(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】バッグ
(51)【国際特許分類】
A45C 11/00 20060101AFI20230323BHJP
A45C 13/02 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
A45C11/00 D
A45C13/02 D
(21)【出願番号】P 2021188292
(22)【出願日】2021-11-19
【審査請求日】2022-08-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521431620
【氏名又は名称】宮本 麗子
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】宮本 麗子
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】意匠登録第1699618(JP,S)
【文献】特開2010-051457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/00
A45C 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部、側壁部、および上部開口を有するバッグ本体と、
該バッグ本体の上部開口を開閉する蓋部と、を備え、
前記側壁部は、前記バッグ本体の側壁を形成する側壁生地と、該側壁生地の内面に設けられ、該側壁生地との間に被収容物を収納する内ポケットを形成する内ポケット生地とを備え、
該蓋部は、前記バッグ本体へ取付けられる蓋取付部を有し、該蓋取付部は、
前記内ポケット生地の開口側端縁部に取付けられ、
前記側壁生地の内面と、前記内ポケット生地の前記開口側端縁部との間に、
前記内ポケットの出入口となる内口部が配置され
、
前記内ポケットの前記内口部および前記蓋取付部は、前記側壁生地の開口側端縁部よりも前記底部側に配置されたことを特徴とするバッグ。
【請求項2】
底部、側壁部、および上部開口を有するバッグ本体と、
該バッグ本体の上部開口を開閉する蓋部と、を備え、
前記側壁部は、前記バッグ本体の側壁を形成し、外側に配置された外生地および内側に配置された内生地を有する側壁生地を備え、
内ポケット生地を前記外生地と前記内生地との間に配置することで、被収容物を収納する内ポケットが前記外生地と前記内生地との間に形成され、
前記内ポケットの出入口となる内口部が前記内生地の上下方向途中に開口して形成され、
前記蓋部は、前記バッグ本体へ取付けられる蓋取付部を有し、該蓋取付部は、前記内生地の内面における前記内口部よりも前記底部側に配置されたことを特徴とするバッグ。
【請求項3】
前記側壁生地は、前記側壁を自立させるための芯材を備えた請求項
1または請求項
2に記載のバッグ。
【請求項4】
前記側壁部は前記バッグ本体の前面となる前壁部、後面となる後壁部、前記前壁部と前記後壁部とを連結する一対のまち壁部、とを備え、
前記内ポケットおよび前記内口部は、少なくとも1つの前記まち壁部に設けられた請求項1
ないし請求項
3の何れかに記載のバッグ。
【請求項5】
前記側壁部は前記バッグ本体の前面となる前壁部、後面となる後壁部、前記前壁部と前記後壁部とを連結する一対のまち壁部、とを備え、
前記内ポケットおよび前記内口部は、前記前壁部、前記後壁部、前記一対のまち壁部に設けられた請求項1ないし請求項
4の何れかに記載のバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ペット用のキャリーバッグなどのバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、ペットキャリーバッグ(特許文献1では「バッグ」と称している)が開示されている。ペットキャリーバッグは、外装部分と、外装部分に着脱可能な内装部分と、バッグの口裏に設けられた巾着部分と、を備えている。特許文献1では、内装部分に、例えばペットや荷物などの被収容物を収容した状態で、巾着部分によりバッグの口を閉じることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、バッグから被収容物を出し入れするときには、巾着部分を開けなければならず、巾着部分を開けるには不便が生じる。また、特許文献1において、外装部分にポケットを設けることも考えられる。しかしそのようにすると、バッグ外観のデザイン性に制約がかかる。
【0005】
なお、このような問題は、ペット用のキャリーバッグに限らず、日常使いのバッグでも同様である。
【0006】
そこで本発明は、被収容物の出し入れを便利に行うことができ、しかも、デザインの自由度があるバッグの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のバッグは、底部、側壁部、および上部開口を有するバッグ本体と、該バッグ本体の上部開口を開閉する蓋部と、を備え、該蓋部は、前記バッグ本体へ取付けられる蓋取付部を有し、該蓋取付部は、前記側壁部の内側に取付けられ、前記側壁部の内面における開口側端縁部と前記蓋取付部との間に、被収容物を収納する内ポケットの出入口となる内口部が配置されたことを特徴とする。
【0008】
上記構成のバッグによれば、蓋部を閉じた状態でも内ポケットに被収容物を出し入れできる。また、被収容物を収納する部分が内ポケットなので、バッグ本体の外観デザインに影響することなくデザインの自由度がある。
【0009】
本発明のバッグでは、前記側壁部は、前記バッグ本体の側壁を形成する側壁生地と、該側壁生地の内面に設けられ、該側壁生地との間に前記内ポケットを形成する内ポケット生地とを備え、前記蓋取付部は、前記内ポケット生地の内面に取付けられ、前記側壁生地の内面と、前記内ポケット生地の開口側端縁部との間に前記内口部が形成された構成を採用することができる。
【0010】
上記構成のバッグによれば、側壁生地の内側に内ポケットを形成しつつ、その内口部から、蓋部の開閉に関係なく被収容物を出し入れできる。また、側壁生地の内側に内ポケット生地を設けて内ポケットとするため、外観デザインに影響なく、デザインの自由度がある。
【0011】
本発明のバッグでは、前記側壁部は、前記バッグ本体の側壁を形成する側壁生地と、該側壁生地に取付けられた前記側壁の内部または内側に前記内ポケットを形成する内ポケット生地とを備え、前記内ポケットの前記内口部および前記蓋取付部は、前記側壁生地の前記開口側端縁部よりも前記底部側に配置された構成を採用することができる。
【0012】
上記構成のバッグによると、蓋取付部、内口部が、側壁生地の開口側端縁部よりも底部側の配置となり、内口部の開閉により、内ポケットに対して被収容物(物品)を便利に出し入れしつつも、蓋部によってバッグ本体に収容している被収容物の飛び出しを防止できる。また、内口部が側壁生地の開口側端縁部よりも底部側に配置されていることにより、バッグ本体の外側から内口部を見えにくくすることができるため、防犯性やデザインの自由度などが向上する。
【0013】
本発明のバッグでは、前記側壁生地は、前記側壁を自立させるための芯材を備えた構成を採用することができる。
【0014】
上記構成のバッグによれば、側壁が自立性を有することにより、内ポケットの外側がしっかりして、内口部の開閉がし易く、また被収容物を内ポケットに出し入れし易くなる。
【0015】
本発明のバッグでは、前記側壁部は前記バッグ本体の前面となる前壁部、後面となる後壁部、前記前壁部と前記後壁部とを連結する一対のまち壁部、とを備え、前記内ポケットおよび前記内口部は、少なくとも1つの前記まち壁部に設けられた構成を採用することができる。
【0016】
上記構成のバッグによれば、まち壁部に内ポケットが設けられることで、バッグの携行中に、アクセスし易いまち壁部のところから、蓋部を開閉せずに被収容物を出し入れできる。
【0017】
本発明のバッグでは、前記側壁部は前記バッグ本体の前面となる前壁部、後面となる後壁部、前記前壁部と前記後壁部とを連結する一対のまち壁部、とを備え、前記内ポケットおよび前記内口部は、前記前壁部、前記後壁部、前記一対のまち壁部に設けられた構成を採用することができる。
【0018】
上記構成のバッグによれば、側壁部の全周に内ポケットがあるために、使い勝手がよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のバッグによれば、蓋部を閉じた状態でも内ポケットに被収容物を出し入れでき、被収容物を収納する部分が内ポケットなので、バッグ本体の外観デザインに影響することなくデザインの自由度がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第一の実施形態を示すバッグの斜視図である。
【
図7】同
図3におけるVII-VII断面図である。
【
図8】本発明の第二の実施形態を示すバッグの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態にかかるバッグを、
図1ないし
図9を参照して説明する。本発明の第一の実施形態では、例えばペット用(例えば愛玩動物としての犬や猫)のバッグ1として説明する。しかしながら、ペット用のバッグに限らず、本発明は日常使いのバッグ1でも適用可能である。
【0022】
図1~
図5に示すように、バッグ1は、バッグ本体2と、内ポケット3となる空間領域と、蓋部4と、収容空間5と、蓋取付部6と、外ポケット7となる空間領域と、把手8とを備える。
【0023】
図6、
図7に示すように、バッグ本体2は、底を形成する底部9と、底部9から立ち上げられる四方向の側壁部11とを有している。また、側壁部11の上部には、上部を開放した上部開口12が形成されている。
【0024】
底部9は、底部生地13から形成される。底部9は、平面視して面取りをされた略四角形に形成されている。底部9は、上下二重の底部生地13から構成され、上側の底部生地13のさらに上側に、上側の底部生地13に着脱自在なマット14が敷設されている。
【0025】
側壁部11は、バッグ本体2の側壁を形成するよう構成される。側壁部11は、
図1ないし
図5に示すように、バッグ本体2の前面であって左右方向に長い前壁部15と、後面であって左右方向に長い後壁部16と、前壁部15と後壁部16とを連結して、前後方向に延びる短壁である一対のまち壁部17,18とを備えている。
【0026】
まち壁部17,18の前後方向の長さは、前壁部15および後壁部16の左右方向の長さより短く設定されている。つまり、バッグ本体2の周方向全周の側壁を形成する側壁部11は上方に開口する筒状であり、前後方向の寸法よりも左右方向の寸法が長く形成されている。
【0027】
図6、
図7に示すように、前壁部15、後壁部16、まち壁部17,18は、側壁生地20から構成される。また、側壁生地20は、側壁部11の内側に配置された内生地21と、側壁部11の外側に配置された外生地22とを有する。内生地21と外生地22とは、上下方向に長く形成され、また、周方向に長く形成されている。また、側壁生地20は、側壁として自立性を有すべく、芯材を備える。本実施形態では、芯材は内生地21と外生地22との間に配置され、具体的には、内生地21の外側に積層されている。
【0028】
内生地21は、前壁部15の内側となる前内生地23と、後壁部16の内側となる後内生地24と、一対のまち壁部17,18の内側となるまち内生地25とを備える。内生地21は、二枚(複数枚)の生地どうしが、側壁部11における周方向の端部で縫着されており、
図1に示すように、縫着された部分には上下方向の縫着部26が形成されている。つまり、前内生地23の左右方向の両端部それぞれに、まち内生地25が縫着され、後内生地24の左右方向の両端部それぞれにまち内生地25が縫着されている。
【0029】
外生地22は、例えば
図3、
図6に示すように、バッグ本体2の一方のまち壁部17から前壁部15を介してして他方のまち壁部18まで形成される前外生地と、一方のまち壁部17から後壁部16を介して他方のまち壁部18まで形成される後外生地、とを備える。前外生地と後外生地とは、側壁部11の周方向における端部どうしが縫着されている。
【0030】
具体的には、前外生地の周方向一方の端部と、後外生地の周方向他端の端部とが、一方のまち壁部17の中央部で縫着され、前外生地の周方向他方の端部と、後外生地の周方向一方の端部とが、他方のまち壁部18の中央部で縫着されている。このように、本実施形態では、内生地21は、外生地22よりも多い複数の生地を有している。なお、外生地22は一枚の生地で構成することもできる。
【0031】
内ポケット3は、側壁生地20の内生地21の内面に設けられ、側壁生地20と内ポケット生地27の間に配置されている。すなわち、
図3、
図6、
図7に示すように、内ポケット生地27から構成される内ポケット3、およびその出入口となる内口部28が、前壁部15、後壁部16、一対のまち壁部17,18に設けられている。具体的に、内ポケット生地27は、内生地21の複数の生地、この場合では、前内生地23、後内生地24、まち内生地25のそれぞれに縫着されている。つまり、内ポケット3および内口部28は、側壁部11の内側の全周に設けられて、前壁部15、後壁部16、および一対のまち壁部17,18に設けられている。また、内ポケット生地27は、上下方向において内生地21と平行に伸び、内口部28は、側壁生地20の内面と、内ポケット生地27の開口側端縁部27aとの間に配置されている。
【0032】
図6、
図7に示すように、内ポケット生地27の上端部となる開口側端縁部27aは、側壁生地20の上端部となる開口側端縁部21aよりも底部9側に位置するよう配置されている。つまり、内口部28は、側壁生地20の開口側端縁部21aよりも底部9側に配置されており、本実施形態では、内ポケット生地27の開口側端縁部27aと内生地21の開口側端縁部21aとの間にあって、上向きに開口した空間である。なお、内ポケット生地27は、側壁生地20よりも柔軟性のある生地で、芯材を備えない生地である。
【0033】
蓋部4は、バッグ本体2の上部開口12を開閉する部材である。蓋部4は蓋部生地30から構成されて、蓋部生地30の周縁部である蓋取付部6が、内ポケット生地27の開口側端縁部27aに縫着されている。
【0034】
具体的には、蓋取付部6は、
図6に示すように、内ポケット生地27の内面に縫着することもでき、或いは内ポケット生地27の外面に縫着され、蓋部4が内ポケット生地27の開口側端縁部27aの上方を介して内方へ延びるように構成することもできる。このように、蓋取付部6が、側壁生地20の開口側端縁部21aよりも底部9側に配置される内ポケット生地27の開口側端縁部27aに取付けられるため、蓋部4は、蓋取付部6が側壁生地20の開口側端縁部21aよりも底部9側の位置にて内ポケット生地27に取付けられて、側壁生地20の開口側端縁部21aよりも底部9側に配置される。
【0035】
本実施形態では、蓋部4の前後左右の全周に蓋取付部6が設けられており、蓋取付部6が内ポケット生地27の内面に取付けられている。また、蓋部生地30として、ナイロンメッシュ等で構成されており、
図2、
図3に示すように、蓋部4はその開口が、巾着式の留具31により所望の状態に開閉自在となっている。蓋部4は、側壁部11の内面に沿わせてバッグ本体2の収容空間5内に収容した収納状態Aと、
図2に示すように、バッグ本体2の上部開口12を開閉可能な展開状態Bとに切替え可能とされる。なお、蓋部生地30としては、ナイロンメッシュに限定されず、種々の生地を適用できる。また、留具31は巾着式に限らず、スライドファスナや面ファスナなど種々のものを適用できる。
【0036】
蓋部4を展開状態Bとして蓋部4を開けて、例えばペットをバッグ本体2(バッグ1)の中に入れることができる。また、展開状態Bで蓋部4を閉めることで、バッグ本体2の開口を閉じて、ペットを保護することができる。すなわち、前記収容空間5(
図3参照)は、底部9、側壁部11、蓋部4とで囲まれる空間である。
【0037】
図3に示すように、蓋取付部6は、蓋部4に備えられて、蓋取付部6は、バッグ本体2に取付けられる。また、
図6に示すように、内口部28が、側壁部11の内面における内生地21の開口側端縁部21aと、蓋取付部6との間に配置されている。
【0038】
ここで蓋取付部6の具体例を説明すると、長壁である前壁部15で形成される前壁とこれに対向する内ポケット生地27との間、長壁である後壁部16で形成される後壁とこれに対向する内ポケット生地27との間には、スライドファスナFが左右方向に設けられている。短壁である一対のまち壁部17,18で形成される一対のまち壁とこれらに対応する内ポケット生地27との間には、マグネッホックMやドットボタンが用いられる。これらのスライドファスナFやマグネッホックM等の内口留具により、内口部28が開閉可能となっている。
【0039】
図1に示すように、外ポケット7は、前壁部15に設けられた前外ポケット32と、後壁部16に設けられた後外ポケット33とを備える。前外ポケット32は、上方を開口として、被収容物(例えば定期券やモバイル等)を出し入れするよう構成されている。
【0040】
外ポケット7は、側壁部11と、側壁部11の外側に配置される外ポケット生地との間に形成されるポケットである。このうち、前外ポケット32は、前壁部15と、前壁部15の外側に設けられる前外ポケット生地22aとで構成される。前外ポケット32内には、前外内ポケットが設けられる。前外内ポケットは、前壁部15と前外ポケット生地22aとの間に、前外内ポケット生地23aが配置されることで構成される。本実施形態では、前外内ポケット生地23aと前壁部15との間が、前外内ポケットとして構成されている。
【0041】
また、前外ポケット生地22aと前外内ポケット生地23aの左右方向略中央部は、側壁部11に上下方向で縫着されている。また、前外ポケット32を構成する前外ポケット生地22aには、表面に上下方向の複数のギャザーが施されている。
【0042】
図1、
図5に示すように、後外ポケット33は、側方を開口として、被収容物を出し入れするよう構成されている。
図7に示すように、後外ポケット33は、後壁部16と後壁部16に配置された後外ポケット生地22bとで形成されている。後外ポケット33の周方向の一端部には、上下方向のスライドファスナFが配置される。
【0043】
図1ないし
図7に示すように、把手8は、この場合は、スリング状の紐(吊部材)である。把手8は一方のまち壁部17の上端に縫着され、他方のまち壁部18の上端に、長さ調節できるように着脱可能となっている。
【0044】
具体的には、把手8は、使用者の一方の肩に掛けて、バッグ本体2を使用者の他方側に吊るように構成された部材であり、一本の帯状部材である。この把手8は、帯長さ方向の一方側と他方側とを備え、一方側と他方側とが連結可能に構成され、連結位置が変更可能であることにより、長さ調節できるようになっている。本実施形態では、一方側部の長さ方向一端部が、一方のまち壁部17の上端に取付けられ、他方側部の長さ方向一端部が、他方のまち壁部18の上端に取付けられている。なお、まち壁部17,18の内側に形成される内ポケット3の内口部28は、把手8よりも底部9側に配置されている。
【0045】
上記構成のバッグ1によれば、蓋部4は、巾着式の留具31により開閉自在となっており、収納状態Aと、開閉可能な展開状態Bとに切替え可能とされるので、蓋部4を展開状態Bとして蓋部4を開けて、例えば被収容物としてのペットを、バッグ1の中に入れることができる。また、蓋部4を閉めてペットを保護することができる。さらに、蓋部4は、蓋部生地30としてのナイロンメッシュ等で構成されているから、例えば、バッグ1の使用者がペットの状態を観察することができる。なお、ペットを収容している場合には、ペットが外を見ることができる。
【0046】
また、蓋部4は収納状態Aと開閉可能な展開状態Bとに切替え可能とされるので、蓋部4を使用しない場合には、側壁部11の内面に沿った収納状態Aとすることができる。また、蓋部4は、内ポケット生地27の開口側端縁部27aの内側に縫着されているから、内ポケット生地27より内側の収容空間5、すなわち底部9、側壁部11、蓋部4とで囲まれる空間がその分だけ広く形成されるので、使い勝手がよい。
【0047】
内生地21は、側壁部11における周方向の端部で縫着されており、縫着された部分には上下方向の縫着部26が形成され、縫着部26は、バッグ本体2の上部開口12から底部9にかけて延びている。この構成によれば、複数本(本実施形態では四箇所)の縫着部26が延びているため、バッグ1の安定性が向上する。しかも、外生地22は、例えば、一対のまち壁部17,18の周方向中心で、内外方向で二枚の生地によって縫着されている。つまり、内生地21は、外生地22の生地より多い、複数の生地で構成されている。このために、バッグ1の安定性(自立性)がいっそう向上する。
【0048】
内ポケット生地27の開口側端縁部27aは、側壁生地20の内生地21の開口側端縁部21aよりも底部9側に位置するよう配置されている。また、蓋取付部6は、内ポケット生地27の内面における開口側端縁部27aに取付けられており、内ポケット3の内口部28が、側壁部11の内面における内生地21の開口側端縁部21aと、蓋取付部6との間に配置されている。この構成により、内ポケット生地27、蓋取付部6、内口部28が、側壁生地20の開口側端縁部27aよりも底部9側の配置となり、内口部28の開閉により、内ポケット3に対して被収容物(物品)を便利に出し入れしつつも、蓋部4によってバッグ本体2の収容空間5に収容している被収容物の飛び出しを防止できる。また、内口部28が側壁生地20の開口側端縁部27aよりも底部9側に配置されていることにより、バッグ本体2の外側から内口部28を見えにくくすることができ、防犯性やデザインの自由度などが向上する。
【0049】
また、上記構成のバッグ1では、バッグ本体2が、底部9、側壁部11、および上部開口12を有している。また、バッグ本体2の上部開口12を開閉する蓋部4を備え、蓋部4は、バッグ本体2へ取付けられる蓋取付部6を有している。そして、蓋取付部6は、側壁部11の内側に取付けられ、側壁部11の内面における開口側端縁部21aと蓋取付部6との間に、被収容物を収納する内ポケット3の出入口となる内口部28が配置されている。
【0050】
このため、被収容物(例えば、ペット)を収容空間5に入れて蓋部4を閉じた状態でも、内口部28を開閉することで内ポケット3に物品を出し入れすることができる。また、上記構成のバッグ1では、このような内ポケット3を設けているため、バッグ本体2の外観デザインに影響せず、デザインの自由度が向上する。本実施形態では、外観デザインとして、前外ポケット32および後外ポケット33を配置することができる。
【0051】
本実施形態のバッグ1では、側壁部11は、バッグ本体2の側壁を形成する側壁生地20と、側壁生地20の内面に設けられ、側壁生地20との間に内ポケット3を形成する内ポケット生地27とを備えている。そして、蓋取付部6は、内ポケット生地27の内面に取付けられており、側壁生地20の内面と、内ポケット生地27の開口側端縁部27aとの間に内口部28が形成されている。
【0052】
このような構成のバッグ1では、側壁生地20の内側に内ポケット3を形成しつつ、その内口部28から蓋部4の開閉に関係なく、物品を出し入れできる。また、上記構成のバッグ1では、側壁生地20の内側に内ポケット生地27を設けて内ポケット3とするため、外観デザインに影響なく、デザインの自由度が向上する。
【0053】
側壁部11はバッグ本体2の前面となる前壁部15、後面となる後壁部16、前壁部15と後壁部16とを連結する一対のまち壁部17,18とを備えている。そして、内ポケットおよび内口部28は、少なくとも1つのまち壁部17に設けられている。本実施形態として、内ポケット3および内口部28は、前壁部15、後壁部16、一対のまち壁部17,18に設けられている。すなわち、内ポケット3および内口部28は、側壁部11の内側の全周に設けられている。
【0054】
このような内ポケット3が設けられることで、バッグ1の携行中にアクセスし易いまち壁部17,18の内ポケット3から、内口部28を介して、蓋部4を開閉せずに物品を内ポケット3に対して出し入れでき、また、本実施形態においては全周に内ポケット3があるので、使い勝手がよい。
【0055】
また、内ポケット生地27の開口側端縁部27aは、側壁生地20の開口側端縁部21aよりも底部9側に位置するよう配置され、内口部28は、内ポケット生地27の開口側端縁部27aと側壁生地20の開口側端縁部21aとの間で、上方へ向けて開口する空間である。そして、内ポケット生地27の開口側端縁部27aに蓋取付部6が配置されている。このため、バッグ1の使用者にとって内口部28が開けやすく、しかも閉め易い。
【0056】
また、側壁生地20は、バッグ本体2の側壁を自立させるための芯材を備え、芯材は、内生地21と外生地22との間に配置されている。このように、バッグ本体2に芯材を備えることにより側壁が自立性を有し、このため内ポケット3の外側がしっかりして、内口部28の開閉がし易く、また、被収容物を内ポケット3に出し入れし易くなる。
【0057】
本発明の第二の実施形態を、
図8ないし
図9に基づいて説明する。上記第一の実施形態では、収容空間5がバッグ本体2に固定されていた。しかしながら、収容空間5は、バッグ本体2に対して着脱可能な構成とすることもできる。
【0058】
具体的に、第二の実施形態を説明する。第二の実施形態のバッグ1は、バッグ本体2と、内ポケット3となる空間領域と、蓋部4と、収容空間5と、蓋取付部6とを備える。
【0059】
バッグ本体2は底部9と側壁部11とを有する。底部9は、バッグ本体2の内側となる内底部10Aと、バッグ本体2の外側となる外底部10Bとから構成される。内底部10Aは内底部生地34で構成され、外底部10Bは外底部生地35で構成される。また、側壁部11は、側壁生地20から構成され、側壁生地20は、内生地21と外生地22とで構成される。そして、内底部生地34と内生地21とで内本体部36が構成され、外底部生地35と外生地22とで外本体部37が構成されて、内本体部36は外本体部37に対して着脱可能に構成されている。例えば、内本体部36の開口側端縁部36aの全周外側、外本体部37の開口側端縁部37aの全周内側に、留具38としての、面ファスナが配置されて、この留具38によって、内本体部36は外本体部37に対して着脱可能に構成されている。
【0060】
内本体部36の内面に、蓋部4と内ポケット3が設けられている。内ポケット3は、内生地21の内側に配置された内ポケット生地27により構成されている。また、内ポケット生地27は、内生地21の全周に配置されている。内ポケット生地27の開口側端縁部27aは、外本体部37の開口側端縁部37aよりも底部9側に配置されている。内ポケット3の内口部28は、第一の実施形態と同様に、側壁部11の内面である内生地21の内面における開口側端縁部21aと、蓋取付部6との間に配置されている。内ポケット生地27は内生地21の四隅で、上下方向の縫着部(図示せず)で、縫着されている。
【0061】
蓋部4は、蓋取付部6が内ポケット生地27の内面に縫着されている。蓋部4は蓋部生地30から構成されている。なお、収容空間5は、内ポケット生地27よりも内側の空間とされる。他の構成は上記第一の実施形態と同様である。
【0062】
第二実施形態の構成では、内本体部36、すなわち、内底部生地34と内生地21とが、外本体部37に対して着脱自在となっている。このため、内本体部36が独自で洗えるので衛生的である。また、外本体部37も、内本体部36を外した状態で洗うことができるので、衛生的である。さらに、内本体部36と外本体部37との組み合わせを、趣向に合わせて選択できる。
【0063】
また、内本体部36は、内底部生地34と内生地21とから構成され、内生地21は、前内生地23と後内生地24とまち内生地25とから構成されて、前内生地23の左右両端部に、まち内生地25が上下方向で縫着されている。そして、後内生地24の左右両端部に、まち内生地25が上下方向で縫着されている。これにより、内本体部36の四隅に上下の縫着部が形成されて、自立性が確保される。また、側壁生地20の芯材は、内生地21の外面に取り付けられているので、この芯材によっても内本体部36の自立性が確保される。なお、内本体部36の外面、及び/又は外本体部37の内面に、内ポケット3とは別のポケットを設けることもできる。
【0064】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、内ポケット3は、側壁生地20の内生地21の内面に設けられ、側壁生地20と内ポケット生地27との間に配置され、また、内ポケット3の出入口となる内口部28が、前壁部15、後壁部16、一対のまち壁部17,18に設けられていた。しかしながら、内ポケットの内口部は、内生地21の上下方向途中に配置することも可能である。すなわち、本実施形態は、第一及び第二の実施形態とは異なる内ポケットの態様であり、図示しないが、内ポケットの内口部は、側壁生地20のうち、内生地21の上下方向途中に開口して形成されている。そして、内ポケット生地は、内口部に対して外側に配置され、内ポケットは、内生地21と外生地22との間に配置されている。また、蓋部生地30の周縁部である蓋取付部6は、側壁生地20(内生地21)の内面における内口部よりも底部9側に取付けられている。また、本実施形態においては、上記第一の実施形態のように、内ポケットは、少なくとも1つのまち壁部17,18にのみ設けることもできるし、前壁部15、後壁部16にも設けることができる。
【0065】
本発明は上記実施形態に限定されない。上記各実施形態では、内ポケット生地27の開口側端縁部27aは、側壁生地20の開口側端縁部21aよりも底部9側に位置するよう配置されている。しかしながら、内ポケット生地27の開口側端縁部27aと、側壁生地20の開口側端縁部21aとは、同じ高さとすることもできる。
【0066】
例えば、側壁生地20を構成する内生地21と外生地22とが、ほぼ同じ高さに構成される場合には、内ポケット生地27も略同じ高さに構成することもできる。あるいは、外生地22に対して内生地21が高く構成されている場合には、内ポケット生地27を内生地21と略同じ高さに構成することもできる。いずれの場合も、内生地21の上端縁部となる開口側端縁部と内ポケット生地27の上端縁部となる開口側端縁部との間に、内ポケットの内口部が形成される。
【0067】
上記各実施形態では、内生地21は、二枚(複数枚)の生地どうしが、側壁部11における周方向の端部で縫着されており、縫着された部分には上下方向の縫着部26を備えていた。しかしながら、内生地21における縫着部26は、周方向端部において、一枚の生地を折り重ねして、内生地21の端部を重ねて縫着部26を形成することも可能である。すなわち、内生地21の端部どうしを、三枚あるいはそれ以上の生地を重ねて縫着部26を形成することができる。この場合では、内生地21の安定性がさらに向上する。
【0068】
上記各実施形態では、内ポケット3および内口部28は、バッグ本体2の全周に配置していた。しかしながら、全周に配置することに限定されず、少なくとも1つのまち壁部17,18にのみ設けることもできる。内ポケット3(内口部28)をまち壁部17に設けていれば、バッグ1の使用者が把手8を把持してバッグ1を持ったときにも、手指を内ポケット3に出し入れし易い。
【0069】
上記各実施形態では、把手8はスリング状の紐から構成された。しかしながら、把手8は、例えば、前壁部15と後壁部16とにそれぞれ係止させる持ち手(ベルト)とすることもできる。また、後壁部16に一対の肩ベルトを設けて、リュックサックタイプとすることもできる。また、上記各実施形態ではバッグ1に外ポケット7を形成したが、外ポケット7を形成しなくてもよい。なお、スリング状の紐を一対の肩ベルトとして用いてもよい。
【0070】
上記各実施形態では、内ポケット生地27は上下に延長される連続した生地で構成されており、縫着部26によって安定性を向上させていた。しかしながら、内ポケット生地27において、上下方向の途中にスライドファスナや、マグネッホックで開閉する開口を設けることもできる。スライドファスナを設ける場合は、内ポケット生地の開口にスライドファスナを設け、マグネッホックを設ける場合では、前記開口に相当する内ポケット生地部分を内外に重ねるように設ける。そして、上記各実施形態では、縫着部26を介して四枚の内ポケット生地によって内ポケットが構成されており、内ポケットを構成する何れの内ポケット生地であっても、上記開口を形成することができる。
【0071】
この構成によれば、バッグの使用者の手指が内ポケットを介して収容空間に収容された被収容物にアクセスすることができる。このため、例えば、被収容物を把持することができるため、蓋部4を閉じた状態でも、被収容物をバッグから取出すことができる。また、収容空間に収容されたものがペットであれば、蓋部4を閉じた状態でも愛玩することができる。
【0072】
なお、マグネッホック等を設ける場合では、前記開口に相当する内ポケット生地部分を内外に重ねるように設けるが、開口に相当する内ポケット生地部分を内外に重ねるように設ける場合では、マグネッホック等を省略することもできる。
【0073】
なお、上記実施形態では、側壁生地20が内生地21と外生地22とを備える場合について説明したが、これに限らず、例えば、1枚の生地で構成することもできる。この場合、側壁生地として、1枚の生地に自立性を持たせるため、該1枚の生地を、革製の生地(本革または合成革)とすることもできる。または、3枚以上の生地を用いることもできる。この場合、革製の生地が芯材を兼ねる。
【符号の説明】
【0074】
1…バッグ、2…バッグ本体、3…内ポケット、4…蓋部、5…収容空間、6…蓋取付部、7…外ポケット、9…底部、10A…内底部、10B…外底部、11…側壁部、12…上部開口、13…底部生地、15…前壁部、16…後壁部、17,18…まち壁部、20…側壁生地、21…内生地、21a…開口側端縁部、22…外生地、22a…前外ポケット生地、22b…後外ポケット生地、23…前内生地、23a…前外内ポケット生地、24…後内生地、25…内生地、26…縫着部、27…内ポケット生地、27a…開口側端縁部、28…内口部、30…蓋部生地、32…前外ポケット、33…後外ポケット、34…内底部生地、35…外底部生地、36…内本体部、36a…開口側端縁部、37…外本体部、37a…開口側端縁部、A…収納状態、B…展開状態、F…スライドファスナ、M…マグネッホック
【要約】
【課題】 被収容物の出し入れを便利に行うことができ、しかも、デザインの自由度があるバッグの提供を目的とする。
【解決手段】 底部、側壁部、および上部開口を有するバッグ本体と、該バッグ本体の上部開口を開閉する蓋部と、を備え、該蓋部は、前記バッグ本体へ取付けられる蓋取付部を有し、該蓋取付部は、前記側壁部の内側に取付けられ、前記側壁部の内面における開口側端縁部と前記蓋取付部との間に、被収容物を収納する内ポケットの出入口となる内口部が配置された構成のバッグ。
【選択図】
図3