(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】ゲーム装置、プログラム及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/70 20140101AFI20230323BHJP
A63F 13/49 20140101ALI20230323BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20230323BHJP
【FI】
A63F13/70
A63F13/49
A63F13/792
(21)【出願番号】P 2021181386
(22)【出願日】2021-11-05
【審査請求日】2022-04-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小谷 英斗
(72)【発明者】
【氏名】中井 宏輔
(72)【発明者】
【氏名】礒邉 恭平
(72)【発明者】
【氏名】西村 悠紀
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-215706(JP,A)
【文献】特開2006-059178(JP,A)
【文献】特許第6116035(JP,B1)
【文献】特開2020-151032(JP,A)
【文献】特開2017-176753(JP,A)
【文献】リセット制限無し!カマエルさんのサーバーボックスガチャII!,リネージュ2レボリューション 公式コミュニティ [online],2020年06月30日,URL:<https://forum.netmarble.com/lin2jp/view/16/4558>,[令和4年6月27日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム装置であって、
ゲームのプレイ体験を提供する提供手段と、
各々異なる種別の物品を供給可能な複数の供給手段と、
前記複数の供給手段のそれぞれについて、物品を供給可能な状態にあるか否かを検出する検出手段と、
前記ゲーム装置の動作モードの設定を受け付ける設定手段と、
前記提供手段及び前記複数の供給手段の動作を、前記設定手段により設定された動作モードに応じて制御する制御手段と、
を備え、
前記動作モードは、前記複数の供給手段のうちの所定の1つの供給手段が物品を供給不可能になったことを条件として、前記ゲームのプレイ体験を提供不可能にする第1モード
と、前記複数の供給手段のうちのいずれかが物品を供給不可能になったことを条件として、前記ゲームのプレイ体験を提供不可能にする第2モードとを含むゲーム装置。
【請求項2】
前記動作モードは、プレイヤによる前記ゲーム装置の利用を許容しない第3モードをさらに含み、
前記設定手段は、前記第3モードで動作中に限り、前記第1モードの設定を受け付ける請求項
1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
ゲーム装置であって、
ゲームのプレイ体験を提供する提供手段と、
各々異なる種別の物品を供給可能な複数の供給手段と、
前記複数の供給手段のそれぞれについて、物品を供給可能な状態にあるか否かを検出する検出手段と、
前記ゲーム装置の動作モードの設定を受け付ける設定手段と、
前記提供手段及び前記複数の供給手段の動作を、前記設定手段により設定された動作モードに応じて制御する制御手段と、
を備え、
前記動作モードは、前記複数の供給手段のうちの所定の1つの供給手段が物品を供給不可能になったことを条件とし
て前記ゲームのプレイ体験を提供不可能にする第1モードと、プレイヤによる前記ゲーム装置の利用を許容しない第3モードとを含み、
前記設定手段は、前記第3モードで動作中に限り、前記第1モードの設定を受け付けるゲーム装置。
【請求項4】
前記第1モードにおいて、前記複数の供給手段のうちの前記所定の1つの供給手段を除く供給手段が物品を供給不可能であり、かつ、前記所定の1つの供給手段が物品を供給可能である場合には、前記ゲームのプレイ体験を提供可能とする請求項1
乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲームのプレイ体験の提供に係る代価の支払いを受け付ける受付手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1モードで動作中において、前記所定の1つの供給手段が物品を供給不可能になったことを条件として、前記代価の支払いを受け付け不可能な状態に前記受付手段を制御する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
1回の前記ゲーム装置の利用において、前記提供手段は、前記受付手段により更なる代価の支払いが受け付けられたことを条件として、複数回の前記ゲームのプレイ体験を提供可能であり、
前記制御手段は、前記第1モードで動作中において、前記所定の1つの供給手段が物品を供給不可能になった場合に、前記1回の前記ゲーム装置の利用において、以降の前記ゲームのプレイ体験を提供不可能に前記提供手段を制御する請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第1モードで動作中において、前記提供手段により前記ゲームのプレイ体験が提供されている間に前記所定の1つの供給手段が物品を供給不可能になった場合に、当該プレイ体験の提供終了後に前記提供手段を前記ゲームのプレイ体験を提供不可能な状態に制御する請求項5または6に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記複数の供給手段は、第1種別の物品を供給可能な第1供給手段と、前記第1種別の物品よりもレアリティの高い第2種別の物品を供給可能な第2供給手段と、を含み、
前記所定の1つの供給手段が、前記第1供給手段である請求項5乃至7のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記代価の支払いが受け付けられたことに応じて、前記第1供給手段及び前記第2供給手段のいずれかに物品を供給させることを決定するものであり、当該決定において、前記第2供給手段に前記第2種別の物品を供給させることを決定する確率よりも、前記第1供給手段に前記第1種別の物品を供給させることを決定する確率を高く制御する請求項8に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記複数の供給手段について、物品を供給不可能である旨を通知する通知手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1モードで動作中において、前記第2供給手段が前記第2種別の物品を供給不可能である旨を通知しないよう前記通知手段を制御する請求項8または9に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記第1供給手段及び前記第2供給手段は、前記ゲーム装置の利用が開始された後、前記ゲームのプレイ体験の提供前に物品を供給し、
前記複数の供給手段は、前記ゲームのプレイ体験の提供開始後に物品を供給するか否かが決定される第3供給手段であって、前記第1種別の物品及び前記第2種別の物品と異なる第3種別の物品を供給可能な第3供給手段をさらに含み、
前記制御手段は、
前記第3供給手段が前記第3種別の物品を供給不可能である場合に、前記第3種別の物品を供給不可能である旨を前記通知手段に通知させ、
当該通知に対する了承操作がなされたことを条件として、前記提供手段に前記ゲームのプレイ体験を提供させる
よう制御する請求項10に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記物品を供給不可能である旨の通知は、該当の物品の補充を要求する通知を含む請求項10または11に記載のゲーム装置。
【請求項13】
前記制御手段は、前記ゲーム装置の利用がなされている間に前記複数の供給手段のいずれかが物品を供給不可能になった場合に、当該利用の終了後に前記物品を供給不可能である旨を前記通知手段に通知させる請求項10乃至12のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項14】
前記複数の供給手段のうち、前記所定の1つの供給手段とする供給手段を変更する変更手段をさらに備える請求項1乃至7のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項15】
ゲーム装置であって、
ゲームのプレイ体験を提供する提供手段と、
各々異なる種別の物品を供給可能な複数の供給手段と、
前記複数の供給手段のそれぞれについて、物品を供給可能な状態にあるか否かを検出する検出手段と、
前記ゲーム装置の動作モードの設定を受け付ける設定手段と、
前記提供手段及び前記複数の供給手段の動作を、前記設定手段により設定された動作モードに応じて制御する制御手段と、
を備え、
前記動作モードは、前記複数の供給手段のうちの所定の1つの供給手段が物品を供給不可能になったことを条件として、前記ゲームのプレイ体験を提供不可能にする第1モードを含み、
前記ゲーム装置は、前記複数の供給手段のうち、前記所定の1つの供給手段とする供給手段を変更する変更手段をさらに備えるゲーム装置。
【請求項16】
各々異なる種別の物品を供給可能な複数の供給手段を備えるコンピュータに、
ゲームのプレイ体験を提供する提供処理と、
各々異なる種別の物品を供給可能な複数の供給処理と、
前記複数の供給手段のそれぞれについて、物品を供給可能な状態にあるか否かを検出する検出処理と、
前記コンピュータの動作モードの設定を受け付ける設定処理と、
前記提供処理の実行及び前記複数の供給手段の動作を、前記設定処理において設定された動作モードに応じて制御する制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記動作モードは、前記複数の供給手段のうちの所定の1つの供給手段が物品を供給不可能になったことを条件として、前記ゲームのプレイ体験を提供不可能にする第1モード
と、前記複数の供給手段のうちのいずれかが物品を供給不可能になったことを条件として、前記ゲームのプレイ体験を提供不可能にする第2モードとを含むプログラム。
【請求項17】
各々異なる種別の物品を供給可能な複数の供給手段を備えるコンピュータに、
ゲームのプレイ体験を提供する提供処理と、
各々異なる種別の物品を供給可能な複数の供給処理と、
前記複数の供給手段のそれぞれについて、物品を供給可能な状態にあるか否かを検出する検出処理と、
前記コンピュータの動作モードの設定を受け付ける設定処理と、
前記提供処理の実行及び前記複数の供給手段の動作を、前記設定処理において設定された動作モードに応じて制御する制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記動作モードは、前記複数の供給手段のうちの所定の1つの供給手段が物品を供給不可能になったことを条件とし
て前記ゲームのプレイ体験を提供不可能にする第1モードと、プレイヤによる前記コンピュータの利用を許容しない第3モードとを含
み、
前記第3モードで前記コンピュータが動作中に限り、前記設定処理において前記第1モードの設定が受け付けられるプログラム。
【請求項18】
各々異なる種別の物品を供給可能な複数の供給手段を備えるコンピュータに、
ゲームのプレイ体験を提供する提供処理と、
各々異なる種別の物品を供給可能な複数の供給処理と、
前記複数の供給手段のそれぞれについて、物品を供給可能な状態にあるか否かを検出する検出処理と、
前記コンピュータの動作モードの設定を受け付ける設定処理と、
前記提供処理の実行及び前記複数の供給手段の動作を、前記設定処理において設定された動作モードに応じて制御する制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記動作モードは、前記複数の供給手段のうちの所定の1つの供給手段が物品を供給不可能になったことを条件として、前記ゲームのプレイ体験を提供不可能にする第1モードを含み、
前記プログラムは、前記複数の供給手段のうち、前記所定の1つの供給手段とする供給手段を変更する変更処理をさらに前記コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項19】
複数種別の物品と、当該複数種別の物品を供給可能なゲーム装置とを含むゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
ゲームのプレイ体験を提供する提供手段と、
各々が前記複数種別の物品のうちの異なる種別の物品を供給可能な複数の供給手段と、
前記複数の供給手段のそれぞれについて、物品を供給可能な状態にあるか否かを検出する検出手段と、
前記ゲーム装置の動作モードの設定を受け付ける設定手段と、
前記提供手段及び前記複数の供給手段の動作を、前記設定手段により設定された動作モードに応じて制御する制御手段と、
を備え、
前記動作モードは、前記複数の供給手段のうちの所定の1つの供給手段が物品を供給不可能になったことを条件として、前記ゲームのプレイ体験を提供不可能にする第1モード
と、前記複数の供給手段のうちのいずれかが物品を供給不可能になったことを条件として、前記ゲームのプレイ体験を提供不可能にする第2モードとを含むゲームシステム。
【請求項20】
複数種別の物品と、当該複数種別の物品を供給可能なゲーム装置とを含むゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
ゲームのプレイ体験を提供する提供手段と、
各々が前記複数種別の物品のうちの異なる種別の物品を供給可能な複数の供給手段と、
前記複数の供給手段のそれぞれについて、物品を供給可能な状態にあるか否かを検出する検出手段と、
前記ゲーム装置の動作モードの設定を受け付ける設定手段と、
前記提供手段及び前記複数の供給手段の動作を、前記設定手段により設定された動作モードに応じて制御する制御手段と、
を備え、
前記動作モードは、前記複数の供給手段のうちの所定の1つの供給手段が物品を供給不可能になったことを条件とし
て前記ゲームのプレイ体験を提供不可能にする第1モードと、プレイヤによる前記ゲーム装置の利用を許容しない第3モードとを含
み、
前記設定手段は、前記第3モードで動作中に限り、前記第1モードの設定を受け付けるゲームシステム。
【請求項21】
複数種別の物品と、当該複数種別の物品を供給可能なゲーム装置とを含むゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
ゲームのプレイ体験を提供する提供手段と、
各々が前記複数種別の物品のうちの異なる種別の物品を供給可能な複数の供給手段と、
前記複数の供給手段のそれぞれについて、物品を供給可能な状態にあるか否かを検出する検出手段と、
前記ゲーム装置の動作モードの設定を受け付ける設定手段と、
前記提供手段及び前記複数の供給手段の動作を、前記設定手段により設定された動作モードに応じて制御する制御手段と、
を備え、
前記動作モードは、前記複数の供給手段のうちの所定の1つの供給手段が物品を供給不可能になったことを条件として、前記ゲームのプレイ体験を提供不可能にする第1モードを含み、
前記ゲーム装置は、前記複数の供給手段のうち、前記所定の1つの供給手段とする供給手段を変更する変更手段をさらに備えるゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、プログラム及びゲームシステムに関し、特に物品提供を伴う電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
景品の在庫状況を管理し、在庫数の偏りを軽減するように払出景品を制御する景品払出機能付きゲーム装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つのコンテンツについて複数種別の物品の供給を制御可能に構成されたゲーム装置では、例えば当該ゲーム装置を設置する店舗の従業者が物品を発注し、適宜補充する必要がある。一方で、例えば複数種別の物品がレアリティの異なる物品である場合に、このうちの一部の種別の物品のみの発注を可能とすると、パブリッシャが想定していない供給割合(各種別の物品が供給される確率)でゲーム装置を運用できてしまう、レアリティの高い物品(供給割合が低い物品)が不正に流通し得る、等の虞がある。このため、パブリッシャが設定した供給割合に則して複数種別の物品を封入したセット単位で、発注を認める運用がなされている。
【0005】
ところで、一般に、いずれかの種別の物品のストックがなくなった場合には、該当物品を供給する機能が動作しなくなるため、上述のようなゲーム装置を利用不可能な状態とすることが好ましい。しかしながら、種別ごとに異なる供給割合が設定されている場合、例えば従業者が発注タイミングの判断を誤ることがあり、一部のレアリティの物品が供給可能であるにもかかわらず、発注した物品セットが届くまでゲーム装置を利用不可能とする態様では、店舗の収益機会を奪う可能性であった。また特に、上述のようなセット単位での発注を認める運用では、レアリティの高い物品がなくなった時点でゲーム装置を利用不可能にしてしまうと、店舗側がレアリティの低い物品の在庫を抱えることになり得る。
【0006】
本発明は、好適な物品供給の運用を実現するゲーム装置、プログラム及びゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲーム装置は、ゲームのプレイ体験を提供する提供手段と、各々異なる種別の物品を供給可能な複数の供給手段と、複数の供給手段のそれぞれについて、物品を供給可能な状態にあるか否かを検出する検出手段と、ゲーム装置の動作モードの設定を受け付ける設定手段と、提供手段及び複数の供給手段の動作を、設定手段により設定された動作モードに応じて制御する制御手段と、を備え、動作モードは、複数の供給手段のうちの所定の1つの供給手段が物品を供給不可能になったことを条件として、ゲームのプレイ体験を提供不可能にする第1モードを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、好適な物品供給の運用を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の外観構成を例示した図
【
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の機能構成を例示したブロック図
【
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の動作モードを説明するための図
【
図4】本発明の実施形態1に係るゲーム装置100において実行される提供処理を例示したフローチャート
【
図5】本発明の実施形態2に係るゲーム装置100において実行される提供処理を例示したフローチャート
【
図6】本発明の実施形態3に係るゲーム装置100で提示される通知を例示した図
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態1]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、複数種別の物品を供給可能に構成されたゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、ゲームのプレイ体験の提供を含むサービスを提供し、複数種別の物品をプレイヤに供給することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0012】
《ゲームシステムの構成》
本実施形態に係るゲーム装置100は、
図1のような外観を有する。ゲーム装置100は、利用可能にある状態において代価の支払いを検出可能に構成されており、代価の支払いが検出された場合に、利用者(プレイヤ)に、少なくとも1つの物品の供給を含む、ゲームのプレイ体験のサービスを提供する。代価の支払いは、例えば投入口141への所定額の硬貨が投入されたことに応じて検出される。
【0013】
またゲーム装置100の外観には取り出し口142が設けられており、当該取り出し口142を介してプレイヤは内部に設けられた保持部143にアクセスすることが可能である。本実施形態のゲーム装置100は、利用される場合に複数種別の物品のいずれかを供給するよう構成される。保持部143は、後述するいずれかの供給部から供給された物品を、プレイヤが安全に取り出し可能なように保持する。
【0014】
またフロントパネル144は、開閉可能な扉であり、開状態とすることでゲーム装置100の筐体内部へのアクセスを可能ならしめるよう構成される。投入口141、取り出し口142や保持部143はフロントパネル144と一体となって構成されており、フロントパネル144を開状態とした際には、これらに干渉せず、ゲーム装置100の制御装置や基板等の操作が可能になる。フロントパネル144は、通常施錠状態で運用され、ゲーム装置100の設置店舗の従業者等に提供された専用鍵で開錠状態にされることで開閉可能となる。
【0015】
〈ゲーム装置の機能構成〉
図2は、本実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を示したブロック図である。
【0016】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各機能ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記憶装置102に記録されている各機能ブロックに係る動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各機能ブロックの動作を実現する。
【0017】
記憶装置102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記憶装置である。記憶装置102は、ゲーム装置100が有する各機能ブロックに係る動作プログラムに加え、各機能ブロックの動作において必要となるパラメータの情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータ等を記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0018】
支払検出部104は、ゲーム装置100において代価の支払いがなされたことを検出する。代価の支払いは、例えばゲーム装置100が有する投入口141に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決済処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置100は、サービス提供開始に係る代価の支払いに基づいて、ゲームのプレイ体験の提供を含むサービスの提供を開始するものとして説明する。
【0019】
供給制御部105は、ゲーム装置の利用に際してプレイヤへの物品供給を制御する。本実施形態では、ゲーム装置100は、プレイヤに供給する物品の種別を動的に制御することを可能ならしめるために、それぞれ異なる種別の物品を収容して供給可能な2種類の供給部(第1供給部110及び第2供給部120)を備える。供給制御部105は、いずれの供給部に物品を供給させるかをゲームの進行に応じて制御することにより、物品供給に係る興趣性を提供する。上述したように、供給制御部105により物品を供給するよう制御された供給部は、該当の物品を送出する。送出された物品は、プレイヤにより取り出し可能な態様で保持部143に保持される。
【0020】
これら供給部により供給される物品はいずれであってもよいが、1つの態様としてゲーム装置100でプレイ体験が提供されるゲームにおいて使用可能(情報取得させることによりゲームに登場させることが可能等)に構成されるものであってもよい。以下では、発明の理解を容易にすべく、第1供給部110と第2供給部120は、いずれも有体物であるカードを供給可能に構成されるものとして説明する。より詳しくは、第1供給部110は、本発明に係る第1種別の物品としての通常カードを供給可能であり、第2供給部120は、同第2種別の物品としてのレアカードを供給可能であるものとして説明する。即ち、ゲーム装置100の設置店舗等には、種別ごとの束に分離可能なカードセットが納品され、このうち、通常カードの束を第1供給部110に、レアカードの束を第2供給部120に補充するよう運用がなされる。
【0021】
ここで、第1供給部110と第2供給部120が供給可能なカードは、レアリティが異なるとの点で、種別が分離されている。レアリティとは、例えば、単純にゲーム装置100が利用された際の供給割合(各種別のカードが供給される確率)に基づいて定められるものであってよく、この場合、通常カードは供給割合が高いためにレアリティが低い物品に分類され、レアカードは供給割合が低いためにレアリティが高い物品に分類される。しかしながら、レアリティは、供給割合のみに基づいて定められるものに限られるものではなく、例えば当該物品を使用した場合にゲームの進行を有利にせしめる度合い(有利なほどレアリティが高い)や、当該物品の製造コスト(製造コストが高いほどレアリティが高い)等に応じて定められるものであってもよい。あるいは、これらの2つ以上に基づいて定められるものであってもよい。
【0022】
また、第1供給部110及び第2供給部120のそれぞれには、カードが収容されている状態であるか否か、即ち、供給部がカードを供給可能な状態にあるか否かを検出するセンサ(以下、収容センサとして言及)が設けられる。当該センサは、供給するカードが少なくとも1枚収容されている状態を検出できるものであればよいが、例えば収容されているカードの枚数を計数可能なものも含む。
【0023】
なお、本実施形態ではゲーム装置100は2種類の物品を供給可能に構成されるものとして説明するが、本発明の実施がこれに限られるものではなく、3以上の種類の物品を供給可能な態様においても適用可能であることは理解されよう。
【0024】
提示制御部106は、ゲーム装置100におけるプレイヤへの提示部130を介した各種情報提示の制御を司る。情報提示を実現する提示部130は、本実施形態では、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う、例えば液晶ディスプレイ等の視覚的情報提示が可能な表示装置であるものとして説明する。しかしながら、情報提示の手段はこれに限られるものではなく、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。提示部130は、例えば聴覚的情報提示を行うスピーカ等を含むものであってもよい。
【0025】
提示部130が表示装置である態様において、提示制御部106は、例えばGPU等の描画装置を含み、提示部130に表示させる画面を生成する所定の描画処理を行う。具体的には提示制御部106は、ゲーム装置100の起動中(サービス提供中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクト(グラフィックスデータ)に対して必要な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、提示部130に出力され、所定の表示領域中に表示されることでプレイヤに提示される。
【0026】
提示制御部106による提示部130への情報提示は、カード供給時の演出提示を含む。カード供給時の演出の詳細については後述するが、演出は、表示装置への画面/画像表示に限られるものではなく、音声出力や、照明装置や力覚提示装置等のゲーム装置100が備える不図示の他の演出提示装置による演出動作の少なくともいずれかを含むものであってもよい。
【0027】
操作入力部107は、例えば決定入力用の操作部材や各種センサ等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部107は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。なお、操作入力部107は、例えば提示部130の表示画面上になされたタッチ入力を検出するタッチ入力検出センサ等を含むものであってもよい。
【0028】
また本実施形態のゲーム装置100は、
図1に図示されない筐体内部に、ゲーム装置100の設置店舗の従業者等、サービス提供側の者により操作可能なディップスイッチ等の特殊スイッチを備える。操作入力部107は、特殊スイッチに対する操作入力がなされたことを検出すると、あるいは特殊スイッチの入力状態に応じて、対応する制御信号を制御部101に出力するよう構成される。即ち、操作入力部107は、所謂コントロールパネル上に配置された、サービス提供中にプレイヤが操作可能な操作部材に対する操作入力に限らず、サービス提供中にプレイヤが操作不可能な操作部材(特殊スイッチ)に対する操作入力を検出可能に構成される。
【0029】
《ゲーム装置の動作モード》
以下、本実施形態のゲーム装置100におけるカード供給に係る動作モードについて、その概要を説明する。
【0030】
本実施形態のゲーム装置100では、ゲーム装置100がサービス提供可能な状態において、代価の支払いが受け付けられたことに応じて、1枚のカードをプレイヤに供給するよう構成される。当該1枚のカードは、第1供給部110に収容された通常カード及び第2供給部120に収容されたレアカードのいずれかであり、いずれが供給されるかは供給制御部105によって決定される。具体的には制御部101は、支払検出部104により代価の支払いが検出された場合に、例えば抽選処理を実行し、供給制御部105はその抽選結果に基づいて第1供給部110と第2供給部120のいずれにカードの供給を行わせるかを決定及び供給制御を実行する。当該抽選処理は、上述したような通常カードとレアカードの供給割合に準拠した、即ち、設置店舗等に納品されるカードセットにおける通常カードとレアカードの配分比に準拠した当選確率に基づいて結果が確定するものであり、例えば抽選結果が当選であった場合に、供給制御部105は第2供給部120にレアカードを供給させることを決定する。より詳しくは、抽選処理は、第2供給部120にレアカードを供給させる確率よりも、第1供給部110に通常カードを供給させる確率の方が高くなるよう制御されている。
【0031】
ところで、このような抽選処理によるカード供給は、第1供給部110と第2供給部120の双方がカードを供給可能な状態であることにより、その実現が担保される。即ち、抽選結果がいずれであっても、その抽選結果に応じたカードを供給可能な状態は、第1供給部110と第2供給部120の双方がカードを収容している状態にあることで実現される。つまり、プレイヤに対する1回のカード供給機会に対し、予め定められた供給確率(例えば10%の確率でレアカードが供給される等)での公平なカード供給を担保するためには、いずれの種別のカードも供給可能である状態が前提となる。
【0032】
一方で、上述したように設置店舗等に納品されるカードセットでは通常カードとレアカードの数は固定であり、このうち一方のカードの全てを供給した後の状態では、他方のカードしか供給可能ではなく、更なる抽選処理を行った場合にその抽選結果に応じたカードの供給が実現できない場合がある。特に、固定カードよりも納品数の少ないレアカードは、固定カードよりも先に全てが供給された状態に至る可能性が高く、その後、レアカードの供給に係る抽選結果が得られたとしても供給することができない。このような状態を回避すべく、通常は設置店舗等の従業者が供給状況に基づいてカードセットを発注し、両供給部のカード収容数が0になる前に補充を行う運用がなされている。
【0033】
しかしながら、カードセットの発注や納品のタイミングによっては、第1供給部110及び第2供給部120のいずれかのカード収容数が0の状態に至る可能性があり、予め定められた供給確率での公平なカード供給を担保することが難しくなる。このとき、いずれか一方の供給部がカード供給をできない状態にあることを条件としてゲーム装置100をサービス提供不可能な状態に制御することも考えられるが、設置店舗等が収益機会を逸することになる。別の観点では、サービス提供不可能な状態に制御されると、他方の供給部に収容されたカードは供給されずに残存することになるため、結果的に設置店舗が供給できないカードの在庫を抱えることに繋がり得る。
【0034】
換言すれば、設置店舗側としては、1つのカードセットに含まれていた通常カードとレアカードの束をゲーム装置100の第1供給部110及び第2供給部120のそれぞれに収容したことで、当該カードセットに含まれるカード枚数分の代価の支払いに対して、予め定められた供給割合のカード供給を担保したサービス提供を行うことが可能になる。例えば、通常カード90枚+レアカード10枚=合計100枚で構成されたカードセットを収容したことで、100回のゲーム装置100の利用に対して「10%の確率でレアカードが供給される」カード供給(100回のうち10回レアカードが供給されるカード供給)を実現できる。これに対し、カードの補充ができない状況下等において、いずれかの供給部にカードが収容されていないことを条件にサービス提供不可能とすることは、1つのカードセットに関して設置店舗側に認められたカード供給機会を奪うことになり、酷であった。
【0035】
このようなプレイヤ側と設置店舗側のカード供給事情に対応可能とすべく、本実施形態のゲーム装置100は、カード供給について2種類の動作モードを備え、切り替えて使用可能に構成される。
【0036】
動作モードの一方は、本発明に係る第2モードとしての、カードの供給機会の全てにおいて供給確率を固定した公平なカード供給を実現することを優先し、いずれかの供給部がカードを供給不可能になったことを条件としてサービス提供を不可能にする「抽選優先モード」である。具体的には、抽選優先モードは、第1供給部110及び第2供給部120のいずれかがカードを供給不可能になったことを条件として、ゲーム装置100をゲームのプレイ体験を提供不可能な状態にせしめる動作モードである。
【0037】
また動作モードの他方は、本発明に係る第1モードとしての、カードセット分の予め定められた回数の供給機会を通して所定の供給確率でのカード供給を実現することを優先し、所定の1つの供給部がカードを供給不可能になったことを条件としてサービス提供を不可能にする「供給優先モード」である。本実施形態では供給優先モードは、1つのカードセットにより補充される数が多い、即ち、絶対的な数が多い通常カードを供給する第1供給部110が供給不可能になったことを条件として、ゲーム装置100をゲームのプレイ体験を提供不可能な状態にせしめる動作モードである。つまり、供給優先モードにおいては、第1供給部110を除く供給部、即ち、第2供給部120がレアカードを供給不可能な状態であっても、第1供給部110が通常カードを供給可能な状態であれば、ゲームのプレイ体験を提供可能なようゲーム装置100が制御される。
【0038】
これら動作モードの切り替えは、例えば再起動時に特殊スイッチに対する操作入力がなされたことを契機として移行可能な、本発明に係る第3モードとしてのテストモードに限り設定が可能に構成され、ゲーム装置100の利用を許容する営業モードでは設定不可能に構成されているものとする。即ち、このような動作モードは設置店舗等の事情によって設定されるべきものであり、例えばプレイヤに切り替え権限を付与したり、従業者等がプレイヤの前で切り替え設定したりすることは好ましくないため、プレイヤによるゲーム装置100の利用を許容しないテストモードに限定して切り替え可能に設けられる。
【0039】
従って、本実施形態のゲーム装置100が備える動作モードは、
図3に示されるような3種類となる。図示されるように、ゲーム装置100の動作モードは、プレイヤによる利用を許容する営業モード301と許容しないテストモード302で大別され、テストモード302においてなされた設定に応じて、営業モード301はさらに抽選優先モード311と供給優先モード312とに細分される。
【0040】
なお、テストモードへの移行は、特殊スイッチに対する操作入力がなされることを要件とするものである必要はなく、例えばゲーム装置100の起動時には強制的にテストモードに移行するものであってもよい。この場合、例えば当該テストモードにおける確認指示に係る操作入力が受け付けられたことに応じて、ゲーム装置100の動作モードが営業モードに移行するよう制御されればよい。
【0041】
《提供処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100におけるサービス提供、即ち、プレイヤによるゲーム装置100の利用に係り実行される提供処理について、
図4のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本提供処理は、例えば支払検出部104が代価の支払いを検出した際に開始されるものとして説明する。
【0042】
S401で、制御部101は、検出された代価の支払いに対して行われるカード供給に係る抽選処理を実行する。制御部101は、抽選結果が得られると、当該抽選結果を供給制御部105に伝送する。
【0043】
S402で、制御部101は、ゲーム装置100の動作モードが供給優先モードであるか否かを判断する。制御部101は、動作モードが供給優先モードであると判断した場合は処理をS403に移し、供給優先モードではない、即ち、抽選優先モードであると判断した場合は処理をS410に移す。
【0044】
S403で、供給制御部105は制御部101の制御の下、第2供給部120がレアカードを供給不可能な状態であるか否かを判断する。即ち、供給制御部105は、第2供給部120がいずれのレアカードも収容していない状態であるか否かを判断する。供給制御部105は、第2供給部120がレアカードを供給不可能な状態であると判断した場合、即ち、第1供給部110のみがカードを供給可能な状態であると判断した場合は処理をS404に移す。一方、供給制御部105は、第2供給部120がレアカードを供給可能な状態であると判断した場合、即ち、第1供給部110及び第2供給部120の両方がカードを供給可能な状態であると判断した場合は処理をS405に移す。
【0045】
S404で、供給制御部105は制御部101の制御の下、通常カードを供給させるよう第1供給部110を制御する。即ち、本ステップに至った場合は、抽選結果によらずに通常カードがプレイヤに供給される。
【0046】
一方、S403において第2供給部120がレアカードを供給可能な状態であると判断した場合、供給制御部105は制御部101の制御の下、S405で、抽選結果に応じた供給部にカードを供給させるよう制御する。例えば、供給制御部105は、抽選結果が当選であった場合に第2供給部120にレアカードを供給させ、落選であった場合に第1供給部110に通常カードを供給させるよう動作制御を行う。
【0047】
S406で、制御部101は、今回のゲーム装置100のサービス提供に係る、ゲームのプレイ体験の提供を開始する。
【0048】
S407で、制御部101は、ゲームの終了条件が満たされたか否かを判断する。制御部101は、ゲームの終了条件が満たされたと判断した場合はプレイ体験の提供を終了して処理をS408に移し、満たされていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
【0049】
S408で、供給制御部105は制御部101の制御の下、第1供給部110が通常カードを供給不可能な状態になったか否かを判断する。即ち、供給制御部105は、今回のサービス提供中、即ち、プレイヤによりゲーム装置100の利用がなされている間のカード供給により、第1供給部110がいずれの通常カードも収容していない状態となったか否かを判断する。供給制御部105は、第1供給部110が通常カードを供給不可能な状態になったと判断した場合は処理をS409に移し、なっていないと判断した場合は本提供処理を完了する。
【0050】
S409で、制御部101は、今回の提供処理の完了後にゲーム装置100を利用不可能な状態にするよう制御し、本提供処理を完了する。ここで、ゲーム装置100を利用不可能な状態とは、支払検出部104を代価の支払いを受け付け不可能な状態に制御する(例えば、代価の支払いが不可能な状態に支払検出部104を制御する、あるいは代価の支払いがなされたとしても支払検出部104がこれを検出せず、不図示の返却口に代価を返却する)により実現されるものとする。当該状態の解除は、第1供給部110(及び第2供給部120)へのカード補充により行われるよう制御される。また、利用不可能な状態では、プレイヤにその旨を通知すべく、提供処理の完了後に提示部130に表示される通常のスタンバイ表示に、さらにカードの供給が不可能であるため利用できない旨の表示を付すよう提示制御部106を制御することで実現されてよい。当該通知は、提示部130に限らず、当該ゲーム装置100が少なくとも通常カードを供給不可能である旨の通知や少なくとも通常カードの補充を要求する通知を、設置店舗の従業員等に提示するもの(従業員等の使用する通信端末に通知を送信する等)を含んでよい。
【0051】
一方、S402において抽選優先モードであると判断された場合、供給制御部105は制御部101の制御の下、S410で、抽選結果に応じた供給部にカードを供給させるよう制御する。
【0052】
S411で、制御部101は、今回のゲーム装置100のサービス提供に係る、ゲームのプレイ体験の提供を開始する。
【0053】
S412で、制御部101は、ゲームの終了条件が満たされたか否かを判断する。制御部101は、ゲームの終了条件が満たされたと判断した場合はプレイ体験の提供を終了して処理をS413に移し、満たされていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
【0054】
S413で、供給制御部105は制御部101の制御の下、いずれかの供給部がカードを供給不可能な状態になったか否かを判断する。即ち、供給制御部105は、今回のサービス提供中、即ち、プレイヤによりゲーム装置100の利用がなされている間のカード供給により、第1供給部110及び第2供給部120のいずれかがカードを収容していない状態となったか否かを判断する。供給制御部105は、いずれかの供給部がカードを供給不可能な状態になったと判断した場合は処理をS414に移し、いずれの供給部もカードを供給不可能な状態になっていないと判断した場合は本提供処理を完了する。
【0055】
S414で、制御部101は、今回の提供処理の完了後にゲーム装置100を利用不可能な状態にするよう制御し、本提供処理を完了する。当該利用不可能な状態では、プレイヤにその旨を通知すべく、提供処理の完了後に提示部130に表示される通常のスタンバイ表示に、さらにカードの供給が不可能であるため利用できない旨の表示を付すよう提示制御部106を制御することで実現されてよい。当該通知は、提示部130に限らず、収容していないカードを供給不可能である旨の通知や当該カードの補充を要求する通知を、設置店舗の従業員等に提示するもの(従業員等の使用する通信端末に通知を送信する等)を含んでよい。
【0056】
このようにすることで、本実施形態のゲーム装置によれば、動作モードを切り替えることにより好適な物品供給の運用を実現することができる。
【0057】
なお、本実施形態の提供処理では供給優先モードにおいて、第2供給部120がレアカードを供給可能であるか否かの判断をカード供給前(S403)にのみ行い、ゲームのプレイ体験の提供後には第1供給部110が通常カードを供給可能であるか否かの判断(S409)のみを行うことで、レアカードが供給不可能である旨が通知されないよう制御する態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、供給優先モードにおけるゲームのプレイ体験の提供終了後に、抽選優先モードと同様に第1供給部110及び第2供給部120の両方についてカードを供給可能であるか否かの判断を行い、供給不可能である供給部が第2供給部120である場合には通知されないよう制御するものであってもよい。
【0058】
ここで、供給優先モードにおいてゲームのプレイ体験の提供終了後に、第1供給部110及び第2供給部120の両方についてカードを供給可能であるか否かの判断を行う態様では、制御部101は、第2供給部120がレアカードを供給不可能な状態であっても、第1供給部110が通常カードを供給可能な状態であるなら、提供処理の完了後にゲーム装置100を利用不可能な状態にはしない。また制御部101は、第2供給部120がレアカードを供給可能な状態であっても、第1供給部110が通常カードを供給不可能な状態であるなら、提供処理の完了後にゲーム装置100を利用不可能な状態にする。この他、制御部101は、第1供給部110及び第2供給部120の両方がカードを供給不可能な状態であるなら、提供処理の完了後にゲーム装置100を利用不可能な状態にする。結果的に、ゲーム装置100を利用不可能な状態にするか否かは、上述した提供処理と同様に、第2供給部120がレアカードを収容しているかによらず決定される。
【0059】
また本実施形態の提供処理では供給優先モードにおいて、第2供給部120がレアカードを供給不可能な状態である場合に、抽選結果によらず第1供給部110に通常カードを供給させる態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば抽選処理の実行前に第2供給部120の状態を検出し、抽選処理そのものを当該状態に応じて制御、即ち、第2供給部120が供給不可能な状態である場合に、第1供給部110からのカード供給が行われる抽選結果のみが得られるよう制御してもよい。
【0060】
また本実施形態の提供処理では、検出された代価の支払いに対していずれのカードを供給するかが抽選処理により決定される態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、いずれのカードを供給するかの情報が予めメモリ103等に保持されたテーブルに規定されており、所定のルールに基づいて決定された参照位置の情報を当該テーブルから取得することにより、いずれのカードを供給するかが決定されるものであってもよい。
【0061】
[変形例1]
上述した実施形態1の提供処理では、1回のゲーム装置100の利用に対してゲームのプレイ体験の提供前に1回のカードの供給機会が設けられる態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、カードの連続購入等、ゲーム装置100の利用期間中には複数回のカードの供給機会が設けられる(都度、代価の支払いを受け付けたことを条件にカードを供給する)ものであってもよい。
【0062】
この場合、複数回のカードの供給機会の途中でいずれかの供給部がカードを供給不可能な状態になりうるため、供給制御部105は、1枚のカードを供給後(S404、S405、またはS410の後)に直前にカードを供給した供給部のカード収容状況の判断を行う。そして制御部101は、供給優先モードである場合には、第1供給部110が通常カードを供給不可能な状態になったことを条件として、抽選優先モードである場合には、第1供給部110及び第2供給部120のいずれかがカードを供給不可能な状態になったことを条件として、今回の利用期間中の以降のカードの供給機会を発生させないように制御する。このとき、制御部101は、支払検出部104を代価の支払いを受け付け不可能な状態に制御することを含んでもよい。
【0063】
[実施形態2]
上述した実施形態1の提供処理では、代価の支払いがなされたことに応じて開始されたサービス提供期間中に、1回のカード供給と1回のゲームのプレイ体験の提供とを行う態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、ゲームのプレイ体験の提供が完了した後に、更なる代価の支払いが検出されたことに応じてサービス提供期間を延長し、再度S401の処理に戻って、追加のカード供給とゲームのプレイ体験の提供とを行う、所謂コンティニュー機能が設けられている場合であっても、本発明は適用可能である。つまり、ゲーム装置100は、プレイヤによる1回のゲーム装置100の利用中、特定の段階において更なる代価の支払いが受け付けられたことを条件として、複数回のゲームのプレイ体験を提供可能に構成されている。
【0064】
《提供処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100におけるサービス提供に係り実行される提供処理について、
図5のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本提供処理は、例えば支払検出部104が代価の支払いを検出した際に開始されるものとして説明する。また本提供処理において、上述した実施形態1の提供処理と同様の処理を行うステップについては同一の参照番号を付して説明を省略し、以下では本実施形態に特有の処理を行うステップの処理の説明に留める。
【0065】
S407においてゲームの終了条件が満たされたと判断した場合、制御部101は、プレイ体験の提供を終了して処理をS501に移す。
【0066】
S501で、供給制御部105は制御部101の制御の下、第1供給部110が通常カードを供給不可能な状態になったか否かを判断する。供給制御部105は、第1供給部110が通常カードを供給不可能な状態になったと判断した場合は処理をS502に移し、なっていないと判断した場合は処理をS503に移す。
【0067】
S502で、制御部101は、今回の提供処理の完了後にゲーム装置100を利用不可能な状態にするよう制御し、本提供処理を完了する。即ち、制御部101は、今回のゲーム装置100の利用に対して、コンティニュー機能を用いた追加のゲームのプレイ体験の提供に係る更なる代価の支払い機会を設けず、本提供処理を完了する。
【0068】
一方、S501において第1供給部110が通常カードを供給不可能な状態になっていないと判断した場合、提示制御部106は制御部101の制御の下、S503で、コンティニュー機能を用いた追加のゲームのプレイ体験の提供が可能である旨の通知を提示部130に提示させる。そして制御部101は、追加のゲームのプレイ体験の提供に係る更なる代価の支払いが所定の制限時間内になされたか否かを判断する。制御部101は、更なる代価の支払いが所定の制限時間内になされたと判断した場合は処理をS401に戻し、なされなかったと判断した場合は本提供処理を完了する。
【0069】
同様に、S412においてゲームの終了条件が満たされたと判断した場合、制御部101は、プレイ体験の提供を終了して処理をS504に移す。
【0070】
S504で、供給制御部105は制御部101の制御の下、いずれかの供給部がカードを供給不可能な状態になったか否かを判断する。供給制御部105は、いずれかの供給部がカードを供給不可能な状態になったと判断した場合は処理をS505に移し、いずれの供給部もカードを供給不可能な状態になっていないと判断した場合は処理をS506に移す。
【0071】
S505で、制御部101は、今回の提供処理の完了後にゲーム装置100を利用不可能な状態にするよう制御し、本提供処理を完了する。即ち、制御部101は、今回のゲーム装置100の利用に対して、コンティニュー機能を用いた追加のゲームのプレイ体験の提供に係る更なる代価の支払い機会を設けず、本提供処理を完了する。
【0072】
一方、S504においていずれかの供給部もカードを供給不可能な状態になっていないと判断した場合、提示制御部106は制御部101の制御の下、S506で、コンティニュー機能を用いた追加のゲームのプレイ体験の提供が可能である旨の通知を提示部130に提示させる。そして制御部101は、追加のゲームのプレイ体験の提供に係る更なる代価の支払いが所定の制限時間内になされたか否かを判断する。制御部101、更なる代価の支払いが所定の制限時間内になされたと判断した場合は処理をS401に戻し、なされなかったと判断した場合は本提供処理を完了する。
【0073】
このようにすることで、ゲーム装置100の柔軟な利用を担保しつつ、好適な物品供給が実現されるよう運用することができる。
【0074】
[実施形態3]
上述した実施形態及び変形例では、通常カードまたはレアカードの供給機会をゲームのプレイ体験の提供前に設ける態様を説明したが、ゲームの興趣性を増大させるために、ゲームのプレイ体験の提供中にさらに別のカードの供給機会が発生し得る構成としてもよい。即ち、当該別のカードは、検出された代価の支払いに対して供給されるものではなく、例えばゲームのプレイ体験中に特定の条件が満たされたことに応じて供給される。ここで、当該別のカードは、通常カード及びレアカードとは異なるカードであるものとし、以下、特殊カードとして言及する。特殊カードは、第1供給部110及び第2供給部120とは別に設けられた不図示の第3供給部に収容され、供給可能に構成されているものとする。なお、特殊カードは、通常カード及びレアカードで構成されるカードセットとは別に発注及び納品が可能に構成されているものとする。
【0075】
上述したような供給優先モードにおける動作制御は、ゲーム装置100の各供給部に収容したカードが所定の供給確率で供給されることは担保されるため、第2供給部120がレアカードを供給不可能な状態であるか否かは、代価の支払いに応じたカード供給の興趣性に影響を与えるものではない。一方で、第3供給部が特殊カードを供給不可能な状態であるか否かは、ゲームプレイ中の特定の条件を達成したプレイヤ間における報酬の差を生じさせるものであるため、ゲームプレイの興趣性に影響を与え得るものである。
【0076】
つまり、特殊カードは、ゲームのプレイ体験の提供中に特定の条件が満たされなければ供給されないものではあるが、そもそもゲーム装置100が特殊カードを供給できない状態であることをプレイヤに知らしめず、ゲーム装置100をプレイヤに利用させることは酷である。他方、通常供給されるものではなく、かつ、特定の条件が満たされなければ供給され得ない特殊カードを第3供給部が収容していないことを条件にゲーム装置100を利用不可能な状態とすることは、ゲーム装置100を設置する設置店舗等の収益性の観点からして好適なものではない。
【0077】
このため、本実施形態のゲーム装置100では利用可能な状態において、第3供給部が特殊カードを供給不可能な状態にある場合には、スタンバイ表示において特殊カードが供給不可能である旨の通知を提示させる。このようなスタンバイ表示が提示部130に表示されている状態で、例えば提示部130に対するタッチ入力等の利用開始に係る操作入力が検出された場合には、さらに
図6に示すような利用確認用の通知600を提示する。図示されるように、通知600は、プレイ体験の提供中に特殊カードを供給することができないがゲーム装置100を利用するか否かを確認する文言601と、これを了承するか否かを確認するための選択肢(項目602及び603)を含む。そして、当該通知600に対して了承操作(項目602に対するタッチ操作)がなされたことを条件として、制御部101は支払検出部104を代価の支払いを検出可能な状態に制御し、代価の支払いを受け付ける。
【0078】
このようにすることで、ゲームプレイの興趣性の向上とゲーム装置100の収益性とを両立させた運用が可能になる。
【0079】
[変形例2]
上述した実施形態及び変形例では、供給優先モードは、第1供給部110が通常カードを供給不可能になったことを条件に、ゲーム装置100のプレイ体験を提供不可能な状態にせしめる動作モードであるとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、供給優先モードにおいてプレイ体験を提供不可能とするか否かの判断に用いる供給部は変更可能であってもよい。当該変更は、テストモードにおいて動作モードを設定する際に、オプションとして1つの供給部を指定可能にすることで実現されればよい。
【0080】
なお、上述した実施形態及び変形例では、代価の支払いが受け付けられたことに応じてカードを供給する供給部が第1供給部110と第2供給部120の2種類であるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、供給部の種類は3種類以上であってよい。この場合、供給優先モードにおいてプレイ体験を提供不可能とするか否かの判断に用いる供給部は、このうちのいずれか1つに設定される。
【0081】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0082】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:支払検出部、105:供給制御部、106:提示制御部、107:操作入力部、110:第1供給部、120:第2供給部、130:提示部、141:投入口、142:取り出し口、143:保持部、144:フロントパネル
【要約】
【課題】好適な物品供給の運用を実現する。
【解決手段】ゲーム装置は、ゲームのプレイ体験を提供する提供手段と、各々異なる種別の物品を供給可能な複数の供給手段と、複数の供給手段のそれぞれについて、物品を供給可能な状態にあるか否かを検出する検出手段と、ゲーム装置の動作モードの設定を受け付ける設定手段と、提供手段及び複数の供給手段の動作を、設定手段により設定された動作モードに応じて制御する制御手段と、を備え、動作モードは、複数の供給手段のうちの所定の1つの供給手段が物品を供給不可能になったことを条件として、ゲームのプレイ体験を提供不可能にする第1モードを含む。
【選択図】
図4