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特許7249207シェーディング補正信号生成装置、複合機及びシェーディング補正信号生成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】シェーディング補正信号生成装置、複合機及びシェーディング補正信号生成方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/47 20060101AFI20230323BHJP
   G02B 26/10 20060101ALI20230323BHJP
   H04N 1/113 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
B41J2/47 101M
G02B26/10 Z
H04N1/113
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019099822
(22)【出願日】2019-05-28
(65)【公開番号】P2020192739
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】松本 和剛
【審査官】井出 元晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-010264(JP,A)
【文献】特開2017-064992(JP,A)
【文献】特開2013-193251(JP,A)
【文献】特開2013-098843(JP,A)
【文献】特開2005-262509(JP,A)
【文献】特開2005-059251(JP,A)
【文献】特開2013-109328(JP,A)
【文献】特開2014-138356(JP,A)
【文献】特開2010-069668(JP,A)
【文献】特開2000-071510(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0268098(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/47
G02B 26/10
H04N 1/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェーディングを補正するためのシェーディング補正信号を生成するためのシェーディング補正信号生成装置であって、
補正量設定信号を生成する補正量設定信号生成手段と、
前記補正量設定信号を所定の変調方式により変調して変調信号を出力する変調手段と、
前記変調信号をフィルタ処理して前記シェーディング補正信号を生成するフィルタ回路と、
を備え、
前記補正量設定信号生成手段は、
所定期間においては、前記シェーディング補正信号のレベルが、前記所定期間に対応したレベルになるような前記補正量設定信号を生成し、
前記所定期間から過渡期間経過後に開始するシェーディング補正期間においては、前記シェーディング補正信号のレベルがシェーディングを補正するために変化するような前記補正量設定信号を生成し、
前記過渡期間においては、前記所定期間の終期におけるレベルと該過渡期間に亘る平均レベルとの差分が、前記所定期間の終期におけるレベルと前記シェーディング補正期間の始期におけるレベルとの差分よりも大きくなるような前記補正量設定信号を生成するシェーディング補正信号生成装置であって、
前記補正量設定信号生成手段は、
前記過渡期間の中途から前記過渡期間の終期までの保持期間における前記補正量設定信号のレベルを前記シェーディング補正期間の始期におけるレベルと等しくすることを特徴とするシェーディング補正信号生成装置。
【請求項2】
請求項に記載のシェーディング補正信号生成装置であって、
前記補正量設定信号生成手段は、
前記過渡期間の始期から前記過渡期間の中途までの変化期間における前記補正量設定信号のレベルと前記所定期間の終期における前記補正量設定信号のレベルとの差分を、前記シェーディング補正期間の始期におけるレベルと前記所定期間の終期における前記補正量設定信号のレベルとの差分よりも大きくすることを特徴とするシェーディング補正信号生成装置。
【請求項3】
シェーディングを補正するためのシェーディング補正信号を生成するためのシェーディング補正信号生成装置であって、
補正量設定信号を生成する補正量設定信号生成手段と、
前記補正量設定信号と帰還信号に基づいて誤差信号を得る減算器と、
前記誤差信号を所定のゲイン調整部により演算して補正量設定信号を自動調整する調整手段と、
前記自動調整された前記補正量設定信号を所定の変調方式により変調して変調信号を出力する調手段と、
前記変調信号をフィルタ処理して前記シェーディング補正信号を生成するフィルタ回路と、
前記シェーディング補正信号から前記帰還信号を得る帰還手段と、
を備え、
前記補正量設定信号生成手段は、
所定期間においては、前記シェーディング補正信号のレベルが、前記所定期間に対応したレベルになるような前記補正量設定信号を生成し、
前記所定期間から過渡期間経過後に開始するシェーディング補正期間においては、前記シェーディング補正信号のレベルがシェーディングを補正するように変化するような前記補正量設定信号を生成し、
前記過渡期間においては、前記所定期間の終期におけるレベルと該過渡期間に亘る平均レベルとの差分が、前記所定期間の終期におけるレベルと前記シェーディング補正期間の始期におけるレベルとの差分よりも大きくなるような前記自動調整された補正量設定信号を生成することを特徴とするシェーディング補正信号生成装置。
【請求項4】
シェーディングを補正するためのシェーディング補正信号を生成するためのシェーディング補正信号生成装置であって、
補正量設定信号を生成する補正量設定信号生成手段と、
前記補正量設定信号を所定の変調方式により変調して変調信号を出力する変調手段と、
前記変調信号をフィルタ処理してシェーディング補正信号を生成するフィルタ回路と、
を備え、
前記補正量設定信号生成手段は、
所定期間においては、前記シェーディング補正信号のレベルが、前記所定期間に対応したレベルになるような前記補正量設定信号を生成し、
前記所定期間から過渡期間経過後に開始するシェーディング補正期間においては、前記シェーディング補正信号のレベルがシェーディングを補正するために変化するような前記補正量設定信号であって、前記シェーディング補正期間の始期から所定の保持期間設定レベルに対する差分を持つことが可能な前記補正量設定信号を生成し、
前記過渡期間の中途から前記過渡期間の終期までの保持期間においては、前記保持期間設定レベルを持つような前記補正量設定信号を生成することを特徴とするシェーディング補正信号生成装置。
【請求項5】
請求項に記載のシェーディング補正信号生成装置であって、
前記補正量設定信号生成手段は、
前記過渡期間の始期から前記過渡期間の中途までの変化期間におけるレベルと前記所定期間の終期におけるレベルとの差分が前記保持期間におけるレベルと前記所定期間の終期におけるレベルとの差分よりも大きくなるような前記補正量設定信号を生成することを特徴とするシェーディング補正信号生成装置。
【請求項6】
請求項1乃至の何れか1項に記載のシェーディング補正信号生成装置であって、
前記変調手段は、前記補正量設定信号をPDM方式により変調して変調信号を出力することを特徴とするシェーディング補正信号生成装置。
【請求項7】
請求項に記載のシェーディング補正信号生成装置であって、
前記PDM方式による変調にデルタシグマ変調を用いることを特徴とするシェーディング補正信号生成装置。
【請求項8】
請求項1乃至の何れか1項に記載のシェーディング補正信号生成装置であって、
前記フィルタ回路の次数が2以上の低域通過フィルタ回路であることを特徴とするシェーディング補正信号生成装置。
【請求項9】
請求項に記載のシェーディング補正信号生成装置であって、
前記フィルタ回路は、前記変調手段から所定距離以内の位置に配置され且つ次数が1以上の変調手段側低域通過フィルタ回路を含むシェーディング補正信号生成装置。
【請求項10】
請求項又はに記載のシェーディング補正信号生成装置であって、
前記フィルタ回路は、前記シェーディング補正信号が供給されるドライブ回路の入力部から所定距離以内の位置に配置され且つ次数が1以上のドライブ回路側低域通過フィルタ回路を含むシェーディング補正信号生成装置。
【請求項11】
請求項乃至10の何れか1項に記載のシェーディング補正信号生成装置であって、
前記フィルタ回路は、光源を駆動するための光源駆動信号を生成するためのドライバの入力部から所定距離以内の位置において前記変調手段が出力する前記変調信号を分圧して前記ドライバに供給するための構成を含むことを特徴とするシェーディング補正信号生成装置。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1項に記載のシェーディング補正信号生成装置と、
前記シェーディング補正信号と画像信号に少なくとも基づいて光源を駆動するための光源駆動信号を生成するためのドライバと、
を備えることを特徴とする光源駆動系装置。
【請求項13】
請求項12に記載の光源駆動系装置であって、
前記光源駆動装置により駆動される前記光源から出射される光を受光する受光手段と、
前記受光手段が光を受光したタイミングに基づいて、前記過渡期間及び前記シェーディング補正期間のタイミングを調整する同期回路と、
更に備えることを特徴とする光源駆動系装置。
【請求項14】
請求項13に記載の光源駆動系装置であって、
前記受光手段が受光した光の強度に基づいて前記所定期間、前記過渡期間及び前記シェーディング補正期間を含む主走査期間毎の前記光源の発光強度を調整する手段を前記ドライバの内部又は外部に備えることを特徴とする光源駆動系装置。
【請求項15】
請求項1乃至11の何れか1項に記載のシェーディング補正信号生成装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項1乃至11の何れか1項に記載のシェーディング補正信号生成装置を備えることを特徴とする複合機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真式の複合機、画像形成装置などにおいて発生するシェーディングを補正するためのシェーディング補正信号生成装置、複合機及びシェーディング補正信号生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の複合機又は画像形成装置においては、レーザ光が感光体ドラムに到達するまでの光学系によりレーザ光にシェーディングが発生してしまう可能性があるが、これを補正するためにシェーディング補正が行われている。これによりレーザ光強度が感光体ドラムの主走査方向に沿って均一となり、形成された画像の画質が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-198894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ステップ状に変化する補正量設定信号に基づいて滑らかなシェーディング補正信号を生成するために、補正量設定信号に基づいて平滑化回路を用いてシェーディング補正信号を生成するような構成を用いた場合には従来から次のような問題があった。つまり、必要とされるレーザ光強度が非画像領域と画像領域との間で差がある場合において、レーザ光強度を補正するための補正量設定信号のレベルを非画像領域から画像領域に進む時に切り替えたとしても、平滑化回路により遅れが生じてしまうことである。この例を図1に示す。所定期間及び過渡期間は非画像領域に対応した期間であり、シェーディング補正期間は画像形成領域に対応した期間である。所定期間においては、所定の目的のためにシェーディング補正期間と比べてレーザ光強度を低く維持する必要がある。所定期間のレベルを補正量設定信号Aを過渡期間が終了するまで維持して、シェーディング補正期間が開始する時に補正量設定信号Aのレベルを上げると、平滑化回路が原因となってシェーディング補正信号Bが本来必要としているレベルに到達するまで時間がかかってしまう。従って、画像領域が開始する部分におけるシェーディング補正が正しくできなくなってしまう。
【0005】
特許文献1に開示されている発明では、図2に示すように、過渡期間の開始から補正量設定信号Aのレベルを画像領域に対応するシェーディング補正期間開始時のレベルにすることにより、この問題を解決している。
【0006】
しかし、特許文献1に開示されている光走査装置では、次の課題がある。すなわち、図3に示すように、過渡期間の開始から補正量設定信号Aのレベルを画像領域に対応するシェーディング補正期間開始時のレベルにしても、過渡期間が短ければ、シェーディング補正期間の開始時にシェーディング補正信号のレベルが十分に上がらず、正常なシェーディング補正をすることができないという課題がある。
【0007】
特に、過渡期間が同じだとしても、切替前後の光量設定信号のレベル差が大きい場合には、本来必要とするシェーディング補正信号のレベルに対する実際のシェーディング補正信号のレベルが相当低くなってしまう。
【0008】
ここで、過渡期間を充分にとることができない場合とは、例えば、次のような場合である。
【0009】
小型の複合機の場合、BD検出用の検出器と感光体ドラムまでの距離が短くなってしまい、このような場合には、過渡期間を充分にとることができない。
【0010】
また、A3ワイドの用紙に対する印刷の場合に過渡期間が短くなってしまう。
【0011】
切替前後の光量設定信号のレベル差が大きい場合とは、例えば、次のような場合である。
【0012】
シェーディング補正を主走査方向の中心位置から見て非対称に行う必要がある場合があり、このような場合にも、シェーディング補正信号にプラスのオフセットを持たせておく必要がある。この場合にも、切替前後のシェーディング補正信号のレベル差が大きくなる。例えば、一定でない本体プロセス感度もシェーディング補正信号により補正する場合には、このような必要が生じる。
【0013】
シェーディング補正信号の全体のレベルを低くする必要がある場合があるが、そのような場合、そのままでは、BD検出のためのレーザ光が不十分となってしまう可能性がある。それを避けるために、BD領域のみにおいてシェーディング補正信号のレベルを上げる。このような場合にも、切替前後のレベル差が大きくなってしまう。
【0014】
レーザドライバには様々なものがあるが、その中でも、主走査方向の基準信号と副走査方向の基準信号と変調された画像信号を入力し、主走査方向の基準信号と副走査方向の基準信号で決まる振幅の信号を変調済みの画像信号で変調することにより得られた信号に基づいてレーザ発光源をオン/オフさせるようなレーザドライバがある。このようなレーザドライバの場合、主走査方向の基準信号をシェーディング補正信号としても利用することができる。しかし、このようなレーザドライバの場合、APC期間で主走査方向の基準信号をゼロボルトにしないと、前述の振幅が本来あるべき振幅ではなくなってしまう。従って、このようなレーザドライバを利用する場合には、主走査方向の基準信号を、APC期間ではゼロボルトの信号にして、それ以外の期間ではシェーディング補正信号にする必要がある。従って、これらの切替前後のレベル差が大きくなってしまう。
【0015】
そこで、本発明は、所定期間からシェーディング補正期間までの間にある過渡期間が短かかったり、所定期間において必要とされるシェーディング補正信号のレベルとシェーディング補正期間において必要とされるシェーディング補正信号のレベルの差が大きい場合であっても、シェーディング補正期間の開始から所望のレベルのシェーディング補正信号を生成することが可能なシェーディング補正信号生成装置、複合機及びシェーディング補正信号生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によれば、
シェーディングを補正するためのシェーディング補正信号を生成するためのシェーディング補正信号生成装置であって、
補正量設定信号を生成する補正量設定信号生成手段と、
前記補正量設定信号を所定の変調方式により変調して変調信号を出力する変調手段と、
前記変調信号をフィルタ処理して前記シェーディング補正信号を生成するフィルタ回路と、
を備え、
前記補正量設定信号生成手段は、
所定期間においては、前記シェーディング補正信号のレベルが、前記所定期間に対応したレベルになるような前記補正量設定信号を生成し、
前記所定期間から過渡期間経過後に開始するシェーディング補正期間においては、前記シェーディング補正信号のレベルがシェーディングを補正するために変化するような前記補正量設定信号を生成し、
前記過渡期間においては、前記所定期間の終期におけるレベルと該過渡期間に亘る平均レベルとの差分が、前記所定期間の終期におけるレベルと前記シェーディング補正期間の始期におけるレベルとの差分よりも大きくなるような前記補正量設定信号を生成することを特徴とするシェーディング補正信号生成装置が提供される。
【0017】
また、本発明によれば、
シェーディングを補正するためのシェーディング補正信号を生成するためのシェーディング補正信号生成装置であって、
補正量設定信号を生成する補正量設定信号生成手段と、
前記補正量設定信号と帰還信号に基づいて誤差信号を得る減算器と、
前記誤差信号を所定の変調方式により変調して変調信号を出力する変調手段と、
前記変調信号をフィルタ処理して前記シェーディング補正信号を生成するフィルタ回路と、
前記シェーディング補正信号から前記帰還信号を得る帰還手段と、
を備え、
前記補正量設定信号生成手段は、
所定期間においては、前記シェーディング補正信号のレベルが、前記所定期間に対応したレベルになるような前記補正量設定信号を生成し、
前記所定期間から過渡期間経過後に開始するシェーディング補正期間においては、前記シェーディング補正信号のレベルがシェーディングを補正するように変化するような前記補正量設定信号を生成し、
前記過渡期間においては、前記所定期間の終期におけるレベルと該過渡期間に亘る平均レベルとの差分が、前記所定期間の終期におけるレベルと前記シェーディング補正期間の始期におけるレベルとの差分よりも大きくなるような前記補正量設定信号を生成することを特徴とするシェーディング補正信号生成装置が提供される。
【0018】
更に、本発明によれば、
シェーディングを補正するためのシェーディング補正信号を生成するためのシェーディング補正信号生成装置であって、
補正量設定信号を生成する補正量設定信号生成手段と、
前記補正量設定信号を所定の変調方式により変調して変調信号を出力する変調手段と、
前記変調信号をフィルタ処理してシェーディング補正信号を生成するフィルタ回路と、
を備え、
前記補正量設定信号生成手段は、
所定期間においては、前記シェーディング補正信号のレベルが、前記所定期間に対応したレベルになるような前記補正量設定信号を生成し、
前記所定期間から過渡期間経過後に開始するシェーディング補正期間においては、前記シェーディング補正信号のレベルがシェーディングを補正するために変化するような前記補正量設定信号であって、前記シェーディング補正期間の始期から所定の保持期間設定レベルに対する差分を持つことが可能な前記補正量設定信号を生成し、
前記過渡期間の中途から前記過渡期間の終期までの保持期間においては、前記保持期間設定レベルを持つような前記補正量設定信号を生成することを特徴とするシェーディング補正信号生成装置が提供される。
【0019】
更に、本発明によれば、
上記のシェーディング補正信号生成装置と、
前記シェーディング補正信号と画像信号に少なくとも基づいて光源を駆動するための光源駆動信号を生成するためのドライバと、
を備えることを特徴とする光源駆動系装置が提供される。
【0020】
更に、本発明によれば、上記のシェーディング補正信号生成装置を備えることを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0021】
更に、本発明によれば、上記のシェーディング補正信号生成装置を備えることを特徴とする複合機が提供される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、切替タイミングからシェーディング補正開始までの時間が短かかったり、切替前後におけるレベル差が大きい場合であっても、シェーディング補正期間の開始から所望のレベルのシェーディング補正信号を生成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】従来例による補正量設定信号の波形及びシェーディング補正信号の波形を示す図である。
図2】他の従来例による補正量設定信号の波形及びシェーディング補正信号の波形を示す図である。
図3】過渡期間が短い場合の他の従来例による補正量設定信号の波形及びシェーディング補正信号の波形を示す図である。
図4】本発明の第1の実施の形態による電子写真式の複合機に含まれる画像形成装置の概略構成図である。
図5】本発明の第1及び第2の実施の形態によるシェーディング補正信号生成装置の構成を示すブロック図である。
図6図5に示すフィルタ回路及び分圧回路の構成例を示す回路図である。
図7】本発明の第1の実施の形態における補正量設定信号の波形及びシェーディング補正信号の波形を示す図である。
図8】本発明の第2の実施の形態における補正量設定信号の波形及びシェーディング補正信号の波形を示す図である。
図9】本発明の第3の実施の形態によるシェーディング補正信号生成装置の構成を示すブロック図である。
図10】本発明の第3の実施の形態における補正量設定信号の波形及びシェーディング補正信号の波形を示す図である。
図11】本発明の第4の実施の形態によるシェーディング補正信号生成装置の構成を示すブロック図である。
図12図11に示すフィルタ回路#1及びフィルタ回路#2の構成例を示す回路図である。
図13】ステップ入力信号に対する図6に示すフィルタ回路#1及びフィルタ回路#2のステップ応答信号の波形と、ステップ入力信号に対する図12に示すフィルタ回路#1及びフィルタ回路#2のステップ応答信号の波形を示す図である。
図14】本発明の第5の実施の形態によるシェーディング補正信号生成装置の構成を示すブロック図である。
図15】本発明の第6の実施の形態における補正量設定信号の波形及びシェーディング補正信号の波形の他の例を示す図である。
図16】本発明の第7の実施の形態による複合機の概念的断面図である。
図17】本発明の第7の実施の形態による複合機の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0025】
[第1の実施の形態]
図4は、電子写真式の複合機に含まれる画像形成装置の概略構成図である。
【0026】
図4を参照すると、レーザ発光源201から出射されたレーザ光は、矢印Aに示すように回転するポリゴンミラー301により感光体ドラム740を主走査方向に走査する走査光に変換される。ここで、ポリゴンミラー301から感光体ドラム740までの光路には、レンズなどの光学系部品302が配置されている。
【0027】
主走査の初期においては、BD検出用の検出器検出器203によりレーザ光が検出され、検出したタイミングに基づいて主走査方向の同期を図ることができるようになる。
【0028】
また、BD検出器203により検出されたレーザ光に基づく検出信号は、光源駆動回路205に供給される。この検出信号のレベルに基づいて、副走査方向においてレーザ光強度を調整するためのAPCが行われる。
【0029】
光源駆動系回路205には、画像信号も供給される。そして、光源駆動系回路205からは、副走査方向においてAPCにより強度が調整され、主走査方向においてはシェーディング補正信号生成回路によりシェーディング補正がされ、画像信号により変調されたレーザ発光源駆動信号が出力される。
【0030】
第1の実施の形態によるシェーディング補正信号生成装置を図5に示す。これは、光源駆動系回路205の一部を構成する。
【0031】
図5を参照すると、このシェーディング補正信号生成装置は、補正量設定信号生成用テーブル101、変調器103、フィルタ回路105、分圧回路106、レーザドライバ107を備える。
【0032】
補正量設定信号生成用テーブル101は、ビーム水平方向位置データkに基づいて、デジタルデータで表される補正量設定信号(図7参照)を生成する。
【0033】
変調器103は、補正量設定信号を所定の変調方式により変調して変調信号を生成する。所定の変調方式としては、例えば、PDM(Pulse Density Modulation;パルス密度変調)を用いる。また、PDMとしては、例えば、デルタシグマ変調を用いる。
【0034】
フィルタ回路105は、変調器103により生成された変調信号に基づいて、補正量設定信号により示されるレベルに対応したレベルのアナログのシェーディング補正信号(図7参照)を生成する。フィルタ回路105は、例えば、一次以上の低域通過フィルタである。また、フィルタ回路105は、レーザ発光源201を駆動するための光源駆動信号を生成するためのレーザドライバ107の入力部から所定距離以内の位置において変調器103が出力する変調信号を分圧してレーザドライバ107に供給するための構成を含む(図6参照)。
【0035】
分圧回路106は、フィルタ回路の出力信号を分圧する(図6参照)。
【0036】
レーザドライバ107は、画像信号とシェーディング補正信号に基づいてレーザ発光源を駆動するための駆動信号を生成し、これをレーザ発光源に出力する。駆動信号のレベルは、シェーディング補正信号のレベルに対応したものになる。また、画像信号がPWM(Pulse Width Modulation)されているのであれば、駆動信号は、同様に変調されたものになる。
【0037】
第1の実施の形態では、図7に示すように、所定期間の終期におけるレベルと過渡期間に亘る平均レベルとの差分が、所定期間の終期におけるレベルとシェーディング補正期間の始期におけるレベルとの差分よりも大きくなるような補正量設定信号Aを生成する。ここで、所定期間とは、例えば、BD検出、APC期間である。
【0038】
これにより、図3を参照して説明した例と比較して、シェーディング補正信号のレベルが急伸する。従って、図7に示すように、シェーディング補正期間が始まる時において、シェーディング補正信号のレベルをシェーディング補正期間の開始時においてシェーディング補正のために調整された補正量設定信号に直流的に対応するシェーディング補正信号のレベルと等しくさせることができる。
【0039】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態によるシェーディング補正信号生成装置の構成は、第1の実施の形態によるシェーディング補正信号生成装置(図5に示す。)と同様である。
【0040】
第2の実施の形態では、図8に示すように、所定期間が終了してからシェーディング補正期間が始まるまでの過渡期間の末尾部に一定の時間長の保持期間を設ける。そして、保持期間における補正量設定信号のレベル501-2をシェーディング補正期間の始期における補正量設定信号のレベル502と同一にする。
【0041】
そして、保持期間の始期にシェーディング補正信号のレベルがシェーディング補正期間の始期におけるシェーディング補正信号のレベルに到達するように、過渡期間が開始してから保持期間が開始するまでの期間(変化期間)における補正量設定信号のレベルを調整する。このような調整により、フィルタ回路105で用いられる素子のばらつきによる応答特性のばらつきを吸収することができる。
【0042】
一連の調整の説明をすると、シェーディング補正期間において所望のレーザ光強度が得られるように変調器103の入出力特性やゲイン調整部(図示せず。)を調整する。これによりシェーディング補正期間におけるシェーディング補正信号のレベルの調整が図られる。次に、例えば、フィルタ回路105で用いられる素子のばらつきにより保持期間の始期におけるシェーディング補正信号のレベルがシェーディング補正期間の始期におけるシェーディング補正信号のレベルよりも低いのであれば、変化期間における補正量設定信号のレベル501-1を上げる。逆に、フィルタ回路105で用いられる素子のばらつきにより保持期間の始期におけるシェーディング補正信号のレベルがシェーディング補正期間の始期におけるシェーディング補正信号のレベルよりも高いのであれば、変化期間における補正量設定信号のレベル501-1を下げる。
【0043】
なお、フィルタ回路105で用いられる素子のばらつきにより保持期間に始期におけるシェーディング補正信号のレベルがシェーディング補正期間の始期におけるシェーディング補正信号のレベルよりも低くても、保持期間が終了する前にシェーディング補正信号のレベルがシェーディング補正期間の始期におけるシェーディング補正信号のレベルに到達するならば、変化期間における補正量設定信号のレベル501-1のレベルを調整しなくてもよい。また、フィルタ回路105で用いられる素子のばらつきにより保持期間に始期におけるシェーディング補正信号のレベルがシェーディング補正期間の始期におけるシェーディング補正信号のレベルよりも高くても、保持期間が終了する前にシェーディング補正信号のレベルがシェーディング補正期間の始期におけるシェーディング補正信号のレベルに到達するならば、変化期間における補正量設定信号のレベル501-1のレベルを調整しなくてもよい。
【0044】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態によるシェーディング補正信号生成装置を図9に示す。
【0045】
図9を参照すると、このシェーディング補正信号生成装置は、補正量設定信号生成用テーブル101、変調器103、フィルタ回路105、分圧回路106、レーザドライバ107、減算器127、ゲイン調整部121、アナログ/デジタル変換器123、帰還係数部125を備える。
【0046】
補正量設定信号生成用テーブル101は、ビーム水平方向位置データkに基づいて、デジタルデータで表される補正量設定信号を生成する。
【0047】
減算器127は、デジタルデータで表される補正量設定信号からデジタルデータで表される帰還信号を減算してデジタルデータで表される差分信号を生成する。
【0048】
ゲイン調整部121は、デジタルデータで表される差分信号を所定のゲインで増幅する。
【0049】
変調器103は、増幅後のデジタルデータで表される差分信号を所定の変調方式により変調して変調信号を生成する。所定の変調方式としては、例えば、PDMを用いる。また、PDMとしては、例えば、デルタシグマ変調を用いる。
【0050】
フィルタ回路105は、変調器103により生成された変調信号に基づいて、補正量設定信号により示されるレベルに対応したレベルのアナログのシェーディング補正信号を生成する。
【0051】
分圧回路106は、フィルタ回路105の出力信号を分圧する。
【0052】
レーザドライバ107は、画像信号とシェーディング補正信号に基づいてレーザ発光源を駆動するための駆動信号を生成し、これをレーザ発光源201に出力する。駆動信号のレベルは、シェーディング補正信号のレベルに対応したものになる。また、画像信号がPWM変調されているのであれば、駆動信号、同様に変調されたものになる。
【0053】
アナログ/デジタル変換器123は、シェーディング補正信号をデジタルデータに変換する。
【0054】
帰還係数部125は、デジタルデータに変換されたシェーディング補正信号に帰還係数をかけてデジタルデータで表される帰還信号にする。
【0055】
補正量設定信号に基づいてシェーディング補正信号を生成する回路として、第1及び第2の実施の形態では、変調器103及びフィルタ回路105を用いていたが、第3の実施の形態では、上述の図14に示すような回路(減算器127、ゲイン調整部121、変調器103、フィルタ回路105、アナログ/デジタル変換器123、帰還係数部125を含む。)を用いる。
【0056】
第3の実施の形態では、図10に示すように、所定期間が終了してからシェーディング補正期間が始まるまでの過渡期間においては、該過渡期間におけるレベル511がシェーディング補正期間が始まるときのシェーディング補正のために調整されたレベル502と比較して、所定期間の終期におけるレベル503との差分514、505が同一になるように調整された前記補正量設定信号を生成する。
【0057】
従来例では、補正量設定信号を通常の低域通過フィルタに通すことによりシェーディング補正信号を生成していた。従って、フィルタ回路の素子のばらつきによる応答特性のばらつきにより、シェーディング補正期間が始まる時において、シェーディング補正信号のレベルをシェーディング補正期間の開始時においてシェーディング補正のために調整された補正量設定信号に直流的に対応するシェーディング補正信号のレベルに合わせることが難しかった。
【0058】
これに対して、第3の実施の形態では、図9に示すようなフィードバック回路を用いているため、フィルタ回路の素子のばらつきによる応答特性のばらつきを補うように、変調器103に供給するPDM指令値をリアルタイムに補正でき、従って、図10に示すように、シェーディング補正期間が始まる時において、シェーディング補正信号のレベル511をシェーディング補正期間の開始時においてシェーディング補正のために調整された補正量設定信号に直流的に対応するシェーディング補正信号のレベル502と等しくさせることができる。
【0059】
また、過渡期間のみ、応答を速くし、かつ、応答がばらつかないようにすれば十分であるならば、シェーディング補正期間においては、フィードバックによる演算をしなくてもよい。
【0060】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態は、図5に示すような第1の実施の形態又は第2の実施の形態によるシェーディング補正信号生成装置の構成を図11に示すような構成に変更したものである。
【0061】
フィルタ回路105をフィルタ回路#1 105A 及びフィルタ回路#2 105B の二部構成に変更している。
【0062】
フィルタ回路#1 105Aは、変調器103から所定距離以内の位置に配置される。
【0063】
また、フィルタ回路#1 105Aは、次数が1以上の低域通過フィルタ回路である。
【0064】
フィルタ回路#2 105Bは、シェーディング補正信号が供給されるレーザドライバ107の入力部から所定距離以内の位置に配置される。
【0065】
また、フィルタ回路#2 105Bは、次数が1以上の低域通過フィルタ回路である。
【0066】
更に、フィルタ回路#2 105Bが、レーザ発光源201を駆動するための光源駆動信号を生成するためのレーザドライバ107の入力部から所定距離以内の位置において変調器103が出力する変調信号を分圧してレーザドライバ107に供給するための構成を含んでいる。
【0067】
フィルタ回路#1 105A及びフィルタ回路#2 105Bを、図12に示すような構成のものにしてもよい。
【0068】
図13に示す2つのステップ応答波形は、図6図12の構成に対応するものである。従って、図6に示す構成に比較して図12示す構成の方が容量を追加することにより立ち上がりが早くなり、かつ、リップルが少なくなることがわかる。
【0069】
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態は、図9に示すような第3の実施の形態によるシェーディング補正信号生成装置の構成を図14に示すような構成に変更したものである。
【0070】
第4の実施の形態と同様に、フィルタ回路105をフィルタ回路#1 105A 及びフィルタ回路#2 105B の二部構成に変更している。
【0071】
フィルタ回路#1 105Aは、変調器103から所定距離以内の位置に配置される。
【0072】
また、フィルタ回路#1 105Aは、次数が1以上の低域通過フィルタ回路である。
【0073】
フィルタ回路#2 105Bは、シェーディング補正信号が供給されるレーザドライバ107の入力部から所定距離以内の位置に配置される。
【0074】
また、フィルタ回路#2 105Bは、次数が1以上の低域通過フィルタ回路である。
【0075】
更に、フィルタ回路#2 105Bが、レーザ発光源201を駆動するための光源駆動信号を生成するためのレーザドライバ107の入力部から所定距離以内の位置において変調器103が出力する変調信号を分圧してレーザドライバ107に供給するための構成を含んでいてもよい。
【0076】
フィルタ回路#1 105A及びフィルタ回路#2 105Bについての説明は、第4の実施の形態における説明と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0077】
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態によるシェーディング補正信号生成装置の構成は、第1の実施の形態によるシェーディング補正信号生成装置(図5に示す。)と同様である。
【0078】
第2の実施の形態では、シェーディング補正期間N個のセグメントに分割されていて、保持期間における補正量設定信号のレベルと第1セグメントにおける補正量設定信号のレベルが等しいため、第1セグメントにおいては、シェーディング補正信号は直流的であり、変化しない。
【0079】
これに対して、第6の実施の形態では、保持期間における補正量設定信号のレベルに対してシェーディング補正期間の第1セグメントにおける補正量設定信号のレベルを異ならせることができるようにする。
【0080】
図15は、変化期間における補正量設定信号のレベルをシェーディング補正期間の始期におけるシェーディング補正信号のレベルに対応したレベルよりも高いレベルにして、保持期間における補正量設定信号のレベルをシェーディング補正期間の始期におけるシェーディング補正信号のレベルに対応したレベルにした例を示す。
【0081】
こうすることにより、シェーディング補正期間の第1セグメントにおいてシェーディング補正信号を変動させることができるようになる。
【0082】
従って、必要とするシェーディング補正信号が第1セグメントからレベル変動するようなものである場合に対応できるようになる。
【0083】
なお、第6の実施の形態においても、異ならせる必要がないならば、保持期間における補正量設定信号のレベルに対してシェーディング補正期間の第1セグメントにおける補正量設定信号のレベルを同一にしてもよい。
【0084】
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態は、第1乃至第5の実施の形態による原稿読取装置を含む複合機800に関するものである。図16及び図17は、複合機800の構成などを示すものである。
【0085】
図16及び図17に示すように、複合機800は、原稿の画像を読み取る原稿読取装置820と、シートに画像を形成する複合機本体(画像形成部本体)830と、原稿読取装置820及び複合機本体830を操作するための操作パネル部843と、操作パネル部843による操作に基づいて原稿読取装置820及び複合機本体830を制御する演算処理部841と、を備えている。
【0086】
画像読取りのために原稿読取装置820を単体で用いること、画像形成のために複合機本体830を単体で用いることの他に、画像を複写するためにこれらを連動させることもできる。また、複合機800は図示しない記憶装置及びファクシミリ装置を含んでいてもよい。記憶装置は、原稿読取装置820により読み取られた画像やファクシミリ装置により受信した画像を格納することができる。ファクシミリ装置は、原稿読取装置820により読み取られた画像や記憶装置に格納されている画像を送信することと、外部から画像を受信することができる。更に、複合機800は、ネットワークを介してパーソナルコンピュータと接続するためのインターフェースを含んでいてもよい。複合機800に接続されたパーソナルコンピュータは、これが管理できるデータについて複合機の機能を利用することができる。
【0087】
原稿読取装置820は、原稿を自動給送する原稿自動給送部SPF(Single Pass Feeder)824と、原稿の画像を読み取る読取装置本体822と、を備えている。なお、原稿読取装置820は、図17に示す構成要素の他に、図17は示されないが図16に示される構成要素も含む。また、図16に示すように、読取装置本体822には、原稿台826が備わる。
【0088】
複合機本体830は、シートを給送するシート給送部10と、シートを手差し給送可能な手差し給送部20と、シート給送部10又は手差し給送部20により給送されるシートに画像を形成する画像形成部30と、を備えている。
【0089】
シート給送部10は、シートを積載するシート積載部11と、シート積載部11に積載されたシートを1枚ずつ分離給送する分離給送部12と、を備えている。シート積載部11は、回転軸13を中心に回動する中板14を備えており、中板14は、シートを給送する際に回動してシートを上方に持ち上げる。分離給送部12は、中板14により持ち上げられたシートを給送するピックアップローラ15と、ピックアップローラ15により給送されるシートを1枚ずつに分離する分離ローラ対16と、を備えている。
【0090】
手差し給送部20は、シートを積載可能な手差しトレイ21と、手差しトレイ21に積載されたシートを1枚ずつ分離給送する分離給送部22と、を備えている。手差しトレイ21は、複合機本体830に回動自在に支持されており、手差し給送する際には、所定の角度に固定させることでシートを積載可能になる。分離給送部22は、手差しトレイ21に積載されたシートを給送するピックアップローラ23と、ピックアップローラ23により給送されるシートを1枚ずつに分離する分離ローラ24及び分離パッド25と、を備えている。
【0091】
画像形成部30は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成する4つのプロセスカートリッジ31Y~31Kと、後述する感光体ドラム740Y~740Kと、これらの表面を露光する露光装置32と、感光体ドラム740Y~740Kの表面に形成されたトナー像をシートに転写する転写部(転写手段)33と、転写したトナー像をシートに定着させる定着部34と、を備えている。なお、符号の最後に付すアルファベット(Y、M、C、K)は、それぞれの色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)を示している。
【0092】
4つのプロセスカートリッジ31Y~31Kのそれぞれは、複合機本体830から取り外し可能に構成されており、交換可能となっている。なお、4つのプロセスカートリッジ31Y~31Kは、形成する画像の色が異なること以外は同様な構成であるため、イエロー(Y)の画像を形成するプロセスカートリッジ31Yの構成のみの説明し、プロセスカートリッジ31M~31Kの説明は省略する。
【0093】
プロセスカートリッジ31Yは、像担持体としての感光体ドラム740Yと、感光体ドラム740Yを帯電させる帯電器741Yと、感光体ドラム740Y上に形成された静電潜像を現像する現像装置742Yと、感光体ドラム740Yの表面に残留するトナーを除去するドラムクリーナ(図示せず)と、を備えている。現像装置742Yは、感光体ドラム740Yを現像する現像装置本体(詳細には図示せず)と、現像装置本体にトナーを供給するトナーカートリッジ(詳細には図示せず)と、を備えている。トナーカートリッジは、現像装置本体に着脱可能に構成されており、収容されたトナーが無くなると、現像装置本体から取り外して、交換することができるようになっている。
【0094】
露光装置32は、レーザ光を照射する光源(図示せず)と、レーザ光を感光体ドラム740Y~740Kに導く複数のミラー(図示せず)等と、を備えている。転写部33は、感光体ドラム740Y~740Kに形成されたトナー像を担持する中間転写ベルト35と、感光体ドラム740Y~740Kに形成されたトナー像を中間転写ベルト35に一次転写する一次転写ローラ36Y~36Kと、中間転写ベルト35に転写されたトナー像をシートに二次転写する二次転写ローラ37と、中間転写ベルト35に残留するトナーを除去するベルトクリーナ38と、を備えている。中間転写ベルト35は、駆動ローラ39a及び従動ローラ39bに掛け渡されており、一次転写ローラ36Y~36Kによって感光体ドラム740Y~740Kに押し付けられている。二次転写ローラ37は、駆動ローラ39aとで中間転写ベルト35をニップ(挟持)しており、ニップ部Nで中間転写ベルト35が担持するトナー像をシートに転写する。定着部34は、シートを加熱する加熱ローラ34aと、加熱ローラ34aに圧接する加圧ローラ34bと、を備えている。
【0095】
操作パネル部843は、所定の情報を表示する表示部845と、利用者が原稿読取装置820及び複合機本体830への指示を入力する入力部847と、を備えている。本実施形態においては、操作パネル部843は、読取装置本体822の正面側に配設されている。なお、正面側は図16の紙面の手前側に対応し、裏面側は図16の背面側に対応する。
【0096】
図17に示すように、演算処理部841は、シート給送部10、手差し給送部20、画像形成部30及び原稿読取装置820を駆動制御するCPU841aと、CPU841aを動作させるための各種プログラムとCPU841aが用いる各種情報等を記憶するメモリ841bと、を備えている。演算処理部841は、利用者による操作パネル部843への操作に基づいて、シート給送部10、手差し給送部20、画像形成部30及び原稿読取装置820の動作を統合して制御し、シートに画像を形成させる。
【0097】
次に、上述のように構成された複合機800による画像形成動作(演算処理部841による画像形成制御)について説明する。本実施形態においては、原稿自動給送部824により給送され、読取装置本体822により読み取られた読取原稿の画像を、シート給送部10により給送されるシートに画像形成部30が形成する画像形成動作を例にとり説明する。
【0098】
利用者による操作パネル部843の入力部847への入力により、画像形成開始信号が発信されると、利用者により原稿自動給送部824に載置された読取原稿が原稿読取位置に向けて自動給送され、原稿読取位置で読取装置本体822によって画像が読み取られる。
【0099】
読取装置本体822により原稿の画像が読み取られると、読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置32が感光体ドラム740Y~740Kに向けて、それぞれに対応する複数のレーザ光を照射する。このとき、感光体ドラム740Y~740Kは、それぞれ、帯電器741Y~741Kにより予め帯電されており、それぞれに対応するレーザ光が照射されることで感光体ドラム740Y~740K上にそれぞれの静電潜像が形成される。その後、現像装置742Y~742Kにより感光体ドラム740Y~740K上にそれぞれ形成された静電潜像が現像され、感光体ドラム740Y~740K上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナー像が形成される。感光体ドラム740Y~740K上に形成された各色のトナー像は、一次転写ローラ36Y~36Kによって中間転写ベルト35に重畳転写され、重畳転写されたトナー像(フルカラーのトナー像)は、中間転写ベルト35に担持された状態でニップ部Nまで搬送される。
【0100】
上述の画像形成動作に並行して、シート積載部11に積載されたシートが、分離給送部12によって1枚ずつに分離されながら、ピックアップローラ15によりシート搬送路26に給送される。そして、ニップ部Nのシート搬送方向上流にあるレジストローラ対27で、斜行が補正されると共に、所定の搬送タイミングでニップ部Nに搬送される。ニップ部Nに搬送されたシートは、二次転写ローラ37によって中間転写ベルト35が担持するフルカラーのトナー像が転写される。
【0101】
トナー像が転写されたシートは、定着部34で加熱・加圧されることでトナー像が溶融定着され、排出ローラ対18により装置外に排出される。装置外に排出されたシートは、排出シート積載部19に積載される。
【0102】
なお、シートの両面(第1面及び第2面)に画像を形成する場合には、第1面に画像が形成されたシートが装置外に排出される前に、排出ローラ対18を逆回転させて両面搬送路17に搬送し、両面搬送路17を介して画像形成部30に再搬送する。そして、第1面と同様に、第2面に画像を形成し、装置外に排出する。装置外に排出されたシートは、排出シート積載部19に積載される。
【0103】
なお、上記のシェーディング補正信号生成装置は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合わせにより実現することができる。また、上記のシェーディング補正信号生成装置により行なわれるシェーディング補正信号生成方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらに組合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0104】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0105】
本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の種々の形で実施することができる。そのため、前述した各実施形態は単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるべきではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更はすべて本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、シェーディング補正に利用することができる。
【符号の説明】
【0107】
101 補正量設定信号生成用テーブル
103 変調器
105 フィルタ回路
105A フィルタ回路#1
105B フィルタ回路#2
107 レーザドライバ
121 ゲイン調整部
123 アナログ/デジタル変換器
125 帰還係数部
127 減算器
201 レーザ発光源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17