(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】仕訳処理装置、警告処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20230324BHJP
【FI】
G06Q40/12 410
(21)【出願番号】P 2018220789
(22)【出願日】2018-11-27
【審査請求日】2021-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】322006076
【氏名又は名称】弥生株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 伸晃
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-116566(JP,A)
【文献】特開2003-323536(JP,A)
【文献】特開2016-021147(JP,A)
【文献】特開2003-331209(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
摘要情報を取得する摘要情報取得部と、
前記摘要情報に基づいて、前記摘要情報により示される取引が軽減税率の対象であるか否かを判定する対象判定部と、
前記対象判定部によって軽減税率の対象であると判定された場合に、前記摘要情報が示す取引の税区分を軽減税率として仕訳するための仕訳ルールを生成する仕訳ルール生成部と
を備える仕訳処理装置。
【請求項2】
前記対象判定部は、前記摘要情報に軽減税率を示す文字列が含まれる場合に、前記摘要情報により示される取引が軽減税率の対象であると判定する、請求項1に記載の仕訳処理装置。
【請求項3】
取引の内容を表す
取引文字列を含む取引情報を取得する取引情報取得部と、
前記取引情報が
、前記取引情報に含まれる前記取引文字列によって示される取引が、軽減税率の対象となる取引であるか否かを判定するための条件を満たす場合に、前記取引情報に対して前記軽減税率を示す文字列を付与した前記摘要情報を生成する摘要情報生成部と
を備え、
前記摘要情報取得部は、前記摘要情報生成部によって生成された前記摘要情報を取得する、請求項2に記載の仕訳処理装置。
【請求項4】
前記仕訳ルール生成部によって生成された前記仕訳ルールを用いて自動仕訳を実行し、勘定科目及び税区分を含む仕訳結果を出力する自動仕訳実行部と、
前記自動仕訳実行部によって出力された前記仕訳結果が修正されたことを検出する修正検出部と
を備え
前記仕訳ルール生成部は、修正前後の前記仕訳結果に基づいて、前記仕訳ルールを変更する、請求項1から3のいずれか一項に記載の仕訳処理装置。
【請求項5】
摘要情報、勘定科目及び税区分を含む取引レコードを格納する取引レコード格納部と、
前記取引レコードの変更履歴を管理する履歴管理部と、
変更前の前記取引レコード及び変更後の前記取引レコードに基づいて、前記取引レコード以外の取引レコードに対して警告を出力するか否かを判定するための警告条件を生成する警告条件生成部と
を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の仕訳処理装置。
【請求項6】
入力された取引レコードに対して警告を出力するか否かを前記警告条件に基づいて判定する警告判定部と、
前記警告判定部によって警告を出力すると判定された場合に、前記取引レコードに対する警告を出力するよう制御する警告出力制御部と
を備える、請求項5に記載の仕訳処理装置。
【請求項7】
前記取引レコード格納部に格納されている複数の前記取引レコードのそれぞれに対して、前記警告条件に基づいて、警告を出力するか否かを判定する警告判定部と、
前記複数の取引レコードのうち、前記警告判定部によって警告を出力すると判定された取引レコードに対する警告を出力するよう制御する警告出力制御部と
を備える、請求項5に記載の仕訳処理装置。
【請求項8】
前記警告出力制御部によって出力された警告に対する評価を取得する評価取得部と、
前記評価取得部が取得した前記評価に基づいて、前記警告条件を変更する警告条件変更部と
を備える、請求項6又は7に記載の仕訳処理装置。
【請求項9】
前記取引レコード格納部に格納されている複数の前記取引レコードのうち、前記摘要情報の類似度が予め定められた閾値より高い取引レコード同士をまとめたレコード群であって、少なくとも1つの取引レコードの税区分が他の取引レコードと異なるレコード群を特定するレコード群特定部と、
前記レコード群特定部によって特定された前記レコード群に含まれる複数の取引レコードの税区分を統一するか否かを判定する統一判定部と、
前記統一判定部によって統一すると判定された場合に、前記複数の取引レコードの税区分を統一する税区分統一部と
を備える、請求項5から8のいずれか一項に記載の仕訳処理装置。
【請求項10】
前記取引レコード格納部は、複数のユーザのそれぞれに対応する複数の取引レコードを格納し、
前記仕訳処理装置は、
前記複数のユーザの前記複数の取引レコードを、前記摘要情報の類似度が予め定められた閾値より高い取引レコード同士をまとめた取引レコードグループに分類するグループ分類部と、
仕訳対象の摘要情報に対応する取引レコードグループを特定し、特定した取引レコードグループに含まれる複数の取引レコードに基づいて、前記摘要情報に対して推奨する税区分を出力する推奨税区分出力部と
を備える、請求項5から9のいずれか一項に記載の仕訳処理装置。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1から10のいずれか一項に記載の仕訳処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕訳処理装置、警告処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
取引を自動的に仕訳する自動仕訳機能及び請求書の発行機能を有する販売管理業務支援機能が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2012-146158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自動仕訳機能及び販売管理業務支援機能等を軽減税率に対応可能とする技術を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、仕訳処理装置が提供される。仕訳処理装置は、摘要情報を取得する摘要情報取得部を備えてよい。仕訳処理装置は、摘要情報に基づいて、摘要情報により示される取引が軽減税率の対象であるか否かを判定する対象判定部を備えてよい。仕訳処理装置は、対象判定部によって軽減税率の対象であると判定された場合に、摘要情報が示す取引の税区分を軽減税率として仕訳するための仕訳ルールを生成する仕訳ルール生成部を備えてよい。
【0005】
上記対象判定部は、上記摘要情報に軽減税率を示す文字列が含まれる場合に、上記摘要情報により示される取引が軽減税率の対象であると判定してよい。上記仕訳処理装置は、取引の内容を表す取引情報を取得する取引情報取得部と、上記取引情報が予め定められた条件を満たす場合に、上記取引情報に対して上記軽減税率を示す文字列を付与した上記摘要情報を生成する摘要情報生成部とを備えてよく、上記摘要情報取得部は、上記摘要情報生成部によって生成された上記摘要情報を取得してよい。上記仕訳処理装置は、上記仕訳ルール生成部によって生成された上記仕訳ルールを用いて自動仕訳を実行し、勘定科目及び税区分を含む仕訳結果を出力する自動仕訳実行部と、上記自動仕訳実行部によって出力された上記仕訳結果が修正されたことを検出する修正検出部とを備えてよく、上記仕訳ルール生成部は、修正前後の上記仕訳結果に基づいて、上記仕訳ルールを変更してよい。
【0006】
上記仕訳処理装置は、摘要情報、勘定科目及び税区分を含む取引レコードを格納する取引レコード格納部と、上記取引レコードの変更履歴を管理する履歴管理部と、変更前の上記取引レコード及び変更後の上記取引レコードに基づいて、上記取引レコード以外の取引レコードに対して警告を出力するか否かを判定するための警告条件を生成する警告条件生成部とを備えてよい。上記仕訳処理装置は、入力された取引レコードに対して警告を出力するか否かを上記警告条件に基づいて判定する警告判定部と、上記警告判定部によって警告を出力すると判定された場合に、上記取引レコードに対する警告を出力するよう制御する警告出力制御部とを備えてよい。上記仕訳処理装置は、上記取引レコード格納部に格納されている複数の上記取引レコードのそれぞれに対して、上記警告条件に基づいて、警告を出力するか否かを判定する警告判定部と、上記複数の取引レコードのうち、上記警告判定部によって警告を出力すると判定された取引レコードに対する警告を出力するよう制御する警告出力制御部とを備えてよい。上記仕訳処理装置は、上記警告出力制御部によって出力された警告に対する評価を取得する評価取得部と、上記評価取得部が取得した上記評価に基づいて、上記警告条件を変更する警告条件変更部とを備えてよい。
【0007】
上記仕訳処理装置は、上記取引レコード格納部に格納されている複数の上記取引レコードのうち、上記摘要情報の類似度が予め定められた閾値より高い取引レコード同士をまとめたレコード群であって、少なくとも1つの取引レコードの税区分が他の取引レコードと異なるレコード群を特定するレコード群特定部と、上記レコード群特定部によって特定された上記レコード群に含まれる複数の取引レコードの税区分を統一するか否かを判定する統一判定部と、上記統一判定部によって統一すると判定された場合に、上記複数の取引レコードの税区分を統一する税区分統一部とを備えてよい。上記取引レコード格納部は、複数のユーザのそれぞれに対応する複数の取引レコードを格納してよく、上記仕訳処理装置は、上記複数のユーザの上記複数の取引レコードを、上記摘要情報の類似度が予め定められた閾値より高い取引レコード同士をまとめた取引レコードグループに分類するグループ分類部と、仕訳対象の摘要情報に対応する取引レコードグループを特定し、特定した取引レコードグループに含まれる複数の取引レコードに基づいて、上記摘要情報に対して推奨する税区分を出力する推奨税区分出力部とを備えてよい。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、コンピュータを、上記仕訳処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、警告処理装置が提供される。警告処理装置は、取引の内容と税区分とを含む取引レコードを格納する取引レコード格納部を備えてよい。警告処理装置は、取引レコードの変更履歴を管理する履歴管理部を備えてよい。警告処理装置は、変更前の取引レコード及び変更後の取引レコードに基づいて、取引レコード以外の取引レコードに対して警告を出力するか否かを判定するための警告条件を生成する警告条件生成部を備えてよい。
【0010】
上記取引の内容は、摘要情報及び勘定科目を含んでよく、上記警告処理装置は、入力された取引レコードを取得する入力レコード取得部と、入力された取引レコードに対して警告を出力するか否かを上記警告条件に基づいて判定する警告判定部と、上記警告判定部によって警告を出力すると判定された場合に、上記取引レコードに対する警告を出力するよう制御する警告出力制御部とを備えてよい。上記取引の内容は、請求対象の商品名を含んでよく、上記警告処理装置は、請求書を生成する対象の取引レコードに対して警告を出力するか否かを、上記警告条件に基づいて判定する警告判定部と、上記警告判定部によって警告を出力すると判定された場合に、上記取引レコードに対する警告を出力するよう制御する警告出力制御部とを備えてよい。
【0011】
本発明の第4の態様によれば、コンピュータを、上記警告処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0012】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】会計情報管理装置100及び販売情報管理装置400の通信環境の一例を概略的に示す。
【
図2】会計情報管理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図3】会計情報管理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図4】会計情報管理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図5】会計情報管理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図6】会計情報管理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図7】会計情報管理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図8】販売情報管理装置400の請求書生成機能に関する機能構成の一例を概略的に示す。
【
図9】会計情報管理装置100又は販売情報管理装置400として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
図1は、会計情報管理装置100及び販売情報管理装置400の通信環境の一例を概略的に示す。会計情報管理装置100は、取引を行う事業者等の会計情報を管理し、事業者等の会計業務を支援する。会計情報管理装置100は、仕訳処理装置の一例であってよい。また、会計情報管理装置100は、警告処理装置の一例であってよい。販売情報管理装置400は、事業者等の販売関連情報を管理し、事業者等の販売管理業務を支援する。販売情報管理装置400は、警告処理装置の一例であってよい。
【0016】
会計情報管理装置100は、複数のユーザ350の会計情報を個別に管理する。会計情報は、複数の取引レコードを含む。取引レコードは、例えば、取引日、取引先、摘要情報、勘定科目、取引金額、及び税区分等を含む。
【0017】
ユーザ350は、取引を行う事業者であってよい。ユーザ350は、事業者の会計を管理する会計事務所等であってもよい。ユーザ350は、通信端末300を用いて、会計情報管理装置100が管理する会計情報にアクセス可能であってよい。
【0018】
通信端末300は、通信可能な端末であれば任意の端末であってよい。例えば、通信端末300は、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、及びPC(Personal Computer)等である。通信端末300を用いたアクセスは、例えば、アプリケーションベースで行われる。通信端末300を用いたアクセスは、Webベースで行われてもよい。
【0019】
会計情報管理装置100は、例えば、ユーザ350によって通信端末300を用いて入力された取引情報を、ネットワーク10を介して通信端末300から受信する。そして、会計情報管理装置100は、受信した取引情報に対応する会計情報を管理する。取引情報に対応する会計情報は、会計情報管理装置100によって生成されてよく、ユーザ350によって生成されてもよい。会計情報管理装置100は、ユーザ350によって通信端末300を用いて入力された会計情報を、ネットワーク10を介して通信端末300から受信してもよい。
【0020】
ネットワーク10は、例えば、インターネットを含む。ネットワーク10は、3G(3rd Generation)通信システム、LTE(Long Term Evolution)通信システム、及び5G(5th Generation)以降の通信システム等の移動体通信システムを含んでもよい。ネットワーク10は、LAN(Local Area Network)等の専用網を含んでもよい。
【0021】
また、会計情報管理装置100は、例えば、ユーザ350の取引情報を管理して提供するサービスを行う取引情報提供装置200から、ネットワーク10を介して、ユーザ350の取引情報を受信する。取引情報提供装置200は、例えば、ユーザ350の銀行口座の情報を管理して提供する。また、取引情報提供装置200は、例えば、ユーザ350のクレジットカード明細情報を管理して提供する。また、取引情報提供装置200は、例えば、ユーザ350のレジ情報を管理して提供する。レジ情報は、POS(Point Of Sale)による情報であってよい。取引情報提供装置200は、その他任意の情報を管理して提供してよい。
【0022】
会計情報管理装置100は、いわゆる自動仕訳処理を実行してよい。会計情報管理装置100は、例えば、取引情報から導出された摘要情報を分析して、摘要情報が示す取引に対応する勘定科目を推測する科目推測機能を有する。
【0023】
会計情報管理装置100は、複数種類の科目推論の方法を実行可能であってよい。複数種類の科目推論の方法としては、ユーザ350によって登録された登録データによって生成された仕訳ルールを用いて仕訳を行う方法(ユーザルール推論と記載する場合がある)、ユーザ350以外の任意の主体によって登録された登録データによって生成された仕訳ルールを用いて仕訳を行う方法(任意ルール推論と記載する場合がある)、ユーザ350の勘定科目の選択傾向の統計情報に基づいて生成された学習データを用いて仕訳を行う方法(個人別推論と記載する場合がある)、及び会計情報管理装置100の管理対象である複数のユーザ350の勘定科目の選択傾向の統計情報に基づいて生成された学習データを用いて仕訳を行う方法(全体推論と記載する場合がある)等が例示できる。
【0024】
ユーザルール推論における登録データは、例えば、文字列と勘定科目及び税区分とを対応付けるデータである。会計情報管理装置100は、例えば、仕訳対象の摘要情報に含まれる文字列が登録データに登録されている場合、登録データにおける当該文字列に対応する勘定科目及び税区分を推論結果とする。
【0025】
任意ルール推論における登録データも、仕訳ルール推論における登録データと同様であってよい。任意ルール推論における登録データは、例えば、会計情報管理装置100を提供する提供主体によって生成される。任意ルール推論における登録データは、会計事務所等によって生成されてもよい。
【0026】
個人別推論では、例えば、ユーザ350が実際に仕訳をした仕訳データを教師データとして、取引情報と勘定科目との複数の組み合わせを統計的に処理することによって学習した学習データが用いられる。学習データは、複数の文字列のそれぞれに対して複数の勘定科目毎のスコアが対応付けられているスコアデータであってよい。ユーザ350が実際に仕訳をした仕訳データは、例えば、確定申告が完了した後のデータ及び決算後のデータ等であってよい。また、ユーザ350が実際に仕訳をした仕訳データは、例えば、取引情報に対して推論した勘定科目の候補をユーザ350に提示し、ユーザ350によって選択された勘定科目と当該取引情報とを含んでもよい。
【0027】
全体推論では、例えば、複数のユーザ350が実際に仕訳をした仕訳データを教師データとして、取引情報と勘定科目との複数の組み合わせを統計的に処理することによって学習した学習データが用いられる。学習データは、複数の文字列のそれぞれに対して複数の勘定科目毎のスコアが対応付けられているスコアデータであってよい。ユーザ350が実際に仕訳をした仕訳データは、例えば、確定申告が完了した後のデータ及び決算後のデータ等であってよい。複数のユーザ350が実際に仕訳をした仕訳データは、例えば、取引情報に対して推論した勘定科目の候補をユーザ350に提示し、ユーザ350によって選択された勘定科目と当該取引情報とを含んでもよい。
【0028】
販売情報管理装置400は、複数のユーザ350の販売関連情報を管理する。販売情報管理装置400は、複数のユーザ350の販売関連情報を個別に管理する。販売情報管理装置400は、見積書生成機能、納品書生成機能、請求書発行機能、売上分析表生成機能、及び在庫管理機能等を備えてよい。販売関連情報は、見積書情報、納品書情報、請求書情報、売上分析表情報、及び在庫情報等を含む。ここでは、販売情報管理装置400の請求書発行機能を主に例に挙げて説明する。請求書情報は、複数の取引レコードを含む。取引レコードは、例えば、請求対象の品番、品名、数量、単位、単価、及び金額、税区分、請求先情報、並びに請求元情報等を含む。
【0029】
ユーザ350は、通信端末300を用いて、販売情報管理装置400が管理する販売関連情報にアクセス可能であってよい。通信端末300を用いたアクセスは、例えば、アプリケーションベースで行われる。通信端末300を用いたアクセスは、Webベースで行われてもよい。
【0030】
販売情報管理装置400は、例えば、ユーザ350によって通信端末300を用いて入力された販売関連情報を、ネットワーク10を介して通信端末300から受信する。販売情報管理装置400は、販売関連情報に含まれる請求書情報を用いて、請求書を生成する。
【0031】
本実施形態に係る会計情報管理装置100及び販売情報管理装置400は、軽減税率制度に対応する機能を有する。会計情報管理装置100及び販売情報管理装置400は、軽減税率制度の対象となる、酒類・外食を除く飲食料品、及び週2回以上発行で定期購読される新聞に対して、特定の処理を実行してよい。
【0032】
図2は、会計情報管理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。会計情報管理装置100は、取引レコード格納部102、仕訳ルール格納部104、情報受付部112、摘要情報生成部114、摘要情報格納部116、摘要情報取得部118、対象判定部120、仕訳ルール生成部122、自動仕訳実行部124、修正検出部126、履歴管理部128、警告条件生成部130、警告判定部132、警告出力制御部134、評価取得部136、警告条件変更部138、レコード群特定部140、統一判定部142、統一処理部144、グループ分類部146及び推奨税区分出力制御部148を備える。なお、会計情報管理装置100がこれらのすべての構成を備えることは必須とは限らない。
【0033】
取引レコード格納部102は、取引レコードを格納する。取引レコード格納部102は、複数のユーザ350のそれぞれについて、複数の取引レコードを格納してよい。
【0034】
仕訳ルール格納部104は、仕訳ルールを格納する。仕訳ルール格納部104は、複数種類の科目推論の方法のそれぞれに対応する仕訳ルールを格納してよい。仕訳ルール格納部104は、複数のユーザ350のそれぞれについて、ユーザルール推論に用いる仕訳ルールを格納してよい。
【0035】
情報受付部112は、各種情報を受け付ける。情報受付部112は、例えば、通信端末300から受信した取引情報を受け付ける。取引情報には、取引の内容を表す取引文字列が含まれていてよい。また、情報受付部112は、取引情報提供装置200から受信した取引情報を受け付けてよい。情報受付部112は、取引情報取得部の一例であってよい。また、情報受付部112は、通信端末300から受信した会計情報を受け付けてよい。情報受付部112は、通信端末300から受信した会計情報を取引レコード格納部102に格納してよい。
【0036】
摘要情報生成部114は、情報受付部112が取得した取引情報から、摘要情報を生成する。摘要情報生成部114は、生成した摘要情報を摘要情報格納部116に格納する。
【0037】
摘要情報生成部114は、取引情報に含まれる取引文字列を抽出することによって、摘要情報を生成してよい。摘要情報生成部114は、取引文字列が予め定められた条件を満たす場合に、取引文字列に対して軽減税率を示す文字列を付与した摘要情報を生成してよい。当該予め定められた条件は、取引文字列によって示される取引が、軽減税率の対象となる取引であるか否かを判定するための条件であってよい。
【0038】
例えば、取引情報の提供元が取引情報提供装置200であり、取引情報提供装置200が税率の情報を取引情報に含めている場合、当該条件は、取引情報が当該税率の情報を含む場合に満たされる条件であってよい。また、当該条件は、例えば、取引情報に含まれる取引文字列が、軽減税率の対象である品目を含む場合に満たされる条件であってよい。当該条件は、例えば、会計情報管理装置100を提供する提供主体等によって設定される。
【0039】
軽減税率を示す文字列は、例えば、「軽」、「軽減」及び「軽減税率」等のように、軽減税率を想起させるような文字列である。なお、軽減税率を示す文字列は、軽減税率の対象であるか否かを識別可能であれば、軽減税率を想起させない任意の文字列であってもよい。
【0040】
摘要情報取得部118は、摘要情報格納部116から摘要情報を取得する。摘要情報取得部118は、例えば、摘要情報格納部116に格納されている複数の摘要情報の一部を取得する。対象判定部120は、摘要情報取得部118が取得した摘要情報に基づいて、当該摘要情報によって示される取引が軽減税率の対象であるか否かを判定する。対象判定部120は、例えば、摘要情報に、軽減税率を示す文字列が含まれている場合に、軽減税率の対象であると判定し、軽減税率を示す文字列が含まれていない場合、軽減税率の対象でないと判定する。
【0041】
仕訳ルール生成部122は、対象判定部120によって、摘要情報取得部118により取得された摘要情報が軽減税率の対象であると判定された場合に、当該摘要情報が示す取引の税区分を軽減税率として仕訳するための仕訳ルールを生成する。
【0042】
仕訳ルール生成部122は、仕訳ルール格納部104に格納されている仕訳ルールを編集することによって、当該摘要情報が示す取引の税区分を軽減税率として仕訳するための仕訳ルールを生成してよい。例えば、仕訳ルール生成部122は、仕訳ルール格納部104に格納されている仕訳ルールにおける、当該摘要情報に含まれる文字列と同一の文字列に勘定科目を対応付けている部分に、税区分として軽減税率を対応付けることによって、当該摘要情報が示す取引の税区分を軽減税率として仕訳するための仕訳ルールを生成する。なお、仕訳ルール生成部122は、仕訳ルール格納部104に格納されている仕訳ルールを編集するのではなく、当該摘要情報が示す取引の税区分を軽減税率として仕訳するための仕訳ルールを新たに生成してもよい。
【0043】
自動仕訳実行部124は、仕訳ルール格納部104に格納されている仕訳ルールを用いて自動仕訳を実行し、勘定科目及び税区分を含む仕訳結果を出力する。自動仕訳実行部124は、例えば、仕訳結果を表示出力する。表示出力された仕訳結果は、ユーザ350によって確認される。ユーザ350は、仕訳結果が不適切と判断した場合、仕訳結果を修正可能である。ユーザ350によって修正されなかった場合、摘要情報と仕訳結果とを対応付けた取引レコードが取引レコード格納部102に格納される。ユーザ350によって修正された場合、摘要情報と修正後の仕訳結果とを対応付けた取引レコードが取引レコード格納部102に格納される。
【0044】
修正検出部126は、自動仕訳実行部124によって出力された仕訳結果が修正されたことを検出する。修正検出部126は、修正されたことを検出した場合、修正前後の仕訳結果を仕訳ルール生成部122に送信してよい。仕訳ルール生成部122は、修正検出部126から受信した修正前後の仕訳結果に基づいて、仕訳ルール格納部104に格納されている仕訳ルールを変更してよい。仕訳ルール生成部122は、例えば、「○○新聞」に対する仕訳結果の勘定科目:「新聞図書費」及び税区分:「10%」のうち、税区分「10%」が「軽8%」に修正された場合、「○○新聞」に対する仕訳結果が勘定科目:「新聞図書費」、税区分:「軽8%」となるように、仕訳ルール格納部104に格納されている仕訳ルールを変更する。
【0045】
履歴管理部128は、取引レコード格納部102に格納されている取引レコードの変更履歴を管理する。取引レコード格納部102に格納されている取引レコードは、ユーザ350によって変更可能であり、履歴管理部128は、取引レコードの変更を監視して、変更された場合に変更履歴を記録する。
【0046】
変更履歴は、変更前の取引レコード及び変更後の取引レコードの内容を含む。変更履歴は、変更日時を含んでよい。変更履歴は、変更者を含んでよい。例えば、事業者内の担当者毎に識別情報が割り当てられていてよく、変更履歴は、変更を行った担当者の識別情報を含む。また、変更者は、ユーザ350の特性を含んでもよい。ユーザ350の特性は、ユーザ350が、個人事業主であるのか、法人であるのかを示してよい。また、ユーザ350の特性は、ユーザ350が属する業界を示してもよい。
【0047】
変更履歴は、変更画面を含んでよい。取引レコードは、一覧形式で表示することも、取引レコード単位で表示することも可能であってよく、変更画面は、一覧形式の画面で変更されたのか、レコード単位で表示している画面で変更されたのかを示してよい。
【0048】
警告条件生成部130は、履歴管理部128が管理する変更履歴に基づいて、警告条件を生成する。例えば、警告条件生成部130は、履歴管理部128が管理する変更前の取引レコードと変更後の取引レコードとに基づいて、当該取引レコード以外の取引レコードに対して警告を出力するか否かを判定するための警告条件を生成する。警告条件生成部130は、例えば、変更前の取引レコードと同一の内容の取引レコードに対して警告を出力すると判定する警告条件を生成する。具体例として、警告条件生成部130は、○○新聞の税区分が10%から軽8%に修正されていた場合に、「○○新聞」に対して「軽8%」以外の税区分が対応付けられている取引レコードに対して、税区分を「軽8%」に修正すべきことの警告を出力すると判定する警告条件を生成する。
【0049】
警告判定部132は、警告条件生成部130によって生成された警告条件に基づいて、警告を出力するか否かを判定する。警告判定部132は、例えば、情報受付部112がユーザ350によって入力された取引レコードを受け付けたときに、当該取引レコードが警告条件を満たすか否かを判定し、満たすと判定した場合に、警告を出力すると判定し、満たさないと判定した場合に、警告を出力しないと判定する。
【0050】
警告出力制御部134は、警告判定部132によって警告を出力すると判定された場合に、取引レコードに対する警告を出力するよう制御する。警告出力制御部134は、例えば、取引レコードを入力したユーザ350に対して、入力した取引レコードを修正すべきことの警告を出力する。警告出力制御部134は、例えば、ユーザ350の通信端末300に警告を表示させる。警告出力制御部134は、ユーザ350の通信端末300に警告を音声出力させてもよい。
【0051】
警告判定部132は、取引レコード格納部102に格納されている複数の取引レコードのそれぞれに対して、警告条件生成部130によって生成された警告条件に基づいて、警告を出力するか否かを判定してもよい。警告出力制御部134は、取引レコード格納部102に格納されている複数の取引レコードのうち、警告判定部132によって警告を出力すると判定された取引レコードに対する警告を出力するよう制御する。警告出力制御部134は、例えば、警告判定部132によって警告を出力すると判定された複数の取引レコードの一覧をユーザ350の通信端末300に表示させて、警告を行う。
【0052】
評価取得部136は、警告出力制御部134によって出力された警告に対する評価を取得する。例えば、警告出力制御部134が、警告を出力した後にその警告が有益であったか否かをユーザ350に問い合わせ、評価取得部136は、当該問い合わせに対する回答を警告に対する評価として取得する。また、例えば、警告出力制御部134が、警告を出力した後にその警告が誤りであったか否かをユーザ350に問い合わせ、評価取得部136は、当該問い合わせに対する回答を警告に対する評価として取得する。警告出力制御部134は、例えば、警告が有益であったか否かを問い合わせるボタンを通信端末300に表示させる。また、警告出力制御部134は、例えば、警告が誤りであったか否かを問い合わせるボタンを通信端末300に表示させる。評価取得部136は、当該ボタンに対する入力を取得する。
【0053】
評価取得部136は、警告出力制御部134が取引レコードに対する警告を出力した後、当該取引レコードがユーザ350によって修正されたか否かを確認することによって、警告に対する評価を取得してよい。例えば、評価取得部136は、当該取引レコードがユーザ350によって修正された場合、警告は有益であったという評価を取得する。
【0054】
警告条件変更部138は、評価取得部136が取得した評価に基づいて、警告条件を変更する。警告条件変更部138は、例えば、警告が有益でないという評価を取得した場合や、警告が誤りであったという評価を取得した場合に、当該警告がその後に出力されないように警告条件を変更する。
【0055】
レコード群特定部140は、取引レコード格納部102に格納されている複数の取引レコードのうち、摘要情報の類似度が予め定められた閾値より高い取引レコードをまとめたレコード群であって、少なくとも1つの取引レコードの税区分が他の取引レコードと異なるレコード群を特定する。レコード群特定部140は、条件に合致する複数のレコード群を特定してよい。
【0056】
摘要情報の類似度は、公知の任意の手法を用いて導出されてよい。例えば、摘要情報の類似度は、文字列の一致度によって導出される。この際、部分一致、前方一致、及び後方一致等の様々な観点が考慮されてよい。予め定められた閾値は、任意に設定されてよく、変更可能であってよい。例えば、完全一致のみが閾値より高いと判定されるように設定されてもよい。
【0057】
統一判定部142は、レコード群特定部140によって特定されたレコード群に含まれる複数の取引レコードの税区分を統一するか否かを判定する。統一判定部142は、例えば、通信端末300を介して、ユーザ350に当該複数の取引レコードの税区分を統一するか否かを問い合わせて、問い合わせに対する回答を取得することによって、統一するか否かを判定してよい。統一判定部142は、さらに、通信端末300を介してユーザ350に、統一する税区分の内容を問い合わせて、統一する税区分の内容の指定を受け付けてよい。
【0058】
統一処理部144は、統一判定部142によって統一すると判定された場合に、レコード群に含まれる複数の取引レコードの税区分を、ユーザ350によって指定された税区分に統一する。
【0059】
グループ分類部146は、取引レコード格納部102に格納されている複数のユーザ350の複数の取引レコードを、摘要情報の類似度が予め定められた閾値より高い取引レコード同士をまとめた取引レコードグループに分類する。グループ分類部146は、複数の取引レコードを、複数の取引レコードグループに分類してよい。
【0060】
推奨税区分出力制御部148は、仕訳対象の摘要情報に対応する取引レコードグループを特定し、特定した取引レコードグループに含まれる複数の取引レコードに基づいて、摘要情報に対して推奨する税区分を出力するよう制御する。推奨税区分出力制御部148は、例えば、推奨する税区分を、ユーザ350の通信端末300に表示させる。仕訳対象の摘要情報に対応する取引レコードグループとは、仕訳対象の摘要情報を分類した場合に、分類対象となる取引レコードグループであってよい。
【0061】
推奨税区分出力制御部148は、例えば、摘要情報格納部116に格納されている摘要情報に対して、自動仕訳実行部124が自動仕訳を実行しようとした場合に、当該摘要情報に対する仕訳ルールが登録されていない場合に、特定した取引レコードグループに含まれる複数の取引レコードに基づいて、推奨する税区分を出力するよう制御する。推奨税区分出力制御部148は、例えば、特定した取引レコードグループに含まれる複数の取引レコードの税区分を参照し、最も多い税区分を、推奨する税区分として出力する。これにより、ユーザ350にとって初出の仕訳に対して、他のユーザ350による税区分付与情報の集合地を元に、税区分を推奨することができる。
【0062】
図3は、会計情報管理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、特定の取引内容が入力された場合に、軽減税率の取引に対してフラグを付与する処理の流れを説明する。
【0063】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、情報受付部112が取引情報を取得する。S104では、摘要情報生成部114が、S102において情報受付部112が取得した取引情報が、予め定められた条件を満たすか否かを判定する。条件を満たさないと判定した場合、S106に進み、条件を満たすと判定された場合、S108に進む。
【0064】
S106では、摘要情報生成部114が、取引情報に含まれる取引文字列を抽出することによって、摘要情報を生成する。S108では、取引情報に含まれる取引文字列に、軽減税率を表す固定文字列を付与することによって、固定文字列を含む摘要情報を生成する。当該固定文字列は、フラグの一例であってよい。なお、摘要情報生成部114は、フラグを付与することをユーザ350に推奨し、ユーザ350の指示に従ってフラグを付与してもよい。
【0065】
S110では、摘要情報格納部116が、S106又はS108において生成された摘要情報を格納する。そして、処理を終了する。
【0066】
図4は、会計情報管理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、複数のユーザ350毎に、摘要情報格納部116に格納されている複数の摘要情報に基づいて、仕訳ルールを生成する処理の流れを説明する。
【0067】
S202では、仕訳ルール生成部122が、仕訳ルールを生成する対象のユーザ350を特定する。S204では、仕訳ルール生成部122が、S202において特定したユーザ350の複数の摘要情報のうち、軽減税率を表す固定文字列を含む複数の摘要情報を取得する。
【0068】
S206では、S204において取得した複数の摘要情報を用いて仕訳ルールを生成する。S208では、仕訳ルールを生成する対象となる複数のユーザ350のすべてについて、処理が終了したか否かを判定する。終了していないと判定した場合、S202に戻り、終了したと判定した場合、処理を終了する。
図4に示す処理によって、複数のユーザ350毎に、軽減税率の対象となる取引の内容を含む摘要情報に対する税区分を軽減税率として仕訳可能な仕訳ルールを生成することができる。
【0069】
図5は、会計情報管理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、仕訳ルールを用いた自動仕訳による仕訳結果が修正された場合に、修正内容を記録する処理の流れを説明する。
【0070】
S302では、自動仕訳実行部124が、摘要情報格納部116から、仕訳対象の摘要情報を取得する。S304では、自動仕訳実行部124が、S302において取得した摘要情報に対して自動仕訳を実行して、摘要情報、勘定科目、及び税区分を含む仕訳結果を生成する。S306では、自動仕訳実行部124が、仕訳結果を、ユーザ350の通信端末300に表示させる。
【0071】
S308では、修正検出部126が、S306において表示された仕訳結果に対して、ユーザ350による修正がなされたか否かを判定する。修正されたと判定した場合、S310に進み、修正されていないと判定した場合、S312に進む。
【0072】
S310では、修正検出部126が、修正内容を記録する。修正検出部126は、修正前後の仕訳結果を記録する。S312では、仕訳対象の摘要情報のすべてについて、仕訳処理が終了したか否かを判定する。終了していないと判定した場合、S302に戻り、終了したと判定した場合、処理を終了する。
図5に示す処理によって、ユーザ350によって修正された修正内容を蓄積することができる。仕訳ルール生成部122は、
図5に示す処理によって蓄積された複数の修正前後の仕訳結果を用いて、仕訳ルールを変更してよい。
【0073】
図6は、会計情報管理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、取引レコード格納部102に格納されている登録済みの取引レコードについて、同一又は類似度が高い摘要情報に対して税区分が異なっている取引レコード群を特定し、税区分を一種類に寄せるか否かをユーザに問い合わせる処理について説明する。
【0074】
S402では、レコード群特定部140が、取引レコード格納部102に格納されている複数の取引レコードのうちの1つを取得する。S404では、レコード群特定部140が、S402において取得した取引レコードの摘要情報と、摘要情報の類似度が高い取引レコードを取得して、レコード群とする。摘要情報の類似度が高い取引レコードとは、摘要情報の類似度が予め定められた閾値より高い取引レコードであってよい。
【0075】
S406では、レコード群特定部140が、S404において特定したレコード群に含まれる複数の取引レコードを、税区分毎に分類する。S408では、レコード群特定部140が、全ての取引レコードについて税区分が一致するか否かを判定する。一致すると判定した場合、S414に進み、一致しないと判定した場合、S410に進む。
【0076】
S410では、統一判定部142が、レコード群に含まれる複数の取引レコードの税区分を統一するか否かを判定する。統一判定部142は、統一すると判定した場合、複数の税区分のうちのいずれに統一するかも判定する。統一判定部142は、ユーザ350に問い合わせることによって、これらの判定を行ってよい。統一すると判定された場合、S412に進み、統一しないと判定された場合、S414に進む。
【0077】
S412では、統一処理部144が、複数の取引レコードの税区分を、統一対象の税区分に統一する。S414では、取引レコード格納部102に格納されている取引レコードについて、判定が終了したか否かを判定する。終了していないと判定した場合、S402に戻り、取引レコード格納部102に格納されている複数の取引レコードのうち、いずれのレコード群にも属していない取引レコードを取得する。終了したと判定した場合、処理を終了する。
【0078】
図7は、会計情報管理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、複数のユーザ350の登録済みの取引レコードについて、同一の又は類似度の高い摘要情報に対する複数のユーザ350の税区分付与情報を集合知として蓄積し、あるユーザ350にとって初出の仕訳に対して、集合知を元に推奨される税区分をリコメンドする処理の流れを説明する。
【0079】
S502では、自動仕訳実行部124が、仕訳対象の摘要情報を摘要情報格納部116から取得する。S504では、自動仕訳実行部124が、S502において取得した摘要情報に対して、適用可能なユーザルール推論用の仕訳ルールが有るか否かを判定する。自動仕訳実行部124は、仕訳ルール格納部104に格納されている、ユーザ350に対応するユーザルール推論用の仕訳ルールが格納されていない場合、及び、格納されているが、S502において取得した摘要情報に対応するルールが無い場合に、仕訳ルールが無いと判定してよい。仕訳ルールが有ると判定した場合、S506に進み、無いと判定した場合、S508に進む。
【0080】
S506では、自動仕訳実行部124が、ユーザルール推論用の仕訳ルールを用いて自動仕訳を実行する。自動仕訳実行部124は、仕訳結果を含む取引レコードを取引レコード格納部102に格納してよい。S508では、推奨税区分出力制御部148が、グループ分類部146によって分類された複数の取引レコードグループのうち、S502において取得された摘要情報に対応する取引レコードグループを特定する。
【0081】
S510では、推奨税区分出力制御部148が、S508において特定した取引レコードグループに含まれる複数の取引レコードグループに基づいて、S502において取得された摘要情報に対して推奨する税区分を出力する。S512では、ユーザ350による通信端末300を介した勘定科目及び税区分の入力を受け付ける。取引レコード格納部102は、入力された勘定科目及び税区分と、S502において取得された摘要情報とを含む取引レコードを格納する。
【0082】
S514では、仕訳対象の摘要情報のすべてについて、仕訳処理が終了したか否かを判定する。終了していないと判定した場合、S502に戻り、終了したと判定した場合、処理を終了する。
【0083】
図8は、販売情報管理装置400の請求書生成機能に関する機能構成の一例を概略的に示す。販売情報管理装置400は、取引レコード格納部402、情報受付部412、履歴管理部428、警告条件生成部430、警告判定部432、警告出力制御部434、評価取得部436、警告条件変更部438、及び請求書生成部450を備える。
【0084】
取引レコード格納部402は、請求対象の品番、品名、数量、単位、単価、及び金額、税区分、請求先情報、並びに請求元情報等を含む取引レコードを格納する。取引レコード格納部402は、複数のユーザ350のそれぞれについて、複数の取引レコードを格納してよい。
【0085】
情報受付部412は、各種情報を受け付ける。情報受付部412は、例えば、通信端末300から受信した請求書情報を受け付ける。情報受付部412は、通信端末300から受信した請求書情報を取引レコード格納部402に格納してよい。
【0086】
履歴管理部428、警告条件生成部430、警告判定部432、警告出力制御部434、評価取得部436、及び警告条件変更部438のそれぞれは、履歴管理部128、警告条件生成部130、警告判定部132、警告出力制御部134、評価取得部136、及び警告条件変更部138のそれぞれと同様の処理を実行する。
【0087】
請求書生成部450は、取引レコード格納部402に格納されている取引レコードに基づいて、請求書を生成する。請求書生成部450は、取引レコードに含まれる請求元情報、請求先情報、請求対象の品番、品名、数量、単位、単価、金額、及び税区分を含む請求書を生成してよい。
【0088】
図9は、会計情報管理装置100又は販売情報管理装置400として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本発明の実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0089】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0090】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0091】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0092】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0093】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0094】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0095】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0096】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0097】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0098】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0099】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0100】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0101】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0102】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0103】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0104】
10 ネットワーク、100 会計情報管理装置、102 取引レコード格納部、104 仕訳ルール格納部、112 情報受付部、114 摘要情報生成部、116 摘要情報格納部、118 摘要情報取得部、120 対象判定部、122 仕訳ルール生成部、124 自動仕訳実行部、126 修正検出部、128 履歴管理部、130 警告条件生成部、132 警告判定部、134 警告出力制御部、136 評価取得部、138 警告条件変更部、140 レコード群特定部、142 統一判定部、144 統一処理部、146 グループ分類部、148 推奨税区分出力制御部、200 取引情報提供装置、300 通信端末、350 ユーザ、400 販売情報管理装置、402 取引レコード格納部、412 情報受付部、428 履歴管理部、430 警告条件生成部、432 警告判定部、434 警告出力制御部、436 評価取得部、438 警告条件変更部、450 請求書生成部、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ