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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】バルブアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/02 20060101AFI20230324BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
F16K27/02
F16K31/06 305K
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020513785
(86)(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 GB2018052466
(87)【国際公開番号】W WO2019048830
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-07-09
(31)【優先権主張番号】1714415.5
(32)【優先日】2017-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】509066031
【氏名又は名称】アルテミス インテリジェント パワー リミティド
【氏名又は名称原語表記】ARTEMIS INTELLIGENT POWER LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ムン・ケオン
(72)【発明者】
【氏名】ドッドソン,ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】エイラーズ,ジェンス
【審査官】笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-089855(JP,A)
【文献】特表2002-521616(JP,A)
【文献】特開2016-223509(JP,A)
【文献】特開2014-163516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/02
F16K 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体作動機械の作動チャンバと作動流体ギャラリとの間の作動流体の流れを調整するためのバルブアセンブリであって、バルブ部材および1つ以上の協働バルブシートを備えるバルブと、前記バルブ部材を前記1つ以上のバルブシートから離れるようにまたは1つ以上のバルブシートに向かうように促す力を加えるように作動可能なアクチュエータと、少なくとも部分的にチューブ内に配置されたコネクタを備える、前記アクチュエータと前記バルブ部材との間の連結部とを備え、前記コネクタの少なくとも一部分と前記チューブとの間に設けられたコネクタ空隙が、作動流体ギャラリ出口と流体連通しており、
前記コネクタ空隙は、前記バルブに隣接して配置されて、前記バルブの周囲の流体圧力に一方の側で暴露される第1のコネクタガイドと、前記コネクタとの間に設けられた隙間を通る漏洩経路を介して、前記バルブと流体連通している、バルブアセンブリ。
【請求項2】
前記コネクタ空隙は、1回のバルブ作動サイクル全体を通して前記作動流体ギャラリ出口と流体連通している、請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項3】
前記チューブは、前記チューブの内径の2倍以下の最大壁厚を有する、請求項1または2に記載のバルブアセンブリ。
【請求項4】
前記チューブは、前記チューブの外径の2倍を超える最小軸方向長を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のバルブアセンブリ。
【請求項5】
前記チューブ内に配置された前記コネクタの前記少なくとも一部は、前記バルブアセンブリの軸方向に延在する、請求項1~4のいずれか1項に記載のバルブアセンブリ。
【請求項6】
前記コネクタ空隙は、前記作動流体ギャラリ出口と流体連通しており、前記出口は、1つ以上の概ね半径方向延在流体通路を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載のバルブアセンブリ。
【請求項7】
前記コネクタ空隙は、バルブアセンブリコンポーネント間の密着動きばめまたは滑りばめよりも小さいかまたは等しい隙間によって画定される1つ以上の漏洩経路を介してのみ前記バルブと流体連通している、請求項1~6のいずれか1項に記載のバルブアセンブリ。
【請求項8】
前記連結部は、前記コネクタ空隙と流体連通しているアーマチュア空隙内に配置されたアーマチュアをさらに備え、前記アーマチュア空隙は、前記作動流体ギャラリ出口と前記コネクタ空隙を介して流体連通している、請求項1~7のいずれか1項に記載のバルブアセンブリ。
【請求項9】
前記チューブは、前記チューブの1つ以上の壁内に配置された少なくとも1つのチューブ空隙を備え、前記少なくとも1つのチューブ空隙は、前記作動流体ギャラリ出口と前記アーマチュア空隙および/または前記コネクタ空隙との間に流体流路を提供する、請求項8に記載のバルブアセンブリ。
【請求項10】
前記アーマチュアと前記バルブ部材とは、前記コネクタによって互いに連結されている、請求項8または9に記載のバルブアセンブリ。
【請求項11】
前記コネクタに半径方向案内を提供する第2のコネクタガイドをさらに備える、請求項1~10のいずれか1項に記載のバルブアセンブリ。
【請求項12】
前記チューブは流体ギャラリを通って延在し、前記チューブの外壁の少なくとも一部が、前記流体ギャラリのある壁の一部を形成している、請求項1~11のいずれか1項に記載のバルブアセンブリ。
【請求項13】
前記チューブは、基部コンポーネントに固定的に取り付けられるかまたは基部コンポーネントと一体的に形成され、前記流体ギャラリのための密閉シールを形成するように構成されている、請求項12に記載のバルブアセンブリ。
【請求項14】
前記バルブは低圧バルブであり、前記作動流体ギャラリは低圧流体ギャラリであり、前記流体ギャラリは高圧流体ギャラリである、請求項12または13に記載のバルブアセンブリ。
【請求項15】
前記コネクタ空隙の一部分および/または前記概ね半径方向延在流体通路のうちの1つ以上は、前記基部コンポーネントを完全に貫いて延在している、請求項6に従属する請求項13に記載のバルブアセンブリ。
【請求項16】
作動チャンバと、作動流体ギャラリと、請求項1~15のいずれか1項に記載のバルブアセンブリとを備え、前記バルブアセンブリは、前記作動チャンバと前記作動流体ギャラリとの間の作動流体の流れを調整するように配設されている、流体作動機械。
【請求項17】
前記流体作動機械は、各々がそれぞれのバルブに関連付けられ、前記それぞれのバルブによって前記作動流体ギャラリに選択的に接続される複数の作動チャンバを備える、請求項16に記載の流体作動機械。
【請求項18】
前記チューブは、流体ギャラリを完全に貫いて延在し、それにより、前記流体ギャラリの壁の一部を形成し、かつ/あるいは前記流体ギャラリのための密閉シールを形成するように構成された基部コンポーネントに固定的に取り付けられるかまたはそれと一体的に形成されている、請求項16または17に記載の流体作動機械。
【請求項19】
前記バルブは低圧バルブであり、前記作動流体ギャラリは低圧流体ギャラリであり、前記流体ギャラリは高圧流体ギャラリである、請求項18に記載の流体作動機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体作動機械の作動チャンバと作動流体ギャラリとの間の作動流体の流れを調整するためのバルブアセンブリと、作動チャンバ、作動流体ギャラリおよびそのようなバルブアセンブリを備える流体作動機械とに関する。
【背景技術】
【0002】
流体作動機械の作動チャンバと作動流体ギャラリとの間の作動流体の流れを調整するためのバルブアセンブリが知られている。いくつかのそのようなバルブアセンブリでは、バルブシートへ向かうまたはバルブシートから離れるバルブ部材の動きは、連結部によってバルブ部材に連結されたアクチュエータによって作動される。流体作動機械を作動させる際の流体漏洩はよくあることであり、その結果、連結部は、使用中に作動流体によく包囲される。作動チャンバ容積の各サイクルの間、作動チャンバ内の圧力は循環し、したがって、連結部を包囲する漏洩流体の圧力も循環する。連結部を包囲する漏洩流体の圧力も、バルブの動作中に次第に増大する傾向にある。増加した流体圧力と、特に連結部の周囲の流体圧力の循環とには、典型的には、コンポーネントを高強度かつ高耐疲労性の材料で製造する必要があり、そうでないと、疲労破壊がよく起こり、コンポーネントの寿命は短い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、連結部コンポーネントの周囲の圧力循環を低減しかつ前記連結部コンポーネントの周囲の流体圧力を低減し、それにより故障までのコンポーネント寿命を延ばすことを含む利点を有する、そのようなバルブアセンブリの構造の改善に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様は、流体作動機械の作動チャンバと作動流体ギャラリとの間の作動流体の流れを調整するためのバルブアセンブリを提供する。バルブアセンブリは、典型的には、バルブ部材および1つ以上の協働バルブシートを含むバルブと、バルブ部材を1つ以上のバルブシートから離れるようにまたは1つ以上のバルブシートに向かうように促す力を加えるように作動可能なアクチュエータと、アクチュエータとバルブ部材との間の連結部とを備える。連結部は、典型的には、少なくとも部分的にチューブ内に配置されたコネクタを備える。コネクタの少なくとも一部分(典型的には、その外壁)とチューブ(典型的には、その内壁)との間に設けられたコネクタ空隙は、典型的には、作動流体ギャラリ出口と流体連通している。
【0005】
作動流体ギャラリ出口は、典型的には、使用中、つまり作動チャンバと作動流体ギャラリとの間の作動流体の流れを調整するためにバルブアセンブリが流体作動機械に設置されているとき、作動流体ギャラリに流体接続する。すなわち、コネクタ空隙は、典型的には、使用中、つまり作動チャンバと作動流体ギャラリとの間の作動流体の流れを調整するためにバルブアセンブリが流体作動機械に設置されているとき、作動流体ギャラリ出口を介して(例えば、通して)作動流体ギャラリと流体連通している。したがって、作動流体は、典型的には、コネクタ空隙と作動流体ギャラリとの間を流れることができる。これにより、流体作動機械の動作中のコネクタ空隙内の作動流体圧力循環が低減する。特に、流体作動機械の動作中に(典型的には、作動チャンバからコネクタ空隙内への作動流体の漏洩、またはチューブ内のコネクタの動きにより)コネクタ空隙内の圧力が上昇し始めた場合、作動流体は、典型的には、コネクタ空隙から作動流体ギャラリ出口を通して作動流体ギャラリ内へ変位させられる。同様に、流体作動機械の動作中に(典型的には、チューブ内のコネクタの動きにより)コネクタ空隙内の圧力が低下し始めた場合、作動流体は、作動流体ギャラリから作動流体ギャラリ出口を通してコネクタ空隙内に引き込まれる。コネクタ空隙内の作動流体圧力循環を低減することにより、バルブアセンブリコンポーネントの疲労破壊が起こりにくくなり、コンポーネントの寿命が延びる。
【0006】
コネクタ空隙は、典型的には、1回の(つまり、完全な)バルブ作動サイクル全体を通して、作動流体ギャラリ出口と流体連通している。コネクタ空隙は、当該(つまり、完全な)バルブ作動サイクル全体を通して、作動流体ギャラリ出口と常に流体連通し得る。コネクタ空隙内の作動流体圧力の循環は、したがって、典型的には、当該(つまり、完全な)バルブ作動サイクル全体を通して、減少する。
【0007】
チューブは、典型的には、チューブの内径の2倍以下の最大壁厚を有する。チューブは、典型的には、チューブの外径の2倍を超える最小軸方向長を有する。
【0008】
チューブの壁は、特に半径方向において、とりわけチューブが高圧流体ギャラリによって包囲されている実施形態では、チューブの過剰な変形を回避するように構成されている。これは、チューブが高圧流体に包囲されているとき、内向きに作用する高圧力がチューブに作用し、チューブ壁の内向きのたわみをもたらして、使用中にチューブ壁が内部のコネクタに衝突してこすれる可能性があるためである。軸方向におけるコネクタの動きに対する抵抗は望ましくない。コネクタ空隙の半径方向サイズ、または断面積、または半径方向隙間は、前記コネクタ空隙を通る流体の所要の流量に基づいて決定され得、周囲の流体ギャラリ内の流体力から生じるチューブの予想される内向き変形もまた決定され得る。
【0009】
チューブは、コネクタの一部分の周りに延在するスリーブであり得る。スリーブは、流体ギャラリ隔壁のある面を超えて突出し得る。スリーブとコネクタとは、スリーブがコネクタの周りに適合しつつ、なおもコネクタと前記スリーブとの間にコネクタ空隙を提供するように、かつ所要の流量と摩擦抵抗なしが加圧イベント中に維持されるように、互いに適合され得る(例えば、スリーブの内径とコネクタの外径とが選択され得る)。スリーブは、使用中であるときには周囲の流体ギャラリ内の流体に暴露される1つ以上の外面を有し得る。スリーブの外面に作用する流体ギャラリの圧力は、典型的には、加圧中にスリーブがコネクタに向かって内側にたわむように作用する。コネクタに向かうスリーブのたわみは、作動チャンバから(コネクタに沿った第1のコネクタガイド隙間を通して)コネクタ空隙領域までの作動流体の漏洩を低減するシールとして作用する。コネクタ空隙は、コネクタの一部分とスリーブとの間に設けられた空隙であり得る。
【0010】
コネクタは、典型的には、機械的コネクタである。コネクタは、典型的には、チューブを通して延在する。コネクタは、チューブを完全に通して(つまり、チューブの軸方向全長に沿って)延在し得る。コネクタは、典型的には、チューブ内で可動である。
【0011】
コネクタは、典型的には、接続ロッドを備える。コネクタは中実であることがあり得る(つまり、コネクタは中空ではなく、かつ/または内腔、例えば軸方向内腔を備えていないことがあり得る)。接続ロッドは中実であることがあり得る(つまり、接続ロッドは中空ではなく、かつ/または内腔、例えば軸方向内腔を備えていないことがあり得る)。
【0012】
典型的には、コネクタ、またはチューブ内に配置された接続体の少なくとも一部は、バルブアセンブリの軸方向に延在する。チューブの一部またはすべてもまた、バルブアセンブリの軸方向に延在し得る。コネクタは、チューブ内で軸方向に移動可能であり得る。
【0013】
コネクタの直径を選択的に縮小することによって、例えばコネクタをフライス加工または別様に機械加工して、一部分にわたって、典型的には底部ガイド部分と上方ガイド部分との間で、直径を縮小することによって、コネクタとチューブとの間に追加の半径方向隙間を設け、そうして、より大きな面積をコネクタ空隙の環状断面に提供して、コネクタとチューブとの間に、より大きな流量と粘性摩擦の低減とを可能にする。
【0014】
作動流体ギャラリ出口は、1つ以上の概ね半径方向延在流体通路を備え得る。1つ以上の概ね半径方向延在流体通路は、典型的には、バルブアセンブリの軸方向に対して概ね半径方向に延在することが理解されるであろう。コネクタ空隙は、典型的には、使用中の1つ以上の概ね半径方向延在流体通路を介して(例えば、通して)作動流体ギャラリと流体連通している。そのような実施形態では、作動流体ギャラリ出口は、典型的には、作動流体ギャラリが1つ以上の概ね半径方向延在流体通路に接続するインターフェースまたはポートである。
【0015】
コネクタ空隙は、密着動きばめまたは滑りばめよりも小さいかまたは等しい、バルブアセンブリコンポーネント間の隙間によって画定される1つ以上の漏洩経路を介してのみ、バルブ(および/または使用中であるときには作動チャンバ)と流体連通していることがあり得る。
【0016】
連結部は、典型的には、コネクタ空隙と流体連通しているアーマチュア空隙内に配置されたアーマチュアをさらに備え、アーマチュア空隙は、コネクタ空隙を介して作動流体ギャラリ出口と流体連通している。
【0017】
アーマチュアとバルブ部材とは、典型的には、アーマチュアの位置がバルブ部材の位置に影響しかつそれに影響されるように互いに連結されている。アーマチュアとバルブ部材とは、コネクタによって互いに連結され得る。コネクタは、バルブ部材およびアーマチュアに固定的に取り付けられるかまたはそれらと一体的に形成され、それにより、アーマチュアの(つまり、軸方向の)運動をバルブ部材の運動に直接リンクすることがあり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、アーマチュアとコネクタとが互いに固定的に取り付けられていないことがあり得る。例えば、アーマチュアは1つ以上のばねによってコネクタに接続されていることがあり得る。アーマチュアは、コネクタに、その(つまり、軸方向の)進行の一部でのみ、もたれかかることがあり得る。
【0018】
コネクタ空隙を介する、アーマチュア空隙と作動流体ギャラリ出口との間の流体流路は、典型的には、(特に、流体作動機械が動作している間の使用中)中断なしかつ逆止めなしの流体流路であり、すなわち、典型的には、アーマチュア空隙と作動流体ギャラリ出口とを仲介する逆止め弁は存在しない。アーマチュア空隙と作動流体ギャラリ出口とは、典型的には、コネクタ空隙を介して連続流体連通している。
【0019】
コネクタ空隙は、第1のコネクタガイドとコネクタとの間に設けられた隙間を通る漏洩経路を介してバルブと流体連通し得る。隙間は、バルブに隣接して配置され得、バルブ周囲の流体圧力に暴露され得る。
【0020】
バルブ(および/またはバルブアセンブリが流体作動機械で使用されているとき、特にバルブ部材が開いており、作動流体によってバルブシートがバルブを通過できるときの作動チャンバ)と、作動流体ギャラリ出口との間の流体連通、および/またはバルブとアーマチュア空隙との間の流体連通は、第1コネクタガイドとコネクタとの間の漏洩経路を介するものであることがあり得る。
【0021】
コネクタが接続ロッドである場合、第1のコネクタガイドは、バルブに隣接して配置された第1のロッドガイドであり得、隙間は、第1のロッドガイドと接続ロッドとの間に設けられ得る。
【0022】
バルブアセンブリは、コネクタに半径方向案内を提供する第2のコネクタガイドを備え得る。第2のコネクタガイドは、チューブの一部を形成し得る。第2のコネクタガイドは、チューブに固定的に取り付けられ得る。コネクタが接続ロッドである場合、第2のコネクタガイドは、接続ロッドに半径方向案内を提供する第2のロッドガイドであり得る。
【0023】
コネクタとチューブおよび/または第2のコネクタガイドの内壁との間の隙間は、典型的には、(つまり、使用中)1回の(つまり、完全な)バルブ作動サイクル全体を通して、それにまたがる圧力差に起因するチューブおよび/または第2のコネクタガイドのたわみが、前記チューブおよび/または第2のコネクタガイドをコネクタに衝突させないように、十分に大きい。
【0024】
チューブは、流体から、流体内に、および/または流体を通って延在し得、チューブの外壁の少なくとも一部は、流体ギャラリ壁のうちのある(典型的には内側の)壁の一部を形成する。流体ギャラリの壁は、流体ギャラリ隔壁であり得る。チューブは、基部コンポーネントに固定的に取り付けられるかまたは基部コンポーネントと一体的に形成され、例えば、流体ギャラリとコネクタ空隙との間に、流体ギャラリのための(密封)シールを形成するように構成され得る。基部コンポーネントは、流体ギャラリを作動チャンバから密封し得る。基部コンポーネントはまた、流体ギャラリの壁の一部を形成し得る。流体ギャラリのある壁または当該壁は、作動チャンバと流体ギャラリとの間に設けられ得る。
【0025】
基部コンポーネントは、バルブ部材が動作可能に配置されるバルブ部材空隙を画定することがあり得る。
【0026】
流体ギャラリは、典型的には、作動流体ギャラリとは異なる。作動流体ギャラリは、第1の流体ギャラリと見なすことができ、流体ギャラリは、第2の流体ギャラリと見なすことができる。
【0027】
流体ギャラリは、チューブの少なくとも一部分を包囲し得る。
バルブは低圧バルブであり、作動流体ギャラリは低圧流体ギャラリであり、流体ギャラリは高圧流体ギャラリであることがあり得る。
【0028】
コネクタ空隙の一部分および/または1つ以上の概ね半径方向延在流体通路のうちの1つ以上は、基部コンポーネント内までおよび/または基部コンポーネントを完全に貫いて延在し得る。
【0029】
第1のコネクタガイドは、基部コンポーネントに固定的に取り付けられるかまたは基部コンポーネントと一体的に形成されることがあり得る。
【0030】
コネクタ空隙は、チューブを超えて流体ギャラリ壁(例えば、流体ギャラリ隔壁)内まで延在し、1つ以上の概ね半径方向延在流体通路のうちの少なくとも1つに流体接続することがあり得る。コネクタ空隙は、チューブを越えて基部コンポーネント内まで延在し、1つ以上の概ね半径方向延在流体通路のうちの少なくとも1つに流体接続することがあり得る。
【0031】
コネクタ空隙は、アーマチュア空隙と第1のコネクタガイドとの間を軸方向に延在することがあり得る。
【0032】
第1のコネクタガイドのある外部領域(例えば、外壁)および第2のコネクタガイドのある外部領域(例えば、外壁)が、加圧されていない(つまり、使用中であるときの)バルブアセンブリの領域内に配置され、それらは、作動流体ギャラリおよび/または流体ギャラリおよび/または作動チャンバによって及ぼされる圧力を受けないことがあり得る。
【0033】
第1のコネクタガイドは、使用中、作動チャンバに面する流体ギャラリ壁の側面から離れるように延在するチューブ部分を備え、チューブ部分の外壁が作動チャンバ圧力に暴露されることがあり得る。チューブ部分は、コネクタの周りに適合するように内寸が決めされており、加圧中(つまり、使用中であるとき)の作動チャンバ圧力がチューブ部分の外壁に作用し、前記外壁をコネクタに向かってたわませ、作動チャンバからコネクタに沿った隙間を通ってコネクタ空隙内へ至る流体の漏洩を制限することがあり得る。
【0034】
コネクタの少なくとも一部分は、流体ギャラリ壁を少なくとも部分的に通って延在することがあり得る。コネクタと流体ギャラリ壁の少なくとも一部分との間の適合により、密着動きばめまたは滑りばめが提供されることがあり得る。
【0035】
流体接続(例えば、専用の流体流空隙および/または漏洩経路を含む流体流用経路)が、バルブ部材空隙および第1のコネクタガイドを介して作動チャンバとコネクタ空隙との間に形成されることがあり得る。流体接続(例えば、専用の流体流空隙および/または漏洩経路を含む流体流用経路)が、バルブ部材空隙、第1のコネクタガイド、コネクタ空隙、および第2のコネクタガイドを介して作動チャンバとアーマチュア空隙との間に形成されることがあり得る。流体接続(例えば、専用の流体流空隙および/または漏洩経路を含む流体流用経路)が、バルブ部材空隙、第1のコネクタガイド、コネクタ空隙および1つ以上の概ね半径方向延在通路を介して作動チャンバと作動流体ギャラリとの間に形成されることがあり得る。
【0036】
チューブは、少なくとも1つのチューブ空隙を含み得る。少なくとも1つのチューブ空隙は、チューブの1つ以上の壁内に(例えば、チューブの内壁と外壁との間に)配置され得る。少なくとも1つのチューブ空隙は、典型的には、作動流体ギャラリ出口とアーマチュア空隙および/またはコネクタ空隙との間に流体流路を提供する。チューブ空隙は、コネクタ空隙に直接隣接するアーマチュア空隙で終端し得る。したがって、流体は、コネクタ空隙とチューブ空隙との間で容易に伝達され得る。チューブ空隙は、チューブの長さ全体にわたる1つ以上のドリル孔または貫通孔の形態であり得る。
【0037】
コネクタは、少なくとも1つの接続空隙の形態のさらなる空隙を含み得、前記接続空隙は、コネクタの壁内に配置され、作動流体ギャラリ出口と、アーマチュア空隙および/またはコネクタ空隙との間に流体経路を提供する。接続空隙は、コネクタ空隙に直接隣接するアーマチュア空隙で終端し得る。したがって、流体は、コネクタ空隙と接続空隙との間で容易に伝達され得る。チューブ空隙は、チューブの長さを部分的に貫通する1つ以上の軸方向ドリル孔または貫通孔の形態であり得、これらの軸方向ドリル孔または貫通孔は次いで、コネクタ内の通し孔/ドリル孔/凹部を介して、隔壁内の半径方向ドリルウェイの最も内側の端部を軸方向ドリル孔につなげる概ね半径方向ドリル孔に接続されている。コネクタを貫く軸方向ドリル孔または貫通孔、およびコネクタ内の孔/ドリル孔/凹部は、一緒になって接続空隙を形成する。
【0038】
アーマチュアは、1つ以上のアーマチュア流体通路を備えることがあり得る。1つ以上のアーマチュア流体通路は、アーマチュアを通って(例えば、軸方向に)延在し得る。1つ以上のアーマチュア流体通路は、典型的には、コネクタ空隙およびアーマチュア空隙と流体連通している。これにより、典型的には、1つ以上のアーマチュア流体通路を介して、アーマチュア空隙とコネクタ空隙との間を流体が流れることが可能になる。それによって、典型的には、例えば、アーマチュア空隙内でアーマチュアが動く際のアーマチュア空隙内の流体の圧縮に起因する圧力増大が低減される。
【0039】
アーマチュアは、磁気的であり得る。アーマチュアは、磁性材料(例えば、鉄)から形成され得る。アクチュエータは、電磁アクチュエータであり得る。アクチュエータは、ソレノイドを備え得る。ソレノイドは、典型的には、磁気アーマチュアに力を及ぼし、それにより磁気アーマチュアを動かすように動作可能である。
【0040】
コネクタ空隙内の圧力は、典型的には、使用中の流体作動機械の入口圧力よりも高くならない。アーマチュア空隙内の圧力は、典型的には、使用中の流体作動機械の入口圧力よりも高くならない。
【0041】
作動流体は、典型的には、油圧油である。
本発明の第2の態様は、(使用中に周期的に変化する容積を有する)作動チャンバと、作動流体ギャラリと、本発明の第1の態様に従うバルブアセンブリとを備え、バルブアセンブリは、作動チャンバと作動流体ギャラリとの間の作動流体の流れを調整するように配設されている、流体作動機械を提供する。
【0042】
流体作動機械は、各々がそれぞれのバルブに関連付けられ、前記それぞれのバルブによって当該(つまり、同じ)作動流体ギャラリに選択的に接続される複数の作動チャンバを備えることがあり得る。したがって、作動流体ギャラリは、典型的には、複数のバルブアセンブリに共有されかつそれらに流体接続されている共有作動流体ギャラリである。作動流体ギャラリが低圧流体ギャラリである実施形態では、複数のバルブアセンブリ(各前記バルブアセンブリはそれぞれの作動チャンバに関連付けられている)のうちのいくつかもしくはすべてを前記低圧ギャラリに接続することができ、かつ/または複数のバルブアセンブリのうちのいくつかもしくはすべてを(典型的には、すべての作動チャンバを包囲する)クランク室空洞に接続することができ、かつ/または複数のバルブアセンブリのいくつかもしくはすべてをブースト圧力ギャラリ(典型的にはブーストポンプによって大気圧より高く加圧された作動流体を含むブースト圧力ギャラリ)に接続することができる。作動流体ギャラリが高圧ギャラリである実施形態では、(各々がそれぞれの作動チャンバに関連付けられている)複数のバルブアセンブリのうちのいくつかまたはすべてを前記高圧ギャラリに接続することができる。
【0043】
チューブは、流体ギャラリを(例えば、完全に)貫いて延在し、それにより、流体ギャラリの壁の一部を形成し、かつ/または、例えば流体ギャラリとコネクタ空隙との間に、流体ギャラリのための(密封)シールを形成するように構成された基部コンポーネントに固定的に取り付けられるかまたはそれと一体的に形成される。
【0044】
バルブは、作動チャンバと流体ギャラリとの間の作動流体の流れを調整しないこと、すなわち、流体ギャラリは作動流体ギャラリとは異なることがあり得る。
【0045】
バルブは低圧バルブであり、作動流体ギャラリは低圧流体ギャラリであり、流体ギャラリは高圧流体ギャラリであることがあり得る。
【0046】
本発明の任意の1つの態様の任意選択の特徴および好適な特徴は、本発明の任意の他の態様の特徴であり得る。
【0047】
本発明の例示的な実施形態を、以下の図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】バルブアセンブリの概略断面図を示す。
図2】3回のバルブ作動サイクル中のピストン位置、作動チャンバ圧力、および半径方向通路流体流のグラフを示す。
図3】電子(または合成)整流油圧機械を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、バルブアセンブリ10の例示的な実施形態の概略断面図である。バルブアセンブリは、アーマチュア14(アーマチュア)を貫いて延在しかつそこに固定的に取り付けられた円筒形中実接続ロッド22(コネクタ)に固定的に取り付けられた環状バルブ部材28(バルブ部材)を有する。バルブ部材、接続ロッド、およびアーマチュアは、バルブアセンブリ軸Aに沿って配設されている。バルブ部材は、2つの密封ラインを備えている。
【0050】
バルブアセンブリはまた、バルブカプセル46および圧力隔壁44(流体ギャラリ壁または基部コンポーネント)も有する。バルブカプセルは、アーマチュア14の周りに設けられたソレノイドコイル36(アクチュエータ)を包囲している。アーマチュアは、ソレノイドコイルによって包囲された空間のすべてを満たしてはいないので、アーマチュア、ソレノイドコイル、およびバルブカプセルの内壁の間にアーマチュア空隙が設けられている。圧力隔壁は、バルブ部材28および1つ以上のバルブ部材用バルブシート(図示せず)を包囲するバルブ部材空隙40を形成している。
【0051】
接続ロッド22は、圧力隔壁を貫く円筒形内腔を通って延在している。第1の流体ギャラリ32(流体ギャラリ)は、バルブカプセルと圧力隔壁との間に配置されている。圧力隔壁の一部分34は、圧力隔壁の本体とバルブカプセルとの間を軸方向に、第1の流体ギャラリを通って延在して、接続ロッドの周りに円筒形チューブ34(チューブ)を形成している。チューブ34は、バルブカプセルの一部分に入りそれを通ってアーマチュア内に延在している。接続ロッド空隙24(コネクタ空隙)が、接続ロッドとチューブとの間の接続ロッドの周りに設けられている。
【0052】
複数の半径方向通路38(概ね半径方向通路)が、接続ロッド空隙から圧力隔壁44の本体を貫いて延在し、第2の流体ギャラリ30(作動流体ギャラリ)に流体接続されている。複数のアーマチュア通路16が、アーマチュアの本体を軸方向に貫いて延在している。ポート42が、アーマチュアに直接隣接するチューブの外壁に設けられている。バルブ部材空隙40に直接隣接する圧力隔壁44の一部分は、接続ロッドの周りに滑りばめする下方接続ロッドガイド(第1のコネクタガイド)を形成するような形状とされている。上方接続ロッドガイド18(第2のコネクタガイド)が、アーマチュアの内側で、チューブの端部に取り付けられ、やはり接続ロッドの周りに滑りばめするような形状とされている。
【0053】
バルブアセンブリは、図3に示すように、油圧油作動機械、より具体的には電子(または合成)整流流体作動機械(ポンプまたはモータであり得る)で使用するために、(おそらく、バルブ28の全幅にわたって、領域40に直接流体接続されている)作動チャンバに接続するように設計されている。
【0054】
電子整流油圧油作動機械は、シリンダの内側表面によって画定された作動容積(つまり、作動チャンバ容積)102を有する複数のシリンダ100と、偏心カム110によって回転シャフト108から駆動され、シリンダ内を往復運動してシリンダの作動容積を周期的に変化させるピストン106とを備える。シャフト位置および速度センサ112が、シャフトの瞬間角度位置および回転速度を決定し、信号線114を介して、機械コントローラ116にモータシャフトの位置および/または速度を通知し、これにより、機械コントローラは各シリンダのサイクルの瞬間位相を決定することができる。
【0055】
シリンダは、各々、電子作動式面シールポペットバルブ118の形態の低圧バルブ(LPV)と関連付けられ、バルブは、それらの関連シリンダに向かって内側を向き、1つまたはいくつかのシリンダ、あるいは実際にはここに図示されているようにすべのシリンダを、電子整流油圧ポンプ/モータの低圧油圧油ライン120に接続し得る、シリンダから低圧油圧油ライン120まで延在するチャネルを選択的に封鎖するように動作可能である。LPVは、シリンダ内の圧力が低圧油圧油ライン内の圧力以下であるとき、つまり吸気行程中に、受動的に開いて、シリンダを低圧油圧油ラインと流体連通させるが、LPV制御ライン124を介してコントローラの能動制御下で選択的に閉鎖可能であり、シリンダを低圧油圧油ラインとの流体連通から解除する、常開ソレノイド閉鎖バルブである。常閉ソレノイド開放バルブなどの、代替の電子制御可能バルブを使用してもよい。
【0056】
シリンダはさらに、各々、圧力作動送出バルブの形態の高圧バルブ(HPV)126と関連付けられている。HPVは、シリンダから外側に開き、1つまたはいくつかのシリンダ、あるいは実際にはここに図示したようにすべてのシリンダを、伝達高圧油圧油ライン122に接続し得る、シリンダから高圧油圧油ライン122まで延在するチャネルを封鎖するように動作可能である。HPVは、シリンダ内の圧力が高圧油圧油ライン内の圧力を超えたときに受動的に開く常閉圧力開放逆止弁として機能する。HPVはまた、一旦そのHPVが関連シリンダ内の圧力によって開放されると、コントローラがHPV制御ライン132を介して選択的に開放に保持することができる常閉ソレノイド開放逆止弁としても機能する。典型的には、HPVは、高圧油圧油ライン内の圧力に抗してコントローラによって開くことはできない。HPVは、圧力が高圧油圧油ライン内に存在するがシリンダ内には存在しないとき、コントローラの制御下で追加的に開放可能であり得、あるいは、例えばバルブが上記タイプのものであり、WO2008/029073またはWO2010/029358(これらの内容は参照により本明細書に取り込まれるものとする)に開示されている方法に従って動作される場合、部分的に開放可能であり得る。
【0057】
例えば、その内容が本参照により本明細書に組み込むものとするEP0361927、EP0494236、およびEP1537333に記載されているポンプ駆動の間の通常運転モードでは、コントローラは、1回のシリンダ作動容積サイクル全体を通して作動チャンバのLPVを開放に保持するか(この場合、高圧ラインへの作動流体の正味変位はなく、休止サイクルと呼ばれる)、または1つ以上のLPVを典型的には関連シリンダのサイクル中の最大容積点近くで能動的に閉じ、それにより低圧油圧油ラインへの経路を閉鎖し、後続の収縮行程において流体を関連HPVを通して流出させる(ポンプ駆動サイクルと呼ばれる)かのいずれかによって、個別の作動チャンバによる高圧油圧油ラインへの流体の正味変位量を選択する。ポンプの正味変位は、シャフトの回転に同期し、電子要求信号に応答する、コントローラが決定した順序で、各作動チャンバの連続サイクルで休止サイクルとポンプ駆動サイクルとを混合することにより変化させることができる。
【0058】
このような制御のデジタル性と、(従来の可変行程機械が有するであろう)変位を変更することに固有の機械的摩擦がないこととのために、この機械は、要求への応答においてヒステリシス、不動帯、および非線形性を示さない。機械は、機械シャフトの回転速度は比較的速いので、シャフト回転の半分(シャフト回転の半分の時間は典型的には10ms~20ms程度である)以内で(最大からゼロまで、またはその逆に)変位を変更でき、したがって、機械は、典型的には電子要求信号からポンプ変位応答までに100msを超える遅延を示す可変斜板ポンプよりもはるかに高速に制御入力に応答する。
【0059】
モータ駆動のとき、コントローラは、1サイクル中にそれぞれのLPVを開放に保持するか(その場合、高圧ラインから低圧ラインへの作動流体の正味変位はない)、または1つ以上のLPVを関連シリンダのサイクルの最小容積点の直前に能動的に閉鎖し、低圧油圧油ラインへの経路を閉鎖して、シリンダ内の流体を収縮行程の残りの部分よって圧縮させるかのいずれかによって、シリンダによる高圧油圧油ラインからの流体の正味変位量を選択する。関連HPVは、それを横切る圧力が等しくなると開き、少量の流体が関連HPVを通って流出される。次いで、モータコントローラは、典型的には関連シリンダのサイクル中の最大容積近くまで、関連HPVを能動的に開放に保持し、高圧油圧油ラインから流体を流入させ、回転可能シャフトにトルクを加える。これは、モータサイクルにつながる。コントローラは、LPV閉鎖およびHPV開放の回数および順序を選択して、選択された正味変位量を満たすような流れを生成する、すなわちシャフトトルクもしくは動力を生成する。
【0060】
サイクルごとにLPVを閉鎖するかまたは開放に保持するか否かを決定することに加えて、コントローラは、変動するシリンダ容積に対してHPVおよびLPVのいずれかまたは両方の閉鎖の正確な位相調整を変化させ、それにより、高圧油圧油ラインから低圧油圧油ラインへの、またはその逆の流体の正味変位量を選択するように動作可能である。
【0061】
図3に示された機械は、ポンプまたはモータのいずれかとして使用可能であるが、いくつかの実施形態では、駆動される任意のそのようなポンプは、電子制御される高圧バルブを有さないことがあり得る。代わりに、高圧バルブは受動的逆止弁であり得、したがって、ポンプはモータ機能を実行できない。
【0062】
同様に、いくつかの実施形態では、対応する油圧モータは完全に受動的なバルブ、または整流ポートプレートを使用し、その場合、それらは制御性が低く、単に受け取った油圧油の圧力によって調整され得る。
【0063】
図1に示された特定のバルブアセンブリに戻ると、バルブ部材28は、流体が第2の流体ギャラリと作動チャンバとの間の流体導管を通って流れることができる開放位置と、環状バルブ部材が1つ以上のバルブシートに着座し、第2の流体ギャラリと作動チャンバとの間の流体の流れを制限する閉鎖位置との間で動作可能である。
【0064】
アーマチュア14は、鉄などの磁性材料でできている。ソレノイド36は、アクチュエータとして機能し、バルブを開閉するために、アーマチュアに選択的に力を加えて、アーマチュア、接続ロッドおよびバルブ部材の軸方向運動を駆動する。
【0065】
使用中、アーマチュア空隙12、アーマチュア通路16、接続ロッド空隙24、半径方向通路38、第1の流体ギャラリ32、第2の流体ギャラリ30、およびバルブ部材空隙40は、(図1ではクロスハッチングで示されている)油圧油で満たされている。第1および第2の流体ギャラリの一方は、低(相対)圧力の流体を含み、第1および第2の流体ギャラリの他方は、高(相対)圧力の流体を含む。例えば、チューブを包囲する第1の流体ギャラリは高圧の流体を含み、第2の流体ギャラリは低圧の流体を含むことがあり得る。この場合、バルブは、低圧バルブである。
【0066】
バルブの動作中、流体は、作動チャンバから、バルブ部材空隙を通り、下方接続ロッドガイドによって画定された隙間を通り、接続ロッド空隙およびアーマチュア空隙内に漏洩する傾向にある。接続ロッド空隙およびアーマチュア空隙の内外への流体の漏洩は、それぞれの空隙間に圧力不均衡が存在するときはいつでも発生する。
【0067】
半径方向通路を有さない既知のバルブアセンブリでは、作動チャンバは典型的には加圧状態ではないときよりも多くの時間を費やすので、接続ロッド空隙およびアーマチュア空隙内の流体圧力は、典型的には、バルブの動作中に次第に増大する。これは、作動チャンバの平均圧力は、作動チャンバが休止行程を実行するときと比較して、作動チャンバがポンプ駆動またはモータ駆動行程を実行するときにより高く、典型的な使用では、作動チャンバが休止行程よりも多くのポンプ駆動またはモータ駆動行程を実行するためである。ポンプ駆動サイクルには、高圧バルブを介して出力される高圧力を発生させるポンプ駆動行程であるピストン行程が含まれる。モータ駆動サイクルには、低圧バルブを介して作動チャンバに入る高圧力を受けることでピストンを動かすモータ駆動行程であるピストン行程が含まれる。作動チャンバからの漏洩が有意である場合、接続ロッド空隙およびアーマチュア空隙内の流体圧力は、作動チャンバ圧力に追従する傾向があり、したがって循環する。接続ロッド空隙およびアーマチュア空隙内の流体圧力の循環はまた、それぞれの空隙内でのアーマチュアおよび接続ロッドの動きと、結果として生じる流体の変位とによっても、ある程度惹起される。流体圧力の循環は、圧力隔壁およびバルブカプセルコンポーネントの疲労破壊につながる可能性があり、その結果、典型的には、より強固でかつより耐疲労性の材料が必要になる。また、流体圧力の循環により、アーマチュアおよび接続ロッドに作用する予測不能な圧力がもたらされ、それで、アーマチュアおよび接続ロッドを動かすのに必要なアクチュエータの力も予測不能である。一般に、接続ロッド空隙およびアーマチュア空隙内の圧力が高くなると、バルブカプセルおよび圧力隔壁により強固な材料を使用することが必要となる。
【0068】
しかしながら、半径方向通路38が設けられると、コネクタロッド空隙およびアーマチュア空隙内の圧力の変化に応答して、流体が低圧流体ギャラリ30内に排出されたり、またはそこから引き出されることができる。したがって、それぞれの空隙内の圧力の循環が有意に低減される。さらに、それぞれの空隙を低圧ギャラリに接続することにより、空隙内の流体圧力は比較的低く保たれる。したがって、より強固で疲労耐性のある材料を使用することは必要なく、さまざまなコンポーネントの寿命が有意に延ばされる。アーマチュア通路16はまた、アーマチュアを通る流体の流れを可能にし、アーマチュアによる流体の変位によって惹起される圧力循環を低減し、比較的妨害のない、高速および/または高振動数のアーマチュアの動きを可能にする。
【0069】
さまざまな空隙および通路を通る流体の流れを、一連のポンプ駆動行程(ポンプ駆動サイクル)に関して、図2を参照して詳細に説明する。この場合、バルブは低圧バルブである。(図2の上のグラフに示すように)1サイクル内に作動チャンバ内のピストンが下死点(BDC)から上死点(TDC)に動き、再び戻ると、半径方向通路38に沿った流体の流れの方向は変化し、逆になり得る。特に、TDCで、低圧バルブが開き始めると、(TDCから始まる)開放期間A全体を通して、接続ロッドとアーマチュアとは、バルブシートから離れてアーマチュア空隙内に軸方向にさらに動き、封止が不十分なピストンがシリンダ内に動く動作と同様に、流体をアーマチュア空隙から接続ロッド空隙内におよび半径方向通路内に変位させ、作動流体ギャラリに向かう流れを惹起する(これは、図2の下のグラフに負の流体流として示されている)。同様に、バルブが閉じ始めるBDCでは、(BDCから始まる)閉鎖期間B全体を通して、接続ロッドとアーマチュアとがバルブシートに向かって軸方向に動き、流体が半径方向通路を通してアーマチュア空隙および接続ロッド空隙に引き込まれる(これは、図2の下のグラフに正の流体流として示されている)。バルブシートの方向のコネクタの動きは、バルブシートから離れる方向の対応する流体流を、コネクタ空隙領域を介して惹起する。同様に、バルブシートに向かう反対方向のコネクタの動きは、バルブシートに向かう流体流を惹起する。期間Cのバルブを開いてからバルブを閉じるまでの間、作動チャンバ内の圧力は低く、その結果、作動チャンバから下方接続ロッドガイド隙間を介して接続ロッド空隙またはアーマチュア空隙内へ至る流体の正味漏洩はなく、半径方向通路を流体流もない。期間Dのバルブを閉じてから再びバルブを開くまでの間、作動チャンバ内の圧力は高く、作動チャンバから下方接続ロッドの隙間を介してアーマチュア空隙および接続ロッド空隙の両方に至る圧力差が、少量の流体の漏洩を、作動チャンバから下方接続ロッドガイド隙間を通して接続ロッド空隙内に誘導する。したがって、少量の流体が半径方向通路から排出される(これは、図2の下のグラフに小さな負の流体流として示されている)。
【0070】
バルブが高圧バルブであり、したがって第1の流体ギャラリが低圧ギャラリであり、第2の流体ギャラリが高圧ギャラリである代替の実施形態では、半径方向通路はなおも、アーマチュア空隙および接続ロッド空隙内の圧力の循環を低減するが、それぞれの空隙内の全体的な圧力は低圧に低減されないという利点を提供する。
【0071】
当業者は、本明細書に記載のバルブアセンブリを、(i)作動チャンバと低圧流体ギャラリとの間の作動流体の流れを調整するための、低圧バルブ部材と1つ以上の低圧バルブシートとを備える低圧バルブ、および(ii)作動チャンバと高圧流体ギャラリとの間の作動流体の流れを調整するための、高圧バルブ部材と1つ以上の高圧バルブシートとを備える高圧バルブの両方を統合する統合バルブアセンブリを形成するように適合させることができることを理解するであろう。そのような実施形態では、高圧ギャラリは、典型的には、チューブの周りに延在する第1の流体ギャラリであり、2つのバルブは単一バルブアセンブリの一部であろう。そのような統合設計における高圧バルブと低圧バルブとは、典型的には、実質的に同軸に配設されるであろう。高圧バルブは、チューブの周りに配置された環状バルブであり得、チューブの外面によって内部で半径方向に案内される。そのような実施形態では、高圧バルブシートは隔壁上に形成され得、ドリルウェイは(低圧バルブ28の周囲の流体領域に接続する半径方向通路38と同様に)高圧バルブシートと作動チャンバとの間に延在し得、そのようなドリルウェイはインターリーブしているが、低圧半径方向通路38とは交差していない。
【0072】
バルブアセンブリが、ポンプ駆動およびモータ駆動の両方を実行するために必要なピストン/シリンダ構成の作動チャンバに接続されている実施形態では、高圧バルブおよび低圧バルブの両方が被作動バルブであり、したがって、同じアクチュエータによって(例えば同じソレノイドコイルによって)作動されるという点から、磁気回路を共有し得る。
【0073】
さらなる変形および変更が、本明細書に開示された本発明の範囲内でなされ得る。
図1
図2
図3