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特許7250014電力制御方法、ユーザ機器、基地局、パラメータ構成方法および制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】電力制御方法、ユーザ機器、基地局、パラメータ構成方法および制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/32 20090101AFI20230324BHJP
   H04W 72/20 20230101ALI20230324BHJP
【FI】
H04W52/32
H04W72/20
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020526884
(86)(22)【出願日】2018-11-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-12
(86)【国際出願番号】 CN2018116277
(87)【国際公開番号】W WO2019096317
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-07-14
(31)【優先権主張番号】201711148323.5
(32)【優先日】2017-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】姚 珂
(72)【発明者】
【氏名】高 波
(72)【発明者】
【氏名】魯 照 華
(72)【発明者】
【氏名】張 淑 娟
【審査官】米倉 明日香
(56)【参考文献】
【文献】Samsung,On UL Power Control,3GPP TSG RAN WG1 #90b R1-1717692,2017年10月03日
【文献】Adhoc chair (Samsung),RAN1 session notes for agenda item 7.6 (UL power control),3GPP TSG RAN WG1 #90b R1-1719117,2017年10月17日
【文献】ZTE,Offline summary for Al 7.6 NR UL power control,3GPP TSG RAN WG1 #90b R1-1718883,2017年10月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力制御方法であって、
アップリンク送信の開ループ電力制御パラメータセットにおけるパラメータの少なくとも一部を受信するステップを含み、前記開ループ電力制御パラメータセットは、インデックスによって識別され
受信した前記開ループ電力制御パラメータセットの前記インデックスに関連付けられた閉ループ電力制御プロセスIDに対応するローカル閉ループ電力調整量をリセットするステップとを含む、電力制御方法。
【請求項2】
前記アップリンク送信は、
物理アップリンク共有チャネル送信、または、
物理アップリンク制御チャネル送信、
のうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の電力制御方法。
【請求項3】
アップリンク送信の前記開ループ電力制御パラメータセットにおけるパラメータは、
目標受信電力、または、
経路損失係数、
のうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の電力制御方法。
【請求項4】
開ループ電力制御パラメータは、開ループ電力制御パラメータIDによって示され、
閉ループ電力制御プロセスは、前記閉ループ電力制御プロセスIDによって示される、請求項1に記載の電力制御方法。
【請求項5】
ユーザ機器UEが、
前記開ループ電力制御パラメータIDと参照信号インデックスとの関連、または、
前記閉ループ電力制御プロセスIDと参照信号インデックスとの関連、
のうちの少なくとも一方を受信するステップをさらに含む、請求項4に記載の電力制御方法。
【請求項6】
ユーザ機器(UE)であって、プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
アップリンク送信の開ループ電力制御パラメータセットにおけるパラメータの少なくとも一部を受信するように構成されており、前記開ループ電力制御パラメータセットは、インデックスによって識別され前記プロセッサは、
受信した前記開ループ電力制御パラメータセットの前記インデックスに関連付けられた閉ループ電力制御プロセスIDに対応するローカル閉ループ電力調整量をリセットするように、構成されている、ユーザ機器(UE)。
【請求項7】
前記アップリンク送信は、
物理アップリンク共有チャネル送信、または、
物理アップリンク制御チャネル送信、
のうちの少なくとも一方を含む、請求項6に記載のユーザ機器(UE)。
【請求項8】
アップリンク送信の前記開ループ電力制御パラメータセットにおけるパラメータは、
目標受信電力、または、
経路損失係数、
のうちの少なくとも一方を含む、請求項6に記載のユーザ機器(UE)。
【請求項9】
開ループ電力制御パラメータは、開ループ電力制御パラメータIDによって示され、
閉ループ電力制御プロセスは、前記閉ループ電力制御プロセスIDによって示される、請求項6に記載のユーザ機器(UE)。
【請求項10】
前記プロセッサはさらに、
前記開ループ電力制御パラメータIDと参照信号インデックスとの関連、または、
前記閉ループ電力制御プロセスIDと前記参照信号インデックスとの関連、
のうちの少なくとも一方を受信するように構成されている、請求項9に記載のユーザ機器(UE)。
【請求項11】
コンピュータによる実行が可能なコードを格納するためのコンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータによる実行が可能なコードは、実行されると、請求項1~5のいずれか1項に記載の前記方法を実現することが可能である、コンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年11月17日に出願された中国特許出願第201711148323.5号に基づいており、この出願に基づく優先権を主張し、その開示全体を本明細書に引用により援用する。
【0002】
技術分野
本願は、無線通信の技術分野に関し、特に、電力制御方法、ユーザ機器(user equipment)(UE)、基地局、パラメータ構成方法および制御方法に関するが、これらに限定される訳ではない。
【背景技術】
【0003】
背景
第3世代パートナーシッププロジェクト(Third Generation Partnership Project)(3GPP)の進行中の研究プロジェクトである5G新無線(New Radio)(NR)は、直交周波数分割多重方式(orthogonal frequency division multiplexing)(OFDM)に基づいて新たな無線エアインターフェイス規格を決定しており、これは次世代モバイルネットワークの基礎となるであろう。第5世代モバイル通信システムとして、NR技術は、今までよりも多くのさまざまな種類のアプリケーションシナリオをサポートする必要があり、また、従来の周波数帯、高周波数帯およびビームモードを同時にサポートする必要もあり、このことは電力制御設計に大きな課題をもたらす。
【0004】
ロングタームエボリューション(long term evolution)(LTE)技術における電力制御は、経路損失、目標受信電力、最大送信電力、閉ループ電力調整量、送信帯域幅、送信レートなどのような、多数の要素に関係がある。LTEでは、サウンディング参照信号(sounding reference signal)(SRS)が、ユーザ機器から基地局に送信され、アップリンクチャネルを調査するために使用され、SRSの送信電力制御は、物理アップリンク共有チャネル(physical uplink shared channel)(PUSCH)の電力制御プロセスに密接な関係がある。NRマルチビームシナリオにおけるSRSは、LTEにおけるSRSの特徴を受け継ぐ必要があるだけでなく、アップリンクビームスキャンの実行等の新たな要件を満たす必要もある。アップリンクビームスキャンのプロセスはさまざまなフェイズを有し得るものであり、それぞれが、異なる数のビームの送信および/または受信のトレーニングをサポートする。ビームスキャンの結果は、次のPUSCH、物理アップリンク制御チャネル(physical uplink control channel)(PUCCH)、およびSRSの送信ビームを決定するために使用される。同時に、無線チャネルには経時変化という特徴があるので、データ送信プロセスにおいて、UEは、チャネルの調査またはビームのスキャンのためにSRSを送信する必要もある。このため、マルチビームシナリオにおいて、NRは、さまざまな異なる要件を伴うSRSをサポートする必要があり、電力制御機構について異なる要件を有する。通信信号要件を満たし柔軟性のある構成を実装する電力制御の実現は、解決すべき緊急の課題のうちの1つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
概要
本願は、電力制御方法、UE、基地局、パラメータ構成方法および制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願のある実施形態は電力制御方法を提供する。この電力制御方法は下記のステップを含む。
【0007】
少なくとも1つの構成情報(configuration information)を受信し、構成情報は少なくとも1つのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットを含み、サウンディング参照信号リソースセットは少なくとも1つのサウンディング参照信号リソースを含み、SRSリソースセットはSRSリソースセットインデックスによって識別され、SRSリソースは第1のリソースインデックスによって識別される。
【0008】
少なくとも1つの電力制御パラメータセットを受信する。
SRSリソースセットと電力制御パラメータとの相関1またはSRSと電力制御パラメータとの相関2を受信する。
【0009】
受信した構成情報と、受信した電力制御パラメータセットと、相関1と相関2のうちの一方とに従い、SRSリソースに対応するSRSの電力制御パラメータ(すなわち送信電力パラメータ)を決定する。
【0010】
本願のある実施形態はさらに電力制御方法を提供する。この電力制御方法は下記のステップを含む。
【0011】
物理アップリンク共有チャネルおよび物理アップリンク制御チャネルが下記の条件のうちの少なくとも1つを満たす場合に、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータおよび/または送信ビームリソースを、物理アップリンク制御チャネルの電力制御パラメータおよび/または送信ビームリソースとして使用する。
【0012】
物理アップリンク共有チャネルおよび物理アップリンク制御チャネルが同一のスケジューリングユニットにある。
【0013】
物理アップリンク共有チャネルおよび物理アップリンク制御チャネルが周波数分割される。
【0014】
物理アップリンク共有チャネルおよび物理アップリンク制御チャネルが同一の送信ビームを有する。
【0015】
物理アップリンク共有チャネルに対応付けられた参照信号および物理アップリンク制御チャネルに対応付けられた参照信号がチャネル特性仮定を満たす。
【0016】
本願のある実施形態はさらにパラメータ構成方法を提供する。このパラメータ構成方法は下記のステップを含む。
【0017】
基地局がユーザ機器のための構成パラメータXを構成し、構成パラメータXは、アンテナ管理制御および/またはビーム管理制御のために使用される。
【0018】
本願のある実施形態はさらに制御方法を提供する。この制御方法は下記のステップを含む。
【0019】
同一キャリアにおいて、シンボルごとに送信するチャネルおよび/または信号に対し、以下の要件を満たすように電力調整を実行する。
【0020】
キャリアの最大電力が信号-キャリアの予め設定された最大電力限界しきい値以下であり、かつ、同一スロット内の複数のシンボルのうちの同一種類のチャネルおよび/または信号が同一の非ゼロ電力または同一の非ゼロ電力スペクトル密度を維持する。
【0021】
本願のある実施形態はさらに制御方法を提供する。この制御方法は下記のステップを含む。
【0022】
複数のキャリアにおいて、シンボルごとに送信するチャネルおよび/または信号に対し、以下の要件を満たすように電力調整を実行する。
【0023】
複数のキャリアの最大電力が複数のキャリアの予め設定された最大電力限界しきい値以下であり、かつ、同一キャリアにおける同一スロット内の複数のシンボルのうちの同一種類のチャネルおよび/または信号が同一の非ゼロ電力または同一の非ゼロ電力スペクトル密度を維持する。
【0024】
本願のある実施形態はさらにユーザ機器を提供する。このユーザ機器は、プロセッサとメモリと通信バスとを含む。
【0025】
通信バスは、プロセッサとメモリとの間の接続通信を実現するように構成されている。
プロセッサはメモリに格納されているアップリンク電力制御プログラムを実行することにより下記のステップを実現するように構成されている。
【0026】
少なくとも1つの構成情報を受信し、構成情報は少なくとも1つのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットを含み、サウンディング参照信号リソースセットは少なくとも1つのサウンディング参照信号リソースを含み、SRSリソースセットはSRSリソースセットインデックスによって識別され、SRSリソースは第1のSRSリソースインデックスによって識別される。
【0027】
少なくとも1つの電力制御パラメータセットを受信する。
SRSリソースセットと電力制御パラメータとの相関1、またはSRSと電力制御パラメータとの相関2を受信する。
【0028】
受信した構成情報、受信した電力制御パラメータセット、および相関1と相関2のうちの一方に従い、SRSリソースに対応するSRSの電力制御パラメータを決定する。
【0029】
本願のある実施形態はさらに基地局を提供する。この基地局は、プロセッサとメモリと通信バスとを含む。
【0030】
通信バスは、プロセッサとメモリとの間の接続通信を実現するように構成されている。
プロセッサはメモリに格納されているアップリンク電力制御プログラムを実行することにより下記のステップを実現するように構成されている。
【0031】
少なくとも1つの構成情報を構成し、構成情報は少なくとも1つのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットを含み、サウンディング参照信号リソースセットは少なくとも1つのサウンディング参照信号リソースを含み、SRSリソースセットはSRSリソースセットインデックスによって識別され、SRSリソースは第1のSRSリソースインデックスによって識別される。
【0032】
少なくとも1つの電力制御パラメータセットを構成する。
SRSリソースセットと電力制御パラメータとの相関1、またはSRSと電力制御パラメータとの相関2を構成する。
【0033】
構成情報、電力制御パラメータセット、および相関1と相関2のうちの一方に従い、かつ上記構成に従い、SRSのスケジューリング指示をユーザ機器に送信する。
【0034】
本願のある実施形態はさらに電力制御方法を提供する。この電力制御方法は下記のステップを含む。
【0035】
少なくとも1つの構成情報を構成し、構成情報は少なくとも1つのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットを含み、サウンディング参照信号リソースセットは少なくとも1つのサウンディング参照信号リソースを含み、SRSリソースセットはSRSリソースセットインデックスによって識別され、SRSリソースは第1のSRSリソースインデックスによって識別される。
【0036】
少なくとも1つの電力制御パラメータセットを構成する。
SRSリソースセットと電力制御パラメータとの相関1を構成する、またはSRSと電力制御パラメータとの相関2を受信する。
【0037】
本願のある実施形態はさらに電力制御方法を提供する。この電力制御方法は下記のステップを含む。
【0038】
アップリンク送信の開ループ電力制御パラメータセットにおけるパラメータの少なくとも一部が構成または再構成される場合に、構成または再構成される開ループ電力制御パラメータセットのインデックスに対応付けられた閉ループ電力制御プロセスID(identification)に対応するローカル閉ループ電力調整量をリセットする。
【0039】
本願のある実施形態はさらに、コンピュータ実行可能コードを格納するためのコンピュータ記憶媒体を提供し、このコンピュータ実行可能コードは、実行後、上記実施形態のうちのいずれか1つの方法を実現することができる。
【0040】
本願において提供される、上記電力制御方法、UE、基地局、パラメータ構成方法およびパラメータ制御方法は、基地局の構成情報に従ってSRSの電力制御パラメータを決定し、一律のアーキテクチャを利用して、マルチビームシナリオにおける異なる種類のSRSの送信電力を決定することにより、妥当なオーバヘッドで電力制御のための各種SRSの異なる要件を柔軟にサポートする。
【0041】
本明細書に記載の図面は、本願の一層の理解を得るため、および本願の一部を形成するために使用されている。本願における具体例としての実施形態とその説明は、本願を説明するために用いられているのであって、本願を何らかの不適切なやり方で制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本願のある実施形態に係る電力制御方法のフローチャートである。
図2】本願のある実施形態に係る電力制御方法のフローチャートである。
図3】本願のある実施形態に係る電力制御方法のフローチャートである。
図4】本願のある実施形態に係るユーザ機器の構造図である。
図5】本願のある実施形態に係る基地局の構造図である。
図6】本願のある実施形態に係るアンテナ無線周波数重み係数の概略図である。
図7】本願のある実施形態に係るロングPUCCH(L-PUCCH)とPUSCHとの間における周波数分割多重化の概略図である。
図8】本願のある実施形態に係るスロット内のシンボルの各チャネルに対する時間-周波数リソース割り当ての概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
詳細な説明
本願の目的、技術的解決策および利点を明らかにするために、以下において本願の実施形態の詳細な説明を図面と関連付けて提供する。なお、本願における実施形態および特徴は、対立が生じない限り相互に組み合わせてもよい。
【0044】
無線通信システムでは、送信装置の消費電力を低減し不必要な高電力送信によって生じる他の送信に対する干渉を低減するために、送信には送信電力制御が必要である。送信電力は、通信範囲の大きさ、最大送信電力、送信側と受信側双方に対する送受信デバイスの受信感度、データの変調および符号化方法(modulation and coding scheme)(MCS)、変調および符号化方法のレート、有効周波数帯、ならびに送信が占める帯域幅等の要素の影響を受ける。一般的に、受信端における受信信号の品質要件が満たされるという条件で、相対的に低い送信電力をできる限り使用する必要がある。
【0045】
たとえば、通信ノード1が参照信号を送信し、通信ノード2が参照信号に従ってノード1からノード2までの経路損失(pathloss)(PL)を測定する。PLは、ノード1の参照信号の送信電力とノード2が受信した参照信号の電力とによって測定される。ノード2からノード1までの送信チャネルのPLはノード1からノード2までのチャネルのPLと同一であると想定し、送信電力を、送信の受信端における受信電力が受信要件を満たすことができるように設定する。PLは単方向測定の結果なので、この要素は送信電力の開ループ部分に属する。ノード2はこの送信を受信し、次に分析を実行し、受信品質に従って電力調整に関する情報をノード1に提供する。このプロセスは閉ループ電力制御に属する。
【0046】
LTEにおいて、基地局から端末までのリンクはダウンリンクであり、端末から基地局までのリンクはアップリンクである。ダウンリンクの電力は、基地局が、スケジューリングされた各UEのチャネル測定結果とスケジューリングアルゴリズムとに従って決定する。アップリンクの電力制御は、開ループを閉ループと組み合わせるやり方で行い、UEの測定によって決定した電力制御ファクタは開ループ部分に属し、基地局が測定しUEにフィードバックされる電力制御ファクタは閉ループ部分に属する。加えて、送信レート、MCSレベル、送信帯域幅などのような、送信に関連する特定の量も電力に影響する。
【0047】
以下はLTEのPUSCHの送信電力の計算式である。この式は、電力に影響する各パラメータを説明するための一例として使用される。PUCCHも同様のパラメータおよびメカニズムを有する。
【0048】
【数1】
【0049】
上記式において、下付き文字cはセルを表し、キャリアアグリゲーション(carrier aggregation)(CA)機能をサポートする各コンポーネントキャリア(component carrier)(CC)は1セルに対応する。上記式から、この電力計算式における各パラメータが異なるセル各々について構成または計算されることがわかる。本明細書におけるすべての記述は1つのCCについての記述であるため、特にあるセルに言及することはない。本明細書におけるすべてのパラメータは複数のCCに拡張することができ電力に関連する構成および計算されたパラメータは各CCごとに別々に構成する必要があることに注意されたい。
【0050】
アップリンク送信におけるPUSCH(PPUSCH)の電力の開ループ部分は、目標受信電力PO_PUSCH、経路損失(PL)量、および経路損失係数αによって決まる。目標受信電力は、セルレベルパラメータとUEレベルパラメータとに分類され、その両方が基地局によって決定されUEのために構成される。閉ループ部分では、基地局が、測定結果と目標との差に従って閉ループ電力制御調整量を決定し、UEに、送信電力制御コマンド(TPCコマンド、すなわちダウンリンク制御情報(downlink control information)(DCI)におけるPUSCHについてのδPUSCHおよびPUCCHについてのδPUCCH)の形態で通知する。UEは、ローカル閉ループ電力制御調整量f(i)を維持し、閉ループ電力制御調整量は送信電力制御コマンドに従って更新され、閉ループ電力制御の目的は上記の式の使用によって達成される。上記式において、iはサブフレーム番号、ΔTFはMCSに関する電力オフセット、PCMAXはUEの最大電力限界、MPUSCHはPUSCHが占有するリソースブロック(resource block)(RB)の数である。
【0051】
LTEのセルレベル目標受信電力P0_nominalは、それぞれ異なるブロック誤り率(block error rate)(BLER)要件に対応するPUSCH(セミスタティック、ダイナミック、MSG3)およびPUCCHを区別するために設定される。UEレベル目標受信電力P0_UE_specificも、これらの項目を区別するために設定され、その機能は、PL推定誤差および絶対出力電力設定等の系統的な偏差を補償することである。
【0052】
f(i)は、送信電力制御コマンドに従い、2つの方法で、すなわち累積法および絶対値法で更新される。ここで、絶対値法とは、基地局が送信する送信電力制御コマンドに従ってUEのローカル閉ループ電力制御調整量f(i)を直接更新することであり、累積法とは、基地局が送信する送信電力制御コマンドとUEのローカル閉ループ電力制御調整量の履歴値とを併用してUEのローカル閉ループ電力制御調整量f(i)を決定することである。
【0053】
なお、f(i)はUEのローカル閉ループ電力制御調整量を示し、LTEではPUCCHのUEのローカル閉ループ電力制御調整量をg(i)で示す。本明細書においてf(i)はPUCCHに適用されてもよく、電力制御プロセスにおけるその機能はPUSCHに適用される場合と同様である。
【0054】
5G技術はビーム伝送方式を導入し、基地局およびUE双方が複数のビームをサポートする。ビームモードで動作するとき、電力計算はビームの特性を考慮する必要がある。本願はマルチビームモードの電力制御方法を提供する。本願において言及する各パラメータは、PUSCH、ロングPUSCH、ショートPUSCH、PUCCH、ロングPUCCH、ショートPUCCH等のさまざまなチャネル、およびSRS等の信号に、適用される。同じ種類のパラメータが上記チャネルまたは信号の各々に適用される場合、パラメータは、独立してまたは組み合わせて構成することができる。組み合わせて構成する場合、異なるチャネルまたは信号が同じ値を共有することができ、どのチャネルまたは信号が同じ値を共有できるかを、基地局が所定の方法で決定するまたは構成する。
【0055】
本願明細書ではビームに関連するさまざまな概念を使用している。理解し易くするために以下で説明を行う。
【0056】
送信モードは、送信ビーム、送信ポート、送信リソース、参照信号シーケンス、送信プリコーディング行列(アナログ方式、デジタル方式またはハイブリッド方式)、同期信号リソース指示または参照信号リソース指示のうちの、少なくとも1つを含む。参照信号リソース指示は、アップリンク参照信号リソース指示および/またはダウンリンク参照信号リソース指示を含む。同期信号リソース指示およびダウンリンク参照信号リソース指示によって決まる送信モードとは、特定の受信モード(たとえば受信性能が最高、PLが最小、または参照信号受信電力(reference signal received power)(RSRP)が最大であるモード)で得られる、送信ビームまたは送信ポート等のアップリンク送信モードのことであり、これは、アップリンクとダウンリンクとの相反性(reciprocity)またはアップリンク参照信号とダウンリンク参照信号との相関を用いて指示を受信するための同期信号リソースまたはダウンリンク参照信号リソースに対応する。アップリンク参照信号リソース指示によって決まる送信モードとは、送信ビームまたは送信ポート等の、指示されているアップリンク参照信号の送信モードと同一の、送信モードのことである。
【0057】
受信モードは、受信ビーム、受信ポート、受信リソース、参照信号シーケンス、受信プリコーディング行列(アナログ方式、デジタル方式またはハイブリッド方式)、受信アルゴリズム、同期信号リソース指示および参照信号リソース指示のうちの、少なくとも1つを含む。参照信号リソース指示は、アップリンク参照信号リソース指示および/またはダウンリンク参照信号リソース指示を含む。同期信号リソース指示およびダウンリンク参照信号リソース指示によって決まる受信モードとは、受信ビームまたは受信ポート等の、特定の受信モード(たとえば受信性能が最高、PLが最小、またはRSRPが最大であるモード)のことであり、これは、指示を受信するための同期信号リソースまたはダウンリンク参照信号リソースに対応する。アップリンク参照信号リソース指示によって決まる受信モードとは、アップリンクとダウンリンクとの相反性またはアップリンク参照信号とダウンリンク参照信号との相関を用いて、指示されたアップリンク参照信号と同じ受信モードによって得られた、受信ビームまたは受信ポート等のダウンリンク受信モードのことである。
【0058】
ビームはリソースであってもよい(たとえば送信端プリコーディング、受信端プリコーディング、アンテナポート、アンテナ重みベクトル、アンテナ重み行列など)。ビームシリアルナンバーはリソースインデックスに置き換えてもよい。なぜなら、ビームは送信のための何らかの時間-周波数コードリソースに結び付けることができるからである。また、ビームは送信(送受信)モードであってもよい。送信モードは、空間分割多重化、周波数ドメイン/時間ドメインダイバーシチなどを含み得る。
【0059】
ビーム指示とは、送信端が、現在の参照信号およびアンテナポート、ならびに基地局がスキャンしたまたはUEがフィードバックして報告した参照信号(または標準参照信号)およびアンテナポートを通じて、疑似コロケーション(quasi co-location)(QCL)仮定を満たすことを指示できることである。
【0060】
受信ビームとは、指示する必要がない受信端におけるビームのことである、または、現在の参照信号およびアンテナポートと基地局がスキャンしたもしくはUEがフィードバックして報告した参照信号(または標準参照信号)およびアンテナポートとのQCLを通じて送信端が指示する、受信端におけるビームリソースのことである。
【0061】
チャネル特性は、水平送信方位角、垂直送信方位角、水平受信方位角、垂直受信方位角などのような物理伝搬チャネルの特性を含み、さらに、アンテナ要素パターン、アンテナグループ、アンテナパネル、アンテナサブアレイ、送受信ユニット(TXRU)、受信ビームセット、アンテナ配置、時間オフセット、周波数オフセット、およびベースバンドの位相ノイズなどのような無線周波数およびベースバンド回路の特性を含む。
【0062】
疑似コロケーション(QCL)に関連するパラメータは、少なくとも、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、遅延スプレッド、平均遅延および平均利得を含み、また、空間パラメータ情報、たとえば到着角度、受信ビームの空間相関、平均遅延、および時間-周波数チャネル応答相関(位相情報を含む)を含み得る。
【0063】
アップリンク参照信号とダウンリンク参照信号との相関とは、アップリンク(ダウンリンク)参照信号の空間パラメータ特性がダウンリンク(アップリンク)参照信号が通るチャネルの空間パラメータ特性によって決まり得ることである。上記相関を、QCL仮定を満たす、または空間相反性QCL仮定を満たすとも言う。具体的には、アップリンク参照信号の送信ビームはダウンリンク参照信号に対応する受信ビームによって決まり得るものであり、ダウンリンク参照信号の送信ビームはアップリンク参照信号に対応する受信ビームによって決まり得るものであり、アップリンク参照信号の受信ビームはダウンリンク参照信号に対応する送信ビームによって決まり得るものであり、ダウンリンク参照信号の受信ビームはアップリンク参照信号に対応する送信ビームによって決まり得るものである。
【0064】
本願の実施形態では、説明し易くするために基地局およびユーザ機器(UE)を説明に使用しているが、これは本願を限定することを意図したものではない。実装プロセスにおいて、基地局およびUEを、NodeB(NB)、gNB、送受信ポイント(transmitter receiver point)(TRP)、アクセスポイント(access point)(AP)、サイト、ユーザ、ステーション(STA)、リレー(relay)、端末などのような、各種通信ノードの名称に置き換えてもよい。
【0065】
本願の代替実施形態において、ビーム(グループ)は、ビームまたはビームグループを意味する。
【0066】
図1に示されるように、本願の電力制御方法は下記のステップを含む。
ステップ101において、少なくとも1つの構成情報を受信し、構成情報は少なくとも1つのサウンディング参照信号リソースセットを含み、サウンディング参照信号リソースセットは少なくとも1つのサウンディング参照信号リソースを含み、SRSリソースセットはSRSリソースセットインデックス(ID)によって識別され、SRSリソースは第1のSRSリソースインデックスによって識別され、少なくとも1つの電力制御パラメータセットを受信し、SRSリソースセットと電力制御パラメータとの相関1またはSRSと電力制御パラメータとの相関2を受信する。
【0067】
ステップ102において、受信した構成情報、受信した電力制御パラメータセット、および相関1と相関2のうちの一方に従い、SRSリソースに対応するSRSの電力制御パラメータを決定する。
【0068】
図2に示されるように、本願の電力制御方法は下記のステップを含む。
ステップ201において、ユーザ機器は構成情報を基地局から受信し、構成情報は少なくとも1つのSRSリソースセットを含み、SRSは少なくとも1つのSRSリソースを含み、SRSリソースはSRSが占有するリソースを指示するために使用され、SRSリソースセットまたはSRSリソースのうちの一方とビームリソース指示情報との相関関係を基地局から受信し、ビームリソース指示情報は送信ビームのビームIDを指示するために使用される。
【0069】
いくつかの実施形態において、構成情報は、以下の種類のメッセージ、すなわち、無線リソース制御(radio resource control)(RRC)メッセージ、メディアアクセス制御(MAC)制御要素メッセージ、および物理層シグナリング、のうちのいずれか1つで搬送される。
【0070】
いくつかの実施形態において、各SRSリソースセットは少なくとも1つの電力制御パラメータセットを含み、電力制御パラメータセットは、JセットのSRS開ループ電力制御パラメータと、KセットのSRS経路損失測定パラメータと、LセットのSRS閉ループ電力制御パラメータとを含み、Jは1以上の整数、Kは0以上の整数、Lは0以上の整数である。
【0071】
いくつかの実施形態において、開ループ電力制御パラメータは、目標受信電力、電力オフセット、または経路損失補償係数のうちの少なくとも1つを含む。
【0072】
経路損失測定パラメータは、経路損失測定についての少なくとも1つのダウンリンク参照信号のリソース指示、またはダウンリンク参照信号によって測定された経路損失値を処理するためのルールのうちの、少なくとも1つを含む。
【0073】
閉ループ電力制御パラメータは、閉ループ電力調整量を含む。
いくつかの実施形態において、ダウンリンク参照信号は、指定チャネル状態情報参照信号、同期信号における補助同期信号、同期信号におけるプライマリブロードキャストチャネルの復調参照信号、または指定トラッキング参照信号のうちの、いずれか1つまたは任意の組み合わせを含む。
【0074】
いくつかの実施形態において、ダウンリンク参照信号によって測定された経路損失値を処理するためのルールは、具体的には、ダウンリンク参照信号によって測定された経路損失値を予め設定された経路損失しきい値と比較し、予め設定された重みの値に従って経路損失しきい値未満の経路損失値に対して加重平均を実行することにより、SRSの経路損失値を取得すること、を含む。
【0075】
ステップ202において、UEは構成情報および相関関係に従い送信ビームとSRSの電力制御パラメータとを決定する。
【0076】
いくつかの実施形態において、SRSの電力制御パラメータが決定されると、SRSリソースは、下記の条件、すなわち、
SRSリソースセットは非周期的になるように構成されていること、
SRSリソースセットはセミスタティックになるように構成されていること、
SRSリソースセットに含まれるSRSリソースの数は1に等しいこと、
SRSリソースセットに含まれるSRSリソースの繰り返しの数は1に等しいこと、
SRSリソースセットまたはSRSリソースのうちの一方に対応付けられたビームソース指示情報は、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータに対応付けられたビームリソース指示情報のうちの一部またはすべてと同一であること、
SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたビームリソース指示情報、および、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータに対応付けられたビームリソース指示情報のうちの一部またはすべてが、予め定められたQCL関係を満たすこと、および
SRSリソースセットまたはSRSリソースのグラントタイプが、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータに対応付けられたグラントタイプと同一であること、
のうちのいずれか1つまたはいずれか2つ以上の任意の組み合わせを満たす。
【0077】
電力制御方法はさらに下記のステップを含む。SRSリソースセットにおける電力制御パラメータを、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータに置き換える。
【0078】
いくつかの実施形態において、SRSリソースセットにおける電力制御パラメータを物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータに置き換えるステップは、具体的には、
SRSリソースセットにおけるすべての電力制御パラメータを、SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたビームリソース指示情報に対応付けられた物理アップリンク共有チャネルのすべての電力制御パラメータに置き換えること、
SRSリソースセットにおける電力制御パラメータの一部を、SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたビームリソース指示情報に対応付けられた物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータの一部に置き換えること、
SRSリソースセットにおけるすべての電力制御パラメータを、SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたグラントタイプに対応付けられた物理アップリンク共有チャネルのすべての電力制御パラメータに置き換えること、または、
SRSリソースセットにおける電力制御パラメータの一部を、SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたグラントタイプに対応付けられた物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータの一部に置き換えること、
のうちのいずれか1つを含む。
【0079】
いくつかの実施形態において、SRSリソースセットにおける電力制御パラメータを物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータに置き換えるステップは、具体的には、
SRSリソースセットにおける目標受信電力を、物理アップリンク共有チャネルの目標受信電力とSRSリソースセットにおける電力オフセット値との総和に置き換えること、
SRSリソースセットにおける経路損失補償係数を、物理アップリンク共有チャネルの経路損失補償係数に置き換えること、
SRSについて構成された経路損失推定の参照信号リソース指示を、物理アップリンク共有チャネルについて構成された経路損失推定の参照信号リソース指示に置き換えること、または
SRSリソースセットについて構成された閉ループ電力調整量を、物理アップリンク共有チャネルについて構成された閉ループ電力調整量に置き換えること、
のうちのいずれか1つを含む。
【0080】
いくつかの実施形態において、SRSリソースセットが複数の電力オフセット値を含む場合、これらの電力オフセット値とSRSのカテゴリとの対応は、基地局およびユーザ機器によって予め定められている、または、基地局により構成情報において示されており、制御方法はさらに下記のステップを含む。
【0081】
ユーザ機器は、SRSのカテゴリに従い、SRSリソースセットにおける1つ以上の電力オフセット値を使用すると決定する。
【0082】
いくつかの実施形態において、この方法はさらに下記のステップを含む。
ユーザ機器は、基地局から、SRSの電力制御パラメータセットとSRSリソースセットまたはSRSリソースのうちの一方との相関関係を受信する。
【0083】
ユーザ機器は、電力制御パラメータセットとSRSリソースセットまたはSRSリソースのうちの一方との相関関係に従い、SRSの電力制御パラメータを決定する。
【0084】
いくつかの実施形態において、構成情報はさらに、ユーザ機器に対する基地局の指示を含み、この指示は、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータのうちの一部またはすべてをSRSリソースセットの電力制御パラメータのうちの一部またはすべてとして使用するか否かを指示するために使用される。
【0085】
制御方法はさらに下記のステップを含む。
ユーザ機器は、この指示に従い、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータのうちの一部またはすべてを、SRSリソースセットにおける電力制御パラメータのうちの一部またはすべてとして使用する。
【0086】
いくつかの実施形態において、各SRSリソースセットが電力制御パラメータセットを含まない場合、この制御方法はさらに下記のステップを含む。
【0087】
ユーザ機器は、SRSの電力制御パラメータを、
ユーザ機器が基地局からのユーザ機器レベル構成パラメータにおける電力制御パラメータをSRSの電力制御パラメータとして使用すること、
ユーザ機器が基地局からのセルレベル構成パラメータにおける電力制御パラメータをSRSの電力制御パラメータとして使用すること、
ユーザ機器が物理ランダムアクセスプロセスの最終送信電力をSRSの送信電力として使用すること、または、
ユーザ機器が物理ランダムアクセスプロセスの目標電力をSRSの目標受信電力として使用し、同期信号ブロックを測定することによって得た経路損失をSRSの経路損失として使用し、SRSの送信電力を計算すること、
のうちのいずれか1つのやり方で、決定する。
【0088】
本願のある実施形態において、ユーザ機器は、同一のSRSリソースセットにおける複数のSRSリソースを占有するSRSの電力制御パラメータは同一であると判断する。
【0089】
本願のある実施形態において、同一の送信電力を維持する予め設定された数の期間に従い、ユーザ機器は、この数の期間における同一のSRSリソースセットにおける複数のSRSリソースを占有するSRSの電力制御パラメータは同一であると判断する。
【0090】
いくつかの実施形態において、構成情報がさらにSRS送信の繰り返しの数を含み、制御方法はさらに下記のステップを含む。
【0091】
ユーザ機器は送信の繰り返しの数に従いSRSの電力制御パラメータを調整する。
本願のある実施形態はさらに電力制御方法を提供する。この電力制御方法は下記のステップを含む。
【0092】
物理アップリンク共有チャネルおよび物理アップリンク制御チャネルが、以下の条件のうちのいずれか1つまたは以下の条件のうちのいずれか2つ以上の任意の組み合わせを満たす場合、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータおよび/または送信ビームリソースを用いて、物理アップリンク制御チャネルの電力制御パラメータおよび/または送信ビームリソースを置き換える。
【0093】
物理アップリンク共有チャネルおよび物理アップリンク制御チャネルは同一のスケジューリングユニットにある。
【0094】
物理アップリンク共有チャネルおよび物理アップリンク制御チャネルは周波数分割される。
【0095】
物理アップリンク共有チャネルおよび物理アップリンク制御チャネルは同一の送信ビームを有する。
【0096】
物理アップリンク共有チャネルの送信ビームおよび物理アップリンク制御チャネルの送信ビームは予め定められたQCL関係を満たす。
【0097】
図3に示されるように、本願のある実施形態はさらに電力制御方法を提供する。この電力制御方法は下記のステップを含む。
【0098】
ステップ301において、基地局はユーザ機器のための少なくとも1つのSRSリソースセットを構成し、SRSリソースセットは少なくとも1つのSRSリソースを含み、SRSリソースは、SRSが占有するリソースを指示するため、かつ、SRSリソースセットまたはSRSリソースとビームリソース指示情報との相関関係を構成するために使用され、ビームリソース指示情報は送信ビームのビームIDを指示するために使用される
いくつかの実施形態において、各SRSリソースセットは少なくとも1つの電力制御パラメータセットを含み、電力制御パラメータセットは、JセットのSRS開ループ電力制御パラメータと、KセットのSRS経路損失測定パラメータと、LセットのSRS閉ループ電力制御パラメータとを含み、Jは1以上の整数、Kは0以上の整数、Lは0以上の整数である。
【0099】
いくつかの実施形態において、開ループ電力制御パラメータは、目標受信電力、電力オフセット、または経路損失補償係数のうちの、少なくとも1つを含む。
【0100】
経路損失測定パラメータは、経路損失測定についての少なくとも1つのダウンリンク参照信号のリソース指示、またはダウンリンク参照信号によって測定された経路損失値を処理するためのルールのうちの、少なくとも1つを含む。
【0101】
閉ループ電力制御パラメータは、閉ループ電力調整量を含む。
いくつかの実施形態において、ダウンリンク参照信号は、指定チャネル状態情報参照信号、同期信号における補助同期信号、同期信号におけるプライマリブロードキャストチャネルの復調参照信号、または指定トラッキング参照信号のうちの、いずれか1つまたは任意の組み合わせを含む。
【0102】
いくつかの実施形態において、ダウンリンク参照信号によって測定された経路損失値を処理するためのルールは、具体的には、ダウンリンク参照信号によって測定された経路損失値を予め設定された経路損失しきい値と比較し、予め設定された重みの値に従って経路損失しきい値未満の経路損失値に対して加重平均を実行することにより、SRSの経路損失値を取得すること、である。
【0103】
いくつかの実施形態において、構成情報は、以下の種類のメッセージ、すなわち、無線リソース制御(RRC)メッセージ、MAC制御要素メッセージ、または物理層シグナリング、のうちのいずれか1つを含む。
【0104】
いくつかの実施形態において、SRSリソースセットはさらに複数の電力オフセット値を含み、電力オフセット値とSRSのカテゴリとの対応は、基地局およびUEによって予め定められている、または基地局によって示される。
【0105】
なお、UEは、電力オフセット値とSRSのカテゴリとの対応を受けると、SRSのカテゴリに従い、SRSリソースセットにおける1つ以上の電力オフセット値を使用すると決定する。
【0106】
いくつかの実施形態において、SRSリソースセットはさらに、SRSの電力制御パラメータセットとSRSリソースセットまたはSRSリソースとの相関関係を含む。
【0107】
なお、UEは、SRSの電力制御パラメータセットとSRSリソースセットまたはSRSリソースのうちの一方との相関関係を受信すると、この電力制御パラメータセットとSRSリソースセットまたはSRSリソースのうちの一方との相関関係に従いSRSの電力制御パラメータを決定する。
【0108】
いくつかの実施形態において、制御方法はさらに、基地局が、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータのうちの一部またはすべてをSRSリソースセットにおける電力制御パラメータのうちの一部またはすべてとして使用するか否かを指示することを含む。
【0109】
なお、UEは、上記指示を受けると、この指示に従い、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータのうちの一部またはすべてをSRSリソースセットにおける電力制御パラメータのうちの一部またはすべてとして使用する。
【0110】
いくつかの実施形態において、SRSリソースセットはさらに、SRSの送信の繰り返しの数を含む。
【0111】
なお、UEは、SRSの送信の繰り返しの数を受けると、送信の繰り返しの数に従い、SRSの電力制御パラメータを調整する。
【0112】
ステップ302において、基地局は、構成に従い、SRSのスケジューリング指示をUEに送信する。
【0113】
本願のある実施形態はさらに、上記電力制御方法のステップを実現するために1つ以上のプロセッサが実行可能な1つ以上のプログラムを格納するように構成されたコンピュータ読取可能記憶媒体を提供する。
【0114】
図4に示されるように、本開示のある実施形態はさらにユーザ機器を提供する。このユーザ機器は受信ユニット401と決定ユニット402とを含む。
【0115】
受信ユニット401は、構成情報を基地局から受信するように構成されており、構成情報は少なくとも1つのSRSリソースセットを含み、SRSリソースセットは少なくとも1つのSRSリソースを含み、SRSリソースは、SRSが占有するリソースを示すために、かつ、基地局からのSRSリソースセットまたはSRSリソースの相関関係およびビームリソース指示情報を受信するために使用され、ビームリソース指示情報は、送信ビームのビーム指示を示すために使用される。
【0116】
決定ユニット402は、構成情報に従い送信ビームおよびSRSの電力制御パラメータを決定するように構成されている。
【0117】
いくつかの実施形態において、SRSリソースセットはさらに少なくとも1つの電力制御パラメータセットを含み、電力制御パラメータセットはJセットのSRS開ループ電力制御パラメータと、KセットのSRS経路損失測定パラメータと、LセットのSRS閉ループ電力制御パラメータとを含み、Jは1以上の整数、Kは0以上の整数、Lは0以上の整数である。
【0118】
いくつかの実施形態において、開ループ電力制御パラメータは、目標受信電力、電力オフセット、または経路損失補償係数のうちの少なくとも1つを含む。
【0119】
経路損失測定パラメータは、経路損失測定についての少なくとも1つのダウンリンク参照信号のリソース指示、またはダウンリンク参照信号によって測定された経路損失値を処理するためのルールのうちの、少なくとも1つを含む。
【0120】
閉ループ電力制御パラメータは、閉ループ電力調整量を含む。
いくつかの実施形態において、ダウンリンク参照信号は、指定チャネル状態情報参照信号、同期信号における補助同期信号、同期信号におけるプライマリブロードキャストチャネルの復調参照信号、および指定トラッキング参照信号のうちの、いずれか1つまたは任意の組み合わせを含む。
【0121】
いくつかの実施形態において、ダウンリンク参照信号によって測定された経路損失値を処理するためのルールは、具体的には、ダウンリンク参照信号によって測定された経路損失値を予め設定された経路損失しきい値と比較し、予め設定された重みの値に従って経路損失しきい値未満の経路損失値に対して加重平均を実行することにより、SRSの経路損失値を取得すること、を含む。
【0122】
いくつかの実施形態において、構成情報は、以下の種類のメッセージ、すなわち、無線リソース制御メッセージ、MAC制御要素メッセージ、および物理層シグナリング、のうちのいずれか1つを含む。
【0123】
いくつかの実施形態において、判断ユニット402がSRSの電力制御パラメータを決定するステップは、具体的には下記のステップを含む。
【0124】
SRSの電力制御パラメータが決定されると、SRSリソースが以下の条件のうちのいずれか1つまたは以下の条件のうちのいずれか2つ以上の任意の組み合わせを満たす場合、SRSリソースセットにおける電力制御パラメータを、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータと置き換える。上記条件は、
SRSリソースセットは非周期的になるように構成されていること、
SRSリソースセットはセミスタティックになるように構成されていること、
SRSリソースセットに含まれるSRSリソースの数は1に等しいこと、
SRSリソースセットに含まれるSRSリソースの繰り返しの数は1に等しいこと、
SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたビームソース指示情報は、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータに対応付けられたビームリソース指示情報のうちの一部またはすべてと同一であること、
SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたビームリソース指示情報、および、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータに対応付けられたビームリソース指示情報のうちの一部またはすべてが、予め定められた疑似コロケーション関係を満たすこと、または
SRSリソースセットまたはSRSリソースのグラントタイプが、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータに対応付けられたグラントタイプと同一であること、である。
【0125】
いくつかの実施形態において、SRSリソースセットにおける電力制御パラメータを物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータに置き換えるステップは、具体的には、
SRSリソースセットにおけるすべての電力制御パラメータを、SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたビームリソース指示情報に対応付けられた物理アップリンク共有チャネルのすべての電力制御パラメータに置き換えること、
SRSリソースセットにおける電力制御パラメータのうちの一部を、SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたビームリソース指示情報に対応付けられた物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータのうちの一部に置き換えること、
SRSリソースセットにおけるすべての電力制御パラメータを、SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたグラントタイプに対応付けられた物理アップリンク共有チャネルのすべての電力制御パラメータに置き換えること、または、
SRSリソースセットにおける電力制御パラメータのうちの一部を、SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたグラントタイプに対応付けられた物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータのうちの一部に置き換えること、
のうちのいずれか1つを含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、SRSリソースセットにおける電力制御パラメータを物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータに置き換えるステップは、具体的には、
SRSリソースセットにおける目標受信電力を、物理アップリンク共有チャネルの目標受信電力とSRSリソースセットにおける電力オフセット値との総和に置き換えること、
SRSリソースセットにおける経路損失補償係数を、物理アップリンク共有チャネルの経路損失補償係数に置き換えること、
SRSについて構成された経路損失推定の参照信号リソース指示を、物理アップリンク共有チャネルについて構成された経路損失推定の参照信号リソース指示に置き換えること、または
SRSリソースセットについて構成された閉ループ電力調整量を、物理アップリンク共有チャネルについて構成された閉ループ電力調整量に置き換えること、
のうちのいずれか1つを含む。
【0127】
いくつかの実施形態において、決定ユニット402がSRSの電力制御パラメータを決定するステップは、具体的には下記のステップを含む。
【0128】
SRSリソースセットが複数の電力オフセット値を含む場合、電力オフセット値とSRSのカテゴリとの対応を基地局およびユーザ機器が予め定める、または基地局が構成情報において示すこと、および
ユーザ機器がSRSのカテゴリに従いSRSリソースセットにおける1つ以上の電力オフセット値を使用すると決定することである。
【0129】
いくつかの実施形態において、決定ユニット402がSRSの電力制御パラメータを決定するステップは、具体的には下記のステップを含む。
【0130】
ユーザ機器は基地局からSRSの電力制御パラメータセットとSRSリソースのSRSリソースセットのうちの一方との相関関係を受ける。
【0131】
ユーザ機器は、電力制御パラメータセットと、SRSリソースセットまたはSRSリソースのうちの一方との相関関係に従い、SRSの電力制御パラメータを決定する。
【0132】
いくつかの実施形態において、決定ユニット402がSRSの電力制御パラメータを決定するステップは、具体的には以下のステップを含む。
【0133】
構成情報はさらに、基地局からユーザ機器への指示を含み、この指示は、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータのうちの一部またはすべてをSRSリソースセットの電力制御パラメータのうちの一部またはすべてとして使用するか否かを指示するために使用される。
【0134】
ユーザ機器は、この指示に従い、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータのうちの一部またはすべてを、SRSリソースセットにおける電力制御パラメータのうちの一部またはすべてとして使用する。
【0135】
いくつかの実施形態において、決定ユニット402がSRSの電力制御パラメータを決定するステップは、具体的には下記のステップを含む。
【0136】
各SRSリソースセットが電力制御パラメータセットを含まない場合、ユーザ機器は、SRSの電力制御パラメータを、
ユーザ機器が基地局からのユーザ機器レベル構成パラメータにおける電力制御パラメータをSRSの電力制御パラメータとして使用すること、
ユーザ機器が基地局からのセルレベル構成パラメータにおける電力制御パラメータをSRSの電力制御パラメータとして使用すること、
ユーザ機器が物理ランダムアクセスプロセスの最終送信電力をSRSの送信電力として使用すること、または、
ユーザ機器が物理ランダムアクセスプロセスの目標電力をSRSの目標受信電力として使用し、同期信号ブロックを測定することによって得た経路損失をSRSの経路損失として使用し、SRSの送信電力を計算すること、
のうちのいずれか1つのやり方で、決定する。
【0137】
本願のある実施形態において、決定ユニット402によって決定され、同一のSRSリソースセットにおける複数のリソースを占有するSRSは、同一の電力制御パラメータを有する。
【0138】
本願のある実施形態において、決定ユニット402は、同一の送信電力を維持する予め設定された数の期間に従い、この数の期間における同一のSRSリソースセットの複数のSRSリソースを占有するSRSの電力制御パラメータは同一であると判断する。
【0139】
いくつかの実施形態において、構成情報はさらにSRSの送信の繰り返しの数を含む。
決定ユニット402はさらに下記のステップを実現するように構成されている。
【0140】
ユーザ機器は送信の繰り返しの数に従いSRSの電力制御パラメータを調整する。
図5に示されるように、本開示のある実施形態はさらに基地局を提供する。この基地局は構成ユニット501とスケジューリングユニット502とを含む。
【0141】
構成ユニット501は、UEのための少なくとも1つのSRSリソースセットを構成するように構成され、SRSリソースセットは少なくとも1つのSRSリソースを含み、SRSリソースは、SRSが占有するリソースを示すため、かつ、SRSリソースセットまたはSRSリソースとビームリソース指示情報との相関関係を構成するために使用され、ビームリソース指示情報は送信ビームのビームIDを指示するために使用される。
【0142】
スケジューリングユニット502は、構成に従い、SRSのスケジューリング指示をユーザ機器に送信するように構成されている。
【0143】
いくつかの実施形態において、各SRSリソースセットは少なくとも1つの電力制御パラメータセットを含み、電力制御パラメータセットは、JセットのSRS開ループ電力制御パラメータと、KセットのSRS経路損失測定パラメータと、LセットのSRS閉ループ電力制御パラメータとを含み、Jは1以上の整数、Kは0以上の整数、Lは0以上の整数である。
【0144】
いくつかの実施形態において、開ループ電力制御パラメータは、目標受信電力、電力オフセット、または経路損失補償係数のうちの少なくとも1つを含む。
【0145】
経路損失測定パラメータは、経路損失測定についての少なくとも1つのダウンリンク参照信号のリソース指示、またはダウンリンク参照信号によって測定された経路損失値を処理するためのルールのうちの、少なくとも1つを含む。
【0146】
閉ループ電力制御パラメータは、閉ループ電力調整量を含む。
いくつかの実施形態において、ダウンリンク参照信号は、指定チャネル状態情報参照信号、同期信号における補助同期信号、同期信号におけるプライマリブロードキャストチャネルの復調参照信号、または指定トラッキング参照信号のうちの、いずれか1つまたは任意の組み合わせを含む。
【0147】
いくつかの実施形態において、ダウンリンク参照信号によって測定された経路損失値を処理するためのルールは、具体的には、ダウンリンク参照信号によって測定された経路損失値を予め設定された経路損失しきい値と比較し、予め設定された重みの値に従って経路損失しきい値未満の経路損失値に対して加重平均を実行することにより、SRSの経路損失値を取得すること、を含む。
【0148】
いくつかの実施形態において、構成情報は、以下の種類のメッセージ、すなわち、無線リソース制御メッセージ、MAC制御要素メッセージ、および物理層シグナリング、のうちのいずれか1つを含む。
【0149】
いくつかの実施形態において、SRSリソースセットはさらに複数の電力オフセット値を含み、電力オフセット値とSRSのカテゴリとの対応は、基地局およびユーザ機器によって予め定められている、または基地局によって構成情報において示される。
【0150】
なお、ユーザ機器は、電力オフセット値とSRSのカテゴリとの対応を受けると、SRSのカテゴリに従い、SRSリソースセットにおける1つ以上の電力オフセット値を使用すると決定する。
【0151】
いくつかの実施形態において、SRSリソースセットはさらに、SRSの電力制御パラメータセットとSRSリソースセットまたはSRSリソースとの相関関係を含む。
【0152】
なお、ユーザ機器は、SRSの電力制御パラメータセットとSRSリソースセットまたはSRSリソースのうちの一方との相関関係を受信すると、この電力制御パラメータセットとSRSリソースセットまたはSRSリソースのうちの一方との相関関係に従いSRSの電力制御パラメータを決定する。
【0153】
いくつかの実施形態において、スケジューリングユニット502はさらに、ユーザ機器が、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータのうちの一部またはすべてをSRSリソースセットにおける電力制御パラメータのうちの一部またはすべてとして使用するか否かを指示するように構成されている。
【0154】
なお、ユーザ機器は、上記指示を受けると、この指示に従い、物理アップリンク共有チャネルの電力制御パラメータのうちの一部またはすべてをSRSリソースセットにおける電力制御パラメータのうちの一部またはすべてとして使用する。
【0155】
いくつかの実施形態において、SRSリソースセットはさらに、SRSの送信の繰り返しの数を含む。
【0156】
なお、ユーザ機器は、SRSの送信の繰り返しの数を受けると、送信の繰り返しの数に従い、SRSの電力制御パラメータを調整する。
【0157】
本願の実施形態は、本願をさらに説明するためにいくつかの代替実施形態をさらに提供する。なお、代替実施形態は本願をより良く説明するためだけのものであって、本願を何らかの不適切なやり方で限定するものではない。以下の実施形態は別々に存在していてもよく、異なる実施形態の技術的特徴を組み合わせて1つの実施形態にして併用してもよい。
【0158】
以下でSRS電力オフセット値の構成を提供する。
基地局は、ユーザ機器のために少なくとも1セットのSRS電力オフセット値を構成する。
【0159】
SRS電力オフセット値の各セットは、少なくとも1つのSRS電力オフセット値を含み、各SRS電力オフセット値は異なるシナリオをサポートするために使用される。いくつかの例を挙げる。
1)SRS電力オフセット値の各セットは3つの値を含み、これらはそれぞれ、周期的なSRS送信、非周期的なSRS送信、および非パーシステントなSRS送信に使用される。
2)代替的に、SRS電力オフセット値の各セットは2つの値を含み、これらはそれぞれ、異なるSRS送信の所定のトリガタイプに使用される。
【0160】
SRS電力オフセット値のセットにおけるSRS電力オフセット値の位置とシナリオとの対応は、予め定められている。
【0161】
SRS電力オフセット値の各セットは、異なる種類のSRS送信をサポートするために使用される。以下、いくつかの例を挙げる。
1)2セットのSRS電力オフセット値が2種類のSRS送信をサポートし、第1のセットは、電力制御パラメータをPUSCHと共有するSRSの電力計算をサポートするために使用され、第2のセットは他の種類のSRSの電力計算をサポートするために使用される。
2)代替的に、3セットのSRS電力オフセット値が3種類のSRS送信をサポートし、第1のセットは、電力制御パラメータをPUSCHと共有するSRSの電力計算をサポートするために使用され、第2のセットは、ダウンリンクチャネル状態情報(channel state information)(CSI)を取得するために使用されるSRSの電力計算をサポートするために使用され、第3のセットは、他の種類のSRSの電力計算をサポートするために使用される。
3)代替的に、6セットのSRS電力オフセット値が6種類のSRS送信をサポートし、第1のセットは電力制御パラメータをPUSCHと共有するSRSの電力計算をサポートするために使用され、第2のセットはCSIを取得するために使用されるSRSの電力計算をサポートするために使用され、第3、第4および第5のセットは、それぞれアップリンクビーム管理に使用されるタイプU1、U2およびU3のSRSの電力計算をサポートするために使用され、第6のセットは他の種類のSRSの電力計算をサポートするために使用される。
4)代替的に、1セットのSRS電力オフセット値が、1種類のSRS送信のみをサポートし、先に述べたすべての種類のSRS送信に使用される。
【0162】
SRS電力オフセット値のセットの数が1よりも大きい場合、SRS電力オフセット値の各セットとSRSのカテゴリとの関係は、予め定められている、または基地局によって指示される。
【0163】
ユーザ機器は、SRS送信のシナリオとSRSのカテゴリとに従って電力オフセット値を決定する。
【0164】
基地局による指示の方法は、以下のうちの少なくとも1つを含む。
1)基地局は、SRS電力オフセット値の各セットとSRSのカテゴリとの対応を設定する。たとえば、サポートされる対応のマッピングテーブルを予め定め、基地局は、RRC情報を用いてUEのためのマッピングテーブルの1アイテムを設定する。
2)代替的に、基地局は、SRSリソースセットにおいて、対応するSRS電力セットを指示する。たとえば、基地局は、SRS電力オフセット値のセットのアイデンティティ(ID)を指示する。
3)代替的に、基地局は、SRSを作動させるまたはトリガするメッセージにおいて対応するSRS電力セットを指示する。たとえば、基地局は、SRS電力オフセット値のセットのIDを指示する。
【0165】
上記SRS電力オフセット値は下記の方式のうちの1つであってもよい。
方式1の場合、基地局が設定した目標電力のセル固有(cell specific)部分(p0-Nominalとも呼ぶ)およびUE固有(UE specific)部分(p0-UEとも呼ぶ)に基づいて、各種SRSの電力オフセット値のセットを、異なるシナリオの相違を反映させるように構成する。この場合、SRSの目標電力は、3つの部分、すなわち、セル固有部分、UE固有部分、およびSRSの電力オフセット値からなる。セル固有部分およびUE固有部分の目標電力は、SRSについて特別に設定された値であってもよく、または、基地局によって明示的に設定もしくは指示される、またはこの情報を暗黙的に指示する、PUSCHについて設定された値として使用されてもよい。詳細については後述の例を参照されたい。SRS電力オフセット値は具体的にはSRSのために設定される。
【0166】
方式2の場合、基地局が設定した目標電力のセル固有部分(p0-Nominalとも呼ぶ)に基づいて、UE固有部分とSRS電力オフセット値とを組み合わせて設定し、組み合わせた2つの部分を、SRS電力オフセット値またはSRSのUE固有目標電力値と呼んでもよい。これらの組み合わされた部分はなおも上記異なるシナリオの相違を反映させる必要があるので、この例における上記SRSの電力オフセット値のセットは、組み合わせた2つの部分の名称に置き換えてもよい。セル固有部分の目標電力は、SRSについて特別に設定された値であってもよく、または、基地局によって明示的に設定もしくは指示される、またはこの情報を暗黙的に指示する、PUSCHについて設定された値として使用されてもよい。詳細については後述の例を参照されたい。SRS電力オフセット値(SRSのUE固有目標電力値とSRSの電力オフセット値とを組み合わせた値)は、SRSについて特別に設定される。
【0167】
以下はSRS固有(SRS-specific)のj、kおよびlならびにSRSスケジューリング情報に対応する方式の構成を提供する。
【0168】
基地局は、UEについてJセットのSRS開ループ電力制御パラメータを設定し、SRS開ループ電力制御パラメータの各セットは、目標受信電力P0または経路損失補償係数αのうちの少なくとも一方を含み、Jは1以上の整数である。SRS開ループ電力制御パラメータの各セットはjによって識別され、jは整数であり、jは0以上J未満である。
【0169】
基地局は、UEについてKセットのSRS経路損失測定パラメータを設定し、SRS経路損失測定パラメータの各セットは、経路損失測定の参照信号(RS)リソースタイプ指示、経路損失測定のRSリソース指示、および経路損失測定のための参照信号の複数の経路損失値を処理するためのルールを含み、Kは0以上の整数である。SRS経路損失測定パラメータの各セットはkによって識別され、kは整数であり、kは0以上である。
【0170】
基地局は、UEについてLセットのSRS閉ループ電力制御パラメータを設定し、SRS閉ループ電力制御パラメータの各セットは、SRS閉ループ電力制御IDのうちの少なくとも1つを含み、Lは0以上の整数である。SRS閉ループ電力制御パラメータの各セットはlによって識別され、lは整数であり、lは0よりも大きくL未満である。
【0171】
基地局は、UEについて少なくとも1つのSRSリソースセットを構成し、各SRSリソースセットは少なくとも1つのSRSリソースを含む。各SRSリソースは、SRSによって占有されるリソースを指示し、これは、時間ドメイン、周波数ドメイン、符号ドメインその他のパラメータを含む。SRSリソースは送信ビームに対応付けられ、この相関関係は、無線リソース制御(RRC)メッセージによって構成されてもよく、またはMAC制御要素(CE)メッセージによって指示されてもよく、またはダウンリンク制御情報(DCI)等の物理層シグナリングによって指示されてもよい。
【0172】
基地局は、SRSを送信するUEを指示し、これは少なくともSRSリソースセットおよび/またはSRSリソースの指示を含む。SRSに対応する電力制御パラメータは以下の方式のうちの1つで決定される。
【0173】
方式1の場合、j、kおよびlと、SRSリソースセットまたはSRSリソース指示(SRI)との関係が構成される。
【0174】
基地局は、SRS開ループ電力制御パラメータとSRSリソースまたはSRSリソースセットのうちの一方との相関関係を構成する、または指示する。
【0175】
Kが0よりも大きい場合、基地局は、SRS経路損失測定パラメータとSRSリソースまたはSRSリソースセットとの相関関係を構成または指示する。
【0176】
Lが0よりも大きい場合、基地局は、SRS閉ループ電力制御パラメータとSRSリソースまたはSRSリソースセットとの相関関係を構成または指示する。
【0177】
上記相関関係に従い、UEは、SRSの送信電力の計算に必要な、SRS開ループ電力制御パラメータ、SRS経路損失測定パラメータおよびSRS閉ループ電力制御パラメータを含むパラメータを決定する。
【0178】
方式2の場合、j、k、lはそれぞれSRSリソースセットにおいて設定され、1つのSRSリソースセットは1セットまたは複数セットの電力制御パラメータをサポートする。
【0179】
UEについて基地局が設定したJセットのSRS開ループ電力制御パラメータは、SRS開ループ電力制御パラメータIDによって区別される。
【0180】
UEについて基地局が設定したKセットのSRS経路損失測定パラメータは、SRS経路損失測定パラメータIDによって区別される。
【0181】
UEについて基地局が設定したLセットのSRS閉ループ電力制御パラメータは、SRS閉ループ電力制御パラメータIDによって区別される。
【0182】
基地局は、SRS開ループ電力制御パラメータID、SRS経路損失測定パラメータID、およびSRS閉ループ電力制御パラメータIDを、SRSリソースセットにおいて搬送する。UEは、同一のパラメータを使用してSRSリソースセットにおけるすべてのSRSリソースの送信電力を計算する。
【0183】
SRSリソースセットにおけるSRSリソースが2つ以上の予め設定された時間単位を占有する場合、UEは同一のパラメータを使用することにより送信電力を計算し、一定の時間において値を取る。これに代えて、1つのSRSリソースについてUEが計算した送信電力は、時間ドメインにおいて繰り返されるSRSリソースを含む、このSRSリソースセットのすべてのSRSリソースに適用される。
【0184】
予め設定された時間単位は、OFDMシンボル、スロット、サブフレーム、フレーム、または未来のシステムの時間単位のうちの1つである。
【0185】
基地局は、SRS開ループ電力制御パラメータID、SRS経路損失測定パラメータID、およびSRS閉ループ電力制御パラメータIDというSRS電力制御パラメータIDの、2セット以上を、SRSリソースセットにおいて搬送することもできる。基地局は、SRS電力制御パラメータIDとSRSリソースとの対応を指示する必要がある。SRS電力制御パラメータの各セットによって指示される1セットの電力制御パラメータが対応するSRSリソースに適用される。
【0186】
方式3の場合、基地局はj、kおよびl間の相関を構成し、相関IDを使用することによりこの構成を適用し、これが電力制御パラメータの1つ以上のセットをサポートする。
【0187】
基地局は、SRS開ループ電力制御パラメータ、SRS経路損失測定パラメータ、およびSRS閉ループ電力制御パラメータ間の相関を構成し、SRS電力制御パラメータ相関IDを用いて上記パラメータ間の異なる相関関係を指示する。
【0188】
基地局は、少なくとも1つのSRS電力制御パラメータ相関IDをSRSリソースセットにおいて搬送する。
【0189】
SRS電力制御パラメータ相関IDの数が1の場合、UEは、同一のパラメータを用いてSRSリソースセットにおけるすべてのSRSリソースの送信電力を計算する。
【0190】
SRS電力制御パラメータ相関IDの数が2以上の場合、基地局は、SRS電力制御パラメータIDとSRSリソースとの対応を指示する必要がある。各電力制御パラメータ相関IDが指示する一組の電力制御パラメータが対応するSRSリソースに適用される。
【0191】
SRSリソースセットにおいて、またはSRSをトリガする物理層情報において、基地局は、UEのSRSが占有するリソースブロック(RB)の数を指示する。
【0192】
上記方式により、UEは、SRS開ループ電力制御パラメータ、SRS経路損失測定パラメータ、SRS閉ループ電力制御パラメータ、およびSRSが占有するRBの数を取得し、上記パラメータを使用して送信電力を計算する。たとえば以下の式はある実装方式である。
【0193】
【数2】
【0194】
この式において、iはサブフレーム番号、スロット番号、およびOFDMシンボルの番号等の時間単位番号であり、jはSRS開ループ電力制御パラメータセットの番号であり、kはSRS経路損失測定パラメータの番号であり、lはSRS英ループ電力制御パラメータセットの番号である。MSRS,c(i)は、SRSが占有するRBの数でありこのパラメータは存在しない場合がある。SRS開ループ電力制御パラメータセットは、αSRS,c(j)およびP0_SRS,c(j)を含み、P0_SRS,c(j)は、セル固有部分(p0-Nominalとも呼ぶ)およびUE固有部分(p0-UEとも呼ぶ)という2つの部分からなり、PLSRS,c(k)はSRS経路損失測定パラメータであり、h(i,l)はSRS閉ループ電力制御パラメータであり、lは、SRS閉ループ電力制御プロセスIDまたは閉ループ電力制御ループIDを示す。
【0195】
ビーム管理、アップリンクチャネル状態情報取得(UL CSI取得)、およびダウンリンクチャネル状態情報取得(DL CSI取得)等の異なる機能をサポートするために、SRS固有j、kおよびlから、またはPUSCHのj1、k1およびl1から、NRのSRSを選択する方法について、以下で説明する。ビーム管理のためのSRSはさらに、U1、U2およびU3等の異なる段階を有し得る。U1はアップリンク送信および受信ビームのトレーニングであり、U2はアップリンク受信ビームのトレーニングであり、U3はアップリンク送信ビームのトレーニングである。U1、U2およびU3におけるトレーニングすべきビームの数およびビームのレベルは異なっていてもよい。
【0196】
SRS信号はより特殊である。SRS送信の一部分はビームトレーニングを実行するためである、すなわちビーム管理機能のためのSRSであり、SRS送信の別の一部分はチャネル調査を実行するためである、すなわちチャネル状態情報を取得するためのものである。前者の一部分の送信ビームは、特に初期段階のビームトレーニングの場合、基地局が指定しなくてもよい。基地局は、UEがSRSを送信するのに十分なリソースをスケジューリングするだけであり、UEに同じ送信ビームを使用することを要求するリソースを示し、いくつかの実施形態ではリソースと送信ビームとの対応をUEが決定する。トレーニング結果は、基地局が、後続のSRS/PUSCH/PUCCH送信の送信ビームを示すための基準として使用する。初期段階のSRSを基準として使用し、ビームトレーニングのためであるかチャネル調査のためであるかに関係なく、次のSRS送信を基準として使用する可能性がある。
【0197】
初期段階ではない段階のビームトレーニングは以下のケースに分類される。
ケース1:前の基準SRS送信ビームに依存する。
【0198】
ケース1の場合、送信するSRSの送信ビームがPUSCHの送信ビームと同一であれば、同一の電力制御パラメータを使用してもよく、同一の閉ループ電力制御プロセスを共有してもよい。
【0199】
送信するSRSリソースセットが複数のSRSリソースを有する場合、その対応する送信ビームセットはPUSCHの送信ビームを含み、これはまた、PUSCHの電力制御パラメータおよび閉ループ電力制御プロセスを共有する可能性がある。
【0200】
送信するSRSの送信ビームがPUSCHの送信ビームとは異なるがほぼ同一である、すなわち特定のQCL関係が存在する場合、電力制御パラメータおよび閉ループ電力制御プロセスも共有されてもよい。
【0201】
本願に記載の特定のQCL関係は、SRSおよびPUSCHの送信リソースの少なくともビームリソースが何らかの類似性、たとえば同様の方向を有することを意味する。ビーム間の関係は一般的にQCLパラメータを用いて測定するので、特定のQCL関係は特定のQCL推定を意味する。たとえば、QCLパラメータにおけるパラメータの特定の部分は測定のしきい値要件を満たす、たとえば、QCLパラメータにおける空間パラメータは特定のしきい値要件を満たす。比較するビームがそれぞれアップリンクまたはダウンリンクビームの場合、送信端が異なるので、ビームの相関関係を測定するためにQCLを使用するのは不正確である。この場合、ビームの相関関係を、アップリンクパラメータ信号とダウンリンクパラメータ信号との相関関係を用いて判断してもよく、アップリンク(ダウンリンク)参照信号の空間パラメータ特性は、ダウンリンク(アップリンク)参照信号が通るチャネルの空間パラメータ特性によって判断してもよい。
【0202】
ケース2:前の基準SRS送信ビームに依存しない。
ケース2の場合、前の基準SRS送信ビームに依存しないので、独立した電力制御を実行するのが好適である。
【0203】
上記ケースの各々について、基地局が示すUEへの送信ビームは、基準として使用する上記SRSの送信ビームと同一であるが、基地局は、スケジューリング状態に従って受信ビームを変更してもよく、そうすると、上記ケースにおいて、UEは、いくつかの実施形態において条件に従ってPUSCHと電力制御パラメータおよび閉ループ電力制御プロセスを共有するか否かを判断し、また、基地局をサポートすることにより、PUSCHと電力制御パラメータおよび閉ループ電力制御プロセスを共有するか否かを指示することが必要である。
【0204】
基地局はUEのためのSRS固有電力制御パラメータを構成し、そのために、代替実施形態2の関連する説明を参照する。
【0205】
基地局は、UEのためにPUSCHの電力制御パラメータを構成し、その説明は次の通りである。
1)基地局は、UEのためにJ1セットのPUSCH開ループ電力制御パラメータを構成し、PUSCH開ループ電力制御パラメータの各セットは、PUSCH目標受信電力P0およびPUSCH経路損失補償ファクタαのうちの少なくとも1つを含み、J1は1以上の整数である。PUSCH開ループ電力制御パラメータの各セットをj1で示し、j1は整数であり、j1は0位以上J1未満である。
2)基地局は、UEのためにK1セットのPUSCH経路損失測定パラメータを構成し、PUSCH経路損失測定パラメータの各セットは、経路損失測定の少なくとも1つの参照信号(RS)リソースタイプ指示、経路損失測定のRSリソース指示、および、経路損失測定のために参照信号の複数の経路損失値を処理するためのルールのうちの少なくとも1つを含み、K1は1以上の整数である。PUSCH経路損失測定パラメータの各セットは、k1によって識別され、k1は整数であり、k1は0以上K1未満である。
3)基地局がL1セットのPUSCH閉ループ電力制御パラメータを構成し、PUSCH閉ループ電力制御パラメータの各セットは、PUSCH閉ループ電力制御IDのうちの少なくとも1つを含み、L1は1以上の整数である。PUSCH閉ループ電力制御パラメータの各セットはl1によって識別され、l1は整数であり、l1は0よりも大きくL1未満である。
【0206】
基地局は、UEのために少なくとも1つのSRSリソースセットを構成し、各SRSリソースセットは少なくとも1つのSRSリソースを含む。各SRSリソースは、SRSが占有するリソースを指示し、これは時間ドメイン、周波数ドメイン、符号ドメインその他のパラメータを含む。SRSリソースセットは、SRSリソースが周期的、非周期的、またはセミスタティックであることを指示する。異なるSRSリソースセットが異なる方式でスケジューリングされてもよい。たとえば、周期的方式の場合、RRCによる構成が必要なだけであり、UEは対応する位置でSRSを送信する(たとえば時間周波数ドメイン)。セミスタティック方式の場合、RRCによる構成が必要であり、MAC CEを起動に使用し、UEは起動されたSRSリソースセットが指示する位置でSRSを送信する必要がある。非周期的方式の場合、RRCによる構成が必要であり、物理層シグナリングはUEが指定された位置でSRSを送信するようトリガする。非周期的方式の場合、MAC CEはさらに、RRCにより構成されたSRSリソースセットの一部を起動することにより、物理層トリガシグナリングを通じてSRSリソースセットの指示オーバヘッドを減じる。
【0207】
基地局は、SRSリソースと送信ビームとの相関関係を指示する。この相関関係は、RRCメッセージによって構成されてもよく、またはMAC CEによって指示されてもよく、またはDCI等の物理層シグナリングによって指示されてもよい。
【0208】
基地局は、上記周期的方式、非周期的方式、またはセミスタティック方式でSRSを送信するようUEに指示し、UEは、SRSリソースセットおよび/またはSRSリソースの指示を判断してもよい。SRSに対応する電力制御パラメータは以下の方法のうちの1つによって決定される。
【0209】
方法1の場合、基地局は、SRSがPUSCHの電力制御を共有するか否かを明確に指示する。
【0210】
基地局は、このSRSリソース(セット)が電力制御プロセスをPUSCHと共有するか否かを指示する。
【0211】
SRSリソース(セット)がPUSCHと電力制御プロセスを共有するか否かとは、PUSCHの開ループ電力制御パラメータ、経路損失測定パラメータおよび閉ループ電力制御プロセスを共有するか否か、または、PUSCHの開ループ電力制御パラメータ、経路損失測定パラメータおよび閉ループ電力制御プロセスをそれぞれ共有するか否かを指示することであってもよい。
【0212】
基地局は、SRSリソース(セット)が電力制御プロセスをPUSCHと共有するか否かを、RRCシグナリングを用いて構成してもよく、または物理層シグナリングを用いて指示してもよい。
【0213】
いくつかの実施形態において、周期的SRSリソースセットの場合、基地局は、RRCシグナリングを用いることにより、電力制御プロセスの情報をPUSCHと共有するか否かを構成し、基地局は、電力制御プロセスの情報をPUSCHと共有するか否かをRRCシグナリングを用いることにより構成する、またはMAC CEを用いて指示し、非周期的なSRSリソースセットの場合、基地局は、電力制御プロセスの情報をPUSCHと共有するか否かを、RRCシグナリングまたはMAC CE、または物理層シグナリングを用いることにより、指示する。
【0214】
方式2の場合、共有するか否かをUE自身が判断する。
UEは、SRSリソースと送信ビームとの対応に従い、電力制御パラメータおよび閉ループ電力制御プロセスをPUSCHと共有するか否かを判断する。
【0215】
UEが、現在のSRSの送信ビームが前に送信されたパイロット、たとえば前のSRSの送信ビームまたは前のCSI-RSの受信ビームを参照すると判断した場合、SRSの送信ビームとPUSCHの送信ビームとの関係に従い、PUSCHの電力制御パラメータおよび閉ループ電力制御プロセスを共有するか否かを判断する。
【0216】
UEが、現在のSRSの送信ビームが、前に送信されたパイロットのビームリソースを参照しないと判断した場合、SRS送信ビームはPUSCHの電力制御パラメータとは無関係である。
【0217】
SRSが電力制御パラメータおよび閉ループ電力制御プロセスをPUSCHと共有する場合、j、kおよびlを決定する方式は次の通りである。
【0218】
方式は、さらに指示する必要はなく、ビームがQCL関係と同一か否かを判断に使用する。
【0219】
SRSリソースセットに対応付けられた送信ビームの数が1である場合、UEは、SRSリソースセットに対応付けられた送信ビームおよびPUSCHの電力制御パラメータに対応付けられたビームリソースを比較することにより、
1)同一のビームを共有し得る、
2)特定のQCL関係を満たす異なるビームを共有し得る、および
3)異なるビームが特定のQCL関係を満たしておらず独立して構成されたSRS固有電力制御リソースのデフォルトセットを使用する、
と判断する。
【0220】
SRSリソースセットに対応付けられた送信ビームの数が1よりも大きく、これら複数の送信ビームの送信電力が同一である必要がある場合、
1)PUSCHの電力制御パラメータに対応付けられたSRSの複数の送信ビームのうちの少なくとも1つがPUSCHの電力制御パラメータに対応付けられたビームリソースと同一であるときは、PUSCHのこの同一ビームリソースに対応付けられたパラメータを共有することができ、
2)PUSCHの電力制御パラメータに対応付けられたSRSの複数の送信ビームの少なくとも1つおよびPUSCHの電力制御パラメータに対応付けられたビームリソースが特定のQCL関係を満たすときは、PUSCHのこの同一ビームリソースに対応付けられたパラメータを共有することができ、
3)PUSCHの電力制御パラメータに対応付けられたSRSの複数の送信ビームのうちのいずれもがPUSCHの電力制御パラメータに対応付けられたビームリソースと同一でないまたは特定のQCL関係を満たさないときは、独立して構成されたSRS固有の電力制御リソースのデフォルトセットを使用する。
【0221】
ビームを使用しないシナリオの場合、SRSリソースセットにおけるすべてのSRSリソースがPUSCHの電力制御パラメータを共有する。
【0222】
これに代えて、SRSリソースセットは、グラントタイプに従いPUSCHの電力制御パラメータと一致する。たとえば、PUSCHのグラントフリー電力制御パラメータをグラントフリーSRSリソースセットに使用し、PUSCHのグラントベースの電力制御パラメータをグラントフリーSRSリソースセットに使用する。これに代えて、PUSCHのグラントフリー電力制御パラメータを周期的およびセミスタティックSRSリソースセットに使用し、PUSCHのグラントベースの電力制御パラメータを非周期的SRSリソースセットに使用する。
【0223】
さらなる指示のための方式が必要である。
基地局は、PUSCHのどの電力制御パラメータをSRSリソースに適用するかを指示する。この指示方式は以下を含む。
【0224】
独立して構成されたSRSの場合、開ループ電力制御パラメータ、経路損失測定パラメータおよび閉ループ電力制御パラメータは代替実施形態2を参照する。
【0225】
SRSリソースセットおよびPUSCHが電力制御パラメータを共有する場合、基地局は、SRSリソースセットに対し、PUSCHのどの開ループ電力制御パラメータ、経路損失測定パラメータおよび閉ループ電力制御パラメータを使用するかを指示する。
【0226】
SRSがPUSCHの電力制御パラメータを共有する場合、PUSCHの電力制御パラメータから、以下のパラメータ、すなわち、目標受信電力P0_PUSCH、α_PUSCH、PUSCHの電力測定構成、およびPUSCH閉ループ電力制御の数を取得し、電力オフセット値を、SRS送信のシナリオおよびSRSのカテゴリに従い決定する必要がある。詳細については実施形態1の関連説明を参照されたい。最後にSRSの送信電力が決定される。
【0227】
SRSがPUSCHの電力制御パラメータを共有する場合、PUSCHの電力制御パラメータから、以下のパラメータ、すなわち、α_PUSCH、PUSCHのPL測定構成、およびPUSCH閉ループ電力制御の数を取得し、電力オフセット値を、SRS送信のシナリオおよびSRSのカテゴリに従い決定する必要がある。電力オフセット値はUE固有目標電力部分を含み、PUSCHのUE固有目標電力を共有する必要はない。詳細については実施形態1の関連説明を参照されたい。最後にSRSの送信電力が決定される。
【0228】
以下は、SRSリソースセットが電力制御パラメータ構成を含まないであろう場合の実施形態を提供する。
【0229】
基地局は、UEのために少なくとも1つのSRSリソースセットを構成する。各SRSリソースセットは少なくとも1つのSRSリソースを含む。
【0230】
以下の条件のうちの1つまたは複数の条件の組み合わせが満たされる場合、SRSリソースセットは電力制御パラメータを含まない。
1)SRSリソースセットは周期的なものとして構成される。
2)SRSリソースセットはセミスタティックなものとして構成される。
3)SRSリソースセットにおけるSRSリソースの数が1よりも大きい。
4)SRSリソースセットにおけるSRSリソースの繰り返しの数が1よりも大きい。
5)SRSリソースセットにおけるSRSリソースのアンテナポートの数が1である。
6)SRSリソースセットにおけるSRSリソースの送信ビームリソース情報は基地局にとってトランスペアレントである。
7)SRS、トラッキング参照信号リソース指示(tracking reference signal resource indication)(TRI)、送信プリコーディング行列インジケータ(transmitted precoding matrix indicator)(TPMI)、同期信号ブロック(synchronization signal block)(SSブロック)指示、またはCSR-RS指示(CRI)等の送信ビームリソース情報が、SRSリソースセットにおいて構成されていない。
【0231】
電力制御パラメータを決定する方式は以下のうちの1つである。
1)基地局が、UEのためのパラメータのセットを構成することにより、上記条件を満たすSRSリソースセットにおけるSRSリソースの電力を計算する。
2)基地局が、セルレベルパラメータのセットを構成することにより、すべてのUEの上記条件を満たすSRSリソースセットにおけるSRSリソースの電力を計算する。
3)UEが物理ランダムアクセスチャネル(physical random access channel)(PRACH)プロセスの最終電力を採用する。
4)UEが、1つ以上のSSブロックを測定し、PLを決定し、P0_SRSとしてPRACHのために構成された目標電力値および以下の式を用いてSRSリソースセットにおけるすべてのSRSリソースの送信電力を計算する。
【0232】
【数3】
【0233】
いくつかの実施形態において、上記方式のうちの1つを使用すると予め定められる。
いくつかの実施形態において、基地局は上記方式のうちの1つを使用すると設定するまたは指示する。
【0234】
以下は、SRSリソースセットがデフォルト電力制御パラメータ構成を含み特定の条件が満たされたときにPUSCHと共有する実施形態を提供する。
【0235】
基地局はUEのために少なくとも1つのSRSリソースセットを構成する。各SRSリソースセットは少なくとも1つのSRSリソースを含む。
【0236】
少なくとも1つの電力制御パラメータセットが各SRSリソースセットに対して構成される。
1)SRSリソースセットが1つの電力制御パラメータセットのみを含む場合、SRSリソースセットにおけるすべてのSRSリソースはこの電力制御パラメータセットを用いて電力を計算する。
2)SRSリソースセットが2つ以上の電力制御パラメータセットを含む場合、たとえばNの電力制御パラメータセット(N>1)を含む場合、SRSリソースセットにおけるSRSリソースはNグループに分割され、SRSリソースの各グループが対応する1つの電力制御パラメータを用いて電力を計算する。
【0237】
電力制御パラメータセットは以下のパラメータ
1)SRS電力オフセット値、P0_SRS_OFFSET、
2)SRS目標受信電力、P0_SRS、
3)SRS経路損失補償ファクタ、α_SRS、
4)経路損失(PL)測定パラメータ、または
5)SRS閉ループ電力制御プロセス、
のうちの少なくとも1つを含む。
【0238】
経路損失(PL)測定推定のための参照信号(RS)リソース指示は、同一のリソースプールをPUSCHの以下の経路損失測定パラメータと共有する、すなわち、基地局はPL測定推定パラメータのリソースプールを構成し、SRSリソースセットはリソースプールの数を指示するだけである。
【0239】
経路損失測定パラメータは、経路損失測定のための参照信号(RS)リソースタイプ指示、経路損失測定のための参照信号(RS)リソース指示、または経路損失測定のために参照信号の複数の経路損失値を処理するためのルール、のうちの少なくとも1つを含む。
【0240】
SRS閉ループ電力制御プロセスは、SRS固有閉ループ電力制御プロセスを意味し、各セルは1つ以上のプロセスで構成されてもよく、各セルにおいて同一プロセスを有するSRSリソースセットは閉ループ電力調整量を共有してもよい。
【0241】
基地局は、UEのためのPUSCHの以下の電力制御パラメータを構成してもよい。
1)J1セットのPUSCH開ループ電力制御パラメータ。PUSCH開ループ電力制御パラメータの各セットは、目標受信電力P0、または経路損失補償ファクタαのうちの少なくとも1つを含み、J1は1以上の整数である。
2)K1セットのPUSCH経路損失測定パラメータ。PUSCH経路損失測定パラメータの各セットは、経路損失測定のための参照信号(RS)リソースタイプ指示、経路損失測定のための参照信号(RS)リソース指示、または経路測定のためにRSの複数のPL値を処理するためのルール、のうちの少なくとも1つを含み、K1は1以上の整数である。
3)L1セットのPUSCH閉ループ電力制御パラメータ。PUSCH閉ループ電力制御パラメータの各セットは、PUSCH閉ループ電力制御IDのうちの少なくとも1つを含み、L1は1以上の整数である。
【0242】
基地局はさらに、PUSCHの上記電力制御パラメータと、ビームリソースまたはビームリソースグループのうちの1つとの相関関係を構成する。たとえば、J1、K1およびL1における電力制御パラメータのうちの一部またはすべての各々は、ビームリソース指示情報に対応付けられている。たとえば、J1は、3に等しく、J1_1、J1_2およびJ1_3を含み、J1_1およびJ1_2はそれぞれSRI1およびSRI2と相関関係を構築する。K1は、3に等しく、K1_1、K1_2およびK1_3を含み、K1_1およびK1_2はそれぞれSRI1およびSRI2と相関関係を構築する。L1は、2に等しく、L1_1およびL1_2を含み、L1_1およびL1_2はそれぞれSRI1およびSRI2と相関関係を構築する。
【0243】
基地局は、物理層情報におけるビームリソース情報を用いることにより、PUSCH開ループ電力制御パラメータ、PUSCH経路損失測定パラメータおよびPUSCH閉ループ電力制御パラメータを取得するようUEに指示する。
【0244】
基地局はさらに、PUSCH開ループ電力制御パラメータ、PUSCH経路損失測定パラメータおよびPUSCH閉ループ電力制御パラメータのうちのいずれかのインデックス値、またはインデックス値に対応するビームリソースグループのローカルビームリソース番号を用いることにより、物理層情報におけるPUSCH開ループ電力パラメータ、PUSCH経路損失測定パラメータおよびPUSCH閉ループ電力制御パラメータを取得するようUEに指示する。このようにすることの利点は、物理層ビームリソース指示のオーバヘッドを省くことができることである。
【0245】
基地局はさらに、PUSCHの上記電力制御パラメータとグラントタイプとの相関関係を構成する。たとえば、J1、K1およびL1はそれぞれグラントタイプに対応付けられる。たとえば、J1は、3に等しく、J1_1、J1_2およびJ1_3を含み、J1_1およびJ1_2はそれぞれグラントベースタイプに対応付けられ、J1_3はグラントフリータイプに対応付けられる。K1は、3に等しく、K1_1、K1_2およびK1_3を含み、K1_1およびK1_2はそれぞれグラントベースタイプに対応付けられ、K1_3はグラントフリータイプに対応付けられる。L1は、2に等しく、L1_1およびL1_2を含み、L1_1はグラントベースタイプに対応付けられ、L1_2はグラントフリータイプに対応付けられる。
【0246】
基地局は、以下の方式のうちの1つでSRSのビームリソース情報をUEに指示する。
1)基地局は、SRSリソースセットまたはSRSリソースとビームリソース指示情報との相関関係を無線リソース制御(RRCシグナリング)で構成する。この相関関係は、SRSリソースセットまたはSRSリソースにおけるビームリソース指示情報、たとえばSRSリソース指示(SRI)、トラッキング参照信号リソース指示(TRI)、同期信号ブロック(SSブロック)指示、CSI-RS指示(CRI)、または、上記ビームリソース情報のQCL関係によって指示されるビームリソース情報、または送信プリコーディング行列インジケータ(TPMI)を、構成することであってもよい。
2)基地局は、MAC CEにおいて、SRSリソースセットまたはSRSリソースの一方とビームリソース指示情報との相関関係を指示する。この相関関係は、起動された各SRSリソースセットに対しビームリソース指示情報を構成してもよい。
3)基地局は、SRSリソースセットまたはSRSリソースのうちの一方と物理層情報、たとえばダウンリンク制御情報(DCI)におけるビームリソース指示情報との相関関係を指示する。相関関係は、トリガされたSRSリソースのためにビームリソース指示情報を構成するように構成されていてもよい。
【0247】
UEは、SRSリソースセットの構成情報およびPUSCHの電力制御パラメータ構成情報を受信し、関連するMAC CE情報および物理層情報を受信し、SRSリソースセットまたはSRSリソースとビームリソース指示情報との相関関係を取得する。
【0248】
以下の条件のうちの1つまたは複数の条件の組み合わせが満たされると、SRSリソースセットにおける電力制御パラメータのうちの一部またはすべてがPUSCHの電力制御パラメータに置き換えられる。
1)アプリケーションシナリオが非ゼロシナリオである。
2)SRSリソースセットは非周期的なものとして構成される。
3)SRSリソースセットはセミスタティックなものとして構成される。
4)SRSリソースセットにおけるSRSリソースの数は1に等しい。
5)SRSリソースセットにおけるSRSリソースの繰り返しの数は1に等しい。
6)SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたアンテナリソースが、PUSCHに対応付けられたアンテナリソースに一致する。アンテナリソースは、アンテナポート、アンテナパネル、アンテナポートグループ等の、物理または仮想アンテナのリソースを意味する。
7)SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたビームリソース指示情報は、PUSCHの電力制御パラメータに対応付けられたビームリソース指示情報のうちの一部またはすべてと同一または一致し、
一致とは、ビームリソースが同一のリソース番号で示されていること、またはビームリソースが特定のQCL関係を満たすこと、であり、
SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたビームリソースの数が1よりも大きい場合、一致は、SRSリソースセットまたはSRSに対応付けられたビームリソース、および、PUSCHの電力制御パラメータに対応付けられたビームリソースのうちのすべてが、特定のQCL関係を満たすことを意味し、
PUSCHの電力制御パラメータに対応付けられたビームリソース指示情報は、アンテナポート、送信ビーム、SRIなどのような、PUSCHの復調参照信号(DMRS)の送信リソースであってもよい。
8)SRSリソースセットまたはSRSリソースのグラントタイプがPUSCHの電力制御パラメータのグラントタイプと同一であり、
グラントタイプはグラントベースタイプまたはグラントフリータイプを意味する。
9)SRSリソースセットにおけるSRSリソースが送信するビームリソース情報は、基地局によって示される、または、SRSリソースセットにおけるSRSリソースが送信するビームリソース指示情報は基地局にとってトランスペアレントである。
【0249】
ここで、SRSリソースセットにおけるSRSリソースが送信するビームリソース情報を基地局が指示することは、基地局が、RRCシグナリングによってSRSリソースの送信ビームリソースを構成すること、または、MAC CEもしくは物理層シグナリング、たとえばDCIによってSRSリソースの送信ビームリソースを構成もしくは指示することを、意味する。
【0250】
送信ビームリソースは、SSブロックリソース指示、SRS指示(SRI)、TRIリソース指示(TRI)、またはCSI-RSリソース指示(CRI)のうちの1つであってもよい。
【0251】
送信ビームリソースは、1つ以上の送信を、基地局がこれをSRSリソースに対して指示する前に、参照する。たとえば、送信ビームリソースは、SSブロックの送信を参照し、そのプロセスは以下の通りである。
【0252】
基地局は、M個のSSブロックを周期的に送信し、これらは順にm=0~M-1という番号が付される。UEはN個のビームをトレーニングする必要があると仮定すると、UEは先ず同一の受信ビームを用いて1周期内のM個のSSブロックを測定することにより、M個のSSブロック各々のRSRPを取得し、次のSSブロック周期では異なる受信ビームを用いて他の基地局からUEへの異なるビームペアのRSRPを測定して取得し、これらのビームペアのPLを計算する。比較後に、UEは、PLが小さいビームペアを基地局にフィードバックし、基地局は、これらの情報に従い、ビームリソースに対して次のスケジューリングを指示することができる。
【0253】
UEが少なくともN回m=1のビームのSSブロックを受信する前に、基地局は特定のSRSに対して送信ビームの参照情報としてSSブロックのうちのm=1のSSブロックを指示すると仮定する。UEは受信性能が最も良い(たとえばRSRPが最大またはPLが最小)SSブロック送信に対応する受信ビームをSRS送信ビームとして使用する。
【0254】
加えて、送信ビームリソースはSRSのリソース指示の送信を参照し、そのプロセスは次の通りである。
【0255】
基地局は、UEのSRSリソースセットを構成する。このSRSリソースセットは、SRSリソースセットID=1で識別されると仮定し、SRSリソースセットID=1~xでそれぞれ識別されると仮定する複数のSRSリソースで構成される。基地局はUEの送信ビームリソースを指定しない。すなわち、SRSの送信ビームは基地局にトランスペアレントである。この場合、UEは、自身が送信するビームリソースを決定する必要がある。一般的に、広範囲のビームスキャンがUEに必要なので、PUSCHの電力制御パラメータの共有の必要性は大きくはない。このプロセスは、アップリンクビーム管理またはアップリンクビームスキャンに使用することができる。UEがSRSを送信した後に、基地局は測定を実行しこれらの測定結果に基づいて後続の送信のビームリソースを指示する。
【0256】
上記SRSリソースセットの後に、基地局は、送信ビームが基地局にとってトランスペアレントでないやり方で、特定のSRSの送信ビームがSRSリソースセットID=1におけるSRSリソースID=1であることを指示する。
【0257】
SRSリソースの指示情報として、SRIは、SRSリソースセット指示情報またはSRSリソースセット内のSRSリソースの指示情報のうちの1つを指示してもよく、UEのすべてのSRSリソースセットにおけるすべてのSRSリソースが等しく識別される場合、SRSリソースの識別情報のみが存在する。
【0258】
上記条件が有効になるか否かを基地局が設定してもよく、基地局は、各SRSリソースセットについてPUSCHの電力制御プロセスをSRSが共有することが認められるか否かを決定するパラメータを構成する。
【0259】
SRSがPUSCHの電力制御プロセスを共有することを認められない場合、SRSリソースセットにおいて構成された電力制御パラメータを用いて送信電力を計算する。
【0260】
SRSがPUSCHの電力制御プロセスの共有を認められる場合、UEは、以下の条件のうちの1つの結果または複数の条件の組み合わせの結果に従い、PUSCHの電力制御プロセスを共有するか否かを決定する。
【0261】
上記条件が満たされると、電力制御パラメータを決定する方式は以下のうちの1つである。
1)SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたビームリソース指示情報に対応付けられたPUSCHの電力制御パラメータすべてを用いてSRSリソースセットの送信電力を計算する。
2)SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたビームリソース指示情報に対応付けられたPUSCHの電力制御パラメータの一部を用いてSRSリソースセットの送信電力を計算する。
3)SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたグラントタイプに対応付けられたPUSCHの電力制御パラメータすべてを用いてSRSリソースセットの送信電力を計算する。
4)SRSリソースセットまたはSRSリソースに対応付けられたグラントタイプに対応付けられたPUSCHの電力制御パラメータの一部を用いてSRSリソースセットの送信電力を計算する。
【0262】
すなわち、PUSCHの電力制御パラメータのうちの一部またはすべてをそれぞれPUSCHの以下の電力制御パラメータのうちの一部またはすべてを指示するために使用することにより、SRSの対応する構成パラメータを置き換える。
1)代替関係1:P0_PUSCHとP0_SRS_OFFSETとの和を用いてP0_SRSを置き換える。
2)代替関係2:α_PUSCHを用いてα_SRSを置き換える。
3)代替関係3:PUSCHのために構成されたPL推定のRSリソース指示を用いて、SRSのために構成されたPL推定のRSリソース指示を置き換える。
4)代替関係4:SRSのために構成された閉ループ電力調整量を用いて、PUSCHのために構成された閉ループ電力調整量を置き換える。
【0263】
いくつかの実施形態において、PUSCHの電力制御パラメータのうちの一部またはすべては、基地局によって構成されるかまたは予め定められる。
【0264】
予め定めるということは、上記代替関係のうちの1つ以上をサポートすることを意味する。
【0265】
基地局が構成するということは、基地局がUEのための上記代替関係のうちの1つ以上を構成することを意味する。たとえば、ビットマップ方式がサポートされ、4ビット情報がそれぞれ代替関係1~4が有効か否かを指示するために使用される。これに代えて、いくつかの代替サブセット、たとえば4つのサブセットが予め定められてもよく、この場合、サブセット1は、代替関係1~4が有効に構成されることであり、サブセット2は、上記代替関係のうちの代替関係3および4のみが有効であることであり、サブセット3は、上記代替関係のうちの代替関係4のみが有効であることであり、サブセット4は、上記代替関係のうちのいずれも有効でないこと、すなわちPUSCHのパラメータでSRSのパラメータを置き換えることがサポートされていないことである。
【0266】
以下は、異なるSRSタイプをサポートする上記プロセスの一例である。
基地局は、DL CSI取得のためのSRSおよびSRSリソースセットのアンテナスイッチングのためのSRSについて、SRSがPUSCHの電力制御プロセスを共有することを認めないパラメータを構成し、UL CSI取得のためのSRSおよびSRSリソースセットのビーム管理のためのSRSについて、SRSがPUSCHの電力制御プロセスを共有することを認めるパラメータを構成する。ビームを使用するシナリオにおいて、UEは、UL CSI取得のためのSRSおよびビーム管理のためのSRSがビームの関係を通じてPUSCHの電力制御プロセスを共有するか否かを判断してもよい。ビームがないシナリオにおいて、ビーム管理のためのSRSおよびUL CSI取得のためのSRSが共有するPUSCHの電力制御パラメータは存在しない。
【0267】
この実施形態は、経路損失(PL)測定のための複数のダウンリンク(DL)参照信号(RS)について改善された解決策を提供する。
【0268】
基地局はUEのためのK個の経路損失測定パラメータを構成し、各経路損失測定パラメータは、ダウンリンク参照信号(DL RS)リソースの指示情報、または複数のPL値を処理するためのルールのうちの少なくとも1つを含む。
【0269】
DL RLリソースの指示情報は、DL RSのタイプ、またはDL RSのリソース指示のうちの1つを含む。
【0270】
基地局は、DL RSリソースにビームリソースの指示を構成し、UEは、ビームリソースのDL RSのみを用いてPLを測定する。
【0271】
基地局は、DL RSリソースにビームリソースの指示を構成し、UEは、基地局が構成した、ビームリソースとQCL関係を有するDL RSのセットを取得してPLを測定する。
【0272】
基地局は、DL RSリソースにビームリソースの指示を構成し、UEに対し、基地局が構成した、ビームリソースとQCL関係を有するDL RSのセットを取得してPLを測定するよう指示する。
【0273】
基地局は、PL計算のためのDL RSリソースを構成しない、または、DL RSリソースに予約値を構成する。この場合、UEはPLを測定し計算するために使用するDL RSを自身で決定する、またはアップリンクとダウンリンクとの間には相反性があると仮定してダウンリンクチャネルに対応付けられたDL RSを使用してPLを計算する。
【0274】
基地局は、DL RSリソースに2つ以上のビームリソース指示を構成する。これらのビームリソース指示は同一タイプのビームリソース指示である。具体的なシナリオにおいて、これらの同一タイプのビームリソース指示は、特定のQCL関係を満たす。
【0275】
基地局は、DL RSリソースに2つ以上のビームリソース指示を構成する。これらのビームリソース指示は異なるタイプのビームリソース指示を含む。特定のシナリオにおいて、これらの異なるタイプのビームリソース指示は、特定のQCL関係を満たす。
【0276】
ビームリソース指示は、基地局のダウンリンク送信ビームを指示するために使用される複数の情報、すなわちCRI、SSブロックリソース指示、およびTRSリソース指示、のうちの少なくとも1つを意味する。CRIはCRI-RSリソース指示を意味し、この情報は、UEに対し、指定されたCSI-RSを用いてPL測定を実行するよう指示するために使用される。SSブロックリソース指示は、NR同期信号(SS)のセカンダリ同期信号(SSS)またはプライマリブロードキャストチャネル(PBCH)の復調参照信号(DMRS)のリソース指示を意味し、この情報は、UEに対し、指定されたSSブロックを用いてPL測定を実行するよう指示する。TRSはトラッキング参照信号であり、TRSリソース指示は、UEに対し、指定されたTRSを用いてPL測定を実行するよう指示する。
【0277】
特定のシナリオは、ダウンリンクまたはアップリンクCSIを取得するために、ビームシナリオにおいてPUSCHの電力制御パラメータを構成する場合、ビームシナリオにおいてPUCCHの電力制御パラメータを構成する場合、またはビームシナリオにおいてSRSの電力制御パラメータを構成する場合、を含む。
【0278】
複数のPL値を処理するためのルールは、構成された複数のDL RSリソースによって送信されたDL RSによって測定された複数のPLを処理することによりPL値を取得するためのルールである。このルールは以下を含む。
【0279】
予め定められた条件を満たす複数のPLを分類し、予め定められた重みに従って加重平均を実行する。予め定められた条件は、PLが構成されたしきい値未満であることを含む。基地局は予め定められた重みを構成する。
【0280】
この実施形態は、SRSリソースセットの一定の電力および複数周期における一定の電力を維持する解決策を提供する。
【0281】
SRSリソースセットは少なくとも1つのSRSリソースを含み、同一のSRSリソースセットの複数のSRSリソースの送信電力は一定である。
【0282】
周期的なSRSリソースセットの場合、基地局は周期を構成し、UEはSRSリソースセットのSRSリソースを周期的に用いてSRSを送信する。
【0283】
1周期において同一のSRSリソースセットのSRSリソースを占有することによって送信されるSRS各々の送信電力は一定に維持される。
【0284】
周期的なSRSリソースセットの場合、基地局は、同一の送信電力を維持する周期の数を構成し、この数の周期においてSRSリソースセットのSRSリソースを占有することによって送信されるSRS各々の送信電力は一定に維持される。
【0285】
非周期的なSRSリソースセットの場合、物理層シグナリングによってSRSトリガが実行され、同一のトリガにおいてSRSリソースセットにおいて指示された複数のSRSリソースを占有するSRS各々の送信電力は一定に維持される。
【0286】
SRSトリガは、SRSリソースセットにおけるSRSリソースを一回指示する、または、SRSリソースセットにおけるSRSリソースを複数回繰り返し指示する。同一のトリガにおいてSRSリソースセットにおいて指示された複数のSRSリソースを占有するSRS各々の送信電力は一定に維持される。
【0287】
セミスタティックなSRSリソースセットの場合、起動された状態では周期的なSRSリソースセットと同様であり、基地局は周期を構成し、UEはSRSリソースセットのSRSリソースを周期的に用いることによりSRSを送信する。
【0288】
1周期において同一のSRSリソースセットのSRSリソースを占有することによって送信されるSRS各々の送信電力は一定に維持される。
【0289】
セミスタティックなSRSリソースセットの場合、基地局は、同一の送信電力を維持する周期の数を構成し、この数の周期においてSRSリソースセットのSRSリソースを占有することによって送信されるSRS各々の送信電力は一定に維持される。
【0290】
この実施形態は、SRS送信の繰り返しの数がSRSの送信電力に与える影響を提供する。
【0291】
時間ドメインにおいて、SRSの送信を繰り返すことは受信品質の向上およびカバレッジの改善をもたらし得る。
【0292】
周波数ドメインにおいて、SRSの送信を繰り返すことは送信電力の低減という別の目的を達成することにより他の通信ノードに対する干渉を低減し得る。
【0293】
基地局は、以下の方式のうちの少なくとも1つにより、SRSの送信電力に対するSRS送信の繰り返しの数の影響を反映させる。
【0294】
1)送信電力パラメータを、SRS時間ドメイン反復係数を用いることによって調整する。
【0295】
たとえば、SRS送信の総繰り返し回数を電力計算の係数として使用する。以下の式は実装方式である。この式において、RSRS,C(i)は、SRS送信の総繰り返し回数であり、たとえば、送信が1回実行され、次に再送信が1回実行され、すなわち2回実行されると、この値は2である。その他のパラメータについては実施形態2の説明を参照されたい。
【0296】
【数4】
【0297】
2)基地局が、送信電力に対するSRS時間ドメイン反復係数の影響係数を構成する。
たとえば、基地局は、予め構成された影響係数テーブルから1つをUEのために選択する。影響係数テーブルが0、1および0~1の範囲に含まれる値を含むと仮定する。たとえばRSRS,c∈{0,0.5,1}である。ここで、0は、この関数が有効ではないことに等しく、1は、この関数が完全に有効であることに等しく、たとえば送信が2回繰り返されると、SRSの送信電力は、関数が有効でないときの送信電力と比較して3dB低減される。0~1の範囲に含まれる値は、影響係数が部分的に有効にされた状態であることを表す。
【0298】
以下の式は実装方式であり、βSRS,cは影響係数である。その他のパラメータについては上記説明を参照されたい。
【0299】
【数5】
【0300】
3)SRS時間ドメイン反復係数によって送信電力に対する影響の関数を有効にするか否かは、スイッチを用いることで制御される。
【0301】
この関数が有効にされた場合、SRSについて計算された送信電力を、SRS時間ドメイン反復係数の比率に従って調整する。たとえば、時間ドメインにおいて送信が2回繰り返された場合、SRSの送信電力は、この関数が有効にされない場合の送信電力と比較して3dB低減される。
【0302】
たとえば、上記式のβSRS,cの値はスイッチによって0または1に設定される。
以下は、PUCCHおよびPUSCH/物理ダウンリンク共有チャネル(physical downlink shared channel)(PDSCH)の電力制御パラメータの関係についての実施形態を提供する。
【0303】
PUCCHのビームリソースはPUSCHのビームリソースと異なっていてもよい。PUCCHのスケジューリング期間は一般的により長く、送信ビームリソース情報等のリソース構成情報はRRCシグナリングを通じて更新されてもよい。PUSCHはより柔軟なスケジューリング機構を有していてもよく、送信ビームリソース情報等のリソース構成情報は、RRCシグナリング、MAC CEまたは物理層シグナリングを通じて指示されてもよい。いくつかのシナリオにおいて、PUCCHは、一時的に、PUSCHの送信ビームリソース情報および/または電力制御機構を使用し、これは利点をもたらすであろう。
【0304】
基地局は、UEのためにPUCCHの電力制御パラメータを構成し、PUCCHのリソースを構成および/またはスケジューリングする。UEは、開ループ電力制御パラメータ、経路損失計算パラメータおよび閉ループ電力制御パラメータを含む、送信されたPUCCHリソースに従い、電力制御パラメータを決定することができ、PUCCHの送信電力を計算する。
【0305】
基地局は、UEのためにPUSCHの電力制御パラメータを構成し、PUSCHのリソースを構成および/またはスケジューリングする。UEは、開ループ電力制御パラメータ、経路損失計算パラメータおよび閉ループ電力制御パラメータを含む、送信されたPUSCHリソースに従い、電力制御パラメータを決定することができ、PUSCHの送信電力を計算する。
【0306】
PUCCHは、以下の条件
1)PUSCHおよびPUCCHが同一スロットにある
2)PUSCHおよびPUCCHが周波数分割される
3)PUCCHの送信ビームがPUSCHの送信ビームと同一である
4)PUCCHの送信ビームおよびPUSCHの送信ビームが特定のQCL関係を満たす
のうちの少なくとも1つが満たされる場合は、PUSCHの電力制御パラメータまたはPUSCHの送信ビームリソースのうちの少なくとも1つを一時的に使用することができる。
【0307】
PUCCHがPUSCHの電力制御調整パラメータおよび送信ビームリソースを一時的に使用することは、現在のPUCCH送信に限って有効である。このPUCCH送信はその他のPUCCHの送信ビームリソースおよび電力制御パラメータに影響しない。
【0308】
PUCCHがPUSCHの電力制御パラメータを一時的に使用する場合、その閉ループ電力制御パラメータは、PUSCHの閉ループ電力プロセスによって更新される、PUSCHの閉ループ電力制御パラメータすなわちPUSCHの閉ループ電力調整量を使用する。PUCCHはこの量を一時的に使用するがこの量を更新しない。
【0309】
PUCCHがPUSCHの電力制御パラメータを一時的に使用する場合、その開ループ電力制御パラメータの目標受信電力P0は、PUSCHの目標受信電力P0とPUCCHの目標受信電力オフセット値との和によって決まる。PUCCHの目標受信電力オフセットは、PUSCHの目標受信電力を基準として基地局が構成したPUCCHのオフセットである。
【0310】
たとえば、以下の式は実装方式である。
【0311】
【数6】
【0312】
上記式において、iは、サブフレーム番号、スロット番号、およびOFDMシンボルの番号等の、時間単位番号であり、jは、PUSCH開ループ電力制御パラメータセットの番号であり、FはPUCCHのフォーマット番号であり、lは、PUSCHの閉ループ電力制御プロセスIDまたは閉ループ電力制御ループIDでもあるPUSCH閉ループ電力制御パラメータセットの番号であり、PO_PUSCH,c(j)、α(j)、PL、fc(i,l)はそれぞれ、目標受信電力、経路損失補償係数、経路損失計算パラメータ、PUSCHの閉ループ電力制御調整量である。
【0313】
基地局は、UEのためにPUSCHの電力制御パラメータを構成する。これは、少なくとも1セットの開ループ電力制御パラメータ(少なくとも目標受信電力P0および経路損失係数αを含む)、少なくとも1セットの経路損失測定パラメータ(PL計算のためのRSリソース構成)、および少なくとも1セットの閉ループ電力制御プロセスを含み、これらはそれぞれ、開ループ電力制御パラメータID、経路損失測定パラメータID、および閉ループ電力制御プロセスIDによって示される。
【0314】
基地局はさらに、UEのために以下の相関
1)開ループ電力制御パラメータと参照信号インデックスとの相関、
2)経路損失測定パラメータと参照信号インデックスとの相関、
3)閉ループ電力制御パラメータと参照信号インデックスとの相関、
4)開ループ電力制御パラメータとPL測定パラメータとの相関、
5)開ループ電力制御パラメータと閉ループ電力制御プロセスとの相関、
6)経路損失測定パラメータと閉ループ電力制御プロセスとの相関、および
7)開ループ電力制御パラメータ/経路損失測定パラメータと閉ループ電力制御プロセスとの相関、
のうちの少なくとも1つを構成する。
【0315】
基地局は、UEに対し、参照信号インデックス、開ループ電力制御パラメータID、経路損失測定パラメータID、および閉ループ電力制御プロセスIDのうちの少なくとも1つを構成することによってPUSCHの電力制御パラメータを取得するよう指示してもよい。
【0316】
閉ループ電力制御プロセスIDは、閉ループ電力制御ループとも呼ばれる閉ループ電力制御プロセスを決定する。UEは、各閉ループ電力制御プロセスについてローカル電力調整f(i,l)を維持する(閉ループ電力制御プロセスIDがlであると仮定)。
【0317】
閉ループ電力調整パラメータf(i,l)は、目標受信電力P0および/または開ループ電力制御パラメータにおける経路損失係数αが構成または再構成されるときにリセットされる。以下のケースのうちの1つが含まれる。
1)PUSCHの開ループ電力制御パラメータセットが構成または再構成される場合、すべての閉ループ電力制御プロセスIDに対応するf(i,l)がリセットされる。
2)PUSCHの開ループ電力制御パラメータセットの一部が構成または再構成される場合、PUSCHの構成または再構成される開ループ電力制御パラメータセットのインデックスに対応付けられた閉ループ電力制御プロセスIDに対応するf(i,l)のみがリセットされる。
3)PUSCHの開ループ電力制御パラメータセットのいくつかのパラメータ、たとえばP0および/またはαが、構成または再構成される場合、構成または再構成される開ループ電力制御パラメータセットのインデックスに対応付けられた閉ループ電力制御プロセスIDに対応するf(i,l)のみがリセットされる。
【0318】
上記内容は、PUCCHの電力制御パラメータおよびSRSの電力制御パラメータにも適用可能である。
【0319】
基地局は、閉ループ電力制御プロセスをリセットするまたは受け継ぐように構成されてもよい。構成シグナリングはRRCシグナリング、MAC CE、または物理層(PHY)シグナリングであってもよい。
【0320】
基地局は、異なるチャネルおよび信号間の閉ループ電力制御プロセスを受け継ぐように構成されてもよい。構成シグナリングは、RRCシグナリング、MAC CE、またはPHYシグナリングであってもよい。
【0321】
本願は、PUSCHのSRS-CSI、PDSCHのSRS-CSIおよびSRS-BM U1/U2/U3のさまざまな要件に対し、統一された電力制御式および構成アーキテクチャを決定することができる。
1)SRSおよびPUSCHが電力制御パラメータP0/α/PLを共有するか否か、ならびに、SRSおよびPUSCHがf(i)を共有するか否かを、明示的にまたは暗黙的に(たとえばSRSリソースの特徴、特にビームとの結合関係を通じて)指示する。f(i)はサブフレームiの電力制御補正関数。
2)SRSの電力制御パラメータの独立した構成は、SRSの複数のJ、KおよびLの相関の構築を必要とし、これはSRSの動的指示に好都合であり、これはビーム(グループ)とj、k、lとの相関を構成すること、またはj、kおよびl間の相関を構成することで実現される。
3)PUSCHの電力制御パラメータを共有する場合、PUSCHの電力制御パラメータをSRSが使用する方式を明示的または暗黙的に決定する。
【0322】
代替実施形態y:(アンテナスイッチング制御および/またはビーム管理制御のための構成パラメータ)
この実施形態では、1つのSRSリソースセットの構成に構成パラメータが存在し、この構成パラメータは、アンテナスイッチング状態およびビームスイッチング状態という少なくとも2つの状態を有する。代替的に、この構成パラメータは、アンテナスイッチングの情報とビーム管理の情報とによって共同で符号化された構成パラメータである。代替的に、この構成パラメータは、アンテナスイッチングの情報とビーム管理の情報とによって共有される構成パラメータである、すなわち、この構成パラメータはアンテナスイッチング制御またはビーム管理制御に使用される。
【0323】
たとえば、この構成パラメータはXである。Xが0のとき、これは、このSRSリソースセットの異なるSRSリソースがアンテナスイッチングのために使用されることを示し、このセットの異なるSRSリソースは異なるアンテナに対応する、または、このセットの異なるSRSリソースは異なるアンテナグループに対応する。Xが1のとき、これは、このSRSリソースセットの異なるSRSリソースはビームスイッチング用であり、異なるSRSリソースは異なるビームを表す。
【0324】
いくつかの実施形態において、この構成パラメータは、以下の状態ビット、すなわち、アンテナスイッチング、同一アンテナでビームスイッチング、異なるアンテナでビームスイッチング、および同一アンテナでビーム不変、のうちの少なくとも2つを有し得る。
【0325】
いくつかの実施形態において、構成パラメータは、以下の状態ビット、すなわち、同一ビームでアンテナスイッチング、異なるビームでアンテナスイッチング、同一アンテナでビームスイッチング、異なるアンテナでビームスイッチング、および同一アンテナでビーム不変、のうちの少なくとも2つを有し得る。
【0326】
いくつかの実施形態において、この構成パラメータはまた、以下の状態、すなわち、1T2R、2T4R、ビームスイッチングで1ポート送信、ビーム不変で1ポート送信、ビームスイッチングで2ポート送信、ビーム不変で2ポート送信、および4ポート、のうちの少なくとも2つを含み得る。ここで、「1T2R」は、現在の2つのSRSリソースが異なる送信アンテナに対応し各SRSリソースが1つのSRSポートを含むことを表し、「2T4R」は、現在の2つのSRSリソースが異なる送信アンテナに対応し各SRSリソースが2つのSRSポートを含むことを表す。「ビームスイッチングで1ポート送信」は、送信ビームのスキャンのために異なるSRSリソースが使用され各SRSリソースが1ポートを含むことを表す。「ビームスイッチングで1ポート送信」は、送信ビームのスキャンのための異なるSRSリソースを表し各SRSリソースが1ポートを含むことを表す。「ビームスイッチングで2ポート送信」は、送信ビームのスキャンのために異なるSRSリソースが使用され各SRSリソースが2ポートを含むことを表す。「ビームスイッチングで2ポート送信」は、送信ビームのスキャンのために異なるSRSリソースを表し各SRSリソースが2ポートを含むことを表す。「4ポート」はこのSRSが4ポートを含むことを表す。
【0327】
「アンテナスイッチング」はこのSRSリソースセットの異なるSRSリソースが異なるアンテナを表すことであり、「同一アンテナでビームスイッチング」はこのSRSリソースセットの異なるSRSリソースが、同一アンテナが送信する異なるビームを表すことであり、「異なるアンテナでビームスイッチング」はこのSRSリソースセットの異なるSRSリソースが、異なるアンテナが送信する異なるビームを表すことである(異なるビームは同一の無線周波数(RF)重み係数を有していてもよく、これらは異なるアンテナが送信するビームである、または、異なるビームは異なるRF重み係数を有していてもよく、異なるアンテナが送信する異なるビームを異なるビームと呼ぶ。RF重み係数は空間フィルタまたは空間フィルタ係数と呼ぶこともできる。)。
【0328】
さらに詳述の必要がある事項がある。図6に示されるように、アンテナ1はn個の要素に対応し(すなわち、アンテナ1が送信する信号は、無線を形成するために、[w11,w21,…,wn1]による重み付けの後、アンテナ1に対応付けられたn個の要素から送信される必要がある)、アンテナ2はn個の要素に対応する。アンテナ1の要素に対する重み係数は、w1=[w11,w21,…wn1]およびw2=[w12,w22,…,wn2]である。w1がw2に等しいとき、SRSリソース1はアンテナ1によって送信され、SRSリソース2はアンテナ2によって送信され、これは、この実施形態の実装方式において、SRSリソース1およびSRSリソース2は同一の空間フィルタパラメータを有する、または、SRSリソース1およびSRSリソース2はアンテナが異なる同一の送信ビームに対応する、と言うことができる。または、この実施形態の別の実装方式において、これは、SRSリソース1およびSRSリソース2は異なる空間フィルタパラメータを有する、または、SRSリソース1およびSRSリソース2は送信アンテナが異なる送信ビームに対応する、と言うことができる。
【0329】
「同一アンテナでビーム不変」は、このSRSリソースセットの異なるSRSリソースが同一ビームおよび同一アンテナによって繰り返し送信されることを表す。
【0330】
「同一ビームでアンテナスイッチング」は、異なるSRSリソースは異なるアンテナまたはアンテナグループに対応しさらに同一の無線周波数重み係数(または空間フィルタ係数)に対応することを表す。図6に示されるように、SRSリソース1およびSRSリソース2は異なるアンテナに対応するが、無線周波数重み係数w1はw2に等しい。「異なるビームでアンテナスイッチング」は、SRSリソース1およびSRSリソース2は異なるアンテナに対応し無線周波数重み係数w1およびw2が異なることを表す。
【0331】
上記説明において、構成パラメータXはSRSリソースセットにおいて構成され、この実施形態は、上記構成パラメータXがSRSリソースにおいて構成されるケースを除外しない。
【0332】
この実施形態において、送信ビームを空間フィルタパラメータと呼ぶこともある。
代替実施形態y1
この実施形態において、パラメータYが1つのSRSリソースセットの構成に存在する。パラメータYはアンテナスイッチング構成パラメータである、または、パラメータYはアンテナスイッチングおよびビーム管理によって共同で符号化された構成パラメータである、または、パラメータYはアンテナスイッチングおよびビーム管理が共有する構成パラメータである。
【0333】
いくつかの実施形態において、パラメータYの構成可能範囲またはパラメータYが存在するか否かは、以下のパラメータ、すなわち、SRSリソース間の多重化モード、このSRSリソースセットに含まれるSRSリソースの数、SRSリソースセットの各SRSリソースに含まれるポートの数、またはSRSリソースセットの異なるSRSリソース間の最小時間間隔、のうちの少なくとも1つに従って判断される。
【0334】
これに代えて、パラメータYは、以下のパラメータ、すなわち、SRSリソース間の多重化モード、このSRSリソースセットに含まれるSRSリソースの数、SRSリソースセットの各SRSリソースに含まれるポートの数、またはSRSリソースセットの異なるSRSリソース間の最小時間間隔、のうちの少なくとも1つと共同で符号化される。
【0335】
いくつかの実施形態において、SRSリソース間の多重化モードに周波数分割多重化(FDM)がある場合、Yをアンテナスイッチングモードとして構成することはできない、すなわち、SRSリソースセットの異なるSRSリソースを異なるアンテナのスイッチングに使用することはできない。
【0336】
いくつかの実施形態において、SRSリソースセットに含まれるSRSリソースの数が予め定められた集合に属する場合(たとえば、予め定められた集合は{2,4}または予め定められた集合は{2})、Yの構成可能な範囲は1である。SRSリソースセットに含まれるSRSリソースの数がこの予め定められた集合に属さない場合(たとえば、予め定められた集合は{2,4}または予め定められた集合は{2})、Yの構成可能な範囲は2であり、任意で、範囲2は範囲1の部分集合である。たとえば、範囲1は{0-4}、範囲2は{1-4}である。構成可能な範囲は値であるが、この実施形態は、構成可能な範囲が状態ビットからなる集合である場合を除外しない。
【0337】
いくつかの実施形態において、SRSリソースセットの各SRSリソースに含まれるポートの数が予め定められた集合に属する場合(たとえば、予め定められた集合は{1}または予め定められた集合は{1,2})、Yの構成可能な範囲は3であり、そうでなければYの構成可能な範囲は4である。任意で、範囲4は範囲3の部分集合である。たとえば、範囲3は{0-5}であり、範囲4は{2-5}である。構成可能な範囲は値であるが、この実施形態は、構成可能な範囲が状態ビットからなる集合である場合を除外しない。
【0338】
いくつかの実施形態において、SRSリソースセットの異なるSRSリソース間の最小時間間隔が予め定められたしきい値よりも大きい場合、Yの構成可能な範囲は5であり、そうでなければYの構成可能な範囲は6である。任意で、範囲6は範囲5の部分集合である。たとえば、範囲5は{0-5}であり、範囲6は{2-5}である。構成可能な範囲は値であるが、この実施形態は、構成可能な範囲が状態ビットからなる集合である場合を除外しない。
【0339】
簡略化した特徴
同一キャリアにおいて、電力調整は、シンボルごとに送信されるチャネルおよび/または送信される信号について、
このキャリアの最大電力限界、および
同一スロット内の複数のシンボル間で同一タイプのチャネルまたは信号が同一の非ゼロ電力または同一の非ゼロ電力スペクトル密度を維持すること、
を満たすように、行われる。
【0340】
複数キャリアにおいて、電力調整は、シンボルごとに送信されるチャネルおよび/または送信される信号について、
複数キャリアの最大電力限界、および
同一キャリア内の同一スロット内の複数のシンボル間で同一タイプのチャネルおよび/または信号が同一の非ゼロ電力または同一の非ゼロ電力スペクトル密度を維持すること、
を満たすように、行われる。
【0341】
複数キャリアが同時にアップリンク送信を実行する場合、送信電力を求めるプロセスは以下の特徴のうちの少なくとも1つを有する。
1.各キャリアのすべての送信の電力を計算し、Pc,x,chで表し、cはCCの番号、xはスロット内のOFDMシンボルの番号、chはチャネルまたは信号でありこれは、PUSCH、ロングPUCCH(L-PUCCH)、ショートPUCCH(S-PUCCH)、SRSその他であってもよい。
2.各キャリアについてシンボルごとに、1キャリアにおいてこのシンボルでのすべての送信に必要な電力の合計がこのキャリアが許容する最大電力限界を超えるか否かを判断する。
3.許容される最大電力限界をシンボルが超える場合、このキャリアにおけるこのシンボルでのすべての送信の送信電力を、予め定められたルールに従いキャリア内で処理し、P’c,x,chで表す。
【0342】
この予め定められたルールは以下を含む。チャネル優先度および信号優先度に従い、優先度が高い送信に電力取得の優先権が与えられることを保証する。たとえば、PUCCHの優先度はPUSCHの優先度よりも高く、PUSCHの優先度はSRSの優先度よりも高く、アップリンク制御情報(UCI)を含むPUSCHの優先度はUCIを含むPUSCHの優先度よりも高く、PUSCHは送信のサービス優先度に従って比較される。たとえば、超高信頼低遅延(ultra-reliable and low latency communications)(URLLC)サービスを含むPUSCHの優先度は、高速大容量モバイルブロードバンド(enhanced mobile broadband)(eMBB)サービスを含むPUSCHの優先度よりも高い等である。残余の電力は優先度が低い送信に割り当てられる。優先度が等しい複数の送信がある場合、複数の送信の電力を同一の割合で低減する、または、いくつかの送信に電力を割り当てない、すなわち、対応するP’c,x,chはゼロである。
【0343】
このキャリアにおいて、複数シンボル間の同一タイプの送信は、1スロット内で同一電力を維持する。いくつかのシンボルの電力がゼロの場合、この電力は他のシンボルの電力と一致しない可能性がある。この方法は、同一タイプのすべてのシンボルの送信の電力P’c,x,chの最小値を取り、同一タイプのすべてのシンボルの送信の電力P’c,x,chの最小の非ゼロ値を取ることを含む。
【0344】
すべてのキャリアのスロットが同一の長さである場合、シンボルに対するすべてのキャリアのすべての送信の電力の合計が、UEが許容する最大電力限界を超えるか否かを、すべてのキャリアについてシンボルごとに判断する。
【0345】
電力の合計は、P’c,x,chのxの値を、現在判断しているシンボルの番号に固定し、P’c,x,chのcおよびchの項をトラバースし合計することによって得られる。
【0346】
許容される最大電力限界を超えるシンボルについて、このシンボルでのすべての送信の送信電力を予め定められたルールに従って処理し、送信電力をP”c,x,chで表す。
【0347】
この予め定められたルールは以下を含む。チャネル優先度および信号優先度に従い、優先度が高い送信に電力取得の優先権が与えられることを保証し、残余の電力は優先度が低い残りの送信に割り当てられる。優先度が等しい複数の送信がある場合、複数の送信の電力を同一の割合で低減する、または、いくつかの送信に電力を割り当てない、すなわち、対応するP”c,x,chはゼロである。
【0348】
スロット内で、複数シンボル間の同一タイプの送信は、各キャリアにおいて同一電力を維持する。いくつかのシンボルの電力がゼロの場合、他のシンボルの電力が一致しない可能性がある。この方法は、同一タイプのすべてのシンボルの送信の送信電力P”c,x,chの最小値を取ること、または、同一タイプのすべてのシンボルの送信の送信電力P”c,x,chの最小の非ゼロ値を取ること、のうちの1つを含む。
【0349】
複数のキャリアが異なるスロット長を有する場合、これら複数のキャリアをスロット長に従ってグループ分けし、保証される電力を各キャリアグループに設定し、上記特徴1~7の複数キャリア送信電力処理を各キャリアグループに対して独立して実行する。キャリアグループ間で電力を共有するか否かおよび共有方法は、基地局によって構成される、または予め定められたルールに従って決定される。
【0350】
基地局が構成する方法または予め定められたルールは以下を含む。
構成1では、電力の割り当てを複数のキャリアグループで共有することはできない。すなわち、複数グループの保証されている電力部分を他のグループが占有することはできず、複数のグループの保証されている電力以外の残りの電力を、最初の開始送信が占有してもよい、またはその送信時間が最初に決定された送信が占有する。
【0351】
構成2では、いくつかのグループが現在の送信時間範囲内で送信されないと予測される場合、未送信のキャリアグループの保証電力を他のグループが共有してもよい。たとえば、ショートスロットキャリアグループの電力を計算するとき、ロングスロットキャリアが送信されなければ、ロングスロットキャリアグループの残り時間に設定された保証電力を少なくとも占有すればよい。現在の送信の時間範囲内の送信があるか否かを予測することが不可能であれば、保証電力を残しておかなければならない。
【0352】
二重接続された2つのCG、すなわちマスタセルグループとセカンダリセルグループの場合、保証電力はCGごとに設定され、如何にしてCG間で複数キャリアの電力を共有するかは、基地局によって設定される、または予め定められたルールに従って決定される。
【0353】
基地局による設定方法または予め定められたルールは以下を含む。
構成1では、電力割り当てを2つのCGが共有してもよく、電力割り当ての優先度は、チャネル優先度および送信優先度に従って決定される。
【0354】
構成1では、電力割り当てを2つのCGが共有することはできない。すなわち、各CGの保証電力部分を他方のグループが占有することはできない。
【0355】
構成2では、他のCGが現在の送信の時間範囲内に送信されないと予測され得る場合、送信されないCGの保証電力を他のグループが共有してもよい。現在の送信の時間範囲の送信があるか否かを予測することが不可能である場合、保証電力は他のCGのために残しておかねければならない。
【0356】
シンボルは、OFDMシンボルを意味する。
キャリアは、コンポーネントキャリア、またはセルのうちの1つであってもよく、セルは、サービングセル、プライマリセル、セカンダリセル、およびプライマリセカンダリセル、PUCCH-SCellなどの、すべての種類のセルを含む。
【0357】
キャリアは、帯域幅部分(band width part)(BWP)またはBWPグループに置き換えることもできる。
【0358】
代替実施形態z1(キャリアアグリゲーション(CA)の場合の電力制御)
NRは、ロングPUCCH(L-PUCCH)、ショートPUCCH(S-PUCCH)、PUSCHおよびSRS等の、異なる種類のチャネルおよび信号間の時分割および周波数分割をサポートするので、以下の組み合わせまたはそのサブセットが存在し得る。
【0359】
図7に示されるように、周波数分割多重化されたL-PUCCHおよびPUSCHと、SRSとの時分割多重化、およびS-PUCCHとの時分割多重化である。
【0360】
各チャネル、ならびに各チャネルの開始シンボルおよび終了シンボルの位置は異なり得るので、送信すべき情報およびシンボルで搬送される信号の種類は1スロット内で異なり得る。したがって、電力制御および電力ヘッドルームレポート(power headroom report)(PHR)双方をシンボルごとに計算する必要がある。
【0361】
スロットにおいて、計算はシンボルごとに行われる。
加えて、同一種類のチャネルが搬送するコンテンツも異なる優先度を有し得る。たとえば、同一種類のPUCCHが搬送する肯定応答(ACK)およびCQIの優先度は異なる場合がある。PUSCHが搬送するeMBBおよびURLLCの優先度は異なる。一般的に、優先度が高いチャネルおよびサービスの送信電力は保証されなければならない。
【0362】
したがって、numerology(数秘学)(物理フレーム構造に関連するパラメータ)が同一の同期NR CA等のNR CAの比較的単純なシナリオであっても、電力共有はLTEよりも複雑である。なぜなら、上記チャネルの組み合わせおよび各CCに含まれるそれぞれの開始位置と終了位置は異なり得るからである。
【0363】
NRにおけるCA電力制御は、シンボルごとに計算し比較しなければならない。また、複数のCC間の電力割り当ては優先度に従って決定しなければならない。総電力が不十分な場合、優先度が高いチャネル(PUCCH)およびサービス(URLLC)の送信電力を保証する必要がある。同一のCCにおいて、1スロット内の異なるシンボル間の同一チャネルの電力は一致していなければならない。
【0364】
NR CAの電力共有メカニズムを以下で説明する。
1.UEの各CCの各シンボルの各チャネルに必要な電力Pc,x,chを計算し、各CCの各シンボルがPcmax,cを超えるか否かを計算する、すなわち電力が不十分なシンボルがあるか否かを確認する。cはCCの番号、xはスロット内のOFDMシンボルの番号、chはチャネルまたは信号であり、たとえばPUSCH、L-PUCCH、SRSなどであってもよい。
【0365】
たとえば、3つのCCのキャリアアグリゲーションの場合の、1スロット内のシンボルの各チャネルに割り当てられる時間-周波数リソースが、図8に示されている。
【0366】
表1は、3つのCCの1スロット内の異なるシンボルのチャネルおよび信号に必要な電力を示す。
【0367】
【表1】
【0368】
2.各CCについて、電力が不十分なシンボルがある場合、対応するCCの各チャネルに必要な電力P’c,x,chを、優先度に従い、各CCの各シンボルがそれぞれのPcmax,cを超えないように調整する。
【0369】
CC0のPUSCHの電力とL-PUCCHの電力との合計がPcmax,CC1を超えた場合は、PUSCHを調整し、表2に示されるように、調整した値をP’で表す。
【0370】
【表2】
【0371】
3.各シンボルのすべてのCCのチャネルの送信電力の合計を計算し、Pcmaxと比較することにより、この合計がPcmaxを超えるか否かを確認する、すなわち、すべてのCCの合計において電力が不十分なシンボルがあるか否かを確認する。電力が不十分なシンボルがある場合、優先度が高いチャネルおよび信号のシンボルを先ず調整しなければならない、すなわち、送信電力は優先度が高いチャネルまたはサービスに対して設定しなければならず、残余の電力は相対的に優先度が低い他のチャネルおよび信号に割り当てる。
【0372】
2つのシンボルx=2およびx=3の総電力がPcmax,CC1を超える場合、好ましくはPUCCHの電力を保証し、PUSCHの電力をさらに低減し、表3に示されるようにP”で表す。
【0373】
【表3】
【0374】
4.相対的に優先度が低い2つ以上のチャネルおよび信号がある場合、電力は同一の割合で低減する必要があり、いくつかのCCのチャネルに割り当てられる電力はゼロの可能性がある。
【0375】
5.表4に示されるように、同一のCCの同一のチャネルおよび信号の電力は、異なるシンボルにおいて一致する。
【0376】
【表4】
【0377】
NR CAのnumerologyが異なる同期NR CAの場合
numerologyが異なる場合、シンボル長およびスロット長双方が異なっている。ロングスロットの電力を計算するとき、現在のショートスロットの電力要件はわかっているが、次のショートスロットの電力要件は予測不能であるため、次のショートスロットのために特定の電力を残しておくことが必要である。拡張PCM2を使用する、すなわち、numerologyグループに従ってグループごとに保証電力を設定する。
【0378】
ある実施形態はさらに電力制御方法を提供する。この電力制御方法は下記のステップを含む。
【0379】
アップリンク送信の開ループ電力制御パラメータセットのパラメータのうちの少なくとも一部を構成または再構成する場合、構成または再構成する開ループ電力制御パラメータセットのインデックスに対応付けられた閉ループ電力プロセスIDに対応するローカル閉ループ電力調整量を、リセットする。
【0380】
この方法は、基地局が、UEの電力制御パラメータの構成を実行するために使用してもよい。
【0381】
基地局が、最初に、UEのアップリンク送信の開ループ電力制御パラメータセットにおける開ループ電力制御パラメータの一部またはすべてを構成または再構成する場合、基地局は、それに応じてこれらの開ループ電力制御パラメータに相当する閉ループ電力制御プロセスを調整して、UEのローカル閉ループ電力制御調整量をリセットする。本明細書において、リセットは更新と理解することができる。
【0382】
いくつかの実施形態において、アップリンク送信は、
物理アップリンク共有チャネル送信、
物理アップリンク制御チャネル送信、または
サウンディング参照信号送信
のうちの少なくとも1つを含む。
【0383】
その他のいくつかの実施形態において、アップリンク送信の開ループ電力制御パラメータセットのパラメータは、
目標受信電力、または
経路損失係数
のうちの少なくとも1つを含む。
【0384】
いくつかの実施形態において、開ループ電力制御パラメータは、開ループ電力パラメータIDによって指示される。
【0385】
経路損失測定パラメータは、経路損失測定パラメータIDによって指示される。
閉ループ電力制御プロセスは、閉ループ電力制御プロセスIDによって指示される。
【0386】
いくつかの実施形態において、この方法はさらに下記のステップを含む。
基地局は、ユーザ機器(UE)のために、以下の相関、すなわち、
開ループ電力制御パラメータと参照信号インデックスとの相関、
経路損失測定パラメータと参照信号インデックスとの相関、
閉ループ電力制御プロセスと参照信号インデックスとの相関、
開ループ電力制御パラメータIDと参照信号インデックスとの相関、
経路損失測定パラメータIDと参照信号インデックスとの相関、または
閉ループ電力制御プロセスIDと参照信号インデックスとの相関、
のうちの少なくとも1つを構成する。
【0387】
いくつかの実施形態において、この方法はさらに下記のステップを含む。
ユーザ機器(UE)がアップリンク送信の電力制御パラメータを取得するために、たとえば、DCIシグナリングを通じて、
参照信号インデックス、
開ループ電力制御パラメータID、
経路損失測定パラメータID、
閉ループ電力制御プロセスID、および
UEがアップリンク送信を得るための電力制御パラメータ
のうちの少なくとも1つが送信される。
【0388】
UEは、上記のうちのいずれか1つを受信した後に、上記相関に基づいて電力制御パラメータを決定することができる。
【0389】
いくつかの実施形態において、UEは、基地局から参照信号IDを受信し、参照信号IDと開ループ電力制御パラメータとの相関に基づいて開ループ電力制御パラメータを取得し、次に、参照信号IDおよび閉ループ電力制御プロセスの相関に基づいて閉ループ電力制御パラメータを取得する。開ループ電力制御パラメータと閉ループ電力制御パラメータとの間には相関関係があり、これは、同一の参照信号IDに対応付けられる。
【0390】
閉ループ電力制御パラメータは閉ループ電力制御プロセスIDを含む。本願のある実施形態はさらにコンピュータ実行可能コードを格納するためのコンピュータ記憶媒体を提供し、コンピュータ実行可能コードは、実行されると、上記技術的解決策のうちのいずれか1つが提供する電力制御方法またはパラメータ構成方法を実現可能である。
【0391】
コンピュータ記憶媒体は非一時的な記憶媒体であってもよい。
本願において、各種実施形態の特徴は、対立しなければ互いに組み合わせてもよい。各実施形態は、本願のある最適な実装態様にすぎず、本願の範囲を限定することを意図しているのではない。
【0392】
上記方法のステップのすべてまたは一部はプログラムによって指示される関連のハードウェアによって実現し得るものであること、および、これらのプログラムは読み出し専用メモリ(ROM)、磁気ディスクもしくは光ディスク等のコンピュータ読取可能記憶媒体に格納し得ることを、当業者は理解するであろう。任意で、上記実施形態のステップのすべてまたは一部は1つ以上の集積回路を用いて実現し得るものでもある。したがって、上記実施形態におけるモジュール/ユニットはハードウェアまたはソフトウェア機能モジュールによって実現し得るものである。本願はハードウェアとソフトウェアの特定の組み合わせに限定されるものではない。
【0393】
上記は本願の代替実施形態にすぎず本願を限定することを意図しているのではない。当業者にとって本願は各種修正および変形を有し得るものである。本願の精神および原理の範囲内でなされたいかなる修正、均等の置換、改善なども本願の範囲に含まれていなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8