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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】眼科装置及び検眼システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/028 20060101AFI20230323BHJP
【FI】
A61B3/028
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017188458
(22)【出願日】2017-09-28
(65)【公開番号】P2019062981
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-09-16
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】中島 将
【合議体】
【審判長】福島 浩司
【審判官】▲高▼見 重雄
【審判官】石井 哲
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第03/041571(WO,A1)
【文献】特開2013-248376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科装置であって、
被検者の顔を支持する顔支持部と、
前記被検者の左右の被検眼にそれぞれ対応して設けられた2つの検眼部と、
前記2つの検眼部を前記顔支持部に対して相対的に独立に移動させる駆動部とを備え、
前記2つの検眼部は、それぞれ、
前記被検眼に対向して配置された偏向部材と、
前記偏向部材による偏向方向に配置された少なくとも2つの撮影部であって、前記被検眼の前眼部上の特徴部位を、前記偏向部材を介して異なる方向から実質的に同時に撮影する少なくとも2つの撮影部とを備え、
前記眼科装置は、
前記少なくとも2つの撮影部によりそれぞれ撮影された少なくとも2つの撮影画像を解析して前記前眼部上の特徴部位の位置を特定する解析部と、
前記解析部により特定された前記特徴部位の位置に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、
前記被検眼の前記前眼部に対してアライメント光束を投影するアライメント光学系と、
備え、
前記前眼部上の特徴部位はアライメント光束の角膜反射光像である、
科装置。
【請求項2】
前記検眼部が、それぞれ、前記偏向部材を介して前記被検眼に対して視標を提示する検眼視標呈示部を更に備える請求項1記載の眼科装置。
【請求項3】
前記検眼部が、それぞれ、前記被検眼の視機能を光学的に矯正する光学素子を、前記偏向部材と前記被検眼との間の位置、又はこの位置と光学的に共役な位置に配置する光学素子配置部を備える請求項1又は2記載の眼科装置。
【請求項4】
前記被検眼と前記偏向部材の間に配置された透光性部材からなる検眼窓を更に備える、
請求項1からのいずれか1項記載の眼科装置。
【請求項5】
請求項1からのいずれか1項記載の眼科装置と、
検査用視標が形成された自覚検眼視標とを備える検眼システムであって、
前記眼科装置は、前記2つの検眼部を収容する筐体であって、前記被検眼に対向する2つの開口部がそれぞれ設けられた筐体を更に備え、
前記2つの開口部がそれぞれ開閉可能であり、
前記偏向部材は、前記開口部から入射する光を前記被検眼側に透過するハーフミラーであり、
前記自覚検眼視標は、前記開口部が開放された場合に、前記ハーフミラーを介して前記被検眼により視認可能な位置に配置される、検眼システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は眼科装置及び検眼システムに係り、特に被検眼と光学系とのアライメントを行って、被検眼のデータを取得する眼科装置及びこの眼科装置を備えた検眼システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2以上の前眼部カメラにより被検眼の前眼部を異なる方向から実質的に同時に撮影し、2以上の撮影画像に基づいて被検眼の位置を求めて、被検眼と検査用光学系とのアライメントを行う眼科装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-248376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の眼科装置では、前眼部カメラ、アライメント光学系、照明光学系、撮影光学系、測定光学系等が被検眼の正面に配置されている(例えば、特許文献1の図1図4B等参照)。このため、従来の眼科装置では、被検眼に対する奥行方向のサイズが大型化するという問題があった。
【0005】
また、従来の眼科装置では、被検眼の正面に配置された各種の光学系が妨げとなって、被検眼に対する奥行方向のスペースを活用することができないという問題があった。従来の眼科装置では、例えば、被検眼に対する奥行方向のスペースに、眼科装置に含まれる光学系以外の装置等を配置して検眼を行うことはできないという問題があった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、被検眼に対する奥行方向のサイズを縮小することが可能で、かつ、被検眼に対する奥行方向のスペースを活用することが可能な眼科装置及び検眼システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る眼科装置は、被検者の顔を支持する顔支持部と、被検者の左右の被検眼にそれぞれ対応して設けられた2つの検眼部と、2つの検眼部を顔支持部に対して相対的に独立に移動させる駆動部とを備え、2つの検眼部は、それぞれ、被検眼に対向して配置された偏向部材と、偏向部材による偏向方向に配置された少なくとも2つの撮影部であって、被検眼の前眼部上の特徴部位を、偏向部材を介して異なる方向から実質的に同時に撮影する少なくとも2つの撮影部とを備える。
【0008】
第1の態様によれば、偏向部材を用いてアライメント光学系及び2以上の撮影部の光路を偏向させることにより、被検眼に対する奥行方向にコンパクトな構造でアライメントの範囲が広い眼科装置を実現することができる。
【0009】
本発明の第2の態様に係る眼科装置は、第1の態様において、少なくとも2つの撮影部によりそれぞれ撮影された少なくとも2つの撮影画像を解析して前眼部上の特徴部位の位置を特定する解析部と、解析部により特定された特徴部位の位置に基づいて駆動部を制御する制御部とを更に備える。
【0010】
本発明の第3の態様に係る眼科装置は、第1又は第2の態様において、前眼部上の特徴部位を瞳孔としたものである。
【0011】
本発明の第4の態様に係る眼科装置は、第1又は第2の態様において、被検眼の前眼部に対してアライメント光束を投影するアライメント光学系を更に備え、前眼部上の特徴部位をアライメント光束の角膜反射光像としたものである。
【0012】
本発明の第5の態様に係る眼科装置は、第1から第4の態様のいずれかにおいて、検眼部が、それぞれ、偏向部材を介して被検眼に対して視標を提示する検眼視標呈示部を更に備えるようにしたものである。
【0013】
本発明の第6の態様に係る眼科装置は、第1から第5の態様のいずれかにおいて、検眼部が、それぞれ、被検眼の視機能を光学的に矯正する光学素子を、偏向部材と被検眼との間の位置、又はこの位置と光学的に共役な位置に配置する光学素子配置部を備えるようにしたものである。
【0014】
本発明の第7の態様に係る眼科装置は、第1から第6の態様のいずれかにおいて、被検眼と偏向部材の間に配置された透光性部材からなる検眼窓を更に備える。
【0015】
本発明の第8の態様に係る検眼システムは、第1から第7のいずれかの態様に係る眼科装置と、検査用視標が形成された自覚検眼視標とを備える検眼システムであって、眼科装置は、2つの検眼部を収容する筐体であって、被検眼に対向する2つの開口部がそれぞれ設けられた筐体を更に備え、2つの開口部がそれぞれ開閉可能であり、偏向部材は、開口部から入射する光を被検眼側に透過するハーフミラーであり、自覚検眼視標は、開口部が開放された場合に、ハーフミラーを介して被検眼により視認可能な位置に配置されるようにしたものである。
【0016】
第8の態様によれば、ハーフミラーを用いて、アライメント光学系及びステレオカメラの光路を曲げることにより、被検眼に対する奥行方向(ハーフミラーの後方)の空間を利用した検眼を行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、偏向部材を用いて2以上の撮影部の光路を偏向させることにより、被検眼に対する奥行方向のサイズを縮小することができ、かつ、2つの撮影部により広範囲のアライメントが可能な眼科装置を実現することができる。さらに、本発明によれば、被検者の瞳孔間距離が狭い場合に、2つの検眼部を相互に近づけたとしても、上記光路の偏向により左右の検眼部が干渉しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る眼科装置を示す外観図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態に係る検眼部の光学系を示す図である。
図3図3は、本発明の第1の実施形態に係る眼科装置を示すブロック図である。
図4図4は、ステレオカメラをミラーに対してそれぞれ鏡映変換した状態を示す図である。
図5図5は、被検眼と鏡映変換後のステレオカメラとの間の位置関係を示す上面図である。
図6図6は、被検眼と鏡映変換後のステレオカメラとの間の位置関係を示す側面図である。
図7図7は、本発明の第1の実施形態に係る眼科装置を示す外観図である。
図8図8は、本発明の第2の実施形態に係る検眼部の光学系を示す図である。
図9図9は、本発明の第2の実施形態に係る眼科装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面に従って本発明に係る眼科装置及び検眼システムの実施の形態について説明する。
【0020】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る眼科装置を示す外観図である。
【0021】
本実施形態に係る眼科装置10は、検眼部100(100L及び100R)により被検者の眼に対する他覚的な測定と、自覚的な検眼の両方を行うことが可能な装置である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る眼科装置10は、検眼テーブル12と、検眼部100(100L及び100R)と、ユーザインターフェイス(UI)200とを含む。
【0023】
検眼テーブル12は、被検者の体型等に応じて高さが調節可能なテーブルである。
【0024】
検眼テーブル12には、柱状の支持部14が検眼テーブル12の表面に対して略垂直に取り付けられている。支持部14は、伸縮可能に構成されている。被検者の体型等に応じて支持部14を伸縮させることにより、検眼部100L及び100Rの高さを調節することが可能になっている。
【0025】
支持部14の上端部には、腕部16が取り付けられている。腕部16は、支持部14の周りを回動可能となっている。腕部16には、吊り下げ部18が取り付けられており、吊り下げ部18には、検眼部100L及び100Rが吊り下げられている。被検者又は検眼士(例えば、眼科医師、看護師、視能訓練士等)は、検眼部100L及び100Rを支持部14に対して回動させることにより、検眼部100L及び100Rを被検者に正対させることができる。
【0026】
吊り下げ部18は、検眼部100L及び100Rを移動させるための第1駆動部20(図3参照)を内蔵している。操作者は、UI200を用いて第1駆動部を操作することにより、検眼部100L及び100Rを移動させることができる。操作者は、第1駆動部により、被検者の左右の眼の位置及び間隔に応じて、検眼部100L及び100Rの角度及び間隔を調節することができる。
【0027】
検眼部100(100L及び100R)は、それぞれ被検者の左右の眼を検査するための光学系を含んでおり、両眼同時他覚屈折測定及び自覚検眼機能を有する。被検者が顔支持部24(図3参照)に顔を支持させると、検眼部100L及び100Rの検眼窓に左右の被検眼を正対させて、各種の測定を行うことができるようになっている。
【0028】
UI200は、操作者からの操作入力を受け付けるための操作部と、眼科装置10による測定結果を表示するための表示部とを含む。図1に示す例では、UI200として、タッチパネルディスプレイ202及びコントローラ204が図示されている。
【0029】
タッチパネルディスプレイ202は、操作受け付け用のグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)、眼科装置10による測定結果等を表示する表示画面を備えており、表示画面の表面には、操作者の操作を受け付けるためのタッチパネルが設けられている。タッチパネルは、マトリクス・スイッチ、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式及び静電容量方式のいずれの方式であってもよい。
【0030】
コントローラ204は、操作者の操作を受け付ける操作部材(操作ボタン、スイッチ等)を備えている。
【0031】
なお、UI200の種類は、タッチパネルディスプレイ202及びコントローラ204に限定されるものではない。UI200は、これらに代えて又はこれらに加えて、マウス等のポインティングデバイス、文字入力のためのキーボード等を備えていてもよい。
【0032】
次に、本実施形態に係る検眼部100L及び100Rの構成について説明する。なお、検眼部100L及び100Rは左右対称であるため、以下では、右眼用の検眼部100Rについて説明し、左眼用の検眼部100Lについては説明を省略する。
【0033】
図2は、本実施形態に係る検眼部100Rの光学系を示す図である。以下の説明では、X方向を水平方向(横方向)、Y方向を鉛直方向(縦方向)、Z方向をXY方向に垂直な方向とする3次元直交座標系を用いる。ここで、Z方向は、視線方向と略一致する。
【0034】
図2に示すように、検眼部100Rは、ミラー(偏向部材)104、アライメント光学系106、ステレオカメラ108(カメラ(撮影部)108A及び108B)、対物レンズ110及び測定光学系112を含む。これらの構成は、それぞれ検眼部筐体102の中に収容されている。
【0035】
検眼部筐体102には、略円形の検眼窓102Aが形成されている。検眼窓102Aには、光を透過する板状の部材(例えば、白板ガラス等の透明度が比較的高い部材)が嵌め込まれていてもよい。
【0036】
ミラー(偏向部材)104は、検眼窓に対して奥側(-Z側)に配置されている。ミラー104は、被検者が被検眼Eを検眼窓102Aに正対させたときに正面に位置するように配置されており、右側(+X側)の端部が検眼窓102Aに対して奥側(-Z側)になるように傾斜している。なお、本実施形態では、偏向部材として、ミラー104を用いたが、ミラー104に代えて、光を偏向可能なプリズム等の光学部材を用いてもよい。
【0037】
アライメント光学系106は、測定光学系112内に配置され、光源(例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode))と、投光レンズとを含む。この光源から出射した光は、対物レンズ110を通して平行光としてミラー104に照射される。ミラー104に照射された光は、ミラー104によって反射されて被検眼Eに照射される。これにより、被検眼Eにアライメント指標像が投影される。
【0038】
ステレオカメラ108は、検眼部100Rにおいて、相互に異なる箇所に取り付けられた2以上のカメラを含む。被検眼Eの前眼部を異なる方向から実質的に同時に撮影する。ステレオカメラ108によって撮影された2以上の前眼部画像中の特徴点の位置(特徴部位)を解析することにより、被検眼Eと検眼部100Rとの間の位置関係を求めることができ、被検眼Eに対する検眼部100Rのアライメントを行うことができる。
【0039】
ここで、前眼部上の特徴点は、前眼部の角膜に投影された指標光束の角膜反射像(プルキンエ像)が用いられるが、これに限らず、瞳孔中心などを用いてもよい。
【0040】
図2に示す例では、ステレオカメラ108は、2つのカメラ108A及び108Bにより構成されているが、カメラの個数及び設置箇所は、図2に示す例に限定されるものではない。カメラ108A及び108Bのうちの一方は、測定光学系112の中に配置されていてもよい。また、ステレオカメラ108が3つ以上のカメラにより構成される場合には、そのうちの一部が測定光学系112の中に配置されていてもよい。
【0041】
測定光学系112は、被検眼Eの特性を測定するための構成を備える。測定光学系112は、上記アライメント光学系106のほか、対物レンズ110及びミラー104を介して被検眼Eに視標像を投影したり、対物レンズ110及びミラー104を介して被検眼Eに対して測定光を投影するための投影光学系と、反射光を受光する受光光学系113を備える。
【0042】
図3は、本実施形態に係る眼科装置を示すブロック図である。
【0043】
(プロセッサ120)
プロセッサ120は、各種の情報処理を実行する。本明細書において「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。
【0044】
プロセッサ120は、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。記憶回路や記憶装置の少なくとも一部がプロセッサ120に含まれていてよい。また、記憶回路や記憶装置の少なくとも一部がプロセッサ120の外部に設けられていてよい。プロセッサ120により実行可能な処理については後述する。プロセッサ120は、制御部122と、記憶部124と、データ処理部126とを含む。
【0045】
(制御部122)
制御部122は、眼科装置10の各部の制御を実行する。特に、制御部122は、検眼部100L及び100R、第1駆動部20及び第2駆動部22を制御する。制御部122により実行可能な制御については後述する。
【0046】
(記憶部124)
記憶部124は、各種のデータを記憶する。記憶部124としては、例えば、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスクを含む装置、eMMC(embedded Multi Media Card)、SSD(Solid State Drive)等のフラッシュメモリを含む装置等を用いることができる。記憶部124に記憶されるデータとしては、測定光学系112の受光光学系により取得されたデータ(測定データ、撮影データ等)や、被検者及び被検眼Eに関する情報などがある。記憶部124には、眼科装置10を動作させるための各種のコンピュータプログラム及びデータが記憶されていてよい。記憶部124には、後述の処理において使用及び参照される各種のデータが記憶される。記憶部124は、前述の記憶回路や記憶装置を含む。
【0047】
(データ処理部126)
データ処理部126は、各種のデータ処理を実行する。特に、データ処理部126は、ステレオカメラ108により取得された撮影画像を解析する解析部132を備える。
【0048】
(検眼部100)
検眼部100L及び100にRは、被検眼Eの測定や撮影を行うための構成と、その準備を行うための構成とが格納されている。前者は測定光学系を含み、後者はアライメント光学系を含む。検眼部100L及び100Rは、測定光学系112のフォーカシングを行うための構成などを備えていてもよい。また、検眼部100L及び100Rは、被検眼Eの前眼部を照明するための光源(前眼部照明光源)を備えてもよい。
【0049】
(測定光学系112)
測定光学系112は、被検眼Eの特性を測定するための構成を備える。測定光学系112は、眼科装置10が提供する機能(測定機能、撮影機能等)に応じた構成を備える。例えば、測定光学系112には、上記アライメント光学系106のほか、光源、光学素子(光学部材、光学デバイス)、アクチュエータ、機構、回路、表示デバイス、受光素子、イメージセンサなどが設けられる。測定光学系112の構成は従来の眼科装置のそれと同様であってよい。測定光学系112は、対物レンズ110及びミラー104を介して被検眼Eに視標像を投影したり、対物レンズ110及びミラー104を介して被検眼Eに対して測定光を投影したり、受光光学系113により反射光を受光することが可能となっている。測定光学系112は、例えば、被検眼の眼屈折力を他覚的に測定する機能を有する場合、公知のレフラクトメータの光学系が配置される。
【0050】
測定光学系112は、検査に付随する機能を提供するための構成を備えていてよい。例えば、被検眼Eを固視又は雲霧させるための視標を呈示する固視光学系が設けられていてよい。
【0051】
(アライメント光学系106)
アライメント光学系106は、光源と、投光レンズとを含んでおり、光束を被検眼Eに投影する。アライメント光学系106に含まれる光源は、測定光学系112内に配置され対物レンズ110の光軸に沿って被検眼Eの角膜に平行光束を投影する。それにより、アライメントのための指標が被検眼Eの角膜に投影される。この指標は、角膜表面反射による虚像(プルキンエ像)として検出される。指標を用いたアライメントは、測定光学系112の光軸方向における光軸方向アライメントを少なくとも含む。指標を用いたアライメントは、X方向及びY方向におけるXYアライメントを含んでもよい。
【0052】
なお、本実施形態では、測定光学系112の光軸は、ミラー104によって折り曲げられており、測定光学系112のミラー104に対する鏡像の位置では、測定光学系112の光軸がZ軸と略一致するように構成されている。このため、測定光学系112の光軸方向におけるアライメントは、Zアライメントに相当する。以下の説明では、測定光学系112の光軸方向におけるアライメントをZアライメントという。
【0053】
Zアライメントは、ステレオカメラ108により実質的に同時に得られる2以上の撮影画像を解析することによって実行される。XYアライメントは、ステレオカメラ108により得られた2以上の撮影画像を解析することによって実行される。
【0054】
XYアライメントは、2以上の撮影画像に描出されたプルキンエ像(指標像)のXY方向における位置に基づき実行される。XYアライメントは、アライメントのズレの許容範囲(アライメントマーク)内に指標像を誘導するように検眼部100Rを手動又は自動で移動させることにより実行される。
【0055】
マニュアルアライメントの場合、制御部122は、2以上の撮影画像とアライメントマークとをUI200(タッチパネルディスプレイ202)に表示させる。操作者は、UI200を操作して第1駆動部20により検眼部100Rを移動させ、アライメントのズレの許容範囲(アライメントマーク)内に指標像を移動させる。
【0056】
オートアライメントの場合、データ処理部126は、アライメントマークに対する指標像の変位を算出する。制御部122は、データ処理部126によって算出された変位をキャンセルするように検眼部100RをXY方向に移動させる。
【0057】
(ステレオカメラ108)
ステレオカメラ108は、検眼部100Rにおいて、相互に異なる箇所に取り付けられた2以上のカメラを含む。ステレオカメラ108の各カメラは、例えば、所定のフレームレートで動画撮影を行うビデオカメラである。各カメラは、ミラー104による反射光を受光して被検眼Eの前眼部を異なる方向から実質的に同時に撮影する。
【0058】
図2に示す例では、2のカメラ108A及び108Bが設けられている。また、カメラ108A及び108Bはそれぞれ、測定光学系112の光路から外れた位置に配置されている。
【0059】
なお、カメラ108A及び108Bは、測定光学系112の光路よりも下方(-Y側)に設けてもよい。それにより、被検眼Eの前眼部(例えば、角膜)に投影された光束(指標)の反射光が睫毛や瞼にケラレにくくなる。
【0060】
ステレオカメラ108に含まれるカメラの個数は2以上の任意の個数であってよいが、異なる2方向から実質的に同時に被検眼Eの前眼部を撮影可能な構成であればよい。また、ステレオカメラ108に含まれるカメラのうちの1つが測定光学系112と同軸に配置されていてもよい。
【0061】
ここで、「実質的に同時」とは、ステレオカメラ108の2以上のカメラによる撮影において、眼球運動を無視できる程度の撮影タイミングのズレを許容することを意味する。ステレオカメラ108の2以上のカメラにより被検眼Eの前眼部を異なる方向から実質的に同時に撮影することで、被検眼Eが同じ位置(向き)にあるときの2以上の撮影画像を取得することが可能になる。
【0062】
また、ステレオカメラ108による撮影は動画撮影でも静止画撮影でもよいが、本実施形態では動画撮影を行う場合について説明する。動画撮影の場合、撮影開始タイミングを合わせるよう制御したり、フレームレートや各フレームの撮影タイミングを制御したりすることにより、各カメラにより「実質的に同時」に被検眼Eの前眼部を撮影することができる。一方、静止画撮影の場合、ステレオカメラ108に含まれる各カメラの撮影タイミングを合わせるよう制御することにより、各カメラにより「実質的に同時」に被検眼Eの前眼部を撮影することができる。
【0063】
(検眼視標呈示部114)
検眼視標呈示部114は、測定光学系112よりミラー104を介して、被検眼Eに対して検眼視標(例えば、ランドルト環等)を視認可能に呈示する。検眼視標呈示部114としては、例えば、各種の視標を表示する液晶ディスプレイを用いることができる。
【0064】
検眼視標呈示部114の光学系では、視標部及びレンズの少なくとも一方が光学系の光軸に沿って移動可能に構成されており、被検眼の視度や検眼条件に応じて視標像の呈示距離を変更可能となっている。また、被検眼の乱視を矯正する光学素子が光路上に配置されていてもよい。なお、検眼視標呈示114は、上記固視光学系と共通であってもよい。
【0065】
(光学素子配置部116)
光学素子配置部116は、複数種類の矯正レンズ116Aを備えており、被検眼Eとミラー104との間に、被検眼Eの視機能を光学的に矯正するための光学素子(矯正レンズ116A)を挿入する。なお、光学素子配置部116は、検眼窓102Aの外側の所定位置に設けて、検眼士等が手動で矯正レンズ116Aを交換可能にしてもよい。なお、光学素子配置部116は、測定光学系112の内部の、上記所定位置と光学的に共役な位置に配置されていてもよい。
【0066】
(顔支持部24)
顔支持部24は、被検者の顔を支持するための部材を含む。例えば、顔支持部24は、被検者の額が当接される額当てと、被検者の顎が載置される顎受けとを含む。なお、顔支持部24は、額当て及び顎受けのいずれか一方のみを備えてもよく、これら以外の部材を備えてもよい。
【0067】
(第1駆動部20及び第2駆動部22)
第1駆動部20は、制御部122による制御を受けて検眼部100L及び100Rを移動する。第1駆動部20は、検眼部100L及び100Rを3次元的にそれぞれ移動可能である。第1駆動部20は、例えば、従来と同様に、検眼部100L及び100RをX方向に移動させるための機構と、Y方向に移動させるための機構と、Z方向に移動させるための機構とを含む。また、第1駆動部20は、検眼部100L及び100RのZ軸を含む平面(水平面、垂直面等)内で検眼部100L及び100Rをそれぞれ回動させる回動機構を含んでもよい。
【0068】
第2駆動部22は、制御部122による制御を受けて顔支持部24を移動する。第2駆動部22は、顔支持部24を3次元的に移動可能である。第2駆動部22は、例えば、被検者の額もしくは顎の双方、少なくともいずれか一方を保持する顔支持部24をX方向に移動させるための機構と、Y方向に移動させるための機構と、Z方向に移動させるための機構とを含む。また、第2駆動部22は、顔支持部24(又はそれに含まれる部材)の向きを変更するための回動機構を含んでもよい。顔支持部24に複数の部材が設けられている場合、第2駆動部22は、これら部材を個別に移動するよう構成されてよい。例えば、第2駆動部22は、額当てと顎受けとを個別に移動するよう構成されてよい。なお、眼科装置10は、第1駆動部20及び第2駆動部22のいずれか一方のみを備えていてもよいし、両方を備えていてもよい。
【0069】
ユーザインターフェイス(UI200)は、情報の表示、情報の入力、操作指示の入力など、眼科装置10とそのユーザとの間で情報をやりとりするための機能を提供する。UI200は、出力機能と入力機能とを提供する。出力機能を提供する構成の例として、フラットパネルディスプレイ等の表示装置、音声出力装置、印刷出力装置、記録媒体への書き込みを行うデータライタなどがある。入力機能を提供する構成の例として、操作レバー、ボタン、キー、ポインティングデバイス、マイクロフォン、データライタなどがある。また、UI200は、情報の入出力を行うためのグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)を含んでもよい。
【0070】
本実施形態では、UI200は、出力機能と入力機能とが一体化されたタッチパネルディスプレイ202と、コントローラ204を備える。
【0071】
(データ処理部126の詳細)
データ処理部126の詳細について説明する。データ処理部126は、指標像検出部128と、位置特定部130とを備える。
【0072】
(指標像検出部128)
指標像検出部128は、ステレオカメラ108により実質的に同時に得られた2以上の撮影画像を解析することにより、各撮影画像に描出された指標像を検出する。
【0073】
カメラ108A及び108Bが動画撮影を行う場合、指標像検出部128は、各フレームから指標像を検出する。指標像検出部128は、撮影画像の画素値を解析することによって指標像を検出する。撮影画像が輝度画像である場合、指標像検出部128は、撮影画像における輝度値の分布に基づいて、指標像に相当する画像領域(画素)を特定する。この処理は、例えば、既定閾値よりも高い輝度値を有する画素を選択する処理を含む。撮影画像がカラー画像である場合、指標像検出部128は、例えば、既定閾値よりも高い輝度値を有する画素を選択する処理、又は、所定の色を表す画素を選択する処理を含む。
【0074】
(位置特定部130)
位置特定部130は、ステレオカメラ108により実質的に同時に取得された2以上の撮影画像から検出された2以上の指標像に基づいて、被検眼Eの位置を特定する。
【0075】
位置特定部130は、少なくとも、Z方向における被検眼Eと測定光学系112との間の距離を算出する。この算出結果に基づきZアライメントが実行される。さらに、位置特定部130は、XY方向における被検眼Eと測定光学系112との間の変位を算出してもよい。この算出結果に基づきXYアライメントが実行される。
【0076】
次に、本実施形態に係る位置特定部130が実行する処理について、図4から図6を参照して説明する。
【0077】
図4は、カメラ108A及び108Bをミラー104に対してそれぞれ鏡映変換した状態を示している。以下では、鏡映変換後のカメラ108A´及び108B´を用いて説明する。
【0078】
図5は、被検眼Eと鏡映変換後のカメラ108A´及び108B´との間の位置関係を示す上面図であり、図6は、側面図である。
【0079】
XY方向におけるカメラ108A´及び108B´の間の距離(基線長)を「B」で表す。カメラ108A´及び108B´の基線と、指標像Pとの間の距離(指標像距離)を「H」で表す。各カメラ108A´及び108B´と、その画面平面との間の距離(画面距離)を「f」で表す。一般に、指標光束を被検眼Eに対して平行光束として投射した場合、指標像(プルキンエ像)Pは、被検眼Eの角膜曲率半径の2分の1だけ角膜表面から+Z方向に変位した位置に形成される。
【0080】
このような配置状態において、カメラ108A´及び108B´による撮影画像の分解能は次式で表される。ここで、Δpは画素分解能を表す。
【0081】
XY方向の分解能:ΔXY=H×Δp/f
Z方向の分解能:ΔZ=H×H×Δp/(B×f)
位置特定部130は、カメラ108A´及び108B´の位置(既知)と、2つの撮影画像において指標像Pの位置とに対して、図5及び図6に示す配置関係を考慮した公知の三角法を適用することにより、指標像Pの位置、つまり、被検眼Eの位置を特定する。特定される位置は、少なくともZ方向の位置を含み、XY方向の位置を更に含んでもよい。
【0082】
位置特定部130により特定された被検眼Eの位置は制御部122に送られる。制御部122は、被検眼EのZ位置に基づいて、Z方向における被検眼Eと測定光学系112との間の距離を作動距離に一致させるように第1駆動部20及び第2駆動部22の少なくとも一方を制御する。さらに、制御部122は、被検眼EのXY位置に基づいて、測定光学系112の光軸と被検眼Eの軸とを一致させるように第1駆動部20及び第2駆動部22の少なくとも一方を制御する。なお、作動距離(ワーキングディスタンス)とは、測定光学系112による測定を行うための被検眼Eと測定光学系112との間の既定の距離を意味する。
【0083】
以上のように、位置特定部130は、指標像P(プルキンエ像)の位置を被検眼Eの位置(その近似位置)として求めることができる。さらに、位置特定部132は、特定された指標像Pの位置と、別途に測定された角膜曲率半径とに基づいて、被検眼Eの角膜(頂点)の位置を求めることが可能である。XYZアライメントが合っている状態において、角膜頂点は、指標像Pから角膜曲率半径の2分の1だけ-Z方向に変位した位置に配置されていると考えられる。したがって、角膜曲率半径の2分の1の値を指標像PのZ座標値から減算することにより、角膜頂点のZ座標値(それを含むXYZ座標値)を求めることができる。
【0084】
角膜曲率半径は平均的な角膜曲率r8mmとすることができるが、被検眼の角膜曲率半径が取得可能であれば、実際の値を用いることもできる。
【0085】
角膜曲率半径の測定は、ケラトメータや角膜トポグラファを用いて行われる。角膜曲率半径を測定する機能を眼科装置10が備えていない場合、過去に得られた角膜曲率半径の測定値が眼科装置10に入力される。位置特定部130は、この測定値を用いて角膜頂点位置を求める。一方、角膜曲率半径を測定する機能を眼科装置10が備えている場合、例えば、アライメントを実行した後に角膜曲率半径を測定し、得られた測定値を利用して再度アライメントを行うことができる。また、角膜曲率半径を測定する機能を眼科装置10が備えている場合であっても、過去に得られた角膜曲率半径の測定値を利用することも可能である。
【0086】
本実施形態によれば、ミラー104を用いて、アライメント光学系106及びステレオカメラ108の光路を曲げることにより、被検眼に対して奥行方向にコンパクトな構造でアライメントの範囲が広い眼科装置を実現することができる。
【0087】
[第2の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態に係る眼科装置を含む検眼システムを示す外観図である。図8は、本実施形態に係る眼科装置の検眼部の光学系を示す図であり、図9は、本実施形態に係る眼科装置を示すブロック図である。
【0088】
図7に示すように、本実施形態に係る検眼システム1では、眼科装置10の後方(-Z側)の実距離(例えば、被検眼から5m)の位置に、自覚検眼視標50が配置されている。自覚検眼視標50の表面には、自覚検眼用の視標(例えば、ランドルト環等)が形成されている。自覚検眼視標50は、眼科装置10の後方の壁面に貼り付けられていてもよいし、可動式のパネル(例えば、キャスターつきの衝立等)に貼り付けられていてもよい。なお、自覚検眼視標50は、自覚検眼用の視標が形成された印刷物等であってもよいが、本発明はこれに限定されない。例えば、検査距離(例えば、被検眼から5m)に、自覚検眼用の視標の虚像を呈示する装置を設けてもよい。
【0089】
図8に示すように、ハーフミラー104Aの後方(-Z側)には、開口部102Bが形成されており、開口部102Bは蓋102Cにより開閉可能となっている。
【0090】
図8に示すように、本実施形態に係る検眼部100Rには、ミラー104に代えて、ハーフミラー104Aが設けられている。ハーフミラー104Aは、アライメント光学系106及び測定光学系112から照射される光の一部を被検眼Eに向けて反射し、かつ、開口部102B(-Z側)から入射する光の一部を被検眼E側(+Z側)に透過させることが可能となっている。ここで、ハーフミラー104Aにより反射される光と、ハーフミラー104Aを透過する光の比率は50:50としてもよいし、いずれかの比率を大きくするように構成されていてもよい。
【0091】
なお、ハーフミラー104Aに代えて、他覚測定やアライメントに用いる近赤外光をほぼ100%反射し、可視光の透過率及び反射率が適切な比率となるダイクロイックミラーを用いることもできる。
【0092】
測定光学系112内の視標を消灯し、開口部102Bを開放すると、開口部102B(-Z側)から入射する光がハーフミラー104Aを透過して被検眼E側(+Z側)に到達する。被検者は、被検眼Eにより自覚検眼視標50を視認可能となる。これにより、検眼視標呈示部114により左右眼に個別に呈示される視表ではなく、左右眼で同一の視表による検眼が可能になる。
【0093】
本実施形態によれば、ハーフミラー104Aを用いて、アライメント光学系106及びステレオカメラ108の光路を曲げることにより、ハーフミラー104Aの後方(-Z側)の空間を利用した検眼を行うことが可能になる。
【0094】
図9に示すように、ハーフミラー104Aの後方(-Z側)には、透過型の液晶パネル134が配置されていてもよい。この場合、制御部122は、液晶パネル134の表示を制御することにより、各種のメッセージを被検者に視認可能に表示させることが可能になる。制御部122は、液晶パネル134に枠を表示させ、被検者は、UI200からの入力に応じてこの枠を移動させて自覚検眼視標50の輪郭と一致させるようにしてもよい。そして、液晶パネル134に、自覚検眼視標50のランドルト環を指示するための画像を表示させ、ランドルト環の開いている方向を視認可能か否か及び開いている方向を、被検者がUI200を介して入力可能としてもよい。これにより、液晶パネル134を介して、自覚検眼視標50上の視標を指示して視力検査を行うことが可能になる。
【0095】
なお、液晶パネル134の代わりに検眼視標呈示部114に同様のメッセージ、枠等の情報を表示し、自覚検眼視標50の視標像に重畳して呈示することも可能である。この場合は被検眼の調節力に応じて呈示距離の変更や乱視の矯正ができるため、視認性の良い状態で前記情報を呈示することが可能となる。
【0096】
なお、本実施形態では、ハーフミラー104Aを用いたが、通常のミラー10を用いて、ミラー104と、ミラー104の駆動用のアクチュエータ又はモータを用いて、ミラー104を検眼窓102Aと開口部102Bとの間から退避可能としてもよい。
【0097】
また、本実施形態では、ハーフミラーの検眼窓に対向する面とは反対側の面に、透過型の液晶を貼り付けて、透過型の液晶に被検者へのメッセージ等を表示可能としてもよい。
【符号の説明】
【0098】
10、10A 眼科装置
20 第1駆動部
22 第2駆動部
24 顔支持部
100、100L、100R 検眼部
104 ミラー(偏向部材)
104A ハーフミラー
106 アライメント光学系
108A、108B カメラ
120 プロセッサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9