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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】レジスタ用フィン
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/34 20060101AFI20230323BHJP
   F24F 13/14 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
B60H1/34 611Z
F24F13/14 Z
F24F13/14 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018227778
(22)【出願日】2018-12-05
(65)【公開番号】P2020090156
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-10-22
(73)【特許権者】
【識別番号】308016242
【氏名又は名称】豊和化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】榊原 啓介
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-147605(JP,A)
【文献】特開2019-055647(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01655160(EP,A2)
【文献】中国特許出願公開第105904940(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00 - 3/06
F24F 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジスタのリテーナにおける相互に対向する一対の側壁の間に回動可能に設けられ、前記レジスタから外部に向かって吹き出される風の方向を変更するレジスタ用フィンであって、
板状に形成されたフィン本体と、
前記風の流れる方向である送風方向における前記フィン本体の下流側縁部に取り付けられる取付部材と、
を備え、
前記取付部材は、
前記フィン本体の前記下流側縁部を覆う湾曲した形状をなし、
前記下流側縁部は、
前記送風方向における下流側の先端部に第1凹部を有し、
前記第1凹部は、
前記下流側縁部の前記先端部を凹設して形成され、
前記下流側縁部と前記取付部材とは、
前記第1凹部に充填された接着剤によって互いに固定され
前記下流側縁部は、
前記送風方向における前記第1凹部の上流側に設けられる第2凹部と、
前記第2凹部と前記第1凹部との間に設けられ、前記下流側縁部を凹設させた接続部と、
を有し、
前記第2凹部は、
前記フィン本体の厚さ方向に前記下流側縁部を凹設して形成され、
前記第1凹部に充填され前記第1凹部から溢れ出した接着剤が、前記接続部を介して前記第2凹部に充填される、レジスタ用フィン。
【請求項2】
レジスタのリテーナにおける相互に対向する一対の側壁の間に回動可能に設けられ、前記レジスタから外部に向かって吹き出される風の方向を変更するレジスタ用フィンであっ
て、
板状に形成されたフィン本体と、
前記風の流れる方向である送風方向における前記フィン本体の下流側縁部に取り付けられる取付部材と、
を備え、
前記取付部材は、
前記フィン本体の前記下流側縁部を覆う湾曲した形状をなし、
前記下流側縁部は、
前記送風方向における下流側の先端部に第1凹部を有し、
前記第1凹部は、
前記下流側縁部の前記先端部を凹設して形成され、
前記下流側縁部と前記取付部材とは、
前記第1凹部に充填された接着剤によって互いに固定され、
前記取付部材は、
複数のリブを有し、
前記複数のリブは、
前記取付部材の湾曲した内周面を接続する半円形状をなし、
前記下流側縁部は、
前記複数のリブの各々を挿入する複数のリブ挿入部を有し、
前記複数のリブ挿入部は、
第1リブ挿入部を有し、
前記第1リブ挿入部と前記リブとの間の隙間は、前記第1リブ挿入部以外の前記リブ挿入部と前記リブとの間の隙間に比べて狭くなっている、レジスタ用フィン。
【請求項3】
前記フィン本体は、
一方向に長い板状に形成され、
前記下流側縁部は、
前記フィン本体の長手方向における前記第1凹部の両側に、一対の第3凹部をそれぞれ有し、
前記一対の第3凹部の各々は、
前記下流側縁部を凹設して形成され、前記第1凹部よりも狭い幅の溝で形成される、請求項1又は請求項2に記載のレジスタ用フィン。
【請求項4】
前記第1凹部は、
前記フィン本体の厚さ方向における幅を、底部から開口に向かうに従って徐々に広げて形成される、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のレジスタ用フィン。
【請求項5】
前記取付部材は、
複数のリブを有し、
前記複数のリブは、
前記取付部材の湾曲した内周面を接続する半円形状をなし、
前記下流側縁部は、
前記複数のリブの各々を挿入する複数のリブ挿入部を有し、
前記複数のリブ挿入部は、
第1リブ挿入部を有し、
前記第1リブ挿入部と前記リブとの間の隙間は、前記第1リブ挿入部以外の前記リブ挿入部と前記リブとの間の隙間に比べて狭くなっている、請求項1に記載のレジスタ用フィン。
【請求項6】
前記フィン本体は、
一方向に長い板状に形成され、長手方向における両端面の各々に設けられる一対の回動軸を有し、
前記一対の回動軸の各々は、
前記両端面の各々から前記長手方向における外側に向かって突出し、前記リテーナにより支持され、
前記取付部材は、
前記フィン本体の前記長手方向に沿って延設され、前記長手方向の両側の各々に形成された一対の薄肉部を有し
前記一対の薄肉部は、
前記一対の回動軸の各々に対応する位置に形成され、前記取付部材の他の部分に比べて厚みを薄くして形成される、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のレジスタ用フィン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、車両等に設けられる空調用のレジスタに設けられ、レジスタから外部に向かって吹き出される風の方向を変更するレジスタ用フィンに関し、特に、送風方向におけるフィンの下流側縁部に取付部材を取り付ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空調用のレジスタに使用されるレジスタ用フィンにおいて、装飾などを目的とした取付部材をフィン本体に取り付けたものがある(例えば、特許文献1など)。特許文献1に記載されたレジスタ用フィンは、フィン本体と、フィン本体に取り付けられた取付部材とを備えている。フィン本体は、一方向に長い板状をなしている。取付部材は、送風方向におけるフィン本体の下流側縁部に取り付けられ、下流側縁部に沿って延びている。取付部材は、フィン本体の下流側縁部を覆うように湾曲した形状をなしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許出願公開第102013107173号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したレジスタ用フィンでは、取付部材に形成した突部を、フィン本体に形成した挿入穴に挿入した状態で、突部と挿入穴とを超音波溶接によって結合している。このような構造のレジスタ用フィンでは、取付部材をフィン本体に強固に固定する技術が望まれている。
【0005】
本発明は、上記した課題を解消するためになされたものであり、フィン本体に対して取付部材を強固に固定できるレジスタ用フィンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本願は、レジスタのリテーナにおける相互に対向する一対の側壁の間に回動可能に設けられ、前記レジスタから外部に向かって吹き出される風の方向を変更するレジスタ用フィンであって、板状に形成されたフィン本体と、前記風の流れる方向である送風方向における前記フィン本体の下流側縁部に取り付けられる取付部材と、を備え、前記取付部材は、前記フィン本体の前記下流側縁部を覆う湾曲した形状をなし、前記下流側縁部は、前記送風方向における下流側の先端部に第1凹部を有し、前記第1凹部は、前記下流側縁部の前記先端部を凹設して形成され、前記下流側縁部と前記取付部材とは、前記第1凹部に充填された接着剤によって互いに固定され、前記下流側縁部は、前記送風方向における前記第1凹部の上流側に設けられる第2凹部と、前記第2凹部と前記第1凹部との間に設けられ、前記下流側縁部を凹設させた接続部と、を有し、前記第2凹部は、前記フィン本体の厚さ方向に前記下流側縁部を凹設して形成され、前記第1凹部に充填され前記第1凹部から溢れ出した接着剤が、前記接続部を介して前記第2凹部に充填される、レジスタ用フィンを開示する。
また、前記目的を達成するため本願は、レジスタのリテーナにおける相互に対向する一対の側壁の間に回動可能に設けられ、前記レジスタから外部に向かって吹き出される風の方向を変更するレジスタ用フィンであって、板状に形成されたフィン本体と、前記風の流れる方向である送風方向における前記フィン本体の下流側縁部に取り付けられる取付部材と、を備え、前記取付部材は、前記フィン本体の前記下流側縁部を覆う湾曲した形状をなし、前記下流側縁部は、前記送風方向における下流側の先端部に第1凹部を有し、前記第1凹部は、前記下流側縁部の前記先端部を凹設して形成され、前記下流側縁部と前記取付部材とは、前記第1凹部に充填された接着剤によって互いに固定され、前記取付部材は、複数のリブを有し、前記複数のリブは、前記取付部材の湾曲した内周面を接続する半円形状をなし、前記下流側縁部は、前記複数のリブの各々を挿入する複数のリブ挿入部を有し、前記複数のリブ挿入部は、第1リブ挿入部を有し、前記第1リブ挿入部と前記リブとの間の隙間は、前記第1リブ挿入部以外の前記リブ挿入部と前記リブとの間の隙間に比べて狭くなっている、レジスタ用フィンを開示する。
【発明の効果】
【0007】
本開示のレジスタ用フィンによれば、フィン本体の下流側縁部には、接着剤を充填する第1凹部が設けられる。取付部材は、第1凹部に充填された接着剤によってフィン本体に固定される。第1凹部に充填された接着剤は、取付部材の内周面に塗布される。また、取付部材をフィン本体に取り付けることで、第1凹部から溢れ出た接着剤は、下流側縁部の外周面と取付部材の内周面との間に広がる。これにより、フィン本体に対して取付部材を強固に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るレジスタの斜視図である。
図2】レジスタの正面図である。
図3図2に示すA-A線で切断した断面を示す断面図である。
図4】水平フィンを前方右上方から視た斜視図である。
図5】水平フィンを後方右上方から視た斜視図である。
図6】水平フィンの上面図である。
図7】水平フィンの正面図である。
図8】水平フィンの右側面図である。
図9】水平フィンの分解斜視図である。
図10】取付部材を後方右上方から視た斜視図である。
図11】取付部材の背面図である。
図12】フィン本体を前方右上方から見た斜視図である。
図13図6に示すB-B線で切断した断面を示す断面図、及びその一部拡大図である。
図14図6に示すC-C線で切断した断面を示す断面図である。
図15図6に示すD-D線で切断した断面を示す断面図、及びその一部拡大図である。
図16】取付部材を下流側縁部に取り付ける状態を示す図である。
図17図6に示すE-E線で切断した断面を示す断面図、及びその一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本願に係るレジスタ用フィンを具体化した実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、実施形態に係るレジスタ用フィンを具体化した水平フィン11を備えるレジスタ10の斜視図を示している。レジスタ10は、例えば、自動車の室内における前方に配置されたインスツルメントパネルに配置されるものであり、空調装置から供給される空気を車内へ吹き出すものである。レジスタ10は、例えば、合成樹脂(ポリブチレンテレフタレート(PBT)やABS樹脂など)により形成されている。図2は、レジスタ10の正面図を示している。以下の説明では、図1及び図2に示すように、レジスタ10を正面から視た使用者の方向を基準として、上下、左右、前後を規定して説明する。また、前後方向については、レジスタ10内を流れる空気の方向に基づいて、後方を上流側、前方を下流側という場合がある。
【0010】
図1及び図2に示すように、レジスタ10は、正面視において左右方向に長い略長方形状をなしており、リテーナ13と、ベゼル15とを備えている。リテーナ13は、筒状をなし、断面を略長方形状に形成された通風路13Aを内部に有する。ベゼル15は、リテーナ13の前面に取り付けられており、左右方向に長い略長方形状の空気吹出口15Aが形成されている。図3は、図2に示すA-A線で切断した断面を示している。図3に示すように、リテーナ13の内部には、レジスタ10を構成する各種の部品が収納されている。
【0011】
また、本実施形態のレジスタ10は、例えば、2つの水平フィン11,12を備えている。水平フィン11,12は、リテーナ13におけるベゼル15を取り付ける前端部分に設けられ、空気吹出口15A内に配置されている。水平フィン11は、本願のレジスタ用フィンの一例である。以下の説明では、図1図3に示すように、水平フィン11の前端の位置と後端の位置とを上下方向において揃えた状態(以下、ニュートラル状態という場合がある)の方向を基準として水平フィン11について説明する。
【0012】
図4図9に示すように、水平フィン11は、左右方向に長い略長方形の板状をなしている。水平フィン11は、フィン本体21と、取付部材31とを有する。フィン本体21は、上下方向において所定の厚みを有し、前後方向の幅を略一定としながら左右方向に延びている。取付部材31は、フィン本体21の前端、即ち、レジスタ10を流れる送風方向における下流側縁部61に取り付けられている。
【0013】
フィン本体21の前端である下流側縁部61には、一対の軸受け部61Aが設けられている。一対の軸受け部61Aの各々は、下流側縁部61における左右方向の端部の各々に設けられている。一対の軸受け部61Aの各々には、回動軸35(図3参照)を取り付け可能な軸挿入孔35Aが形成されている。なお、図4図9は、一対の回動軸35を軸挿入孔35Aから取り外した状態を示している。一対の回動軸35の各々は、例えば、金属製の円柱形状の棒である。一対の回動軸35の各々は、例えば、軸挿入孔35Aに挿入されることでフィン本体21に対して固定される。回動軸35の位置をより下流側にすると、水平フィン11の回動にともなって回動軸35に付与される力が増大する。これに対し、回動軸35を金属で形成することで軸の剛性を高めることができ、回動軸35をより下流側に配置することが可能となる。そして、水平フィン11の上下方向への振り幅をより拡大することができる。また、水平フィン11の前端部、即ち、下流側縁部61は、回動軸35をより下流側へ配置することで、上下方向へ振れない(移動しない)こととなる。回動軸35を下流側縁部61に配置することで、水平フィン11を上下方向へ振った場合の水平フィン11の前端部の回動を抑制できる。従って、空気吹出口15Aの外側から見た場合の水平フィン11(前端)の振れ幅を小さくし見栄えを良くすることができる。なお、回動軸35は、フィン本体21に一体成形される構成でも良い。従って、回動軸35は、フィン本体21と別部材でなくとも良い。例えば、回動軸35は、フィン本体21と一体形成れた樹脂性の軸でも良い。
【0014】
また、図3に示すように、リテーナ13は、左右方向で互いに対向する一対の側壁41を有している。水平フィン11は、左側の側壁41に保持される軸受部材43によって左側の回動軸35を回動可能に保持されている。また、水平フィン11は、右側の側壁41に保持される軸受部材44によって右側の回動軸35を回動可能に保持されている。これにより、水平フィン11は、リテーナ13によって上下方向へ回動可能に保持されている。
【0015】
左右方向における水平フィン11の略中央部には、操作ノブ17が取り付けられている。水平フィン11は、操作ノブ17を操作されることで、上下方向へ回動する。また、水平フィン11の右側の端面33には、連結軸37が形成されている。連結軸37は、回動軸35の後方に設けられている。連結軸37は、もう一つの水平フィン12(図1参照)の連結軸(図示略)と連結部材45により連結されている。これにより、水平フィン11,12は、連動して上下方向へ回動し、空気吹出口15Aから吹き出される空気の送風方向を上下方向に変更する。また、水平フィン11の右側の端面33には、規制軸39が形成されている。規制軸39は、連結軸37の後方に設けられている。水平フィン11は、規制軸39を軸受部材44に挿入することで上下方向への回動範囲を一定の範囲に規制されている。なお、水平フィン11は、規制軸39を備えなくとも良い。
【0016】
また、操作ノブ17は、水平フィン11に対して左右方向にスライド移動可能に設けられている。また、操作ノブ17は、水平フィン11の後方に設けられた複数の垂直フィン47の一つと連結されている。本実施形態のレジスタ10は、5つの垂直フィン47を備えている。操作ノブ17は、例えば、5つの垂直フィン47のうち、左右方向における中央の垂直フィン47と連結されている。また、複数の垂直フィン47は、リテーナ13によって左右方向へ回動可能に保持されている。複数の垂直フィン47は、連結部材49によって互いに連結され、連動して左右方向へ回動する。これにより、操作ノブ17を左右方向へスライドさせ複数の垂直フィン47を左右へ回動させることで、空気吹出口15Aから吹き出される空気の送風方向を左右方向へ変更することができる。
【0017】
図9及び図10に示すように、取付部材31は、円弧状に湾曲した湾曲部51と、突部52とを有している。取付部材31は、突部52を、フィン本体21に挿入した状態で、フィン本体21に対して固定されている。取付部材31は、例えば、レジスタ10の空気吹出口15Aから視た場合の水平フィン11の装飾性を高めるために、銀等によって全体をメッキされている。なお、取付部材31は、メッキを施されていない構成でも良く、メッキ以外の装飾を施された構成でも良い。
【0018】
図7に示すように、湾曲部51の上下方向の幅は、フィン本体21の上下方向の幅と略同一となっている。なお、図7は、水平フィン11の正面図であり、フィン本体21の形状を透過的に示している。湾曲部51の左右方向の長さは、フィン本体21の下流側縁部61(図9参照)の左右方向の長さと略同一となっている。図9及び図10に示すように、湾曲部51は、前方に向かって円弧状に突出した形状をなしており、フィン本体21の下流側縁部61を覆っている。突部52は、湾曲部51の湾曲した上側の先端部分における内周面51Aに形成されている。突部52は、前後方向に沿って後方へ向かって突出する板状をなしている。突部52は、上下方向に薄く、左右方向の幅を略一定としならが後方に向かって突出している。
【0019】
図10及び図11に示すように、突部52は、左右方向における取付部材31の略中央部に設けられている。突部52には、例えば、取付部材31を射出成形する際に、合成樹脂を流し込むゲート孔が形成されている。取付部材31を成形する合成樹脂を、左右方向(取付部材31の長手方向)における中央部に形成した突部52のゲート孔から左右方向の両側に向かって流すことで、ゲート孔からの樹脂流路の長さをより均等化できる。これにより、樹脂流動圧を低く保持しつつ、合成樹脂を良好な流動性をもって均等に行き渡らせることができる。取付部材31の成形性を向上させ、成形むらの発生を抑制できる。なお、突部52に形成するゲート孔は、メッキ等によって外部から視認することが困難となっている。また、突部52は、水平フィン11を組み立てた状態ではフィン本体21の挿入穴62(図9参照)に収納されるため、外部から見えない状態となる。これにより、水平フィン11の意匠性を向上できる。
【0020】
図9に示すように、フィン本体21の下流側縁部61には、突部52の位置に合わせて挿入穴62が形成されている。図6は、挿入穴62及び突部52を透過的に図示している。図6に示すように、挿入穴62は、左右方向の幅を突部52の大きさに合わせて形成され、フィン本体21を後方へ凹設して形成されている。挿入穴62に挿入された突部52は、左右方向において挿入穴62との間に僅かな隙間を設けて配置されている。
【0021】
また、図10及び図11に示すように、湾曲部51には、湾曲した上端の内周面51Aに4つの爪部53が形成されている。4つの爪部53は、左右方向において突部52を間に挟んで2個ずつ形成され、下方へ突出している。4つの爪部53は、左右方向において、略等間隔に並んでいる。また、湾曲部51には、湾曲した下端の内周面51Aに4つの爪部54が形成されている。4つの爪部54の各々は、爪部53と同一形状をなし、上方へ突出している。4つの爪部54は、上下方向において4つの爪部53の各々と対向する位置に配置されている。なお、爪部54は、爪部53とずれた位置に配置される構成でも良い。また、爪部54は、爪部53と異なる形状でも良い。
【0022】
図12に示すように、フィン本体21の下流側縁部61の上部には、爪部53の位置に合わせて被係合部63が形成されている。同様に、下流側縁部61の下部には、爪部54の位置に合わせて被係合部64(図13参照)が形成されている。図13は、図6のB-B線断面図であり、爪部53の位置で水平フィン11を切断した断面を示している。図13に示すように、下流側縁部61は、前面を円弧状に形成されており、湾曲部51の内部に収容された状態で取付部材31を取り付けられている。下流側縁部61の外周面61Bと湾曲部51の内周面51Aとは密着した状態となっている。被係合部63は、下流側縁部61を下方に凹設して形成されている。爪部53は、被係合部63に上方から挿入されている。同様に、爪部54は、被係合部64に下方から挿入されている。取付部材31は、複数の爪部53,54の各々を、フィン本体21の被係合部63,64の各々に係合させ、取り外れや位置ずれを抑制されている。なお、取付部材31は、爪部53,54を備えなくとも良く、フィン本体21は被係合部63,64を備えなくとも良い。
【0023】
また、図10及び図11に示すように、湾曲部51の内周面51Aには、4つの補強リブ55が形成されている。補強リブ55の各々は、湾曲部51の内部を埋めるように、内周面51Aを半周に渡って接続する薄い板状をなしている。補強リブ55を左右方向の一方から視た形状は、前方側へ突出する略半円形状をなしている。補強リブ55は、左右方向において爪部53,54とは異なる位置に形成されている。図12に示すように、下流側縁部61には、補強リブ55の位置に合わせてリブ挿入部65が形成されている。補強リブ55は、このリブ挿入部65に挿入される。リブ挿入部65は、左右方向の幅を一定とし、上下方向に下流側縁部61の一部を切り欠いて形成されている。
【0024】
図14は、図6のC-C線断面図であり、補強リブ55の位置で切断した断面を示している。図14に示すように、補強リブ55の後端(上流側端部)は、湾曲部51の後端の位置よりも前方側にずれた位置となっている。補強リブ55の後端と、フィン本体21とは、前後方向において所定の隙間を空けて配置されている。湾曲部51は、湾曲した形状の内側に補強リブ55を形成されることで、内側への倒れ込み(曲がり)を抑制される。
【0025】
また、本実施形態の4つのリブ挿入部65のうち、1つのリブ挿入部65は、他のリブ挿入部65に比べて溝の幅が狭くなっている。詳述すると、図6に示すように、右から2番目のリブ挿入部65の左右方向の幅W1は、他のリブ挿入部65の幅W2に比べて狭くなっている。右から2番目のリブ挿入部65以外の3つのリブ挿入部65は、幅W2で形成されている。換言すれば、4つのリブ挿入部65のうち、右から2番目のリブ挿入部65の幅W1は、他のリブ挿入部65の幅W2に比べて狭くなっている。幅W1は、補強リブ55の厚みと同一又は補強リブ55の厚みよりも若干だけ大きくなっている。このため、右から2番目のリブ挿入部65と補強リブ55との左右方向における隙間は、他のリブ挿入部65に比べて狭くなっている。右から2番目のリブ挿入部65と補強リブ55との隙間の大きさは、例えば、他のリブ挿入部65と補強リブ55との隙間の大きさの1/10倍になっている。これにより、右から2番目のリブ挿入部65に挿入された補強リブ55は、左右方向における位置ずれを抑制され、位置をほぼ固定される。
【0026】
ここで、フィン本体21に対する取付部材31の位置ずれを抑制する観点では、4つのリブ挿入部65の幅をすべて幅W1とし、4つのリブ挿入部65の全てで補強リブ55の位置を固定することが好ましい。しかしながら、4つのリブ挿入部65を全て幅W1で形成すると、フィン本体21に取付部材31を取り付ける際の位置決め精度が極めて高くなり、取り付け作業の作業効率が低下する。また、フィン本体21や取付部材31の熱膨張や収縮によってリブ挿入部65と補強リブ55の左右方向における互いの位置がずれる可能性がある。そこで、本実施形態の水平フィン11では、4つのリブ挿入部65のうち、1つのリブ挿入部65だけを補強リブ55の厚みに合わせた幅W1で形成している。また、フィン本体21に対する取付部材31の位置を合わせるためには、その基準となる位置は、左右方向における中央により近い方が好ましい。このため、幅W1のリブ挿入部65は、左右方向における内側(右から2番目)となっている。
【0027】
また、図10及び図11に示すように、湾曲部51の左右方向における両端の各々には、一対の薄肉部57が形成されている。一対の薄肉部57の各々は、下流側縁部61の軸受け部61A、即ち、回動軸35の位置に合わせて形成されている。図4及び図5に示すように、取付部材31は、湾曲部51によって軸受け部61A、即ち、回動軸35の基端部を覆うように取り付けられている。図3図6及び図9に示すように、軸受け部61Aは、左右方向の内側に比べて外側部分の軸径を大きくして形成されている。薄肉部57は、この軸受け部61Aの太くなる形状に合わせて薄く形成されている。図10に示すように、薄肉部57は、左右方向の内側から外側に向かって段階的により薄くなっている。薄肉部57は、湾曲した湾曲部51の半周に渡って、肉厚を薄くして形成されている。湾曲部51は、内周面51Aを凹設して薄肉部57が形成されている。薄肉部57を形成された部分の湾曲部51の外周面は、他の部分と同様に一定の曲率で形成されている。換言すれば、湾曲部51は、薄肉部57の位置において外周面の形状を変更せずに、内周面51Aを凹設して薄肉に形成されている。これにより、軸受け部61A(回動軸35の基端部)の軸径を確保でき、軸受け部61Aの剛性を高め、回動軸35を安定して保持できる。
【0028】
また、図12に示すように、下流側縁部61には、4つの第1凹部71が形成されている。4つの第1凹部71の各々は、下流側縁部61における下流側(前方側)の先端部に形成されている。本実施形態の4つの第1凹部71は、同一形状となっている。第1凹部71は、下流側縁部61の湾曲した先端面を凹設して形成されている。第1凹部71は、前方から後方に向かって下流側縁部61を凹設して形成されている。また、第1凹部71は、左右方向に延設された溝として形成されている。第1凹部71は、同一の溝幅で左右方向に沿って形成されている。
【0029】
図15は、図6のD-D線断面図であり、第1凹部71の位置で切断した断面を示している。図15に示すように、上下方向及び前後方向に沿った平面で切断した第1凹部71の断面形状は、上下方向における幅W3を、底部72A(図15の拡大図における左側)から開口72B(図15の拡大図における右側)に向かうに従って徐々に広げた形状となっている。下流側縁部61と取付部材31とは、第1凹部71に充填された接着剤73によって互いに固定されている。
【0030】
図16は、取付部材31を下流側縁部61に取り付ける状態を示している。例えば、図16に示すように、まず、第1凹部71内に接着剤73が充填される。接着剤73は、例えば、熱硬化性のエマストラーや熱可塑性のエマストラーである。接着剤73は、例えば、第1凹部71の開口72Bからノズルを挿入し、挿入したノズルからエマストラーを排出することで第1凹部71内に充填される。この際、第1凹部71の開口72Bを底部72Aに比べて広げておくことで、ノズルを第1凹部71に挿入し易くすることができる。また、第1凹部71に充填した接着剤73を底部72Aまで十分に充填することができる。接着剤73は、例えば、第1凹部71内を全部満たすまで充填される。そして、接着剤73を第1凹部71に充填した後、取付部材31を下流側縁部61に取り付ける。爪部53を被係合部63等に係合させ、取付部材31を下流側縁部61に取り付ける。これにより、下流側縁部61の外周面61Bと取付部材31の内周面51Aとは、接着剤73によって接着される。
【0031】
また、図15の拡大図に示すように、第1凹部71の各々の上流側には、一対の第2凹部75が形成されている。一対の第2凹部75は、下流側縁部61の基端部(後端部)に形成され、下流側縁部61を上下方向に沿って凹設して形成されている。一対の第2凹部75は、同一形状をなし、上下方向において対称な形状となっている。図12に示すように、第2凹部75は、上下方向の一方側から見た場合に、左右方向に沿った長方形状をなしている。第2凹部75は、例えば、左右方向に長い直方体形状をなしている。
【0032】
また、第2凹部75と第1凹部71との間には、他の部分に比べて下流側縁部61を凹設させた接続部77が形成されている。接続部77の左右方向における幅W4は、第1凹部71の幅と同一となっている。また、第2凹部75の左右方向における幅は、接続部77の幅W4に比べて長くなっている。第1凹部71に充填された接着剤73の一部は、取付部材31をフィン本体21に取り付けることで、第1凹部71から溢れ出し外周面61Bと内周面51Aとの間に塗れ広がって行く。接着剤73は、接続部77を通り第2凹部75内へ流れ込む(図15参照)。換言すれば、外周面61Bと内周面51Aとの間に濡れ広がって溢れた接着剤73が、第2凹部75内へと流れ込む。これにより、第1凹部71内へ接着剤73を、ある程度の余裕をもって充填することができ、接着剤73を十分に濡れ広げることができる。
【0033】
また、図15の拡大図に示すように、一対の第2凹部75は、上下方向において、連結部79を間に挟んで形成されている。連結部79の上下方向の厚みは、例えば、射出成形における最小厚さ、あるいは最小厚さ以下の厚みである。一対の第2凹部75の各々は、例えば、上方側と下方側のそれぞれの金型を、上下方向で合わせて形成される。連結部79の位置は、2つの金型のパーティングライン(PL)の位置となる。上下方向で対向する一対の金型の間に若干の隙間を設けることで、射出成形時の金型の衝突を抑制できる。また、一対の金型の間に隙間を設けることで、その隙間に樹脂が流れ込んだ場合、連結部79が形成される。
【0034】
また、図12に示すように、左右方向における第1凹部71の両側には、一対の第3凹部81が形成されている。一対の第3凹部81は、同一形状をなし、第1凹部71と連通している。第3凹部81は、下流側縁部61の湾曲した先端面を凹設して形成されている。第3凹部81は、前方から後方に向かって下流側縁部61を凹設して形成されている。第3凹部81は、左右方向に沿って形成された溝である。図17は、図6のE-E線断面図であり、第3凹部81の位置で切断した断面を示している。図17に示すように、上下方向及び前後方向に沿った平面で切断した第3凹部81の断面形状は、上下方向における幅W5を、底部82A(図17の拡大図における左側)から開口82B(図17の拡大図における右側)に向かうに従って徐々に広げた形状となっている。第3凹部81の幅W5は、第1凹部71の幅W3に比べて短くなっている。従って、第3凹部81は、第1凹部71と同様に開口82B側を広げた形状であるが、第1凹部71よりも狭い溝で形成されている。
【0035】
第1凹部71に充填された接着剤73の一部は、取付部材31をフィン本体21に取り付けることで、第1凹部71から溢れ出し、第1凹部71の両側から第3凹部81内へ流れ込む。換言すれば、第1凹部71内へ接着剤73を、ある程度の余裕をもって充填することができる。また、第1凹部71から左右方向の外側へ流れ出た接着剤73が、リブ挿入部65内などへ流れ込むのを抑制できる。即ち、意図しない箇所に接着剤73が塗布されることを抑制できる。このようにして、本実施形態の水平フィン11では、第1凹部71に充填した接着剤73によってフィン本体21と取付部材31を強固に固定できる。
【0036】
因みに、水平フィン11は、レジスタ用フィンの一例である。補強リブ55は、リブの一例である。
【0037】
上記した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態の水平フィン11は、板状に形成されたフィン本体21と、風の流れる方向である前後方向(送風方向の一例)におけるフィン本体21の下流側縁部61に取り付けられる取付部材31と、を備える。取付部材31は、フィン本体21の下流側縁部61を覆う湾曲した形状をなしている。下流側縁部61は、前後方向における前方側(下流側)の先端部に第1凹部71を有する。第1凹部71は、下流側縁部61の先端部を凹設して形成されている。下流側縁部61と取付部材31とは、第1凹部71に充填された接着剤73によって互いに固定されている。
【0038】
これによれば、フィン本体21の下流側縁部61には、接着剤73を充填する第1凹部71が設けられる。取付部材31は、第1凹部71に充填された接着剤73によってフィン本体21に固定される。第1凹部71に充填された接着剤73は、取付部材31の内周面51Aに塗布される。また、取付部材31をフィン本体21に取り付けることで、第1凹部71から溢れ出た接着剤73は、下流側縁部61の外周面61Bと取付部材31の内周面51Aとの間に広がる。これにより、フィン本体21に対して取付部材31を強固に取り付けることができる。
【0039】
(2)また、下流側縁部61は、第1凹部71の上流側に設けられる第2凹部75を有する。第2凹部75は、フィン本体21の厚さ方向(上下方向)に下流側縁部61を凹設して形成される。これによれば、第1凹部71の上流側には、第2凹部75が設けられる(図15の拡大図参照)。第1凹部71から溢れ出た接着剤73は、下流側縁部61の外周面61Bと取付部材31の内周面51Aとの間を流れた後、第2凹部75に流れ込む。このため、下流側縁部61と取付部材31との間から溢れ出た接着剤73を、第2凹部75に流し込むことができる。換言すれば、下流側縁部61と取付部材31との間に接着剤73を十分に塗り広げ、余った接着剤73を第2凹部75に流し込むことができ、接着効果を高めることができる。
【0040】
(3)また、フィン本体21は、左右方向(一方向の一例)に長い板状に形成されている。下流側縁部61は、フィン本体21の長手方向における第1凹部71の両側に、一対の第3凹部81をそれぞれ有する。一対の第3凹部81の各々は、下流側縁部61を凹設して形成され、第1凹部71よりも狭い幅W5の溝で形成される。これによれば、第1凹部71の両側には、第3凹部81が設けられる。第1凹部71から溢れ出た接着剤73は、第3凹部81に流れ込む。このため、下流側縁部61に取付部材31を取り付けることで第1凹部71から溢れ出た接着剤73を、第3凹部81に流し込み、第3凹部81よりも外側(左右方向の外側など)へ流れ出るのを抑制できる。これにより、溢れ出た接着剤73が、長手方向における第1凹部71の外側(リブ挿入部65内など)に回り込むなどして、接着剤73が意図しない部分に塗布されるのを抑制できる。
【0041】
(4)また、第1凹部71は、フィン本体21の厚さ方向における幅W3を、底部72Aから開口72Bに向かうに従って徐々に広げて形成されている(図15の拡大図参照)。第1凹部71の開口72Bの幅が狭いと、第1凹部71の開口72Bから接着剤73を充填しても底部72Aまで十分に接着剤73が流れない可能性がある。そこで、第1凹部71を底部72Aから開口72Bに向かうに従って徐々に広がる形状にする、即ち、開口72Bを大きく広げることで、接着剤73を底部72Aまで流れ易くすることができる。これにより、接着効果を高めることができる。
【0042】
(5)また、取付部材31は、複数の補強リブ55を有する。複数の補強リブ55は、取付部材31の湾曲した内周面51Aを接続する半円形状をなしている。下流側縁部61は、複数の補強リブ55の各々を挿入する複数のリブ挿入部65を有する。複数のリブ挿入部65は、第1リブ挿入部(上記実施形態では右から2番目のリブ挿入部65)を有する。右から2番目のリブ挿入部65と補強リブ55との間の隙間は、他のリブ挿入部65と補強リブ55との間の隙間に比べて狭くなっている。
【0043】
これによれば、右から2番目のリブ挿入部65と補強リブ55との間の隙間は、他のリブ挿入部65に比べて狭くなっている。このため、右から2番目のリブ挿入部65に挿入された補強リブ55は、他の補強リブ55に比べて移動範囲を規制される。これにより、フィン本体21に対する取付部材31の位置ズレを抑制することができる。一方で、全てのリブ挿入部65と補強リブ55との隙間を狭くすると、取付作業におけるリブ挿入部65と補強リブ55との位置合わせが難しくなり作業効率が低下する虞がある。このため、複数のリブ挿入部65のうち1つだけを狭くすることで、取付作業の効率の低下を抑制しつつ、取り付けた後の位置ズレを抑制することができる。
【0044】
(6)また、フィン本体21は、左右方向(一方向の一例)に長い板状に形成され、長手方向における両端面の各々に設けられる一対の回動軸35を有する。一対の回動軸35の各々は、両側の端面33の各々から長手方向における外側に向かって突出し、リテーナ13により支持されている。取付部材31は、フィン本体21の長手方向に沿って延設され、長手方向の両側の各々に形成された一対の薄肉部57を有する。一対の薄肉部57は、一対の回動軸35の各々に対応する位置に形成され、取付部材31の他の部分に比べて厚みを薄くして形成される。
【0045】
これによれば、取付部材31は、回動軸35の位置に合わせて薄肉部57を形成され、厚みが薄くなっている。これにより、一対の回動軸35は、取付部材31に覆われる部分において、取付部材31を薄くした分だけ軸径を大きくすることができる。回動軸35の太さを確保し、回動軸35の剛性を高めることができる。
【0046】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記したレジスタ10の各部材の形状、形成する位置、形成する数は、一例である。例えば、第1凹部71は、4つでなく1つ、2つ、3つ、又は5以上の個数でも良い。また、4つの第1凹部71は、同一形状でなくとも良い。また、リブ挿入部65は、4つでなく1つ、2つ、3つ、又は5以上の個数でも良い。
また、第1凹部71を形成する位置は、下流側縁部61の先端部(前面)でなくとも良い。例えば、下流側縁部61の先端部における上部や下部でも良い。
また、レジスタ10は、第2凹部75を備えなくとも良い。
また、レジスタ10は、第3凹部81を備えなくとも良い。
【0047】
また、第1凹部71は、幅W3を底部72Aから開口72Bに向かうに従って徐々に広げる形状であったが、これに限らない。例えば、第1凹部71は、底部72Aから開口72Bまでの幅W3を一定とする直方体形状の溝でも良く、底部72Aから開口72Bに向かうに従って幅W3を狭める形状の溝でも良い。
また、上記実施形態では、4つのリブ挿入部65のうち、右から2番目のリブ挿入部65の幅W1を、他のリブ挿入部65の幅W2に比べて狭くしたが、これに限らない。例えば、4つのリブ挿入部65の幅を同一にしても良い。また、4つのリブ挿入部65のうち、2つのリブ挿入部65の幅を幅W1にしても良い。また、全てのリブ挿入部65を同一形状にし、4つの補強リブ55のうち、1つの補強リブ55の左右方向の厚みを、他の補強リブ55に比べて厚くしても良い。即ち、リブ挿入部65側を同一形状にし、補強リブ55の形状を変更することで、リブ挿入部65と補強リブ55との間の隙間を調整しても良い。
また、取付部材31は、薄肉部57を備えなくとも良い。
【符号の説明】
【0048】
10 レジスタ、11 水平フィン(レジスタ用フィン)、13 リテーナ、21 フィン本体、31 取付部材、33 端面、41 側壁、55 補強リブ(リブ)、57 薄肉部、61 下流側縁部、65 リブ挿入部、71 第1凹部、72A 底部、72B 開口、73 接着剤、75 第2凹部、81 第3凹部、W3 幅、W5 幅。
図1
図2
図3
図4
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図10
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