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特許7249971回転電機用熱交換器の製造方法および押圧装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】回転電機用熱交換器の製造方法および押圧装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 26/033 20110101AFI20230324BHJP
   B21D 53/08 20060101ALI20230324BHJP
   H02K 9/06 20060101ALN20230324BHJP
【FI】
B21D26/033
B21D53/08 J
H02K9/06 E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020090097
(22)【出願日】2020-05-22
(65)【公開番号】P2021183352
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗田 聡
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-216774(JP,A)
【文献】特開2018-138851(JP,A)
【文献】特開2018-146145(JP,A)
【文献】特開2018-176262(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/245817(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/304339(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 26/033
B21D 53/08
H02K 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電機用熱交換器の製造方法であって、
互いに離間して並べられた二つの支持部材のそれぞれに設けられ前記二つの支持部材の並び方向に並べられた貫通孔に挿通可能な外形を有する管を、前記二つの支持部材のそれぞれの前記貫通孔に挿入する挿入工程と、
前記管に入れられた場合に、前記管の軸方向に延びる第1押圧部と、前記第1押圧部と対向して設けられ前記管の軸方向に延びる第2押圧部と、前記第1押圧部と前記第2押圧部との間に介在した弾性部材と、を有する押圧装置を、前記管における少なくとも前記二つの支持部材の二つの前記貫通孔の間に位置する部分の径が広がる方向に前記第1押圧部と前記第2押圧部とが前記管を互いに反対方向に押圧するように前記弾性部材を圧縮させた状態で、前記管内に入れて、前記押圧装置を前記管に装着する装着工程と、
前記押圧装置が装着された前記管内の圧力を増大させて前記管を塑性変形させることにより、前記二つの支持部材の間に位置し、前記二つの支持部材の並び方向と直交する断面が、前記第1押圧部と前記第2押圧部との並び方向に長軸方向が沿う楕円形状であり、当該断面の外形が前記貫通孔の外形よりも大きい内側大径部と、前記内側大径部と前記管における前記貫通孔内に位置した部分である挿入部とを接続し前記支持部材と面する内側接続部と、を前記管に形成する形成工程と、
前記内側大径部および前記内側接続部が形成された前記管から前記押圧装置を取り外す取外工程と、
を含む、回転電機用熱交換器の製造方法。
【請求項2】
前記押圧装置は、当該押圧装置が前記管に入れられた場合に、前記管の軸方向に間隔を空けて並べられた複数の前記弾性部材を有する、請求項1に記載の回転電機用熱交換器の製造方法。
【請求項3】
前記装着工程において、全ての前記弾性部材が前記貫通孔の外に位置するように、前記押圧装置を前記管に装着する、請求項2に記載の回転電機用熱交換器の製造方法。
【請求項4】
前記形成工程で塑性変形する前の前記管は、当該管の軸方向と直交する断面が楕円形状であり、
前記第1押圧部は、塑性変形する前の前記管の内周面における楕円形状の断面の長軸方向で互いに対向する二つの対向部の一方に沿う第1接触面を有し、
前記第2押圧部は、前記二つの対向部の他方に沿う第2接触面を有し、
前記装着工程において、前記第1接触面が前記一方の前記対向部に接触し、前記第2接触面が前記他方の前記対向部に接触するように、前記押圧装置を前記管に装着する、請求項1~3のうちいずれか一つに記載の回転電機用熱交換器の製造方法。
【請求項5】
前記装着工程において、前記管における前記二つの支持部材の二つの前記貫通孔の間に位置する前記部分の外側の直径および内側の直径と、前記二つの前記貫通孔から前記二つの支持部材の外側に張り出した部分である張出部の外側の直径および内側の直径と、が広がる方向に、前記第1押圧部と前記第2押圧部とが前記管を互いに反対方向に押圧するように、前記弾性部材を圧縮させた状態で、押圧装置を前記管内に入れ、
前記形成工程において、前記押圧装置が装着された前記管内の圧力を増大させて前記管を変形させることにより、前記張出部に、前記二つの支持部材の並び方向と直交する断面が、前記第1押圧部と前記第2押圧部との並び方向に長軸方向が沿う楕円形状であり、当該断面の外形が前記貫通孔の外形よりも大きい外側大径部と、前記外側大径部と前記挿入部とを接続し前記支持部材と面する外側接続部と、を形成する、請求項1~4のうちいずれか一つに記載の回転電機用熱交換器の製造方法。
【請求項6】
前記貫通孔は、楕円形状であり、
前記装着工程において、前記貫通孔の長軸方向に前記第1押圧部と前記第2押圧部とが並ぶように、前記押圧装置を前記管内に入れる、請求項1~5のうちいずれか一つに記載の回転電機用熱交換器の製造方法。
【請求項7】
互いに離間して並べられた二つの支持部材のそれぞれに設けられ前記二つの支持部材の並び方向に並べられた貫通孔に挿通可能な外形を有する管を、前記二つの支持部材のそれぞれの前記貫通孔に挿入する挿入工程を含む回転電機用熱交換器の製造方法において前記管に装着される押圧装置であって、
前記管の軸方向に延びる第1押圧部と、
前記第1押圧部と対向して設けられ前記管の軸方向に延びる第2押圧部と、
前記第1押圧部と前記第2押圧部との間に介在した弾性部材と、
を有し、
前記管における少なくとも前記二つの支持部材の二つの前記貫通孔の間に位置する部分の径が広がる方向に前記第1押圧部と前記第2押圧部とが前記管を互いに反対方向に押圧するように前記弾性部材を圧縮させた状態で、前記管内に入れられる、押圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機用熱交換器の製造方法および押圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転電機で発生した熱を回転電機用熱交換器で放出することにより回転電機を冷却する回転電機が知られている。回転電機用熱交換器は、二つの支持部材のそれぞれの貫通管に冷却管が挿入された状態で、各支持部材に冷却管が固定されている。また、この種の回転電機用熱交換器には、熱交換効率の向上のために断面が楕円形状の冷却管が用いられるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-115227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の回転電機用熱交換器では、断面が楕円形状の冷却管は、接着剤によって支持部材に固定されているため、接着剤の経年劣化等により支持部材への冷却管の固定の信頼性が低下する虞がある。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、楕円形状の断面を有する管の支持部材に対する固定の信頼性が低下するのを抑制しやすい回転電機用熱交換器の製造方法を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の回転電機用熱交換器の製造方法は、互いに離間して並べられた二つの支持部材のそれぞれに設けられ前記二つの支持部材の並び方向に並べられた貫通孔に挿通可能な外形を有する管を、前記二つの支持部材のそれぞれの前記貫通孔に挿入する挿入工程と、前記管に入れられた場合に、前記管の軸方向に延びる第1押圧部と、前記第1押圧部と対向して設けられ前記管の軸方向に延びる第2押圧部と、前記第1押圧部と前記第2押圧部との間に介在した弾性部材と、を有する押圧装置を、前記管における少なくとも前記二つの支持部材の二つの前記貫通孔の間に位置する部分の径が広がる方向に前記第1押圧部と前記第2押圧部とが前記管を互いに反対方向に押圧するように前記弾性部材を圧縮させた状態で、前記管内に入れて、前記押圧装置を前記管に装着する装着工程と、前記押圧装置が装着された前記管内の圧力を増大させて前記管を塑性変形させることにより、前記二つの支持部材の間に位置し、前記二つの支持部材の並び方向と直交する断面が、前記第1押圧部と前記第2押圧部との並び方向に長軸方向が沿う楕円形状であり、当該断面の外形が前記貫通孔の外形よりも大きい内側大径部と、前記内側大径部と前記管における前記貫通孔内に位置した部分である挿入部とを接続し前記支持部材と面する内側接続部と、を前記管に形成する形成工程と、前記内側大径部および前記内側接続部が形成された前記管から前記押圧装置を取り外す取外工程と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明の回転電機用熱交換器の製造方法によれば、楕円形状の断面を有する管の支持部材に対する固定の信頼性が低下するのを抑制しやすい回転電機用熱交換器の製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態の全閉外扇形回転電機の構成の例示的な断面図である。
図2図2は、図1のII矢視図である。
図3図3は、実施形態の全閉外扇形回転電機における熱交換器の一部の例示的な断面図である。
図4図4は、図3のIV-IV断面図である。
図5図5は、実施形態の熱交換器の製造方法を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態の熱交換器の製造方法における挿入工程を示す図である。
図7図7は、実施形態の熱交換器の冷却管の素材である管の例示的な斜視図である。
図8図8は、実施形態の熱交換器の製造方法における装着工程を示す図である。
図9図9は、実施形態の熱交換器の製造方法で用いられる押圧装置の例示的な側面図である。
図10図10は、実施形態の管および押圧装置との一部の斜視図であって、管に押圧装置が装着された状態の図である。
図11図11は、図8のXI-XI断面図である。
図12図12は、実施形態の熱交換器の製造方法における形成工程に含まれる栓取付工程を示す図である。
図13図13は、実施形態の熱交換器の製造方法における形成工程に含まれる加圧工程を示す図である。
図14図14は、実施形態の変形例の押圧装置の例示的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成(技術的特徴)、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。
【0010】
<全閉外扇形回転電機1の構成>
図1は、実施形態の全閉外扇形回転電機1の構成の例示的な断面図である。
【0011】
図1に示されるように、全閉外扇形回転電機1は、回転動作を行う回転電機本体2と、冷却器3と、を備える。また、全閉外扇形回転電機1の内部には、回転電機本体2と冷却器3とに亘って、空気などの冷却用気体で満たされた閉空間4が設けられている。回転電機本体2の発熱によって加熱された閉空間4の冷却用気体が冷却器3にて外気と熱交換されることにより、回転電機本体2が冷却される。
【0012】
回転電機本体2は、フレーム11と、回転子12と、固定子13と、を有する。
【0013】
フレーム11は、箱型に形成されている。フレーム11は、回転子12の一部と固定子13と、を収容している。
【0014】
回転子12は、ロータシャフト14と、回転子鉄心15と、を有する。ロータシャフト14のうち軸方向の両端部の間の部分に回転子鉄心15が固定されている。
【0015】
ロータシャフト14は、二つの軸受16を介してフレーム11に回転可能に支持されている。二つの軸受16は、ロータシャフト14の軸方向において回転子鉄心15の両側に位置している。軸受16は、例えば、すべり軸受やころがり軸受等である。
【0016】
ロータシャフト14の軸方向の両端部は、フレーム11からフレーム11の外部に突出している。ロータシャフト14の軸方向の一方の端部には、結合部14aが設けられている。結合部14aは、結合対象(不図示)と結合される。また、ロータシャフト14の軸方向の他方の端部には、外扇17が固定されている。外扇17は、ロータシャフト14と一体に回転する。また、また、ロータシャフト14における二つの軸受16と回転子鉄心15とのそれぞれの間には、内扇18が固定されている。内扇18は、ロータシャフト14と一体に回転する。
【0017】
固定子13は、固定子鉄心19と、固定子巻線20と、を有する。固定子鉄心19は、ロータシャフト14の径方向における回転子鉄心15の外側に位置し、回転子鉄心15を囲む円筒状に形成されている。固定子巻線20は、ロータシャフト14の軸方向に延びるように固定子鉄心19の内周部19aに形成された複数のスロット(不図示)内を貫通して、固定子鉄心19に固定されている。
【0018】
冷却器3は、熱交換器31と、外扇カバー32と、出口ガイド33と、を有する。
【0019】
熱交換器31は、フレーム11の上側に配置され、フレーム11に搭載されている。冷却器3は、複数の冷却管41と、入口端板42と、出口端板43と、冷却器カバー45と、を有する。複数の冷却管41は、互いに並列に配置されている。入口端板42と出口端板43とは、冷却管41の軸方向に間隔を空けて並べられて互いに対向している。入口端板42と出口端板43とは、冷却管41の軸方向の両端部を支持している。冷却管41、入口端板42および出口端板43の詳細は、後述する。冷却器カバー45は、入口端板42と出口端板43とに亘って設けられ、冷却管41を収納している。入口端板42および出口端板43は、支持部材の一例である。
【0020】
冷却管41、入口端板42、出口端板43、冷却器カバー45、およびフレーム11は、互いに接続され、閉空間4を形成している。閉空間4におけるフレーム11内の空間4aと冷却器カバー45内の空間4bとは、入口11aおよび二つの出口11bで互いに連通している。入口11aは、フレーム11における、固定子13の上方の部分に形成されている。二つの出口11bは、フレーム11における内扇18の斜め上方の部分に形成されている。二つの出口11bの間に、入口11aが位置している。
【0021】
また、冷却器カバー45内には、二つのガイド板44が設けられている。二つのガイド板44は、入口端板42と出口端板43との間で、冷却管41の軸方向に互いに間隔を空けて並べられている。二つのガイド板44は、冷却器カバー45内の空間4bにおける上部連通空間4cを除くように空間4bの底部から上方に延びて、冷却器カバー45内の空間4bのうち上部連通空間4cを除く空間を冷却管41の軸方向に仕切っている。
【0022】
外扇カバー32は、入口端板42に固定され、外扇17を収納している。外扇カバー32には、吸込口37が設けられており、外扇17が回転することにより、外気が吸込口37から外扇カバー32内に流入する。また、外扇17により外扇カバー32内に流入した外気が複数の冷却管41の内側に流入するように、外扇カバー32が入口端板42と接続されている。また、外扇カバー32内には、吸込口37から外扇カバー32内に流入した外気が外扇17を通過して複数の冷却管41に流れるように外気をガイドするガイド部材46が設けられている。
【0023】
出口ガイド33は、出口端板43に固定されている。出口ガイド33は、複数の冷却管41から流出する外気が所定の方向に流れるようにガイドする。
【0024】
<全閉外扇形回転電機1の気体の流れ>
次に、上記構成の全閉外扇形回転電機1の気体の流れについて説明する。
【0025】
まずは、閉空間4内の冷却用気体について説明する。閉空間4におけるフレーム11内の空間4aの冷却用気体は、ロータシャフト14と一体に回転する二つの内扇18により圧送されて、回転子12および固定子13に沿って流れて回転子12および固定子13を冷却した後、固定子鉄心19の径方向外側に流出する。固定子鉄心19の径方向外側に流出した冷却用気体は、入口11aを経由して冷却器3内の空間4bに流入する。冷却器3の空間4bに流入した冷却用気体は、冷却管41の外側を通過する過程で、冷却管41内を流れる外気と熱交換し冷却されながら、二つのガイド板44の間を上昇して上部連通空間4cに流出する。
【0026】
上部連通空間4cの冷却用気体は、冷却管41の軸方向に互いに反対方向に分流して、入口端板42とガイド板44との間と、出口端板43とガイド板44との間とを、それぞれ冷却管41内の外気と熱交換し冷却されながら下降する。その後、冷却用気体は、出口11bを介してフレーム11内の空間4aに戻り、再びそれぞれ内扇18に流入する。
【0027】
次に、外気について説明する。外気は、ロータシャフト14と一体に回転する外扇17により吸込口37から外扇カバー32内に流入し、外扇カバー32内を通過し、入口端板42に到達する。入口端板42に到達した外気は、入口端板42で開口している各冷却管41内に流入し、冷却管41内で冷却管41外側の冷却用気体から熱を受け温度上昇しながら冷却管41内を通過した後、出口端板43での開口から冷却器3の外部に流出する。このように、冷却管41の内側の外気と冷却管41の外側の冷却用気体との間で熱交換が行われることにより、回転子12および固定子13の冷却が行われる。
【0028】
<熱交換器31の詳細構成>
次に、熱交換器31の入口端板42、出口端板43、および冷却管41について図1図4等に基づいて詳細に説明する。
【0029】
図2は、図1のII矢視図である。なお、図2では、冷却管41は省略されている。図1および図2に示されるように、入口端板42には、複数の貫通孔42aが設けられている。各貫通孔42aは、長軸方向(長辺方向)が上下方向すなわち冷却用気体の流れ方向に沿う楕円形状に形成されている。また、図1に示されるように、出口端板43には、複数の貫通孔43aが設けられている。各貫通孔43aは、貫通孔42aと同じ長軸方向が上下方向に沿う楕円形状に形成されている。貫通孔43aの大きさと貫通孔42aの大きさは、同じである。入口端板42の複数の貫通孔42aと、出口端板43の複数の貫通孔43aとは、入口端板42と出口端板43との並び方向である板並び方向D1に並べられている。入口端板42および出口端板43とは、例えば金属材料によって構成されている。
【0030】
図1に示されるように、各冷却管41は、入口端板42の貫通孔42aと、当該貫通孔42aと板並び方向D1に並べられた出口端板43の貫通孔43aとに挿入された状態で、入口端板42と出口端板43とに支持されている。すなわち、冷却管41の軸方向は、板並び方向D1に沿う。
【0031】
図3は、実施形態の全閉外扇形回転電機1における熱交換器31の一部の例示的な断面図である。図4は、図3のIV-IV断面図である。
【0032】
図3および図4に示されるように、冷却管41は、段付きの楕円管によって構成されている。すなわち、図4に示されるように、冷却管41の軸方向と直交する冷却管41の断面は、楕円形状である。以後、特に言及しない限り、冷却管41の断面は、冷却管41の軸方向と直交する冷却管41の断面であり、軸方向は、冷却管41の軸方向である。冷却管41は、例えばステンレス等の金属材料によって構成されている。
【0033】
図3に示されるように、冷却管41は、当該冷却管41の軸方向の両端部41a,41bを有する。端部41aは、冷却管41における外気の入口を構成する端部であり、端部41bは、冷却管41における外気の出口を構成する端部である。また、冷却管41は、外周面41cと、内周面41dと、を有する。外周面41cおよび内周面41dは、両端部41a,41bに亘って形成されている。
【0034】
また、冷却管41は、内側大径部41eと、二つの内側接続部41f,41gと、二つの挿入部41h,41iと、二つの外側接続部41j,41kと、二つの外側大径部41m,41nと、二つの径変化部41p,41qと、を有する。内側大径部41e、二つの内側接続部41f,41g、二つの挿入部41h,41i、二つの外側接続部41j,41k、二つの外側大径部41m,41n、および二つの径変化部41p,41qの断面は、それぞれ楕円形状である。
【0035】
内側大径部41eは、入口端板42と出口端板43との間、すなわち入口端板42と出口端板43との内側に位置して、軸方向に延びている。よって、冷却用気体が内側大径部41eの外側を流れる。内側大径部41eの径は、入口端板42の貫通孔42aおよび出口端板43の貫通孔43aの径よりも大きい。換言すると、内側大径部41eの断面の楕円形状の外形は、貫通孔42a,43aの外形よりも大きい。
【0036】
二つの挿入部41h,41iは、それぞれ、内側大径部41eの軸方向の両端部に二つの内側接続部41f,41gを介して接続されている。二つの挿入部41h,41iは、それぞれ、入口端板42の貫通孔42aと出口端板43の貫通孔43aとに挿入されて、それら貫通孔42a,43aに嵌められている。すなわち、二つの挿入部41h,41iの外周面41cは、それぞれ、入口端板42における貫通孔42aを形成する周面42cと、出口端板43における貫通孔43aを形成する周面43cとに接触している。二つの挿入部41h,41iの径は、内側大径部41eの径よりも小さい。換言すると、内側大径部41eの径は、二つの挿入部41h,41iの径よりも大きい。挿入部41h,41iは、小径部とも称される。
【0037】
二つの内側接続部41f,41gは、それぞれ、入口端板42と出口端板43との間、すなわち入口端板42と出口端板43との内側に位置して、入口端板42と出口端板43とに接触している。
【0038】
二つの外側大径部41m,41nは、それぞれ、二つの挿入部41h,41iの軸方向の両端部に二つの外側接続部41j,41kを介して接続されている。二つの外側大径部41m,41nは、それぞれ、入口端板42と出口端板43との外側に位置して、軸方向に延びている。すなわち、二つの外側大径部41m,41nの間に、入口端板42と出口端板43とが位置している。外側大径部41m,41nの径は、入口端板42の貫通孔42aおよび出口端板43の貫通孔43aの径よりも大きい。換言すると、外側大径部41m,41nの断面の楕円形状の外形は、貫通孔42a,43aの外形よりも大きい。外側大径部41m,41nの外側の直径および内側の直径は、それぞれ内側大径部41eの外側の直径および内側の直径と同じである。
【0039】
二つの外側接続部41j,41kは、それぞれ、入口端板42と出口端板43との外側に位置して、入口端板42と出口端板43とに接触している。すなわち、二つの外側接続部41j,41kの間に、入口端板42と出口端板43とが位置している。
【0040】
二つの径変化部41p,41qは、二つの外側大径部41m,41nにおける二つの外側接続部41j,41kと反対側端部から互いに反対方向に延びている。二つの径変化部41p,41qは、二つの外側大径部41m,41nから離間するにつれて外側の直径および内側の直径が小さくなる。
【0041】
また、冷却管41の外周面41cには、二つの溝部41r,41sが形成されている。二つの溝部41r,41sは、それぞれ、二つの内側接続部41f,41gと、二つの挿入部41h,41iと、二つの外側接続部41j,41kとに囲まれている。すなわち、二つの溝部41r,41sは、冷却管41の径方向外側に開放され、冷却管41の径方向内側に凹む凹状に形成されている。二つの溝部41r,41sは、冷却管41の周方向に延びる環状に形成されている。二つの溝部41r,41sに、入口端板42における貫通孔42aの縁部と出口端板43における貫通孔43aの縁部が嵌っている。
【0042】
上記構成の冷却管41は、二つの溝部41r,41sに、入口端板42における貫通孔42aの縁部と出口端板43における貫通孔43aの縁部とが嵌められていることにより、入口端板42と出口端板43とに固定されている。このとき、冷却管41の軸方向の移動は、二つの内側接続部41f,41gと、入口端板42および出口端板43との接触と、二つの外側接続部41j,41kと、入口端板42および出口端板43との接触とにより制限される。また、冷却管41の径方向の移動は、二つの挿入部41h,41iと、入口端板42の周面42cおよび出口端板43の周面43cとの接触によって制限される。このように、冷却管41は、入口端板42および出口端板43に嵌め合いによって固定されている。
【0043】
<熱交換器31の製造方法>
次に、熱交換器31の製造方法について図5図13を参照して説明する。図5は、実施形態の熱交換器31の製造方法を示すフローチャートである。図6は、実施形態の熱交換器31の製造方法における挿入工程を示す図である。図7は、実施形態の熱交換器31の冷却管41の素材である管100の例示的な斜視図である。図8は、実施形態の熱交換器31の製造方法における装着工程を示す図である。図9は、実施形態の熱交換器31の製造方法で用いられる押圧装置200の例示的な側面図である。図10は、実施形態の管100および押圧装置200との一部の斜視図であって、管100に押圧装置200が装着された状態の図である。図11は、図8のXI-XI断面図である。図12は、実施形態の熱交換器31の製造方法における形成工程に含まれる栓取付工程を示す図である。図13は、実施形態の熱交換器31の製造方法における形成工程に含まれる加圧工程を示す図である。
【0044】
図5に示されるように、まずは、入口端板42および出口端板43のそれぞれの貫通孔42a,43aに、冷却管41の素材である管100(図6参照)を挿入する(S1:挿入工程)。図6には、貫通孔42a,43aに管100が挿入された状態が示されている。図6に示されるように、管100の径は、貫通孔42a,43aの径よりも小さい。管100は、貫通孔42a,43aに挿通可能な外形を有する。図7に示されるように、管100は、楕円管である。管100の軸方向と直交する断面、すなわち管100の板並び方向D1と直交する断面は、貫通孔42a,43aの外周に沿う楕円形状である。管100は、例えばステンレス等の金属材料によって構成されている。挿入工程においては、管100の楕円形状の長軸方向が貫通孔42a,43aの楕円形状の長軸方向に沿うとともに、管100の軸方向における管100の両端部が入口端板42と出口端板43との外側に位置するように、管100を貫通孔42a,43aに挿入する。また、この際、管100を二つのガイド板44のガイド板貫通孔(不図示)にも挿入する。なお、ガイド板貫通孔(不図示)の径は、内側大径部41eの径以上である。
【0045】
次に、図5に示されるように、押圧装置200(図8)を管100に装着する(S2:装着工程)。図8には、押圧装置200が管100に装着された状態が示されている。
【0046】
図8図11に基づいて押圧装置200について説明する。図8および図9に示されるように、押圧装置200は、第1押圧部201と、第2押圧部202と、複数の弾性部材203と、を有する。
【0047】
第1押圧部201は、管100に入れられた場合に、管100の軸方向に延びる棒状に形成されている。第1押圧部201の断面は、円形である。第1押圧部201は、内側部201aと、二つの外側部201b,201cと、二つの接続部201d,201eと、を有する。内側部201aは、貫通孔42aと貫通孔43aとの間、すなわち貫通孔42aと貫通孔43aとの内側に位置する。二つの外側部201b,201cは、貫通孔42aと貫通孔43aとの外側に位置する。二つの外側部201b,201cは、二つの接続部201d,201eを介して内側部201aの両端部と接続されている。内側部201aおよび二つの外側部201b,201cは、それぞれ、例えば金属材料又は合成樹脂等によって構成されている。また、接続部201d,201eは、例えばゴム材料によって構成され、弾性変形可能である。また、第1押圧部201は、第1接触面201fを有する。第1接触面201fは、内側部201aと、二つの外側部201b,201cと、に設けられている。図10および図11に示されるように、第1接触面201fは、管100の内周面100dにおける楕円形状の断面の長軸方向で互いに対向する二つの対向部100da,100dbの一方(一例として対向部100da)に沿う湾曲面である。
【0048】
図8および図9に示されるように、第2押圧部202は、第1押圧部201と対向して設けられ、第1押圧部201と離間している。第2押圧部202は、第1押圧部201と同様の構成を有する。第2押圧部202は、内側部202aと、二つの外側部202b,202cと、二つの接続部202d,202eと、を有する。また、第2押圧部202の断面は、円形である。内側部202aは、貫通孔42aと貫通孔43aとの間、すなわち貫通孔42aと貫通孔43aとの内側に位置する。二つの外側部202b,202cは、貫通孔42aと貫通孔43aとの外側に位置する。二つの外側部202b,202cは、二つの接続部202d,202eを介して内側部202aの両端部と接続されている。内側部202aおよび二つの外側部202b,202cは、それぞれ、例えば金属材料又は合成樹脂等によって構成されている。また、接続部202d,202eは、例えばゴム材料によって構成され、弾性変形可能である。また、第2押圧部202は、第2接触面202fを有する。第2接触面202fは、内側部202aと、二つの外側部202b,202cと、に設けられている。図10および図11に示されるように、第2接触面202fは、管100の内周面100dにおける長軸方向で互いに対向する二つの対向部100da,100dbの他方(一例として対向部100db)に沿う湾曲面である。
【0049】
図8および図9に示されるように、各弾性部材203は、それぞれ、コイルばねである。なお、弾性部材203は、板ばね等であってもよい。複数の弾性部材203は、管100の軸方向に間隔を空けて並べられ、第1押圧部201と第2押圧部202との間に介在している。詳細には、第1押圧部201の内側部201aおよび二つの外側部201b,201cと、第2押圧部202の内側部202aおよび二つの外側部202b,202cとの間に介在している。
【0050】
図8に示されるように、装着工程においては、管100おける二つの貫通孔42a,43a間に、第1押圧部201の内側部201aと、第2押圧部202の内側部202aとが位置し、管100おける二つの貫通孔42a,43aの外側に、第1押圧部201の二つの外側部201b,201cと、第2押圧部202の二つの外側部202b,202cとが位置するように、押圧装置200を管100に入れる。すなわち、押圧装置200を、管100における二つの入口端板42および出口端板43の二つの貫通孔42a,43aの間に位置する部分100eの径と、二つの貫通孔42a,43aから二つの入口端板42および出口端板43の外側に張り出した部分である張出部100f,100gの径とが広がる方向に第1押圧部201と第2押圧部202とが管100を互いに反対方向に押圧するように弾性部材203を圧縮させた状態で、管100内に入れる。このとき、接続部201d,201e,202d,202eの一部は、貫通孔42a,43a内に位置する。このようにして管100に入れられた押圧装置200は、全ての弾性部材203が貫通孔42a,43aの外に位置する。また、貫通孔42a,43aの長軸方向に第1押圧部201と第2押圧部202とが並ぶように、押圧装置200を管100内に入れる。すなわち、装着工程においては、第1接触面201fが一方の対向部100daに接触し、第2接触面202fが他方の対向部100dbに接触するように、押圧装置200を管100に装着する(図11)。
【0051】
次に、図5に示されるように、管100の両端部に栓300,301(図12参照)を取り付ける(S3)。図12には、管100の両端部に栓300,301が取り付けられた状態が示されている。一方の栓300には、圧縮空気供給装置303から送出された圧縮空気を管100内に供給する供給管304が接続されている。また、栓301には、管100内の圧縮空気を排出する排出管305が接続されている。排出管305は、バルブ306によって開閉される。栓300,301は、管100を挟んだ状態で管100に押圧される。これにより管100の両端部が閉じられる。
【0052】
次に、図5に示されるように、バルブ306を閉めた状態で、管100内に圧縮空気供給装置303から圧縮空気を供給して、管100を塑性変形させる(S4)。このとき、管100内の圧力が、圧縮空気によって増大して、管100は径(外側の直径および内側の直径)が大きくなる方向に圧縮空気によって押される。また、このとき、管100は、押圧装置200の弾性力によって管100の楕円形状の長軸方向に押されている。これにより、管100の断面は、変形前の楕円形状と相似の楕円形状に変形する。このような変形により、図13に示されるように、管100に、内側大径部41e、二つの内側接続部41f,41g、二つの挿入部41h,41i、二つの外側接続部41j,41k、二つの外側大径部41m,41n、および二つの径変化部41p,41qが形成される。詳細には、内側部201a,202aの押圧によって、内側大径部41e、二つの内側接続部41f,41gが形成される。また、外側部202b,202cの押圧によって、二つの外側接続部41j,41k、二つの外側大径部41m,41n、および二つの径変化部41p,41qが形成される。内側大径部41e、二つの内側接続部41f,41g、二つの挿入部41h,41i、二つの外側接続部41j,41k、二つの外側大径部41m,41n、および二つの径変化部41p,41qのそれぞれの板並び方向D1と直交する断面は、第1押圧部201と第2押圧部202との並び方向D2に長軸方向が沿う楕円形状である。このとき、接続部201d,201e,202d,202eは、弾性変形する。なお、径変化部41p,41qは、管100の両端部が栓300,301によって押さえられていることによって生じる。
【0053】
次に、図5に示されるように、バルブ306を開いて管100内を減圧して管100から栓300,301を取り外す(S5)。次に。弾性部材203を圧縮させて、管100から押圧装置200を取り外す(S6:取外工程)。このようにして、冷却管41が形成されるとともに、冷却管41が入口端板42と出口端板43とに固定される。
【0054】
上記の冷却管41の形成および固定は、冷却管41ごとに順次行われる。すなわち、冷却管41は、一本ずつ形成および固定がなされる。なお、冷却器カバー45は、冷却管41の形成および固定前に入口端板42と出口端板43とに取り付けられていてもよいし、冷却管41の形成および固定後に入口端板42と出口端板43とに取り付けられてもよい。
【0055】
<実施形態の効果>
以上のように、本実施形態の熱交換器31(回転電機用熱交換器)の製造方法は、装着工程において、押圧装置200を、管100における少なくとも二つの入口端板42および出口端板43(支持部材)の二つの貫通孔42a,43aの間に位置する部分100eの径が広がる方向に第1押圧部201と第2押圧部202とが管100を互いに反対方向に押圧するように弾性部材203を圧縮させた状態で、管100内に入れて、押圧装置200を管100に装着する。形成工程において、押圧装置200が装着された管100内の圧力(気圧)を増大させて管100を塑性変形させることにより、内側大径部41eと、内側接続部41f,41gと、を管100に形成する。内側大径部41eは、二つの入口端板42および出口端板43の間に位置する。内側大径部41eは、板並び方向D1と直交する断面が、第1押圧部201と第2押圧部202との並び方向D2に長軸方向が沿う楕円形状であり、当該断面の外形が貫通孔42a,43aの外形よりも大きい。内側接続部41f,41gは、内側大径部41eと、貫通孔42a,43a内に位置した挿入部41h,41iとを接続し入口端板42および出口端板43と面する。
【0056】
このようにして管100を素材として形成された冷却管41は、内側接続部41f,41gと挿入部41h,41iとによって、入口端板42および出口端板43に対する冷却管41の位置決めがなされ、入口端板42および出口端板43に固定される。したがって、入口端板42および出口端板43に対して冷却管41を固定するために接着剤による接着を行う必要がなく、入口端板42および出口端板43に対する冷却管41の固定の信頼性を向上させることができる。なお、押圧装置200を用いずに、管100内の圧力を増大させると、管100の断面は楕円形状から真円形状になってしまうが、本実施形態では、押圧装置200を用いることにより、管100の断面を楕円形状に保つことができる。
【0057】
また、本実施形態では、押圧装置200は、当該押圧装置200が管100に入れられた場合に、管100の軸方向に間隔を空けて並べられた複数の弾性部材203を有する。よって、例えば、管100の所定の範囲に作用する弾性部材203の弾性力を一定にしやすいので、冷却管41の形状の精度を高くしやすい。
【0058】
また、本実施形態では、装着工程において、全ての弾性部材203が貫通孔42a,43aの外に位置するように、押圧装置200を管100に装着する。すなわち、管100における貫通孔42a,43aに対応する部分には、弾性部材203が配置されない。よって、弾性部材203の弾性力を管100における挿入部41h,41i以外の部分の形成に用いることができる。
【0059】
また、本実施形態では、形成工程で塑性変形する前の管100は、当該管100の軸方向と直交する断面が楕円形状である。第1押圧部201は、第1接触面201fを有する。第1接触面201fは、塑性変形する前の管100の内周面100dにおける楕円形状の断面の長軸方向で互いに対向する二つの対向部100da,100dbの一方(一例として対向部100da)に沿う。第2押圧部202は、第2接触面202fを有する。第2接触面202fは、二つの対向部100da,100dbの他方(一例として対向部100db)に沿う。装着工程において、第1接触面201fが一方の対向部100daに接触し、第2接触面202fが他方の対向部100dbに接触するように、押圧装置200を管100に装着する。よって、第1接触面201fおよび第2接触面202fが対向部100da,100dbに沿う形状であるため、具体的には、第1接触面201fおよび第2押圧部202のそれぞれの断面が対向部100da,100dbに内接する円形であるため、管100が塑性変形しても、対向部100da,100dbの曲率が維持されやすい。したがって、冷却管41の形状精度を高くしやすい。
【0060】
また、本実施形態では、装着工程において、管100における二つの貫通孔42a,43aの間に位置する部分100eの外側の直径および内側の直径と、張出部100f,100gの外側の直径と内側の直径と、が広がる方向に、第1押圧部201と第2押圧部202とが管100を互いに反対方向に押圧するように、弾性部材203を圧縮させた状態で、押圧装置200を管100内に入れる。張出部100f,100gは、管100における二つの貫通孔42a,43aから二つの入口端板42および出口端板43の外側に張り出した部分である。また、形成工程において、押圧装置200が装着された管100内の圧力を増大させて管100を変形させることにより、張出部100f,100gに、外側大径部41m,41nと、外側接続部41j,41kと、を形成する。外側大径部41m,41nは、板並び方向D1と直交する断面が、板並び方向D1に長軸方向が沿う楕円形状であり、当該断面の外形が貫通孔42a,43aの外形よりも大きい。外側接続部41j,41kは、外側大径部41m,41nと挿入部41h,41iとを接続する。よって、内側接続部41f,41gと挿入部41h,41iとの他に外側接続部41j,41kによっても、入口端板42および出口端板43に対する冷却管41の位置決めがなされ、入口端板42および出口端板43に固定される。したがって、入口端板42および出口端板43に対する冷却管41の固定を接着力に頼るのではなく、入口端板42を冷却管41の二つの大径部(内側大径部41eおよび外側大径部41m)で挟み込み、出口端板43を冷却管41の二つの大径部(内側大径部41eおよび外側大径部41n)で挟み込んでいるので、入口端板42および出口端板43に対する冷却管41の固定の信頼性をより一層向上させることができる。
【0061】
また、本実施形態では、貫通孔42a,43aは、楕円形状である。装着工程において、貫通孔42a,43aの長軸方向に第1押圧部201と第2押圧部202とが並ぶように、押圧装置200を管100内に入れる。よって、冷却管41の楕円形状の長軸方向を貫通孔42a,43aの長軸方向に沿わせやすい。
【0062】
<変形例>
図14は、実施形態の変形例の押圧装置200Aの例示的な側面図である。図14に示されるように、押圧装置200Aの第1押圧部201Aにおける内側部201aおよび第2押圧部202Aの内側部202aは、それぞれ、複数の球体210と、複数の球体210を接続した複数の接続部211と、を有する。押圧装置200Aには、外側部201b,201c,202b,202cと、接続部201d,201e,202d,202eは、設けられていない。すなわち、押圧装置200Aは、入口端板42と出口端板43との間にのみ配置される構成である。
【0063】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各部品の仕様(構造、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【0064】
例えば、押圧装置200は、入口端板42と出口端板43との間にのみ配置される構成であってもよい。すなわち、第1押圧部201が内側部201aのみを有し、第2押圧部202が内側部202aのみを有し、弾性部材203が内側部201aと内側部202aとの間にのみ設けられる構成であってもよい。また、冷却管41は、入口端板42と出口端板43と間の部分が楕円形状の断面であり、入口端板42と出口端板43との外側の部分が真円形状の断面であってもよい。
【0065】
また、押圧装置200Aが、外側部202b,202cと、接続部201d,201e,202d,202eと、を有していてもよい。この場合、外側部202b,202cは、球体210を有した構成であってよい。
【0066】
また、熱交換器31の形成工程において、管100内の圧力を増大させるために管100内に供給する流体は、気体ではなく液体であってもよい。
【0067】
また、熱交換器31は、フレーム11の下側や横側に配置されていてもよい。
【0068】
また、第1押圧部201の断面および第2押圧部202の断面は、半円形等であってもよい。
【0069】
また、塑性変形する前の管100の断面は、真円でもよい。
【0070】
また、第1押圧部201,201Aおよび第2押圧部202,202Aは、弾性部材203とは別の弾性変形可能な接続部材によって連結されて、この接続部材と第1押圧部201,201Aと第2押圧部202,202Aとが、弾性部材203を収容する筒状部材を構成してもよい。
【符号の説明】
【0071】
31…熱交換器(回転電機用熱交換器)、41e…内側大径部、41f,41g…内側接続部、41h,41i…挿入部、41j,41k…外側接続部、41m,41n…外側大径部、42…入口端板(支持部材)、42a,43a…貫通孔、43…出口端板(支持部材)、100…管、100da,100db…対向部、100e…部分、100f,100g…張出部(部分)、200,200A…押圧装置、201…第1押圧部、201f…第1接触面、202…第2押圧部、202f…第2接触面、203…弾性部材、D1…板並び方向(並び方向)、D2…並び方向、S1…挿入工程、S2…装着工程、S6…取外工程。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14