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特許7249721容器搬送装置およびそれを用いた容器処理機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】容器搬送装置およびそれを用いた容器処理機構
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/14 20060101AFI20230324BHJP
   B65G 15/12 20060101ALI20230324BHJP
   B65B 43/44 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
B65G21/14 E
B65G15/12
B65B43/44
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018208622
(22)【出願日】2018-11-06
(65)【公開番号】P2020075775
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】591094262
【氏名又は名称】鈴茂器工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101971
【弁理士】
【氏名又は名称】大畑 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】小根田 育冶
(72)【発明者】
【氏名】小池 真二
(72)【発明者】
【氏名】杉▲崎▼ 健
(72)【発明者】
【氏名】中沢 和樹
(72)【発明者】
【氏名】安田 篤文
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-226004(JP,A)
【文献】特開昭52-127814(JP,A)
【文献】特開昭57-019209(JP,A)
【文献】特開2001-106323(JP,A)
【文献】登録実用新案第3205959(JP,U)
【文献】特開昭62-287833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 21/14
B65G 15/12
B65B 43/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ローラおよび従動ローラをそれぞれ備えて容器の搬送方向上流側から下流側に沿って配置された一対の第1のユニット部および一対の第2のユニット部からなり、相互に接近離間可能に設けられた一対のローラユニットと、
前記第1のユニット部の前記駆動ローラと前記従動ローラとに掛け渡されて相互に対向配置された一対の第1のベルト、および前記第2のユニット部の前記駆動ローラと前記従動ローラとに掛け渡されて相互に対向配置された一対の第2のベルトからなり、容器に形成されたフランジの下面で当該容器を支持しながら搬送する一対の無端状の容器搬送ベルトと、
一対の前記第2のベルトの上方に設置され、一対の当該第2のベルトに支持された容器に内容物を投入する投入装置と、
を有し、
前記第1のベルトの表面は前記第1のユニット部の前記駆動ローラおよび前記従動ローラの外径よりも径方向の外側に位置するとともに、前記第2のベルトの表面は前記第2のユニット部における容器の搬送方向上流側に配置された前記駆動ローラまたは前記従動ローラの外径よりも径方向の外側に位置しており、
前記第1のユニット部には、前記第1のベルトに張力を付与しつつ当該第1のベルトの蛇行を防止するフランジの形成されたテンションローラが設置され、
一対の前記第2のユニット部は、一対の前記第2のベルトで容器を支持する第1の位置と、前記第1の位置よりも相互に間隔が広がって一対の前記第2のベルトによる支持を解除する第2の位置とに相互に平行に移動可能とされ、
前記第2のユニット部における容器の搬送方向下流側に配置された前記駆動ローラまたは前記従動ローラは、前記第2のベルトが嵌まり込む溝が形成されるとともに当該第2のベルトに張力を付与するテンションローラであり、
前記第2のユニット部の前記駆動ローラと前記従動ローラとの間には、第2のベルトの側面を規制する規制部材が配置され、
一対の前記第2のベルトによる容器の搬送が停止したときに前記投入装置により内容物が容器に投入され、前記第2のユニット部が前記第1の位置から前記第2の位置へ移動して当該容器を落下させる、
ことを特徴とする容器搬送装置。
【請求項2】
前記投入装置は、内容物である米飯を容器に投入する、
ことを特徴とする請求項1記載の容器搬送装置。
【請求項3】
一対の前記第2のベルトの下方には、一対の当該第2のベルトから落下した容器を受領してこれを次工程へ搬出する搬出コンベアが設置されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の容器搬送装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の容器搬送装置と、
前記容器搬送装置に容器を供給する容器供給装置と、
を有することを特徴とする容器処理機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器搬送装置およびそれを用いた容器処理機構に関し、特に、複数の形状の容器を搬送する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品工場や店舗などにおいて弁当に使用される容器は、容器供給装置から供給されて容器搬送装置で搬送しながら米飯やおかずの盛り付けを行っている。そして、弁当の種類等に応じて容器には複数の形状があるために、容器搬送装置ではこのような様々な形状の容器を安定的に搬送することができる汎用性が求められる。
【0003】
ここで、複数の形状の容器を搬送する容器搬送装置の構造としては、例えば次の3通りが考えられる。第1の構造は、搬送する最大幅の容器に対応した幅の広い搬送ベルトを用いた構造である。第2の構造は、丸ベルト(径方向断面が円形になったベルト)のような幅の狭いベルトを間隔を空けて複数本配置した構造である。第3の構造は、搬送路として平板を用い、容器をプッシャで押して平板の上を滑らせるようにした構造である。
【0004】
なお、容器搬送装置については、例えば、特許文献1(特開2016-216160号公報)、特許文献2(特開2015-221679号公報)などに記載の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-216160号公報
【文献】特開2015-221679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した第1の構造では、装置の構造的に、最大幅の容器に対応した幅広の搬送ベルトを配置できない場合がある。また、容器の底面形状によっては、搬送途中において搬送ベルトから次の搬送ベルトに乗り移る際に、ベルトの途切れた場所で容器がバランスを崩して転倒する場合がある。
【0007】
第2の構造では、容器の底面形状に合わせて複数本のベルトの間隔を変える必要があり、そのための新たな作業工程が発生してしまう。
【0008】
第3の構造では、装置の構造的にプッシャを配置できない場合がある。また、容器の形状に沿った形状のプッシャに取り替える必要があり、やはり、そのための新たな作業工程が発生してしまう。
【0009】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、複数の形状の容器を安定的且つ簡便に搬送することのできる容器搬送装置およびそれを用いた容器処理機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の容器搬送装置は、駆動ローラおよび従動ローラをそれぞれ備えて容器の搬送方向上流側から下流側に沿って配置された一対の第1のユニット部および一対の第2のユニット部からなり、相互に接近離間可能に設けられた一対のローラユニットと、前記第1のユニット部の前記駆動ローラと前記従動ローラとに掛け渡されて相互に対向配置された一対の第1のベルト、および前記第2のユニット部の前記駆動ローラと前記従動ローラとに掛け渡されて相互に対向配置された一対の第2のベルトからなり、容器に形成されたフランジの下面で当該容器を支持しながら搬送する一対の無端状の容器搬送ベルトと、一対の前記第2のベルトの上方に設置され、一対の当該第2のベルトに支持された容器に内容物を投入する投入装置と、を有し、前記第1のベルトの表面は前記第1のユニット部の前記駆動ローラおよび前記従動ローラの外径よりも径方向の外側に位置するとともに、前記第2のベルトの表面は前記第2のユニット部における容器の搬送方向上流側に配置された前記駆動ローラまたは前記従動ローラの外径よりも径方向の外側に位置しており、前記第1のユニット部には、前記第1のベルトに張力を付与しつつ当該第1のベルトの蛇行を防止するフランジの形成されたテンションローラが設置され、一対の前記第2のユニット部は、一対の前記第2のベルトで容器を支持する第1の位置と、前記第1の位置よりも相互に間隔が広がって一対の前記第2のベルトによる支持を解除する第2の位置とに相互に平行に移動可能とされ、前記第2のユニット部における容器の搬送方向下流側に配置された前記駆動ローラまたは前記従動ローラは、前記第2のベルトが嵌まり込む溝が形成されるとともに当該第2のベルトに張力を付与するテンションローラであり、前記第2のユニット部の前記駆動ローラと前記従動ローラとの間には、第2のベルトの側面を規制する規制部材が配置され、一対の前記第2のベルトによる容器の搬送が停止したときに前記投入装置により内容物が容器に投入され、前記第2のユニット部が前記第1の位置から前記第2の位置へ移動して当該容器を落下させる、ことを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の本発明の容器搬送装置は、上記請求項1記載の発明において、前記投入装置は、内容物である米飯を容器に投入する、ことを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の本発明の容器搬送装置は、上記請求項1または2記載の発明において、一対の前記第2のベルトの下方には、一対の当該第2のベルトから落下した容器を受領してこれを次工程へ搬出する搬出コンベアが設置されている、ことを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するため、請求項4に記載の本発明の容器処理装置は、請求項1~3の何れか一項に記載の容器搬送装置と、前記容器搬送装置に容器を供給する容器供給装置と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、一対のローラユニットを互いに接近離間移動させて一対の容器搬送ベルトの間隔を調整し、搬送対象となる容器のフランジが両方の容器搬送ベルトに載るようにすることで、複数の形状の容器を搬送することが可能になる。
【0020】
また、容器のフランジを容器搬送ベルトに支持して搬送するようにしているので、容器の底面形状に起因する搬送トラブルが発生したり、容器の底面形状に合わせて搬送ベルトの位置を調整したりする必要などがなくなり、容器を安定的且つ簡便に搬送することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施の形態である容器搬送装置を備えた容器処理機構について一部の外装パネルを外して示す斜視図である。
図2図1の正面図である。
図3図1の容器処理機構の制御系を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施の形態である容器搬送装置の要部を示す斜視図である。
図5図4の容器搬送装置を構成する一対の取付ブロックの間隔が最大になった状態を示す斜視図である。
図6図4の容器搬送装置を構成する一対の取付ブロックの間隔が最小になった状態を示す斜視図である。
図7】本発明の一実施の形態である容器搬送装置を側面から示す説明図である。
図8図7の容器搬送装置を平面から示す説明図である。
図9】本発明の一実施の形態である容器搬送装置の一対の第2のユニット部が第1の位置にある状態を示す斜視図である。
図10】本発明の一実施の形態である容器搬送装置の一対の第2のユニット部が第2の位置にある状態を示す斜視図である。
図11】本発明の一実施の形態である容器搬送装置における容器の搬送動作の一部を示す斜視図である。
図12】本発明の一実施の形態である容器搬送装置における図11に続く容器の搬送動作を示す斜視図である。
図13】本発明の一実施の形態である容器搬送装置における図12に続く容器の搬送動作を示す斜視図である。
図14】本発明の一実施の形態である容器搬送装置における図13に続く容器の搬送動作を示す斜視図である。
図15】本発明の一実施の形態である容器搬送装置における図14に続く容器の搬送動作を示す斜視図である。
図16】本発明の一実施の形態である容器搬送装置における図15に続く容器の搬送動作を示す斜視図である。
図17】本発明の一実施の形態である容器搬送装置における図16に続く容器の搬送動作を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0023】
図1は本発明の一実施の形態である容器搬送装置を備えた容器処理機構について一部の外装パネルを外して示す斜視図、図2図1の正面図、図3図1の容器処理機構の制御系を示すブロック図、図4は本発明の一実施の形態である容器搬送装置の要部を示す斜視図、図5図4の容器搬送装置を構成する一対の取付ブロックの間隔が最大になった状態を示す斜視図、図6図4の容器搬送装置を構成する一対の取付ブロックの間隔が最小になった状態を示す斜視図、図7は本発明の一実施の形態である容器搬送装置を側面から示す説明図、図8図7の容器搬送装置を平面から示す説明図、図9は本発明の一実施の形態である容器搬送装置の一対の第2のユニット部が第1の位置にある状態を示す斜視図、図10は本発明の一実施の形態である容器搬送装置の一対の第2のユニット部が第2の位置にある状態を示す斜視図である。
【0024】
図1および図2において、本実施の形態の容器処理機構は、内容物としての米飯R(図7図8)が投入される容器t(図7図8図11図17)を供給する容器供給装置M1と、容器供給装置M1から供給された容器tを搬送しながら当該容器tに米飯Rを投入して次工程(例えば、おかずの盛り付け工程)へ搬出する容器搬送装置M2とを備えている。さらに、容器処理機構の動作設定を行うための入力部1が設けられている。
【0025】
図3に示すように、本実施の形態の容器処理機構は、装置の動作全体を司る制御部Cを有している。この制御部Cには、作業者が動作設定を行う入力部1からの信号が入力されるようになっている。そして、入力部1からの信号に基づいて、容器供給装置M1や容器搬送装置M2などの動作が制御される。
【0026】
なお、容器処理機構には、容器搬送装置M2に搬送される容器tに対して米飯Rを供給する米飯供給装置(図示せず)が接続される。
【0027】
米飯Rの投入される容器tは、図8図11図17などに示すように、例えば平面視で四角形のトレイ状になっており、熱可塑性樹脂シートを真空成形して作成されている。この容器tは仕切壁によって複数の領域に区画された弁当容器であり、一つの領域が、米飯Rの盛り付けられる米飯盛付領域taとなっており、他の領域が、おかずの盛り付けられるおかず盛付領域tbとなっている。そして、容器tの周縁には、外側に出っ張ったフランジtfが全周に渡って形成されている。
【0028】
なお、本実施の形態の容器処理機構で取り扱われる容器tは、相互に対向する位置にフランジtfが形成されていれば足りる。つまり、フランジtfは容器tの全周に形成されている必要はない。また、容器tは四角形のトレイ状に限定されるものではなく、丼状容器やカレー容器など、様々な容器を適用することができる。
【0029】
容器tを供給する容器供給装置M1は、積層された複数の容器tで構成される容器積層体(図示せず)を収容するタワー型の容器収容部10(図1)を備えている。容器積層体は板バネなどによって下から支持されており、最下部に位置する容器tが下方へ引き抜かれて容器供給コンベア10a(図7図8図11図17)に載せられ、次工程である容器搬送装置M2へと送られるようになっている。
【0030】
図4において、容器供給装置M1から供給された容器tを搬送する容器搬送装置M2は、一対の取付ブロック21a,21bを備えている。また、取付ブロック21a,21bには、下部ブロック21aa,21baが備えられている。この下部ブロック21aa,21baには、相互に平行に配置された2本の支持ロッド22a,22bが、後述する容器tの搬送方向と直交する方向に貫通している。そして、下部ブロック21aa,21baは、当該支持ロッド22a,22bに対して摺動可能になっている。
【0031】
さらに、下部ブロック21aa側は、正ねじのねじ溝が形成されたねじ軸23aと螺合している。また、下部ブロック21ba側は、正ねじのねじ溝が形成されるとともに、図示しない反転用ギアを介して下部ブロック21aa側のねじ軸23aとは逆回転する他のねじ軸23aと螺合している。また、下部ブロック21aa側のねじ軸23aは、ギア列23bを介してサーボモータ23cにより回転するようになっている。
【0032】
なお、反転用ギアを用いることなく、下部ブロック21aa側には正ねじのねじ溝を形成し、下部ブロック21ba側には逆ねじのねじ溝を形成した1本のねじ軸と螺合するようにしてもよい。
【0033】
したがって、サーボモータ23cによりねじ軸23aが回転すると、一対の取付ブロック21a,21bは、2本の支持ロッド22a,22bに支持された状態で相互に接近離間する方向に直線的に移動し、図5に示す最大間隔と図6に示す最小間隔との間で移動する。そして、サーボモータ23cの回転角度を制御することにより、取付ブロック21aと取付ブロック21bとを任意の間隔に調整することができる。
【0034】
なお、本願では、取付ブロック21aと取付ブロック21bとが相互に接近離間可能になっていれば足り、それを実現する機構自体は、本実施の形態に示すものには限定されない。また、ねじ軸23aを回転させるのはサーボモータ23cではなくても、回転角度を制御可能な他のモータでもよい。さらに、モータを用いることなく、作業者が直接ねじ軸23aを回転させて手動で調整するようにしてもよい。
【0035】
さて、図4図7および図8に示すように、これら一対の取付ブロック21a,21bには、駆動ローラS1および従動ローラS2からなる一対のローラユニット24a,24bが設けられている。本実施の形態において、一対のローラユニット24a,24bは、容器tの搬送方向上流側から下流側に沿って配置された一対の第1のユニット部24a-1,24b-1および一対の第2のユニット部24a-2,24b-2で構成されている。なお、第1のユニット部24a-1,24b-1は、取付ブロック21a,21bを構成する第1のブロック21a-1,21b-1にそれぞれ設けられている。また、第2のユニット部24a-2,24b-2は、取付ブロック21a,21bを構成する第2のブロック21a-2,21b-2にそれぞれ設けられている。
【0036】
一対のローラユニット24a,24bには、駆動ローラS1と従動ローラS2とに掛け渡されて周回する一対の無端状の容器搬送ベルト25a,25bが、相互に対向配置されている。したがって、容器tのフランジtfを容器搬送ベルト25aと容器搬送ベルト25bとに載せて跨がるようにすれば、当該容器tは、容器搬送ベルト25a,25bによりフランジtfの下面が支持された状態で搬送される。
【0037】
そして、取付ブロック21aと取付ブロック21bとは相互に接近離間可能になっているので、それに伴って容器搬送ベルト25aと容器搬送ベルト25bとの間隔を自由に設定することができる。したがって、容器tの幅に応じて容器搬送ベルト25aと容器搬送ベルト25bとの間隔を調整して容器tのフランジtfが両方の容器搬送ベルト25a,25bに載るようにすることで、複数の形状の容器tの搬送が可能となっている。
【0038】
前述のように、本実施の形態では、一対のローラユニット24a,24bは一対の第1のユニット部24a-1,24b-1および一対の第2のユニット部24a-2,24b-2で構成されていることから、一対の容器搬送ベルト25a,25bは、第1のユニット部24a-1,24b-1の駆動ローラS1と従動ローラS2とに掛け渡された一対の第1のベルト25a-1,25b-1、および第2のユニット部24a-2,24b-2の駆動ローラS1と従動ローラS2とに掛け渡された一対の第2のベルト25a-2,25b-2からなる。
【0039】
なお、一対のローラユニット24a,24bは、本実施の形態のように複数(ここでは、一対の第1のユニット部24a-1,24b-1および一対の第2のユニット部24a-2,24b-2)で構成されている必要はない。したがって、一対の容器搬送ベルト25a,25bも、本実施の形態のように複数(ここでは、一対の第1のベルト25a-1,25b-1および一対の第2のベルト25a-2,25b-2)で構成されている必要はない。
【0040】
図4に示すように、第1のユニット部24a-1,24b-1には、第1のベルト25a-1,25b-1に張力を付与するテンションローラS3が、駆動ローラS1の近傍および従動ローラS2の近傍に設けられている。このテンションローラS3の両側には、フランジSfが形成されている。したがって、第1のベルト25a-1,25b-1は、テンションローラS3により所定の張力が付与されるとともに、テンションローラS3のフランジSfにより幅方向が規制された状態で周回することにより、蛇行が防止される。
【0041】
そして、第1のユニット部24a-1,24b-1の駆動ローラS1および従動ローラS2にはフランジが形成されていないことから、これらのローラS1,S2の外径よりも径方向の外側に第1のベルト25a-1,25b-1の表面が位置することになる。
【0042】
また、第2のユニット部24a-2,24b-2において容器tの搬送方向下流側に位置する従動ローラS2は、図示しないバネ部材により駆動ローラS1と離間する方向に付勢されており、第2のベルト25a-2,25b-2に張力を付与するテンションローラとなっている。さらに、第2のユニット部24a-2,24b-2の従動ローラS2には、第2のベルト25a-2,25b-2が嵌まり込む溝が形成されている。そして、第2のユニット部24a-2,24b-2の駆動ローラS1と従動ローラS2との間には、これらのローラS1,S2に掛け渡された第2のベルト25a-2,25b-2の側面を規制する規制プレート(規制部材)rgが配置されている。したがって、第2のベルト25a-2,25b-2は、従動ローラS2により所定の張力が付与されるとともに、規制プレートrgにより幅方向が規制された状態で周回することにより、蛇行が防止される。
【0043】
なお、第2のユニット部24a-2,24b-2では、容器tの搬送方向上流側に位置する駆動ローラS1には、第2のベルト25a-2,25b-2が嵌まり込む溝が形成されていないことから、駆動ローラS1の外径よりも径方向の外側に第2のベルト25a-2,25b-2の表面が位置することになる。
【0044】
ここで、前述のように、第1のユニット部24a-1,24b-1の駆動ローラS1および従動ローラS2の外径よりも径方向の外側に第1のベルト25a-1,25b-1の表面が位置し、第2のユニット部24a-2,24b-2の駆動ローラS1の外径よりも径方向の外側に第2のベルト25a-2,25b-2の表面が位置している。これは、これらのローラS1,S2の外径の方が第1のベルト25a-1,25b-1、第2のベルト25a-2,25b-2の表面よりも外側になっていると、容器供給コンベア10aで送られてきた容器tを第1のベルト25a-1,25b-1に移載するとき、あるいは第1のベルト25a-1,25b-1で搬送された容器tを第2のベルト25a-2,25b-2に移載するときに、ローラS1,S2が容器tのフランジtfに接触してしまって容器tが脱落したり移載後の姿勢が変化してしまい、スムーズな移載ができなくなるからである。
【0045】
一方、後述するように、容器tは第2のユニット部24a-2,24b-2で米飯Rが投入された後に落下するために、当該第2のユニット部24a-2,24b-2の従動ローラS2は通過しない。したがって、第2のユニット部24a-2,24b-2の従動ローラS2には容器tを移載する際での前述の問題は発生しないため、第2のベルト25a-2,25b-2が嵌まり込む溝が形成されている。
【0046】
なお、本実施の形態では、容器tの搬送方向の上流側に駆動ローラS1が配置され、下流側に従動ローラS2が配置されているが、逆の配置になっていてもよい。そして、逆の配置になっている場合、第2のユニット部24a-2,24b-2では、駆動ローラS1がテンションローラとなり、第2のベルト25a-2,25b-2が嵌まり込む溝が形成されることになる。
【0047】
なお、第1のベルト25a-1,25b-1や第2のベルト25a-2,25b-2にテンションをかける機構は必須ではない。しかしながら、これらのベルトが安定して周回して容器tを搬送できるようにするためには、本実施の形態のように、テンション付与機構が備えられているのが望ましい。
【0048】
さて、図1および図2において、容器搬送装置M2には、図示しない米飯供給装置からの米飯Rを搬送する米飯搬送コンベア26が設けられている。また、米飯搬送コンベア26の搬送方向下流には、移載板27により当該米飯搬送コンベア26から移載された米飯Rを容器tに落下投入するための投入板(投入装置)28が設置されている。図7に示すように、この投入板28は、前述した一対の第2のベルト25a-2,25b-2の上方に位置しており、水平状態で閉鎖位置となり、両端を軸に下方に回動して投入位置となる相互に対向配置された2枚のプレートで形成されている。
【0049】
そして、投入板28を閉鎖位置にしておいてその上に米飯Rを載置しておき、容器tが投入板28の直下に至ったときに第2のベルト25a-2,25b-2による搬送を停止させ、投入板28を下方に回動させて閉鎖位置から開放位置に移動させることにより、投入板28上の米飯Rが容器tの米飯盛付領域taへ自重により落下投入される。
【0050】
さて、米飯Rが投入された容器tを、作業者が取り上げて次工程へ運ぶようにすることもできるが、本実施の形態では、次工程へ向けて搬出する機構が設けられている。以下、当該機構について説明する。
【0051】
第2のユニット部24a-2,24b-2が設けられた前述の第2のブロック21a-2,21b-2は、例えばシリンダ(図示せず)のチューブから出没するピストンにより、第1のブロック21a-1,21b-1および下部ブロック21aa,21baから独立して、図9に示す間隔W1となる第1の位置と、図10に示す間隔W2(間隔W1よりも広い間隔)となる第2の位置とに移動可能となっている。そして、第1の位置が、一対の第2のベルト25a-2,25b-2により容器tを支持する位置であり、第2の位置が、第1の位置よりも相互に間隔が広がって一対の第2のベルト25a-2,25b-2による容器tの支持が解除される位置である。
【0052】
したがって、投入板28により容器tに米飯Rが投入されたならば、一対の第2のブロック21a-2,21b-2により一対の第2のユニット部24a-2,24b-2が第1の位置から第2の位置へと移動することにより、一対の第2のベルト25a-2,25b-2で支持されていた容器tが落下する。
【0053】
一対の第2のベルト25a-2,25b-2の下方には、このようにして落下した容器tを受領してこれを次工程へ搬出する搬出コンベア29が設置されている、
【0054】
図1および図2において、容器搬送装置M2で米飯Rの投入された容器tを次工程へ搬送する搬出コンベア29は、第2のベルト25a-2,25b-2から落下した容器tの下方に位置する第1のコンベア29aと、第1のコンベア29aと連続的に設けられた第2のコンベア29bとからなる。そして、第2のベルト25a-2,25b-2から落下した容器tは、第1のコンベア29aから第2のコンベア29bへと搬送されて次工程へと送られる。
【0055】
但し、搬出コンベア29は、本実施の形態のように2台のコンベア(第1のコンベア29aおよび第2のコンベア29b)で構成されている必要はなく、1台のみ、あるいは3台以上で構成されていてもよい。
【0056】
なお、第2のベルト25a-2,25b-2から第1のコンベア29aへの容器tの載せ替えは、本実施の形態のような落下による機構である必要はなく、たとえば、第2のベルト25a-2,25b-2と第1のコンベア29aとを搬送方向に沿って連続的に設けておき、第2のベルト25a-2,25b-2に搬送された容器tが自動的に第1のコンベア29aに乗り移るようにしてもよい。
【0057】
次に、このような構造を有する本実施の形態の容器搬送装置M2の動作について、図11図17を用いて説明する。なお、搬送動作は、前述した制御部Cによる制御下で実行される。ここで、図11図17は容器搬送装置M2による容器の搬送動作を連続的に示す斜視図である。
【0058】
ここで、容器tの搬送に際しては、取付ブロック21aと取付ブロック21bとを容器tに応じた間隔、つまり、搬送対象となる容器tのフランジtfが容器搬送ベルト25a(第1のベルト25a-1および第2のベルト25a-2)と容器搬送ベルト25b(第1のベルト25b-1および第2のベルト25b-2)とに跨がって載せることができる間隔に設定しておく。
【0059】
さて、容器供給装置M1から供給された容器tは、図示しない先行する容器tが第1のベルト25a-1,25b-1から第2のベルト25a-2,25b-2へ送られるまでの間、あるいは米飯Rが投入されて第2のベルト25a-2,25b-2から第1のコンベア29aに落下されるまでの間、図11に示すように、容器供給コンベア10a上で待機させる。
【0060】
待機後、搬送系の動作を開始することにより、容器tは、図12に示すように、容器供給コンベア10aから第1のベルト25a-1,25b-1へと送られ、続いて図13に示すように、第1のベルト25a-1,25b-1から第2のベルト25a-2,25b-2へ送られる。なお、このときの一対の第2のベルト25a-2,25b-2は、容器tを支持する間隔W1である第1の位置(図9参照)となっている。
【0061】
その後、図14に示すように、容器tが投入板28(図1図2図7)の直下に到達したならば、第2のベルト25a-2,25b-2による搬送を停止させる。そして、前述の図7に示すように、米飯Rの載置された投入板28を下方に回動させると、投入板28上の米飯Rが容器t(より詳しくは、容器tの米飯盛付領域ta)へ落下投入される。なお、図14図17においては、図示の煩雑さを回避するために、容器tに投入された米飯Rは省略されている。
【0062】
容器tに米飯Rが投入されたならば、図15に示すように、一対の第2のベルト25a-2,25b-2の間隔を、容器tの支持が解除される間隔W2である第2の位置(図10参照)に広げる。これにより、図16に示すように、米飯Rの盛り付けられた容器tは第2のベルト25a-2,25b-2から搬出コンベア29の第1のコンベア29a上に落下する。
【0063】
その後、容器tは、図17に示すように、第1のコンベア29aから第2のコンベア29bへと搬送されて次工程(例えば、おかず盛付工程)へと送られる。
【0064】
このように、本実施の形態の容器搬送装置M2では、駆動ローラS1および従動ローラS2を備えた一対のローラユニット24a,24bが相互に接近離間可能に設けられて、一対の無端状の容器搬送ベルト25a,25bが掛け渡されている。
【0065】
したがって、ローラユニット24aとローラユニット24bとを互いに接近離間移動させて容器搬送ベルト25aと容器搬送ベルト25bとの間隔を調整し、搬送対象となる容器tのフランジtfが両方の容器搬送ベルト25a,25bに載るようにすることで、複数の形状の容器tを搬送することが可能になる。
【0066】
また、容器tのフランジtfを容器搬送ベルト25a,25bに支持して搬送するようにしているので、容器tの底面形状に起因する搬送トラブル(搬送ベルトから搬送ベルトへの乗り移り時における転倒など)が発生したり、容器tの底面形状に合わせて搬送ベルトの位置を調整したりする必要などがなくなり、容器tを安定的且つ簡便に搬送することが可能になる。
【0067】
そして、ローラユニット24aとローラユニット24bとの間隔を調整して容器搬送ベルト25a,25bで容器tを搬送しているので、幅の広い搬送ベルトを設置したり容器tを押すプッシャを設置する場合のように、構造的な制約で設置できなくなるようなことがない。
【0068】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0069】
例えば、本実施の形態の容器搬送装置M2では、容器tに米飯Rを投入する装置である投入板28が設置されているが、単に容器tを搬送するようになっていれば足り、例えば容器tの搬送中に作業者が米飯Rを投入するようにしてもよい。
【0070】
また、米飯Rを容器tに落下投入するための投入板28は、本実施の形態では、両端を軸にして下方に回動すると投入位置となっているが、相互に離間する水平方向にスライドすると投入位置となっていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上の説明では、米飯が投入される容器が例示されているが、米飯などの食品が投入される容器には限定されず、様々な内容物を入れる容器に適用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 入力部
10 容器収容部
10a 容器供給コンベア
21a,21b 取付ブロック
21a-1,21b-1 第1のブロック
21a-2,21b-2 第2のブロック
21aa,21ba 下部ブロック
22a,22b 支持ロッド
23a ねじ軸
23b ギア列
23c サーボモータ
24a,24b ローラユニット
24a-1,24b-1 第1のユニット部
24a-2,24b-2 第2のユニット部
25a,25b 容器搬送ベルト
25a-1,25b-1 第1のベルト
25a-2,25b-2 第2のベルト
26 米飯搬送コンベア
27 移載板
28 投入板(投入装置)
29 搬出コンベア
29a 第1のコンベア
29b 第2のコンベア
C 制御部
M1 容器供給装置
M2 容器搬送装置
R 米飯(内容物)
S1 駆動ローラ
S2 従動ローラ
S3 テンションローラ
Sf フランジ
rg 規制プレート(規制部材)
t 容器
ta 米飯盛付領域
tb おかず盛付領域
tf フランジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17