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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】分解可能な宝飾物品
(51)【国際特許分類】
   A44C 17/02 20060101AFI20230324BHJP
【FI】
A44C17/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021547589
(86)(22)【出願日】2020-02-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 IB2020051301
(87)【国際公開番号】W WO2020170107
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】102019000002325
(32)【優先日】2019-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521358590
【氏名又は名称】ナロン、ロベルト
(73)【特許権者】
【識別番号】521358604
【氏名又は名称】ピノ、アルマンド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナロン、ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ピノ、アルマンド
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/048212(WO,A1)
【文献】米国特許第05992177(US,A)
【文献】実開平07-023416(JP,U)
【文献】特開平05-228009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 1/00-3/00
A44C 7/00-27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾要素(11)を有する宝飾物品(10,110,210)が、
雌ねじ(23)が設けられた内側座部(13)を有するリングナット(12)であって、前記リングナットの一端には、前記装飾要素(11)を導入するための第1の開口部(14)が設けられ、反対側の端には第2の開口部(15)が設けられ、前記装飾要素(11)は前記第2の開口部を完全に通過することができずに出現するように設計されている、リングナット(12)と、
前記装飾要素(11)を前記座部(13)に保持するために、前記装飾要素(11)を前記座部に導入した後に前記第1の開口部(14)を閉じる閉鎖キャップ(16)と、
を備え、
前記閉鎖キャップ(16)は、
第1の面(20)および前記第1の面の反対側にある第2の面(21)と、前記2つの面の間にある側端面(22)とを有する第1のディスク(18)であって、前記側端面(22)は、前記リングナット(12)にねじ込まれるように、前記リングナットの前記雌ねじ(23)と相補的にねじ切りされている、第1のディスク(18)を備え、
前記閉鎖キャップ(16)は、さらに、
前記リングナットの前記第1の開口部(14)の外部閉鎖面を形成するように設計された第1の面(24)と、前記第1のディスク(18)の前記第1の面(29)に接するように意図された反対側の第2の面(25)とを有する第2のディスク(19)であって、前記第1および第2のディスクは、前記第1および第2のディスクの間のピン(26)、接着、または溶接によって互いに同軸に締め付けされている、第2のディスク(19)を備える、宝飾物品(10,110,210)。
【請求項2】
前記第1および第2のディスクが、前記第1のディスク(18)を貫通する穴(27)の前記第2のディスク(19)と接触する一端に形成された溶接部(40)によって互いに同軸に締め付けされることを特徴とする、請求項1に記載の宝飾物品。
【請求項3】
前記リングナットの前記座部の前記装飾要素(11)に弾性支持を提供する弾性要素(30)が、前記第1のディスク(18)の前記第2の面(21)に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の宝飾物品。
【請求項4】
前記第1のディスク(18)の前記第2の面(21)が、前記弾性要素(30)を少なくとも部分的に収容するための座部(31)を備えることを特徴とする、請求項に記載の宝飾物品。
【請求項5】
前記弾性要素(30)が、弾性緩衝材料またはばねで作られたパッドであることを特徴とする、請求項に記載の宝飾物品。
【請求項6】
第3のカバーディスク(32)が、前記第1のディスク(18)の前記第2の面(21)と前記装飾要素(11)との間に存在することを特徴とする、請求項1に記載の宝飾物品。
【請求項7】
前記物品が、指輪、イヤリング、ペンダント、ブローチ、ブレスレットまたはネックレスから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の宝飾物品。
【請求項8】
前記締め付けピン(26)が、前記宝飾物品を装着するための構造(33,133)から少なくとも部分的に突出することを特徴とする、請求項1に記載の宝飾物品。
【請求項9】
前記装着構造が、リングを形成するための環状構造であることを特徴とする、請求項に記載の宝飾物品。
【請求項10】
前記装着構造が、イヤリングを形成するためのクリップ状構造であることを特徴とする、請求項に記載の宝飾物品。
【請求項11】
前記第2のディスクの前記第1の面上に、前記リングナットから前記第2のディスクのねじを緩める/前記第2のディスクを前記リングナットにねじ込むために、前記ディスクの軸方向回転のための工具と係合するように意図された少なくとも1つの座部(38)があることを特徴とする、請求項1に記載の宝飾物品。
【請求項12】
前記リングナット(12)が、前記宝飾物品を吊り下げるための要素(233)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の宝飾物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分解可能に設計された宝飾物品に関する。
【0002】
特に、宝飾物品は、好適には、指輪、イヤリング、ペンダントなどであり、機械加工された石などの装飾要素を交換できるように分解され得る。
【0003】
宝飾分野では、内側に固定された挿入装飾要素を有する物品が知られている。既知の固定技術は、装飾要素に対する宝飾品本体の適切な部品の接着または変形を本質的に含む。特に、宝飾物品に形成された座部の連続的な縁部の圧印加工または特別な把持クリップの変形を行うことが知られている。
【0004】
何らかの理由で(例えば、状態が悪いために)装飾要素を交換しなければならない場合、作業は適切な工具を使用して宝飾品作業場で行われなければならず、場合によっては、この作業は、例えば、装飾要素を保持する構造の変形が、装飾要素を解放しようとする試みが構造自体の破損または損傷を引き起こすようなものであるため、必ずしもうまく完了しない可能性がある。さらに、除去の試みはまた、装飾要素を修復不可能に損傷する可能性がある(例えば、硬い石の場合、石の割れまたは分裂がしばしば発生する可能性がある)。
【0005】
取り外しを容易にする他の固定システム(例えば、装飾要素を解放するために容易に分離することができるいくつかの部品を有する宝石)が提案されているが、これらのシステムは一般に、挿入された石などの審美要素の周りの分離領域が見えないことが好ましい宝飾品の審美的ニーズと対立する。さらに、これらの既知の解決策は、宝飾品の審美性を変化させる、または損なう。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一般的な目的は、例えば圧印加工または接着によって行われる固定と比較して、それらに取り付けられた審美要素の容易な取り外しを可能にするが、同時に物品の審美性を実質的に変化させない構造を有する宝飾物品を提供することである。
【0007】
この目的を考慮して、生じたアイデアは、本発明による装飾要素を有する宝飾物品を提供することであり、宝飾物品は、
雌ねじが設けられた内側座部を有するリングナットであって、リングナットの一端には、装飾要素を導入するための第1の開口部が設けられ、反対側の端には第2の開口部が設けられ、装飾要素は第2の開口部を完全に通過することができずに出現するように設計されている、リングナットと、
装飾要素を座部に保持するために、装飾要素を座部に導入した後に第1の開口部を閉じる閉鎖キャップと、
を備え、
閉鎖キャップは、
第1の面および第1の面の反対側にある第2の面と、2つの面の間にある側端面とを有する第1のディスクであって、この側端面は、リングナットにねじ込まれるように、リングナットの雌ねじと相補的にねじ切りされている、第1のディスクと、
リングナットの前記第1の開口部の外部閉鎖面を形成するように設計された第1の面と、第1のディスクの第1の面に接する反対側の第2の面とを有する第2のディスクであって、第1および第2のディスクは、互いに同軸に締め付けされている、第2のディスクと、
を備える。
【0008】
本発明の革新的な原理および従来技術と比較したその利点をより明確に説明するために、これらの原理を適用する実施形態のいくつかの例を添付の図面を用いて以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の原理に従って作製された宝飾物品の分解概略図である。
図2図1による物品の一部と同様の部分断面概略図である。
図3】完全に組み立てられた図1による物品の概略図である。
図4】本発明による、イヤリングの形態の宝飾物品の第2の実施形態の部分断面概略図である。
図5図4による物品の部品の概略斜視図である。
図6図4による物品の部品の別の概略斜視図である。
図7図4による物品の斜視概略図である。
図8】本発明の原理に従って作製された、ペンダントの形態の宝飾物品の第3の実施形態の部分断面概略図である。
図9】本発明による宝飾物品の可能なさらなる実施形態の部分断面概略図である。
【0010】
図を参照すると、図1は、全体的に10で示される、本発明による宝飾物品の分解図を示している。例として、図1は、リングの形態の物品10を示している。
【0011】
物品10は、装飾要素11を備え、装飾要素11は、宝飾要素の本体から出現し、宝飾要素に安定して締め付けされなければならない。例えば、装飾要素は石等であってもよい。石は、貴金属、半貴金属、または硬質の石であってもよい。特に、図は、半球形状を有するように機械加工された石を示している。
【0012】
装飾要素はまた、例えば、機械加工された、および/またはさらなる小型の石が挿入された金属要素であってもよい。
【0013】
物品10は、内側座部13を有するリングナット12を備え、リングナットの一端には、装飾要素11を導入するための第1の開口部14が設けられ、反対側の端には第2の開口部15が設けられ、装飾要素は第2の開口部を完全に通過することなく出現するように設計されている。例えば、開口部15は、開口部14のサイズよりも小さいサイズを有してもよく、要素11の最大横方向寸法は、開口部14のサイズと開口部15のサイズとの間のサイズを有してもよい。開口部は、図1に明確に見られるように、特に円形であってもよい。あるいは、要素11がこの開口部を通って出るのを防止するために、他の既知のシステム(例えば、開口部15の機械加工)が想定されてもよい。
【0014】
ねじ山23は、両端の間のバンド内でリングナットの内側に存在する。
【0015】
物品10はまた、装飾要素11が座部13内の所定の位置に配置された後に、開口部15から正しく出現するように第1の開口部14を閉鎖する閉鎖キャップ16を備える。
【0016】
図1に再び見られるように、閉鎖キャップ16は、第1のディスク18および第2のディスク19によって好適に形成される。
【0017】
第1のディスク18は、第1の面20と、第2の対向面21と、両面の間の側端面22とを有する。
【0018】
表面22は、リングナットの内周壁のねじ山23と相補的にねじ切りされ、それにより、ディスク18をリングナットにねじ込み、雌ねじ23と係合させることができる。
【0019】
次に、第2のディスク19は、リングナットの開口部14の外部閉鎖面を形成するように意図された第1の面24を有し、対向面25は、他方のディスク18の第1の面20に当接するように意図されている。
【0020】
別々に形成されたディスク18および19は、キャップ16を形成するように同軸位置で対面して互いに安定して締め付けされる。
【0021】
例えば、図1に示す実施形態では、キャップ16を形成するディスク18および19は、2つのディスクを互いに同軸に安定して締め付けするピン26(例えば、2対のピン)によって通される。この目的のために、ディスクは適切な貫通穴27および28を有する。代替的または追加的に、ディスクは、接着または溶接などの他の既知の方法によって互いに締め付けされてもよい。好適には、以下で明らかになるように、溶接の場合、前記溶接は、好ましくは内側ディスク上に形成された特別な貫通座部の内側で行われてもよい。
【0022】
図1の様々な部品の組み立て状態は、例えば図2に示されている。
【0023】
まず、キャップを形成するために、2つのディスクが(例えば、対応するピン26によって)互いに締め付けされる。この操作は、通常、物品が最初に組み立てられたときにのみ実行されなければならない。
【0024】
2つのディスクを互いに固定するためにピンが使用される場合、これらのピンは、2つのディスクを安定して互いに締め付けするようにリベット留めまたは溶接されてもよい(例えば、レーザビームを使用して)。
【0025】
キャップが形成されると、キャップは、審美要素11の導入後にリングナットにねじ込まれてもよい。
【0026】
図2に明確に見られるように、ディスク19(または外側ディスク)は、好適には、その外面24をリングナットの縁部と同一平面にするように、リングナットの座部29の内側に収容される。
【0027】
ねじ山23がリングナットの内側に存在するゾーンまたはバンドは、座部29よりもリングナットのさらに内側に位置し、内側ディスク18は、外側ディスク19よりもわずかに小さい直径を有することができる。したがって、宝飾物品が組み立てられると、ねじ山は見えなくなる。
【0028】
さらに、ツーディスク構造により、内側ディスク18は、他のディスク10との組み立て前にその縁部の全厚にわたって完全にねじ切りされてもよく、したがって、小さい厚さ(例えば、わずか1ミリメートルまたは1ミリメートル未満)で作製された場合であっても、適切な閉塞力を保証する。キャップ全体の厚さは非常に薄くてもよい。
【0029】
好適には、リングナットの座部の内側の装飾要素のための弾性支持体を形成する弾性要素30が、内側ディスク18と装飾要素11との間に挿入されてもよい。このようにして、装飾要素は、一緒に組み立てられた2つのディスク18および19によって形成されたねじキャップ16でリングナットが閉じられると、座部内で移動することが防止される。さらに、弾性推力は、偶発的なねじ緩めを回避するのに役立つ。好ましくは、内側ディスク18は、物品10の閉鎖中に弾性要素を安定した位置に保持するように、弾性要素を部分的に収容する座部31を有することができる。座部31および弾性要素30は、静止状態において、弾性要素が座部から十分に突出して、物品が組み立てられた後に装飾要素11に十分な圧力を提供し、任意の軸方向の遊びを吸収するように、高さ寸法を有する。弾性要素は、例えば、弾性緩衝材料(例えば、ゴム)のパッドの形態またはばねの形態で作製されてもよい。
【0030】
図1に見られるように、第3のカバーディスク32は、内側ディスク18の面21と装飾要素との間に存在してもよい。このディスクは、ピンの頭部を有する内側ディスク18の面21および任意の弾性要素30が装飾要素を通して見えることを防止するために、透明または半透明の材料で作られた装飾要素11の場合に有用であり得る。装飾要素11に向けられた第3のディスク32の面は、装飾要素11を介して所望の光学効果を提供するように、光沢性をもたせる、反射性をもたせる、および/または着色されていることが好適であり得る。
【0031】
本発明に従って提供される物品は、リング、イヤリング、ペンダント、ブレスレット、ネックレス、ブローチなどの様々な種類の宝飾物品を容易に形成することができる。
【0032】
作製される宝飾物品の種類に応じて、ディスクおよびリングナットによって形成されるアセンブリと組み合わされる適切な装着構造が提供される。
【0033】
例えば、宝飾物品の装着を可能にする構造は、ディスク19の外面から突出するようにディスクに固定されてもよい。固定は、例えば、特別なピンによって得ることができる。好適には、2つのディスク18および19を互いにロックするピン26の場合、これらのピンは、宝飾物品の装着を可能にする構造から少なくとも部分的に突出してもよい。
【0034】
例えば、図1図2および図3では、装着構造は、宝飾物品10がリングの形態であるように環状構造33である。
【0035】
この場合、構造33(例えばC字形)は、ピン26が突出する自由端34および35を有することができる。好ましくは、例えば図2に明確に見られるように、これらの端部は、外側ディスク19の面24に形成された特別な相補的座部36,37の内部に収容された2つの基部を有することができる。例えば、座部および基部は、略楕円形の形状を有してもよい。これにより、環状構造をディスクと非常に強固に組み合わせて、リングナットの開閉力に耐えることができる強力なアセンブリを形成することができる。ピンを使用することにより、外部溶接およびアセンブリマークを回避することも可能である。
【0036】
本発明の原理により、宝飾物品10が完全に組み立てられると、例えば図3に見られるように、シングルピースとして見える。しかしながら、キャップのねじを緩めることによって、容易に分解して再組み立てすることができ、装飾要素11を容易に交換することができる。図1図2および図3に示すリング状物品では、互いに固定されたディスク18および19によって形成されたキャップ16をリングナット12上で軸方向に回転させることを可能にする構造33によって分解が容易になる。
【0037】
図4図7は、イヤリング(全体的に110で示す)を形成する本発明による宝飾物品の第2の可能な実施形態を示している。この目的のために、リングナット12、2つのディスク18,19、ならびに存在する場合には第3のディスク32および弾性要素30によって形成される部品の構造は、装飾要素11を保持するために既に上述したものと実質的に同じであってもよいが、装着構造(全体として133によって示される)は、耳たぶに固定するために適切に形成される。例えば、構造133は、ピン133aおよび回転する安全クリップ133bによって形成されてもよい。
【0038】
ピン133aおよびクリップ133bは、ディスク19に対するそれぞれの基部を有することができ、また、2つのディスク18および19を互いに固定することを可能にする固定ピン26が設けられる。
【0039】
装着構造が、リングナット内のディスクを回転させるための補助として使用するために把持するには弱すぎるかまたは困難である必要がある場合、ディスクを軸方向に回転させるための工具も使用することができる。この目的のために、好適には、外側ディスクは、その可視表面24上に、回転工具と係合するための適切な座部を有することができる。例えば、図4および図5は、係合座部38を示している。これらの座部は、例えば、回転工具のための適切な係合穴を備えることができる。工具は、例えば、図1によるリング状構造33の端部34,35と同様の係合端部を有して形成されてもよく、係合座部は、穴28を有する座部と同様であってもよい。好適には、係合座部はまた、図1に示すリング状構造33と実質的に同じであるが、質の低い材料(例えば鋼)で作られてもよい。工具のピンは、ディスクに固定されるリング状構造のピンよりも短くてもよく、これは、それらが内側ディスクの穴から出現する必要がないためであり、固定される必要はなく、また、例えば汚れが宝石の内側に入るのを防止するために、図6に見られるように、好ましくは工具のピンを受け入れるための穴はブラインドであるべきであるためである。
【0040】
例えば、図5に見られるように、イヤリング110において、係合座部38は、2つのディスク18および19を互いに固定するためのピン用の穴28が配置される直径に対して直角に、直径に沿ってディスク19上に配置されてもよい。
【0041】
好適には、係合座部38は、図6に見られるように、回転工具の係合端部を受け入れ、固定ピン26を過度のひずみ下に置くことなく両方のディスク18および19上の回転作用を均一に分散させるために、内側ディスク18の内側にも穴を有して延在することができる。
【0042】
例として、図8は、ペンダント(全体的に210で示す)を形成する本発明による宝飾物品のさらなる可能な実施形態を示している。この目的のために、リングナット12、2つのディスク18,19、ならびに存在する場合には第3のディスク32および弾性要素30によって形成される部品の構造は、装飾要素11を保持するために既に上述したものと実質的に同じであってもよく、一方、装着構造はまた、チェーン(図示せず)を通過するようにリングナット12から横方向に突出する単純なリング233として形成されてもよく、したがって、例えばブレスレットまたはネックレスのペンダントを形成する。あるいは、同じリングナットが適切な横方向座部として構成されてもよい。
【0043】
図8に見られるように、2つのディスク18および19を互いに固定するためのピン26が使用される場合、これらのピンは、外側ディスク19の可視面から突出しないように形成されてもよい。例えば、プレート136,137を設けることができ、これらはディスク19の可視面内の座部134,135に収容される。
【0044】
あるいは、任意のピン26は、ディスク19の内面から直接突出し、このディスクと一体であってもよい(例えば、ディスク19の内面に溶接される)。
【0045】
明らかに、リング233はまた、ここで当業者によって容易に想像され得るように、ブレスレットまたはネックレスセクションの2つの自由端を受け入れるように、リングナットの両側に2つあってもよい。
【0046】
図9は、2つのディスク18および19ならびにリングナット12によって形成された宝飾物品部品の実施形態の変形例を示している。
【0047】
全体的に310で示される図9の実施形態では、2つのディスク18および19は溶接によって互いに締め付けされている。
【0048】
好適には、内側ディスク18には、ディスク18のディスク19とは反対側の面に出現するように溶接部40を作ることを可能にする貫通穴27が形成される。このようにして、溶接部40は宝飾品アクセサリの内側に留まり、したがって、アクセサリが組み立てられると見えなくなる。穴27の数および位置は、所望の強度を確保するように選択され得る。例えば、4つの穴27は、ディスクの円周の周りに均等に分散されてもよい。
【0049】
図9に示されていない物品310の残りの部品は、他の実施形態について既に上述した対応する部品のいずれか1つと同様の方法で作製され得る。特に、装着構造は、既に上述したように、装着構造のいずれか(図9に破線で部分的に示されている)と同様であってもよい。提供された説明から当業者には明らかなように、図9に示された解決策は、既に上述した実施形態に組み込まれてもよい。必要に応じて、キャップのねじを緩めるために、ディスクに設けられた特別な穴に係合する特別な工具が常に使用されてもよい。
【0050】
この時点で、本発明の目的がどのようにして達成されるかは明らかである。
【0051】
本発明の原理に従って作製された宝飾物品は、容易に作製することができ、非常に強い。さらに、組み立てられると、装飾要素が挿入されたシングルピースによって本質的に形成されるように見えるが、同時に、例えば装飾要素を交換するために容易に分解することができる。
【0052】
また、いくつかの装飾要素(例えば、異なる材料または異なる色で作られた)が設けられてもよく、これらは、いつでも必要に応じて宝飾品の所有者によって容易に交換することができる。
【0053】
本発明による構造により、物品の内部部品に異なる強度を有する材料と組み合わせた高品質の材料(例えば金)を使用することが可能であり、または物品全体が高品質の材料で作られてもよい。
【0054】
装飾要素を変更するために、キャップをその構成部品に分解する必要はないが、必要に応じて、ピンの締め付けを解除するだけでそれを行うことが可能である(例えば、内側ディスクのねじ山が損傷したために内側ディスクを交換しなければならない場合)。ピンが、それらのヘッド上の適切な強度の小さな溶接部によって定位置に固定されている場合、この溶接部は、ディスクを分離するために単純に破壊され得る。
【0055】
好ましくはレーザ溶接部を使用して、溶接部品を最小限の労力で分解することができる。したがって、宝飾物品全体を交換する必要なく、例えば損傷した部品のみを交換することが可能である。
【0056】
例えば、適切なサイズの環状部品を交換するか、または残りの部品に組み付けるだけで、任意の指サイズ用のリングを提供することも容易である。
【0057】
様々な部品は、高精度の機械加工によって容易に得ることができるが、環状部品は、例えばロストワックス鋳造プロセスを使用して作製され得る。
【0058】
本発明の原理により、キャップを含むリングナットの高さは、常に十分な強度を確保しながら、非常に小さく保つこともできる。
【0059】
明らかに、本発明の革新的な原理を適用する実施形態の上記の説明は、これらの革新的な原理の例としてのみ提供され、したがって、本明細書で特許請求される権利の範囲を限定するものと見なされてはならない。
【0060】
例えば、装着構造は、図示されたものとは異なり、技術的および審美的要件に応じて任意の既知の方法で形成されてもよい。特に、ブローチが作製される場合、当業者によって容易に想像され得るように、図4に示されるイヤリングの2つの部品は、安全ブローチの2つの半体に置き換えられ得る。
【0061】
さらに、本発明による宝飾物品を形成する様々な部品の形態および割合は、技術的要件および特定の審美的必要性に応じて、本明細書に示されるものとは異なり得る。例えば、装飾要素は、リングナットから多かれ少なかれ突出してもよく、またはまったく突出せず、単にリングナットの開口部15を通して視認可能であってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9