(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】電子霧化装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20230323BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20230323BHJP
A24F 40/53 20200101ALI20230323BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
A24F40/53
(21)【出願番号】P 2022515118
(86)(22)【出願日】2020-09-18
(86)【国際出願番号】 CN2020116294
(87)【国際公開番号】W WO2021057625
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-03-07
(31)【優先権主張番号】201910932621.6
(32)【優先日】2019-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 海超
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲いぇん▼程
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108497560(CN,A)
【文献】中国実用新案第209031255(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第106617324(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
A24F 40/20
A24F 40/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子霧化装置であって、煙管、ヒーター組立体、誘導スイッチ及びリセット部品を含み、前記煙管は、タバコを挿入配置するために使用され、前記ヒーター組立体の少なくとも一部は前記煙管内に位置し、タバコを加熱するために使用され、前記ヒーター組立体は、前記煙管内に運動して前記誘導スイッチをオンにし、電池が前記ヒーター組立体に電力を供給するようにすることができ、前記リセット部品は、前記ヒーター組立体にリセット力を加えるために使用される、電子霧化装置。
【請求項2】
前記ヒーター組立体は、前記リセット部品に伝動接続され、前記煙管に対して摺動可能に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項3】
前記電子霧化装置は回路基板をさらに含み、前記ヒーター組立体は電力供給接続端子を有し、前記リセット部品は、電極ホルダ、電力供給電極及び弾性素子を含み、前記電極ホルダは、前記ヒーター組立体の前記煙管から離れた側に配置され、前記電力供給電極は、前記電極ホルダに配置され、前記弾性素子は、前記電力供給電極が前記電力供給接続端子と弾性的に当接するように前記電力供給電極内に配置され、前記電力供給電極は、前記誘導スイッチがオンになるときに前記ヒーター組立体に電力を供給するために、前記回路基板を介して前記電池に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の電子霧化装置。
【請求項4】
前記電力供給電極は、取り付け部と当接部を含み、前記取り付け部は、前記電極ホルダに配置され、前記電池に電気的に接続され、前記ヒーター組立体に近い前記取り付け部の表面には取り付け孔が開設され、前記当接部は、前記取り付け孔に摺動可能に挿入配置され、前記弾性素子は、前記取り付け孔内に収容され、前記取り付け孔の底壁と前記当接部の端面との間に挟められ、前記当接部のもう一方の反対側の端面は、前記取り付け部から突出する、ことを特徴とする請求項3に記載の電子霧化装置。
【請求項5】
前記取り付け孔の周縁の内面には、内向きに突出するリミット部が設けられ、前記取り付け孔内に挿入配置される前記当接部の一端にはストッパ部が設けられ、前記当接部の移動方向に垂直な前記ストッパ部の断面積は、前記リミット部によって囲まれた領域の面積よりも大きく、前記当接部の他端は、前記リミット部によって囲まれた領域を通って延びる、ことを特徴とする請求項4に記載の電子霧化装置。
【請求項6】
前記当接部の側壁は、前記リミット部の側壁と接触して電気的に接続され、又は
前記ストッパ部の側壁は、前記取り付け孔の側壁と接触して電気的に接続され、又は
前記弾性素子は導電部品であり、前記弾性素子はそれぞれ、前記取り付け部と前記当接部に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の電子霧化装置。
【請求項7】
前記ヒーター組立体は検出接続端子をさらに含み、前記誘導スイッチは検出電極であり、前記検出電極は前記電極ホルダに配置され、前記検出電極と前記検出接続端子は間隔をおいて配置され、タバコが前記煙管内に挿入されると、前記ヒーター組立体は、前記検出電極と前記検出接続端子を接触させて誘導信号を形成するように、前記電力供給電極と当接し収縮する、ことを特徴とする請求項3~6のいずれか一項に記載の電子霧化装置。
【請求項8】
前記検出電極と前記電力供給電極は、前記ヒーター組立体に向く前記電極ホルダの表面上に位置し、前記電極ホルダの表面から突出する前記検出電極の高さは、第1高さよりも低く、第2高さ以上であり、前記第1高さは、前記煙管内にタバコがないときの、前記ヒーター組立体と電極ホルダとの間の距離であり、前記第2高さは、前記電力供給電極が、完全に圧縮されたときに前記電極ホルダの表面から突出する高さである、ことを特徴とする請求項7に記載の電子霧化装置。
【請求項9】
前記ヒーター組立体は、ベースと発熱部品を含み、前記発熱部品は、前記ベースに接続され、前記ベースから離れた前記発熱部品の一端の少なくとも一部は、前記煙管内に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項10】
前記電子霧化装置は、ケースとベース取り付けキャビティをさらに含み、前記ベース取り付けキャビティと前記煙管はいずれも前記ケース内に位置し、前記ベース取り付けキャビティは前記煙管と連通し、前記ベースは、前記ベース取り付けキャビティ内に摺動可能に配置される、ことを特徴とする請求項9に記載の電子霧化装置。
【請求項11】
前記誘導スイッチは、ホールセンサと前記ホールセンサに適合する磁石を含み、前記ホールセンサと前記磁石のうちの一方は、前記ベース取り付けキャビティ内に配置され、他方は前記ベース上に配置され、前記磁石の磁場強度がプリセット値よりも大きいことを前記ホールセンサが検知すると、前記ホールセンサは誘導信号を形成する、ことを特徴とする請求項10に記載の電子霧化装置。
【請求項12】
前記誘導スイッチは近接センサであり、前記近接センサは、前記ヒーター組立体、前記ベース取り付けキャビティ、又は前記リセット部品上に配置される、ことを特徴とする請求項10に記載の電子霧化装置。
【請求項13】
前記誘導スイッチはマイクロスイッチであり、前記マイクロスイッチは、前記ヒーター組立体の底部、前記ヒーター組立体の側面、前記ベース取り付けキャビティの底部、前記ベース取り付けキャビティの側壁、又は前記リセット部品上に配置される、ことを特徴とする請求項10に記載の電子霧化装置。
【請求項14】
前記誘導スイッチは圧力センサであり、前記圧力センサは、前記ヒーター組立体の底部、前記ベース取り付けキャビティ内、又は前記リセット部品上に配置される、ことを特徴とする請求項10に記載の電子霧化装置。
【請求項15】
前記煙管の側壁表面は波形であり、前記煙管と前記タバコとの間の摩擦力は、前記ヒーター組立体が前記タバコに挿入されるときの抵抗よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項16】
前記リセット部品は、前記煙管から離れた前記ヒーター組立体の一端に配置された弾性体である、ことを特徴とする請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項17】
前記リミット部の数は複数であり、複数の前記リミット部は、前記取り付け孔の周方向に沿って間隔をおいて配置され、又は
前記リミット部は環形リミット部であり、前記環形リミット部は、前記取り付け孔の周方向の周りに配置される、ことを特徴とする請求項5に記載の電子霧化装置。
【請求項18】
前記検出接続端子の数は2つであり、2つの前記検出接続端子は電気的に接続され、前記検出電極の数は2つであり、2つの前記検出電極はいずれも前記回路基板に電気的に接続され、各前記検出電極は1つの前記検出接続端子に対応して配置される、ことを特徴とする請求項7に記載の電子霧化装置。
【請求項19】
前記ケースは、上ケースと下ケースを含み、前記煙管は、前記上ケース内に着脱可能に取り付けられ、前記電池は、前記下ケース内に収容され、前記上ケースは、前記下ケースの一端をカバーするように配置される、ことを特徴とする請求項10に記載の電子霧化装置。
【請求項20】
前記誘導スイッチは、ホールセンサと前記ホールセンサに適合する磁石を含み、前記ホールセンサは、前記ヒーター組立体のベース取り付けキャビティの前記煙管に近い側に配置され、前記磁石は、前記ヒーター組立体のベース上に配置され、前記磁石の磁場強度がプリセット値よりも小さいことを前記ホールセンサが検知すると、前記ホールセンサは誘導信号を形成する、ことを特徴とする請求項10に記載の電子霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電子霧化装置技術の分野に関し、具体的には、電子霧化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコは、タバコの代替品として、使用の安全性、利便性、健康、環境に優しいなどの利点を有するため、ますます多くの人々の注目と愛顧を受けている。
【0003】
現在、電子タバコのボタンは機械的構造を採用し、ボタンを押すことによって信号の入力を実現しているが、ボタンを押す過程で機械的摩耗が発生し、ボタンの耐用年数が大幅に短くなり、作業性能が不安定である。また、電子タバコは、携帯型製品であり、ボタンのデザインは持ち運び中に誤った接触を引き起こしやすいため、電子タバコは対応する加熱機能をアクティブにし得る。このとき、発熱体は高温動作状態にある。このとき、カートリッジキャビティに熱を伝導するカートリッジがない場合、発熱体は空焚き状態になり、発熱体が損傷しやすく、電子タバコの寿命が大幅に短くなる。
【発明の概要】
【0004】
本願は、誤った接触によるヒーターの空焚きの技術的問題を解決するために、電子霧化装置を提供する。
【0005】
上記の技術的問題を解決するために、本願が採用する技術的手段の1つは、電子霧化装置を提供する。前記電子霧化装置は、煙管、ヒーター組立体、誘導スイッチ及びリセット部品を含み、前記煙管は、タバコを挿入配置するために使用され、前記ヒーター組立体の少なくとも一部は前記煙管内に位置し、タバコを加熱するために使用され、前記ヒーター組立体は、前記煙管内に運動して前記誘導スイッチをオンにし、電池が前記ヒーター組立体に電力を供給するようにすることができ、前記リセット部品は、前記ヒーター組立体にリセット力を加えるために使用される。
【0006】
オプションで、前記ヒーター組立体は、前記リセット部品に伝動接続され、前記煙管に対して摺動可能に配置される。
【0007】
オプションで、前記電子霧化装置は回路基板をさらに含み、前記ヒーター組立体は電力供給接続端子を有し、前記リセット部品は、電極ホルダ、電力供給電極及び弾性素子を含み、前記電極ホルダは、前記ヒーター組立体の前記煙管から離れた側に配置され、前記電力供給電極は、前記電極ホルダに配置され、前記弾性素子は、前記電力供給電極が前記電力供給接続端子と弾性的に当接するように前記電力供給電極内に配置され、前記電力供給電極は、前記誘導スイッチがオンになるときに前記ヒーター組立体に電力を供給するために、前記回路基板を介して前記電池に電気的に接続される。
【0008】
オプションで、前記電力供給電極は、取り付け部と当接部を含み、前記取り付け部は、前記電極ホルダに配置され、前記電池に電気的に接続され、前記ヒーター組立体に近い前記取り付け部の表面には取り付け孔が開設され、前記当接部は、前記取り付け孔に摺動可能に挿入配置され、前記弾性素子は、前記取り付け孔内に収容され、前記取り付け孔の底壁と前記当接部の端面との間に挟めされ、前記当接部のもう一方の反対側の端面は、前記取り付け部から突出する。
【0009】
オプションで、前記取り付け孔の周縁の内面には、内向きに突出するリミット部が設けられ、前記取り付け孔内に挿入配置される前記当接部の一端にはストッパ部が設けられ、前記当接部の移動方向に垂直な前記ストッパ部の断面積は、前記リミット部によって囲まれた領域の面積よりも大きく、前記当接部の他端は、前記リミット部によって囲まれた領域を通って延びる。
【0010】
オプションで、前記当接部の側壁は、前記リミット部の側壁と接触して電気的に接続され、または、前記ストッパ部の側壁は、前記取り付け孔の側壁と接触して電気的に接続され、または、前記弾性素子は導電部品であり、前記弾性素子はそれぞれ、前記取り付け部と前記当接部に電気的に接続される。
【0011】
オプションで、前記ヒーター組立体は検出接続端子をさらに含み、前記誘導スイッチは検出電極であり、前記検出電極は前記電極ホルダに配置され、前記検出電極と前記検出接続端子は間隔をおいて配置され、タバコが前記煙管内に挿入されると、前記ヒーター組立体は、前記検出電極と前記検出接続端子を接触させて誘導信号を形成するように、前記電力供給電極と当接し収縮する。
【0012】
オプションで、前記検出電極と前記電力供給電極は、前記ヒーター組立体に向く前記電極ホルダの表面上に位置し、前記電極ホルダの表面から突出する前記検出電極の高さは、第1高さよりも低く、第2高さ以上であり、前記第1高さは、前記煙管内にタバコがないときの、前記ヒーター組立体と電極ホルダとの間の距離であり、前記第2高さは、前記電力供給電極が、完全に圧縮されたときに前記電極ホルダの表面から突出する高さである。
【0013】
オプションで、前記ヒーター組立体は、ベースと発熱部品を含み、前記発熱部品は、前記ベースに接続され、前記ベースから離れた前記発熱部品の一端の少なくとも一部は、前記煙管内に位置する。
【0014】
オプションで、前記電子霧化装置は、ケースとベース取り付けキャビティをさらに含み、前記ベース取り付けキャビティと前記煙管はいずれも前記ケース内に位置し、前記ベース取り付けキャビティは前記煙管と連通し、前記ベースは、前記ベース取り付けキャビティ内に摺動可能に配置される。
【0015】
オプションで、前記誘導スイッチは、ホールセンサと前記ホールセンサに適合する磁石を含み、前記ホールセンサと前記磁石のうちの一方は、前記ベース取り付けキャビティ内に配置され、他方は前記ベース上に配置され、前記磁石の磁場強度がプリセット値よりも大きいことを前記ホールセンサが検知すると、前記ホールセンサは誘導信号を形成する。
【0016】
オプションで、前記誘導スイッチは近接センサであり、前記近接センサは、前記ヒーター組立体、前記ベース取り付けキャビティ、又は前記リセット部品上に配置される。
【0017】
オプションで、前記誘導スイッチはマイクロスイッチであり、前記マイクロスイッチは、前記ヒーター組立体の底部、前記ヒーター組立体の側面、前記ベース取り付けキャビティの底部、前記ベース取り付けキャビティの側壁、又は前記リセット部品上に配置される。
【0018】
オプションで、前記誘導スイッチは圧力センサであり、前記圧力センサは、前記ヒーター組立体の底部、前記ベース取り付けキャビティ内、又は前記リセット部品上に配置される。
【0019】
本願の有益な効果は次のとおりである。本願は、電子霧化装置内に誘導スイッチを配置することで、誘導スイッチにより、タバコが煙管内に挿入されたか否かを継続的に検出し、タバコが煙管に挿入されたことを検出した後、タバコを加熱するためにヒーター組立体の発熱を制御する。このようにして、タバコの挿入の自動検出を実現し、タバコが挿入されていないときのヒーター組立体の空焚き現象を回避することができ、電子霧化装置のインテリジェント度を向上させることができる。また、リセット部品によってヒーター組立体に加えられるリセット力は、ヒーター組立体の発熱後にヒーター組立体をリセットすることができる。ヒーター組立体は、プリセット条件が満たされるまで加熱し続け、その後加熱を停止する。従って、本実施例は、一回のトリガーのみにより、ヒーター組立体の継続的な加熱を実現し、加熱中に、誘導スイッチが誤って切断されて、タバコの加熱が停止されることを回避し、それによってユーザ体験を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、本願の実施例の技術的手段を更に詳細に説明するために、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。当然のことながら、下記の説明における図面は本願の幾つかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本願の実施例における電子霧化装置の使用状態の立体構造模式図である。
【
図2】
図1における電子霧化装置の断面構造図である。
【
図3】
図2におけるヒーター組立体の立体構造模式図である。
【
図4】
図3におけるヒーター組立体の断面構造図である。
【
図5】
図3におけるリセット部品の断面構造図である。
【
図6】
図3におけるリセット部品の立体構造模式図である。
【
図7】
図1における電子霧化装置の別の断面構造図である。
【
図8】
図7における電子霧化装置の一部の拡大構造模式図である。
【
図9】本願の別の実施例における電子霧化装置の断面構造の一部の拡大模式図である。
【
図10】本願のまた別の実施例における電子霧化装置の断面構造の一部の拡大模式図である。
【
図11】本願のまた別の実施例における電子霧化装置の断面構造の一部の拡大模式図である。
【
図12】本願のまた別の実施例における電子霧化装置の断面構造の一部の拡大模式図である。
【
図13】本願のまた別の実施例における電子霧化装置の断面構造の一部の拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本願の実施例の添付図面を参照しながら、本願の実施例の技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。当然のことながら、ここで説明する実施例は本願の実施例の全てではなく一部にすぎない。当業者が創造的な作業なしに本出願の実施例に基づいて得られる全ての他の実施例は、本出願の保護範囲に含まれる。
【0022】
本願は電子霧化装置100を提供する。
図1と
図2を参照されたい。
図1は、本願実施例における電子霧化装置の使用状態の立体構造模式図であり、
図2は、
図1における電子霧化装置の断面構造図である。電子霧化装置100は、煙管10、ヒーター組立体20、誘導スイッチ(図示せず)及びリセット部品(図示せず)を含む。煙管10は、タバコ200を挿入配置するために使用され、ヒーター組立体20の少なくとも一部は煙管10内に位置し、タバコ200を加熱するために使用される。誘導スイッチは、タバコ200が煙管10内に挿入されたことを検出し、タバコ200が煙管10に挿入されたことを検出した後、ヒーター組立体20の発熱を制御するために使用される。リセット部品は、ヒーター組立体20にリセット力を加えるために使用される。
【0023】
本願の実施例は、電子霧化装置100内に誘導スイッチを配置することで、誘導スイッチにより、タバコ200が煙管10内に挿入されたか否かを継続的に検出し、タバコ200が煙管10に挿入されたことを検出した後、タバコ200を加熱するためにヒーター組立体20の発熱を制御する。このようにして、タバコ200の挿入の自動検出を実現し、タバコ200が挿入されていないときのヒーター組立体20の空焚き現象を回避することができ、電子霧化装置100のインテリジェント度を向上させることができる。また、リセット部品によってヒーター組立体20に加えられるリセット力は、ヒーター組立体20の発熱後にヒーター組立体20をリセットすることができる。ヒーター組立体20は、プリセット条件が満たされるまで加熱し続け、その後加熱を停止する。従って、本実施例は、一回のトリガーのみにより、ヒーター組立体20の継続的な加熱を実現し、加熱中に、誘導スイッチが誤って切断されて、タバコ200の加熱が停止されることを回避し、それによってユーザ体験を向上させることができる。
【0024】
具体的には、次のように、ヒーター組立体20がリセットされた後、ヒーター組立体20はプリセット条件が満たされるまで加熱し続け、その後加熱を停止する。ヒーター組立体20は、プリセット時間連続して加熱してから加熱を停止するか、又はヒーター組立体20をプリセット温度まで加熱してから加熱を停止する。プリセット時間とプリセット温度は、必要に応じて電子霧化装置100の制御回路基板内に柔軟に設定し記憶することができ、これは、本願の実施例では特に限定されない。
【0025】
具体的には、
図2に示すように、本実施例では、ヒーター組立体20は、煙管10の底部に配置され、リセット部品に伝動接続され、煙管10に対して摺動可能に配置される。
【0026】
ここで、ヒーター組立体20とリセット部品との伝動接続とは、次のことを指す。リセット部品は、ヒーター組立体20と直接接触することでヒーター組立体20の移動を駆動することができる。リセット部品はまた、中間素子を介してヒーター組立体20と接触して、リセット部品を介して中間素子を駆動し、中間素子による動きをヒーター組立体20に伝達してヒーター組立体20を移動させることもできる。タバコ200が図に示される矢印方向に沿って煙管10内に挿入されると、タバコ200は、ヒーター組立体20と当接し、煙管10に対して摺動し、それによって誘導スイッチをトリガーする。誘導スイッチはオンになって、ヒーター組立体20を電池40に電気的に接続し、ヒーター組立体20が発熱して、煙管10内のタバコ200を加熱する。同時に、リセット部品は、ヒーター組立体20にリセット力を加える。タバコ200を煙管10内に挿入するためのタバコ200に加えられる力が取り除かれると、リセット部品は、ヒーター組立体20を駆動してタバコ200に近接する方向に移動させ、ヒーター組立体20が元の位置に戻るまで、タバコ200と当接し同期して移動する。
【0027】
煙管10は、内径がタバコ200の直径に対応する管状体である。オプションで、煙管10の側壁表面を波形に設定し、それによって煙管10とタバコ200との間の摩擦を増加させ、タバコ200が加熱中に煙管10から脱落することを防止することができる。また、ヒーター組立体20がタバコ200内に挿入される際の抵抗よりも、煙管10とタバコ200との間の摩擦が大きい場合、リセット部品がヒーター組立体20をリセットするプロセス中に、タバコ200は移動せず、ヒーター組立体20は、タバコ200に近接する方向に移動する。ヒーター組立体20は、タバコ200とヒーター組立体20との間の接触面積を増加させ、ヒーター組立体20の加熱効率を改善し、電気エネルギーを節約するために、さらにタバコ200の内部に挿入配置される。
【0028】
図2~
図4を参照されたい。
図3は、
図2におけるヒーター組立体の立体構造模式図であり、
図4は、
図3におけるヒーター組立体の断面構造図である。本実施例では、ヒーター組立体20は、ベース22と発熱部品24を含み、発熱部品24はベース22に接続され、ベース22から離れた発熱部品24の一端の少なくとも一部は、煙管10内に位置する。
【0029】
具体的には、煙管10の底部には回避孔12が開設される。ベース22は、煙管10の底部の外側に配置される。発熱部品24の一端はベース22に接続され、発熱部品24の他端は回避孔12から煙管10内に挿入配置されて、煙管10内に位置するタバコ200を加熱する。
【0030】
回避孔12の断面サイズは、タバコ200の断面サイズよりも小さく、それによって、タバコ200が回避孔12を通過することが回避され、さらに、過度に高温のタバコ200が煙管10を通過して、電子霧化装置100の内部の回路基板などの素子を損傷することが回避される。回避孔12の形状は、矩形、円形又は楕円形などであり得、具体的には、発熱部品24の形状に応じて設定することができ、これは、本願の実施例では特に限定されない。
【0031】
図3と
図4に示すように、本実施例では、発熱部品24は、発熱部品24とタバコ200との間の接触面積を増加させ、加熱速度を速くし、発熱部品24がタバコ200内に挿入されるときの摩擦抵抗を低減するために、扁平状を呈すことができる。タバコ200に近接する発熱部品24の一端は三角形であり、発熱部品24がタバコ200に挿入されるときの摩擦抵抗をさらに低減し、タバコ200の挿入を容易にすることができる。
【0032】
別の幾つかの実施例では、発熱部品24は円柱形であってもよく、タバコ200に近い円柱形の発熱部品24の一端は円すい形である。円柱形の発熱部品24を設けることによって、発熱部品24の構造的剛性を改善し、発熱部品24がタバコ200に挿入されるプロセス中に折れたり変形したりして、使用に影響を与えるのを防止することができる。他の実施例では、他の形状の発熱部品24を設けることもでき、これは、本願では特に限定されない。
【0033】
幾つかの実施例では、リセット部品は、煙管10から離れたヒーター組立体20の一端に配置された弾性体であり得る。タバコ200が煙管10内に挿入されると、それはヒーター組立体20と当接し、煙管10に対して摺動して弾性体を圧縮する。ヒーター組立体20が加熱し始めた後、弾性体は、弾性変形力でヒーター組立体20と当接してそれをリセットする。
【0034】
図4と
図5を参照されたい。
図5は、
図3におけるリセット部品の断面構造図である。本実施例では、ヒーター組立体20は電力供給接続端子26を有する。リセット部品は、電極ホルダ32、電力供給電極34及び弾性素子36を含む。電極ホルダ32は、ヒーター組立体20の煙管10から離れた側に配置される。電力供給電極34は、電極ホルダ32上に配置される。弾性素子36は、電力供給電極34が電力供給接続端子26と弾性的に当接するように電力供給電極34内に配置される。電力供給電極34は、誘導スイッチがオンになるときにヒーター組立体20に電力を供給するために、回路基板70を介して電池40(
図2を参照)に電気的に接続される。
【0035】
具体的には、電力供給接続端子26はベース22上に配置され、この電力供給接続端子26は、発熱部品24に電気的に接続される。電力供給接続端子26と発熱部品24との電気的接続は、例えば、導電回線を採用して電気的接続を実行することができる。本願の実施例は、電力供給接続端子26と発熱部品24との電気的接続の方式を特に限定しない。
【0036】
オプションで、本実施例では、電力供給接続端子26の数は2つであり、2つの電力供給接続端子26はそれぞれ発熱部品24に電気的に接続される。電力供給電極34の数も2つであり、2つの電力供給電極34は電気的に接続される。各電力供給電極34は、1つの電力供給接続端子26に対応して配置される。2つの電力供給接続端子26をそれぞれ発熱部品24に電気的に接続し、2つの電力供給電極34を電気的に接続することによって、電力供給電極34が対応する電力供給接続端子26と接触した後、発熱部品24に電力を供給することができ、それにより、発熱部品24の動作の安定性が改善される。
【0037】
ここで、2つの電力供給接続端子26をそれぞれ発熱部品24に電気的に接続する方式は、例えば、ヒーター組立体20の内部に2つの導電回線を配置し、各導電回線の両端をそれぞれ、1つの電力供給接続端子26と発熱部品24に接続することであり得る。
【0038】
さらに、
図5に示すように、電力供給電極34は、取り付け部342と当接部344を含む。取り付け部342は、電極ホルダ32上に配置され、回路基板70を介して電池40に電気的に接続される。ヒーター組立体20に近い取り付け部342の表面には取り付け孔346が開設される。当接部344は図に示される矢印方向に沿って、取り付け孔346内に摺動可能に挿入配置される。弾性素子36は、取り付け孔346内に収容され、取り付け孔346の底壁と当接部344の端面との間に挟められる。当接部344のもう一方の反対側の端面は、取り付け部342から突出する。
【0039】
具体的には、本実施例では、取り付け部342は、ヒーター組立体20の摺動方向に沿って電極ホルダ32を貫通する。ヒーター組立体20から離れた取り付け部342の一端は、電極ホルダ32から露出してから回路基板70に電気的に接続される。回路基板70は、電池40に電気的に接続される。ヒーター組立体20に近い取り付け部342の一端には、取り付け孔346が開設される。取り付け孔346は盲孔であり、取り付け孔346の軸線もヒーター組立体20の摺動方向に沿って設置される。弾性素子36は取り付け孔346内に位置し、一端は、取り付け孔346の底壁で弾性的に当接し、他端は、当接部344の端面で当接する。当接部344に外力が作用しない場合、弾性素子36の弾性作用力は、電力供給電極34の高さを最大にするために、当接部344を取り付け部342の底壁から遠ざけるように駆動する。当接部344に外力が作用すると、当接部344は、弾性素子36を圧迫して、取り付け部342に近接する方向に移動するように圧縮する。
【0040】
本願の実施例は、弾性素子36を電力供給電極34の内部に集積することで、リセット部品を組み立てて形成するプロセスに、弾性素子36をリセット部品の内部に配置することができ、それにより、電子霧化装置100の後続の着脱がより便利になる。一方、弾性素子36に対する取り付け孔346の制限作用により、弾性素子36の圧縮及び回復のプロセスはより安定し、それにより、当接部344と電力供給接続端子26との電気的接続はより安定する。
【0041】
取り付け部342と当接部344はいずれも、電力供給接続端子26と電池40とを電気的に接続するための導電部品として設定される。取り付け部342と当接部344は、例えば、導電性能を有する金属又は合金で製造され得る。一般的に使用される金属又は合金は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、金、金合金、銀、銀合金、白金族、白金族合金、クロム、クロム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、タングステン、タングステン合金、モリブデン、モリブデン合金、鉛、鉛合金、スズ、スズ合金、インジウム、インジウム合金、亜鉛又は亜鉛合金などを含むが、これらに限定されない。取り付け部342と当接部344の材料は、同じであっても異なってもよく、本願は、取り付け部342と当接部344の材料を限定しない。
【0042】
さらに、
図5に示すように、取り付け孔346の周縁の内面には、内向きに突出するリミット部348が設けられ、取り付け孔346内に挿入配置される当接部344の一端にはストッパ部341が設けられ、当接部344の移動方向に垂直なストッパ部341の断面積は、リミット部348によって囲まれた領域の面積よりも大きく、当接部344の他端は、リミット部348によって囲まれた領域を通って延びる。
【0043】
具体的には、リミット部348は、取り付け孔346の内面から突出して配置され、リミット部348によって囲まれた領域の面積は、当接部344が弾性素子36の弾性作用の下で取り付け孔346から飛び出すのを防止するために、ストッパ部341の断面積よりも小さい。当接部344の断面積は、当接部344が取り付け部342の外に延びて電力供給接続端子26と当接し電気的に接続されるように、リミット部348によって囲まれた領域の面積以下である。
【0044】
幾つかの実施例では、リミット部348の数は複数であってもよい。複数のリミット部348は、取り付け孔346の周方向に沿って間隔をおいて配置することができる。本実施例では、リミット部348は、環形のリミット部であってもよい。環形のリミット部は、取り付け孔346の周方向の周りに配置される。環形リミット部を設けることによって、当接部344はより均一な力を受けることができる。
【0045】
さらに、幾つかの実施例では、当接部344の断面積を、リミット部348によって囲まれた領域の面積と等しく、当接部344の断面形状を、リミット部348によって囲まれた領域の形状に適合するように設定することで、当接部344の外側壁とリミット部348の内側壁を密接に接触させることができる。当接部344の外側壁とリミット部348の内側壁とを密接に接触させることにより、当接部344を案内することを容易にし、それによって、当接部344の運動をより安定させ、揺れを回避することができる。同時に、当接部344とリミット部348を密接に接触させることにより、当接部344と取り付け部342との間の電気的接続を実現することができる。それによって、当接部344を電池40に電気的に接続し、そして電力供給接続端子26を電池40に電気的に接続することが容易になり、発熱部品24に電力を供給することが容易になる。
【0046】
別の幾つかの実施例では、ストッパ部341の断面積を取り付け孔346の断面積と等しく、ストッパ部341の断面形状を取り付け孔346の断面形状に適合するように設定することで、ストッパ部341の外側壁と取り付け孔346の内側壁を密接に接触させることができる。ストッパ部341の外側壁と取り付け孔346の内側壁とを密接に接触させるように設定することにより、当接部344を案内することを容易にし、それによって、当接部344の運動をより安定させ、揺れを回避することができる。同時に、ストッパ部341の側壁と取り付け孔346の側壁を密接に接触させることにより、当接部344と取り付け部342との間の電気的接続を実現することができる。それによって、当接部344を電池40に電気的に接続し、そして電力供給接続端子26を電池40に電気的に接続することが容易になり、発熱部品24に電力を供給することが容易になる。
【0047】
また別の幾つかの実施例では、弾性素子36を導電部品として設定することもできる。弾性素子36は、取り付け部342と当接部344にそれぞれ電気的に接続される。
【0048】
例えば、一実施形態では、力を受けていないときの弾性素子36の長さは、当接部344の端部と取り付け孔346の底壁との間の距離よりも小さく設定することができる。それにより、弾性素子36が常に圧縮状態にあり、即ち、弾性素子36の対向する両端はそれぞれ、当接部344の端部及び取り付け孔346の底壁と常に接触して電気的に接続される。別の実施形態では、弾性素子36の両端はそれぞれ、電気的接続を実現するために、溶接又は導電接着剤接着などの方式で、取り付け孔346の底壁と当接部344の端部に接続することができる。
【0049】
オプションで、本実施例では、ばねを弾性部材として使用する。ばねを使用する利点は、ばねがよく見られる弾性素子36であり、部品が壊れた時に交換が容易であり、また、ばねが良好な伸展性を有し、容易に圧迫され、ある程度まで圧迫されると、反力が比較的大きいことである。
【0050】
さらに、
図6~
図8に示すように、
図6は、
図3におけるリセット部品の立体構造模式図であり、
図7は、
図1における電子霧化装置の別の断面構造図であり、
図8は、
図7における電子霧化装置の一部の拡大構造模式図である。ヒーター組立体20は、検出接続端子28をさらに有する。誘導スイッチは検出電極52である。検出電極52は、電極ホルダ32上に配置される。検出電極52と検出接続端子28は間隔をおいて配置される。タバコ200が煙管10内に挿入されると、ヒーター組立体20は、検出電極52と検出接続端子28を接触させて誘導信号を形成するように、電力供給電極34と当接し収縮する。
【0051】
具体的には、ヒーター組立体20のベース22上に検出接続端子28が設けられる。検出電極52が検出接続端子28と接触すると、誘導信号が生成される。検出電極52と電力供給電極34は、ベース22に向く電極ホルダ32の表面上に位置し、検出電極52と検出接続端子28は、間隔をおいて配置される。
【0052】
一実施例では、検出接続端子28の数は1つであってもよい。検出電極52は1つあり、検出接続端子28に対応して配置される。検出電極52が検出接続端子28と接触すると、誘導信号が生成される。
【0053】
あるいは、本実施例では、検出接続端子28の数は2つであり、2つの検出接続端子28は電気的に接続される。検出電極52の数も2つであり、2つの検出電極52はいずれも、回路基板70に電気的に接続される。各検出電極52は、1つの検出接続端子28に対応して配置される。2つの検出接続端子28を電気的に接続し、2つの検出電極52をそれぞれ回路基板70に電気的に接続することによって、2つの検出電極52が2つの検出接続端子28にそれぞれ対応して当接するときに、導電ループを形成し、ループ信号(即ち、誘導信号)を生成することができる。このようにして、ベース22と検出電極52との間に安定した当接を形成する場合のみ、誘導信号が生成され、それにより、検出の精度が保証される。
【0054】
あるいは、また別の実施例では、検出接続端子28の数を2つに設定することができる。2つの検出接続端子28は電気的に接続される。検出電極52の数も2つであり、2つの検出電極52は電気的に接続され、回路基板に電気的に接続される。各検出電極52は、1つの検出接続端子28に対応して配置される。このとき、一方の検出電極52が1つの検出接続端子28と接触した後にトリガーを実現することができ、それにより、誘導スイッチの検出感度及び動作の安定性が向上する。
【0055】
ここで、2つの検出接続端子28を電気的に接続する方式は、例えば、ベース22の内部に導電回線を配置し、導電回線を2つの検出接続端子28にそれぞれ接続することであり得る。
【0056】
さらに、
図6~
図8に示すように、電極ホルダ32の表面から突出する検出電極52の高さは、第1高さよりも低く、第2高さ以上である。第1高さは、煙管10内にタバコ200がないときの、ヒーター組立体20と電極ホルダ32との間の距離であり、第2高さは、電力供給電極34が完全に圧縮されたときに電極ホルダ32の表面から突出する高さである。
【0057】
具体的には、煙管10内にタバコ200がない場合、ヒーター組立体20と電極ホルダ32との間の距離は、圧縮されていないときに電極ホルダ32の表面から突出する電力供給電極34の高さよりも小さいため、電力供給電極34は、常に弾性圧縮の状態にあり、電力供給接続端子26と当接し、それによって、電力供給電極34と電力供給接続端子26との間の接続の安定性が向上する。電極ホルダ32の表面から突出する検出電極52の高さを第1高さよりも低く設定することにより、煙管10内にタバコ200がない場合、検出電極52と検出接続端子28は互い離間することができる。電極ホルダ32の表面から突出する検出電極52の高さを、完全に圧縮されたときに電極ホルダ32の表面から突出する電力供給電極34の高さ以上に設定することによって、電力供給電極34が圧縮されるときに、検出電極52は、検出接続端子28と接触し、それによって、タバコ200の挿入の検出を実現することができる。
【0058】
さらに、
図7と
図8に示すように、電子霧化装置100は、ケース80とベース取り付けキャビティ60をさらに含む。ベース取り付けキャビティ60と煙管10はいずれもケース80内に位置する。ベース取り付けキャビティ60は煙管10と連通する。ベース22は、ベース取り付けキャビティ60内に摺動可能に配置される。ヒーター組立体20を収容するためのベース取り付けキャビティ60を設けることによって、ヒーター組立体20を固定することが容易になり、また、ヒーター組立体20に対するベース取り付けキャビティ60の制限作用により、ヒーター組立体20の運動がより安定する。
【0059】
図7に示すように、本実施例では、ケース80は、上ケース82と下ケース84を含み、煙管10は、上ケース82内に着脱可能に取り付けられ、電池40と回路基板70(
図2を参照)は、下ケース84内に収容され、上ケース82は、下ケース84の一端をカバーするように配置される。
【0060】
上記の実施例では、検出電極52と検出接続端子28の適合により、タバコ200の挿入検出が実現される。他の実施例では、検出電極52を設けずに、他の種類の誘導スイッチで検出を実行してもよい。
【0061】
例えば、幾つかの実施例では、誘導スイッチは、ホールセンサとホールセンサに適合する磁石を含む。ホールセンサと磁石のうちの一方は、ベース取り付けキャビティ内に配置され、他方はベース上に配置される。ホールセンサは、磁石の磁場強度がプリセット値よりも大きいことを検知すると、誘導信号を形成する。
【0062】
具体的には、
図9に示すように、
図9は、本願の別の実施例における電子霧化装置の断面構造の一部の拡大模式図である。本実施形態では、ホールセンサ91をベース取り付けキャビティ60の底部に配置し、磁石92をヒーター組立体20のベース22上に固定配置することができる。タバコ200が煙管10内に挿入されると、タバコ200は、発熱部品24と当接して、ヒーター組立体20をベース取り付けキャビティ60の底部に移動させる。磁石92が徐々にホールセンサ91に近接している。磁石92の磁場強度がプリセット値よりも大きいことをホールセンサ91が感知すると、ホールセンサ91は、誘導信号を形成して、誘導スイッチをオンにし、それによって、発熱部品24を制御してタバコ200を加熱し始める。
【0063】
別の実施形態では、
図10に示すように、
図10は、本願のまた別の実施例における電子霧化装置の断面構造の一部の拡大模式図である。ホールセンサ91をベース取り付けキャビティ60の煙管10に近い側に配置し、磁石92をヒーター組立体20のベース22上に固定配置することもできる。タバコ200が煙管10内に挿入されると、タバコ200は、発熱部品24と当接して、ヒーター組立体20をベース取り付けキャビティ60の底部に移動させる。磁石92は徐々にホールセンサ91から離れる。磁石92の磁場強度がプリセット値よりも小さいことをホールセンサ91が感知すると、ホールセンサ91は、誘導信号を形成し、それによって、発熱部品24を制御してタバコを加熱し始める。
【0064】
当然のことながら、また別の実施例では、ホールセンサと磁石を逆にすることもできる。即ち、磁石は、ベース取り付けキャビティ内に配置され、ホールセンサは、ベース上に配置される。詳細については、上記の実施例の説明を参照されたい。ここでは繰り返さない。
【0065】
別の幾つかの実施例では、誘導スイッチは近接センサであり得、近接センサは、ヒーター組立体、ベース取り付けキャビティ、又はリセット部品上に配置される。
【0066】
例えば、一実施形態では、近接センサは、ヒーター組立体のベース取り付けキャビティに近い側に配置することができる。タバコは、煙管内に挿入されると、ヒーター組立体と当接し、ベース取り付けキャビティに近い底部に向かって運動する。ヒーター組立体が、ベース取り付けキャビティの底部からの一定の距離に運動すると、近接センサは誘導信号を生成し、それによって、発熱部品を制御してタバコを加熱し始める。
【0067】
別の実施形態では、近接センサは、ベース取り付けキャビティの底部に配置することができる。タバコは、煙管内に挿入されると、ヒーター組立体と当接し、ベース取り付けキャビティに近い底部に向かって運動する。ヒーター組立体が、ベース取り付けキャビティの底部から一定の距離に運動すると、近接センサは誘導信号を生成し、それによって、発熱部品を制御してタバコを加熱し始める。
【0068】
また別の実施形態では、リセット部品は、ヒーター組立体の煙管から離れた側に配置されるため、近接センサは、リセット部品上に配置することができる。タバコは、煙管内に挿入されると、ヒーター組立体と当接し、リセット部品に近接する方向に向かって運動する。ヒーター組立体が、リセット部品から一定の距離に運動すると、近接センサは誘導信号を生成し、それによって、発熱部品を制御してタバコを加熱し始める。
【0069】
また別の幾つかの実施例では、誘導スイッチはマイクロスイッチであり、マイクロスイッチは、ヒーター組立体の底部、ヒーター組立体の側面、ベース取り付けキャビティの底部、ベース取り付けキャビティの側壁、又はリセット部品上に配置される。
【0070】
マイクロスイッチは、静止コンタクトと可動コンタクトを含み得る。可動コンタクトが静止コンタクトと接触すると、誘導信号が生成される。
【0071】
一実施形態では、
図11に示すように、
図11は、本願のまた別の実施例における電子霧化装置の断面構造の一部の拡大模式図である。マイクロスイッチは、ヒーター組立体20の底部に配置することができ、即ち、マイクロスイッチは、ベース22におけるベース取り付けキャビティ60の底部に近い側に配置される。ここで、静止コンタクト93はベース22上に配置され、可動コンタクト94の一端はベース22に接続され、可動コンタクト94の他端はベース22から離反する方向に延び、静止コンタクト93に対応して配置される。タバコ200は、煙管10内に挿入されると、ベース22と当接し、ベース取り付けキャビティ60の底部に近接する方向に向かって運動する。可動コンタクト94がベース取り付けキャビティ60の底部と当接し変形して可動コンタクト94が静止コンタクト93と接触するまで、ヒーター組立体20が運動すると、マイクロスイッチは誘導信号を生成して、誘導スイッチをオンにし、それによって、発熱部品24を制御してタバコ200を加熱し始める。
【0072】
別の実施形態では、マイクロスイッチは、ヒーター組立体の側面に配置することができる。静止コンタクトは、ベースの側面上に配置され、可動コンタクトの一端はベースに接続され、可動コンタクトの他端は、ベースから離反する方向に延び、静止コンタクトに対応して配置される。ベース取り付けキャビティの側壁におけるベース取り付けキャビティの底部に近い側には、当接ブロックが設けられる。タバコは、煙管内に挿入されると、ベースと当接し、ベース取り付けキャビティの底部に近接する方向に向かって運動する。当接ブロックが可動コンタクトと当接し変形して可動コンタクトが静止コンタクトと接触するまで、ヒーター組立体が運動すると、マイクロスイッチは、誘導信号を生成し、誘導スイッチをオンにし、それによって、発熱部品を制御してタバコを加熱し始める。
【0073】
また別の実施形態では、
図12に示すように、
図12は、本願のまた別の実施例における電子霧化装置の断面構造の一部の拡大模式図である。マイクロスイッチは、ベース取り付けキャビティ60の底部に配置され得る。静止コンタクト93は、ベース取り付けキャビティ60の底部に配置され、可動コンタクト94の一端は、ベース取り付けキャビティ60の底壁に接続され、可動コンタクト94の他端は、ヒーター組立体20に近接する方向に延び、静止コンタクト93に対応して配置される。タバコ200は、煙管10内に挿入されると、ベース22と当接し、ベース取り付けキャビティ60の底部に近接する方向に向かって運動する。ヒーター組立体20が、可動コンタクト94が静止コンタクト93と接触するように、可動コンタクト94と当接し変形するまで運動すると、マイクロスイッチは誘導信号を生成して、誘導スイッチをオンにし、それによって、発熱部品24を制御してタバコ200を加熱し始める。
【0074】
当然のことながら、他の実施形態では、可動コンタクトと静止コンタクトの位置を逆にすることもできる。詳細については、上記の実施例の説明を参照されたい。ここでは繰り返さない。
【0075】
また別の幾つかの実施形態では、誘導スイッチを圧力センサとして設定することができる。圧力センサは、ヒーター組立体の底部、ベース取り付けキャビティ内、又はリセット部品上に配置される。
【0076】
例えば、一実施形態では、圧力センサは、ヒーター組立体の底部に配置することができ、即ち、圧力センサは、ベースにおけるベース取り付けキャビティの底部に近い側に配置される。タバコ200は、煙管内に挿入されると、ベースと当接し、ベース取り付けキャビティの底部に近接する方向に向かって運動する。ベースが、ベース取り付けキャビティの底部上に配置された圧力センサと接触するまで運動すると、圧力センサは、それに対するベースの作用力を検出し、圧力センサにより検出された作用力がプリセット値よりも大きい場合、誘導信号を生成し、それによって、発熱部品を制御してタバコを加熱し始める。
【0077】
別の実施形態では、
図13に示すように、
図13は、本願のまた別の実施例における電子霧化装置の断面構造の一部の拡大模式図である。圧力センサ95は、ベース取り付けキャビティ60内に配置され得る。本実施例では、圧力センサ95は、ベース取り付けキャビティ60の底部に配置され得る。タバコ200は、煙管内に挿入されると、ベース22と当接し、ベース取り付けキャビティ60の底部に近接する方向に向かって運動する。ベース22が、ベース取り付けキャビティ60内の圧力センサ95と接触するまで運動すると、圧力センサ95は、それに対するベース22の作用力を検出し、圧力センサ95により検出された作用力がプリセット値よりも大きい場合、誘導信号を生成し、それによって、発熱部品24を制御してタバコ200を加熱し始める。
【0078】
別の実施例では、圧力センサは、底部に近いベース取り付けキャビティの側壁の側に配置することもできる。
【0079】
また別の実施形態では、圧力センサは、リセット部品上、即ち、リセット部品のベースに近い側に配置することができる。タバコは、煙管内に挿入されると、ベースと当接し、リセット部品に近接する方向に向かって運動する。ベースが、リセット部品上の圧力センサと接触するまで運動すると、圧力センサは、それに対するベースの作用力を検出し、圧力センサによって検出された作用力がプリセット値よりも大きい場合、誘導信号を生成し、それによって、発熱部品を制御してタバコを加熱し始める。
【0080】
作用力のプリセット値の大きさは、必要に応じて柔軟に設定することができ、これは、本願の実施例では特に限定されない。
【0081】
従来技術の状況とは異なり、本願の実施例は、電子霧化装置100内に誘導スイッチを配置することで、誘導スイッチにより、タバコ200が煙管10内に挿入されたか否かを継続的に検出し、タバコ200が煙管10に挿入されたことを検出した後、タバコ200を加熱するためにヒーター組立体20の発熱を制御する。このようにして、タバコ200の挿入の自動検出を実現し、タバコ200が挿入されていないときのヒーター組立体20の空焚き現象を回避することができ、電子霧化装置100のインテリジェント度を向上させることができる。また、リセット部品によってヒーター組立体20に加えられるリセット力は、ヒーター組立体20の発熱後にヒーター組立体20をリセットすることができる。ヒーター組立体20は、プリセット条件が満たされるまで加熱し続け、その後加熱を停止する。従って、本実施例は、一回のトリガーのみにより、ヒーター組立体20の継続的な加熱を実現し、加熱中に、誘導スイッチが誤って切断されて、タバコ200の加熱が停止されることを回避し、それによってユーザ体験を向上させることができる。
【0082】
以上の説明は本願の実施例に過ぎず、本願の保護範囲を制限するものではない。本願の明細書及び添付図面によって作成したすべての同等構造又は同等フローの変更を、直接又は間接的に他の関連する技術分野に実施することは、いずれも同じ理由により本願の保護範囲内に含まれるべきである。