IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウニベルジテート ロストックの特許一覧

特許7250033活性物質保持部を含む3Dプリンタ造形式活性物質放出システムの製造装置及び3Dプリンタ造形式活性物質放出システムの製造方法
<>
  • 特許-活性物質保持部を含む3Dプリンタ造形式活性物質放出システムの製造装置及び3Dプリンタ造形式活性物質放出システムの製造方法 図1
  • 特許-活性物質保持部を含む3Dプリンタ造形式活性物質放出システムの製造装置及び3Dプリンタ造形式活性物質放出システムの製造方法 図2
  • 特許-活性物質保持部を含む3Dプリンタ造形式活性物質放出システムの製造装置及び3Dプリンタ造形式活性物質放出システムの製造方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】活性物質保持部を含む3Dプリンタ造形式活性物質放出システムの製造装置及び3Dプリンタ造形式活性物質放出システムの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/165 20170101AFI20230324BHJP
   B29C 64/277 20170101ALI20230324BHJP
   B29C 64/295 20170101ALI20230324BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230324BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20230324BHJP
【FI】
B29C64/165
B29C64/277
B29C64/295
B33Y10/00
B33Y30/00
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2020551365
(86)(22)【出願日】2019-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-10
(86)【国際出願番号】 EP2019057734
(87)【国際公開番号】W WO2019185725
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-07
(31)【優先権主張番号】102018107585.5
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516135302
【氏名又は名称】ウニベルジテート ロストック
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ザイツ、ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】マッツモーア、ローラント
(72)【発明者】
【氏名】グラボウ、ニールス
(72)【発明者】
【氏名】テスケ、ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】アイクナー、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】マウ、ローベルト
(72)【発明者】
【氏名】リース、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ、クラウス-ペーター
【審査官】坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-159635(JP,A)
【文献】特表2019-532921(JP,A)
【文献】国際公開第2018/046642(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/022093(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/106,64/153,64/165,64/209,
64/264,64/277,64/295
B33Y 10/00,30/00,40/00,50/00,70/00,
80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性物質保持部(10)を有する3Dプリンタ造形式活性物質放出システム(1)を製造するための装置であって、
該装置は、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッド(6)と、第1ビーム源(5)と、処理されるべきベース材料(3)を収容するための槽(2)と、造形プラットホーム(4)とを含み、
造形プラットホーム(4)は槽(2)の内部において可動に支持されており、
該装置は、第1ビーム源(5)が、運転時、造形プラットホーム(4)上においてベース材料(3)の選択された領域の重合を引き起こすよう構成されており、
該装置は、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッド(6)が、運転時、造形プラットホーム(4)上において活性物質混合物をベース材料(3)内の選択された位置に組み込むよう、構成されており、
活性物質混合物は、少なくとも1つの活性物質(8)を含むこと
を特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
活性物質混合物は、少なくとも1つのモノマ及び/又は少なくとも1つのポリマ及び/又は少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤(9)を含むこと
を特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、
ベース材料(3)は、少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤(9)を含むこと
を特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の装置において、
ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマはフォトモノマであり、及び/又は、ベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマはフォトポリマであること
を特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載の装置において、
ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは、架橋剤(9)であること
を特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1~4の何れかに記載の装置において、
ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは、規定量の光重合開始剤を含むこと
を特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1~5の何れかに記載の装置において、
該装置は、第1ビーム源(5)が活性物質混合物の重合及び/又は活性物質混合物とベース材料(3)の架橋を引き起こすよう、構成されていること
を特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1~6の何れかに記載の装置において、
更なるビーム源が設けられていること、
該装置は、更なるビーム源が、運転時、活性物質混合物の重合及び/又は活性物質混合物とベース材料(3)の架橋を引き起こすよう、構成されていること
を特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れかに記載の装置において、
第1インクジェットプリントヘッド(6)は、加熱装置を有すること
を特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1~9の何れかに記載の装置において、
少なくとも1つのインクジェットプリントヘッド(6)は、活性物質混合物を収容するための貯蔵器を有すること
を特徴とする装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置において、
貯蔵器は、加熱装置を有すること
を特徴とする装置。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の装置において、
貯蔵器は、活性物質混合物の追加流入が達成されるよう、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッド(6)に配されていること
を特徴とする装置。
【請求項13】
請求項1~12の何れかに記載の装置において、
第1ビーム源(5)及び/又は更なるビーム源は、光電子素子及び/又は光共振器を有すること
を特徴とする装置。
【請求項14】
請求項1~13の何れかに記載の装置において、
第1ビーム源(5)及び/又は更なるビーム源は、複数の異なるビーム特性を有すること
を特徴とする装置。
【請求項15】
請求項1~14の何れかに記載の装置において、
第1ビーム源(5)と更なるビーム源は、互いに異なる波長を生成するよう、構成されていること
を特徴とする装置。
【請求項16】
3Dプリンタ造形式活性物質放出システム(1)を製造するための方法であって、
該方法は、以下の方法ステップ:
・ベース材料(3)と造形プラットホームが配されている槽(2)を提供すること、但し、ベース材料(3)はモノマ及び/又はポリマであり、造形プラットホームは槽(2)の内部において可動に支持されていること
・造形プラットホーム(4)上においてベース材料(3)の層の選択された領域を重合すること、
を含み、
・少なくとも1つの活性物質(8)を含む活性物質混合物は、インクジェットプリント法によってベース材料(3)及び/又は重合されたベース材料(3)内の選択された位置に組み込まれること
を特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
活性物質混合物は、少なくとも1つのモノマ及び/又は少なくとも1つのポリマ及び/又は少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤(9)を含むこと
を特徴とする方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、
ベース材料(3)は、少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤(9)を含むこと
を特徴とする方法。
【請求項19】
請求項16~18の何れかに記載の方法において、
ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマはフォトモノマであり、及び/又は、ベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマはフォトポリマであること
を特徴とする方法。
【請求項20】
請求項16~19の何れかに記載の方法において、
ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは、架橋剤(9)であること
を特徴とする方法。
【請求項21】
請求項16~20の何れかに記載の方法において、
ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは、規定量の光重合開始剤を含むこと
を特徴とする方法。
【請求項22】
請求項16~21の何れかに記載の方法において、
活性物質混合物の組込後に、活性物質混合物の重合及び/又は活性物質混合物とベース材料(3)との架橋が行われること
を特徴とする方法。
【請求項23】
請求項16~22の何れかに記載の方法において、
活性物質混合物は加熱されること
を特徴とする方法。
【請求項24】
請求項16~23の何れかに記載の方法において、
活性物質混合物の追加流入が達成されるよう、貯蔵器がインクジェットプリントヘッド(6)に配されていること
を特徴とする方法。
【請求項25】
請求項16~24の何れかに記載の方法において、
第1ビーム源(5)及び/又は更なるビーム源のビーム強度が調節されること
を特徴とする方法。
【請求項26】
請求項16~25の何れかに記載の方法において、
第1ビーム源(5)と更なるビーム源は互いに異なる波長を生成すること
を特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dプリンタによって造形される(3Dプリンタ造形式)活性物質放出システムの製造装置及び3Dプリンタ造形式活性物質放出システムの製造方法に関する。
【0002】
本発明は、活性物質放出型の医療(医薬)製造物、インプラント技術、バイオ材料及び複合製造物のための付加製造(積層造形)法ないし形状形成方法の分野に分類可能である。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、活性物質放出システム(英語ではDrug-Delivery-System(薬物送達システム))は既知である。これらのシステムでは、活性物質放出は基底体の外周面ないしフラットなコーティングを介して行われる―活性物質は、この場合、担体、いわゆるキャリアによって担持される。キャリアは大抵はポリマである。尤も、キャリアがインプラントであり、該インプラントの表面に活性物質が配される方法も存在する。この場合、活性物質の最大のローディング(導入)(Beladung)及び濃度には、ポリマ型活性物質担体中の溶解度及びその層完全性(Schichtintegritaet)で制限されている。放出は、この場合、しばしば拡散によって行われ、活性物質担持ポリマの及び活性物質自体の特性によって規定される。その結果、医薬的に有意な投与量が短い時間の間でのみ局所的に放出されることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】WO2013182913A1
【文献】EP1103368A1
【文献】DE102013021961A1
【文献】JP2016196104A
【文献】CN205818475U
【文献】JP2015143032A
【文献】DE102012208615A1
【非特許文献】
【0005】
【文献】Konta, A.A. et al.“Personalised 3D- Printed Medicines: Which Techniques and Polymers are more successfull?”(Bioengineering 2017, 4, 79; doi: 10.3390/bioengineering4040079, S1-16)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
刊行物WO2013182913A1及びEP1103368A1において、医薬製造物のプリンタ造形のためのステレオリソグラフィ法が知られている。これらの方法は、パウダーベッド(粉末床)方式又は(材料)押出方式の方法と比べると、より大きな精細度を有し、分解動態(Abbaukinetiken)の目標を定めた(目的通りの)調節を可能にする。開示されたこれらのステレオリソグラフィ法は、例えばレーザのような集束型ビーム源を用いて実行される。これらの技術では、槽内のフォトポリマ浴が用いられ、レーザのような集束型光源によってフォトポリマを所定の侵入深さで選択的に硬化し、その後、ドクターブレード(Rakel)によってフォトポリマの新たな層を塗布し、この層は新たに集束型光源によって造形体特異的に硬化される。これは、完全な造形体になるまで層ごとに繰り返される。光ビーム源の精度によって、作用物質(活性物質)の重合を位置的に正確に調節することができる。更に、該方法は、極めて小さい(最小の)リザーバ(保持部)ジオメトリ(構造)(Reservoirgeometrien)を作製するために必要な精度を有する。刊行物DE102013021961A1には、更に、2つ以上の独立のビーム源を用いるステレオリソグラフィ法が記載されている。この種の方法は、液体浴からの(最初は液状の)フォトポリマの層塗布(積層)を実現し、その際、フォトポリマの流動特性及びドクターブレードないしローラが使用される。
【0007】
材料塗布のために液滴を生成するプリントヘッド、例えばインクジェットプリントヘッドを使用する同様に光重合を採用する3Dプリント法であるポリジェッティング(PJ:Polyjetting)ないしマルチジェッティング(MJM:Multijetting)は、同様に従来技術において知られている。カラープリント及びフォトプリントにおける第1の及び主要な処置であるが、この技術は多くの医薬的及び医療技術的課題に対しても使用される。インクジェット技術の使用は3Dプリントにおいても確立されている。これは、とりわけパウダー方式の3Dプリントに関係するが、PJないしMJM法にも関係する。後者の方法の場合、フォトポリマ(複数)は、インクジェットプリントヘッドによって複数の層において位置選択的に塗布(適用)され、光重合によって層ごとに硬化される。複数の材料の同時処理が可能であるが、通常は、少なくとも2つの材料即ち造形材(Baumaterial)及びサポート材が同時処理される。この場合、光重合のための照射(露光)は適切なビーム源によって行われる。刊行物JP2016196104A及びCN205818475Uは、移動可能なインクジェットプリントヘッド及び光重合のためのビーム源を記載している。しかしながら、これらの場合、プリントヘッドは、純粋なフォトポリマである造形材の塗布(適用)の機能のみを実現する。機能性活性物質の同時処理は開示されていない。
【0008】
尤も、刊行物JP2015143032Aには、インクジェットプリントヘッド(複数)をフォトポリマ(複数)の処理のためだけには使用しない方法が記載されている。この方法では、レーザ光源(複数)によるフォトポリマ(複数)の硬化後に、インクジェットプリントヘッド(複数)によって、硬化された材料層(複数)への着色物質の塗布(適用)が行われる。しかしながら、この場合、着色物質は硬化された層(複数)に塗布(適用)される。これは、硬化された層全体に対して行われ、目標とされるリザーバ(保持部)構造体(複数)(Reservoirstrukturen)においては行われない。更に、着色物質が目標を定めた(目的通りの)光重合によって基底体と機能的に結合することについては記載されていない。着色物質の目標を定めた(目的通りの)放出も記載されていない。
【0009】
インプラント表面に対する活性物質リザーバ(保持部)の適用とインクジェット法を用いた液滴生成によるローディング(導入)プロセス(Beladungsprozess)は、刊行物DE102012208615A1に記載されている。リザーバの作製と活性物質のローディング(導入)は相前後して進行する必要がある別個のプロセスである。例えば、第1の工程において、リザーバのレーザ穿孔が行われる。クリーニング及び後処理した後、第2の工程において、液滴生成器による活性物質のロード(導入)が行われる。活性物質が導入された位置選択的なリザーバを備えた高精細で複雑形状の物品を製造するための製造プロセスであって、該リザーバが、関連する製造プロセス中に直接的に該物品に組み込まれ、更に、該物品のベースポリマと該活性物質との目標を定めた(目的通りの)網目状結合(体)を有するものは、記載されていない。
【0010】
Konta, A.A. et al.の刊行物:“Personalised 3D- Printed Medicines: Which Techniques and Polymers are more successfull?”(Bioengineering 2017, 4, 79; doi: 10.3390/bioengineering4040079, S1-16)には、薬剤の3Dプリントの実際の技術についての概観が与えられており、その利点及び欠点並びにプリントの成功のためのポリマ及び薬剤に対する要求(条件)が示されている。この技術の主要応用例も同様に議論されている。付加製造ないし3Dプリントは多くのカテゴリに分類されている幅広い技術から構成されているが、医薬品の3Dプリントのために主に使用されるのは、そのうちの3つのみ、即ち、プリント方式のインクジェットシステム、(噴射)ノズル方式の積層システム及びレーザ方式の描画システムである。上記の技術の使用には多くの欠点があり、使用可能なポリマも各薬剤のために好適な特性を必ずしも有しない。
【0011】
従来技術は、活性物質を保護し制御された連結による位置選択的な活性物質保持部(複数)を有する活性物質放出システムが(1つの)関連するプロセスで製造可能な高解像度の3Dプリント法は提供しない。
【0012】
本発明の課題は、従来技術の欠点を克服する、及び、位置選択的活性物質保持部(複数)を備えた高解像度で形状任意の(任意に形状形成可能な)活性物質放出システムの造形を可能にする装置を提供することである。本発明の課題は、更に、従来技術の欠点を克服する、及び、位置選択的活性物質保持部(複数)を備えた高解像度で形状任意の(任意に形状形成可能な)活性物質放出システムの造形を可能にする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題の解決は請求項1及び請求項16の特徴によって行われる。
即ち、本発明の第1の視点により、活性物質保持部を有する3Dプリンタ造形式活性物質放出システムを製造するための装置が提供される。
該装置は、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドと、第1ビーム源と、処理されるべきベース材料を収容するための槽と、造形プラットホームとを含み、
造形プラットホームは槽の内部において可動に支持されており、
該装置は、第1ビーム源が、運転時、造形プラットホーム上においてベース材料の選択された領域の重合を引き起こすよう構成されており、
該装置は、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドが、運転時、造形プラットホーム上において活性物質混合物をベース材料内の選択された位置に組み込むよう、構成されており、
活性物質混合物は、少なくとも1つの活性物質を含む(形態1)。
更に、本発明の第2の視点により、3Dプリンタ造形式活性物質放出システムを製造するための方法が提供される。
該方法は、以下の方法ステップ:
・ベース材料と造形プラットホームが配されている槽を提供すること、但し、ベース材料はモノマ及び/又はポリマであり、造形プラットホームは槽の内部において可動に支持されていること
・造形プラットホーム上においてベース材料の層の選択された領域を重合すること、
を含み、
・少なくとも1つの活性物質を含む活性物質混合物は、インクジェットプリント法によってベース材料及び/又は重合されたベース材料内の選択された位置に組み込まれる(形態16)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
従属請求項は更なる形態を規定する。
(形態1)上記本発明の第1の視点参照。
(形態2)形態1の装置において、活性物質混合物は、少なくとも1つのモノマ及び/又は少なくとも1つのポリマ及び/又は少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤を含むことが好ましい。
(形態3)形態1載の装置において、ベース材料は、少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤を含むことが好ましい。
(形態4)形態1又は2の装置において、ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマはフォトモノマであり、及び/又は、ベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマはフォトポリマであることが好ましい。
(形態5)形態1~4の何れかの装置において、ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは、架橋剤であることが好ましい。
(形態6)形態1~4の何れかの装置において、ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは、規定量の光重合開始剤を含むことが好ましい。
(形態7)形態1~5の何れかの装置において、該装置は、第1ビーム源が活性物質混合物の重合及び/又は活性物質混合物とベース材料の架橋を引き起こすよう、構成されていることが好ましい。
(形態8)形態1~6の何れかの装置において、
更なるビーム源が設けられていること、
該装置は、更なるビーム源が、運転時、活性物質混合物の重合及び/又は活性物質混合物とベース材料の架橋を引き起こすよう、構成されていることが好ましい。
(形態9)形態1~8の何れかの装置において、第1インクジェットプリントヘッドは、加熱装置を有することが好ましい。
(形態10)形態1~9の何れかの装置において、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドは、活性物質混合物を収容するための貯蔵器を有することが好ましい。
(形態11)形態10の装置において、貯蔵器は、加熱装置を有することが好ましい。
(形態12)形態10又は11の装置において、貯蔵器は、活性物質混合物の追加流入が達成されるよう、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドに配されていることが好ましい。
(形態13)形態1~12の何れかの装置において、第1ビーム源及び/又は更なるビーム源は、光電子素子及び/又は光共振器を有することが好ましい。
(形態14)形態1~13の何れかの装置において、第1ビーム源及び/又は更なるビーム源は、複数の異なるビーム特性を有することが好ましい。
(形態15)形態1~14の何れかの装置において、第1ビーム源と更なるビーム源は、互いに異なる波長を生成するよう、構成されていることが好ましい。
(形態16)上記本発明の第2の視点参照。
(形態17)形態16の方法において、活性物質混合物は、少なくとも1つのモノマ及び/又は少なくとも1つのポリマ及び/又は少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤を含むことが好ましい。
(形態18)形態16の方法において、ベース材料は、少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤を含むことが好ましい。
(形態19)形態16~18の何れかの方法において、ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマはフォトモノマであり、及び/又は、ベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマはフォトポリマであることが好ましい。
(形態20)形態16~19の何れかの方法において、ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは、架橋剤であることが好ましい。
(形態21)形態16~20の何れかの方法において、ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは、規定量の光重合開始剤を含むことが好ましい。
(形態22)形態16~21の何れかの方法において、活性物質混合物の組込後に、活性物質混合物の重合及び/又は活性物質混合物とベース材料との架橋が行われることが好ましい。
(形態23)形態16~22の何れかの方法において、活性物質混合物は加熱されることが好ましい。
(形態24)形態16~23の何れかの方法において、活性物質混合物の追加流入が達成されるよう、貯蔵器がインクジェットプリントヘッドに配されていることが好ましい。
(形態25)形態16~24の何れかの方法において、第1ビーム源及び/又は更なるビーム源のビーム強度が調節されることが好ましい。
(形態26)形態16~25の何れかの方法において、第1ビーム源と更なるビーム源は互いに異なる波長を生成することが好ましい。
【0015】
活性物質保持部(複数)を有し3Dプリンタによって造形される(3Dプリンタ造形式)活性物質放出システムを製造するための装置は、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドと、少なくとも1つのビーム源とを有する。本装置は処理されるべきベース材料を収容(受容)するための槽も有する。ベース材料はモノマであり得るが、ポリマ又はモノマとポリマの混合物でもあり得る。複数の異なるモノマ又はポリマの使用も可能である。これらの例は商業的に入手可能なポリエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート及びゼラチンメタクリレートである。
更に、本装置は造形プラットホームを有する。造形プラットホームは、槽の内部に、当該造形プラットホームが垂直方向に(上下に)可動に支持されるよう、配置されている。
少なくとも1つのビーム源は、当該ビーム源が、運転時、造形プラットホーム上においてベース材料の層の重合を引き起こすよう、構成されている。
本発明に応じ、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドは、当該インクジェットプリントヘッドが、運転時、少なくとも1つの活性物質を含む(含有する)活性物質混合物をベース材料内に位置選択的に組み込む(inkorporiert)よう、構成されている。
【0016】
本装置は更なるインクジェットプリントヘッドを有することも可能であり、この場合、各インクジェットプリントヘッドは活性物質混合物をベース材料内に位置選択的に組み込むことができる。あるインクジェットプリントヘッドが位置選択的にベース材料内に組み込む活性物質混合物は、他のインクジェットプリントヘッドの活性物質混合物とは異なることも可能である。
【0017】
好ましくは、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドは、ベース材料を含む槽の上方の(1つの)面においてx-y方向に運動可能に配置されている。代替的に、造形プラットホームの運動(可動性:Verfahrbarkeit)も考えられる。少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドの運動又は造形プラットホームの運動によって、ベース材料における活性物質混合物の位置選択的な組み込みが達成(実現)される。付加的に、インクジェットプリントヘッドの更なる長手(縦)方向(z方向)における運動も可能である。
【0018】
活性物質混合物は、好ましくは、少なくとも1つのモノマ及び/又は少なくとも1つのポリマを含む。複数の異なるモノマ及び/又はポリマの使用も可能である。更に、活性物質混合物は、少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤所謂クロスリンカを含む。複数の光重合開始剤及び/又は複数の架橋剤の使用も勿論可能である。光重合開始剤は、光の吸収により分解して活性分子(これが重合反応を引き起こす)を生成する化学化合物である。架橋剤は、重合反応によって反応可能な少なくとも3つの機能性ないし機能基(例えば3つ以上の官能基又は2つ以上の二重結合)を有するモノマ又はポリマである。これは、連鎖分枝(反応)を引き起こし、以って、鎖状ポリマ分子の架橋を引き起こす。
【0019】
ベース材料も、少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤を含むことが好ましい。ベース材料が架橋剤を含むことにより、活性物質混合物は殊更に架橋剤を含む必要はなくなる。かくして、ベース材料の重合によっても、活性物質はベース材料と架橋される。
【0020】
ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマはフォトモノマであり得る。ベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマはフォトポリマであり得る。フォトモノマないしフォトポリマは、これらがあるビーム強度で照射されると、重合する。
【0021】
ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは(1又は複数の)架橋剤であり得る。
【0022】
ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは規定された量の光重合開始剤を有することができる。
【0023】
少なくとも1つのビーム源は、当該ビーム源が活性物質混合物の重合を引き起こすよう及び/又は活性物質混合物とベース材料との架橋を引き起こすよう、構成されている。
【0024】
ベース材料の重合のためにも活性物質混合物の重合のためにも使用される少なくとも1つのビーム源の代わりに、本装置は、第2のビーム源又は複数のビーム源も有することができる。少なくとも1つのビーム源がベース材料を重合するのに対し、第2のビーム源は、その際、当該第2のビーム源が活性物質混合物の重合を引き起こすよう及び/又は活性物質混合物とベース材料の架橋を引き起こすよう、構成される。複数の(異なる)活性物質混合物が複数の異なるモノマ/ポリマ、複数の光重合開始剤及び/又は複数の異なる架橋剤を含む場合、更なる活性物質混合物のための更なるビーム源を本装置が有することは可能でありかつ有利である。各活性物質混合物は、この場合、複数の(異なる)ビーム源によって重合及び/又は架橋されることができる。
【0025】
インクジェットプリントヘッドは加熱可能であることが好ましい。このために、インクジェットプリントヘッドは加熱装置を有することができる。インクジェットプリントヘッドは、活性物質混合物が蓄積保存される貯蔵器(リザーバ:Reservoir)を有することが好ましい。代替的に、貯蔵器も加熱装置を有することによって、貯蔵器も加熱可能に構成可能である。かくして、室温ではインクジェットプロセスのためには粘性が強すぎる液体の処理の実行を可能にする理想的な温度が提供される。この場合、加熱装置による加熱は、インクジェットモジュールによってベース材料内にもたらされる活性物質の熱安定性を考慮して実行される。
【0026】
活性物質混合物の追加流入(補充)(Nachfliessen)を可能にするために、貯蔵器は、運転時に自己排出可能にインクジェットプリントヘッドに配されている。自己排出(Selbstentleerung)は、自然力によって、更なる力なしで、達成(実現)される。自然力は例えば重力又は毛管力である。例えばポンプによって生じる、更なる力は不可欠ではない。このため、貯蔵器は、例えばインクジェットモジュールの上方に配置されることができ、そのようにして生成される過圧によって活性物質混合物の追加流入を達成(実現)することができる。インクジェットプリントヘッドの側方又は下方に配置することも勿論可能である。
【0027】
ビーム源及び/又は第2ビーム源及び/又は個々の更なるビーム源は、例えばレーザダイオード、フォトダイオード、発光ダイオードのような光電素子、又は、例えばレーザのような光共振器、又は、例えば照明マスク(Bestrahlungsmaske)のようなマスク露光装置であることが好ましい。
【0028】
ビーム源及び/又は第2ビーム源は、これらがそのビーム強度について調節可能であるよう、構成されることが好ましい。そのために、本装置は、複数の異なるビーム特性が提供されるよう構成された、少なくとも1つのビーム源及び/又は第2ビーム源及び/又は個々の更なるビーム源を制御するための制御器を有することが好ましい。互いに異なるビーム強度で架橋する複数の異なる活性物質混合物及び/又はベース材料を照射可能にすることが、複数の異なるビーム強度によって達成(実現)される。架橋は、開裂可能な結合、例えば加水分解によって開裂可能な結合を基礎としているため、結合の開裂、従って活性物質の放出は制御可能である。
【0029】
ビーム源及び個々の更なるビーム源は、これらが、ベース材料及び/又は複数の異なる活性物質混合物の重合のために互いに異なる波長(の光)を生成するよう構成されることが好ましい。複数のビーム源が異なる波長を生成することにより、複数の異なるポリマ又はモノマは、ベース材料のためにも、1つの活性物質混合物又は複数の活性物質混合物のためにも、使用されることができるようになる。これもまた、制御可能な重合を提供し、かくして、活性物質の目標を定めた(目的通りの)放出をもたらす。
【0030】
本発明の課題は、活性物質保持部(複数)を有する3Dプリンタ造形式活性物質放出システムの製造方法によっても解決される。本方法は、本発明に応じ、以下の方法ステップを有するが、これらの方法ステップは明示された順序で実行される必要はない。
【0031】
その内部にベース材料と造形プラットホームが配されている槽を提供すること。但し、ベース材料はモノマ及び/又はポリマである。これらの例は商業的に入手可能なポリエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート及びゼラチンメタクリレートである。
【0032】
造形プラットホーム上でベース材料の(1つの)層の選択された領域を重合すること。ベース材料の層の選択された領域の重合は、ビーム源によって、造形プラットホーム上で実行することができ、この場合、造形プラットホームは、槽の内部において、当該造形プラットホームが槽の内部において垂直方向(上下方向)に運動可能に支持されるよう、配されている。造形プラットホームの他の運動可能な支持構造も可能である。
【0033】
造形プラットホームを降下すること。その際、重合されていない周囲のベース材料が追加流入する。
【0034】
追加流入したベース材料を平滑化すること。その際、ベース材料は、例えばドクターブレード(Rakel)によって、アクティブに(積極的に)平滑化される。尤も、他のアクティブな平滑化装置も可能である。平滑化の1つの可能性としては、例えば重合されなかったベース材料が完全に追加流入し平滑な表面が形成されるまで待機(放置)することによってなされる、パッシブな(消極的な)平滑化もある。尤も、平滑化装置を用いるアクティブ平滑化は、重合される層の厚みがより良好に制御可能であるという利点を有する。
【0035】
本発明に応じ、少なくとも1つの活性物質を含む(含有する)少なくとも1つの活性物質混合物は、少なくとも1つのインクジェットプリント法(インクジェットプリンタ造形法)によって位置選択的にベース材料内に及び/又は重合したベース材料内に組み込まれ/導入され、このようにして、活性物質放出システムに活性物質保持部が形成される。
【0036】
造形プラットホームの降下によって、ベース材料の(1つの)更なる層の更なる領域を重合することができる。かくして、3次元物体が積層的に造形される。
【0037】
3次元物体の積層式造形及び活性物質混合物の層(複数)及び/又はベース材料内への位置選択的導入によって、活性物質放出システムの所定の局所的位置に活性物質保持部(複数)(Wirkstoffdepots)を有する活性物質放出システムが提供される。
【0038】
異なる特性を有する複数の異なる活性物質混合物をベース材料に組み込むためには、インクジェットプリント法において複数のインクジェットプリントヘッドを使用することが好ましい。
【0039】
少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドはベース材料を含む槽の上方の(1つの)面にx-y方向に運動可能に配されることが好ましい。代替的に、造形プラットホームの(対応する)運動も可能である。少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドの運動及び/又は造形プラットホームの運動によって、活性物質混合物のベース材料における位置選択的組み込みが達成(実現)される。付加的に、更なる長手(縦)方向(z方向)におけるインクジェットプリントヘッドの運動も可能である。
【0040】
活性物質混合物は、例えば少なくとも1つのモノマ及び/又は少なくとも1つのポリマを含む(含有する)。更に、活性物質混合物は、好ましくは、少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤を含むことができる。光重合開始剤は、光の吸収後、重合反応を引き起こす反応性分子に開裂する化学化合物である。架橋剤は、重合反応の間に反応可能な少なくとも3つの機能性(3つ以上の官能基又は2つ以上の二重結合)を有するモノマ又はポリマである。これらは、連鎖分枝(反応)を引き起こし、以って、鎖状ポリマ分子の架橋を引き起こす。
【0041】
代替的一形態では、ベース材料も又はベース材料のみが少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤を有することができる。ベース材料が架橋剤を含むことにより、活性物質混合物は殊更に架橋剤を含む必要がなくなる。ベース材料の重合によって、活性物質はベース材料と架橋する。
【0042】
ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマはフォトモノマであることが好ましい。ベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマはフォトポリマであることが好ましい。フォトモノマないしフォトポリマは、これらが所定のビーム強度で照射されると、重合する。
【0043】
ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマは架橋剤であることが好ましい。代替的に又は付加的に、ベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは(1つ又は複数の)架橋剤であることが好ましい。ベース材料が架橋剤として構成されることにより、活性物質混合物は殊更に架橋剤を含む必要はなくなる。ベース材料の重合によって、活性物質はベース材料と架橋する。
【0044】
ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは、規定された(definiert)量の光重合開始剤を備えることができる。
【0045】
本発明の方法の好ましい一形態では、活性物質混合物の適用(塗布)後に、ビーム源は、活性物質混合物の重合及び/又は活性物質混合物とベース材料との架橋を引き起こす。このために、更なるビーム源を使用することも可能であり、この場合、第1のビーム源はベース材料を重合し、更なるビーム源は活性物質混合物を重合する。重合は、好ましくは、ベース材料と活性物質との架橋も引き起こす。
【0046】
好ましくは、インクジェットプリントヘッドは活性物質混合物を加熱する。活性物質混合物は、インクジェットプリントヘッドの貯蔵器(リザーバ)に配される(収容される)ことができる。流動性の液体を提供するために、貯蔵器が加熱されることも可能である。
【0047】
更に、インクジェットプリントヘッドには、活性物質混合物の追加流入が達成されるよう、貯蔵器が配される。このために、例えば、貯蔵器は、インクジェットプリントヘッドの上方に配置されることができる。この配置によって、追加流入を保証する過圧が生成される。尤も、貯蔵器は、インクジェットプリントヘッドの側方又は下方に配設されることも可能であり、また、インクジェットプリントヘッドに対する他の位置も可能である。
【0048】
第1ビーム源及び/又は更なるビーム源のビーム強度は調節可能であることが好ましい。複数の異なる活性物質混合物及び/又はベース材料が互いに異なるビーム強度で架橋可能にされることが、複数の異なるビーム強度によって達成(実現)される。架橋は、開裂可能な結合、例えば加水分解によって開裂可能な結合を基礎としているため、結合の開裂、従って活性物質の放出は制御可能である。第1ビーム源及び/又は更なるビーム源のビーム強度は、第1ビーム源及び/又は更なるビーム源を制御する制御器によって調節可能であることが好ましい。
【0049】
好ましくは、第1ビーム源及び更なるビーム源は、これらのビーム源が互いに異なる波長を生成し、これらのビーム源がそのような波長でベース材料及び/又は少なくとも1つの活性物質混合物のポリマ及び/又はモノマを照射するよう、構成される。各モノマ又はポリマは異なる波長で重合する。複数のビーム源が異なる波長を生成することにより、(複数の)異なるポリマ又はモノマはベース材料のためにも1つの活性物質混合物又は複数の活性物質混合物のためにも使用可能になる。これもまた、制御可能な重合をもたらし、以って、活性物質の目標を定めた(目的通りの)放出をもたらす。
【0050】
本装置ないし本方法において使用可能なポリマの例は、商業的に入手可能なポリエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート及びゼラチンメタクリレートである。他のポリマも、本装置ないし本方法において使用可能である。
【0051】
本発明の方法又は本装置において使用される光重合開始剤の例は、2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノン又はリチウム-フェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィネート(LAP)である。
【0052】
本装置又は本方法で使用される1つの活性物質混合物又は複数の活性物質混合物は、更なる成分、例えば、溶媒、前駆薬(プロドラッグ)及び/又は活性物質混合物の安定性を高める添加剤、を含むことができる。
【0053】
本装置及び/又は本方法における活性物質は、好ましくは、医薬活性物質である。尤も、プロテイン、毒物、又は、分析目的のために使用される物質も使用可能である。更なるタイプの活性物質も使用可能である。
【0054】
本発明の装置及び本発明の方法は従来技術と比べて複数の利点を有する。
【0055】
本発明は、従来技術の欠点を克服し、かつ、位置選択的活性物質保持部を備えた高解像度で形状任意の(任意に形状形成可能な)活性物質放出システムの造形を可能にする装置を提供する。本発明は、従来技術の欠点を克服し、かつ、位置選択的活性物質保持部を備えた高解像度で形状任意の(任意に形状形成可能な)活性物質放出システムの造形を可能にする方法も提供する。
【0056】
1つ又は複数の活性物質は保持部に様々に組み込まれることができる。活性物質は、架橋されることなく活性物質放出システムのベース構造体(Basisstruktur)内に包含されることもできるが、種々の架橋度で及び共有結合でベース構造体に結合されることも可能であり、かくして、目標を定めた(目的通りの)放出動態を達成(実現)することができる。位置選択性及び架橋ないし結合の数によって、活性物質の拡散経路が目標を定めて(目的通りに)創出される。個別の分解動態と共に、活性物質の放出は制御される。かくして、6~12か月の長期の放出期間を達成(実現)することができるが、より長い又は明白により短い放出期間を設定することもできる。この目標を定めた活性物質放出/制御可能な活性物質放出は、(複数の)異なる架橋度及び/又は目標を定めた(目的通りの)制御可能な架橋によって可能になる。
【0057】
フォトポリマの組成(例えば光重合開始剤の割合)に応じて、複数のビーム源又は1つのビーム源の複数の異なるビーム強度(の使用)は活性物質とベースポリマとの架橋のために好適である。複数のビーム源の同時又は時差(異時)的使用も、1つのビーム源の複数の異なるビーム強度の使用も、重合の制御及び活性物質とベース材料との架橋の制御のために可能である。複数のビーム源は、同じ波長又は異なる波長で駆動可能である。この意味で、夫々の波長に適合(調節)された複数の異なる光重合開始剤は、フォトポリマの構成要素であり得る。新たに開発された本方法は、この意味で、インクジェットプリントヘッド(複数)とビーム源(複数)の同時又は異時作動も可能である。
【0058】
本方法は高解像度造形を可能にする。本方法は、造形プロセス中にインクジェットプリントヘッドによって活性物質又は活性物質混合物が積層可能な基底構造体(Grundstrukturen)を形成することができる。本新規開発法では、活性物質又は活性物質混合物は目標を定めて(目的通りに)ベース材料内に組み込まれることができる。これは、制御型(制御可能な)光重合によって行われる。活性物質混合物に複数の異なる架橋剤を使用することによって、1つ又は複数の活性物質はベースポリマの基底構造体に目標を定めて(目的通りに)架橋されることができる。尤も、活性物質は、架橋されないで、ベースポリマの基底構造体内に包含されることも可能である。かくして、活性物質放出システムの活性物質放出は目標を定めて(目的通りに)調節されることができる。
【0059】
複数の異なるビーム源は同時に又は異時に(時差的に)作動することができる。ビーム源の強度は調節可能である。従って、重合のためのエネルギ入力は調節可能である。重合の制御のために、フォトポリマ混合物の組成も変更可能である。例えば、使用する架橋剤及び光重合開始剤の仕様及び量は変更可能である。かくして、例えば光重合開始剤に応じて異なるビーム強度が、活性物質とベース材料との架橋のために適切である。
【0060】
本方法によって製造された活性物質放出システムは、造形プロセス後、適切な洗浄剤を用いて清浄(洗浄)されることができ、場合によっては、後工程において、ビーム源を用いて面照射によって追加的に架橋されることができる。
【0061】
本方法によって製造される活性物質放出システムは形状任意(任意に形状形成可能)であり:formbeliebig)、活性物質保持部は位置自在であり(任意の位置に設けることができ:ortsbeliebig)かつ任意の数で導入(形成)可能である。かくして、活性物質の拡散経路を構成することができる。共有結合の個別の分解動態及び架橋度と一緒に、活性物質の放出は制御される。付加的に、本方法は熱入力が小さいという特徴を有するが、これにより、保護的(損傷のない)活性物質処理が可能になる。
【0062】
本発明は実施例を用いて説明される。なお、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】請求項1の装置ないし請求項16の方法を実行するための装置の一例。
図2】請求項16の方法によって製造されたないし請求項1の装置によって製造された活性物質放出システムの一例。
図3】請求項16の方法によって製造されたないし請求項1の装置によって製造された架橋剤を有する活性物質放出システムの一例。
【実施例
【0064】
図1は、活性物質保持部(複数)10を有する3Dプリンタ造形式活性物質放出システム1の製造装置の一例を示す。本装置は、図1に記載されているように、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッド6及び少なくとも1つのビーム源5を有する。更に、本装置は、処理されるべきベース材料3を収容(受容)するための槽2を有する。ベース材料3はモノマ及び/又はポリマである。槽の内部には造形プラットホーム4が配されており、造形プラットホーム4は槽の内部において垂直方向(上下方向)に運動可能に支持されている。少なくとも1つのビーム源5は、当該ビーム源がビームをベース材料に送出するよう構成されており、該ビームは、造形プラットホーム4上のベース材料3の(1つの)層の選択された領域の重合を位置選択的に引き起こす。本発明に応じ、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッド6は、当該プリントヘッドが定量化ないし投与量制御した(dosiert)噴射(噴流)12によって活性物質混合物をベース材料3内に位置選択的に組み込む/導入するよう、構成されている。活性物質混合物は少なくとも1つの活性物質を含む(含有する)。
【0065】
図1は、活性物質保持部(複数)10を有する3Dプリンタ造形式活性物質放出システムの製造のための本発明の方法を実行可能にする装置の一例も示す。本方法は以下の方法ステップを有する:
槽2をベース材料3で充填すること。但し、ベース材料3はモノマ及び/又はポリマである。
造形プラットホーム4上でビーム源5によってベース材料3の(1つの)層の選択された領域を重合すること。但し、造形プラットホーム4は、当該造形プラットホーム4が槽2の内部において垂直(上下)方向(図示された矢印の方向)に運動可能に支持されるよう、槽2の内部に配置されている。
インクジェットプリント法によって、少なくとも1つの活性物質を含む噴射(噴流)の適用によって活性物質混合物を導入すること。このために、活性物質混合物を位置選択的にベース材料3内に及び/又はベース材料の重合層内に組み込むインクジェットプリントヘッド6が使用される。
造形プラットホーム4を降下すること。ここで、造形プラットホームの周囲の重合されていないベース材料3が追加流入する。
造形プラットホームの降下によって、(1つの)更なる層の選択された更なる領域を重合することができる。かくして、活性物質放出システムの基底構造体を形成する3次元物体の積層的造形が可能になる。3次元物体の選択された領域へ活性物質混合物を導入することによって、活性物質保持部10が提供される。
造形プラットホームの降下後、造形プラットホームの周囲のベース材料3が追加入流する。このベース材料は1つの方法ステップで平滑化されることができる。
【0066】
本方法の一形態では、活性物質混合物の適用後、ビーム源5及び/又は第2の及び/又は更なるビーム源が、活性物質混合物の重合及び/又は活性物質混合物とベース材料の架橋を引き起こす。
【0067】
更なる一形態では、既述の方法ステップに加えて、インクジェットプリントヘッドは活性物質混合物を加熱する。
【0068】
図1には、更に、ドクターブレード(Rakel)7が記載されている。本装置のこの形態はベース材料3の平滑化を可能にする。
【0069】
図2は、本発明の方法に応じて及び/又は本発明の装置によって製造された活性物質放出システム1の一例を示す。図2は、架橋が行われていない活性物質放出システム1の一例を示す。ベース材料3内へは、活性物質8が組み込まれている。
【0070】
図3は、本発明の方法に応じて及び/又は本発明の装置によって製造された活性物質放出システム1の一例を示す。図3は、架橋が行われた活性物質放出システムの一例を示す。ベース材料3内には、活性物質8が組み込まれている。活性物質8はベース材料3と架橋している。これは、活性物質混合物及び/又はベース材料3に存在する(含まれている)架橋剤によって達成(実現)される。ビーム源5とビーム強度によって、架橋剤は活性化される。ビーム強度の変更並びに架橋剤及びその濃度の選択によって、異なる架橋度を達成(実現)することができる。これ(この架橋度)は、活性物質放出システム内の活性物質の目標を定めた(目的通りの)放出を引き起こす。
【0071】
すべての実施形態において、活性物質混合物及び/又はベース材料は以下のように構成可能である。
【0072】
活性物質混合物はモノマ及び/又はポリマを含む(含有する)ことができる。更に、活性物質混合物は光重合開始剤及び/又は架橋剤を含むことができる。これにより、活性物質混合物の重合が可能になり、以って、活性物質混合物の安定性の向上、活性物質混合物とベース材料との架橋、及び、活性物質の拡散の変更が可能になる。
【0073】
ベース材料3も又はベース材料3のみが少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤を含むことができる。
【0074】
ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマはフォトモノマとして構成可能であり、及び/又は、ベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマはフォトポリマとして構成可能である。
【0075】
ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは、架橋剤として構成可能である。
【0076】
ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは、更に、規定(された)量の光重合開始剤を含むことができる。
【0077】
すべての実施形態において、ビーム源5及び/又は更なるビーム源は以下のように構成可能である。
【0078】
第1ビーム源5は、図1では、当該ビーム源5が運転時活性物質混合物の重合を引き起こすよう、構成されている。代替的に又は付加的に、(第1)ビーム源5は活性物質混合物とベース材料3との架橋を引き起こす。
【0079】
更なる一実施形態では、第2ビーム源が設けられる(不図示)。第2ビーム源は、使用時、活性物質混合物の重合及び/又は活性物質混合物とベース材料3との架橋を引き起こす。
【0080】
(第1)ビーム源5は、レーザ、レーザダイオード、フォトダイオード又はマスク露光装置(Maskenbelichtung)として構成される。第2ビーム源は、同様に、レーザ、レーザダイオード、フォトダイオード又はマスク露光装置として構成可能である。複数のビーム源の間で異なるビーム強度及び異なるビーム波長を実現するために、第2ビーム源は第1ビーム源とは異なるように構成可能である。例えば、(第1)ビーム源5はレーザダイオードであり、他方、第2ビーム源はマスク露光装置である。他の組み合わせも可能である。
【0081】
(第1)ビーム源5及び/又は第2ビーム源は、一実施形態では、これらがそれらのビーム強度に関し調節可能であるよう、構成されている。
【0082】
(第1)ビーム源5及び/又は第2ビーム源は、一実施形態では、これらが互いに異なる波長を生成するよう、構成されている。
【0083】
すべての実施形態において、インクジェットプリントヘッド6は、以下のように構成可能である。
【0084】
インクジェットプリントヘッド6は、一実施形態では、加熱可能である。このために、インクジェットプリントヘッド6は加熱装置を有する。
【0085】
インクジェットプリントヘッド6は、一実施形態では、活性物質混合物の収容するための貯蔵器(リザーバ)(不図示)を有する。貯蔵器は加熱可能に構成されている。このために、貯蔵器は加熱装置を有する。
【0086】
活性物質混合物の追加流入を保証する(確実にする)ために、貯蔵器は、付加的な力なしで、例えばポンプによって生成される力なしで、自然力のみによって、活性物質混合物の追加流入が達成(実現)されるよう、インクジェットプリントヘッド6に配されることができる。自然力は、例えば、重力又は毛管力とすることができる。
【0087】
詳細に説明した上記の装置及び方法は実施例であるため、これらは、本発明の範囲を逸脱しない範囲において、通常の方法で当業者によって広範に修正可能である。とりわけ、本装置の具体的形態も、本書で説明したものとは異なる構造とすることができる。同様に、本装置は、空間的理由ないし設計上の理由から必要である場合、他の構造で構成可能である。更に、不定冠詞“ein”ないし“eine”の使用は、関連する特徴が複数存在し得ることも排除しない。
【0088】
本発明は以下のようにも構成可能である。
[付記1]活性物質保持部を有する3Dプリンタ造形式活性物質放出システムを製造するための装置。
該装置は、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドと、第1ビーム源と、処理されるべきベース材料を収容するための槽と、造形プラットホームとを含む。
造形プラットホームは槽の内部において可動に支持されている。
該装置は、第1ビーム源が、運転時、造形プラットホーム上においてベース材料の選択された領域の重合を引き起こすよう構成されている。
該装置は、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドが、運転時、造形プラットホーム上において活性物質混合物をベース材料内に位置選択的に組み込むよう、構成されている。
活性物質混合物は、少なくとも1つの活性物質を含む。
[付記2]上記の装置において、活性物質混合物は、少なくとも1つのモノマ及び/又は少なくとも1つのポリマ及び/又は少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤を含む。
[付記3]上記の装置において、ベース材料は、少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤を含む。
[付記4]上記の装置において、ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマはフォトモノマであり、及び/又は、ベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマはフォトポリマである。
[付記5]上記の装置において、ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは、架橋剤である。
[付記6]上記の装置において、ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは、規定量の光重合開始剤を含む。
[付記7]上記の装置において、該装置は、第1ビーム源が活性物質混合物の重合及び/又は活性物質混合物とベース材料の架橋を引き起こすよう、構成されている。
[付記8]上記の装置において、
更なるビーム源が設けられている;
該装置は、更なるビーム源が、運転時、活性物質混合物の重合及び/又は活性物質混合物とベース材料の架橋を引き起こすよう、構成されている。
[付記9]上記の装置において、第1インクジェットプリントヘッドは、加熱装置を有する。
[付記10]上記の装置において、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドは、活性物質混合物を収容するための貯蔵器を有する。
[付記11]上記の装置において、貯蔵器は、加熱装置を有する。
[付記12]上記の装置において、貯蔵器は、活性物質混合物の追加流入が達成されるよう、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドに配されている。
[付記13]上記の装置において、第1ビーム源及び/又は更なるビーム源は、光電子素子及び/又は光共振器を有する。
[付記14]上記の装置において、第1ビーム源及び/又は更なるビーム源は、複数の異なるビーム特性を有する。
[付記15]上記の装置において、第1ビーム源と更なるビーム源は、互いに異なる波長を生成するよう、構成されている。
[付記16]3Dプリンタ造形式活性物質放出システムを製造するための方法。
該方法は、以下の方法ステップ:
・ベース材料と造形プラットホームが配されている槽を提供すること、但し、ベース材料はモノマ及び/又はポリマであること、
・造形プラットホーム上においてベース材料の層の選択された領域を重合すること、
を含む;
・少なくとも1つの活性物質を含む活性物質混合物は、インクジェットプリント法によって位置選択的にベース材料及び/又は重合されたベース材料内に組み込まれる。
[付記17]上記の方法において、活性物質混合物は、少なくとも1つのモノマ及び/又は少なくとも1つのポリマ及び/又は少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤を含む。
[付記18]上記の方法において、ベース材料は、少なくとも1つの光重合開始剤及び/又は少なくとも1つの架橋剤を含む。
[付記19]上記の方法において、ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマはフォトモノマであり、及び/又は、ベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマはフォトポリマである。
[付記20]上記の方法において、ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは、架橋剤である。
[付記21]上記の方法において、ベース材料及び/又は活性物質混合物のモノマ及び/又はベース材料及び/又は活性物質混合物のポリマは、規定量の光重合開始剤を含む。
[付記22]上記の方法において、活性物質混合物の組込後に、活性物質混合物の重合及び/又は活性物質混合物とベース材料との架橋が行われる。
[付記23]上記の方法において、活性物質混合物は加熱される。
[付記24]上記の方法において、活性物質混合物の追加流入が達成されるよう、貯蔵器がインクジェットプリントヘッドに配されている。
[付記25]上記の方法において、第1ビーム源及び/又は更なるビーム源のビーム強度が調節される。
[付記26]上記の方法において、第1ビーム源と更なるビーム源は互いに異なる波長を生成する。
【符号の説明】
【0089】
1 活性物質放出システム
2 槽
3 ベース材料
4 造形プラットホーム
5 (第1)ビーム源
6 インクジェットプリントヘッド
7 ドクターブレード
8 活性物質
9 架橋剤
10 活性物質保持部
11 ビーム
12 活性物質混合物の定量化(ないし投与量制御)した噴射(噴流)
図1
図2
図3