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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】自動販売機用商品見本
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/02 20060101AFI20230323BHJP
【FI】
G07F9/02 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020078434
(22)【出願日】2020-04-27
(65)【公開番号】P2021174309
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2022-02-04
(73)【特許権者】
【識別番号】520145470
【氏名又は名称】ベステクス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100172096
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 理太
(72)【発明者】
【氏名】只野 和広
(72)【発明者】
【氏名】東 孝博
(72)【発明者】
【氏名】川村 直美
(72)【発明者】
【氏名】結城 英一朗
【審査官】平野 貴也
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-305939(JP,A)
【文献】特開2012-256136(JP,A)
【文献】特開2005-234709(JP,A)
【文献】特開2003-187310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 5/00 - 9/10
G09F 1/00 - 5/04
A47F 5/00 - 8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
丸孔状の見本着脱孔が形成された見本設置板を有する標準型ステージに固定される見本ホルダを備えた自動販売機用商品見本において、
前記見本ホルダは、商品を表示した見本表示体を保持するホルダ本体と、該ホルダ本体の下端より前面側に張り出した底受け部と、該底受け部の下面側に突設された一対の底面側係合片とを備え、
前記底受け部は、横幅が前記見本着脱孔の直径より広く、且つ、張出し幅が前記見本着脱孔の半径より小さく形成され、
前記各底面側係合片は、前記底受け部の下面に突設された円弧状の係合突条部と、該係合突条部の下端に支持され、前記見本着脱孔の縁部に形成された切り欠き部を通して前記見本設置板の裏面側に挿入され、前記見本ホルダの旋回により前記見本設置板下に挿し込まれる抜け止め部と、前記係合突条部の外周面に突設されたロック用凸部とを備え、
前記両係合突条部は、前記見本着脱孔の半径と同じ曲率半径で形成され、且つ、前記底受け部の横幅方向に間隔をおいて対称に配置され、前記見本着脱孔の前半周側に嵌合されるようにしたことを特徴としてなる自動販売機用商品見本。
【請求項2】
前記ホルダ本体の背面側に背面側取付部を備え、傾斜型ステージの前面側に配置された傾斜した見本設置部に取り付け可能な請求項1に記載の自動販売機用商品見本。
【請求項3】
前記ホルダ本体の背面側に突設されたホルダ側連結片と、前記背面側取付部の前面側に突設された取付部側連結片とを備え、前記ホルダ側連結片と前記取付部側連結片とが互いに着脱可能に連結された請求項2に記載の自動販売機用商品見本。
【請求項4】
前記ホルダ本体と前記背面側取付部とを回動可能に連結する回動連結部を備えている請求項3に記載の自動販売機用商品見本。
【請求項5】
前記回動連結部は、前記ホルダ本体及び前記背面側取付部の肉厚に対し薄い帯状に形成されている請求項4に記載の自動販売機用商品見本。
【請求項6】
前記ホルダ側連結片及び/又は前記取付部側連結片は、前記ホルダ本体の背面又は前記背面側取付部の前面に対し所定の角度を成す傾斜部を備えている請求項3~5の何れか一に記載の自動販売機用商品見本。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機の前面側に展示される商品見本を保持する自動販売機用商品見本に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動販売機の商品見本は商品見本の底部、もしくは背部からその内部を照明する照明方法が一般的である。いずれの方法も商品見本が鮮明に浮き出るような照明がなされ、商品イメージを高め、消費者の購買意欲を喚起させる。
【0003】
しかしながら、これらの商品見本は長期使用による色あせが生じると商品イメージを低下させ、著しく消費者の購買意欲も減退させることが経験的に判明しており、商品見本を常に新しくしておく必要がある。
【0004】
そこで、近年では、商品見本展示用ステージに対して着脱可能に固定されたホルダに商品の画像を印刷したシート状の見本表示体を湾曲させた状態で保持させた自動販売機用商品見本が広く使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
一方、商品見本を設置するステージには、販売商品や自動販売機メーカー等の違いによって様々な形状があり、例えば、上面に配置された見本設置板に円形状の見本着脱孔が形成されたステージ(以下、標準型ステージ)や上方から前面側下方に向けて傾斜した見本取付板を前面側に配置したステージ(以下、傾斜型ステージという)等が用いられている。
【0006】
標準型ステージに対応したホルダは、見本表示体を保持するホルダ本体部と、ホルダ本体部を支持する円板状の底受け部と、底受け部の下面に突設された短筒状の係合筒部とを備えている。
【0007】
この係合筒部には、左右の対称な位置に一部を切り欠いてバネ片部が形成され、バネ片部の先端にあって、係合筒部の下端外周位置に抜け止め突起が突設されている。
【0008】
そして、見本着脱孔には、周方向の対称な位置に切り欠き部が形成されており、この切り欠き部を通して抜け止め突起を標準型ステージの上面の裏側に通過させ、この状態でホルダをステージ上で旋回させることによって、抜け止め突起が見本設置板の裏面下に移動し、係合筒部が抜け止めされるとともにバネ片部が見本着脱孔の内面に当接し、ホルダがステージに固定されるようになっている。
【0009】
一方、傾斜型ステージに対応したホルダは、見本表示体を保持するホルダ本体部と、本体部の背面側に突設された取付部とを備え、取付部を傾斜した見本取付板に固定することによって、ステージに取り付けられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2014-115941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述の如き従来の技術では、ホルダ本体の下側に円板状の底受け部と、その下面に突設された短円筒状の係合筒部を有するため、複数のホルダをまとめて保管・運搬しようとすると取付部が互いに干渉して嵩張り、スペースが取られるという問題があった。
【0012】
また、ホルダの背面側に取付部を有する場合においても、上記の標準型ステージに対応するホルダと同様に、複数のホルダをまとめて保管・運搬しようとすると取付部が互いに干渉して嵩張り、スペースが取られるという問題があった。
【0013】
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、嵩張らず、保管・運搬スペースを軽減した自動販売機用商品見本の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、丸孔状の見本着脱孔が形成された見本設置板を有する標準型ステージに固定される見本ホルダを備えた自動販売機用商品見本において、前記見本ホルダは、商品を表示した見本表示体を保持するホルダ本体と、該ホルダ本体の下端より前面側に張り出した底受け部と、該底受け部の下面側に突設された一対の底面側係合片とを備え、前記底受け部は、横幅が前記見本着脱孔の直径より広く、且つ、張出し幅が前記見本着脱孔の半径より小さく形成され、前記各底面側係合片は、前記底受け部の下面に突設された円弧状の係合突条部と、該係合突条部の下端に支持され、前記見本着脱孔の縁部に形成された切り欠き部を通して前記見本設置板の裏面側に挿入され、前記見本ホルダの旋回により前記見本設置板下に挿し込まれる抜け止め部と、前記係合突条部の外周面に突設されたロック用凸部とを備え、前記両係合突条部は、前記見本着脱孔の半径と同じ曲率半径で形成され、且つ、前記底受け部の横幅方向に間隔をおいて対称に配置され、前記見本着脱孔の前半周側に嵌合されるようにしたことにある。
【0015】
また、請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記ホルダ本体の背面側に背面側取付部を備え、傾斜型ステージの前面側に配置された傾斜した見本設置部に取り付け可能なことにある。
【0016】
また、請求項3に記載の発明の特徴は、請求項2の構成に加え、前記ホルダ本体の背面側に突設されたホルダ側連結片と、前記背面側取付部の前面側に突設された取付部側連結片とを備え、前記ホルダ側連結片と前記取付部側連結片とが互いに着脱可能に連結されたことにある。
【0017】
さらに、請求項4に記載の発明の特徴は、請求項3の構成に加え、前記ホルダ本体と前記背面側取付部とを回動可能に連結する回動連結部を備えていることにある。
【0018】
さらにまた、請求項5に記載の発明の特徴は、請求項4の構成に加え、前記回動連結部は、前記ホルダ本体及び前記背面側取付部の肉厚に対し薄い帯状に形成されていることにある。
【0019】
また、請求項6に記載の発明の特徴は、請求項3~5の何れか一の構成に加え、前記ホルダ側連結片及び/又は前記取付部側連結片は、前記ホルダ本体の背面又は前記背面側取付部の前面に対し所定の角度を成す傾斜部を備えていることにある。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る自動販売機用商品見本は、請求項1の構成を具備することによって、見本ホルダ全体の前後幅を小さくし、自動販売機用商品見本ホルダを複数重ねる際に嵩張らず、運搬スペースを軽減することができる。また、見本着脱孔を通して見本表示体の前後から照明を当てることができ、見栄えの向上を図ることができる。
【0021】
また、本発明において、請求項2の構成を具備することによって、標準型ステージと傾斜型ステージのいずれにも対応することができる。
【0022】
さらに、本発明において、請求項3の構成を具備することによって、自動販売機用商品見本ホルダ本体部と背面側に突き出た取付部を分離することが可能であり、自動販売機用商品見本ホルダを複数重ねる際に嵩張らず、運搬スペースを軽減することができる。
【0023】
また、本発明において、請求項4の構成を具備することによって、ホルダ本体と背面側取付部がバラバラにならず対で保管可能であり、部材の向きを気にすることなく組み立ても容易である。
【0024】
さらに、本発明において、請求項5の構成を具備することによって、複雑な構造を必要とせずに回動が実現でき、ホルダ本体と背面側取付部を一体で成型できることからコスト面でも優れている。
【0025】
さらにまた、本発明において、請求項6の構成を具備することによって、組み立てた際にホルダ本体と背面側取付部が相互に所定の角度を保持でき、取付時に自動販売機用商品見本ホルダの適した設置角度が維持される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係るに自動販売機商品見本を標準型ステージに取り付けた状態を示す斜視図である。
図2】同上の自動販売機見本を標準型ステージに取り付けた状態を示す部分破断側面図である。
図3】同上の自動販売機商品見本を傾斜型ステージに取り付けた状態を示す斜視図である。
図4】同上の自動販売機見本を傾斜型ステージに取り付けた状態を示す部分破断側面図である。
図5】(a)は同上の見本ホルダを示す正面図、(b)は同側面図、(c)は同平面図である。
図6】(a)は同上の見本ホルダを示す拡大底面図、(b)は同図3(a)中のX-X線矢視断面図である。
図7図1中の見本表示体の一例を示す正面図である。
図8】同上の他の一例を示す正面図である。
図9】自動販売機商品見本を標準型ステージに取り付ける際の手順を示す図である。
図10】自動販売機商品見本を傾斜型ステージに取り付けた状態を示す背面図である。
図11】本発明に係る自動販売機見本の他の一例に使用する見本ホルダの斜視図である。
図12】(a)は同上の背面側取付部を取り外した状態を示す側面図、(b)は同平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本発明に係る自動販売機商品見本の実施態様を図1図12に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号1は自動販売機用商品見本(以下、商品見本という)であり、符号A及びBはそれぞれ商品見本1が設置される傾斜型ステージ及び標準型ステージである。
【0028】
標準型ステージBは、図1及び図2に示すように、水平配置された平板状の見本設置板40を備え、内部にLED電灯等からなる光源41が設置されている。
【0029】
また、標準型ステージBの見本設置板40には、その長手方向に複数の円形状の見本着脱孔42,42…が間隔をおいて形成され、各見本着脱孔42,42…にそれぞれ商品見本1が着脱されるようになっているとともに、見本着脱孔42を通して光源41により商品見本1が照明されるようになっている。
【0030】
見本着脱孔42,42…は、円形状に形成され、その内縁部であって、見本設置板40の長手方向と平行な中心線(直径方向線)に対し、互いに周方向に所定の角度だけずれ、且つ、180度隔てた対称な位置に一対の着脱用切欠部43,43が設けられている。
【0031】
また、見本着脱孔42,42…には、その内縁部であって、見本設置板40の長手方向と平行な中心線(直径方向線)上に180度隔てた対称な位置に一対の係合用凹部44,44が形成されている。
【0032】
一方、傾斜型ステージAは、図3及び図4に示すように、平板状の天板部14と、天板部14の前面側に前方下側に向けて傾斜した薄板状の見本設置部15とを備え、見本設置部15に長手方向に間隔をおいて複数のホルダ着脱孔13が開口し、ホルダ着脱孔13に見本ホルダ3が固定されるようになっている。
【0033】
ホルダ着脱孔13は、天板部14の前縁部から見本設置部15に跨って形成され、ステージAの内側に配置されたLED電灯等の光源によって商品見本1が照明されるようになっている。
【0034】
商品見本1は、商品の画像が印刷されたフィルム状の見本表示体2,11と、見本表示体2,11を保持する見本ホルダ3とを備え、見本表示体2,11を湾曲させた状態で見本ホルダ3に保持されることにより立体的に商品を表示するようになっている。
【0035】
見本ホルダ3は、図5図6に示すように、弾性を有する合成樹脂材等によって一体に形成され、フィルム状の見本表示体2を保持するホルダ本体4と、ホルダ本体4の下端より前面側に張り出した底受け部9と、底受け部9の下面側に突設された一対の底面側係合片50,50とを備え、両底面側係合片50,50を標準型ステージBの見本着脱孔42,42…に係合させることによって標準型ステージBに固定できるようになっている。
【0036】
また、見本ホルダ3は、ホルダ本体4の背面側に背面側取付部5を備え、背面側取付部5をホルダ着脱孔13に係合させることによって傾斜型ステージAにも固定でき、標準型ステージB及び傾斜型ステージAのいずれにも対応できるようになっている。
【0037】
ホルダ本体4は、矩形状の背面基板7と、背面基板7の側縁より斜め内向きに突出した一対の保持片8,8とを備え、背面基板7の前面側にフィルム状の見本表示体2,11を湾曲させた状態で見本表示体2の両側縁を保持片8,8の裏側に挿し込むことによって保持するようになっている。
【0038】
背面基板7は、上下方向に長い矩形板状に形成され、中央の上下に間隔をおいて採光用の開口部10,10が形成されている。
【0039】
この背面基板7は、対応する商品のうちで最も低い商品を表示する見本表示体2の高さに合わせた高さ、例えば、185gの所謂ショート缶の高さに合わせて形成され、それよりも背の高い例えば、350ml缶や500mlペットボトル等を表示する見本表示体11の高さより低くなっている。
【0040】
底受け部9は、背面基板7の下端より前方に突出した円弧板状に形成され、その中央に光透過孔21が開口されている。
【0041】
この底受け部9は、横幅Wが見本着脱孔42,42…の直径より広く、且つ、張出し幅Lが見本着脱孔42,42…の半径より小さく形成され、見本ホルダ4の前後方向幅の小型化を図るとともに、両側部を見本設置板40で支持できるようにしている。
【0042】
また、この底受け部9は、張出し幅Lが見本着脱孔42,42…の半径より小さく形成されたことによって、商品見本1より前方の見本着脱孔42の一部が露出し、見本着脱孔42,42…を透過した光が光透過孔21を経て見本表示体2を裏面側から照明するとともに、露出した前方側より見本表示体2を前方より照明できるようになっている。
【0043】
各底面側係合片50,50は、図6に示すように、底受け部9の下面に突設された円弧状の係合突条部51と、係合突条部51の下端に支持された抜け止め部52と、係合突条部51の外周面に突設されたロック用凸部53とを備えている。
【0044】
両係合突条部51は、見本着脱孔42,42…の半径と同じ曲率半径を有する円弧突条状に形成され、底受け部9の横幅方向に間隔をおいて対称に配置され、前方側の両係合突条部51,51間距離が狭く、後端部側の両係合突条部51,51間距離が広くなっている。
【0045】
また、両係合突条部51は、標準型ステージBに取り付けられた際、互いに後端部が見本着脱孔42,42…の見本設置板40の長手方向と平行な中心線(直径方向線)上に配置され、見本着脱孔42,42…の前半周側に嵌合されるようになっている。
【0046】
抜け止め部52は、見本着脱孔42,42…に形成された着脱用切欠部43,43の形状に整合させた形状に形成され、係合突条部51後端部の下端に対称配置に外向きに張り出すよう支持されている。
【0047】
ロック用凸部53は、それぞれ係合突条部51の後端部外側面であって、両係合突条部51間距離が最も広い位置、即ち、両係合突条部51外側面間距離が見本着脱孔42,42…の直径と等しい位置に突設されている。
【0048】
一方、背面側取付部5は、互いに間隔をおいて平行配置された一対の傾斜係合片12,12と、両傾斜係合片12,12を連結する連結梁部34とを備え、背面基板7の背面側下部に固定されている。
【0049】
傾斜係合片12,12は、薄板状の傾斜延出部16と、傾斜延出部16の下面内側に配置された押圧部17と、傾斜延出部16の上端に支持された背面挿し込み片18と、傾斜延出部16の下端部背面側に突設された下側挿し込み片19とを備え、両傾斜係合片12,12の基端側が連結梁部34によって連結されている。
【0050】
この各傾斜係合片12,12の基端側端部は、斜面が形成され、傾斜係合片12,12の端部が背面基板7の背面側に所定の角度で支持される。
【0051】
尚、図中符号20は、着脱用つまみ部であって、両着脱用つまみ部20,20を内側(互いに近づく方向)に押して、両傾斜係合片12,12を内側に撓ませることができる。
【0052】
見本表示体2,11は、図7図8に示すように、方形状をした弾性及び透明・透光性を有する合成樹脂製フィルム材2aにより形成され、合成樹脂製フィルム材2aの表面部に筒状の商品の外形を展開した状態の商品展開画像24が印刷され、湾曲させることによって実際の商品に近い状態に表示されるようになっている。
【0053】
この見本表示体2、11は、横幅が商品の半周長よりも短く且つ、実際の商品の直径よりもやや長く形成され、実際の商品の直径を横幅とし、且つ、周方向半径よりも大きな曲率半径で湾曲させるようになっている。
【0054】
また、見本表示体2、11には、図7図8に示すように、中央部より外側に形成された切れ目25aによって縁どられたポップ部25が形成され、フィルム状の見本表示体2を湾曲させることによってポップ部25が前面側に立ち上がるようになっている。
【0055】
ポップ部25には、商品の販売促進のための図形や文字等(以下、ポップ画像という)26が印刷されている。
【0056】
この商品見本1を標準型ステージBに取り付ける場合には、図9(a)に示すように、標準型ステージBに対して所定の角度だけ旋回させた状態、即ち、見本着脱孔42,42…の縁部に形成された着脱用切欠部43,43の位置に両底面側係合片50,50の抜け止め部52の位置を合わせた状態とし、その状態で切り欠き部を通して見本設置板40の裏面側に抜け止め部52を挿入し、底受け部9の両端部を見本設置板40上に載置させる。
【0057】
そして、その状態から、図9(b)に示すように、見本ホルダ3を旋回させ、抜け止め部52を見本設置板40下に挿し込むとともに、ロック用凸部53を係合用凹部44,44に係合させることによって、見本ホルダ3が抜け止め部52によって上下方向で抜け止めされるとともに、係合突条部51が見本着脱孔42,42…の前半周部に嵌合され、且つ、ロック用凸部53によって見本ホルダ3の後退が規制され、見本ホルダ3が標準型ステージBに固定される。
【0058】
一方、商品見本1を傾斜型ステージAに取り付ける場合には、図10に示すように、傾斜延出部16を見本設置部15の表面に宛がった状態で両傾斜係合片12,12を内側に撓ませ、ホルダ着脱孔13に嵌め込むことによって、押圧部17がホルダ着脱孔13の内側縁を押圧するとともに、背面挿し込み片18がホルダ着脱孔13の側縁背面側に挿し込まれ、下側挿し込み片19がホルダ着脱孔13の下縁と係合し、ステージAに固定される。
【0059】
尚、上述の実施例では、標準型ステージB及び傾斜型ステージのいずれにも対応可能な場合について説明したが、背面側取付部5を設けず、標準型ステージBのみに対応するものであってもよい。
【0060】
また、上述の実施例では、背面側取付部5を一体に備えた場合について説明したが、図11図12に示すように、見本ホルダは、ホルダ本体4の背面側に突設されたホルダ側連結片30,30と、背面側取付部5の前面側に突設された取付部側連結片31,31とを備え、ホルダ側連結片30,30と取付部側連結片31,31とが互いに着脱可能に連結されたものとし、背面側取付部5をホルダ本体4に対し着脱できるようにしてもよい。尚、上述の実施例と同様の構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0061】
ホルダ側連結片30,30は、背面側取付部5の前面に対し所定の角度θを成す傾斜部30aを備えた直角三角形状に形成され、傾斜部30aを背面側に向け、且つ、直角部を上側にして背面基板7の背面に突設されている。
【0062】
このホルダ側連結片30,30には、板厚方向に貫通した係合孔32,32を備え、後述する背面側取付部5の前面側に突設された取付部側連結片31,31の係合凸部33,33が挿入されるようになっている。
【0063】
取付部側連結片31,31は、背面基部の背面に対し所定の角度θを成す傾斜部31aを備えた直角三角形状に形成され、傾斜部31aを前面側に向け、且つ、直角部を上側にして背面側取付部5の前面に突設されている。
【0064】
尚、両取付部側連結片31,31間の幅は、ホルダ側連結片30,30間の幅よりやや狭く形成され、背面側取付部5をホルダ本体4側に回動させた際に両取付部側連結片31,31がそれぞれホルダ側連結片30,30の内側に挿し込まれるようになっている。
【0065】
また、取付部側連結片31,31には、外側面に係合凸部33,33が突設され、両取付部側連結片31,31がそれぞれホルダ側連結片30,30の内側に挿し込まれることによって、ホルダ側連結片30,30の係合孔32,32に挿入され、両連結片が係合するようになっている。
【0066】
そして、未使用時には、図12に示すように、ホルダ本体4の背面部から背面側取付部5を離脱させた状態とし、使用時には、ホルダ側連結片30,30と取付部側連結片31,31とを連結することによって、背面側取付部5をホルダ本体4の背面部に固定される。
【0067】
尚、ホルダ本体と背面側取付部5とを着脱可能とする場合には、特に図示しないが、ホルダ本体と背面側取付部5とを回動可能に連結する回動連結部を備え、未使用時には、ホルダ本体4の背面部から背面側取付部5を離脱して展開した状態とし、使用時には、背面側取付部5を背面基板7の背面側に回動させ、ホルダ側連結片30,30と取付部側連結片31,31とを連結することによって、ホルダ本体4の背面部に固定するようにしてもよい。
【0068】
回動連結部は、ホルダ本体4(背面基板7)及び背面側取付部5の肉厚に対し薄い帯状に形成され、ホルダ本体4と背面側取付部5とが回動可能に連結されたものとしてもよく、ホルダ本体4と背面側取付部5とを別体に形成し、ヒンジによって回動可能に連結してもよい。
【0069】
また、上述の実施例では、フィルム状の見本表示体2を使用した場合について説明したが、実際の商品の形状に合わせて形成された立体的な見本表示体2を使用してもよく、ホルダ本体4と見本表示体2とが一体になったものであってもよい。
【符号の説明】
【0070】
A 傾斜型ステージ
B 標準型ステージ
1 商品見本
2 見本表示体
3 見本ホルダ
4 ホルダ本体
5 背面側取付部
7 背面基板
8 保持片
9 底受け部
10 開口部
11 見本表示体
12 傾斜係合片
13 ホルダ着脱孔
14 天板部
15 見本設置部
16 傾斜延出部
17 押圧部
18 背面挿し込み片
19 下側挿し込み片
20 着脱用つまみ部
21 光透過孔
24 商品展開画像
25 ポップ部
26 ポップ画像
30 ホルダ側連結片
31 取付部側連結片
32 係合孔
33 係合凸部
34 連結梁部
40 見本設置板
41 光源
42 見本着脱孔
43 着脱用切欠部
44 係合用凹部
50 底面側係合片
51 係合突条部
52 抜け止め部
53 ロック用凸部
図1
図2
図3
図4
図5
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図12