(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】デプリーションモードトランジスタを制御するための方法及び回路要素
(51)【国際特許分類】
H02M 1/08 20060101AFI20230324BHJP
H02M 1/00 20070101ALI20230324BHJP
H03K 17/08 20060101ALN20230324BHJP
H03K 17/0812 20060101ALN20230324BHJP
H03K 17/687 20060101ALN20230324BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H02M1/00 J
H02M1/08 341A
H03K17/08 C
H03K17/0812
H03K17/687 A
(21)【出願番号】P 2021158745
(22)【出願日】2021-09-29
(62)【分割の表示】P 2020105752の分割
【原出願日】2014-11-17
【審査請求日】2021-10-28
(32)【優先日】2013-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ダグラス シーマン
(72)【発明者】
【氏名】サンディープ アール バール
(72)【発明者】
【氏名】デビッド アイ アンダーソン
【審査官】東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-78111(JP,A)
【文献】特開2013-183584(JP,A)
【文献】特開2005-73423(JP,A)
【文献】特開2011-10487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00- 7/98
H03K 17/00-17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路であって、
負の電圧ノードと、
基準電圧ノードと、
INノードと、
dモードドレインと、dモードソースと、dモードゲートとを有するデプリーションモードトランジスタと、
前記dモードソースに結合されるeモードドレインと、前記基準電圧ノードに結合されるeモードソースと、eモードゲートとを有するエンハンスメントモードトランジスタと、
前記eモードゲートに結合される第1の欠陥出力と、第2の欠陥出力とを含む欠陥回路要素と、
前記INノードに結合される第1の入力と、前記第2の欠陥出力に結合される第2の入力と、ゲートされるIN出力とを含む、第1の論理回路要素と、
前記ゲートされるIN出力に結合される入力と、第1の負の電圧出力と、第2の負の電圧出力とを含む、レベルシフト回路要素と、
前記負の電圧ノードと前記基準電圧ノードとの間に結合される第1及び第2のドライバトランジスタであって、相互に結合されて前記dモードゲートに結合されるドレインと、前記第1の負の電圧出力に結合される第1のゲートと、前記第2の負の電圧出力に結合される第2のゲートとを有する、前記第1及び第2のドライバトランジスタと、
前記dモードゲートに結合される第1の端子と、前記基準電圧ノードに結合される第2の端子とを有する、ダイオードと、
を含む、回路。
【請求項2】
請求項1に記載の回路であって、
ラッチ回路要素であって、
前記第1の負の電圧出力に結合される第1のラッチ入力と、
前記第2の負の電圧出力に結合される第2のラッチ入力と、
前記第1のゲートに結合される第1の負の電圧ラッチ出力と、
前記第2のゲートに結合される第2の負の電圧ラッチ出力と、
を含む、前記ラッチ回路要素を更に含む、回路。
【請求項3】
請求項2に記載の回路であって、
前記レベルシフト回路要素が第1のレベルシフト回路要素であって、
前記ラッチ回路要素が、
前記第1のラッチ入力に結合される第1の入力と、第2の入力と、前記第1の負の
電圧ラッチ出力に結合される出力とを有する、第1の論理ゲートと、
前記第2のラッチ入力に結合される第1の入力と、第2の入力と、前記第2の負の
電圧ラッチ出力に結合される出力とを有する、第2の論理ゲートと、
前記第2の負の
電圧ラッチ出力に結合される第1の入力と、前記第1の論理ゲートの第2の入力に結合される第1の出力と、前記第1の負の
電圧ラッチ出力に結合される第2の入力と、前記第2の論理ゲートの第2の入力に結合される第2の出力とを有する、第2のレベルシフト回路要素と、
を更に含む、回路。
【請求項4】
請求項3に記載の回路であって、
前記第1の負の電圧出力に結合される入力と、前記第1のラッチ入力に結合される第1の反転出力とを有する、第1のインバータと、
前記第2の負の電圧出力に結合される入力と、前記第2のラッチ入力に結合される第2の反転出力とを有する、第2のインバータと、
を更に含む、回路。
【請求項5】
請求項3に記載の回路であって、
前記第1の負の電圧ラッチ出力に結合される入力と、前記第1のゲートに結合されるバッファ出力とを有する、第1のバッファと、
前記第2の負の電圧ラッチ出力に結合される入力と、前記第2のゲートに結合されるバッファ出力とを有する、第2のバッファと、
を更に含む、回路。
【請求項6】
請求項3に記載の回路であって、
前記第1の論理ゲートがORゲートであり、前記第2の論理ゲートがANDゲートである、回路。
【請求項7】
請求項1に記載の回路であって、
前記欠陥回路要素が、
前記dモードソースと前記eモードドレインとに結合される第1の入力と、前記eモードゲートに結合される第2の入力と、前記第1の欠陥出力とを含む、保護回路要素と、
前記第1の欠陥出力に結合される入力と、前記eモードゲートに結合される出力とを含む、保護論理回路要素と、
を更に含む、回路。
【請求項8】
請求項7に記載の回路であって、
前記保護回路要素が過電流保護・過温度保護回路要素である、回路。
【請求項9】
請求項1に記載の回路であって、
前記欠陥回路要素が、
正の電圧ノードに結合される第1の入力と、前記負の電圧ノードに結合される第2の入力と、pgood出力とを含む、ロックアウト回路要素と、
前記pgood出力に結合される入力と、第2の欠陥出力とを含む、ロックアウト論理回路要素と、
を更に含む、回路。
【請求項10】
請求項1に記載の回路であって、
前記欠陥回路要素が、
前記dモードソースと前記eモードドレインとに結合される第1の入力と、前記eモードゲートに結合される第2の入力と、第1の欠陥出力とを含む、保護回路要素と、
前記第1の欠陥出力に結合される第1の入力と、第2の入力と、前記eモードゲートに結合される出力とを含む、保護論理回路要素と、
正の電圧ノードに結合される第1の入力と、前記負の電圧ノードに結合される第2の入力と、前記保護論理回路要素の第2の入力に結合されるpgood出力とを含む、ロックアウト回路要素と、
前記pgood出力に結合される第1の入力と、前記第1の欠陥出力に結合される第2の入力と、第2の欠陥出力とを含む、ロックアウト論理回路要素と、
を更に含む、回路。
【請求項11】
請求項10に記載の回路であって、
前記保護回路要素が過電圧・過温度保護回路である、回路。
【請求項12】
請求項10に記載の回路であって、
前記ロックアウト回路要素が不足電圧・過電圧ロックアウト回路である、回路。
【請求項13】
請求項1に記載の回路であって、
前記デプリーションモードトランジスタがガリウム窒化物高電子移動度トランジスタである、回路。
【請求項14】
請求項13に記載の回路であって、
前記エンハンスメントモードトランジスタがNチャネル電界効果トランジスタである、回路。
【請求項15】
デプリーションモードトランジスタと前記デプリーションモードトランジスタに直列に結合されるエンハンスメントモードトランジスタとを駆動するドライバ回路であって、
負の電圧ノードと、
基準電圧ノードと、
INノードと、
前記デプリーションモードトランジスタのゲートに結合される第1の出力ノードと、
前記エンハンスメントモードトランジスタのゲートに結合される第2の出力ノードと、
前記第2の出力ノードに結合される第1の欠陥出力と、第2の欠陥出力とを含む、欠陥回路要素と、
前記INノードに結合される第1の入力と、前記第2の欠陥出力に結合される第2の入力と、ゲートされるIN出力とを含む、第1の論理回路要素と、
前記ゲートされるIN出力に結合される入力と、第1の負の電圧出力と、第2の負の電圧出力とを含む、レベルシフト回路要素と、
前記負の電圧ノードと前記基準電圧ノードとの間に結合される第1及び第2のドライバトランジスタであって、相互に結合されて前記第1の出力ノードに結合されるドレインと、前記第1の負の電圧出力に結合される第1のゲートと、前記第2の負の電圧出力に結合される第2のゲートとを有する、前記第1及び第2のドライバトランジスタと、
前記第1の出力ノードに結合される第1の端子と、前記基準電圧ノードに結合される第2の端子とを有する、ダイオードと、
を含む、ドライバ回路。
【請求項16】
請求項15に記載のドライバ回路であって、
ラッチ回路要素であって、
前記第1の負の電圧出力に結合される第1のラッチ入力と、
前記第2の負の電圧出力に結合される第2のラッチ入力と、
前記第1のゲートに結合される第1の負の電圧ラッチ出力と、
前記第2のゲートに結合される第2の負の電圧ラッチ出力と、
を含む、前記ラッチ回路要素を更に含む、ドライバ回路。
【請求項17】
請求項16に記載のドライバ回路であって、
前記レベルシフト回路要素が第1のレベルシフト回路要素であり、
前記ラッチ回路要素が、
前記第1のラッチ入力に結合される第1の入力と、第2の入力と、前記第1の負の
電圧ラッチ出力に結合される出力とを有する、第1の論理ゲートと、
前記第2のラッチ入力に結合される第1の入力と、第2の入力と、前記第2の負の
電圧ラッチ出力に結合される出力とを有する、第2の論理ゲートと、
前記第2の負の
電圧ラッチ出力に結合される第1の入力と、前記第1の論理ゲートの第2の入力に結合される第1の出力と、前記第1の負の
電圧ラッチ出力に結合される第2の入力と、前記第2の論理ゲートの第2の入力に結合される第2の出力とを有する、第2のレベルシフト回路要素と、
を更に含む、ドライバ回路。
【請求項18】
請求項17に記載のドライバ回路であって、
前記第1の負の電圧出力に結合される入力と、前記第1のラッチ入力に結合される第1の反転出力とを有する、第1のインバータと、
前記第2の負の電圧出力に結合される入力と、前記第2のラッチ入力に結合される第2の反転出力とを有する、第2のインバータと、
を更に含む、ドライバ回路。
【請求項19】
請求項17に記載のドライバ回路であって、
前記第1の負の電圧ラッチ出力に結合される入力と、前記第1のゲートに結合されるバッファ出力とを有する、第1のバッファと、
前記第2の負の電圧ラッチ出力に結合される入力と、前記第2のゲートに結合されるバッファ出力とを有する、第2のバッファと、
を更に含む、ドライバ回路。
【請求項20】
請求項17に記載のドライバ回路であって、
前記第1の論理ゲートがORゲートであり、前記第2の論理ゲートがANDゲートである、ドライバ回路。
【請求項21】
請求項15に記載のドライバ回路であって、
欠陥検出入力ノードに結合される第1の入力と、前記
第2の出力
ノードに結合される第2の入力と、第1の欠陥出力とを含む、保護回路要素と、
前記第1の欠陥出力に結合される入力と、前記
第2の出力
ノードに結合される出力とを含む、保護論理回路要素と、
を更に含む、ドライバ回路。
【請求項22】
請求項21に記載のドライバ回路であって、
前記保護回路要素が過電流保護・過温度保護回路要素である、ドライバ回路。
【請求項23】
請求項15に記載のドライバ回路であって、
前記欠陥回路要素が、
正の電圧ノードに結合される第1の入力と、前記負の電圧ノードに結合される第2の入力と、pgood出力とを含む、ロックアウト回路要素と、
前記pgood出力に結合される入力と、第2の欠陥出力とを含む、ロックアウト論理回路要素と、
を更に含む、ドライバ回路。
【請求項24】
請求項23に記載のドライバ回路であって、
前記ロックアウト回路要素が不足電圧ロックアウト回路要素である、ドライバ回路。
【請求項25】
請求項20に記載のドライバ回路であって、
前記欠陥回路要素が、
欠陥検出入力ノードに結合される第1の入力と、前記
第2の出力
ノードに結合される第2の入力と、第1の欠陥出力とを含む、保護回路要素と、
前記第1の欠陥出力に結合される第1の入力と、前記
第2の出力
ノードに結合される出力とを含む、保護論理回路要素と、
正の電圧ノードに結合される第1の入力と、前記負の電圧ノードに結合される第2の入力と、前記保護論理回路要素の第2の入力に結合されるpgood出力とを含む、ロックアウト回路要素と、
前記pgood出力に結合される第1の入力と、前記第1の欠陥出力に結合される第2の入力と、第2の欠陥出力とを含む、ロックアウト論理回路要素と、
を更に含む、ドライバ回路。
【請求項26】
請求項25に記載のドライバ回路であって、
前記保護回路要素が過電圧・過温度保護回路である、ドライバ回路。
【請求項27】
請求項25に記載のドライバ回路であって、
前記ロックアウト回路要素が不足電圧・過電圧ロックアウト回路である、ドライバ回路。
【請求項28】
請求項15に記載のドライバ回路であって、
前記欠陥回路要素が、前記デプリーションモードトランジスタのソースと前記エンハンスメントモードトランジスタのドレインとに結合される保護入力を更に含む、ドライバ回路。
【請求項29】
請求項28に記載のドライバ回路であって、
前記デプリーションモードトランジスタがガリウム窒化物高電子移動度トランジスタである、ドライバ回路。
【請求項30】
請求項29に記載のドライバ回路であって、
前記エンハンスメントモードトランジスタがNチャネル電界効果トランジスタである、
ドライバ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して電子回路要素に関し、特に、デプリーションモードトランジスタを制御するための方法及び回路要素に関連する。
【背景技術】
【0002】
多くの状況において、ガリウム窒化物(GaN)高電子移動度トランジスタ(HEMT)及びシリコンカーバイド(SiC)接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)などのデプリーションモード(dモード)トランジスタは、エンハンスメントモード(eモード)トランジスタより優れたスイッチング性能を有する。それにもかかわらず、幾つかのパワー電子回路実装において、ノーマリー「オン」dモードトランジスタ(例えば、そのVGS=0Vである)は、安全性に関して問題を起こし得る。これに対し、ノーマリー「オフ」eモードトランジスタは、何らかの欠陥条件に応答してクロスコンダクション(短絡など)を実質的に防ぐことを助け得る。
【発明の概要】
【0003】
記載される例において、第1のトランジスタが、デプリーションモードトランジスタのソースに結合されるドレインと、第1の電圧ノードに結合されるソースと、制御ノードに結合されるゲートとを有する。第2のトランジスタが、デプリーションモードトランジスタのゲートに結合されるドレインと、第1の電圧ノードに結合されるソースと、少なくとも一つの第1の論理デバイスを介して入力ノードに結合されるゲートとを有する。第3のトランジスタが、デプリーションモードトランジスタのゲートに結合されるドレインと、第2の電圧ノードに結合されるソースと、少なくとも一つの第2の論理デバイスを介して入力ノードに結合されるゲートとを有する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】例示の実施例の回路要素の概略の電気的回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、例示の実施例の回路要素100の概略の電気的回路図である。
図1に示すように、GaN HEMTなどの高電圧dモードトランジスタ102が、低電圧eモードNFET(LVスイッチ)104と直列に接続される。第1の例において、LVスイッチ104は個別部品(discrete)である。第2の例において、LVスイッチ104は、別の構成要素と統合される(ドライバ回路要素105と統合されるなど)。
【0006】
dモードトランジスタ102のドレインが、その電圧が600ボルト(又はそれ以上)までわたり得る電圧出力ノードVOUTに接続される。dモードトランジスタ102のソースが、LVスイッチ104のドレインに接続される。LVスイッチ104のソースが、その電圧が0ボルトである接地ノードGNDなどの電圧基準ノードに接続される。少なくとも一つの例において、接地ノードGNDは、グローバル接地の代わりにローカル接地に接続される。
【0007】
LVスイッチ104は、(a)通常オペレーションのためにオンになり、そのため、nチャネル金属酸化物半導体(NMOS)スイッチングダイナミクスが、通常オペレーションの間、回路要素100の全体的なスイッチングダイナミクスから実質的に取り除かれ、(b)一つ又は複数の検出された欠陥条件に応答して(スタートアップの間など)安全(デバイス保護など)のためオフになる。このような欠陥条件の例には、不足電圧(under-voltage)、過電圧、過電流、及び過温度がある。
【0008】
例えば、+12V、+5V、及び-12Vのノードの電圧に応答して、不足電圧ロックアウト(UVLO)回路要素106が、(a)不足電圧コンディションが存在するか又は存在しないか、及び(b)過電圧コンディションが存在するか又は存在しないかを検出する。このような検出に応答して、UVLO回路要素106は、PGOODライン上の信号を、ANDゲート108及び110のそれぞれの第1の入力に出力する。従って、UVLO回路要素106が不足電圧コンディションも過電圧コンディションも検出しないことに応答して、PGOODライン上のUVLO回路要素106からの信号は、バイナリ論理1(真)状態を有する。逆に、UVLO回路要素106が不足電圧コンディション又は過電圧コンディションのいずれかを検出することに応答して、PGOODライン上のUVLO回路要素106からの信号は、バイナリ論理0(偽)状態を有する。
【0009】
同様に、LVスイッチ104のゲートにおける及びLVスイッチ104のドレインにおける電圧に応答して、過電流保護(OCP)過熱保護(OTP)回路要素112が、(a)過電流コンディションが存在するか又は存在しないか、及び(b)過熱コンディションが存在するか又は存在しないか否かを検出する。このような検出に応答して、OCP OTP回路要素112は、/FAULTライン上の信号をANDゲート108及び110のそれぞれの第2の入力に出力する。従って、OCP OTP回路要素112が過電流コンディションも過熱コンディションも検出しないことに応答して、/FAULTライン上のOCP OTP回路要素112からの信号は、バイナリ論理1(真=欠陥なし)状態を有する。逆に、OCP OTP回路要素112が過電流コンディション又は過熱コンディションのいずれかを検出することに応答して、/FAULTライン上のOCP OTP回路要素112からの信号は、バイナリ論理0(偽=欠陥)状態を有する。OCP OTP回路要素112及びUVLO回路要素106は、欠陥検出回路要素の例である。
【0010】
ANDゲート110の出力が、バッファ114を介して制御ノード115に結合される。制御ノード115は、LVスイッチ104のゲートに結合される。従って、PGOODライン上の信号が真状態を有する場合、及び/FAULTライン上の信号が真状態を有する場合、ANDゲート110の出力は真状態を有し、LVスイッチ104は通常オペレーションのためオンになる。逆に、PGOODライン上の信号が偽状態を有するか、又は/FAULTライン上の信号が偽状態を有する場合、ANDゲート110の出力は偽状態を有し、LVスイッチ104は、これらの検出された欠陥条件の一つ又は複数に応答して安全のためオフになる。
【0011】
同様に、ANDゲート108の出力が、インバータ116を介してnチャネル電界効果トランジスタ(NFET)118のゲートに結合される。NFET118のソースが接地ノードGNDに接続され、NFET118のドレインが
ノードに接続される。従って、PGOODライン上の信号が真状態を有する場合、及び/FAULTライン上の信号が真状態を有する場合、ANDゲート108の出力は真状態を有し、そのため、NFET118はオフになる。逆に、PGOODライン上の信号が偽状態を有する場合、又は/FAULTライン上の信号が偽状態を有する場合、ANDゲート108の出力は偽状態を有し、それにより、NFET118がオンになる。NFET118をオンにすることにより、
ノードが、NFET118を介して0ボルトに結合され、それにより、検出された欠陥条件の一つ又は複数の存在を(
ノードを介して)通信する。
【0012】
また、ANDゲート108の出力は、ANDゲート120の第1の入力に接続される。入力ノードINが、バッファ122を介してANDゲート120の第2の入力に結合される。そのため、入力ノードINがバイナリ論理0(偽)状態を有する場合、ANDゲート120の出力は偽状態を有する。
【0013】
通常オペレーションでは、入力ノードINは、バイナリ論理1(真)状態とバイナリ論理0(偽)状態との間で交番するパルス幅変調された(PWM)信号を(PWMコントローラなどから)受け取る。従って、通常オペレーションの間、(a)PGOODライン上の信号が真状態を有する場合、及び/FAULTライン上の信号が真状態を有する場合、入力ノードINの論理状態はANDゲート120を介して伝搬し、そのため、ANDゲート120の出力は入力ノードINと同じ論理(真又は偽のいずれか)状態を有し、(b)逆に、PGOODライン上の信号が偽状態を有する場合、又は/FAULTライン上の信号が偽状態を有する場合、ANDゲート120の出力は偽状態を有する。
【0014】
ノードにおける12ボルトの入力電圧(+12Vノード)に応答して、低ドロップアウト(LDO)レギュレータ124が、ノードにおいて5ボルトの電圧(+5Vノード)を生成する。+12Vノードは、pチャネル電界効果トランジスタ(PFET)126のソースに接続される。反転バックブーストコントローラ128が、PFET126のゲートに及びNFET130のゲートに接続される。NFET130のソースがライン132に接続される。スイッチノードSWが、PFET126のドレインに及びNFET130のドレインに接続される。少なくとも一つの例において、インダクタ(明確にするため図には示していない)が、スイッチノードSWと、その電圧が0ボルトである接地ノードGNDとの間に接続される。従って、フィードバックノードFBにおける信号(電圧信号など)に応答して、コントローラ128は、ライン132上の-12ボルトの電圧をレギュレートするためにPFET126及びNFET130の(オンとオフの間の)スイッチングを制御する。別の例において、コントローラ128は、ライン132上の-12ボルトの電圧(-12Vノード)をレギュレートするために反転チャージポンプにより置き換えられる。
【0015】
dモードトランジスタ102のゲートが、PFET134のドレインに及びNFET136のドレインに接続される。PFET134のソースが、その電圧が0ボルトである接地ノードGNDに接続され、NFET136のソースが、その電圧が-12ボルトであるライン132に接続される。PFET134のボディダイオード138が、PFET134のドレインからPFET134のソースに接続される。
【0016】
インバータ140、ORゲート142、及びバッファ144に対し、バイナリ論理0(偽)状態が-5ボルトで表わされ、バイナリ論理1(真)状態が0ボルトで表わされる。インバータ146、ANDゲート148、及びバッファ150に対し、バイナリ論理0(偽)状態が-12ボルトで表わされ、バイナリ論理1(真)状態が-7ボルトで表わされる。
【0017】
レベルシフタ(L/S)152が、(a)ANDゲート120の出力を受け取り、(b)このような出力を、インバータ140及び146に適した対応する信号に変換する。従って、偽状態を有するANDゲート120の出力に応答して、L/S152は、(a)その電圧が-5ボルトである信号をインバータ140の入力に、及び(b)その電圧が-12ボルトである信号をインバータ146の入力に出力する。逆に、真状態を有するANDゲート120の出力に応答して、L/S152は、(a)その電圧が0ボルトである信号をインバータ140の入力に、及び(b)その電圧が-7ボルトである信号をインバータ146の入力に出力する。
【0018】
インバータ140の出力が、ORゲート142の第1の入力に接続される。ORゲート142の出力が、バッファ144の入力に接続される。バッファ144の出力が、PFET134のゲートに接続される。
【0019】
インバータ146の出力が、ANDゲート148の第1の入力に接続される。ANDゲート148の出力が、バッファ150の入力に接続される。バッファ150の出力が、NFET136のゲートに接続される。
【0020】
レベルシフタ(L/S)154が、(a)ANDゲート148の出力を受け取り、(b)このような出力を、ORゲート142に適した対応する信号に変換する。従って、(a)偽状態(-12ボルト)を有するANDゲート148の出力に応答して、L/S154は、その電圧が-5ボルトである信号を(ORゲート142の第2の入力に)出力し、(b)逆に、真状態(-7ボルト)を有するANDゲート148の出力に応答して、L/S154は、その電圧が0ボルトである信号を(ORゲート142の第2の入力に)出力する。
【0021】
同様に、レベルシフタ(L/S)154は、(a)ORゲート142の出力を受け取り、(b)このような出力を、ANDゲート148に適した対応する信号に変換する。従って、(a)偽状態(-5ボルト)を有するORゲート142の出力に応答して、L/S154は、その電圧が-12ボルトである信号を(ANDゲート148の第2の入力に)出力し、(b)逆に、真状態(0ボルト)を有するORゲート142の出力に応答して、L/S154は、その電圧が-7ボルトである信号を(ANDゲート148の第2の入力に)出力する。
【0022】
このようにして、インバータ140及び146のそれぞれの出力は互いと同じ論理状態を有し、このような論理状態はORゲート142及びANDゲート148のそれぞれの出力によりラッチされる。
【0023】
少なくとも一つの実施例において、dモードトランジスタ102の閾値電圧(VT)が-10ボルトであり、そのため、dモードトランジスタ102のゲートは、LVスイッチ104のソースに対して負の電位から動作する。例えば、通常オペレーションの間、回路要素100は、dモードトランジスタ102のゲートを0ボルトと-12ボルトの間でアクティブに切り替えるように動作し得る。従って、回路要素100は、本来のdモードデバイスの優れたスイッチング性能を達成し、制御可能なエッジレートを維持する一方で、カスコード配置の固有のノーマーリーオフ能力を保持する。
【0024】
dモードトランジスタ102をオフにするために、入力ノードINが偽状態にクリアされ、そのため、ANDゲート120の出力は偽状態を有し、それにより、PFET134をオフにし、NFET136をオンにする。同様に、一つ又は複数の検出された欠陥条件に応答して(入力ノードINが偽状態にクリアされるか又は真状態に設定されるかに関係なく)、ANDゲート120の出力は偽状態を有し、それにより、PFET134をオフにし、NFET136をオンにする。このようにしてNFET136をオンにすることにより、dモードトランジスタ102のゲートは、その電圧が-12ボルトであるライン132にNFET136を介して結合され、そのため、dモードトランジスタ102はオフにされる。
【0025】
dモードトランジスタ102をオンにするために、入力ノードINが真状態に設定され、そのため、ANDゲート120の出力は真状態を有し(ANDゲート108の出力が同様に真状態を有する場合にのみ)、それにより、PFET134をオンにし、NFET136をオフにする。このようにしてPFET134をオンにすることにより、
(a)dモードトランジスタ102のゲートは、PFET134を介して、その電圧が0ボルトである接地ノードGNDに(及び同様にLVスイッチ104のソースに)結合され、そのため、dモードトランジスタ102のVGSがLVスイッチ104のVDSにほぼ等しく(しかし極性が反対であり)、
(b)従って、LVスイッチ104オンになる場合、LVスイッチ104のVDSが比較的小さく、dモードトランジスタ102のVGSが比較的小さく、そのため、dモードトランジスタ102がオンになる。
【0026】
ドライバ回路要素105が、給電されない場合、LVスイッチ104はオフになり、dモードトランジスタ102のゲートは、ダイオード138を介して(接地ノードGNDの)0ボルト近くに結合される。又は、ドライバ回路要素105が電力を有するが、+12V、+5V、又は-12Vノードの一つ又は複数のいずれかがその適切な電圧レベルにない場合、PGOODライン上のUVLO回路要素106からの信号はバイナリ論理0(偽)状態を有し、そのため、LVスイッチ104はオフになる。LVスイッチ104がオフになる場合、(検出された欠陥条件の一つ又は複数に応答して安全のためなど)、LVスイッチ104のVDSが増大し、これは最終的に、dモードトランジスタ102のVGSをその閾値電圧(VT)に到達(及び超え続け)させ、そのため、たとえライン132が-12ボルトのその適切な電圧レベルではない場合であっても、dモードトランジスタ102はオフとなり始める(及び継続する)。
【0027】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に変形が成され得、多くの他の実施例が可能である。