(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】車両用案内装置、その方法及びそのコンピュータ用プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20230323BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20230323BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20230323BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G01C21/34
G09B29/10 A
G09B29/00 A
(21)【出願番号】P 2019098900
(22)【出願日】2019-05-27
【審査請求日】2022-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【氏名又は名称】中村 知公
(72)【発明者】
【氏名】田中 未来
【審査官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-167046(JP,A)
【文献】特開2010-091465(JP,A)
【文献】特開2007-010628(JP,A)
【文献】特開2017-090968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
B60W 10/00 - 60/00
G09B 29/10
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場における各駐車ますの位置とその駐車ますの駐車難易度とを備えてなる駐車ますデータを保存する駐車ますデータ保存部と、
指定された目的地のルートを検索するルート検索部と、
前記目的地にリンクした駐車場を選択して案内する駐車場案内部であって、前記駐車ますデータ保存部に保存されている前記駐車ますデータを参照して、案内する駐車場の駐車ますの駐車難易度を特定する駐車場案内部と、
を備えてなる車両用案内装置
であって、
前記駐車場案内部は、前記駐車ますデータ保存部に保存されている駐車ますデータを参照して、駐車場を
抽出し、
ドライバの駐車スキルを特定するドライバスキル特定部と、
前記各駐車ますにつき、ドライバの駐車スキルに応じた駐車難易度の区分を示すランクを保存するスキル別ランク保存部と、を更に備え、
前記駐車場案内部は、前記ドライバスキル特定部で特定されたドライバの駐車スキルに基づき、スキル別ランク保存部の保存内容を参照して、駐車場を
抽出し、
前記ドライバスキル特定部で特定されたドライバの駐車スキルが最高ランクを示すとき、
前記駐車場案内部は、そこに含まれる全ての駐車ますの駐車難易度の平均が最も高い駐車場を抽出する、又は
駐車難易度が最大区分のランクの駐車ますの数が最大である駐車場を
抽出する、車両用案内装置。
【請求項2】
抽出された前記駐車場に前記車両が到着したとき、該駐車場において、前記駐車難易度が最小区分のランクの駐車ますの位置を示す、駐車ます指示部が更に備えられる、請求項1に記載の車両用案内装置。
【請求項3】
駐車場における各駐車ますの位置とその駐車ますの駐車難易度とを備えてなる駐車ますデータを保存する駐車ますデータ保存部と、
指定された目的地のルートを検索するルート検索部と、
前記目的地にリンクした駐車場を選択して案内する駐車場案内部と、を備える車両用案内装置を用いる車両案内方法
であって、
前記駐車場案内部に、前記駐車ますデータ保存部に保存されている前記駐車ますデータを参照して、案内する駐車場の駐車ますの駐車難易度を
特定させ、
前記駐車場案内部に、前記駐車ますデータ保存部に保存されている駐車ますデータを参照して、駐車場を
抽出させ、
前記車両案内部は、ドライバの駐車スキルを特定するドライバスキル特定部と、
前記各駐車ますにつき、ドライバの駐車スキルに応じた駐車難易度の区分を示すランクを保存するスキル別ランク保存部と、を更に備え、
前記駐車場案内部に、前記ドライバスキル特定部で特定されたドライバの駐車スキルに基づき、スキル別ランク保存部の保存内容を参照して、駐車場を
抽出させ、
前記ドライバスキル特定部で特定されたドライバの駐車スキルが最高ランクを示すとき、
前記駐車場案内部に、そこに含まれる全ての駐車ますの駐車難易度の平均が最も高い駐車場を抽出させる、又は
駐車難易度が最大ランクの駐車ますの数が最大である駐車場を
抽出させる、車両案内方法。
【請求項4】
駐車場における各駐車ますの位置とその駐車ますの駐車難易度とを備えてなる駐車ますデータを保存する駐車ますデータ保存部と、
指定された目的地のルートを検索するルート検索部と、
前記目的地にリンクした駐車場を選択して案内する駐車場案内部と、を備える車両用案内装置を動作させるコンピュータ用プログラム
であって、
前記駐車場案内部に、前記駐車ますデータ保存部に保存されている前記駐車ますデータを参照して、案内する駐車場の駐車ますの駐車難易度を
特定させ、
前記駐車場案内部に、前記駐車ますデータ保存部に保存されている駐車ますデータを参照して、駐車場を
抽出させ、
前記車両案内部は、ドライバの駐車スキルを特定するドライバスキル特定部と、
前記各駐車ますにつき、ドライバの駐車スキルに応じた駐車難易度の区分を示すランクを保存するスキル別ランク保存部と、を更に備え、
前記駐車場案内部に、前記ドライバスキル特定部で特定されたドライバの駐車スキルに基づき、スキル別ランク保存部の保存内容を参照して、駐車場を
抽出させ、 前記ドライバスキル特定部で特定されたドライバの駐車スキルが最高ランクを示すとき、
前記駐車場案内部に、そこに含まれる全ての駐車ますの駐車難易度の平均が最も高い駐車場を抽出させる、又は
駐車難易度が最大ランクの駐車ますの数が最大である駐車場を
抽出させる、コンピュータ用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用案内装置、その方法及びそのコンピュータ用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者が設定した目的地に適した駐車場を案内する機能を備えた車両用案内装置がある。
かかる車両用案内装置では駐車場の空満情報を入手し、空状態の駐車場を優先的に案内する。
駐車場によっては、その駐車ます単位で空満状態を特定できる場合がある。かかる駐車場においては、駐車対象となる空状態の駐車ますに隣接する駐車ますの空満状態を検出して、当該隣接する駐車ますが空状態のとき、駐車対象の駐車ますを優先的に案内する(特許文献1、特許文献2参照)。隣接する駐車ますが空状態であるとき、駐車が容易になる、即ち駐車難易度が小さくなるからである。
駐車難易度については、駐車場全体としての駐車難易度を取り扱う例が特許文献3に提案されている。一般的に古い駐車場では駐車ますが単線で仕切られていることがあるのに対し、新しい駐車場では駐車ますが2重線で仕切られていることが多く、その結果、後者の駐車難易度は比較的小さく(即ち、駐車し易く)なっている。駐車難易度の特定された駐車場に対してドライバのスキルを対応させる例が特許文献4に例示されている。
駐車ますごとの駐車難易度の判定手法については、特許文献5及び特許文献6に言及がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-064276号公報
【文献】特開2018-200508号公報
【文献】特開2013-008157号公報
【文献】特開2017―138639号公報
【文献】国際公開2017/068698号公報
【文献】特開2018-163113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上で説明したように、従来では、駐車場毎に駐車難易度が特定されており、この駐車難易度の小さい駐車場から優先的に案内されていた。
しかしながら、駐車場内の駐車ますを見渡せば、駐車ますについてもその駐車難易度は一様ではなく、個々に違いがあることがわかる。例えば、入口近くの駐車ますでは後続の車両の邪魔にならないように素早く駐車しなければならないという心理的なプレッシャーがドライバにかかる。また、壁際の駐車ますでは、いわゆるアタマ側からの駐車が余儀なくされる。特に、比較的駐車スキルに劣ることが多い心者、女性、高齢者のドライバにとっては、駐車のしづらさは大きなストレスとなる。
しかしながら、駐車難易度を考慮して個々の駐車ますをドライバに案内する車両用案内装置は知られていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこでこの発明では、駐車場においてその駐車ますごとに駐車難易度を付与した駐車ますデータを準備し、この駐車ますデータを案内時に利用できるようにした。
即ち、この発明の第1の局面は次のように規定される。
駐車場における各駐車ますの位置とその駐車ますの駐車難易度とを備えてなる駐車ますデータを保存する駐車ますデータ保存部と、
指定された目的地のルートを検索するルート検索部と、
前記目的地にリンクした駐車場を選択して案内する駐車場案内部であって、前記駐車ますデータ保存部に保存されている前記駐車ますデータを参照して、案内する駐車場の駐車すの駐車難易度を特定する駐車場案内部と、
を備えてなる車両用案内装置。
このように規定される第1の局面に記載の車両用案内装置によれば、駐車ますデータを参照することにより、駐車ます毎にその駐車難易度が特定され、それを提示可能となる。よって、ドライバは自らの駐車スキルに応じた駐車ますの選択が可能となる。これにより、駐車時のストレスが緩和される。
【0006】
この発明の第2の局面は次のように規定される。即ち、
第1の局面に規定の車両用案内装置において、
前記駐車場案内部は、前記駐車ますデータ保存部に保存されている駐車ますデータを参照して、駐車場を抽出する。
このように規定される第2の局面に規定の車両用案内部は、前記駐車ますデータ保存部に保存されてる駐車ますデータを参照して、例えば、そこに含まれる全ての駐車ますの駐車難易度の平均が最も小さい駐車場を抽出する、若しくは、駐車難易度が最小区分を示すランクの駐車ますの数が最大である駐車場を抽出する。これにより、駐車のしやすい駐車ますが多く準備された駐車場を選ぶことができる。
【0007】
この発明の第3の局面の発明は次のように規定される。即ち、第2の局面に規定の車両用案内装置であって、選択された駐車場に前記車両が到着したとき、該駐車場において、前記駐車難易度が最小区分のランクの駐車ますの位置を示す、駐車ます指示部が更に備えられる。
このように規定される第3の局面の車両用案内装置によれば、案内の結果として駐車場に到着した車両のドライバに対し、駐車ますデータに基づいて、駐車難易度が最少区分の駐車ますの位置が指示される。例えば、初めての駐車場において駐車が容易な駐車ますが指示されると、ドライバのストレスが緩和される。
【0008】
この発明の第4の局面の発明は次のように規定される。即ち、第3の局面に規定の車両用案内装置であって、ドライバの駐車スキルを特定するドライバスキル特定部と、
前記各駐車ますにつき、ドライバの駐車スキルに応じた駐車難易度のランクを保存するスキル別ランク保存部と、を更に備え、
前記駐車場案内部は、前記ドライバスキル特定部で特定されたドライバの駐車スキルに基づき、スキル別ランク保存部の保存内容を参照して、駐車場を抽出する。
このように規定される第4の局面の車両用案内装置によれば、ドライバの駐車スキルに応じた駐車場が抽出される。例えば、駐車スキルの低いドライバに対しては、駐車難易度の低い駐車ますが多い駐車場を優先的に案内して、ドライバにとっての駐車時のストレスを低減する。
【0009】
他方、高い駐車スキルを持つドライバに対しては、駐車難易度の高い駐車ますが多い(一般的にすいている可能性が高い)駐車場を優先的に案内する。
よって、この発明の第5の局面の発明は次の様に規定される。第4の局面に規定の車両用案内装置において、前記ドライバスキル特定部で特定されたドライバの駐車スキルが最高ランクを示すとき、
前記駐車場案内部は、そこに含まれる全ての駐車ますの駐車難易度の平均が最も高い駐車場を抽出する、又は
駐車難易度が最大区分のランクの駐車ますの数が最大である駐車場を抽出する。
【0010】
この発明の第6の局面は次のように規定される。即ち、
駐車場における各駐車ますの位置とその駐車ますの駐車難易度とを備えてなる駐車ますデータを保存する駐車ますデータ保存部と、
指定された目的地のルートを検索するルート検索部と、
前記目的地にリンクした駐車場を選択して案内する駐車場案内部と、を備える車両用案内装置を用いる車両案内方法であって、
前記駐車場案内部に、前記駐車ますデータ保存部に保存されている前記駐車ますデータを参照して、案内する駐車場の駐車ますの駐車難易度を特定させる、車両案内方法。
このように規定される第6の局面に規定の車両案内方法によれば、第1の局面と同様な作用が得られる。
【0011】
この発明の第7の局面は次のように規定される。即ち、
第6の局面に規定の車両案内方法において、前記駐車場案内部に、前記駐車ますデータ保存部に保存されている駐車ますデータを参照して、駐車場を抽出させる。
このように規定される第7の局面の車両案内方法によれば、第2の局面と同様な作用が得られる。
【0012】
この発明の第8の局面は次のように規定される。即ち、
第7の局面に規定の車両案内方法において、前記車両案内部は駐車ます指示部を更に備え、
前記駐車ます指示部に、抽出された前記駐車場に前記車両が到着したとき、該駐車場において、前記駐車難易度が最小区分のランクの駐車ますの位置を示させる。
このように規定される第8の局面の車両案内方法によれば、第3の局面と同様な作用が得られる。
【0013】
この発明の第9の局面は次のように規定される。即ち、
第7の局面に規定の車両案内方法において、前記車両案内部は、ドライバの駐車スキルを特定するドライバスキル特定部と、
前記各駐車ますにつき、ドライバの駐車スキルに応じた駐車難易度のランクを保存するスキル別ランク保存部と、を更に備え、
前記駐車場案内部に、前記ドライバスキル特定部で特定されたドライバの駐車スキルに基づき、スキル別ランク保存部の保存内容を参照して、駐車場を抽出させる。
このように規定される第9の局面の車両案内方法によれば、第4の局面と同様な作用が得られる。
【0014】
この発明の第10の局面は次のように規定される。即ち、
第9の局面に規定の車両案内方法において、前記ドライバスキル特定部で特定されたドライバの駐車スキルが最高ランクを示すとき、
前記駐車場案内部に、そこに含まれる全ての駐車ますの駐車難易度の平均が最も高い駐車場を抽出させる、又は
駐車難易度が最大ランクの駐車ますの数が最大である駐車場を抽出させる。
このように規定される第10の局面の車両案内方法によれば、第5の局面と同様な作用が得られる。
【0015】
この発明の第11の局面は次のように規定される。即ち、
駐車場における各駐車ますの位置とその駐車ますの駐車難易度とを備えてなる駐車ますデータを保存する駐車ますデータ保存部と、
指定された目的地のルートを検索するルート検索部と、
前記目的地にリンクした駐車場を選択して案内する駐車場案内部と、を備える車両用案内装置を動作させるコンピュータ用プログラムであって、
前記駐車場案内部に、前記駐車ますデータ保存部に保存されている前記駐車ますデータを参照して、案内する駐車場の駐車ますの駐車難易度を特定させる、コンピュータ用プログラム。
このように規定される第11の局面に規定のコンピュータ用プログラムによれば、第1の局面と同様な作用が得られる。
【0016】
この発明の第12の局面は次のように規定される。即ち、
第11の局面に規定のコンピュータ用プログラムにおいて、前記駐車場案内部に、前記駐車ますデータ保存部に保存されている駐車ますデータを参照して、駐車場を抽出させる。
このように規定される第12の局面のコンピュータ用プログラムによれば、第2の局面と同様な作用が得られる。
【0017】
この発明の第13の局面は次のように規定される。即ち、
第12の局面に規定のコンピュータ用プログラムにおいて、前記車両案内部は駐車ます指示部を更に備え、
前記駐車ます指示部に、抽出された前記駐車場に前記車両が到着したとき、該駐車場において、前記駐車難易度が最小区分のランクの駐車ますの位置を示させる。
このように規定される第13の局面のコンピュータ用プログラムによれば、第3の局面と同様な作用が得られる。
【0018】
この発明の第14の局面は次のように規定される。即ち、
第12の局面に規定のコンピュータ用プログラムにおいて、前記車両案内部は、ドライバの駐車スキルを特定するドライバスキル特定部と、
前記各駐車ますにつき、ドライバの駐車スキルに応じた駐車難易度のランクを保存するスキル別ランク保存部と、を更に備え、
前記駐車場案内部に、前記ドライバスキル特定部で特定されたドライバの駐車スキルに基づき、スキル別ランク保存部の保存内容を参照して、駐車場を抽出させる。
このように規定される第14の局面のコンピュータ用プログラムによれば、第4の局面と同様な作用が得られる。
【0019】
この発明の第15の局面は次のように規定される。即ち、
第14の局面に規定のコンピュータ用プログラムにおいて、前記ドライバスキル特定部で特定されたドライバの駐車スキルが最高ランクを示すとき、
前記駐車場案内部に、そこに含まれる全ての駐車ますの駐車難易度の平均が最も高い駐車場を抽出させる、又は
駐車難易度が最大ランクの駐車ますの数が最大である駐車場を抽出させる。
このように規定される第15の局面のコンピュータ用プログラムによれば、第5の局面と同様な作用が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1はこの発明の一の実施の形態である駐車ますデータ作成装置の機能を説明するブロック図である。
【
図2】
図2はこの発明の他の実施の形態である駐車ますデータ作成装置の機能を説明するブロック図である。
【
図3】
図3はこの発明の他の実施の形態である駐車ますデータ作成装置の機能を説明するブロック図である。
【
図4】
図4はこの発明の他の実施の形態である駐車ますデータ作成装置の機能を説明するブロック図である。
【
図5】
図5はこの発明の他の実施の形態である駐車ますデータ作成装置の機能を説明するブロック図である。
【
図6】
図6はドライバの駐車スキルを特定する装置の機能を説明するブロック図である。
【
図7】
図7は
図1に示した駐車ますデータ作成装置により作成される駐車ますデータの例を示す。
【
図8】
図8は
図2に示した駐車ますデータ作成装置により作成される駐車ますデータの例を示す。
【
図9】
図9は
図3に示した駐車ますデータ作成装置により作成される駐車ますデータの例を示す。
【
図10】
図10は
図4に示した駐車ますデータ作成装置により作成される、駐車ますへ付与される車種毎の駐車難易度のレベルを説明する模式図である。
【
図11】
図11は
図5に示した駐車ますデータ作成装置により作成される、駐車ますへ付与される駐車スキル毎の駐車難易度のレベルを説明する模式図である。
【
図12】
図12は駐車ますデータ作成装置のハード構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は
図2に示した駐車ますデータ作成装置の動作を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は
図3に示した駐車ますデータ作成装置の動作を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は
図4に示した駐車ますデータ作成装置の動作を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は
図5に示した駐車ますデータ作成装置の動作を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は
図6に示したドライバの駐車スキル特定装置の動作を示すフローチャートである。
【
図18】
図18はこの発明の実施の形態の車両用案内装置の構成を示すブロック図である。
【
図19】
図19は他の実施の形態の車両用案内装置の構成を示すブロック図である。
【
図20】
図20は他の実施の形態の車両用案内装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
最初に、駐車ますデータの作成装置について説明する。
図1はこの発明の一実施形態の駐車ますデータ作成装置1の機能ブロック図である。
図1に示すように、この装置1は駐車ます特定部10、駐車ますデータ保存部30及び駐車難易度定義部40を備えている。
駐車ます特定部10には画像データ入力部21とマップデータ保存部25が接続される。画像データ入力部21からは駐車場の設計図やプローブカーで撮影した画像が入力される。マップデータ保存部25には車両用案内で用いられるマップデータが保存され、施設としての駐車場の位置データ(座標)が特定される。
【0022】
駐車ます特定部10は画像データ入力部21から入力された画像データに基づき、いわゆる駐車場における駐車ますマップを作製する(
図7(A)参照)。
かかる駐車ますマップに基づき、駐車場における各駐車ますの位置、形状および大きさの特定が可能となる。大きさ特定部11は、特に、駐車ますの入口の幅を特定する。ここに駐車ますの入口とは、駐車ますおいて車路に面している縁を指す。
位置特定部13は、マップデータ保存部25から入力された駐車場の位置データと駐車ますマップとを整合させることで、車両用案内装置が利用できるマップデータに各駐車ますの位置を整合させる。この例では、各駐車ますの入口の中央座標に駐車ますの位置を代表させている(
図7B参照)。駐車ますの面としての中央座標をその代表位置とすることもできるし、駐車ますの四隅の座標を用いて駐車ますの位置を特定することもできる。
【0023】
大きさ特定部11で特定された各駐車ますの入口の幅(幅員)に対し、駐車難易度定義部40は所定のルールに基づき、駐車難易度を定義する。例えば、駐車ますの入口の幅が
2.5mを超えるとき 駐車難易度:小
2.3~2.5mのとき 駐車難易度:中
2.3m未満のとき 駐車難易度:大
とする。
図7の例では、3つの駐車ますD10、D11、D12(幅:2.60m)を除く駐車ますの幅が2.38mである(
図7B参照)。よって、各駐車ますの駐車難易度は
図7の各駐車ます内に記載されている通りとなる。
【0024】
このようにして、各駐車ますの駐車難易度が定義された各駐車ますのマップデータ(駐車ますの位置が特定されている)は、駐車ますデータとして、駐車ますデータ保存部30に保存される。
【0025】
図2に他の実施形態の駐車ますデータ作成装置2を示す。なお、
図1と同一の作用を奏する要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
図2に示す駐車ます特定部10は、駐車ますの境界線を特定する境界線特定部14を備える。
図7の例では各駐車ますを仕切るための境界部分の幅を考慮していなかった。実際の駐車場では、駐車ますは
図8(B)に示す単線SLや
図8(C)に示す2重線DLで仕切られている。
図2の駐車ますデータ作成装置2においては、境界線特定部14により駐車ますの境界線を特定する。この例では仕切線(単線SL、2重線DL)において駐車ますに面する内側縁を境界線としている。
境界線の定義は任意であり、仕切線の中央を境界線としてもよい。
【0026】
図2において第1の修正部50は、駐車ますの境界線とそれに隣接する境界線との距離に応じて、駐車難易度定義部40が定義した駐車難易度を修正する。例えば、
図8の(B)に示すように、仕切り線SLの幅(例えば10cm)を基準として、
図8(C)に示すように、仕切り線が2重線となったときは、隣接する駐車ますの境界線間の距離は、仕切り線SLの幅(10cm)+ギャップGの幅(10cm)+仕切り線SLの幅(10cm)=30cmとなる。
図8(B)と
図8(C)とを比較すると、2重の仕切り線を用いることにより、例えば駐車ますD2では、駐車ますの幅が仮想的に20cm拡張したことがわかる。
【0027】
第1の修正部は、隣接する駐車ますの仕切り線を単線SLとしたときの、両駐車ますを区画する境界線間の距離(=単線SLの幅、例えば10cm)を基準とし、次の演算を行う。
(両駐車ますの境界線間の距離/2 - 0.1:単位m)×隣接する駐車ますの数
このようにして得られた仮想的な増加幅を、大きさ特定部11で特定された駐車ますの幅に加算して、駐車難易度定義部40に再定義させる。
【0028】
図8(C)に示す例(2重仕切り線DL)において再定義(定義の修正)された各駐車ますの駐車難易度を記した駐車ますマップを
図8(A)に示す。
図8(B)に示す例(単線SL)では再定義(定義の修正)は行われないので、得られる駐車ますマップは
図7(A)と同じとなる。
【0029】
図3に他の実施形態の駐車ますデータ作成装置3を示す。なお、
図2と同一の作用を奏する要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
図3に示す駐車ますデータ作成装置3は、プローブデータ保存部70を更に備える。このプローブデータ保存部70には、駐車場におけるプローブカーの操作履歴(駐車に要した時間等)が保存されている。
プローブデータ抽出部71は、位置特定部13で特定された各駐車ますの位置に存在したことのあるプローブカーのプローブデータをプローブデータ保存部70から抽出する。
プローブデータ解析部72は、各駐車ますにおける駐車に要した時間の平均を特定する。
【0030】
特定された平均時間は第2の修正部55へ送られる。この第2の修正部55は、その平均時間が20~40秒のとき、駐車難易度のレベルを一つ上げる(例えば駐車難易度小→中)。駐車に要する時間が40秒を超えるときは、駐車難易度を一律「大」とする。
また、前進での駐車は、出発時の困難性を考慮して、駐車難易度を中以上とする。
なお、第2の修正部55は、一つの駐車ますに所定数(例えば20)以上のプローブデータが抽出されたときにのみ、当該駐車ますの駐車難易度を修正するものとする。データに確からしさを求めるためである。
【0031】
第2の修正部55で修正された駐車難易度を反映させた駐車ますマップを
図9に示す。
駐車場の出入り口付近では、後続する車両や出庫車の車列により、駐車に要する時間が長くなっている。車路の曲がり角についても同様である。
図9の例において、駐車ますC1,C2については、十分量のプローブデータが得られなかったので、第1の修正部50の出力結果(駐車難易度)がそのまま維持されている。
【0032】
図4に他の実施形態の駐車ますデータ作成装置4を示す。なお、
図3と同一の作用を奏する要素には同一の符号を付してその説明を省略する
図4の駐車ますデータ作成装置4において、プローブデータ保存部70には、プローブカーの、特に駐車位置に関するデータを保存する位置データ保存部710、駐車に要した時間を保存する要駐車時間保存部720、及びプローブカーの車種を特定する車種データ保存部730が備えられる。この例では車種として、大型車、中型車、小型車と区分けしている。区分けの範囲は任意であるが、例えば
大型車L:全幅1700mm以上、及び/又は全長4800mm以上
中型車M:全幅1480mm~1700mm(未満)、及び/又は全長4500mm~4800mm(未満)、
小型車S:全福1480mm未満、かつ全長4500mm未満
とする。
【0033】
プローブデータ解析部73では、各駐車ますについて、車種ごとに、プローブデータ抽出部71を介して、駐車に要した時間を要駐車時間保存部720から読み出し、その平均時間を演算する。
車種対応ランク付け部60では、車種ごとに、すでに定義されている駐車難易度を修正する。即ち、駐車に要した平均時間が20~40秒のとき、駐車難易度のレベルを一つ上げる(例えば駐車難易度小→中)。駐車に要する時間が40秒を超えるときは、駐車難易度を一律「大」とする。
その結果、第1の修正部で修正されて各駐車ますに割り付けられた駐車難易度、この難易度は車種別に処理されていない、に加えて、
図10に示すとおり、車種別の難易度が各駐車ますに付与される。
このように、車種別に駐車難易度をテーブル化しておくことにより、車両用案内時にその車種に応じて、より細かに案内を提供できる。
【0034】
図5に他の実施形態の駐車ますデータ作成装置5を示す。なお、
図3と同一の作用を奏する要素には同一の符号を付してその説明を省略する
図5の駐車ますデータ作成装置5において、プローブデータ保存部70には、プローブカーの、特に駐車位置に関するデータを保存する位置データ保存部710、駐車に要した時間を保存する要駐車時間保存部720、及びプローブカーのドライバの駐車スキルを特定するドライブ駐車スキルデータ保存部750が備えられる。この例では駐車スキルとして、「上手」、「普通」、「これから」と区分けしている。区分けの範囲は任意であるが、例えば
上手なドライバD
+:駐車難易度中の駐車ますへ駐車するのに要する平均時間が15秒未満
普通のドライバD
0:駐車難易度中の駐車ますへ駐車するのに要する平均時間が15秒~40秒、
これからのドライバD
-:駐車難易度中の駐車ますへ駐車するのに要する平均時間が40秒を超える、
とする。
【0035】
プローブデータ解析部74では、各駐車ますについて、ドライバの駐車スキルごとに、プローブデータ抽出部71を介して、駐車に要した時間を要駐車時間保存部720から読み出し、その平均時間を演算する。
ドライバスキル対応ランク付け部80では、ドライバの駐車スキルごとに、すでに定義されている駐車難易度を修正する。即ち、駐車に要した平均時間が20~40秒のとき、駐車難易度のレベルを一つ上げる(例えば駐車難易度小→中)。駐車に要する時間が40秒を超えるときは、駐車難易度を一律「大」とする。
その結果、第1の修正部で修正されて各駐車ますに割り付けられた駐車難易度、この難易度はドライバの駐車スキル別に処理されていない、に加えて、
図11に示すとおり、ドライバの駐車スキル別の難易度が各駐車ますに付与される。
このように、ドライバの駐車スキル別に駐車難易度をテーブル化しておくことにより、車両用案内時にその車種に応じて、より細かに案内を提供できる。
【0036】
図6にドライバの駐車スキルを特定する装置6を示す。
この装置6の駐車スキル特定部100のプローブデータ抽出部101は、判定対象となるドライバについて、駐車ますデータ保存部30において駐車難易度が「中」と定義された駐車ますにおける、直近20回の、駐車の履歴データを抽出する。平均時間演算部103は、抽出された各プローブデータを参照して、駐車に要した時間を要駐車時間保存部720から読み出し、その平均時間を演算する。
演算された平均時間に基づき、スキル決定部105は、評価対象であるドライバの駐車スキルを特定する。既述のように、
上手なドライバD
+:駐車難易度中の駐車ますへ駐車するのに要する平均時間が15秒未満
普通のドライバD
0:駐車難易度中の駐車ますへ駐車するのに要する平均時間が15秒~40秒、
これからのドライバD
-:駐車難易度中の駐車ますへ駐車するのに要する平均時間が40秒を超える
とすることができる。
【0037】
上記の例では、駐車難易度「中」の駐車ますを選択してこれへ駐車するのに要する時間を当該駐車ますへの進入難易度の指標とした。ハンドルの切り返し数を進入難易度の指標とすることもできる。また、選択する駐車ますの駐車難易度を「小」又は「大」とすること、更には複数ランクの進入難易度の駐車ますを用いることもできる。
選択した駐車難易度の駐車ますから退出するのに要する時間やハンドルの切り返し数を退出難易度として、これに基づきドライバの駐車スキルを特定することもできる。
ドライバが選択する駐車ますの駐車難易度レベルに基づき、その駐車スキルを特定することもできる。例えば、上手なドライバの場合であれば、駐車ますを選択する際にその駐車難易度を考慮しないことが多いので、駐車難易度「大」の駐車ますを選択する比率が比較的高くなる。他方、これからのドライバは駐車難易度「小」の駐車ますを選択する比率が比較的小さくなる。このように、異なるレベルの駐車難易度の駐車ますを選択する比率からドライバの駐車スキルを特定することもできる。
車種別の駐車難易度レベルのテーブル(
図10参照)とドライバの駐車スキル別の駐車難易度レベルのテーブル(
図11参照)とを、同じ駐車ますに付与することも可能である。
両テーブルには優先順位を付して、車両用案内時に優先して用いるテーブルを予め決めておくことが好ましい。一般的には、車種別の駐車難易度レベルの優先順位を高くする。データ量が多いからである。
【0038】
駐車ますデータ作成装置5のハード構成を
図12に示す。
演算部200はCPU201、ROM203及びRAM205を備え、システム全体の制御をつかさどる。それとともに、駐車ます特定部10、駐車難易度定義部40、第1の修正部50及びドライバスキル対応ランク付け部80、更にはプローブデータ抽出部71やプローブデータ解析部74としても機能する。ROM203は、演算部200を制御する制御プログラム等が格納された不揮発性メモリである。RAM205は、キーボード等の入力装置280を介して利用者により予め設定された各種設定値を読み出し可能に格納したり、CPU201に対してワーキングエリアを提供したりする。演算部200を制御する制御プログラムはROM203に限らずRAM205や第1、第2記憶装置240及び250に格納されていてもよい。
【0039】
第1記憶装置240はマップデータ保存部241、画像データ保存部243、及びプローブデータ保存部245を備え、予め準備される各種のデータを保存する。
マップデータ保存部241には車両用案内ソフトに用いられるマップデータが保存されている。
画像データ保存部243には駐車場の設計図やプローブカーが撮影した駐車場の画像が保存される。
プローブデータ保存部245にはプローブデータが保存される。このプローブデータには位置、時間、速度、方向等の一般的なプローブカーの運行データに加え、駐車に要する時間、車種、ドライバの駐車スキル、ハンドル操作等に関するデータが含まれる。
第2記憶装置250は駐車ますデータの保存部30として機能する。
第1、第2記憶装置はハードメモリやフラッシュメモリなど、サーバシステムのメモリ装置の一部の領域を利用することが好ましい。
【0040】
データを一時的に保存する、いわゆるバッファメモリには、演算部のRAMの一部領域を利用できる。
出力装置270はディスプレイや音声出力装置であり、入力装置280は音声入力部や、ディスプレイに重ねて配置されるタッチパネル式のキーボートやマウスなどが該当する。
通信インターフェース230を介して、インターネット等の通信ネットワークへ接続可能となる。
コンピュータを構成する各装置はシステムバス240で連結されている。
以上、
図5に示す駐車ますデータ作成装置5のハード構成を例にとり説明してきた。当業者であれば、
図1~
図4に示す駐車ますデータ作成装置1~4のハード構成も
図12を参照すれば、同様に把握できる。
【0041】
次に、駐車ますデータ作成装置2の作用について
図13を参照しながら説明する。
ステップ1において、画像データ入力部21を介して、駐車場の設計図(見取り図)を入力する。
入力された画像データが駐車ます特定部10において画像処理されて、
図8(A)のような駐車ますマップが作成される(ステップ3)。
このようにして得られた駐車ますマップの基準位置(例えば、駐車場の中心位置や入口の位置)を、ステップ5において、マップデータ保存部25に保存されているマップデータの駐車場の基準位置に整合させる。これにより、各駐車ますの代表位置(
図8(C)参照)が定義され、これをマップデータに組み込むことができる。よって、プローブデータにおけるプローブカーの位置データと駐車ますの代表位置データとの比較検証が可能となる。
【0042】
ステップ7では、大きさ特定部11により、駐車ますマップに含まれる各駐車ますの幅が特定される。
このようにして特定された駐車ますの幅に基づき、ステップ9により、駐車難易度定義部40は各駐車ますの駐車難易度を定義する。定義の基準は既述の通りであり、一旦、
図7(A)のように各駐車ますへその駐車難易度が割り付けられる。
次に、ステップ11において、境界線特定部14が、駐車ますマップから、駐車ますを区画する仕切り線を抽出する。仕切り線の内側縁が駐車ますを区画する境界線となる。
ステップ13において第1の修正部50は、隣接する駐車ますの境界線間の距離を特定し、一旦定義された各駐車ますの駐車難易度(
図7(A)参照)を修正する。修正された駐車難易度は
図8(A)のようになる。
【0043】
このようにして得られた各駐車ますとその駐車難易度の関係は駐車ますデータとして、保存部30に保存される(ステップ15)。
駐車ますデータは、
図8(A)に示すように、マップ形式で保存されることが好ましい。車両用案内装置で当該駐車場を案内する際に、マップ形式で駐車ますとその駐車難易度を案内することがドライバにとって視認しやすいからである。
【0044】
駐車ますデータ作成装置3の作用について
図14を参照しながら説明する。なお、
図13と同一の動作を行うステップには同一の符号を付してその説明を省略する。
ステップ21では、プローブデータ保存部70に保存されているプローブデータから、駐車ます毎にその代表位置に存在したデータを抽出する。
抽出されるプローブデータの数が20以上となったとき(ステップ23:Y)、第2の修正部55は、駐車に要した時間に基づき駐車ますの駐車難易度を修正する。抽出されるプローブデータの数が20に満たないときは、第2の修正部55による修正はなされない。
得られた駐車ますデータ(
図9参照)は駐車ますデータ保存部30に保存される(ステップ27)。
【0045】
駐車ますデータ作成装置4の作用について
図15を参照しながら説明する。なお、
図13と同一の動作を行うステップには同一の符号を付してその説明を省略する。
ステップ31では、プローブデータ抽出部71により、位置特定部13で特定された駐車ますの代表位置とプローブデータ保存部70の位置データ保存部710に保存されているプローブデータの位置とが突き合わされ、更に車種データ保存部730を参照して車種ごとに、要駐車時間保存部720に保存されている駐車に要した時間に関するプローブデータが抽出される。
【0046】
抽出されるプローブデータの数が20以上となったとき(ステップ33:Y)、プローブデータ解析部73は、駐車に要した時間に基づき、車種ごとの駐車難易度を駐車ますに付与する(ステップ35)。抽出されるプローブデータの数が20に満たない車種については、プローブデータ解析部73による駐車難易度の定義は行われない。、
得られた駐車ますデータ(
図10参照)は駐車ますデータ保存部30に保存される(ステップ37)。
【0047】
駐車ますデータ作成装置5の作用について
図16を参照しながら説明する。なお、
図13と同一の動作を行うステップには同一の符号を付してその説明を省略する。
ステップ41では、プローブデータ抽出部71により、位置特定部13で特定された駐車ますの代表位置とプローブデータ保存部70の位置データ保存部710に保存されているプローブデータの位置とが突き合わされ、更にドライバ駐車スキルデータ保存部750を参照してドライバの駐車スキル毎に、要駐車時間保存部720に保存されている駐車に要した時間に関するプローブデータが抽出される。
【0048】
抽出されるプローブデータの数が20以上となったとき(ステップ43:Y)、プローブデータ解析部74は、駐車に要した時間に基づき、ドライバの駐車スキルごとの駐車難易度を駐車ますに付与する(ステップ45)。抽出されるプローブデータの数が20に満たないものについては、プローブデータ解析部73による駐車難易度の定義は行われない。
得られた駐車ますデータ(
図11参照)は駐車ますデータ保存部30に保存される(ステップ47)。
【0049】
駐車ますデータ作成装置5においてドライバ駐車スキルデータ保存部には、ドライバ毎にその駐車スキルが保存されている。そして、ドライバ毎の駐車スキルは
図6に示す駐車スキル特定装置6により、次の様に更新される(
図17参照)。
即ち、ステップ51において、評価対象となるドライバを指定する。
プローブデータ抽出部101は、駐車ますデータ保存部30と位置データ保存部710とを参照しながら、指定されたドライバについて、駐車難易度が「中」レベルの駐車ますでの直近20回の駐車履歴を抽出し(ステップ53)、そのとき駐車に要した時間を要駐車時間保存部720から読み出してその平均時間を平均時間演算部103で演算する(ステップ55)。
このようにして得られた平均時間に基づき、スキル決定部105はドライバの駐車スキルを決定する(ステップ57)。
決定された駐車スキルはドライバ駐車スキルデータ保存部750に送られて、そこにあったデータを更新する(ステップ59)。このようにして、ドライバの駐車スキルが更新されている。
【0050】
このようにして得られた駐車ますデータを利用する車両用案内装置300について説明する(
図18参照)。
この車両用案内装置300はルート案内部310、マップデータ保存部320及び案内表示部330を備えてなる。
ルート案内部310には目的地設定部311及びルート検索部313が備えられ、目的地設定部311で入力された目的地までのルートが、汎用的なルート検索プログラムに従って、ルート検索部313により検索される。
駐車場案内部315は目的地にリンクした駐車場を選択する。選択された駐車場につき、その駐車ますデータ保存部325に保存されている駐車ますデータを参照してその駐車ますデータの内容、例えば駐車難易度の区分を示すランクを案内する。このとき、駐車ますデータを所定のルールに従い処理して、案内する駐車場を更に絞り込む(抽出)することもできる。例えば、駐車難易度の区分を示すランクが最も低い駐車ますの数が所定数以上存在する、もしくはその数が最大である駐車場を抽出する。
【0051】
マップデータ保存部320には道路データ保存部321と施設データ保存部323が備えられる。道路データ保存部321には、道路を規定するノード及びリンクに関するデータの他、制限速度、高速道路、路線数などの道路属性データや経路選択に用いるコストデータなどが保存されている。
施設データ保存部323には、目的地の対象となる各種の施設がその特性(名称、カテゴリ等)とともに保存される。既述の駐車ますデータはマップ形式で駐車ますデータ保存部325に保存される。
【0052】
案内表示部330は画像案内部331と音声案内部333を備える。画像案内部331はディスプレイ装置からなり、道路地図上にルート検索部で検索された案内ルートを表示する。選択した車両が駐車場に到着したとき、駐車場案内部315はその駐車場の駐車ますマップを表示する。この駐車ますマップにおいては、駐車ます毎にその駐車難易度のレベルが表示されているものとする。
音声案内部333は検索された案内ルートを音声で案内する。例えば、右折すべき交差点に近づいていることを音声として案内する。
【0053】
図19には、他の車両用案内装置400を示す。なお、
図18と同一の要素には同一の符号を付してその説明を部分的に説明する。
この車両用案内装置400では、ルート案内部310に車種特定部417が備えられる。他方、駐車ますデータ保存部425において、駐車ます毎に、
図10に例示するように、車種別の駐車難易度が付与されている。
駐車場案内部315は車種別ランク保存部427の内容を参照して、車種特定部417で特定された車種について、各駐車ますの駐車難易度を特定する。
【0054】
図20には、他の車両用案内装置450を示す。なお、
図18と同一の要素には同一の符号を付してその説明を部分的に説明する。
この車両用案内装置450では、ルート案内部310にドライバスキル特定部467が備えられる。他方、駐車ますデータ保存部475において、駐車ます毎に、
図11に例示するように、ドライバの駐車スキル別の駐車難易度が付与されている。
駐車場案内部315はスキル別ランク保存部477の内容を参照して、ドライバスキル特定部467で特定された駐車スキルについて、各駐車ますの駐車難易度を案内する。
なお、ドライバの駐車スキルはあらかじめ車両用案内装置450の図示しないメモリに保存しておくことができる。更には、汎用的な顔認識ソフトを利用して、ドライバのIDを特定し、特定されたドライバIDにもとづき、外部のサーバ(ドライバの駐車スキルを特定する装置;
図6参照)へアクセスしてそこに保存されている駐車スキルを特定することもできる。
【0055】
車両用案内装置450のハード構成を
図21に示す。
演算部500はCPU501、ROM503及びRAM505を備え、システム全体の制御をつかさどる。それとともに、ルート案内部310及び案内表示部330のドライバとして機能する。ROM503は、演算部500を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリを含む。RAM505は、キーボード等の入力装置530を介して利用者により予め設定された各種設定値を読み出し可能に格納したり、CPU501に対してワーキングエリアを提供したりする。演算部500を制御する制御プログラムはROM503に限らずRAM505や第1記憶装置511に格納されていてもよい。
【0056】
第1記憶装置511はマップデータ保存部320として機能する。その所定の領域が道路データ保存部321、施設データ保存部323、駐車ますデータ保存部475及びスキル別ランク保存部477となる。
第1記憶装置511はハードメモリやフラッシュメモリなど、サーバシステムのメモリ装置の一部の領域をすることが好ましい。
データを一時的に保存する、いわゆるバッファメモリには、演算部のRAMの一部領域を利用できる。
出力装置520は、案内表示部330におけるディスプレイや音声出力装置であり、入力装置530は音声入力部や、ディスプレイに重ねて配置されるタッチパネル式のキーボートやマウスなどが該当する。
コンピュータを構成する各装置はシステムバス540で連結されている。
以上、
図20に示す車両用案内装置450のハード構成を例にとり説明してきた。当業者であれば、
図18及び
図19に示す車両用案内装置300、400のハード構成も
図20を参照すれば、同様に把握できる。
【0057】
次に、車両用案内装置300の動作について
図22を参照しながら説明する。
ステップ101とステップ103では、汎用的な手法による目的地の指定と指定された目的に対するルートの探索が行われる。ステップ105では、駐車場案内部315により目的地にリンクした駐車場が選択される。例えば、目的地が遊園地の場合はその付属の駐車場が選択される。また、目的地が駐車場をもたないときは、目的地の近隣の駐車場が選択される。
なお、目的地を特に指定せず、案内装置の機能として、案内画面に駐車場を表示させたときは、現在地を目的地とみなし、案内画面に表示された駐車場が選択されたものとする。
選択された駐車場は一つに限らないので、車両の位置が選択された駐車場のいずれかに到着したら(ステップ107)、駐車場案内部315は駐車ますデータ保存部325を参照して、その駐車場に駐車ますデータが準備されていたとき(ステップ109:Y)、その駐車ますマップが案内画面に提示される(ステップ111)。その駐車場に駐車ますデータが準備されていないとき(ステップ109:N)、駐車ますマップが提示されることはない。この駐車ますマップには駐車ます毎にその駐車難易度の区分を示すランクが付与されているので、ドライバの自身の駐車スキルに応じて駐車ますを選択することができる。
【0058】
図23には車両用案内装置450(
図20)の動作を説明する。なお、
図22と同じ動作のステップには同じ符号を付してその説明を省略する。
図23では、ステップ105で選択された駐車場において駐車ますデータを備えたものを抽出する(ステップ206)。ステップ208では、ドライバスキル特定部467により特定されたドライバの駐車スキルに応じて、駐車場案内部315がスキル別ランク保存部477の内容を参照し、ドライバに適した駐車場を抽出する。
例えば、ドライバの駐車スキルが最低ランクのときは、駐車難易度が最小区分ランクの駐車ますを最も多く備える駐車場を抽出する。他方、ドライバの駐車スキルが最高ランクのときは、駐車難易度が最高区分ランクの駐車ますを最も多く備える駐車場を抽出する。
ステップ111において表示される駐車ますマップでは、そこに示される駐車ますには、スキル別ランク保存部477の保存内容が案内される。
【0059】
本発明は、上記実施形態、実施例、変形例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1、2、3、4、5 駐車ますデータ作成装置
10 駐車ます特定部
30 駐車ますデータ保存部
40 駐車難易度定義部
50 第1の修正部
55 第2の修正部
60 車種対応ランク付け部
70 プローブデータ保存部
80 ドライバスキル対応ランク付け部
300,400、450 車両用案内装置