(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】内部充填物入り焼成食品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A21B 3/13 20060101AFI20230323BHJP
A21B 5/02 20060101ALI20230323BHJP
A47J 37/06 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
A21B3/13
A21B5/02
A47J37/06 306
(21)【出願番号】P 2022109695
(22)【出願日】2022-07-07
【審査請求日】2022-07-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512107558
【氏名又は名称】齊藤 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 潤一郎
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-102624(JP,A)
【文献】登録実用新案第3194586(JP,U)
【文献】特開2016-171970(JP,A)
【文献】特開2014-161260(JP,A)
【文献】特開2015-062434(JP,A)
【文献】特開2014-030365(JP,A)
【文献】特開2006-102009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21B 3/13
A21B 5/02
A47J 37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱部を内蔵するとともに左側凹部及び右側凹部をそれぞれ備えた左側成形型及び右側成形型であって、前記左側凹部及び前記右側凹部が内部装填物に対し鯛焼きの左側外観形状及び右側外観形状をそれぞれ与える左側成形型及び右側成形型を、略水平方向の軸心部材を介して互いに連結し、前記左側成形型の左ハンドル部を用いて当該左側成形型を前記軸心部材を介し前記右側成形型へ向かって回動させるか若しくは前記右側成形型の右ハンドル部を用いて当該左側成形型を前記軸心部材を介し前記左側へ向かって回動させることで前記左側成形型及び前記右側成形型を互いに突き合わせ、突き合わされた前記左側成形型の前記左側凹部と前記右側成形型の前記右側凹部とが略合体して形成される内部空間により前記鯛焼きを焼成可能な鯛焼き製造機本体と、前記鯛焼き製造機本体とは別体に構成され、左側凸部、及び、前記左ハンドル部とは異なる左取っ手、を備えた左側覆い蓋と、前記鯛焼き製造機本体とは別体に構成され、右側凸部、及び、前記右ハンドル部とは異なる右取っ手、を備えた右側覆い蓋と、を用いた内部充填物入り焼成食品の製造方法であって、
食用の左側外皮形成材料を加熱した前記左側成形型の前記左側凹部に配置するとともに食用の右側外皮形成材料を加熱した前記右側成形型の前記右側凹部に配置する、仕込み工程と、
前記仕込み工程の後、前記左側外皮形成材料及び前記右側外皮形成材料が半焼け状態のうちに、裏面のうち前記左側凹部に対応した部位に略楕円
半球形状の左側凸部を備えた前記左側覆い蓋を当該左側覆い蓋の前記左取っ手を用いて前記左側成形型に被せて前記左側凸部を前記左側凹部に貫入させることで、前記左側凹部に配置された前記左側外皮形成材料に対し所望の凹型形状を与えつつ焼成して食用の左側外皮を形成するとともに、裏面のうち前記右側凹部に対応した部位に略楕円
半球形状の右側凸部を備えた前記右側覆い蓋を当該右側覆い蓋の前記右取っ手を用いて前記右側成形型に被せて前記右側凸部を前記右側凹部に貫入させることで、前記右側凹部に配置された前記右側外皮形成材料に対し所望の凹型形状を与えつつ焼成して食用の右側外皮を形成する、焼成工程と、
前記焼成工程の後、前記左側外皮形成材料が十分に焼成して前記左側外皮が形成されてから前記左側覆い蓋の前記左取っ手を用いて当該左側覆い蓋を前記左側成形型から取り外して当該左側外皮を露出させるとともに、前記右側外皮形成材料が十分に焼成して前記右側外皮が形成されてから前記右側覆い蓋の前記右取っ手を用いて当該右側覆い蓋を前記右側成形型から取り外して当該右側外皮を露出させる、取り外し工程と、
前記取り外し工程により露出された前記左側外皮及び前記右側外皮のうち一方の外皮の上に前記内部充填物を載置する充填物載置工程と、
前記左側外皮及び前記右側外皮のうち他方の外皮を、対応する前記左側成形型又は前記右側成形型の前記左ハンドル部又は前記右ハンドル部を用いて当該左側成形型又は当該右側成形型を前記軸心部材を介して回動させることにより、前記載置された内部充填物を包含するようにしつつ前記一方の外皮に対し突き合わせる第1外皮突き合わせ工程と、
を有することを特徴とする内部充填物入り焼成食品の製造方法。
【請求項2】
加熱部を内蔵するとともに左側凹部及び右側凹部をそれぞれ備えた左側成形型及び右側成形型であって、前記左側凹部及び前記右側凹部が内部装填物に対し鯛焼きの左側外観形状及び右側外観形状をそれぞれ与える左側成形型及び右側成形型を、略水平方向の軸心部材を介して互いに連結し、前記左側成形型の左ハンドル部を用いて当該左側成形型を前記軸心部材を介し前記右側成形型へ向かって回動させるか若しくは前記右側成形型の右ハンドル部を用いて当該左側成形型を前記軸心部材を介し前記左側へ向かって回動させることで前記左側成形型及び前記右側成形型を互いに突き合わせ、突き合わされた前記左側成形型の前記左側凹部と前記右側成形型の前記右側凹部とが略合体して形成される内部空間により前記鯛焼きを焼成可能な鯛焼き製造機本体と、前記鯛焼き製造機本体とは別体に構成され、左側凸部、及び、前記左ハンドル部とは異なる左取っ手、を備えた左側覆い蓋と、前記鯛焼き製造機本体とは別体に構成され、右側凸部、及び、前記右ハンドル部とは異なる右取っ手、を備えた右側覆い蓋と、を用いた内部充填物入り焼成食品の製造方法であって、
食用の左側外皮形成材料を加熱した前記左側成形型の前記左側凹部に配置するとともに食用の右側外皮形成材料を加熱した前記右側成形型の前記右側凹部に配置する、仕込み工程と、
前記仕込み工程の後、前記左側外皮形成材料及び前記右側外皮形成材料が半焼け状態のうちに、裏面のうち前記左側凹部に対応した部位に略楕円
半球形状の左側凸部を備えた前記左側覆い蓋を当該左側覆い蓋の前記左取っ手を用いて前記左側成形型に被せて前記左側凸部を前記左側凹部に貫入させることで、前記左側凹部に配置された前記左側外皮形成材料に対し所望の凹型形状を与えつつ焼成して食用の左側外皮を形成するとともに、裏面のうち前記右側凹部に対応した部位に略楕円
半球形状の右側凸部を備えた前記右側覆い蓋を当該右側覆い蓋の前記右取っ手を用いて前記右側成形型に被せて前記右側凸部を前記右側凹部に貫入させることで、前記右側凹部に配置された前記右側外皮形成材料に対し所望の凹型形状を与えつつ焼成して食用の右側外皮を形成する、焼成工程と、
前記焼成工程の後、前記左側外皮形成材料が十分に焼成して前記左側外皮が形成されてから前記左側覆い蓋の前記左取っ手を用いて当該左側覆い蓋を前記左側成形型から取り外して当該左側外皮を露出させるとともに、前記右側外皮形成材料が十分に焼成して前記右側外皮が形成されてから前記右側覆い蓋の前記右取っ手を用いて当該右側覆い蓋を前記右側成形型から取り外して当該右側外皮を露出させる、取り外し工程と、
前記取り外し工程により露出された前記左側外皮及び前記右側外皮を、前記左側成形型又は前記右側成形型の前記左ハンドル部又は前記右ハンドル部を用いて当該左側成形型又は当該右側成形型を前記軸心部材を介して回動させることにより、互いに突き合わせて袋状にする第2外皮突き合わせ工程と、
前記突き合わされて袋状にされた前記左側外皮及び前記右側外皮の内部空間に前記内部充填物を充填する充填工程と、
を有することを特徴とする内部充填物入り焼成食品の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の内部充填物入り焼成食品の製造方法において、
前記左側外皮形成材料及び前記右側外皮形成材料のそれぞれは、シート状材料であり、
前記焼成工程では、
前記左側凸部による押圧により前記凹型形状の変形部が生じた左側の前記シート状材料によって前記左側外皮が形成されるとともに、前記右側凸部による押圧により前記凹型形状の変形部が生じた右側の前記シート状材料によって前記右側外皮が形成され、
前記内部充填物入り焼成食品の製造方法は、さらに、
突き合わされた前記左側外皮の前記変形部と前記右側外皮の前記変形部との間に形成される内部空間に前記内部充填物が充填された焼成食品が生成される 第1焼成食品生成工程を有する
ことを特徴とする内部充填物入り焼成食品の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載の内部充填物入り焼成食品の製造方法において、
前記左側外皮形成材料及び前記右側外皮形成材料のそれぞれは、流動性材料であり、
前記焼成工程では、
加熱により、貫入した前記左側凸部に対応した前記凹型形状の固化進行部が生じた左側の前記流動性材料によって前記左側外皮が形成されるとともに、加熱により、貫入した前記右側凸部に対応した前記凹型形状の固化進行部が生じた右側の前記流動性材料によって前記右側外皮が形成され、
前記内部充填物入り焼成食品の製造方法は、さらに、
突き合わされた前記左側外皮の前記固化進行部と前記右側外皮の前記固化進行部との間に形成された内部空間に前記内部充填物が充填されて焼成食品が生成される第2焼成食品生成工程を有する
ことを特徴とする内部充填物入り焼成食品の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は請求項2記載の内部充填物入り焼成食品の製造方法において、
前記左側覆い蓋の右側端部及び前記右側覆い蓋の左側端部には、前記軸心部材の外径形状との干渉を回避するための切欠部が形成されており、
前記焼成工程において前記左側覆い蓋を前記左側成形型に被せる際には、前記左側覆い蓋の前記切欠部に前記軸心部材の左側外形形状を貫入させて前記干渉を回避することで、当該左側覆い蓋と当該左側成形型との密閉性を向上させ、
前記焼成工程において前記右側覆い蓋を前記右側成形型に被せる際には、前記右側覆い蓋の前記切欠部に前記軸心部材の右側外形形状を貫入させて前記干渉を回避することで、当該右側覆い蓋と当該右側成形型との密閉性を向上させる、
ことを特徴とする内部充填物入り焼成食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば小豆餡やクリームなどの充填物が入った鯛焼き、大判焼き、パン、パイなどの内部充填物入り焼成食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鯛焼きなどを焼成する機器として、それぞれ加熱部を備えた2つの金型が互いにヒンジ結合された構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。それぞれの金型の中に生地が注がれ焼成されている最中に、一方の生地の上に小豆餡が乗せられて他方の生地が金型ごと回動されて閉じ合わせることで、一体焼成された外皮で内部の小豆餡の全体が覆われた状態の鯛焼きが製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-520332号公報(
図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、近年ではカメラ付きスマートフォンやSNSの普及などにより、製造直後の完成状態における菓子全体の外観の見栄えのよさが求められている。しかしながら上述した従来の鯛焼きなどの製造方法では、その外皮全体を半分に割ったり、一部を食べるまではその充填物の内容を目視することができない。そのため、いくら外皮の内部に小豆餡、生クリーム、アイスクリーム、及び果実片等の見栄えのよい充填物が充填されていても、製造直後の完成状態のままでは外観に反映させることができず、見た目が地味なままである。しかしながら、その改善のために焼成機器の全体を新規に製造・購入する負担はできるだけ抑えたいという要望もある。
【0005】
本発明の目的は、できるだけ従来の焼成機器を利用しつつ、製造直後の外観においても充填物の見栄えを反映できる内部充填物入り焼成食品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、加熱部を内蔵するとともに左側凹部及び右側凹部をそれぞれ備えた左側成形型及び右側成形型であって、前記左側凹部及び前記右側凹部が内部装填物に対し鯛焼きの左側外観形状及び右側外観形状をそれぞれ与える左側成形型及び右側成形型を、略水平方向の軸心部材を介して互いに連結し、前記左側成形型を前記軸心部材を介し前記右側成形型へ向かって回動させるか若しくは前記右側成形型を前記軸心部材を介し前記左側へ向かって回動させることで前記左側成形型及び前記右側成形型を互いに突き合わせ、突き合わされた前記左側成形型の前記左側凹部と前記右側成形型の前記右側凹部とが略合体して形成される内部空間により前記鯛焼きを焼成可能な鯛焼き製造機、を用いた内部充填物入り焼成食品の製造方法であって、食用の左側外皮形成材料を前記左側成形型の前記左側凹部に配置する、左側仕込み工程と、裏面のうち前記左側凹部に対応した部位に左側凸部を備えた左側覆い蓋を前記左側成形型に被せて前記左側凸部を前記左側凹部に貫入させることで、前記左側凹部に配置された前記左側外皮形成材料に対し所望の凹型形状を与えつつ焼成して食用の左側外皮を形成する、左側焼成工程と、食用の右側外皮形成材料を前記右側成形型の前記右側凹部に配置する、右側仕込み工程と、裏面のうち前記右側凹部に対応した部位に右側凸部を備えた右側覆い蓋を前記右側成形型に被せて前記右側凸部を前記右側凹部に貫入させることで、前記右側凹部に配置された前記右側外皮形成材料に対し所望の凹型形状を与えつつ焼成して食用の右側外皮を形成する、右側焼成工程と、前記左側外皮と前記右側外皮と互いに突き合わせ、当該左側外皮の前記凹型形状と当該右側外皮の前記凹型形状との間に形成された内部空間に食用の所望の内部充填物を充填した焼成食品を生成する焼成食品生成工程と、を有する。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明は、内部充填物入り焼成食品の製造方法により製造され、前記内部空間に、生クリーム、アイスクリーム、餡、及び、果実片のうち、いずれか1つを含む前記内部充填物が充填されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、できるだけ従来の焼成機器を利用しつつ、製造直後の外観においても充填物の見栄えを反映できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る鯛焼き製造機の全体外観斜視図である。
【
図2】
図1中の矢視IIから見た左側覆い蓋の全体外観斜視図である。
【
図3】左側成形型に左側覆い蓋を設置した状態の鯛焼き製造機の全体平面図である。
【
図4】左側成形型に左側覆い蓋を設置した状態を
図3中の矢視IV-IV断面で見た側断面図である。
【
図5】各鯛型凹部に流動性材料の生地を流し込む作業を表した図である
【
図6】一方の外皮の上に小豆餡を乗せた状態を表した図である。
【
図7】一方の外皮に他方の外皮を突き合せて重ねた状態を表した図である。
【
図8】2つの成形型を開いて外皮一体型の鯛焼きを完成させた状態を表した図である。
【
図9】各鯛型凹部に流動性材料の生地を流し込む作業を表した図である
【
図10】生地の焼成中である各成形型に各覆い蓋を設置した状態を表した図である。
【
図11】一方の外皮の上に生クリームを乗せた状態を表した図である。
【
図12】2つの成形型を開いて積層サンド型の鯛焼きを完成させた状態を表した図である。
【
図13】積層サンド型の鯛焼きの全体外観斜視図と側断面図である。
【
図14】各鯛型凹部にシート状材料を覆うよう配置した状態を表した図である。
【
図15】シート状材料の上から各覆い蓋を被せるよう設置した状態を表した図である。
【
図16】一方の外皮の上に生クリームを乗せた状態を表した図である。
【
図17】2つの成形型を開いて積層サンド型の鯛焼きを完成させた状態を表した図である。
【
図18】シート状材料で製造した積層サンド型の鯛焼きの全体外観斜視図と側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本発明の技術的範囲を制限するものではない。したがって、当業者であれば下記の各構成要素を均等なものに置換した実施形態を採用することができ、それらについても本発明の技術的範囲に含まれる。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするため、重要でない公知の技術的事項の説明を適宜省略又は簡略化する。
【0011】
<鯛焼き製造機の構成説明>
図1~
図3は、本実施形態に係る鯛焼き製造機の外観を斜視して示している。なお、
図1中に示す鯛焼き製造機の上下方向、左右方向、及び前後方向の各方角の対応関係は、適宜
図2、
図3中にも適用される。鯛焼き製造機1は、製造機本体2と、2つの覆い蓋3,4を有している。
【0012】
製造機本体2は、従来から一般的な鯛焼きの焼成に利用されているものと同等の構成の機器であり、
図1及び
図3に示すように基台21と、2つのヒンジブラケット22と、2つの成形型23,24とを有している。
【0013】
基台21は、その全体が略直方体形状にある土台であり、その前面には操作スイッチ21a、温度調整ダイヤル21b、及びランプ類21cなどの各種操作器類が設けられている。この基台21の上面における左右方向の中央で前後方向の両端2か所にそれぞれヒンジブラケット22が固定されており、各ヒンジブラケット22の上端を水平方向に渡るヒンジ軸CLを介して互いに回動可能に左側成形型23と右側成形型24が連結されている。なお、ヒンジ軸CLが軸心部材の一例である。
【0014】
2つの成形型23,24はそれぞれ、図示する開き状態での上方側に位置する金型部23a,24aと、下方側に位置する加熱部23b,24bと、各加熱部23b,24bの前方側端面から前方に突出する棒状のハンドル部23c,24cとを一体に有している。
【0015】
金型部23a,24aは、その全体が例えば鉄やアルミなどを材料とした金属鋳造品であり、図示する例では左側成形型23と右側成形型24のそれぞれでヒンジ軸CLに関し左右対称に配置された5対の鯛型の凹部23d,24dが前後方向に並んで形成されている。なお、左側成形型23の鯛型凹部23dが左側凹部の一例であり、右側成形型24の鯛型凹部24dが右側凹部の一例である。
【0016】
加熱部23b,24bは、それぞれ後方側のホース25を介して供給されるガスを燃焼させて上記金型部23a,24aを加熱させる燃焼機構を内部に備えている。なお、加熱部23b,24bによる加熱方式は、ガスに限られず、例えば電気ヒータにより加熱を行うように構成されていてもよい。
【0017】
ハンドル部23c,24cは、調理者が当該ハンドル部23c,24cを把持して対応する成形型23,24をヒンジ軸CL周りに回動操作するための部位であり、
図1、
図3に示すような開いた状態と、後述の
図7に示すように2つの成形型23,24を突き合せて閉じた状態とに変化させるよう操作できる。
【0018】
2つの覆い蓋3,4は、上記の左側成形型23と右側成形型24のそれぞれに対応して各金型部23a,24aの全体を上方から被せるよう設置することが可能な左側覆い蓋3と右側覆い蓋4である。なお、
図1~
図4中においては、図示の煩雑を避けるために左側覆い蓋3の1つだけを図示し、右側覆い蓋4の図示を省略している(右側覆い蓋4については後述の
図10、
図15を参照)。
【0019】
各覆い蓋3,4は、それぞれ被せる対象の金型部23a,24aと略同じ大きさにある長方形状の金属製の天板31,41を備え、その上面には取っ手32,42が設けられている。また、天板31,41の四辺それぞれの縁部には金型部23a,24aの四方側面に篏合するよう側板33,43が設けられており、それら側板33,43のうちで上記2つのヒンジブラケット22の近傍位置にはその外径形状との干渉を回避するための切欠部34,44が形成されている。
【0020】
また
図2は、
図1中の矢視IIから見た左側覆い蓋3の斜視図であり、各覆い蓋3,4の下面(裏面)には図示するように、設置する対象の金型部23a,24aにおける5つの鯛型凹部23d,24dにそれぞれ対応する配置で、略楕円半球形状にある凸部35,45が天板31,41に一体に形成されている。なお、左側覆い蓋3の凸部35が左側凸部の一例であり、右側覆い蓋4の凸部45が右側凸部の一例である(特に図示せず)。各覆い蓋3,4がそれぞれ対応する成形型23,24の金型部23a,24aに適切な配置で設置された際には、
図3中の矢視IV-IV断面に対応する
図4に示すように、各鯛型凹部24d,24dの内部に凸部35,45が遊嵌する配置で貫入する。
【0021】
この貫入状態では、鯛型凹部23d,24d全体の表面と凸部35,45全体の表面の間で一律に同じ程度の間隔で隙間が形成され、この隙間の全体に満たされた状態の鯛焼きの生地が加熱部23b,24bからの加熱により焼成される。なおこの例で用いる生地100(後述の
図5~
図7、
図9、
図10参照)としては、小麦粉(例えば薄力粉)や重曹を水で溶いたものであって一般的に鯛焼き用として用いられる流動性材料の生地100を想定しており、この生地100が内部装填物の一例である。これにより生地100が焼成されてできた外皮101(後述の
図8、
図11~
図13参照)は、その全体で厚み寸法が略一律に同じであって、焼き過ぎ状態や半生状態が混在するような焼きムラの少ない一律に仕上がりのよいきれいな焼成が可能となる。なお、このときの外皮101の焼成部分が固化進行部の一例である。この結果、焼成されて成形型23,24から抜き出された外皮101は、その外側の表面に金型部23a,24aの鯛型凹部23d,24dの内面形状の模様が明確に形成されるとともに、その全体が内側に凹んだ略お椀型の形状(凹型形状)に形成される。
【0022】
<内部に充填物が充填された状態で外皮を一体焼成する比較例の製造工程>
図5~
図8においては、上記の鯛焼き製造機1を用いてこれまでの一般的な鯛焼きを製造する場合の比較例、すなわち内部に充填物が充填された状態で外皮を一体焼成する場合の製造工程について説明する。なお、以下における各図中では、図示を簡略化するために左右1組の成形型23,24の金型部23a,24aにおいてそれぞれ鯛型凹部23d,24dを1つずつしか備えない構成で示している。
【0023】
まず左側成形型23と右側成形型24のそれぞれで加熱部23b,24bにより金型部23a,24aを加熱した後、左右の各鯛型凹部23d,24dにそれぞれ食用油等を薄く引いてから
図5に示すように外皮101の生地100を流し込む。このとき各鯛型凹部23d,24dの内部を一杯に満たすように生地100を流し込むのではなく、それより後述の小豆餡200分の体積を考慮して少し少な目に流し込むようにする。そしてまだ生地100が半焼け状態のうちに、
図6に示すように一方の生地100の上の中央位置にこの例の内部充填物である小豆餡200を適量乗せる。
【0024】
その後すぐに、
図7に示すように一方の成形型24の全体を回動させて他方の成形型23に突き合わせることにより、各鯛型凹部23d,24dを合体して形成される内部空間で生地100を一体化させることができる。なお図示する例では、右側成形型24を回動させて左側成形型23に突き合わせているが、その逆に左側成形型23を回動させて右側成形型24に突き合わせてもよい。そしてこのように2つの成形型23,24を互いに突き合わせた状態でさらに生地100を十分焼成し、その後に
図8に示すように2つの成形型23,24を開くことで1つの鯛焼き300が完成する。
【0025】
この完成形の鯛焼き300は、従来より一般的に製造されている鯛焼きと同等のものであり、その一体に焼成された外皮101全体の両側表面で鯛型の模様が明確に成形されつつ、外観からは見えないその中の内部空間に小豆餡200が充填された状態となっている。なお、完成形の鯛焼き300自体の厚み寸法が大きくても、その内部の中心位置に適切な量の小豆餡200が充填されていることで、外皮101自体の厚み寸法は一律となって焼きムラなくきれいに焼成される。なお、この例での完成形である鯛焼き300が内部充填物入り焼成食品の一例であり、外皮101の表面の鯛型の模様のうち左側成形型23で成形された形状が左側外観形状の一例であり、右側成形型24で成形された形状が右側外観形状の一例である。
【0026】
<2つに分割焼成された外皮の間に充填物を挟む本実施形態の製造工程>
図9~
図13においては、2つの覆い蓋3,4を含めた本実施形態の鯛焼き製造機1を用いて新たな構成の鯛焼きを製造する場合について、すなわち2つに分割焼成された外皮101の間に充填物を挟む場合の製造工程について説明する。
【0027】
まず上記比較例における
図5と同様の
図9に示すように、加熱した各金型部23a,24aに外皮101の生地100を流し込む。この場合も各鯛型凹部23d,24dの内部を一杯に満たすように生地100を流し込むのではなく、それより少し少な目に流し込むようにする。なお、このときに左側成形型23の鯛型凹部23dに流し込んだ生地100が左側外皮形成材料の一例であり、左側成形型23の鯛型凹部23dに生地100を流し込む工程が左側仕込み工程の一例であり、右側成形型24の鯛型凹部24dに流し込んだ生地100が右側外皮形成材料の一例であり、右側成形型24の鯛型凹部24dに生地100を流し込む工程が右側仕込み工程の一例である。
【0028】
そしてまだ生地100が半焼け状態のうちに、
図10に示すように各成形型23,24に各覆い蓋3,4を被せる。このとき、各金型部23a,24aの鯛型凹部23d,24dの内部には各覆い蓋3,4の凸部35,45が貫入する。そしてこの状態で生地100を十分焼成してから各覆い蓋3,4を各成形型23,24から取り外すことで、各鯛型凹部23d,24dにそれぞれ独立した外皮101が残った状態となる。なお、左側成形型23で焼成された外皮101が食用の左側外皮の一例であり、この左側外皮が焼成される工程が左側焼成工程の一例であり、右側成形型24で焼成された外皮101が食用の右側外皮の一例であり、この右側外皮が焼成される工程が右側焼成工程の一例である。
【0029】
そして
図11に示すように、一方の外皮101の内側(上面)の中央位置にこの例の内部充填物である生クリーム201を適量乗せ、他方の成形型24の全体を回動させて一方の成形型23に突き合わせることで2つの外皮101を重ね合わせる。なお、このときに生クリーム201を乗せる工程が充填物積載工程の一例であり、他方の外皮101を一方の外皮101に重ね合わせる工程が第1外皮突き合わせ工程の一例である。そしてすぐに2つの成形型23,24を開くことで、
図12に示すように1つの鯛焼き301が完成する。なお、以上のように2つの外皮101を互いに突き合わせてその間に内部充填物を充填するよう積層させる工程が焼成食品生成工程の一例である。
【0030】
この場合における完成形の鯛焼き301は、
図13(a)の外観斜視図に示すように、2つに分割して焼成された外皮101のそれぞれの外側表面で鯛型の模様が明確に成形されつつ、それら2つの外皮101の間に内部充填物である生クリーム201が挟まれて外観から見える積層サンド型の構成となっている。なお、
図13(a)中の矢視XIIIb-XIIIb断面を示す
図13(b)に示すように、2つの外皮101自体はそれぞれ厚み寸法が一律であって全体が内側に凹んだ略お椀型の形状に形成されている。このため、外皮101の全体が焼きムラなくきれいに焼成されるとともに、それらの間に挟まれる内部充填物の生クリーム201が外部にはみ出るのを抑える構造となっている。
【0031】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態においては、外皮101全体が一体に焼成されてその内部に外観からは見えない小豆餡200などの充填物が充填された従来の一般的な構成の鯛焼き300を製造できる。また別途に、生地100を流し込んだ2つの成形型23,24にそれぞれ覆い蓋3,4を被せた状態で焼成することで、各金型部23a,24aの鯛型凹部23d,24dに覆い蓋3,4の凸部35,45を貫入させた隙間でお椀型に形成した外皮101を個別に作ることができる。それら2つの外皮101の間に充填物を挟むことにより、外観から充填物の視認が容易な積層サンド型の鯛焼き301を製造できる。これにより、できるだけ従来の焼成機器を利用しつつ、製造直後の外観においても充填物の見栄えを反映できる新しい焼成食品を円滑かつ容易に量産できる。
【0032】
また、本実施形態では特に、各覆い蓋3,4の適宜の位置、具体的には左側覆い蓋3の右側端部及び右側覆い蓋4の左側端部において、ヒンジ軸CLの外径形状との干渉を回避するための切欠部34,44が形成されている。このように、左側・右側覆い蓋3,4のヒンジ軸CL側に設けた切欠部34,44を利用して、それら覆い蓋3,4をきっちりと被せて密閉性を向上できるので、過熱による焦げすぎや加熱不足のない、良好なちょうどよい焼き上がり具合を得ることができる。
【0033】
また、本実施形態では特に、上記
図11に示した工程で一方の外皮101の上に生クリーム201を載置した後に、他方の外皮101を、載置された生クリーム201を包含するようにしつつ一方の外皮101に対し突き合わせる。この例の生クリーム201のように内部充填物として押し込みにくい又は粘性の強いものを用いる場合等においては、先に一方の外皮101の上に内部充填物を載置し、そのあとで他方の外皮101を突き合わせることで、内部充填物を覆う構造を実現する。これにより、上記積層サンド型の新しい焼成商品である鯛焼き301を確実に円滑に量産することができる。なお、特に図示しないが、2つの外皮101をそれぞれ金型部23a,24aから外した後に、手作業でそれらの間に内部充填物を挟みこませてもよい。
【0034】
また、本実施形態では特に、2つの外皮101のそれぞれの材料は流動性材料の生地100であり、各鯛型凹部23d,24dと凸部35,45の間の隙間で焼成して固化が進行した部分で外皮101が形成され、それらの間に形成された内部空間に内部充填物である生クリーム201が充填される。例えば従来の鯛焼き300の外皮101と同様の比較的厚い外皮101の中に、生クリーム201、アイスクリーム、果実片等の所望の内部充填物が詰められていることで、従来の鯛焼き300が好物である世代にも「新たなバリエーション」として受け入れられ、従来の鯛焼き300には物足りなさを感じていた世代にも「目新しい美味しい新型鯛焼き」として受け入れられる、新しい形態を実現することができる。
【0035】
なお、上述したように2つの独立した外皮101で内部充填物を挟む積層サンド型の構成以外にも、特に図示しないが、例えば2つの成形型23,24でそれぞれ焼成中の半生状態にある外皮101を互いに突き合わせて袋状に形成してもよい。そしてそのように突き合わされて袋状に焼成された外皮101どうしの間の内部空間に、後から生クリーム201などの内部充填物を外部から充填してもよい。なお、この場合で2つの半生状態の外皮101と突き合わせる作業が第2外皮突き合わせ工程の一例であり、内部充填物を充填する作業が充填工程の一例である。
【0036】
例えば内部充填物として、果実片やアイスクリーム等、比較的押し込みやすい又は粘性の小さいものを用いる場合等においては、先に両方の外皮101を突き合わせて袋状にし、そのあとで袋状の内部空間に内部充填物を充填することで、内部充填物を覆う構造を実現する。これにより、上記新しい焼成商品を能率よく量産することができる。
【0037】
なお、2つの外皮101の間に挟む内部充填物としては、上述した例の生クリーム201だけに限られず、他にもアイスクリームや果実片などを挟んでもよく、またそれらを複数組み合わせて挟んでもよい(特に図示せず)。これにより、例えば従来の鯛焼き300のような一本調子の単調な餡子の味ではない、多種多様なおいしさを提供できる。もちろん小豆や大豆の餡を挟んでもよい。
【0038】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。そのような変形例を順を追って説明する。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜、説明を省略又は簡略化する。
【0039】
<外皮をシート状材料で製造する場合>
上記実施形態の例では、外皮101を流動性材料の生地100を焼成して製造していたが、本発明はこれに限られない。他にも、クロワッサン生地の材料となるクロワッサンシートや、パイ生地の材料となるパイシートなどのシート状材料110を焼成して外皮111を製造してもよい。これらクロワッサンシートやパイシートは、市販されているものや自作したもののいずれを利用してもよく、共通してあらかじめ1枚の柔軟な薄板シート状に形成されたものを利用する。
【0040】
この場合には、まず
図14に示すように、加熱した各金型部23a,24aのそれぞれに上から外皮111のシート状材料110を覆うように被せる。このとき各シート状材料110は、各鯛型凹部23d,24dの全体を覆って、かつ金型部23a,24aの上面範囲内に収まる程度の大きさがよい。
【0041】
そしてまだシート状材料110が半焼け状態のうちに、
図15に示すように各成形型23,24に各覆い蓋3,4を被せて、各金型部23a,24aの鯛型凹部23d,24dの内部に各覆い蓋3,4の凸部35,45を貫入させる。そしてこの状態でシート状材料110を十分焼成してから各覆い蓋3,4を各成形型23,24から取り外すことで、それぞれ厚み寸法が膨らんだ外皮111が各鯛型凹部23d,24dに独立して残った状態となる。つまり、最初は平板状であったシート状材料110の中央部分が各覆い蓋3,4の凸部35,45による押圧により鯛型凹部23d,24dの形状に変形し、その変形部は外側表面で鯛型の模様が明確に成形されつつ、内側に凹んだ略お椀型の形状(凹型形状)に形成される。しかし周囲の平らなバリ部分も含めた外皮111の全体で見れば、中央位置の変形部が鯛型に突出するようエンボス加工された構成に成形される。
【0042】
そして
図16に示すように、一方の外皮111の変形部の中央位置にこの例の内部充填物である生クリーム201を適量乗せ、他方の成形型24の全体を回動させて一方の成形型23に突き合わせることで2つの外皮111を重ね合わせる。そしてすぐに2つの成形型23,24を開くことで、
図17に示すように1つの積層サンド型の鯛焼き302が完成する。
【0043】
この場合における完成形の鯛焼き302は、
図18(a)、
図18(b)に示すように、2つの外皮111のそれぞれがクロワッサン生地(もしくはパイ生地)でできており、そのシート状の外皮111の中央位置に鯛型模様が明確にエンボス成形されている。そして、それら2つの外皮111の間に内部充填物である生クリーム201が挟まれて外観から見える積層サンド型の状態となっている。
【0044】
以上のように本変形例では、2つの外皮111それぞれの材料はシート状材料110であり、各覆い蓋3,4の凸部35,45による各鯛型凹部23d,24dの形状の変形部が生じ、それら変形部を突き合せた間に形成される内部空間に内部充填物が充填される。これにより、例えばパイ生地のような薄いシートタイプの外皮111の中に、生クリーム201、アイスクリーム、果実片等の所望の内部充填物が詰められていることで、まるでクレープのようにファンシーでおしゃれな、若い世代向けの新しい形態の食べ物を実現することができる。
【0045】
なお、金型部23a,24aに形成される凹部の形状や模様は上記例の鯛型に限られず、例えば全体の形状が円形や四角形などの幾何的形状であってもよいし、内部の模様についてもワッフルの場合の格子模様などといった他の模様であってもよい。また、左側と右側で異なる材料の外皮を一体、または独立して焼成してもよい。
【0046】
なお、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0047】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0048】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0049】
1 鯛焼き製造機
2 製造機本体
3 左側覆い蓋
4 右側覆い蓋
21 基台
22 ヒンジブラケット
23 左側成形型
23a 金型部
23b 加熱部
23c ハンドル部
23d 鯛型凹部(左側凹部の一例)
24 右側成形型
24a 金型部
24b 加熱部
24c ハンドル部
24d 鯛型凹部(右側凹部の一例)
34 切欠部
35 凸部(左側凸部の一例)
44 切欠部
45 凸部(右側凸部の一例)
100 生地(内部装填物、流動性材料の一例)
101 外皮
110 シート状材料(内部装填物の一例)
111 外皮
200 小豆餡(内部充填物の一例)
201 生クリーム(内部充填物の一例)
300 外皮一体型鯛焼き(焼成食品の一例)
301 生地外皮の積層サンド型鯛焼き(焼成食品の一例)
302 シート外皮の積層サンド型鯛焼き(焼成食品の一例)
CL ヒンジ軸
【要約】
【課題】できるだけ従来の焼成機器を利用しつつ、製造直後の外観においても充填物の見栄えを反映させる。
【解決手段】食用の外皮101の生地100を2つの成形型23,24の鯛型凹部23d,24dにそれぞれ仕込み、各鯛型凹部23d,24dに貫入可能な凸部35,45を備えた覆い蓋3,4を各成形型23,24に被せるよう設置して焼成することで、2つの独立した外皮101の全体がそれぞれお椀型形状に形成される。それら2つの外皮101を互いに突き合わせた内部空間に生クリーム201などの内部充填物を充填して積層サンド型の鯛焼き301として焼成する。
【選択図】
図1