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特許7249715サーバ装置、治療支援システム、治療支援方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】サーバ装置、治療支援システム、治療支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/70 20180101AFI20230324BHJP
   G16H 80/00 20180101ALI20230324BHJP
【FI】
G16H20/70
G16H80/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022556829
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(86)【国際出願番号】 JP2020039197
(87)【国際公開番号】W WO2022079923
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2022-10-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518237129
【氏名又は名称】株式会社ライフクエスト
(74)【代理人】
【識別番号】100123618
【弁理士】
【氏名又は名称】雨宮 康仁
(72)【発明者】
【氏名】香山 哲
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 糧三
(72)【発明者】
【氏名】高橋 広嗣
(72)【発明者】
【氏名】福田 卓真
(72)【発明者】
【氏名】浜口 玲央
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-346012(JP,A)
【文献】国際公開第2019/035166(WO,A1)
【文献】特開2004-240916(JP,A)
【文献】Franz GRAVENHORST,Mobile phones as medical devices in mental disorder treatment: an overview,Personal and Ubiquitous Computing [オンライン],英国,Springer-Verlag,2014年09月21日,19巻,335-353ページ,[検索日 2021.01.05] インターネット<https://dl.acm.org/doi/10.1007/s00779-014-0829-5>
【文献】野村 恵里,IoTとスマートフォンを活用した糖尿病管理の可能性,アイティービジョン IT vision,38号,日本,(株)インナービジョン,2018年,65-67ページ,65ページ右欄第6-12行
【文献】Jakob E. BARDRAM,Designing mobilehealth technology for bipolar disorder: a field trialo of the monarca system,Proceedings of the SIGCHI Conference on Human Factors in Computing Sysstems [オンライン],フランス,2014年05月18日,2627-2636ページ,[検索日 2021.01.05] インターネット<https://www.researchgate.net/publication/262275815>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末(2)と、該患者の支援者の支援者端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続され、
前記患者の治療に効果的なメッセージを登録するメッセージデータベース(422)と、
所定の条件が成立した場合、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示し、前記支援者が前記支援者端末(3-n)において選択した前記メッセージを、該支援者からのメッセージとして、前記ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示するサーバ制御部(43)と、
を備え、
前記サーバ制御部(43)は、
前記患者端末(2)の使用履歴を前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該患者端末(2)の使用履歴から、該患者に該トレーニングからの離脱兆候が認められるか否かを判別し、
前記患者に離脱兆候が認められると判別した場合、前記所定の条件が成立したとして、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示し、
前記患者端末(2)の使用履歴から、前記患者の治療メニュの達成度を特定し、
前記治療メニュの達成度が予め定められた基準を満たしていない場合、該患者に該トレーニングからの離脱兆候が認められると判別する、
ことを特徴とするサーバ装置(4)。
【請求項2】
前記サーバ制御部(43)は、
前記患者端末(2)の使用履歴から、該患者端末(2)にインストールされている前記患者を治療するための治療プログラムの使用頻度を特定し、
前記治療プログラムの使用頻度が予め定められた基準を満たしていない場合、該患者に該トレーニングからの離脱兆候が認められると判別する、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置(4)。
【請求項3】
前記サーバ制御部(43)は、
前記治療プログラムの使用頻度が予め定められた基準を満たしている場合、前記患者端末(2)の使用履歴から、前記患者の治療メニュの達成度を特定し、
前記治療プログラムの使用頻度が予め定められた基準を満たしている場合であっても、前記治療メニュの達成度が予め定められた基準を満たしていないときには、該患者に該トレーニングからの離脱兆候が認められると判別する、
ことを特徴とする請求項2に記載のサーバ装置(4)。
【請求項4】
前記サーバ制御部(43)は、
前記患者が前記患者端末(2)へ入力した生活習慣に関するアンケートに対する回答を、前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該生活習慣に関するアンケートに対する回答から、前記患者に生活習慣の乱れが認められるか否かを判別し、
前記患者に生活習慣の乱れが認められると判別した場合、前記所定の条件が成立したとして、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置(4)。
【請求項5】
前記サーバ制御部(43)は、
前記患者端末(2)の使用履歴を前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該患者端末(2)の使用履歴から、該患者に該トレーニングからの離脱兆候が認められるか否かを判別し、
前記患者に離脱兆候が認められないと判別した場合、生活習慣の乱れが認められるか否かを判別する、
ことを特徴とする請求項4に記載のサーバ装置(4)。
【請求項6】
前記サーバ制御部(43)は、
前記患者が前記患者端末(2)へ入力した該患者の気分に関するアンケートに対する回答を、前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該患者の気分に関するアンケートに対する回答から、該患者の視点から該患者にメンタルの状態の悪化が認められるか否かを判別し、
前記患者の視点から該患者にメンタルの状態の悪化が認められると判別した場合、前記所定の条件が成立したとして、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置(4)。
【請求項7】
前記サーバ制御部(43)は、
前記支援者が前記支援者端末(3-n)へ入力した該患者の気分に関するアンケートに対する回答を、前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該患者の気分に関するアンケートに対する回答から、該支援者の視点から該患者にメンタルの状態の悪化が認められるか否かを判別し、
前記患者及び前記支援者のいずれかの視点から該患者にメンタルの状態の悪化が認められると判別した場合、前記所定の条件が成立したとして、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示する、
ことを特徴とする請求項6に記載のサーバ装置(4)。
【請求項8】
前記サーバ制御部(43)は、
前記患者端末(2)の使用履歴と、前記患者が該患者端末(2)へ入力した生活習慣に関するアンケートに対する回答と、を前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該患者端末(2)の使用履歴から該患者の治療メニュの達成度を特定するとともに、該生活習慣に関するアンケートに対する回答から該患者の生活習慣の達成度を特定し、
前記治療メニュと前記生活習慣とのいずれも予め定められた基準を満たしている場合、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージのうち、前記患者を賞賛するメッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示し、該治療メニュと該生活習慣とのいずれかが予め定められた基準を満たしていない場合、該メッセージデータベース(422)に登録されている該メッセージのうち、該患者を応援するメッセージを、該ネットワーク(N)を介して該支援者端末(3-n)に選択可能に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置(4)。
【請求項9】
前記サーバ制御部(43)は、
前記患者が前記患者端末(2)へ入力した治療活動に関するアンケートに対する回答を、前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該治療活動に関するアンケートに対する回答から、該患者に該トレーニングからの離脱兆候が認められるか否かを判別し、
前記患者に離脱兆候が認められると判別した場合、前記所定の条件が成立したとして、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置(4)。
【請求項10】
患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末(2)にネットワークを介して接続されたサーバ装置(4)と、
前記サーバ装置(4)に前記ネットワーク(N)を介して接続された前記患者の支援者の支援者端末(3-n)と、
を具備し、
前記サーバ装置(4)は、
前記患者の治療に効果的なメッセージを登録するメッセージデータベース(422)と、
所定の条件が成立した場合、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを選択可能に表示するための表示データを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に送信し、前記支援者端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信されるメッセージ選択指令を受信したことに応答して、該メッセージ選択指令から特定される前記メッセージを、前記支援者からのメッセージとして、該ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示するサーバ制御部(43)と、
を備え、
前記支援者端末(3-n)は、
前記サーバ装置(4)から前記ネットワーク(N)を介して送信される前記表示データを受信したことに応答して、該表示データに基づき、前記患者の治療に効果的なメッセージを選択可能に表示する表示部(32)と、
前記表示部(32)に表示される前記メッセージの中から、前記支援者が選択したメッセージを示すメッセージ選択指令を、前記ネットワーク(N)を介して前記サーバ装置(4)に送信する端末制御部(34)と、
を備え、
前記サーバ制御部(43)は、
前記患者端末(2)の使用履歴を前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該患者端末(2)の使用履歴から、該患者に該トレーニングからの離脱兆候が認められるか否かを判別し、
前記患者に離脱兆候が認められると判別した場合、前記所定の条件が成立したとして、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示し、
前記患者端末(2)の使用履歴から、前記患者の治療メニュの達成度を特定し、
前記治療メニュの達成度が予め定められた基準を満たしていない場合、該患者に該トレーニングからの離脱兆候が認められると判別する、
ことを特徴とする治療支援システム(1)。
【請求項11】
患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末(2)と、該患者の支援者の支援者端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続され、前記患者の治療に効果的なメッセージを登録するメッセージデータベース(422)を備えるサーバ装置(4)による治療支援方法であって、
前記患者端末(2)の使用履歴を前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該患者端末(2)の使用履歴から、前記患者の治療メニュの達成度を特定し、
前記治療メニュの達成度が予め定められた基準を満たしているか否かにより、前記患者に前記トレーニングからの離脱兆候が認められるか否かを判別し、
前記治療メニュの達成度が前記予め定められた基準を満たしていない場合、前記患者に前記トレーニングからの離脱兆候が認められると判別して、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示し、
前記支援者が前記支援者端末(3-n)において選択した前記メッセージを、該支援者からのメッセージとして、前記ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示する、
ことを特徴とする治療支援方法。
【請求項12】
患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末(2)にネットワークを介して接続され、前記患者の治療に効果的なメッセージを登録するメッセージデータベース(422)を備えるサーバ装置(4)と、前記サーバ装置(4)に前記ネットワーク(N)を介して接続された前記患者の支援者の支援者端末(3-n)と、を具備する治療支援システム(1)における治療支援方法であって、
前記サーバ装置(4)が、前記患者端末(2)の使用履歴を前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該患者端末(2)の使用履歴から、前記患者の治療メニュの達成度を特定し、
前記サーバ装置(4)が、前記治療メニュの達成度が予め定められた基準を満たしているか否かにより、前記患者に前記トレーニングからの離脱兆候が認められるか否かを判別し、
前記サーバ装置(4)が、前記治療メニュの達成度が前記予め定められた基準を満たしていない場合、前記患者に前記トレーニングからの離脱兆候が認められると判別して、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを選択可能に表示するための表示データを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に送信し、
前記支援者端末(3-n)が、前記サーバ装置(4)から前記ネットワーク(N)を介して送信される前記表示データを受信したことに応答して、該表示データに基づき、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを選択可能に表示部(32)表示し、
前記支援者端末(3-n)が、前記表示部(32)に表示される前記メッセージの中から、前記支援者が選択したメッセージを示すメッセージ選択指令を、前記ネットワーク(N)を介して前記サーバ装置(4)に送信し、
前記サーバ装置(4)が、前記支援者端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信されるメッセージ選択指令を受信したことに応答して、該メッセージ選択指令から特定される前記メッセージを、前記支援者からのメッセージとして、該ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示する、
ことを特徴とする治療支援方法。
【請求項13】
患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末(2)と、該患者の支援者の支援者端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続され、前記患者の治療に効果的なメッセージを登録するメッセージデータベース(422)を備えるサーバ装置(4)のコンピュータに、
前記患者端末(2)の使用履歴を前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該患者端末(2)の使用履歴から、前記患者の治療メニュの達成度を特定する手順と、
前記治療メニュの達成度が予め定められた基準を満たしているか否かにより、前記患者に前記トレーニングからの離脱兆候が認められるか否かを判別する手順と、
前記治療メニュの達成度が前記予め定められた基準を満たしていない場合、前記患者に前記トレーニングからの離脱兆候が認められると判別して、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示する手順と、
前記支援者が前記支援者端末(3-n)において選択した前記メッセージを、該支援者からのメッセージとして、前記ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示する手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、治療支援システム、治療支援方法、及びプログラムに関し、特に、患者の症状の悪化を防止できるサーバ装置、治療支援システム、治療支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自閉症スペクトラム症候群等の発達障害を抱える子供やその保護者向けのグループセラピとしては、1960年代にアメリカで開発された“ペアレントトレーニング”と呼ばれるプログラムが広く知られ、一定の成果を得ている。この“ペアレントトレーニング”により、保護者は、発達障害の子供への接し方や、フィードバックの仕方等の知見を獲得できる(例えば特許文献1参照)。なお、本明細書中に特許文献1の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参考として取り込むものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-215019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなグループセラピは、軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment;MCI)や認知症の患者に対しても有効と考えられる。もっとも、MCIの患者は、記憶障害及び見当識障害等の症状や、うつ及び興奮等の不安定な感情表現等が見られるため、支援者のメッセージの意味を捉え間違える等して、感情的になったり、深く傷ついたりして、患者のトレーニングに対するモチベーションを喪失し、却ってMCIの患者の症状が悪化するおそれがある。このように、周囲の支援者によるMCIや認知症の患者の支援をスムースに行うことは容易ではなく、周囲の支援者からMCIや認知症の患者に対するフィードバックには、細心の注意や相応の知識が必要となる。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、患者の症状の悪化を防止できるサーバ装置、治療支援システム、治療支援方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るサーバ装置(4)は、患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末(2)と、該患者の支援者の支援者端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続され、前記患者の治療に効果的なメッセージを登録するメッセージデータベース(422)と、所定の条件が成立した場合、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示し、前記支援者が前記支援者端末(3-n)において選択した前記メッセージを、該支援者からのメッセージとして、前記ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示するサーバ制御部(43)と、を備える。
【0007】
上記のサーバ装置(4)において、前記サーバ制御部(43)は、前記患者端末(2)の使用履歴を前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該患者端末(2)の使用履歴から、該患者に該トレーニングからの離脱兆候が認められるか否かを判別し、前記患者に離脱兆候が認められると判別した場合、前記所定の条件が成立したとして、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示する、ようにしてもよい。
【0008】
上記のサーバ装置(4)において、前記サーバ制御部(43)は、前記患者端末(2)の使用履歴から、該患者端末(2)にインストールされている前記患者を治療するための治療プログラムの使用頻度を特定し、前記治療プログラムの使用頻度が予め定められた基準を満たしていない場合、該患者に該トレーニングからの離脱兆候が認められると判別する、ようにしてもよい。
【0009】
上記のサーバ装置(4)において、前記サーバ制御部(43)は、前記患者端末(2)の使用履歴から、前記患者の治療メニュの達成度を特定し、前記治療メニュの達成度が予め定められた基準を満たしていない場合、該患者に該トレーニングからの離脱兆候が認められると判別する、ようにしてもよい。
【0010】
上記のサーバ装置(4)において、前記サーバ制御部(43)は、前記治療プログラムの使用頻度が予め定められた基準を満たしている場合、前記患者端末(2)の使用履歴から、前記患者の治療メニュの達成度を特定し、前記治療プログラムの使用頻度が予め定められた基準を満たしている場合であっても、前記治療メニュの達成度が予め定められた基準を満たしていないときには、該患者に該トレーニングからの離脱兆候が認められると判別する、ようにしてもよい。
【0011】
上記のサーバ装置(4)において、前記サーバ制御部(43)は、前記患者が前記患者端末(2)へ入力した生活習慣に関するアンケートに対する回答を、前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該生活習慣に関するアンケートに対する回答から、前記患者に生活習慣の乱れが認められるか否かを判別し、前記患者に生活習慣の乱れが認められると判別した場合、前記所定の条件が成立したとして、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示する、ようにしてもよい。
【0012】
上記のサーバ装置(4)において、前記サーバ制御部(43)は、前記患者端末(2)の使用履歴を前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該患者端末(2)の使用履歴から、該患者に該トレーニングからの離脱兆候が認められるか否かを判別し、前記患者に離脱兆候が認められないと判別した場合、生活習慣の乱れが認められるか否かを判別する、ようにしてもよい。
【0013】
上記のサーバ装置(4)において、前記サーバ制御部(43)は、前記患者が前記患者端末(2)へ入力した該患者の気分に関するアンケートに対する回答を、前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該患者の気分に関するアンケートに対する回答から、該患者の視点から該患者にメンタルの状態の悪化が認められるか否かを判別し、前記患者の視点から該患者にメンタルの状態の悪化が認められると判別した場合、前記所定の条件が成立したとして、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示する、ようにしてもよい。
【0014】
上記のサーバ装置(4)において、前記サーバ制御部(43)は、前記支援者が前記支援者端末(3-n)へ入力した該患者の気分に関するアンケートに対する回答を、前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該患者の気分に関するアンケートに対する回答から、該支援者の視点から該患者にメンタルの状態の悪化が認められるか否かを判別し、前記患者及び前記支援者のいずれかの視点から該患者にメンタルの状態の悪化が認められると判別した場合、前記所定の条件が成立したとして、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示する、ようにしてもよい。
【0015】
上記のサーバ装置(4)において、前記サーバ制御部(43)は、前記患者端末(2)の使用履歴と、前記患者が該患者端末(2)へ入力した生活習慣に関するアンケートに対する回答と、を前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該患者端末(2)の使用履歴から該患者の治療メニュの達成度を特定するとともに、該生活習慣に関するアンケートに対する回答から該患者の生活習慣の達成度を特定し、前記治療メニュと前記生活習慣とのいずれも予め定められた基準を満たしている場合、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージのうち、前記患者を賞賛するメッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示し、該治療メニュと該生活習慣とのいずれかが予め定められた基準を満たしていない場合、該メッセージデータベース(422)に登録されている該メッセージのうち、該患者を応援するメッセージを、該ネットワーク(N)を介して該支援者端末(3-n)に選択可能に表示する、ようにしてもよい。
【0016】
上記のサーバ装置(4)において、前記サーバ制御部(43)は、前記患者が前記患者端末(2)へ入力した該治療活動に関するアンケートに対する回答を、前記ネットワーク(N)を介して受信したことに応答して、該治療活動に関するアンケートに対する回答から、該患者に該トレーニングからの離脱兆候が認められるか否かを判別し、前記患者に離脱兆候が認められると判別した場合、前記所定の条件が成立したとして、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示する、ようにしてもよい。
【0017】
本発明の第2の観点に係る治療支援システム(1)は、患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末(2)にネットワークを介して接続されたサーバ装置(4)と、前記サーバ装置(4)に前記ネットワーク(N)を介して接続された前記患者の支援者の支援者端末(3-n)と、を具備し、前記サーバ装置(4)は、前記患者の治療に効果的なメッセージを登録するメッセージデータベース(422)と、所定の条件が成立した場合、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを選択可能に表示するための表示データを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に送信し、前記支援者端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信されるメッセージ選択指令を受信したことに応答して、該メッセージ選択指令から特定される前記メッセージを、前記支援者からのメッセージとして、該ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示するサーバ制御部(43)と、を備え、前記支援者端末(3-n)は、前記サーバ装置(4)から前記ネットワーク(N)を介して送信される前記表示データを受信したことに応答して、該表示データに基づき、前記患者の治療に効果的なメッセージを選択可能に表示する表示部(32)と、前記表示部(32)に表示される前記メッセージの中から、前記支援者が選択したメッセージを示すメッセージ選択指令を、前記ネットワーク(N)を介して前記サーバ装置(4)に送信する端末制御部(34)と、を備える。
【0018】
本発明の第3の観点に係る治療支援方法は、患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末(2)と、該患者の支援者の支援者端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続され、前記患者の治療に効果的なメッセージを登録するメッセージデータベース(422)を備えるサーバ装置(4)による治療支援方法であって、所定の条件が成立した場合、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示し、前記支援者が前記支援者端末(3-n)において選択した前記メッセージを、該支援者からのメッセージとして、前記ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示する、ことを特徴とする。
【0019】
本発明の第4の観点に係る治療支援方法は、患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末(2)にネットワークを介して接続され、前記患者の治療に効果的なメッセージを登録するメッセージデータベース(422)を備えるサーバ装置(4)と、前記サーバ装置(4)に前記ネットワーク(N)を介して接続された前記患者の支援者の支援者端末(3-n)と、を具備する治療支援システム(1)における治療支援方法であって、前記サーバ装置(4)が、所定の条件が成立した場合、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを選択可能に表示するための表示データを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に送信し、前記支援者端末(3-n)が、前記サーバ装置(4)から前記ネットワーク(N)を介して送信される前記表示データを受信したことに応答して、該表示データに基づき、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを選択可能に表示部(32)表示し、前記支援者端末(3-n)が、前記表示部(32)に表示される前記メッセージの中から、前記支援者が選択したメッセージを示すメッセージ選択指令を、前記ネットワーク(N)を介して前記サーバ装置(4)に送信し、前記サーバ装置(4)が、前記支援者端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信されるメッセージ選択指令を受信したことに応答して、該メッセージ選択指令から特定される前記メッセージを、前記支援者からのメッセージとして、該ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示する、ことを特徴とする。
【0020】
本発明の第5の観点に係るプログラムは 患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末(2)と、該患者の支援者の支援者端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続され、前記患者の治療に効果的なメッセージを登録するメッセージデータベース(422)を備えるサーバ装置(4)のコンピュータに、所定の条件が成立した場合、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示する手順と、前記支援者が前記支援者端末(3-n)において選択した前記メッセージを、該支援者からのメッセージとして、前記ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示する手順と、を実行させる。
【0021】
本発明の第6の観点に係る支援者端末(3-n)は、患者が患者端末(2)を用いて治療のためのトレーニングを開始したことがネットワーク(N)を介して通知されたときに、予め用意された患者の治療に効果的なメッセージを選択可能に表示する表示部(32)と、前記表示部(32)に表示される前記メッセージの中から、前記患者の支援者が選択したメッセージを、該支援者からのメッセージとして、前記ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示する端末制御部(34)と、を備える。
【0022】
上記の支援者端末(3-n)において、前記表示部(32)は、前記患者の特性に対応する前記メッセージを選択可能に表示する、ことが好ましい。
【0023】
上記の支援者端末(3-n)において、前記表示部(32)は、前記患者のトレーニングの開始が通知された後、前記支援者が該患者のトレーニングの支援への参加を指示したことに応答して、前記メッセージを選択可能に表示する、ようにしてもよい。
【0024】
上記の支援者端末(3-n)において、前記表示部(32)は、前記患者のトレーニングの状況を表示する、ことが好ましい。
【0025】
本発明の第7の観点に係るサーバ装置(4)は、患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末(2)と、該患者の支援者の支援者端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続され、前記患者の治療に効果的なメッセージを登録するメッセージデータベース(422)と、前記患者端末(2)から前記ネットワーク(N)を介して前記患者のトレーニングの開始が通知されたことに応答して、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示し、前記支援者が前記支援者端末(3-n)において選択した前記メッセージを、該支援者からのメッセージとして、前記ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示するサーバ制御部(43)と、を備える。
【0026】
上記のサーバ装置(4)は、前記患者毎に、該患者の特性を対応付けて登録する患者データベース(421)をさらに備え、前記メッセージデータベース(422)は、前記患者の特性に対応付けて、前記メッセージを登録し、前記サーバ制御部(43)は、前記患者端末(2)から前記ネットワーク(N)を介して前記患者のトレーニングの開始が通知されたことに応答して、該患者の特性を患者データベース(421)から読み出し、前記患者の特性に対応する前記メッセージを前記メッセージデータベース(422)から検出し、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示する、ことが好ましい。
【0027】
上記のサーバ装置(4)は、前記患者毎に、該患者の支援者の前記支援者端末(3-n)を特定可能な支援者情報を対応付けて登録する患者データベース(421)をさらに備え、前記サーバ制御部(43)は、前記患者端末(2)から前記ネットワーク(N)を介して前記患者のトレーニングの開始が通知されたことに応答して、該患者の前記支援者情報を前記患者データベース(421)から読み出し、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを前記ネットワーク(N)を介して、前記患者データベース(421)から読み出した前記支援者情報から特定される前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示する、ようにしてもよい。
【0028】
上記のサーバ装置(4)において、前記サーバ制御部(43)は、前記患者端末(2)から前記ネットワーク(N)を介して前記患者のトレーニングの開始が通知されたことに応答して、該患者のトレーニングの開始を該ネットワーク(N)を介して、該患者の支援者の前記支援者端末(3-n)にさらに通知し、前記支援者端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して前記患者のトレーニングの支援への参加が指示されたことに応答して、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを該ネットワーク(N)を介して、該患者のトレーニングの支援への参加を指示した該支援者端末(3-n)に選択可能に表示する、ようにしてもよい。
【0029】
本発明の第8の観点に係る治療支援システム(1)は、患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末(2)にネットワークを介して接続されたサーバ装置(4)と、前記サーバ装置(4)に前記ネットワーク(N)を介して接続された前記患者の支援者の支援者端末(3-n)と、を具備し、前記サーバ装置(4)は、前記患者の治療に効果的なメッセージを登録するメッセージデータベース(422)と、前記患者端末(2)から前記ネットワーク(N)を介して前記患者のトレーニングの開始が通知されたことに応答して、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを選択可能に表示するための表示データを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に送信し、前記支援者端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信されるメッセージ選択指令を受信したことに応答して、該メッセージ選択指令から特定される前記メッセージを、前記支援者からのメッセージとして、該ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示するサーバ制御部(43)と、を備え、前記支援者端末(3-n)は、前記サーバ装置(4)から前記ネットワーク(N)を介して送信される前記表示データを受信したことに応答して、該表示データに基づき、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを選択可能に表示する表示部(32)と、前記表示部(32)に表示される前記メッセージの中から、前記支援者が選択したメッセージを示すメッセージ選択指令を、前記ネットワーク(N)を介して前記サーバ装置(4)に送信する端末制御部(34)と、を備える。
【0030】
本発明の第9の観点に係る治療支援方法は、患者が患者端末(2)を用いて治療のためのトレーニングを開始したことがネットワーク(N)を介して通知されたときに、予め用意された患者の治療に効果的なメッセージを選択可能に表示部(32)に表示し、前記表示部(32)に表示される前記メッセージの中から、前記患者の支援者が選択したメッセージを、該支援者からのメッセージとして、前記ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示する、ことを特徴とする。
【0031】
本発明の第10の観点に係る治療支援方法は、患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末(2)と、該患者の支援者の支援者端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続され、前記患者の治療に効果的なメッセージを登録するメッセージデータベース(422)を備えるサーバ装置(4)による治療支援方法であって、前記患者端末(2)から前記ネットワーク(N)を介して前記患者のトレーニングの開始が通知されたことに応答して、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示し、前記支援者が前記支援者端末(3-n)において選択した前記メッセージを、該支援者からのメッセージとして、前記ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示する、ことを特徴とする。
【0032】
本発明の第11の観点に係る治療支援方法は、患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末(2)にネットワークを介して接続され、前記患者の治療に効果的なメッセージを登録するメッセージデータベース(422)を備えるサーバ装置(4)と、前記サーバ装置(4)に前記ネットワーク(N)を介して接続された前記患者の支援者の支援者端末(3-n)と、を具備する治療支援システム(1)における治療支援方法であって、前記サーバ装置(4)が、前記患者端末(2)から前記ネットワーク(N)を介して前記患者のトレーニングの開始が通知されたことに応答して、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを選択可能に表示するための表示データを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に送信し、前記支援者端末(3-n)が、前記サーバ装置(4)から前記ネットワーク(N)を介して送信される前記表示データを受信したことに応答して、該表示データに基づき、前記患者の治療に効果的なメッセージを選択可能に表示部(32)表示し、前記支援者端末(3-n)が、前記表示部(32)に表示される前記メッセージの中から、前記支援者が選択したメッセージを示すメッセージ選択指令を、前記ネットワーク(N)を介して前記サーバ装置(4)に送信し、前記サーバ装置(4)が、前記支援者端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信されるメッセージ選択指令を受信したことに応答して、該メッセージ選択指令から特定される前記メッセージを、前記支援者からのメッセージとして、該ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示する、ことを特徴とする。
【0033】
本発明の第12の観点に係るプログラムは、コンピュータに、患者が患者端末(2)を用いて治療のためのトレーニングを開始したことがネットワーク(N)を介して通知されたときに、予め用意された患者の治療に効果的なメッセージを選択可能に表示部(32)に表示する手順と、前記表示部(32)に表示される前記メッセージの中から、前記患者の支援者が選択したメッセージを、該支援者からのメッセージとして、前記ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示する手順と、を実行させる。
【0034】
本発明の第13の観点に係るプログラムは、患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末(2)と、該患者の支援者の支援者端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続され、前記患者の治療に効果的なメッセージを登録するメッセージデータベース(422)を備えるサーバ装置(4)のコンピュータに、前記患者端末(2)から前記ネットワーク(N)を介して前記患者のトレーニングの開始が通知されたことに応答して、前記メッセージデータベース(422)に登録されている前記メッセージを、前記ネットワーク(N)を介して前記支援者端末(3-n)に選択可能に表示する手順と、前記支援者が前記支援者端末(3-n)において選択した前記メッセージを、該支援者からのメッセージとして、前記ネットワーク(N)を介して前記患者端末(2)に表示する手順と、を実行させる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、患者の症状の悪化を防止できるサーバ装置、治療支援システム、治療支援方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本実施形態に係る治療支援システムの構成例を示す図である。
図2】患者端末の構成例を示すブロック図である。
図3】プレイ画面の表示例を示す図である。
図4】支援者端末の構成例を示すブロック図である。
図5】メッセージ選択画面の表示例を示す図である。
図6】サーバ装置の構成例を示すブロック図である。
図7】プレイ開始通知処理の詳細を示すフローチャートである。
図8】第1治療支援処理の詳細を示すフローチャートである。
図9】第1治療支援処理の続きを示すフローチャートである。
図10】第2治療支援処理の詳細を示すフローチャートである。
図11】第1離脱兆候判別処理の詳細を示すフローチャートである。
図12】第1離脱兆候判別処理の続きを示すフローチャートである。
図13】第1離脱兆候判別処理の続きを示すフローチャートである。
図14】メンタル状態判別処理の詳細を示すフローチャートである。
図15】メンタル状態判別処理の続きを示すフローチャートである。
図16】メンタル状態判別処理の続きを示すフローチャートである。
図17】バランス判別処理の続きを示すフローチャートである。
図18】バランス判別処理の続きを示すフローチャートである。
図19】バランス判別処理の続きを示すフローチャートである。
図20】治療活動判別処理の詳細を示すフローチャートである。
図21】治療活動判別処理の続きを示すフローチャートである。
図22】治療活動判別処理の続きを示すフローチャートである。
図23】第2離脱兆候判別処理の詳細を示すフローチャートである。
図24】第2離脱兆候判別処理の続きを示すフローチャートである。
図25】第2離脱兆候判別処理の続きを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0038】
まず、本発明の実施形態に係る治療支援システムの構成について図面を参照しつつ説明する。
【0039】
図1は、本実施形態に係る治療支援システムの構成例を示す図である。
【0040】
図1に示すように、治療支援システム1は、患者端末2と、支援者端末3-n(nは自然数)と、サーバ装置4と、を具備し、これらは、インターネット等のネットワークNを介して相互に通信可能に接続される。
【0041】
患者端末2は、例えば汎用のスマートフォンや、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ等から構成される。患者端末2は、例えば軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment;MCI)の患者が治療のためのトレーニングに用いる。
【0042】
図2は、患者端末の構成例を示すブロック図である。
【0043】
図2に示すように、患者端末2は、記憶部21と、タッチパネル22と、通信部23と、制御部24と、を備え、これらはバス等を介して接続される。
【0044】
記憶部21は、例えば汎用のフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等から構成される。記憶部21には、MCIの患者を治療するためのアプリケーションプログラム(以下、「治療プログラム」という。)等の各種アプリケーションプログラムがインストールされている。治療プログラムには、患者の脳のトレーニングを行ってMCIの進展を予防するための各種ゲーム等が含まれている。
【0045】
記憶部21は、治療プログラムの使用時間及び起動回数等の使用ログ、及び各種アンケートへの回答内容等を記憶する。各種アンケートへの回答内容等には、生活習慣に関するアンケートへの回答回数及び回答内容、治療活動に関するアンケートへの回答内容、並びに患者の気分に関するアンケートへの回答内容(以下、「メンタルログ」という。)等が含まれる。メンタルログには、日毎の患者の気分、及びその度合を表す0~100のスケール値等が含まれる。
【0046】
タッチパネル22は、例えば液晶表示装置とポインティングデバイスとを組み合わせた汎用のタッチパネル等から構成される。タッチパネル22は、各種画面を表示するとともに、患者による各種操作を受け付ける。本実施形態において、タッチパネル22には、治療プログラムを使用した治療メニュが表示される。患者は、治療メニュに従って、タッチパネル22に表示されるプレイ画面において、治療プログラムに含まれる各種ゲーム等をプレイする。
【0047】
図3は、プレイ画面の表示例を示す図である。
【0048】
図3に示すように、プレイ画面300には、患者がプレイ中のゲームが表示されるとともに、その下方には、患者の家族や親類等といった患者と親密な関係にある周囲の支援者の表示名と、「すごいよ!」や「おめでとう!」等といったゲームをプレイ中の患者を応援する支援者からのメッセージ(フィードバックメッセージ)と、が表示される。
【0049】
また、患者は、タッチパネル22において、治療プログラムに含まれる各種アンケートへの回答を入力する。例えば、患者は、生活習慣に関するアンケートにおいて、「食事」、「睡眠」、「活動」、及び「服薬」に関する事項を入力する。具体的に、患者は、「食事」に関して、一日当たりの糖質摂取量、タンパク質の摂取の有無、及び補助食品の摂取の有無等を入力したり、「睡眠」に関して、睡眠時間及び熟睡度を入力したり、「活動」に関して、一日当たりの活動量(歩数)を入力したり、「服薬」に関して、服薬の有無を入力したりする。また、患者は、治療活動に関するアンケートにおいて、「不満がある」、「飽きてきた」、及び「意欲が下がってきた」等といったトレーニングや生活習慣改善の取り組みに対する感想及び意欲等を入力する。さらに、患者は、患者の気分に関するアンケートにおいて、「不安」、「イライラ」、「落ち込み」、及び「悲しい」等といった気分と、そのスケール値と、からなるメンタルログを入力する。以下、患者が患者視点で入力したメンタルログを「患者視点メンタルログ」という。
【0050】
図2に示す通信部23は、例えば汎用の無線通信装置等から構成される。通信部23は、患者がゲームのプレイを開始したことをサーバ装置4に通知する第1プレイ開始通知をネットワークNを介してサーバ装置4に送信する。通信部23は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第1~第6メッセージ表示指令を受信する。
【0051】
通信部23は、治療プログラムの使用ログ等を通知する使用ログ通知や、治療活動に関するアンケートへの回答内容を通知する回答内容通知をネットワークNを介してサーバ装置4に送信する。
【0052】
制御部24は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等から構成される。CPUは、RAMをワークメモリとして用い、ROM及び記憶部21に記憶されている各種プログラム等を適宜実行することによって、患者端末2の各種動作を制御する。
【0053】
本実施形態において、制御部24は、患者がタッチパネル22に表示される治療プログラムを示すアイコンをタップしたことに応答して、記憶部21に記憶される治療プログラムを起動し、治療プログラムのトップ画面をタッチパネル22に表示する。次に、制御部24は、患者がトップ画面においてプレイするゲームを選択したことに応答して、ゲームをプレイするためのプレイ画面300をタッチパネル22に表示する。また、制御部24は、ゲームを開始した患者を特定可能な患者識別子を含む第1プレイ開始通知を通信部23からネットワークNを介してサーバ装置4に送信する。
【0054】
制御部24は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第1メッセージ表示指令を通信部23で受信したことに応答して、プレイ画面300において、メッセージ表示指令から特定される支援者の表示名と、その支援者が選択したメッセージと、を患者がプレイ中のゲームの下方に表示する。
【0055】
制御部24は、治療プログラムを実行する毎に、その使用時間及び起動回数を記憶部21する。また、制御部24は、治療プログラムにおいて、毎日、患者に対し、生活習慣に関するアンケート及び患者の気分に関するアンケートを行う。そして、制御部24は、患者がタッチパネル22において入力した生活習慣に関するアンケートへの回答回数及び回答内容、並びに患者の気分に関するアンケートへの回答内容(患者視点メンタルログ)を記憶部21に記憶する。さらに、制御部24は、治療プログラムにおいて、一週間に一回、患者に対し、治療活動に関するアンケートを行う。
【0056】
制御部24は、一日のうちの予め定められた送信タイミング(例えば午後12時等)になったことに応答して、その日の治療プログラムの使用時間及び起動回数等の使用ログ、生活習慣に関するアンケートへの回答回数及び回答内容、並びに患者視点メンタルログ等を記憶部21から読み出す。次に、制御部24は、治療プログラムの起動回数、並びに生活習慣に関するアンケートへの回答回数及び回答内容から、治療活動の実施状況を求める。そして、制御部24は、患者識別子、日付、治療プログラムの使用時間及び起動回数等の使用ログ、並びに治療活動の実施状況等を含む使用ログ通知(患者端末2の使用履歴)を通信部23からネットワークNを介してサーバ装置4に送信する。
【0057】
また、制御部24は、患者がタッチパネル22において治療活動に関するアンケートへの回答内容を入力したことに応答して、患者識別子及び治療活動に関するアンケートへの回答内容等を含む回答内容通知を通信部23からネットワークNを介してサーバ装置4に送信する。
【0058】
制御部24は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第2~第6メッセージ表示指令を通信部23で受信したことに応答して、第2~第6メッセージ表示指令から特定される支援者の表示名と、その支援者が選択したメッセージと、をタッチパネル22に表示する。
【0059】
図1に示す支援者端末3-nは、患者端末2と同様に、汎用のスマートフォンや、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ等から構成される。支援者端末3-nは、患者の家族や親類等といった患者と親密な関係にある周囲の支援者によって所持される。
【0060】
図4は、支援者端末の構成例を示すブロック図である。
【0061】
図4に示すように、支援者端末3-nは、記憶部31と、タッチパネル32と、通信部33と、制御部(端末制御部)34と、を備え、これらはバス等を介して接続される。
【0062】
記憶部31は、記憶部21と同様に、汎用のフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等から構成される。記憶部31には、患者を支援するためのアプリケーションプログラム(以下、「支援プログラム」という。)等の各種アプリケーションプログラムがインストールされている。
【0063】
タッチパネル32は、タッチパネル22と同様に、汎用のタッチパネル等から構成される。タッチパネル32は、各種画面を表示するとともに、支援者による各種操作を受け付ける。本実施形態において、タッチパネル32には、ゲームをプレイ中の患者を応援するためのメッセージを複数種類の中から選択するための第1メッセージ選択画面が表示される。
【0064】
図5は、メッセージ選択画面の表示例を示す図である。
【0065】
図5に示すように、第1メッセージ選択画面500には、「すごいよ!」や、「おめでとう!」、「良かったね!」等といったメッセージが選択可能に表示されるとともに、その上方には、患者がプレイ中のゲームの状況が表示される。これにより、患者がプレイ中のゲームの状況は、支援者にも共有される。支援者は、患者がプレイ中のゲームの状況を踏まえつつ、第1メッセージ選択画面500において、ゲームをプレイ中の患者を応援するメッセージをタップして選択する。
【0066】
また、タッチパネル32には、トレーニングからの離脱の兆候(以下、「離脱兆候」という。)や、メンタルの状態の悪化が認められる患者を応援するためのメッセージを複数種類の中から選択するための第2メッセージ選択画面が表示される。支援者は、第2メッセージ選択画面において、離脱兆候が認められる患者を応援するメッセージをタップして選択する。
【0067】
さらに、タッチパネル32には、メンタルの状態の悪化が認められる患者を励ましたり、慰めたりするためのメッセージを複数種類の中から選択するための第3メッセージ選択画面が表示される。支援者は、第3メッセージ選択画面において、メンタルの状態の悪化が認められる患者を励ましたり、慰めたりするメッセージをタップして選択する。
【0068】
また、タッチパネル32には、「頑張れ!」等といった、治療活動のバランスの悪化が認められる患者を応援したり励ましたりするためのメッセージを複数種類の中から選択するための第4メッセージ選択画面が表示される。支援者は、第4メッセージ選択画面において、治療活動のバランスの悪化が認められる患者を応援したり励ましたりするメッセージをタップして選択する。
【0069】
さらに、タッチパネル32には、「頑張れ!」等といった、治療活動をもうひと頑張りの状況である患者を応援するためのメッセージを複数種類の中から選択するための第5メッセージ選択画面が表示される。支援者は、第5メッセージ選択画面において、治療活動をもうひと頑張りの状況である患者を応援するメッセージをタップして選択する。
【0070】
また、タッチパネル32には、「すごい!」や「いいね!」等といった、治療活動を十分にやっている患者を賞賛するためのメッセージを複数種類の中から選択するための第6メッセージ選択画面が表示される。支援者は、第6メッセージ選択画面において、治療活動を十分にやっている患者を賞賛するメッセージをタップして選択する。
【0071】
さらに、支援者は、タッチパネル32において、支援プログラムに含まれる各種アンケートへの回答を入力する。例えば、支援者は、患者の気分に関するアンケートにおいて、「不安」、「イライラ」、「落ち込み」、及び「悲しい」等といった気分と、そのスケール値と、からなるメンタルログを入力する。以下、支援者が支援者視点で入力したメンタルログを「支援者視点メンタルログ」という。
【0072】
図2に示す通信部33は、通信部23と同様に、汎用の無線通信装置等から構成される。通信部33は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第2プレイ開始通知や、第1メッセージ選択画面500を表示するための表示データ、第2メッセージ選択画面を表示するための表示データ等を受信する。また、通信部33は、ゲームをプレイ中の患者の応援への参加を要求する応援参加要求や、支援者が選択したメッセージを示すメッセージ選択指令、支援者視点メンタルログを通知する支援者視点メンタルログ通知をネットワークNを介してサーバ装置4に送信する。
【0073】
制御部34は、制御部24と同様に、CPU、ROM、及びRAM等から構成される。CPUは、RAMをワークメモリとして用い、ROM及び記憶部31に記憶されている各種プログラム等を適宜実行することによって、支援者端末3-nの各種動作を制御する。
【0074】
本実施形態において、制御部34は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第2プレイ開始通知を通信部33で受信したことに応答して、患者がゲームのプレイを開始したことを、タッチパネル32に表示したり、図示せぬスピーカから音声を出力したり、図示せぬバイブレータを用いてプッシュ通知をしたりして、支援者に通知する。
【0075】
次に、制御部34は、支援者がタッチパネル32に表示される支援プログラムを示すアイコンをタップして、ゲームをプレイ中の患者の応援への参加を指示したことに応答して、記憶部31に記憶される支援プログラムを起動するとともに、支援者を特定可能な支援者識別子を含む応援参加要求を通信部33からネットワークNを介してサーバ装置4に送信する。
【0076】
制御部34は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第1メッセージ選択画面500の表示データを通信部32で受信したことに応答して、表示データに基づいて、第1メッセージ選択画面500をタッチパネル32に表示する。そして、制御部34は、支援者が第1メッセージ選択画面500においてメッセージをタップして選択したことに応答して、支援者が選択したメッセージと、その支援者を特定可能な支援者識別子と、を含む第1メッセージ選択指令を通信部32からネットワークNを介して送信する。
【0077】
また、制御部34は、支援プログラムにおいて、毎日、支援者に対し、患者の気分に関するアンケートを行う。そして、制御部34は、支援者がタッチパネル32において患者の気分に関するアンケートへの回答内容(患者視点メンタルログ)を入力したことに応答して、支援者視点メンタルログと支援者識別子とを含む支援者視点メンタルログ通知を、通信部33からネットワークNを介してサーバ装置4に送信する。
【0078】
さらに、制御部34は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第2~第6メッセージ選択画面の表示データを通信部32で受信したことに応答して、表示データに基づいて、第2~第6メッセージ選択画面をタッチパネル32に表示する。そして、制御部34は、支援者が第2~第6メッセージ選択画面においてメッセージをタップして選択したことに応答して、支援者が選択したメッセージと、その支援者を特定可能な支援者識別子と、を含む第2~第6メッセージ選択指令を通信部32からネットワークNを介して送信する。
【0079】
図1に示すサーバ装置4は、例えば汎用のサーバコンピュータや汎用のデータベース(DataBase;DB)等から構成される。
【0080】
図6は、サーバ装置の構成例を示すブロック図である。
【0081】
図6に示すように、サーバ装置4は、通信部41と、記憶部42と、制御部(サーバ制御部)43と、を備え、これらはバス等を介して接続される。
【0082】
通信部41は、例えばNIC(Network Interface Card)等から構成される。通信部41は、患者端末2からネットワークNを介して送信される第1プレイ開始通知や、使用ログ通知、回答内容通知を受信する。通信部41は、患者がゲームのプレイを開始したことを支援者端末3-nに通知する第2プレイ開始通知や、第1~第6メッセージ選択画面500等の表示データをネットワークNを介して支援者端末3-nに送信する。また、通信部41は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される応援参加要求や、第1~第6メッセージ選択指令、支援者視点メンタルログ通知を受信する。通信部41は、支援者によって選択されたメッセージの表示を指令する第1~第6メッセージ表示指令をネットワークNを介して患者端末2に送信する。
【0083】
記憶部42は、例えば汎用のハードディスクドライブ等から構成される。本実施形態において、記憶部42は、患者DB421と、メッセージDB422と、を備える。
【0084】
また、記憶部42には、患者毎に使用ログDB423が、支援者毎にメンタルログDB424が、それぞれ設けられている。
【0085】
患者DB421は、患者毎に、その患者に関する情報(以下、「患者情報」という。)と、その患者の周囲の支援者の支援者端末3-nを特定可能な情報(以下、「支援者情報」という。)と、治療メニュと、を対応付けて登録する。患者情報には、例えば患者を特定可能な患者識別子、及び患者の氏名や特性(例えば性別や、年齢、病状、性格等)等が含まれる。支援者情報には、例えば支援者を特定可能な支援者識別子、支援者の表示名、患者との関係、及びメールアドレス等が含まれる。
【0086】
メッセージDB422は、患者の特性に対応付けて、患者を応援したり、励ましたり、慰めたり、賞賛したりする支援者からのメッセージを複数種類登録する。
【0087】
MCIの患者の症状の改善には、患者の家族や親類等といった患者と親密な関係にある周囲の支援者からの支援が必要不可欠である。患者を応援したり、励ましたり、慰めたり、賞賛したりする支援者からのメッセージも、患者に自信を持たせ、患者のトレーニングに対するモチベーションを維持させることができるため、MCIの患者の症状を改善する上で極めて有効である。もっとも、MCIの患者は、記憶障害及び見当識障害等の症状や、うつ及び興奮等の不安定な感情表現等が見られるため、支援者のメッセージの意味を捉え間違える等して、感情的になったり、深く傷ついたりして、患者のトレーニングに対するモチベーションを喪失し、却ってMCIの患者の症状が悪化するおそれがある。そこで、本実施形態では、MCIの患者の治療に効果的なメッセージのみをメッセージDB422に予め用意しておき、支援者は、患者を応援したり、励ましたり、慰めたり、賞賛したりするメッセージを、メッセージDB422から選択して患者と対話するようにしているため、MCIの患者の症状を悪化させるおそれのあるメッセージが発せられることを防止できる。
【0088】
メッセージDB422に登録されるメッセージは、MCIの患者の治療に関し相応の知識する専門医やセラピスト等のグループセラピの専門家によって監修され、適宜更新される。
【0089】
使用ログDB423は、日付毎に、治療プログラムの使用時間、起動回数、及び使用頻度、治療活動の実施状況、患者視点メンタルログ、治療メニュの達成度、並びに生活習慣の達成度等を対応付けて登録する。
【0090】
メンタルログDB424は、日付毎に、支援者視点メンタルログ等を対応付けて登録する。
【0091】
制御部43は、例えばCPU、ROM、及びRAM等から構成される。CPUは、RAMをワークメモリとして用い、ROM及び記憶部42に記憶されているプログラム等を適宜実行することによって、サーバ装置4の各種動作を制御する。RAMには、患者に離脱兆候が認められることを示す離脱兆候フラグ等が設けられている。
【0092】
本実施形態において、制御部43は、患者端末2からネットワークNを介して送信される第1プレイ開始通知を通信部41で受信したことに応答して、第1プレイ開始通知に含まれる患者識別子に対応する患者情報及び支援者情報を患者DB421から読み出す。次に、制御部43は、支援者情報から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第2プレイ開始通知を通信部41からネットワークNを介して送信する。
【0093】
制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される応援参加要求を通信部41で受信したことに応答して、患者DB321から読み出した患者情報に含まれる患者の特性に対応するメッセージをメッセージDB422から複数種類検出する。続いて、制御部43は、メッセージDB422から検出した複数種類のメッセージから、ゲームをプレイ中の患者を応援するためのメッセージを選択するための第1メッセージ選択画面500の表示データを生成する。そして、制御部43は、応援参加要求に含まれる支援者識別子から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第1メッセージ選択画面500の表示データを通信部41からネットワークNを介して送信する。
【0094】
制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される第1メッセージ選択指令を通信部41で受信したことに応答して、第1メッセージ選択指令に含まれる支援者識別子に対応する支援者情報から特定される支援者の表示名と、第1メッセージ選択指令に含まれるメッセージと、を含む第1メッセージ表示指令を通信部41からネットワークNを介して患者端末2に送信する。
【0095】
制御部43は、患者端末2からネットワークNを介して送信される使用ログ通知を通信部41で受信したことに応答して、使用ログ通知に含まれる患者識別子から特定される患者の使用ログDB423を記憶部42から検出する。続いて、制御部43は、使用ログ通知に含まれる日付、治療プログラムの使用時間及び起動回数等の使用ログ、治療活動の実施状況、並びにメンタルログ等を対応付けて、記憶部42から検出した使用ログDB423に登録する。
【0096】
また、制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される支援者視点メンタルログ通知を受信したことに応答して、支援者視点メンタルログ通知に含まれる支援者識別子から特定される支援者のメンタルログDB424を記憶部42から検出する。続いて、制御部43は、支援者視点メンタルログ通知に含まれる支援者視点メンタルログを、記憶部42から検出したメンタルログDB424に登録する。
【0097】
そして、制御部43は、使用ログDB423に登録されている治療プログラムの使用時間及び起動回数等の使用ログ、治療活動の実施状況、患者視点メンタルログ、並びにメンタルログDB424に登録されている支援者視点メンタルログ等に基づいて、第1離脱兆候判別処理、メンタル状態判別処理、バランス判別処理、及び治療活動判別処理等の各種処理を実行する。
【0098】
[第1離脱兆候判別処理]
第1離脱兆候判別処理において、まず、制御部43は、最新の日付に対応する治療プログラムの使用時間及び起動回数等の使用ログから、その日の使用頻度を判別する。具体的に、制御部43は、治療プログラムの起動回数が0回又は使用時間が5分未満であれば使用頻度を「不使用」と判別し、5分以上30分未満であれば「不十分」と判別し、30分以上であれば「使用」と判別する。そして、制御部43は、治療プログラムの使用頻度を最新の日付に対応付けて使用ログDB423に登録する。
【0099】
次に、制御部43は、直近三日間での使用頻度(以下、「三日間使用頻度」という。)を判別する。具体的に、制御部43は、直近三日分の治療プログラムの使用頻度を使用ログDB423から読み出す。続いて、制御部43は、直近三日間の中で、治療プログラムの使用頻度が「使用」となっている日数を特定する。制御部43は、治療プログラムの使用頻度が「使用」となっている日数が0日であれば三日間使用頻度を「不使用」と判別し、1日~2日であれば「不十分」と判別し、3日であれば「使用」と判別する。
【0100】
さらに、制御部43は、直近一週間での使用頻度(以下、「一週間使用頻度」という。)を判別する。具体的に、制御部43は、直近一週間分の治療プログラムの使用頻度を使用ログDB423から読み出す。続いて、制御部43は、直近一週間の中で、治療プログラムの使用頻度が「使用」となっている日数を特定する。制御部43は、治療プログラムの使用頻度が「使用」となっている日数が0日であれば一週間使用頻度を「不使用」と判別し、1日~3日であれば「不十分」と判別し、4日~6日であれば「中程度」と判別し、7日であれば「使用」と判別する。
【0101】
そして、制御部43は、三日間使用頻度と一週間使用頻度とから、患者にトレーニングから離脱する兆候(以下、「離脱兆候」という。)が認められるか否かを判別する。制御部43は、三日間使用頻度が「不使用」又は「不十分」である場合、一週間使用頻度が「不使用」又は「不十分」であれば悪い状態が継続しているとして、「中程度」であっても悪化しているとして、患者に離脱兆候が認められると判別して、離脱兆候フラグがオンにする。
【0102】
一方、制御部43は、三日間使用頻度が「使用」である場合、一週間使用頻度が「中程度」又は「使用」であれば良い状態が継続しているとして、「不使用」又は「不十分」であっても改善がみられるとして、治療プログラムの使用頻度からは患者に離脱兆候が認められないと判別し、使用ログに含まれる患者識別子に対応する治療メニュを患者DB421から読み出す。
【0103】
そして、制御部43は、最新の日付に対応する治療活動の実施状況と、患者DB421から読み出した治療メニュと、を比較して、治療メニュの達成率を求めて達成度を判別する。具体的に、制御部43は、治療メニュの達成率が0%以上25%未満であれば達成度を「未達成」と判別し、25%以上50%未満であれば「不十分」と判別し、50%以上75%未満であれば「最低限」と判別し、75%以上100%未満であれば「中程度」と判別し、100%以上であれば「達成」と判別する。そして、制御部43は、治療メニュの達成度を最新の日付に対応付けて使用ログDB423に登録する。
【0104】
次に、制御部43は、直近三日間での達成度(以下、「三日間治療メニュ達成度」という。)を判別する。具体的に、制御部43は、直近三日分の治療メニュの達成度を使用ログDB423から読み出す。続いて、制御部43は、直近三日間の中で、治療メニュの達成度が「最低限」、「中程度」、又は「達成」(以下、「「最低限」以上」という。)となっている日数を特定する。制御部43は、治療メニュの達成度が「最低限」以上となっている日数が0日であれば三日間治療メニュ達成度を「未達成」と判別し、1日又は2日であれば「不十分」と判別し、3日であれば「最低限」と判別する。
【0105】
さらに、制御部43は、直近一週間での達成度(以下、「一週間治療メニュ達成度」という。)を判別する。具体的に、制御部43は、直近一週間分の治療メニュの達成度を使用ログDB423から読み出す。続いて、制御部43は、直近一週間の中で、治療メニュの達成度が「達成」となっている日数を特定する。制御部43は、治療メニュの達成度が「達成」となっている日数が0日であれば一週間治療メニュ達成度を「未達成」と判別し、1日~5日であれば「不十分」と判別し、6日~7日であれば「最低限」と判別する。
【0106】
そして、制御部43は、三日間治療メニュ達成度と一週間治療メニュ達成度とから、患者に離脱兆候が認められるか否かを判別する。制御部43は、三日間治療メニュ達成度が「未達成」又は「不十分」である場合、一週間治療メニュ達成度も「未達成」又は「不十分」であれば悪い状態が継続しているとして、「最低限」であっても悪化しているとして、患者に離脱兆候が認められると判別して、離脱兆候フラグをオンにする。
【0107】
一方、制御部43は、三日間治療メニュ達成度が「最低限」である場合、一週間治療メニュ達成度が「最低限」であれば良い状態が継続しているとして、「不十分」であっても改善がみられるとして、治療プログラムの使用頻度のみならず、治療メニュの達成度からも患者に離脱兆候が認められないと判別して、そのまま第1離脱兆候判別処理を終了する。
【0108】
制御部43は、患者に離脱兆候が認められると判別した場合、使用ログに含まれる患者識別子に対応する患者情報及び支援者情報を患者DB421から読み出す。制御部43は、患者DB321から読み出した患者情報に含まれる患者の特性に対応するメッセージをメッセージDB422から複数種類検出する。続いて、制御部43は、メッセージDB422から検出した複数種類のメッセージから、離脱兆候が認められる患者を励ましたり、慰めたりするためのメッセージを選択するための第2メッセージ選択画面の表示データを生成する。そして、制御部43は、支援者情報に含まれる支援者識別子から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第2メッセージ選択画面の表示データを通信部41からネットワークNを介して送信する。
【0109】
制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される第2メッセージ選択指令を通信部41で受信したことに応答して、第2メッセージ選択指令に含まれる支援者識別子に対応する支援者情報から特定される支援者の表示名と、第2メッセージ選択指令に含まれるメッセージと、を含む第2メッセージ表示指令を通信部41からネットワークNを介して患者端末2に送信する。
【0110】
[メンタル状態判別処理]
メンタル状態判別処理において、まず、制御部43は、直近三日間での患者視点のメンタルの状態(以下、「三日間患者視点メンタル状態」という。)を判別する。具体的に、制御部43は、直近三日分の患者視点メンタルログを使用ログDB423から読み出す。続いて、制御部43は、直近三日間の中で、患者の気分が「不安」、「イライラ」、「落ち込み」、及び「悲しい」等といったネガティブな感情となっている日数を特定する。制御部43は、ネガティブな感情となっている日数が0日であれば三日間患者視点メンタル状態を「問題なし」と判別し、1日又は2日であれば「要観察」と判別し、3日であれば「問題あり」と判別する。
【0111】
次に、制御部43は、直近一週間での患者視点のメンタルの状態(以下、「一週間患者視点メンタル状態」という。)を判別する。具体的に、制御部43は、直近一週間分の患者視点メンタルログを使用ログDB423から読み出す。続いて、制御部43は、直近一週間の中で、患者の気分が「不安」、「イライラ」、「落ち込み」、及び「悲しい」等といったネガティブな感情となっている日数を特定する。制御部43は、ネガティブな感情となっている日数が0日であれば一週間患者視点メンタル状態を「問題なし」と判別し、1日~3日であれば「要観察」と判別し、4日~7日であれば「問題あり」と判別する。
【0112】
そして、制御部43は、三日間患者視点メンタル状態と一週間患者視点メンタル状態とから、患者視点から患者にメンタルの状態の悪化が認められるか否かを判別する。制御部43は、三日間患者視点メンタル状態が「問題あり」である場合、一週間患者視点メンタル状態も「問題あり」であれば悪い状態が継続しているとして、「要観察」であっても悪化しているとして、患者視点から患者にメンタルの状態の悪化が認められると判別する。
【0113】
一方、制御部43は、三日間患者視点メンタル状態が「問題なし」又は「要観察」である場合、一週間患者視点メンタル状態が「問題なし」又は「要観察」であれば良い状態が継続しているとして、「問題あり」であっても改善がみられるとして、患者視点から患者にメンタルの状態の悪化が認められないと判別する。
【0114】
制御部43は、患者視点から患者にメンタルの状態の悪化が認められないと判別した場合、支援者視点メンタルログに含まれる支援者識別子から特定される支援者のメンタルログDB424を記憶部42から検出する。
【0115】
制御部43は、直近三日間での支援者視点のメンタルの状態(以下、「三日間支援者視点メンタル状態」という。)を判別する。具体的に、制御部43は、直近三日分の支援者視点メンタルログをメンタルログDB424から読み出す。続いて、制御部43は、直近三日間の中で、患者の気分が「不安」、「イライラ」、「落ち込み」、及び「悲しい」等といったネガティブな感情となっている日数を特定する。制御部43は、ネガティブな感情となっている日数が0日であれば三日間支援者視点メンタル状態を「問題なし」と判別し、1日又は2日であれば「要観察」と判別し、3日であれば「問題あり」と判別する。
【0116】
次に、制御部43は、直近一週間での支援者視点のメンタルの状態(以下、「一週間支援者視点メンタル状態」という。)を判別する。具体的に、制御部43は、直近一週間分の支援者視点メンタルログを使用ログDB423から読み出す。続いて、制御部43は、直近一週間の中で、患者の気分が「不安」、「イライラ」、「落ち込み」、及び「悲しい」等といったネガティブな感情となっている日数を特定する。制御部43は、ネガティブな感情となっている日数が0日であれば一週間支援者視点メンタル状態を「問題なし」と判別し、1日~3日であれば「要観察」と判別し、4日~7日であれば「問題あり」と判別する。
【0117】
そして、制御部43は、三日間支援者視点メンタル状態と一週間支援者視点メンタル状態とから、支援者視点から患者にメンタルの状態の悪化が認められるか否かを判別する。具体的に、制御部43は、三日間支援者視点メンタル状態が「問題あり」である場合、一週間支援者視点メンタル状態も「問題あり」であれば悪い状態が継続しているとして、「要観察」であっても悪化しているとして、支援者視点から患者にメンタルの状態の悪化が認められると判別する。
【0118】
一方、制御部43は、三日間支援者視点メンタル状態が「問題なし」又は「要観察」である場合、一週間支援者視点メンタル状態が「問題なし」又は「要観察」であれば良い状態が継続しているとして、「問題あり」であっても改善がみられるとして、患者視点のみならず支援者視点からも患者にメンタルの状態の悪化が認められないと判別した場合、そのままメンタル状態判別処理を終了する。
【0119】
制御部43は、患者視点及び支援者視点のいずれかから患者のメンタルの状態の悪化が認められると判別した場合、使用ログに含まれる患者識別子に対応する患者情報及び支援者情報を患者DB421から読み出す。制御部43は、患者DB421から読み出した患者情報に含まれる患者の特性に対応するメッセージをメッセージDB422から複数種類検出する。続いて、制御部43は、メッセージDB422から検出した複数種類のメッセージから、メンタルの状態の悪化が認められる患者を励ましたり、慰めたりするためのメッセージを選択するための第3メッセージ選択画面の表示データを生成する。そして、制御部43は、支援者情報に含まれる支援者識別子から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第3メッセージ選択画面の表示データを通信部41からネットワークNを介して送信する。
【0120】
制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される第3メッセージ選択指令を通信部41で受信したことに応答して、第3メッセージ選択指令に含まれる支援者識別子に対応する支援者情報から特定される支援者の表示名と、第3メッセージ選択指令に含まれるメッセージと、を含む第3メッセージ表示指令を通信部41からネットワークNを介して患者端末2に送信する。
【0121】
[バランス判別処理]
バランス判別処理において、まず、制御部43は、離脱兆候フラグがオンであるか否かを判別する。制御部43は、離脱兆候フラグがオンである場合、患者に離脱兆候が認められるとして、そのままバランス判別処理を終了する。
【0122】
一方、制御部43は、離脱兆候フラグがオフである場合、すなわち、患者に離脱兆候が認められない場合、最新の日付に対応する治療活動の実施状況に含まれる、生活習慣に関するアンケートへの回答回数及び回答内容から、患者の生活習慣の達成率を求めて達成度を判別する。具体的に、制御部43は、生活習慣に関するアンケートへの回答回数、一日当たりの糖質摂取量が150g以下であるか否か、タンパク質の摂取の有無、補助食品の摂取の有無、睡眠時間が7時間以上であるか否か、熟睡度から熟睡したか否か、活動一日当たりの活動量(歩数)が5000歩以上であるか否か、服薬の有無等から、生活習慣の達成率を求めて達成度を判別する。制御部43は、生活習慣のの達成率が0%以上25%未満であれば達成度を「未達成」と判別し、25%以上50%未満であれば「不十分」と判別し、50%以上75%未満であれば「最低限」と判別し、75%以上100%未満であれば「中程度」と判別し、100%以上であれば「達成」と判別する。
【0123】
そして、制御部43は、生活習慣の達成度を最新の日付に対応付けて使用ログDB423に登録する。
【0124】
次に、制御部43は、直近三日間での達成度(以下、「三日間生活習慣達成度」という。)を判別する。具体的に、制御部43は、直近三日分の生活習慣の達成度を使用ログDB423から読み出す。続いて、制御部43は、直近三日間の中で、生活習慣の達成度が「最低限」、「中程度」、又は「達成」(以下、「「最低限」以上」という。)となっている日数を特定する。制御部43は、生活習慣の達成度が「最低限」以上となっている日数が0日であれば三日間生活習慣達成度を「未達成」と判別し、1日又は2日であれば「不十分」と判別し、3日であれば「最低限」と判別する。
【0125】
さらに、制御部43は、直近一週間での達成度(以下、「一週間生活習慣達成度」という。)を判別する。具体的に、制御部43は、直近一週間分の生活習慣の達成度を使用ログDB423から読み出す。続いて、制御部43は、直近一週間の中で、治療メニュの達成度が「達成」となっている日数を特定する。制御部43は、生活習慣の達成度が「達成」となっている日数が0日であれば一週間生活習慣達成度を「未達成」と判別し、1日~5日であれば「不十分」と判別し、6日~7日であれば「最低限」と判別する。
【0126】
そして、制御部43は、三日間生活習慣達成度と一週間生活習慣達成度とから、生活習慣の乱れが認められるか否かを判別する。具体的に、制御部43は、三日間生活習慣達成度が「未達成」又は「不十分」である場合、一週間生活習慣達成度も「未達成」又は「不十分」であれば悪い状態が継続しているとして、「最低限」であっても悪化しているとして、生活習慣の乱れが認められると判別する。このように、制御部43は、患者に離脱兆候が認めれれないが、生活習慣の乱れが認められると判別した場合、治療活動のバランスの悪化が認められると判別する。
【0127】
一方、制御部43は、三日間生活習慣達成度が「最低限」である場合、一週間生活習慣達成度が「最低限」であれば良い状態が継続しているとして、「不十分」であっても改善がみられるとして、生活習慣の乱れが認められないと判別する。このように、制御部43は、患者に離脱兆候も生活習慣の乱れも認められないと判別した場合、治療活動のバランスの悪化が認められないと判別して、バランス判別処理を終了する。
【0128】
制御部43は、患者に離脱兆候が認めれれないが、生活習慣の乱れが認められ、治療活動のバランスの悪化が認められると判別した場合、使用ログに含まれる患者識別子に対応する患者情報及び支援者情報を患者DB421から読み出す。制御部43は、患者DB421から読み出した患者情報に含まれる患者の特性に対応するメッセージをメッセージDB422から複数種類検出する。続いて、制御部43は、メッセージDB422から検出した複数種類のメッセージから、治療活動のバランスの悪化が認められる患者を応援したり励ましたりするためのメッセージを選択するための第4メッセージ選択画面の表示データを生成する。そして、制御部43は、支援者情報に含まれる支援者識別子から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第4メッセージ選択画面の表示データを通信部41からネットワークNを介して送信する。
【0129】
制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される第4メッセージ選択指令を通信部41で受信したことに応答して、第4メッセージ選択指令に含まれる支援者識別子に対応する支援者情報から特定される支援者の表示名と、第4メッセージ選択指令に含まれるメッセージと、を含む第4メッセージ表示指令を通信部41からネットワークNを介して患者端末2に送信する。
【0130】
[治療活動判別処理]
治療活動判別処理において、まず、制御部43は、最新の日付に対応する治療メニュ及び生活習慣の達成度を使用ログDB423から読み出す。また、制御部43は、使用ログに含まれる患者識別子に対応する患者情報及び支援者情報を患者DB421から読み出す。制御部43は、患者DB421から読み出した患者情報に含まれる患者の特性に対応するメッセージをメッセージDB422から複数種類検出する。
【0131】
制御部43は、その日の治療メニュ及び生活習慣のいずれかの達成度が「最低限」又は「中程度」である場合、メッセージDB422から検出した複数種類のメッセージから、治療活動をもうひと頑張りの状況である患者を応援するためのメッセージを選択するための第5メッセージ選択画面の表示データを生成する。そして、制御部43は、支援者情報に含まれる支援者識別子から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第5メッセージ選択画面の表示データを通信部41からネットワークNを介して送信する。
【0132】
制御部43は、その日の治療メニュ及び生活習慣のいずれもの達成度が「達成」である場合、メッセージDB422から検出した複数種類のメッセージから、治療活動を十分やっている患者を賞賛するためのメッセージを選択するための第6メッセージ選択画面の表示データを生成する。そして、制御部43は、支援者情報に含まれる支援者識別子から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第6メッセージ選択画面の表示データを通信部41からネットワークNを介して送信する。
【0133】
制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される第5又は第6メッセージ選択指令を通信部41で受信したことに応答して、第5又は第6メッセージ選択指令に含まれる支援者識別子に対応する支援者情報から特定される支援者の表示名と、第5又は第6メッセージ選択指令に含まれるメッセージと、を含む第5又は第6メッセージ表示指令を通信部41からネットワークNを介して患者端末2に送信する。
[第2離脱兆候判別処理]
【0134】
また、制御部43は、患者端末2からネットワークNを介して送信される回答内容通知を通信部41で受信したことに応答して、回答内容通知に含まれる治療活動に関するアンケートへの回答内容に「不満がある」、「飽きてきた」、及び「意欲が下がってきた」等といったネガティブな回答があるか否かをチェックすることにより、患者に離脱兆候が認められるか否かを判別する。制御部43は、ネガティブな回答が一つもなく、ネガティブな回答が認められないと判別した場合、そのまま第2離脱兆候判別処理を終了する。
【0135】
制御部43は、ネガティブな回答が一つでもあり、患者に離脱兆候が認められると判別した場合、回答内容通知に含まれる患者識別子に対応する患者情報及び支援者情報を患者DB421から読み出す。制御部43は、患者DB421から読み出した患者情報に含まれる患者の特性に対応するメッセージをメッセージDB422から複数種類検出する。続いて、制御部43は、メッセージDB422から検出した複数種類のメッセージから、離脱兆候が認められる患者を励ましたり、慰めたりするためのメッセージを選択するための第2メッセージ選択画面の表示データを生成する。そして、制御部43は、支援者情報に含まれる支援者識別子から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第2メッセージ選択画面の表示データを通信部41からネットワークNを介して送信する。
【0136】
制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される第2メッセージ選択指令を通信部41で受信したことに応答して、第2メッセージ選択指令に含まれる支援者識別子に対応する支援者情報から特定される支援者の表示名と、第2メッセージ選択指令に含まれるメッセージと、を含む第2メッセージ表示指令を通信部41からネットワークNを介して患者端末2に送信する。
【0137】
次に、上記構成を備える治療支援システム1が実行する各種処理について図面を参照して説明する。
【0138】
患者端末2のタッチパネル22に表示される治療プログラムのトップ画面において、患者がプレイするゲームを選択したことに応答して、治療支援システム1は、プレイ開始処理を開始する。
【0139】
図7は、プレイ開始処理の詳細を示すフローチャートである。
【0140】
図7に示すプレイ開始処理において、まず、患者端末2の制御部24は、ゲームをプレイするためのプレイ画面300をタッチパネル22に表示する(ステップS701)。
【0141】
また、制御部24は、ゲームを開始した患者を特定可能な患者識別子を含む第1プレイ開始通知を通信部23からネットワークNを介してサーバ装置4に送信する(ステップS702)。
【0142】
サーバ装置4の制御部43は、患者端末2からネットワークNを介して送信される第1プレイ開始通知を通信部41で受信したことに応答して(ステップS703)、第1プレイ開始通知に含まれる患者識別子に対応する患者情報及び支援者情報を患者DB421から読み出す(ステップS704)。
【0143】
次に、制御部43は、支援者情報から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第2プレイ開始通知を通信部41からネットワークNを介して送信する(ステップS705)。
【0144】
支援者端末3-nの制御部34は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第2プレイ開始通知を通信部33で受信したことに応答して(ステップS706)、患者がゲームのプレイを開始したことを支援者に通知してから(ステップS707)、プレイ開始処理を終了する。
【0145】
その後、支援者がタッチパネル32に表示される支援プログラムを示すアイコンをタップして、ゲームをプレイ中の患者の応援への参加を指示したことに応答して、治療支援システム1では、支援者端末3-nの制御部34が記憶部31に記憶される支援プログラムを起動し、第1治療支援処理を開始する。
【0146】
図8及び図9は、第1治療支援処理の詳細を示すフローチャートである。
【0147】
図8及び図9に示す第1治療支援処理において、まず、制御部34は、支援者を特定可能な支援者識別子を含む応援参加要求を通信部33からネットワークNを介してサーバ装置4に送信する(図8に示すステップS801)。
【0148】
サーバ装置4の制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される応援参加要求を通信部41で受信したことに応答して(ステップS802)、患者DB421から読み出した患者情報に含まれる患者の特性に対応するメッセージをメッセージDB422から複数種類検出する(ステップS803)。
【0149】
続いて、制御部43は、メッセージDB422から検出した複数種類のメッセージの中から、ゲームをプレイ中の患者を応援するためのメッセージを選択するための第1メッセージ選択画面500の表示データを生成する(ステップS804)。
【0150】
そして、制御部43は、応援参加要求に含まれる支援者識別子から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第1メッセージ選択画面500の表示データを通信部41からネットワークNを介して送信する(ステップS805)。
【0151】
支援者端末3-nの制御部34は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第1メッセージ選択画面500の表示データを通信部32で受信したことに応答して(ステップS806)、表示データに基づいて、第1メッセージ選択画面500をタッチパネル32に表示する(ステップS807)。
【0152】
そして、制御部34は、支援者が第1メッセージ選択画面500においてメッセージをタップして選択したことに応答して(ステップS808;Yes)、支援者が選択したメッセージと、その支援者を特定可能な支援者識別子と、を含む第1メッセージ選択指令を通信部32からネットワークNを介して送信する(ステップS809)。
【0153】
サーバ装置4の制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される第1メッセージ選択指令を通信部41で受信したことに応答して(ステップS810)、第1メッセージ選択指令に含まれる支援者識別子に対応する支援者情報から特定される支援者の表示名と、第1メッセージ選択指令に含まれるメッセージと、を含む第1メッセージ表示指令を通信部41からネットワークNを介して患者端末2に送信する(図9に示すステップS811)。
【0154】
患者端末2の制御部24は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第1メッセージ表示指令を通信部23で受信したことに応答して(ステップS812)、プレイ画面300において、第1メッセージ表示指令から特定される支援者の表示名と、その支援者が選択したメッセージと、を患者がプレイ中のゲームの下方に表示する(ステップS813)。
【0155】
患者がゲームのプレイを終了するまで(ステップS814;No)、制御部24は、ステップS808に戻り、支援者が第1メッセージ選択画面500において新たなメッセージを選択するのを待つ。そして、患者がゲームのプレイを終了すると(ステップS814;No)、制御部24は、第1治療支援処理を終了する。
【0156】
一日のうちの予め定められた送信タイミング(例えば午後12時等)になったことに応答して、治療支援システム1は、第2治療支援処理を開始する。
【0157】
図10は、第2治療支援処理の詳細を示すフローチャートである。
【0158】
図10に示す第2治療支援処理において、まず、患者端末2の制御部24は、その日の治療プログラムの使用時間及び起動回数等の使用ログ、生活習慣に関するアンケートへの回答回数及び回答内容、並びに患者視点メンタルログ等を記憶部21から読み出す(ステップS1001)。
【0159】
次に、制御部24は、治療プログラムの起動回数、並びに生活習慣に関するアンケートへの回答回数及び回答内容から、治療活動の実施状況を求める(ステップS1002)。
【0160】
そして、制御部24は、患者識別子、日付、治療プログラムの使用時間及び起動回数等の使用ログ、並びに治療活動の実施状況等を含む使用ログ通知を通信部23からネットワークNを介してサーバ装置4に送信する(ステップS1003)。
【0161】
サーバ装置4の制御部43は、患者端末2からネットワークNを介して送信される使用ログ通知を通信部41で受信したことに応答して(ステップS1004)、使用ログ通知に含まれる患者識別子から特定される患者の使用ログDB423を記憶部42から検出する(ステップS1005)。
【0162】
続いて、制御部43は、使用ログ通知に含まれる日付、治療プログラムの使用時間及び起動回数等の使用ログ、治療活動の実施状況、並びに患者視点メンタルログ等を対応付けて、記憶部42から検出した使用ログDB423に登録する(ステップS1006)。
【0163】
そして、制御部43は、使用ログDB423に登録されている治療プログラムの使用時間及び起動回数等の使用ログ、治療活動の実施状況、患者視点メンタルログ、並びにメンタルログDB424に登録されている支援者視点メンタルログ等に基づいて、第1離脱兆候判別処理(ステップS1007)、メンタル状態判別処理(ステップS1008)、バランス判別処理(ステップS1009)、及び治療活動判別処理(ステップS1010)を実行する。
【0164】
図11図13は、第1離脱兆候判別処理の詳細を示すフローチャートである。
【0165】
図11図13に示す第1離脱兆候判別処理において、まず、制御部43は、最新の日付に対応する治療プログラムの使用時間及び起動回数等の使用ログから、その日の使用頻度を判別する(図11に示すステップS1101)。
【0166】
そして、制御部43は、治療プログラムの使用頻度を最新の日付に対応付けて使用ログDB423に登録する(ステップS1102)。
【0167】
次に、制御部43は、三日間使用頻度を判別する(ステップS1103)。
【0168】
さらに、制御部43は、一週間使用頻度を判別する(ステップS1104)。
【0169】
そして、制御部43は、三日間使用頻度と一週間使用頻度とから、患者に離脱兆候が認められるか否かを判別する(ステップS1105)。
【0170】
制御部43は、治療プログラムの使用頻度から患者に離脱兆候が認められると判別した場合(ステップS1105;Yes)、離脱兆候フラグをオンにする(ステップS1106)。
【0171】
一方、制御部43は、治療プログラムの使用頻度からは患者に離脱兆候が認められないと判別した場合(ステップS1105;No)、使用ログに含まれる患者識別子に対応する治療メニュを患者DB421から読み出す(ステップS1107)。
【0172】
制御部43は、最新の日付に対応する治療活動の実施状況と、患者DB421から読み出した治療メニュと、を比較して、治療メニュの達成率を求めて達成度を判別する(ステップS1108)。
【0173】
そして、制御部43は、治療メニュの達成度を最新の日付に対応付けて使用ログDB423に登録する(ステップS1109)。
【0174】
次に、制御部43は、三日間治療メニュ達成度を判別する(ステップS1110)。
【0175】
さらに、制御部43は、一週間治療メニュ達成度を判別する(ステップS1111)。
【0176】
そして、制御部43は、三日間治療メニュ達成度と一週間治療メニュ達成度とから、患者に離脱兆候が認められるか否かを判別する(ステップS1112)。
【0177】
制御部43は、治療メニュの達成度から患者に離脱兆候が認められると判別した場合(ステップS1112;Yes)、離脱兆候フラグをオンにする(ステップS1113)。
【0178】
一方、制御部43は、治療プログラムの使用頻度のみならず、治療メニュの達成度からも患者に離脱兆候が認められないと判別した場合(ステップS1112;No)、そのまま第1離脱兆候判別処理を終了する。
【0179】
制御部43は、患者に離脱兆候が認められると判別した場合(ステップS1105;Yes、ステップS1112;Yes)、使用ログに含まれる患者識別子に対応する患者情報及び支援者情報を患者DB421から読み出す(図12に示すステップS1114)。
【0180】
制御部43は、患者DB421から読み出した患者情報に含まれる患者の特性に対応するメッセージをメッセージDB422から複数種類検出する(ステップS1115)。
【0181】
続いて、制御部43は、メッセージDB422から検出した複数種類のメッセージから、離脱兆候が認められる患者を励ましたり、慰めたりするためのメッセージを選択するための第2メッセージ選択画面の表示データを生成する(ステップS1116)。
【0182】
そして、制御部43は、支援者情報に含まれる支援者識別子から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第2メッセージ選択画面の表示データを通信部41からネットワークNを介して送信する(ステップS1117)。
【0183】
支援者端末3-nの制御部34は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第2メッセージ選択画面の表示データを通信部32で受信したことに応答して(ステップS1118)、表示データに基づいて、第2メッセージ選択画面をタッチパネル32に表示する(ステップS1119)。
【0184】
そして、制御部34は、支援者が第2メッセージ選択画面においてメッセージをタップして選択したことに応答して(ステップS1120;Yes)、支援者が選択したメッセージと、その支援者を特定可能な支援者識別子と、を含む第2メッセージ選択指令を通信部32からネットワークNを介して送信する(ステップS1121)。
【0185】
サーバ装置4の制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される第2メッセージ選択指令を通信部41で受信したことに応答して(ステップS1122)、第2メッセージ選択指令に含まれる支援者識別子に対応する支援者情報から特定される支援者の表示名と、第2メッセージ選択指令に含まれるメッセージと、を含む第2メッセージ表示指令を通信部41からネットワークNを介して患者端末2に送信する(図13に示すステップS1123)。
【0186】
患者端末2の制御部24は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第2メッセージ表示指令を通信部23で受信したことに応答して(ステップS1124)、第2メッセージ表示指令から特定される支援者の表示名と、その支援者が選択したメッセージと、をタッチパネル22に表示してから(ステップS1125)、第1離脱兆候判別処理を終了する。
【0187】
図14図16は、メンタル状態判別処理の詳細を示すフローチャートである。
【0188】
図14図16に示すメンタル状態判別処理において、まず、サーバ装置4の制御部43は、三日間患者視点メンタル状態を判別する(図14に示すステップS1401)。
【0189】
次に、制御部43は、一週間患者視点メンタル状態を判別する(ステップS1402)。
【0190】
そして、制御部43は、三日間患者視点メンタル状態と一週間患者視点メンタル状態とから、患者視点から患者にメンタルの状態の悪化が認められるか否かを判別する(ステップS1403)。
【0191】
制御部43は、患者視点から患者にメンタルの状態の悪化が認められないと判別した場合(ステップS1403;No)、支援者視点メンタルログに含まれる支援者識別子から特定される支援者のメンタルログDB424を記憶部42から検出する(ステップS1404)。
【0192】
そして、制御部43は、三日間支援者視点メンタル状態を判別する(ステップS1405)。
【0193】
次に、制御部43は、一週間支援者視点メンタル状態を判別する(ステップS1406)。
【0194】
そして、制御部43は、三日間支援者視点メンタル状態と一週間支援者視点メンタル状態とから、支援者視点から患者にメンタルの状態の悪化が認められるか否かを判別する(ステップS1407)。
【0195】
制御部43は、患者視点のみならず支援者視点からも患者にメンタルの状態の悪化が認められないと判別した場合(ステップS1407;No)、そのままメンタル状態判別処理を終了する。
【0196】
制御部43は、患者視点及び支援者視点のいずれかから患者のメンタルの状態の悪化が認められると判別した場合(ステップS1403;Yes、ステップS1407;Yes)、使用ログに含まれる患者識別子に対応する患者情報及び支援者情報を患者DB421から読み出す(図15に示すステップS1408)。
【0197】
制御部43は、患者DB421から読み出した患者情報に含まれる患者の特性に対応するメッセージをメッセージDB422から複数種類検出する(ステップS1409)。
【0198】
続いて、制御部43は、メッセージDB422から検出した複数種類のメッセージから、メンタルの状態の悪化が認められる患者を励ましたり、慰めたりするためのメッセージを選択するための第3メッセージ選択画面の表示データを生成する(ステップS1410)。
【0199】
そして、制御部43は、支援者情報に含まれる支援者識別子から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第3メッセージ選択画面の表示データを通信部41からネットワークNを介して送信する(ステップS1411)。
【0200】
支援者端末3-nの制御部34は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第3メッセージ選択画面の表示データを通信部32で受信したことに応答して(ステップS1412)、表示データに基づいて、第3メッセージ選択画面をタッチパネル32に表示する(ステップS1413)。
【0201】
そして、制御部34は、支援者が第3メッセージ選択画面においてメッセージをタップして選択したことに応答して(ステップS1414;Yes)、支援者が選択したメッセージと、その支援者を特定可能な支援者識別子と、を含む第3メッセージ選択指令を通信部32からネットワークNを介して送信する(ステップS1415)。
【0202】
サーバ装置4の制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される第3メッセージ選択指令を通信部41で受信したことに応答して(ステップS1416)、第3メッセージ選択指令に含まれる支援者識別子に対応する支援者情報から特定される支援者の表示名と、第2メッセージ選択指令に含まれるメッセージと、を含む第3メッセージ表示指令を通信部41からネットワークNを介して患者端末2に送信する(図16に示すステップS1417)。
【0203】
患者端末2の制御部24は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第3メッセージ表示指令を通信部23で受信したことに応答して(ステップS1418)、第3メッセージ表示指令から特定される支援者の表示名と、その支援者が選択したメッセージと、をタッチパネル22に表示してから(ステップS1419)、メンタル状態判別処理を終了する。
【0204】
図17図19は、バランス判別処理の詳細を示すフローチャートである。
【0205】
図17図19に示すバランス判別処理において、まず、サーバ装置4の制御部43は、離脱兆候フラグがオンであるか否かを判別する(図17に示すステップS1701)。
【0206】
制御部43は、離脱兆候フラグがオンである場合(ステップS1701;Yes)、患者に離脱兆候が認められるとして、そのままバランス判別処理を終了する。
【0207】
一方、制御部43は、離脱兆候フラグがオフである場合(ステップS1701;No)、すなわち、患者に離脱兆候が認められない場合、最新の日付に対応する治療活動の実施状況に含まれる、生活習慣に関するアンケートへの回答回数及び回答内容から、生活習慣の達成率を求めて達成度を判別する(ステップS1702)。
【0208】
そして、制御部43は、患者の生活習慣の達成度を最新の日付に対応付けて使用ログDB423に登録する(ステップS1703)。
【0209】
次に、制御部43は、三日間生活習慣達成度を判別する(ステップS1704)。
【0210】
さらに、制御部43は、一週間生活習慣達成度を判別する(ステップS1705)。
【0211】
そして、制御部43は、三日間生活習慣達成度と一週間生活習慣達成度とから、生活習慣の乱れが認められるか否かを判別する(ステップS1706)。
【0212】
制御部43は、患者に離脱兆候も生活習慣の乱れも認められないと判別した場合(ステップS1706;No)、治療活動のバランスの悪化が認められないと判別して、バランス判別処理を終了する。
【0213】
一方、制御部43は、患者に離脱兆候が認めれれないが、生活習慣の乱れが認められ、治療活動のバランスの悪化が認められると判別した場合(ステップS1706;Yes)、使用ログに含まれる患者識別子に対応する患者情報及び支援者情報を患者DB421から読み出す(図18に示すステップS1707)。
【0214】
制御部43は、患者DB421から読み出した患者情報に含まれる患者の特性に対応するメッセージをメッセージDB422から複数種類検出する(ステップS1708)。
【0215】
続いて、制御部43は、メッセージDB422から検出した複数種類のメッセージから、治療活動のバランスの悪化が認められる患者を応援したり励ましたりするためのメッセージを選択するための第4メッセージ選択画面の表示データを生成する(ステップS1709)。
【0216】
そして、制御部43は、支援者情報に含まれる支援者識別子から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第4メッセージ選択画面の表示データを通信部41からネットワークNを介して送信する(ステップS1710)。
【0217】
支援者端末3-nの制御部34は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第4メッセージ選択画面の表示データを通信部32で受信したことに応答して(ステップS1711)、表示データに基づいて、第4メッセージ選択画面をタッチパネル32に表示する(ステップS1712)。
【0218】
そして、制御部34は、支援者が第4メッセージ選択画面においてメッセージをタップして選択したことに応答して(ステップS1713;Yes)、支援者が選択したメッセージと、その支援者を特定可能な支援者識別子と、を含む第4メッセージ選択指令を通信部32からネットワークNを介して送信する(ステップS1714)。
【0219】
サーバ装置4の制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される第4メッセージ選択指令を通信部41で受信したことに応答して(ステップS1715)、第4メッセージ選択指令に含まれる支援者識別子に対応する支援者情報から特定される支援者の表示名と、第4メッセージ選択指令に含まれるメッセージと、を含む第4メッセージ表示指令を通信部41からネットワークNを介して患者端末2に送信する(図19に示すステップS1716)。
【0220】
患者端末2の制御部24は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第4メッセージ表示指令を通信部23で受信したことに応答して(ステップS1717)、第4メッセージ表示指令から特定される支援者の表示名と、その支援者が選択したメッセージと、をタッチパネル22に表示してから(ステップS1718)、バランス判別処理を終了する。
【0221】
図20図22は、治療活動判別処理の詳細を示すフローチャートである。
【0222】
図20図22に示す治療活動判別処理において、まず、制御部43は、最新の日付に対応する治療メニュ及び生活習慣の達成度を使用ログDB423から読み出す(図20に示すステップS2001)。
【0223】
また、制御部43は、使用ログに含まれる患者識別子に対応する患者情報及び支援者情報を患者DB421から読み出す(ステップS2002)。
【0224】
制御部43は、患者DB421から読み出した患者情報に含まれる患者の特性に対応するメッセージをメッセージDB422から複数種類検出する(ステップS2003)。
【0225】
制御部43は、その日の治療メニュ及び生活習慣のいずれかの達成度が「最低限」又は「中程度」である場合(ステップS2004;No)、メッセージDB422から検出した複数種類のメッセージから、治療活動をもうひと頑張りの状況である患者を応援するためのメッセージを選択するための第5メッセージ選択画面の表示データを生成する(ステップS2005)。
【0226】
そして、制御部43は、支援者情報に含まれる支援者識別子から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第5メッセージ選択画面の表示データを通信部41からネットワークNを介して送信する(ステップS2006)。
【0227】
制御部43は、その日の治療メニュ及び生活習慣のいずれもの達成度が「達成」である場合(ステップS2004;Yes)、メッセージDB422から検出した複数種類のメッセージから、治療活動を十分やっている患者を賞賛するためのメッセージを選択するための第6メッセージ選択画面の表示データを生成する(ステップS2007)。
【0228】
そして、制御部43は、支援者情報に含まれる支援者識別子から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第6メッセージ選択画面の表示データを通信部41からネットワークNを介して送信する(ステップS2008)。
【0229】
支援者端末3-nの制御部34は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第5又は第6メッセージ選択画面の表示データを通信部32で受信したことに応答して(図21に示すステップS2009)、表示データに基づいて、第5又は第6メッセージ選択画面をタッチパネル32に表示する(ステップS2010)。
【0230】
そして、制御部34は、支援者が第5又は第6メッセージ選択画面においてメッセージをタップして選択したことに応答して(ステップS2011;Yes)、支援者が選択したメッセージと、その支援者を特定可能な支援者識別子と、を含む第5又は第6メッセージ選択指令を通信部32からネットワークNを介して送信する(ステップS2012)。
【0231】
サーバ装置4の制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される第5又は第6メッセージ選択指令を通信部41で受信したことに応答して(ステップS2013)、第5又は第6メッセージ選択指令に含まれる支援者識別子に対応する支援者情報から特定される支援者の表示名と、第5又は第6メッセージ選択指令に含まれるメッセージと、を含む第5又は第6メッセージ表示指令を通信部41からネットワークNを介して患者端末2に送信する(図22に示すステップS2014)。
【0232】
患者端末2の制御部24は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第5又は第6メッセージ表示指令を通信部23で受信したことに応答して(ステップS2015)、第5又は第6メッセージ表示指令から特定される支援者の表示名と、その支援者が選択したメッセージと、をタッチパネル22に表示してから(ステップS2016)、治療活動判別処理を終了する。
【0233】
また、患者が患者端末2のタッチパネル22において治療活動に関するアンケートへの回答内容を入力したことに応答して、治療支援システム1は、第2離脱兆候判別処理を開始する。
【0234】
図23図25は、第2離脱兆候判別処理の詳細を示すフローチャートである。
【0235】
図23図25に示す第2離脱兆候判別処理において、患者端末2の制御部24は、患者識別子及び治療活動に関するアンケートへの回答内容等を含む回答内容通知を通信部23からネットワークNを介してサーバ装置4に送信する(図23に示すステップS2301)。
【0236】
サーバ装置4の制御部43は、患者端末2からネットワークNを介して送信される回答内容通知を通信部41で受信したことに応答して(ステップS2302)、回答内容通知に含まれる治療活動に関するアンケートへの回答内容に「不満がある」、「飽きてきた」、及び「意欲が下がってきた」等といったネガティブな回答があるか否かをチェックすることにより、患者に離脱兆候が認められるか否かを判別する(ステップS2303)。
【0237】
制御部43は、ネガティブな回答が一つもなく、患者に離脱兆候が認められないと判別した場合(ステップS2303;No)、そのまま第2離脱兆候判別処理を終了する。
【0238】
制御部43は、ネガティブな回答が一つでもあり、患者に離脱兆候が認められると判別した場合(ステップS2303;Yes)、回答内容通知に含まれる患者識別子に対応する患者情報及び支援者情報を患者DB421から読み出す(ステップS2304)。
【0239】
制御部43は、患者DB421から読み出した患者情報に含まれる患者の特性に対応するメッセージをメッセージDB422から複数種類検出する(ステップS2305)。
【0240】
続いて、制御部43は、メッセージDB422から検出した複数種類のメッセージから、離脱兆候が認められる患者を励ましたり、慰めたりするためのメッセージを選択するための第2メッセージ選択画面の表示データを生成する(ステップS2306)。
【0241】
そして、制御部43は、支援者情報に含まれる支援者識別子から特定される支援者が所持する支援者端末3-nに、第2メッセージ選択画面の表示データを通信部41からネットワークNを介して送信する(ステップS2307)。
【0242】
支援者端末3-nの制御部34は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第2メッセージ選択画面の表示データを通信部32で受信したことに応答して(図24に示すステップS2308)、表示データに基づいて、第2メッセージ選択画面をタッチパネル32に表示する(ステップS2309)。
【0243】
そして、制御部34は、支援者が第2メッセージ選択画面においてメッセージをタップして選択したことに応答して(ステップS2310;Yes)、支援者が選択したメッセージと、その支援者を特定可能な支援者識別子と、を含む第2メッセージ選択指令を通信部32からネットワークNを介して送信する(ステップS2311)。
【0244】
サーバ装置4の制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される第2メッセージ選択指令を通信部41で受信したことに応答して(ステップS2312)、第2メッセージ選択指令に含まれる支援者識別子に対応する支援者情報から特定される支援者の表示名と、第2メッセージ選択指令に含まれるメッセージと、を含む第2メッセージ表示指令を通信部41からネットワークNを介して患者端末2に送信する(図25に示すステップS2313)。
【0245】
患者端末2の制御部24は、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される第2メッセージ表示指令を通信部23で受信したことに応答して(ステップS2314)、第2メッセージ表示指令から特定される支援者の表示名と、その支援者が選択したメッセージと、をタッチパネル22に表示してから(ステップS2315)、第2離脱兆候判別処理を終了する。
【0246】
以上説明したように、本実施形態に係る治療支援システム1は、患者が治療のためのトレーニングに用いる患者端末2と、患者の支援者の支援者端末3-nと、これらとネットワークNを介して接続され、患者DB421とメッセージDB422とを備えるサーバ装置4と、を具備する。患者DB421は、患者毎に、患者の特性と、患者の支援者の支援者端末3-nを特定可能な支援者情報と、を対応付けて登録する。メッセージDB422は、患者の特性に対応付けて、患者の治療に効果的なメッセージを登録する。
【0247】
サーバ装置4の制御部(サーバ制御部)43は、所定の条件が成立した場合、メッセージDB422に登録されているメッセージを選択可能に表示するための表示データを、ネットワークNを介して支援者端末3-nに送信する。
【0248】
支援者端末3-nは、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される表示データを受信したことに応答して、表示データに基づき、患者の治療に効果的なメッセージを選択可能に表示する表示部32を備える。支援者端末3-nの制御部(端末制御部)34は、表示部32に表示されるメッセージの中から、支援者が選択したメッセージを示すメッセージ選択指令を、ネットワークNを介してサーバ装置4に送信する。
【0249】
サーバ装置4の制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信されるメッセージ選択指令を受信したことに応答して、メッセージ選択指令から特定されるメッセージを、支援者からのメッセージとして、ネットワークNを介して患者端末2に表示する。
【0250】
例えば、制御部43は、患者端末2の使用履歴(使用ログ通知)をネットワークNを介して受信したことに応答して、患者端末2の使用履歴、より詳しくは治療プログラムの使用時間及び起動回数等の使用ログから、患者にトレーニングからの離脱兆候が認められるか否かを判別する。そして、制御部43は、患者に離脱兆候が認められると判別した場合、所定の条件が成立したとして、メッセージDB422に登録されているメッセージを、ネットワークNを介して支援者端末3-nに選択可能に表示する。
【0251】
より具体的には、制御部43は、患者端末2の使用履歴から、患者端末2にインストールされている患者を治療するための治療プログラムの使用頻度を特定する。そして、制御部43は、治療プログラムの使用頻度が予め定められた基準を満たしていない場合、患者にトレーニングからの離脱兆候が認められると判別する。
【0252】
一方、制御部43は、治療プログラムの使用頻度が予め定められた基準を満たしている場合、患者端末2の使用履歴から、患者の治療メニュの達成度を特定する。そして、制御部43は、治療プログラムの使用頻度が予め定められた基準を満たしている場合であっても、治療メニュの達成度が予め定められた基準を満たしていないときには、患者にトレーニングからの離脱兆候が認められると判別する。
【0253】
また、制御部43は、患者が患者端末2へ入力した生活習慣に関するアンケートに対する回答を、ネットワークNを介して受信したことに応答して、患者に離脱兆候が認められないと判別した場合、生活習慣に関するアンケートに対する回答から、患者に生活習慣の乱れが認められるか否かを判別する。そして、制御部43は、患者に生活習慣の乱れが認められると判別した場合、所定の条件が成立したとして、メッセージDB422に登録されているメッセージを、ネットワークNを介して支援者端末3-nに選択可能に表示する。
【0254】
さらに、制御部43は、患者が患者端末2へ入力した患者の気分に関するアンケートに対する回答を、ネットワークNを介して受信したことに応答して、患者の気分に関するアンケートに対する回答から、患者の視点から患者にメンタルの状態の悪化が認められるか否かを判別する。そして、制御部43は、患者の視点から患者にメンタルの状態の悪化が認められると判別した場合、所定の条件が成立したとして、メッセージDB422に登録されているメッセージを、ネットワークNを介して支援者端末3-nに選択可能に表示する。
【0255】
また、制御部43は、支援者が支援者端末3-nへ入力した患者の気分に関するアンケートに対する回答を、ネットワークNを介して受信したことに応答して、患者の気分に関するアンケートに対する回答から、支援者の視点から患者にメンタルの状態の悪化が認められるか否かを判別する。そして、制御部43は、患者及び支援者のいずれかの視点から患者にメンタルの状態の悪化が認められると判別した場合、所定の条件が成立したとして、メッセージDB422に登録されているメッセージを、ネットワークNを介して支援者端末3-nに選択可能に表示する。
【0256】
さらに、制御部43は、患者端末2の使用履歴と、患者が患者端末2へ入力した生活習慣に関するアンケートに対する回答と、をネットワークNを介して受信したことに応答して、患者端末2の使用履歴から患者の治療メニュの達成度を特定するとともに、生活習慣に関するアンケートに対する回答から、患者の生活習慣の達成度を特定する。そして、制御部43は、治療メニュと生活習慣とのいずれも予め定められた基準を満たしている場合、メッセージDB422に登録されているメッセージのうち、患者を賞賛するメッセージを、ネットワークNを介して支援者端末3-nに選択可能に表示し、治療メニュと生活習慣とのいずれかが予め定められた基準を満たしていない場合、メッセージDB422に登録されているメッセージのうち、患者を応援するメッセージを、ネットワークNを介して支援者端末3-nに選択可能に表示する。
【0257】
また、制御部43は、患者が患者端末2へ入力した治療活動に関するアンケートに対する回答を、ネットワークNを介して受信したことに応答して、治療活動に関するアンケートに対する回答から、患者にトレーニングからの離脱兆候が認められるか否かを判別する。そして、制御部43は、患者に離脱兆候が認められると判別した場合、所定の条件が成立したとして、メッセージDB422に登録されているメッセージを、ネットワークNを介して支援者端末3-nに選択可能に表示する。
【0258】
このように、本実施形態では、MCIの患者の治療に関し相応の知識する専門家による監修の下、MCIの患者の治療に効果的なメッセージのみをメッセージDB422に予め用意しておき、支援者は、離脱兆候、メンタルの状態の悪化、及び生活習慣の乱れが認められる患者や、治療活動をもうひと頑張りの状況である患者を応援したり、励ましたり、慰めたりするメッセージ、治療活動を十分にやっている患者を賞賛するメッセージを、メッセージDB422から選択することで、自律的かつ安全に対話して患者を効果的に支援することができる。これにより、MCIの患者の症状の悪化を防止することができる。また、早い段階でMCIの患者の症状を見出し、対処できるようになる。さらに、患者本人以外の支援者(家族等)のストレスを軽減する等といった「心理的支援」をすることで、支援者の心身の健康度を向上させる。また結果的に患者本人の治療効果の向上にも貢献することができる。
【0259】
本実施形態に係る治療支援システム1によれば、治療者と患者とは通常の治療関係とする一方で、患者と家族や支援者等の第三者とを情報通信技術(Information and Communication Technology:ICT)で繋ぐことで、症状の悪化改善、治療効果の増強、アドヒアランス向上、治療継続性向上、患者及び家族や支援者等の第三者のQOL(Quality Of Life)の向上、不安軽減、疾病に関する教育による学習効果等といった効果を、MCIに限定されず、あらゆる疾患に対して期待できる。
【0260】
また、サーバ装置4の制御部(サーバ制御部)43は、患者端末2からネットワークNを介して送信される第1プレイ開始通知により、患者のトレーニング(ゲームのプレイ)の開始が通知されたことに応答して、その患者の特性及び支援者情報を患者DB421から読み出す。そして、制御部43は、第2プレイ開始通知をネットワークNを介して、患者DB421から読み出した支援者情報から特定される支援者端末3-nに送信することにより、患者のトレーニングの開始を、その患者の支援者の支援者端末3-nにさらに通知する。支援者端末3-nは、患者のトレーニングの開始が通知された後、支援者が患者のトレーニングの支援(ゲームをプレイ中の患者の応援)への参加を指示したことに応答して、応援参加要求をネットワークNを介してサーバ装置4に送信する。
【0261】
その後、制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信される応援参加要求により、患者のトレーニングの支援への参加が指示されたことに応答して、患者DB421から読み出した患者の特性に対応するメッセージをメッセージDB422から検出する。そして、制御部43は、メッセージDB422から検出したメッセージを選択可能に表示するための表示データを、患者DB421から読み出した支援者情報から特定される支援者端末3-nに送信することにより、患者の治療に効果的なメッセージを、患者のトレーニングの支援への参加を指示した支援者端末3-nに選択可能に表示する。
【0262】
支援者端末3-nは、サーバ装置4からネットワークNを介して送信される表示データを受信したことに応答して、表示データに基づき、患者の特性に対応し、且つ患者の治療に効果的なメッセージを選択可能に表示部32に表示する。また、表示部32は、患者のトレーニングの状況を表示する。そして、支援者端末3-nの制御部(端末制御部)34は、表示部32にされるメッセージの中から、支援者が選択したメッセージを示すメッセージ選択指令を、ネットワークNを介してサーバ装置4に送信する。
【0263】
サーバ装置4の制御部43は、支援者端末3-nからネットワークNを介して送信されるメッセージ選択指令を受信したことに応答して、メッセージ選択指令から特定されるメッセージを、支援者からのメッセージとして、ネットワークNを介して患者端末2に表示する。
【0264】
このように、本実施形態では、MCIの患者の治療に関し相応の知識する専門家による監修の下、MCIの患者の治療に効果的なメッセージのみをメッセージDB422に予め用意しておき、支援者は、ゲームをプレイ中の患者を応援するメッセージを、メッセージDB422から選択することで、自律的かつ安全に対話して患者を効果的に支援することができる。これにより、MCIの患者の症状の悪化を防止することができる。また、早い段階でMCIの患者の症状を見出し、対処できるようになる。さらに、患者本人以外の支援者(家族等)のストレスを軽減する等といった「心理的支援」をすることで、支援者の心身の健康度を向上させる。また結果的に患者本人の治療効果の向上にも貢献することができる。
【0265】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施形態の変形態様について、説明する。
【0266】
上記の実施形態では、治療対象として、MCIを例に説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、治療対象は、患者が患者端末2を用いて治療のためのトレーニングを行えるものであれば任意であり、認知症や、発達障害、ギャンブル依存症等であってもよい。あるいは、高血圧や、慢性疼痛、がん等の内科系の疾患等であってもよい。
【0267】
上記の実施形態において、制御部24、34、及び43のCPUが実行するプログラムは、予めROM、並びに記憶部21、31、及び42等に記憶されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上述の処理を実行させるためのプログラムを、既存の汎用コンピュータに適用することで、上記の実施形態に係る患者端末2、支援者端末3-n、及びサーバ装置4として機能させてもよい。
【0268】
このようなプログラムの提供方法は任意であり、例えばコンピュータが読取可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM等)に格納して配布してもよいし、インターネット等のネットワーク上のストレージにプログラムを格納しておき、これをダウンロードさせることにより提供してもよい。
【0269】
さらに、上記の処理をOS(Operating System)とアプリケーションプログラムとの分担、又はOSとアプリケーションプログラムとの協働によって実行する場合には、アプリケーションプログラムのみを記録媒体やストレージに格納してもよい。また、搬送波にプログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)に上記プログラムを掲示し、ネットワークを介してプログラムを配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0270】
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明の一実施例を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0271】
1 治療支援システム
2 患者端末
3-n 支援者端末
4 サーバ装置
21,31,42 記憶部
22,32 タッチパネル
23,33,41 通信部
24,34,43 制御部
300 プレイ画面
421 患者DB
422 メッセージDB
423 使用ログDB
424 メンタルログDB
500 メッセージ選択画面
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