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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】作業監視システム及びその監視方法
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20230323BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20230323BHJP
【FI】
A01B69/00 Z
G05D1/02 N
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021541550
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 CN2019106298
(87)【国際公開番号】W WO2020147325
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】201910048403.6
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910187499.4
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521294298
【氏名又は名称】豊疆智能科技研究院(常州)有限公司
【氏名又は名称原語表記】FJ Dynamics Technology Academy (Chang zhou) Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】No. 202 Donghai Road, Xinbei District Changzhou, Jiangsu 213001, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】秦 碩
(72)【発明者】
【氏名】斉 家園
(72)【発明者】
【氏名】徐 兵
(72)【発明者】
【氏名】呉 益超
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-164420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 69/00 - 69/08
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの農機を監視するために使用される作業監視システムであって、
作業環境の少なくとも1つの作業領域と、少なくとも1つの非作業領域とを認識し、前記作業領域と前記非作業領域との間の少なくとも1つの境界を生成する環境分析モジュールと、
前記境界に少なくとも1つの電子フェンスが設けられるように前記環境分析モジュールと通信可能に接続される境界制御モジュールと、
前記境界制御モジュールに通信可能に接続され、前記電子フェンスを取得するための少なくとも1つの監視モジュールと、
前記境界制御モジュールから前記電子フェンスと前記電子フェンスの一方側の前記非作業領域とを取得して、前記電子フェンスの環境状況に基づいて少なくとも1つのセキュリティポリシーを制定する対策決定モジュールと、を備え、
前記監視モジュールは、前記農機の位置をモニタリングし、前記農機が前記電子フェンスの一方側の前記作業領域内にあるか否かを監視し、
前記対策決定モジュールは、前記監視モジュールから、前記農機がトリガする前記電子フェンスの位置を取得し、前記農機がトリガする前記電子フェンスの位置に応じて、対応する前記セキュリティポリシーを呼び出して、前記農機で実行する実行モジュールをさらに含むことを特徴とする作業監視システム。
【請求項2】
前記環境分析モジュールは、少なくとも1つのモニタリング装置に通信可能に接続された環境データ取得モジュールを含み、前記モニタリング装置は、作業環境をモニタリングして、環境データを生成し、且つ前記環境データを前記環境データ取得モジュールに送信することを特徴とする請求項1に記載の作業監視システム。
【請求項3】
前記環境分析モジュールは、さらに、
前記環境データ取得モジュールから環境データを取得し、作業環境の前記作業領域を認識する作業領域認識モジュールと、
前記環境データ取得モジュールから環境データを取得し、作業環境の前記非作業領域を認識する非作業領域認識モジュールと、
それぞれ前記作業領域認識モジュールから前記作業領域を取得し、前記非作業領域認識モジュールから前記非作業領域を取得し、且つ前記作業領域と前記非作業領域との境界を生成する境界生成モジュールと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の作業監視システム。
【請求項4】
前記境界制御モジュールは、
前記作業領域、前記非作業領域、及び前記境界を前記環境分析モジュールから取得し、前記農機の作業が必要な前記作業領域を画定する作業領域分割モジュールと、
前記農機が作業を必要とする前記作業領域と前記非作業領域との境界に前記電子フェンスを設ける電子フェンス設置モジュールと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の作業監視システム。
【請求項5】
前記対策決定モジュールは、前記境界制御モジュールから前記電子フェンスの一方側の前記非作業領域を取得して、前記非作業領域の環境特徴を解析する非作業領域分析モジュールを含むことを特徴とする請求項に記載の作業監視システム。
【請求項6】
前記対策決定モジュールは、セキュリティポリシー制定モジュールを含み、前記セキュリティポリシー制定モジュールは、前記非作業領域分析モジュールから前記非作業領域の環境特徴を取得し、前記セキュリティポリシー制定モジュールは、前記電子フェンスの一方側の前記非作業領域の環境特徴に基づいて前記セキュリティポリシーを制定することを特徴とする請求項に記載の作業監視システム。
【請求項7】
前記監視モジュールは、
前記農機の位置をモニタリングする位置監視モジュールと、
前記境界制御モジュールから前記電子フェンスを取得し、前記位置監視モジュールから前記農機の位置を取得し、前記農機と前記電子フェンスとの間の位置関係に基づいて、前記農機が前記電子フェンスをトリガするか否かを判定するトリガ判断モジュールと、を含むことを特徴とする請求項に記載の作業監視システム。
【請求項8】
前記監視モジュールは、前記トリガ判断モジュールに通信可能に接続され、前記トリガ判断モジュールが前記農機が前記電子フェンスをトリガしたと判定する場合に、前記農機がトリガする前記電子フェンスの位置を前記対策決定モジュールにフィードバックするためのフィードバックモジュールをさらに含むことを特徴とする請求項に記載の作業監視システム。
【請求項9】
前記モニタリング装置は、予め作業環境をモニタリングし、前記環境分析モジュールは、前記モニタリング装置から、予めモニタリングした環境データを取得し、前記作業領域と前記非作業領域とを予め認識して前記境界を生成することを特徴とする請求項2に記載の作業監視システム。
【請求項10】
前記モニタリング装置は、作業環境をリアルタイムにモニタリングし、前記環境分析モジュールは、前記モニタリング装置から環境データをリアルタイムに取得し、ここで、前記環境分析モジュールは、前記作業領域と前記非作業領域とをリアルタイムに認識して、前記境界を生成することを特徴とする請求項2に記載の作業監視システム。
【請求項11】
前記モニタリング装置は、ドローン、基地局、衛星及びこれらの組み合わせとして実現されることを特徴とする請求項2に記載の作業監視システム。
【請求項12】
前記モニタリング装置が、撮像装置、モニタデバイス及びこれらの組み合わせとして実施される請求項2に記載の作業監視システム。
【請求項13】
農機を監視するための作業監視方法であって、
1つの作業領域と1つの非作業領域との境界に少なくとも1つの電子フェンスを設けるステップ(A)と、
前記農機が前記電子フェンスをトリガするか否かを判断するステップ(B)と、
判断結果に基づいて、前記農機の作動状態を制御するステップ(C)と、を備え、
前記ステップ(A)と前記ステップ(B)との間に、
前記電子フェンスの一方側の前記非作業領域の環境特徴を分析するステップと、
前記非作業領域の環境特徴に基づいてセキュリティポリシーを制定するステップと、
前記農機の位置を取得するステップと、
前記農機と前記電子フェンスとの間の位置関係を分析するステップと、をさらに含み、
前記ステップ(C)は、
前記農機と前記電子フェンスとの間の位置関係に応じて、前記農機がトリガする前記電子フェンスの位置を特定して、対応する前記セキュリティポリシーを呼び出して、前記農機で実行するステップをさらに含むことを特徴とする作業監視方法。
【請求項14】
前記ステップ(A)の前に、前記作業領域と前記非作業領域との境界を特定するステップ(D)をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の作業監視方法。
【請求項15】
前記ステップ(D)の前に、
少なくとも1つのモニタリング装置により作業環境をモニタリングして環境データを取得するステップと、
作業環境の環境データに基づいて作業環境の前記作業領域と前記非作業領域とを認識し、前記作業領域と前記非作業領域との境界を特定するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の作業監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業機械の分野に関し、特に、作業経路の監視システム及びその監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
農業技術の発展に伴い、農業機械も益々多く応用され、自動化率も益々高まっている。農業機械の作業時には移動作業が必要となることが多いが、農業機械の作業安全は、作業環境の中の危険要素に脅かされている。山地、水系、道路等の場所付近には圃場が存在する可能性があり、圃場がある地域では、環境によっては異なる問題が発生する。例えば、道路のそばの畑で作業する農機は、道路に入ると車や歩行者などと衝突する危険がある。そのほか、山間部の農地が常に山壁や崖などに隣接しており、農機が作業する時にいったん崖や山壁などに接近すると、衝突や落下のリスクがある。また、水系側で作業している農機も水に落ちる可能性がある。
【0003】
このため、農機は、作業時に作業の範囲が非常に重要である。作業範囲を越える何れの動作もリスクをもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の一つは、農機の作業環境をモニタリングし、前記農機が作業領域内でのみ作業を行うように制御する作業監視システム及びその監視方法を提供することにある。
【0005】
また、本発明のもう一つの目的は、前記作業領域の周辺に電子フェンスを設けて、前記作業領域を限定することによって、作業領域内でのみ前記農機が作業を行うように制御する作業監視システム及びその監視方法を提供することにある。
【0006】
また、本発明のもう一つの目的は、前記電子フェンスがトリガされたか否かを判断することで、前記農機が作業領域内にあるか否かを監視するような作業監視システム及びその監視方法を提供することにある。例えば、前記作業監視システムが、前記電子フェンスを介して、前記農機が前記作業領域を越えていると判断すると、安全を保証するために前記農機が停止される。
【0007】
また、本発明のもう一つの目的は、モニタリング装置を介して前記作業環境のデータを取得して、作業領域と非作業領域とを特定することにより、前記作業領域と前記非作業領域との境界に前記電子フェンスを設定する作業監視システム及びその監視方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明のもう一つの目的は、前記作業領域と前記非作業領域との境界を画定し、前記作業領域と前記非作業領域との境界に前記電子フェンスを設けて前記作業領域と前記非作業領域とを区切るような作業監視システム及びその監視方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明のもう一つの目的は、セキュリティポリシーを制定し、前記農機が前記電子フェンスをトリガすると、安全リスクを防止するために、セキュリティポリシーを呼び出して前記農機の実行を指示するような作業監視システム及びその監視方法を提供することにある。例えば、前記農機が前記電子フェンスをトリガした場合に、安全リスクを防止するために、前記農機がシャットダウン状態になるように、前記セキュリティポリシーを呼び出して前記農機で実行するように指示する。
【0010】
また、本発明のもう一つの目的は、異なる環境下の安全リスクを効果的に防ぐために、前記電子フェンスの周辺環境に応じて相応のセキュリティポリシーを制定する作業監視システム及びその監視方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明のもう一つの目的は、前記作業領域と前記非作業領域とを予め認識し、予め境界を生成しておき、且つ前記電子フェンスを境界に設けて、前記作業領域に前記農機が作業すると、予め設定された前記電子フェンスによって、前記作業領域内でのみ前記農機が作業できるように制御し、前記電子フェンスをトリガする際の安全リスクをタイムリーに防止する作業監視システム及びその監視方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明のもう一つの目的は、前記農機周辺の作業環境をリアルタイムにモニタリングして、前記作業領域と前記非作業領域とをリアルタイムに認識し、且つその境界をリアルタイムに生成し、前記電子フェンスを境界に設けて、前記農機が前記作業領域で作業する際に、前記電子フェンスによって前記作業領域内で前記農機が作業するようにリアルタイムで制御し、安全リスクを防止することができる作業監視システム及びその監視方法を提供することにある。
【0013】
本発明の他の利点及び特徴は、以下の詳細な説明により十分に表現され、且つ添付の特許請求の範囲において特に指摘された手段と装置の組み合わせによって実現される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様によれば、前述の目的及び他の目的及び利点を実現することができる本発明の作業監視システムは、少なくとも1つの農機を監視するために使用され、
作業環境の少なくとも1つの作業領域と、少なくとも1つの非作業領域とを認識し、前記作業領域と前記非作業領域との間の少なくとも1つの境界を生成する環境分析モジュールと、
前記境界に少なくとも1つの電子フェンスが設けられるように前記環境分析モジュールと通信可能に接続される境界制御モジュールと、
前記境界制御モジュールに通信可能に接続され、前記電子フェンスを取得するための少なくとも1つの監視モジュールと、を備え、
前記監視モジュールは、前記農機の位置をモニタリングし、前記農機が前記電子フェンスの一方側の前記作業領域内にあるか否かを監視する。
【0015】
本発明の一態様によれば、前記環境分析モジュールは、少なくとも1つのモニタリング装置に通信可能に接続された環境データ取得モジュールを含み、前記モニタリング装置は、作業環境をモニタリングして、環境データを生成し、且つそれを前記環境データ取得モジュールに送信する。
【0016】
本発明の一態様によれば、前記環境分析モジュールは、さらに、
前記環境データ取得モジュールから環境データを取得し、作業環境の前記作業領域を認識する作業領域認識モジュールと、
前記環境データ取得モジュールから環境データを取得し、作業環境の前記非作業領域を認識する非作業領域認識モジュールと、
それぞれ作業領域認識モジュールから前記作業領域を取得し、前記非作業領域認識モジュールから前記非作業領域を取得し、且つ前記作業領域と前記非作業領域との境界を生成する境界生成モジュールと、を含む。
【0017】
本発明の一態様によれば、前記境界制御モジュールは、
前記作業領域、前記非作業領域、及び前記境界を前記環境分析モジュールから取得し、前記農機の作業が必要な前記作業領域を画定する作業領域分割モジュールと、
前記農機が作業を必要とする前記作業領域と前記非作業領域との境界に前記電子フェンスを設ける電子フェンス設置モジュールと、を含む。
【0018】
本発明の一態様によれば、前記作業監視システムは、前記境界制御モジュールから前記電子フェンスと前記電子フェンスの一方側の前記非作業領域とを取得して、前記電子フェンスの環境状況に基づいて少なくとも1つのセキュリティポリシーを制定する対策決定モジュールをさらに備える。
【0019】
本発明の一態様によれば、前記対策決定モジュールは、前記境界制御モジュールから前記電子フェンスの一方側の前記非作業領域を取得して、前記非作業領域の環境特徴を解析する非作業領域分析モジュールを含む。
【0020】
本発明の一態様によれば、前記対策決定モジュールは、セキュリティポリシー制定モジュールを含み、前記セキュリティポリシー制定モジュールは、前記非作業領域分析モジュールから前記非作業領域の環境特徴を取得し、前記セキュリティポリシー制定モジュールは、前記電子フェンスの一方側の前記非作業領域の環境特徴に基づいて前記セキュリティポリシーを制定する。
【0021】
本発明の一態様によれば、前記監視モジュールは、
前記農機の位置をモニタリングする位置監視モジュールと、
前記境界制御モジュールから前記電子フェンスを取得し、前記位置監視モジュールから前記農機の位置を取得し、前記農機と前記電子フェンスとの間の位置関係に基づいて、前記農機が前記電子フェンスをトリガするか否かを判定するトリガ判断モジュールと、を含む。
【0022】
本発明の一態様によれば、前記監視モジュールは、前記トリガ判断モジュールに通信可能に接続され、前記トリガ判断モジュールが前記農機が前記電子フェンスをトリガしたと判定する場合に、前記農機がトリガする前記電子フェンスの位置を前記対策決定モジュールにフィードバックするためのフィードバックモジュールをさらに含む。
【0023】
本発明の一態様によれば、前記対策決定モジュールは、前記フィードバックモジュールから、前記農機がトリガする前記電子フェンスの位置を取得し、前記農機がトリガする前記電子フェンスの位置に応じて、前記セキュリティポリシー制定モジュールから対応する前記セキュリティポリシーを呼び出して、前記農機で実行する実行モジュールをさらに含む。
【0024】
本発明の一態様によれば、前記モニタリング装置は、予め作業環境をモニタリングし、前記環境分析モジュールは、前記モニタリング装置から、予めモニタリングした環境データを取得し、前記作業領域と前記非作業領域とを予め認識して前記境界を生成する。
【0025】
本発明の一態様によれば、前記モニタリング装置は、作業環境をリアルタイムにモニタリングし、前記環境分析モジュールは、前記モニタリング装置から環境データをリアルタイムに取得し、ここで、前記環境分析モジュールは、前記作業領域と前記非作業領域とをリアルタイムに認識して、前記境界を生成する。
【0026】
本発明の一態様によれば、前記モニタリング装置は、ドローン、基地局、衛星及びこれらの組み合わせとして実現される。
【0027】
本発明の一態様によれば、前記モニタリング装置は、撮像装置、モニタデバイス及びこれらの組み合わせとして実現される。
【0028】
本発明の他の態様によれば、本発明は、農機を監視するための作業監視方法をさらに提供する。前記作業監視方法は、
1つの作業領域と1つの非作業領域との境界に少なくとも1つの電子フェンスを設けるステップ(A)と、
前記農機が前記電子フェンスをトリガするか否かを判断するステップ(B)と、
判断結果に基づいて、前記農機の作動状態を制御するステップ(C)と、を備える。
【0029】
本発明の一態様によれば、前記ステップ(A)の前に、前記作業監視方法は、前記作業領域と前記非作業領域との境界を特定するステップ(D)をさらに備える。
【0030】
本発明の一態様によれば、前記ステップ(D)の前に、前記作業監視方法は、さらに、
少なくとも1つのモニタリング装置により作業環境をモニタリングして環境データを取得するステップと、
作業環境の環境データに基づいて作業環境の前記作業領域と前記非作業領域とを認識し、前記作業領域と前記非作業領域との境界を特定するステップと、を含む。
【0031】
本発明の一態様によれば、前記ステップ(A)と前記ステップ(B)との間に、前記作業監視方法は、
前記電子フェンスの一方側の前記非作業領域の環境特徴を分析するステップと、
前記非作業領域の環境特徴に基づいて前記セキュリティポリシーを制定するステップと、をさらに含む。
【0032】
本発明の一態様によれば、前記ステップ(A)と前記ステップ(B)との間に、前記作業監視方法は、
前記農機の位置を取得するステップと、
前記農機と前記電子フェンスとの間の位置関係を分析するステップと、をさらに含む。
【0033】
本発明のさらなる目的と利点は、後述する説明及び図面の理解によって十分に体現されている。
【0034】
本発明のこれら及び他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明、図面及び特許請求の範囲によって十分に具現化される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の一好適な実施形態に係るシステムのブロック図である。
図2】本発明の好適な実施形態の概略図である。
図3】本発明の上記好適な実施形態のフローチャートである。
図4】本発明の上記好適な実施形態の概略図である。
図5】本発明の上記好適な実施形態の更に他の例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の説明は、本発明を開示し、当業者が本発明を実施することができるようにするために使用される。以下の記載における好ましい実施例はあくまで例示的であって、当業者は他の自明な変形を想到し得るものである。以下の説明において規定される本発明の基本原理は、他の実施の形態、変形の形態、改良の形態、均等の形態及び本発明の精神と範囲を遺脱しない他の態様に適用することができる。
【0037】
当業者であれば、本発明の開示における「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「トップ」、「底部」、「内」、「外」等の用語で表される方位や位置関係は、図面に示す方位や位置関係に基づくものであると理解すべきであり、本発明の説明を簡単にするためだけであり、所定の装置や素子が必ずしも特定の方位を有すること、特定の方位での構造や操作を有していることを指示又は示唆するものではないので、上記の用語は、本発明に対する制限として理解できない。
【0038】
「1つ」という用語は「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」と理解されるべきであり、つまり、ある実施例では、1つの素子の数は1つでもよいが、他の実施の形態では、当該素子の数は複数であってもよく、「1つ」という用語は、数の制限として理解されない。
【0039】
本願の添付図面の図1図5を参照しながら、本発明の一好ましい実施形態の作業監視システム100について開示して説明する。前記作業監視システム100は、少なくとも1つの農機201の作業領域203を監視して、前記農機201が限定された前記作業領域203内で作業するように制御する。前記農機201が前記作業領域203を越えると、前記作業監視システム100は、前記農機201が前記作業領域203を越えることによる安全リスクを回避するように、前記農機201を制御してセキュリティポリシーを実行させる。
【0040】
図1及び図2に示すように、前記作業監視システム100は、前記農機201が作業する環境を分析するための環境分析モジュール101を備える。前記環境分析モジュール10は、少なくとも1つのモニタリング装置202と通信可能に接続される。前記モニタリング装置202は、前記農機201が作業する環境を分析して、前記農機201が作業する環境のデータを取得する。前記環境分析モジュール101は、環境の少なくとも1つの作業領域203と、少なくとも1つの非作業領域204とを認識する。さらに、前記環境分析モジュール101は、認識した前記作業領域203と前記非作業領域204との間に1つの境界205を区画する。好ましくは、前記農機201は、前記作業領域203で作業を行い、前記作業監視システム100は、前記農機201が前記作業領域203内にあるか否かをモニタリングする。前記農機201が前記境界205を越えて前記作業領域203から前記非作業領域204に入ると、前記作業監視システム100は前記農機201に対してセキュリティポリシーの実行を指示する。
【0041】
前記作業監視システム100は、前記環境分析モジュール101から前記農機201の作業環境の前記作業領域203、前記非作業領域204、及び前記境界205を取得するための境界制御モジュール102をさらに備える。前記境界制御モジュール102は、前記農機201が作業する前記作業領域203を認識し、且つ前記作業領域203と前記非作業領域204との前記境界205に電子フェンス206を設ける。前記境界制御モジュール102は、前記作業領域203の前記境界205に対して、前記農機201が限られた領域で作業を行うように前記電子フェンス206を設けて、安全リスクを防止する。
【0042】
また、前記電子フェンス206は、制御信号によって形成されたフェンスであり、前記作業領域203と前記非作業領域204とを区分することに用いられる。前記電子フェンス206によって区切られた前記作業領域203では、前記農機201は制御信号を受信して、前記作業領域203内で作業する。前記農機201が前記電子フェンス206を乗り越えて、前記作業領域203から前記非作業領域204に入ると、前記農機201は制御信号を受信できなくなり、潜在的な安全リスクを防ぐために、駐車状態にあるが、これに限らない。
【0043】
また、前記作業監視システム100は、境界制御モジュール102に通信可能に接続されて、前記境界制御モジュール102から前記電子フェンス206の一方側の前記作業領域203と他方側の前記非作業領域204とを取得するための対策決定モジュール103をさらに備える。この対策決定モジュール103は、前記非作業領域204の環境状況と、前記農機201が前記電子フェンス206を越えて前記非作業領域204に進入する安全リスクとを分析する。前記対策決定モジュール103は、さらに、前記非作業領域204の安全リスクから、前記農機201が実行可能な安全リスクを回避するためのセキュリティポリシーを解析する。
【0044】
また、前記作業監視システム100は、前記境界制御モジュール102に通信可能に接続されて、前記電子フェンス206、前記電子フェンス206の一方側の前記作業領域203及び他方側の前記非作業領域204を取得するための監視モジュール104をさらに備える。前記監視モジュール104は、前記農機201と前記電子フェンス206との位置関係に基づいて、前記農機201が前記電子フェンス206をトリガするか否かを判断する。前記監視モジュール104は、前記農機201の位置をモニタリングし、前記農機201が前記非作業領域204内にあるか否かを判断する。前記監視モジュール104は、前記農機201が前記電子フェンス206をトリガするか否かを分析する。前記監視モジュール104は、前記農機201が前記電子フェンス206をトリガしたことを検出すると、前記対策決定モジュール103は前記電子フェンス206に適用した前記セキュリティポリシーを呼び出して、前記農機201に送信する。すると、前記農機201は、前記セキュリティポリシーを実行する。
【0045】
前記対策決定モジュール103は、前記電子フェンス206の両側の環境状況に応じて、前記セキュリティポリシーを制定する。前記対策決定モジュール103が、前記作業領域203の周辺の異なる位置での前記電子フェンス206の他方側の前記非作業領域204の環境状況を分析する。異なる非作業領域204の環境状況に適応するために、前記対策決定モジュール103は、異なる位置の電子フェンス206に対して、相応のセキュリティポリシーを制定する。
【0046】
前記監視モジュール104は、前記農機201が前記電子フェンス206をトリガしたことを検出すると、さらに前記農機201がトリガする前記電子フェンス206の位置をモニタリングする。これにより、前記対策決定モジュール103は、対応する位置の前記電子フェンス206のセキュリティポリシーを呼び出す。
【0047】
前記環境分析モジュール101は、モニタリング装置202に通信可能に接続されている環境データ取得モジュール1011をさらに含む。前記モニタリング装置202は、作業環境をモニタリングし、且つ前記環境データ取得モジュール1011を介して環境データを取得する。
【0048】
前記モニタリング装置202は、ドローンとして実施されてもよい。ドローンは、作業環境の上空を飛行し、搭載された撮像装置、赤外線装置、センサー等により作業環境の画像や赤外線画像等を取得し、且つ前記環境データ取得モジュール1011に伝送する。前記モニタリング装置202は、基地局としても実施可能である。基地局は、農地または農地付近などの作業環境に設置され、作業環境に対して検出操作を行い、作業環境のデータを取得し、且つ前記環境データ取得モジュール1011に送信する。
【0049】
また、前記環境分析モジュール101は、作業領域認識モジュール1012と、非作業領域認識モジュール1013と、境界生成モジュール1014とを備える。前記作業領域認識モジュール1012は、前記環境データ取得モジュール1011と通信可能に接続されて、環境データを取得する。前記作業領域認識モジュール1012は、作業環境のうち前記農機201が作業する領域を、前記作業領域203として認識する。前記非作業領域認識モジュール1013は、前記環境データ取得モジュール1011と通信可能に接続されて、環境データを取得する。前記非作業領域認識モジュール1013は、作業環境のうち前記農機201が作業しない領域が前記非作業領域204であることを認識する。例えば、前記非作業領域認識モジュール1013は、道路、畦、池、山、石のかたまり等の領域を前記非作業領域204として認識する。前記境界生成モジュール1014は、前記作業領域認識モジュール1012及び前記非作業領域認識モジュール1013から、それぞれ、前記作業領域203と前記非作業領域204とを取得し、且つ前記作業領域203と前記非作業領域204との間に前記境界205を設ける。
【0050】
前記境界制御モジュール102は、さらに、前記農機201の作業が必要な作業領域203を画定する作業領域分割モジュール1021と、前記作業領域分割モジュール1021が画定する前記作業領域203に応じて、前記電子フェンス206を設ける電子フェンス設置モジュール1022と、を含む。前記農機201は、前記電子フェンス206が取り囲む作業領域203内で作業を行う必要がある。また、前記作業領域分割モジュール1021は、前記環境分析モジュール101から前記作業領域203、前記非作業領域204及び前記境界206を取得する。前記作業領域分割モジュール1021は、前記農機201が作業を要する前記作業領域201を画定し、前記電子フェンス設置モジュール1022は、前記作業領域分割モジュール1021が画定する前記農機201が作業を要する前記作業領域203に基づいて、前記作業領域203と前記非作業領域204との間の前記境界205に前記電子フェンス206を設ける。
【0051】
前記対策決定モジュール103は、前記境界制御モジュール102から前記電子フェンス206の一方側の前記非作業領域204を取得するための非作業領域分析モジュール1031と、セキュリティポリシー制定モジュール1032とを含む。前記非作業領域分析モジュール1031は、前記非作業領域204の環境状況を分析して、前記非作業領域204の環境特徴を得る。前記非作業領域分析モジュール1031は、前記非作業領域204の環境特徴に基づいて、前記非作業領域の安全リスクをさらに分析する。前記セキュリティポリシー制定モジュール1032は、前記非作業領域204の環境特徴に応じて、前記セキュリティポリシーを制定する。前記セキュリティポリシー制定モジュール1032は、さらに、前記非作業領域204の安全リスクに基づいて、前記セキュリティポリシーを制定する。
【0052】
前記環境分析モジュール101が取得した環境データと、前記境界制御モジュール102により設置された前記電子フェンス206の一方側の前記非作業領域204とに基づいて、前記非作業領域分析モジュール1031は、前記電子フェンス206の一方側の前記非作業領域204の環境特徴が完全に同一ではないと分析した。さらに、前記非作業領域分析モジュール1031は、異なる位置の前記電子フェンス206の一方側の異なる前記非作業領域204に基づいて、それぞれの環境特徴を分析する。前記セキュリティポリシー制定モジュール1032は、異なる位置の電子フェンス206の一方側の前記非作業領域206の異なる環境特徴に基づいて、それぞれのセキュリティポリシーを制定し、このセキュリティポリシーが異なる環境特徴に適応できるようにする。
【0053】
前記監視モジュール104は、前記モニタリング装置202と通信可能に接続される位置監視モジュール1041を含む。前記モニタリング装置202は、前記農機201を位置決めして、前記農機201のリアルタイム位置をモニタリングする。また、前記監視モジュール104は、境界制御モジュール102に通信可能に接続されて、電子フェンス206を取得するためのトリガ判断モジュール1042をさらに含む。前記トリガ判断モジュール1042は、前記位置監視モジュール1041がモニタリングした前記農機201のリアルタイム位置に基づき、前記農機201のリアルタイム位置が前記電子フェンス206内に位置するか否か、又は前記電子フェンス206を超えて前記作業領域203から離れるか否かを判定する。つまり、前記トリガ判断モジュール1042は、前記農機201と前記電子フェンス206との位置関係に基づいて、前記農機201が前記電子フェンス206をトリガするか否かを判断する。前記トリガ判断モジュール1042は、前記農機201が前記電子フェンス206に位置する、あるいは前記電子フェンス206を越えて前記作業領域203から離れたと分析すると、前記電子フェンス206がトリがされたと判断する。
【0054】
前記位置監視モジュール1041は、前記農機201の位置をリアルタイムにモニタリングし、前記トリガ判断モジュール1042は、さらに、前記農機201がトリガする前記電子フェンス206が所在する位置を分析する。前記フィードバックモジュール1043は、前記トリガ判断モジュール1042に通信可能に接続され、トリガされた前記電子フェンス206の位置を取得する。また、前記フィードバックモジュール1043は、前記対策決定モジュール103に通信可能に接続されて、トリガされた前記電子フェンス206の位置を前記対策決定モジュール103にフィードバックする。前記対策決定モジュール103は、前記フィードバックモジュール1043がフィードバックしたトリガされた電子フェンス206の位置を取得するための実行モジュール1033を含む。前記実行モジュール1033は、トリガされた電子フェンス206に対応する前記セキュリティポリシーを前記セキュリティポリシー制定モジュール1032から呼び出して、前記農機201へ送信し、前記農機201に前記セキュリティポリシーの実行を指示する。
【0055】
本発明の他の一例では、前記モニタリング装置202は、前記農機201に設けられている。前記農機201が移動中に、前記モニタリング装置202は、作業環境をモニタリングする。
【0056】
前記モニタリング装置202は、作業環境をモニタリングし、且つ前記農機201の移動に従って、異なる位置のデータをリアルタイムに取得する。前記環境分析モジュール101は、前記モニタリング装置202からデータをリアルタイムに取得し、且つ作業環境をリアルタイムに分析する。前記環境データ取得モジュール1011は、前記モニタリング装置202からリアルタイムの環境データを取得する。前記作業領域認識モジュール1012は、リアルタイムの環境データに基づいて、前記作業領域1012を認識する。前記非作業領域認識モジュール1013は、リアルタイムの環境データに基づいて、前記非作業領域1013を認識する。前記境界生成モジュール1014は、前記作業領域203と前記非作業領域204との間に前記境界205をリアルタイムに区画する。前記電子フェンス設置モジュール1022は、前記境界205に、前記電子フェンス206を設ける。
【0057】
前記対策決定モジュール103は、前記セキュリティポリシーを制定する。前記非作業領域分析モジュール1031は、境界制御モジュール102から前記電子フェンス206の一方側の前記非作業領域204を取得する。前記非作業領域分析モジュール1031は、前記非作業領域204の環境状況を分析して、前記非作業領域204の環境特徴を得る。前記非作業領域分析モジュール1031は、前記非作業領域204の環境特徴に基づいて、前記非作業領域の安全リスクをさらに分析する。前記セキュリティポリシー制定モジュール1032は、前記非作業領域204の環境特徴に応じて、前記セキュリティポリシーを制定する。さらに、前記セキュリティポリシー制定モジュール1032は、前記非作業領域204の安全リスクに基づいて、前記セキュリティポリシーを制定する。
【0058】
前記監視モジュール104は、前記農機201の位置をリアルタイムに監視する。前記位置監視モジュール1041は、前記モニタリング装置202が取得したデータを利用して前記農機201の位置を分析する。前記位置監視モジュール1041は、前記農機201の位置決め装置により、前記農機201の位置を位置決めしてもよい。前記トリガ判断モジュール1042は、前記位置監視モジュール1041により検出された前記農機201の位置に基づいて、前記農機201が前記電子フェンス206をトリガするか否かを判断する。前記トリガ判断モジュール1042は前記農機201が前記電子フェンス206をトリガしたと判断すると、前記フィードバックモジュール1043により、前記農機201がトリガした前記電子フェンス206の位置を前記実行モジュール1033にフィードバックする。すると、前記実行モジュール1033は、前記セキュリティポリシーを呼び出して、前記農機201に前記セキュリティポリシーの実行を指示する。
【0059】
前記境界制御モジュール102は、前記電子フェンス206をリアルタイムに配置する。前記対策決定モジュール103は、前記電子フェンス206に対応するセキュリティポリシーをリアルタイムに実行することにより、前記監視モジュール104が前記電子フェンス206がトリガされたと判断される場合、前記セキュリティポリシーを即時に呼び出して、前記農機201に実行させ、安全リスクを回避する。
【0060】
図3に示すように、本発明は、以下のステップを含む作業監視方法300をさらに提供する。
【0061】
ステップ301では、作業環境をモニタリングする。
【0062】
ステップ302では、作業領域、非作業領域及び境界を認識する。
【0063】
ステップ303では、前記境界に電子フェンスを設置する。
【0064】
ステップ304では、セキュリティポリシーを制定する。
【0065】
ステップ305では、農機の位置をモニタリングする。
【0066】
ステップ306では、電子フェンスがトリガされるか否かを判断する。
【0067】
ステップ307では、セキュリティポリシーを実行する。
【0068】
前記ステップ301において、前記モニタリング装置202を介して作業環境をモニタリングし、前記環境データ取得モジュール1011を介して、前記モニタリング装置202から作業環境のデータを取得する。前記ステップ302において、前記作業領域認識モジュール1012で作業環境のうち前記農機201が作業する領域を前記作業領域203として認識し、前記非作業領域認識モジュール1013で作業環境のうち前記農機201が作業する必要がない領域を前記非作業領域204として認識し、且つ前記境界生成モジュール1014で前記非作業領域204と前記作業領域203との間の前記境界205を生成する。
【0069】
ステップ303では、前記境界制御モジュール102により、前記境界205に前記電子フェンス206を設ける。ここで、前記電子フェンス206の一方側が前記作業領域203であり、前記電子フェンス206の他方側が前記非作業領域204である。
【0070】
ステップ304では、前記対策決定モジュール103により、前記電子フェンス206に適応する前記セキュリティポリシーを指定する。ただし、前記セキュリティポリシー制定モジュール1032が制定する前記セキュリティポリシーが、前記非作業領域204の環境状態に適応できるように、前記非作業領域分析モジュール1031により、前記電子フェンス206の一方側の前記非作業領域204の環境状況を分析する。
【0071】
ステップ305では、前記位置監視モジュール1041により、前記農機201の位置をモニタリングして、前記農機201のリアルタイムの位置をモニタリングする。前記ステップ306において、前記農機201の位置により、前記農機201が前記電子フェンス206に位置するか否か、又は前記農機201が前記電子フェンス206を越えて前記非作業領域204に入り込むか否かを分析する。前記農機201が前記電子フェンス206にあるか又は前記電子フェンス206を越えて前記非作業領域204に入ると、前記トリガ判断モジュール1042によって、前記農機201が前記電子フェンス206をトリガしたと判断する。
【0072】
前記ステップ306では、前記農機201が前記電子フェンス206をトリガしたと判断すると、前記ステップ307を実行する。ステップ307では、フィードバックモジュール1043により、農機201がトリガする電子フェンス206の位置を前記対策決定モジュール103にフィードバックし、実行モジュール1033により、対応する位置の電子フェンス206に対応するセキュリティポリシーを呼び出し、且つ実行モジュール1033により、農機201にセキュリティポリシーの実行を指示する。
【0073】
本発明の一例では、前記環境分析モジュール101は、前記モニタリング装置202により作業環境をモニタリングして、前記作業領域203と前記非作業領域204とを予め認識し、且つ前記作業領域203と前記非作業領域204との間の前記境界205を生成する。
【0074】
前記境界制御モジュール102は、前記環境分析モジュール101により予め生成された前記境界205により、前記作業領域203及び前記非作業領域204を画定するように、前記電子フェンス206を設置する。前記農機201は、前記作業領域203において作業する。つまり、前記電子フェンス206は、予め設定されたものである。前記農機201が前記作業領域203において作業を行う際に、前記電子フェンス206は既に設置された。
【0075】
図4に示すように、前記モニタリング装置202は、作業環境、例えば大判の圃場及びその周辺環境を監視し、圃場及びその周辺環境のデータを取得する。前記作業領域認識モジュール1012は、圃場が前記作業領域203であることを認識し、前記非作業領域認識モジュール1013は、圃場の隣の道路、圃場の畦際等が前記非作業領域204であることを認識する。境界生成モジュール1014は、圃場と道路との境界205を生成する。例えば、農地と道路との間の畦は境界205であるか、若しくは農地と道路との境界線は境界205である。
【0076】
前記作業領域分割モジュール1021は、前記農機201が作業する必要がある作業領域203を認識し、前記電子フェンス設置モジュール1022は、農機作業が必要となる前記作業領域203と、隣接する前記非作業領域204との間の前記境界205に、前記電子フェンス206を設置する。
【0077】
前記対策決定モジュール103は、前記電子フェンス206に対応するセキュリティポリシーを制定する。前記非作業領域分析モジュール1031は、前記電子フェンス206の一方側の前記非作業領域204が道路であり、車両や歩行者に衝突するリスクがあると分析すると、前記セキュリティポリシー制定モジュール1032は、前記セキュリティポリシーを「早く道を離れてください」と設定して、前記農機201が方向を調整して農地に戻るように指示する。
【0078】
前記農機201は、前記作業領域203において作業を行う際に、前記電子フェンス206が予め設置された。前記農機201は、前記電子フェンス206に囲まれた前記作業領域203内で作業を行う必要がある。前記位置監視モジュール1041は、農機201の位置を検出する。なお、位置監視モジュール1041は、ドローン、基地局、衛星等のモニタリング装置202を介して、農機の位置をモニタリングしてもよい。前記位置監視モジュール1041は、前記農機201の位置決め装置により、前記農機201の位置をモニタリングしてもよい。
【0079】
前記トリガ判断モジュール1042は、前記農機201が前記電子フェンス206をトリガするか否かを判断する。前記位置監視モジュール1041は、前記農機201が前記電子フェンス206を越えて前記非作業領域204の道路に進入するのを監視したと、前記トリガ判断モジュール1042は、前記農機201が前記電子フェンス206をトリガすると判断する。前記フィードバックモジュール1043は、前記電子フェンス206のトリガされた位置が道路と農地との間であることを前記対策決定モジュール103にフィードバックする。すると、前記対策決定モジュール103は、道路と農地との間の電子フェンス206のセキュリティポリシーを呼び出して、前記農機201が方向を調整して、再び農地に戻るようにする。
【0080】
本発明の他の例では、前記環境分析モジュール101は、農機201に追従して作業環境をリアルタイムに監視する。前記モニタリング装置202は、前記農機201に設けられている。前記農機201に設けられた前記モニタリング装置202は、撮像装置、モニタデバイス、又はその組み合わせとして実施され、農機の周辺環境をリアルタイムに監視する。前記モニタリング装置202は、ドローン、基地局、衛星等やその組み合わせとして実施され、前記農機201の作業環境をリアルタイムに監視してもよい。前記モニタリング装置202は、前記農機201が移動すると、前記農機201の周辺の作業環境をリアルタイムに監視する。
【0081】
前記環境データ取得モジュール1011は、モニタリング装置202から環境データを取得し、前記作業領域認識モジュール1012は、環境データに従って作業領域203をリアルタイムに認識し、前記非作業領域認識モジュール1013は、環境データに従って非作業領域204をリアルタイムに認識する。境界生成モジュール1014は、リアルタイムに認識された前記作業領域203と、前記非作業領域204とから、前記境界をリアルタイムに生成する。
【0082】
前記境界制御モジュール102は、前記境界に前記電子フェンス206を設けて、前記境界205をリアルタイムに制御する。
【0083】
前記対策決定モジュール103は、前記電子フェンス206が設置されると、前記セキュリティポリシーをリアルタイムに制定する。図5に示すように、前記農機201は、圃場を移動する。前記農機201が携帯する前記モニタリング装置202は、前記農機201の周辺の環境をリアルタイムにモニタリングして、前記環境データ取得モジュール1011に送信する。前記作業領域認識モジュール1012は、前記農機201が現在移動している位置が前記作業領域203であると認識する。前記非作業領域認識モジュール1013は、前記農機201の前方が湖であり、湖が前記非作業領域204であると認識する。
【0084】
前記境界生成モジュール1014は、圃場と湖との間に前記境界205を生成する。前記境界制御モジュール102は、前記境界205に前記電子フェンス206を設ける。前記非作業領域分析モジュール1031は、前記農機201が前記電子フェンス206を越えると、湖に落ちやすいと分析する。前記農機201は、圃場と湖との間の前記境界205において方向を調整しにくい。前記セキュリティポリシー制定モジュール1032は、圃場と湖との間の電子フェンス206に対応するセキュリティポリシーを、農機201の移動停止として制定する。
【0085】
前記位置監視モジュール1041は、前記農機201の現在位置が圃場と湖との間の境界205に位置したことを監視すると、前記トリガ判断モジュール1042は、前記農機201が前記電子フェンス206をトリガしたと判断し、前記フィードバックモジュール1043は、前記農機201がトリガする電子フェンス206の位置を、前記対策決定モジュール103にフィードバックする。前記実行モジュール1033は、トリガされた前記電子フェンス206の位置に応じて、前記セキュリティポリシーを呼び出し、前記農機201が前記セキュリティポリシーに従って、移動を停止して、位置を保持して、湖に落ちないように前記農機201に指示する。
【0086】
また、本発明の他の例では、前記環境分析モジュール101は、モニタリング装置202を介して作業環境のデータを予め取得してもよいし、前記モニタリング装置202を介して作業環境のデータをリアルタイムに取得してもよい。前記環境分析モジュール101は、予め取得した環境データに基づいて、前記作業領域203と前記非作業領域204とを予め認識し、且つ前記境界205を生成する。前記境界制御モジュール102は、前記農機201が前記作業領域201で作業する際に前記電子フェンス206が既に設置されているように、予め生成された前記境界205に応じて前記電子フェンス206を設置する。一方、前記環境分析モジュール101は、農機201の作業時に、前記モニタリング装置202により環境データをリアルタイムに取得して、前記作業領域203、前記非作業領域204及び対応する境界205をリアルタイムに調整する。これに応じて、前記境界制御モジュール102は、電子フェンス206をリアルタイムに調整する。
【0087】
前記対策決定モジュール103は、予め設定された前記電子フェンス206の環境状況に応じて前記セキュリティポリシーを制定する。前記電子フェンス206がリアルタイムに調整され、前記電子フェンス206の両側の環境状況が変化した場合には、前記対策決定モジュール103は、前記農機201が前記電子フェンス206をトリガする際に実行するセキュリティポリシーが実際の状況に対応できるように、前記セキュリティポリシーをリアルタイムに調整する。
【0088】
上記の説明及び図面に示された本発明の実施例は、本発明を限定するものではなく例としてのみ用いられることが当業者は理解するであろう。本発明の目的は完全かつ効果的に実現されている。本発明の機能および構造原理は、実施形態において示され、説明されており、本発明の実施形態は、上記原理から逸脱することなく、任意の変形または変更があり得る。
図1
図2
図3
図4
図5