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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】経皮シャント装置及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/89 20130101AFI20230323BHJP
   A61F 2/958 20130101ALI20230323BHJP
【FI】
A61F2/89
A61F2/958
【請求項の数】 45
(21)【出願番号】P 2020512862
(86)(22)【出願日】2018-09-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 US2018049373
(87)【国際公開番号】W WO2019046852
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-31
(31)【優先権主張番号】62/553,532
(32)【優先日】2017-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/664,722
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/615,330
(32)【優先日】2018-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/615,433
(32)【優先日】2018-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518373829
【氏名又は名称】トランスミューラル システムズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Transmural Systems LLC
【住所又は居所原語表記】4 Dundee Park Drive,Suite 101,Andover,MA 01810 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラフィー,ナッサー
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド,スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】ラフィー,クーシャ
(72)【発明者】
【氏名】ディエプ,マイ・レ
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-535072(JP,A)
【文献】国際公開第2017/049003(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0179592(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/89
A61F 2/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状プロテーゼにおいて、
長尺状の従順な管状本体を備え、これは、近位端と遠位端とを有し;
遠位封止鍔部を備え、これは、長尺状の従順な前記管状本体の前記遠位端に結合され、前記遠位封止鍔部は、前記管状プロテーゼが第一の血管の第一の凹状血管壁に対して容易に着座できるようにするよう構成され配列され、前記管状プロテーゼは、展開されたとき、第一の前記凹状血管壁のなかに形成された小孔のなかを通り抜けて外側へ向けて延びるよう構成され、前記遠位封止鍔部は、展開されたのち、前記小孔の内部に留まり;
側方へ向けて延びた少なくとも一つの突起を備え、これは、前記遠位封止鍔部とは別に独立して前記管状本体に連結され、側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起は、前記遠位封止鍔部の直近にあり、前記遠位封止鍔部を越えた先まで側方へ向けて延び、側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起は、前記小孔のなかを通って引き抜かれないように抵抗するよう構成され配列されている、
管状プロテーゼ。
【請求項2】
請求項1の前記管状プロテーゼにおいて、
側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起は、側方へ向けて延びた二つの突起を含み、これらは、前記管状プロテーゼの長手方向軸のまわりで互いに対して約180度の方向に向き、
更に、側方へ向けて延びた二つの前記突起は、前記小孔に隣接した第一の前記凹状血管壁の底の近くに留まるよう構成され配列され、
更に、側方へ向けて延びた両方の突起は、前記プロテーゼの前記遠位端が前記小孔のなかを通って近位へ向けて引き抜かれるのを防ぐよう構成され配列されている、
管状プロテーゼ。
【請求項3】
請求項1の前記管状プロテーゼにおいて、側方へ向けて延びた二つの前記突起は、前記管状プロテーゼの骨組みに連結され、これは、前記遠位封止鍔部よりも近位に配置されている、管状プロテーゼ。
【請求項4】
請求項3の前記管状プロテーゼにおいて、側方へ向けて延びた二つの前記突起は、外周リング構造のなかに一体化され、これは、前記プロテーゼの遠位端部分を形成している、管状プロテーゼ。
【請求項5】
請求項4の前記管状プロテーゼにおいて、前記外周リング構造は、畝ねったワイヤを含み、これは、前記管状プロテーゼの外周を周方向に横断し、畝ねった前記ワイヤは、その長さの少なくとも一部に沿って蛇行パターンによって画定される、管状プロテーゼ。
【請求項6】
請求項5の前記管状プロテーゼにおいて、側方へ向けて延びた前記突起のうち少なくとも一つは、前記外周リング構造を形成する同一の畝ねったワイヤから形成されている、管状プロテーゼ。
【請求項7】
請求項5の前記管状プロテーゼにおいて、側方へ向けて延びた両方の突起は、前記外周リング構造を形成する同一の畝ねったワイヤから形成されている、管状プロテーゼ。
【請求項8】
請求項7の記管状プロテーゼにおいて、前記外周リング構造は、畝ねったワイヤから形成され、これは、
前記管状プロテーゼの第一の外周面に沿った蛇行パターンから、側方へ向けて延びた二つの前記突起のうち第一のもののなかへ遷移し、
側方へ向けて延びた二つの前記突起のうち前記第一のものから、前記管状プロテーゼの第一の前記側方側とは反対にある前記管状プロテーゼの第二の外周面に沿った前記蛇行パターンのなかへ遷移して戻り、
前記蛇行パターンから、前記管状プロテーゼの第二の前記外周面に沿って、側方へ向けて延びた二つの前記突起のうち第二のもののなかへ遷移し、 側方へ向けて延びた二つの前記突起のうち前記第二のものから、前記管状プロテーゼの第一の前記外周面に沿った前記蛇行パターンに遷移して戻る、
管状プロテーゼ。
【請求項9】
請求項2又は4の前記管状プロテーゼにおいて、膜が、長尺状の従順な前記管状本体と前記遠位封止鍔部とを覆っている、管状プロテーゼ。
【請求項10】
請求項9の前記管状プロテーゼにおいて、前記膜は、織布又は不織布を含む、管状プロテーゼ。
【請求項11】
請求項9の前記管状プロテーゼにおいて、前記膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(「ePTFE」)材料を含む、管状プロテーゼ。
【請求項12】
請求項9の前記管状プロテーゼにおいて、前記膜は、生体組織材料を含む、管状プロテーゼ。
【請求項13】
請求項9の前記管状プロテーゼにおいて、側方へ向けて延びた二つの前記突起は、前記膜によって覆われていない、管状プロテーゼ。
【請求項14】
請求項9の前記管状プロテーゼにおいて、側方へ向けて延びた二つの前記突起それぞれは、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーが、その上に形成されている、管状プロテーゼ。
【請求項15】
請求項14の前記管状プロテーゼにおいて、側方へ向けて延びた二つの前記突起それぞれは、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーが、その上に形成され、これは、移植している間に前記小孔に存在する場所にある、管状プロテーゼ。
【請求項16】
請求項14の前記管状プロテーゼにおいて、側方へ向けて延びた二つの前記突起それぞれは、更に、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーを含み、これは、側方へ向けて延びた二つの前記突起それぞれの外側へ向かう側方先端の近くに、それぞれ形成されている、管状プロテーゼ。
【請求項17】
請求項1の前記管状プロテーゼにおいて、側方へ向けて延びた二つの前記突起は、前記遠位封止鍔部よりも近位の場所から、前記遠位封止鍔部よりも遠位の場所まで延びている、管状プロテーゼ。
【請求項18】
請求項の前記管状プロテーゼにおいて、側方へ向けて延びた二つの前記突起は、外周リング構造のなかに一体化され、前記遠位封止鍔部は、少なくとも部分的に、畝ねった星形状の外周ワイヤフレームから形成され、これは、前記外周リング構造とは構造的に異なり、少なくとも部分的にそれよりも遠位にある、管状プロテーゼ。
【請求項19】
請求項18の前記管状プロテーゼにおいて、前記遠位封止鍔部の畝ねった星形状の前記外周ワイヤフレームは、前記外周リング構造に結合されている、管状プロテーゼ。
【請求項20】
請求項18の前記管状プロテーゼにおいて、
前記遠位封止鍔部の畝ねった星形状の前記外周ワイヤフレームは、複数の布繊維によって前記外周リング構造に結合され、
前記遠位封止鍔部の星形状の前記外周ワイヤフレームは、前記外周リング構造に対して移動できる、
管状プロテーゼ。
【請求項21】
請求項18の前記管状プロテーゼにおいて、
前記遠位封止鍔部の畝ねった星形状の前記外周ワイヤフレームは、長尺状の従順な前記管状本体と前記遠位封止鍔部とを覆う膜に結合され、
更に、前記外周リング構造は、前記膜に結合され、
前記遠位封止鍔部の星形状の外周ワイヤフレームは、前記外周リング構造に対して移動できる、
管状プロテーゼ。
【請求項22】
請求項1の前記管状プロテーゼにおいて、
長尺状の従順な前記管状本体は、長手方向に間隔をおいた複数の畝ねった外周ワイヤフレームから形成され、これは、管状膜材料に取り付けられ、
連なった複数の畝ねった外周ワイヤフレームは、周方向に整列され、これにより、軸方向に沿って入れ子状になることができ、これにより、前記プロテーゼが容易に屈曲し短縮できる、
管状プロテーゼ。
【請求項23】
請求項22の前記管状プロテーゼにおいて、更に、
近位封止鍔部を備え、これは、長尺状の従順な前記管状本体の前記近位端に結合され、前記近位封止鍔部は、前記管状プロテーゼが第二の血管の第二の凹状血管壁に対して容易に着座できるようにするよう構成され配列され、前記管状プロテーゼは、展開されたとき、第二の前記凹状血管壁のなかに形成された第二の小孔のなかを通り抜けて外側へ向けて延びるよう構成され、前記近位封止鍔部は、展開したのち、第二の前記小孔の内部に留まり;
更に側方へ向けて延びた少なくとも一つの突起を備え、これは、前記近位封止鍔部とは構造的に異なり、更に側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起は、前記近位封止鍔部の直近にあり、前記近位封止鍔部を越えた先まで側方へ向けて延び、更に側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起は、第二の前記小孔のなかを通って引き抜かれないように抵抗するよう構成され配列され、展開したとき、前記管状プロテーゼは、閉じたチャネルを形成し、これは、第一の前記凹状血管壁と第二の前記凹状血管壁とを連結する、
管状プロテーゼ。
【請求項24】
請求項23の前記管状プロテーゼにおいて、
更に側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起は、更に側方へ向けて延びた二つの突起を含み、これらは、前記管状プロテーゼの長手方向軸のまわりで互いに対して約180度の方向に向き、
更に、更に側方へ向けて延びた二つの前記突起は、第二の前記小孔に隣接した第二の前記凹状血管壁の底の近くに留まるよう構成され配列され、更に、更に側方へ向けて延びた両方の突起は、前記プロテーゼの前記近位端が第二の前記小孔のなかを通って遠位へ向けて引き抜かれるのを防ぐよう構成され配列されている、
管状プロテーゼ。
【請求項25】
請求項1の前記管状プロテーゼにおいて、前記管状プロテーゼは、拘束されていないとき、径方向外側へ向けて自己拡張するよう構成され配列されている、管状プロテーゼ。
【請求項26】
請求項1の前記管状プロテーゼにおいて、前記管状プロテーゼは、膨張可能な部材によって拡張されるよう構成され配列されている、管状プロテーゼ。
【請求項27】
請求項1の前記管状プロテーゼにおいて、長尺状の従順な前記管状本体の前記近位端は、外側へ向けて裾広がり又はベル形状であり、これにより、第二の血管の内部壁に対する並置が向上する、管状プロテーゼ。
【請求項28】
請求項1の前記管状プロテーゼにおいて、前記管状プロテーゼは、その側壁のなかを貫く少なくとも一つの開窓を画定し、これにより、体液が前記開窓のなかを通り抜けて漏出できるようになる、管状プロテーゼ。
【請求項29】
請求項9の前記管状プロテーゼにおいて、前記膜は、内側層と外側層とを含み、これらは、前記プロテーゼの骨組みの内側及び外側表面を覆う、管状プロテーゼ。
【請求項30】
請求項24の前記管状プロテーゼにおいて、更に、少なくとも一つの弾性体を備え、これにより、前記管状プロテーゼは、非拘束であるとき、長さが短縮する、管状プロテーゼ。
【請求項31】
請求項30の前記管状プロテーゼにおいて、
少なくとも一つの前記弾性体は、少なくとも一つの引張コイルばねを含み、これは、その長さに沿って管腔を画定し、
更に、少なくとも一つの前記引張コイルばねの中心長手方向軸が、前記プロテーゼの長手方向軸と完全一致しあるいは同心である、
管状プロテーゼ。
【請求項32】
請求項31の前記管状プロテーゼにおいて、前記管状プロテーゼは、調節可能な伸縮自在な長さである、管状プロテーゼ。
【請求項33】
請求項32の前記管状プロテーゼにおいて、前記プロテーゼの内部径は、前記プロテーゼの長さを調節したとき、実質的に変化しないままである、管状プロテーゼ。
【請求項34】
送達システムにおいて、先行する請求項のいずれかの前記プロテーゼが、その上に装着され、前記プロテーゼは、長手方向の内側部材の上、かつ、引き込み可能なシースの内部に装着されている、送達システム。
【請求項35】
請求項34の前記送達システムにおいて、更に、取り去り可能な少なくとも一つのテザーを備え、これは、第一の端と第二の端とを有し、前記テザーの第一及び第二の前記端は、前記プロテーゼの一部分のなかを通り抜けて経路付けられ、前記送達システムの近位領域のなかを通り抜けて近位へ向けて延び、そこから外に出ている、送達システム。
【請求項36】
請求項34の前記送達システムにおいて、更に、
第一の組の放射線不透過性マーカーを備え、これは、前記送達システムの前記遠位端の近くにあり、
第二の組のマーカーを備え、これは、処置をしている間、患者の外部から可視であり、これは、前記送達システム及びプロテーゼの相対的位置を示し、
前記第一及び第二の組のマーカーは、処置をしている間、互いと登録において維持されるよう構成されている、
送達システム。
【請求項37】
請求項36の前記送達システムにおいて、
前記第一の組のマーカーは、酸化鉄で作製された前記送達システムの遠位非外傷性先端の上にあり、これにより、MRIなどの画像モダリティのもとで容易に操縦できるようになり、これにより、前記送達システムを正確に位置決めし、
前記第二の組のマーカーは、前記送達システムの前記部分の長手方向における相対的な位置を示す、
送達システム。
【請求項38】
請求項36の前記送達システムにおいて、前記マーカーは、いつ前記プロテーゼの前記遠位封止鍔部が管腔の壁の内側面に対して引き当てられるよう適当に構成されたかを示すよう構成されている、送達システム。
【請求項39】
送達システムにおいて、
長尺状の内側コア部材を備え、これは、近位端と遠位端とを有し、前記遠位端は、従順な非外傷性先端が、その上に装着され;
膨張可能な部材を備え、これは、長尺状の前記内側コア部材の上に装着され;
請求項1乃至24及び26乃至33いずれか記載のプロテーゼを備え、これは、長尺状の前記内側コア部材の周りに装着され;
引き込み可能なシースを備え、これは、近位端と遠位端とを有し、引き込み可能な前記シースは、前記プロテーゼと膨張可能な前記部材の少なくとも一部とに対して摺動可能に配置され、かつ、それらを覆い;
第一のアクチュエータを備え、これは、長尺状の前記内側コア部材及び膨張可能な部材及びプロテーゼよりも近位へ向けて前記シースを前進させるよう構成され配列され;
第二のアクチュエータを備え、これは、流体の貯蔵器に結合され、前記貯蔵器は、膨張可能な前記部材に流体結合され、第二の前記アクチュエータを作動させることにより、前記流体が前記貯蔵器から外に流出して膨張可能な前記部材のなかへ入り、これにより、膨張可能な前記部材が径方向外側へ向けて拡張する、
送達システム。
【請求項40】
請求項39の前記送達システムにおいて、前記プロテーゼは、少なくとも部分的に、膨張可能な前記部材の上を覆いかつ取り囲んで装着されている、送達システム。
【請求項41】
請求項40記載の送達システムにおいて、前記プロテーゼの遠位部分が、膨張可能な前記部材の上を覆って装着されている、送達システム。
【請求項42】
請求項39の前記送達システムにおいて、前記プロテーゼは、長尺状の前記内側コア部材の上に、膨張可能な前記部材よりも近位に装着されている、送達システム。
【請求項43】
請求項39記載の送達システムにおいて、従順な前記非外傷性先端は、徐々に先細りになる遠位区域を含み、これは、近位の大きな直径から遠位の小さな直径に遷移する、送達システム。
【請求項44】
請求項43の前記送達システムにおいて、従順な前記非外傷性先端は、更に、徐々に先細りになる近位区域を含み、これは、近位の小さな直径から遠位の大きな直径に遷移する、送達システム。
【請求項45】
請求項44の前記送達システムにおいて、従順な前記非外傷性先端の前記近位区域の遠位端が、従順な前記非外傷性先端の前記遠位区域の近位端に当接する、送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、米国仮特許出願第62/553,532号(2017年9月1日出願)と、米国仮特許出願第62/615,330号(2018年1月9日出願)と、米国仮特許出願第62/615,433号(2018年1月9日出願)と、米国仮特許出願第62/664,722号(2018年4月30日出願)に関する。
上述した特許出願それぞれは、参照によりこのなかにあらゆる目的のために組み入れられる。
【0002】
本開示の分野
本開示は、経カテーテルの(すなわち、カテーテルの管腔のなかを通り抜けて実行される)グレンシャント及びフォンタンシステム(経カテーテル大静脈肺動脈バイパスエンドグラフトプロテーゼ及び送達)のための装置及び方法に関する。これは、近接した二つの血管の間を非外科的、経皮的、非解剖学的にバイパスする。
【背景技術】
【0003】
背景
単心室症的な生理(SVP)(チアノーゼ性の先天性心疾患(CCHD)の一形態)を伴って生まれる小児は、すべての先天性心疾患患者のうち7.7%にあたり、出生時発生率は、10000人あたり約4~8人である。
米国では、これにあたる小児が、毎年約2000人生まれている。
現在、SVP児は、段階的な一連の外科的処置を受ける。
最初の姑息的処置は、単心室への過負荷を最小限に抑えながら、全身と肺との拍出量の間のバランスを確立する。
続く姑息的処置は、しばしば、両方向性グレンシャント又はヘミフォンタン処置を介した大静脈肺動脈吻合である。これにより、受動的肺血流ができるようになる。
これらは、侵襲的で外傷的な外科的処置であり、かなりの回復時間と過度の負担がそのような幼い患者に必要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の概要
本開示の目的及び利点は、以下の説明に示され、そこから明白になるであろう。
開示された実施形態の更なる利点は、ここでの書面による説明において特に指摘される方法及びシステムによって、また、添付した図面から、実現され達成されるであろう。
【0005】
上述した外科的処置の結果を得るための経カテーテルアプローチは、先天性心疾患を伴うこれらの小児の管理に革命をもたらすことができる。
ノーウッド処置と両方向性グレン手術とフォンタン処置との代替として、非外科的経カテーテル介入により、乳児の手術の負担を制限できる一方、コストも削減できる。
目的に特化した大静脈肺動脈吻合装置には、かなりのまだ対処されていないニーズがある。
出願人の知る限り、保険適応外の医療用途のための商業ベースの代替物は存在しない。
【0006】
これらなどの利点を達成するため、本開示の目的にしたがって、このなかに具体化されるとおり、一態様において、本開示は、経皮的に送達可能な管状プロテーゼの実施形態を含む。これにより、介入的循環器内科医が上大静脈(SVC)と主肺動脈(MPA)との間にシャントを作り出せるようになる。
前記インプラントは、先天性心不全の小児に対して緊急に必要な選択肢を提供できる。これにより、三段階手術(いわゆる姑息的手術)の負担、姑息的手術が失敗したのちに追加的な心臓移植をし、あるいは、最初から心臓移植をしたのちに生涯にわたる薬物摂取をする負担を回避する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実装において、管状プロテーゼを提供する。これは、長尺状の従順な管状本体を備える。これは、近位端及び遠位端を有する。そして、遠位封止鍔部を備える。これは、長尺状の従順な前記管状本体の前記遠位端に結合されている。前記遠位封止鍔部は、第一の血管の第一の凹状血管壁に対して管状プロテーゼを容易に着座できるようにするよう構成され配列されている。前記管状プロテーゼは、展開されたとき、第一の前記凹状血管壁のなかに形成された小孔のなかを通り抜けて外側へ向けて延びるよう構成されている。
前記遠位封止鍔部は、展開したのち、前記小孔の内部に留まる。
前記管状プロテーゼは、更に、側方へ向けて延びた少なくとも一つの突起を含む。これは、前記遠位封止鍔部とは構造的に異なる。
側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起は、前記遠位封止鍔部の直近にある。そして、前記遠位封止鍔部を越えた先まで、側方へ向けて延びている。
側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起は、前記小孔のなかを通って引き抜かれないように抵抗するよう構成され配列されている。
【0008】
好ましくは、側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起は、側方へ向けて延びた二つの突起を含む。これらは、前記管状プロテーゼの長手方向軸のまわりで、互いに対して約180度の方向に向いている。
側方へ向けて延びた二つの前記突起は、好ましくは、前記小孔に隣接した第一の前記凹状血管壁の底の近くに留まるよう構成され配列される。
側方へ向けて延びた両方の突起は、プロテーゼの前記遠位端が前記小孔のなかを通って近位へ向けて引き抜かれるのを防ぐよう構成され配列されている。
側方へ向けて延びた二つの前記突起は、前記管状プロテーゼの骨組みに連結されてもよい。これは、前記遠位封止鍔部よりも近位に配置されている。
例えば、側方へ向けて延びた二つの前記突起は、外周リング構造のなかに一体化されてもよい。これは、前記プロテーゼの遠位端部分を形成する。
前記外周リング構造は、一般に、畝ねったワイヤを含む。これは、前記管状プロテーゼの外周を周方向に横断する。
前記畝ねりは、その長さの少なくとも一部に沿った蛇行パターンによって画定されてもよい。これは、様々な形状(正弦曲線形状、鋸歯形状、湾曲した波形状など)を有してもよい。
側方へ向けて延びた前記突起のうち一つ又は両方を、前記外周リング構造を形成する同じ畝ねったワイヤから形成してもよい。
【0009】
いくつかの実装において、前記外周リング構造は、畝ねったワイヤから形成される。これは、前記管状プロテーゼの第一の外周面に沿った蛇行パターンから、側方へ向けて延びた二つの前記突起のうち第一のもののなかへ遷移する。そして、側方へ向けて延びた二つの前記突起のうち前記第一のものから、前記管状プロテーゼの第一の側方側とは反対にある前記管状プロテーゼの第二の外周面に沿った前記蛇行パターンのなかへ遷移して戻る。そして、前記蛇行パターンから、前記管状プロテーゼの第二の前記外周面に沿って、側方へ向けて延びた二つの前記突起のうち第二のもののなかへ遷移する。そして、側方へ向けて延びた二つの前記突起のうち前記第二のものから、前記管状プロテーゼの第一の前記外周面に沿った前記蛇行パターンに遷移して戻る。
【0010】
前記管状プロテーゼのいくつかの実装において、前記膜は、長尺状の従順な前記管状本体及び前記遠位鍔部の内部や外部を覆うよう構成してもよい。
例えば、前記膜は、織布又は不織布を含んでもよい。
望むなら、前記膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(「ePTFE」)材料や生体組織材料を含んでもよい。
望むなら、側方へ向けて延びた前記突起は、前記膜で覆われていてもよいし、いなくてもよい。
いくつかの実施形態において、側方へ向けて延びた前記突起は、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーが、その上に形成されている。
例えば、対称的に対向した二つの側方へ向けて延びた前記突起それぞれは、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーが、その上に形成されてもよい。これは、側方へ向けて延びた前記突起それぞれの基部の近くで、移植している間に前記小孔に存在する場所にある。
望むなら、側方へ向けて延びた二つの前記突起のうち一つ又は両方は、更に、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーを含む。これは、側方へ向けて延びた二つの前記突起それぞれの外側へ向かう側方先端の近くに、それぞれ形成されている。
いくつかの実施形態において、側方へ向けて延びた前記突起は、前記遠位封止鍔部よりも近位の場所から、前記遠位封止鍔部よりも遠位の場所まで延びている。
【0011】
前記管状プロテーゼのいくつかの実装において、前記遠位封止鍔部を、少なくとも部分的に、畝ねった星形状の外周ワイヤフレームから形成してもよい。これは、前記外周リング構造とは構造的に異なり、少なくとも部分的にそれよりも遠位にある。
前記遠位鍔部の畝ねった星形状の前記外周ワイヤフレームを、前記外周リング構造に結合してもよい。
前記遠位鍔部の畝ねった星形状の前記外周ワイヤフレームを、複数の布繊維によって、前記外周リング構造に結合してもよい。前記遠位鍔部の星形状の前記外周ワイヤフレームは、前記外周リング構造に対して移動できる。
望むなら、前記遠位鍔部の畝ねった星形状の前記外周ワイヤフレームを、前記膜に結合してもよい(これは、縫い付けや接着剤又は織り込みなどによる)。更に、前記外周リング構造を、前記膜に結合してもよい。
前記遠位鍔部の星形状の前記外周ワイヤフレームは、前記外周リング構造に対して移動しあるいは曲がるよう構成してもよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、長尺状の従順な前記管状本体は、長手方向に間隔をおいた複数の畝ねった外周ワイヤフレームから形成してもよい。これは、管状膜材料に取り付けられる。
望むなら、連なった複数の畝ねった外周ワイヤフレーム(又は支柱リング)を、周方向に整列し、これにより、軸方向に沿って入れ子状にできるようにする。これにより、前記プロテーゼが容易に屈曲し短縮(軸方向の折り畳み)することができるようになる。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記管状プロテーゼは、更に、近位封止鍔部が、長尺状の従順な前記管状本体の前記近位端に結合されてもよい。
前記近位封止鍔部は、前記管状プロテーゼが第二の凹状血管壁に対して容易に着座できるようにするよう構成され配列されている。前記管状プロテーゼは、展開されたとき、第二の前記凹状血管壁のなかに形成された第二の小孔のなかを通り抜けて外側へ向けて延びるよう構成されている。
前記近位封止鍔部は、展開されたのち、前記血管の内部で、第二の前記小孔のそばに留まるよう構成されている。
前記プロテーゼは、更に、更に側方へ向けて延びた少なくとも一つ(好ましくは、対称的に対向した二つ)の突起を含んでもよい。これは、前記近位封止鍔部とは構造的に異なる。
更に側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起は、前記近位封止鍔部の直近にあり、前記近位封止鍔部を越えた先まで側方へ向けて延びていてもよい。
更に側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起は、好ましくは、第二の前記小孔のなかを通って引き抜かれないように抵抗するよう構成され配列されている。展開されると、前記管状プロテーゼは、閉じたチャネル(シャント)を形成する。これは、第一の前記凹状血管壁と第二の前記凹状血管壁とを連結する。
したがって、更に側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起は、更に側方へ向けて延びた二つの突起を含んでもよい。これらは、前記管状プロテーゼの長手方向軸のまわりで互いに対して約180度の方向に向いている。
更に側方へ向けて延びた二つの前記突起は、好ましくは、第二の前記小孔に隣接した第二の前記凹状血管壁の底の近くに留まるよう構成され配列される。そして、更に側方へ向けて延びた両方の突起は、好ましくは、前記プロテーゼの前記近位端が第二の前記小孔のなかを通って遠位へ向けて引き抜かれるのを防ぐよう構成され配列される。
【0014】
いくつかの実装において、前記管状プロテーゼは、拘束されていないとき、径方向外側へ向けて自己拡張するよう構成され配列される。
いくつかの実施形態において、前記管状プロテーゼは、例えば送達カテーテルの膨張可能な部材によって拡張されるよう構成され配列される。
いくつかの実施形態において、長尺状の従順な前記管状本体の前記近位端は、外側へ向けて裾広がりであってもよいし、ベル形状であってもよい。これにより、第二の血管の内部壁に対する並置が向上する。
望むなら、前記管状プロテーゼは、その側壁のなかを貫く少なくとも一つの開窓を画定してもよい。これにより、体液が前記開窓のなかを通り抜けて漏出できるようになる。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記プロテーゼは、膜を含んでもよい。これは、今度は、内側層と外側層とを含む。これらは、前記プロテーゼの骨組みの内側及び外側表面を覆う。
いくつかの実装において、前記プロテーゼは、更に、少なくとも一つの弾性体を含んでもよい。これにより、前記管状プロテーゼは、非拘束であるとき、長さが短縮する。
少なくとも一つの前記弾性体は、少なくとも一つの引張コイルばねを含んでもよい。これは、その長さに沿って管腔を画定する。
少なくとも一つの前記引張コイルばねの中心長手方向軸は、好ましくは、前記プロテーゼの長手方向軸と完全一致している(あるいは、少なくとも同心である)。
したがって、前記管状プロテーゼは、調節可能な伸縮自在な長さであってもよい。
好ましくは、前記プロテーゼの内部径は、前記プロテーゼの長さを調節したとき、実質的に変化しないままである。
少なくとも一つの前記引張コイルばねは、実際に、複数の引張コイルばねを含んでもよい。これらは、互いに対して近接していてもよいし、同心状にあってもよい。
【0016】
本開示は、更に、送達システムを提供する。これは、このなかの別のところに記載されたようなプロテーゼが、その上に装着されている。前記プロテーゼは、長手方向の内側部材の上、かつ、引き込み可能なシースの内部に装着されている。
前記送達システムは、更に、少なくとも一つの取り去り可能なテザーを含んでもよい。これは、第一の端と第二の端とを有する。
前記テザーの第一及び第二の前記端は、前記プロテーゼの一部分のなかを通り抜けて経路付けられてもよい。そして、前記送達システムの近位領域のなかを通り抜けて近位へ向けて延び、そこから外に出ている。
前記送達システムは、更に、第一の組の放射線不透過性マーカーを含んでもよい。これは、前記送達システムの前記遠位端の近くにある。そして、第二の組のマーカーを含んでもよい。これは、処置をしている間、患者の外部から可視である。これは、前記送達システム及びプロテーゼの相対的位置を示す。
前記第一及び第二の組のマーカーは、処置をしている間、互いと登録において維持されるよう構成してもよい。
例えば、前記第一の組のマーカーは、前記送達システムの遠位非外傷性先端の上にあってもよい。これは、酸化鉄で作製される。これにより、MRIなどの画像モダリティのもとで容易に操縦できるようになる。これにより、前記送達システムを正確に位置決めする。前記第二の組のマーカーは、前記送達システムの前記部分の長手方向における相対的な位置を示してもよい。
望むなら、前記マーカーは、いつ前記プロテーゼの前記遠位封止鍔部が管腔の壁の内側面に対して引き当てられるよう適当に構成されたかを示すよう構成してもよい。
【0017】
本開示は、更に、送達システムを提供する。これは、長尺状の内側コア部材を含む。これは、近位端と遠位端とを有する。前記遠位端は、従順な非外傷性先端がその上に装着されている。そして、膨張可能な部材を含む。これは、長尺状の前記内側コア部材の上に装着されている。そして、このなかの別のところに記載されているようなプロテーゼを含む。これは、長尺状の前記内側コア部材のまわりに装着されている。そして、引き込み可能なシースを含む。これは、近位端と遠位端とを有する。
引き込み可能な前記シースは、前記プロテーゼと、膨張可能な前記部材の少なくとも一部とに対して摺動可能に配置される。そして、長尺状の前記コア部材に沿ったその位置に応じて、それらを選択的に覆う。
前記送達システムは、更に、第一のアクチュエータを含んでもよい。これは、長尺状の前記内側コア及び膨張可能な部材及びプロテーゼよりも近位へ向けて前記シースを前進させるよう構成され配列される。そして、第二のアクチュエータを含んでもよい。これは、流体の貯蔵器に結合される。
前記貯蔵器は、膨張可能な前記部材に流体結合される。そして、第二の前記アクチュエータを作動させることにより、前記流体が、前記貯蔵器から外に流出して、膨張可能な前記部材のなかへ入る。これにより、膨張可能な前記部材が、径方向外側へ向けて拡張する。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記プロテーゼは、少なくとも部分的に、膨張可能な前記部材の上を覆いかつ取り囲んで装着される。
例えば、前記プロテーゼの遠位部分を、膨張可能な前記部材の上を覆って装着してもよい。あるいは、前記プロテーゼの近位部分を、膨張可能な前記部材の上を覆って装着してもよい。あるいは、前記プロテーゼの中心部分を、膨張可能な前記部材の上を覆って装着してもよい。
望むなら、前記プロテーゼを、長尺状の前記内側コア部材の上に、膨張可能な前記部材よりも近位に(あるいは、遠位に)装着してもよい。
【0019】
いくつかの実施形態において、従順な前記非外傷性先端は、徐々に先細りになる遠位区域を含んでもよい。これは、近位の大きな直径から遠位の小さな直径に遷移する。
従順な前記非外傷性先端は、更に、徐々に先細りになる近位区域を含んでもよい。これは、近位の小さな直径から遠位の大きな直径に遷移する。
従順な前記非外傷性先端の前記近位区域の遠位端は、従順な前記非外傷性先端の遠位区域の近位端に当接してもよい。
【0020】
本開示は、更に、管状プロテーゼを送達して移植する方法を提供する。
前記方法では、このなかで記載したような送達システムを提供する。そして、前記送達システムの遠位端を、第一の前記凹状血管壁の前記小孔のなかを通り抜けて、標的の場所まで送達する。そして、前記シースを近位へ向けて引き出す。これにより、前記プロテーゼを露出させる。そして、前記プロテーゼの前記遠位端を前記小孔のなかに位置付ける。これにより、前記封止鍔部と、側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起とが、第一の前記凹状血管壁の内部にあるようにする。そして、長尺状の従順な前記管状本体が、前記小孔のなかを通り抜けて第一の血管の外部に延びるようにする。そして、第二の前記アクチュエータを作動させる。これにより、膨張可能な前記部材を拡張させる。そして、前記バルーンを使用して前記管状プロテーゼの前記遠位端を拡張させる。これにより、前記小孔のなかへ嵌入する。そして、前記封止鍔部を形作る。これにより、第一の前記凹状血管壁に嵌接する。
【0021】
望むなら、膨張可能な前記部材を、前記プロテーゼよりも遠位に位置付けてもよい。そして、膨張可能な前記部材を膨張させてもよい。これにより、所望に応じて、前記プロテーゼの前記遠位端を外側へ向けて裾広がりにする。
前記方法では、更に、前記プロテーゼの長さを所望の長さに調節してもよい。
前記方法では、更に、前記プロテーゼの近位端を第二の血管の内部に配置してもよい。
例えば、前記プロテーゼの前記近位端は、第二の前記血管の端の内部に、同軸に位置付けてもよい。
その代わりに、前記プロテーゼの前記近位端は、第二の前記血管の壁のなかに形成された第二の小孔のなかを貫いて横断的に装着してもよい。これにより、第一の前記血管を第二の前記血管に短絡する。
【0022】
理解されるべきは、前述した一般的な説明と以下の詳細な説明との両方が例示的であり、このなかで開示された実施形態の更なる説明を提供することを意図していることである。
添付の図面は、この明細書のなかに組み入れられ、その一部を構成する。これが含まれるのは、本開示の方法及びシステムを例示し、その更なる理解を提供するためである。
本説明とともに、図面は、開示された実施形態の原理を説明するのに役立つ。
【0023】
図面の簡単な説明
例示的な実施形態の前述したような目的、態様、特徴及び利点は、以下の説明を添付図面と併せて参照することにより、もっと明白になるであろうし、もっとよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A-1D】本開示にしたがうプロテーゼの第一の実施形態のための視図を描く。
図2A-2B】本開示にしたがうプロテーゼの一実施形態の構造フレーム部分の側面及び平面図。
図2C】本開示にしたがうプロテーゼの更なる一実施形態の構造フレーム部分の側面図。
図3A-3C】本開示にしたがうプロテーゼの側方側面図、等角図及び第二の側方側面図。
図4A-4H】本開示にしたがうプロテーゼのための送達システムの様々な視図。
図5A-5B】本開示にしたがうプロテーゼの一実施形態の構造フレーム部分の更なる実施形態の視図。
図5C-5D】本開示にしたがうプロテーゼの一実施形態の構造フレーム部分のまた更なる実施形態の視図。
図5E-5F】図5C~5Dの構造フレーム部分の実施形態の視図。模擬組織片を横切ってその場にある。
図5G-5H】本開示にしたがうプロテーゼのまた更なる実施形態の態様を例示する。
図5I図5G~5Hの前記構造フレーム部分を例示する。円筒状マンドレルの上を覆って伸張されている。
図5J図5G~5Hの前記構造フレーム部分を例示する。円筒状マンドレルの上を覆って伸張され、適当な膜材料で覆われている。
図5K-5M】本開示にしたがうプロテーゼを送達するための更なる送達システムの遠位端部分の視図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
ここで、本開示の好ましい実施形態について詳細に参照する。その実施例を添付の図面に例示する。
開示された実施形態の方法及び対応する工程を、システムの詳細な説明とともに記載する。
このなかで例示された例示的な実施形態を使用して、グレン、フォンタン及びポット短絡処置並びに他のタイプの短絡処置を実行できる。ただし、経皮的なやり方で行う。
理解されるであろうことは、しかしながら、開示された実施形態又はその変形を使用して、血管などの生物学的管腔を生来の又は人工的な構造に連結することが必要な多数の処置をすることができる。
このようなエンドグラフト装置は、開心術に代わる安全で負担の少ない有効な代替、すなわち先天性心不全を治癒するための経皮的アプローチを必要とする医師及び幼い患者にとって、画期的な可能性を示すものである。
【0026】
限定ではなく例示の目的のため、このなかで具体化されたとおり、かつ、図1A~1Dに例示されたとおり、プロテーゼ100を提供する。これは、長尺状の従順な管状本体を含む。これは、近位端102と遠位端104とを有する。
プロテーゼ100は、遠位封止鍔部110を含む。これは、長尺状の従順な前記管状本体の前記遠位端104に結合されている。
前記遠位封止鍔部110は、前記管状プロテーゼ100が、第一の血管の第一の凹状血管壁に対して容易に着座できるようにするよう構成され配列されている。
前記管状プロテーゼ100は、展開されたとき、第一の前記凹状血管壁のなかに形成された小孔のなかを通り抜けて外側へ向けて延びるよう構成されている。
前記遠位封止鍔部110は、展開したのち、前記小孔の内部に留まる。
例示したとおり、前記遠位封止鍔部110は、外側膜120に取り付けられる。これは、布、延伸フッ素樹脂(例えば、ePTFE)、生きている組織(例えば、ブタ組織)などであってもよい。
例示したとおり、前記遠位鍔部は、畝ねった形状のワイヤ112によって形成されている。これは、突端が六つある星形状である。これは、六つの遠位頂点112aと、六つの近位頂点とを有する。
前記ワイヤ112は、単一平面を蓄えることができる形状に形成されている。
好ましくは、例示したとおり、前記ワイヤ112は、円錐形状又は裾広がり形状の表面を蓄える。
したがって、膜又は布を、前記ワイヤ112に取り付けたとき、裾広がりな円錐状の表面を形成する。これは、血管の側壁のなかにあるいは中空器官(例えば膀胱)の側部のなかに形成された小孔のなかにうまく嵌入するよう構成され配列される。
【0027】
更に例示したとおり、前記管状プロテーゼ100は、更に、側方へ向けて延びた少なくとも一つの突起132bを含む。これは、前記遠位封止鍔部110とは構造的に異なる。
側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起132bは、前記遠位封止鍔部110の直近にある。そして、例示したとおり、前記遠位封止鍔部110を越えた先まで、遠位へ向けて延びてもよい。
少なくとも一つの側方へ向けて延びた前記突起132bは、前記小孔のなかを通って引き抜かれないように抵抗するよう構成され配列されている。
いくつかの実施形態において、側方へ向けて延びた前記突起は、前記遠位封止鍔部よりも近位の場所から、前記遠位封止鍔部よりも遠位の場所まで延びている。
【0028】
好ましくは、側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起132bは、側方へ向けて延びた二つの突起を含む。これらは、前記管状プロテーゼの長手方向軸のまわりで、互いに対して約180度の方向に向いている。
側方へ向けて延びた二つの前記突起132aは、好ましくは、前記小孔に隣接した第一の前記凹状血管壁の底の近くに留まるよう構成され配列される。
側方へ向けて延びた両方の突起132bは、プロテーゼ100の前記遠位端が前記小孔のなかを通って近位へ向けて引き抜かれるのを防ぐよう構成され配列されている。
例示した実施形態において、前記突起132bは、前記小孔のなかを通って引き抜かれないように抵抗するための負荷のほとんどを引き受けるよう構成されている。一方、前記封止鍔部110は、いくらかの引き抜き抵抗機能を実行しつつ、主に、有意義な流体封止を、前記小孔と前記プロテーゼ100との交点に提供するよう構成されている。
【0029】
更に例示したとおり、側方へ向けて延びた二つの前記突起132bは、前記管状プロテーゼ100の骨組みに連結されてもよい。これは、前記遠位封止鍔部110よりも近位に配置されている。
例えば、側方へ向けて延びた二つの前記突起は、外周リング構造132に一体化されてもよい。これは、前記プロテーゼの遠位端部分を形成する。前記リング構造は、概して、前記封止鍔部110よりも近位の場所にある。
前記外周リング構造132は、一般に、畝ねったワイヤを含む。これは、前記管状プロテーゼ100の外周を周方向に横断する。そして、円筒平面又は円錐平面を画定する。
畝ねった前記ワイヤ132は、その長さの少なくとも一部に沿って、蛇行パターンによって画定されてもよい。これは、様々な形状(正弦曲線形状、鋸歯形状、湾曲した波形状など)を有してもよい。これは、任意の所望の数の峰/谷132aを有する。
側方へ向けて延びた前記突起132bのうち一つ又は両方を、前記外周リング構造132を形成する同じ畝ねったワイヤから形成してもよい。
【0030】
例示したとおり、前記外周リング構造132は、畝ねったワイヤから形成される。これは、峰及び谷132aを有する前記管状プロテーゼ100の第一の外周面に沿った蛇行パターンから、側方へ向けて延びた二つの前記突起132aのうち最初のもののなかへ遷移する。
突起132aは、「U」形状を有してもよい。これは、湾曲した区域によって連結された実質的に平行な一対の区域によって画定される。あるいは、菱形の形状を有してもよい。これは、例えば、図1A~1Dに例示したとおりである。それぞれの突起132aの湾曲した先端が、外側へ向けて曲がり、その後、変曲点で内側へ向けて屈曲して戻る。一方、前記ワイヤは、前記プロテーゼの長手方向軸に対して概して垂直な平面から、前記プロテーゼ100の長手方向軸に対して概して平行な平面に屈曲する経路にも従う。
【0031】
いくつかの実施形態において、側方へ向けて延びた前記突起は、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーが、その上に形成されている。
例えば、対称的に対向した二つの側方へ向けて延びた前記突起それぞれは、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーが、その上に形成されてもよい。これは、側方へ向けて延びた前記突起それぞれの基部の近くで、移植している間に前記小孔に存在する場所にある。
望むなら、側方へ向けて延びた二つの前記突起のうち一つ又は両方は、更に、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーを含む。これは、側方へ向けて延びた二つの前記突起それぞれの外側へ向かう側方先端の近くに、それぞれ形成されている。
【0032】
例示の目的のため、図1Aに示すとおり、前記突起132bは、放射線不透過性マーカーバンド148が、その最も外側の先端にあり、マーカーバンド146が、前記小孔があると期待できる近位の場所にある。
望むなら、ワイヤ132の二本のストランドを、マーカーバンド146の場所で、一緒に圧着してもよい。
送達している間、前記プロテーゼを送達する人は、可視化(例えば、透視)のもとである間、前記小孔の場所にマーカーバンド146を置くよう努力してもよい。
【0033】
前記ワイヤ132は、その後、一般に、側方へ向けて延びた二つの前記突起132bのうち前記第一のものから、前記管状プロテーゼの第一の側方側とは反対にある前記管状プロテーゼの第二の外周面に沿った前記蛇行パターンのなかへ遷移して戻る。そして、前記蛇行パターンから、前記管状プロテーゼの第二の前記外周面に沿って、側方へ向けて延びた二つの前記突起132bのうち第二のもののなかへ前記遷移する。
前記ワイヤは、その後、側方へ向けて延びた二つの前記突起132bのうち前記第二のものから、前記管状プロテーゼの第一の前記外周面に沿った前記蛇行パターンに遷移して戻る。
【0034】
図1A,2Aに例示したとおり、前記プロテーゼの前記骨組みは、更に、中間区域、リング又は支柱リング134を例示する。これらは、対応する峰及び谷134aを有する。
見ることができるとおり、前記リング134は、周方向に整列してもよい。これにより、連なった複数のリング134の前記峰及び谷134aが整列し、かつ、軸方向に沿って互いのなかへ入れ子状になる(折り畳む)ことができるようにする。
図1Dに例示したとおり、前記プロテーゼは、ほぼ120度の角度で屈曲していることが示されている。
この柔軟性は、開示された構造の結果である。
更に、この構造により、プロテーゼ100の長さを容易に調節でき、かつ、図1Dに例示したとおりプロテーゼ100を容易に屈曲できる。前記峰134aがリング134のなかで整列していることにより、前記リング134が互いのなかへ折り畳まることができるようになる。
このような軸方向又は屈曲の柔軟性が、リング133,134の境界などで、不要なときは、前記畝ねりの頂点を整列してもよい。
図1A~1D,2A~2Bにおいて更に例示したとおり、近位リング142を設けてもよい。これは、円錐状に外側へ向けて裾広がりな膜120のための表面を画定する。
例示したとおり、望むなら、開口108を、前記膜120を貫いて、最も近位にあるリングの頂点の近くに画定してもよい。このなかを通り抜けて、テザーを経路付けてもよい。これは、前記頂点のすべて又はほとんどを横断する。更に、前記テザーの両端を、送達システムのなかを通り抜けて経路付ける。
前記プロテーゼを回収して患者から取り去り、あるいは、それを位置変更することが望まれるなら、前記テザーを使用して、前記プロテーゼ100を展開するとき、前記プロテーゼの前記近位端を折り畳み、それを前記送達システムに戻してもよい。
【0035】
前記管状プロテーゼ100のいくつかの実装において、前記膜120は、長尺状の従順な前記管状本体と前記遠位鍔部との内部や外部を覆うよう構成してもよい。
すなわち、布製の二層の管状層を、前記プロテーゼの前記骨組みに、前記プロテーゼの構造の内部と、前記骨組みの外部との両方で、取り付けてもよい。
前記膜は、前記プロテーゼの前記骨組みに縫合してもよいし、織り込んでもよいし、接着してもよい。
内側及び外側の膜を設ければ、前記プロテーゼに沿って様々な別々の場所で互いに追加的に取り付けることができる。
【0036】
前記膜120は、例えば、織布又は不織布を含んでもよい。
望むなら、前記膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(「ePTFE」)材料や生体組織材料を含んでもよい。
望むなら、側方へ向けて延びた前記突起132bは、前記膜によって覆われてもよいし、覆われなくてもよい。あるいは、部分的に覆われてもよい。
前記リング132,133,134,142,112は、例えば、複数の布繊維によって、縫い付け、接着剤、織り込みなどによって、前記膜120に取り付けてもよい。
これにより、前記遠位封止鍔部110の星形状の前記外周ワイヤフレーム112が、前記外周リング構造に対して移動しあるいは曲がるよう構成できるようになる。
また、前記布に前記リングを取り付けることにより、中間膜が存在するので、リング同士が互いに対して相対的に曲がることができるようになる。
望むなら、必要に応じて更に硬さを提供するためにも、リングの頂点を互いに取り付けてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、前記近位端にも前記遠位端と同じ又は同様の外観及び構造を有するプロテーゼを提供してもよい。
図2Cは、このようなプロテーゼ100’のための骨組みの例を例示する。
プロテーゼ100’は、更に、近位封止鍔部110’を含んでもよい。これは、長尺状の従順な前記管状本体の前記近位端に結合される。そして、遠位封止鍔部110’を含んでもよい。これは、長尺状の従順な前記管状本体の前記遠位端に結合される。
前記近位封止鍔部110’は、前記管状プロテーゼが第二の凹状血管壁に対して容易に着座できるようにするよう構成され配列されている。前記管状プロテーゼ100’は、展開されたとき、第二の前記凹状血管壁のなかに形成された第二の小孔のなかを通り抜けて外側へ向けて延びるよう構成されている。
前記近位封止鍔部110’は、展開されたのち、前記血管の内部で、第二の前記小孔のそばに留まるよう構成されている。これは、前記遠位封止鍔部と同様である。
したがって、前記プロテーゼは、更に、側方へ向けて延びた少なくとも一組(好ましくは、対称的に対向した二組)の突起132b’を含んでもよい。これは、前記近位封止鍔部とは構造的に異なる。
更に側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起132’は、前記近位封止鍔部/遠位封止鍔部110’の直近又は近くにあってもよい。そして、前記近位封止鍔部110’を越えた先まで側方へ向けて延びていてもよい。これは、図1Aの実施形態と同様である。
前記突起112b’は、好ましくは、第一及び第二の前記血管の第一及び第二の前記小孔のなかを通って引き抜かれないように抵抗するよう構成され配列される。
展開されると、前記管状プロテーゼ100’は、閉じたチャネル(シャント)を形成する。これは、第一の前記凹状血管壁と第二の前記凹状血管壁とを連結する。
膜被覆は図2Cに具体的に例示していないが、当業者は、このような被覆が図1Aの実施形態のように意図されていることを認識するであろう。
更に、近位開口を、図1の開口108と同様に、前記膜のなかを貫いて設けてもよい。これにより、テザーを、前記近位鍔部の頂点のなかを通り抜けて経路付けることができるようになる。これにより、前記プロテーゼ100’を、少なくとも内側へ向かう軸方向に沿って折り畳むのを助ける。
したがって、更に側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起は、更に側方へ向けて延びた二つの突起132b’を含んでもよい。これらは、前記プロテーゼ100’の両端の上で、前記管状プロテーゼの長手方向軸のまわりで互いに対して約180度の方向に向いている。
望むなら、プロテーゼ100,100’には、追加的に、一以上の弾性部材(引張コイルばね、管状弾性材料など)を設けてもよい。これは、前記プロテーゼ100,100’の骨組みを取り囲んでもよい。そして、これにより、前記プロテーゼを、その長さに沿って短縮させる。
図3A~3Cは、プロテーゼ100の変形のための骨組みを例示する。これは、封止鍔部110を含まない。
望むなら、前記プロテーゼのこの変形は、前記封止鍔部が存在することを除けば、図1Aの実施形態100と同一であってもよい。
理解されるとおり、前記突起132bを、前記プロテーゼが前記小孔のなかを通って引き抜かれるのを防ぐために使用してもよい。
図2Cの実施形態と同様、図3A~3Cの実施形態は、所望に応じて、二つの血管を短絡するための前記プロテーゼの前記近位及び遠位端の両方に突起132bを同様に有してもよい。
【0038】
軸方向に折り畳み可能なプロテーゼ200,300,400の更なる実施形態を、図5A~5Hに例示する。
これらのプロテーゼは、軸方向に折り畳み可能な本体を含む点において、概して同様である。これは、一般に、螺旋状ばね(引張ばねなど)又は同様の部材によって画定される。
【0039】
例示の目的のため、図5A~5Bは、本開示にしたがうプロテーゼの一実施形態の構造フレーム部分の更なる実施形態の視図である。
図5Aにおける例は、折り畳み可能なプロテーゼを含む。これは、折りたたみ側方翼部を含む。そして、折り畳み可能なコイルを含む。これは、前記プロテーゼの長さに沿って延びている。
例示したとおり、前記プロテーゼ200の両端は、折りたたみ側方翼部210,270を含む。
折りたたみ側方翼部210は、前記プロテーゼ200の第一の端に配置されている。折りたたみ側方翼部270は、第一の前記端とは反対の前記プロテーゼの第二の端に配置されている。折りたたみ側方翼部210,107-1,270は、構造的には同じであるが、互いに対して物理的に反転している。そして、望むなら、前記プロテーゼ200の長手方向軸のまわりで互いに回転的に整列する。
折りたたみ側方翼部210,270は、コイル230,290を介して、軸240のまわりで直交的に関節接合するよう構成されている。
コイル230と翼部210/270とは、例示したとおり、ワイヤ(NiTi合金ワイヤなど)の同一のストランドから巻かれている。
翼部210は、張力をコイル230のなかへ巻き込むことにより、互いに向かって内側へ向けて折りたたまれる。
これにより。前記翼部に対する屈曲応力が、材料のもっと長い長さにわたって分布する。これは有利であり得る。NiTi合金が、あまりに短い距離にわたって屈曲し過ぎると脆弱になる傾向があるからである。
このようなやり方で、折りたたみ側方翼部210を、折りたたんだ状態で、前記プロテーゼ200の中心軸へ向けて径方向内側へ向けて圧縮してもよい。これにより、前記プロテーゼ200の外形を容易に小さくすることができる。これにより、送達カテーテルの送達シースのなかへ、折り畳んで引き込むことができるようになる。
折りたたみ側方翼部270は、同様に、張力を伴ってコイル290を折りたたむ(「巻く」)ことにより、互いへ向けて折りたたまれるよう構成されている。
【0040】
上述したとおり、前記折りたたみ側方翼部210,270は、折りたたみコイル230ともに、均一な熱形成されたワイヤ(特に、熱設定されたニチノールなど)からなってもよい。
例えば、折りたたみ側方翼部270は、折りたたみコイル290とともに、非圧縮形態で前記プロテーゼから側方へ向けて延びるよう熱により形作られたワイヤの均一な断片からなってもよい。これは、図5A~5Bに例示されたとおりである。
前記折りたたみ側方翼部270、290それぞれは、前記プロテーゼ200がそのなかに展開されている血管の側壁に対して力を印加してもよい。これにより、上述した翼部/凸部132aと同様のやり方で、前記プロテーゼが、前記血管を貫いて形成された小孔から取り去られるのを防ぐ。
翼部210/270によって形成される前記端区域は、また、一以上(例えば、二つ又は三つ)の長手方向コイル250に結合されるよう例示される。
例示したとおり、折り畳み可能な前記コイル250は、前記プロテーゼの長手方向の長さに沿って延び、前記端区域を互いに結合する。
例示したとおり、二つの前記コイル250それぞれは、前記プロテーゼ200の長手方向軸のまわりで約180度互いに位相がずれている。
このようにして、前記コイル250は、内側や外側の膜層を構造的に支持してもよい。これにより、前記プロテーゼのなかを貫く管腔を画定する。
好ましくは、前記コイル250は、このように互いから均等に間隔を空けている。これにより、二つのコイルは、例示したとおり、軸のまわりで互いから間隔を空けて(位相がずれて)180度ずつ話すようになる。三つのコイルは、互いから120度ずつ間隔を空ける。四つのコイルは、互いから90度ずつ間隔を空ける。などなど。
【0041】
図5C,5Dは、プロテーゼ300のための骨組みの更なる実施形態を例示する。
図5Cは、前記プロテーゼ300の両端部分の構造支持体を例示する。
例示したとおり、プロテーゼ300の両端部分は、内側フレーム310を含む。これは、外側フレーム320に結合されている。
内側フレーム310及び外側フレーム320は、マンドレルのまわりに巻かれた同一の材料片(例えば、NiTi合金ワイヤ)から作製してもよい。あるいは、互いに(例えば、はんだ付け又は溶接によって)取り付けられた異なる材料片から作製してもよい。
内側フレーム310は円形である。一方、理解されるであろうことは、他の形状(卵形、多角形など)であってもよいことである。
外側フレーム320は、提示したとおり、広がった中心部分を含む。これは、前記内側フレーム310の湾曲と整列している。これは、両側で先細って突起(翼部)になる。これは、上述した翼部132b,210,270と機能において同様である。それらは、プロテーゼ300が、血管壁のなかに形成された小孔のなかを通して引き抜かれるのを防ぐよう構成されている。
望むなら、図1Aのものと同様の封止鍔部を、例えば内側フレーム310に取り付けてもよい。これは、前記プロテーゼの他端へ向けて延びている。これにより、血管又は中空器官の壁のなかに形成された前記小孔のなかへ嵌入する先細りの封止表面を提供する。
【0042】
図5Dに例示したとおり、プロテーゼ300の前記端フレーム部分(鍔部)を互いに連結してもよい。これは、プロテーゼ200と同じやり方で、一以上のコイルばねによる。
一つのばね330だけが示されているが、理解されるであろうことは、複数のコイルばねである。これらを使用してもよい。これらは、全体の直径が異なる。これにより、互いの内部に入れ子状になることができるようにする。
望むなら、前記ばね330を、追加的又は代替的に、前記プロテーゼ300の中心長手方向軸のまわりに、均等に又は不均等に、互いから回転的に間隔を空けてもよい。
望むなら、プロテーゼ300の前記端鍔部を、追加的又は代替的に、連結してもよい。これは、図1A~1Dの実施形態と同様のやり方で、支柱リング及び膜材料による。
例示したとおり、プロテーゼの前記端鍔部(310,320)は、前記プロテーゼ300の長手方向軸のまわりで互いに対して90度回転している。
更に理解されるとおり、プロテーゼ300の構造的な前記骨組みに関わらず、プロテーゼ300は、好ましくは、図1A~1Dに示すような実施形態100の層120と同様の内側や外側の膜(布)の層を含む。
図5E,5Fは、プロテーゼ300の前記骨組みを例示する。これは、厚い材料片のなかに展開されている。これは、組織(互いに短絡されるべき近くの二つの血管など)を模倣することを意図している。
【0043】
図5Gは、本開示にしたがうプロテーゼ400の実施形態の構成要素を例示する。これは、図5H,5I,5Jにおける組立体の様々な段階において例示される。
プロテーゼは、構造フレーム部分を含む。これは、近位及び遠位鍔部410を含む。これらは、一以上(例えば、二つ)の引張コイルばね430によって互いに連結されている。
特に、鍔部410は、図1Aの封止鍔部110の鍔部フレーム112と同様である。
図1Aの実施形態と同様に、プロテーゼ400は、近位及び遠位封止鍔部を含む。これらは、好ましくは、少なくとも部分的に、布などの膜420のなかに覆われている(図5J)。
前記コイルばね430は、それぞれ、二つの終端突起434を含む。これらは、鍔部410の径方向に向いた部分に、例えばはんだ付け又は溶接により、取り付けられている。これにより、強力な接合を提供する。
均等にあるいは不均等に間隔を空けた互いのなかに入れ子状にできる複数のコイルを、上記に例示したプロテーゼ300に対して記載したとおり、提供してもよい。
図5Hは、プロテーゼ400の端面図を例示する。これは、鍔部410を明瞭に示す。
望むなら、一以上のマーカーバンドを、鍔部410の上に設けてもよい。
その代わりとして、鍔部410やコイルばね430を、放射線不透過性材料から作製してもよい。
膜材料420を、プロテーゼ400のためのコイルばね430の内部や外部や中間に設けてもよい。
また、望むなら、支柱リングを、図1Aの実施形態と同様に、プロテーゼ400のなかのコイルばね430の代わりとしてもよい。
【0044】
図5K~5Mは、本開示にしたがって、折り畳み可能なプロテーゼ500の追加的な実施形態を例示する。
図5A~5Dは、折り畳み可能なプロテーゼ500を例示する。これは、近位及び遠位鍔部510を含む。これらは、畝ねった支柱リング534によって互いに取り付けられている。これは、図1Aに対して記載したものと同様である。
プロテーゼを、遠位に形成されたバルーン550の上へ圧着してもよい。これは、今度は、送達システムの長尺状の内側部材560に装着される。
プロテーゼ500を、バルーン550の上に径方向内側へ向けて(例えば、圧着により)折り畳んでもよい。
図5K~Mに例示したとおり、首部分によって連結された近位球と遠位球とを含む二葉バルーンを使用して、例えば、プロテーゼ500の前記鍔部510を拡張させ外側へ向けて裾広がりにしてもよい。これにより、近くの二つの血管の間にシャントを形成する。
前記二葉バルーンは、別々の膨張可能なバルーンから形成してもよい。あるいは、例示したとおり首が狭くなった単数の膨張可能な容器から形成してもよい。
プロテーゼ500には、好ましくは、内側や外側の膜被覆(不図示)を設ける。
図5Kは、前記バルーンを例示する。これは、膨張させた状態にある。図5Lは、プロテーゼ(フレームのみを例示)500を例示する。これは、送達に先立って前記バルーンの上に圧着されている。そして、図5Mは、前記プロテーゼ500を示す。これは、バルーンを膨張させることにより、部分的に展開された状態にある。
複数の葉、又は、近位及び遠位首領域ともっと大きな中心葉とを有するこのようなバルーンを使用して、後述するとおりプロテーゼの端を選択的に裾広がりにしてもよい。
【0045】
一般に、理解されるであろうことは、このなかで開示された前記プロテーゼは、いずれも、更に、少なくとも一つの弾性体(例えば、引張コイルばね)を含んでもよいことである。これにより、前記管状プロテーゼは、非拘束であるとき、長さが短縮する。
少なくとも一つの前記弾性体は、少なくとも一つの引張コイルばねを含んでもよい。これは、その長さに沿って管腔を画定する。
少なくとも一つの前記引張コイルばねの中心長手方向軸は、好ましくは、前記プロテーゼの長手方向軸と完全一致している(又は、少なくとも同心である)。
したがって、前記管状プロテーゼは、調節可能な伸縮自在な長さであってもよい。
好ましくは、前記プロテーゼの内部径は、前記プロテーゼの長さを調節したとき、実質的に変化しないままである。
少なくとも一つの前記引張コイルばねは、実際に、複数の引張コイルばねを含んでもよい。これらは、互いに対して近接していてもよいし、同心状にあってもよい。
【0046】
本開示は、更に、送達システムを提供する。これは、このなかの別のところに記載されたようなプロテーゼが、その上に装着されている。
【0047】
限定ではなく例示の目的のため、図4A~4Hは、このなかで上述したプロテーゼを送達するための送達システムの態様を例示する。
【0048】
図4A~4Hに例示したとおり、図1A~1Dにおけるものと構造的に同様のプロテーゼを、送達システムの長手方向内側部材に装着する。
前記送達システムは、長尺状の内側コア部材を含む。これは、近位端と遠位端とを有する。
前記遠位端は、従順な非外傷性先端が、その上に装着されている。これは、遠位へ向けて徐々に先細りであってもよい。そして、また、図4Hに例示したとおり近位へ向けて先細りであってもよい。これにより、前記送達システムの前記遠位端を、血管から容易に取り去り、シャントのなかへ戻すことができる。これは、前記送達システムを引き出しているとき装着されている。
【0049】
描かれたとおり、前記送達システムは、膨張可能な部材を含む。これは、長尺状の前記内側コア部材の上に装着されている。そして、前記プロテーゼ(例えば、100)は、長尺状の前記内側コア部材のまわりに装着される。
また、引き込み可能なシースを設ける。これは、近位端と遠位端とを有する。
引き込み可能な前記シースは、前記プロテーゼと、膨張可能な前記部材の少なくとも一部とに対して摺動可能に配置される。そして、長尺状の前記コア部材に沿ったその位置に応じて、それらを選択的に覆う。
前記送達システムは、更に、第一のアクチュエータ(不図示)を含んでもよい。これは、長尺状の前記内側コア及び膨張可能な部材及びプロテーゼよりも近位へ向けて前記シースを前進させるよう構成され配列される。
第二のアクチュエータを、流体の貯蔵器に結合してもよい。
前記貯蔵器は、膨張可能な前記部材に流体結合される。そして、第二の前記アクチュエータを作動させることにより、前記流体が、前記貯蔵器から外に流出して、膨張可能な前記部材のなかへ入る。これにより、膨張可能な前記部材が、径方向外側へ向けて拡張する。
具体的には、例示の目的のため、図4Aは、前記送達システムの遠位部分を示す。これは、展開されたプロテーゼが、膨張のために使用されるバルーンよりも遠位にあるところを示す。図4Bは、膨張していない長尺状の前記バルーンを示す。これには、前記プロテーゼが存在していない。
図4C~4Gは、膨張の様々な段階における前記バルーンを示す。
【0050】
いくつかの実施形態において、前記プロテーゼは、少なくとも部分的に、膨張可能な前記部材の上を覆いかつ取り囲んで装着されてもよい。
例えば、前記プロテーゼの遠位部分を、膨張可能な前記部材の上を覆って装着してもよい。前記プロテーゼの近位部分を、膨張可能な前記部材の上を覆って装着してもよい。あるいは、前記プロテーゼの中心部分を、膨張可能な前記部材の上を覆って装着してもよい。
望むなら、前記プロテーゼを、長尺状の前記内側コア部材の上に、膨張可能な前記部材よりも近位に(あるいは遠位に)装着してもよい。
【0051】
本開示にしたがう例示的方法では、このなかで記載したとおりの送達システムを提供する。そして、前記送達システムの遠位端を、第一の前記凹状血管壁の前記小孔のなかを通り抜けて、標的の場所まで送達する。そして、前記シースを近位へ向けて引き出す。これにより、前記プロテーゼを露出させる。そして、前記プロテーゼの前記遠位端を前記小孔のなかに位置付ける。これにより、前記封止鍔部と、側方へ向けて延びた少なくとも一つの前記突起とが、第一の前記凹状血管壁の内部にあるようにする。そして、長尺状の従順な前記管状本体が、前記小孔を貫いて第一の前記血管の外部に延びるようにする。そして、第二の前記アクチュエータを作動させる。これにより、膨張可能な前記部材を拡張させる。そして、前記バルーンを使用して前記管状プロテーゼの前記遠位端を拡張させる。これにより、前記小孔のなかへ嵌入する。そして、前記封止鍔部を形作る。これにより、第一の前記凹状血管壁に嵌接する。
【0052】
望むなら膨張可能な前記部材を、前記プロテーゼよりも遠位に位置付けてもよい。そして、膨張可能な前記部材を膨張させてもよい。これにより、所望に応じて、前記プロテーゼの前記遠位端を外側へ向けて裾広がりにする。
前記方法では、更に、前記プロテーゼの長さを所望の長さに調節してもよい。
前記方法では、更に、前記プロテーゼの近位端を第二の血管の内部に配置してもよい。
例えば、前記プロテーゼの前記近位端は、第二の前記血管の端の内部に、同軸に位置付けてもよい。
その代わりとして、前記プロテーゼの前記近位端は、第二の前記血管の壁のなかに形成された第二の小孔のなかを貫いて横断的に装着してもよい。これにより、第一の前記血管を第二の前記血管に短絡する。
【0053】
(方法の)更なる実施形態に関し、このなかで記載したシャントを、「グレンシャント」(長さ約5cm)又は「フォンタンシャント」(長さ約8cm)として構築してもよい。
これらは、例えば、超弾性ニチノール支持管状ポリエステル布インプラントであってもよい。これらは、特別に設計された送達システムを介して送達される。
好ましくは、前記プロテーゼ及び送達システムは、両方とも、MRI適合である。
例示されたTCBE実施形態は、経カテーテル大静脈肺動脈バイパスのために特別に開発された有用ないくつかの特徴を組み入れることができる。
小児用シャントは、様々な大きさで提供してもよい。長さ約15mm~約50mmなど、長さ約25又は30mmで、直径約10mmなどである。
【0054】
グレン処置において、(例えば、図1Aの)プロテーゼの遠位鍔付き端は、主肺動脈(MPA)の内側壁に対して引き当てられる。前記プロテーゼの前記近位端は、上大静脈のなかへ延びる。
フォンタン処置のために、前記プロテーゼは、前記シャントの中心領域において前記布のなかを貫く一以上(例えば、2つ)の開窓を含んでもよい。これにより、前記プロテーゼが、主肺動脈のなかにあるその遠位端から上大静脈まで架かるとき、右心房のなかへ漏出できるようになる。
したがって、フォンタン処置において、前記シャントを使用して、下大静脈(IVC)を、右心室を通り抜けて、主肺動脈(MPA)まで連結してもよい。前記プロテーゼは、開窓を含む。これにより、前記プロテーゼを通り抜けて心室になかへ漏出できるようになる。
【0055】
多様な病因の肺高血圧症により、重度の症状と高い死亡率が生じる。
症状は、運動不能、息切れ、右側うっ血性心不全、突然死を含む。
新しい薬理学的選択肢は、重度の肺高血圧症の成人において生存期間を有意に延長させている。
これらの治療選択肢は、肺高血圧症のケアのための全国的な優れた中心につながっている。
薬物療法が成功したにもかかわらず、疾患は大多数で進行し、進行性右心室不全及び機能状態の低下を生じる。
心肺移植は、選択肢にならない場合がある。
【0056】
(左肺動脈と下行胸部大動脈との間の)「ポッツ」シャントを形成することは、血流を流し、これにより、末期肺高血圧症患者の右心不全を軽減できる外科的処置である。
これは、移植への橋渡しとして又は最終療法として提案してもよい。
外科的ポッツシャントは、病的で複雑である。
本開示にしたがって、カテーテルベースのポッツシャント(図5A~5Jに例示されているものなどを、このなかで記載した送達システムを経由して送達してもよい。そして、これを使用して、左肺動脈を下行胸部大動脈に短絡してもよい。
【0057】
望むなら、いくつかの実施形態において、前記プロテーゼ(例えば、100,100’,200,300,400,500)の前記近位端は、そのなかを通り抜けるテザーを受容sしてもよい。これは、最も近位の畝ねった支柱リングの巻きのなかを通り抜けて経路付けられる。これは、膜材料(例えば、120)のなかに画定される開口のなかを通り抜ける。
前記テザーを、管状部材(例えば、シース)のなかを通って近位へ向けて引き抜く。これは、また、そのなかをコア部材が通り抜ける。これは、前記送達システムの前記コア又はプッシュロッドを形成する。
前記コアは、前記シースに対して摺動可能に処分可能である。
前記プロテーゼが装着された前記コア部材を、前記シースの遠位方向外側へ向けて前進させることにより、前記プロテーゼが自己拡張してもよく、あるいは、バルーンによって拡張されてもよい。
しかし、前記テザーを緊張させれば、前記プロテーゼの前記近位端を径方向内側へ向けて折り畳むことができる。これにより、前記プロテーゼを、前記シースのなかへ引き入れることができるようになる。
特に前記プロテーゼの前記遠位端の近くにある前記プロテーゼの近接した畝ねったリングは、互いに連結してもよい(例えば、縫い付けることによる)。一方、互いに独立を保ち、内側や外側の管状布層に取り付けてもよい。
前記プロテーゼの硬さは、所望の性能を提供するよう選択したり構成したりする。
したがって、前記遠位端は、比較的硬くてもよい。これにより、血管などの器官の壁のなかの開口を開いた状態に維持する。これは、前記プロテーゼが横断して通り抜ける。これは、それ自身のなかで前記穴を閉じようとする血管壁の力に抵抗することによる。
前記近位領域は、それほど硬くない。そして、装着された血管の血管湾曲の増加に適応できる。
【0058】
このなかで開示された前記装置及び方法は、そのままの状態で他の処置のために使用してもよい。あるいは、必要に応じて改変して、特定の処置に適合させてもよい。
本開示の原理を適用し得る多くの可能な実施形態を考慮すると、認識されるべきことは、例示された実施形態が、本開示の好ましい例に過ぎず、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではないことである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3A-3B】
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図5A-5B】
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図5K
図5L-5M】
図3A
図3B
図5A
図5B
図5L
図5M