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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】リニアレール装置
(51)【国際特許分類】
   F16C 29/06 20060101AFI20230323BHJP
【FI】
F16C29/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021182481
(22)【出願日】2021-11-09
(65)【公開番号】P2023017676
(43)【公開日】2023-02-07
【審査請求日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】110127381
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】518435873
【氏名又は名称】東佑達自動化科技股▲ふん▼有限公司
【住所又は居所原語表記】No.55, Xinji 3rd Rd., Annan Dist., Tainan City, 70947 Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100210251
【弁理士】
【氏名又は名称】大古場 ゆう子
(72)【発明者】
【氏名】曾 坤成
(72)【発明者】
【氏名】蘇 明淇
(72)【発明者】
【氏名】許 恩慈
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-228093(JP,A)
【文献】実開平03-030615(JP,U)
【文献】実開平04-124363(JP,U)
【文献】特開平02-011921(JP,A)
【文献】特開平07-139603(JP,A)
【文献】特開2011-063347(JP,A)
【文献】特開2014-095443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 29/00-31/06
F16H 19/00-37/16,49/00
B65G 35/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の軸方向と平行に延伸するリニアレールと、
前記軸方向と平行に移動できるように前記リニアレールに取り付けられたスライディング手段と、
前記軸方向と平行に移動できるように前記リニアレールに取り付けられた保持手段と、
前記軸方向と平行する軸線に沿って延伸し、且つ前記軸線を中心に回転可能に前記リニアレールに配置されるスクリューロッドを有する駆動手段と、を備えたリニアレール装置であって、
前記保持手段は、前記スライディング手段の前記軸方向における前後2つの端部側にそれぞれ取り付けられる2つの保持ユニットと、
前記2つの保持ユニットを接続する接続ユニットと、
前記2つの保持ユニットのいずれか1つと前記リニアレールとの間に介在するように、対応する前記保持ユニットに回転可能に取り付けられる補助ローラと、を有し、前記補助ローラは、前記軸方向と平行に移動する前記保持手段の移動に応じて転動するように構成されており、
前記スライディング手段は、
前記保持手段が有する2つの前記保持ユニット間に配置されるスライダ本体部と、
前記スライダ本体部に固定されると共に、前記駆動手段の前記スクリューロッドにより挿通されて該スクリューロッドと螺合する従動ユニットと、
前記スライダ本体部の前記軸方向と平行する方向にある両端部にそれぞれ配置される2つの第1の減衰ブロックと、
を有するように構成されており、
前記保持手段は、2つの前記保持ユニットにそれぞれ配置され、且つ、前記スライダ本体部に配置される前記2つの第1の減衰ブロックにそれぞれ隣接する2つの第2の減衰ブロックを有するように構成されていることを特徴とするリニアレール装置。
【請求項2】
前記保持手段が有する前記接続ユニットは、剛性体であり且つ前記軸方向と平行に延伸する接続ロッドにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載のリニアレール装置。
【請求項3】
前記リニアレールは前記軸方向と平行に延伸する台座部と、該台座部の両側端縁からそれぞれ突起する2つの側壁部と、前記2つの側壁部にそれぞれ配置されて互いに向かい合うように配置され、且つ、剛性体である2つの外レールユニットと、を有するように構成されており、
前記保持手段は、前記2つの外レールユニットにそれぞれ対応する少なくとも2つの前記補助ローラを有し、そして該2つの前記補助ローラは、いずれもゴム材料から作成された外周ローラ部を有し、該外周ローラ部で対応する前記外レールユニットに当接することにより、前記保持手段の移動に応じて転動するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリニアレール装置。
【請求項4】
前記リニアレールの前記軸方向と平行に延伸する1つの端部に、前記スクリューロッドの1つの端部が取り付けられている固定キャップが配置されており、
前記駆動手段は、前記スクリューロッドの1つの端部と前記固定キャップとの間に介在し、前記スクリューロッドの該端部を前記固定キャップに回転可能に取り付けるサイドベアリングを更に有することを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のリニアレール装置。
【請求項5】
前記スライダ本体部には、
前記従動ユニットが収容固定される収容孔と、
前記収容孔の両側において、それぞれ前記軸方向と平行に延伸する2つのボール通過孔と、が形成されている上、
前記スライディング手段は、
該2つのボール通過孔にそれぞれ取り付けられるボールベアリングユニットと、
前記リニアレールが有する前記2つの外レールユニットにそれぞれ向かい合って玉軸受のベアリングボールが通過できる側面通路を対応する前記外レールユニットと共に画成するように配置される2つの内レールユニットと、
前記スライダ本体部の前記軸方向と平行する方向における両端部にある前記ボール通過孔の開口に対応する箇所において、該ボール通過孔に取り付けられる前記ボールベアリングユニットと該ボールベアリングユニットに最も近い前記側面通路とを繋ぐように配置される2つのコーナリングユニットと、
を更に有しており、
前記2つのボール通過孔にそれぞれ取り付けられる2つの前記ボールベアリングユニットと前記2つのコーナリングユニットと2つの前記側面通路とにより、前記スライダ本体部の両側に2つのボール周回ルートが構成されたことを特徴とする請求項に記載のリニアレール装置。
【請求項6】
前記リニアレールは前記軸方向と平行に延伸する台座部と、該台座部の両側端縁からそれぞれ突起する2つの側壁部と、前記2つの側壁部における少なくとも1つに配置される2つの死点限定パッドと、を有することを特徴とする請求項1に記載のリニアレール装置。
【請求項7】
前記保持手段が有する2つの前記保持ユニットには、それぞれ前記スクリューロッドにより挿通されてる軸通過孔が形成されており、
更に、各前記保持ユニットの前記軸通過孔内には、前記スクリューロッドの前記軸通過孔を挿通する箇所を囲んで保持する玉軸受が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のリニアレール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリニアレール装置に関し、特に、リンク式リニアレール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のリニアレール装置として、例えば特許文献1に記載されるものがある。該従来のリニアレール装置は、リニアレールと、該リニアレールに取り付けられるスクリューロッドと、リニアレールの延伸方向に沿って移動可能に取り付けられているメインスライダと、リニアレールの延伸方向に沿って移動可能に取り付けられていると共に、該スライダの移動方向における両端側にそれぞれ配置されている2つの補助スライダと、を備えた上、該2つの補助スライダにはそれぞれ前記メインスライダに接続される連動ストリングと該ストリングの放出される部分の長さを制御することにより、該補助スライダと前記メインスライダとの間の距離を調整するスプールとが取り付けられている。
【0003】
しかし、この構成では、リニアレールと補助スライダとの間に複数の球状体と該複数の球状体が転動する循環通路を配置することで補助スライダのスムーズな移動を確保する必要があり、そしてこの構成では各球状体の寸法を精確にすることが必要なので、製造コストを抑えられない欠点がある。また、連動ストリングとスプールでメインスライダと補助スライダとを繋ぐ作業も難しく、作業員の熟練が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】台湾実用新案登録第M346692号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題点に鑑みて、本発明は各部材の寸法の誤差を吸収可能であり、且つ組み立てが簡単なリンク式リニアレール装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、所定の軸方向と平行に延伸するリニアレールと、
前記軸方向と平行に移動できるように前記リニアレールに取り付けられたスライディング手段と、
前記軸方向と平行に移動できるように前記リニアレールに取り付けられた保持手段と、
前記軸方向と平行する軸線に沿って延伸し、且つ前記軸線を中心に回転可能に前記リニアレールに配置されるスクリューロッドを有する駆動手段と、を備えたリニアレール装置であって、
前記保持手段は、前記スライディング手段の前記軸方向における前後2つの端部側にそれぞれ取り付けられる2つの保持ユニットと、
前記2つの保持ユニットを接続する接続ユニットと、
前記2つの保持ユニットのいずれか1つと前記リニアレールとの間に介在するように、対応する前記保持ユニットに回転可能に取り付けられる補助ローラと、を有し、前記補助ローラは、前記軸方向と平行に移動する前記保持手段の移動に応じて転動するように構成されているリニアレール装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
上記のように、本発明は接続ユニットにより接続される2つの保持ユニットとリニアレールとの間に補助ローラを配置する上該補助ローラをリニアレールに当接させて保持手段の移動に応じて転動するよう構成することにより、保持ユニットの移動をスムーズにすることができる上、補助ローラの外周ローラ部をゴム材料で作成することにより各部材の寸法の誤差を吸収することが出来、組み立ても容易である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のリニアレール装置の一実施形態を示す斜視図である。
図2】該実施形態の分解斜視図である。
図3図2の一部拡大説明図である。
図4】該実施形態の断面説明図である。
図5図4の一部拡大説明図である。
図6図4の他の1つの一部拡大説明図である。
図7図4の更に他の1つの一部拡大説明図である。
図8図5におけるVIII-VIII線における断面図である。
図9図5におけるIX-IX線における断面図である。
図10図8におけるX-X線における断面図である。
図11図10の左側の部分を拡大した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下は図1図11を参照して本発明のリニアレール装置の一実施形態についてより詳細に説明する。
【0010】
図1図4に示されるように、本発明のリニアレール装置は、リニアレール10と、スライディング手段20と、保持手段30と、駆動手段40と、バリアー50とを備えている。
【0011】
該リニアレール10は所定の軸方向Xと平行に延伸する台座部11と、該台座部11の両側端縁からそれぞれ突起する2つの側壁部12と、前記2つの側壁部12にそれぞれ配置されて互いに向かい合うように配置され、且つ、剛性体である2つの外レールユニット13と、該リニアレール10の軸方向Xと平行に延伸する1つの端部に配置される固定キャップ14と、該固定キャップ14に配置されるサイドベアリング15と、2つの側壁部12における少なくとも1つに配置される2つの死点限定パッド16と、固定キャップ14の底部に配置される底部減衰パッド141(図7参照)と、を有するように構成されている。
【0012】
該スライディング手段20は、2つの側壁部12により両側から保持されて軸方向Xと平行に移動できるようにリニアレール10に取り付けられたものである。そして該スライディング手段20は、スライダ本体部21と、該スライダ本体部21に固定される従動ユニット22と、該スライダ本体部21の軸方向Xと平行する方向にある両端部にそれぞれ配置される2つの第1の減衰ブロック23と、を有するように構成されている。
【0013】
該スライダ本体部21には、従動ユニット22が収容固定される収容孔211と、収容孔211の両側において、それぞれ軸方向Xと平行に延伸する2つのボール通過孔212と、軸方向Xに略直交する横方向Yに沿って収容孔211からそれぞれ延伸する2つの貫通孔213と、該2つのボール通過孔212にそれぞれ取り付けられるボールベアリングユニット214と、リニアレール10が有する前記2つの外レールユニット13にそれぞれ向かい合って玉軸受のベアリングボール217が通過できる側面通路を対応する外レールユニット13と共に画成するように配置される2つの内レールユニット216と、スライダ本体部21の軸方向Xと平行する方向における両端部にあるボール通過孔212の開口に対応する箇所において、該ボール通過孔212に取り付けられるボールベアリングユニット214と該ボールベアリングユニット214に最も近い側面通路とを繋ぐように配置される2つのコーナリングユニット215と、を有するように構成されている。そして2つのボールベアリングユニット214と2つのコーナリングユニット215と2つの前記側面通路とにより、スライダ本体部21の両側に2つのボール周回ルートが構成され、複数のベアリングボール217はスライディング手段20のリニアレール10に対する軸方向Xと平行する方向における移動に応じて、この2つのボール周回ルート内を転動して周回する構成になっている。
【0014】
図5図6及び図9に示されるように、保持手段30は、スライディング手段20の軸方向Xにおける前後2つの端部側にそれぞれ取り付けられる2つの保持ユニット31と、2つの保持ユニット31を接続する2本の接続ユニット321と、保持ユニット31とリニアレール10との間に介在するように、対応する保持ユニット31に回転可能に取り付けられる補助ローラ332と、各保持ユニット31内に嵌めこまれている玉軸受34と、各玉軸受34の内側に嵌めこまれて固定されているオイルベアリング35と、スライダ本体部21に配置される各第1の減衰ブロック23にそれぞれ隣接する2つの第2の減衰ブロック36と、を有するように構成されている。
【0015】
即ち、保持手段30が有する2つの保持ユニット31には、それぞれスクリューロッド42により挿通されてる軸通過孔が形成されている上、各保持ユニット31の前記軸通過孔内には、スクリューロッド42の前記軸通過孔が挿通する箇所を囲んで保持する玉軸受34が配置され、そして各玉軸受34とスクリューロッド42との間には、更にオイルベアリング35が介在する構成になっている。
【0016】
また、補助ローラ332は、軸方向Xと平行に移動する保持手段30の移動に応じて転動するように構成されている。
【0017】
この2つの保持ユニット31は、スライディング手段20の軸方向Xにおける前後2つの端部側にそれぞれ位置するようにリニアレール10に取り付けられており、図8図10、及び図11に示されるように、この2つの保持ユニット31を接続する2本の接続ユニット321は、剛性体であり且つ軸方向Xと平行に延伸する接続ロッドにより構成されるので、この2つの保持ユニット31の間の距離を一定に保つことができる(図9参照)。
【0018】
また、各補助ローラ332はいずれも保持ユニット31に固定されている対応の軸棒331(図9参照)に回転自在に取り付けられていると共に、いずれもゴム材料から作成された外周ローラ部333を有し、該外周ローラ部333で対応する外レールユニット13に当接することにより、保持手段30の移動に応じて転動するように構成されている。
【0019】
図5図7に示されるように、駆動手段40は、リニアレール10に配置されるモータ41と、軸方向Xと平行する軸線Lに沿って延伸し、且つ、モータ41により駆動されて軸線Lを中心に回転可能にリニアレール10に配置されるスクリューロッド42と、モータ41が保持されるモータ保持台43と、モータ保持台43の底部に配置されるモータ減衰パッド414と、を有するように構成されている。
【0020】
スクリューロッド42は従動ユニット22に螺合すると共に、モータ41に接続される第1の端部421と、第1の端部421の反対側において、サイドベアリング15を介して該サイドベアリング15が配置される固定キャップ14に接続される第2の端部422と、ゴム材料により作成されると共に、サイドベアリング15内に位置するように第2の端部422に取り付けられる端部カバー423と、を有している。更に、オイルベアリング35は摺動可能にスクリューロッド42外に取り付けられ、ゴム材料により作成された端部カバー423はサイドベアリング15と第2の端部422との間に取り付けられている。
【0021】
バリアー50は側壁部12の上方を覆うように配置されると共に、モータ保持台43と固定キャップ14との間に固定されるカバースリーブ51と、各カバースリーブ51の間に挟まれて固定される鋼シート52と、を有している。
【0022】
この構成により、図1図4図7及び図11に示されるように、本発明のリニアレール装置は、駆動手段40のモータ41がスクリューロッド42を回転駆動すると、スクリューロッド42のリニアレール10に対する回転により、リニアレール10に取り付けられるスライディング手段20全体を軸方向Xと平行する方向に移動させると共に、各保持ユニット31をも同時に駆動することができる。例えば、スライディング手段20全体がモータ保持台43が配置される側、即ち図4における左側へ移動すると、スライディング手段20は該スライディング手段20の左側にある保持ユニット31を押し動かして同時にモータ保持台43側へ移動させると共に、2つの保持ユニット31を接続する2本の接続ユニット321により右側にある保持ユニット31をもモータ保持台43側へ引っ張って移動させることができる。
【0023】
これと同じように、スライディング手段20全体が固定キャップ14側、即ち図4における右側へ移動すると、スライディング手段20は該スライディング手段20の右側にある保持ユニット31を押し動かして同時に固定キャップ14側へ移動させると共に、2つの保持ユニット31を接続する2本の接続ユニット321により左側にある保持ユニット31をも固定キャップ14側へ引っ張って移動させることができる。
【0024】
これらの保持ユニット31がリニアレール10に対して移動する際、補助ローラ332は対応する外レールユニット13に当接しながら転動し、保持ユニット31をスムーズに移動させることができる。
【0025】
本発明のリニアレール装置全体が長く形成されると、スクリューロッド42の長さも増えるようになり、スクリューロッド42自身の重量も増えるのでその中心部が垂れてしまう可能性が生じるが、保持手段30が有する各保持ユニット31は該スクリューロッド42をサポートすることができるので、スクリューロッド42が自重により垂れてしまう状況を回避し、リニアレール装置全体の使用寿命を延ばすことができる。
【0026】
また、本発明のリニアレール装置は、以下の効果が得られる。
【0027】
まず、各保持ユニット31の各外レールユニット13との接触をローラー方式に変更することにより、ゴム材料から作成された外周ローラ部333が有する変更可能な特性を利用し、各部材の寸法の誤差を吸収することが出来る上、ベアリングボールが外レールユニット13に接触することにより引き起こされる騒音の問題を解決できる。
【0028】
また、2つの保持ユニット31は2本の接続ユニット321により接続されて連動する構成になるので、各部材の接続は単純で組み立ても容易である。
【0029】
また、スクリューロッド42の第2の端部422は研磨加工をする必要がなく、該第2の端部422をゴム材料の端部カバー423で覆うだけで済むので、該スクリューロッド42の加工による誤差を無視することが出来る。
【0030】
また、該リニアレール10の両端にある2つの死点限定パッド16を利用することで、該スライディング手段20が移動する死点を制限することができ、該スライディング手段20が移動する死点に到達するとこれを制限することができる。更に、該スライダ本体部21がいずれかの保持ユニット31にある第2の減衰ブロック36にぶつかって跳ね返されるので、固定キャップ14の底部に底部減衰パッド141を配置することで、各保持ユニット31がモータ保持台43もしくは固定キャップ14に直接に接触することを防止するセーフガード効果を発揮することができる。
【0031】
また、スクリューロッド42は細長い形状に形成されているので、本来、ストロークが長い時は回転数を下げる必要があるが、本発明は2つの保持ユニット31を用いる設計により、該スライディング手段20が移動する際、各保持ユニット31がスクリューロッド42を保持する効果を利用して該スクリューロッド42の偏心揺動を防止し、ストロークが長い時であっても高い回転数を維持することができる。
【0032】
更に、2つの保持ユニット31は2本の接続ユニット321により一体に接続されるため2つの保持ユニット31の間の距離は一定であり、ストリングによる接続より組み立てはだいぶ簡単になっている上、2本の接続ユニット321が2つの保持ユニット31の間の距離を一定に保つので、スライダ本体部21がぶつかる形で各保持ユニット31を動かし、スクリューロッド42を保持する2つの保持ユニット31が両者の間の距離を一定に維持しながらスクリューロッド42の偏心揺動を防止し、ストロークが長い時であっても高い回転数を維持することができる。
【0033】
なお、各玉軸受34を各オイルベアリング35をキャスト成型により一体に作成することにより、組み立てを更に単純化することも可能である。
【0034】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0035】
上記のように、本発明は各部材の寸法の誤差を吸収可能であり、且つ組み立てが簡単なリンク式リニアレール装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0036】
10 リニアレール
11 台座部
12 側壁部
13 外レールユニット
14 固定キャップ
141 底部減衰パッド
15 サイドベアリング
16 死点限定パッド
20 スライディング手段
21 スライダ本体部
211 収容孔
212 ボール通過孔
213 貫通孔
214 ボールベアリングユニット
215 コーナリングユニット
216 内レールユニット
217 ベアリングボール
22 従動ユニット
23 第1の減衰ブロック
30 保持手段
31 保持ユニット
321 接続ユニット
331 軸棒
332 補助ローラ
34 玉軸受
35 オイルベアリング
36 第2の減衰ブロック
40 駆動手段
41 モータ
414 モータ減衰パッド
42 スクリューロッド
421 第1の端部
422 第2の端部
423 端部カバー
43 モータ保持台
50 バリアー
51 カバースリーブ
52 鋼シート
L 軸線
X 軸方向
Y 横方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11