(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】遮蔽板取付構造及び電気機器収納キャビネット
(51)【国際特許分類】
H02B 1/30 20060101AFI20230324BHJP
H02B 1/56 20060101ALI20230324BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20230324BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20230324BHJP
F16B 35/06 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
H02B1/30 F
H02B1/56 A
H05K5/03 A
H05K7/20 Y
F16B35/06 D
(21)【出願番号】P 2019154951
(22)【出願日】2019-08-27
【審査請求日】2022-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】高木 競
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-103623(JP,A)
【文献】特開平10-224049(JP,A)
【文献】特開2012-235598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/30
H02B 1/56
H05K 5/02
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器収納キャビネットの屋根板上に遮蔽板を取り付ける遮蔽板取付構造であって、
前記屋根板上の少なくとも4隅に取り付けられたアイボルトと、
前記アイボルトのリング部に係止するアイボルト係止部、及び前記遮蔽板が連結される遮蔽板連結部を有する連結金具とを有し、
当該連結金具を使用して前記遮蔽板を前記アイボルトに連結することで、前記屋根板上に前記遮蔽板を取り付けることを特徴とする遮蔽板取付構造。
【請求項2】
前記連結金具は、前記リング部の上部を上下方向から挟持する上挟持金具と下挟持金具とを有して、両者が締着部材で締着されることで前記アイボルト係止部を成し、
前記上挟持金具、前記下挟持金具のうちの何れかに前記遮蔽板連結部が設けられて成ることを特徴とする請求項1記載の遮蔽板取付構造。
【請求項3】
前記連結金具は、基部に回動軸を有する一方、先端に開閉動作して前記リング部を把持する一対の係止爪を有する把持部材を備え、
前記アイボルト係止部が前記把持部材から成ることを特徴とする請求項1記載の遮蔽板取付構造。
【請求項4】
前記連結金具は、前記リング部をその中心軸方向から挟持する第1挟持金具及び第2挟持金具を有し、前記第1挟持金具と前記第2挟持金具とが締着部材で締着されてアイボルト係止部が形成され、
前記第1挟持金具及び前記第2挟持金具の少なくとも一方に、前記遮蔽板連結部が形成されて成ることを特徴とする請求項1記載の遮蔽板取付構造。
【請求項5】
前記下挟持金具がUボルトであって、ねじ溝が形成されたUボルトの両端部が前記遮蔽板連結部であることを特徴とする請求項2記載の遮蔽板取付構造。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の遮蔽板取付構造が採用されて、遮蔽板が屋根板上に取り付けられて成ることを特徴とする電気機器収納キャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気機器収納キャビネットに関し、詳しくは電気機器収納キャビネットの天面に取り付けた遮蔽板の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外に設置される電気機器収納キャビネットには、直射日光の放射熱から収容している電気機器を保護するために、天面上に遮蔽板を取り付けて内部の温度上昇を抑制するよう構成されたものがある。
例えば特許文献1では、屋根上や扉に遮蔽板を取り付けている。このうち、屋根上に取り付けられた遮蔽板は、ボススタッドを裏面に溶接等で起立するよう取り付けて屋根面との間に隙間ができるよう構成し、屋根面には遮蔽板に取り付けたボススタッドに設けたボルトを挿通する孔を穿設し、ナットを使用して屋根面にボススタッドを固定して遮蔽板を取り付けた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遮蔽板を取り付ける場合、キャビネットと遮蔽板との間に断熱のための空間が必要なため、上記特許文献1ではボススタッドを屋根板と遮蔽板との間に配置して空間を形成した。
一方で、変圧器等の受電設備を収容するキュービクルのような大型の電気機器収納キャビネットの場合、クレーン等による吊り上げを可能とするためのアイボルトが天面に取り付けられている。そのため、このアイボルトを利用すれば、別途隙間を形成するボススタッド等の離間部材を使用すること無く、遮蔽板と屋根板との間に隙間を設けることが可能となる。
【0005】
そこで、本発明はこのような点に鑑み、アイボルトを利用して遮蔽板を屋根板上に取り付けた遮蔽板取付構造及び電気機器収納キャビネットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、電気機器収納キャビネットの屋根板上に遮蔽板を取り付ける遮蔽板取付構造であって、屋根板上の少なくとも4隅に取り付けられたアイボルトと、アイボルトのリング部に係止するアイボルト係止部、及び遮蔽板が連結される遮蔽板連結部を有する連結金具とを有し、当該連結金具を使用して遮蔽板をアイボルトに連結することで、屋根板上に遮蔽板を取り付けることを特徴とする。
この構成によれば、アイボルトを使用して遮蔽板を取り付けるため、キャビネットの屋根板に取り付けられているアイボルトを取り外す必要がない。加えて、アイボルトを使用することで、別途離間部材を取り付けることなく屋根板と遮蔽板との間に断熱のための空間を形成できる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、連結金具は、リング部の上部を上下方向から挟持する上挟持金具と下挟持金具とを有して、両者が締着部材で締着されることでアイボルト係止部を成し、上挟持金具、下挟持金具のうちの何れかに遮蔽板連結部が設けられて成ることを特徴とする。
この構成によれば、連結金具を上挟持金具と下挟持金具との2部材で形成でき、少ない部材で構成できる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1に記載の構成において、連結金具は、基部に回動軸を有する一方、先端に開閉動作して前記リング部を把持する一対の係止爪を有する把持部材を備え、アイボルト係止部が把持部材から成ることを特徴とする。
この構成によれば、アイボルト係止部がリング部を把持する把持部材で構成されるため、ボルト等の締着部材を使用すること無く簡易な操作でアイボルトに係止できる。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1に記載の構成において、連結金具は、リング部をその中心軸方向から挟持する第1挟持金具及び第2挟持金具を有し、第1挟持金具と第2挟持金具とが締着部材で締着されてアイボルト係止部が形成され、第1挟持金具及び第2挟持金具の少なくとも一方に、遮蔽板連結部が形成されて成ることを特徴とする。
この構成によれば、連結金具を第1挟持金具及び第2挟持金具の2部材で形成でき、少ない部材で構成できる。
【0010】
請求項5の発明は、請求項2に記載の構成において、下挟持金具がUボルトであって、ねじ溝が形成されたUボルトの両端部が遮蔽板連結部であることを特徴とする。
この構成によれば、連結金具のうちの1つがUボルトであるため、汎用の部材を使用でき、新たに作製する必要がない。
【0011】
請求項6の発明に係る電気機器収納キャビネットは、請求項1乃至5の何れかに記載の遮蔽板取付構造が採用されて、遮蔽板が屋根板上に取り付けられて成ることを特徴とする。
この構成によれば、アイボルトを取り外すこと無く遮蔽板の取り付けができる。しかもアイボルトを使用して取り付けられるため、別途離間部材を必要としない。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アイボルトを使用して遮蔽板を取り付けるため、キャビネットの屋根板に取り付けられているアイボルトを取り外す必要がない。加えて、アイボルトを使用することで、別途離間部材を取り付けることなく屋根板と遮蔽板との間に断熱のための空間を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る電気機器収納キャビネットの一例を示す正面図である。
【
図3】
図1の平面図であり、屋根板と遮蔽板との連結部を透視して示している。
【
図4】屋根板と遮蔽板を抜き出した側面図であり、両者の連結部を透視して示している。
【
図6】遮蔽板取り付け前の電気機器収納キャビネットの右側面図である。
【
図7】アイボルトに遮蔽板を連結している連結金具の第1の形態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図8】
図7の連結金具の分解斜視図であり、(a)は上挟持金具、(b)は下挟持金具である。
【
図11】連結金具の第3の形態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図13】連結金具の第4の形態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図14】
図13の連結金具の分解斜視図であり、(a)は上挟持金具、(b)はUボルトである。
【
図15】連結金具の第5の形態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図16】
図15の連結金具の分解斜視図であり、(a)は第1挟持金具、(b)は第2挟持金具である。
【
図17】連結金具の第6の形態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図18】
図17の連結金具の分解斜視図であり、(a)は第1挟持金具、(b)は第2挟持金具である。
【
図19】連結金具の第7の形態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図20】
図19の連結金具を構成する挟持金具の斜視図である。
【
図21】連結金具の第8の形態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図22】
図21の連結金具の分解斜視図であり、(a)は第1挟持金具、(b)は第2挟持金具である。
【
図23】遮蔽板を取り付けた電気機器収納キャビネットの他の例を示す平面図である。
【
図24】屋根板と遮蔽板を抜き出した
図23の側面図であり、両者の連結部を透視して示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1~4は本発明に係る電気機器収納キャビネットの一例を示し、
図1は正面図、
図2は右側面図、
図3は平面図、
図4は屋根板と遮蔽板を抜き出した側面説明図である。
尚、
図3では遮蔽板の裏側に配置されている連結金具及びアイボルトを透視して示し、
図4では両者の連結部を透視して示している。また、
図5はA部の拡大図を示し、
図6は遮蔽板取り受け前の電気機器収納キャビネットの右側面図を示している。
【0015】
図1~4に示すように、電気機器収納キャビネット1(以下、単に「キャビネット」と称する。)は、両開きする扉2を前面に備えると共に、左右側板3、背板4、屋根板5を備えて、内部が密閉されるよう形成されている。また、屋根板5の8カ所にはクレーン等でキャビネット1を持ち上げるためのアイボルト6が取り付けられている。
そして、このアイボルト6を介して遮蔽板8が取り付けられている。遮蔽板8は左右2枚取り付けられ、屋根板5の全体を覆うように設けられている。尚、遮蔽板8は、直射日光の放射熱からキャビネット1の内部の温度上昇を抑制するために取り付けられている。
【0016】
以下、屋根板5と遮蔽板8の連結部を説明する。遮蔽板8はアイボルト6を介して屋根板5に連結され、アイボルト6に連結金具11を使用して取り付けられている。
図7,8は連結金具11の第1の形態を示している(請求項2に対応)。
図7はアイボルト6及び遮蔽板8に連結した使用状態を示し、(a)は連結金具11の正面図、(b)は側面図である。また
図8は連結金具を分解した斜視図であり、
図8(a)は上挟持金具、
図8(b)は下挟持金具を示している。尚、
図7は
図4のB部を拡大した図でもある。
【0017】
第1の形態の連結金具11は、鋼板を折り曲げ形成した2つの金具(上挟持金具21、下挟持金具22)により構成され、ボルト12、ナット13で両者は連結される。
上挟持金具21は、中央に断面コ字状に形成された帯状突起を有し、この帯状突起の平坦な先端面に下挟持金具22と密着する密着面21aが形成されている。また、密着面21aは、中央にアイボルト6のリング部6aが入り込むU字状の切り欠き21bが設けられている。
そして、密着面21aの長手方向両端には、ボルト12を挿通して下挟持金具22と締着して連結するための透孔21cが形成されている。更に、帯状突起の短手方向の両端には、遮蔽板8にボルト12とナット13とで締着するための連結片21dが形成され、ボルト12を挿通する透孔21eを有して遮蔽板連結部を形成している。この透孔21eにはナット13が固着され(図示せず)、ボルト12の螺入を可能としている。
【0018】
一方、下挟持金具22は、上挟持金具21と密着する密着面22aを有し、その左右にコ字状に折り曲げて形成した側板22bが形成されている。密着面22aの長手方向の両端には、ボルト12を挿通して上挟持金具21と連結するための透孔22cが形成されている。この下挟持金具22は、アイボルト6のリング部6aの穴に挿通して配置される。
【0019】
このように形成された上挟持金具21と下挟持金具22とで、リング部6aの上部を上下方向から挟持して、共通するボルト12を挿通してリング部6aを介して互いを締着して連結する。また遮蔽板8を、連結片21dにボルト12、ナット13で連結する。
こうして、連結金具11を上挟持金具21と下挟持金具22との2部材で形成でき、少ない部材で構成できる。
【0020】
図9,10は連結金具11の第2の形態を示している(請求項3に対応)。
図9は斜視図、
図10は分解斜視図であり、
図9に示すようにアイボルト6のリング部6aの一部(上部)を把持する把持部材23と、遮蔽板8に連結される連結片24を有している。
把持部材23は、
図10に示すように、基部に回動軸(図示せず)を有して、先端部が開閉動作する把持片23aと、把持片23a同士を密着させる方向に付勢するコ字状の弾性部材23bとを有している。
そして把持片23aは、対峙するよう形成した一対の係止爪23cを有し、開閉動作によりリング部6aを把持するよう構成されている。
把持片23a及び弾性部材23bの双方に、回動軸を構成するボルトを挿通する軸孔23dが設けられ、この軸孔23dに図示しないボルトが挿通されて回動軸が構成される。尚、Mはこの回動軸の中心を示している。
【0021】
また連結片24は、把持部材23の回動軸としてのボルトが挿通される連係孔24aを有して把持部材23に連結され、遮蔽板8を連結するボルト挿通孔24bを備えて遮蔽板8に密着する密着片24cを有している。
【0022】
この結果、開閉動作する把持部材23がアイボルト係止部を構成してアイボルト6を把持し、弾性部材23bにより把持状態が保持される。また、密着片24cが遮蔽板連結部を構成し、遮蔽板8が連結片24に連結されることで、屋根板5に連結される。
このように、アイボルト係止部がリング部を把持する把持部材23で構成されるため、ボルト等の締着部材を使用すること無く簡易な操作でアイボルト6に係止できできる。
【0023】
図11,12は連結金具11の第3の形態を示している(請求項4に対応)。
図11はアイボルト6及び遮蔽板8に連結した使用状態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。また
図12は分解斜視図であり、(a)は第1挟持金具、(b)は第2挟持金具を示している。
第3の形態の連結金具11は、鋼板を折り曲げ形成した2つの金具(第1挟持金具25、第2挟持金具26)から成り、リング部6aをその中心軸方向である厚み方向(アイボルト6の前後方向)から挟み込み、ボルト12、ナット13により締着して連結される。
【0024】
第1挟持金具25は、L字状に折り曲げ形成された板体で、リング部6aの全体を覆うように密着する当接板25aと、当接板25aに直交してリング部6aの上方に配置される連結片25bとを有している。当接板25aの中央には、第2挟持金具26とボルト12、ナット13により連結するための透孔25cが設けられ、下部には屋根板6に当接する突起25dが形成されている。
連結片25bには、遮蔽板8を取り付けるためのボルト挿通孔25eが一対穿設され、連結片25bの背面にはナット13が固着されている。
【0025】
第2挟持金具26は、コ字状に折り曲げ形成されて平行に配置された2枚の挟持片26aを有し、その間に両者を連結する中央片26bが配置されている。
挟持片26aは、リング部6aに当接する左右端部がリング部6aの厚みに合わせて切り欠き形成され、中央片26bが第1挟持金具25に当接するよう形成されている。この中央片26bには、第1挟持金具25とボルト12、ナット13で連結するための透孔26cが形成されている。
こうして、第1挟持金具25と第2挟持金具26とでアイボルト係止部を構成し、連結片25bが遮蔽板連結部を構成しており、上挟持金具21と下挟持金具22との2部材で形成でき、少ない部材で連結金具11を構成できる。
【0026】
図13,14は連結金具11の第4の形態を示している(請求項5に対応)。
図13はアイボルト6及び遮蔽板8に連結した使用状態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。また
図14は分解斜視図であり、(a)は上挟持金具27、(b)はUボルト28である。第4の形態の連結金具11は、汎用のUボルト28が下挟持金具として使用されて、遮蔽板8がアイボルト6に連結される。
【0027】
上挟持金具27は、コ字状に折り曲げ形成されて平行に配置された2枚の垂下片27aを有し、その間にリング部6aの上部に当接する当接片27bが形成されている。
当接片27bには、Uボルト28を挿通して連結するための透孔27cが形成され、垂下片27aには、リング部6aの外周に良好に当接するよう凹部27dが設けられている。
【0028】
こうして形成された上挟持金具27をリング部6aの上部に載置する一方、Uボルト28をリング部6aの穴を跨ぐように配置し、上挟持金具27の透孔27cに下方からUボルト28を挿入してナット13で締着し、更にこのUボルト28の上方に突出した先端に遮蔽板8を連結することで、遮蔽板8はアイボルト6に連結される。
この場合、上挟持金具27とUボルト28とがアイボルト係止部を構成し、Uボルト28が遮蔽板連結部を構成している。こうして、連結金具11のうちの1つがUボルト28であるため、汎用の部材を使用でき、新たに作製する必要がない。
【0029】
図15,16は連結金具11の第5の形態を示している(請求項4に対応)。
図15はアイボルト6及び遮蔽板8に連結した使用状態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。また
図16は分解斜視図であり、(a)は第1挟持金具29、(b)は第2挟持金具30を示している。
第5の形態の連結金具11は、鋼板を折り曲げ形成した2つの金具(第1挟持金具29、第2挟持金具30)から成り、リング部6aをその中心軸方向である厚み方向から挟み込み、ボルト12、ナット13により締着して連結される。
【0030】
第1挟持金具29は上記第3の形態の第1挟持金具25と共通であり、リング部6a全体を覆うように密着する当接板29a、リング部6aの上方に配置される連結片29bとを有している。当接板29aの中央には、第2挟持金具30とボルト12、ナット13で連結するための透孔29cが設けられ、下部には屋根板6に当接する突起29dが形成されている。
そして、連結片29bには、遮蔽板8を取り付けるためのボルト挿通孔29eが穿設され、連結片29bの背面にはナット13が固着されている。
【0031】
一方、第2挟持金具30は、リング部6aの一部に密着して第1挟持金具29の当接板29aと共にリング部6aを挟持するための当接片30aと、当接片30aから直交するよう折り曲げ形成されて、先端がリング部6aの穴内で第1挟持金具29に当接する折り曲げ片30bとを有している。
そして、第1挟持金具29とボルト12、ナット13で連結するための透孔30cが設けられ、下部には屋根板5に当接に当接する突起30dが形成されている。
【0032】
この場合、第1挟持金具29と第2挟持金具30とでアイボルト係止部が構成され、第1挟持金具29の連結片29bにより遮蔽板連結部が構成される。こうして、連結金具11を第1挟持金具29及び第2挟持金具30の2部材で形成でき、少ない部材で構成できる。
【0033】
図17,18は連結金具11の第6の形態を示している(請求項4に対応)。
図17はアイボルト6及び遮蔽板8に連結した使用状態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。また
図18は分解斜視図であり、(a)は第1挟持金具31、(b)は第2挟持金具32を示している。
第6の形態の連結金具11は、第1挟持金具31及び第2挟持金具32から成り、リング部6aをその中心軸方向である厚み方向から両者で挟み込み、ボルト12、ナット13により締着して連結される。
【0034】
第1挟持金具31は上記第3の形態の第1挟持金具25と共通であり、リング部6a全体を覆うように密着する当接板31a、リング部6aの上方に配置される連結片31bとを有している。当接板31aの中央には、第2挟持金具32とボルト12、ナット13で連結するための透孔31cが設けられ、下部には屋根板6に当接する突起31dが形成されている。
そして、連結片31bには、遮蔽板8を取り付けるためのボルト挿通孔31eが穿設され、連結片31bの背面にはナット13が固着されている。
【0035】
第2挟持金具32は、第1挟持金具31の当接板31aと略同一形状の板体で、ボルトが挿通される透孔32a、屋根板6に当接する突起32bが形成されている。
この場合、第1挟持金具31と第2挟持金具32とがアイボルト係止部を構成し、連結片31bが遮蔽板連結部を構成している。こうして、連結金具11を第1挟持金具31及び第2挟持金具32の2部材で形成でき、少ない部材で構成できる。
【0036】
図19,20は連結金具11の第7の形態を示している(請求項4に対応)。
図19はアイボルト6及び遮蔽板8に連結した使用状態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。また
図20は連結金具11を構成する挟持金具33の斜視図である。
第7の形態の連結金具11は、同一形状の2個の挟持金具33により成り、リング部6aをその中心軸方向である厚み方向から両者で挟み込み、ボルト12、ナット13により締着して連結される。
【0037】
挟持金具33は、L字状に折り曲げ形成された板体で、リング部6aの全体を覆うように密着する当接板33aと、当接板33aに直交してリング部6aの上方に配置される連結片33bとを有している。当接板33aの中央には、対峙する挟持金具33とボルト12、ナット13により連結するための透孔33cが設けられ、下部には屋根板6に当接する突起33dが形成されている。
連結片33bの中央には、遮蔽板8をボルト12、ナット13で連結するためのボルト挿通孔33eが穿設され、連結片33bの背面にはナット13が固着(図示せず)されている。但し、挟持金具33をリング部6aに密着させる際、連結片33bはリング部6aから離れる方向に向けて配置される。
【0038】
この場合、2つの挟持金具33によりアイボルト係止部が構成され、連結片33bにより遮蔽板連結部が構成され、連結金具11を2つの同一形状の挟持金具33で形成でき、少ない部材で構成できる。
【0039】
図21,22は連結金具11の第8の形態を示している(請求項4に対応)。
図21はアイボルト6及び遮蔽板8に連結した使用状態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。また
図22は分解斜視図であり、(a)は第1挟持金具35、(b)は第2挟持金具36を示している。
第8の形態の連結金具11は、第1挟持金具35及び第2挟持金具36により構成され、リング部6aをその中心軸方向である厚み方向から挟持してボルト12、ナット13により連結される。
【0040】
第1挟持金具35は、上記第3の形態の第1挟持金具25と共通であり、リング部6a全体を覆うように密着する当接板35a、リング部6aの上方に配置される連結片35bとを有している。当接板35aの中央には、第2挟持金具36とボルト12、ナット13で連結するための透孔35cが設けられ、下部には屋根板6に当接する突起35dが形成されている。
そして、連結片35bには、遮蔽板8を取り付けるためのボルト挿通孔35eが穿設され、連結片35bの背面にはナット13が固着されている。
【0041】
一方、第2挟持金具36は、リング部6aの一部に密着して第1挟持金具35の当接板35aと共にリング部6aを挟持するための当接片36aと、当接片36aから直交するよう折り曲げ形成されて、先端がリング部6aの穴内で第1挟持金具35に当接する一対の折り曲げ片36bとを有し、コ字状を成している。
そして、当接片36aの中央には、第1挟持金具35とボルト12、ナット13で連結するための透孔36cが設けられている。
【0042】
この場合、第1挟持金具35と第2挟持金具36とでアイボルト係止部が成され、第1挟持金具35の連結片35bにより遮蔽板連結部が構成され、連結金具11を第1挟持金具35及び第2挟持金具36の2部材で形成でき、少ない部材で構成できる。
そして、第1~8の形態に示すように、アイボルト6を取り外すこと無く遮蔽板8の取り付けができる。しかもアイボルト6を使用して取り付けることで、遮蔽板8と屋根板5の間に別途離間部材を配置することなく空間を設けることができる。
【0043】
尚、上記実施形態では、キャビネット1には、左右それぞれ4カ所計8カ所にアイボルト6が取り付けられ、遮蔽板8を左右2枚配置してそれぞれ4個のアイボルト6を介して屋根板5に取り付けているが、遮蔽板8が屋根板5全体を覆う大きさであれば、1枚の遮蔽板8を8個のアイボルト6を使用して取り付けても良い。
【0044】
また、遮蔽板8が多数の遮蔽部材で構成されている場合でも、中間部材を配置することで上記連結金具11を使用することができる。
図23,24は、このような構成の説明図であり、遮蔽板8が瓦状に形成された複数の遮蔽部材から形成されている場合のキャビネット1への取り付け例を示している。
図23は遮蔽板8を取り付けたキャビネット1の平面説明図であり、上記
図3に示す2枚の遮蔽板8のうちの1枚分を示し、アイボルト6との連結構造を破線で示している。また
図24は屋根板5と遮蔽板8を抜き出した側面説明図であり、アイボルト6との連結構造を破線で示している。
【0045】
図23,24において、40は連結金具11と遮蔽板8の間に配置された棒状の中間部材であり、比較的小さい瓦状遮蔽板8aを多数使用してキャビネット1の屋根板5を覆う遮蔽板8を構成する場合は、このように連結金具11と遮蔽板8の間に中間部材40を配置することで、瓦状遮蔽板8aを設置できる。中間部材40は、2つのアイボルト6の間に掛け渡される長さを有し、連結金具11及び瓦状遮蔽板8aの双方とボルト/ナット等の締着部材で連結される。
このように、比較的小さい瓦状遮蔽板8aを多数使用してキャビネット1の屋根板5全体を覆う場合は、中間部材40を遮蔽板8(瓦状遮蔽板8a)の下に配置して、アイボルト6と中間部材40を上記連結金具11により連結すれば良い。
【0046】
また、直射日光の放射熱からキャビネット1を保護するための遮蔽板8の取り付けを説明したが、雨水から保護したり塵埃から保護する目的で取り付けられる遮蔽板に対しても上記連結金具11は良好に適用できる。
【符号の説明】
【0047】
1・・電気機器収納キャビネット、2・・扉、3・・側板、4・・背板、5・・屋根板、6・・アイボルト、6a・・リング部、8・・遮蔽板、11・・連結金具、12・・ボルト(締着部材)、13・・ナット(締着部材)、21・・上挟持金具、22・・下挟持金具、23・・把持部材、23c・・係止爪、24・・連結片、28・・Uボルト(下挟持金具)、29,31,35・・第1挟持金具、30,32,36・・第2挟持金具、33・・挟持金具(第1挟持金具、第2挟持金具)