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特許7249255情報提供装置、コンピュータプログラム及び情報提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】情報提供装置、コンピュータプログラム及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20230323BHJP
   G06Q 40/08 20120101ALI20230323BHJP
【FI】
G16H10/00
G06Q40/08
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019174223
(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公開番号】P2021051559
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2021-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】森口 泰行
(72)【発明者】
【氏名】栗山 由美
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-146187(JP,A)
【文献】特開2019-000537(JP,A)
【文献】特開2002-024406(JP,A)
【文献】特開2014-089582(JP,A)
【文献】特開2017-167862(JP,A)
【文献】特開2019-057171(JP,A)
【文献】特開2004-320791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
G06Q 40/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報に基づいて、前記ユーザに対して受診の要否を判定する受診判定部と、
保険契約者の生体情報の取得に基づく保険契約が前記ユーザとの間で締結された保険機関に対して、前記受診の要否の判定結果を通知する保険機関通信部と、
前記ユーザの支援者の通信端末の通信アドレスを記憶する記憶部と、
前記ユーザの支援者の通信端末に対して、前記ユーザに対する受診要求又は当該受診要求を前記ユーザに通知したことを通知するユーザ支援推奨部と、
を備え
前記記憶部は、前記ユーザの通信端末の通信アドレスを記憶し、
前記ユーザ支援推奨部は、前記ユーザの支援者の通信端末から前記ユーザの通信端末へ送信されるメッセージを中継し、
前記ユーザ支援推奨部は、前記受診要求に関するメッセージが前記ユーザの支援者の通信端末から前記ユーザの通信端末へ送信された場合に、当該支援者に対して支援特典ポイントを付与し、
前記記憶部は、前記ユーザの支援者に付与された支援特典ポイントの記録を含むユーザ支援推奨情報を記憶する、
情報提供装置。
【請求項2】
前記情報提供装置は、前記ユーザが受診した診断結果を受信し、
前記保険機関通信部は、前記保険機関に対して前記診断結果を通知する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記診断結果は、前記ユーザから取得する生体情報の変更を示す情報、前記ユーザに指示された治療内容、診療紹介状及び次回の受診日程のうち少なくとも一つを含む、
請求項に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記ユーザに対して受診が必要であると判定された場合に、前記ユーザの通信端末に受診要求を通知し、前記ユーザの通信端末から前記ユーザの遠隔診断を依頼する診断依頼情報を受信するユーザ通信部と、
前記診断依頼情報に基づいて、遠隔診断が可能な遠隔医療機関の通信端末と前記ユーザの通信端末との通信接続を行う通信接続部と、をさらに備える、
請求項又はのいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記生体情報に基づいて、前記ユーザが受診する遠隔医療機関の候補を決定する医療機関候補決定部をさらに備える、
請求項に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記保険契約を取り扱う一又は複数の保険機関から提供された一又は複数の遠隔医療機関リストを記憶する遠隔医療機関リスト記憶部をさらに備え、
前記医療機関候補決定部は、前記ユーザが前記保険契約を締結した保険機関から提供された前記遠隔医療機関リストに記載された遠隔医療機関の中から、前記ユーザが受診する遠隔医療機関の候補を選択する、
請求項に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記遠隔医療機関リスト記憶部は、各前記ユーザに対して使用される前記遠隔医療機関リストを各前記ユーザに関連付けて記憶する、
請求項に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記保険機関通信部は、前記ユーザの診断結果を通知した通知先の保険機関から当該ユーザに使用される前記遠隔医療機関リストの更新リストを受信し、
前記遠隔医療機関リスト記憶部は、当該ユーザに当該更新リストを関連付けて記憶する、
請求項に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記ユーザ通信部は、前記ユーザの通信端末から当該ユーザの問診結果である問診情報を受信し、
前記通信接続部は、前記ユーザの通信端末から前記問診情報が受信された場合に、遠隔医療機関の通信端末と当該ユーザの通信端末との通信接続を行う、
請求項からのいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項10】
前記ユーザ通信部は、遠隔医療機関の通信端末と前記ユーザの通信端末との通信接続が行われる前に、当該ユーザの通信端末に当該ユーザの生体情報の取得を指示する、
請求項からのいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項11】
前記通信接続部は、前記ユーザに対する生体情報の取得指示への応答として前記ユーザの生体情報が取得された場合に、遠隔医療機関の通信端末と当該ユーザの通信端末との通信接続を行う、
請求項10に記載の情報提供装置。
【請求項12】
前記ユーザ通信部は、前記ユーザの通信端末が接続状態であるか否かを判定し、
前記通信接続部は、前記ユーザの通信端末が接続状態であると判定された場合に、遠隔医療機関の通信端末と当該ユーザの通信端末との通信接続を行う、
請求項から11のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項13】
前記ユーザの受診履歴を記憶する受診履歴記憶部と、
前記ユーザの通信端末に通知した受診要求についての前記受診履歴に基づいて、当該ユーザの受診評価情報を生成するユーザ評価部と、をさらに備える、
請求項から12のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項14】
コンピュータに、
ユーザの生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
前記生体情報に基づいて、前記ユーザに対して受診の要否を判定する受診判定ステップと、
保険契約者の生体情報の取得に基づく保険契約が前記ユーザとの間で締結された保険機関に対して、前記受診の要否の判定結果を通知する通信ステップと、
前記ユーザの支援者の通信端末の通信アドレスを記憶する記憶ステップと、
前記ユーザの支援者の通信端末に対して、前記ユーザに対する受診要求又は当該受診要求を前記ユーザに通知したことを通知するユーザ支援推奨ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記記憶ステップは、前記ユーザの通信端末の通信アドレスを記憶し、
前記ユーザ支援推奨ステップは、前記ユーザの支援者の通信端末から前記ユーザの通信端末へ送信されるメッセージを中継し、
前記ユーザ支援推奨ステップは、前記受診要求に関するメッセージが前記ユーザの支援者の通信端末から前記ユーザの通信端末へ送信された場合に、当該支援者に対して支援特典ポイントを付与し、
前記記憶ステップは、前記ユーザの支援者に付与された支援特典ポイントの記録を含むユーザ支援推奨情報を記憶する、
コンピュータプログラム。
【請求項15】
情報提供装置が、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
前記情報提供装置が、前記生体情報に基づいて、前記ユーザに対して受診の要否を判定する受診判定ステップと、
前記情報提供装置が、保険契約者の生体情報の取得に基づく保険契約が前記ユーザとの間で締結された保険機関に対して、前記受診の要否の判定結果を通知する通信ステップと、を含む情報提供方法であって、
前記情報提供装置は、前記ユーザの支援者の通信端末の通信アドレスを記憶し、
前記情報提供装置は、前記ユーザの支援者の通信端末に対して、前記ユーザに対する受診要求又は当該受診要求を前記ユーザに通知したことを通知する、
情報提供方法であり、
前記情報提供装置は、前記ユーザの通信端末の通信アドレスを記憶し、
前記情報提供装置は、前記ユーザの支援者の通信端末から前記ユーザの通信端末へ送信されるメッセージを中継し、
前記情報提供装置は、前記受診要求に関するメッセージが前記ユーザの支援者の通信端末から前記ユーザの通信端末へ送信された場合に、当該支援者に対して支援特典ポイントを付与し、
前記情報提供装置は、前記ユーザの支援者に付与された支援特典ポイントの記録を含むユーザ支援推奨情報を記憶する、
情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、コンピュータプログラム及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、ユーザの生体情報に基づいて、当該ユーザが発症する可能性のある傷病を予測し、予測された傷病の診療が可能な医療機関のリストを作成する医療補助システムの技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-089582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来技術では、ユーザがリストに記載された医療機関を受診するか否かを管理することまでは考慮されていない。このため、上述した従来技術では、保険契約者の生体情報の取得に基づく保険契約を締結したユーザが適切な受診を行っているか否かを保険機関が管理することに貢献することができなかった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、保険契約者の生体情報の取得に基づく保険契約を保険機関との間で締結したユーザが適切な受診を行っているか否かを当該保険機関が管理することに貢献することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、前記生体情報に基づいて、前記ユーザに対して受診の要否を判定する受診判定部と、保険契約者の生体情報の取得に基づく保険契約が前記ユーザとの間で締結された保険機関に対して、前記受診の要否の判定結果を通知する保険機関通信部と、前記ユーザの支援者の通信端末の通信アドレスを記憶する記憶部と、前記ユーザの支援者の通信端末に対して、前記ユーザに対する受診要求又は当該受診要求を前記ユーザに通知したことを通知するユーザ支援推奨部と、を備え、前記記憶部は、前記ユーザの通信端末の通信アドレスを記憶し、前記ユーザ支援推奨部は、前記ユーザの支援者の通信端末から前記ユーザの通信端末へ送信されるメッセージを中継し、前記ユーザ支援推奨部は、前記受診要求に関するメッセージが前記ユーザの支援者の通信端末から前記ユーザの通信端末へ送信された場合に、当該支援者に対して支援特典ポイントを付与し、前記記憶部は、前記ユーザの支援者に付与された支援特典ポイントの記録を含むユーザ支援推奨情報を記憶する、情報提供装置である。
)本発明の一態様は、前記情報提供装置は、前記ユーザが受診した診断結果を受信し、前記保険機関通信部は、前記保険機関に対して前記診断結果を通知する、上記(1)の情報提供装置である。
)本発明の一態様は、前記診断結果は、前記ユーザから取得する生体情報の変更を示す情報、前記ユーザに指示された治療内容、診療紹介状及び次回の受診日程のうち少なくとも一つを含む、上記()の情報提供装置である。
)本発明の一態様は、前記ユーザに対して受診が必要であると判定された場合に、前記ユーザの通信端末に受診要求を通知し、前記ユーザの通信端末から前記ユーザの遠隔診断を依頼する診断依頼情報を受信するユーザ通信部と、前記診断依頼情報に基づいて、遠隔診断が可能な遠隔医療機関の通信端末と前記ユーザの通信端末との通信接続を行う通信接続部と、をさらに備える、上記()又は()のいずれかの情報提供装置である。
)本発明の一態様は、前記生体情報に基づいて、前記ユーザが受診する遠隔医療機関の候補を決定する医療機関候補決定部をさらに備える、上記()の情報提供装置である。
)本発明の一態様は、前記保険契約を取り扱う一又は複数の保険機関から提供された一又は複数の遠隔医療機関リストを記憶する遠隔医療機関リスト記憶部をさらに備え、前記医療機関候補決定部は、前記ユーザが前記保険契約を締結した保険機関から提供された前記遠隔医療機関リストに記載された遠隔医療機関の中から、前記ユーザが受診する遠隔医療機関の候補を選択する、上記()の情報提供装置である。
)本発明の一態様は、前記遠隔医療機関リスト記憶部は、各前記ユーザに対して使用される前記遠隔医療機関リストを各前記ユーザに関連付けて記憶する、上記()の情報提供装置である。
)本発明の一態様は、前記保険機関通信部は、前記ユーザの診断結果を通知した通知先の保険機関から当該ユーザに使用される前記遠隔医療機関リストの更新リストを受信し、前記遠隔医療機関リスト記憶部は、当該ユーザに当該更新リストを関連付けて記憶する、上記()の情報提供装置である。
)本発明の一態様は、前記ユーザ通信部は、前記ユーザの通信端末から当該ユーザの問診結果である問診情報を受信し、前記通信接続部は、前記ユーザの通信端末から前記問診情報が受信された場合に、遠隔医療機関の通信端末と当該ユーザの通信端末との通信接続を行う、上記()から()のいずれかの情報提供装置である。
10)本発明の一態様は、前記ユーザ通信部は、遠隔医療機関の通信端末と前記ユーザの通信端末との通信接続が行われる前に、当該ユーザの通信端末に当該ユーザの生体情報の取得を指示する、上記()から()のいずれかの情報提供装置である。
11)本発明の一態様は、前記通信接続部は、前記ユーザに対する生体情報の取得指示への応答として前記ユーザの生体情報が取得された場合に、遠隔医療機関の通信端末と当該ユーザの通信端末との通信接続を行う、上記(10)の情報提供装置である。
12)本発明の一態様は、前記ユーザ通信部は、前記ユーザの通信端末が接続状態であるか否かを判定し、前記通信接続部は、前記ユーザの通信端末が接続状態であると判定された場合に、遠隔医療機関の通信端末と当該ユーザの通信端末との通信接続を行う、上記()から(11)のいずれかの情報提供装置である。
13)本発明の一態様は、前記ユーザの受診履歴を記憶する受診履歴記憶部と、前記ユーザの通信端末に通知した受診要求についての前記受診履歴に基づいて、当該ユーザの受診評価情報を生成するユーザ評価部と、をさらに備える、上記()から(12)のいずれかの情報提供装置である。
【0007】
14)本発明の一態様は、コンピュータに、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得ステップと、前記生体情報に基づいて、前記ユーザに対して受診の要否を判定する受診判定ステップと、保険契約者の生体情報の取得に基づく保険契約が前記ユーザとの間で締結された保険機関に対して、前記受診の要否の判定結果を通知する通信ステップと、前記ユーザの支援者の通信端末の通信アドレスを記憶する記憶ステップと、前記ユーザの支援者の通信端末に対して、前記ユーザに対する受診要求又は当該受診要求を前記ユーザに通知したことを通知するユーザ支援推奨ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記記憶ステップは、前記ユーザの通信端末の通信アドレスを記憶し、前記ユーザ支援推奨ステップは、前記ユーザの支援者の通信端末から前記ユーザの通信端末へ送信されるメッセージを中継し、前記ユーザ支援推奨ステップは、前記受診要求に関するメッセージが前記ユーザの支援者の通信端末から前記ユーザの通信端末へ送信された場合に、当該支援者に対して支援特典ポイントを付与し、前記記憶ステップは、前記ユーザの支援者に付与された支援特典ポイントの記録を含むユーザ支援推奨情報を記憶する、コンピュータプログラムである。
【0008】
15)本発明の一態様は、情報提供装置が、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得ステップと、前記情報提供装置が、前記生体情報に基づいて、前記ユーザに対して受診の要否を判定する受診判定ステップと、前記情報提供装置が、保険契約者の生体情報の取得に基づく保険契約が前記ユーザとの間で締結された保険機関に対して、前記受診の要否の判定結果を通知する通信ステップと、を含む情報提供方法であって、前記情報提供装置は、前記ユーザの支援者の通信端末の通信アドレスを記憶し、前記情報提供装置は、前記ユーザの支援者の通信端末に対して、前記ユーザに対する受診要求又は当該受診要求を前記ユーザに通知したことを通知する、情報提供方法であり、前記情報提供装置は、前記ユーザの通信端末の通信アドレスを記憶し、前記情報提供装置は、前記ユーザの支援者の通信端末から前記ユーザの通信端末へ送信されるメッセージを中継し、前記情報提供装置は、前記受診要求に関するメッセージが前記ユーザの支援者の通信端末から前記ユーザの通信端末へ送信された場合に、当該支援者に対して支援特典ポイントを付与し、前記情報提供装置は、前記ユーザの支援者に付与された支援特典ポイントの記録を含むユーザ支援推奨情報を記憶する、情報提供方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、保険契約者の生体情報の取得に基づく保険契約を保険機関との間で締結したユーザが適切な受診を行っているか否かを当該保険機関が管理することに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る情報提供システムの構成例を示すブロック図である。
図2】一実施形態に係る情報提供装置の構成例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係る情報提供方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報提供システムの構成例を示すブロック図である。図1に示される情報提供システム1において、情報提供装置30は、通信ネットワークを介してユーザ端末10と通信を行う。ユーザ端末10は、情報提供サービスのユーザの通信端末である。
【0012】
情報提供装置30は、保険機関40に対して情報を提供する。情報提供装置30は、通信ネットワークを介したオンラインによる通信や郵便等のオフラインによる通信により、保険機関40との間で情報をやり取りする。オンラインによる通信では、情報提供装置30は、通信ネットワークを介して保険機関40の通信端末と通信を行う。オフラインによる通信では、情報提供装置30が保険機関40へ提供する情報を印字媒体に印字したり可搬型記録媒体に書き込んだりし、当該媒体が郵便等により保険機関40へ配送される。また、保険機関40から情報提供装置30へ提供される情報が記録された媒体が保険機関40から情報提供装置30のもとへ郵便等により配送され、当該媒体に記録された情報が情報提供装置30へ入力される。
【0013】
保険機関40は、保険契約者の生体情報の取得に基づく保険契約を取り扱う保険機関である。ユーザは、当該保険契約を保険機関40との間で締結した保険契約者である。保険契約者の生体情報の取得に基づく保険契約とは、保険契約者の生体情報が保険契約に定められた条件で取得されることが前提になっている保険契約である。以下、保険契約者の生体情報の取得に基づく保険契約のことを単に保険契約と称する場合がある。
【0014】
情報提供装置30は、通信ネットワークを介して医療機関端末50と通信を行う。医療機関端末50は、遠隔医療機関の通信端末である。遠隔医療機関とは、遠隔診断が可能な診療所や病院等の医療機関のことを言う。遠隔診断とは、通信により遠隔で医者が患者を診察して、健康状態、病気の種類や病状などを判断することであって、改善や治療のための指示を含む。なお、遠隔医療機関は、さらに遠隔で治療を行うことができる医療機関であってもよい。
【0015】
ユーザ端末10は、生体センサ11が検出したユーザの生体情報を受信する。生体情報は、例えば、血圧、脈拍数、体温、体重などである。なお、ユーザ端末10は、生体センサ11を備えるウェアラブルデバイスであってもよい。
【0016】
図2は、本実施形態に係る情報提供装置の構成例を示すブロック図である。図2において、情報提供装置30は、ユーザ通信部301と、保険機関通信部302と、医療機関通信部303と、生体情報取得部304と、受診判定部305と、通信接続部306と、医療機関候補決定部307と、ユーザ評価部308と、ユーザ支援推奨部309と、記憶部330とを備える。記憶部330は、各種の情報を記憶する。記憶部330は、ユーザ情報331と、保険機関情報332と、受診判定テーブル333と、遠隔医療機関リスト334と、受診履歴335と、ユーザ支援推奨情報336とを記憶する。
【0017】
情報提供装置30の各機能は、情報提供装置30がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、情報提供装置30として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、情報提供装置30は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、情報提供装置30の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、情報提供装置30として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0018】
ユーザ通信部301は、通信ネットワークを介してユーザ端末10と通信を行う。ユーザ通信部301は、通信によりユーザ端末10との間で情報をやり取りする。
【0019】
保険機関通信部302は、通信ネットワークを介したオンラインによる通信や郵便等のオフラインによる通信により、保険機関40との間で情報をやり取りする。
【0020】
医療機関通信部303は、通信ネットワークを介して医療機関端末50と通信を行う。医療機関通信部303は、通信により医療機関端末50との間で情報をやり取りする。
【0021】
生体情報取得部304は、ユーザの生体情報を取得する。生体情報取得部304は、ユーザ端末10からユーザの生体情報を受信してもよく、又は、医療機関からユーザの生体情報を取得してもよい。例えば、ユーザの生体情報は、生体センサ11が検出したものがユーザ端末10から情報提供装置30へ送信される。例えば、ユーザの生体情報は、医療機関による検査によって取得されたものが情報提供装置30へ提供される。
【0022】
受診判定部305は、ユーザの生体情報に基づいて、ユーザに対して受診の要否を判定する。受診判定部305は、受診判定テーブル333を使用して、受診の要否を判定する。受診判定テーブル333は、生体情報の各項目(血圧、脈拍数、体温、体重など)の値の範囲と、受診の要否と、診察科目とが関連付けられたテーブルである。受診判定テーブル333は、性別、年齢別及び身長別に分けて設けられる。受診判定部305は、ユーザの性別、年齢及び身長に対応する受診判定テーブル333を使用して、当該ユーザの受診の要否を判定する。
【0023】
なお、受診判定テーブル333は、生体情報の各項目の値の範囲に対して、さらに病名が関連付けられたテーブルであってもよい。この場合、受診判定部305は、受診判定テーブル333によって、さらに、ユーザの推定される病名(推定病名)を判定してもよい。推定病名の判定においては、ユーザの既往歴がさらに使用されてもよい。
【0024】
ユーザの性別、年齢、身長及び既往歴は、ユーザ情報331に含まれる。ユーザ情報331は、ユーザの氏名、住所、性別、年齢、身長、既往歴、保険契約を締結した保険機関40の名称及びユーザ端末10の通信アドレスなどを含む情報である。
【0025】
保険機関情報332は、各保険機関の名称及び通信方法(オンラインによる通信(保険機関の通信端末の通信アドレス)又はオフラインによる通信(送付先住所、情報提供方法(印字又はデータ記録))などを含む情報である。
【0026】
保険機関通信部302は、保険契約がユーザとの間で締結された保険機関40に対して、当該ユーザの受診の要否の判定結果を通知する。
ユーザ通信部301は、ユーザに対して受診が必要であると判定された場合に、当該ユーザのユーザ端末10に受診要求を通知する。
【0027】
医療機関通信部303は、ユーザが受診した診断結果を医療機関端末50から受信する。なお、ユーザの診断結果は、遠隔医療機関からユーザを介して情報提供装置30へ提供されてもよい。例えば、ユーザが自己の診断結果を遠隔医療機関から受信し、ユーザが自己の診断結果をユーザ端末10により情報提供装置30へ送信し、情報提供装置30がユーザの診断結果をユーザ端末10から受信してもよい。
保険機関通信部302は、ユーザが保険契約を締結した保険機関40に対して、当該ユーザの診断結果を通知する。保険機関40に通知される診断結果は、ユーザから取得する生体情報の変更を示す情報(生体情報の追加項目や取得頻度や取得タイミングなどの変更を示す情報)、ユーザに指示された治療内容、診療紹介状及び次回の受診日程のうち少なくとも一つを含む情報であってもよい。
【0028】
ユーザ通信部301は、ユーザ端末10から診断依頼情報を受信する。診断依頼情報は、ユーザの遠隔診断を依頼する情報である。
【0029】
通信接続部306は、ユーザ端末10と医療機関端末50との通信接続を行う。ユーザ端末10と医療機関端末50との通信接続は、当該ユーザ端末10から送信されたユーザの診断依頼情報に基づいて行われる。これは、ユーザから遠隔診断が依頼されたことに基づいて、ユーザ端末10と医療機関端末50との通信接続が行われることを意味する。
【0030】
医療機関候補決定部307は、ユーザの生体情報に基づいて、当該ユーザが受診する遠隔医療機関の候補を決定する。医療機関候補決定部307は、ユーザの生体情報及び受診判定テーブル333によって判定される診察科目を有する遠隔医療機関を、当該ユーザの遠隔医療機関の候補に決定する。医療機関候補決定部307は、ユーザが保険契約を締結した保険機関40から提供された遠隔医療機関リスト334に記載された遠隔医療機関の中から、当該ユーザが受診する遠隔医療機関の候補を選択する。
【0031】
遠隔医療機関リスト334は、遠隔医療機関のリストである。遠隔医療機関リスト334は、各遠隔医療機関の名称、所在地、診察科目、診察可能な時間帯及び医療機関端末50の通信アドレスなどを含む情報である。遠隔医療機関リスト334は、保険契約を取り扱う一又は複数の保険機関40から提供されたものであって、一又は複数の遠隔医療機関リスト334が記憶部330に格納される。
【0032】
記憶部330は、各ユーザに対して使用される遠隔医療機関リスト334を各ユーザに関連付けて記憶する。これは、各ユーザに適した遠隔医療機関の候補を決定するためである。例えば、ユーザの住所の近くに在る遠隔医療機関や当該ユーザのかかりつけ医の遠隔医療機関は、当該ユーザにとっては利便性が高いと考えられるので、当該ユーザに対して使用される遠隔医療機関リスト334は当該遠隔医療機関を含むものにする。ユーザのかかりつけ医の遠隔医療機関等のユーザの所望の遠隔医療機関の名称は、ユーザ情報331に含められる。
【0033】
保険機関通信部302は、ユーザの診断結果を通知した通知先の保険機関40から当該ユーザに使用される遠隔医療機関リスト334の更新リストを受信する。記憶部330は、遠隔医療機関リスト334の更新リストを該当ユーザに関連付けて記憶する。保険機関40は、ユーザの診断結果に基づいて、より専門の遠隔医療機関等のより適切な遠隔医療機関への受診が好ましいと判断した場合に、当該ユーザに対して使用される遠隔医療機関リスト334を更新する。これにより、次回の遠隔医療機関の候補の決定において、より適切な遠隔医療機関が選択されるようにする。
【0034】
ユーザ評価部308は、ユーザ端末10に通知した受診要求についての受診履歴335に基づいて、当該ユーザの受診評価情報を生成する。受診履歴335は、ユーザ毎に設けられる。受診履歴335は、受診要求の日時及び受診実績(受診の有無、受診の日時、受診した遠隔医療機関の名称)などを含む情報である。受診評価情報は、ユーザが受診要求に対して適時に受診を実施するかを示す評価値である。受診評価情報は、受診要求日時から受診実施日時までの期間(受診遅延期間)が短いほど評価が良い値である。受診評価情報は、例えば、保険機関40によって、ユーザに対する保険契約の履行の促進などに活用される。例えば、保険機関40は、受診評価情報に示される評価が良いユーザに対しては保険料を割り引き、一方、評価が悪いユーザに対しては保険料を割り増しにすることが挙げられる。
【0035】
ユーザ支援推奨部309は、ユーザの支援者の通信端末(以下、ユーザ支援者端末と称する)に対して、当該ユーザに対する受診要求又は当該受診要求を当該ユーザに通知したことを通知する。ユーザ支援者端末の通信アドレスは、ユーザ情報331に含められる。
【0036】
ユーザ支援推奨部309は、ユーザ支援者端末からユーザ端末10へ送信されるメッセージを中継する。ユーザ支援推奨部309は、受診要求に関するメッセージがユーザ支援者端末からユーザ端末10へ送信された場合に、当該支援者に対して支援特典ポイントを付与する。支援特典ポイントは、例えば、所定のサービスや商品の割引や優待に使用可能なものである。ユーザ支援推奨情報336は、ユーザの支援者毎に設けられ、各支援者に付与された支援特典ポイントの記録を含む情報である。これにより、ユーザの家族等の支援者に対して、当該ユーザが受診要求に応じて受診するように促すことを推奨する。
【0037】
次に図3を参照して、本実施形態に係る情報提供方法を説明する。図3は、本実施形態に係る情報提供方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【0038】
ユーザは、保険機関40との間で保険契約を締結した状態である。
【0039】
(ステップS1) 情報提供装置30は、ユーザと保険機関40の両方の間で保険契約の締結の確認の情報をやり取りし、ユーザを保険機関40に関連付けて登録する。このユーザ登録により当該ユーザのユーザ情報331が作成されて記憶部330に格納される。
【0040】
(ステップS2) 保険機関40は、情報提供装置30に登録されたユーザに対して使用される遠隔医療機関リスト334を情報提供装置30へ送信する。
【0041】
(ステップS3) 情報提供装置30は、保険機関40から受信した遠隔医療機関リスト334を該当ユーザに関連付けて記憶部330に格納する。
【0042】
(ステップS4) 情報提供装置30は、ユーザの生体情報を取得する。ユーザの生体情報が取得されるタイミングは、保険契約に定められた条件に基づいたタイミングである。情報提供装置30は、ユーザ端末10からユーザの生体情報を受信してもよく、又は、医療機関からユーザの生体情報を取得してもよい。
【0043】
(ステップS5) 情報提供装置30は、ユーザの生体情報に基づいて、受診判定テーブル333を参照し、当該ユーザに対する受診の要否を判定する。なお、情報提供装置30は、ユーザの生体情報に基づいて、受診判定テーブル333を参照し、さらにユーザの推定病名を判定してもよい。推定病名の判定においては、ユーザの既往歴がさらに使用されてもよい。
【0044】
(ステップS6) 情報提供装置30は、保険機関40に対して、ユーザの受診の要否の判定結果を通知する。受診の要否の判定結果は、受診が必要又は不要を示す情報である。なお、情報提供装置30は、ユーザの推定病名を判定した場合には、推定病名の判定結果を保険機関40に通知してもよい。
【0045】
ユーザに対して受診が必要であると判定された場合には、ステップS7に進む。一方、ユーザに対して受診が不要であると判定された場合には、図3の処理を終了する。
【0046】
(ステップS7) 情報提供装置30は、ユーザの生体情報に基づいて、当該ユーザが受診する遠隔医療機関の候補を決定する。情報提供装置30は、ユーザの生体情報及び受診判定テーブル333によって判定される診察科目を有する遠隔医療機関を、当該ユーザの遠隔医療機関の候補に決定する。情報提供装置30は、ユーザに関連付けて記憶部330に格納された遠隔医療機関リスト334に記載された遠隔医療機関の中から、当該ユーザが受診する遠隔医療機関の候補を選択する。遠隔医療機関の候補の選択では、一つ又は複数の遠隔医療機関の候補が選択される。なお、情報提供装置30は、ユーザの推定病名を判定した場合には、推定病名の判定結果に該当する診察科目を有する遠隔医療機関を、当該ユーザの遠隔医療機関の候補に決定してもよい。
【0047】
(ステップS8) 情報提供装置30は、ユーザ端末10に受診要求を通知する。受診要求は、受診が必要であることを示す情報と、遠隔医療機関情報とを含む情報である。遠隔医療機関情報は、ユーザが受診する遠隔医療機関の候補を示す情報であって、一つ又は複数の遠隔医療機関の情報である。
【0048】
(ステップS9) ユーザは、ユーザ端末10が情報提供装置30から受信した受診要求(遠隔医療機関情報を含む)を確認する。ユーザは、ユーザ端末10により診断依頼情報を情報提供装置30へ送信する。診断依頼情報は、ユーザの遠隔診断を依頼する情報である。診断依頼情報は、遠隔医療機関指定情報を含む情報である。遠隔医療機関指定情報は、ユーザが指定した遠隔医療機関を示す情報である。ユーザは、受診要求に含まれる遠隔医療機関情報に示される遠隔医療機関の候補の中から、自分が受診する遠隔医療機関を指定する。
【0049】
(ステップS10) 情報提供装置30は、ユーザ端末10から受信した診断依頼情報(遠隔医療機関指定情報を含む)に基づいて、ユーザ端末10とユーザ指定の遠隔医療機関の医療機関端末50との通信接続についての接続条件(通信接続条件)の判定を行う。通信接続条件の判定結果が合格である場合にステップS11へ進む。一方、通信接続条件の判定結果が不合格である場合には、図3の処理を終了する又は所定のエラー処理を実行する。通信接続条件については後述する。
【0050】
(ステップS11) 情報提供装置30は、ユーザ指定の遠隔医療機関の医療機関端末50へ診断受付依頼を送信する。診断受付依頼は、ユーザの遠隔診断の受付を依頼する情報である。
【0051】
(ステップS12) 医療機関端末50は、情報提供装置30へ診断受付を返信する。診断受付は、ユーザの遠隔診断を受付ける情報である。
【0052】
(ステップS13) 情報提供装置30は、ユーザ端末10とユーザ指定の遠隔医療機関の医療機関端末50との通信接続を行う。これにより、ユーザは、ユーザ端末10と医療機関端末50との間の通信により、遠隔で医者から診察を受け診断される。
【0053】
(ステップS14) 医療機関端末50は、ユーザに対する診断結果を情報提供装置30へ送信する。診断結果は、病名、処方薬の薬名、ユーザから取得する生体情報の変更を示す情報(生体情報の追加項目や取得頻度や取得タイミングなどの変更を示す情報)、ユーザに指示された治療内容、診療紹介状及び次回の受診日程などを含む情報である。なお、ユーザの診断結果は、遠隔医療機関からユーザを介して情報提供装置30へ提供されてもよい。
【0054】
(ステップS15) 情報提供装置30は、ユーザの診断結果を保険機関40へ送信する。保険機関40に通知される診断結果は、ユーザから取得する生体情報の変更を示す情報(生体情報の追加項目や取得頻度や取得タイミングなどの変更を示す情報)、ユーザに指示された治療内容、診療紹介状及び次回の受診日程のうち少なくとも一つを含む情報であってもよい。
【0055】
[通信接続条件]
本実施形態に係る通信接続条件の例を説明する。
【0056】
(通信接続条件の例1)
通信接続条件の例1は、ユーザから問診情報を取得することである。問診情報は、ユーザの問診結果を示す情報である。ユーザから問診情報を取得済みである場合には通信接続条件の判定が合格であり、まだユーザから問診情報を取得していない場合には通信接続条件の判定が不合格である。具体的には、ユーザ通信部301は、ユーザのユーザ端末10から当該ユーザの問診結果である問診情報を受信する。通信接続部306は、ユーザのユーザ端末10から問診情報が受信された場合に、遠隔医療機関の医療機関端末50と当該ユーザのユーザ端末10との通信接続を行う。なお、ユーザ端末10から診断依頼情報を受信した場合において、問診情報が受信されないときには、ユーザ通信部301は、所定のエラー処理として、当該ユーザ端末10に対して問診情報の提出を督促する通知を行ってもよい。
【0057】
(通信接続条件の例2)
通信接続条件の例2は、ユーザから遠隔診断前の生体情報を取得することである。遠隔診断前の生体情報は、遠隔診断時のユーザの健康状態を把握するための事前情報である。遠隔診断前の生体情報としては、例えば、体温や血圧などである。ユーザの遠隔診断前の生体情報は、情報提供装置30からユーザ指定の遠隔医療機関の医療機関端末50へ、診断受付依頼に含めて送信される。ユーザから遠隔診断前の生体情報を取得済みである場合には通信接続条件の判定が合格であり、まだユーザから遠隔診断前の生体情報を取得していない場合には通信接続条件の判定が不合格である。具体的には、ユーザ通信部301は、遠隔医療機関の医療機関端末50とユーザのユーザ端末10との通信接続が行われる前に、当該ユーザ端末10に当該ユーザの遠隔診断前の生体情報の取得を指示する。この遠隔診断前の生体情報の取得指示では、取得対象の生体情報の項目(例えば体温と血圧)を指定してもよい。通信接続部306は、当該ユーザに対する遠隔診断前の生体情報の取得指示への応答として当該ユーザの遠隔診断前の生体情報が取得された場合に、遠隔医療機関の医療機関端末50と当該ユーザのユーザ端末10との通信接続を行う。なお、ユーザ端末10からユーザの遠隔診断前の生体情報が受信されない場合には、ユーザ通信部301は、所定のエラー処理として、当該ユーザ端末10に対してユーザの遠隔診断前の生体情報の提出を督促する通知を行ってもよい。
【0058】
(通信接続条件の例3)
通信接続条件の例3は、ユーザ端末10が接続状態であることである。これは、遠隔医療機関から診断受付をもらい、いざユーザ端末10を遠隔医療機関の医療機関端末50に接続して遠隔診断を開始しようとしても、ユーザ端末10が接続状態にないと、遠隔診断を開始することができず、遠隔医療機関の医者を待たせる結果になってしまうからである。ユーザ端末10が接続状態である場合には通信接続条件の判定が合格であり、ユーザ端末10が接続状態にない場合には通信接続条件の判定が不合格である。具体的には、ユーザ通信部301は、ユーザのユーザ端末10が接続状態であるか否かを判定する。通信接続部306は、ユーザのユーザ端末10が接続状態であると判定された場合に、遠隔医療機関の医療機関端末50と当該ユーザのユーザ端末10との通信接続を行う。
【0059】
以上が本実施形態に係る通信接続条件の例の説明である。
【0060】
なお、ユーザの生体情報を遠隔医療機関の医療機関端末50へ送信する前に、ユーザ通信部301は、当該ユーザのユーザ端末10へ、生体情報を当該遠隔医療機関へ提供することの許諾を申請し、当該ユーザ端末10から当該許諾を得るようにしてもよい。
【0061】
本実施形態によれば、保険契約者の生体情報の取得に基づく保険契約を保険機関との間で締結したユーザが適切な受診を行っているか否かを当該保険機関が管理することに貢献することができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0063】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0064】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0065】
1…情報提供システム、10…ユーザ端末、11…生体センサ、30…情報提供装置、40…保険機関、50…医療機関端末、301…ユーザ通信部、302…保険機関通信部、303…医療機関通信部、304…生体情報取得部、305…受診判定部、306…通信接続部、307…医療機関候補決定部、308…ユーザ評価部、309…ユーザ支援推奨部、330…記憶部
図1
図2
図3