(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】サーバー装置、Web架電システム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/523 20060101AFI20230323BHJP
H04L 67/02 20220101ALI20230323BHJP
H04L 67/141 20220101ALI20230323BHJP
【FI】
H04M3/523
H04L67/02
H04L67/141
(21)【出願番号】P 2022116305
(22)【出願日】2022-07-21
【審査請求日】2022-07-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522292301
【氏名又は名称】沖 昌志
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沖 昌志
【審査官】西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-229600(JP,A)
【文献】特開2022-076027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L51/00-51/58
67/00-67/75
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラウザ端末から架電を依頼する所定のURLへの要求を受け付けるWebページ提供部と、
該ブラウザ端末に発信用内線番号を割り当ててレジスト処理する発信元内線発行部と、
前記URLに予め対応付けられた着信先電話番号を特定して前記発信用内線番号から発呼することで前記ブラウザ端末との間で通信キャリアが提供する通話機能を用いずに通話を実現する呼制御部と、
前記呼制御部による前記発呼の処理が開始されると、
前記ブラウザ端末に、前記URLと予め対応付けられた動画を再生させる動画再生部と、
を備え
、
前記動画再生部は、前記動画の再生中に該動画の停止指示を受け付けると、該動画の再生を停止し、所定の呼び出し音を前記ブラウザ端末に再生させる、
ことを特徴とするサーバー装置。
【請求項2】
請求項
1に記載のサーバー装置であって、
前記動画再生部は、前記呼制御部による発呼に対して応答を受け付けると、前記動画の再生を終了させる、
ことを特徴とするサーバー装置。
【請求項3】
ブラウザ端末から架電を依頼する所定のURLへの要求を受け付けるWebページ提供部と、
該ブラウザ端末に発信用内線番号を割り当ててレジスト処理する発信元内線発行部と、
前記URLに予め対応付けられた着信先電話番号を特定して前記発信用内線番号から発呼することで前記ブラウザ端末との間で通信キャリアが提供する通話機能を用いずに通話を実現する呼制御部と、
前記呼制御部による前記発呼の処理が開始されると、
前記ブラウザ端末に、前記URLと予め対応付けられた動画を再生させる動画再生部と、
を備え
、
前記動画再生部は、前記発呼に係る通話中に保留の指示を受け付けると、前記ブラウザ端末に前記動画を再生させる、
ことを特徴とするサーバー装置。
【請求項4】
請求項1
~3のいずれか一項に記載のサーバー装置であって、
前記着信先電話番号を予めレジスト処理する着信先番号登録部、
を備えることを特徴とするサーバー装置。
【請求項5】
コンピュータの処理部に、
ブラウザ端末から架電を依頼する所定のURLへの要求を受け付けるWebページ提供ステップと、
該ブラウザ端末に発信用内線番号を割り当ててレジスト処理する発信元内線発行ステップと、
前記URLに予め対応付けられた着信先電話番号を特定して前記発信用内線番号から発呼することで前記ブラウザ端末との間で通信キャリアが提供する通話機能を用いずに通話を実現する呼制御ステップと、
前記呼制御ステップによる前記発呼の処理が開始されると、前記ブラウザ端末に、前記URLと予め対応付けられた動画を再生させる動画再生ステップと、
を実施させ
、
前記動画再生ステップでは、前記動画の再生中に該動画の停止指示を受け付けると、該動画の再生を停止し、所定の呼び出し音を前記ブラウザ端末に再生させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
コンピュータの処理部に、
ブラウザ端末から架電を依頼する所定のURLへの要求を受け付けるWebページ提供ステップと、
該ブラウザ端末に発信用内線番号を割り当ててレジスト処理する発信元内線発行ステップと、
前記URLに予め対応付けられた着信先電話番号を特定して前記発信用内線番号から発呼することで前記ブラウザ端末との間で通信キャリアが提供する通話機能を用いずに通話を実現する呼制御ステップと、
前記呼制御ステップによる前記発呼の処理が開始されると、前記ブラウザ端末に、前記URLと予め対応付けられた動画を再生させる動画再生ステップと、
を実施させ、
前記動画再生ステップでは、前記発呼に係る通話中に保留の指示を受け付けると、前記ブラウザ端末に前記動画を再生させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
サーバーコンピュータを用いるWeb架電方法であって、
前記サーバーコンピュータは、
ブラウザ端末から架電を依頼する所定のURLへの要求を受け付けるWebページ提供ステップと、
該ブラウザ端末に発信用内線番号を割り当ててレジスト処理する発信元内線発行ステップと、
前記URLに予め対応付けられた着信先電話番号を特定して前記発信用内線番号から発呼することで前記ブラウザ端末との間で通信キャリアが提供する通話機能を用いずに通話を実現する呼制御ステップと、
前記呼制御ステップによる前記発呼の処理が開始されると、前記ブラウザ端末に、前記URLと予め対応付けられた動画を再生させる動画再生ステップと、
を実施
し、
前記動画再生ステップでは、前記動画の再生中に該動画の停止指示を受け付けると、該動画の再生を停止し、所定の呼び出し音を前記ブラウザ端末に再生させる、
ことを特徴とするWeb架電方法。
【請求項8】
サーバーコンピュータを用いるWeb架電方法であって、
前記サーバーコンピュータは、
ブラウザ端末から架電を依頼する所定のURLへの要求を受け付けるWebページ提供ステップと、
該ブラウザ端末に発信用内線番号を割り当ててレジスト処理する発信元内線発行ステップと、
前記URLに予め対応付けられた着信先電話番号を特定して前記発信用内線番号から発呼することで前記ブラウザ端末との間で通信キャリアが提供する通話機能を用いずに通話を実現する呼制御ステップと、
前記呼制御ステップによる前記発呼の処理が開始されると、前記ブラウザ端末に、前記URLと予め対応付けられた動画を再生させる動画再生ステップと、
を実施し、
前記動画再生ステップでは、前記発呼に係る通話中に保留の指示を受け付けると、前記ブラウザ端末に前記動画を再生させる、
ことを特徴とするWeb架電方法。
【請求項9】
ブラウザ端末から架電を依頼する所定のURLへの要求を受け付けるWebページ提供
処理部と、
該ブラウザ端末に発信用内線番号を割り当ててレジスト処理する発信元内線発行
処理部と、
前記URLに予め対応付けられた着信先電話番号を特定して前記発信用内線番号から発呼することで前記ブラウザ端末との間で通信キャリアが提供する通話機能を用いずに通話を実現する呼制御
処理部と、
前記呼制御処理部による前記発呼の処理が開始されると、前記ブラウザ端末に、前記URLと予め対応付けられた動画を再生させる動画再生処理部と、
を
備え、
前記動画再生処理部は、前記動画の再生中に該動画の停止指示を受け付けると、該動画の再生を停止し、所定の呼び出し音を前記ブラウザ端末に再生させる、
ことを特徴とするWeb架電システム。
【請求項10】
ブラウザ端末から架電を依頼する所定のURLへの要求を受け付けるWebページ提供処理部と、
該ブラウザ端末に発信用内線番号を割り当ててレジスト処理する発信元内線発行処理部と、
前記URLに予め対応付けられた着信先電話番号を特定して前記発信用内線番号から発呼することで前記ブラウザ端末との間で通信キャリアが提供する通話機能を用いずに通話を実現する呼制御処理部と、
前記呼制御処理部による前記発呼の処理が開始されると、前記ブラウザ端末に、前記URLと予め対応付けられた動画を再生させる動画再生処理部と、
を備え、
前記動画再生処理部は、前記発呼に係る通話中に保留の指示を受け付けると、前記ブラウザ端末に前記動画を再生させる、
ことを特徴とするWeb架電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバー装置、Web架電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電話番号及び当該電話番号と対応する識別情報を含むウェブページをユーザ端末に送信し、前記識別情報を前記ユーザ端末に記憶させるウェブページ提供部と、前記電話番号宛の呼を受ける通話制御部と、前記呼の状況を示す情報を取得して架電情報とする架電情報取得部と、前記呼の状況毎に対応する広告情報が記憶された広告記憶部から前記架電情報と対応する広告情報を抽出し、当該呼の電話番号に対応する識別情報と抽出した広告情報とを対応付けて広告配信情報とする配信情報生成部と、を備える広告配信システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術では、広告配信システムは、電話によるアクセスに基づいて広告配信を行うことができる。より具体的には、Webサイトを見て電話をかけて来たトランザクションのうち、通話結果が話中呼、呼出断、放棄呼となったものを特定し、その通話を行った顧客のユーザ端末(Webブラウザ)に対して、「もう一度その企業に電話することを思い出させる広告」「連絡先がわからなくなったユーザに電話番号やWebページを簡単にナビゲーションする広告」を配信する。しかし、上記技術は通話機能を提供するものではなく、通話機能は通信キャリアが提供する電話機能を用いることが前提となっている。
【0005】
本発明の目的は、Webコンテンツにより架電する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。本発明の一態様に係るサーバー装置は、ブラウザ端末から架電を依頼する所定のURLへの要求を受け付けるWebページ提供部と、該ブラウザ端末に発信用内線番号を割り当ててレジスト処理する発信元内線発行部と、URLに予め対応付けられた着信先電話番号を特定して発信用内線番号から発呼することで前記ブラウザ端末との間で通信キャリアが提供する通話機能を用いずに通話を実現する呼制御部と、を備える。つまり、通信キャリアが提供する電話機能を用いずにブラウザ端末からの架電を可能とする。
【0007】
また、上記のサーバー装置において、呼制御部による発呼の処理が開始されると、ブラウザ端末に、URLと予め対応付けられた動画を再生させる動画再生部、を備えるようにしてもよい。
【0008】
また、上記のサーバー装置において、動画再生部は、動画の再生中に該動画の停止指示を受け付けると、該動画の再生を停止するようにしてもよい。
【0009】
また、上記のサーバー装置において、動画再生部は、動画の再生中に該動画の停止要求を受け付けると、所定の呼び出し音をブラウザ端末に再生させるようにしてもよい。
【0010】
また、上記のサーバー装置において、動画再生部は、呼制御部による発呼に対して応答を受け付けると、動画の再生を終了させるようにしてもよい。
【0011】
また、上記のサーバー装置において、動画再生部は、発呼に係る通話中に保留の指示を受け付けると、ブラウザ端末に動画を再生させるようにしてもよい。
【0012】
また、上記のサーバー装置において、着信先電話番号を予めレジスト処理する着信先番号登録部、を備えるようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の別の態様に係るプログラムは、コンピュータの処理部に、ブラウザ端末から架電を依頼する所定のURLへの要求を受け付けるWebページ提供ステップと、該ブラウザ端末に発信用内線番号を割り当ててレジスト処理する発信元内線発行ステップと、URLに予め対応付けられた着信先電話番号を特定して発信用内線番号から発呼することで前記ブラウザ端末との間で通信キャリアが提供する通話機能を用いずに通話を実現する呼制御ステップと、を実施させる。
【0014】
また、本発明の別の態様に係るWeb架電方法は、サーバーコンピュータを用いるWeb架電方法であって、サーバーコンピュータは、ブラウザ端末から架電を依頼する所定のURLへの要求を受け付けるWebページ提供ステップと、該ブラウザ端末に発信用内線番号を割り当ててレジスト処理する発信元内線発行ステップと、URLに予め対応付けられた着信先電話番号を特定して発信用内線番号から発呼することで前記ブラウザ端末との間で通信キャリアが提供する通話機能を用いずに通話を実現する呼制御ステップと、を実施する。
【0015】
また、本発明の別の態様に係るWeb架電システムは、ブラウザ端末から架電を依頼する所定のURLへの要求を受け付けるWebページ提供ステップと、該ブラウザ端末に発信用内線番号を割り当ててレジスト処理する発信元内線発行ステップと、URLに予め対応付けられた着信先電話番号を特定して発信用内線番号から発呼することで前記ブラウザ端末との間で通信キャリアが提供する通話機能を用いずに通話を実現する呼制御ステップと、を実施する。
【0016】
また、上記のWeb架電システムにおいて、呼制御ステップにおいて発呼の処理が開始されると、ブラウザ端末に、URLと予め対応付けられた動画を再生させる動画再生ステップ、を実施するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、Webコンテンツにより架電する技術を提供することができる。
【0018】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係るWeb架電システムの構成図である。
【
図2】着信先記憶部のデータ構造例を示す図である。
【
図3】Webページ記憶部のデータ構造例を示す図である。
【
図5】サーバー装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図6】Web架電処理のフローの例を示す図である。
【
図8】通話中保留処理のフローの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の一態様に係る実施形態を適用したWeb架電システム1について、図面を参照して説明する。以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0021】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0022】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0023】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0024】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0025】
図1は、本実施形態に係るWeb架電システム1の構成図である。Web架電システム1は、サーバー装置100と、Webブラウザ端末200と、交換機300と、ビジネス電話機350と、ソフト電話機360と、SIP(Session Initiation Protocol)電話機370と、を含む。利用者(架電者)はWebブラウザ端末200を使用し、窓口担当者(受電者)はビジネス電話機350、ソフト電話機360またはSIP電話機370等のIPフォンを使用する。ビジネス電話機350、ソフト電話機360またはSIP電話機370は、所定の交換機300に接続され、交換サービスを受ける。
【0026】
Webブラウザ端末200は、スマートフォンやパーソナルコンピュータ、タブレット装置等の情報処理装置であるが、その他、スマートウォッチやヘッドセット、グローブ、チョーカー等のウェアラブル端末であってもよい。
【0027】
Webブラウザ端末200には、通信部210と、Webページ表示部220と、音声入出力部230と、が含まれる。通信部210は、キャリアネットワークやインターネット等のデータ通信網50を用いて、サーバー装置100との間で所定のデータ伝送用プロトコルを用いて通信を行う。Webページ表示部220は、URL(Uniform Resource Locator)を用いたWebコンテンツの送受信、いわゆるWebブラウジングを行う。例えば、Webページ表示部220は、サーバー装置100に要求して得た企業ホームページやWebコンテンツを図示しないディスプレイ等に表示させる。音声入出力部230は、Webブラウザ端末200が備える図示しないマイクロフォンやスピーカーを介した音声入出力を制御する。
【0028】
サーバー装置100は、Webブラウザ端末200からのデータ伝送用プロトコルによる各種要求に応答するとともに、架電の要求を受け付けると、宛先となる交換機300を特定して発呼する。また、サーバー装置100は、発呼処理を行っている間すなわち発呼から通話開始までの間、架電を要求したWebブラウザ端末200に所定の動画を再生させる。
【0029】
サーバー装置100は、記憶部110と、処理部120と、通信部150と、を備える。記憶部110には、着信先記憶部111と、Webページ記憶部112と、動画記憶部113と、が含まれる。処理部120には、通話画面提供部121と、Webページ提供部122と、動画再生部123と、発信元内線発行部124と、着信先番号登録部125と、呼制御部126と、が含まれる。
【0030】
図2は、着信先記憶部111のデータ構造例を示す図である。着信先記憶部111には、アクセス用URL111Aと、着信先電話番号111Bと、が対応付けられて格納される。アクセス用URL111Aは、架電先窓口が予め開設した電話番号への架電を要求するURLである。着信先電話番号111Bは、架電先の電話番号、すなわち架電先窓口が予め開設した電話番号であって交換機300の内線番号である。ただし、これに限られるものではなく、着信先電話番号111Bは、交換機300の外線番号であってもよい。
【0031】
図3は、Webページ記憶部112のデータ構造例を示す図である。Webページ記憶部112には、ドメイン112Aと、ルートパス112Bと、が対応付けられて格納される。ドメイン112Aは、架電先窓口がサーバー装置100上に予め開設したWebサイトのドメインである。ルートパス112Bは、架電先窓口がサーバー装置100上に予め開設したWebサイトのコンテンツのルートパスである。
【0032】
図4は、動画記憶部113のデータ構造例を示す図である。動画記憶部113には、アクセス用URL113Aと、動画(プレイリスト)または動画リンク113Bと、が対応付けられて格納される。アクセス用URL113Aは、架電先窓口が予め開設した電話番号への架電を要求するURLである。動画(プレイリスト)または動画リンク113Bは、発信時に再生させる1つ以上の動画とその再生順、または外部システム(広告動画サーバー等)の動画にアクセスするURLである。
【0033】
通話画面提供部121は、Webブラウザ端末200から架電要求がある場合に、Webブラウザ端末200に所定の画面情報を提供する。具体的には、通話画面提供部121は、後述する通話開始確認画面400と、発信中動画再生画面410と、発信中動画停止画面420と、通話中画面430と、保留中動画再生画面440と、保留中動画停止画面450と、をWebブラウザ端末200に提供する。
【0034】
Webページ提供部122は、Webブラウザ端末200からWebサイトの閲覧要求がある場合に、Webブラウザ端末200に所定の画面情報を提供する。具体的には、Webページ提供部122は、架電先窓口がサーバー装置100上に予め開設したWebサイトのコンテンツを提供する。あるいは、Webページ提供部122は、Webブラウザ端末200から架電を依頼する所定のURLへの要求を受け付けると、通話画面提供部121に通話開始確認画面400を出力させる。なお、通話画面提供部121もWebページ提供部122の一部ともいえるが、本実施形態では分けて説明する。
【0035】
動画再生部123は、呼制御部126による発呼の処理が開始されると、Webブラウザ端末200に、架電先窓口のURLに予め対応付けられた動画を再生させる。例えば、動画再生部123は、呼制御部126による発呼の処理が開始されると、動画記憶部113を参照して、アクセス用URL113Aと予め対応付けられた動画(プレイリスト)または動画リンク113Bを特定する。そして、動画再生部123は、再生させる1つ以上の動画をWebブラウザ端末200に再生させ、外部システム(広告動画サーバー等)の動画にアクセスするURLがある場合には当該動画を取得してWebブラウザ端末200に再生させる。
【0036】
発信元内線発行部124は、架電を要求するWebブラウザ端末200に対して一時的に発信用内線番号を割り当てて、レジスト処理を行う。
【0037】
着信先番号登録部125は、着信先電話番号を予めレジスト処理する。また、着信先番号登録部125は、アクセス用URL111Aに対応付けて、着信先電話番号を着信先記憶部111の着信先電話番号111Bに予め格納する。
【0038】
呼制御部126は、アクセス用URL111Aに予め対応付けられた着信先電話番号を特定して発信用内線番号から発呼する。これにより、呼制御部126は、Webブラウザ端末200との間で通信キャリアが提供する通話機能を用いずに通話を実現する。また、呼制御部126は、当該呼についての通話制御を行う。
【0039】
通信部150は、データ通信網50を介してWebブラウザ端末200およびその他インターネットを介して交換機300との間で通信を行う。なお、本実施形態では、通信部150は、交換機300を介してソフト電話機360あるいはSIP電話機370と通信を行っているが、これに限られず、交換機300を介さずにソフト電話機360あるいはSIP電話機370と通信を行うものであってもよい。
【0040】
交換機300は、ビジネス電話機350、ソフト電話機360あるいはSIP電話機370間の内線通話を制御する内線制御部310と、交換機300を外部の回線と接続する外線制御部320と、を含む。内線制御部310には、所定の着信先電話番号が予め割り当ててあり、サーバー装置100等の外部のPBX(Private Branch Exchange)装置等から当該着信先電話番号へ発せられた呼を受けることができる。なお、着信先電話番号は、上述のとおり内線番号であるが、外線番号であってもよい。
【0041】
図5は、サーバー装置のハードウェア構成例を示す図である。サーバー装置100は、いわゆるサーバー装置、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、スマートフォンあるいはタブレット端末の筐体により実現されるハードウェア構成を備える。サーバー装置100は、プロセッサ101と、メモリ102と、記憶装置103と、通信装置104と、各装置をつなぐバスと、を備える。
【0042】
プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置である。
【0043】
メモリ102は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
【0044】
記憶装置103は、デジタル情報を記憶可能な、いわゆるハードディスク(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0045】
通信装置104は、データ通信網50を介して他の装置と通信するネットワークインターフェースカード(NIC)等である。
【0046】
上記したサーバー装置100の通話画面提供部121と、Webページ提供部122と、動画再生部123と、発信元内線発行部124と、着信先番号登録部125と、呼制御部126とは、プロセッサ101に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは、メモリ102、記憶装置103または図示しないROM装置内に記憶され、実行にあたってメモリ102上にロードされ、プロセッサ101により実行される。
【0047】
また、サーバー装置100の記憶部110は、メモリ102及び記憶装置103により実現される。また、通信部150は、通信装置104により実現される。以上が、サーバー装置100のハードウェア構成例である。
【0048】
サーバー装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0049】
また、各処理部(通話画面提供部121、Webページ提供部122、動画再生部123、発信元内線発行部124、着信先番号登録部125、呼制御部126)は、それぞれの機能を実現する専用のハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各処理部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0050】
利用者は、Web架電システム1を用いることで、Webコンテンツから、WebRTCの機能を用いてデータ通信網50を介して架電することができる。一般に、Webサイト上から架電先の電話番号へ電話する技術では、キャリアが提供する音声交換用の経路(携帯電話からの場合には、SIM)を通じて通話がなされるようになっていることが多い。すなわち、Webブラウザ上の通信ではなく、SIMカードやe―SIM等を用いた電話機能による通信(例えば、単位時間当たりの通話料金を支払う通話)を行う。そこでは、Webサイトは電話番号の入力支援を行う程度の役割しか果たしていないといえる。
【0051】
これに対して、Web架電システム1では、WebブラウザでアクセスするWebコンテンツ内で音声通話を実現するため、データ通信による通話が可能となる。つまり、通信キャリアが提供する電話機能を用いずに架電を可能とする。例えば、データ通信のみ利用可能な契約のSIM(すなわち、音声通話サービスを利用できないプランのSIM)を用いたスマートフォンであっても、本システムに登録されている架電先への通話を行うことができる。また、架電先窓口からみると、架電先電話番号は架電の要求元には直接開示されないため、非公開の電話番号を割り当てることも可能となり、回線契約の自由度が高まる。
【0052】
次に、本実施形態におけるWeb架電システム1の動作を説明する。
【0053】
図6は、Web架電処理のフローの例を示す図である。Web架電処理は、Webブラウザ端末200から架電用Webページ表示の要求が送信されると、開始される。
【0054】
まず、Webページ提供部122は、架電用Webページ表示の要求を受け付ける(ステップS001)。具体的には、Webページ提供部122は、Webブラウザ端末200から送信された所定の架電先に応じたURL(アクセス用URL)へのリクエストを受け付け、該URLに応じた着信先電話番号111Bを特定する。そして、Webページ提供部122は、アクセス用URLにより特定されるドメインに応じたルートパス112Bを特定する。なお、アクセス用URLは、発信元のWebブラウザ端末200において表示されたWebサイトのハイパーリンクからアクセスされる。しかし、これに限られず、例えばQRコード(登録商標)等の二次元コード等を発信元のWebブラウザ端末200が読み出して得たハイパーリンクからアクセスされるものであってもよいし、発信元のWebブラウザ端末200において入力されたWebサイトのハイパーリンクからアクセスされるものであってもよい。
【0055】
そして、通話画面提供部121は、初期ページ(通話開始確認ページ)を返送する(ステップS002)。具体的には、通話画面提供部121は、ステップS001にて特定したルートパスを用いて通話開始確認画面400を引き当てて、Webブラウザ端末200へ送信する。
【0056】
そして、発信元内線発行部124は、Webブラウザ端末200を発信元として登録(REGISTER)する(ステップS003)。具体的には、発信元内線発行部124は、所定の発信元内線番号をWebブラウザ端末200に対応付けて、レジストする。
【0057】
そして、通話画面提供部121は、発信要求(INVITE)をWebブラウザ端末200から受け付ける(ステップS004)。具体的には、通話画面提供部121は、通話開始確認画面400上にてなされた発信指示を受け付ける。
【0058】
そして、呼制御部126は、着信先の呼出のための発信(INVITE)を着信先電話番号111Bに対して開始する(ステップS005)。
【0059】
そして、動画再生部123は、発信中(すなわち通話開始(ACK後)まで)、下記ステップS007~S009の処理を繰り返す(ステップS006)。
【0060】
まず、動画再生部123は、「アクセス用URLに設定した動画が無い」あるいは「アクセス用URLに設定した動画の再生が停止済」の状態か否かを判定する(ステップS007)。
【0061】
「アクセス用URLに設定した動画が有る」かつ「アクセス用URLに設定した動画の再生が停止済でない」状態にある場合(ステップS007にて「No」の場合)には、動画再生部123は、当該アクセス用URLに設定した動画をWebブラウザ端末200に再生させる(ステップS008)。なお、動画の再生中に動画の再生を停止する指示を受け付けると、動画再生部123は、動画の再生を停止させ、当該アクセス用URLに設定した呼び出し音をWebブラウザ端末200に再生させる。
【0062】
「アクセス用URLに設定した動画が無い」あるいは「アクセス用URLに設定した動画の再生が停止済」の状態にある場合(ステップS007にて「Yes」の場合)には、動画再生部123は、当該アクセス用URLに設定した呼び出し音をWebブラウザ端末200に再生させる(ステップS009)。なお、動画再生部123は、当該アクセス用URLに設定した呼び出し音をWebブラウザ端末200に再生させることに代えて、無音(呼び出し音を鳴らさない)としてもよい。
【0063】
そして、呼制御部126は、架電先からの応答を受け取ると、通話を開始させて通話の制御を開始する(ステップS010)。
【0064】
以上が、Web架電処理のフローの例である。Web架電処理のフローの例によれば、Webコンテンツにより架電することが可能となる。また、発信中に架電先からの応答を待つ間、Webブラウザ端末200上で所定の動画を再生することができる。このような動画は、一例としては架電先窓口の広告動画であってよいし、広告として提供するために公開されている動画であってもよい。このような広告動画を再生させる対価として広告主から報酬を得ることも可能となる。
【0065】
図7は、発信時の画面遷移の例を示す図である。Web架電処理のステップS002において通話画面提供部121から返送される通話開始確認画面400を起点として、発信中動画再生画面410と、発信中動画停止画面420と、通話中画面430と、が表示されうる。
【0066】
通話開始確認画面400には、通話の開始確認を受け付ける確認ボタン401が表示され、確認ボタン401は、押下されると、発信指示をサーバー装置100に送信する。
【0067】
発信中動画再生画面410には、動画再生領域411と、動画停止指示ボタン412と、が含まれる。動画再生領域411には、Web架電処理のステップS008にて再生される動画が表示される。動画停止指示ボタン412は、入力を受け付けると、再生されている動画を停止させ、発信中動画停止画面420に画面を遷移させる。
【0068】
発信中動画停止画面420には、停止動画表示領域421と、動画の停止を解除する指示を受け付ける再生指示ボタン422と、が含まれる。停止動画表示領域421には、Web架電処理のステップS008にて再生される動画の再生が停止された画面(一時停止画面あるいはブラックアウト画面)が表示される。再生指示ボタン422は、入力を受け付けると、停止されている動画を再生させ、発信中動画再生画面410に画面を遷移させる。
【0069】
通話中画面430には、通話を終了させる終了ボタン431と、通話を保留状態にする保留ボタン432と、が表示される。終了ボタン431は、入力を受け付けると、通話を終了させる指示をサーバー装置100に送信する。保留ボタン432は、入力を受け付けると、通話を保留状態にさせる指示をサーバー装置100に送信する。
【0070】
図8は、通話中保留処理のフローの例を示す図である。通話中保留処理は、Web架電処理において通話が開始された後、通話状態で(ACK後)開始される。
【0071】
まず、呼制御部126は、Webブラウザ端末200またはビジネス電話機350(または、ソフト電話機360あるいはSIP電話機370)からの保留指示を受け付ける(ステップS101)。そして、呼制御部126は、保留を開始する(ステップS102)。
【0072】
そして、動画再生部123は、通話再開または通話終了のいずれか早い方まで、下記ステップS104~S106の処理を繰り返す(ステップS103)。
【0073】
まず、動画再生部123は、「アクセス用URLに設定した動画が無い」あるいは「アクセス用URLに設定した動画の再生が停止済」の状態か否かを判定する(ステップS104)。
【0074】
「アクセス用URLに設定した動画が有る」かつ「アクセス用URLに設定した動画の再生が停止済でない」状態にある場合(ステップS104にて「No」の場合)には、動画再生部123は、当該アクセス用URLに設定した動画をWebブラウザ端末200に再生させる(ステップS105)。
【0075】
「アクセス用URLに設定した動画が無い」あるいは「アクセス用URLに設定した動画の再生が停止済」の状態にある場合(ステップS104にて「Yes」の場合)には、動画再生部123は、当該アクセス用URLに設定した保留音をWebブラウザ端末200に再生させる(ステップS106)。なお、動画再生部123は、当該アクセス用URLに設定した保留音をWebブラウザ端末200に再生させることに代えて、無音(保留音を鳴らさない)としてもよい。
【0076】
以上が、通話中保留処理のフローの例である。通話中保留処理のフローの例によれば、Webコンテンツによる架電の保留中に、Webブラウザ端末200上で所定の動画を再生することが可能となる。このような動画は、一例としては架電先窓口の広告動画であってよいし、広告として提供するために公開されている動画であってもよい。このような広告動画を再生させる対価として広告主から報酬を得ることも可能となる。
【0077】
図9は、保留時の画面遷移の例を示す図である。Web架電処理のステップS010において通話画面提供部121から提供される通話中画面430上で、保留ボタン432へ入力がなされると、通話中保留処理が開始される。通話中保留処理が開始されると、保留中動画再生画面440に遷移する。
【0078】
保留中動画再生画面440には、動画再生領域441と、動画停止指示ボタン442と、保留解除ボタン443と、が含まれる。動画再生領域441には、通話中保留処理のステップS105にて再生される動画が表示される。動画停止指示ボタン442は、入力を受け付けると、再生されている動画を停止させ、保留中動画停止画面450に画面を遷移させる。保留解除ボタン443は、入力を受け付けると、再生されている動画を停止させ、保留解除指示をサーバー装置100に送信し、通話中画面430に画面を遷移させる。
【0079】
保留中動画停止画面450には、停止動画表示領域451と、動画の停止を解除する指示を受け付ける再生指示ボタン452と、保留解除ボタン453と、が含まれる。停止動画表示領域451には、通話中保留処理のステップS105にて再生される動画の再生が停止された画面(一時停止画面あるいはブラックアウト画面)が表示される。再生指示ボタン452は、入力を受け付けると、停止されている動画を再生させ、保留中動画再生画面440に画面を遷移させる。保留解除ボタン453は、入力を受け付けると、再生されている動画を停止させ、保留解除指示をサーバー装置100に送信し、通話中画面430に画面を遷移させる。
【0080】
以上が、Web架電システム1である。以上の実施形態のように、Web架電システム1によれば、Webコンテンツによる架電を実現することができる。
【0081】
本発明は、上記の実施形態に制限されない。上記の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
また、サーバー装置100の機能は、1つ又は複数のコンピュータで構成されるWeb架電システムによって実現してもよい。
【0082】
また、上記した実施形態の技術的要素は、単独で適用されてもよいし、プログラム部品とハードウェア部品のような複数の部分に分けられて適用されるようにしてもよい。
【0083】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。
【符号の説明】
【0084】
1・・・Web架電システム、50・・・データ通信網、100・・・サーバー装置、110・・・記憶部、111・・・着信先記憶部、112・・・Webページ記憶部、113・・・動画記憶部、120・・・処理部、121・・・通話画面提供部、122・・・Webページ提供部、123・・・動画再生部、124・・・発信元内線発行部、125・・・着信先番号登録部、126・・・呼制御部、150・・・通信部、200・・・Webブラウザ端末、210・・・通信部、220・・・Webページ表示部、230・・・音声入出力部、300・・・交換機、310・・・内線制御部、320・・・外線制御部、350・・・ビジネス電話機、360・・・ソフト電話機、370・・・SIP電話機。
【要約】
【課題】Webコンテンツにより架電する技術を提供する。
【解決手段】
サーバー装置であって、ブラウザ端末から架電を依頼する所定のURLへの要求を受け付けるWebページ提供部と、該ブラウザ端末に発信用内線番号を割り当ててレジスト処理する発信元内線発行部と、URLに予め対応付けられた着信先電話番号を特定して発信用内線番号から発呼することでブラウザ端末との間で通信キャリアが提供する通話機能を用いずに通話を実現する呼制御部と、を備える。
【選択図】
図1