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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】細菌組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/74 20150101AFI20230323BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20230323BHJP
   A61K 35/747 20150101ALI20230323BHJP
   A61K 35/745 20150101ALI20230323BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230323BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20230323BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
A61K35/74 A
A61K47/38
A61K35/747
A61K35/745
A61K47/26
A61K9/48
A61P43/00 121
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021087322
(22)【出願日】2021-05-25
(62)【分割の表示】P 2017535344の分割
【原出願日】2016-01-04
(65)【公開番号】P2021130683
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2021-06-23
(31)【優先権主張番号】62/099,410
(32)【優先日】2015-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500472280
【氏名又は名称】メラルーカ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ナヤック シュベンドゥ
【審査官】伊藤 基章
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/140621(WO,A1)
【文献】特表2005-528324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/74
A61K 9/00
A61K 47/00
A23L 33/135
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ビフィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)、フルクトオリゴ糖、および微結晶性セルロース(MCC)112を含む、細菌組成物であって、
哺乳動物への経口投与後に該哺乳動物の腸内に該ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・パラカゼイ、およびビフィドバクテリウム・ラクティスを放出する、該組成物。
【請求項2】
組成物1グラムごとに、約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・アシドフィルスを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
組成物1グラムごとに、約5×109個のコロニー形成単位~約60×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・プランタルムを含む、請求項1または請求項2記載の組成物。
【請求項4】
組成物1グラムごとに、約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・カゼイを含む、請求項1~3のいずれか一項記載の組成物。
【請求項5】
組成物1グラムごとに、約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・ラムノサスを含む、請求項1~4のいずれか一項記載の組成物。
【請求項6】
組成物1グラムごとに、少なくとも約1×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・パラカゼイを含む、請求項1~5のいずれか一項記載の組成物。
【請求項7】
組成物1グラムごとに、約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のビフィドバクテリウム・ラクティスを含む、請求項1~6のいずれか一項記載の組成物。
【請求項8】
組成物1グラムごとに、約0.5 mg~約50 mgのフルクトオリゴ糖を含む、請求項1~7のいずれか一項記載の組成物。
【請求項9】
二酸化ケイ素を含む、請求項1~8のいずれか一項記載の組成物。
【請求項10】
組成物1グラムごとに、約5 mg~約20 mgの二酸化ケイ素を含む、請求項1~9のいずれか一項記載の組成物。
【請求項11】
ステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1~10のいずれか一項記載の組成物。
【請求項12】
組成物1グラムごとに、約10 mg~約20 mgのステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1~11のいずれか一項記載の組成物。
【請求項13】
組成物1グラムごとに、8×109 CFU超の細菌を含む、請求項1~12のいずれか一項記載の組成物。
【請求項14】
組成物1グラムごとに、10×109 CFU超の細菌を含む、請求項1~12のいずれか一項記載の組成物。
【請求項15】
組成物1グラムごとに、15×109 CFU超の細菌を含む、請求項1~12のいずれか一項記載の組成物。
【請求項16】
組成物1グラムごとに、該組成物の10×109 CFU超の細菌が、室温および環境湿度で約12ヶ月の保管後に生存可能である、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・パラカゼイ、およびビフィドバクテリウム・ラクティスが、凍結乾燥されている、請求項1~16のいずれか一項記載の組成物。
【請求項18】
哺乳動物がヒトである、請求項1~17のいずれか一項記載の組成物。
【請求項19】
哺乳動物への経口投与後に組成物が該哺乳動物の腸に達するまで、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・パラカゼイ、およびビフィドバクテリウム・ラクティスの放出を防止するコーティングを含む、請求項1~18のいずれか一項記載の組成物。
【請求項20】
ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・パラカゼイ、およびビフィドバクテリウム・ラクティスを収容するカプセルを含む、請求項1~19のいずれか一項記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年1月2日付で出願され「細菌組成物」と題された同時係属中の米国仮特許出願第62/099,410号に対する優先権を主張するものであり、これは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
1. 技術分野
本文書は、細菌組成物の分野に関する。例えば、本文書は、細菌の安定性を維持するように配合された異なる細菌株の組み合わせを有する細菌組成物を提供する。
【背景技術】
【0003】
2. 背景情報
プロバイオティック配合物の形態の特定の微生物を摂取することは、哺乳動物に健康上の利益をもたらすことができる。ヒトの消化器系には数百種類の異なる細菌株が存在する。これらの異なる細菌のいくつかは健常な消化管を維持し、食物を消化するのに役立つと考えられている。
【0004】
残念なことに、プロバイオティック菌株は非常に感受性であり、熱、湿気、胆汁、低pHおよび消化酵素に曝される商業生産、保管、または摂取後の消化管通過に耐えられない菌株もある。その結果、細菌が腸に到達する前に、プロバイオティック菌株数の望ましくない低減が起こる。
【発明の概要】
【0005】
概要
本文書は、細菌組成物を提供する。例えば、本文書は、細菌の安定性を維持するように配合された異なる細菌株の組み合わせを有する細菌組成物を提供する。例えば、本明細書において提供される方法および材料を用いて、有効かつ生菌用量のプロバイオティックスを送達し、貯蔵寿命保管中のプロバイオティックスを保護し、および胃腸生物学的利用能を達成しうる。
【0006】
本明細書において記述されるように、少なくとも7種の異なる菌株、ある形態のシリカ(例えば、シリカ粉末)、フルクトオリゴ糖、ステアリン酸マグネシウム、および低水分増量剤(例えば、MCC 112のような微結晶性セルロース)を含むように単一の細菌組成物(例えば、カプセルまたは錠剤またはサッシェ剤)を配合して、組成物内の細菌の安定性を維持するのに役立つように、および経口投与後に細菌を腸に送達するように0.3未満の水分活性(Aw)を有する最終組成物を提供することができる。例えば、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)およびビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)の各々の少なくとも約1×109コロニー形成単位(CFU)をシリカ、フルクトオリゴ糖、ステアリン酸マグネシウム、および低水分含量を有する増量剤とともに配合して、標準的な保管条件(例えば、常湿下の室温)の下で、少なくとも約12ヶ月間、少なくとも約18ヶ月間、または少なくとも約24ヶ月間、細菌の少なくとも約80パーセントの生存性を維持する、0.3未満のAwを有する組成物を形成することができる。
【0007】
本明細書において用いられる場合、組成物中の重量%をいうのに用いられる「約」という用語は、報告された重量%の±10%を意味する。本明細書において用いられる場合、組成物の測定された特徴をいうのに用いられる「約」という用語は、報告された値の±20%を意味する。
【0008】
本明細書において提供される細菌組成物をコーティング剤でコーティングし、および/またはカプセル化して、吸湿を最小限に抑えもしくは防ぎ、最終混合物の水分活性を最小限に抑えることができる。
【0009】
全体として、本文書の1つの局面は、細菌ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムを含む細菌組成物であって、哺乳動物への経口投与後に哺乳動物の腸内にラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムを放出し、かつ0.3未満の水分活性を有する該組成物を特徴とする。組成物1グラムごとに、組成物は、約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・アシドフィルスを含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物は、約5×109個のコロニー形成単位~約60×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・プランタルムを含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物は、約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・カゼイを含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物は、約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・ラムノサスを含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物は、約2×109個のコロニー形成単位~約40×109個のコロニー形成単位のビフィドバクテリウム・ロンガムを含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物は、約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のビフィドバクテリウム・ラクティスを含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物は、約2×109個のコロニー形成単位~約40×109個のコロニー形成単位のビフィドバクテリウム・ビフィダムを含むことができる。組成物は、フルクトオリゴ糖を含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物は、約0.5 mg~約50 mgのフルクトオリゴ糖を含むことができる。組成物は、二酸化ケイ素を含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物は、約5 mg~約20 mgの二酸化ケイ素を含むことができる。組成物は、ステアリン酸マグネシウムを含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物は、約10 mg~約20 mgのステアリン酸マグネシウムを含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物は、8×109 CFU超の細菌を含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物は、10×109 CFU超の細菌を含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物は、15×109 CFU超の細菌を含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物の10×109 CFU超の細菌が、室温および環境湿度で約12ヶ月の保管後に生存可能である。組成物1グラムごとに、組成物の10×109 CFU超の細菌が、室温および環境湿度で約12ヶ月の保管後に生存可能である。ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムは、凍結乾燥することができる。哺乳動物はヒトであることができる。細菌組成物は、哺乳動物への経口投与後に組成物が哺乳動物の腸に達するまで、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムの放出を防止するコーティングを含むことができる。細菌組成物は、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムを収容するカプセルを含むことができる。組成物は、微結晶性セルロースを含むことができる。
【0010】
別の局面において、本文書は、細菌組成物を作製するための方法を特徴とする。本方法は、(a) 凍結乾燥細菌を二酸化ケイ素でコーティングして、コーティングされた凍結乾燥細菌を形成する段階、(b) コーティングされた凍結乾燥細菌に0.2未満の水分活性を有するMCCおよびフルクトオリゴ糖を添加して、第1の混合物を形成する段階、(c) 第1の混合物にステアリン酸マグネシウムおよび二酸化ケイ素を添加して、ブレンドを形成する段階、ならびに(d) ブレンドを剤形へとカプセル化し、それによって細菌組成物を形成する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。凍結乾燥細菌は、凍結乾燥されたラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムの混合物であることができる。組成物1グラムごとに、組成物は、(a) 約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・アシドフィルス; (b) 約5×109個のコロニー形成単位~約60×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・プランタルム; (c) 約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・カゼイ; (d) 約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・ラムノサス; (e) 約2×109個のコロニー形成単位~約40×109個のコロニー形成単位のビフィドバクテリウム・ロンガム; (f) 約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のビフィドバクテリウム・ラクティス; および(g) 約2×109個のコロニー形成単位~約40×109個のコロニー形成単位のビフィドバクテリウム・ビフィダムを含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物は、約0.5 mg~約5.0 mgのフルクトオリゴ糖を含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物は、約5.0 mg~約20.0 mgの二酸化ケイ素を含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物は、15×109 CFU超の細菌を含むことができる。組成物1グラムごとに、組成物の10×109 CFU超の細菌が、室温および環境湿度で約12ヶ月の保管後に生存可能である。剤形はカプセルであることができる。
【0011】
特に定義されない限り、本明細書において用いられる全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本発明を実践するために本明細書において記述されたものと類似または等価な方法および材料を用いることができるが、適当な方法および材料を以下に記述する。本明細書において言及される全ての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、参照によりその全体が組み入れられる。矛盾する場合、定義を含めて、本明細書が統制する。さらに、材料、方法、および実施例は、例示的なものにすぎず、限定することを意図するものではない。
【0012】
[本発明1001]
ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)およびビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)を含む細菌組成物であって、哺乳動物への経口投与後に該哺乳動物の腸内に該ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムを放出し、かつ0.3未満の水分活性を有する、該組成物。
[本発明1002]
組成物1グラムごとに、約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・アシドフィルスを含む、本発明1001の組成物。
[本発明1003]
組成物1グラムごとに、約5×109個のコロニー形成単位~約60×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・プランタルムを含む、本発明1001または本発明1002の組成物。
[本発明1004]
組成物1グラムごとに、約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・カゼイを含む、本発明1001~1003のいずれかの組成物。
[本発明1005]
組成物1グラムごとに、約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・ラムノサスを含む、本発明1001~1004のいずれかの組成物。
[本発明1006]
組成物1グラムごとに、約2×109個のコロニー形成単位~約40×109個のコロニー形成単位のビフィドバクテリウム・ロンガムを含む、本発明1001~1005のいずれかの組成物。
[本発明1007]
組成物1グラムごとに、約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のビフィドバクテリウム・ラクティスを含む、本発明1001~1006のいずれかの組成物。
[本発明1008]
組成物1グラムごとに、約2×109個のコロニー形成単位~約40×109個のコロニー形成単位のビフィドバクテリウム・ビフィダムを含む、本発明1001~1007のいずれかの組成物。
[本発明1009]
フルクトオリゴ糖を含む、本発明1001~1008のいずれかの組成物。
[本発明1010]
組成物1グラムごとに、約0.5 mg~約50 mgのフルクトオリゴ糖を含む、本発明1001~1009のいずれかの組成物。
[本発明1011]
二酸化ケイ素を含む、本発明1001~1010のいずれかの組成物。
[本発明1012]
組成物1グラムごとに、約5 mg~約20 mgの二酸化ケイ素を含む、本発明1001~1011のいずれかの組成物。
[本発明1013]
ステアリン酸マグネシウムを含む、本発明1001~1012のいずれかの組成物。
[本発明1014]
組成物1グラムごとに、約10 mg~約20 mgのステアリン酸マグネシウムを含む、本発明1001~1013のいずれかの組成物。
[本発明1015]
組成物1グラムごとに、8×109 CFU超の細菌を含む、本発明1001~1014のいずれかの組成物。
[本発明1016]
組成物1グラムごとに、10×109 CFU超の細菌を含む、本発明1001~1014のいずれかの組成物。
[本発明1017]
組成物1グラムごとに、15×109 CFU超の細菌を含む、本発明1001~1014のいずれかの組成物。
[本発明1018]
組成物1グラムごとに、該組成物の10×109 CFU超の細菌が、室温および環境湿度で約12ヶ月の保管後に生存可能である、本発明1017の組成物。
[本発明1019]
組成物1グラムごとに、該組成物の10×109 CFU超の細菌が、室温および環境湿度で約12ヶ月の保管後に生存可能である、本発明1017の組成物。
[本発明1020]
ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムが、凍結乾燥されている、本発明1001~1019のいずれかの組成物。
[本発明1021]
哺乳動物がヒトである、本発明1001~1020のいずれかの組成物。
[本発明1022]
哺乳動物への経口投与後に組成物が該哺乳動物の腸に達するまで、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムの放出を防止するコーティングを含む、本発明1001~1021のいずれかの組成物。
[本発明1023]
ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムを収容するカプセルを含む、本発明1001~1022のいずれかの組成物。
[本発明1024]
微結晶性セルロースを含む、本発明1001~1023のいずれかの組成物。
[本発明1025]
(a) 凍結乾燥細菌を二酸化ケイ素でコーティングして、コーティングされた凍結乾燥細菌を形成する段階、
(b) 該コーティングされた凍結乾燥細菌に0.2未満の水分活性を有するMCCおよびフルクトオリゴ糖を添加して、第1の混合物を形成する段階、
(c) 該第1の混合物にステアリン酸マグネシウムおよび二酸化ケイ素を添加して、ブレンドを形成する段階、ならびに
(d) 該ブレンドを剤形へとカプセル化し、それによって細菌組成物を形成する段階
を含む、細菌組成物を作製するための方法。
[本発明1026]
凍結乾燥細菌が、凍結乾燥されたラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムの混合物である、本発明1025の方法。
[本発明1027]
組成物1グラムごとに、該組成物が、
(a) 約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・アシドフィルス;
(b) 約5×109個のコロニー形成単位~約60×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・プランタルム;
(c) 約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・カゼイ;
(d) 約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のラクトバチルス・ラムノサス;
(e) 約2×109個のコロニー形成単位~約40×109個のコロニー形成単位のビフィドバクテリウム・ロンガム;
(f) 約4×109個のコロニー形成単位~約50×109個のコロニー形成単位のビフィドバクテリウム・ラクティス; および
(g) 約2×109個のコロニー形成単位~約40×109個のコロニー形成単位のビフィドバクテリウム・ビフィダム
を含む、本発明1025または本発明1026の方法。
[本発明1028]
組成物1グラムごとに、該組成物が、約0.5 mg~約5.0 mgのフルクトオリゴ糖を含む、本発明1025~1027のいずれかの方法。
[本発明1029]
組成物1グラムごとに、該組成物が、約5.0 mg~約20.0 mgの二酸化ケイ素を含む、本発明1025~1028のいずれかの方法。
[本発明1030]
組成物1グラムごとに、該組成物が、15×109 CFU超の細菌を含む、本発明1025~1029のいずれかの方法。
[本発明1031]
組成物1グラムごとに、該組成物の10×109 CFU超の細菌が、室温および環境湿度で約12ヶ月の保管後に生存可能である、本発明1025~1030のいずれかの方法。
[本発明1032]
剤形がカプセルである、本発明1025~1031のいずれかの方法。
本発明の1つまたは複数の態様の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。本発明の他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
本文書は、細菌組成物を提供する。例えば、本文書は、細菌の安定性を維持するように配合された異なる細菌株の組み合わせ(例えば、少なくとも6、7、8、9または10種の異なる細菌株の組み合わせ)を有する細菌組成物を提供する。本明細書において提供される細菌組成物は、粉末、カプセル、丸剤、錠剤、チューインガム、トローチ剤、キャンディーまたはサッシェ剤の形態であることができる。場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、吸湿を防止し、最終ブレンドの水分活性を最小化し良好な長期安定性を有する配合物を提供するように設計されたコーティングを含むことができる。
【0014】
例えば、メタクリレートコーティング、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートコーティング、セルロースアセテートスクシネートコーティング、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートコーティング、ポリビニルアセテートフタレートコーティング、またはセルロースアセテートトリメリテートナトリウムアルギネートコーティングを用いて、胃を通り越して細菌組成物の細菌内容物を送達することができる。そのようなコーティングは、他所(例えば米国特許出願公開第2014/370091号、中国特許第CN103976975号、および台湾特許第TW201431561号)に記述されているように作製および適用することができる。
【0015】
場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、少なくとも6種(例えば、少なくとも7、8、9または10種)の異なる細菌株の任意の組み合わせを含むことができる。本明細書において提供される細菌組成物に配合できる異なる細菌株の例としては、非限定的に、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・ジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、ビフィドバクテリウム・ブレベ(Bifidobacterium breve)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)およびストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)が挙げられる。場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、サッカロマイセス・ボウラディ(Saccharomyces boulardii)のような1つまたは複数の細菌種を含むことができる。場合によっては、特定の細菌組成物内に存在する唯一の細菌株は、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダム、またはラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムから選択される6種の任意の組み合わせであることができる。
【0016】
特に断りのない限り、本出願における全ての細菌量は、組成物を基準に全細菌組成物1グラムあたりで提供される。場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、細菌組成物に含まれる異なる細菌株をそれぞれ少なくとも約1×109 CFU含むことができる。場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、全種の約1×108~約1×1011個の細菌(例えば、全種の約1×109~約4×1010個の細菌)を含むことができる。例えば、本明細書において提供される細菌組成物は約1×107 CFU~約3×109 CFUのラクトバチルス・アシドフィルス、約1×107 CFU~約4×109 CFUのラクトバチルス・プランタルム、約1×107 CFU~約3×109 CFUのラクトバチルス・カゼイ、約1×107 CFU~約3.2×109 CFUのラクトバチルス・ラムノサス、約1×107 CFU~約1.6×109 CFUのビフィドバクテリウム・ロンガム、約1×107 CFU~約3.6×109 CFUのビフィドバクテリウム・ラクティス、および約1×107 CFU~約1.6×109 CFUのビフィドバクテリウム・ビフィダムを含むことができる。
【0017】
任意の適切な方法を用いて、本明細書において提供される細菌組成物内に含まれる細菌株を得ることができる。例えば、培養技法を用いて、大量の特定の細菌株を得ることができる。場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物内に含まれる細菌株は、商業的に入手することができる。例えば、ラクトバチルス・アシドフィルスはDupont Inc. (Madison, WI; カタログ番号LA-14 200B)から商業的に入手することができ; ラクトバチルス・プランタルムはDupont Inc. (Madison, WI; カタログ番号LP-115 400B)から商業的に入手することができ; ラクトバチルス・カゼイはDupont Inc. (Madison, WI; カタログ番号LC-11 300B)から商業的に入手することができ、ラクトバチルス・ラムノサスはDupont Inc. (Madison, WI; カタログ番号LR-32 200B)から商業的に入手することができ、ビフィドバクテリウム・ロンガムはDupont Inc. (Madison, WI; カタログ番号BL-05 100B)から商業的に入手することができ、ビフィドバクテリウム・ラクティスはDupont Inc. (Madison, WI; カタログ番号BL-04 450B)から商業的に入手することができ、およびビフィドバクテリウム・ビフィダムはDupont Inc. (Madison, WI; カタログ番号BB-06 100B)から商業的に入手することができる。
【0018】
本明細書において提供される細菌組成物は、1つまたは複数の他の成分を含むことができる。例えば、本明細書において提供される細菌組成物は、フルクトオリゴ糖を含むことができる。場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、細菌組成物あたり約0.5 mg~約50 mg (例えば、約1 mg~約50 mg、約5 mg~約50 mg、約10 mg~約50 mg、約0.5 mg~約25 mg、約0.5 mg~約20 mg、約0.5 mg~約15 mg、約0.5 mg~約10 mgまたは約5 mg~約20 mg)のフルクトオリゴ糖を含むことができる。例えば、本明細書において提供される細菌組成物は、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムならびに約5 mg~約20 mgのフルクトオリゴ糖を含むことができる。
【0019】
場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、細菌組成物1グラムごとに約1 mg~約50 mg (例えば、約1 mg~約20 mg、約2 mg~約20 mg、または約2 mg~約10 mg)のフルクトオリゴ糖を含むことができる。例えば、2グラムの重さがある本明細書において提供される細菌組成物は、約10 mg~約100 mgのフルクトオリゴ糖を含むことができる。
【0020】
任意の適切な方法を用いて、本明細書において提供される細菌組成物に含めることができるフルクトオリゴ糖を得ることができる。例えば、フルクトオリゴ糖は、イヌリン分解プロセスによって、または他所(米国特許出願公開第2005/069627号)に記述されているようにトランスフルクトシル化プロセスによって得ることができる。場合によっては、フルクトオリゴ糖は、Agaviotica Inc. (Monterrey, NL (Mexico); カタログ番号Fructagave PR-95)から商業的に入手することができる。
【0021】
場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、流動促進剤(例えば、シリカ)を含むことができる。本明細書において提供される細菌組成物に含めることができる流動促進剤の例としては、非限定的に、シリカ、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、二ヘプタン酸グリセリル(glyceryl behapate) (コンプリトール)、流動パラフィン、AEROSIL(登録商標) (コロイド状二酸化ケイ素)、デンプンおよびタルク、DL-ロイシン、ならびにラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。例えば、本明細書において提供される細菌組成物は、細菌組成物あたり約2.00 mg~約5.00 mg (例えば、約0.005 mg~約010 mg、約0.01 mg~約0.02 mgまたは約0.25 mg~約0.50 mg)の流動促進剤(例えば、シリカ)を含むことができる。例えば、本明細書において提供される細菌組成物は、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムならびに約0.005 mg~約0.02 mgのシリカを含むことができる。
【0022】
場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、細菌組成物1グラムごとに約2.0 mg~約5.0 mgの流動促進剤(例えば、シリカ)を含むことができる。例えば、2グラムの重さがある本明細書において提供される細菌組成物は、約4.0 mg~約10.0 mgの流動促進剤(例えば、シリカ)を含むことができる。
【0023】
任意の適切な方法を用いて、本明細書において提供される細菌組成物に含めることができる流動促進剤(例えば、シリカ)を得ることができる。例えば、シリカは、他所(米国特許出願公開第2006/153764号)に記述されているように得ることができる。場合によっては、シリカはGrace Davison Inc. (Baltimore, MD; カタログ番号Syloid 244)から商業的に入手することができる。
【0024】
場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、0.2未満のAwを有する増量剤を含むことができる。そのような増量剤の例としては、非限定的に、微結晶性セルロース(MCC 112)、米マルトデキストリン、無水ラクトース、マンニトール、微結晶性セルロース(MCC 302)、微結晶性セルロース(MCC 200 LM)、微結晶性セルロース(MCC 101)、デンプン、キシリトール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxyl propyl cellulose)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、およびリン酸水素カルシウムが挙げられる。場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、細菌組成物あたり0.2未満のAwを有する増量剤(例えば、MCC 112)約300 mg~約700 mgを含むことができる。例えば、本明細書において提供される細菌組成物は、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムならびに0.2未満のAwを有する増量剤(例えば、MCC 112)約300 mg~約700 mgを含むことができる。場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、細菌組成物1グラムごとに0.2未満のAwを有する増量剤(例えば、MCC 112)約300 mg~約700 mgを含むことができる。例えば、2グラムの重さがある本明細書において提供される細菌組成物は、0.2未満のAwを有する増量剤(例えば、MCC 112)約600 mg~約1400 mgを含むことができる。結果として、最終組成物は0.3未満のAwを有することができる。
【0025】
任意の適切な方法を用いて、本明細書において提供される細菌組成物で用いるための、0.2未満のAwを有する増量剤を得ることができる。例えば、0.2未満のAwを有する増量剤は、他所(2014年10月30日付で公開された米国特許出願公開第US20140322282号)に記述されているように得ることができる。場合によっては、0.2未満のAwを有する増量剤は、Mingtai chemical Co Ltd.,Taiwan, カタログ番号M112 Dから商業的に入手することができる。
【0026】
場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、ステアリン酸マグネシウムを含むことができる。例えば、本明細書において提供される細菌組成物は、細菌組成物あたり約10 mg~約20 mgのステアリン酸マグネシウムを含むことができる。例えば、本明細書において提供される細菌組成物は、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムならびに約10 mg~約20 mgのステアリン酸マグネシウムを含むことができる。
【0027】
場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、細菌組成物1グラムごとに約10 mg~約20 mgのステアリン酸マグネシウムを含むことができる。例えば、2グラムの重さがある本明細書において提供される細菌組成物は、約20 mg~約40 mgのステアリン酸マグネシウムを含むことができる。
【0028】
任意の適切な方法を用いて、本明細書において提供される細菌組成物に含めることができるステアリン酸マグネシウムを得ることができる。例えば、ステアリン酸マグネシウムは、他所(例えば、2014年6月25日付の中国特許第CN103880645号; 2014年1月22日付の中国特許第CN103524324号および2013年7月10日付の中国特許第CN10319361号)に記述されているように得ることができる。場合によっては、ステアリン酸マグネシウムは、Peter Greven Asia, Malaysia; カタログ番号Palmstar MGST 200から商業的に入手することができる。本明細書において提供される細菌組成物(例えば、カプセルまたは錠剤)は、特定の用量を有するように配合することができる。例えば、本明細書において提供される細菌組成物は、約150 mg~約800 mg (例えば、約200 mg~約800 mg、約300 mg~約800 mg、約350 mg~約800 mg、約150 mg~約700 mg、約150 mg~約650 mgまたは約350 mg~約700 mg)である総重量を有するカプセルまたは錠剤の形態であることができる。
【0029】
本明細書において記述されるように、単一の細菌組成物(例えば、カプセルまたは錠剤)は、組成物内の細菌の安定性を維持するのに役立つように、少なくとも6種の異なる細菌株および0.2未満のAwを有する増量剤(例えば、MCC 112)を含むように配合することができる。場合によっては、本明細書において提供される単一の細菌組成物は、経口投与後に哺乳動物の腸に内容物を送達する能力を有する、コーティングでコーティングされるか、またはカプセルに入れられてもよい。例えば、本明細書において提供される細菌組成物は、組成物が約6.8を超えるpHを有する腸の位置に到達したときにその内容物を放出するように設計することができる。場合によっては、少なくとも7種の異なる細菌株および0.2未満のAwを有する増量剤(例えば、MCC 112)を含む細菌組成物は、フルクトオリゴ糖、ステアリン酸マグネシウムおよび/またはシリカを含むことができる。場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物の細菌株は、生存細菌を含む乾燥粉末を形成するように凍結乾燥することができる。場合によっては、単一の細菌組成物(例えば、カプセルまたは錠剤またはサッシェ剤)は、少なくとも7種の異なる凍結乾燥細菌株、0.2未満のAwを有する増量剤(例えば、MCC 112)、フルクトオリゴ糖、ステアリン酸マグネシウムおよびシリカを含むように配合することができる。
【0030】
場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、標準的な保管条件(例えば、常湿下の室温)の下で、少なくとも12ヶ月(例えば、少なくとも40、50、60、70、80もしくは90日または少なくとも3、6、9もしくは12ヶ月)間、細菌の少なくとも約80パーセント(例えば少なくとも約90、95または99パーセント)の生存性を維持することができる。場合によっては、本明細書において提供される細菌組成物は、少なくとも18ヶ月間または少なくとも24ヶ月間、細菌の少なくとも約80パーセントの生存性を維持することができる。
【0031】
本明細書において提供される細菌組成物は、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与することができる。場合によっては、単位時間あたり(例えば、1日あたり、1週あたりまたは1ヶ月あたり)、本明細書において提供されるいくつか(例えば、1、2、3、4、5つまたはそれ以上)の細菌組成物(例えば、カプセルまたは錠剤またはサッシェ剤)を自己投与するように、ヒトに指示することができる。例えば、1日あたり1つまたは2つの本明細書において提供される細菌組成物(例えば実施例1のカプセル)を自己投与するように、ヒトに指示することができる。
【0032】
本発明を、特許請求の範囲において記述された本発明の範囲を限定するものではない、以下の実施例においてさらに記述する。
【実施例
【0033】
実施例1 - 細菌組成物の安定性
2つの細菌組成物を以下のように作製した(プロトタイプ試験1およびプロトタイプ試験2)。最終配合物を下記のようにさまざまなボトルに保管した:
(i) MCC 101およびMCC 112をプロトタイプ試験で希釈剤として用いた。
(ii) PETボトル、HDPEボトル、および密閉されたアルミホイルパケットを最終カプセルの保管に用いた。
【0034】
プロトタイプ試験1:
上記ブレンド270 mgを単一のカプセルに充填した。
ブレンド270 mgの効力 = 24/1000270 = 64.8億CFU/カプセル
【0035】
プロトタイプ試験2:
上記ブレンド270 mgを単一のカプセルに充填した。
ブレンド270 mgの効力 = 24/1000270 = 64.8億CFU/カプセル
【0036】
プロトタイプ試験3を以下のように行う。
上記ブレンド270 mgを用いて単一のカプセルを充填する。
ブレンド270 mgの効力 = 24/1000270 = 64.8億CFU/カプセル
【0037】
作製後、2種の細菌組成物を安定性について試験した(表1)。
【0038】
(表1)プロバイオティック数(CFU/カプセル)および水分活性
【0039】
これらの結果は、少なくとも2種の菌株を有する細菌組成物中に微結晶性セルロースを用いるとMCC 112がMCC 101に対して安定性を改善させたこと、および高密度ポリエチレン(HDPE)ボトルまたはアルミホイルパケットを用いるとPETボトルを用いるよりも安定性が改善されたことを実証するものである。
【0040】
実施例2 - 細菌組成物の安定性
細菌組成物を以下のように作製した。
上記ブレンド400 mgを単一のDRカプセルに充填した。
ブレンド400 mgの効力は200億CFU/カプセルであった。
【0041】
作製後、細菌組成物を安定性について試験した(表2)。
【0042】
(表2)プロバイオティック数(CFU/カプセル)および水分活性
【0043】
これらの結果は、微結晶性セルロースMCC 112および高密度ポリエチレン(HDPE)ボトルを用いると7種の細菌株を有する細菌組成物において安定性が維持されることを確認するものである。
【0044】
実施例3 - 細菌組成物
細菌組成物を以下のように調製した(表3)。手短に言えば、さまざまなCFUのラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムそれぞれの凍結乾燥細菌ならびに二酸化ケイ素(シリカ; 2 mg)を2分間ブレンドして、乾燥細菌を均一にコーティングした。シリカは水分を吸着し、凍結乾燥細菌を最小の水分活性で湿らないよう保ち、最終配合物の安定性を向上させることができる。MCC 112 (0.2未満のAwを有する微結晶性セルロース(700 mg))およびフルクトオリゴ糖(50 mg)を次いで添加し、混合物をさらに20分間ブレンドした。ブレンドした後に、さらなるシリカ(3 mg)を流動促進剤としておよびステアリン酸マグネシウム(15 mg)を滑沢剤として添加し、混合物をさらに3分間ブレンドした。最終混合物をカプセル(例えば、DRカプセル)に挿入した。DRカプセルは、胃の低pH環境から感受性成分を保護するのに役立ちうるヒプロメロース(HPMC)配合物で作られたベジタリアンカプセルである。早期崩壊を防ぐことによって、崩壊は一般に、約5分の典型的な即時放出カプセルよりもおよそ45分後に開始し、成分はアルカリ性pHにおいて腸内に放出される。
【0045】
(表3)細菌組成物
【0046】
他の態様
本発明を、その詳細な説明とともに記述してきたが、前述の記述は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例示するものであって、本発明の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。他の局面、利点および変更は、添付の特許請求の範囲の範囲内である。