確立される。1つの取引ユーザ1が価格P1で証拠金B1をロックし、同時に単一の契約価値の整数倍であるn1の非代替性トークンCoin+(P1、B1、H1)を生成し、別の取引ユーザ2が価格P2で証拠金B2をロックし、同時に単一の契約価値の整数倍であるn2の非代替性トークンCoin-(P2、B2、H1)を生成する。
【0078】
取引ユーザ1が取引ユーザ2に送金し、取引ユーザ2がn1のトークンCoin+(P1、B1、H1)を受け取り、P1=P2、且つn1>=n2の場合、(n1-n2)の代替性トークンCoin±(P1、B1、H1)を生成し、同時にn1のCoin+(P1、B1、H1)とn2のCoin-(P1、B1、H1)を消滅させ、このとき、取引ユーザ2は(n1-n2)のトークンCoin±(P1、B1、H1)及び(n1-n2)のCoin+(P1、B1、H1)を保有する。取引ユーザ2が価格P3にある場合、価格P3で証拠金B2をロックし、同時に単一の契約価値の整数倍である(n1-n2)の非代替性トークンCoin-(P2、B2、H2)を生成し、P3>P1の場合、取引ユーザ2の(n1-n2)のトークンCoin±(P1、B1、H1)及びCoin-(P2、B2、H2)が消滅され、同時に損益決済が実行され、取引ユーザ2は証拠金の利益を取得する。
【0079】
ここでの消滅とは、この数のトークンがリセットされ、且つ証拠金が解放されることを意味し、上記の非代替性トークンはすべて、対応する数の証拠金をロックする。非代替性トークンを採用するこのようなスマート契約作業モードは、各デジタル通貨ウォレットが取引所の機能を持つことを可能にし、本発明の契約取引装置に適用できるだけでなく、線形契約、逆契約、オプション契約、先物契約等の他の契約取引装置にも適用できる。
【0080】
一実施例では、本発明は、少なくとも1つのコンピュータプロセッサーから構成される契約取引装置により実行される非代替性トークンの作成方法をさらに提供し、前記作成方法は、
資産増幅契約マネージャが、1つの資産増幅契約とインタラクトし、前記資産増幅契約対象は、第1の資産Aと第2の資産Bに関していることと、
資産増幅契約マネージャが、前記資産増幅契約を、取引ユーザの契約ポジション保有量が第2の資産Bに換算された数が第1の資産Aと第2の資産Bとの間の契約為替レートPhと正の相関を持つように構成することと、
トークンマネージャが、前記取引ユーザの非代替性トークンを生成し、前記非代替性トークンの属性には、少なくとも取引ユーザの前記資産増幅契約ポジション保有数と前記資産増幅契約ポジション保有価格が含まれることと、を含む。
【0081】
一実施例では、本発明に記載の非代替性トークンの作成方法は、資産演算増幅器が、前記資産増幅契約取引ユーザの初期資産増幅率がPq/P0=((m0-1)/m0)^2を満たすように構成し、前記Pqは清算価格、前記P0はポジションオープン価格、及び前記資産増幅率は、前記資産増幅契約取引ユーザのポジション保有価値と証拠金価値の比率であることをさらに含む。
【0082】
一実施例では、本発明に記載の非代替性トークンの作成方法は、前記資産演算増幅器が、前記資産増幅契約取引ユーザの初期資産増幅率m0/2がPq/P0=((m0-2)/m0)を満たすように構成し、前記Pqは清算価格、前記P0はポジションオープン価格、及び前記資産増幅率は、前記資産増幅契約取引ユーザのポジション保有価値と証拠金価値の比率であることを含む。
【0083】
一実施例では、本発明に記載の非代替性トークンの作成方法は、契約ポジション保有調整プロセッサーが、前記資産増幅契約取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産A又は第2の資産Bに換算された数がb/(Ph)^cのd倍になるように構成し、ここで、0<|c|<1、b>0、d>0、及びbとcはプリセット定数であることを含む。
【0084】
一実施例では、本発明に記載の非代替性トークンの作成方法は、前記資産増幅契約は、線形契約、逆契約、オプション契約、及び先物契約のうちの1つ又は複数であることを含む。
【0085】
一実施例では、本発明に記載の非代替性トークンの作成方法は、
トークンマネージャが、前記非代替性トークンを分割することをさらに含む。
【0086】
一実施例では、本発明に記載の非代替性トークンの作成方法は、トークンマネージャが、少なくとも2つの前記非代替性トークンを融合して、新しい非代替性トークンを生成することをさらに含む。
【0087】
ここでの融合は、前記非代替性トークンの同じ属性に対して数学演算を行って、1つの非代替性トークンに結合するプロセスである。
例えば、第1の非代替性トークンの属性は、L1ロングポジション資産増幅契約とポジション保有契約価格がP1であることであり、第2の非代替性トークンの属性は、L2ロングポジション資産増幅契約と契約ポジション保有価格がP2であることであり、融合後、1つの第3の非代替性トークンが新しく生成され、属性は(L1+L2)であり、契約ポジション保有価格は(L1*P1+L2*P2)/(L1+L2)である。
【0088】
一実施例では、本発明に記載の非代替性トークンの方法は、前記資産増幅契約マネージャが、前記資産増幅契約に従って、前記取引ユーザの増幅資産を作成することをさらに含む。
【0089】
一実施例では、本発明に記載の非代替性トークンの方法は、前記資産増幅契約マネージャが、前記資産増幅契約に従って、前記取引ユーザの第1の増幅資産と第2の増幅資産を作成し、前記第1の増幅資産と第2の増幅資産は反対方向にあることをさらに含む。
【0090】
一実施例では、本発明は、ブロックチェーンシステムをさらに開示し、前記ブロックチェーンシステムは、前記非代替性トークンの作成方法の実行に参加するか、又は実行をトリガするように構成される。
【0091】
ブロックチェーン上で本契約取引装置を完全に実現するために、本発明の別の実施例では、前記契約取引装置は、契約対象マネージャ、証拠金決定器、資金プールマネージャ、取引エンジン、スポットマーケットプロセッサー、ユーザポジション保有調整プロセッサー、取引データメモリ、及び資金プールポジション保有調整プロセッサーを含み、
前記契約対象には、第1の資産Aと第2の資産Bとの間の契約為替レートPhが含まれ、
前記証拠金決定器は、取引ユーザが利用可能な資産の1つを取引証拠金として選択するために使用され、
前記資金プールマネージャは、第1の資産A及び/又は第2の資産Bを受け取って資金プールに預け入れるように構成され、
前記取引エンジンは、前記契約為替レートPhに関する取引ユーザの取引命令を受信した後、前記取引ユーザと資金プールとの間でマッチメイキング取引を実行するために使用され、
前記スポットマーケットプロセッサーは、スポットマーケットサーバゲートウェイへの照会要求を送信して、第1の資産Aと第2の資産Bのスポット価格、又は第1の資産Aと第2の資産Bとの間のスポット為替レートPxを取得できるように構成され、
前記ユーザポジション保有調整プロセッサーは、前記契約為替レートPhの変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産Aに換算された数が契約為替レートPhと負の相関を持ち、第2の資産Bに換算された数が契約為替レートPhと正の相関を持つように構成される。
【0092】
なお、連続期間とは、ポジション保有量の上記の関係の変化が持続可能であることを意味し、例えば、前記取引ユーザのポジション保有時間は、ブロックチェーン上の1つのブロックでの自動マーケットメーカーの時間よりも長い。
【0093】
前記取引データメモリは、取引ユーザの基本情報を格納するために使用される。
【0094】
前記資金プールポジション保有調整プロセッサーは、前記契約為替レートがプリセット値に達したときに、前記契約ポジション保有量の強制ポジション増加又はポジション減少の命令を送信するために使用される。
【0095】
選択的に、前記ポジション増加は、Uniswap等の自動マーケットメーカーに流動性を提供するプロセスと同等であり、ポジション減少は、流動性を撤回するプロセスと同等であり、選択的に、前記ポジション減少は、Uniswap等の自動マーケットメーカーに流動性を提供するプロセスと同等であり、ポジション増加は、流動性を撤回するプロセスと同等であり、選択的に、前記ポジション増加又はポジション減少は、前記契約ポジション保有量を増加又は減少することである。
【0096】
選択的に、前記ユーザポジション保有調整プロセッサーは、前記契約為替レートPhのc乗の変化に応じて、取引ユーザの契約ポジション保有量が、連続期間内で第1の資産Aに換算された数がb/(Ph)^cのd倍になるように維持するように構成され、ここで、0<|c|<1、b>0、d>0、及びbとcはプリセット定数である。
【0097】
一実施例では、前記契約取引装置は、バウチャージェネレーターをさらに含み、前記バウチャージェネレーターは、前記資金プールマネージャが第1の資産A又は第2の資産Bの預金を受け取った後に第1のバウチャーを生成するように構成されるか、又は、前記取引ユーザと資金プールの間で取引が確立された後に第2のバウチャーを生成するように構成され、前記第1のバウチャーは、前記資金プール内の第1の資産A又は第2の資産Bの数と正の相関を持ち、前記第1のバウチャーは、資金プールへの引き出し要求を送信するためのバウチャーとして構成され、前記第2のバウチャーは、前記取引ユーザと前記資金プールの間の契約ポジション保有量と連続期間内で正の相関を持ち、前記第2のバウチャーは、前記取引ユーザの証拠金を解放するためのバウチャーとして構成される。
【0098】
前記第1のバウチャーと第2のバウチャーは分散型デジタル通貨であってもよい。
【0099】
選択的に、前記第1のバウチャーにより表される資金量が第2の資産Bに換算された数は、前記第2のバウチャーにより表されるポジション保有量が第2の資産Bに換算された数以上である。ここで、第1のバウチャーにより表される資金量は、本契約取引装置の資金プールの資金量が第1のバウチャーの量であることを示し、例えば、資金プールに1000USDTがある場合、第1のバウチャーは1000USDTを表し、第2のバウチャーは取引ユーザの契約ポジション保有量を表し、例えば、契約の価値がP^0.5USDT、P=100の場合、取引ユーザのポジション保有量は20契約であり、ポジション保有量により表される資金量は200USDTであり、第2のバウチャーは200USDTの取引ユーザのポジション保有を表す。
【0100】
選択的に、前記契約取引装置は、バウチャーバーナーをさらに含み、前記バウチャーバーナーは、バウチャー所有者が前記契約取引装置への引き出し要求を送信した後に第1のバウチャー又は第2のバウチャーを破棄するように構成される。
【0101】
以下では、一具体的な実施例を挙げて本契約取引装置の作業原理を説明し、
図4に示すように、デジタル通貨ETHとUSDTを例とすると、本契約取引装置のモードでは、流動性マイニングユーザが本契約取引装置の資金プールにデジタル通貨USDTを預け入れた後、流動性マイニングユーザに対応する数のデジタル通貨SL_USDを生成し、SL_USDは、引き出しバウチャーであり、第1のバウチャーに相当し、即ち、SL_USDを保有しているユーザは誰でも、本契約取引装置への引き出し要求を送信でき、引き出した後、ユーザは対応する数のデジタル通貨USDTを取得し、同時に対応する数のデジタル通貨SL_USDを破棄し、
取引ユーザが契約取引装置への取引要求を送信すると、一定の証拠金が凍結され、取引ユーザと資金プールの間でマッチメイキング取引が確立され、本契約取引装置は、単一の契約の価値をP^0.5USDTに設定し、Pはデジタル通貨ETHからUSDTへの為替レートであり、ここでは、取引ユーザに一定の資産増幅率を提供することもでき、例えば、資産増幅率は5倍であり、凍結されるUSDT証拠金の数は、取引量Vの1/5であればよく、
取引要求を受け取った後、契約取引装置は、取引ユーザと資金プールの間でマッチメイキング取引を確立し、次に、資金プールは、前記取引量に対応するUSDTを取り出し、USDTをUniswap等の自動マーケットメーカーの資金プールETH-USDに送信し、V/2のUSDTをETHに交換してから、交換されたETHと残りのV/2のUSDTを資金プールETH-USDに預け入れ、このとき、対応する数のデジタル通貨L_ETHが取引ユーザに渡され、L_ETHは引き出しバウチャーであり、第2のバウチャーに相当し、即ち、L_ETHを保有しているユーザは誰でも、本契約取引装置への証拠金の凍結を解除する要求を送信でき、証拠金はこのユーザに解放され、同時に対応する数のデジタル通貨L-ETHが破棄され、
取引ユーザは取引量よりも少ない証拠金しか凍結されないため、デジタル通貨L_ETHの価格変動はETHの価格変動よりも大きくなり、例えば、取引ユーザにm倍の資産増幅率が提供される場合、ここでの資産増幅率は、ポジションオープン価値/証拠金価値に等しくなり、mがm>3のように大きい場合、L_ETHの変動はETHの変動の約m/2倍になり、L_ETHは、ETHの価格を追跡し、ETHに対してロングポジションする増幅されたデジタル通貨に相当し、L_ETHとETHの間の相関をさらに向上させるために、取引ユーザの初期資産増幅率は、m0として構成され、|((m0-1)/m0)^2-(m0-2)/m0|<11.11%であり、この時点でL_ETHの上昇と下降は、ETHの上昇と下降と相関が最も高くなり、例えば、ETHが5%上昇すると、L_ETHは約15%上昇し、
SL_USDとUSDTは同等の交換であるが、SL_USDは、本契約取引装置を介して自動的に作成されたアンカーUSDTのステーブルコインに相当する。取引ユーザの証拠金はETHの価格変化に応じて損益が発生するため、即ち、取引ユーザの資産増幅率も価格に応じて動的に変化し、取引システムの安定した実行を保証するために、取引ユーザの資産増幅率にプリセット範囲(m1、m2)を設定し、取引ユーザの資産増幅率が上記のプリセット範囲を超える場合、資産演算増幅器により、取引ユーザの資産増幅率を前記プリセット範囲内に調整する。
【0102】
選択的に、m>m2の場合、契約取引装置はuniswap等の自動マーケットメーカーシステムへの引き出しと交換操作を自動的に開始し、同時にETHをUSDTに交換し、契約取引装置のUSDT資金プールに預け入れ、このとき、取引ユーザと資金プールの契約ポジション保有の資産増幅率が低下したことに相当し、m<m1の場合、契約取引装置は、uniswap等の自動マーケットメーカーシステムへの交換及び預金操作を自動的に開始し、USDTをUniswap等の自動マーケットメーカーの資金プールETH-USDに送信し、その中のVp/2のUSDTをETHに交換してから、交換されたETHと残りのVp/2のUSDTを資金プールETH-USDTに預け入れ、このとき、取引ユーザと資金プールの契約ポジション保有の資産増幅率が上昇したことに相当する。
【0103】
本契約取引装置の活動をさらに増やすために、uniswap等の自動マーケットメーカーでL_ETH-SL_USD及びSL_USD-USDT資金プールを開設し、関連する保有者の取引を容易にすることができ、ETHの価格が下がると、より多くの取引ユーザが本契約取引装置への取引要求を送信してL_ETHを取得し、資金プールL_ETH-SL_USDで販売し、次に、交換されたSL_USDを契約取引装置に送信して、USDTを取得するための引き出し要求を送信し、プロセス全体は、L_ETH-SL_USDの価格が変更される前にアービトラージ操作を実現したことに相当し、より多くのUSDTが取得され、ETHの価格が下がったら、逆の操作を実行すればよく、SL_USDの価格の安定性を保証するために、SL_USD/USDT>プリセット値p1の場合、システムは、SL_USDの等しい比率で追加発行を行い、SL_USD/USDT<プリセット値p2の場合、システムはSL_USDの等しい比率でデフレーションを行う。
【0104】
幾つかの実施例では、取引相手方はすべて取引ユーザであり、この実施例では、取引相手方の一方が取引ユーザであり、もう一方が資金プールであるため、オーダーブックなしで実現することができ、即ち、ブロックチェーンシステム上で完全に実行できるため、変動損失を完全に削減し、ユーザデータと資産のセキュリティを保証し、分散型増幅デジタル通貨とステーブルコインを発行するという技術的効果が実現され、この増幅デジタル通貨とステーブルコインの両方に対応する原資産があり、オラクルなしでデジタル通貨の増幅と、ステーブルコインをアンカーする効果を実現することができる。
【0105】
別の実施例でも、まだデジタル通貨ETH及びUSDTを例とし、本契約取引装置のモードでは、流動性マイニングユーザが本契約取引装置の資金プールにデジタル通貨ETHを預け入れた後、流動性マイニングユーザに対応する数のデジタル通貨SL_ETHを生成し、SL_ETHは、引き出しバウチャーであり、第1のバウチャーに相当し、即ち、SL_ETHを保有しているユーザは誰でも、本契約取引装置への引き出し要求を送信でき、引き出した後、ユーザは対応する数のデジタル通貨ETHを取得し、同時に対応する数のデジタル通貨SL_ETHを破棄し、
取引ユーザが契約取引装置への取引要求を送信すると、一定の証拠金が凍結され、取引ユーザと資金プールの間で取引が確立され、本契約取引装置は、単一の契約の価値を1/P^0.5ETHに設定し、Pはデジタル通貨ETHからUSDTへの為替レートであり、ここでは、取引ユーザに一定の資産増幅率を提供することもでき、例えば、増幅率は5倍であり、凍結されるETH証拠金の数は、取引量Vの1/5であればよく、
取引要求を受け取った後、契約取引装置は、取引ユーザと資金プールの間でマッチメイキング取引を確立し、次に、資金プールは、前記取引量に対応するETHを取り出し、ETHをuniswap等の自動マーケットメーカーの資金プールETH-USDに送信し、その中のV/2のETHをUSDTに交換してから、交換されたUSDTと残りのV/2のETHを資金プールETH-USDTに預け入れ、このとき、対応する数のデジタル通貨L_ETHが取引ユーザに渡され、L_ETHは引き出しバウチャーであり、第2のバウチャーに相当し、即ち、L_ETHを保有しているユーザは誰でも、本契約取引装置への証拠金の凍結を解除する要求を送信でき、証拠金はこのユーザに解放され、同時に対応する量のデジタル通貨L-ETHが破棄され、
取引ユーザは取引量よりも少ない証拠金しか凍結されないため、デジタル通貨L_ETHの価格変動はETHの価格変動よりも大きくなり、例えば、取引ユーザにm倍の資産増幅率が提供される場合、ここでの資産増幅率は、ポジションオープン価値/証拠金価値に等しくなり、mがm>3のように大きい場合、L_ETHの変動はETHの変動の約m/2倍になり、L_ETHは、ETHの価格を追跡し、ETHに対してショートポジションである増幅されたデジタル通貨に相当し、L_ETHとETHの間の相関をさらに向上させるために、取引ユーザの初期資産増幅率は、m0として構成され、|((m0-1)/m0)^2-(m0-2)/m0|<11.11%であり、この時点でL_ETHの上昇と下降は、ETHの上昇と下降と相関が最も高くなり、例えば、ETHが5%低下すると、L_ETHは約15%上昇し、
SL_ETHとETHは同等の交換であるが、SL_ETHは、本契約取引装置を介して自動的に作成されたETHアンカー通貨に相当する。取引ユーザの証拠金はETHの価格変化に応じて損益が発生するため、即ち、取引ユーザの資産増幅率も価格に応じて動的に変化し、取引システムの安定した実行を保証するために、取引ユーザの資産増幅率にプリセット範囲(m1、m2)を設定し、取引ユーザの資産増幅率が上記のプリセット範囲を超える場合、資産演算増幅器により、取引ユーザの資産増幅率を前記プリセット範囲内に調整する。
【0106】
選択的に、m>m2の場合、契約取引装置はuniswap等の自動マーケットメーカーシステムへの引き出しと交換操作を自動的に開始し、同時にUSDTをETHに交換し、契約取引装置のETH資金プールに預け入れ、このとき、取引ユーザの資産増幅率が低下したことに相当し、m<m1の場合、契約取引装置は、uniswap等の自動マーケットメーカーシステムへの交換及び預金操作を自動的に開始し、ETHをuniswap等の自動マーケットメーカーの資金プールETH-USDに送信し、その中のVp/2のETHをUSDTし交換してから、交換されたUSDTと残りのVp/2のETHを資金プールETH-USDに預け入れ、このとき、取引ユーザの資産増幅率が上昇したことに相当する。
【0107】
本契約取引装置の活動をさらに増すために、uniswap等の自動マーケットメーカーでL_ETH-SL_USD及びSL_ETH-ETH資金プールを開設し、関連する保有者の取引を容易にすることができ、ETHの価格が上昇すると、より多くの取引ユーザが本契約取引装置への取引要求を送信してL_ETHを取得し、資金プールL_ETH-SL_ETHで販売し、次に、交換されたSL_ETHを契約取引装置に送信して、ETHを取得するための引き出し要求を送信し、プロセス全体は、SL_ETH-ETHの価格が変更される前にアービトラージ操作を実現したことに相当し、より多くのETHが取得され、ETHの価格が下がったら、逆の操作を実行すればよく、SL_ETHの価格の安定性を保証するために、SL_ETH/ETH>プリセット値p1の場合、システムは、SL_ETHの等しい比率で追加発行を行い、SL_ETH/ETH<プリセット値p2の場合、システムはSL_ETHの等しい比率でデフレーションを行う。
【0108】
オーダーブックモードでは、取引相手方はすべて取引ユーザであり、この実施例では、取引相手方の一方が取引ユーザであり、もう一方が資金プールであるため、オーダーブックなしで実現することができ、即ち、ブロックチェーンシステム上で完全に実行できるため、変動損失を完全に削減し、ユーザデータと資産のセキュリティを保証し、分散型増幅デジタル通貨とアンカー通貨を発行するという技術的効果が実現され、この増幅デジタル通貨とアンカー通貨の両方に対応する原資産があり、オラクルなしでデジタル通貨の増幅と、デジタル通貨アンカー通貨の効果を実現することができる。
【0109】
一実施例では、本発明は、ブロックチェーンシステムをさらに開示し、前記ブロックチェーンシステムは、上記の契約取引装置内の実行可能プログラムの実行に参加するか、又は実行をトリガするように構成される。
【0110】
一実施例では、本発明は、少なくとも1つのコンピュータプロセッサーから構成される契約取引装置により実行される増幅資産の作成方法をさらに提供し、前記増幅資産の作成方法は、
契約対象マネージャが、前記増幅資産の契約取引対象を決定し、前記契約対象は、第1の資産Aと第2の資産Bとの間のスポット為替レートPxに関していることと、
スポットマーケットプロセッサーが、第1の資産Aと第2の資産Bのスポット価格、又は第1の資産Aと第2の資産Bとの間のスポット為替レートPxを取得することと、
取引ユーザの証拠金を凍結することと、
取引エンジンが、取引ユーザと前記スポット為替レートPxの間の契約取引を実行して、契約ポジションを開設することと、
契約ポジション保有調整プロセッサーが、前記スポット為替レートPxの変化に応じて、前記増幅資産の契約ポジション保有価値が、第1の資産Aに換算された数がスポット為替レートPxと負の相関を持ち、第2の資産Bに換算された数が契約為替レートPxと正の相関を持つように調整することと、増幅資産ジェネレーターが、前記増幅資産を作成することと、を含む。
【0111】
一実施例では、前記方法は、資産演算増幅器が、前記増幅資産の初期資産増幅率をm0として構成し、Pq/P0=((m0-1)/m0)^2を満たし、前記Pqは清算価格、前記P0はポジションオープン価格、及び前記資産増幅率は、前記増幅資産の契約ポジション保有資産価値と証拠金価値の比率であることをさらに含む。
【0112】
一実施例では、前記方法は、増幅資産ジェネレーターが、第1の増幅資産及び第2の増幅資産を生成し、前記第1の増幅資産の証拠金はAであり、前記第2の増幅資産の証拠金はBであることをさらに含む。
【0113】
一実施例では、前記増幅資産の作成方法は、
前記資産演算増幅器が、前記増幅資産の初期資産増幅率が|((m0-1)/m0)^2-(m0-2)/m0|<11.11%を満たすように構成することをさらに含む。
【0114】
一実施例では、前記増幅資産の作成方法は、
前記資産演算増幅器が、第1の価格Pnでの前記増幅資産の資産増幅率をm=m0*Pn^0.5/(P0^0.5+m0(Pn^0.5-P0^0.5))として構成することをさらに含む。
【0115】
一実施例では、前記増幅資産の作成方法は、前記資産演算増幅器が、前記増幅資産の資産増幅率にプリセット範囲(m1、m2)を設定し、ここで、m1、m2>1であり、前記増幅資産の資産増幅率が上記のプリセット範囲を超える場合、資産演算増幅器により、前記増幅資産の資産増幅率を前記プリセット範囲内に調整することをさらに含む。
【0116】
一実施例では、前記増幅資産の作成方法は、資金プールマネージャが、前記増幅資産の第1の資金プールと第2の資金プールを作成し、前記第1の資金プールは証拠金資金プールであり、前記第2の資金プールは前記契約ポジション保有資金プールであることをさらに含む。
【0117】
一実施例では、前記増幅資産の作成方法は、トークンマネージャが、前記増幅資産の非代替性トークンを作成することをさらに含む。
【0118】
一実施例では、前記非代替性トークンの属性には、少なくとも前記増幅資産の契約ポジション保有数と前記契約ポジション保有価格が含まれる。
【0119】
一実施例では、本発明は、ブロックチェーンシステムをさらに開示し、前記ブロックチェーンシステムは、前記増幅資産の作成方法の実行に参加するか、又は実行をトリガするように構成される。
【0120】
ブロックチェーン上で、取引ユーザ相手方のマッチメイキング取引の価格を設定するために、一実施例では、本契約取引装置は、仮想価格設定システムをさらに含み、前記仮想価格設定システムには、資金プール仮想第1の資産VA-仮想第2の資産VBが含まれ、前記仮想第1の資産VAと仮想第2の資産VBの初期数はそれぞれx0とy0であり、x0y0=kであり、kはプリセット値であり、証拠金が第2の資産Bの場合、取引ユーザの第1の資産A及び第2の資産Bの契約為替レートPhの取引価格を決定するために、契約取引装置が取引ユーザのオープンポジション保有量がVの取引を受け取ると、仮想取引システムは、取引量の等価値のzの仮想第2の資産Bを生成し、n2の仮想第2の資産Bをn1の仮想第1の資産Aに交換して、以下を満たすようにする。
交換前:x0y0=k0
交換後:(x0+n1)(y0-n2)=k0
預金前後:(y0+z-n2)/(x0+n1)=(z-n2)/n1
n1仮想A及びz-n2仮想Bが仮想自動マーケットメイク資金プールA-Bに預け入れられた場合、前記取引ユーザのポジションオープン契約為替レートPh=n2/n1である。
【0121】
契約取引装置が取引ユーザのクロージングポジションがVの取引を受け取ると、その価値が第2の資産Bに換算された数はzであり、仮想マーケットメイキング取引システムは、資金プールからn1仮想第1の資産AとZ-n2仮想第2の資産Bを取り出し、次にn1仮想第1の資産Aをn2仮想第2の資産Bに交換し、このとき、z仮想第2の資産Bを破棄して、以下を満たすようにする。
取り出し前後:y0/x0=(y0-z+n2)/(x0-n1)
交換前:(x0-n1)(y0-z+n2)=k1
交換後:(x0-n1+n1)(y0-z+n2-n2)=k1
したがって、前記取引ユーザのポジションクロージング契約為替レートPh=n2/n1=(y0-z)/x0である。
【0122】
ブロックチェーン上で、取引ユーザ相手方のマッチメイキング取引の価格を設定するために、一実施例では、本契約取引装置は、仮想価格設定システムをさらに含み、前記仮想価格設定システムには、資金プール仮想VC種類と仮想第2の資産VBが含まれ、ここで、仮想VC種類の価値は、第1の資産VAに換算された数がb/(Ph)^cのd倍であり、ここで、0<|c|<1、b>0、d>0、及びbとcはプリセット定数である。以下では、デジタル通貨ETHとUSDTを例として、仮想価格設定システムの作業原理を説明し、
図5に示すように、ここで、第1の資産VAはETH、第2の資産VBはUSDTであり、単一のVC種類の価値はP^0.5USDTとして定義され、したがって、仮想価格設定システムには、資金プール仮想C(P^0.5)-仮想USDTが含まれ、仮想VC種類はx、仮想USDTはyであり、xy=kを満たし、本発明の契約取引装置が取引ユーザから取引要求を受け取り、オープンポジション量がvロングポジション又はショートクローズのP^0.5契約の場合、資金プール仮想VC(P^0.5)-仮想USDTからv仮想VC(P^0.5)を購入し、したがって、資金プールは以下を満たす。
交換前:xy=k
交換後:(x-v)(y+y1*m)=k
ここで、y1は契約証拠金、mはポジションオープン資産増幅率であり、したがって、契約取引価格Ph=(P^0.5)^2=(y1*m/v)^2である。
【0123】
オープンポジションがvショートポジション又はロングクローズのP^0.5契約の場合、v仮想C(P^0.5)を資金プール仮想C(P^0.5)-仮想USDTに売却し、したがって、資金プールは以下を満たす。
交換前:xy=k
交換後:(x+v)(y-y1*m)=k
ここで、y1は契約証拠金、mはポジションオープン資産増幅率であり、したがって、契約取引価格Ph=(P^0.5)^2=(y1*m/v)^2である。
【0124】
上記の仮想価格設定システムによれば、取引ユーザの契約取引の取引価格を決定することを、オーダーブックなしで実現することができ、ブロックチェーン上で本契約取引装置を実現するのに適している。
【0125】
上記は、本発明の実施形態にすぎず、当業者にとって、本発明の原理から逸脱することなく、いくつかの改良及び修正又は組み合わせを行うことができ、これらの改良及び修正もまた、本発明の保護範囲と見なされるべきであることに留意されたい。