(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】係止ピンを有する崩壊バルブブリッジを含む、空動きバルブトレイン構成要素を有するエンジンバルブ作動システム
(51)【国際特許分類】
F01L 13/00 20060101AFI20230324BHJP
F01L 1/12 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
F01L13/00 302Z
F01L1/12 A
(21)【出願番号】P 2020566625
(86)(22)【出願日】2019-06-27
(86)【国際出願番号】 US2019039578
(87)【国際公開番号】W WO2020006282
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2020-11-27
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505413266
【氏名又は名称】ジェイコブス ビークル システムズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルトラッキ、ジャスティン、ディー.
【審査官】楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-020696(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0152797(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0098319(US,A1)
【文献】特開平11-013439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01L 13/00
F01L 1/12
F01L 1/26
F01L 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のエンジンバルブを作動するためのバルブトレインを備える内燃機関において、前記1つ以上のエンジンバルブに適用される運動を制御するための装置であって、
前記バルブトレイン内に配置されたハウジングであって、前記ハウジングが、ハウジングボアおよび少なくとも1つのハウジング係止面を含む、ハウジングと、
前記ハウジングボア内に配置されたピストンであって、前記ピストンが、ピストンボアおよびその中に画定された少なくとも1つの係止ピン受容部を有し、前記少なくとも1つの係止ピン受容部が、円筒形形状を有する、ピストンと、
前記ピストンを前記ハウジングに選択的に係止するための係止アセンブリであって、前記係止アセンブリが、前記ピストンボア内の移動のために支持されるアクチュエータピンおよび前記少なくとも1つの係止ピン受容部内に配置された少なくとも1つのそれぞれの係止ピンを備え、前記少なくとも1つの係止ピンが、前記少なくとも1つの係止ピンを前記少なくとも1つの係止ピン受容部のそれぞれ1つの中に支持するための円筒形表面を有し、前記アクチュエータピンが、前記少なくとも1つの係止ピンを延長位置で支持するように適合された外側係止ピン係合面および前記少なくとも1つの係止ピンを格納位置で支持するように適合された内側係止ピン支持面を含み、それにより前記アクチュエータピンの移動が、前記少なくとも1つの係止ピンに前記ハウジング係止面と選択的に係合または係合解除させ、それにより前記ピストンを前記ハウジングに対して選択的に係止または係止解除し、また前記少なくとも1つの係止ピンは、
前記アクチュエータピンと係合するように適合された係止ピン位置合わせ面であって、前記延長位置から前記格納位置までの前記係止ピンの全行程中に前記係止ピンの回転を誘導および防止するように適合され、それにより前記係止ピンが前記格納位置に移動したときに前記係止ピンを前記アクチュエータピンに対して位置合わせされた向きに維持す
る係止ピン位置合わせ面を含む、係止アセンブリと、を備える、装置。
【請求項2】
前記アクチュエータピンが、前記外側係止ピン係合面から前記内側係止ピン係合面まで延長する遷移面を含み、前記係止ピン位置合わせ面が、前記遷移面と係合し、前記係止ピンと前記アクチュエータピンとの位置合わせを維持するように適合された、前記係止ピン上の面取り部を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記遷移面が、円錐形であり、前記係止ピン位置合わせ面が、円錐形面取り部を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの係止ピンが、前記係止ピンが前記格納位置に移動したときに、前記係止ピンを前記アクチュエータピンに対して位置合わせされた向きに維持するように適合された少なくとも2つの係止ピン位置合わせ面を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記アクチュエータピンが、前記外側係止ピン係合面から前記内側係止ピン係合面まで延長する第1および第2の遷移面を含み、前記少なくとも2つの係止ピン位置合わせ面が、前記第1および第2の遷移面と係合し、前記係止ピンと前記アクチュエータピンとの位置合わせを維持するように適合された、前記係止ピン上の第1および第2の面取り部を備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ハウジング係止面が、前記ハウジングボアの環状凹部内に画定されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ハウジング係止面が、前記ハウジングボアの軸に対して傾斜した表面であり、前記少なくとも1つの係止ピンが、前記ハウジング係止面に対して相補的に成形されたハウジング係合面を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ハウジング係止面が、円錐形錐台の形状を有し、前記少なくとも1つの係止ピンが、前記ハウジング係止面に対して相補的に成形されたハウジング係合面を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジングが、バルブブリッジである、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの係止ピンが、前記アクチュエータピンと係合するための少なくとも2つの非対称アクチュエータピン係合面を含み、これにより前記係止ピン受容部内の前記係止ピンの単一の向きのみが、前記係止ピンを前記ピストン内に完全に格納することを可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの係止ピンが、非対称円錐形アクチュエータピン係合面を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記係止ピンが、前記ハウジング表面と係合するための円錐面と、前記係止ピン受容部内の前記少なくとも1つの係止ピンを誘導するために前記円錐面の上に延長する誘導面と、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの係止ピンが、前記アクチュエータピンと係合するための一対の円錐面を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの係止ピン受容部が、前記係止ピン受容部内の前記係止ピンの傾きに対応するように寸法決めされている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの係止ピン受容部が、2つの軸方向に位置合わせされた係止ピン受容部を備える、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願および優先権主張
本出願は、2018年6月29日に出願された「COLLAPSING VALVE BRIDGE WITH PIN ELEMENTS」と題される米国仮特許出願第62/691,947号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の主題は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、内燃機関内の1つ以上のエンジンバルブを作動させるためのシステムに関する。特に、本開示の実施形態は、崩壊バルブブリッジなどの崩壊バルブトレイン構成要素の形態の空動きシステムを使用するバルブ作動のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
当技術分野において既知であるように、エンジンバルブ作動は、正の発電モードで内燃機関を動作させるために必要とされる。さらに、補助バルブ作動運動(正の発電モードで動作するために使用される「主」バルブ作動運動とは対照的に)は、当該技術分野において既知であり、補助バルブ作動運動は、内燃機関が正の発電モード(例えば、排気ガス再循環(EGR))の変形形態において、または内燃機関が本質的に空気圧縮機として動作して減速力を発生させて車両の減速を補助するエンジン制動などの他の動作モードにおいて動作することを可能にする。なおさらに、エンジン制動を提供するために使用されるバルブ作動運動の変形形態が既知である(例えば、ブレーキガス再循環(BGR)、ブリーダーブレーキなど))。
【0004】
正の電力またはエンジン制動モードのいずれかにおける内燃機関の動作を容易にするために、空動き構成要素の使用は、当技術分野においても既知である。そのような空動き構成要素は、典型的には、それらの長さを変更するか、またはバルブトレイン内の隣接する構成要素を係合/係合解除して、通常であれば回転カムなどの固定プロファイルバルブ作動運動源によって決定される、ある特定の衝突の可能性のあるバルブ作動運動が「損失する」、すなわちバルブトレインを介して伝達されないことを可能にする。当技術分野において既知の特定の種類の空動き構成要素は、いわゆる崩壊(または代替的に、係止)バルブブリッジである。そのような構成要素の例は、米国特許第8,936,006号、米国特許第9,790,824号、および欧州特許第2975230号に教示される。これらの文書の全ての主題は、参照により本明細書に組み込まれる。これらの装置では、ハウジング内(バルブブリッジの中心に位置するボア内など)に配置された摺動プランジャまたは同様の要素が選択的に係止解除される(この場合、プランジャはボア内で自由に摺動することができ、それによってプランジャに適用されるバルブ作動運動が損失することを可能にする)か、または係止される(この場合、プランジャはバルブブリッジに対して固定位置に維持され、それによってバルブ作動運動がプランジャを通じてハウジングに伝達されることを可能にする)ことを可能にする係止要素が設けられている。
【0005】
バルブブリッジ(または他のバルブトレイン構成要素)の崩壊または係止は、それらの意図される目的のために良好に動作するが、それらに対する様々な改善は当技術分野において歓迎される追加であろう。より具体的には、組み立ての容易さ、より低い製造コスト、および崩壊バルブブリッジなどの崩壊バルブトレイン構成要素の信頼性および耐久性のより高い動作を提供する改善は、当技術の進歩に寄与するであろう。したがって、先行技術における前述および他の欠点を克服するシステムを提供することは、有利になるであろう。
【発明の概要】
【0006】
上記の課題に応じて、本開示は、バルブ作動システムの様々な実施形態に、バルブブリッジなどの崩壊バルブトレイン構成要素の係止および係止解除を容易にするための機能を提供する。
【0007】
本開示の態様によれば、1つ以上のエンジンバルブに適用される運動を制御するための装置は、バルブトレイン内に配置されたハウジングであって、ハウジングボアおよび少なくとも1つのハウジング係止面を含む、ハウジングと、ハウジングボア内に配置されたピストンであって、ピストンが、ピストンボアおよびその中に画定された少なくとも1つの係止ピン受容部を有し、少なくとも1つの係止ピン受容部が、円筒形状を有する、ピストンと、ピストンをハウジングと選択的に係止するための係止アセンブリであって、係止アセンブリが、ピストンボア内の移動のために支持されるアクチュエータピンおよび少なくとも1つの係止ピン受容部内に配置された少なくとも1つのそれぞれの係止ピンを備え、アクチュエータピンが、少なくとも1つの係止ピンを延長位置で支持するように適合された外側係止ピン係合面および少なくとも1つの係止ピンを格納位置で支持するように適合された内側係止ピン支持面を含み、それによりアクチュエータピンの移動が、少なくとも1つの係止ピンにハウジング係止面と選択的に係合または係合解除させ、それによりピストンをハウジングに対して選択的に係止または係止解除する、係止アセンブリと、を備える。
【0008】
1つの例示的な実装形態によれば、バルブ作動システムは、ハウジングボアまたは空洞を有するハウジングを含む崩壊バルブブリッジを含み得る。ブリッジピストンがハウジングボア内に配置され、ハウジングに対する移動のために、ピストンを選択的に係止および係止解除するための係止アセンブリがブリッジピストン内に配置される。略円筒形の形状であり得、したがって容易に機械加工され得る横方向ボアは、ブリッジピストン内に延長してよく、係止アセンブリの係止ピンのための受容部を画定する。係止ピン延長ばねは、係止ピンに対して付勢力を提供し、係止ピンを半径方向外向きの方向に押し込む傾向がある。係止ピンの内向きの進行は、横方向ボア内で中心に配置された係止ピン内側制限スナップリングであり得る、内側進行制限構成要素によって制限される。係止ピンの外向きの進行は、係止ピン外側制限スナップリングの形態であり得る、外側進行制限構成要素によって制限され得る。係止ピンは、外側制限スナップリングと係合し得る、半径方向外面上のアンダーカット面を含み得る。アンダーカット面は、ピストンがハウジングに係止されたときに完全な係合および負荷分布を確保するために、ハウジングの環状凹部内で対応する表面と係合する円錐面を画定し得る。円筒形形状により、係止ピンは、位置合わせを容易にするためにそれらのハウジング内である程度の回転を受けてもよい。外側制限スナップリングは、ブリッジピストンへの係止アセンブリの迅速かつ容易な取り付けを容易にし、係止ピン受容部内の係止ピンの著しい回転を防止する。係止ピンは、ハウジングボア内に形成される環状チャネルと流体連通しているブリッジピストン内のピストン流体通路を通って提供される油圧流体の制御によって選択的に作動され得る。加圧された油圧流体がピストン流体通路および環状チャネルに提供されると、内向きの力が係止ピンの半径方向最外面に与えられ、内向きの力はそれらを係止ピン受容部内の格納位置に押し込み、それによってブリッジピストンをハウジングに対して係止解除する。
【0009】
別の例示的な実装形態によれば、ブリッジピストンは作動ピンを含み、作動ピンは、バルブブリッジハウジング内のバルブブリッジピストンの係止および係止解除動作において、同期運動およびその正の位置決めを提供するために係止ピンと相互作用する。ハウジングは、内部に対する摺動移動のためのブリッジピストンが位置決めされる内部ボアを含む。係止ピンは、ピストンを通って延長する横方向円筒形ボア内に配置され得る。ピストンは、アクチュエータピンを摺動可能に受容するためのアクチュエータピンボアを含む。油圧流体は、ブリッジピストンキャップ内の流体通路を通ってアクチュエータピンの上面に伝達され、アクチュエータピンの下向きの移動を引き起こす。戻りばねは、流体圧力の不在下でアクチュエータピンを上側指標位置に戻す。アクチュエータピンは、それらが係止ピンをブリッジハウジング内の環状凹部と係合する延長位置または展開位置に支持するための外側係止ピン係合面を含む。アクチュエータピンはまた、係止ピンを格納位置で支持するための内側係止ピン係合面も含む。作動ピン上の少なくとも1つの遷移面は、円錐形の形状であり得、外側係止ピン係合面から内側係止ピン係合面まで延長し得る。係止ピンは、アクチュエータピンと係合し、展開位置で、格納位置で、および展開位置と格納位置との間の移動中に、係止ピンを位置合わせして回転を防止するための位置合わせ面を有する作動ピン接触面を含み得る。位置合わせ面は、係止ピンが作動ピンに向かって内向きに移動するときに遷移面(複数可)と協働し、最終的に作動ピンの遷移面と係合して、格納位置における係止ピンの安定した支持を提供するように適合された係止ピン上の1つ以上の円錐形面取り部を含み得る。係止ピンのハウジング接触面上の1つ以上の円錐面は、ピストンがハウジングに係止されたときに完全な係合および負荷分布を確保するために、ハウジングの環状凹部内の対応する表面と係合し得る。
【0010】
さらに別の例示的な実装形態によれば、崩壊バルブブリッジ係止ピンは、アクチュエータピン外側係止ピン係合面と係合するための第1の凹面と、アクチュエータピン上のそれぞれの遷移面と係合するための一対の円錐形面取り面と、を有する作動ピン接触面を備える。係止ピン上のハウジング接触面は、ハウジングの環状凹部上の1つ以上の対応する形状の円錐面との効果的な係合を提供するために、外側凸面と、係止ピンの上部部分および底部部分上の一対の対向する対称的な円錐形凸面と、を含む。
【0011】
さらに別の例示的な実装形態によれば、崩壊バルブブリッジ係止ピンは、アクチュエータピン外側係止ピン係合面と係合するための第1の凹面と、作動ピン上の遷移面と係合するための係止ピンの上側部分上の単一の円錐形面取り面と、を有する作動ピン接触面を備え得る。係止ピン上のハウジング接触面は、外側凸面と、係止ピンの上部部分上の単一の円錐形凸面と、を含む。
【0012】
さらに別の例示的な実装形態によれば、崩壊バルブブリッジ係止ピンは、アクチュエータピン外側係止ピン係合面と係合するための第1の凹面と、作動ピン上のそれぞれの遷移面と係合するための係止ピンの上側部分および下側部分上の2つの対向する非対称の円錐形面取り面と、を有する作動ピン接触面を備え得る。非対称の円錐形面取り面は、係止ピンが逆さま、または不適切に方向付けられているときに、係止ピンが作動ピン内側係止ピン係合面に抗して適切に着座することを防止し、したがって、ピストン横方向ボア内の係止ピンの不適切な組み立てを防止する。係止ピン上のハウジング接触面は、外側凸面と、ピストンボア環状凹部上の対応する形状の円錐面と係合するための円錐面を形成するアンダーカット部分と、を含む。係止ピン上のアンダーカットハウジング接触面は、ピストンボア環状凹部に対して有利な位置合わせおよび負荷分布を提供する。
【0013】
本開示の他の態様および利点は、以下に続く詳細な説明から当業者にとって明らかとなり、上記の態様は、網羅的または限定としてみなされるべきではない。前述の概略的な説明および以下の詳細な説明は、本開示の本発明の態様の例を提供することを意図しており、決して、添付の特許請求の範囲に定義された範囲の限定または制限として解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の上記のおよび他の付随する利点および特徴は、以下の詳細な説明から、添付の図面とともに明らかとなり、これらの図面では同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を表す。説明および実施形態が、本開示の態様による例示的な例として意図され、本明細書に添付される特許請求の範囲に記載される本発明の範囲に対する限定として意図されるものではないことが理解されるであろう。図面の以下の説明では、特に断りのない限り、すべての図示は、本開示の態様による例示的な特徴に関する。
【
図1】崩壊バルブブリッジの形態の空動き装置を利用する例示的なエンジンバルブ作動システムを図示する。
【
図2】
図1のシステムでの使用に好適な例示的な崩壊バルブブリッジの断面図である。
【
図4】本開示のさらなる態様による別の例示的な崩壊バルブブリッジの分解図である。
【
図5-1】
図4の例示的な崩壊バルブブリッジの断面図であり、組み立てられ、係止位置にあるように示される。
【
図5-2】
図4の例示的な崩壊バルブブリッジの断面図であり、組み立てられ、係止解除位置にあるように示される。
【
図6-1】崩壊バルブブリッジにおける使用に好適な例示的な係止ピンの斜視図である。
【
図6-2】崩壊バルブブリッジにおける使用に好適な例示的な係止ピンの斜視図である。
【
図6-3】崩壊バルブブリッジにおける使用に好適な例示的な係止ピンの斜視図である。
【
図6-4】崩壊バルブブリッジにおける使用に好適な例示的な係止ピンの斜視図である。
【
図6-5】
図6-1~
図6-4の例示的な係止ピンの係止端の図である。
【
図6-6】
図6-1~
図6-4の例示的な係止ピンの作動端部の図である。
【
図6-7】
図6-1~
図6-4の例示的な係止ピンの側部の図である。
【
図6-8】
図6-1~
図6-4の例示的な係止ピンの上部の図である。
【
図7-1】崩壊バルブブリッジにおける使用に好適な別の例示的な係止ピンの斜視図である。
【
図7-2】崩壊バルブブリッジにおける使用に好適な別の例示的な係止ピンの斜視図である。
【
図7-3】崩壊バルブブリッジにおける使用に好適な別の例示的な係止ピンの斜視図である。
【
図7-4】崩壊バルブブリッジにおける使用に好適な別の例示的な係止ピンの斜視図である。
【
図7-5】
図7-1~
図7-4の例示的な係止ピンの係止端部の図である。
【
図7-6】
図7-1~
図7-4の例示的な係止ピンの作動端部の図である。
【
図7-7】
図7-1~
図7-4の例示的な係止ピンの側部の図である。
【
図7-8】
図7-1~
図7-4の例示的な係止ピンの上部の図である。
【
図8-1】崩壊バルブブリッジにおける使用に好適な別の例示的な係止ピンの斜視図である。
【
図8-2】崩壊バルブブリッジにおける使用に好適な別の例示的な係止ピンの斜視図である。
【
図8-3】崩壊バルブブリッジにおける使用に好適な別の例示的な係止ピンの斜視図である。
【
図8-4】崩壊バルブブリッジにおける使用に好適な別の例示的な係止ピンの斜視図である。
【
図8-5】
図8-1~
図8-4の例示的な係止ピンの係止端部の図である。
【
図8-6】
図8-1~
図8-4の例示的な係止ピンの作動端部の図である。
【
図8-7】
図8-1~
図8-4の例示的な係止ピンの側部の図である。
【
図8-8】
図8-1~
図8-4の例示的な係止ピンの底部の図である。
【
図8-9】
図8-1~
図8-4の例示的な係止ピンの上部の図である。
【
図9】崩壊バルブブリッジ内の作動ピンと相互作用する位置合わせ面を有する係止ピン受容部内に配置される例示的な係止ピンを示す断面図である。
【
図10】係止ピン受容部内に配置された
図8-1~
図8-9の例示的な係止ピンを示す断面図であり、回転を防止するために作動ピンと相互作用する位置合わせ面を示している。
【
図11】係止ピン受容部内に配置された
図8-1~
図8-9の例示的な係止ピンを示す断面図であり、回転を防止するために作動ピンと相互作用する位置合わせ面を示している。
【
図12】係止ピン受容部内に配置され、適切な設置および位置合わせを確保するための非対称特徴部を有する
図8-1~
図8-9の例示的な係止ピンを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、バルブ作動システム100の描画図であり、崩壊バルブブリッジ200の形態の空動き装置を有するバルブトレインを含む。システムは、カム120などの好適なバルブ作動運動源からバルブ作動運動を受けることができるロッカーアーム110を含み得る。既知のように、ロッカーアームは、ロッカーシャフト130上の枢動移動のために支持され得、ロッカーシャフト130は、ロッカーアームに油圧流体を供給するために、内部に延長する1つ以上の油圧流体通路132を含み得る。カムローラ112は、ロッカー110のカムローラ端部114に配置され得、カム表面の運動をロッカー110に伝達するためにカム120の表面と相互作用し得る。付勢機構140は、ロッカーアーム隆起部または延長部144に抗して作用し、エンジンブロックまたはヘッドに固定された固定装着部146に固設されたばね142を含んでもよく、付勢機構140は、ロッカー110を運動源120に向かって付勢し、カムローラ112をカムと接触させて維持することができる。
【0016】
図1に概略的に図示されるように、1つ以上の油圧流体送達チャネル118は、ロッカー110の内部内に延長して、油圧流体をロッカーシャフト油圧通路132からロッカー110のバルブブリッジ端部119まで送達し得る。油圧流体は、本明細書で詳細に説明されるように、内部通路152を有するスイベルフット150などのバルブトレイン内の追加の構成要素を通して送達チャネル118から、さらにバルブブリッジの内部作動構成要素まで通過し得る。バルブブリッジ200の対向するバルブ係合端部202および204は、それぞれのエンジンバルブ160および170、またはエンジンバルブの運動を最終的に制御するブリッジピンなどの他の構成要素と係合し得る。各バルブ160、170は、バルブを閉鎖位置に付勢するバルブばね162、172を含んでよく、当技術分野で既知のように、バルブブリッジを上向きの方向に移動させようとする付勢力をバルブブリッジ上に提供してよく、したがって、カムローラ112をカム120に抗して保持しようとする付勢力も提供してもよい。バルブ160、170は、エンジンシリンダヘッドまたはエンジンブロック上に支持され、それに固定され得るバルブガイド164、174内に誘導され得る。
【0017】
図2および
図3は、本開示の態様による第1の例示的な崩壊バルブブリッジ200の構成要素を図示する。
図2は組み立て断面図であり、
図3はバルブブリッジ構成要素の分解斜視図である。崩壊バルブブリッジ200は、その中心部分に画定されたハウジングボアまたは空洞212を有するハウジング210を含み得る。ハウジング210の対向するバルブ係合端部202および204は、中心部分から延長し得る。ブリッジピストンまたはプランジャ240は、ハウジングボア212内に配置され得、スイベルフット150(
図1)などのバルブトレイン構成要素を係合するためにバルブトレイン係合接触面244を有する上側部分242を含み得る。ブリッジピストン240はまた、ピストン戻りばね250を係合するために内部に画定されるばね座248を有する下側部分246を含み得、ピストン戻りばね250の反対側の端部は、ハウジングボア212の底壁214に抗して着座し得る。
【0018】
本開示の態様によれば、係止アセンブリ260は、ハウジング210に対する移動のためにピストン240を選択的に係止および係止解除するためにブリッジピストン240内に配置され得る。略円筒形の形状であり得、したがって容易に形成され得る横方向または半径方向に延長するボア241は、ブリッジピストン240内に延長し得、したがって、それぞれの軸方向に位置合わせされた係止ピンハウジングまたは受容部を提供し得る。係止アセンブリ260は、横方向ボア241内に配置された一対の対向する係止ピン262を含み得る。係止ピン延長ばね264は、2つの係止ピン262の間の横方向ボア241内に提供されてよく、係止ピンをブリッジピストン240の軸または中心から半径方向外向きに展開するか、または係止方向に押し込もうとする付勢力を係止ピン上に提供し得る。各係止ピン262は、ばね264と係合するためにその内面上に形成された凹部ばね座261を含み得る。係止ピン262の内向きの進行は、横方向ボア内で中心に配置された係止ピン内側制限スナップリング266の形態であり得る、内側進行制限構成要素によって制限され得る。したがって、係止ピン内側制限スナップリング266はまた、他の係止ピンが部分的にのみ格納される間、係止ピン262のうちの1つが完全に格納されるいかなる可能性も最小化するように機能することもできる。
【0019】
係止ピン262の外向きの進行は、外側進行制限構成要素によって制限され得、外側移動制限構成要素は、保持溝243内に配置され、ブリッジピストンのものと実質的に一致する外径を有する係止ピン外側制限スナップリング270の形態であり得る。認識されるように、係止ピン262は、その外面上にアンダーカット面263を含んでよく、アンダーカット面263は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、ブリッジピストンをハウジング210に係合および係止する利点を提供することに加えて、係止ピン262の外側進行制限部を画定するために溝243に設置されるときに、外側制限スナップリング270に係合し得る。認識されるように、外側制限スナップリング270は、ブリッジピストン240内の係止ピン262の容易な組み立てを容易にする。内側制限スナップリング266、ばね264、および係止ピン262は、横方向ボア241に設置され、手動で、または製造機器を使用して格納位置に保持されてよく、外側制限スナップリング270は、ブリッジピストン240に収まり、溝243に位置決めされてよい。外側制限スナップリング270は、ブリッジピストン240内の係止アセンブリ260の迅速かつ容易な設置を容易にし、また、係止ピン262の進行に対する外側制限を提供するための係止ピン進行制限構成要素としても機能する。なおさらに、外側制限スナップリングは、係止ピン受容部241内の係止ピン262の著しい回転を防止し、したがって、係止ピン262を適切な向きに維持するように動作する。
【0020】
係止ピン262は、崩壊ピストンブリッジ200に提供される油圧流体の制御によって選択的に作動され得る。ピストン流体通路245は、ブリッジピストン240内に設けられてよく、油圧流体源を介して油圧流体を受容してよく、スイベルフット150(
図1)内の通路152などのバルブトレイン内の通路を介して油圧流体を受容してよく、油圧流体は、次いで、ロッカー送達通路118(
図1)を介して油圧流体に供給される。
図3に最もよく見られるように、ピストン流体通路245の上側区分は、ピストン240内で軸方向に延長し得、ピストン流体通路245の下側部分は、出口247に半径方向外向きに延長し得る。
【0021】
ピストンがピストンボア212に設置されたときに、出口247は、ピストンボア212の側面内に形成された環状チャネル216と流体連通し得る。係止ピンは、ピストン流体通路および環状チャネル216内の加圧された油圧流体の適用を通じて制御され得る。加圧された油圧流体が、ピストン流体通路245および環状チャネル216に、例えば当技術分野において一般的に既知のように、バルブトレイン内の油圧通路内の流体を制御する制御ソレノイドによって提供されるとき、内向きの力は、係止ピン262の半径方向最外側表面上に与えられ、係止ピン延長ばね264の付勢力を克服するのに十分となるであろう。したがって、係止ピン262は、係止ピン受容部241内の格納位置内に押し込まれ、環状チャネル216との接触から外れ、それによってブリッジピストン240をハウジング210に対して係止解除し、ピストン240がハウジングボア212内を移動することを可能にし、バルブトレイン内での対応する運動の損失が生じる。ピストン240は、油圧流体を横方向ボア241内からハウジングボア212の底部まで排気し得るピストン通気通路249を含み得る。ハウジング通気通路218は、通気油圧流体がハウジング210の底部から出ることを可能にする。この構成は、係止ピン262の後ろ(すなわち、半径方向内向き表面上)の横方向ボア241内の油圧流体の蓄積を防止する。
【0022】
本開示から認識されるように、ピストン流体通路245が加圧された油圧流体で充填されないとき、例えば、制御ソレノイドバルブが油圧流体の流れを遮断するとき、ピストン戻りばね250の付勢力は、横方向ボア241が環状チャネルと位置が合うまで、ブリッジピストン240をハウジングボア212内で上向きに指標付けすることができる。その時点で、係止ピン延長ばね264の付勢力は、係止ピン262を環状チャネル216内に延長させ、それによってブリッジピストン240をハウジング210に対して係止させるのに十分である。
【0023】
図2に最もよく見ることができるように、係止ピン262のアンダーカット面263は、係止ピン262が展開位置に移動するときに、係止ピン262の環状チャネル216との位置合わせを提供し得る。加えて、係止ピン262の上側延長部分は、係止ピン262が展開位置に移動するときに結合を防止するために、環状チャネル216の上面との十分なクリアランスを許容する寸法を有し得る。認識されるように、係止ピン262の円筒形形状は、対応する形状の係止ピン受容部241内での係止ピン262の回転移動を可能にし得る。一方で、係止ピン受容部内の係止ピン262の回転の程度に関するある程度の制限は、外側制限スナップリング270によって提供され得る。したがって、本開示の態様によると、係止ピン262は、環状チャネル216との自己位置合わせを容易にするのに十分な回転が許容されるが、それらが展開位置に移動するときに係止ピン262の移動の位置合わせ不良または干渉をもたらすような程度の回転は許容されない。
【0024】
図4、
図5.1、および
図5.2は、本開示の態様による崩壊ブリッジ400の代替的な実施形態を図示する。これらの態様によれば、係止ピン462の正の位置決めおよび同期運動は、ピストン440内に配置された作動ピン480によって容易にされる。崩壊ブリッジは、ハウジング410を含み得、ハウジング410はこの場合、バルブブリッジの形態であり、その中心部分に画定された内部ハウジングボアまたは空洞412を有し、ハウジングボア412の表面に延長する環状凹部416を含む。ハウジング210の対向するバルブ係合端部402および404は、中心部分から延長し得る。ブリッジピストンまたはプランジャ440がハウジングボア412内に配置され得、上側部分442を含み得る。ブリッジピストンキャップ490は、スイベルフット150(
図1)、およびブリッジピストンキャップ490を通って延長するブリッジピストンキャップ流体通路496などのバルブトレイン構成要素と係合するためのバルブトレイン係合接触面494を含み得る。縮径ブリッジピストンキャッププラグ498は、ブリッジピストン上のブリッジピストンキャッププラグ受容ボア444内に収まっていてよい。ブリッジピストン440はまた、ピストン戻りばね450を係合するために上部に画定されるばね座448を有する下側部分446を含み得、ピストン戻りばね450の反対側の端部は、ハウジングボア412の底壁414に抗して着座し得る。ピストン戻りばね450は、ピストン440を上向きの方向に移動させようとする付勢力をピストン440に適用する。ハウジング通気口418は、ハウジングボア412からの油圧流体の流れを可能にする。
【0025】
本開示の態様によれば、係止アセンブリ460は、ハウジング410に対する移動のためにピストン440を選択的に係止および係止解除するようにブリッジピストン440内に配置され得る。略円筒形の形状であり得、したがって容易に形成され得る横方向または半径方向に延長するボア441は、ブリッジピストン440内に延長し得、したがって、それぞれの軸方向に位置合わせされた係止ピンハウジングまたは受容部を提供し得る。係止アセンブリ460は、横方向ボア441を形成するそれぞれの係止ピン受容部内に配置された一対の対向する係止ピン462を含み得る。
【0026】
ピストン440は、作動ピン480を受容するための作動ピン受容ボア445を含み得る。作動ピン480は、作動ピン受容ボア445の内径に実質的に対応する直径を有する作動ピンの円筒形部分であり得る、外側作動ピン係合面482を含み得る。作動ピン480はまた、外側作動ピン係合面482と比較して縮径の円筒形部分であり得る、内側作動ピン係合面484を含み得る。1つ以上の円錐形の、面取りされた、または他の形状では先細りの遷移面486は、内側作動ピン係合面484と外側作動ピン係合面482との間に延長し得る。作動ピン480は、作動ピン戻りばね488と協働し得、作動ピン戻りばね488は、一方の端部において作動ピン上に形成された作動ピンばね座489と係合し得る。作動ピン戻りばね488の反対側の端部は、ブリッジピストン440内に画定された作動ピン戻りばね空洞443内に収容され得、その端壁447と係合し得る。認識されるように、アクチュエータ戻りばね488は、作動ピン480を、動作の係止モードである
図5.1に示される位置に移動させようとする付勢力を作動ピン480に提供する。
【0027】
作動ピン480は、ブリッジピストンキャップ流体通路496に入り、作動ピン480の上面上に作用する油圧流体の制御下で、作動ピン戻りばね488の付勢力に抗して下向きに移動され得る。この運動は、崩壊ブリッジ400を、
図5.1に示される係止状態から
図5.2に示される係止解除状態に遷移させる。特に
図5.1に示されるように、外側作動ピン係合面482が係止ピン462の内面と接触するとき、係止ピン462は、ハウジング410の環状チャネル416と接触するように延長し、作動ピン480による表面間接触によってその位置に正に維持される。
図5.1に示される位置からの作動ピン480の下向きの移動は、作動ピンの内側係合面-作動ピン480の縮径部分-を係止ピン462の内面と位置合わせさせることをもたらし、それにより係止ピン462の横方向ボア441の対向する端部への格納を可能にし、
図5.2に示されるように、ハウジング410に対するブリッジピストン440の係止解除を可能にする。係止ピン462の内向きの運動のための原動力は、特に、それらが環状チャネル416の下面と接触する場合に、係止ピン462の表面の幾何学的形状によって提供されてよく、これにより、バルブトレイン構成要素によるピストン440上の下向きの力が、係止ピン462上に正味の内向きの力を引き起こす。すなわち、チャネル416の下面419および係止ピン462のアンダーカット面463は、作動ピン480が係止解除位置にある場合、ピストン440上の下向きの力が係止ピン462の内向きの移動をもたらすピストン軸の軸に対してそのような角度で延長し得る。例えば、欧州特許第2975230号に開示されるように、係止ピン462のアンダーカット面463および環状凹部416の下面419は、これらの相補的な表面の係合が係止ピン462上の正味の内向きの力を誘導するように、円錐円錐台に従って画定され得る。
【0028】
本開示から認識されるように、
図4、
図5.1、および
図5.2に示される作動ピン480の使用は、係止ピン462の正の位置決めおよび同期移動を提供する。これは、係止ピンのいずれかまたは両方が、各々が制御される独立した性質に起因して部分的に係合または係合解除される可能性のあるシナリオが排除されるため、
図2および
図3を参照して上述した実施形態よりもさらなる改善を提供することができる。より具体的には、係止ピンのうちの1つが部分的に係合したままであるが他方の係止ピンが完全に係合解除されている可能性、ならびに係止ピンまたは他の構成要素に対する関連する応力集中および潜在的な損傷は、
図4、
図5.1、および
図5.2の実施形態の同期および正の位置決めの機能によって排除される。作動ピン462の縮径部分が係止ピン462と同時に係合または係合解除されるため、部分的な係合/係合解除の可能性は、完全に排除されない場合には大幅に低減される。
【0029】
本開示のさらなる態様によれば、崩壊バルブトレイン構成要素いおいて使用される係止ピンおよび作動ピンのための様々な幾何学形状および構成は、特に、位置合わせ、係止ピン、作動ピンの製造および組み立ての容易さ、ならびに本明細書で一般的に企図される崩壊バルブトレイン構成要素の組み立てに関して、さらなる利点を提供することができる。このような幾何学形状および構成の例を
図6.1~
図6.8、
図7.1~
図7.8、
図8.1~
図8.9、および
図9~
図12に図示する。概して、これらの図に示され、本明細書でさらに詳細に説明されるように、係止ピンは、円形、長円形、または楕円形の断面を有する略円筒形の本体を含み得る。本明細書で使用される場合、前述および後述の両方において、用語「円筒形」は、円形、長円形、または楕円形の断面を有し得る形状を含むことを意図している(かつそれと解釈されるべきである)。認識されるように、非円形形状の(または実質的に長方形でさえある)係止ピンは、横方向ボア内で回転する可能性が低いが、実質的に円形形状の係止ピンは、横方向ボア241、441が、長円形または長方形形状の横方向ボアなどの非円形ボアと比較して生産することが比較的容易であり、かつより安価であり得る程度に有利である。係止ピンは、1つ以上の凹状作動ピン係合面を備え得る一方の端部に作動ピン接触面を有し得、1つ以上の凸状ハウジング係合面を備え得る反対側の端部にハウジング接触面を有し得る。
【0030】
係止ピンの作動ピン接触面の凹状作動ピン係合面は、上述したように作動ピンの外径である外側作動ピン係合面(すなわち、
図4の482)と相補的に係合するように構成され得る。このようにして、各係止ピンの凹状作動ピン係合面は、作動ピンとの位置合わせを確保し、格納位置および展開位置にあるとき、格納位置から横方向ボアからの展開位置または延長位置に移動したとき、ならびにその逆のとき、係止ピンの過剰な回転を防止するために、位置合わせ面として動作し得る。同様に、係止ピンのハウジング接触面の凸状ハウジング係合面は、ハウジング(すなわち、バルブブリッジ本体)に形成される環状チャネルの表面と相補的に係合するように構成され得る。
【0031】
図6.1~
図6.8を総合的に参照すると、
図6.1~
図6.4は等角図であり、
図6.5~
図6.8は、係止ピン600の例示的な実施形態の外側端部、内側端部、側部および上部の直交投影図である。係止ピン600は、略円筒形形状を有し得、内側端部上の作動ピン接触面610と、外側端部上のハウジング接触面630と、を含み得る。作動ピン接触面610は、作動ピン480の外側係止ピン係合面(すなわち、
図4の482)の外径を収容するのに十分な半径を有する凹面として形成された第1の作動ピン係合面612を含み得、したがって、係止ピンが延長位置にあるときに係止ピン600と作動ピンとの安定した係合を提供する。この点において、作動ピン係合面612はまた、係止ピンが延長位置にあるとき、係止ピンと作動ピンとの位置合わせを保持するための位置合わせ面として機能する。作動ピン接触面610は、それぞれ、作動ピン接触面610の上側部分および下側部分に第2および第3のアクチュエータピン係合面614および616をさらに含み得る。第2および第3のアクチュエータピン係合面614および616は、各々、作動ピン軸に対して一定の角度で延長し得、作動ピン480上のそれぞれの遷移面(すなわち、
図4の486)と係合するように適合され得る円錐形面取り面を含み得る。円錐面614および616は、特に、係止ピンが延長位置から格納位置に移動するときに、横方向ボア内の係止ピンの位置合わせを維持し、回転を防止するための機構として機能し得る。そのような位置合わせおよび回転防止機能は、
図9においてより詳細に図示され、作動ピン980の円錐形遷移部986は、係止ピン962の円錐形面取り位置合わせ面916によって係合されようとしている状態である。
図9に示されている例では、係止ピン上には1つの円錐形位置合わせ面のみが設けられ、作動ピン980上には1つの遷移面のみが設けられる。
【0032】
位置合わせ面916は、作動ピン980の外側係止ピン係合面982と係合する延長位置から、係止ピンが作動ピン480の内側係止ピン係合面984と係合する格納位置までのその延長位置全体の進行中に、係止ピン962の回転を誘導および防止するように適合される。別の方法で述べると、これらの2つの円錐面916および986が互いに係合するとき(作動ピンが摺動してブリッジピストンの係止を引き起こす場合のように)、それらの相補的な形状は、係止ピンと作動ピンとの位置合わせを促し、それによって係止ピンの回転を防止するか、または少なくとも最小化する。
【0033】
係止ピン600のハウジング接触面630は、外側凹面632と、2つのハウジング係合面634および636と、を含み得る。ハウジング係合面634および636は、ハウジングボア内の環状チャネル内の1つまたはそれぞれの面取り面と係合し得る(すなわち、
図5.1の419または
図9の919)。ハウジング係合面634および636は、円錐円錐台または円錐形円錐台に従って画定され得、ハウジングボア内の環状チャネル内の対応する形状の表面と係合し得る。ハウジング係合面634および636のこの形状は、環状チャネル上の表面の形状とともに、延長位置に移動するときに係止ピンの位置合わせおよび回転防止を提供するだけでなく、作動ピンが係止解除位置にあり、ブリッジピストンが下向きのバルブトレイン力を受けるときに、係止ピン上の内向きの力および格納位置への移動を容易にする。
【0034】
図7.1~
図7.8を総合的に参照すると、本開示の態様による係止ピン700の別の例示的な実施形態が図示されている。この実施形態では、作動ピン接触面710は、作動ピン480(
図4)の外側係止ピン係合面と係合するための第1の係合面712と、作動ピン接触面710の上側部分にある単一の面取り円錐面714と、を含む。係止ピン700のハウジング接触面730は、同様に、ハウジング接触面730の上側部分上に単一の円錐面734が設けられている。
【0035】
図8.1~
図8.9は、本開示の態様による係止ピン800の別の例示的な実施形態を総合的に図示している。この実施形態では、係止ピン800は、作動ピン接触面810上に2つの円錐形面取り位置合わせ面814および816が設けられている。係止ピン800はまた、外側凸状端面831、円錐形ハウジング係合面836、および縮径凸状内側端面833を含むアンダーカットハウジング接触面830も設けられている。この例では、凸端面の下側部分(例えば、係止ピンの厚さの半分以上)が取り除かれ、最外側の凸端面831と縮径凸状内側端面833との間で遷移する円錐面836を形成する。結果として生じる突出部は、
図11に最もよく示されるように、環状チャネルの曲率と密接に一致する表面を有することが好ましい。このようにして、係止ピン800上の円錐形遷移面は、環状チャネルの対応する表面と比較的広く係合することができ、それにより適用された力をより良好に分散させ、構成要素への損傷の可能性を最小化する。この構成はまた、ハウジング接触面830の環状チャネルとの位置合わせに関して位置合わせの利点を提供する。特に、アンダーカットハウジング接触面830は、ハウジング係合面836の上に延長する延長誘導面840を提供する。本開示によって認識されるように、このように係止ピン上に比較的広く平坦な表面または円錐面を設けることは、係止ピンが環状チャネルの同様に広く平坦な表面または円錐面に延長され、それと接触するときに、係止ピンに適用される実質的な力をより良好に分布させることができる。
【0036】
図8の実施形態における表面814および816、ならびに
図6の実施形態における表面614および616などの、本開示の態様による作動ピン接触面上の二重円錐形面取り面のさらなる利点は、係止ピンの位置合わせおよび回転防止の改善である。
図10をさらに参照すると、このような構成は、係止ピン1814および1816上の円錐形面取り面と協働する二重遷移面1486および1487を有する作動ピン1080などの作動ピンと併せて使用され、係止ピンの位置合わせおよび回転防止機能が改善される。より具体的には、
図10は、係止ピン1462の回転が面取り面1816および1814によって制限される前に、係止ピン受容部(横方向ボア)内で許容される係止ピン1462の回転の程度(および円錐形ハウジング係合面1836の位置ずれの程度)を示す。認識されるように、二重円錐形面取り面1816および1814は、係止ピン1462が、係止ピンの突出部分がハウジング上の環状チャネルに入るのを防止する程度まで回転することを防止してよく、したがって、係止ピンの適切な位置合わせおよび動作を確保する。
【0037】
図12をさらに参照すると、本開示のさらなる態様によると、係止ピンは、組み立てエラーを防止するために円錐面の非対称構成が提供され得る。
図8.1~
図8.9および
図10で見ることができるように、円錐面814、1814および816、1816は対称ではない。図示された例では、凹状端面の通常上向きに面している部分上の円錐面1814は、凹状端面の通常下向きに面している部分上の円錐面1816と比較してより深い深さで形成される。同時に、作動ピンの円錐形面取り遷移部は、凹状端面の非対称円錐面と相補的に係合するように同様に非対称に形成され得る。結果として、
図12に図示されるように係止ピンが逆さまに挿入された場合、凹状端面の通常下向きに面している部分上の円錐面と作動ピンの円錐形面取り部との係合は、作動ピンを横方向ボアから延長させ、それにより係止ピンが作動ピンに対して最内側の位置にあっても、係止ピンにピストンから延長させ、それによりブリッジ本体内に形成されたボア内へのブリッジピストンの挿入を防止する。
【0038】
本実装形態は、特定の例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、特許請求の範囲に記載される本発明のより広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な修正および変更が行われ得ることは明らかであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示としてみなされるべきである。