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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20230324BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20230324BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20230324BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
H02J9/06
H02J3/32
H02J3/38 130
H02J3/38 170
H02J7/35 K
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019122881
(22)【出願日】2019-07-01
(65)【公開番号】P2021010238
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-06-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成31年3月8日 ウェブサイトのアドレス: https://www.daiwahouse.com/about/release/house/20190308161243.html
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】原田 真宏
(72)【発明者】
【氏名】扇原 弘嗣
(72)【発明者】
【氏名】山田 剛
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-516382(JP,A)
【文献】特開2018-148792(JP,A)
【文献】特開2016-052192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 9/00 - 11/00
H02J 3/00 - 5/00
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
系統電源と負荷との間に接続されるパワーコンディショナと、
太陽光を利用して発電可能であると共に前記パワーコンディショナとそれぞれ接続される複数のストリングを有する太陽光発電部と、
電力を充放電可能であると共に前記パワーコンディショナと接続される蓄電池と、
燃料が供給されて発電可能であると共に、前記複数のストリングの少なくとも1つである第一ストリングと前記パワーコンディショナとを結ぶ電路に接続される燃料電池と、
停電時において、前記電路を介して前記燃料電池と前記パワーコンディショナとを接続可能な接続部と、
を具備する、
電力供給システム。
【請求項2】
前記接続部は、
前記電路を介して前記燃料電池と前記パワーコンディショナとを接続する場合に、前記電路を介した前記第一ストリングと前記パワーコンディショナとの接続を解除する、
請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記パワーコンディショナは、
前記電路を介して電力が供給される第一入力部、及び前記第一入力部とは異なる第二入力部を有し、
前記接続部は、
前記電路を介して前記燃料電池と前記パワーコンディショナとを接続する場合に、前記第一ストリングとは異なる第二ストリングと前記第一ストリングとを直列接続して前記第二入力部に接続する、
請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記接続部は、
停電が発生してから復旧するまでの間、前記電路を介して前記燃料電池と前記パワーコンディショナとを接続する、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記接続部は、
停電時、かつ、前記燃料電池が発電している場合に、前記電路を介して前記燃料電池と前記パワーコンディショナとを接続する、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記接続部は、
停電時、かつ、前記太陽光発電部の発電電力が所定の第一の閾値以下の場合に、前記電路を介して前記燃料電池と前記パワーコンディショナとを接続する、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電力供給システム。
【請求項7】
前記接続部は、
停電時、かつ、前記太陽光発電部の発電電力が所定の第一の閾値以下となった状態が所定時間以上続いた場合に、前記電路を介して前記燃料電池と前記パワーコンディショナとを接続する、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電力供給システム。
【請求項8】
前記接続部は、
停電時、かつ、前記太陽光発電部の発電電力が少なくとも前記第一の閾値よりも大きい値である所定の第二の閾値以上となった状態が所定時間以上続いた場合に、前記電路を介して前記第一ストリングと前記パワーコンディショナとを接続する、
請求項6又は請求項7に記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、停電時に負荷へ電力を供給可能な電力供給システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、停電時に負荷へ電力を供給可能な電力供給システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の電力供給システム(太陽光発電システム)は、太陽光発電部(太陽光発電設備)と蓄電池(蓄電装置)と配電変圧器とを有する複数のユニットを具備する。太陽光発電部及び蓄電池は、配電変圧器を介して配電線と接続される。配電変圧器は、当該配電線を介して負荷と接続される。このような電力供給システムにおいては、停電時に太陽光発電部及び蓄電池からの電力を配電変圧器を介して配電線へ供給することで、負荷へ電力を供給することができる。
【0004】
しかし、特許文献1に記載の電力供給システムでは、太陽光発電部の発電電力が0Wとなった場合(例えば、夜間の時間帯)に、負荷の消費電力を蓄電池で賄う必要がある。当該構成においては、停電が復旧するのに時間がかかった(長期間の停電が発生した)場合に、蓄電池の残量がなくなってしまい、負荷へ電力を供給できなくなってしまう可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-10536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、長期間の停電が発生した場合でも、負荷へ電力を供給することが可能な電力供給システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、系統電源と負荷との間に接続されるパワーコンディショナと、太陽光を利用して発電可能であると共に前記パワーコンディショナとそれぞれ接続される複数のストリングを有する太陽光発電部と、電力を充放電可能であると共に前記パワーコンディショナと接続される蓄電池と、燃料が供給されて発電可能であると共に、前記複数のストリングの少なくとも1つである第一ストリングと前記パワーコンディショナとを結ぶ電路に接続される燃料電池と、停電時において、前記電路を介して前記燃料電池と前記パワーコンディショナとを接続可能な接続部と、を具備するものである。
【0009】
請求項2においては、前記接続部は、前記電路を介して前記燃料電池と前記パワーコンディショナとを接続する場合に、前記電路を介した前記第一ストリングと前記パワーコンディショナとの接続を解除するものである。
【0010】
請求項3においては、前記パワーコンディショナは、前記電路を介して電力が供給される第一入力部、及び前記第一入力部とは異なる第二入力部を有し、前記接続部は、前記電路を介して前記燃料電池と前記パワーコンディショナとを接続する場合に、前記第一ストリングとは異なる第二ストリングと前記第一ストリングとを直列接続して前記第二入力部に接続するものである。
【0011】
請求項4においては、前記接続部は、停電が発生してから復旧するまでの間、前記電路を介して前記燃料電池と前記パワーコンディショナとを接続するものである。
【0012】
請求項5においては、前記接続部は、停電時、かつ、前記燃料電池が発電している場合に、前記電路を介して前記燃料電池と前記パワーコンディショナとを接続するものである。
【0013】
請求項6においては、前記接続部は、停電時、かつ、前記太陽光発電部の発電電力が所定の第一の閾値以下の場合に、前記電路を介して前記燃料電池と前記パワーコンディショナとを接続するものである。
【0014】
請求項7においては、前記接続部は、停電時、かつ、前記太陽光発電部の発電電力が所定の第一の閾値以下となった状態が所定時間以上続いた場合に、前記電路を介して前記燃料電池と前記パワーコンディショナとを接続するものである。
【0015】
請求項8においては、前記接続部は、停電時、かつ、前記太陽光発電部の発電電力が少なくとも前記第一の閾値よりも大きい値である所定の第二の閾値以上となった状態が所定時間以上続いた場合に、前記電路を介して前記第一ストリングと前記パワーコンディショナとを接続するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0017】
請求項1においては、長期間の停電が発生した場合でも、負荷へ電力を供給することができる。
【0018】
請求項2においては、燃料電池からの電力をパワーコンディショナにだけ供給することができる。
【0019】
請求項3においては、停電時に太陽光発電部及び燃料電池からの電力を有効に活用することができる。
【0020】
請求項4においては、停電時において、負荷へ安定して電力を供給することができる。
【0021】
請求項5においては、停電時に燃料電池からの電力を第一ストリングよりも優先的に供給することができる。
【0022】
請求項6においては、停電時に太陽光発電部で発電した電力を有効に活用することができる。
【0023】
請求項7においては、切替部が短時間に繰り返し動作するのを抑制することができる。
【0024】
請求項8においては、切替部が短時間に繰り返し動作するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態に係る電力供給システムを示すブロック図。
図2】切替盤を示すブロック図。
図3】切替盤の動作の流れを示すフローチャート。
図4】停電時の電力供給システムの状態を示すブロック図。
図5】停電時の切替盤の状態を示すブロック図。
図6】第一変形例に係る電力供給システムを示すブロック図。
図7】停電時において、燃料電池が発電不能となった状態を示すブロック図。
図8】第二変形例に係る電力供給システムを示すブロック図。
図9】停電時において、太陽光発電部が発電不能となった状態を示すブロック図。
図10】第三変形例に係る電力供給システムを示すブロック図。
図11】第三変形例に係る切替盤を示すブロック図。
図12】停電時の第三変形例に係る切替盤の状態を示すブロック図。
図13】停電時の第三変形例に係る電力供給システムの状態を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、本実施形態に係る電力供給システム1について説明する。
【0027】
図1に示す電力供給システム1は、住宅(例えば、戸建て住宅)に設けられ、住宅の負荷(例えば、エアコン等の電気機器)へ電力を供給するものである。本実施形態に係る負荷は、後述する分電盤10又は専用回路60に接続される。本実施形態において、電力供給システム1は、分電盤10、買売電メータ20、太陽光発電部30、蓄電池40、パワコン50、専用回路60、燃料電池70及び切替盤80を具備する。
【0028】
分電盤10は、負荷の消費電力に応じて電力の供給元(系統電源K等)から供給された電力を、当該負荷に分配するものである。分電盤10は、図示せぬ漏電遮断器や、配線遮断器、制御ユニット等により構成される。分電盤10は、系統電源K、後述するパワコン50及び燃料電池70と接続される。分電盤10には、系統電源K、パワコン50及び燃料電池70から電力が適宜供給される。
【0029】
買売電メータ20は、系統電源Kから分電盤10へ流れる電力量(電力会社から購入する電力量)や、分電盤10から系統電源Kへ流れる電力量(電力会社へと販売する電力量)を検出するものである。買売電メータ20は、分電盤10と系統電源Kとを結ぶ配電線に配置される。
【0030】
太陽光発電部30は、太陽光を利用して発電する装置である。太陽光発電部30は、太陽光によって発電可能な複数のストリングを有する。なお、本実施形態において、ストリングの数は3つであるものとする。また、以下においては、3つのストリングを区別するために、「第一ストリング31」、「第二ストリング32」及び「第三ストリング33」と称する。
【0031】
第一ストリング31は、複数の太陽電池モジュール(太陽電池(セル)の集合体)を互いに接続することで構成される。図2に示すように、第一ストリング31は、パワコン50と接続可能な正極端子31a及び負極端子31bを有する。図1に示す第二ストリング32及び第三ストリング33は、第一ストリング31と同様に構成される。
【0032】
蓄電池40は、電力を充放電可能に構成されるものである。蓄電池40は、例えば、リチウムイオン電池により構成される。蓄電池40は、パワコン50と接続される。
【0033】
パワコン50は、電力を適宜変換するもの(直流電力を交流電力に変換可能なハイブリッドパワーコンディショナ)である。パワコン50は、3つのストリング31~33とそれぞれ接続可能な3つの正極端子51及び負極端子52(図2参照)を有する。
【0034】
当該パワコン50は、電路A10~A30を介してストリング31~33とそれぞれ接続される。図2に示す電路A10は、第一ストリング31とパワコン50とを接続する電路である。電路A10は、第一配電線A11及び第二配電線A12を配設することで構成される。第一配電線A11は、第一ストリング31の正極端子31aとパワコン50の正極端子51とを接続する。第二配電線A12は、第一ストリング31の負極端子31bとパワコン50の負極端子52とを接続する。パワコン50には、このような電路A10を介して第一ストリング31から直流電力が入力される。パワコン50は、入力された直流電力を交流電力に変換して出力することができる。
【0035】
図1に示す電路A20は、第二ストリング32とパワコン50とを接続する電路である。電路A30は、第三ストリング33とパワコン50とを接続する電路である。電路A20・A30は、電路A10と同様に構成される。
【0036】
パワコン50は、通常時において系統電源Kと連系して太陽光発電部30及び蓄電池40を運転させる連系運転と、停電時において系統電源Kから独立して太陽光発電部30及び蓄電池40を運転させる自立運転と、を実行可能に構成される。連系運転及び自立運転を行う場合の電力の供給態様については後で詳述する。
【0037】
専用回路60は、負荷(分電盤10に直接接続された負荷とは異なる負荷)への電力供給のために設けられた回路である。専用回路60は、パワコン50及び負荷と接続される。なお、以下においては、説明の便宜上、分電盤10に接続された負荷を「一般負荷」と称し、専用回路60に接続された負荷を「重要負荷」と称する。専用回路60は、通常時だけではなく、停電時においても、パワコン50を介して電力が供給される。専用回路60は、当該供給された電力を重要負荷へ供給することができる。このような重要負荷としては、例えば、停電が発生しても電力が供給されるのが望ましい機器、具体的には照明等がある。
【0038】
燃料電池70は、燃料(例えば、ガス等)が供給されることで発電するものである。燃料電池70は、固体高分子形燃料電池(PEFC : Polymer Electrolyte Fuel Cell)等により構成され、住宅に設置される。燃料電池70は、水が供給可能に構成され、発電時に発生する熱を用いて湯を沸かすことができる。燃料電池70は、分電盤10と接続される。また、図2に示すように、燃料電池70は、パワコン50と接続可能な正極端子71及び負極端子72を有し、電路A10・A40を介してパワコン50と接続される。
【0039】
電路A40は、燃料電池70が自立運転する場合に用いられる電路である。電路A40は、燃料電池70と電路A10とを接続する。電路A40は、第一配電線A41及び第二配電線A42を配設することで構成される。第一配電線A41は、燃料電池70の正極端子71と電路A10の第一配電線A11の中途部とを接続する。第二配電線A42は、燃料電池70の負極端子72と電路A10の第二配電線A12の中途部とを接続する。なお、以下においては、第一配電線A11・A41の接続部分を「第一接続点P1」と称する。また、以下においては、第二配電線A12・A42の接続部分を「第二接続点P2」と称する。
【0040】
燃料電池70は、通常時において系統電源Kと連系して交流電力を出力する連系運転と、停電時において系統電源Kから独立して直流電力を出力する自立運転と、を実行可能に構成される。連系運転及び自立運転を行う場合の電力の供給態様については後で詳述する。
【0041】
図1及び図2に示す切替盤80は、第一ストリング31とパワコン50との接続及び接続解除と、燃料電池70とパワコン50との接続及び接続解除と、を切り替えるものである。切替盤80は、第一リレー81及び第二リレー82を具備する。
【0042】
図2に示す第一リレー81は、第一ストリング31とパワコン50との接続及び接続解除を行うためのものである。第一リレー81は、電路A10に設けられる。第一リレー81は、第一接続点P1及び第二接続点P2と、第一ストリング31の正極端子31a及び負極端子31bと、の間に配置される。
【0043】
このように構成される第一リレー81は、系統電源Kからの電力に応じて動作する。具体的には、第一リレー81は、通常時にオン(閉状態)となると共に、停電時にオフ(開状態)となるように構成される。第一リレー81は、オンとなることで、第一ストリング31とパワコン50とを接続することができる。また、第一リレー81は、オフとなることで、第一ストリング31とパワコン50との接続を解除することができる。
【0044】
第二リレー82は、燃料電池70とパワコン50との接続及び接続解除を行うためのものである。第二リレー82は、電路A40に設けられる。
【0045】
第二リレー82は、パワコン50の自立運転時に蓄電池40から出力される電力に応じて動作する。具体的には、第二リレー82は、通常時にオフとなると共に、停電時にオンとなるように構成される。第二リレー82は、オンになることで、燃料電池70とパワコン50とを接続することができる。また、第二リレー82は、オフになることで、燃料電池70とパワコン50との接続を解除することができる。
【0046】
以下では、図3を参照して、切替盤80の動作の流れについて説明する。
【0047】
なお、説明の便宜上、図2に示す状態が切替盤80の動作の初期状態であるものとする。すなわち、切替盤80は、初期状態である場合、第一リレー81がオンであると共に、第二リレー82がオフであるものとする(図2参照)。また、切替盤80の動作は、所定の制御装置(例えば、パワコン50等)が第一リレー81等を制御することで行われるのではなく、系統電源K等からの電力(停電しているか否か)に応じて第一リレー81等が開閉することで、切替盤80によって自発的に行われる。また、切替盤80は、図3に示すフローが終了した場合、当該フローを最初から繰り返す。
【0048】
停電が発生した場合(ステップS10:Yes)、系統電源Kからの電力供給が遮断されて、第一リレー81はオフとなる(ステップS20)。
【0049】
一方、停電が発生していない場合(ステップS10:No)、初期状態(第一リレー81がオン、第二リレー82がオフの状態)を維持して、図3に示すフローが終了する。
【0050】
ステップS20で第一リレー81がオフとなった切替盤80は、パワコン50の自立運転によって蓄電池40が電力を出力している場合に(ステップS30:Yes)、第二リレー82がオンとなる(ステップS40)。
【0051】
一方、パワコン50の自立運転によって蓄電池40が電力を出力していない場合(ステップS30:No)、図3に示すフローが終了する。
【0052】
ステップS40で第二リレー82がオンとなった切替盤80は、停電復帰(停電が復旧)した場合に(ステップS50:Yes)、系統電源Kからの電力供給が再開されて第一リレー81がオンとなると共に、パワコン50が自立運転を終了して第二リレー82がオフとなる(ステップS60)。こうして、図3に示すフローが終了する。
【0053】
一方、停電復帰していない場合(ステップS50:No)に、図3に示すフローが終了する。
【0054】
以下では、切替盤80の動作、並びに、パワコン50及び燃料電池70の電力の供給態様について、具体的に説明する。まず、図1及び図2を参照して、通常時における切替盤80の動作及び電力の供給態様について説明する。
【0055】
通常時において、系統電源Kから分電盤10へ電力が供給される。当該電力は、分電盤10と接続された一般負荷へ供給される。また、分電盤10へ供給された電力は、パワコン50を介して専用回路60へ供給される。これにより、専用回路60と接続された重要負荷にも系統電源Kからの電力が供給される。
【0056】
このような通常時において(ステップS10:No)、第一リレー81がオン、第二リレー82がオフの初期状態が維持される。こうして、切替盤80は、通常時において、パワコン50と第一ストリング31とを接続する。
【0057】
パワコン50及び燃料電池70は、このような状態で連系運転を行う。これにより、パワコン50は、全てのストリング31~33からの電力及び蓄電池40からの電力を分電盤10へ供給することができる。分電盤10へ供給された電力は、当該分電盤10と接続された一般負荷へ供給される。また、分電盤10へ供給された電力は、パワコン50を介して専用回路60へ供給される。これにより、専用回路60と接続された重要負荷にも電力が供給される。こうして、パワコン50は、通常時において系統電源Kと連系して一般負荷及び重要負荷へ電力を供給し、太陽光発電部30及び蓄電池40からの電力によって住宅の電気機器を動作させることができる。
【0058】
また、燃料電池70は、通常時において連系運転を行う。具体的には、燃料電池70は、発電した電力を分電盤10へ供給する。当該電力は、一般負荷へ供給されると共に、パワコン50及び専用回路60を介して重要負荷へ供給される。こうして、燃料電池70は、通常時において、系統電源Kと連系して一般負荷及び重要負荷へ電力を供給する。
【0059】
以上のように、通常時においては、系統電源Kからの電力だけではなく、太陽光発電部30、蓄電池40及び燃料電池70からの電力を分電盤10へ適宜供給することができる。これにより、住宅の所有者は、系統電源Kから分電盤10への電力量(電力会社から購入する電力量)を減らして電気料金を節約することができる。
【0060】
以下では、図4及び図5を参照して、停電時における切替盤80の動作及び電力の供給態様について説明する。
【0061】
停電が発生した場合、系統電源Kから分電盤10への電力供給が遮断される。また、切替盤80の第一リレー81は、停電が発生した場合にオフとなる(ステップS10:Yes、ステップS20)。これによって、第一ストリング31とパワコン50との接続が解除される。
【0062】
また、パワコン50は、停電が発生した場合に、自立運転を開始する。これにより、第二リレー82はオンとなる(ステップS30:Yes、ステップS40)。これによって、燃料電池70とパワコン50とが接続される。こうして、パワコン50は、停電が発生した場合に、電力の供給元が第一ストリング31から燃料電池70へと切り替えられて、第二ストリング32、第三ストリング33、蓄電池40及び燃料電池70と接続されることとなる。
【0063】
また、燃料電池70は、停電が発生した場合に、自立運転を開始する。これにより、燃料電池70は、発電した電力を電路A40へ出力する。当該電力は、電路A10を介してパワコン50へ供給される。
【0064】
これによって、本実施形態では、停電時に、第二ストリング32、第三ストリング33及び蓄電池40に加えて、燃料電池70からの電力をパワコン50へと供給可能となる。パワコン50は、自身に供給された電力を、分電盤10に供給することなく、専用回路60へ直接供給する。これにより、パワコン50は、停電時においても、重要負荷へ電力を供給することができる。
【0065】
また、燃料電池70は、燃料及び水が供給されていれば長期間安定して発電することができる。このような燃料電池70からの電力を専用回路60へ供給することで、停電が復旧するのに時間がかかった(長期間の停電が発生した)場合でも、重要負荷へ電力を安定して供給することができる。また、燃料電池70からの電力を、通常時にも電力が供給される専用回路60へ供給することで、停電時のみ使用可能な自立コンセントへ電力を供給する場合と比較して、利便性を向上させることができる。
【0066】
また、本実施形態に係る燃料電池70は、自立運転時に直流電力を出力することができる。これによれば、自立運転時に燃料電池70から出力された直流電力を、ストリング31~33からパワコン50への入力部(正極端子51及び負極端子52)に入力することができる。これにより、停電時において、当該入力部を利用して、燃料電池70からの電力を専用回路60に供給することができる。
【0067】
また、パワコン50は、停電時において、第二ストリング32及び第三ストリング33からの電力だけではなく、燃料電池70からの電力を蓄電池40に充電することができる。これにより、停電時に太陽光発電部30の発電電力が0W(例えば、夜間の時間帯)である場合や発電電力が少ない場合でも、蓄電池40を充電することができ、蓄電池40の残量を確保し易くすることができる。
【0068】
また、停電時に太陽光発電部30の発電電力が0Wである場合に、蓄電池40だけで重要負荷の消費電力を賄うのではなく、燃料電池70でも重要負荷の消費電力を賄うことができる。これにより、停電時における蓄電池40の放電量を減らすことができる。
【0069】
このように、蓄電池40の残量を確保し易くすると共に、蓄電池40の放電量を減らすことで、停電時においても長期間蓄電池40が放電可能な状態を維持することができる。これにより、停電が復旧するのに時間がかかった場合であっても、蓄電池40からの電力供給が途絶えるのを抑制することができる。
【0070】
以上の如く、本実施形態に係る電力供給システム1は、系統電源Kと負荷との間に接続されるパワコン50(パワーコンディショナ)と、太陽光を利用して発電可能であると共に前記パワコン50とそれぞれ接続される複数のストリング31~33を有する太陽光発電部30と、電力を充放電可能であると共に前記パワコン50と接続される蓄電池40と、燃料が供給されて発電可能であると共に、前記複数のストリング31~33の少なくとも1つである第一ストリング31と前記パワコン50とを結ぶ電路A10に接続される燃料電池70と、停電時において、前記電路A10を介して前記燃料電池70と前記パワコン50とを接続可能な切替盤80(接続部)と、を具備するものである。
【0071】
このように構成することにより、停電時であっても長期間安定して発電可能な燃料電池70からの電力をパワコン50へ供給することができる。これにより、長期間の停電が発生した場合でも、負荷へ電力を供給することができる。特に、本実施形態においては、停電時に一部の負荷(重要負荷)にのみ電力を供給することで、停電時の負荷の消費電力を減らすことができる。これによって、蓄電池40の残量を確保し易くすると共に、蓄電池40の放電量を減らすことができるため、長期間の停電が発生した場合でも、蓄電池40からの電力供給が途絶えるのを効果的に抑制することができる。
【0072】
また、前記切替盤80は、前記電路A10を介して前記燃料電池70と前記パワコン50とを接続する場合に(ステップS10:Yes)、前記電路A10を介した前記パワコン50と前記第一ストリング31との接続を解除する(ステップS20)ものである。
【0073】
このように構成することにより、燃料電池70からの電力をパワコン50にだけ供給することができる。
【0074】
また、前記切替盤80は、停電が発生してから復旧するまでの間、前記電路A10を介して前記燃料電池70と前記パワコン50とを接続する(ステップS10:Yes、ステップS20、ステップS30:Yes、ステップS40、ステップS50:Yes)ものである。
【0075】
このように構成することにより、停電時であっても安定して発電可能な燃料電池70からの電力を、停電が復旧するまで負荷へ供給することができる。これにより、停電時において、負荷へ安定して電力を供給することができる。また、本実施形態のように、系統電源K及び蓄電池40からの電力に応じて切替盤80が動作するように構成すれば、センサ等を用いることなく切替盤80を動作させることができる。これにより、構成を簡素化することができる。
【0076】
なお、本実施形態に係るパワコン50は、本発明に係るパワーコンディショナの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る切替盤80は、本発明に係る接続部の実施の一形態である。
【0077】
次に、本実施形態に係る電力供給システム1の変形例について説明する。
【0078】
図6に示す第一変形例に係る電力供給システム101は、切替盤180の動作が、本実施形態に係る電力供給システム1と相違している。以下では、当該相違点を中心に説明する。
【0079】
第一変形例に係る切替盤180は、停電してから復旧するまでの間、パワコン150と第一ストリング31との接続の解除が維持されるのではなく、停電時であっても、所定の条件を満たした場合に、パワコン150と第一ストリング31とを接続する点で、本実施形態に係る切替盤80と相違する。
【0080】
第一変形例に係る電力供給システム101は、電路A40に印加される電圧を検知するセンサ190を具備する。パワコン150は、当該センサ190の検知結果を取得可能に構成される。
【0081】
第一変形例に係る切替盤180は、本実施形態と同様に配置された第一リレー81及び第二リレー82を具備する(図2参照)。第一リレー81及び第二リレー82は、本実施形態とは異なり、系統電源K等からの電力に応じて開閉するのではなく、パワコン150からの信号によって開閉する。
【0082】
第一変形例に係るパワコン150は、センサ190が電圧を検知した場合に、第一リレー81をオフにすると共に、第二リレー82をオンにする(図5参照)。これにより、切替盤180は、停電時、かつ、燃料電池70が発電している(燃料及び水が供給されて、発電電力が0Wよりも大きい)場合に、パワコン150と燃料電池70とを接続する。
【0083】
図7は、停電時において、燃料電池70が発電していない状態(発電不能となって、発電電力が0Wとなった状態)を示すものである。図7では、このような発電していない燃料電池70を破線で示している。燃料電池70が発電していない場合、センサ190は、電圧を検知しなくなる。この場合、パワコン150は、第一リレー81をオンにすると共に、第二リレー82をオフにする(図2参照)。これにより、切替盤180は、停電時、かつ、燃料電池70が発電していない場合に、第一ストリング31とパワコン50とを接続し、太陽光発電部30からの電力を専用回路60へ供給するようにする。
【0084】
これによれば、第一ストリング31及び燃料電池70がそれぞれ発電可能である場合に、安定して発電可能な燃料電池70からの電力を第一ストリング31よりも優先的に供給するようにして、停電時に専用回路60へ電力を安定して供給することができる。また、停電時における燃料電池70の状態に応じて、第一ストリング31とパワコン150とを接続することができる。これによって、停電時に安定して発電可能な燃料電池70からの電力を専用回路60へ供給しながらも、第一ストリング31からの電力を利用することができる。
【0085】
なお、停電復帰した場合、燃料電池70は、自立運転から連系運転に切り替えられる。これにより、燃料電池70から電路A40へ電力が出力されなくなるため、センサ190は、電圧を検知しなくなる。このため、パワコン150は、停電時に燃料電池70が発電していない場合と同様に、第一リレー81等を開閉する。これによって、切替盤180は、第一ストリング31とパワコン150とを接続する(図6参照)。
【0086】
以上の如く、第一変形例に係る電力供給システム101において、前記切替盤180は、停電時、かつ、前記燃料電池70が発電している場合に、前記電路A10を介して前記燃料電池と前記パワコン150とを接続するものである。
【0087】
このように構成することにより、停電時に燃料電池70からの電力を第一ストリング31よりも優先的に供給することができる。また、停電時に燃料電池70からの電力を優先的に供給しながらも、第一ストリング31からの電力を利用することができる。
【0088】
次に、第二変形例に係る電力供給システム201について説明する。
【0089】
図8に示す第二変形例に係る電力供給システム201は、停電時に第一ストリング31からの電力を燃料電池70よりも優先的に専用回路60へ供給する点で、本実施形態に係る電力供給システム1と相違している。以下では、当該相違点を中心に説明する。
【0090】
第二変形例に係るパワコン250は、太陽光発電部30の発電電力の値を取得可能に構成される。また、パワコン250は、タイマー機能を有し、時間を計測可能に構成される。
【0091】
第二変形例に係る切替盤280は、本実施形態と同様に配置された第一リレー81及び第二リレー82を具備する(図2参照)。第一リレー81及び第二リレー82は、本実施形態とは異なり、系統電源K等からの電力に応じて開閉するのではなく、パワコン250からの信号によって開閉する。
【0092】
第二変形例において、パワコン250は、停電が発生した時点においては、第一リレー81及び第二リレー82の開閉を行わず、通常時の状態を維持する。よって、第二変形例においては、停電が発生した時点では、燃料電池70が発電を開始したとしても、第一ストリング31とパワコン250とが接続された状態となる。
【0093】
図9は、停電時において、太陽光発電部30(第一ストリング31から第三ストリング33まで)の発電電力が0Wとなった状態を示すものである。図9では、このような太陽光発電部30の第一ストリング31から第三ストリング33までを破線で示している。
【0094】
パワコン250は、停電時において、太陽光発電部30の発電電力が所定の第一の閾値以下となった場合に、時間の計測を開始する。第二変形例において、第一の閾値は、0Wとなっている。この場合、図9に示す状態のように、太陽光発電部30の発電電力が0Wとなった場合に第一の閾値以下となり、パワコン250による時間の計測が開始される。そして、パワコン250は、発電電力が第一の閾値以下の状態が所定時間(例えば、5分)続いた場合に、第一リレー81等を開閉し、第一ストリング31とパワコン250との接続を解除すると共に、燃料電池70とパワコン250とを接続する。
【0095】
また、パワコン250は、停電時において、太陽光発電部30の発電電力が所定の第二の閾値以上となった場合に、時間の計測を開始する。第二の閾値は、第一の閾値(0W)よりも大きな値である。第二変形例において、第二の閾値は、500Wとなっている。パワコン250は、発電電力が第二の閾値以上の状態が所定時間(例えば、5分)続いた場合に、第一リレー81等を開閉し、燃料電池70とパワコン250との接続を解除すると共に、第一ストリング31とパワコン250とを接続する(図8参照)。こうして、パワコン250は、電力の供給元が燃料電池70から第一ストリング31へと切り替えられて、全てのストリング31~33及び蓄電池40と接続されることとなる。
【0096】
このような構成によれば、停電時において、第一ストリング31からの電力を燃料電池70よりも優先的に供給することができる。これにより、第一ストリング31で発電した電力を極力パワコン50へ供給することができる。
【0097】
以上の如く、第二変形例に係る電力供給システム201において、前記切替盤280は、停電時、かつ、前記太陽光発電部30の発電電力が所定の第一の閾値以下となった状態が所定時間以上続いた場合に、前記電路A10を介して前記燃料電池70と前記パワコン250とを接続するものである。
【0098】
このように構成することにより、天候の影響で太陽光発電部30の発電が不安定な場合等において、切替盤280が短時間に繰り返し動作するのを抑制することができる。
【0099】
また、前記切替盤280は、停電時、かつ、前記太陽光発電部30の発電電力が少なくとも前記第一の閾値よりも大きい値である所定の第二の閾値以上となった状態が所定時間以上続いた場合に、前記電路A10を介して前記第一ストリング31と前記パワコン250とを接続するものである。
【0100】
このように構成することにより、天候の影響で太陽光発電部30の発電が不安定な場合等において、切替盤280が短時間に繰り返し動作するのを抑制することができる。
【0101】
なお、第二変形例において、第一の閾値は、0Wであるものとしたが、これに限定されるものではなく、0Wよりも大きな値が設定されていてもよい。また、第二の閾値は、500Wであるものとしたが、第一の閾値よりも大きな値であれば、これに限定されるものではない。
【0102】
また、第二変形例において、パワコン250は、停電時に必ずしも時間を計測する必要はなく、太陽光発電部30の発電電力に応じて切替盤280を動作させてもよい。この場合、パワコン250は、例えば、太陽光発電部30の発電電力が第一の閾値(例えば、0W)以下の場合に、燃料電池70とパワコン250とを接続すると共に、発電電力が第二の閾値(例えば、500W)以上である場合に、第一ストリング31とパワコン250とを接続してもよい。
【0103】
以上の如く、第二変形例において、前記切替盤280は、停電時、かつ、前記太陽光発電部30の発電電力が所定の第一の閾値以下の場合に、前記電路A10を介して前記燃料電池70と前記パワコン250とを接続するものである。
【0104】
このように構成することにより、停電時に太陽光発電部30で発電した電力を有効に活用することができる。
【0105】
次に、第三変形例に係る電力供給システム301について説明する。
【0106】
図10に示す第三変形例に係る電力供給システム301は、切替盤380の構成が、本実施形態に係る電力供給システム1と相違している。以下では、当該相違点を中心に説明する。
【0107】
第三変形例に係る切替盤380は、第一ストリング31及び燃料電池70とパワコン50との接続に加えて、第二ストリング32の接続も適宜切替可能に構成される。切替盤380の説明に際して、第一ストリング31、第二ストリング32、燃料電池70及びパワコン50の接続について説明する。
【0108】
図11に示すパワコン50は、第一ストリング31及び燃料電池70と接続可能な第一正極端子51a及び第一負極端子51bと、第一ストリング31及び第二ストリング32と接続可能な第二正極端子52a及び第二負極端子52bと、を有する。
【0109】
第一ストリング31は、電路A10を介してパワコン50(第一正極端子51a及び第一負極端子51b)と接続される。燃料電池70は、電路A40を介して電路A10と接続される。
【0110】
第二ストリング32は、電路A20を介してパワコン50と接続される。当該電路A20は、第一配電線A21及び第二配電線A22を配設することで構成される。第一配電線A21は、第二ストリング32の正極端子32a及びパワコン50の第二正極端子52aと接続される。第二配電線A22は、第二ストリング32の負極端子32b及びパワコン50の第二負極端子52bと接続される。第二配電線A22は、後述する第三リレー383において分岐するように形成される。
【0111】
次に、切替盤380の構成について説明する。切替盤380は、第一リレー381から第四リレー384までを具備する。
【0112】
第一リレー381及び第二リレー382は、本実施形態に係る第一リレー81及び第二リレー82と同様に構成される。具体的には、第一リレー381は、電路A10に設けられる。第二リレー82は、電路A40に設けられる。
【0113】
第三リレー383は、直列接続した第一ストリング31及び第二ストリング32と、パワコン50と、の接続及び接続解除を行うためのものである。第三リレー383は、電路A20に設けられる。電路A20の第二配電線A22は、当該第三リレー383の第二ストリング32(負極端子32b)側の接点において分岐するように形成される。当該分岐した第二配電線A22は、第三リレー383を介することなくパワコン50の第二負極端子52bと接続される。こうして、電路A20は、第三リレー383の開閉状態に関わらず、常に第二ストリング32の負極端子32bとパワコン50の第二負極端子52bとを接続するように構成される。
【0114】
第三リレー383は、系統電源Kからの電力に応じて動作する。具体的には、第三リレー383は、通常時にオンとなると共に、停電時にオフとなるように構成される。
【0115】
第四リレー384は、直列接続した第一ストリング31及び第二ストリング32と、パワコン50と、の接続及び接続解除を行うためのものである。第四リレー384は、第一リレー381とパワコン50の第二正極端子52aとを接続する電路A51、及び第一リレー381と第三リレー383とを接続する電路A52に設けられる。
【0116】
電路A51は、第一リレー381の第一ストリング31(正極端子31a)側の接点P31とパワコン50の第二正極端子52aとを接続する。電路A52は、第一リレー381の第一ストリング31(負極端子31b)側の接点P32と第三リレー383の第二ストリング32(正極端子32a)側の接点P33とを接続する。
【0117】
第四リレー384は、パワコン50の自立運転時に蓄電池40から出力される電力に応じて動作する。具体的には、第四リレー384は、通常時にオフとなると共に、停電時にオンとなるように構成される。
【0118】
このように構成される切替盤380は、通常時において、系統電源Kからの電力に基づいて第一リレー381及び第三リレー383がオンとなる。一方、第二リレー382及び第四リレー384は、オフとなる。これにより、切替盤380は、通常時において、第一ストリング31及び第二ストリング32とパワコン50とを接続する。これにより、パワコン50(第一正極端子51a及び第一負極端子51b)には、電路A10を介して第一ストリング31から電力が供給される。また、パワコン50(第二正極端子52a及び第二負極端子52b)には、電路A20を介して第二ストリング32から電力が供給される。
【0119】
また、図12に示すように、切替盤380は、停電が発生すると、系統電源Kからの電力供給が遮断されて第一リレー381及び第三リレー383がオフとなる。一方、第二リレー382及び第四リレー384は、蓄電池40から出力された電力に基づいてオンとなる。
【0120】
これにより、燃料電池70は、パワコン50(第一正極端子51a及び第一負極端子51b)と接続される。また、第一ストリング31及び第二ストリング32は、直列接続されると共に、パワコン50(第二正極端子52a及び第二負極端子52b)と接続される。
【0121】
このような構成によれば、図13に示すように、停電時において、燃料電池70をパワコン50に接続しながらも、全てのストリング31~33をパワコン50に接続することができる。これによって、太陽光発電部30(第一ストリング31)からの電力を無駄にすることなく使用することができる。また、専用回路60へより多くの電力を供給することができるため、利便性を向上させることができる。
【0122】
また、切替盤380は、停電が復旧すると、第一リレー381等が動作して、通常時の状態に戻る(図10及び図11参照)。こうして、第三変形例においては、停電が発生してから復旧するまでの間、第一ストリング31、第二ストリング32及び燃料電池70とパワコン50とを接続する。
【0123】
以上の如く、第三変形例に係る電力供給システム301において、前記パワコン50は、前記電路A10を介して電力が供給される第一正極端子51a及び第一負極端子51b(第一入力部)、並びに、第一正極端子51a及び第一負極端子51bとは異なる第二正極端子52a及び第二負極端子52b(第二入力部)を有し、前記切替盤380は、前記電路A10を介して前記燃料電池70と前記パワコン50とを接続する場合に、前記第一ストリング31とは異なる第二ストリング32と前記第一ストリング31とを直列接続して前記第二正極端子52a及び第二負極端子52bに接続するものである。
【0124】
このように構成することにより、停電時において、全てのストリング31~33及び燃料電池70からの電力を負荷へ供給することができる。これにより、停電時に太陽光発電部30及び燃料電池70からの電力を有効に活用することができる。また、ストリング31・32用の入力部(第一正極端子51a及び第一負極端子51b)を用いて、ストリング31・32とは異なる燃料電池70をパワコン50に接続することができる。これにより、入力部を増やすことなく、燃料電池70からの電力を負荷へ供給することができる。
【0125】
なお、第三変形例に係る第一正極端子51a及び第一負極端子51bは、本発明に係る第一入力部の実施の一形態である。
また、第三変形例に係る第二正極端子52a及び第二負極端子52bは、本発明に係る第二入力部の実施の一形態である。
【0126】
なお、第三変形例に係る切替盤380は、本実施形態と同様に、停電が発生してから復旧するまでの間、第一ストリング31、第二ストリング32及び燃料電池70とパワコン50とを接続するものとしたが、切替盤380の動作は、これに限定されるものではない。切替盤380は、例えば、停電時、かつ、燃料電池70が発電している場合に、第一ストリング31、第二ストリング32及び燃料電池70とパワコン50とを接続してもよい。
【0127】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0128】
例えば、電力供給システム1・101・201・301は、住宅に適用されるものとしたが、これに限定されるものではなく、オフィス等に適用されるものであってもよい。
【0129】
また、本実施形態において太陽光発電部30、蓄電池40及び燃料電池70の台数は、全て1台であるものとしたが、これに限定されるものではなく、2つ以上の任意の個数とすることができる。
【0130】
また、太陽光発電部30のストリングの数は、3つであるものとしたが、これに限定されるものではなく、2つ以上の任意の数とすることができる。
【0131】
また、燃料電池70は、固体高分子形燃料電池(PEFC)に限定するものではなく、例えば、固体酸化物形燃料電池(SOFC : Solid Oxide Fuel Cell)等、種々の方式のものを用いることが可能である。
【0132】
また、燃料電池70は、自立運転時における最大発電電力が第一ストリング31の最大発電電力よりも大きくなるように構成されていてもよい。これにより、停電時により多くの電力を燃料電池70から専用回路60へ供給することが可能となる。これにより、停電時であっても、消費電力の大きな機器(例えば、電子レンジ等)を動作させ易くすることができるため、利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0133】
1 電力供給システム
30 太陽光発電部
31 第一ストリング
32 第二ストリング(ストリング)
33 第三ストリング(ストリング)
40 蓄電池
50 パワコン(パワーコンディショナ)
70 燃料電池
80 切替盤(接続部)
A10 電路
K 系統電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13