(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】車両消費の監視システム
(51)【国際特許分類】
F02D 29/02 20060101AFI20230323BHJP
【FI】
F02D29/02 L
F02D29/02 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019215718
(22)【出願日】2019-11-28
(62)【分割の表示】P 2015204155の分割
【原出願日】2015-10-16
【審査請求日】2019-12-24
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-17
(32)【優先日】2014-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519123825
【氏名又は名称】トランスポーテーション アイピー ホールディングス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・クレイグ・メリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー・トッド・ヤング
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・ダニエル・クッテンクラー
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ジョン・ウォルフ
(72)【発明者】
【氏名】リンゼイ・ショート
【合議体】
【審判長】山本 信平
【審判官】水野 治彦
【審判官】河端 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-132225(JP,A)
【文献】特開2010-52722(JP,A)
【文献】特開2010-208636(JP,A)
【文献】国際公開第2013/87259(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D9/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御システムであって、
ルート区間に沿った第1の位置から第2の位置に車両が走行したときのエンジンで実際に消費されたエネルギーおよび/または実際に消費された燃料の量と、第1の位置から第2の位置に前記車両が走行したときの前記車両を移動させるために必要とされる計算されたエネルギーの消費量および/または計算された燃料の消費量との比の値を計算し、
前記制御システムは、前記車両の無負荷時の重量、前記車両によって運搬される車両積荷の重量、前記車両の移動抵抗、及び前記車両が走行することになっている距離に基づいて、前記計算されたエネルギー消費量を求めるように構成され、
スロットル設定、車両速度、およびエンジン出力からなる群から選択される1つ以上の操作パラメータに対して前記車両の操作者からの入力を監視して、
前記比の値が閾値を上回ったとき、操作者が非常に大きな割合で加速することを防止するために、前記車両のスロットル設定、
車両速度、および/または
エンジン出力を変更することができる頻度および/または量に対する制限を自動的に行うように構成される、制御システム。
【請求項2】
前記制御システムが、前記車両の無負荷時の重量、前記車両によって運搬される車両積荷の重量、前記車両の移動抵抗、及び前記車両が走行することになっている距離に基づいて、前記計算されたエネルギー消費量を求めるように構成されている、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記車両の前記無負荷時の重量が、前記車両によって運搬される積載物または物質を有さない重量である、請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記制御システムが、前記車両のパワートレインによって生成された動力の量ならびにどの程度効率的にパワートレインがパワートレインの異なる出力において燃料および/またはエネルギーを消費するかを表す効率に基づいて、実際に消費された燃料および/またはエネルギーの量を推定するように構成されている、請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記制御システムが、ルート区間に沿った第1の位置から第2の位置に前記車両が走行したときのエンジンで実際に消費された燃料の量および/または前記車両のモータで実際に消費された電流の量の、第1の位置から第2の位置に前記車両が走行したときの前記車両を移動させるために必要な計算された燃料の量および/または電流の量に対する比の値、すなわち消費メトリックを求める、請求項1に記載の制御システム。
【請求項6】
前記制御システムが、平均、中央値、または前記消費メトリックの他の統計分析から選択される一種から成る比較メトリックを求めるように構成されており、前記比較メトリックが、同じ操作者による前記車両の動作に関連するいくつかの消費メトリックであって、操作者に特有の消費メトリック、車両によって消費された燃料の量または消費されたエネルギーの量の1つ以上を表す消費メトリック、共通の場所における前記車両および1つ以上の他の車両の動作に関連するいくつかの消費メトリックを表す、場所に特有の消費メトリック、前記車両の異なる動作モードまたは設定に関連するいくつかの消費メトリックを表す、動作モードに特有の消費メトリック、前記ルートの異なる傾斜度に関連するいくつかの消費メトリックを表す、傾斜度に特有の消費メトリック、または異なる積載物、積載物の異なる重量、もしくは車両の積載物の不在の1つ以上に関連するいくつかの消費メトリックを表す、車両の積荷に特有の消費メトリックの1つ以上を含む、請求項5に記載の制御システム。
【請求項7】
前記制御システムが、前記車両の前記異なる動作モードまたは設定に関連する前記いくつかの消費メトリックを表す前記動作モードに特有の消費メトリックを含むものとして前記1つ以上の比較メトリックを求めるように構成されており、前記車両の前記異なる動作モードが、1つ以上の、前記車両の異なるスロットル設定、前記車両の異なる速度、または前記車両のパワートレインによって生成される異なる動力を含む、請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記制御システムが、前記比較メトリックに基づいて警告信号を生成するように構成されており、前記警告信号が、前記車両の検査、修理、または保守の1つ以上を指示する、請求項6に記載の制御システム。
【請求項9】
前記実際に消費されたエネルギー消費量は、消費メトリックで表され、当該消費メトリックは、どのくらいの量の燃料および/またはエネルギーが車両によって消費されたかを表すパラメータであり、前記ルート区間に沿った第1の位置から第2の位置に車両が走行したときに前記車両により消費された燃料の量または消費されたエネルギーの量の1つ以上を表す、請求項1に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明されている主題は、車両であって、該車両を推進させるために燃料および/またはエネルギーを消費する車両に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な種類の車両が、該車両に動力を供給するために燃料および/またはエネルギーを消費する。例えば、燃料ガス(例えば、ディーゼル燃料および非ディーゼル燃料)、電流、石油、石炭、天然ガス、風力、または太陽エネルギーなどが、車両に動力を供給するために使用され得る。車両は、これらの燃料および/またはエネルギーを用いて、該車両を推進させるために自身に動力を供給し得る。
【0003】
燃料および/またはエネルギーの消費は、異なる車両および/または異なる、車両の操作者において同等でない場合がある。例えば、操作者が車両のスロットルおよび/またはブレーキを制御する方法の違いに起因して、異なる運転者によって操作される、同じ種類の車両の異なる車両(例えば、同じ型および/またはモデルの車両の異なる車両)は、同じまたは実質的に同様のルートにわたって車両を推進させるために異なる量の燃料および/またはエネルギーを消費し得る。
【0004】
どのくらいの量の燃料および/またはエネルギーが車両を制御する異なる操作者によって消費されたかを単純に測定することは、操作者がどの程度さらに効率的に車両を制御することが可能であるかについての洞察を提供し得ない。どのくらいの量の燃料が消費されたかについてある操作者と別の操作者とを単に比較することは、ある操作者の運転の癖が、消費される燃料および/またはエネルギーの観点から別の操作者に比べて効率的であるか、それとも非効率的であるかを正確に反映し得ない。
【0005】
消費される燃料および/またはエネルギーの量は、容易には明らかにならない様々な他の要因に基づき得る。例えば、燃料および/またはエネルギーの単位当たりの、車両が走行した距離(例えば、ガロン当たりのマイルまたはリットル当たりのキロメートルなど)を計算することは、異なる操作者がどの程度効率的に車両を制御したかを正確には反映し得ない。これは、消費される燃料および/またはエネルギーの量が、より効率的な操作者の場合であってもルートの上りの区間にわたる走行の間に大幅に増加し得るためである。
【0006】
異なる操作者がどの程度効率的に車両を制御したかを直接比較することができることは、車両を制御するより効率的な方法を発見するための、操作者の調査またはどの車両が他の車両よりも効率的に稼働しているかの特定などに有用であり得る。
【発明の概要】
【0007】
前記した技術的課題、即ち、異なる操作者がどの程度効率的に車両を制御したかを直接比較することができることを解決するために、本発明の一態様は、制御システムであって、ルート区間に沿った第1の位置から第2の位置に車両が走行したときのエネルギー消費量と、前記ルート区間に関連づけられる予め決定されたエネルギー消費量とを比較し、スロットル設定、車両速度、およびエンジン出力から選択される1つ以上の操作パラメータに対して前記車両の操作者からの入力を監視して、前記操作者が、前記予め決定されたエネルギー消費量に少なくとも一部が基づいている閾値の限定率(limit rate)を上回る限定率(limit rate)で、前記1つ以上の操作パラメータの設定を変更しないように構成される、制御システムを提供する。
一実施形態において、監視システムは、ルートにわたる走行の間に車両によって消費された燃料の量または消費されたエネルギーの量の1つ以上を表す消費メトリック(metric)を求めるように構成された制御システムを含む。消費メトリック(metric)は、車両の積荷またはルートにわたる高さの変化の1つ以上とは無関係である。
【0008】
別の実施形態において、別の監視システムは、車両が走行したルートの状態を表すルート状態メトリック(metric)を求めるように構成された制御システムを含む。ルート状態メトリック(metric)は、ルートの途中の1つ以上の場所におけるルートの実際の傾斜度と1つ以上の場所におけるルートの推定傾斜度との比較に基づく。
【0009】
別の実施形態において、方法(例えば、車両を監視するための)は、ルートにわたる走行の間に車両によって消費された燃料の量または消費されたエネルギーの量の1つ以上を表す消費メトリック(metric)を求めるステップを含む。消費メトリック(metric)は、車両の積荷またはルートにわたる高さの変化の1つ以上とは無関係である。
【0010】
別の実施形態において、別の方法(例えば、ルートを監視するための)は、車両が走行したルートの状態を表すルート状態メトリック(metric)を求めるステップを含む。ルート状態メトリック(metric)は、ルートの途中の1つ以上の場所におけるルートの実際の傾斜度と1つ以上の場所におけるルートの推定傾斜度との比較に基づいてもよい。
【0011】
以下の説明でより詳細に説明される、本発明の特定の実施形態およびさらなる利点が示されている添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態に係る車両消費監視システムを有する車両の概略図である。
【
図2】一例に係る、
図1に示されている車両のトリップに関する傾斜度プロファイルを示している。
【
図3】一例に係る、
図1に示されている車両のトリップに関する異なる傾斜度プロファイルを示している。
【
図4】車両による燃料および/またはエネルギーの消費を監視するための方法の一施形態のフローチャートを示している。
【
図5】1つ以上の車両によって走行されるルートの状態を監視するための方法の一実施形態のフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で説明されている主題の1つ以上の実施形態は、どのくらいの量の燃料および/またはエネルギーが車両によって消費されたかを表す消費メトリック(metric)を求めるシステムおよび方法を提供する。消費メトリック(metric)は、車両の積荷および/または車両が走行したトリップの走路にわたる高さの変化とは無関係に消費された燃料および/またはエネルギーを表し得る。消費メトリック(metric)は、消費メトリック(metric)が、異なる、車両の積荷および/または車両が走行するトリップの間の高さの変化に関して変わらない点で車両の積荷および/またはトリップにわたる高さの変化とは無関係であり得る。例えば、車両が、第1のトリップおよび第2のトリップの間に同じルートに沿って同じ始点位置から同じ目的位置まで同じ方法で操作される(例えば、同じスロットルおよび/またはブレーキの設定が同じ場所で使用される)ものの、車両の積荷が、第1のトリップと第2のトリップとで異なる場合、消費メトリック(metric)は、第1のトリップおよび第2のトリップに関して同じまたは実質的に同じ(例えば、互いに所定の範囲(1%、3%、または5%など)内)であり得る。別の例として、車両が、第3のトリップおよび第4のトリップの間に始点位置と目的位置との間で高さの異なる変化を車両に受けさせる異なるルートに沿って同じ方法で操作される(例えば、同じスロットルおよび/またはブレーキの設定が同じ場所で使用される)場合、消費メトリック(metric)は、同じまたは実質的に同じであり得る。車両の積荷および/または高さの変化とは無関係に消費メトリック(metric)を求めることによって、車両の異なる操作者、異なる車両、および車両の異なる動作条件などに関する消費メトリック(metric)が、どの車両、どの操作者、および/またはどの動作条件がより効率的であるかを特定するためにより容易に比較されることならびに/または操作者が、より効率的に車両を操作する方法をより容易に学習することが可能となり得る。場合に応じて、1つ以上のルートメトリック(metric)が求められてもよい。ルートメトリック(metric)は、車両が走行したルートの状態を表してもよい。消費メトリック(metric)および/またはルートメトリック(metric)は、操作者および/または車両外の場所(off-boardlocation)の他の人による確認のために車両の操作者に対して表示されてもよく、および/または車両の外の場所(例えば、発送センター)に送信されてもよい。
【0014】
図1は、一実施形態に係る車両消費監視システム102を有する車両100の概略図である。監視システムは、車両100の操作者および/または他の人が車両100の性能および/または操作を分析するのを助けるために、本明細書で説明されている消費
メトリック(metric)および/またはルート
メトリック(metric)を求める。車両100は、公道を走行するように設計されていない、および/または公道を走行することを法的に認められていないオフハイウェイ車両(採鉱車両または他の車両など)であってもよい。例えば、車両100は、積載物を運搬するためのバケット104または他の装置を有する、ロードホールダンプ(load-haul-dump)(以下、「LHD」)式の車両を表してもよい。あるいは、車両100は、別の種類の採鉱車両であってもよい。別の実施形態において、車両100は、別の種類の乗り物(鉄道車両(例えば、機関車)、自動車、船舶、または飛行機もしくは飛行できる他の乗り物など)である。場合に応じて、車両100は、車両編成(1つのまとまりとしてルート106に沿って走行するように互いに機械的および/または論理的に連結された一群の2つ以上の車両など)を表してもよい。このような車両編成は、車両編成を推進させる1つ以上の車両100に連結器によって接続された幾つかの車両または互いに機械的に連結されてはいないが、車両編成が1つのまとまりとしてルート106に沿って走行するように互いの動作を連係させるために互いに通信するいくつかの車両を含んでもよい。車両100および/または監視システム102の構成要素は、1つ以上の有線接続および/または無線接続によって互いに動作可能に接続されてもよい。例えば、本明細書で説明されている構成要素は、これらの間のデータおよび/または他の信号の通信のために電線、ケーブル、バス、または無線ネットワークチャネルなどによって接続されてもよい。
【0015】
監視システム102は、完全に車両100に搭載されているものとして示されている。場合に応じて、監視システム102の1つ以上の構成要素は、他の場所に(例えば、車両外の場所(例えば、発送センター)に、車両100と同じ車両編成内の別の車両上に、または車両100と同じ車両編成に属していない別の車両に)配置されてもよい。
【0016】
監視システム102は、1つ以上のプロセッサ(例えば、電子論理ベースの装置(マイクロプロセッサ、コンピュータ、コントローラ、もしくはエンジン制御ユニットなど)を含む、および/もしくはこれと接続された複数のハードウェア回路またはハードウェア回路全体を表す制御システム108を含む。プロセッサは、有形の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶装置116(コンピュータハードドライブ、光学ドライブ、フラッシュドライブ、または固体ドライブなど)に記憶された命令に基づいて動作してもよい。これらの命令は、プロセッサに本明細書で説明されている1つ以上の動作を実行するように命令してもよい。例えば、シングルプロセッサが、本明細書で説明されている動作のすべてを実行してもよく、2つ以上のプロセッサが、異なる動作を実行してもよく、および/または2つ以上のプロセッサが、同じ動作の1つ以上を実行してもよい。
【0017】
制御システム108は、車両100の操作者に関する消費メトリック(metric)を計算してもよい。消費メトリック(metric)は、操作者が車両100を制御する異なる方法に起因して、異なる消費メトリック(metric)が、同じ積荷を運搬する同じ車両100を同じトリップにわたって操作する異なる操作者に関して計算され得る点で操作者に依存し得る。一態様において、操作者ごとの消費メトリック(metric)が、トリップもしくはトリップの区間に必要なエネルギーの単位当たりの消費された燃料および/もしくはエネルギーを表してもよく、またはこのようなものとして計算されてもよい。例えば、消費メトリック(metric)は、ルート106に沿って第1の位置から異なる第2の位置まで車両100によって実際に消費された燃料および/またはエネルギーを、第1の位置から第2の位置まで車両100を推進させるために必要なものとして計算されたエネルギーの量によって割ったものとして計算されてもよい。
【0018】
【0019】
(式1)
ただし、Ciは、車両100のi番目の操作者に関する消費メトリック(metric)を表し、Fは、第1の位置から第2の位置まで移動した際に車両100によって消費された燃料および/またはエネルギーの実際の量を表し、Eは、車両100が第1の位置から第2の位置まで移動するのに必要なものとして計算されたエネルギーの量を表す。
【0020】
車両100によって消費された燃料および/またはエネルギーの実際の量(F)は、車両100のエンジンコントローラ110によって提供されるデータから求められてもよい。エンジンコントローラ110は、車両100の1つ以上のエンジンを制御するおよび/または1つ以上のエンジンの動作を監視する電子制御ユニット(エンジン制御ユニット(ECU:enginecontrolunit)またはパワートレイン制御モジュール(PCM:powertraincontrolmodule)など)を表してもよい。車両100のパワートレイン112は、車両100の1つ以上のエンジン、およびエンジンの動作(例えば、回転)を車両100の推進力に変換するモータ、シャフト、ギヤ、または車軸などを表す。
【0021】
また、エンジンコントローラ110は、どのくらいの量の燃料および/またはエネルギーが燃料源および/またはエネルギー源114(
図1の「燃料/エネルギー源」)から車両100のエンジンに供給されたかを表すデータを生成する供給センサを含んでもよく、および/またはこれを表してもよい。例えば、エンジンコントローラ110は、どのくらいの量の燃料がエンジンに供給されたかを表すデータを生成する質量流量センサまたはどのくらいの量の電流が車両のモータに供給されたか、および/もしくはエンジンによって生成されたかを表すデータを生成する電流計などを含んでもよい。供給源114は、燃料を保持する1つ以上のタンクおよび/または車両100に動力を供給するための電気エネルギーを蓄える電池もしくはコンデンサなどを表してもよい。
【0022】
制御システム108は、どのくらいの量の燃料および/またはエネルギーが車両100によって実際に消費されたか(F)を求めるためにエンジンコントローラ110からのこのデータを監視してもよい。場合に応じて、制御システム108は、1つ以上の効率推定およびパワートレイン112によって生成された動力に基づいて、実際に消費された燃料および/またはエネルギーの量(F)を計算してもよい。例えば、制御システム108、パワートレイン112によって生成された動力の量ならびにどの程度効率的にパワートレイン112がパワートレイン112の異なる出力において燃料および/またはエネルギーを消費するかを表す所定の効率の割合に基づいて、実際に消費された燃料および/またはエネルギーの量(F)を推定してもよい。
【0023】
車両100を移動させるために必要なエネルギー(E)は、制御システム108によって計算されてもよい。一実施形態において、必要なエネルギーは、車両100の無負荷時の重量、車両の積荷の重量、第1の位置と第2の位置との間のルート106の区間の傾斜度、車両100の移動抵抗、および第1の位置から第2の位置までのルート106に沿った距離に基づいて推定されてもよい。エネルギー(E)は、これらの要因に基づき得るものであり、無負荷時の重量の増加、車両の積荷の重量の増加、上り傾斜度、移動抵抗の増加、および/または走行距離の増加が、エネルギー(E)の増加の原因となり得る一方で、無負荷時の重量の低減、車両の積荷の重量の低減、下り傾斜度、移動抵抗の低減、および/または走行距離の低減は、エネルギー(E)の低減の原因となり得る。
【0024】
車両100の無負荷時の重量は、車両100によって運搬される積載物または物質を有さない車両100の所定の重量であってもよい。この重量は、記憶装置116および/または制御システム108にプログラムされてもよい。場合に応じて、この重量は、車両100の入力装置118を用いて制御システム108および/または記憶装置116に入力されてもよい。入力装置118は、操作者から情報を受信するために使用される1つ以上のアセンブリ(キーパッド、電子マウス、スタイラス、タッチスクリーン、マイクロホン、ペダル、スロットルレバー、またはボタンなど)を表してもよい。制御システム108は、場合に応じて記憶装置116から重量を取得してもよい。
【0025】
車両の積荷の重量は、車両100によって運搬される積載物および/または物質の重量であってもよい。この重量は、車両100の無負荷時の重量に加わり得る。例えば、車両100の全重量は、車両の積荷の重量および車両100の無負荷時の重量を含んでもよい。車両の積荷の重量は、入力装置118を用いて入力されてもよく、および/または重量センサ120(例えば、スケール)によって生成されるデータであって、車両100によって運搬される積載物および/または物質の重量を表すデータから取得されてもよい。
【0026】
第1の位置と第2の位置との間のルート106の区間の傾斜度は、ルート106の様々な区間の上り勾配および/または下り勾配の量を表す。傾斜度は、傾斜度センサ122によって生成されたデータ(傾斜計、加速度計など)に基づいて求められてもよく、入力装置118を用いて入力されてもよく、および/または記憶装置116に記憶されたデータベースから取得されてもよい。例えば、ルート106の構成(例えば、傾斜度、距離、または曲率など)が、記憶装置116に記憶されてもよい。
【0027】
車両100の移動抵抗は、ルート106に沿った車両100の移動に抵抗する力を表してもよい。この抵抗は、車両100がルート106に沿って移動するときの車両100の運動に抵抗する力(転がり抵抗、抗力、または気流および/もしくは水流など)を表してもよい。移動抵抗は、どのくらいの量の動力がパワートレイン112によって生成されたかおよびどのくらい速く車両100が移動したかに基づいて制御システム108によって測定または推定されてもよい。車両100の移動速度は、速度センサ124(タコメータ、全地球測位システムの受信機、セルラー三角測量システム、または他の装置など)によって生成されるデータから求められてもよい。場合に応じて、移動抵抗は、記憶装置116に記憶された所定の値を有してもよく、および/または入力装置118を介して入力されてもよい。
【0028】
車両100が走行した距離は、制御システム108によって求められてもよい(例えば、車両100がどのくらいの時間にわたってどのくらいの速さで走行したかを監視することによって、全地球測位システムの受信機もしくはセルラー三角測量システムなどによって生成されたデータを調べることによって、ならびに/または記憶装置116および/もしくは入力装置118から距離を受信することによって)。
【0029】
消費メトリック(metric)は、どの程度効率的に操作者が第1の位置から第2の位置まで車両100を制御したかを表すためにこれらの要因の1つ以上を用いて計算されてもよい。単なる走行距離当たりの消費された燃料および/またはエネルギーの代わりに走行に必要なエネルギー(E)当たりの消費された燃料および/またはエネルギーに消費メトリック(metric)の基礎を置くことによって、車両100または複数の車両100の異なるトリップに関する消費メトリック(metric)を比較することができるようになり得る。例えば、異なるトリップは、車両100または複数の車両100が異なるトリップにおいて走行する距離が同じまたは実質的に同じ場合であっても燃料および/またはエネルギーの消費の割合に大きく影響を及ぼし得る異なる傾斜度プロファイルを有し得る。さらに、異なる傾斜度プロファイルは、大きく異なる距離を有するトリップに関する燃料および/またはエネルギーの消費の割合に大きく影響を及ぼし得る。
【0030】
図2および
図3は、一例に係る車両100のトリップに関する異なる傾斜度プロファイル200、300を示している。傾斜度プロファイル200、300は、ルート106(
図1に示されている)に沿った距離を表す水平軸202および高さを表す垂直軸204に沿って示されている。傾斜度プロファイル200、300は、車両100のトリップまたは輸送ルートの始点位置206、306から対応する終点位置208、308まで走行する車両100が遭遇する、ルート106の傾斜度を表している。ルート106に沿った始点位置206、306から終点位置208、308までの距離210は、同じまたは実質的に同じであってもよい。
【0031】
異なる傾斜度プロファイル200、300に係るルート106に沿って走行する間に、傾斜度プロファイル200に沿って走行する車両100は、傾斜度プロファイル300に沿って走行する車両100よりも多くの燃料および/またはエネルギーを消費し得る。例えば、傾斜度プロファイル200の上り傾斜度の区間212を車両100に登坂させるのに十分なトルクまたは牽引力を生成するには、傾斜度プロファイル300に沿って走行する車両100よりも多くの、パワートレイン112によって消費される燃料および/またはエネルギーを必要とし得る。傾斜度プロファイル200、300に沿って走行する車両100に関する消費メトリック(metric)の違いは、車両100の操作者が車両100を制御する方法の違いに起因し得る。例えば、第1の操作者が、傾斜度プロファイル200にわたって第1の車両100を運転してもよく、第2の操作者が、傾斜度プロファイル300にわたって第2の車両100を運転してもよい。第1の車両100および第2の車両100は、異なる車両の積荷を有し得る。第2の操作者は、より頻繁にスロットルポジションを変更し、および/またはスロットルポジションのより大きな変更を用いる結果、第1の操作者に比べてより急速におよび/またはより大きな量だけ、傾斜度プロファイル300にわたって第2の車両100を加速および/または減速させ得る。
【0032】
結果として、第2の操作者に関する消費メトリック(metric)は、第1の操作者が、ルート106のより大きな上り勾配にわたって第1の車両100を制御し、および/または第1の車両100がより重い積荷を運搬するにもかかわらず、第2の操作者が第1の操作者よりも低い効率で運転することに起因して第1の操作者に関する消費メトリック(metric)よりも大きくなり得る。第1の操作者の消費メトリック(metric)は、第2の操作者によるスロットルポジションのより大きなおよび/またはより頻繁な変更に起因して第2の操作者の消費メトリック(metric)よりも小さくなり得る。例えば、第1の車両100が傾斜度プロファイル200にわたって走行するのに必要なものとして推定されるエネルギーの量(例えば、E)は、傾斜度プロファイル200の区間212の傾斜度が傾斜度プロファイル300の傾斜度よりも大きいことに起因して、第2の車両100が傾斜度プロファイル300にわたって走行するのに必要なものとして推定されるエネルギーの量(例えば、E)よりも大きくなり得る。場合に応じて、第1の車両100の無負荷時の重量、第1の車両100によって運搬される車両の積荷、第1の車両100の移動抵抗、および/または傾斜度プロファイル200の距離は、第2の車両100よりも大きくまたは長くなり得る。
【0033】
第1の車両100に関して推定された必要なエネルギー(E)が、第2の車両100に関して推定された必要なエネルギー(E)よりも大きいことから、傾斜度プロファイル200、300のそれぞれにわたる走行の間に、第1の操作者は、第2の操作者が第2の車両100に消費させるものよりも多くの燃料および/またはエネルギーを第1の車両100に消費させ得るが、第2の操作者の消費メトリック(metric)は、第1の操作者の消費メトリック(metric)よりも大きくなり得る。これは、第2の操作者が第2の車両100を制御する方法が、第1の操作者および第1の車両100よりも非効率的であることに起因し得る。
【0034】
図1に示されている車両100および監視システム102の説明に戻ると、車両100および/または監視システム102は、出力装置126(電子表示装置(例えば、コンピュータモニタ、タッチスクリーンなど)またはスピーカなど)を含んでもよい。制御システム108は、車両100の操作者に関して計算された消費
メトリック(metric)を出力装置126に送信してもよく、出力装置126は、消費
メトリック(metric)を操作者に提示してもよい(例えば、操作者に対して表示するか、そうでなければ通知する)。一態様において、消費
メトリック(metric)は、車両100のトリップ(例えば、始点位置から目的位置までの走行)の完了後に計算および/または提示される。さらにまたはあるいは、場合に応じて、消費
メトリック(metric)は、所定の時間間隔を置いて(操作者の作業シフトの最後または1時間ごとなどに)計算されてもよく、および/または操作者に提示されてもよい。さらにまたはあるいは、消費
メトリック(metric)は、操作者が車両100を運転しているときに計算および/または提示されてもよい。出力装置126は、操作者によって消費された燃料および/またはエネルギーの実際の量と共に消費
メトリック(metric)を提示してもよい。
【0035】
車両100および/または監視システム102は、通信装置128を含んでもよい。通信装置128は、車両外の場所(他の車両100または発送センターなど)と通信するために使用されるハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むか、または表す。通信装置128は、本明細書で説明されている情報(消費メトリック(metric)、車両100によって消費された燃料および/またはエネルギーの実際の量、効率推定、パワートレイン112によって生成された動力、車両100の無負荷時の重量、車両の積荷の重量、ルートの区間の傾斜度、傾斜度プロファイル、車両の移動抵抗、または車両100が走行するもしくは走行した距離など)を無線通信する(例えば、送信および/または受信する)ためのアンテナ、トランシーバ、および/または関連する回路を含んでもよい。場合に応じて、通信装置128は、位置測定装置(全地球測位システムの受信機またはセルラー三角測量システムなど)を含んでもよく、および/または表してもよい。
【0036】
一態様において、制御システム108は、出力装置126を介して操作者に提示される、および/または1つ以上の車両外の場所に送信される1つ以上の比較メトリック(metric)を求めてもよい。比較メトリック(metric)は、平均、中央値、または他の消費メトリック(metric)の他の統計分析を含んでもよい。例えば、いくつかのトリップ、いくつかの作業シフト、数日、数週、または数ヶ月などにわたってある操作者に関して計算された幾つかの消費メトリック(metric)が、記憶装置116および/または車両100の外に配置された記憶装置に記憶されてもよい。これらの消費メトリック(metric)の平均または中央値は、操作者に特有の消費メトリック(metric)として計算されてもよい。この、操作者に特有の消費メトリック(metric)は、経時的に操作者を監視するために保存されてもよく、および/または操作者が現在の消費メトリック(metric)と操作者の平均または中央値の消費メトリック(metric)とを比較することができるように出力装置126において提示されてもよい。操作者は、操作者のこれらのメトリック(metric)の比較に基づいて、操作者の以前のトリップよりも効率的に車両100を制御しているか、それとも非効率的に車両100を制御しているかを判断することができる。
【0037】
別の例として、異なるときに(例えば、異なるトリップの間に)同じ車両100を制御する幾人かの異なる操作者に関して計算された消費メトリック(metric)が、車両に特有の消費メトリック(metric)を計算するために使用されてもよい。車両に特有の消費メトリック(metric)は、どの操作者が異なるトリップの間に車両100を運転したかに関係なく、同じ車両100の異なるトリップに関して計算された消費メトリック(metric)の平均または中央値であってもよい。車両に特有の消費メトリック(metric)は、車両100の今にも起こりそうな機械的な故障または不具合を表し得る、メトリック(metric)の傾向を識別するために制御システム108および/または車両外の場所(例えば、発送センター)によって監視されてもよい。例えば、車両に特有の消費メトリック(metric)が、経時的に増加し、および/または車両100を運転する幾人かの異なる操作者にわたって増加する場合、増加するメトリック(metric)は、車両100が次第に多くの燃料および/またはエネルギーを消費し続けており、したがって、今にも起こりそうな機械的な故障または不具合を有するかもしれないことを示し得る。このとき、制御システム108および/または車両外の場所は、操作者に警告するために、ならびに/または車両100の検査、修理、および/もしくは保守を予定するために出力装置126において提示される、および/または修理施設に送信される警告信号を自動的に(例えば、操作者の介入なしに)生成してもよい。
【0038】
別の例として、同じ場所で稼働されるいくつかの車両100に関して計算された消費メトリック(metric)が、場所に特有の消費メトリック(metric)を計算するために使用されてもよい。例えば、消費メトリック(metric)は、同じ鉱山で稼働される採鉱車両に関して計算されてもよい。別の例として、所定の場所または地域(例えば、同じ都市、群、州、または国など)において所定の期間(例えば、1日、1週間、1ヶ月、または1年など)にわたって稼働される車両100に関する消費メトリック(metric)が計算されてもよい。これらの消費メトリック(metric)の平均または中央値は、場所に特有の消費メトリック(metric)として計算されてもよい。場所に特有の消費メトリック(metric)は、操作者に対して表示されてもよく、および/または他の操作者と比べてある操作者がどの程度効率的に同じ場所で車両100を制御しているかを求めるために制御システム108によって操作者の消費メトリック(metric)と比較されてもよい。
【0039】
別の例として、車両100の一団のうちのいくつかの車両100に関して計算された消費
メトリック(metric)が、一団にわたる消費メトリック(metric)を計算するために使用されてもよい。一団に含まれる車両100は、運営の管理者または他の一人の監督者の監督の下で稼働される、一緒に動かされる(例えば、同時に)、同じ作業(例えば、同じ鉱床の採鉱)に従事する、および/または同じ所有者に属する複数の車両100であってもよい。一団にわたる消費メトリック(metric)は、操作者に対して表示されてもよく、および/または他の操作者と比べてある操作者がどの程度効率的に同じ一団において車両100を制御しているかを求めるために制御システム108によって操作者の消費メトリック(metric)と比較されてもよい。
【0040】
制御システム108は、場合に応じて、異なる動作設定の車両100に関する異なる消費メトリック(metric)を計算してもよい。これらの消費メトリック(metric)は、動作モードに特有の消費メトリック(metric)と呼ばれ得る。一例として、異なる消費メトリック(metric)は、車両100の異なるスロットルポジション、出力、または速度などに関して計算されてもよい。操作者が第1のスロットル設定(例えば、第1のペダルポジション、第1のスロットルレバーポジションなど)、第1の出力(例えば、馬力)、または第1の速度などで車両100を制御する期間の間、制御システム108は、第1の消費メトリック(metric)を計算してもよい。操作者が異なる第2のスロットル設定、異なる第2の出力、または異なる第2の速度などで車両100を制御する異なる期間の間、制御システム108は、第2の消費メトリック(metric)を計算してもよい、等々。別の例として、異なる消費メトリック(metric)は、車両100の異なる動作モードに関して計算されてもよい。例えば、操作者が車両100を制御して加速させる期間の間、制御システム108は、第1の消費メトリック(metric)を計算してもよい。操作者が車両100を制御して減速させる他の異なる期間の間、制御システム108は、第2の消費メトリック(metric)を計算してもよい。操作者が車両100を制御して速度を維持させる(例えば、所定の閾値の1%、3%、または5%などを超えて速度を変化させないことなどによる惰力走行の)他の異なる期間の間、制御システム108は、第3の消費メトリック(metric)を計算してもよい。異なる消費メトリック(metric)は、車両100の現在の動作モード(例えば、スロットルポジション、加速、減速、または惰力走行など)に対応する、動作モードに特有の消費メトリック(metric)を表示することなどによって出力装置126において操作者に対して表示されてもよく、対応する現在の動作モード中に表示されてもよい。
【0041】
さらにまたはあるいは、異なる消費メトリック(metric)は、ルート106の異なる傾斜度に関して求められてもよい。これらの消費メトリック(metric)は、傾斜度に特有の消費メトリック(metric)と呼ばれ得る。例えば、同じまたは同様の傾斜度(例えば、上り勾配または下り勾配の角度は、互いに所定の範囲(1%、3%、5%、10%、または別の値など)内である)を有する、ルート106の異なる区間にわたる走行の間、消費メトリック(metric)の平均または中央値などが、これらの区間に関する、傾斜度に特有の消費メトリック(metric)として計算されてもよい。同じまたは同様の傾斜度を有する、ルート106の他の区間にわたる走行の間、消費メトリック(metric)スの平均または中央値などが、これらの区間に関する、傾斜度に特有の消費メトリック(metric)として計算されてもよい、等々。
【0042】
さらにまたはあるいは、異なる消費メトリック(metric)は、車両100が積載物を積んでいる、もしくは積んでいない期間に関して、および/または積載物の異なる重量に関して求められてもよい。これらの消費メトリック(metric)は、車両の積荷に特有の消費メトリック(metric)と呼ばれ得る。例えば、車両100が第1の重量の範囲内(例えば、500キログラム未満)の積まれた重量を有するときの走行の間、消費メトリック(metric)の平均または中央値などが、積荷のその量に関する、車両の積荷に特有の消費メトリック(metric)として計算されてもよい。車両100が第2の重量の範囲内(例えば、500キログラム以上で1000キログラム未満)の積まれた重量を有するときの走行の間、消費メトリック(metric)の平均または中央値などが、積荷のその量に関する、車両の積荷に特有の消費メトリック(metric)として計算されてもよい、等々。また、消費メトリック(metric)は、車両100が積荷を運搬していないときに計算されてもよい。
【0043】
一例として、異なる消費メトリック(metric)は、車両100の異なるスロットルポジションに関して計算されてもよい。操作者が第1のスロットル設定(例えば、第1のペダルポジション、第1のスロットルレバーポジションなど)で車両100を制御する期間の間、制御システム108は、第1の消費メトリック(metric)を計算してもよく、操作者が異なる第2のスロットル設定で車両100を制御する異なる期間の間、制御システム108は、第2の消費メトリック(metric)を計算してもよい、等々。別の例として、異なる消費メトリック(metric)は、車両100の異なる動作モードに関して計算されてもよい。例えば、操作者が車両100を制御して加速させる期間の間、制御システム108は、第1の消費メトリック(metric)を計算してもよい。操作者が車両100を制御して減速させる他の異なる期間の間、制御システム108は、第2の消費メトリック(metric)を計算してもよい。操作者が車両100を制御して速度を維持させる(例えば、所定の閾値の1%、3%、または5%などを超えて速度を変化させないことなどによる惰力走行の)他の異なる期間の間、制御システム108は、第3の消費メトリック(metric)を計算してもよい。異なる消費メトリック(metric)は、車両100の現在の動作モード(例えば、スロットルポジション、加速、減速、または惰力走行など)に対応する、動作モードに特有の消費メトリック(metric)を表示することなどによって出力装置126において操作者に対して表示されてもよく、対応する現在の動作モード中に表示されてもよい。
【0044】
消費メトリック(metric)は、異なる操作者および異なる車両などに関する消費メトリック(metric)の履歴傾向を監視するために1つ以上の車両外の場所(例えば、発送センターまたは発送施設)によって監視されてもよい。このデータに基づいて、不満足な働きの操作者または車両100などが、特定され、指導または修理などによって改善されてもよい。例えば、不満足な働きの操作者が特定され、操作者が車両100を制御する方法が、より効率的に車両100を操作する方法を操作者に指導するために調査されてもよい。別の例として、不満足な消費メトリック(metric)を有する車両100の検査、修理、および/または保守が予定されてもよい。別の例として、一団にわたる消費メトリック(metric)が、一団にわたって効率を改善する方法を求めるために調査されてもよい。また、消費メトリック(metric)は、効率の改善の目的で今後の地域を測定するために調査されてもよい。
【0045】
また、車両100が走行しているルート106の状態は、車両100が燃料および/またはエネルギーを消費する効率に影響を及ぼし得る。例えば、不満足な道路状態は、ルート106にわたって車両100を推進させるために必要なトルクの増加に起因して燃料および/またはエネルギーの消費の増加の原因となり得る。消費メトリック(metric)を求めることに加えてまたはこれの代わりに、制御システム108は、ルート状態メトリック(metric)を求めてもよい。ルート状態メトリック(metric)は、ルート106の状態(ルート106の実際の状態がルート106の理想的な状態にどの程度近いまたは遠いかを表す定量化可能な値など)を表してもよい。一実施形態において、ルート状態メトリック(metric)は、ルート106の推定傾斜度とルート106の実際の傾斜度との比較に基づいてもよい。例えば、ルート状態メトリック(metric)は、以下のように計算されてもよい。
【0046】
【0047】
(式2)
ただし、Rは、1つ以上の場所におけるルート106に関するルート状態メトリック(metric)を表し、Geは、1つ以上の場所におけるルート106の推定傾斜度を表し、Gmは、1つ以上の場所におけるルート106の実際の傾斜度または測定された傾斜度を表す。
【0048】
ルート106の推定傾斜度(Ge)は、制御システム108によって取得されてもよい。制御システム108は、車両の積荷、無負荷時の車両重量、パワートレイン112によって生成される動力(例えば、トルク)、および/または車両100の速度に基づいて推定傾斜度を計算してもよい。例えば、推定傾斜度はより重い、車両の積荷、より重い無負荷時の車両重量、パワートレイン112によって生成されるトルクの増加、および/または車両100の速度の低下の場合により大きくなり得るし、推定傾斜度は、より軽い、車両の積荷、より軽い無負荷時の車両重量、パワートレイン112によって生成されるトルクの低下、および/または車両100の速度の増加の場合により小さくなり得る。ルート106の実際の傾斜度または測定された傾斜度(Gm)は、傾斜度センサ122によって生成されたデータからおよび/または記憶装置116に記録された傾斜度のデータベースから取得されてもよい。
【0049】
一態様において、制御システム108は、ルート状態メトリック(metric)の計算へのノイズの影響を除去するためにルート状態メトリック(metric)、ルート106の推定傾斜度(Ge)、および/またはルート106の実際のもしくは測定された傾斜度(Gm)の1つ以上にフィルタを適用してもよい。ルート106の不満足な状態は、パワートレイン112によって生成される動力(例えば、トルク)、車両100の速度、および/またはルート106の測定される傾斜度が、比較的短い期間の間(車両100のホイールがルート106に対して滑るときなどに)、一時的に増加または低下する原因となり得る。ルート106の推定傾斜度(Ge)および/またはルート106の実際のまたは測定された傾斜度(Gm)へのこれらの一次的な効果の影響を除去または低減するために、ローパスフィルタが、ルート106の推定傾斜度(Ge)および/またはルート106の実際のまたは測定された傾斜度(Gm)に適用されてもよい。このようなフィルタは、ルート106の推定傾斜度(Ge)および/またはルート106の実際のまたは測定された傾斜度(Gm)の、所定の期間(1秒、3秒、または5秒など)の間に発生する変化(例えば、増加して減少する変化または減少して増加する変化)を除去してもよい。結果として、ルート106の推定傾斜度(Ge)および/またはルート106の実際のまたは測定された傾斜度(Gm)のノイズは、ルート状態メトリック(metric)の計算から除去される。
【0050】
ルート状態メトリック(metric)は、出力装置126を介して操作者に提示されてもよく、および/または通信装置128を介して車両外の場所に送信されてもよい。ルート状態メトリック(metric)は、ルート106の状態を表し得る。例えば、より大きなルート状態メトリック(metric)は、車両100のパワートレイン112が、(より小さなルート状態メトリック(metric)に比べて)ルート106のより不満足な状態に潜在的に起因して、車両100を推進させるために、ルート106の実際の傾斜度において必要であるはずのものよりも多くの動力(したがって、燃料および/またはエネルギー)を使用していることを示し得る。所定の閾値(例えば、1、1.25、1.5、もしくは2の値または別の値)を上回るルート状態メトリック(metric)に応じて、警告信号が、操作者および/または車両外の場所に自動的に送信されてもよい。この警告信号は、例えば、他の車両100に動作を変更させてもよく(例えば、車両が使用することができるスロットル設定の範囲を自動的に制限することによってより低いトルクを使用させる)、より不満足な状態のルート106を回避するために発送センターに車両100の予定および/もしくはルートを変更させてもよく(例えば、これらのルートを回避するように車両の予定を自動的に変更することによって)、またはより不満足な状態のルート106を回避するために車両100はどのルート106をとるべきかを指示する信号を発送センターに自動的に変更させてもよい。一態様において、ルート状態メトリック(metric)は、ルート状態メトリック(metric)が所定の閾値を上回ったときならびに/またはルート状態メトリック(metric)が所定の期間(例えば、1日以上、1週間以上、もしくは1ヶ月以上など(例えば、悪天候状態もしくは悪天候状態に関連する季節(冬もしくは春のような)よりも長い期間))にわたって増加し続けるときなど、ルート106の検査、保守、および/または修理を実行するときを識別するために使用されてもよい。所定の閾値を上回るルート状態メトリック(metric)に応じて、発送施設は、車両を検査および/または修理するために、ルート状態メトリック(metric)に関連するルートの場所に修理車両を走らせる指示を自動的に送信してもよい。
【0051】
図4は、車両による燃料および/またはエネルギーの消費を監視するための方法400の一実施形態のフローチャートを示している。方法400は、車両100が操作される効率を監視する監視システム102によって実行されてもよい。402において、ルート106の次の区間にわたって(例えば、第1の位置から第2の位置まで)車両100を移動させるために必要なエネルギーの量が求められる。上で説明したように、このエネルギーは、車両100の無負荷時の重量、車両の積荷の重量、第1の位置と第2の位置との間のルート106の区間の傾斜度、車両100の移動抵抗、および第1の位置から第2の位置までのルート106に沿った距離に基づいて計算されてもよい。
【0052】
404において、ルート106の次の区間にわたる移動のために車両100によって実際に消費された燃料および/またはエネルギーの量が求められる。例えば、次の区間にわたる走行の間に車両100に動力を供給するために使用された燃料の量および/または電気エネルギーの量が測定または推定される。406において、消費メトリック(metric)が、必要なエネルギーの量および実際に消費された燃料および/またはエネルギーの量に基づいて求められる。消費メトリック(metric)は、ジュールまたは他のエネルギーの単位当たりのガロン、リットル、アンペア(amp)、もしくはワットなどを単位として表現されてもよい。場合に応じて、消費メトリック(metric)は、本明細書で説明されているように1つ以上の他の消費メトリック(metric)、動作設定もしくは動作モード、傾斜度、または操作者などに基づいて求められてもよい。
【0053】
408において、消費メトリック(metric)が、車両100の操作者および/または車両外の場所に提示される。例えば、消費メトリック(metric)は、出力装置126において操作者に示されてもよく、および/または無線伝送および/またはブロードキャストを介して発送施設に送信されてもよい。410において、消費メトリック(metric)が1つ以上の改善措置を講じる必要があることを示しているか否かが判定される。例えば、1つ以上の閾値(例えば、1、1.5、2、または2.5など)を上回る消費メトリック(metric)が、車両100が必要以上に多くの燃料および/またはエネルギーを消費していることおよび浪費されている燃料および/またはエネルギーの量を低減する措置を講じる必要があることを示してもよい。消費メトリック(metric)が、改善措置を講じる必要があることを示している場合、方法400のフローは、412に進んでもよい。そうでなければ、方法400のフローは、402に戻ってもよい。
【0054】
412において、1つ以上の改善措置が講じられてもよい。例えば、制御システム108は、所定の閾値を上回る消費メトリック(metric)に応じて、操作者が非常に大きな割合で加速することを防止するために、車両100のスロットル設定、速度、および/または出力を変更することができる頻度および/または量に対する制限を自動的に行ってもよい。別の例として、このとき、制御システム108および/または車両外の場所は、所定の閾値を上回る消費メトリック(metric)に応じて操作者に警告するために、ならびに/または車両100の検査、修理、および/もしくは保守を予定するために出力装置126において提示される、および/または修理施設に送信される警告信号を自動的に生成してもよい。別の例として、
消費メトリック(metric)は、特定の傾斜度にわたる走行が消費メトリック(metric)の増加の原因であることを示してもよい。制御システム108および/または発送センターは、車両100がその傾斜度にわたって走行することを防止してもよく、および/または傾斜度における消費メトリック(metric)を低減するために車両100の動作を制限してもよい。別の例として、消費メトリック(metric)は、特定の積載物および/または積荷の重量が、他の積載物および/または積荷の重量と比べた場合に車両100の消費メトリック(metric)を増加させていることを示してもよい。改善措置は、より低い消費メトリック(metric)に関連する1つ以上の積載物もしくは積荷の重量を車両100に運搬させるか、そうでなければ、これの予定を組むことならびに/または車両100がより大きな消費メトリック(metric)に関連する積載物および/もしくは積荷の重量を運搬することを防止することを含んでもよい。次に、方法400のフローは、場合に応じて402に戻ってもよい。
【0055】
図5は、1つ以上の車両によって走行されるルートの状態を監視するための方法500の一実施形態のフローチャートを示している。方法500は、ルート106の状態を監視する監視システム102によって実行されてもよい。502において、1つ以上の場所におけるルート106の推定傾斜度が求められる。ルート106の推定傾斜度は、上で説明したように、車両の積荷、無負荷時の車両重量、パワートレイン112によって生成される動力(例えば、トルク)、および/または車両100の速度に基づいて計算されてもよい。504において、ルート106の実際の傾斜度が、1つ以上の場所に関して求められる。例えば、実際の傾斜度は、傾斜度センサ122によって生成されたデータから測定されてもよく、および/または記憶装置116に記録された傾斜度のデータベースから得られてもよい。例えば、車両100の現在の場所が、1つ以上の場所におけるルート106の実際の傾斜度を求めるために、記憶装置116に記憶された、関連する傾斜度を有するルート106の途中の場所と比較されてもよい。
【0056】
506において、ルート状態メトリック(metric)が、推定傾斜度および実際の傾斜度に基づいて求められる。例えば、ルート状態メトリック(metric)は、本明細書で説明されているように、実際の傾斜度よりも大きな推定傾斜度の量または程度を表してもよい。一態様において、フィルタが、ルート状態メトリック(metric)の計算へのノイズの影響を除去するためにルート状態メトリック(metric)、ルート106の推定傾斜度(Ge)、および/またはルート106の実際のもしくは測定された傾斜度(Gm)の1つ以上に適用されてもよい。508において、ルート状態メトリック(metric)が、操作者に提示されてもよく、および/または車両外の場所に送信されてもよい。
【0057】
510において、ルート状態メトリック(metric)が1つ以上の改善措置を講じる必要があることを示しているか否かが判定される。例えば、1つ以上の閾値(例えば、1、1.5、2、または2.5など)を上回るルート状態メトリック(metric)が、1つ以上の場所におけるルート106の状態が不満足である(例えば、滑りやすい、そうでなければ、走行に不都合である)ことを示してもよい。ルート状態メトリック(metric)が、改善措置を講じる必要があることを示している場合、方法500のフローは、512に進んでもよい。そうでなければ、方法500のフローは、502に戻ってもよい。
【0058】
512において、1つ以上の改善措置が講じられてもよい。例えば、制御システム108は、操作者が非常に大きな割合で加速することを防止するために、車両100のスロットル設定、速度、および/または出力を変更することができる頻度および/または量に対する制限を自動的に行ってもよい。別の例として、このとき、制御システム108および/または車両外の場所は、操作者に警告するために、ならびに/またはルート106の検査、修理、および/もしくは保守を予定するために出力装置126において提示される、および/または修理施設に送信される警告信号を自動的に生成してもよい。別の例として、制御システム108および/または発送センターは、車両100および/または他の車両100が、不満足な状態のルートを表すルート状態メトリック(metric)を有する、ルート106の部分にわたって走行することを防止してもよい。次に、方法500のフローは、場合に応じて502に戻ってもよい。
【0059】
一実施形態において、監視システムは、ルートにわたる走行の間に車両によって消費された燃料の量または消費されたエネルギーの量の1つ以上を表す消費メトリック(metric)を求めるように構成された制御システムを含む。消費メトリック(metric)は、車両の積荷またはルートにわたる高さの変化の1つ以上とは無関係である。
【0060】
一態様において、制御システムは、消費メトリック(metric)を求めるために1つ以上のセンサおよび/または記憶装置からデータを取得する1つ以上のプロセッサを含んでもよい。1つ以上のセンサは、どのくらいの量の燃料が車両のエンジンに供給されたかおよび/またはどのくらいの量の電流が車両の1つ以上のモータに供給されたかを表すデータを生成する供給センサ(例えば、質量流量センサ、電流計など)、車両の速度を表すデータを生成する速度センサ(例えば、タコメータ)、どのくらい車両が走行したかを表すデータを生成する全地球測位システムの受信機などを含んでもよい。記憶装置は、車両および/または車
両の積荷の重量、ルートの傾斜度、車両の移動抵抗などのデータを含んでもよい。1つ以上のプロセッサは、消費メトリック(metric)を求めるためにセンサおよび/または記憶装置からこのデータを取得してもよい。
【0061】
一態様において、車両は、採鉱車両である。
【0062】
一態様において、制御システムは、車両に搭載されるように構成される。
【0063】
一態様において、制御システムは、ルートにわたる車両の走行に必要なエネルギーの量を求めるように構成される。消費メトリック(metric)は、車両がルートにわたって走行するのに必要なエネルギーの単位当たりの消費された燃料の量または消費されたエネルギーの量の1つ以上を表してもよい。
【0064】
一態様において、制御システムは、車両の無負荷時の重量、車両によって運搬される、車両の積荷の重量、ルートの1つ以上の傾斜度、車両の移動抵抗、または車両が走行することになっているルートに沿った距離の1つ以上に基づいて、車両がルートにわたって走行するのに必要なエネルギーを求めるように構成される。
【0065】
一態様において、車両の無負荷時の重量は、車両によって運搬される積載物または物質を有さない車両の所定の重量である。
【0066】
一態様において、車両の積荷の重量は、車両によって運搬される積載物または物質の重量である。
【0067】
一態様において、ルートの傾斜度は、ルートの上り勾配または下り勾配の1つ以上の量を表す。
【0068】
一態様において、車両の移動抵抗は、ルートに沿った車両の移動に抵抗する1つ以上の力を表す。
【0069】
一態様において、消費された燃料の量または消費されたエネルギーの量の1つ以上は、車両によって実際に消費された燃料の実際の量または車両によって実際に消費された電気エネルギーの実際の量の1つ以上である。
【0070】
一態様において、制御システムは、車両によって消費された燃料の量または消費されたエネルギーの量の1つ以上を求めるために車両のエンジンコントローラと通信するように構成される。
【0071】
一態様において、監視システムはまた、車両の燃料源および/またはエネルギー源から車両によって消費された燃料の量または消費されたエネルギーの量の1つ以上を表すデータを生成するように構成された供給センサを含む。
【0072】
一態様において、制御システムは、車両の1つ以上の効率推定および車両のパワートレインによって生成された動力に基づいて、車両によって消費された燃料の量または消費されたエネルギーの量の1つ以上を計算するように構成される。
【0073】
一態様において、消費メトリック(metric)は、どの程度効率的に操作者が車両を制御したかを表す。
【0074】
一態様において、制御システムは、車両の出力装置において車両の操作者に消費メトリック(metric)を提示するように構成される。
【0075】
一態様において、制御システムは、車両によって消費された燃料の実際の量または消費されたエネルギーの実際の量の1つ以上と共に消費メトリック(metric)を提示するように構成される。
【0076】
一態様において、制御システムは、車両から離れた1つ以上の車両外の場所に消費メトリック(metric)を送信するように構成される。
【0077】
一態様において、制御システムは、消費メトリック(metric)に基づいて1つ以上の比較メトリック(metric)を求めるように構成される。1つ以上の消費メトリック(metric)は、同じ操作者による車両の動作に関連するいくつかの消費メトリック(metric)を表す、操作者に特有の消費メトリック(metric)、車両の多数の異なるトリップの間のおよび/もしくは多数の異なる操作者による車両の動作に関連するいくつかの消費メトリック(metric)を表す、車両に特有の消費メトリック(metric)、共通の場所における車両および1つ以上の他の車両の動作に関連するいくつかの消費メトリック(metric)を表す、場所に特有の消費メトリック(metric)、車両の同じ一団の車両および1つ以上の他の車両に関連するいくつかの消費メトリック(metric)を表す、一団にわたる消費メトリック(metric)、車両の異なる動作モードまたは設定に関連するいくつかの消費メトリック(metric)を表す、動作モードに特有の消費メトリック(metric)、ルートの異なる傾斜度に関連するいくつかの消費メトリック(metric)を表す、傾斜度に特有の消費メトリック(metric)、ならびに/または異なる積載物、積載物の異なる重量、および/もしくは車両の積載物の不在の1つ以上に関連するいくつかの消費メトリック(metric)を表す、車両の積荷に特有の消費メトリック(metric)の1つ以上を含む。
【0078】
一態様において、車両の異なる動作モードは、1つ以上の、車両の異なるスロットル設定、車両の異なる速度、および/または車両のパワートレインによって生成される異なる動力を含む。
【0079】
一態様において、制御システムは、1つ以上の比較メトリック(metric)に基づいて、車両の検査、修理、および/または保守の1つ以上を指示する警告信号を生成するように構成される。
【0080】
一態様において、制御システムは、車両が走行したルートの状態を表すルート状態メトリック(metric)を求めるように構成される。ルート状態メトリック(metric)は、ルートの途中の1つ以上の場所におけるルートの実際の傾斜度と1つ以上の場所におけるルートの推定傾斜度との比較に基づいてもよい。別の実施形態において、別の監視システムは、車両が走行したルートの状態を表すルート状態メトリック(metric)を求めるように構成された制御システムを含む。ルート状態メトリック(metric)は、ルートの途中の1つ以上の場所におけるルートの実際の傾斜度と1つ以上の場所におけるルートの推定傾斜度との比較に基づく。制御システムは、車両の積荷、無負荷時の車両重量、車両のパワートレインによって生成される動力、または車両の速度の1つ以上に基づいてルートの推定傾斜度を求めるように構成される。
【0081】
一態様において、制御システムは、所定の期間未満の間に発生した動力の変化を除去する
ことによって、求められたルート状態メトリック(metric)からパワートレインによって生成された動力の変化をフィルタリングするように構成される。
【0082】
一態様において、制御システムは、ルート状態メトリック(metric)を求めるために1つ以上のセンサおよび/または記憶装置からデータを取得する1つ以上のプロセッサを含んでもよい。1つ以上のセンサは、ルートの傾斜度を表すデータを生成する傾斜度センサ(例えば、傾斜計、加速度計など)、車両の速度を表すデータを生成する速度センサ(例えば、タコメータ)、車両が走行した距離を表すデータを生成する全地球測位システムの受信機などを含んでもよい。記憶装置は、ルートの傾斜度を表すデータを記憶してもよい。1つ以上のプロセッサは、ルート状態メトリック(metric)を求めるためにセンサおよび/または記憶装置からこのデータを取得してもよい。
【0083】
一態様において、制御システムは、車両の積荷、無負荷時の車両重量、車両のパワートレインによって生成される動力、および/または車両の速度の1つ以上に基づいてルートの推定傾斜度を求めるように構成される。
【0084】
一態様において、制御システムは、車両の傾斜度センサによって生成されたデータの1つ
以上から、または記憶装置に記録された、ルートの途中の1つ以上の場所に関連する傾斜
度からルートの実際の傾斜度を求めるように構成される。
【0085】
一態様において、制御システムは、ルート状態メトリック(metric)、ルートの推定傾斜度、および/またはルートの実際の傾斜度の1つ以上にローパスフィルタを適用するように構成される。
【0086】
一態様において、制御システムは、車両に搭乗している操作者にルート状態メトリック(metric)を提示するように構成される。
【0087】
一態様において、制御システムは、ルート状態メトリック(metric)に基づいて警告信号を生成するように構成される。警告信号は、1つ以上の他の車両にルートにわたる走行の間出力を低減させること、1つ以上の他の車両が走行する予定またはルートの1つ以上を車両外の場所に変更させること、1つ以上の他の車両が走行する場所を指示する信号を車両外の場所に変更させること、ならびに/またはルートの検査、保守、および/もしくは修理のうち
の1つ以上を指示する。
【0088】
別の実施形態において、方法(例えば、車両を監視するための)は、ルートにわたる走行の間に車両によって消費された燃料の量または消費されたエネルギーの量の1つ以上を表す消費メトリック(metric)を求めるステップを含む。消費メトリック(metric)は、車両の積荷またはルートにわたる高さの変化の1つ以上とは無関係である。
【0089】
一態様において、車両は、採鉱車両である。
【0090】
一態様において、本方法はまた、ルートにわたる車両の走行に必要なエネルギーの量を求めるステップを含む。消費メトリック(metric)は、車両がルートにわたって走行するのに必要なエネルギーの単位当たりの消費された燃料の量または消費されたエネルギーの量の1つ以上を表してもよい。
【0091】
一態様において、車両がルートにわたって走行するのに必要なエネルギーは、車両の負荷時の重量、車両によって運搬される、車両の積荷の重量、ルートの1つ以上の傾斜度、車両の移動抵抗、および/または車両が走行することになっているルートに沿った距離の1つ以上に基づいて計算される。
【0092】
一態様において、車両の無負荷時の重量は、車両によって運搬される積載物または物質を有さない車両の所定の重量である。
【0093】
一態様において、車両の積荷の重量は、車両によって運搬される積載物または物質の重量
である。
【0094】
一態様において、ルートの傾斜度は、ルートの上り勾配または下り勾配の1つ以上の量を表す。
【0095】
一態様において、車両の移動抵抗は、ルートに沿った車両の移動に抵抗する1つ以上の力を表す。
【0096】
一態様において、消費された燃料の量または消費されたエネルギーの量の1つ以上は、車両によって実際に消費された燃料の実際の量または車両によって実際に消費された電気エネルギーの実際の量の1つ以上である。
【0097】
一態様において、本法はまた、車両の1つ以上の効率推定および車両のパワートレインによって生成された動力に基づいて、車両によって消費された燃料の量または消費されたエネルギーの量の1つ以上を計算するステップを含む。
【0098】
一態様において、消費メトリック(metric)は、どの程度効率的に操作者が車両を制御したかを表す。
【0099】
一態様において、本方法はまた、車両の出力装置において車両の操作者に消費メトリック(metric)を提示するステップを含んでもよい。
【0100】
一態様において、本方法はまた、車両によって消費された燃料の実際の量または消費されたエネルギーの実際の量の1つ以上と共に消費メトリック(metric)を提示するステップを含んでもよい。
【0101】
一態様において、本方法はまた、車両から離れた1つ以上の車両外の場所に消費メトリク
スを送信するステップを含んでもよい。
【0102】
一態様において、本方法はまた、消費メトリック(metric)に基づいて1つ以上の比較メトリック(metric)を求めるステップを含んでもよい。1つ以上の消費メトリック(metric)は、同じ操作者による車両の動作に関連するいくつかの消費メトリック(metric)を表す、操作者に特有の消費メトリック(metric)、車両の多数の異なるトリップの間のおよび/もしくは多数の異なる操作者による車両の動作に関連するいくつかの消費メトリック(metric)を表す、車両に特有の消費メトリック(metric)、共通の場所における車両および1つ以上の他の車両の動作に関連するいくつかの消費メトリック(metric)を表す、場所に特有の消費メトリック(metric)、車両の同じ一団の車両および1つ以上の他の車両に関連するいくつかの消費メトリック(metric)を表す、一団にわたる消費メトリック(metric)、車両の異なる動作モードまたは設定に関連するいくつかの消費メトリック(metric)を表す、動作モードに特有の消費メトリック(metric)、ルートの異なる傾斜度に関連するいくつかの消費メトリック(metric)を表す、傾斜度に特有の消費メトリック(metric)、ならびに/または異なる積載物、積載物の異なる重量、および/もしくは車両の積載物の不在の1つ以上に関連するいくつかの消費メトリック(metric)を表す、車両の積荷に特有の消費メトリック(metric)の1つ以上を含んでもよい。
【0103】
一態様において、車両の異なる動作モードは、1つ以上の、車両の異なるスロットル設定、車両の異なる速度、および/または車両のパワートレインによって生成される異なる動力を含む。
【0104】
一態様において、本方法はまた、1つ以上の比較メトリック(metric)に基づいて警告信号を生成するステップを含む。警告信号は、車両の検査、修理、および/または保守の1つ以上を指示してもよい。
【0105】
一態様において、本方法はまた、車両が走行したルートの状態を表すルート状態メトリック(metric)を求めるステップを含んでもよい。ルート状態メトリック(metric)は、ルートの途中の1つ以上の場所におけるルートの実際の傾斜度と1つ以上の場所におけるルートの推定傾斜度との比較に基づいてもよい。
【0106】
別の実施形態において、別の方法(例えば、ルートを監視するための)は、車両が走行したルートの状態を表すルート状態メトリック(metric)を求めるステップを含む。ルート状態メトリック(metric)は、ルートの途中の1つ以上の場所におけるルートの実際の傾斜度と1つ以上の場所におけるルートの推定傾斜度との比較に基づいてもよい。
【0107】
一態様において、ルートの推定傾斜度は、車両の積荷、無負荷時の車両重量、車両のパワートレインによって生成される動力、および/または車両の速度の1つ以上に基づいて求められる。
【0108】
一態様において、ルートの実際の傾斜度は、車両の傾斜度センサによって生成されたデータの1つ以上から、または記憶装置に記録された、ルートの途中の1つ以上の場所に関連する傾斜度から求められる。
【0109】
一態様において、本方法はまた、ルート状態メトリック(metric)、ルートの推定傾斜度、および/またはルートの実際の傾斜度の1つ以上にローパスフィルタを適用するステップを含んでもよい。
【0110】
一態様において、本方法はまた、車両に搭乗している操作者にルート状態メトリック(metric)を提示するステップを含んでもよい。
【0111】
一態様において、本方法はまた、ルート状態メトリック(metric)に基づいて警告信号を生成するステップを含んでもよい。警告信号は、他の車両にルートにわたる走行の間出力を低減させること、1つ以上の他の車両が走行する予定またはルートの1つ以上を車両外の場所に変更させること、1つ以上の他の車両が走行する場所を指示する信号を車両外の場所に変更させること、ならびに/またはルートの検査、保守、および/もしくは修理のうちの1つ以上を指示してもよい。
【0112】
上記の説明は、例証的であることを意図されており、限定的なものではないことが理解されるべきである。例えば、上述した実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わされて使用されてもよい。さらに、多くの修正が、本発明の主題の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の主題の技術に適合させるために行われてもよい。本明細書で説明されている材料の寸法および種類は、本発明の主題のパラメータを規定するためのものであるが、これらは、限定的なものでは決してなく、例示的な実施形態である。多くの他の実施形態は、上記の説明を精査することによって当業者に明らかとなる。したがって、本発明の主題の範囲は、添付の特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に添付の特許請求の範囲に基づいて決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、用語「を含む(including)」および「その場合に(in which)」は、それぞれの用語「を備える(comprising)」および「その場合に(wherein)」の平易な英語の同義語として使用されている。さらに、以下の特許請求の範囲において、用語「第1の」、「第2の」、および「第3の」などは、標識として使用されているに過ぎず、その対象に数的要件を課すためのものではない。さらに、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズ・プラス・ファンクション形式では書かれておらず、以下の特許請求の範囲の限定として明示的に、さらなる構造の欠けた機能の陳述が続く「ための手段(meansfor)」という句が使用されない限り、およびこの句が使用されるまでは、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されないことが意図されている。
【0113】
この記載された説明では、本発明の主題のいくつかの実施形態を開示するために、さらには、任意の当業者が任意の装置またはシステムの作製および使用ならびに任意の組み込み方法の実行を含めて本発明の主題の実施形態を実施することを可能にするために、例が使用されている。本発明の主題の特許可能な範囲は、当業者によって想到される他の例を含み得る。このような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造的要素を有する場合または特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない均等な構造的要素を含む場合に、特許請求の範囲内にあることが意図されている。
【0114】
本発明の主題の特定の実施形態の前述の説明は、添付図面と併せて読まれるときにより良く理解される。図面が、様々な実施形態の機能ブロックの図を示すのと同程度に、機能ブロックは、必ずしもハードウェア回路間の区分を表していない。したがって、例えば、機能ブロック(例えば、プロセッサまたはメモリ)の1つ以上が、単一部品のハードウェア(例えば、汎用の信号プロセッサ、マイクロコントローラ、ランダムアクセスメモリ、およびハードディスクなど)において実施されてもよい。同様に、プログラムは、スタンドアロンプログラムであってもよく、オペレーティングシステムのサブルーチンとして組み込まれてもよく、およびインストールされたソフトウェアパッケージの機能であってもよい。様々な実施形態は、図面に示されている配置および手段に限定されない。
【0115】
本明細書で使用される場合、単数形で記載される、語「一つの(a)」または「一つの(an)」の後に続く要素またはステップは、前記要素またはステップの複数形を排除していないものとして理解されるべきである(ただし、このような排除が明示的に述べられている場合を除く)。さらに、本発明の主題の「ある実施形態」または「一実施形態」への言及は、記載されている特徴を同様に組み込んださらなる実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図されていない。さらに、別段の明示的な規定がない限り、特定の特性を有する要素または複数の要素を「備える(comprising)」、「含む(including)」、または「有する(having)」実施形態は、その特性を有さないさらなるそのような要素を含んでもよい。
【0116】
関連する本明細書の本発明の主題の精神および範囲から逸脱することなく、上で説明したシステムおよび方法において特定の変更が行われ得るため、上記の説明のまたは添付図面に示されている主題のすべては本明細書の本発明の概念を示す例としてのみ解釈されるべきであり、本発明の主題を限定するものとして解釈されるべきではないことが意図されている。
【符号の説明】
【0117】
100車両
102監視システム
104バケット
106ルート
108制御システム
110エンジンコントローラ
112パワートレイン
114エネルギー源、供給源
116記憶装置
118入力装置
120重量センサ
122傾斜度センサ
124速度センサ
126出力装置
128通信装置
200、300傾斜度プロファイル
202水平軸
204垂直軸
206、306始点位置
208、308終点位置
210距離
212区間