(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】インタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステム
(51)【国際特許分類】
A63B 71/00 20060101AFI20230323BHJP
A61H 1/02 20060101ALI20230323BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20230323BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20230323BHJP
G16H 20/30 20180101ALI20230323BHJP
【FI】
A63B71/00 Z
A61H1/02 K
A63B69/00 A
G06T19/00 600
G16H20/30
(21)【出願番号】P 2022042481
(22)【出願日】2022-03-17
【審査請求日】2022-03-17
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】522108334
【氏名又は名称】許 ▲シュ▼▲ワン▼
(73)【特許権者】
【識別番号】522108345
【氏名又は名称】林 媛如
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】許 ▲シュ▼▲ワン▼
(72)【発明者】
【氏名】林 媛如
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 柏軒
(72)【発明者】
【氏名】羅 沛芸
(72)【発明者】
【氏名】王 詩晴
(72)【発明者】
【氏名】潘 奕丞
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-12264(JP,A)
【文献】特開2018-61834(JP,A)
【文献】特開2021-3379(JP,A)
【文献】特開2021-58389(JP,A)
【文献】国際公開第2020/152779(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/039568(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0215329(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00-71/16
A61H 1/00- 1/02
G06T 19/00
G16H 20/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドマウントディスプレイと、
複数の収容部を有する板本体、前記板本体に配置されて前記複数の収容部にそれぞれ対応する複数の制御モジュール、及び前記複数の制御モジュールに電気的に接続すると共に前記ヘッドマウントディスプレイに信号的に接続する通信モジュールを有する、基板機構と、
前記複数の収容部に設置し又は互いに積み重ねるように操作可能に構成される複数の操作ブロックを有する、操作機構と、を含み、
各前記操作ブロックは、ブロック本体と、前記ヘッドマウントディスプレイに識別される識別情報に対応すると共に前記ブロック本体に設けられている識別モジュールと、前記識別モジュールに電気的に接続している接続モジュールと、を有し、
前記基板機構の前記複数の収容部におけるいずれか1つに、1つの前記操作ブロックが設置されて、前記1つの前記操作ブロックの前記接続モジュールが該収容部に対応する前記制御モジュールに電気的に接続すると、該収容部の前記制御モジュールは前記1つの前記操作ブロックの前記識別モジュールが対応する前記識別情報を前記通信モジュールを介して前記ヘッドマウントディスプレイに送信し、前記ヘッドマウントディスプレイは該識別情報に基づいて該1つの前記操作ブロックを識別し、該1つの前記操作ブロックに対応する拡張現実の映像を表示し、
また、前記基板機構の前記複数の収容部におけるいずれか1つに、1つの前記操作ブロックが設置されて、前記1つの前記操作ブロックの前記接続モジュールが該収容部に対応する前記制御モジュールに電気的に接続し、且つ、前記1つの前記操作ブロックの上に、更に他の前記操作ブロックが積み重なるように設置されて、前記他の前記操作ブロックの前記接続モジュールが前記1つの前記操作ブロックの前記接続モジュールにさらに電気的に接続すると、該収容部の前記制御モジュールは、前記1つの前記操作ブロックの前記識別モジュールが対応する前記識別情報と、前記他の前記操作ブロックの前記識別モジュールが対応する前記識別情報と、を前記通信モジュールを介して前記ヘッドマウントディスプレイに送信し、前記ヘッドマウントディスプレイは前記1つの前記操作ブロックの前記識別モジュールが対応する前記識別情報と、前記他の前記操作ブロックの前記識別モジュールが対応する前記識別情報とに基づいて、該1つの前記操作ブロックと該他の前記操作ブロックとを識別し、前記1つの前記操作ブロック及び前記他の前記操作ブロックが積み重ねられている状態に対応する拡張現実の映像を表示する、インタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステム。
【請求項2】
前記基板機構の前記複数の制御モジュールは、前記板本体の前記複数の収容部にそれぞれ配置される、請求項1に記載のインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステム。
【請求項3】
前記操作機構の各前記操作ブロックの前記接続モジュールは、相対する2つの端子部と、前記2つの端子部にそれぞれ対応し、対応する前記端子部及び前記識別モジュールに電気的に接続する2つの電子回路部と、を有し、
前記基板機構の前記複数の収容部のいずれか1つに、1つの前記操作ブロックのみが設置された場合において、前記1つの前記操作ブロックの前記接続モジュールの前記2つの端子部の1つが該収容部に対応する前記制御モジュールに電気的に接続し、
前記基板機構の前記複数の収容部のいずれか1つに、1つの前記操作ブロックが設置され、且つ、該1つの前記操作ブロックの上に他の前記操作ブロックが積み重なるように設置された場合において、前記1つの前記操作ブロックの前記接続モジュールの前記2つの端子部の1つが該収容部に対応する前記制御モジュールに電気的に接続し、且つ、前記他の前記操作ブロックの前記接続モジュールの前記2つの端子部の1つが前記1つの前記操作ブロックの前記接続モジュールの前記2つの端子部の他の1つに電気的に接続する、請求項1~2のいずれかに記載のインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステム。
【請求項4】
各前記操作ブロックの前記接続モジュールの前記2つの電子回路部は、該操作ブロックの前記ブロック本体に埋設されている、請求項3に記載のインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステム。
【請求項5】
各前記操作ブロックの前記識別モジュールは、該操作ブロックの前記ブロック本体に埋設されている、請求項1~4のいずれかに記載のインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステム。
【請求項6】
各前記操作ブロックの前記識別モジュールは、IDチップである、請求項1~5のいずれかに記載のインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステム。
【請求項7】
前記操作機構の前記複数の操作ブロックはそれぞれ異なる形状を有し、各前記操作ブロックの前記識別モジュールは該操作ブロックの形状に対応する、請求項1~6のいずれかに記載のインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステム。
【請求項8】
前記基板機構の前記通信モジュールは、無線通信により前記ヘッドマウントディスプレイに信号的に接続する、請求項1~7のいずれかに記載のインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステム。
【請求項9】
前記基板機構の前記通信モジュールは、Wi-Fi、又はBluetoothにより前記ヘッドマウントディスプレイに信号的に接続する、請求項8に記載のインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリハビリシステムに関し、特にインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
図1には、従来の手のリハビリ装置1が示されている。手のリハビリ装置1は、形状が異なる複数の収容部110を有する本体11と、複数の収容部110の形状に対応し、対応する収容部110に収容可能な操作ブロック12と、を含む。使用者が手のリハビリ装置1を使用して手をリハビリする際は、各操作ブロック12の形状を判断し、手で該操作ブロック12を持って該操作ブロック12を対応する収容部110に入れる。前述の動作を繰り返すことにより、上肢機能訓練や認識訓練などに効果がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、操作ブロック12を収容部110に挿脱するだけの単調なリハビリを繰り返すと、疲労感や飽きが生じるため、リハビリを拒否する場合もある。一方、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)などのマルチメディア技術を活用すると、リハビリをゲーム化することにより、使用者のリハビリ意欲を向上することができる。
【0005】
従って、本発明の目的は、拡張現実技術を用いたインタラクティブな拡張現実の手のリハビリシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステムは、ヘッドマウントディスプレイと、複数の収容部を有する板本体、前記板本体に配置されて前記複数の収容部にそれぞれ対応する複数の制御モジュール、及び前記複数の制御モジュールに電気的に接続すると共に前記ヘッドマウントディスプレイに信号的に接続する通信モジュールを有する、基板機構と、前記複数の収容部に設置し又は互いに積み重ねるように操作可能に構成される複数の操作ブロックを有する、操作機構と、を含む。各前記操作ブロックは、ブロック本体と、前記ヘッドマウントディスプレイに識別される識別情報に対応すると共に前記ブロック本体に設けられている識別モジュールと、前記識別モジュールに電気的に接続している接続モジュールと、を有する。
【0007】
前記基板機構の前記複数の収容部におけるいずれか1つに、1つの前記操作ブロックが設置されて、前記1つの前記操作ブロックの前記接続モジュールが該収容部に対応する前記制御モジュールに電気的に接続すると、該収容部の前記制御モジュールは前記1つの前記操作ブロックの前記識別モジュールが対応する前記識別情報を前記通信モジュールを介して前記ヘッドマウントディスプレイに送信し、前記ヘッドマウントディスプレイは該識別情報に基づいて該操作ブロックを識別し、該操作ブロックに対応する拡張現実の映像を表示する。
【0008】
また、前記基板機構の前記複数の収容部におけるいずれか1つに、1つの前記操作ブロックに設置されて、前記1つの前記操作ブロックの前記接続モジュールが該収容部に対応する前記制御モジュールに電気的に接続し、且つ、前記1つの前記操作ブロックの上に、更に他の前記操作ブロックが積み重ねて設置されて、前記他の前記操作ブロックの前記接続モジュールが前記1つの前記操作ブロックの前記接続モジュールにさらに電気的に接続すると、該収容部の前記制御モジュールは、前記1つの前記操作ブロックの前記識別モジュールが対応する前記識別情報と、前記他の前記操作ブロックの前記識別モジュールが対応する前記識別情報と、を前記通信モジュールを介して前記ヘッドマウントディスプレイに送信し、前記ヘッドマウントディスプレイは前記1つの前記操作ブロックの前記識別モジュールが対応する前記識別情報と、前記他の前記操作ブロックの前記識別モジュールが対応する前記識別情報とに基づいて、該1つの前記操作ブロックと該他の前記操作ブロックとを識別し、前記1つの前記操作ブロック及び前記他の前記操作ブロックが積み重ねられている状態に対応する拡張現実の映像を表示する。
【発明の効果】
【0009】
使用者が操作ブロックを基板機構の収容部に設置すると、ヘッドマウントディスプレイは該操作ブロックに対応する拡張現実の映像を表示することにより、リハビリにゲーム性を加えて、使用者のリハビリ意欲を向上する。さらに、本発明のインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステムは、操作ブロックと基板機構との直接的接触や操作ブロック同士の直接的接触を電気的接続により精密に判断する上、この電気的接続を利用して識別モジュールからの対応する識別情報をヘッドマウントディスプレイに送信することにより、ヘッドマウントディスプレイ側において対応する映像を表示する仕組みを取り入れるので、画像で識別する従来の技術より、より良いユーザーエクスペリエンスを提供することができる。
【0010】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照する以下の実施形態の詳細な説明において明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】従来の手のリハビリ装置が示されている図である。
【
図2】本発明のインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステムの一の実施例が示されている図である。
【
図3】同実施例の操作機構の操作ブロックが基板機構の制御モジュールに電気的に接続する際の状態が示されている図である。
【
図4】基板機構の複数の収容部のいずれか1つに1つの操作ブロックが設置された場合が示されている図である。
【
図5】基板機構の複数の収容部のいずれか1つに複数の操作ブロックが積み重なるように設置された場合が示されている図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図2は、本発明のインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステムの一の実施例が示されている。本実施例は、使用者の頭部に装着可能なヘッドマウントディスプレイ(HMD)2と、該ヘッドマウントディスプレイ2に信号的に接続する基板機構3と、リハビリするための使用者に操作可能な操作機構4と、を含む。
【0013】
本実施例において、ヘッドマウントディスプレイ2は、例えばマイクロソフト社のHoloLens(登録商標)を使用することができるが、ヘッドマウントディスプレイ2は信号を受信でき、且つ、拡張現実の映像を表示できれば、他の同等の装置を使用してもよい。
【0014】
基板機構3は、複数の収容部310を有する板本体31と、板本体31の複数の収容部310にそれぞれ対応して配置される複数の制御モジュール32と、複数の制御モジュール32に電気的に接続すると共にヘッドマウントディスプレイ2に信号的に接続する通信モジュール33と、を有する。板本体31は、成形が容易なプラスチック材料、又は加工が容易な木材を使用することが好ましく、これにより、板本体31に複数の収容部310を形成する工程が容易になり、製造プロセスを簡素化する。制御モジュール32は、操作機構4の所定の箇所に電気的に接続すると、操作機構4に関する情報を通信モジュール33を介してヘッドマウントディスプレイ2に送信できればよく、特に制限はない。通信モジュール33は、Wi-Fi、又はBluetooth(登録商標)などの無線通信技術によりヘッドマウントディスプレイ2に信号的に接続することが好ましく、これにより、本発明のインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステムを使用する際に、使用者は通信線材に制限されることなく、より良いユーザーエクスペリエンスを提供することができる。
【0015】
なお、ヘッドマウントディスプレイ2における表示映像と板本体31との間の相対的位置の精度を確保するため、本実施例において、好ましくは、ヘッドマウントディスプレイ2が基板機構3の空間位置を確実に認識できるように、基板機構3に設けられヘッドマウントディスプレイ2に読み取られる二次元コードを介して、初期の位置決めを行う。
【0016】
図3をさらに参照する。操作機構4は、基板機構3の複数の収容部310に設置し又は互いに積み重ねるように使用者に操作可能に構成される複数の操作ブロック41を有する。各操作ブロック41は、ブロック本体411と、ヘッドマウントディスプレイ2に識別される識別情報に対応すると共にブロック本体411に設けられている識別モジュール412と、識別モジュール412に電気的に接続している接続モジュール413と、を有する。本実施例において、ゲーム性を向上するため、操作ブロック41はそれぞれ異なる形状を有する。また、本実施例において、識別モジュール412は、操作ブロック41の形状に対応して異なる識別情報が記録されたID(Identifier)チップである。さらに、他の実施例において、操作ブロック41はそれぞれ異なる色を有し、識別情報は操作ブロック41の色に対応して異なる。
【0017】
図3において、操作機構4の各操作ブロック41の接続モジュール413は、基板機構3の制御モジュール32又は他の操作ブロック41に電気的に接続するように、それぞれの操作ブロック41のブロック本体411の相対する面に形成される2つの端子部4131と、該2つの端子部4131にそれぞれ対応し、対応する端子部4131及び該操作ブロック41の識別モジュール412に電気的に接続する2つの電子回路部4133と、を有する。本実施例において、ブロック本体411のデサインに影響を与えないように又は操作により摩耗される可能性を低減するために、各識別モジュール412及び各接続モジュール413の2つの電子回路部4133は、それぞれの操作ブロック41のブロック本体411に埋設されていることが好ましい。
【0018】
図2及び
図3と合わせて、
図4を参照する。
図4は、基板機構3の複数の収容部310のいずれか1つに1つの操作ブロック41が設置された場合が示されている図である。基板機構3の複数の収容部310におけるいずれか1つに、1つの操作ブロック41が設置されて、該1つの操作ブロック41の接続モジュール413が該収容部310に対応する制御モジュール32に電気的に接続すると、該収容部310の制御モジュール32が接続モジュール413を介して識別モジュール412に電気的に接続し、該識別モジュール412が対応する識別情報を得て、該識別情報を通信モジュール33を介してヘッドマウントディスプレイ2に送信し、ヘッドマウントディスプレイ2は受信した該識別情報に基づいて該1つの操作ブロック41を識別し、該1つの操作ブロック41に対応する拡張現実の映像を表示する。より具体的には、該1つの操作ブロック41の接続モジュール413の2つの端子部4131の1つが該収容部310に対応する制御モジュール32に電気的に接続すると、該収容部310の制御モジュール32は、該端子部4131及び該端子部4131に対応する電子回路部4133を介して識別モジュール412に電気的に接続し、該識別モジュール412が対応する識別情報を得る。
【0019】
なお、制御モジュール32は、該操作ブロック41の対応する識別情報を送信する以外、該操作ブロック41が設置された該収容部310の位置情報も同時にヘッドマウントディスプレイ2に送信する。これにより、ヘッドマウントディスプレイ2に各操作ブロック41に対応する拡張現実の映像を事前に設定しておけば、ヘッドマウントディスプレイ2は、受信した識別情報及び位置情報に基づいて、該ヘッドマウントディスプレイ2の該位置情報が対応する収容部310に対応する箇所に、識別情報が対応する操作ブロック41に対応する拡張現実の映像を表示できる。
【0020】
より具体的には、例えば、城をテーマとして異なる形状を有する操作ブロック41に対応する拡張現実の映像を事前に設定する。また、キューブ状に形成された操作ブロック41及び基板機構3の複数の各収容部310は、キューブ状の操作ブロック41がいずれか1つの収容部310に正しく嵌めこまれた際にのみ、該操作ブロック41の接続モジュール413が基板機構3の該収容部310に対応する制御モジュール32に電気的に接続するように構成されている。使用者がキューブ状の操作ブロック41を基板機構3の複数の収容部310のいずれか1つに正しく設置すると、該操作ブロック41の接続モジュール413が基板機構3の制御モジュール32に電気的に接続し、ヘッドマウントディスプレイ2は受信した識別情報及び位置情報に基づいて、識別情報が対応する操作ブロック41がキューブ状であることを識別し、キューブ状の操作ブロック41に対応する城壁の拡張現実の映像を位置情報が対応する収容部310に対応する箇所に表示する。なお、ここでの城をテーマにして操作ブロック41に対応する拡張現実の映像を設定することは、単なる例示に過ぎなく、基板機構3の形状、使用環境、又は使用者の好みなどに合わせて対応する拡張現実の映像を設定することができ、例えば、ガーデンをテーマにしてもよく、特に制限はない。また、拡張現実の映像のセットを複数設定してもよく、これにより、使用者はリハビリ当日の気分によって拡張現実の映像のセットを選ぶことができ、同様な操作ブロック41でも遊び方が異なり、リハビリの意欲低下を防止できる。
【0021】
図2及び
図3と合わせて、
図5を参照する。
図5は、基板機構3の複数の収容部310のいずれか1つに複数の操作ブロック41が積み重なるように設置された場合が示されている図である。基板機構3の複数の収容部310におけるいずれか1つに、1つの操作ブロック41が設置されて、該1つの操作ブロック41の接続モジュール413が該収容部310に対応する制御モジュール32に電気的に接続し、且つ、該1つの操作ブロック41の上に、さらに他の操作ブロック41が積み重なるように設置されて、該他の操作ブロック41の接続モジュール413が該1つの操作ブロック41の接続モジュール413にさらに電気的に接続すると、該収容部310の制御モジュール32は、該1つの操作ブロック41の接続モジュール413を介して該1つの操作ブロック41の識別モジュール412に電気的に接続し、該1つの操作ブロック41の識別モジュール412が対応する識別情報を得て、さらに、該1つの操作ブロック41の接続モジュール413を介して該他の操作ブロック41に電気的に接続し、該他の操作ブロック41の識別モジュール412が対応する識別情報を得て、該1つの操作ブロック41の識別モジュール412が対応する該識別情報と該他の操作ブロック41の識別モジュール412が対応する該識別情報とを通信モジュール33を介してヘッドマウントディスプレイ2に送信する。ヘッドマウントディスプレイ2は受信した該1つの操作ブロック41の識別モジュール412が対応する該識別情報と該他の操作ブロック41の識別モジュール412が対応する該識別情報との両方に基づいて、該1つの操作ブロック41と該他の操作ブロック41とを識別し、該1つの操作ブロック41と該他の操作ブロック41とが積み重ねられている状態に対応する拡張現実の映像を表示する。
【0022】
より具体的には、該1つの操作ブロック41の接続モジュール413の2つの端子部4131の1つが該収容部310に対応する制御モジュール32に電気的に接続し、且つ、該他の操作ブロック41の接続モジュール413の2つの端子部4131の1つが該1つの操作ブロック41の接続モジュール413の2つの端子部4131の他の1つに電気的に接続すると、該収容部310の制御モジュール32は、該1つの操作ブロック41の接続モジュール413の2つの端子部4131の該1つ及び該端子部4131に対応する電子回路部4133を介して識別モジュール412に電気的に接続し、該1つの操作ブロック41の識別モジュール412が対応する識別情報を得て、さらに、該1つの操作ブロック41の接続モジュール413の2つの端子部4131及び該2つの端子部4131にそれぞれ対応する2つの電気回路部4133を介して該他の操作ブロック41に電気的に接続し、該他の操作ブロック41の該1つの操作ブロック41に電気的に接続する2つの端子部4131の該1つ及び該端子部4131に対応する電子回路部4133を介して、該他の操作ブロック41の識別モジュール412が対応する識別情報を得る。
【0023】
より具体的には、前述と同様に、例えば城をテーマにして拡張現実の映像を設定する。使用者が、基板機構3の複数の収容部310のいずれか1つに設置されたキューブ状の操作ブロック41の上に四角錐状の操作ブロック41を積み重ねて設置すると、ヘッドマウントディスプレイ2は、すでに表示されたキューブ状の操作ブロック41に対応する城壁の拡張現実の映像の上に、四角錐状の操作ブロック41に対応する屋根の拡張現実の映像をさらに表示し、2つの拡張現実の映像は塔になる。このようにして、使用者が操作ブロック41を操作して手をリハビリすると同時に、自分の城を建てるという手の運動機能を回復する以外の目標を有することができるようになり、退屈なリハビリが面白くなり、使用者のリハビリ意欲が高まる。なお、ここでの操作ブロック41に対応する拡張現実の映像は、単なる例示に過ぎない。
【0024】
なお、本実施例において、収容部310に対応する制御モジュール32は、該収容部310に設置されているすべての操作ブロック41に対応する複数の識別情報をまとめて、ヘッドマウントディスプレイ2に送信する。例えば、前述の場合において、該収容部310の制御モジュール32は、先にキューブ状の操作ブロック41の識別情報を送信し、四角錐状の操作ブロック41が積み重なるように設置された後は、キューブ状の操作ブロック41の識別情報に四角錐状の操作ブロック41の識別情報を加えて送信し、ヘッドマウントディスプレイ2は、キューブ状の操作ブロック41及び四角錐状の操作ブロック41が積み重ねられている状態に対応する拡張現実の映像を表示する。よって、上述の2個に限らず、3個以上の操作ブロック41が積み重ねられた場合にも対処できる。
【0025】
なお、本発明では、画像で操作ブロック41を識別するのではなく、操作ブロック41の識別モジュール412に対応する識別情報に基づいて操作ブロック41を識別するように構成されている点に注意されたい。これにより、例えば複数の収容部310のそれぞれに複数の操作ブロック41が高く積み重ねられた場合でも、後ろにある操作ブロック41が前にある操作ブロック41に遮られて識別することができなくなることを改善し、より良いユーザーエクスペリエンスを提供することができる。
【0026】
前述により、本発明のインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステムは、使用者が操作ブロック41を基板機構3の収容部310に設置すると、ヘッドマウントディスプレイ2は該操作ブロック41に対応する拡張現実の映像を表示することにより、リハビリにゲーム性を加えて、使用者のリハビリ意欲を向上する。さらに、本発明のインタラクティブな拡張現実を利用した手のリハビリシステムは、操作ブロック41の識別モジュール412が対応する識別情報をヘッドマウントディスプレイ2に送信することにより操作ブロック41を識別し、画像で識別するものと比べて、より良いユーザーエクスペリエンスを提供することができる。従って、本発明の目的を確実に実現する。
【0027】
以上、本発明の好ましい実施形態および変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【符号の説明】
【0028】
1 手のリハビリ装置
11 本体
110 収容部
12 操作ブロック
2 ヘッドマウントディスプレイ
3 基板機構
31 板本体
310 収容部
32 制御モジュール
33 通信モジュール
4 操作機構
41 操作ブロック
411 ブロック本体
412 識別モジュール
413 接続モジュール
4131 端子部
4133 電子回路部
【要約】
【課題】拡張現実技術を用いたインタラクティブな拡張現実の手のリハビリシステムを提供する。
【解決手段】基板機構3の複数の収容部310におけるいずれか1つに、積み重ね可能な操作ブロック41が設置されて、操作ブロック41の接続モジュールが該収容部310に対応する制御モジュール32に電気的に接続すると、収容部310の制御モジュール32は操作ブロック41の識別モジュールが対応する識別情報を通信モジュール33を介してヘッドマウントディスプレイ2に送信し、ヘッドマウントディスプレイ2は識別情報に基づいて操作ブロック41を識別し、操作ブロック41に対応する拡張現実の映像を表示する。
【選択図】
図2