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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】事務用椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/14 20060101AFI20230323BHJP
   A47C 7/50 20060101ALI20230323BHJP
   A47C 9/02 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
A47C7/14 A
A47C7/50 A
A47C9/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019190450
(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公開番号】P2020065924
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2018196346
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】522296158
【氏名又は名称】阿久津 正大
(74)【代理人】
【識別番号】100167081
【弁理士】
【氏名又は名称】本谷 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 正大
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-065787(JP,A)
【文献】実開昭58-110538(JP,U)
【文献】登録実用新案第3155123(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/00-74
A47C 9/02
B60N 2/00-90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の臀部を乗せるため平面視において略正方形の座部(13)、前記座部(13)の一辺の上方において前記座部(13)に対し垂立状態に配置され、利用者の背中を支持する背もたれ部(11)、前記座部(13)を略水平に所定の高さに保持する脚部(14)を備える事務用椅子(1)であって、
前記座部(13)は、前記背もたれ部(11)が配置された側の一辺に相対し、所定の幅(W)及び所定の厚み(D)を有する前面(13SF)と、
前記前面(13SF)の右端部から前記前面(13SF)に対し所定の鈍角(θ)で前記背もたれ部(11)から離れる方向に所定長突出し、所定の厚み(D)を有する右側の支持面(13SL)、
前記前面(13SF)の左端部から前記前面(13SF)に対し所定の鈍角(θ)で前記背もたれ部(11)から離れる方向に所定長突出し、所定の厚み(D)を有する左側の支持面(13SR)を有し、
前記幅(W)は、前記利用者が力を抜いて基本座位姿勢で着座した場合、左脚の腓腹筋の外側頭部相当部が前記左側の支持面(13SR)と接し、かつ右脚の腓腹筋の外側頭部相当部が前記右側の支持面(13SL)と接し、前記左脚が前記左側の支持面(13SR)に、かつ前記右脚が前記右側の支持面(13SL)に接した状態において、前記利用者の右脚内側と左脚内側が所定の座位脛骨内側顆上縁間距離(d3)を形成する長さに設定され、
前記座部(13)は、前記背もたれ部(11)に対し前後方向に所定の距離範囲において位置調整可能に設けられている
ことを特徴とする事務用椅子。
【請求項2】
前記鈍角(θ)は130~135度、前記厚み(D)は58~75mm、前記幅(W)は260~288mmの範囲である
ことを特徴とする請求項1に記載の事務用椅子
【請求項3】
前記距離範囲は0から80mmである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の事務用椅子
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座部、及び椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、所謂デスクワークの現場等において、机と椅子との組合せが利用されている。このようなデスクワーク等に利用される椅子は、利用者にとって、姿勢を楽に保てることが望ましい。例えば、利用者は、椅子の背もたれに寄りかかることで、力を抜くことができる。具体的には例えば、姿勢を維持するため、左右方向にくずれた姿勢を元の姿勢に戻しやすい座位保持装置が、提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-46006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来の技術では、利用者は、力を抜いて楽な姿勢をとることにより、体の各部位に負荷がかかることがあった。即ち例えば、利用者は、適切でない姿勢をとることで肩こりや腰痛等を発症する可能性があった。
【0005】
本発明は、利用者の姿勢の維持を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の座部は、
着座して利用する自然人の下肢を支持する座部であって、
夫々左右の腓腹筋の外側頭と皮膚を介して接する、対となる2つの支持面を有する支持部を内含又は着脱可能に有し、
前記支持面は、前記自然人の下肢を支持させるのに適するとして予め設定された範囲の中から選択されたパラメータに基づいて設定された、前記2つの支持面の角度、及び、前記2以上の支持部の間の幅を有する。
【0007】
本発明の一態様の椅子は、本発明の一態様の座部を備える椅子である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利用者の姿勢の維持を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る座部を備える椅子の斜視図である。
図2図1の座部の斜視図である。
図3図1の座部の正面図である。
図4図1の座部の右側面図である。
図5図1の座部の底面図である。
図6図1の椅子の座部の配置を示す図である。
図7】椅子を利用する利用者の身体寸法の測定箇所を示す図である。
図8図7の測定箇所の測定値を示す図である。
図9図1の座部の角度の検討に係る実験の結果を示す図である。
図10図1の座部の幅の検討に係る実験の結果を示す図である。
図11図1の座部の厚さの検討に係る実験の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0011】
なお、以下の説明では、特に断りのない限り、次のように定義する方向を用いるものとする。
即ち、以下、重力が働く方向と垂直な面(以下、「水平面」と適宜呼ぶ)を、軸X及び軸YからなるX-Y平面と呼ぶ。
本実施形態における椅子は、X-Y平面に設置されるものとして、X-Y平面と略平行に座部を備えるものとする。なお、座部は、利用者の臀部を乗せる略正方形の面を有するものとする。また、利用者は、当該面をなす1つの辺の側に利用者自身の両方の脚を向けて、着座しているものとして説明する。
ここで、X-Y平面において、利用者の臀部を乗せる略正方形の面のうち、利用者自身の脚が向けられる1つの辺と略直行する他の辺と平行に、軸Xをとるものとする。この場合における、利用者からみて、利用者自身の両方の膝が向く方向を「軸Xが正の方向」と呼び、この反対方向を、「軸Xが負の方向」と呼ぶものとする。
また、X-Y平面において、利用者の臀部を乗せる略正方形の面のうち、利用者自身の脚が向けられる1つの辺と平行に、軸Yをとるものとする。この場合における、利用者からみて、利用者自身の左腕がある側の方向を、「軸Yが正の方向」と呼び、この反対方向を「軸Yが負の方向」と呼ぶものとする。
また、重力が働く方向と逆の方向に軸Z及びその方向をとものとする。即ち、椅子が設置された水平面(所謂、床面)に対して高さが高くなる方向を、「軸Zが正の方向」と呼び、この反対方向を「軸Zが負の方向」と呼ぶものとする。
【0012】
以下、図1乃至図5を用いて本発明の実施形態に係る座部を含む椅子について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る座部を備える椅子の斜視図である。
図2は、図1の座部の斜視図である。
図3は、図1の座部の正面図である。
図4は、図1の座部の右側面図である。
図5は、図1の座部の底面図である。
【0013】
図1に示すように、椅子1は、背もたれ部11と、背もたれアーム部12と、座部13と、脚部14と、を備える。
また、図1乃至図5に示すように、座部13は、座面部13Aと、支持部13BR,13BLと、を備える。
【0014】
ここで、座部13の構成要素のうち軸Yが正の方向に配置されている構成要素には、「R」を含む符号が付されている。また、座部13の構成要素のうち軸Yが負の方向に配置されている構成要素には、「L」を含む符号が付されている。つまり、図3に示すように、軸Zが正の方向から軸Xが負の方向を下向きになるように見た状態において、座部13の右側及び左側の構成要素の夫々に対し、「R」及び「L」の符号の夫々が付されている。
なお、以下、背もたれ部11乃至脚部14の夫々の椅子1や座部13の構成要素を「パーツ」とも呼ぶ。
【0015】
まず、図1等を用いて、本発明の実施形態に係る座部13を含む椅子1について説明する。ここで、利用者は、軸Xが正の方向を向いて、椅子1に着座する。
【0016】
背もたれ部11は、図1に示すように、椅子1のうち軸Xが負の方向且つ軸Zが正の方向に設けられた、利用者の背中を支えるパーツである。即ち、利用者は、背もたれ部11を背中にあてて体重を預けることで、軸Xが負の方向に寄りかかることができる。
【0017】
背もたれアーム部12は、図1に示すように、椅子1の軸Xが負の方向に、背もたれ部11及び後述する座部13に接続されて設けられたパーツである。背もたれアーム部12は、座部13や後述する脚部14に対して、背もたれ部11を支持する。即ち、背もたれアーム部12は、背もたれ部11を介して利用者の背中を支えるパーツである。
【0018】
座部13は、背もたれアーム部12及び脚部14に接続されて設けられたパーツである。また、座部13は、上述したように、座面部13Aと、支持部13BR,13BLと、を有するパーツである。座面部13A及び支持部13BR,13BLの詳細な配置等については、後述する。
なお、以下、支持部13BR,13BLを個々に区別する必要が無い場合、これらをまとめて、「支持部13B」と呼ぶ。
【0019】
脚部14は、座部13と接続して設けられ、椅子の軸Zが負の方向に設けられたパーツである。脚部14は、水平面(所謂、床面)に対して、椅子1を構成する他のパーツを支持する脚である。
【0020】
以上、図1等を用いて本発明の実施形態に係る座部13を含む椅子1について説明した。
以下、図2乃至図5を用いて、図1の椅子1が備える座部13について説明する。
【0021】
なお、以下、図2図3に示すように、座部13を構成する面のうち軸Zが正の方向の面13STを、「座面13ST」と呼ぶ。
また、以下、図2に示すように、座部13を構成する面のうち軸Yが正の方向の面13SORを、「右面13SOR」と呼ぶ。
また、以下、図2に示すように、座部13を構成する面のうち軸Yが負の方向の面13SOLを、「左面13SOL」と呼ぶ。
また、以下、図2図3に示すように、座部13を構成する面のうち軸Xが正の方向の面13SFを、「前面13SF」と呼ぶ。即ち、図2等に示すように、座部13の前面13SFは、座部13の座面部13Aの軸Xが正の方向の面である。
【0022】
また、以下、図2図3に示すように、座部13を構成する面のうち、座部13の支持部13BRを構成する面であって、軸Xが正の方向且つ軸Yが負の方向から見た場合に対向する面13SRを、「支持面13SR」と呼ぶ。座部13の支持面13SRは、利用者の左膝に対して接するように配置されている。具体的には例えば、支持面13SRは、利用者の左足の腓腹筋の外側頭に皮膚を介して接する。
また、以下、図2図3に示すように、座部13を構成する面のうち、座部13の支持部13BLを構成する面であって、軸Xが正の方向且つ軸Yが正の方向から見た場合に対向する面13SLを、「支持面13SL」と呼ぶ。座部13の支持面13SLは、利用者の右膝に対して接するように配置されている。具体的には例えば、支持面13SLは、利用者の右足の腓腹筋の外側頭に皮膚を介して接する。
【0023】
上述のように、座部13を構成する面には、「S」を含む符号が付されている。また、座部13の構成要素と同様に、座部13を構成する面のうち座部13の右側及び左側の面の夫々に対し、「R」及び「L」の符号の夫々が付されている。
なお、以下、支持面13SR,13SLを個々に区別する必要が無い場合、これらをまとめて、「支持面13S」と呼ぶ。
【0024】
また、以下、図2図3に示すように、座部13を構成する線のうち、前面13SFと支持面13SRとの交わる線13LRを、「交線13LR」と呼ぶ。また、以下、図2図3に示すように、座部13を構成する線のうち、前面13SFと支持面13SLとの交わる線13LLを、「交線13LL」と呼ぶ。
【0025】
以下、本明細書において、座部13の「幅」とは、座部13の前面13SFの4つの辺の中で、自然人(利用者)が利用している状態において、その自然人の膝の裏側と対向する辺の長さをいう。つまり、図2図3等に示すように、座部13の交線13LRと、座部13の交線13LLとの間の長さWが、座部13の幅Wである。また、座部13の前面13SFの軸Yの方向の長さWが、座部13の幅Wとも言える。
また、本明細書において、座部13の「角度」とは、交線13LRを中心として座部13の前面13SFと支持面13SRとの成す角度のことをいう。即ち、座部13の角度とは、前面13SFと支持面13SRとの二面角である。図2図3に示すように、座部13の前面13SFと、座部13の支持面13SRとが成す角度が、座部13の角度θである。なお、座部13は、軸Yの方向の中心を通るX-Z平面に対して、対称な形状を有している。即ち、座部13の前面13SFと、座部13の支持面13SLとが成す角度も、座部13の角度θである。なお、座部13の角度θは、90度以上且つ180度以下の角度であるものとして説明する。
また、本明細書において、座部13の「厚さ」とは、座部13の左面13SOLの4つの辺の中で、利用者の膝を支持する面に対応する辺の厚みである。つまり、図2図3等に示すように、座部13の左面13SOLの軸Zの方向の長さDが、座部13の厚さDである。
【0026】
以下、図2乃至図5を用いて、図1の椅子1が備える座部13について説明する。
図2図3を見ると、座部13は、上述したように、座面部13Aと、支持部13BR,13BLと、を有する。
座面部13Aは、利用者の臀部を乗せるX-Y平面に略平行な略正方形の面を有するパーツである。即ち、利用者は、軸Zが正の方向から座部13の座面部13Aに臀部を乗せることで着座する。
【0027】
支持部13BRは、座面部13Aの軸Xが正の方向かつ軸Yが正の方向の位置に設けられたパーツである。また、支持部13BLは、座面部13Aの軸Xが正の方向かつ軸Yが負の方向の位置に設けられたパーツである。支持部13BRと、支持部13BLとは、座部13の前面13SFを介して配置されている。即ち、支持部13BRと、支持部13BLとは、互いに幅Wだけ離れて配置されている。
上述したように、利用者は、軸Xが正の方向を向いて、椅子1に着座する。即ち、支持部13BR,13BLの夫々は、利用者の左右に配置され、利用者の下肢を支持する。
利用者の下肢がどのように支持されるかは、上述の座部13の幅W、角度θ、及び厚さDにより変化する。どのような条件の場合に利用者の下肢が適切に支持されるのかについては、図7乃至図11を用いて後述する。
【0028】
以上、図2乃至図5を用いて、図1の椅子1が有する、本発明の実施形態に係る座部13について説明した。
以下、図6を用いて、図1の椅子1における、座部13の配置について説明する。
【0029】
図6は、図1の椅子の座部の配置を示す図である。
図6(A)は、座部13を軸Xが負の方向に配置された状態を示す図である。図6(A)の座部13において、座部13の前面13SFから、背もたれ部11を構成する面のうち軸Xが正の方向の面との軸X方向の距離は、長さL1である。
図6(B)は、座部13を軸Xが正の方向に配置された状態を示す図である。図6(B)の座部13において、座部13の前面13SFから、背もたれ部11を構成する面のうち軸Xが正の方向の面との軸X方向の距離は、長さL2である。
図6(A)及び(B)を比較すると、椅子1を構成する座部13は、椅子1が備える他のパーツに対して配置が異なる。具体的には、図6(B)における座部13は、図6(A)における座部13と比較して、軸Xが正の方向に配置されている。即ち、図6において、長さは、長さL1<長さL2の関係にある。
一方、椅子1を構成する、背もたれ部11と、背もたれアーム部12と、脚部14とは相互に配置は異なっていない。
このように、椅子1は、座部13の軸Xの方向に対する位置を変更して配置(固定)することができる。つまり、椅子1は、座部13の移動範囲として、所定の長さの範囲を有する。即ち、座部13は、椅子1の他のパーツに対して位置を移動することができる。そこで、以下、座部13に関する軸Xの方向の移動可能な範囲を「移動範囲」と呼ぶ。
【0030】
ここで、図2図3をみると、座部13は以下のような形状を有する。椅子1の支持部13Bは、以下のようにして利用者の下肢を支持する。即ち、支持部13BR,13BLの夫々は、支持面13SR,13SLの夫々を有する。支持部13BLの支持面13SLと、座部13の前面13SFとは、角度θを成す。同様に、支持部13BRの支持面13SRと、座部13の前面13SFとは、角度θを成す。これにより、支持部13BR及び支持部13BLの軸Yの方向の距離は、軸Xが正の方向に進むほど広い。利用者からみれば、膝の位置は軸Xが正の方向にあるほど、左右の膝同士の軸Yの方向の距離が広くなる。
【0031】
図6を用いて説明したように椅子1における座部13の配置が変更されることで、座部13の配置が変わる。即ち、座部13の配置が変更されることで、座部13に対する軸Xの方向における膝の位置が変わる。換言すれば、利用者は、座部13の軸Xの方向における配置を変更することで、左右の膝同士の軸Yの方向の距離を変更することができる。
詳細は後述するが、利用者の体格や好み等により、適切な左右の膝同士の軸Yの方向の距離は異なる。つまり、椅子1における座部13の配置が変更できることにより、利用者は利用者自身の体格や好み等に合わせた左右の膝同士の軸Yの方向の距離に変更することができる。どのような長さL1,L2に変更できると、様々な体格や好み等の利用者に適するのかについては、後述する。
【0032】
以上、図6を用いて、図1の椅子1における、座部13の配置について説明した。
以下、図7及び図8を用いて、図1の椅子1や座部13を利用することの、利用者の着座姿勢についての実験について説明する。
【0033】
まず、利用者が通常の椅子に着座した場合における、利用者の身体寸法について説明する。
図7は、椅子を利用する利用者の身体寸法の測定箇所を示す図である。
図7(A)は、椅子に着座する利用者の脚を軸Zが正の方向から示す図である。
図7(B)は、椅子に着座する利用者の脚を軸Xが正の方向から示す図である。
図7(A)及び(B)に示すように、利用者の着座姿勢についての実験のため、5種のパラメータを測定した。
【0034】
即ち、図7(A)に示すように、着座した利用者において、利用者の右膝のうち軸Yが負の方向の端から、利用者の左膝のうち軸Yが正の方向の端までの距離d1を、座位膝間距離d1として測定した。
また、図7(A)に示すように、着座した利用者において、利用者の右膝のうち軸Xが正の方向の端から、利用者の左膝のうち軸Xが正の方向の端までの距離d2を、座位膝蓋骨中点間距離d2として測定した。
また、図7(A)に示すように、着座した利用者において、利用者の右膝のうち軸Yが正の方向の端から、利用者の左膝のうち軸Yが負の方向の端までの距離d3を、座位脛骨内側顆上縁間距離d3として測定した。
【0035】
即ち、図7(B)に示すように、着座した利用者において、利用者の右足首のうち軸Yが正の方向の端から、利用者の左足首のうち軸Yが正の方向の端までの距離d4を、内果端点間距離d4として測定した。
また、図7(B)に示すように、着座した利用者において、利用者の右足首のうち軸Yが負の方向の端から、利用者の左足首のうち軸Yが正の方向の端までの距離d5を、外果点間距離d5として測定した。
【0036】
即ち、本実験の実験者は、以下の通り、上述の5種の距離の測定を行った。
まず、本実験により測定される被測定者として、12名の大学生(20歳乃至22歳、6名の男性及び6名の女性)、及び職員8名(36歳乃至64歳、4名の男性及び4名の女性)の計20名を設定した。
なお、被測定者の年齢等の平均値及び標準偏差は、以下の通りである。
被測定者の年齢は、30.5±13.2歳であった。また、被測定者の身長は1650±76.3mmであった。また、被測定者の座高は1274±50.6mmであった。また、被測定者の体重は62.3±11.5kgであった。また、被測定者のBMIは22.3±3.6kg/mであった。
次に、実験者は、被測定者が椅子に着座した状態でPCを用いた作業を行っている時とリラックスしている時との図7に示す5種の距離を、マルチン計測器を用いて計測した。
【0037】
なお、実験者は、被験者に以下の通り教示した。
教示1.PC作業時の姿勢をとる際には、椅子に座り、普段作業を行うときのように椅子の座面と高さ、ディスプレイの角度を調節してください。なお、足は組まないで、普段通りに座ってください。
教示2.リラックス時の姿勢をとる場合には、椅子に座り、普段のように部屋でくつろぐときのように足を楽にしてください。なお、足は組まないで、普段通りに座ってください。
【0038】
図8は、図7の測定箇所の測定値を示す図である。
図8に示す棒グラフには、図7を用いて説明した5種の距離の夫々が、図示されている。ここで、図8に示す棒グラフには、PC作業時及びリラックス時の組として、5種の距離の夫々が、図示されている。なお、図8の測定値には、誤差棒として当該測定値の標準偏差が図示されている。
なお、図8に示すPC作業時の結果は、利用者がPCを用いた作業を行っていることを想定している測定結果をいう。また、図8に示すリラックス時の結果は、利用者がリラックスしている時を想定している測定結果をいう。
つまり、PC作業時の利用者は、緊張した状態であると言える。また、リラックス時の利用者は、緊張を解いた(力を抜いた)楽な状態であると言える。換言すれば、図8を見ると、5種の距離の夫々が、緊張した状態と楽な状態とにおいて、どのように変化するかを確認できる。
【0039】
図8を見ると、PC作業時と比較してリラックス時において、座位膝間距離d1乃至外果点間距離d5の5種の距離のすべてが、有意に長くなっている。即ち、被測定者は、緊張した状態と比較して楽な状態において、座位膝間距離d1乃至外果点間距離d5の5種の距離が長くなることが分かった。
【0040】
上述の結果に基づくと、自然人(被測定者)は、PC作業時であってもリラックス時であっても、椅子に着座した状態において、自然と自身の右脚と左脚とが離れるということが分かる。更に言えば、自然人(被測定者)は、PC作業時と比較してリラックス時にはさらに、自身の右脚と左脚とが更に離れるということが分かる。
しかしながら、楽な姿勢をとった場合、自然人は、体の各部位に負荷がかかることがある。即ち例えば、利用者は、適切でない姿勢をとることで肩こりや腰痛等を発症する可能性がある。また、上述したように、PC作業時と比較してリラックス時にはさらに、自身の右脚と左脚とが更に離れるということから、PC作業時にはリラックス時と比較して右膝と左膝とが近くなるとも言える。
そこで、発明者は、自然人(利用者)が力を抜いた状態において、自然と開く下肢(膝等)を支持することにより、姿勢を維持する座部13を創作した。これにより、自然人(利用者)が力を抜いた状態においても、適切な姿勢をとることで肩こりや腰痛等を発症する可能性を低減できる。
【0041】
逆に言えば、姿勢を維持する座部13を利用した場合、利用者は、力を抜いた状態にも関わらず、姿勢を維持され、所謂「良い姿勢」を保つことができる。
【0042】
以上、図7及び図8を用いて、図1の椅子1や座部13を利用することの、利用者への利点等について説明した。
以下、図9乃至図11を用いて、座部13の角度θ、幅W、及び厚さDの最適値の検討に係る実験及びその結果について説明する。
【0043】
まず、実験者は、以下のパラメータの座部13を用意した。
具体的には、実験者は、角度θとして、115度、125度、135度、145度、及び支持部13Bなしの5水準(種)の角度の座部を、発泡プラスチック保温材等で制作し用意した。
また、実験者は、幅Wとして、230mm、260mm、290mm、320mm、及び支持部13Bなしの5水準(種)の幅の座部を、発泡プラスチック保温材等で制作し用意した。
また、実験者は、厚さDとして、30mm、50mm、75mm、105mm、及び支持部13Bなしの5水準(種)の厚さの座部を用意した。
【0044】
次に、実験者は、座部13を椅子1に固定する以下の機構を用意した。
具体的には、図6に示す長さL1,L2として、設定可能な座部13の移動範囲として、390mmから492.5mmに調整できる機構を用意した。また、図6に示す長さL1,L2として、上述の移動範囲を、20.5mmピッチで6段階可動できる機構を用意した。即ち、座部13の移動範囲として、390mmから492.5mmが採用されている。
なお、移動範囲及びピッチは、男女20~49歳の座位殿-膝窩距離の5%ile値~95%ile値に対応できるように算出した。
ここで、「%ile」とは、データを大きさ順で並べ、小さいほうからのどの位置にあるかを見る指標であって、当該位置をパーセントで表現した指標である。
【0045】
ここで、被験者は、本実験に係る評価として、以下の観点について5段階評定尺度で評価を行った。
観点1.脚(あし)の楽さ
観点2.脚(あし)の心地よさ
観点3.各条件(下肢側面支持角度、座面前端幅、支持面厚)の適切さ
観点4.脚(あし)の固定度
観点5.座面の回転のしやすさ
観点6.下肢側面支持による総合的な好ましさ
【0046】
なお、実験者は、被験者に以下の通り教示した。
教示1.評価は下肢側面支持角度、座面前端幅、下肢側面支持面厚み(支持位置)の順に行います。
教示2.座面形状条件が違う座面が5つあり、1つずつ評価してもらいます。観点は6項目あります。
教示3.はじめに評価してもらう5つの座面に座ってもらい、それぞれ違いを確認してください。
教示4.こちらが提示した椅子に座ってもらい、日本語入力作業を行う姿勢になってください。
教示5.評価は下肢側面支持部に関してだけで行ってください。座面の固さ、背もたれの角度、支持部の固さにともなう痛み等は評価から外してください。
教示6.各観点について評価してください。
教示7.5つの座面形状の評価を行ってもらったら、評価を終了します。次のグループの評価実験開始まで5分程度休憩してください。
教示8.下肢側面支持角度が異なる5条件の後、同様に座面前端幅が異なる5条件、下肢側面支持面厚が異なる5条件で評価を繰り返します。
教示9.すべての評価を終えたら、実験は終了になります。
【0047】
なお、被験者の年齢等の平均値及び標準偏差は、以下の通りである。
被験者は、12名の大学生(20歳乃至22歳、6名の男性及び6名の女性)、及び職員8名(36歳乃至64歳、4名の男性及び4名の女性)であった。また、被験者の年齢は30.5±13.2歳であった。また、被験者の視力は1.3±0.3であった。また、被験者のPCの経歴は13.4±9.9年であった。また、被験者の基本座位姿勢における座面高は423.4±8.8mmであった。また、被験者の足置台分を差し引いた座面高は378.0±7.6mmであった。また、被験者の基本座位姿勢における机面高は705.5±19.9mmであった。また、被験者の足置台分を差し引いた机面高は663.1±18.2mmであった。また、被験者の机面前端からPC前端までの距離は60.0±47.5mmであった。また、被験者の机面前端から画面中央までの距離は387.9±47.2mmであった。また、被験者の当日の健康状態は「良い」70%、「非常に良い」30%であった。また、被験者の足置き台を使用した人は60%、使用しなかった人は40%であった。また、被験者の利き手は、右利きが17名、左利きが3名であった。また、被験者の前日の睡眠時間は6.4±1.6時間であった。
【0048】
以下、上述の実験の結果について、図9乃至図11を用いて説明する。
図9は、図1の座部の角度の検討に係る実験の結果を示す図である。
【0049】
図9を見ると、横軸に下肢側面支持角度(°)(角度θ)、縦軸に総合的好ましさスコア(点)を取ったグラフが示されている。即ち、角度θの夫々における、被験者らの総合的好ましさ(点)の平均値及び標準偏差の夫々が示されている。図9に示される曲線は、上述の総合的好ましさスコア(点)の平均値及び標準偏差に対する回帰分析の結果である。なお、回帰分析は、総合的好ましさスコアを変数y、角度θを変数xとした、変数xを引数とした二次関数に対して行った。
回帰分析の結果、最適な角度θは、132.8度であった。
【0050】
図10は、図1の座部の幅の検討に係る実験の結果を示す図である。
【0051】
図10を見ると、横軸に座面前端幅(mm)(幅W)、縦軸に総合的好ましさスコア(点)を取ったグラフが示されている。即ち、幅Wの夫々における、被験者らの総合的好ましさ(点)の平均値及び標準偏差の夫々が示されている。図10に示される曲線は、上述の総合的好ましさスコア(点)の平均値及び標準偏差に対する回帰分析の結果である。なお、回帰分析は、総合的好ましさスコアを変数y、幅Wを変数xとした、変数xを引数とした二次関数に対して行った。
回帰分析の結果、最適な幅Wは、273.7mmであった。
【0052】
図11は、図1の座部の厚さの検討に係る実験の結果を示す図である。
【0053】
図11を見ると、横軸に支持面厚(mm)(厚さD)、縦軸に総合的好ましさスコア(点)を取ったグラフが示されている。即ち、厚さDの夫々における、被験者らの総合的好ましさ(点)の平均値及び標準偏差の夫々が示されている。図11に示される曲線は、上述の総合的好ましさスコア(点)の平均値及び標準偏差に対する回帰分析の結果である。なお、回帰分析は、総合的好ましさスコアを変数y、厚さDを変数xとした、変数xを引数とした二次関数に対して行った。
回帰分析の結果、最適な厚さDは、66.6mmであった。
【0054】
以上、図9乃至図11を用いて、座部13の角度θ、幅W、及び厚さDの最適値の検討に係る実験及びその結果について説明した。
以下、実験により把握された、椅子1の利用者が享受できる効果について説明する。
【0055】
利用者は、椅子1を利用することにより、従来の椅子に比べて、下肢が顕著に楽になる。
また、利用者は、椅子1を利用することにより、従来の椅子に比べて、下肢が顕著に心地よく感じられる。
また、利用者は、椅子1を利用することにより、従来の椅子に比べて、下肢が固定(安定)する。
また、利用者は、椅子1を利用することにより、従来の椅子に比べて、座面が顕著に回転しやすい。
また、利用者は、椅子1を利用することにより、従来の椅子に比べて、顕著に快適に座れる。
【0056】
更に言えば、椅子1は、座部13を前後可動できるしくみによって、使用者の体格にかかわらず、最適下肢側面支持位置で下肢側面を支持することができる。
具体的には、座部13の角度θとして135度、座部13の幅Wとして260mm、座部13の厚さDとして75mmを採用した場合における、図1の椅子1の座部13の配置は以下の通りが好適である。図6に示すように、椅子1の座部13は、軸Xの方向に前後することができる。この椅子1の座部13を前後できる距離(即ち、図6の長さL1や長さL2が取りえる範囲)は、80mmとすると好適である。この場合、座部13を無段階で調節することで、日本人成人の90%ileに適合することができる。
【0057】
以上、実験により把握された、椅子1の利用者が享受できる効果について説明した。
以下、利用者がどのように椅子1や座部13を利用するのかについて説明する。
【0058】
まず、利用者は、座部13に臀部を乗せて着座する。この時、利用者は、図1等に示す軸Xが正の方向を向いて着座する。
次に、利用者は、図6に示すように、利用者自身の好みに合わせた位置に、椅子1に対する座部13の位置を前後させる。この時、利用者は、膝を、座部13の支持部13BR,13BLの間に置く。これにより、座部13の支持面13SR,13SLの夫々が利用者の両膝の外側(例えば、右膝に対して軸Yが負の方向側、左膝に対して軸Yが正の方向側)の夫々に接する。つまり、座部13の支持面13SR,13SLの夫々により、利用者の両膝の夫々が支持される。
【0059】
利用者は、このように椅子1や座部13に着座することにより、利用者の両膝の外側を支持される。これにより、利用者は、力を抜いた状態にも関わらず、姿勢を維持され、所謂「良い姿勢」を保つことができる。
【0060】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での、変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0061】
即ち例えば、上述の実施形態では、座部13の支持部13BR,13BLは、着座した自然人の左膝及び右膝の夫々に触れるものとして説明したが、特にこれに限定されない。即ち例えば、座部13の支持部13BR,13BLは、着座した自然人の両脚(特に膝)が開かないように支持(力を加える)ことができれば足りる。
具体的には例えば、座部13の支持部13BR,13BLは、着座した自然人の左膝及び右膝の夫々の腓腹筋の外側頭と皮膚を介して接していれば足りる。
また例えば、座部13の支持部13BR,13BLは、着座した自然人の左膝及び右膝として、当該自然人の下肢のうちの下腿の上部を外側(例えば、自然人の左膝には軸Yが正の方向、また、自然人の右膝には軸Yが負の方向)から、支持することができれば足りる。
また例えば、座部13の支持部13BR,13BLは、着座した自然人の左膝及び右膝として、当該自然人の下肢のうちの下腿の上部を腓側から、支持することができれば足りる。
更に言えば、座部13の支持部13BR,13BLは、着座した自然人の下肢のうちの下腿の上部ではなく、大腿の下部を支持してもよく、大腿の下部や下腿の上部のうち少なくとも一方を含む所定の位置を支持することができれば足りる。ここで、下腿の「上部」とは、例えば、下腿の長手方向における半分の長さの位置よりも膝に近い側を言う。また、大腿の「下部」とは、例えば、大腿の長手方向における半分の長さの位置よりも膝に近い側を言う。また、腓側とは、下腿の腓骨のある側(小指側)のことを言う。
【0062】
これらをまとめると、上述の実施形態では、座部13の支持部13BR,13BLは、着座した自然人の左膝及び右膝として、当該自然人の下肢のうちの下腿の上部の外側に接していた。
即ち、座部13の支持部13BR,13BLは、着座した自然人の左膝及び右膝の周囲に接することにより、左膝と右膝とを近づける方向に力を加えたり、所定の距離以上に離れないように支えたりすることができれば足りる。
【0063】
また例えば、上述の実施形態では、座部13の支持部13BR,13BLは、座部13と一体で形成されているものとして説明したが、特にこれに限定されない。即ち、座部13の支持部13BR,13BLは、座部13に内含(一体で形成)されていたが、座部13と着脱可能であってもよい。即ち例えば、座部13の支持部13Bは、座部13の座面13STに対して所定の位置に配置され、自然人の膝等を支持することができれば足りる。
【0064】
また例えば、上述の実施形態では、座部13は、1人の自然人により着座される、PC作業時に有効な座部であるとして説明したが、特にこれに限定されない。即ち例えば、本発明が適用される椅子は、PC作業時に利用されるオフィスチェア等に限らず待合室の椅子(ソファ)等に採用することができる。
また例えば、椅子の設計者は、座部13の右面13SORと、他の座部13の左面13SOLとが接するように設置(又は一体の構造)することにより、数人掛けの椅子(例えば、待合室のソファ)に座部13を採用することができる。
【0065】
以上まとめると、本発明が適用される座部は、次のようなものであれば足り、各種各様な実施形態をとることができる。
【0066】
即ち、本発明が適用される座部(例えば、図1の座部13)は、
着座して利用する自然人の下肢を支持する座部であって、
夫々左右の腓腹筋の外側頭と皮膚を介して接する、対となる2つの支持面(支持面13SR及び13SL)を有する支持部(支持部13BR及び13BL)を内含又は着脱可能に有し、
前記支持面は、前記自然人の下肢を支持させるのに適するとして予め設定された範囲(例えば、設置場所や利用目的から決まる取りうる角度や支持部の間の幅の範囲)の中から選択されたパラメータ(例えば、当該自然人の判断結果)に基づいて設定された、前記2つの支持面の角度、及び、前記2以上の支持部の間の幅を有する、
座部であれば足りる。
【0067】
これにより、このような椅子に着座した自然人は、自然と開く下肢(膝等)を支えられる。これにより、自然人は、たとえ力を抜いた状態においても、適切な姿勢をとることで肩こりや腰痛等を発症する可能性を低減できる。
【0068】
前記座部は、前記自然人が力を抜いた際に膝を支持させるのに適するとして予め設定された範囲の中から選択されたパラメータに基づいて設定された、前記支持部の厚さを有する、
ことができる。
【0069】
また、自然人に着座される椅子において、
着座して利用する前記自然人の下肢を支持する座部を備え、
前記座部は、
夫々左右の腓腹筋の外側頭と皮膚を介して接する、対となる2つの支持面を有する支持部を内含又は着脱可能に有し、
前記支持面は、前記自然人の下肢を支持させるのに適するとして予め設定された範囲の中から選択されたパラメータに基づいて設定された、前記2つの支持面の角度、及び、前記2以上の支持部の間の幅を有する、
椅子であれば足りる。
【0070】
前記座部は、前記自然人の下肢を支持させるのに適するとして予め設定された範囲の中から選択されたパラメータに基づいて設定された、前記座部の移動範囲を有する、
ことができる。
【符号の説明】
【0071】
1・・・椅子、11・・・背もたれ部、12・・・背もたれアーム部、13・・・座部、13A・・・座面部、13B,13BR,13BL・・・支持部、14・・・脚部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11