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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】表面傷を修復する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 49/14 20060101AFI20230323BHJP
   B24B 27/00 20060101ALI20230323BHJP
   B24B 49/16 20060101ALI20230323BHJP
   B24B 49/10 20060101ALI20230323BHJP
   B24B 7/24 20060101ALI20230323BHJP
   B25J 9/00 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
B24B49/14
B24B27/00 A
B24B49/16
B24B49/10
B24B7/24 A
B25J9/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021009197
(22)【出願日】2021-01-22
(65)【公開番号】P2021133497
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2021-01-22
(31)【優先権主張番号】202010119484.7
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】320015599
【氏名又は名称】上海東競自動化系統有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】518336938
【氏名又は名称】ツン ヒン オートメーション インベストメント リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】陳 永強
(72)【発明者】
【氏名】林 朗煕
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-071697(JP,A)
【文献】特表2015-519209(JP,A)
【文献】特開平08-216023(JP,A)
【文献】特開平05-043717(JP,A)
【文献】特開平11-070462(JP,A)
【文献】特開2010-034118(JP,A)
【文献】特開2002-367933(JP,A)
【文献】特開2012-109358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 49/14
B24B 27/00
B24B 49/16
B24B 49/10
B24B 7/24
B25J 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に装着されたガラスの表面傷を修復する方法であって、前記方法は、
研磨液を含む流体を供給しない条件下において、研磨材で基材表面を粗研磨処理し、ここで、前記粗研磨処理は、第一研磨材を備える研磨シールを、円形のディスクホルダーに実装してなる研削ホイールを基材表面に接触力が0.8~4N及び基材表面温度が40℃以下の条件下において接触させ、前記第一研磨材は、ダイヤモンド、炭化ケイ素又はそれらの組み合わせから選択され、前記第一研磨材の粒度は、18~40μmであるステップ(1)と、
研磨液を含む流体を供給しない条件下において、前記ステップ(1)の後に基材表面を鏡面仕上げ処理し、ここで、前記鏡面仕上げ処理は、第二研磨材を備える研磨シールを、円形のディスクホルダーに実装してなる研削ホイールを基材表面に接触力が0.4~2N及び基材表面温度が25℃以下の条件下において接触させ、前記第二研磨材には、酸化セリウムが含まれ、前記第二研磨材の構造は、ピラミッド形であるステップ(2)と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ステップ(1)と前記ステップ(2)の後に、依然として表面傷が存在する場合、基材表面の同じ位置における研磨回数を減らすことを前提条件として、前記ステップ(1)と前記ステップ(2)を繰り返す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一研磨材又は第二研磨材は、正(時計回り)方向回転と逆(反時計回り)方向回転とに切り替えられながら、粗研磨処理、又は鏡面仕上げ処理が行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ(1)において前記粗研磨処理は、研削ホイールの回転速度が3000~4000rpmのもとで行われ、前記ステップ(2)において前記鏡面仕上げ処理は、研削ホイールの回転速度が800~2500rpmのもとで行われる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
請求項1~のいずれか一項に記載の方法を実行する装置であって、前記装置は、
(a)研磨材とガラスとの接触力を検出する、力検出装置と、
(b)力の増減を高精度に制御する装置と、
(c)研削ホイール速度を制御する装置と、
(d)表面温度を検出する、温度検出装置と、
(e)表面温度を高精度に制御する装置と、
(f)研削ホイールの走行を高精度に制御する装置と、
(g)研削ホイールとガラス表面との間の接触点又は接触面が一致するように高精度に制御する装置と、
を含む、装置。
【請求項6】
前記力検出装置により検出された力及び前記力の増減を高精度に制御する装置に基づき、前記ステップ(1)において、前記粗研磨処理における接触力は0.8~4N以下に制御され、前記ステップ(2)において、前記鏡面仕上げ処理における接触力は0.4~2N以下に制御される、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記温度検出装置により検出された温度及び表面温度を高精度に制御する装置に基づき、前記ステップ(1)において、前記粗研磨処理における基材表面温度は40℃以下に制御され、前記ステップ(2)において、前記鏡面仕上げ処理における基材表面温度は25℃以下に制御される、請求項5または6に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面傷を修復する方法及び装置に関し、特に強化ガラス表面の傷を修復するデジタルの研磨方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、日常的な電子機器(多くのブランドのスマホン、タブレット、スマートウォッチを含む)の外装は、通常、強化ガラスで覆われる。電子機器の使用中に、強化ガラスにはスクラッチや傷が見られことが多い。このようなスクラッチ又は傷付き強化ガラスを表面処理し、表面を研磨し、及び/又は修復する必要性がある。
【0003】
従来技術によって、スマホンのパネル用のガラスの研磨方法は、研磨材とスマホンのパネル用のガラス表面との間で機械及び化学的な作用によって、共同でガラス材料が研磨完了される方法を含み、前記研磨材は、一般に、研磨液、又は研磨粉である。しかし、この研磨方法では、工程中に研磨液を使用することが要求され、かつ多量の粉塵が発生する。これらの液体や粉塵は、電子機器の内部回路を損傷する可能性があるため、完全な電子機器のカバーガラスの処理には適用されない。既存の研磨方法や研磨装置は、特に、強化後のガラスにディスプレイや電子回路が組み付けられ、着脱が禁止される場合、又は、分解するのが極めて困難な場合、又は、分解するとディスプレイや電子回路が損傷したり性能仕様が大幅に低下したり場合には、使用要件に適合させることができない。
【0004】
そのため、分解の必要ない電子機器におけるガラスの表面傷を効果的に除去又は軽減することができ、ガラスの平坦性及び光沢面(鏡面光沢面)を回復させることができ、新たな表面傷を修復する方法及び装置が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の示す実施形態の目的は、従来技術において上記、又は他の欠陥に対処することである。本発明が解決しようとする技術の課題は、完全な電子機器が従来技術に適用されないことを克服する研磨方法であり、この方法は、電子機器を分解する必要がなく、ファイルロスを心配する必要がなく、研磨液を必要とせずに(少量の水ミストのみ)、多量の粉塵が発生させなく、なお、本発明の傷を修復する工程において、電子機器の温度が所定の上限温度を超えることがなく、ガラスに割れやひびが発生したり、電子機器の内部の回路基板が損傷したりすることもない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術の問題に対処するために、本発明によって提供される、表面傷を修復する方法は、
研磨液を供給しない条件下において、研磨材で基材表面を研磨加工処理(粗研磨工程)し、ここで、前記研磨加工処理は、第一研磨材と基材表面との間の接触力が0.8~4N及び基材表面温度が40℃以下の条件下において行われるステップ(1)と、
研磨液を供給しない条件下において、前記ステップ(1)の後に基材表面を鏡面仕上げ処理し、ここで、前記鏡面仕上げ処理は、第二研磨材と基材表面との間の接触力が0.4~2N及び基材表面温度が25℃以下の条件下において行われるステップ(2)と、
を含む。
【0007】
前記ステップ(1)において、前記第一研磨材は、ダイヤモンド、炭化ケイ素又はそれらの組み合わせから選択される。
【0008】
前記ステップ(2)において、前記第二研磨材には、酸化セリウムが含まれる。
【0009】
前記ステップ(1)において、前記第一研磨材の粒度は、18~40ミクロンであり、前記ステップ(2)において、前記第二研磨材の構造は、ピラミッド形である。
【0010】
前記第一研磨材又は第二研磨材は、正(時計回り)逆(反時計回り)方向対称パターンで研磨加工処理、又は鏡面仕上げ処理が行われる。
【0011】
前記ステップ(1)において前記研磨加工処理は、研削ホイールの回転速度が3000~4000RPMのもとで行われ、前記ステップ(2)において前記鏡面仕上げ処理は、研削ホイールの回転速度が800~2500RPMのもとで行われる。
【0012】
水ミストの噴霧量及び/又は噴霧時間が基材表面の温度を制御するように調整される。
【0013】
研磨材と基材表面との間の接触力が基材表面の温度を制御するように低減される。
【0014】
一方、本発明によって提供される、表面傷を修復する装置は、
(a)研磨材とガラスとの接触力を検出する、力検出装置と、
(b)力の増減を高精度に制御する装置と、
(c)研削ホイール速度を制御する装置と、
(d)表面温度を検出する、温度検出装置と、
(e)表面温度を高精度に制御する装置と、
(f)研削ホイールの走行を高精度に制御する装置と、
(g)研削ホイールとガラス表面との間の接触点(又は接触面)が一致するように高精度に制御する装置と、
を含む。
【0015】
前記力検出装置により検出された力及び前記力の増減を高精度に制御する装置に基づき、前記ステップ(1)において、前記研磨加工処理における接触力は0.8~4N以下に制御され、前記ステップ(2)において、前記鏡面仕上げ処理における接触力は0.4~2N以下に制御される。
【0016】
前記温度検出装置により検出された温度及び表面温度を高精度に制御する装置に基づき、前記ステップ(1)において、前記研磨加工処理における基材表面温度は40℃以下に制御され、前記ステップ(2)において、前記鏡面仕上げ処理における基材表面温度は25℃以下に制御される。
【0017】
前記ステップ(1)と前記ステップ(2)の後に、依然として表面傷が存在する場合、基材表面の同じ位置における研磨回数を減らすことを前提条件として、前記ステップ(1)と前記ステップ(2)を繰り返す。
【0018】
本発明に記載の表面傷を修復する方法及び装置によれば、分解の必要ない電子機器におけるガラスの表面傷を効果的に除去又は軽減することができ、ガラスの平坦性及び光沢面(鏡面光沢面)を回復させることができ、データロスを心配する必要がなく、又は、完全な電子機器のカバーガラスの表面傷を修復する工程において電子機器が損傷されないように保証できる。前記研磨方法には、研磨液を供給しない条件下に行われるため、電子機器への水の侵入する可能性がない。そして、本発明に記載の表面傷を修復する方法は、多量の粉塵が発生させないため、電子機器の内部が埃の侵入や汚染されることもない。さらに、前記研磨工程において、温度が40℃を超えることはないため、ガラスに割れやひびが発生したり、電子機器の内部の回路基板が損傷したりすることもない。
【0019】
以下の詳細な記述、添付の図面及び請求項を参照して、本発明の他の特徴、目的、及び利点は、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図面に基づいて本発明の実施の形態を説明し、本発明は、よりよく理解できる。
図1図1は実施形態に従う前記表面傷を修復する装置の全体的に概略図である。
図2図2は実施形態に従う前記表面傷を修復する装置の一部(スマホン用治具装置ボックス9)の概略図である。
図3図3は実施形態に従う前記表面傷を修復する装置の一部(主制御装置10)の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
特に定義されない限り、本明細書で用いられるすべての技術用語又は科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0022】
本明細書で用いられる、例えば、研磨材の量、濃度、温度、力、回転速度及び類似の値、並びにその範囲、構成要素のスケール及び類似の値、並びにその範囲を修飾する用語「約」は、例えば、材料の作製、温度、力、厚さ、サイズ、又は製剤の使用に用いられる典型的な測定及び動作手順を通じて、これらの工程において不測の誤りを通じて、組成物を作製する、又はこれらの方法を実施するために使用される成分の製造、供給源、又は純度における差異を通じて、並びにその類似要因を通じて生じうる数量における変動を示すと理解される。
【0023】
本明細書で、値の範囲、例えば、5~25が与えられる場合には、少なくとも5、又は5よりも低くなく、並びにそれぞれ独立に、25よりも大きくなく、又は25よりも低いことを意味する。実施形態によっては、そのような範囲が独立して5よりも低くなく、並びにそれぞれ独立に、25よりも大きくないように限定されることができる。値の範囲、例えば、10~15、又は10~20の範囲を有する場合にも、これらの範囲の上限値と下限値は、同様にそれぞれ独立に、これらの範囲に含めると理解される。
【0024】
本発明において、用語「含む」や「含み」等の変形は、用語「含む」や「含み」の前に指定される部品又は物品、用語「含む」や「含み」の後に列挙される部品、又は、物及びそれらの均等物を含むことを意味するが、任意の他の指定されていない部品、又は物品を除外するものではないと理解される。
【0025】
以下、実施形態を次に、本発明をさらに説明するが、本発明は、記載された実施形態に限定されない。
【0026】
本発明に記載の表面傷を修復する方法は、(1)、研磨液を供給しない条件下に第一研磨材で基材表面を研磨加工処理し、前記第一研磨材の粒度は、18~40ミクロンである。本発明において、用語「研磨液」は、研磨材が分散液(例えば、水)中に均一に、自由に、分散されてなる液体を意味する。研磨液を供給しない条件下に本発明に記載の表面傷を修復する方法は、電子機器への水の侵入する可能性がない。
【0027】
本発明に記載の表面傷を修復する方法は、(2)、研磨液を供給しない条件下にステップ(1)の後に基材表面を鏡面仕上げ処理し、前記第二研磨材の構造は、ピラミッド形である。本発明において、前記ピラミッド形の構造は、ガラス/LCD液晶パネルの表面傷を修復や研磨するようによく用いられるピラミッド形の研磨材製品である。同一サイズの砥粒が接着剤を介して接着され、ピラミッド状に成形された立体構造には、そのピラミッド列は、砥粒を含む研削ホイールの自生発刃性及び加工均一性を向上させる。
【0028】
一部の実施形態において、前記第一研磨材の粒度は、18~40ミクロンであり、18~35ミクロンであり、18~30ミクロンであり、18~25ミクロンであり、18~22ミクロンであり、22~40ミクロンであり、22~35ミクロンであり、22~30ミクロンであり、22~25ミクロンであり、25~40ミクロンであり、25~35ミクロンであり、25~30ミクロンであり、30~40ミクロンであり、30~35ミクロンであり、35~40ミクロンであり、及びその範囲内のあらゆる範囲が包含される。本発明の実施形態において、ステップ(1)の前記第一研磨材は、ダイヤモンド、又は炭化ケイ素である。本発明として、前記ステップ(1)の前記第一研磨材は、Mirka Inc.から市販されているABRALON J3 500、ABRALON J3 600(炭化ケイ素の材質)等であり、3M Inc.から市販されているTD3(ダイヤモンドの材質)である。
【0029】
本発明の実施形態において、ステップ(2)の前記第二研磨材は、酸化セリウムである。本発明として、前記ステップ(2)の前記第二研磨材は、3M Inc.から市販されている568XA(酸化セリウムの材質)等ある。
【0030】
本発明の実施形態において、ステップ(1)の研磨工程は、0.8~4Nとなる条件下で行われる。一部の実施形態において、前記ステップ(1)の力は、0.8~3Nであり、0.8~2.7Nであり、0.8~2.4Nであり、0.8~2Nであり、0.8~1.7Nであり、0.8~1.4Nであり、0.8~1Nであり、1~3Nであり、1~2.7Nであり、1~2.4Nであり、1~2Nであり、1~1.7Nであり、1~1.4Nであり、1.4~3Nであり、1.4~2.7Nであり、1.4~2.4Nであり、1.4~2Nであり、1.4~1.7Nであり、1.7~3Nであり、1.7~2.7Nであり、1.7~2.4Nであり、1.7~2Nであり、2~3Nであり、2~2.7Nであり、2~2.4Nであり、2.4~3Nであり、2.4~2.7Nであり、2.7~3Nであり、及びその範囲内のあらゆる範囲が包含される。本発明では、設定された力の大きさが重要な技術要件となる。力が高すぎる(例えば、3N以上)と、電子機器のガラス表面に割れやひびが発生する場合があり、又は、粗研磨/鏡面仕上げ処理工程において、過剰な摩擦熱が発生してガラス表面温度が上昇させ、電子機器のスクリーン及び/又は内部回路に損傷を与える可能性がある。一方、力が低すぎる(例えば、0.8N以下)と、傷を除去しにくい、又は時間がかかる場合があり、粗研磨/鏡面仕上げ処理工程の効率に影響を与える可能性がある。
【0031】
本発明の実施形態において、ステップ(1)の研磨工程では、基材表面温度が40℃以下となる条件である。一部の実施形態において、前記ステップ(1)のガラス表面の温度が40℃以下、38℃以下、35℃以下、30℃以下又は27℃以下になるように制御される。実際の動作では、ガラス表面温度が40℃を超える場合に、電子機器のスクリーン及び/又は内部回路に一定の損傷を与えやすい。
【0032】
本発明の実施形態において、ステップ(2)の鏡面仕上げ工程は、0.4~2Nとなる条件下で行われる。一部の実施形態において、鏡面仕上げ工程に用いられる第二研磨材と基材表面との間の接触力は、0.4~2Nであり、0.4~1.7Nであり、0.4~1.4Nであり、0.4~1Nであり、0.4~0.7Nであり、0.7~2Nであり、0.7~1.7Nであり、0.7~1.4Nであり、0.7~1Nであり、1~2Nであり、1~1.7Nであり、1~1.4Nであり、1.4~2Nであり、1~1.7Nであり、1.7~2Nであり、及びその範囲内のあらゆる範囲が包含される。本発明では、設定された力の大きさが重要な技術要件となる。力が高すぎる(例えば、2N以上)と、電子機器のガラス表面に割れやひびが発生する場合があり、又は、粗研磨/鏡面仕上げ処理工程において過剰な摩擦熱が発生してガラス表面温度が上昇させ、電子機器のスクリーン及び/又は内部回路に損傷を与える可能性がある。一方、力が低すぎる(例えば、0.4N以下)と、傷を除去しにくい、又は時間がかかる場合があり、粗研磨/鏡面仕上げ処理工程の効率に影響を与える可能性がある。
【0033】
本発明の実施形態において、ステップ(2)の鏡面仕上げ処理工程では、基材表面温度が25℃以下となる条件である。全ての鏡面仕上げ処理工程において、ガラス表面の温度が30℃以下、28℃以下、25℃以下、20℃以下又は18℃以下になるように制御される。
【0034】
本発明の実施形態において、水ミストの噴霧量及び/又は噴霧時間が基材表面の温度を制御するように調整される。一般に、本発明に記載の方法により設定された接触力では、基材表面の温度は、所望の温度制御条件を超えることではないが、基材表面の温度が超える場合には、加工において基材表面に少しい噴霧(例えば、水ミスト)をして、基材表面の温度を下げる。
【0035】
同様に、本発明には、研磨材と基材表面との間の接触力が基材表面の温度を制御するように低減される。基材表面の温度が超える場合には、研磨材と基材表面との間の接触力を低減して、摩擦により発生する熱が放熱の量よりも小さくされることができ、基材表面の温度を下げる。
【0036】
本発明の実施形態において、正逆方向に切り替え方法で研磨処理を行われる。その方法によって、本発明に記載の方法は、基材表面に深い摩耗痕を発生することがさらに低減される。
【0037】
本発明の実施形態において、前記ステップ(1)と前記ステップ(2)の後に、まだ表面の傷がある場合、基材表面に同じ位置で研磨回数を減らすことが条件にさせ、前記ステップ(1)と前記ステップ(2)を繰り返しする。
【0038】
本発明に記載の強化ガラスの表面傷を修復する方法は、以下のステップを含む。
(1)粗研磨工程
前記粗研磨工程は、強化ガラスの表面に深さが異なる傷を効果的に除去することができる。用いられる第一研磨材の材質は、ダイヤモンド、又は炭化ケイ素であり、前記第一研磨材の粒度は、一般に、18~40ミクロンである。本発明の粗研磨工程において、第一研磨材の粒度は、40ミクロンよりも大きい場合には、元の傷を除去すると同時に、新たによりも深い摩耗痕を発生する可能性があるため、研磨時間がとてもかかり、工程の効率が低減される。第一研磨材の粒度は、18ミクロンよりも小さい場合には、傷の除去に要する時間が大幅に長くなり、効果的に除去ができないまでになる。本発明の発明者らは、絶えず研究及び実験的分析又は比較を繰り返した結果によって、18~40ミクロンのサイズ範囲内の研磨材は、強化ガラスの表面に深さの異なる傷を効果的に除去することができ、深い摩耗痕を発生しないことになり、研磨時間が大幅に短縮できる。一般に、粗研磨で用いられる第一研磨材は、Mirka Inc.から市販されているABRALON J3 500、ABRALON J3 600(炭化ケイ素の材質)等、3M Inc.から市販されているTD3(ダイヤモンドの材質)等を含むが、これらに限定されない。
(2)鏡面仕上げ処理(精研磨)工程
前記鏡面仕上げ処理工程は、強化ガラスの表面に粗研磨工程では避けられない摩耗痕を効果的に除去することができ、強化ガラスの表面が鏡面光沢面を呈することになれ、すなわち、新品の強化ガラスの表面と見分けがつかない結果を実現する。
用いられる第二研磨材の材質は、酸化セリウムでも良く、前記第二研磨材の構造は、ピラミッド形である。この構造により材料では、摩耗痕を均等に除去し、鏡面光沢面に達成することができ、使用回数が10~30回であるが、具体的な研磨回数は、研磨力の大きさ及び摩耗量、又は摩耗深さに関連する。この構造以外の材料では、摩耗痕の除去に要する時間が大幅に長くなり、効果的に除去ができないまでになる。本発明の発明者らは、絶えず研究及び実験的分析又は比較を繰り返した結果によって、研磨材は、研磨回数が5~10の範囲内で強化ガラスの表面に粗研磨工程では避けられない摩耗痕を効果的に除去することができる。一般に、鏡面仕上げ工程で用いられる第二研磨材は、3M Inc.から市販されている568XA(酸化セリウムの材質)等を含むが、これらに限定されない。一般に、一枚の研磨材で3つの工作物(スマホンのスクリーン)を研磨できるが、加工時間は加工順番によって変化し、1個目の工作物の加工時間が最も短く、2個目以降の工作物の加工時間が長くなる必要がある。
【0039】
本発明の一つの実施形態において、前記粗研磨工程は、下記に、
(1)研磨材の選ぶ:ABRALON J3 500、ABRALON J3 600(炭化ケイ素の材質)、又は他の材料等を使用する、
(2)研磨材の形状:研削ホイールであり、直径が6インチであり、回転速度が3000~4000回/分(RPM)である、
(3)粗研磨力:研削ホイールとガラス表面との間の接触力が0.8~4Nである、
(4)粗研磨時間:1ー3分である、
(5)研削ホイールが同じ位置で研磨する回数:3~10回であり、摩耗深さによって、一般的な摩耗痕(0.2ミリメートル以下)の場合には、上述の力制御を条件として5回で研磨すれば摩耗痕を効果的に除去することができるの
うちの1又は複数の条件を満たす場合に行われる。
【0040】
本発明の一つの実施形態において、前記粗研磨工程は、下記に、
(1)研磨材の選ぶ:TD3(ダイヤモンドの材質)、又は他の材料等を使用する、
(2)研磨材の形状:研削ホイールであり、直径が5インチであり、回転速度が800~2500回/分(RPM)である、
(3)粗研磨力:研削ホイールとガラス表面との間の接触力が0.8~3Nである、
(4)粗研磨時間:1ー3分である、
(5)研削ホイールが同じ位置で研磨する回数:10~80回であり、摩耗深さによって、一般的な摩耗痕(0.2ミリメートル以下)の場合には、上述の力制御を条件として20回で研磨すれば摩耗痕を効果的に除去することができる
のうちの1又は複数の条件を満たす場合に行われる。
【0041】
本発明の粗研磨工程では、研磨材とガラス表面との間の摩擦によって熱が発生するため、ガラス表面は発熱することになる。全ての粗研磨工程において、ガラス表面の温度が40℃以下、好ましくは30℃以下になるように制御される。非接触式温度検知システム(赤外線温度計)を採用してガラス表面温度を検知する。水ミストの噴霧量及び/又は噴霧時間等対策が温度を制御するように調整されでもよく、もちろん、接触力の設定値が摩擦によって発生した熱を低減するように変化されでもよいが、研磨効率を低下させ、研磨時間を増加させることになるため、トレードオフを判断する必要がある。
【0042】
本発明において、前鏡面仕上げ処理工程は、下記に、
(1)研磨材の選ぶ:568XA(酸化セリウムの材質)を使用する、
(2)研磨材の形状:研削ホイールであり、直径が5インチであり、回転速度が1000~2000回/分(RPM)である、
(3)鏡面研磨力:研削ホイールとガラス表面との間の接触力が0.4~2Nである、
(4)粗研磨時間:1~3分である、
(5)研削ホイールが同じ位置で研磨する回数:1~5回である
のうちの1又は複数の条件を満たす場合に行われる。
【0043】
本発明の鏡面仕上げ処理工程では、研磨材(例えば、酸化セリウム)とガラス表面との間の摩擦及び化学反応(酸化セリウムと強化ガラス)によって熱が発生するため、ガラス表面は発熱することになる。全ての鏡面仕上げ処理工程において、ガラス表面の温度が30℃以下、好ましくは25℃以下になるように制御される。非接触式温度検知システム(赤外線温度計)を採用してガラス表面温度を検知する。水ミストの噴霧量及び/又は噴霧時間等対策が温度を制御するように調整されでもよく、もちろん、接触力の設定値が摩擦によって発生した熱を低減するように変化されでもよいが、研磨効率を低下させ、研磨時間を増加させることになるため、トレードオフを判断する必要がある。本発明の発明者らは、数々の実験的分析又は比較を繰り返した結果によって、酸化セリウム材質の研磨材が用いられた鏡面仕上げ処理工程を行われる場合には、ガラス表面の温度が25℃になるように制御すれば、強化ガラスの表面に鏡面光沢面の形成効果が最大化される。
【0044】
本発明によって、用いられる表面傷を修復する装置は、
(1)研磨材とガラスとの接触力を検出する、力検出装置、
(2)力の増減を高精度に制御する装置、
(3)研削ホイール速度を制御する装置、
(4)表面温度を検出する、温度検出装置、
(5)表面温度を高精度に制御する装置、
(6)研削ホイールの走行を高精度に制御する装置、及び
(7)研削ホイールとガラス表面との間の接触点(又は接触面)が一致するように高精度に制御する装置
を含む。
【0045】
本発明において、力検出装置(1)は、粗研磨/鏡面仕上げ処理工程において、研削ホイールとガラス表面との間の接触力を研削ホイールが高速回転する時にリアルタイムに検出され、粗研磨/鏡面仕上げ処理工程において力制御で力の目標値/基準値として使用される。本発明で、前記力検出装置(1)は、本発明者らの別の公開された特許出願(中国特許番号:CN106553126B)に記載されている技術が採用されるが、これらに限定されなく、例えば、多軸力/トルク検出装置等を含み、しかし、本発明に記載されたパラメータによって変更され必要がある。
【0046】
本発明において、力の増減を高精度に制御する装置(2)は、力検出装置(1)によるリアルタイムに力検出信号値に基づき、研削ホイールとガラス表面との間の接触力を増加又は減少する。本発明の実施形態において、力の増減を高精度に制御する装置(2)は、力検出装置(1)によるリアルタイムに力検出信号値と粗研磨/鏡面仕上げ処理工程に力の設定値との間の差に基づき、研削ホイールとガラス表面との間の接触力を増加又は減少する。粗研磨/鏡面仕上げ工程において力の高精度制御を介して、ガラス表面に望ましい研磨効果/鏡面光沢面が得られます。
【0047】
一部の実施形態において、粗研磨工程において研削ホイールとガラス表面との間の接触力は、0.8~3Nであり、0.8~2.7Nであり、0.8~2.4Nであり、0.8~2Nであり、0.8~1.7Nであり、0.8~1.4Nであり、0.8~1Nであり、1~3Nであり、1~2.7Nであり、1~2.4Nであり、1~2Nであり、1~1.7Nであり、1~1.4Nであり、1.4~3Nであり、1.4~2.7Nであり、1.4~2.4Nであり、1.4~2Nであり、1.4~1.7Nであり、1.7~3Nであり、1.7~2.7Nであり、1.7~2.4Nであり、1.7~2Nであり、2~3Nであり、2~2.7Nであり、2~2.4Nであり、2.4~3Nであり、2.4~2.7Nであり、2.7~3Nであり、及びその範囲内のあらゆる範囲が包含される。本発明では、設定された力の大きさが重要な技術要件となる。力が高すぎる(例えば、3N以上)と、電子機器のガラス表面に割れやひびが発生する場合があり、又は、粗研磨工程において過剰な摩擦熱が発生してガラス表面温度が上昇させ、電子機器のスクリーン及び/又は内部回路に損傷を与える可能性がある。一方、力が低すぎる(例えば、0.8N以下)と、傷を除去しにくい、又は時間がかかる場合があり、粗研磨工程の効率に影響を与える可能性がある。
【0048】
一部の実施形態において、鏡面仕上げ処理工程において研削ホイールとガラス表面との間の接触力は、0.4~2Nであり、0.4~1.7Nであり、0.4~1.4Nであり、0.4~1Nであり、0.4~0.7Nであり、0.7~2Nであり、0.7~1.7Nであり、0.7~1.4Nであり、0.7~1Nであり、1~2Nであり、1~1.7Nであり、1~1.4Nであり、1.4~2Nであり、1~1.7Nであり、1.7~2Nであり、及びその範囲内のあらゆる範囲が包含される。本発明では、設定された力の大きさが重要な技術要件となる。力が高すぎる(例えば、2N以上)と、電子機器のガラス表面に割れやひびが発生する場合があり、又は、鏡面仕上げ処理工程において過剰な摩擦熱が発生してガラス表面温度が上昇させ、電子機器のスクリーン及び/又は内部回路に損傷を与える可能性がある。一方、力が低すぎる(例えば、0.4N以下)と、粗研磨工程で摩耗痕を除去しにくい、又は時間がかかる場合があり、鏡面仕上げ処理工程の効率に影響を与える可能性がある。
【0049】
本発明において、研削ホイール速度を制御する装置(3)は、インバータモータ又はサーボモータによって実現できる。研削ホイール速度が無段階に調整されでき、正逆方向に切り替えもできる。一部の実施形態において、粗研磨又は鏡面仕上げ処理工程は、正逆方向に切り替え方法で行われ、摩耗痕を研磨で速めるように除去する。
【0050】
一部の実施形態において、粗研磨工程に用いられる研削ホイールの回転速度は、3000~4000回/分(RPM)であり、3000~3800RPMであり、3000~3500RPMであり、3000~3300RPMであり、3200~4000RPMであり、3200~3800RPMであり、3200~3500RPMであり、3500~4000RPMであり、3500~3800RPMであり、3800~4000RPMであり、及びその範囲内のあらゆる範囲が包含される。一部の実施形態において、鏡面仕上げ工程に用いられる研削ホイールの回転速度は1000~2000回/分(RPM)であり、1000~1800RPMであり、1000~1600RPMであり、1000~1400RPMであり、1000~1200RPMであり、1200~2000RPMであり、1200~1800RPMであり、1200~1600RPMであり、1200~1400RPMであり、1400~2000RPMであり、1400~1800RPMであり、1400~1600RPMであり、1600~2000RPMであり、1600~1800RPMであり、1800~2000RPMであり、及びその範囲内のあらゆる範囲が包含される。
【0051】
本発明において、ガラス表面に温度検出装置(4)は、粗研磨/鏡面仕上げ処理工程において、ガラス表面の温度変化値をリアルタイムに検出される。本発明では、前記温度検出装置(4)は、限定されなく、ガス温度計、抵抗温度計、ポインター温度計、ガラス管温度計、圧力温度計、赤外線温度計、回転式温度計、半導体温度計、熱電対温度計などを含む。本発明では、完全な電子機器の表面に粗研磨/鏡面仕上げ処理工程が行われ、電子機器を分解する必要がなく、粗研磨/鏡面仕上げ処理工程において発生する熱は、温度が高すぎると電子機器のスクリーン及び内部回路に損傷を与える可能性があるため、スクリーン及び内部回路に熱伝導をしないように厳格に制御される。
【0052】
本発明において、表面温度を高精度に制御する装置(5)は、通常に、限定されなく、噴霧装置、エアブロー装置などを含み、研磨処理工程において、研削ホイール又はガラス表面に噴霧及びエアプローを行う。一部の実施形態において、表面温度を高精度に制御する装置(5)の動作は、ある工程で起動することが自動的に行う。本発明には、噴霧装置は、温度検出装置(4)によりリアルタイムに提供された温度変化値に基づき、ガラス表面の温度を下げ、一方、粗研磨/鏡面仕上げ処理工程においてダストを低減できる。最後に、噴霧装置は、提供した水ミストが化学反応に参加するため、ガラス表面と酸化セリウム研磨材との間の化学反応を促進でき、鏡面光沢性を向上させることができる。
【0053】
一部の実施形態において、全ての粗研磨工程において、ガラス表面の温度が40℃以下、38℃以下、35℃以下、30℃以下又は27℃以下になるように制御され、全ての鏡面仕上げ処理工程において、ガラス表面の温度が30℃以下、28℃以下、25℃以下、20℃以下又は18℃以下になるように制御される。実際の動作では、ガラス表面温度が40℃を超える場合に、電子機器のスクリーン、又は内部回路に一定の損傷を与えやすい。
【0054】
本発明において、装置(6)及び(7)は、ロボットアーム、例えば、6自由度ロボットアームによって実現できる。6自由度ロボットアームは、研削ホイールによるガラス表面接触の任意の経路、及びそれらの間の接触点(又は接触面)が一致するように精密に制御できる。通常に、異なるタイプの電子機器で、異なるモデル又は仕様があり、それぞれのガラス表面のサイズ、形状及び裏表に従って、コンピュータシステムは、異なる粗研磨又は鏡面仕上げ処理工程の研磨経路が生成でき、原理的には、経路生成は、各ガラス表面の研磨領域と研削ホイールと間の接触面が均一に、対称、一致するように行われる。
【0055】
本発明の一つの実施形態において、電子機器がロボット把持によって把持解放を行われでもよい。ロボット把持は、電子機器に密着することが保証できる。好ましい実施形態では、ロボット把持の縁部に弾性層が有るため、ガラス表面は、粗研磨又は鏡面仕上げ処理工程において、加力を受ける時変位がなく、又はロボット把持から脱落させない。
【0056】
本発明の他の一つの実施形態において、電子機器が真空吸着パッド及び真空発生器によって把持解放を行われでもよい。前記真空吸着パッドには、複数の吸引穴を有し、かつ、吸引穴の位置は、調整されることができるため、粗研磨又は鏡面仕上げ処理工程において、カラス表面の各研磨領域には、支えるように力を提供できる。
【0057】
本発明において、前記研削ホイールは、円形のディスクホルダーと一つ又は複数の研磨ディスクを含んでもよい。一部の実施形態において、異なる直径の研磨ディスクは、一つのディスクホルダーに粘着される。好ましくは、各研磨ディスクが、異なる工程において研磨経路を調整する時間を低減するように同じ円心に粘着されることを保証する。
【0058】
本発明の装置は、位置、動作、又はその両方の制御を支援するために、異なる電子機器を放置及び把持する治具、又は模型工具が含まれでもよい。治具を使用することにより、ロボットアームは、ピック/プレース動作を一致することができ、毎回に粗研磨又は鏡面仕上げ処理工程の加工安定性を保証できる。
【0059】
本発明の装置は、自動化するために、粗研磨又は鏡面仕上げ処理工程を自動的に制御することを実現する用様々な主制御装置が含まれでもよい。通常に、前記主制御装置のコア部品は、プログラマブルロジックコントローラPLC(例えば、日本三菱から市販されているRシリーズ製品)、サーボモータ、ロボットアームコントローラ等を含む。
【0060】
本発明の実施形態において、前記力検出装置により検出された力及び前記力の増減を高精度に制御する装置に基づき、前記ステップ(1)に前記研磨加工において接触力が0.8~4N以下に制御され、前記ステップ(2)に前記鏡面仕上げにおいて接触力が0.4~2N以下に制御される。
【0061】
本発明の実施形態において、前記温度検出装置により検出された温度及び表面温度を高精度に制御する装置に基づき、前記ステップ(1)に前記研磨加工処理において基材表面温度が40℃以下に制御され、前記ステップ(2)に前記鏡面仕上げ処理において基材表面温度が25℃以下に制御される。
【0062】
本発明において、用いられる前記装置は、表面傷を修復することが行われる工程は、下記のステップを含む。
(1)粗研磨工程を起動するステップ
―ロボットアームは、治具装置ボックスの位置に自動的に移動させ、電子機器のモデル、又は仕様によって、粗研磨対象とする電子機器を自動的にピック又は吸着して加工位置に移動する、
―設定した回転速度と方向によって、研削ホイールを起動する、
―粗研磨の設定経路によって、ロボットアームは、研削ホイールの面に接触するために動作される、
―接触力の設定値とリアルタイムに力検出値との間の差によって、力制御装置は、全ての粗研磨工程において接触力の設定値とリアルタイムに力検出値との間の差が出来るだけ小さくなるように力を自動的に調整する。本発明による前記力制御の原理及び詳細な手順は、一般的な当業者には熟知されでもよく、本発明者らの中国で公開された特許出願CN106553126Bに記載されている方法によって行われでもよく、その中国特許文献の全ては、参照により本明細書に引用したものとする、
―ガラス表面リアルタイムに温度検出値及び/又は設定値によって、自動的に噴霧装置を制御する、
―ロボットアームは、設定する粗研磨の経路によって、一つの完全な経路及び設定する繰り返す回数を完了させる後に、治具装置ボックスの位置に移動させ、ハンドは解放され、又は真空吸着パッドはオフにされて、粗研磨された電子機器を治具装置ボックスに自動的にプレースする。
(2)鏡面仕上げ処理工程を起動するステップ
―ロボットアームは、治具装置ボックスの位置に自動的に移動させ、電子機器のモデル、又は仕様によって、自動的鏡面仕上げ処理対象とする電子機器をピック又は吸着して加工位置に移動する、
―設定した回転速度と方向によって、研削ホイールを起動する、
―鏡面仕上げ処理の設定経路によって、ロボットアームは、研削ホイールの面に接触するために動作される、
―接触力の設定値とリアルタイムに力検出値との間の差によって、力制御装置は、全ての鏡面仕上げ処理工程において接触力の設定値とリアルタイムに力検出値との間の差が出来るだけ小さくなるように力を自動的に調整する、
―ガラス表面リアルタイムに温度検出値及び/又は設定値によって、噴霧装置を自動的に制御する、
―ロボットアームは、設定する鏡面仕上げの経路によって、一つの完全な経路及び設定回数繰り返させる後に、治具装置ボックスの位置に移動させ、ハンドは解放され、又は真空吸着パッドはオフにされて、鏡面仕上げ処理された電子機器を治具装置ボックスに自動的にプレースする。
【0063】
<実施形態1>
本発明に記載の表面傷を修復する装置を用いて、下記のような工程条件によって、スマホンのガラス表面の修復を行う。
1、粗研磨工程条件
(1)研磨シールABRALON J3 500を採用し、研磨材の粒度は、30ミクロンである、
(2)前記研磨シールは、直径が6インチである円形のディスクホルダーに実装される、
(3)研削ホイールは、3500回/分(RPM)の回転速度であり、時計回りの方向(正方向)である、
(4)研削ホイールとガラス表面との間の接触力は、1Nである、
(5)粗研磨時間は、3分である、
(6)粗研磨経路は、円の周方向に沿って進みながら、中心に達するまで半径を縮小される、及び
(7)繰り返す回数は、8回である。
2、粗研磨工程
(1)ロボットアームは、治具装置ボックスの位置に自動的に移動させ、粗研磨対象とする電子機器を自動的にピックして加工位置に移動する、
(2)上述研削ホイールの回転速度と方向によって、研削ホイールを起動する、
(3)上述粗研磨の経路によって、ロボットアームは、研削ホイールの面に接触するために動作される、
(4)前記接触力の設定値によって、全ての粗研磨工程において接触力の設定値をリアルタイムに力検出値と等しく(又は、その両方の間の差が0.05N以下に)なるように自動的に調整する、
(5)噴霧装置は、スマホンのガラス表面の温度を40℃以下になるように自動的に制御される、
(6)ロボットアームは、粗研磨の設定経路によって、8回に繰り返させる後に、治具装置ボックスの位置に移動させ、ハンドは解放され、又は真空吸着パッドはオフにされて、粗研磨された電子機器を治具装置ボックスに自動的にプレースする。
3、鏡面仕上げ処理工程条件
(1)研磨シール568XAを採用する、
(2)前記研磨シールは、直径が5インチである円形のディスクホルダーに実装される、
(3)研削ホイールは、1500回/分(RPM)の回転速度であり、反時計回りの方向(逆方向)である、
(4)研削ホイールとガラス表面との間の接触力は、0.8Nである、
(5)鏡面仕上げ処理時間は、3分である、
(6)鏡面仕上げ処理経路は、円の周方向に沿って進みながら、中心に達するまで半径を縮小される、及び
(7)繰り返す回数は、4回である。
4、鏡面仕上げ処理工程
(1)ロボットアームは、治具装置ボックスの位置に自動的に移動させ、鏡面仕上げ処理対象とする電子機器を自動的にピックして加工位置に移動する、
(2)上述研削ホイールの回転速度と方向によって、研削ホイールを起動する、
(3)上述鏡面仕上げ処理の経路によって、ロボットアームは、研削ホイールの面に接触するために動作される、
(4)前記接触力の設定値によって、全ての鏡面仕上げ処理工程において接触力の設定値をリアルタイムに力検出値と等しく(又は、その両方の間の差が0.03N以下に)なるように自動的に調整する、
(5)噴霧装置は、スマホンのガラス表面の温度を25℃以下になるように自動的に制御される、
(6)ロボットアームは、鏡面仕上げ処理の設定経路によって、4回に繰り返させる後に、治具装置ボックスの位置に移動させ、ハンドは解放され、又は真空吸着パッドはオフにされて、鏡面仕上げ処理された電子機器を治具装置ボックスに自動的にプレースする。
実施形態1において、前記スマホンのガラス表面は、粗研磨及び鏡面仕上げ処理工程を経て、目に見える傷がなく、滑らかにされた表面に形成する。
【0064】
<実施形態2>
粗研磨工程に用いられる研磨シールは、ABRALON J3 600であり、研削ホイールは、4000回/分(RPM)の回転速度であり、研削ホイールとガラス表面との間の接触力は、3Nであり、それ以外は、第1の実施形態と同様の方法に従って、粗研磨及び鏡面仕上げ処理工程が行われる。
実施形態2において、前記スマホンのガラス表面は、粗研磨及び鏡面仕上げ処理工程を経て、目に見える傷がなく、滑らかにされた表面に形成する。
【0065】
<実施形態3>
スマホンの位置が固定され、ロボットアームは、研削ホイールをピックして粗研磨及び鏡面仕上げ処理工程が実行され、それ以外は、第1の実施形態と同様の方法に従って、粗研磨及び鏡面仕上げ処理工程が行われる。
実施形態3において、前記スマホンのガラス表面は、粗研磨及び鏡面仕上げ処理工程を経て、目に見える傷がなく、滑らかにされた表面に形成する。
【0066】
<実施形態4>
ロボットアームがCNC工作機械によって代替され、切削工具が研削ホイールによって代替され、それ以外は、第1の実施形態と同様の方法に従って、粗研磨及び鏡面仕上げ処理工程が行われる。
実施形態4において、前記スマホンのガラス表面は、粗研磨及び鏡面仕上げ処理工程を経て、目に見える傷がなく、滑らかにされた表面に形成する。
【0067】
上記には本発明の実施形態を説明するが、当業者は、本発明特許の範囲内に様々な修正及び変更ができることを理解するである。その故、特許請求の範囲が、本発明の真の要旨に該当するかかる修正例及び変更例をもすべてカバーすることを意図していることを理解されたい。
【符号の説明】
【0068】
1 ロボットアーム、
2 ロボット把持、
3 真空チャック、
4 研削ホイール、
5 力検出装置、
6 力増減制御装置、
7 温度検出装置、
8 噴霧装置、
9 治具装置ボックス、
10 主制御装置。

図1
図2
図3