(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230323BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
(21)【出願番号】P 2019003701
(22)【出願日】2019-01-11
【審査請求日】2021-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】和佐田 裕矢
(72)【発明者】
【氏名】折原 健介
【審査官】森川 能匡
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-126403(JP,A)
【文献】特開2018-042658(JP,A)
【文献】特開2011-229677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入可能な第1進入領域及び第2進入領域と、
前記第1進入領域又は前記第2進入領域への遊技球の進入を契機として、所定の抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段による抽選の結果に基づいて所定の遊技利益を付与可能な遊技利益付与手段と、
遊技状態を、前記第2進入領域へ遊技球が進入する割合が相対的に低い第1遊技状態、又は前記第2進入領域へ遊技球が進入する割合が相対的に高い第2遊技状態とすることが可能であるとともに、前記第2遊技状態において所定条件が成立することに基づき、当該第2遊技状態を終了し前記第1遊技状態とすることが可能な遊技状態制御手段と、を備え、
前記所定条件として、
前記第1進入領域への遊技球の進入を契機とした前記抽選に関する第1条件と、
前記第2進入領域への遊技球の進入を契機とした前記抽選に関する第2条件と、が少なくとも設けられ、
前記所定の遊技利益には、第1遊技利益と、前記第1遊技利益よりも得られる利益が多い第2遊技利益と、を含み、
前記第1遊技状態においては前記第1進入領域への遊技球の進入に基づいて遊技が進行し、前記第2遊技状態においては前記第1進入領域又は前記第2進入領域への遊技球の進入に基づいて遊技が進行するとともに、
前記第1進入領域への遊技球の進入を契機として行われる
前記抽選の
方が、前記第2進入領域への遊技球の進入を契機として行われる
前記抽選
よりも前記第2遊技利益が付与される確率が高いことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、始動入賞口への遊技球の入球を条件に大当たりの抽選が行われ、この大当たりの抽選により大当たりに当選したことを条件として、多くの賞球を獲得可能な特別遊技が実行される(遊技利益が付与される)ものが知られている。
また、近年では、遊技性を向上させるために、大当たりの抽選により大当たりの当選及び小当たりの当選の結果が得られるとともに、小当たりに当選した場合には特別領域を備えた大入賞口が開放される小当たり遊技が実行されるように設定され、大当たりに当選した場合、又は、小当たり遊技中に特別領域へ遊技球が入球した場合に、上述の特別遊技が実行される遊技機も考案されている(特許文献1参照)。
このような遊技機においては、始動入賞口として、第1の始動入賞口と、開状態又は閉状態に変化可能な第2の始動入賞口とを備え、第2の始動入賞口へ遊技球が入球した場合に高い確率で小当たりに当選するように設定されるとともに、遊技状態として、第2の始動入賞口が相対的に開状態に維持され難い非時短遊技状態、及び、第2の始動入賞口が相対的に開状態に維持され易い時短遊技状態を備えるように設定されている。そして、時短遊技状態においては、遊技者に第2の始動入賞口へ遊技球の入球を狙わせて、小当たりの当選に基づく特別遊技の実行を目指すような遊技が行われるようになっている。
また、時短遊技状態は、大当たりの抽選の回数が所定回数に到達すると終了するように設定されていることが一般的である。そのため、遊技者は、大当たりの抽選の回数が所定回数に到達するまで時短遊技状態が継続するという安心感を抱きながら遊技を進行させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のような遊技機においては、常に同一の条件により時短遊技状態が終了するようになっており、時短遊技状態における遊技性のバリエーションに欠け、時短遊技状態に対する遊技者の興趣を十分に高めることができないとの問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、特定の遊技状態における遊技性のバリエーションを豊富にするとともに、当該特定の遊技状態に対する遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
【0007】
(1)本発明は、遊技球が流下可能な遊技領域と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入可能な第1進入領域及び第2進入領域と、前記第1進入領域又は前記第2進入領域への遊技球の進入を契機として、所定の抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段による抽選の結果に基づいて所定の遊技利益を付与可能な遊技利益付与手段と、遊技状態を、前記第2進入領域へ遊技球が進入する割合が相対的に低い第1遊技状態、又は前記第2進入領域へ遊技球が進入する割合が相対的に高い第2遊技状態とすることが可能であるとともに、前記第2遊技状態において所定条件が成立することに基づき、当該第2遊技状態を終了し前記第1遊技状態とすることが可能な遊技状態制御手段と、を備え、前記所定条件として、前記第1進入領域への遊技球の進入を契機とした前記抽選に関する第1条件と、前記第2進入領域への遊技球の進入を契機とした前記抽選に関する第2条件と、が少なくとも設けられ、前記所定の遊技利益には、第1遊技利益と、前記第1遊技利益よりも得られる利益が多い第2遊技利益と、を含み、前記第1遊技状態においては前記第1進入領域への遊技球の進入に基づいて遊技が進行し、前記第2遊技状態においては前記第1進入領域又は前記第2進入領域への遊技球の進入に基づいて遊技が進行するとともに、前記第1進入領域への遊技球の進入を契機として行われる前記抽選の方が、前記第2進入領域への遊技球の進入を契機として行われる前記抽選よりも前記第2遊技利益が付与される確率が高いことを特徴とする遊技機である。
【0008】
本発明に係る遊技機によれば、第2進入領域への遊技球の進入のみならず第1進入領域への遊技球の進入に基づいても、第2進入領域へ遊技球が進入する割合が相対的に高い第2遊技状態が終了するようになっているとともに、第1進入領域への遊技球の進入に基づいて付与可能な遊技利益と第2進入領域への遊技球の進入に基づいて付与可能な遊技利益とは少なくとも一部が異なることから、第2遊技状態においては、遊技者に、第2進入領域への遊技球の入球のみに基づく遊技、第1進入領域への遊技球の入球のみに基づく遊技、第1進入領域及び第2進入領域の両方への遊技球の入球に基づく遊技等、種々のバリエーションに富んだ遊技性を提供できることとなる。これにより、特定の遊技状態(第2遊技状態)における遊技性のバリエーションを豊富にするとともに、当該特定の遊技状態に対する遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、特定の遊技状態における遊技性のバリエーションを豊富にするとともに、当該特定の遊技状態に対する遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
【
図4】パチンコ機の第1大入賞口内部の正面図である。
【
図5】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】パチンコ機の大当たり乱数判定テーブルの説明図である。
【
図7】パチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。
【
図8】パチンコ機の第1特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図9】パチンコ機の第2特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図10】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
【
図11】パチンコ機の前半変動パターンコマンド決定テーブルの説明図である。
【
図12】パチンコ機の後半変動パターンコマンド決定テーブルの説明図である。
【
図13】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図14】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
【
図15】パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
【
図16】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図17】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図18】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図19】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図20】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図21】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図22】パチンコ機の主制御基板における特別領域検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図23】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図24】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図25】パチンコ機の主制御基板における変動パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図26】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図27】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図28】パチンコ機の主制御基板における小当たり遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図29】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図30】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図31】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図32】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図33】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図34】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図35】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図36】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図37】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、
図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動する第1アタッカー装置17及び第2アタッカー装置54と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21とが設けられている。なお、
図3においては、一部の釘のみを示しており、他の釘については省略している。
【0020】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
第1始動入賞口15は、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられており、第2始動入賞口16は、
図3に示すように、第1始動入賞口15の下方に設けられている。そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1遊技領域12aを流下する遊技球、及び、第2遊技領域12bを流下する遊技球のいずれもが、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16のいずれへも入球可能となっている(
図3参照)。
【0022】
また、第2始動入賞口16には、
図3に示すように、左右に開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材(
図3参照)や、遊技盤11と水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
【0023】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、大当たりの抽選が行われ、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、特別遊技の実行契機となる小当たり遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を得られるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は3個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
【0024】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球の打ち出し方によって第1始動入賞口15への遊技球の入球又は第2始動入賞口16への遊技球の入球を狙い撃ちすることができないように、風車や釘等の各種構造物が配置されている。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1遊技領域12a又は第2遊技領域12bのいずれに向けて遊技球を打ち出す場合であっても、意図的に第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16の一方のみに遊技球を入球させるようなことはできないようになっている。
なお、第2始動入賞口16が開状態となっているときには、上述の如く、可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するように機能することから、第1始動入賞口15よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすいようになっている。
【0025】
ゲート20は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の左上方(第1遊技領域12aにおける中央位置よりも上側)に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0026】
第1アタッカー装置17は、
図3に示すように、ゲート20の直下(第1遊技領域12aにおける中央位置よりもやや上側)に設けられている。この第1アタッカー装置17は、遊技球が入球可能な第1大入賞口18と、この第1大入賞口18を開閉する第1開閉扉18bと、を備えている。常態においては、第1開閉扉18bが閉じられ第1大入賞口18は閉鎖されているため、当該第1大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の小当たり遊技が実行されると、第1開閉扉18bが開き第1大入賞口18が開放されるとともに、第1開閉扉18bが遊技球を第1大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、第1大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
そして、第1大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では1個)の賞球が払い出される。
また、
図3に示すように、この第1大入賞口18へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。また、特に図示していないが、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ全て第1大入賞口18へ到達可能となるように、釘や風車等が配置されている。したがって、第1大入賞口18が開状態となっている限りにおいて遊技球を打ち出し続けていれば、遊技球は第1大入賞口18へ入球するようになっている。
【0027】
さらに、
図4(a)及び(b)に示すように、第1アタッカー装置17内部には、第1大入賞口18へ入球した遊技球が左方へ向けて転動可能な転道路51が設けられている。この転道路51は、転動方向の所定位置において上側通路52と下側通路53とに分岐しており、上側通路52の末端には第1大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な一般領域58が設けられ、下側通路53の末端には第1大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な特別領域57が設けられている(
図4(a)及び(b)参照)。
【0028】
また、
図4(a)及び(b)に示すように、上側通路52と下側通路53とに分岐する位置には、遊技球を上側通路52又は下側通路53のいずれかに振り分ける振り分け部材59が設けられている。この振り分け部材59は、遊技盤11に直交する軸を中心に回動可能であって、上側通路52への進路を開放し下側通路53への進路を塞ぐ第1位置と、上側通路52への進路を塞ぎ下側通路53への進路を開放する第2位置との間を変位可能となっている。そして、第1大入賞口18へ入球した遊技球は、振り分け部材59が第1位置に位置しているときには上側通路52へ進み一般領域58へ進入し、振り分け部材59が第2位置に位置しているときには下側通路53へ進み特別領域57へ進入する。
また、振り分け部材59は、常態においては第1位置に位置しているものの、小当たり遊技中は第2位置に変位する。したがって、小当たり遊技中は、第1遊技領域12aに向けて遊技球を打ち出していれば、第1大入賞口18へ遊技球が入球し、この第1大入賞口18へ入球した遊技球は必ず特別領域57へ進入するようになっている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入すると、特別遊技の実行が決定され、特別遊技が開始されるようになっている。
【0029】
第2アタッカー装置54は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。この第2アタッカー装置54は、遊技球が入球可能な第2大入賞口55と、この第2大入賞口55を開閉する第2開閉扉55bと、を備えている。常態においては、第2開閉扉55bが閉じられ第2大入賞口55は閉鎖されているため、当該第2大入賞口55への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が開始されると、第2開閉扉55bが開き第2大入賞口55が開放されるとともに、第2開閉扉55bが遊技球を第2大入賞口55へ導く受皿部材として機能することにより、第2大入賞口55への遊技球の入球が可能となる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、
図3に示すように、第1遊技領域12aを流下する遊技球及び第2遊技領域12bを流下する遊技球はいずれも、第2大入賞口55へ入球できるようになっている。
そして、当該第2大入賞口55へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
【0030】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、第1大入賞口18及び第2大入賞口55のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0031】
演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により、後述する大当たりや小当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0032】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(
図2参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
【0033】
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21により所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、変動演出等の各種演出が進行したり、異なる表示に切り替わったりするようになっている。
【0034】
また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0035】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0036】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、
図5に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
【0037】
また、
図5に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0038】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0039】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技、遊技者にとって有利な特別遊技、特別遊技の実行契機となる小当たり遊技等を制御する。
この主制御基板100は、
図5に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0040】
また、
図5に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、第1大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出センサ18aと、第2大入賞口55へ遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出センサ55aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、特別領域57へ遊技球が進入したことを検出する特別領域検出センサ57aと、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
なお、主制御基板100に接続されるセンサはこれらに限定されるものではなく、たとえば、一般領域58へ遊技球が進入したことを検出する一般領域検出センサ等も設けてもよい。
【0041】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、第1大入賞口18の第1開閉扉18bを開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド18cと、第2大入賞口55の第2開閉扉55bを開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド55cと、振り分け部材59を変位する振り分け部材ソレノイド59cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16、第1大入賞口18、第2大入賞口55の開閉制御や振り分け部材59の変位制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
【0042】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0043】
図5に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0044】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。また、球送りソレノイド60及び発射モータ61が通電されている間は、0.6秒間隔(すなわち、1分間に100球の発射ペース)で遊技球が連続して発射されるようになっている。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0045】
また、発射払出制御基板200には、
図5に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0046】
さらに、発射払出制御基板200には、
図5に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0047】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
【0048】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
【0049】
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。
図5に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0050】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0051】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図5に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0052】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。さらに、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
【0053】
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM、画像RAM等を備えている。この画像制御基板のROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0054】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0055】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0056】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかが設定されるようになっている。
【0057】
ここで、非時短遊技状態及び時短遊技状態は、第2始動入賞口16への遊技球の入球の難易度がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも、可動片16bが開いた状態に維持されやすい(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすい)ように設定されている。すなわち、非時短遊技状態中よりも時短遊技状態中のほうが、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすくなっている。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、非時短遊技状態が設定されるようになっている。
【0058】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われ、特別図柄が決定される。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、第2大入賞口55が開放され当該第2大入賞口55へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行される。
また、上述の大当たりの抽選によって小当たりに当選すると、第1大入賞口18が開放されるとともに、当該第1大入賞口18へ遊技球を入球可能な小当たり遊技が実行される。そして、この小当たり遊技において、遊技球が第1大入賞口18へ入球し、この第1大入賞口18へ入球した遊技球が特別領域57へ進入した場合にも上述の特別遊技が実行される。
さらに、特別遊技が終了すると、当該特別遊技の終了後の遊技状態がいずれかの遊技状態(すなわち、非時短遊技状態又は時短遊技状態)に設定されるようになっている。すなわち、特別遊技の終了後は、いずれかの遊技状態へ移行するようになっている。
【0059】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、ゲート20の通過、第1始動入賞口15への入球、第2始動入賞口16への入球、第1大入賞口18への入球、第2大入賞口55への入球が可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球、第2始動入賞口16への入球、第1大入賞口18への入球、第2大入賞口55への入球が可能となっている。
そして、小当たり遊技中は、遊技球が第1大入賞口18へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせるようになっている。これに対して、小当たり遊技中以外(非時短遊技状態中、時短遊技状態中、特別遊技中)においては遊技球の打ち出し方向は特に定められておらず、遊技者は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し及び第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)のいずれも行うことができるようになっている。
具体的には、小当たり遊技中は、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われるものの、小当たり遊技中以外では、演出表示装置21において遊技球を打ち出す方向を指示する表示は行われない。
【0060】
また、大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係る乱数として、大当たりの抽選の結果の判定に用いられる大当たり乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数、並びに、後述する変動パターンコマンドの決定に用いられる第1変動パターン乱数及び第2変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動パターンコマンドは、大当たりの抽選の結果を報知する際に実行される変動演出のパターン(変動時間、態様)を決定するためのものである。変動パターンコマンドの決定に用いられる乱数は上述のものに限定されず、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、上述の乱数のうちいずれか1の乱数を用いてもよい。
【0061】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1記憶部から第8記憶部までの計8つの記憶部から構成されており、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を計8組記憶可能となっている。
【0062】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1特図乱数及び第2特図乱数は、各始動入賞口への入球順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。たとえば、いずれの記憶部にも乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15→第1始動入賞口15→第2始動入賞口16の順に、遊技球が入球した場合には、1番目の第1始動入賞口15への入球に係る第1特図乱数が第1記憶部に記憶され、2番目の第1始動入賞口15への入球に係る第1特図乱数が第2記憶部に記憶され、3番目の第2始動入賞口16への入球に係る第2特図乱数が第3記憶部に記憶されることとなる。
また、既にいくつかの記憶部に上述の乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に上述の乱数が記憶されるようになっている。
【0063】
ただし、保留記憶領域に記憶可能な第1特図乱数の組数及び第2特図乱数の組数は、それぞれ4組までとなっている。そのため、保留記憶領域に既に4組の第1特図乱数が記憶されている場合に、第1始動入賞口15へ遊技球が入球しても、この入球に係る第1特図乱数は保留記憶領域に記憶されない。同様に、保留記憶領域に既に4組の第2特図乱数が記憶されている場合に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しても、この入球に係る第2特図乱数は保留記憶領域に記憶されない。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」という場合があり、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」という場合がある。
【0064】
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選の結果を判定するための大当たり乱数判定テーブル110、特別図柄の種別を決定するための特別図柄乱数判定テーブル111、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を制御するための第1特別電動役物作動テーブル112、大当たりに当選した場合や小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入した場合に実行される特別遊技を制御するための第2特別電動役物作動テーブル113、特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブル114、及び、変動パターンコマンドを決定するための変動パターンコマンド決定テーブルを有している。
なお、大当たりの抽選等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0065】
大当たり乱数判定テーブル110は、上述の如く、大当たりの抽選の結果(大当たり、小当たり又はハズレ)を判定するためのものであって、
図6(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数(すなわち、第1始動入賞口15への遊技球の入球を契機に取得された大当たり乱数)に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照される第1大当たり乱数判定テーブル110aと、第2特図乱数(すなわち、第2始動入賞口16への遊技球の入球を契機に取得された大当たり乱数)に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照される第2大当たり乱数判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり乱数が取得される。そして、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1大当たり乱数判定テーブル110a又は第2大当たり乱数判定テーブル110bのいずれかの大当たり乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり乱数と選択された大当たり乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選の結果が判定される。
【0066】
図6(a)に示すように、第1大当たり乱数判定テーブル110aによれば、大当たり乱数が1000~1204であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、1205~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1大当たり乱数判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/319となる。
【0067】
また、
図6(b)に示すように、第2大当たり乱数判定テーブル110bによれば、大当たり乱数が1000~1204であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1205~7161であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、7162~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2大当たり乱数判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/319、小当たりの当選確率はおよそ1/11となる。
すなわち、第1大当たり乱数判定テーブル110a及び第2大当たり乱数判定テーブル110bのいずれにおいても、大当たりの当選確率は同一に設定されている。また、第2大当たり乱数判定テーブル110bにおいては小当たりに当選する(小当たりの判定結果が得られる)ものの、第1大当たり乱数判定テーブル110aにおいては小当たりに当選しない(小当たりの判定結果が得られない)ように設定されている。
なお、第1大当たり乱数判定テーブル110aにおいても小当たりに当選するようにしてもよい。
【0068】
特別図柄乱数判定テーブル111は、上述の如く、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図7(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりの判定結果が得られた場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0069】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの判定結果が得られた(すなわち、大当たりに当選した)場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として2種類の特別図柄(X1、X2)が設けられており、小当たりの判定結果が得られた(すなわち、小当たりに当選した)場合に決定される特別図柄(以下、小当たり図柄という)として3種類の特別図柄(Y1、Y2、Y3)が設けられており、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Z1、Z2)が設けられている。
【0070】
図7(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、大当たりの判定結果が得られた場合において、特別図柄乱数が0~99であったときに大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が100~199であったときに大当たり図柄X2が決定される。
すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、大当たり図柄X1が決定される確率及び大当たり図柄X2が決定される確率はいずれも50%となっている。
【0071】
また、
図7(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、大当たりの判定結果が得られた場合において、特別図柄乱数が0~199であったときに大当たり図柄X1が決定される。また、小当たりの判定結果が得られた場合において、特別図柄乱数が0~79であったときに小当たり図柄Y1が決定され、特別図柄乱数が80~139であったときに小当たり図柄Y2が決定され、特別図柄乱数が140~199であったときに小当たり図柄Y3が決定される。
すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、大当たりの判定結果が得られた場合に大当たり図柄X1が決定される確率は100%、小当たりの判定結果が得られた場合に小当たり図柄Y1が決定される確率は40%、小当たり図柄Y2が決定される確率は30%、小当たり図柄Y3が決定される確率は30%となっている。
【0072】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の判定において、ハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の判定において、ハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z2が決定される。
すなわち、特別図柄乱数判定テーブル111は、大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合にのみ参照され、ハズレの判定結果が得られた場合には参照されないようになっている。
なお、第1特図乱数に基づいてハズレの判定結果が得られた場合に参照される特別図柄乱数判定テーブル111、第2特図乱数に基づいてハズレの判定結果が得られた場合に参照される特別図柄乱数判定テーブル111をそれぞれ設け、ハズレの場合にも、当該特別図柄乱数判定テーブル111及び特別図柄乱数に基づいて、ハズレ図柄を決定するようにしてもよい。
【0073】
第1特別電動役物作動テーブル112は、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を制御するためのものであり、小当たり遊技の実行中に第1大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである(
図8参照)。
具体的には、小当たりに当選する(すなわち、小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定される)と、第1特別電動役物作動テーブル112を参照して小当たり遊技が実行される。この第1特別電動役物作動テーブル112によれば、第1大入賞口18の2.9秒の開放が2回行われ、この第1大入賞口18の開放中に8個の遊技球が入球すると第1大入賞口18は閉鎖する。そして、上述の如く、小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入すると、小当たり遊技の終了後に特別遊技が実行される。
【0074】
第2特別電動役物作動テーブル113は、上述の如く、大当たりに当選した場合や小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に第2大入賞口ソレノイド55cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図9(a)~(c)に示すように、第2特別電動役物作動テーブル113として、大当たり図柄X1の決定、大当たり図柄X2の決定又は小当たり図柄Y1の決定を条件に実行される特別遊技において参照される第1作動テーブル113aと、小当たり図柄Y2の決定を条件に実行される特別遊技において参照される第2作動テーブル113bと、小当たり図柄Y3の決定を条件に実行される特別遊技において参照される第3作動テーブル113cと、が設けられている。
【0075】
具体的には、大当たり図柄X1が決定された場合、大当たり図柄X2が決定された場合、又は、小当たり図柄Y1の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域57へ進入した場合には、
図9(a)に示す第1作動テーブル113aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル113aによれば、第2大入賞口55が29.0秒開放するか又は第2大入賞口55に8個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が16回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、第2大入賞口55は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に第2大入賞口55が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
この特別遊技においては、各ラウンド遊技中に遊技球を第2大入賞口55へ入球させることができるため、所定個数の期待値の賞球(1920個=15個×8個×16ラウンド)を獲得可能となっている。
【0076】
また、小当たり図柄Y2の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域57へ進入した場合には、
図9(b)に示す第2作動テーブル113bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル113bによれば、上述の第1作動テーブル113aと同一の条件で終了するラウンド遊技が8回実行される。また、1回のラウンド遊技における第2大入賞口55の開放回数、インターバル時間も、第1作動テーブル113aと同一の内容となっている。
この特別遊技におけるラウンド遊技の実行回数は、大当たり図柄X1、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1に係る特別遊技のラウンド遊技の実行回数よりも少ないため、獲得可能な賞球の期待値(960個=15個×8個×8ラウンド)は、大当たり図柄X1、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1に係る特別遊技よりも小さくなる。
【0077】
また、小当たり図柄Y3の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域57へ進入した場合には、
図9(c)に示す第3作動テーブル113cを参照して特別遊技が実行される。この第3作動テーブル113cによれば、上述の第1作動テーブル113a及び第2作動テーブル113bと同一の条件で終了するラウンド遊技が4回実行される。また、1回のラウンド遊技における第2大入賞口55の開放回数、インターバル時間も、第1作動テーブル113a及び第2作動テーブル113bと同一の内容となっている。
この特別遊技におけるラウンド遊技の実行回数は、大当たり図柄X1、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1に係る特別遊技、及び、小当たり図柄Y2に係る特別遊技のラウンド遊技の実行回数よりも少ないため、獲得可能な賞球の期待値(480個=15個×8個×4ラウンド)は、大当たり図柄X1、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1に係る特別遊技、及び、小当たり図柄Y2に係る特別遊技よりも小さくなる。
【0078】
遊技状態設定テーブル114は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了後の遊技状態が、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別により決定されるようになっている。
具体的には、
図10に示すように、大当たり図柄X1が決定された場合に実行される特別遊技、及び、小当たり図柄Y1、小当たり図柄Y2又は小当たり図柄Y3の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域57へ進入した場合に実行される特別遊技の終了後にはいずれも、時短遊技状態が設定される。そして、この時短遊技状態は、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数(変動回数)、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数(変動回数)の合計が100回に到達するか、又は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数(変動回数)が10回に到達するかのいずれかの時短終了条件が成立するまで継続する。
すなわち、大当たり図柄X1が決定された場合、又は、小当たり図柄Y1、Y2、Y3の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域57へ進入した場合に実行される特別遊技の終了後は、時短遊技状態へ移行する。そして、この時短遊技状態の継続中に特別遊技が決定されることなく、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が合わせて100回行われるか、又は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が10回行われると、遊技状態は非時短遊技状態に変更されることとなる。
これに対して、大当たり図柄X2が決定された場合に実行される特別遊技の終了後には、非時短遊技状態が設定される(非時短遊技状態へ移行する)。
【0079】
また、時短遊技状態が設定されてから上述の時短終了条件が成立するまでの間に、大当たり図柄X1の決定、小当たり図柄Y1、小当たり図柄Y2又は小当たり図柄Y3の決定を条件として特別遊技が実行された場合には、再度、時短遊技状態が設定されるようになっている。
なお、本明細書では、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が合わせて100回行われるという時短終了条件を「第1時短終了条件」ともいうものとし、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が10回行われるという時短終了条件を「第2時短終了条件」ともいうものとする。
【0080】
変動パターンコマンド決定テーブルは、上述の如く、変動パターンコマンドを決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選が行われると、当該抽選の結果に基づいて変動パターンコマンドが決定される。この決定された変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、表示部21aに表示する画像等)を決定する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドは複数種類設けられており、変動パターンコマンドごとに変動時間等の情報(以下、変動パターンという)が対応付けられている。また、各変動パターンコマンドは変動パターンコマンド決定テーブルに対応付けられている。そして、変動パターンコマンド決定テーブルごとに、決定される変動パターンコマンドの種類及び決定割合が設定されている。
【0081】
ここで、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出は、前半部分と後半部分とに分けられている。そのため、本形態に係るパチンコ機Pには、
図11及び
図12に示すように、変動パターンコマンド決定テーブルとして、変動演出の前半部分の変動パターンに対応する変動パターンコマンド(以下、第1変動パターンコマンドという)を決定するための前半変動パターンコマンド決定テーブル115、及び、変動演出の後半部分の変動パターンに対応する変動パターンコマンド(以下、第2変動パターンコマンドという)を決定するための後半変動パターンコマンド決定テーブル116が設けられている。
【0082】
すなわち、変動パターンを決定する際には、前半変動パターンコマンド決定テーブル115に基づいて第1変動パターンコマンドが決定され、後半変動パターンコマンド決定テーブル116に基づいて第2変動パターンコマンドが決定される。
具体的には、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の第1変動パターン乱数が取得されるとともに、0~249の数値範囲内で1個の第2変動パターン乱数が取得される。そして、取得された第1変動パターン乱数及び前半変動パターンコマンド決定テーブル115に基づいて、第1変動パターンコマンドが決定され、決定された第1変動パターンコマンド、取得された第2変動パターン乱数及び後半変動パターンコマンド決定テーブル116に基づいて、第2変動パターンコマンドが決定される。
【0083】
また、本形態に係るパチンコ機Pには、
図11(a)及び(b)に示すように、前半変動パターンコマンド決定テーブル115として、非時短遊技状態において参照される第1前半変動パターンコマンド決定テーブル115a、及び、時短遊技状態において参照される第2前半変動パターンコマンド決定テーブル115bが設けられている。
【0084】
そして、第1変動パターンコマンドは、現時点(当該変動開始の時点)の遊技状態に応じて参照される前半変動パターンコマンド決定テーブル115、大当たりの抽選に際に決定された特別図柄の種別、及び、取得された第1変動パターン乱数に基づいて、決定される。
具体的には、
図11(a)に示すように、第1前半変動パターンコマンド決定テーブル115aによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定された場合(すなわち、ハズレの場合)において、第1変動パターン乱数が0~199であったときには、「0秒変動」という前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)が決定され、第1変動パターン乱数が200~239であったときには、「15秒変動」という前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「01H」が決定され、第1変動パターン乱数が240~249であったときには、「30秒変動」という前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「02H」が決定される。
【0085】
また、この第1前半変動パターンコマンド決定テーブル115aによれば、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合(すなわち、大当たりの場合)において、第1変動パターン乱数が0~39であったときには、「15秒変動」の前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「11H」が決定され、第1変動パターン乱数が40~249であったときには、「30秒変動」の前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「12H」が決定される。
また、この第1前半変動パターンコマンド決定テーブル115aによれば、小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合(すなわち、小当たりの場合)には、第1変動パターン乱数がいずれの値であっても(すなわち、第1変動パターン乱数が0~249のいずれであっても)必ず、「0秒変動」の前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「20H」が決定される。
【0086】
また、
図11(b)に示すように、第2前半変動パターンコマンド決定テーブル115bによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定された場合において、第1変動パターン乱数が0~99であったときには、「0秒変動」の前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「50H」が決定され、第1変動パターン乱数が100~249であったときには、「7秒変動」という前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「51H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、第1変動パターン乱数がいずれの値であっても必ず、「7秒変動」の前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「61H」が決定される。
また、小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合には、第1変動パターン乱数がいずれの値であっても必ず、「7秒変動」の前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「71H」が決定される。
【0087】
またここで、「0秒変動」という前半部分の変動パターン(「00H」、「20H」又は「50H」)は、変動演出の前半部分が実行されることなく、変動演出の後半部分のみが実行されるものである。この「0秒変動」という変動パターンが決定された場合には、後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンドのみに基づいて、変動演出が実行されるようになっている。
また、「7秒変動」という前半部分の変動パターン(「51H」、「61H」又は「71H」)は、変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が7秒に設定されており、「15秒変動」という前半部分の変動パターン(「01H」又は「11H」)は、前半変動時間が15秒に設定されており、「30秒変動」という前半部分の変動パターン(「02H」又は「12H」)は、前半変動時間が30秒に設定されているものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、これらの変動パターンが決定された場合には、変動演出が開始されてから上述の前半変動時間が経過した後にリーチ表示がなされるという態様で、変動演出の前半部分が実行されるようになっている。
【0088】
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように、前半変動パターンコマンド決定テーブル115に基づいて第1変動パターンコマンドが決定されると、後半変動パターンコマンド決定テーブル116に基づいて、第2変動パターンコマンドが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pには、
図12に示すように、後半変動パターンコマンド決定テーブル116として、非時短遊技状態中に参照される第1後半変動パターンコマンド決定テーブル116a、及び、時短遊技状態中に参照される第2後半変動パターンコマンド決定テーブル116bが設けられている。
【0089】
そして、第2変動パターンコマンドは、現時点(当該変動開始の時点)の遊技状態に応じて参照される後半変動パターンコマンド決定テーブル116、大当たりの抽選に際に決定された特別図柄の種別、上述のように決定された第1変動パターンコマンド、現時点における保留数、及び、取得された第2変動パターン乱数に基づいて、決定される。
具体的には、
図12(a)に示すように、第1後半変動パターンコマンド決定テーブル116aによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2、及び、「00H」の第1変動パターンコマンドが決定され、かつ、現時点の保留数が1以下の場合において、第2変動パターン乱数が0~124であったときには、「8秒変動」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「00H」が決定され、第2変動パターン乱数が125~249であったときには、「13秒変動」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「01H」が決定される。また、ハズレ図柄Z1又はZ2、及び、「00H」の第1変動パターンコマンドが決定され、かつ、現時点の保留数が2以上の場合には、第2変動パターン乱数がいずれの値であっても(すなわち、第2変動パターン乱数が0~249のいずれであっても)必ず、「3秒変動」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「02H」が決定される。
【0090】
また、ハズレ図柄Z1又はZ2、及び、「01H」の第1変動パターンコマンドが決定された場合には、現時点の保留数に関係なく、第2変動パターン乱数が0~229であったときに、「5秒変動」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「03H」が決定され、第2変動パターン乱数が230~249であったときに、「30秒変動」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「04H」が決定される。
【0091】
また、ハズレ図柄Z1又はZ2、及び、「02H」の第1変動パターンコマンドが決定された場合には、現時点の保留数に関係なく、第2変動パターン乱数が0~124であったときに、「04H」の第2変動パターンコマンドが決定され、第2変動パターン乱数が125~249であったときに、「60秒変動」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「05H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2、及び、「11H」又は「12H」の第1変動パターンコマンドが決定された場合には、現時点の保留数に関係なく、第2変動パターン乱数が0~39であったときに、「30秒変動」の後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「14H」が決定され、第2変動パターン乱数が40~249であったときに、「60秒変動」の後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「15H」が決定される。
また、小当たり図柄Y1、Y2又はY3、及び、「20H」の第1変動パターンコマンドが決定された場合には、現時点の保留数に関係なく、第2変動パターン乱数がいずれの値であっても必ず、「8秒変動」の後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「20H」が決定される。
【0092】
また、
図12(b)に示すように、第2後半変動パターンコマンド決定テーブル116bによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2、及び、「50H」の第1変動パターンコマンドが決定された場合には、現時点の保留数に関係なく、第2変動パターン乱数がいずれの値であっても必ず、「10秒変動」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「50H」が決定され、ハズレ図柄Z1又はZ2、及び、「51H」の第1変動パターンコマンドが決定された場合には、現時点の保留数に関係なく、第2変動パターン乱数がいずれの値であっても必ず、「15秒変動」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「51H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2、及び、「61H」の第1変動パターンコマンドが決定された場合には、現時点の保留数に関係なく、第2変動パターン乱数がいずれの値であっても必ず、「15秒変動」の後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「61H」が決定される。
また、小当たり図柄Y1、Y2又はY3、及び、「71H」の第1変動パターンコマンドが決定された場合には、現時点の保留数に関係なく、第2変動パターン乱数がいずれの値であっても必ず、「15秒変動」の後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「71H」が決定される。
【0093】
またここで、「8秒変動」という後半部分の変動パターン(「00H」又は「20H」)、「13秒変動」という後半部分の変動パターン(「01H」)、「3秒変動」という後半部分の変動パターン(「02H」)、「10秒変動」という後半部分の変動パターン(「50H」)は、変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)がそれぞれ、8秒、13秒、3秒、10秒に設定されているものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、前半部分の変動パターンとして「0秒変動」(「00H」、「20H」又は「50H」)が決定された場合に、これらのうちのいずれかの変動パターンが決定され得るようになっている。そして、ハズレ図柄が決定されているときに、これらの変動パターンのいずれかが決定された場合には、変動演出が開始されてから上述の後半変動時間が経過した後にハズレの表示が行われる。これに対して、小当たり図柄が決定されているときに、これらの変動パターンのいずれかが決定された場合には、変動演出が開始されてから上述の後半変動時間が経過した後に小当たりの表示が行われる。
【0094】
また、「5秒変動」という後半部分の変動パターン(「03H」)は、後半変動時間が5秒に設定されているものである。この変動パターンが決定された場合には、変動演出の前半部分が終了してから(すなわち、リーチ表示がなされてから)上述の後半変動時間が経過した後に、後述のリーチ発展演出が実行されることなくハズレの表示行われるようになっている。
また、「30秒変動」という後半部分の変動パターン(「04H」又は「14H」)、「60秒変動」という後半部分の変動パターン(「05H」又は「15H」)、「15秒変動」という後半部分の変動パターン(「51H」、「61H」又は「71H」)は、後半変動時間がそれぞれ30秒、60秒、15秒に設定されているものである。そして、ハズレ図柄が決定されているときに、これらの変動パターンのいずれかが決定された場合には、変動演出の前半部分の終了後にリーチ発展演出が実行されるとともに、当該変動演出の前半部分が終了してから上述の後半変動時間が経過した後に、ハズレの表示が行われるようになっている。また、大当たり図柄が決定されているときに、これらの変動パターンのいずれかが決定された場合には、変動演出の前半部分の終了後にリーチ発展演出が実行されるとともに、当該変動演出の前半部分が終了してから上述の後半変動時間が経過した後に、大当たりの表示が行われるようになっている。また、小当たり図柄が決定されているときに、これらの変動パターンのいずれかが決定された場合には、変動演出の前半部分の終了後にリーチ発展演出が実行されるとともに、当該変動演出の前半部分が終了してから上述の後半変動時間が経過した後に、小当たりの表示が行われるようになっている。
【0095】
上述のように決定された第1変動パターンコマンド及び第2変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、第1変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の具体的な態様が決定されるとともに、第2変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の具体的な態様が決定される。そして、このように決定された具体的な態様により変動演出が実行される。
【0096】
また、上述の如く、第1変動パターンコマンドに対応付けられた前半変動時間は変動演出の前半部分の変動時間であり、第2変動パターンコマンドに対応付けられた後半変動時間は変動演出の後半部分の変動時間であるため、これらの合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出全体の変動時間となる。
たとえば、決定された第1変動パターンコマンドが「00H」(前半変動時間は0秒)、第2変動パターンコマンドが「00H」(後半変動時間は8秒)であった場合には、前半変動時間及び後半変動時間の合計値8秒(=0秒+8秒)が、変動演出全体の変動時間となる。
また、上述のように決定された変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0097】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル117に基づいて、行われる。
【0098】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0099】
また、当たり決定乱数判定テーブル117は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図13(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル117aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル117bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル117aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル117aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル117bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル117bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0100】
非時短判定テーブル117aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル117aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル117bによれば、当たり決定乱数が1~65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル117bにおいて当たりとなる確率はおよそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0101】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル118、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル119等を備えている。
【0102】
普通図柄変動パターン決定テーブル118は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル118に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図14に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、9秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には、1秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。そして、普通図柄の変動パターンが決定されると、この普通図柄の変動パターンに設定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という。
【0103】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル119は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル119に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、
図15に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、
図15に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが5.8秒(=2.9秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計5.8秒開放される。
【0104】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16が開状態に維持されやすく、遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
【0105】
(本形態に係るパチンコ機Pの遊技性)
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態が設定されて、遊技が進行するようになっている。
ここで、遊技者が遊技を開始する時点では、非時短遊技状態が設定されていることが多い。この非時短遊技状態中は、第2始動入賞口16が開状態に維持されることはほとんどなく、遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)へ打ち出した遊技球は第1始動入賞口15へ入球可能であるものの第2始動入賞口16へ入球する可能性は極めて低いため、概ね第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が行われることとなる。
第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1又はX2が決定され(
図7(a)参照)特別遊技が実行される。そして、大当たり図柄X1の決定に基づいて実行される特別遊技、及び、大当たり図柄X2の決定に基づいて実行される特別遊技ではいずれも、ラウンド遊技が16回実行されるため(
図9(a)参照)、非時短遊技状態中に大当たりに当選した場合には所定個数(1920個)の期待値の賞球を獲得できることとなる。
また、大当たり図柄X2が決定された場合には、当該決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態は非時短遊技状態に設定されるものの、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態は時短遊技状態に設定される(
図10参照)。
【0106】
時短遊技状態中は、大当たりの当選確率は非時短遊技状態中と変わらないものの、上述の如く、非時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16が開状態に極めて維持されやすく、遊技領域12へ打ち出した遊技球は、第1始動入賞口15のみならず第2始動入賞口16へも入球が可能となるため、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の両方が行われることとなる。
上述と同様に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には大当たり図柄X1又はX2が決定され(
図7(a)参照)特別遊技が実行される。特別遊技において獲得可能な賞球の期待値、特別遊技の終了後に設定される遊技状態についても、上述と同様である。
【0107】
これに対して、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には大当たり図柄X1が決定され、小当たりに当選した場合には小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定される(
図7(b)参照)。また、上述の如く、小当たりに当選すると小当たり遊技が実行され、小当たり遊技中に第1大入賞口18へ入球した遊技球が特別領域57へ進入すると、特別遊技が実行される。
そして、小当たり図柄Y1の決定に基づいて実行される特別遊技では、大当たり図柄X1又はX2の決定に基づいて実行される特別遊技と同様に、ラウンド遊技が16回実行されるため(
図9(a)参照)、所定個数(1920個)の期待値の賞球を獲得できる。これに対して、小当たり図柄Y2の決定に基づいて実行される特別遊技では、ラウンド遊技が8回実行されるため(
図9(b)参照)、大当たり図柄X1、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1の決定に基づいて実行される特別遊技中よりも少ない個数(960個)の期待値の賞球を獲得できる。さらに、小当たり図柄Y3の決定に基づいて実行される特別遊技では、ラウンド遊技が4回実行されるため(
図9(c)参照)、小当たり図柄Y2の決定に基づいて実行される特別遊技中よりもさらに少ない個数(480個)の期待値の賞球を獲得できる。
また、小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合には、当該決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態はいずれも時短遊技状態に設定される(
図10参照)。
【0108】
ここで、上述の如く、時短遊技状態は、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数の合計が100回に到達するという第1時短終了条件、又は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数が10回に到達するという第2時短終了条件のいずれかの時短終了条件が成立するまで継続する。
また、第1始動入賞口15への遊技球の入球又は第2始動入賞口16への遊技球の入球を狙い撃ちすることはできないものの、第2始動入賞口16が開状態となっているときには、第1始動入賞口15よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすい。
すると、時短遊技状態中は、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選よりも第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が行われやすいため、特別遊技の実行が決定されることなく、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数が100回に到達するよりも先に、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数が10回に到達する可能性が極めて高く、主に、第2時短終了条件の成立に基づいて時短遊技状態が終了することとなる。
【0109】
なおここで、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選においては、大当たりの当選よりも小当たりに当選しやすいように当選確率が設定されている。
そのため、時短遊技状態中は、主に、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させて小当たりの当選を狙い、この小当たりの当選に基づいて実行される小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球を進入させることで特別遊技の実行、及び、時短遊技状態の継続(すなわち、再度の時短遊技状態の設定)を目指すという遊技が行われる。
その一方で、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、第1時短終了条件よりも先に第2時短終了条件が成立する可能性が極めて高いものの、第2時短終了条件が成立するまでの間に第1始動入賞口15へ遊技球が入球すれば、この第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいても大当たりの抽選を受けられ、この抽選により大当たりに当選する可能性がある。
そして、小当たりの当選に基づく特別遊技においては、所定個数(1920個)の期待値の賞球、当該所定個数よりも少ない個数(960個)の期待値の賞球、又は、当該個数よりもさらに少ない個数(480個)の期待値の賞球のいずれかを獲得可能であるものの、大当たりの当選に基づく特別遊技においては常に、所定個数(1920個)の期待値の賞球を獲得可能である。すなわち、獲得可能な賞球数という遊技利益の観点において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの当選は、時短遊技状態中において主に目指すこととなる、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく小当たりの当選よりも遊技者にとって有利であるといえる。
【0110】
そこで、時短遊技状態中は、上述のように、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させて小当たりの当選を目指すとともに、第2時短終了条件が成立するまでの間に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選をできる限り多く受けることで、より有利な遊技利益(賞球数)を獲得可能な大当たりの当選を目指すという斬新な遊技性が付与されることとなる。
【0111】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態が終了するための時短終了条件が複数定められている(すなわち、第1始動入賞口15への遊技球の入球による特別図柄の決定に基づいて成立可能な第1時短終了条件、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球による特別図柄の決定に基づいて成立可能な第2時短終了条件が定められている)とともに、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて付与可能な遊技利益と第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて付与可能な遊技利益とが異なるように設定されている。
これにより、時短遊技状態が終了するタイミング、及び、時短遊技状態が終了するまでの間に遊技者に付与可能となる遊技利益のバリエーションが豊富となるため、時短遊技状態における遊技性の設定の自由度を高いものとしつつ、斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて付与可能な遊技利益と、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて付与可能な遊技利益とは、一部が同一であり(1920個の期待値の賞球)、他は異なる(960個の期待値の賞球、480個の期待値の賞球)ようになっていたが、全てが異なるようにしてもよい。たとえば、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの当選では常に1920個の期待値の賞球を獲得可能とし、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく小当たりの当選では960個の期待値の賞球又は480個の期待値の賞球を獲得可能としてもよい。
また、第1始動入賞口15への遊技球の入球又は第2始動入賞口16への遊技球の入球のいずれに基づいても同一の抽選結果を導出可能となるように設定するとともに、第1始動入賞口15への遊技球の入球により当該抽選結果が導出された場合と、第2始動入賞口16への遊技球の入球により当該抽選結果が導出された場合とでは、異なる遊技利益を付与可能となるように設定してもよい。
たとえば、第1始動入賞口15への遊技球の入球及び第2始動入賞口16への遊技球の入球のいずれに基づいても、小当たりの当選の抽選結果を導出可能とし、第1始動入賞口15への遊技球の入球による小当たりの当選に係る特別遊技では1920個の期待値の賞球を獲得可能であり、第2始動入賞口16への遊技球の入球による小当たりの当選に係る特別遊技では1920個、960個又は480個の期待値の賞球を獲得可能であるようにしてもよい。
また、上述と同様に、第1始動入賞口15への遊技球の入球による小当たりの当選に係る特別遊技と、第2始動入賞口16への遊技球の入球による小当たりの当選に係る特別遊技とでは、付与可能な遊技利益の全てが異なるようにしてもよい。たとえば、第1始動入賞口15への遊技球の入球による小当たりの当選に係る特別遊技では1920個の期待値の賞球を獲得可能であり、第2始動入賞口16への遊技球の入球による小当たりの当選に係る特別遊技では960個又は480個の期待値の賞球を獲得可能としてもよい。
【0112】
(パチンコ機Pにおける遊技の進行の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図16のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0113】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0114】
ステップ102において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための第1変動パターン乱数及び第2変動パターン乱数(以下、変動演出用乱数ともいう)を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0115】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図17のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0116】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0117】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a又は特別領域検出センサ57aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技、小当たり遊技、特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0118】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0119】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、第1大入賞口検出センサ18a、第2大入賞口検出センサ55aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、第1大入賞口18や第2大入賞口55の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、振り分け部材59の変位を制御するためのシャッター部ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0120】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力処理、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0121】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、
図18のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15を通過したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0122】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16を通過したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が特別領域57に進入したことに基づいて、特別遊技の実行を決定するための特別領域検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0123】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図19のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0124】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0125】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0126】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、現時点の大当たり乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0127】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された第1変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0128】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された第2変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、第1変動パターン乱数及び第2変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0129】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0130】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、現時点の大当たり乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0131】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された第1変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0132】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された第2変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、第1変動パターン乱数及び第2変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0133】
次に、上述したステップ303の特別領域検出時処理について、
図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ630において、メインCPU101は、特別領域検出センサ57aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、特別領域検出センサ57aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、特別領域検出時処理を終了する。一方、特別領域検出センサ57aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ631に進む。
ステップ631において、メインCPU101は、小当たり遊技の実行中である旨を示す小当たり遊技中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、小当たり遊技中フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ633に進む。一方、小当たり遊技中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ632に進む。
【0134】
ステップ632において、メインCPU101は、小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入したことを示す特別領域進入フラグをオンにする。そして、特別領域検出時処理を終了する。
また、上述のステップ631で小当たり遊技中フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ633において、メインCPU101は、遊技球が適切に特別領域57へ進入していない旨を報知するためのエラー処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述の報知を行うためのエラーコマンドを副制御基板300に送信する。これによりエラーコマンドに基づいて上述の報知が行われる。そして、特別領域検出時処理を終了する。
【0135】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「04」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、小当たり遊技制御処理(ステップ704)、特別遊技制御処理(ステップ705)又は特別遊技終了処理(ステップ706)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0136】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。一方、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。
ステップ801において、メインCPU101は、保留記憶領域に第1特図乱数又は第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上又は第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、いずれかが記憶されていると判定した場合、ステップ802に進む。一方、いずれも記憶されていないと判定した場合、ステップ809に進む。
【0137】
ステップ802において、メインCPU101は、保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第8記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、大当たり乱数判定テーブル110のうち、判定する特図乱数(すなわち、第1特図乱数又は第2特図乱数)に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと、上述のステップ802で処理領域に記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ804に進む。
【0138】
ステップ804において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ803における抽選の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第1特図乱数又は第2特図乱数に基づくものか(すなわち、いずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか)を確認した上で、これに応じた特別図柄乱数判定テーブル111を選択し、選択したテーブル、上述のステップ803における抽選の結果、及び、上述のステップ802で処理領域に記憶された特別図柄乱数に基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ803における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第1特図乱数に基づくものであればハズレ図柄Z1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第2特図乱数に基づくものであればハズレ図柄Z2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ805に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数が保留記憶領域に記憶された順に処理されるようになっている。
【0139】
ステップ805において、メインCPU101は、上述のステップ804で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ806に進む。
ステップ806において、メインCPU101は、上述のステップ802で処理領域に記憶された第1変動パターン乱数及び第2変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ807に進む。
【0140】
ステップ807において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ808に進む。
【0141】
ステップ808において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ801で保留記憶領域に第1特図乱数及び第2特図乱数がいずれも記憶されていないと判定された場合に進むステップ809において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、所定時間の間、特別図柄の変動表示が行われない場合に、演出表示装置にデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0142】
次に、上述したステップ806の変動パターン決定処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ804で決定された特別図柄の種別、及び、現時点の保留数を確認し、これらの内容を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ804で遊技状態バッファに記憶された現時点の遊技状態に基づいて、対応する前半変動パターンコマンド決定テーブル115を選択する。そして、次のステップ902に進む。
【0143】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で選択された前半変動パターンコマンド決定テーブル115と、上述のステップ900で所定の処理領域に記憶された特別図柄の種別と、上述のステップ802で処理領域に記憶された第1変動パターン乱数とに基づいて、第1変動パターンコマンドを決定し、この決定された第1変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ903に進む。
ステップ903において、メインCPU101は、上述のステップ902で決定された第1変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ904に進む。
【0144】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ804で遊技状態バッファに記憶された現時点の遊技状態に基づいて、対応する後半変動パターンコマンド決定テーブル116を選択する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ904で選択された後半変動パターンコマンド決定テーブル116と、上述のステップ900で所定の処理領域に記憶された特別図柄の種別及び保留数と、上述のステップ902で所定の処理領域に記憶された第1変動パターンコマンドと、上述のステップ802で処理領域に記憶された第2変動パターン乱数とに基づいて、第2変動パターンコマンドを決定し、この決定された第2変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0145】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定された第2変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、前半変動パターンコマンド決定テーブル115に基づいて、第1変動パターンコマンドに対応付けられた前半変動時間を決定するとともに、後半変動パターンコマンド決定テーブル116に基づいて、第2変動パターンコマンドに対応付けられた後半変動時間を決定する。そして、決定された前半変動時間及び後半変動時間の合計値(すなわち、変動演出全体の変動時間)を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、変動パターン決定処理を終了する。
【0146】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0147】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ907で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ804で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0148】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0149】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0150】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0151】
ステップ1102において、メインCPU101は、時短終了情報更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられ、時短終了条件に関する情報である時短終了情報が記憶された時短終了情報記憶領域を更新する。この時短終了情報記憶領域には、第1時短終了条件が成立するまでの残りの抽選回数(以下、第1終了成立回数という)、及び、第2時短終了条件が成立するまでの残りの抽選回数(以下、第2終了成立回数という)がそれぞれ記憶されている。そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が行われた場合には第1終了成立回数を「1」デクリメントし、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が行われた場合には第1終了成立回数及び第2終了成立回数をいずれも「1」デクリメントする。また、第1終了成立回数、第2終了成立回数の更新により、いずれかの値が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ1103に進む。
【0152】
ステップ1103において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1106に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1104に進む。
ステップ1104において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、次のステップ1105に進む。
【0153】
ステップ1105において、メインCPU101は、時短遊技フラグをオフにするとともに、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1103で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1106において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1109に進む。一方、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1107に進む。
【0154】
ステップ1107において、メインCPU101は、特図関連制御処理において小当たり遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、次のステップ1108に進む。
ステップ1108において、メインCPU101は、小当たり遊技中フラグをオンにするとともに、小当たり遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0155】
また、上述のステップ1106で停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1109において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。この遊技状態コマンドには、時短遊技フラグのオン又はオフの情報、時短回数の情報が含まれている。そして、停止後処理を終了する。
【0156】
次に、上述したステップ704の小当たり遊技制御処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1130において、メインCPU101は、実行フェーズデータが小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1131に進む。
ステップ1131において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1132に進む。
【0157】
ステップ1132において、メインCPU101は、この小当たり遊技制御処理において第1大入賞口18の開閉が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1136に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1133に進む。
ステップ1133において、メインCPU101は、第1特別電動役物作動テーブル112に基づいて、第1大入賞口18の開閉を行う第1大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1134に進む。
【0158】
ステップ1134において、メインCPU101は、第1大入賞口18の開閉が終了したか否かを判定する。そして、第1大入賞口18の開閉が終了していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、第1大入賞口18の開閉が終了したと判定した場合、次のステップ1135に進む。
ステップ1135において、メインCPU101は、小当たり遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0159】
また、上述のステップ1132でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1136において、メインCPU101は、上述のステップ1135でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1137に進む。
ステップ1137において、メインCPU101は、特別領域進入フラグがオンであるか否かを判定する。そして、特別領域進入フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ1140に進む。一方、特別領域進入フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1138に進む。
【0160】
ステップ1138において、メインCPU101は、特別領域進入フラグをオフにするとともに、時短遊技フラグをオフにする。そして、次のステップ1139に進む。
ステップ1139において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットする。そして、ステップ1141に進む。
【0161】
また、上述のステップ1137で特別領域進入フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ1140において、サブCPU301は、特図関連制御処理において特別図柄変動処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、次のステップ1141へ進む。
ステップ1141において、メインCPU101は、小当たり遊技中フラグをオフにする。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0162】
次に、上述したステップ705の特別遊技制御処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1105又はステップ1139でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0163】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、大当たり図柄又は小当たり図柄の種別に応じた第2特別電動役物作動テーブル113に基づいて、第2大入賞口55の開閉を行う第2大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0164】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の第2大入賞口開閉制御処理に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、ステップ1205に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0165】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の第2大入賞口開閉制御処理に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド遊技数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0166】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド遊技数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド遊技数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド遊技数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0167】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0168】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「05」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0169】
次に、上述したステップ706の特別遊技終了処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「05」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「05」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄又は小当たり図柄(メインRAM103の処理領域に記憶)を確認するとともに、遊技状態設定テーブル114に基づいて、上述の大当たり図柄又は小当たり図柄に応じた特別遊技の終了後の遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、時短遊技フラグのオン又はオフ、第1終了成立回数、第2終了成立回数を設定する。たとえば、大当たり図柄X1、或いは、小当たり図柄Y1、Y2又はY3であった場合には、時短遊技フラグをオンとするとともに、第1終了成立回数に「100」をセットし、第2終了成立回数に「10」をセットする。また、大当たり図柄X2であった場合には、時短遊技フラグをオフとする。そして、次のステップ1302に進む。
【0170】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、ステップ1301で設定された時短遊技フラグのオン又はオフの情報、第1終了成立回数の情報、第2終了成立回数の情報、当該特別遊技の実行契機となった特別図柄(大当たり図柄、小当たり図柄)の種別が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0171】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0172】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0173】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
【0174】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル117(非時短判定テーブル117a又は時短判定テーブル117bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル117aを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル117bを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
【0175】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0176】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであるかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル118を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「9秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「1秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0177】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0178】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0179】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する変動停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0180】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0181】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた変動停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該変動停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0182】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0183】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0184】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0185】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル119を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0186】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0187】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0188】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
上述の如く、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技及び普図遊技、並びに、小当たり遊技及び特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300において、遊技の進行に伴う演出の制御が行われる。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出について説明する。
【0189】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pで実行される変動演出では、演出表示装置21に表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、特別図柄の変動表示の開始とともに、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される(
図36(a)~(b)及び
図37(a)~(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(
図36(c)~(e)及び
図37(c)~(e)参照)。
【0190】
そして、大当たりの抽選の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(
図37(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たり又は小当たりであることが報知される。
また、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(
図36(e)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
【0191】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0192】
本形態に係るパチンコ機Pには、変動演出の態様として、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。そして、これらの変動演出の態様はそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、特に図示していないが、リーチ表示後に演出表示装置21に所定の発展演出画像等を表示するリーチ発展演出が実行され、その後大当たりの抽選の結果を報知する発展あり変動パターン、リーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果を報知する発展なし変動パターンが設けられている。
なお、大当たりの抽選の結果に対する遊技者の期待感を高めるべく、演出図柄50の変動表示中に演出表示装置21の背景画像に重ねて所定の表示を行うカットイン演出等を実行するようにしてもよい。
【0193】
また、上述の演出においては、画像の表示のみならず、画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声等を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。また、発展演出画像の表示中の所定の期間内に、演出操作装置9(操作ダイヤル9a、操作ボタン9b)が操作されることにより、他の画像が表示されるようにしてもよい。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50の変動表示が開始されてからリーチ表示の有無が報知されるまでが、変動演出の前半部分に相当し、リーチ表示の有無が報知されてから第3停止図柄が停止表示されるまで(すなわち、演出図柄50の変動が終了するまで)が、変動演出の後半部分に相当する。
【0194】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出の態様を決定するための種々の演出決定テーブルが記憶されている。そして、副制御基板300のサブCPU301は、所定の条件に応じた演出決定テーブルを選択するとともに、当該選択された演出決定テーブルと、主制御基板100のメインCPU101から受信した第1変動パターンコマンド、第2変動パターンコマンド、及び、任意で用いられる演出乱数に基づいて、変動演出の態様を決定する。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、第1変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、第2変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様(リーチ発展演出の有無等)が決定されるようになっている。
そして、上述のように決定された態様に基づいた変動演出が、演出表示装置21において実行されることとなる。
【0195】
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、時短遊技状態が終了するための時短終了条件として、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数(変動回数)及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数(変動回数)の合計が所定回数(本形態では、100回)に達するという第1時短終了条件、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数(変動回数)が所定回数(本形態では、10回)に達するという第2時短終了条件が定められていたが、時短終了条件の内容としては、これらに限定されるものではない。
たとえば、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数が所定回数に達し、かつ第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数と、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数との差分が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。
なお、上述の大当たりの抽選回数(変動回数)に基づく各時短終了条件において定められる所定回数は、同一の回数としてもよいし、異なる回数としてもよい。
【0196】
また、大当たりの抽選回数(変動回数)に基づく時短終了条件ではなく、大当たりの抽選結果に基づく時短終了条件を定めてもよい。
たとえば、パチンコ機Pを、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選において小当たりに当選可能となり、小当たりに当選した場合に複数の小当たり図柄のうちのいずれかが決定されるように設定した場合には、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく小当たりの当選回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて小当たりに当選し、複数の小当たり図柄のうちの所定の小当たり図柄が決定された回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、複数の小当たり図柄のうちの所定の小当たり図柄が決定された回数が所定回数に達し、かつ所定の小当たり図柄とは異なる他の小当たり図柄が決定された回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、所定の小当たり図柄が決定された回数、及び、所定の小当たり図柄とは異なる他の小当たり図柄が決定された回数の合計が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。
なお、パチンコ機Pを上述のように設定する場合には、上述の各小当たり図柄が決定されたときには、第1大入賞口18へ遊技球がほぼ入球することができないような態様(たとえば、第1大入賞口18が1回のみ0.1秒開放する等の態様)で小当たり遊技が実行されるようにするのが望ましい。
【0197】
また、第2始動入賞口16への遊技球の入球による小当たりの当選に基づく時短終了条件を定めてもよい。たとえば、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選において小当りに当選した場合に決定される小当たり図柄として、上述の実施の形態と同様の小当たり図柄Y1、Y2、Y3以外に、第1大入賞口18へ遊技球がほぼ入球することができないような態様での小当たり遊技の実行が定められた小当たり図柄(以下、特定小当り図柄という)を複数設け、小当たりに当選した場合にこれらの小当たり図柄のうちのいずれかが決定されるように設定する。そして、この場合には、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく小当たりの当選回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて小当たりに当選し、複数の特定小当たり図柄のうちの所定の特定小当たり図柄が決定された回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、複数の特定小当たり図柄のうちの所定の特定小当たり図柄が決定された回数が所定回数に達し、かつ所定の特定小当たり図柄とは異なる他の特定小当たり図柄が決定された回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、所定の特定小当たり図柄が決定された回数、及び、所定の特定小当たり図柄とは異なる他の特定小当たり図柄が決定された回数の合計が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。
なお、上述の大当たりの抽選結果に基づく各時短終了条件において定められる所定回数は、同一の回数としてもよいし、異なる回数としてもよい。
【0198】
また、上述の各時短終了条件の内容(所定回数等)については、特別遊技の実行の契機となった大当たり図柄や小当たり図柄の種類に応じて異なるようにしてもよい。
具体的には、パチンコ機Pを、大当たり図柄X1が決定された場合及び大当たり図柄X2が決定された場合のいずれにおいても、当該決定に基づく特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定されるようにした場合には、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件と、大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件とが異なる内容となるようにしてもよい。
より具体的には、たとえば、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件として、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数の合計が所定回数(たとえば、100回)に到達するという条件、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数が所定回数(たとえば、10回)に到達するという条件を定め、大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件として、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数の合計が上述の所定回数とは異なる他の回数(たとえば、80回)に到達するという条件、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数が上述の所定回数とは異なる他の回数(たとえば、20回)に到達するという条件を定めてもよい。
また、たとえば、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件として、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく小当たりの抽選回数が所定回数(たとえば、3回)に到達するという条件、及び、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく所定の小当たり図柄の決定回数が所定回数(たとえば、1回)に到達するという条件を定め、大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件として、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく小当たりの抽選回数が所定回数(たとえば、3回)に到達するという条件、及び、第2始動入賞口15への遊技球の入球に基づく所定の小当たり図柄の決定回数が所定回数(たとえば、1回)に到達するという条件を定めてもよい。
【0199】
また、たとえば、パチンコ機Pを、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選において小当りに当選した場合に決定される小当たり図柄として、上述の実施の形態と同様の小当たり図柄Y1、Y2、Y3以外に、第1大入賞口18へ遊技球がほぼ入球することができないような態様での小当たり遊技の実行が定められた特定小当たり図柄を複数設け、小当たりに当選した場合にこれらの小当たり図柄のうちのいずれかが決定されるように設定した場合には、小当たり図柄Y1の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件、小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件、及び、小当たり図柄Y3の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件がそれぞれ異なる内容となるようにしてもよい。また、これらの時短終了条件のうちのいくつか複数の時短終了条件については同一の内容として、他の時短終了条件については異なる内容となるようにしてもよい。
より具体的には、たとえば、小当たり図柄Y1の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件として、小当たりの当選回数が所定回数(たとえば、3回)に到達するという条件、及び、特定小当たり図柄のうちの第1の特定小当たり図柄の決定回数が所定回数(たとえば、1回)に到達するという条件を定め、小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件として、小当たりの当選回数が所定回数(たとえば、5回)に到達するという条件、及び、特定小当たり図柄のうちの第2の特定小当たり図柄の決定回数が所定回数(たとえば、1回)に到達するという条件を定め、小当たり図柄Y3の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件として、小当たりの当選回数が所定回数(たとえば、5回)に到達するという条件、及び、特定小当たり図柄のうちの第3の特定小当たり図柄の決定回数が所定回数(たとえば、1回)に到達するという条件を定めてもよい。
また、たとえば、小当たり図柄Y1の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件と小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件とを同一の内容とするとともに、小当たり図柄Y3の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件は異なる内容となるようにしてもよい。
【0200】
また、時短終了条件は、特別遊技の実行の契機となった大当たり図柄や小当たり図柄の種類ごとに常に同一の内容が決定されるようにしてもよいし、所定の抽選を行うことで異なる内容が決定されるようにしてもよい。
【0201】
また、上述の実施の形態では、時短終了条件として第1時短終了条件及び第2時短終了条件の2つが設けられているが、これに限定されるものではなく、3つ以上の条件を時短終了条件として設定してもよい。
【0202】
また、上述の実施の形態では、大当たりの抽選により大当たりに当選するか、又は、小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入することを条件として、特別遊技が実行されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、大当たりの抽選により大当たりに当選した場合にのみ特別遊技が実行されるようにしてもよいし、また、小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入した場合にのみ特別遊技が実行されるようにしてもよい。
【0203】
また、上述の実施の形態では、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく抽選においてのみ小当たりに当選可能となるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく抽選、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく抽選のいずれにおいても、小当たりに当選可能となるように設定してもよい。
また、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
【0204】
なお、上述の実施の形態及び変形例は、大当たりの抽選により大当たりに当選するか、又は、小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入することを条件として、特別遊技が実行されるパチンコ機P以外の遊技機に応用することもできる。
たとえば、遊技球が入球可能な複数の始動入賞口のうちの1の始動入賞口への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選及び当該抽選に基づく特別図柄の変動表示と、他の始動入賞口への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選及び当該抽選に基づく特別図柄の変動表示とを並行して実行可能にするとともに、1の始動入賞口への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選において小当たりの当選確率を高く設定することにより小当たり遊技の実行に基づく大入賞口の開放が頻繁に行われるようにし、さらに、遊技状態として、高確率で大当たりに当選し、かつ開閉可能な始動入賞口が開状態に維持され易く設定された高確率時短遊技状態、及び、高確率で大当たりに当選するものの開閉可能な始動入賞口が開状態に維持され難く設定された高確率非時短遊技状態を備え、高確率非時短遊技状態中は、上述の他の始動入賞口へ遊技球を入球させて小当たりの当選を多く発生させることにより、高確率時短遊技状態よりも獲得可能な賞球数が多くなるように設定されたパチンコ機において、高確率時短遊技状態を終了させて高確率非時短遊技状態へ移行させるための時短終了条件として、上述の実施の形態及び変形例の内容を採用してもよい。
【0205】
また、上述の実施の形態における第1始動入賞口15は、本発明の第1進入領域に相当する。また、上述の実施の形態における第2始動入賞口16は、本発明の第2進入領域に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ803、ステップ804の処理を実行するメインCPU101は、本発明の抽選手段に相当する。また、上述の実施の形態における特別遊技制御処理は、本発明の遊技利益付与手段に相当する。また、上述の実施の形態における非時短遊技状態は、本発明の第1遊技状態に相当する。また、上述の実施の形態における時短遊技状態は、本発明の第2遊技状態に相当する。また、上述の実施の形態における時短終了条件は、本発明の所定条件に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1102、ステップ1301の処理を実行するメインCPU101は、本発明の遊技状態制御手段に相当する。
【符号の説明】
【0206】
P パチンコ機
18 第1大入賞口
55 第2大入賞口
57 特別領域
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM