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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】介護機器本体およびこれを備えた介護機器
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/44 20060101AFI20230323BHJP
   A61G 9/00 20060101ALI20230323BHJP
   A47K 11/06 20060101ALI20230323BHJP
   A61F 5/451 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
A61F5/44 D
A61G9/00 A
A47K11/06
A61F5/451 V
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021524965
(86)(22)【出願日】2019-10-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 CN2019113655
(87)【国際公開番号】W WO2020093897
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-05-07
(31)【優先権主張番号】201811327035.0
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516294595
【氏名又は名称】蘇州欧聖電気股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】陸為東
(72)【発明者】
【氏名】宋強
(72)【発明者】
【氏名】徐 シン シン
(72)【発明者】
【氏名】李周恩
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-515539(JP,A)
【文献】特表2013-523309(JP,A)
【文献】特開2008-278928(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0178377(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/44-458
A61G 9/00
A47K 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排泄物を吸引する動力を提供する負圧源(20)と、汚物を収容する汚水バレル(21)を備える、介護機器本体(10)であって、
第1タンク(3)と、第2タンク(4)と、ポンプ(22)と、第1水路と、第2水路と、第3水路とをさらに備え、
第2タンク(4)には、第1給水口(40)と、第1吐水口(41)とが設けられ、
ポンプ(22)が第3水路に納入され、
第2タンク(4)内の水は、第1吐水口(41)、第1水路、第3水路、第1給水口(40)を順次流れて第2タンク(4)内に戻ることができ、
第1タンク(3)内の水は、第2水路、第3水路、第1給水口(40)を順次流れて第2タンク(4)内に流入することができ、
第1タンク(3)の少なくとも一部が第2タンク(4)内に収容され、
第2タンク(4)には、第1タンク(3)の下方に位置する貯水空間(470)が更に設けられ、
第1給水口(40)、第1吐水口(41)がそれぞれ貯水空間(470)連通し、第2水路が第2タンク(4)の貯水空間(470)を貫通して第2タンク(4)外まで延出し、
前記介護機器本体(10)は、第2給水口(50)と、第3給水口(51)と、第2吐水口(52)とが設けられた分流弁(5)を更に備え、
第1水路が第1吐水口(41)と第2給水口(50)とを流体的に連通するために用いられ、第2水路が第1タンク(3)と第3給水口(51)とを流体的に連通するために用いられ、第3水路が第2吐水口(52)と第1給水口(40)とを流体的に連通するために用いられ、
第2タンク(4)内の水は、第1吐水口(41)、第1水路、第2給水口(50)、第2吐水口(52)、第3水路、第1給水口(40)を順次流れて第2タンク(4)内に戻ることができ、
第1タンク(3)内の水は、第2水路、第3給水口(51)、第2吐水口(52)、第3水路、第1給水口(40)を順次流れて第2タンク(4)に流入することができ、
分流弁(5)の第2給水口(50)および第3給水口(51)は、択一的に開通することができる、
ことを特徴とする介護機器本体(10)
【請求項2】
防水装置と、汚水バレル(21)と防水装置の給気ポート(750)とを連通するための給気配管(970)と、負圧源(20)と防水装置の吐気ポート(751)とを連通するための吐気配管(971)とを更に備え、
防水装置は、吐気ポート(751)を閉塞するためのフロート(93)と、貯水室(980)と、フロート(93)を収容するためのフロート収容室(990)とを備え、
給気ポート(750)が対応的に貯水室(980)と上下に対向して貯水室(980)の上方に位置し、吐気ポート(751)が対応的にフロート収容室(990)と上下に対向してフロート収容室(990)の上方に位置し、
防水装置は、貯水室(980)とフロート収容室(990)とを連通するラビリンス通路と、前記ラビリンス通路を形成し、上下方向に延伸する複数の仕切り板(6)とを更に備え、
ラビリンス通路が貯水室(980)とフロート収容室(990)との間に位置して貯水室(980)とフロート収容室(990)とを連通する、
ことを特徴とする請求項1に記載の介護機器本体(10)
【請求項3】
貯水室(980)、ラビリンス通路、フロート収容室(990)が並設され、フロート収容室(990)の下端とラビリンス通路の下端および各仕切り板(6)の下端とが面一になり、貯水室(980)がラビリンス通路よりも下方に突出し、
ラビリンス通路には、上下方向に延伸する第1間隔(70)と、第2間隔(71)と、第3間隔(73)とがそれぞれ設けられ、
第1間隔(70)、第2間隔(71)、第3間隔(73)は、異なる仕切り板(6)間の間隔で構成され、左右方向に垂直な第1平面への垂直投影が完全にずれており、
汚水バレル(21)は、防水装置の後方に位置して第2タンク(4)と左右に並ぶ、
ことを特徴とする請求項2に記載の介護機器本体(10)
【請求項4】
貯水室(980)とフロート収容室(990)との間がラビリンス通路を介して横方向に連通され、
前記複数の仕切り板(6)は、第1仕切り板(80)と、第2仕切り板(81)と、第3仕切り板(82)と、第4仕切り板(83)と、第5仕切り板(84)と、第6仕切り板(85)とを含み、第1仕切り板(80)と第2仕切り板(81)とが平行かつ前後に間隔をあけて対向し、第3仕切り板(82)と第4仕切り板(83)とが平行であり、第1仕切り板(80)と第3仕切り板(82)とが垂直であり、
第3仕切り板(82)の対向する2辺のうちの一方が第1仕切り板(80)に一体に接続され、他方が第2仕切り板(81)と間隔をあけて前記第1間隔(70)を形成し、
第4仕切り板(83)の対向する2辺のうちの一方が第2仕切り板(81)に一体に接続され、他方が第1仕切り板(80)と間隔をあけて前記第2間隔(71)を形成し、
第5仕切り板(84)の対向する2辺のうちの一方が第1仕切り板(80)に一体に接続され、第6仕切り板(85)の対向する2辺のうちの一方が第2仕切り板(81)に一体に接続され、第5仕切り板(84)の対向する2辺のうちの他方が第6仕切り板(85)の対向する2辺のうちの他方と間隔をあけて前記第3間隔(73)を形成し、
第3仕切り板(82)、第4仕切り板(83)、第5仕切り板(84)、第6仕切り板(85)は、それぞれ第1仕切り板(80)と第2仕切り板(81)との間に位置し、第3仕切り板(82)がフロート収容室(990)と第4仕切り板(83)との間に位置し、第4仕切り板(83)が第3仕切り板(82)と第3間隔(73)との間に位置し、
第1平面は、第3仕切り板(82)および第4仕切り板(83)に平行な鉛直平面であり、
フロート収容室(990)の下端と第1間隔(70)の下端、第2間隔(71)の下端および第3間隔(73)の下端とが面一になる、
ことを特徴とする請求項3に記載の介護機器本体(10)
【請求項5】
防水装置は、ベースと、ベースの上端に設けられた上蓋と、ベースの内部空洞に連通する通気孔(92)とを更に備え、
通気孔(92)は、ベースの内部空洞の気圧を検出するための気圧検出ユニットに接続されるものであって、
ベースは、貯水カップ(98)とフロート収容カップ(99)とを備え、貯水カップ(98)の内部空洞が貯水室(980)を構成し、フロート収容カップ(99)の内部空洞がフロート収容室(990)を構成し、
導気管の対向する両端のうちの一方が通気孔(92)に突合せ接続され、他方が気圧検出ユニットに接続され、
上蓋は、底板(77)と、あて板(76)とを更に備え、
あて板(76)は、下方に延伸してベースに進入し、給気ポート(750)および吐気ポート(751)よりも下方に突出し、給気ポート(750)と吐気ポート(751)との間に位置し、給気ポート(750)の吐気ポート(751)に近い側を遮蔽し、
給気ポート(750)、吐気ポート(751)、通気孔(92)がそれぞれ底板(77)を貫通し、あて板(76)が通気孔(92)給気ポート(750)との間に位置し、通気孔(92)吐気ポート(751)とあて板(76)との間に位置する、
ことを特徴とする請求項4に記載の介護機器本体(10)
【請求項6】
水を加熱するためのヒータと(53)、水を消毒するための消毒器(54)とを更に備え、
ポンプ(22)、ヒータ(53)、分流弁(5)、消毒器(54)が第2タンク(4)外に位置し、
ポンプ(22)、ヒータ(53)、消毒器(54)が第3水路を介して第2吐水口(52)と第1給水口(40)との間に直列に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の介護機器本体(10)
【請求項7】
水を加熱するためのヒータ(53)を更に備え、
ポンプ(22)、ヒータ(53)、分流弁(5)が第2タンク(4)外に位置し、
第3水路が第2吐水口(52)、ポンプ(22)、ヒータ(53)、第1給水口(40)を順次に流体的に接続し、
第2タンク(4)内の水は、第1吐水口(41)、第1水路、第2給水口(50)、第2吐水口(52)、ポンプ(22)、ヒータ(53)、第1給水口(40)を順次流れて第2タンク(4)内に戻ることができ、
第1タンク(3)内の水は、第2水路、第3給水口(51)、第2吐水口(52)、ポンプ(22)、ヒータ(53)、第1給水口(40)を順次流れて第2タンク(4)内に流入することができ、
第2タンク(4)内の水が貯水空間(470)内に溜められる、
ことを特徴とする請求項1に記載の介護機器本体(10)
【請求項8】
流れる水を消毒するための消毒器(54)を更に備え、
第3水路がポンプ(22)、消毒器(54)、ヒータ(53)を順次に流体的に接続し、
第2タンク(4)内の水は、第1吐水口(41)、第1水路、第2給水口(50)、第2吐水口(52)、ポンプ(22)、消毒器(54)、ヒータ(53)、第1給水口(40)を順次流れて第2タンク(4)内に戻ることができ、
第1タンク(3)内の水は、第2水路、第3給水口(51)、第2吐水口(52)、ポンプ(22)、消毒器(54)、ヒータ(53)、第1給水口(40)を順次流れて第2タンク(4)内に流入することができる、
ことを特徴とする請求項7に記載の介護機器本体(10)
【請求項9】
第1水管(260)と、ヒータ(53)とを更に備え、
第1水管(260)が前記第1水路を構成し、第1水管(260)の対向する両端のうちの一方が第1吐水口(41)に突合せ接続され、他方第2給水口(50)に突合せ接続され、
第3水路は、第2水管(261)と、第3水管(262)とを備え、第2水管(261)の対向する両端のうちの一方が第2吐水口(52)に突合せ接続され、他方がポンプ(22)の給水口(220)に突合せ接続され、第3水管(262)の対向する両端のうちの一方がヒータ(53)の吐水口(531)に突合せ接続され、他方が第1給水口(40)に突合せ接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の介護機器本体(10)
【請求項10】
消毒器(54)を更に備え、
第3水路は、第4水管(263)と、第5水管(264)とを備え、第4水管(263)の対向する両端のうちの一方がポンプ(22)の吐水口(221)に突合せ接続され、他方が消毒器(54)の給水口(220)に突合せ接続され、第5水管(264)の対向する両端のうちの一方が消毒器(54)の吐水口(541)に突合せ接続され、他方がヒータ(53)の給水口(530)に突合せ接続される、
ことを特徴とする請求項9に記載の介護機器本体(10)
【請求項11】
水を加熱するためのヒータ(53)を更に備え、
ヒータ(53)は、第3水路に納入され、第3水路を流れる水を加熱するために用いられ、
第2タンク(4)は、前後に間隔をあけて対向する前側壁(420)および後側壁(421)と、前側壁(420)と後側壁(421)とを接続する底壁(46)とを備え、
第1給水口(40)が前側壁(420)に設けられ、第1吐水口(41)が底壁(46)に設けられて底壁(46)の後部に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の介護機器本体(10)
【請求項12】
第2給水口(50)が開通し、第3給水口(51)が閉鎖し、かつ、ポンプ(22)による吸引が行われている場合、第2タンク(4)の水は、第1吐水口(41)、第1水路、第2給水口(50)、第2吐水口(52)、第3水路、第1給水口(40)を順次流れて第2タンク(4)に戻り、
第2給水口(50)が閉鎖し、第3給水口(51)が開通し、ポンプ(22)による吸引が行われている場合、第1タンク(3)内の水は、第2水路、第3給水口(51)、第2吐水口(52)、第3水路、第1給水口(40)を順次流れて第2タンク(4)に流入する、
ことを特徴とする請求項1に記載の介護機器本体(10)
【請求項13】
第2タンク(4)内に位置する仕切り板(6)を更に備え、
第1タンク(3)が仕切り板(6)の上側に配置され、
第2タンク(4)は、仕切り板(6)の下方に位置する底壁(46)を更に備え、
前記貯水空間(470)は、仕切り板(6)と第2タンク(4)の底壁(46)との間の空間からなり、
第2タンク(4)内の水は、第1吐水口(41)を介して貯水空間(470)から流出し、第1水路、第2給水口(50)、第2吐水口(52)、第3水路、第1給水口(40)を順次流れて貯水空間(470)内に戻ることができる、
ことを特徴とする請求項1に記載の介護機器本体(10)
【請求項14】
第1水路、第3水路、ポンプ(22)、分流弁(5)が第2タンク(4)外に位置し、
第1タンク(3)内の水は、第2水路、第3給水口(51)、第2吐水口(52)、第3水路、第1給水口(40)を順次流れて貯水空間(470)内に流入することができる、
ことを特徴とする請求項13に記載の介護機器本体(10)
【請求項15】
仕切り板(6)には、貯水槽(60)と、貯水槽(60)の下側に位置し、貯水槽(60)に連通する第1切り替えポート(61)とが設けられ、
第1タンク(3)が転倒され、第1タンク(3)には、貯水槽(60)に連通する吐水ポート(32)が設けられ、
吐水ポート(32)が第2タンク(4)内に位置し、吐水ポート(32)の下端が貯水槽(60)内に位置し、第1タンク(3)内の水が吐水ポート(32)から貯水槽(60)に流入し、
第2タンク(4)には、第1切り替えポート(61)に突合せ接続された第2切り替えポート(48)が更に設けられ、
第2水路は、第6水管(265)を更に備え、第6水管(265)の対向する両端のうちの一方が第2切り替えポート(48)に突合せ接続され、他方が第3給水口(51)に突合せ接続され、
貯水槽(60)、第1切り替えポート(61)、第2切り替えポート(48)、第6水管(265)が順次に連通されて前記第2水路を構成する、
ことを特徴とする請求項14に記載の介護機器本体(10)
【請求項16】
第1タンク(3)は、タンク本体と、タンク本体の下部に取り付けられた蓋体アセンブリとを備え、
蓋体アセンブリの少なくとも一部が貯水槽(60)内に収容され、
吐水ポート(32)が蓋体アセンブリに設けられ、
蓋体アセンブリには、吐水ポート(32)内に位置するブラケットと、吐水ポート(32)を閉塞するための閉塞栓(34)と、閉塞栓(34)に結合されて閉塞栓(34)を移動させるための連結ロッド(35)とが更に設けられ、閉塞栓(34)がブラケットの上方に位置し、連結ロッド(35)はブラケットを貫通し、
仕切り板(6)には、貯水槽底壁(63)と、貯水槽周壁(64)と、連結ロッド(35)を上方に突き上げるための突き上げ部とが更に設けられ、貯水槽底壁(63)と貯水槽周壁(64)とが前記貯水槽(60)を囲み成し、突き上げ部が貯水槽底壁(63)から上方へ延伸し、第1切り替えポート(61)が貯水槽底壁(63)から下方へ延伸する、
ことを特徴とする請求項15に記載の介護機器本体(10)
【請求項17】
第2切り替えポート(48)は、貯水空間(470)内に位置する内部セグメント(480)と、第2タンク(4)外に位置し、内部セグメント(480)に貫通する外部セグメント(481)とを含み、
第1切り替えポート(61)が第2切り替えポート(48)の内部セグメント(480)に突合せ接続され、
第6水管(265)の対向する両端のうちの一方が第2切り替えポート(48)の外部セグメント(481)に突合せ接続され、第2切り替えポート(48)の内部セグメント(480)が第2タンク(4)の底壁(46)から上方へ延伸し、第2切り替えポート(48)の外部セグメント(481)が第2タンク(4)の底壁(46)から下方へ延伸する、
ことを特徴とする請求項15に記載の介護機器本体(10)
【請求項18】
ポンプ(22)がダイヤフラムポンプ(22)であり、
第2タンク(4)内の水は、ポンプ(22)による吸引で、第1吐水口(41)、第1水路、第3水路、第1給水口(40)を順次流れて第2タンク(4)内に戻り、
第1タンク(3)内の水は、ポンプ(22)による吸引で、第2水路、第3水路、第1給水口(40)を順次流れて第2タンク(4)内に流入する、
ことを特徴とする請求項1に記載の介護機器本体(10)
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載の介護機器本体(10)を備える、ことを特徴とする介護機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2018年11月08日に中国専利局に提出された出願番号が201811327035.0である中国特許出願に対して優先権を主張するものであり、上記出願の全ての内容を引用により本開示に援用する。
【0002】
本発明は、医療・介護機器の技術分野に関し、特に、介護機器本体に関する。
【背景技術】
【0003】
介護機器は、一般的に、ウェアラブルな集便器と、本体とを備え、集便器と本体との間に、通常、給水配管、汚物吸引配管等が連通し、集便器に便槽が設けられ、集便器は、人体の股下部に装着され、患者が便槽に排便するために使用され、本体には、通常、排泄物を吸引する動力を提供する負圧源と、汚物を収容する汚水バレルと、清水タンクと、貯水タンクとが設けられ、負圧源は、モータとモータによって駆動されて回転するインペラとを備え、モータはインペラを駆動して吸引力を発生させる。人体の排泄物を吸引する過程は概ね以下のとおりである。人体は集便器の便槽内に排便し、給水配管は集便器に給水し、集便器のノズルは人体および排泄物を洗い流し、負圧源は吸引を行い、便槽内の排泄物、汚水は吸引の気流に伴って汚物吸引配管を介して汚水バレルに吸い込まれる。貯水タンクは、通常、加熱された水・ぬるま湯を収容するために用いられ、貯水タンクの水は、通常、給水配管を介して動作ヘッドに供給されて使用され、人体およびその排泄物を洗い流す水源として使用され、清水タンクは、通常、キレイな加熱されていない水(例えば、水道水)を収容するために使用され、人体およびその排泄物を洗い流す度に、貯水タンクの全てまたは一部の水を使い切り、清水タンクは、貯水タンクに水を補充するために使用され、清水タンク内の水が使い切れると、清水タンクを取り出して水で満杯まで再充填し、再び本体に戻して使用することができる。従来技術における介護機器の水タンクの設置、水タンク間の水路は最適化して改良する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、水路の利用効率を向上させる介護機器本体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような技術案を採用する。介護機器本体は、第1タンクと、第2タンクと、ポンプと、第1水路と、第2水路と、第3水路とを備え、第2タンクには、第1給水口と、第1吐水口とが設けられ、ポンプが第3水路内に納入され、第2タンク内の水が、第1吐水口、第1水路、第3水路、第1給水口を順次流れて第2タンク内に戻ることができ、第1タンク内の水が、第2水路、第3水路、第1給水口を順次流れて第2タンク内に流入することができる。
【0006】
このように設計すると、第2タンク内の水は、第1吐水口、第1水路、第3水路、第1給水口を順次流れて第2タンク内に戻ることができ、これは、第2タンク内の水が自然循環(水自然循環と略称する)であり、第1タンク内の水は、第2水路、第3水路、第1給水口を順次流れて第2タンク内に流入することができ、これは、第1タンクの第2タンクに対する補水(補水と略称する)であり、本発明における第3水路は、水自然循環および補水に共用されて水路の利用効率を向上させることができる。
【0007】
更に、介護機器本体は、第2給水口と、第3給水口と、第2吐水口とが設けられた分流弁を更に備え、第1水路が第1吐水口と第2給水口とを流体的に連通するために用いられ、第2水路が第1タンクと第3給水口とを流体的に連通するために用いられ、第3水路が第2吐水口と第1給水口とを流体的に連通するために用いられ、第2タンク内の水が、第1吐水口、第1水路、第2給水口、第2吐水口、第3水路、第1給水口を順次流れて第2タンク内に戻ることができ、第1タンク内の水が、第2水路、第3給水口、第2吐水口、第3水路、第1給水口を順次流れて第2タンク内に流入することができ、分流弁の第2給水口および第3給水口が、択一的に開通することができる。
【0008】
更に、介護機器本体は、排泄物を吸引する動力を提供する負圧源と、汚物を収容する汚水バレルと、防水装置と、汚水バレルと防水装置の給気ポートとを連通するための給気配管と、負圧源と防水装置の吐気ポートとを連通するための吐気配管とを更に備え、防水装置は、吐気ポートを閉塞するためのフロートと、貯水室と、フロートを収容するためのフロート収容室とを備え、給気ポートが対応的に貯水室と上下に対向して貯水室の上方に位置し、吐気ポートが対応的にフロート収容室と上下に対向してフロート収容室の上方に位置し、防水装置は、貯水室とフロート収容室とを連通するラビリンス通路と、前記ラビリンス通路を形成し、上下方向に延伸する複数の仕切り板とを更に備え、ラビリンス通路は、貯水室とフロート収容室との間に位置して貯水室とフロート収容室とを連通し、貯水室、ラビリンス通路、フロート収容室が並設され、フロート収容室の下端とラビリンス通路の下端および各仕切り板の下端とが面一になり、貯水室がラビリンス通路よりも下方に突出し、ラビリンス通路には、上下方向に延伸する第1間隔と、第2間隔と、第3間隔とがそれぞれ設けられ、第1間隔、第2間隔、第3間隔は、異なる仕切り板間の間隔で構成され、左右方向に垂直な第1平面への垂直投影が完全にずれており、汚水バレルは、防水装置の後方に位置して第2タンクと左右に並び、第1タンクは、少なくとも一部が第2タンク内に収容され、第2タンクには、第1タンクの下方に位置する貯水空間が更に設けられ、第1給水口、第1吐水口がそれぞれ貯水空間に貫通し、第2水路が第2タンク内から貯水空間を貫通して第2タンク外まで延出する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本介護機器本体の斜視図である。
図2】本介護機器の集便器の斜視図である。
図3】上ハウジング、左ハウジング、前ハウジング、防水装置等を取り除いた本介護機器本体の一角度の斜視図である。
図4】シャーシ等を取り除いた本介護機器本体の底面斜視図である。
図5】一部の上ハウジング、第1タンク等を取り除いた本介護機器本体の平面視の斜視図である。
図6】上ハウジング、左ハウジング、右ハウジング、前ハウジング等を取り除いた本介護機器本体の一角度の斜視図である。
図7】本介護機器本体の第2タンク、ポンプ、消毒器、分流弁等の底面視の組み合わせ模式図である。
図8】本介護機器本体の第2タンク、ポンプ、ヒータ、消毒器、分流弁等の側面視の組み合わせ模式図である。
図9】本介護機器本体の第1タンク、第2タンク、仕切り板の分解模式図である。
図10】本介護機器本体の第1タンク、第2タンク、仕切り板の縦断面模式図である。
図11】本介護機器本体の第2タンクの斜視図である。
図12】本介護機器本体の仕切り板の斜視図である。
図13】本介護機器本体のヒータの模式図である。
図14】本介護機器本体の消毒器の模式図である。
図15】本介護機器の第1タンクの蓋体アセンブリの分解図である。
図16】上ハウジング、左ハウジング、前ハウジング等を取り除いた本介護機器本体の一角度の斜視図である。
図17】本介護機器本体の防水装置、給気配管および吐気配管の組み合わせ状態の斜視図である。
図18図17の分解図である。
図19図15の縦断面図である。
図20】本介護機器本体の防水装置のベースの斜視図である。
図21】本介護機器本体の防水装置の上蓋の一角度の斜視図である。
図22】本介護機器本体の防水装置の上蓋の別の角度の斜視図である。
図23図20の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例の図面を参照しながら本発明の実施例の技術案について解駄して説明するが、下記実施例は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、全てではない。実施形態における実施例に基づき、当業者が創造的な労働を行わない前提で得た他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0011】
図1図23に示すように、本発明の介護機器は、人体の排泄物を自動的に清掃し、家族および介護者の負担を軽減するために用いられ、介護機器は、介護機器本体10と、人体に装着するための集便器11と、介護機器本体10と集便器11との間に接続された配管(介護機器本体10と集便器11との間に接続された汚物吸引配管12と、介護機器本体10と集便器11との間に接続された給水配管13とを含む)と、汚物を収容する汚水バレル21と、防水装置と、汚水バレル21と防水装置の給気ポート750とを連通するための給気配管970と、負圧源20と防水装置の吐気ポート751とを連通するための吐気配管971とを備え、介護機器本体10には、ケース100と、排泄物を吸引する動力を提供する負圧源20と、第1タンク3と、第2タンク4と、ポンプ22と、第2ポンプ23と、車輪24と、介護機器本体10を移動するための押し引きロッド25とが設けられている。ケース100は、シャーシ101と、上ハウジング102と、左ハウジング103と、右ハウジング104と、前ハウジング105と、後ろハウジング106と、負圧源20と、第1タンク3と、第2タンク4と、ポンプ22とを備え、第2ポンプ23はケース100内に位置し、負圧源20、第2タンク4、汚水バレル21、防水装置は、シャーシ101に設けられている。負圧源20は、モータ(図示せず)と、モータによって駆動されて回転するインペラ(図示せず)とを備える。集便器11には、患者がその中に排便するための便槽110が設けられている。負圧源20は、給気入口200と、排風出口(図示せず、通常、負圧源20の底部に設けられている)と、モータ(図示せず、負圧源20の内部に設けられている)と、モータによって駆動されて回転するインペラ(図示せず、負圧源20の内部に設けられている)とを備え、給気配管970は給気ポート750に突合せ接続されて接着剤でシールされ、吐気配管971の対向する両端のうちの一方は吐気ポート751に突合せ接続され、吐気配管971の対向する両端のうちの他方は負圧源20の給気入口200に突合せ接続される。モータはインペラを回転させて吸引気流を発生させ、便槽110内の汚物は、吸引気流に伴って汚物吸引配管12を介して汚水バレル21に入り、吸引気流は、更に給気配管970、防水装置、吐気配管971、給気入口200を介して負圧源20に入って排風出口を介して負圧源20から排出される。
【0012】
第1タンク3は、水道水のようなキレイな水を収容するために用いられる。第2タンク4は、加熱された水を収容するために用いられ、水温が人体の下半身および排泄物を洗い流すための水源として使用されることに適当であり、第2タンク4内の水は、通常、30度~40度に加熱され、第2タンク4には第1給水口40と、第1吐水口41とが設けられている。介護機器本体10には、補水路と、循環水路とが設けられ、循環水路は、第1給水口40と第1吐水口41との間に流体的に連通するために用いられ、補水路は第2水路と第3水路とを含み、循環水路は第1水路と前述した第3水路とを含む。ポンプ22が第3水路内に納入され、即ち、ポンプ22が第3水路内に位置し、ポンプ22が第3水路の節点の1つとなり、ポンプ22が第3水路を介して揚水することができる。第2タンク4内の水は、第1吐水口41、循環水路、第1給水口40を順次流れて第2タンク4に戻り、更に、第2タンク4内の水は、第1吐水口41、第1水路、第3水路、第1給水口40を順次流れて第2タンク4内に戻ることができる。第1タンク3内の水は、補水路、第1給水口40を流れて第2タンク4内に流入し、更に、第1タンク3内の水は、第2水路、第3水路、第1給水口40を順次流れて第2タンク4内に流入する。このように設計すると、第2タンク4内の水は、第1吐水口41、第1水路、第3水路、第1給水口40を順次流れて第2タンク4内に戻り、これは、第2タンク4内の水自然循環(水自然循環と略称する)であり、第1タンク3内の水は、第2水路、第3水路、第1給水口40を順次流れて第2タンク4内に流入し、これは、第1タンク3の第2タンク4に対する補水(補水と略称する)であり、第3水路は、水自然循環および補水に共用されて水路の利用効率を向上させることができる。具体的には、第2タンク4内の水は、ポンプ22による吸引で、第1吐水口41、第1水路、第3水路、第1給水口40を順次流れて第2タンク4内に戻り、第1タンク3内の水は、ポンプ22による吸引で、第2水路、第3水路、第1給水口40を順次流れて第2タンク4内に流入する。
【0013】
介護機器本体10は分流弁5を更に備え、分流弁5には、第2給水口50と、第3給水口51と、第2吐水口52とが設けられている。第1水路は、第1吐水口41と第2給水口50とを流体的に連通するために使用され、第2水路は、第1タンク3と第3給水口51とを流体的に連通するために使用され、第3水路は、第2吐水口52と第1給水口40とを流体的に連通するために使用され、第2タンク4内の水は、第1吐水口41、第1水路、第2給水口50、第2吐水口52、第3水路、第1給水口40を順次流れて第2タンク4内に戻ることができ、第1タンク3内の水は、第2水路、第3給水口51、第2吐水口52、第3水路、第1給水口40を順次流れて第2タンク4内に流入することができ、分流弁5の第2給水口50および第3給水口51は、択一的に開通することができ、即ち、第2給水口50が開通した場合に第3給水口51が開通せず、第3給水口51が開通した場合に第2給水口50が開通しないようにする。分流弁5に第4給水口55が更に設けられ、本実施形態において、分流弁5は3給1吐の分流弁を採用し、即ち、分流弁5は、3つの給水口(第2給水口50、第3給水口51、第4給水口55)および1つの吐水口(第2吐水口52)を有し、第4給水口55が水路に接続されていないため、本実施形態において接着剤で第4給水口55を封止するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0014】
介護機器本体10は、水を加熱するためのヒータ53と、水を消毒するための消毒器54とを更に備え、ポンプ22、ヒータ53、分流弁5、消毒器54は、第2タンク4外に位置し、消毒器54は第3水路内に納入され、即ち、消毒器54が第3水路内に位置し、消毒器54は第3水路の節点の1つとなる。ヒータ53が第3水路内に納入され、即ち、ヒータ53が第3水路内に位置し、ヒータ53が第3水路の節点の1つとなる。ポンプ22、ヒータ53、消毒器54は、第3水路を介して第2吐水口52と第1給水口40との間に直列に接続されている。消毒器54は、流れる水を消毒するために用いることができ、ここで、流れる水とは、消毒器54を流れる水であり、消毒器54は、市販の常用の紫外線消毒器を選択することができ、具体的な構造は説明を省略する。ヒータ53は、流れる水を加熱するために使用でき、ここで、流れる水とは、ヒータ53を流れる水であり、ヒータ53は、市販の常用のPTC(positive temperature coefficient、正温度係数)ヒータを選択することができ、具体的な構造は説明を省略する。ポンプ22は市販の常用のダイヤフラムポンプを採用することができ、具体的な構造は説明を省略する。第3水路は、第2吐水口52と、ポンプ22と、ヒータ53と、第1給水口40とを順次に流体的に接続し、このように設計すると、ポンプ22は相対的に上流に位置し、ポンプ22は相対的により直接かつ少ない障害で第2吐水口52に連通することができ、ポンプ22のより効率的な揚水動作が容易となり、ヒータ53は相対的に下流に位置し、ヒータ53で加熱された直後の水は、第2タンク4内に流入した水よりも熱く、ヒータ53がポンプ22の上流に位置すると、ヒータ53で加熱された直後の水は、すぐにポンプ22に吸引され、水温が高くてポンプ22を消耗しやすい。第1給水口40および第1吐水口41は第2タンク4の反対側に位置し、第1給水口40と第1吐水口41との間の最も近い直線距離は15cmを超える。第2タンク4は、前後に間隔をあけて対向する前側壁420および後側壁421と、左右に間隔をあけて対向する左側壁430および右側壁431と、前側壁420と後側壁421とを接続する底壁46とを備え、第1給水口40は前側壁420に設けられ、第1吐水口41は底壁46に設けられて底壁46の後部に位置する。このように設計すると、第1給水口40と第1吐水口41との距離を効果的に離すことができ、第2タンク4内の水が第1吐水口41、第1水路、第2給水口50、第2吐水口52、第3水路、第1給水口40を順次流れて第2タンク4内に戻り、水の循環を形成することができるため、水の循環過程でヒータ53により加熱された水は、第1給水口40から循環して第2タンク4内に戻る。第1給水口40と第1吐水口41とが近接すると、ヒータ53で加熱された直後の水は、第1給水口40から入った直後に第2タンク4内で十分に拡散していない間、多くが第1吐水口41から再び循環し、第1給水口40から入ったヒータ53で加熱された水の第2タンク4内での熱拡散効果を低減する。第3水路は、ポンプ22と、消毒器54と、ヒータ53と、第1給水口40とを順次に流体的に接続し、ヒータ53および前側壁420は隣接して設けられ、前側壁420の前方に位置する。底壁46には、ポンプ22および分流弁5を固定するための複数のネジスタッド460が設けられている。
【0015】
介護機器本体10は第1水管260を更に備え、第1水管260の対向する両端のうちの一方は第1吐水口41に突合せ接続され、第1水管260の対向する両端のうちの他方は第2給水口50に突合せ接続され、第1水管260は前記第1水路を構成する。第3水路は、第2水管261と、第3水管262とを備え、第2水管261の対向する両端のうちの一方は第2吐水口52に突合せ接続され、第2水管261の対向する両端のうちの他方はポンプ22の給水口220に突合せ接続され、第3水管262の対向する両端のうちの一方はヒータ53の吐水口531に突合せ接続され、第3水管262の対向する両端のうちの他方は第1給水口40に突合せ接続される。第3水路は、第4水管263と、第5水管264とを更に備え、第4水管263の対向する両端のうちの一方はポンプ22の吐水口221に突合せ接続され、第4水管263の対向する両端のうちの他方は消毒器54の給水口540に突合せ接続され、第5水管264の対向する両端のうちの一方は消毒器54の吐水口541に突合せ接続され、第5水管264の対向する両端のうちの他方はヒータ53の給水口530に突合せ接続される。第2給水口50が開通し、第3給水口51が閉鎖し、かつ、ポンプ22の吸引が行われている場合、第2タンク4の水は、第1吐水口41、第1水路、第2給水口50、第2吐水口52、第3水路、第1給水口40を順次流れて第2タンク4に戻り、第2給水口50が閉鎖し、第3給水口51が開通し、かつ、ポンプ22による吸引が行われている場合、第1タンク3内の水は、第2水路、第3給水口51、第2吐水口52、第3水路、第1給水口40を順次流れて第2タンク4に流入する。
【0016】
介護機器本体10は、第2タンク4内に位置する仕切り板6を更に備え、第1タンク3は仕切り板6の上側に配置され、第2タンク4は、仕切り板6と底壁46との間の空間で構成された貯水空間470を更に備え、第1給水口40、第1吐水口41はそれぞれ貯水空間470に貫通し、第2タンク4内の水は貯水空間470内に貯蔵される。第2タンク4内の水は、第1吐水口41を介して貯水空間470から流出し、第1水路、第2給水口50、第2吐水口52、第3水路、第1給水口40を順次流れて貯水空間470内に戻ることができ、第1タンク3内の水は、第2水路、第3給水口51、第2吐水口52、第3水路、第1給水口40を順次流れて貯水空間470内に流入することができる。第2給水口50が開通し、第3給水口51が閉塞し、かつ、ポンプ22による吸引が行われている場合、貯水空間470の水は、第1吐水口41、第1水路、第2給水口50、第2吐水口52、第3水路、第1給水口40を順次流れて貯水空間470に戻り、第2給水口50が閉塞し、第3給水口51が開通し、かつ、ポンプ22による吸引が行われている場合、第1タンク3内の水は、第2水路、第3給水口51、第2吐水口52、第3水路、第1給水口40を順次流れて貯水空間470に流入する。第1タンク3は、少なくとも一部が第2タンク4内に収容され、第1水路、第3水路は第2タンク4外に位置し、第2水路は第2タンク4内から貯水空間470を貫通して第2タンク4外まで延出する。
【0017】
仕切り板6には、貯水槽60と、貯水槽60の下側に位置して貯水槽60に連通する第1切り替えポート61とが設けられ、第1タンク3は転倒され、第1タンク3に貯水槽60に連通する吐水ポート32が設けられ、吐水ポート32は第2タンク4内に位置し、吐水ポート32の下端320は貯水槽60内に位置し、吐水ポート32が垂直な円筒状であり、吐水ポート32の開口は下方へ貯水槽60に向け、第1タンク3内の水が吐水ポート32を介して貯水槽60に流入し、第2タンク4には、第1切り替えポート61に突合せ接続された第2切り替えポート48が更に設けられ、第2水路は第6水管265を更に備え、第6水管265の対向する両端のうちの一方は第2切り替えポート48に突合せ接続され、第6水管265の対向する両端のうちの他方は第3給水口51に突合せ接続され、貯水槽60、第1切り替えポート61、第2切り替えポート48、第6水管265は順次に連通されて前記第2水路を構成する。第2切り替えポート48は、貯水空間470内に位置する内部セグメント480と、第2タンク4外に位置する内部セグメント480に貫通する外部セグメント481とを含み、第1切り替えポート61は第2切り替えポート48の内部セグメント480に突合せ接続され、第6水管265の対向する両端のうちの一方は、第2切り替えポート48の外部セグメント481に突合せ接続される。第2タンク4には、貯水空間470に貫通する第3吐水口49が更に設けられ、介護機器本体10は第7水管266を更に備え、第7水管266の一端は第2ポンプ23の給水口230に突合せ接続され、他端は第3吐水口49に突合せ接続され、第2ポンプ23の吐水口231と動作ヘッドとの間は給水配管13を介して接続され、第2ポンプ23による吸引で、貯水空間470の水は、第3吐水口49、第7水管266、給水配管13を順次介して動作ヘッドに給水され、第2ポンプ23はダイヤフラムポンプを採用する。第1切り替えポート61外周にシールリング610が周回され、第1切り替えポート61は第2切り替えポート48の内部セグメント480に挿入され、第1切り替えポート61と第2切り替えポート48の内部セグメント480とはシールリング610によりシールされる。以上の各水路の水漏れを防止するために、接続口の突合せ接続箇所をよくシールする必要があり、即ち、各水管を対応するポート、給水口、吐水口に突合せ接続した後にシールする必要があり、シールリングでシールする、接着剤でシールする、バンドを結束してシールする等の方式を採用することができ、以上のシール技術は本分野の常識に属し、説明を省略する。各水管260、261、262、263、264、265、266は、弾性力があるゴムチューブを採用することができる。第2切り替えポート48は第2タンク4の底壁46に設けられ、第2切り替えポート48の内部セグメント480は底壁46から上方へ延伸し、第2切り替えポート48の外部セグメント481は底壁46から下方へ延伸する。第1切り替えポート61の上端にフィルタスクリーン611が設けられている。仕切り板6には、平板状の主板部69と、水槽底壁63と、水槽周壁64とが更に設けられ、主板部69は水平に設けられ、主板部69には、主板部69の上下両側を貫通する複数の水漏れ貫通孔690が設けられ、水槽底壁63および水槽周壁64が貯水槽60を囲み成し、第1切り替えポート61は水槽底壁63から下方へ延伸し、水槽周壁64は円筒形をなし、水槽周壁64は、円筒形の上部分640と、円筒形の下部分641とを含み、上部分640は主板部69から上方へ延伸し、下部分641は主板部69から下方へ延伸し、上部分640と下部分641とが上下に一体に接続されて水槽周壁64を構成する。
【0018】
本実施形態において、補水路は、第1タンク3の吐水ポート32と第1給水口40とを流体的に連通するために用いられ、補水路は、第2タンク4内から貯水空間470を貫通して第2タンク4外まで延出し、第1タンク3内の水は、吐水ポート32、補水路、第1給水口40を流れて貯水空間470内に流入する。このように設計すると、補水路は、一部が第2タンク4の中に位置し、一部が第2タンク4外に位置し、補水路が第2タンク4外に位置することが、補水路にポンプ22、消毒器54、ヒータ53等のような必要な機能デバイスを納入することに寄与し、第1タンク3の吐水ポート32が第2タンク4内に位置することが、吐水ポート32と外界との接触による汚染を抑制することに寄与し、以上をまとめ、本設計の応用性を向上させることができる。補水路は、第2タンク4内から下方へ貯水空間470を貫通して第2タンク4外まで延出する。消毒器54、ヒータ53、ポンプ22は、それぞれ補水路内に納入され、貯水空間470の水は、第1吐水口41、循環水路、第1給水口40を順次流れて貯水空間470に戻る。第2給水口50が開通し、第3給水口51が閉塞し、かつ、ポンプ22による吸引が行われている場合、貯水空間470の水は、第1吐水口41、循環水路、第1給水口40を順次流れて貯水空間470に戻り、第2給水口50が閉塞し、第3給水口51が開通し、かつ、ポンプ22による吸引が行われている場合、第1タンク3内の水は、補水路、第1給水口40を順次流れて貯水空間470に流入する。
【0019】
第2タンク4は、仕切り板6の上方に位置する収容空間471と、複数の支持台44と、支持台44に対応する複数の第1凹み45とを更に備え、第1タンク3は収容空間471内で転倒され、支持台44は第2タンク4内へ突出し、第2タンク4外側に第2タンク4内へ凹む前記第1凹み45を形成し、支持台44は、貯水空間470と第1凹み45とを仕切り、第1タンク3は、少なくとも一部が収容空間471に収容され、収容空間471と貯水空間470とは仕切り板6により仕切られ、仕切り板6は、第1タンク3の下方に位置して第1タンク3を支持し、支持台44は、仕切り板6の下方に位置して仕切り板6を支持する。支持台44は、仕切り板6を支持する支持壁440と、底壁46から上方へ延伸する縦壁441とを備え、底壁46は水平に設けられ、縦壁441は底壁46に垂直であり、縦壁441は支持壁440および底壁46に一体に接続され、支持壁440は水平に設けられ、主板部69は水平に設けられ、縦壁441は主板部69に垂直である。仕切り板6は、貯水空間470と収容空間471とを仕切り、仕切り板6の下方の貯水空間470は貯水するために用いられ、仕切り板6の上方の収容空間471は第1タンク3を収容するために用いられ、省スペース、スペース利用の最適化に寄与し、支持台44は、仕切り板6により、第1タンク3を効果的かつ間接的に支持することができ、第1タンク3の位置の安定に寄与し、以上をまとめ、第1タンク3、第2タンク4および仕切り板6の配置を最適化する。仕切り板6には、対応する支持台44に向かって下方へ突出する複数の凸リブ65と、凸リブ65間を接続する補強リブ66とが設けられ、凸リブ65は支持台44に支持されている。
【0020】
仕切り板6に複数の支持パッド67が設けられ、各支持パッド67は、1対1で対応して各支持台44の上方に位置し、第1タンク3は仕切り板6の各支持パッド67に支持され、このように設計すると、仕切り板6の耐荷重位置(第1タンク3の重量を受ける位置、つまり、支持パッド67箇所)は、ほぼ仕切り板6を支持する支持台44と上下に対応し、仕切り板6が受ける上方の圧力は下方の支持力とほぼ上下に位置合わせ、仕切り板6の耐荷重変形を低減する。支持パッド67はゴム材質を用い、支持パッド67には、本体部670と、位置決め柱とが設けられ、本体部670が円板状であり、位置決め柱は本体部670から下方へ一体に延伸し、仕切り板6に位置決め孔680が設けられ、位置決め柱は対応する位置決め孔680に取り付けられ、位置決め柱は、一部が対応する位置決め孔680に収容され、位置決め柱にネック部(図示せず)およびヘッド部672が設けられ、支持パッド67のネック部は本体部670から下方へ一体に延伸し、ヘッド部672は支持パッド67のネック部に一体に接続されて支持パッド67のネック部の下側に位置し、ヘッド部672の径方向サイズは支持パッド67のネック部よりも大きく、支持パッド67のネック部は、対応する位置決め孔680内に位置する。ヘッド部672は位置決め孔680を貫通し、ヘッド部672の径方向サイズが位置決め孔680よりも大きいことにより、ヘッド部672は位置決め孔680外に限定される。ヘッド部672は、凸リブ65で囲まれた空間650内に収容される。位置決め柱のヘッド部672は対応する支持台44の上方に位置する。位置決め柱は、対応する位置決め孔680から下方に張出し、ヘッド部672は錐体をなし、位置決め柱は下方へ対応する位置決め孔680に挿入され、位置決め柱は支持台44に向かって下方へ延伸し、位置決め柱のヘッド部672は支持台44と上下に間隔をあけて対向し、位置決め柱のヘッド部672は位置決め孔680と支持台44との間に位置する。各支持台44は第2タンク4の各コーナーに設けられ、各支持パッド67は仕切り板6の各コーナーに設けられ、各支持台44は上方へ仕切り板6の各コーナーに支持されている。第1凹み45、支持台44、支持パッド67の数は、それぞれ4つである。仕切り板6には、その縁部に位置して仕切り板6の上下両側を貫通するポカヨケ切欠き681が更に設けられ、第2タンク4には、ポカヨケ切欠き681に合わせるポカヨケ突起432と、ポカヨケ突起432に対応する第2凹み434とが設けられ、ポカヨケ突起432は、第2タンク4内へ突出して第2タンク4外側に第2タンク4内へ凹む前記第2凹み434を形成する。ポカヨケ切欠き681およびポカヨケ突起432は、仕切り板6を第2タンク4内に正確に取り付けることを補助するために用いられ、ポカヨケ突起432は上下方向に延伸し、ポカヨケ突起432の下端は底壁46に一体に接続され、ポカヨケ突起432の上端は支持台44よりも高く、支持台44の下端は底壁46に一体に接続されている。ポカヨケ突起432は、前側壁420、後側壁421、左側壁430、右側壁431の1つから第2タンク4へ突出し、本実施形態において、ポカヨケ突起432は左側壁430に位置し、ポカヨケ突起432の上端には、ポカヨケ突起432とポカヨケ切欠き681との装着をガイドするための傾斜したガイド壁433が設けられている。
【0021】
第1タンク3は、タンク本体30と、タンク本体30の上部に位置するハンドル31と、タンク本体30の下部に取り付けた蓋体アセンブリとを備え、蓋体アセンブリは、少なくとも一部が貯水槽60内に収容され、吐水ポート32は蓋体アセンブリに設けられて蓋体アセンブリの一部を構成し、ハンドル31は第2タンク4外に位置する。仕切り板6には、水槽底壁63から上方へ延伸する突き上げ部630が設けられ、蓋体アセンブリには、吐水ポート32に位置するブラケット33と、吐水ポート32を閉塞する閉塞栓34と、閉塞栓34に結合されて閉塞栓34を移動させるための連結ロッド35とが設けられ、吐水ポート32、ブラケット33は、それぞれ蓋体アセンブリの蓋体36に設けられて蓋体36の一部を構成し、蓋体36は円盤状をなす。タンク本体30に円形口部300が設けられ、蓋体36は口部300に取り付けられ、蓋体36は口部300に螺合され、口部300に雄ネジが設けられ、蓋体36に口部300の雄ネジに螺合される雌ネジ360が設けられ、閉塞栓34はブラケット33の上方に位置し、連結ロッド35はブラケット33を貫通し、ブラケット33が十字状であり、ブラケット33の中心に、連結ロッド35が貫通するための第1貫通孔330が設けられている。突き上げ部630は、連結ロッド35を上方へ突き上げるために用いられ、これにより、連結ロッド35は閉塞栓34を連れて吐水ポート32から離間し、吐水ポート32が開通する。突き上げ部630が棒状であり、突き上げ部630は、射出成形における水保持を低減するために、中空ロッドを用いる。連結ロッド35は、その末端に位置するヘッド部350と、ヘッド部350に一体に接続されたネック部351とを備え、ヘッド部350の径方向サイズはネック部351の径方向サイズよりも大きく、閉塞栓34には、第2貫通孔340と、第2貫通孔340を囲む弾性力がある保持リング341とが設けられ、ネック部351は第2貫通孔340内に位置し、保持リング341はネック部351を弾性拘束することにより、ネック部351を締め付けて閉塞栓34を連結ロッド35に保持する。ヘッド部350は第2貫通孔340を貫通し、ヘッド部350の径方向サイズが第2貫通孔340の径方向サイズよりも大きいことにより、第2貫通孔340外に限定される。閉塞栓34が円盤状であり、閉塞栓34は、ゴムのような弾性材料で作製される。連結ロッド35に被突き上げ部352が更に設けられ、突き上げ部630は上方へ被突き上げ部352に突き上げられ、蓋体アセンブリには、連結ロッド35に嵌着された弾性部材37が更に設けられ、弾性部材37の上端はブラケット33に押圧され、弾性部材37の下端は被突き上げ部352に押圧されている。被突き上げ部352は連結ロッド35の下端に位置し、被突き上げ部352は円板状をなす。第1タンク3を第2タンク4から取り出し、突き上げ部630の突き上げ作用がない場合、弾性部材37の弾性力は閉塞栓34を復帰させ、閉塞栓34は吐水ポート32の上端を閉塞して吐水ポート32を閉塞する。弾性部材37はバネを採用することができる。
【0022】
仕切り板6を取り付ける時、ポカヨケ切欠き681をポカヨケ突起432に位置合わせ、仕切り板6をポカヨケ突起432に沿って下方へ第2タンク4内に徐々に置き、第1切り替えポート61を第2切り替えポート48の外部セグメント481に位置合わせ、仕切り板6を押圧して仕切り板6が支持台44に押圧されるまで第1切り替えポート61を第2切り替えポート48の外部セグメント481に挿入する。具体的に適用する場合、水が満たされた第1タンク3は収容空間471で転倒されて仕切り板6に支持され、蓋体アセンブリの下部は貯水槽60内に収容され、突き上げ部630は連結ロッド35を上方へ突き上げ、閉塞栓34を上方へ移動させて吐水ポート32を開通させ、第1タンク3内の水は吐水ポート32から貯水槽60内に注入され(日常生活におけるウォーターサーバーと同様に、第1タンク3は、ウォーターサーバーにおける転倒された天然水ボルトに相当し、ウォーターサーバーの上部の水槽は、貯水槽60に相当し、天然水ボルト内の水がウォーターサーバーの水槽に流出し、大気圧の圧力で徐々にバランスとなり、バランスとなった天然水ボルトは、ウォーターサーバーの水槽に水を出さず、誰かが取水して飲用することでウォーターサーバーの水槽内の水が少なくなり、バランスが崩れない限り、天然水ボルト内の水はウォーターサーバーの槽内に更に補充されない)、第2タンク4に水を補充しない場合、補水路が通じなくなり、蓋体アセンブリの下部および吐水ポート32の下端320が貯水槽60内の水に浸れ、大気圧の作用で、第1タンク3内の水は外へ出ず、第2タンク4に水を補充する場合、分流弁5の第3給水口51が開通し、第2給水口50が通じなくなり、ポンプ22は吸引を行い(実際には、この場合、ポンプ22が吸引を行わなくても、第1タンク3内の水も開通した補水路を介して自然的に貯水空間470に流入し、ポンプ22は吐水を補強する作用を果たし、且つ、ポンプ22の開通時間を制御することにより補水量を制御することができる)、第1タンク3内の水は、吐水ポート32、貯水槽60、第1切り替えポート61、第2切り替えポート48の内部セグメント480、第2切り替えポート48の外部セグメント481、第6水管265、第3給水口51、第2吐水口52、第2水管261、ポンプ22、第4水管263、消毒器54、第5水管264、ヒータ53、第3水管262、第1給水口40を順次介して第2タンク4内に流入する。第2タンク4の水位が必要な水位に達すると、ポンプ22をオフにして第3給水口51を閉鎖して補水を停止することができ、第2タンク4の水が使い切られて残りの水が一定の水位よりも低い場合、補水を再び行うことができる。補水過程で消毒器54は流れる水を消毒し、ヒータ53は、流れる水を補水過程で加熱せず、第2タンク4の水自然循環の過程で加熱を更に行うことができる。第2タンク4の水自然循環時に、分流弁5の第2給水口50は開通し、第3給水口51は通じなくなり、且つ、ポンプ22は吸引を行い、第2タンク4内の水は、第1吐水口41、第1水管260、第2給水口50、第2吐水口52、第2水管261、ポンプ22、第4水管263、消毒器54、第5水管264、ヒータ53、第3水管262、第1給水口40を順次流れて第2タンク4内に戻り、このように続けると、第2タンク4の水は自然循環し続けることができる。第2タンク4の水自然循環の過程において、ヒータ53をオンにして流れる水を加熱することができ、水温が必要な温度、例えば、40度になると、水の循環および加熱を停止することができ、水温が一定の温度、例えば、30度よりも低くなると、水自然循環および加熱を再び行うことができる。
【0023】
ポンプ22、分流弁5、ヒータ53、消毒器54は、それぞれ本介護機器のコントローラに電気的に接続され、コントローラは、ポンプ22、ヒータ53、消毒器54等のオン・オフを制御し、分流弁5の給水口50、51の切り替えを制御する。第1タンク3が第2タンク4に補水する過程において、消毒器54が常にオンになって消毒を行うため、第2タンク4の水は既に全て一度消毒され、後続の第2タンク4の水自然循環の過程において、消毒器54をオンにして補充消毒を行ってもよいし、消毒器54をオフにしてもよい。もちろん、第1タンク3が第2タンク4に補水する過程においてヒータ53および消毒器54をオンにし、後続の第2タンク4の複数回の水自然循環の過程において、ヒータ53をオンにして加熱し、消毒器54をオンにして消毒してもよい。加熱水タンクには、加熱水タンクの水位を監視するための液位検出器が設けられてもよく、加熱水タンク内の水温を監視するための温度検出器が設けられてもよい。
【0024】
汚水バレル21は、防水装置の後方に位置して第2タンク4と左右に並び、防水装置は、防水装置の吐気ポート751を閉塞するためのフロート93と、貯水室980と、フロート93を収容するためのフロート収容室990と、貯水室980とフロート収容室990とを連通するためのラビリンス通路とを備え、防水装置の給気ポート750は、対応的に貯水室980と上下に対向して貯水室980の上方に位置し、吐気ポート751は、対応的にフロート収容室990と上下に対向してフロート収容室990の上方に位置し、ラビリンス通路は、貯水室980とフロート収容室990との間に位置する。ラビリンス通路を設けることにより、貯水室980とフロート収容室990との間がラビリンス通路により横方向に連通することを確保するとともに、貯水室980内の異物はラビリンス通路を通過しにくく、貯水室980内の異物がフロート収容室990に入る難しさを増加し、貯水室980内の異物がフロート収容室990に入ることを抑制し、異物がフロート93に付着する確率を効果的に低減し、更に異物の付着がフロート93の正常な浮きおよび吐気ポート751の閉塞に対する悪影響を効果的に削減し、本防水装置の性能を向上させる。
【0025】
防水装置は、前記ラビリンス通路を形成する複数の仕切り板を更に備え、各仕切り板は、上下方向に沿って延伸し、各仕切り板は立設されている。フロート収容室990の下端とラビリンス通路の下端とが面一になり、同じ高さにあり、フロート収容室990の下端と仕切り板の下端とが面一になり、同じ高さにある。ラビリンス通路は、第1間隔70と、第2間隔71と、第3間隔72と、第4間隔73と、第5間隔74とを備え、前記複数の仕切り板は、第1仕切り板80と、第2仕切り板81と、第3仕切り板82と、第4仕切り板83と、第5仕切り板84と、第6仕切り板85とを含み、第1仕切り板80、第2仕切り板81、第3仕切り板82、第4仕切り板83、第5仕切り板84、および第6仕切り板85の上端が面一になり、下端も面一になる。第1仕切り板80と第2仕切り板81とは間隔をあけて対向し、第3仕切り板82は、第1仕切り板80と第2仕切り板81との間に位置し、第4仕切り板83は、第1仕切り板80と第2仕切り板81との間に位置し、第3仕切り板82の対向する2辺のうちの一方820は第1仕切り板80に一体に接続され、第3仕切り板82の対向する2辺のうちの他方821は第2仕切り板81と間隔をあけて前記第1間隔70を形成し、第4仕切り板83の対向する2辺のうちの一方830は第2仕切り板81に一体に接続され、第4仕切り板83の対向する2辺のうちの他方831は第1仕切り板80と間隔をあけて前記第2間隔71を形成する。第1仕切り板80は第2仕切り板81に平行であり、第3仕切り板82は第4仕切り板83に平行であり、第1仕切り板80は第3仕切り板82および第4仕切り板83に垂直である。
【0026】
第5仕切り板84対向する2辺のうちの一方840は第1仕切り板80に一体に接続され、第6仕切り板85の対向する2辺のうちの一方850は第2仕切り板81に一体に接続され、第5仕切り板84の対向する2辺のうちの他方841は第6仕切り板85の対向する2辺のうちの他方851と間隔をあけて前記第3間隔72を形成する。第3間隔72は中央に設けられ、大体第1仕切り板80と第2仕切り板81との間の中央線にあり、第3間隔72と第1仕切り板80と間の垂直距離は、第3間隔72と第2仕切り板81との間の垂直距離に等しい。第1仕切り板80、第2仕切り板81、第3仕切り板82、第4仕切り板83、第5仕切り板84、第6仕切り板85は垂直である。第3仕切り板82と第4仕切り板83との間の間隔は第4間隔73を構成し、第4仕切り板83と第6仕切り板85との間の間隔は第5間隔74を構成する。第1間隔70、第2間隔71、第3間隔72、第4間隔73、および第5間隔74の上端が面一になり、下端も面一になる。
【0027】
第1間隔70、第2間隔71、第3間隔72は、貯水室980とフロート収容室990との間に順次分布され、第3仕切り板82は、フロート収容室990と第4仕切り板83との間に位置し、第1間隔70、第2間隔71、第3間隔72の左右方向に垂直な第1平面への垂直投影が完全にずれており、第1平面は、第3仕切り板82および第4仕切り板83に平行な鉛直平面であり、第1平面は1つの仮想的な平面であり、第1間隔70、第2間隔71、第3間隔72がずれている具体的な状況を説明しやすいために導入されたものであり、第1平面への垂直投影は、投影方向が第1平面に垂直であることが要求される。第1間隔70、第2間隔71、第3間隔72は、それぞれ上下方向に延伸する。
【0028】
貯水室980、ラビリンス通路、フロート収容室990は左右に並設され、貯水室980は、フロート収容室990およびラビリンス通路よりも下方に突出する。フロート収容室990の下端とラビリンス通路の下端とが面一になる。防水装置は、ベースと、ベースの上端に設けられた上蓋とを備え、前記貯水室980およびフロート収容室990は、それぞれベースの内部空洞の一部を構成し、給気ポート750、吐気ポート751は、それぞれ上蓋に形成されている。ベースは、貯水カップ98と、フロート収容カップ99とを備え、貯水カップ98の内部空洞は貯水室980を構成し、フロート収容カップ99の内部空洞はフロート収容室990を構成し、フロート収容カップ99の底端には、フロート収容室990下方に位置する底壁991が設けられ、フロート収容室990内に水がない場合、フロート93は底壁991に落下し、ベースには、貯水カップ98と底壁991との間に接続されてラビリンス通路の下方に位置する接続壁86が更に設けられ、第1仕切り板80、第2仕切り板81、第3仕切り板82、第4仕切り板83は、それぞれ接続壁86から上方へ延伸する。底壁991が平板状であり、接続壁86が平板状であって底壁991と面一になり、第5仕切り板84、第6仕切り板85は、それぞれ底壁991と接続壁86との境界から上方へ延伸する。フロート収容カップ99には、第1円弧状壁992と、第円弧状壁993とが更に設けられ、第1円弧状壁992、第円弧状壁993は、貯水室980とフロート収容室990とを仕切り、第1円弧状壁992、第円弧状壁993は、それぞれ貯水カップ98およびフロート収容カップ99に共用され、貯水カップ98には、ラビリンス通路の反対側に位置する2つの中間壁981が更に設けられ、中間壁981は、底壁991および接続壁86に平行で底壁991および接続壁86よりも高く、第1円弧状壁992は、そのうちの一方の中間壁981から上方へ延伸し、第円弧状壁993は、そのうちの他方の中間壁981から上方へ延伸する。フロート収容室990の下端と第1間隔70の下端、第2間隔71の下端および第3間隔72の下端とが面一になり、ベースには、貯水室980に連通して貯水室980の下方に位置する排水口87が更に設けられ、防水装置は、排水口87に取り付けられた蛇口94を更に備え、蛇口94は、従来の一般的な蛇口を採用することができ、具体的な構造は説明を省略する。蛇口94を開ければ、貯水室980に蓄積された液体を排出することができる。シャーシ101にネジスタッド96が設けられ、ベースにネジスタッド96に対応する突出部89が設けられ、ネジ(図示せず)は突出部89を貫通してネジスタッド96にロックされ、ベースをシャーシ101に固定する。
【0029】
上蓋はあて板76を更に備え、あて板76は下方へ延伸してベースの内部空洞に進入し、あて板76は、給気ポート750および吐気ポート751よりも下方に突出し、給気ポート750と吐気ポート751との間に位置し、給気ポート750の吐気ポート751に近い側を遮蔽し、これにより、給気ポート750の気流は、あて板76を迂回して吐気ポート751へ流れる必要があり、気流内に運ばれた汚水、異物等がベースの内部空洞により多く落下することに寄与する。上蓋は、底板77と、底板77から下方へ突出する環状のリブとを更に備え、給気ポート750および吐気ポート751はそれぞれ底板77を貫通し、環状のリブは、給気ポート750および吐気ポート751外周を囲み、環状のリブは、間隔がある第1リブセグメント780および第2リブセグメント781を含み、給気ポート750および吐気ポート751は第1リブセグメント780と第2リブセグメント781との間に位置し、あて板76は底板77から下方へ延伸し、あて板76の対向する両端のうちの一方760は第1リブセグメント780に一体に接続され、対向する両端のうちの他方761は第2リブセグメント781に一体に接続されている。第1リブセグメント780および第2リブセグメント781は、それぞれストレート形状をなす。環状のリブは、間隔がある第3リブセグメント782および第4リブセグメント783を更に含み、第3リブセグメント782および第4リブセグメント783がそれぞれ円弧状であり、あて板76は第3リブセグメント782と第4リブセグメント783との間に位置し、第3リブセグメント782は第1リブセグメント780と第2リブセグメント781との間に接続され、第4リブセグメント783は第1リブセグメント780と第2リブセグメント781との間に接続され、第3リブセグメント782の第4リブセグメント783から離れた方向に、フック784が延伸され、環状のリブは、ベースの上ポート88と形状が合わせてベースの上ポート88に装着され、ベースに位置決め口883が設けられ、フック784は位置決め口883内に嵌め込まれている。環状のリブ外周とベースとの間が接着剤でシールされることで、底板77とベースとの間の隙間は封止され、底板77とベースとの間のシール性を確保する。位置決め口883は貫通孔であり、フック784と位置決め口883との間は接着剤でシールされている。上蓋は十字架79を更に備え、十字架79は給気ポート750の中に位置し、給気ポート750内の十字架79の上側に、吸水するためのスポンジブロックが設けられてもよく、スポンジブロックは円筒形をなし、給気ポート750の形状と合わせ、スポンジブロックは、接着剤で給気ポート750内に接着して固定することができる。
【0030】
ベースには環状のリブ外周に位置する第1ネジ孔880が設けられ、防水装置は、上蓋およびベースを固定するための第1ネジ950を更に備え、第1ネジ950は第1ネジ孔880に螺合され、第1ネジ孔880および位置決め口883は環状のリブ外周に位置してベースの上ポート88の反対側に位置する。このように配置すると、第1ネジ950だけをロックすれば、上蓋とベースの反対側とは、相互の位置決めをバランスよく行うことができ(第1ネジ950と第1ネジ孔880との係合、および他側のフック784と位置決め口883との係合により)、上蓋とベースの反対側とをそれぞれ位置決めすることができ、後続の他のネジのロックも容易になり、ネジのロック過程を最適化する。
【0031】
上蓋をベースに取り付ける時、まず、第3リブセグメント782が位置する側をベースの上ポート88に取り付け、フック784を位置決め口883に嵌め込み、第3リブセグメント782が位置する側はベースに対してほぼ位置決めされ、また、第4リブセグメント783が位置する側をベースの上ポート88に取り付け、その後、ネジ(第1ネジ950、第2ネジ951、第3ネジ952)に底板77外周の耳部(第1耳部770、第2耳部771、第3耳部772)を貫通させてベースのネジ孔(第1ネジ孔880、第2ネジ孔881、第3ネジ孔882)に螺合し、第1ネジ950および第1ネジ孔880という両者と位置決め口883とがちょうど上ポート88の反対側に位置するため、第1ネジ950をロックした後、上蓋を初歩的に上ポート88にバランスよく位置決めすることを実現でき、また、別の2つのネジをロックし、取り付け速度を加速することができる。
【0032】
フロート93が球状であり、フロート93の直径は39mmであり、フロート収容室990の高さL1は128mmであり、ラビリンス通路、第1仕切り板80、第2仕切り板81、第3仕切り板82、第4仕切り板83、第5仕切り板84、第6仕切り板85の高さL2は95mmであり、貯水室980の高さL1は208mmである。負圧源20の正常に吸引する吸引力に応じて適当な重量のフロート93を選択することができる。本実施例において、以下のように設定することができる。フロート収容室990内の液位が上昇した高さにより、フロート93の最高点が既に各仕切り板とほぼ面一になった場合、液位およびフロート93は既に吐気ポート751に近く、負圧源20が正常に吸引すれば、フロート93は吸着されて吐気ポート751を閉塞することができ、防水装置に蓄積された液体が吸い上げられることを効果的に回避することを実現する。以上のサイズおよび設定は一例に過ぎず、当業者は、実際の適用および具体的な状況等に応じてサイズおよび設定の調製を容易に行うことができる。
【0033】
防水装置は、それぞれ貯水室980内に露出した第1導電プローブ90および第2導電プローブ91と、第1導電プローブ90に接続された第1導電線路(図示せず)と、第2導電プローブ91に接続された第2導電線路(図示せず)とを更に備え、第1導電プローブ90および第2導電プローブ91は異なる高さにあり、第1導電プローブ90の少なくとも一部および第2導電プローブ91の少なくとも一部が貯水室980に集められた液体に浸れた場合、第1導電線路は、第1導電プローブ90、貯水室980に集められた液体、第2導電プローブ91を順次介して第2導電線路に電気的に接続され、この時、貯水室980に集められた液体が一定の高さに達したことを意味し、この場合、制御システムは、介護機器を制御して警報を発し、貯水室980に集められた液体が警戒線を超え、貯水室980を空きにする必要があることをユーザに警告することができる。具体的には、第1導電線路、第2導電線路は電線であってもよく、それぞれ本介護機器の制御システムに接続され、第1導電線路、第2導電線路が、第1導電プローブ90、貯水室980に集められた液体、および第2導電プローブ91に電気的に連通すれば、制御システムと導電路を構成して制御システムをトリガして警報を発することができる。第1導電プローブ90および第2導電プローブ91はそれぞれネジであり、それぞれ貯水カップ98にロックされ、第1導電プローブ90の先端および第2導電プローブ91の先端はそれぞれ貯水室980内に挿入され、貯水室980に集められた液体とより接触しやすくなる。第1導電プローブ90と第2導電プローブ91とは水平に設けられている。本発明は、第1導電プローブ90および第2導電プローブ91により貯水室980内の液位検出を実現することができ、第1導電プローブ90および第2導電プローブ91の高さは、フロート収容室990下端よりも僅か(2mm未満)だけ高く、貯水室980内の液位がフロート収容室990の下端を超えると、貯水室980内の液位とフロート収容室990内の液位は、ラビリンス通路の連通作用に基づいて同じ高さにある。フロート93は、1つの予備的な安全防護対策に過ぎず、第1導電プローブ90および第2導電プローブ91の液位検出が失効とならず、且つユーザが液位警報を受信した後に貯水室980をタイムリーに空きにすれば、フロート93が吐気ポート751を閉塞することは現れず、第1導電プローブ90および第2導電プローブ91の液位検出が失効となれば、フロート93は、フロート収容室990の液位が一定の高さに達した後に吐気ポート751を閉塞し、その防水および溢れ防止の作用を果たすことができる。
【0034】
防水装置はベースの内部空洞に連通する通気孔92を更に備え、前記ベースは上蓋に一体に固定され、通気孔92はそれぞれ底板77を貫通し、あて板76は通気孔92と吐気ポート751との間に位置し、通気孔92は給気ポート750とあて板76との間に位置する。介護機器本体10は、導気管(図示せず)と、ベースの内部空洞の気圧を検出するための気圧検出ユニット(図示せず)とを更に備え、気圧検出ユニットがベースの内部空洞の気圧を採取できるように、導気管の対向する両端のうちの一方は通気孔92に突合せ接続され、導気管の対向する両端のうちの他方は気圧検出ユニットに接続され、気圧検出ユニットは、タイヤの気圧を検出する圧力検出機器、空気圧縮機の圧力計等のような従来の技術を採用することができ、気圧検出ユニットの具体的な構造は説明を省略する。集便器11と本体10との間の汚物吸引配管12に目詰りが発生し、且つ負圧源20が正常に吸引する場合、ベースの内部空洞の気圧は低くなり、気圧検出ユニットが、ベースの内部空洞の気圧が一定値以下になることを検出すると、介護機器本体の制御システムは警報を発し、防水装置の上流配管に目詰まりが発生した(例えば、汚物吸引配管12に目詰まりが発生した)ことをユーザに提示し、ユーザは防水装置の上流配管に目詰まりが発生したか否かをチェックする必要があるように設定することができる。
【0035】
以上、本発明の具体的な実施形態に過ぎないが、本発明の保護範囲はこれに限定されるものではなく、本発明は図面および以上の具体的な実施形態に記載された内容を含んでもよいが、これらに限定されないことが当業者に明らかである。本発明の機能および構造原理から逸脱しないいかなる修正は、いずれも特許請求の範囲内に含まれる。
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