(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法及び処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/42 20120101AFI20230324BHJP
G06Q 40/02 20230101ALI20230324BHJP
【FI】
G06Q20/42
G06Q40/02
(21)【出願番号】P 2021140297
(22)【出願日】2021-08-30
【審査請求日】2021-08-30
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古木 哲平
【審査官】後藤 昂彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-004628(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0221058(US,A1)
【文献】特開2018-022323(JP,A)
【文献】特開2021-026317(JP,A)
【文献】特開2003-168063(JP,A)
【文献】特開2020-107217(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0325719(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0378136(US,A1)
【文献】特開2021-060963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に関連付けられている口座を用いて行う所定の決済手段による決済に関する決済情報を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けられた決済情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により所定の条件を満たすと判定された場合は、前記利用者が保有する第1口座とは異なる口座であって、前記利用者
の識別情報と紐付けられた他の利用者が保有する口座である第2口座を用いて、前記決済情報に基づく決済処理を実行する処理部と
を有し、
前記判定部は、過去に前記所定の条件を満たすと判定された決済情報と、前記受付部により新たに受け付けられた決済情報との、当該紐付けに基づく類似度が所定の閾値以上である場合に、新たに受け付けられた決済情報が前記所定の条件を満たすと判定する
ことを特徴と
し、
前記決済情報に基づいて、前記所定の決済手段による決済を実行することを特徴とする処理装置。
【請求項2】
利用者に関連付けられている口座を用いて行う所定の決済手段による決済において、
店舗が所有する店舗端末から、前記店舗を利用した利用者に係る利用者情報と、前記店舗に係る店舗識別情報と、決済内容とを示す決済情報を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けられた決済情報が示す決済内容が所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により所定の条件が満たされると判定された場合は、前記利用者が保有する第1口座とは異なる口座であって、前記利用者
の識別情報と紐付けられた他の利用者が保有する口座である第2口座から前記店舗が保有する口座へと電子マネーを移動させることで、前記決済情報に基づく決済処理を実行する処理部と
を有することを特徴とする処理装置。
【請求項3】
利用者に関連付けられている口座を用いて行う所定の決済手段による決済において、
利用者が所有する利用者端末から、前記利用者が利用した店舗に係る店舗情報と、前記利用者に係る利用者識別情報と、決済内容とを示す決済情報を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けられた決済情報が示す決済内容が所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により所定の条件が満たされると判定された場合は、前記利用者が保有する第1口座とは異なる口座であって、前記利用者
の識別情報と紐付けられた他の利用者が保有する口座である第2口座から前記店舗が保有する口座へと電子マネーを移動させることで、前記決済情報に基づく決済処理を実行する処理部と
を有することを特徴とする処理装置。
【請求項4】
前記受付部は、
前記第1口座を用いて行う決済に関する前記決済情報を受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、
前記判定部により前記決済情報が前記所定の条件を満たさないと判定された場合は、前記第1口座を用いて前記決済情報に基づく決済処理を実行する
ことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1つに記載の処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、
前記他の利用者により設定された前記所定の条件を前記決済情報が満たすか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1つに記載の処理装置。
【請求項7】
前記受付部は、
前記決済を行う日時を含む前記決済情報を受け付け、
前記判定部は、
前記日時が前記所定の条件を満たすか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1つに記載の処理装置。
【請求項8】
前記受付部は、
前記決済による支払先を示す情報を含む前記決済情報を受け付け、
前記判定部は、
前記支払先が前記所定の条件を満たすか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1から7のうちいずれか1つに記載の処理装置。
【請求項9】
前記受付部は、
前記決済の対象である取引対象を示す情報を含む前記決済情報を受け付け、
前記判定部は、
前記取引対象が前記所定の条件を満たすか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1から8のうちいずれか1つに記載の処理装置。
【請求項10】
前記第2口座を用いて前記決済情報に基づく決済処理が実行された場合は、前記他の利用者に所定の通知を行う通知部
をさらに有することを特徴とする請求項1から9のうちいずれか1つに記載の処理装置。
【請求項11】
前記判定部により前記決済情報が前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記第2口座を用いる決済処理の可否を選択可能に提示する第1コンテンツを前記他の利用者に提供する第1提供部
をさらに有し、
前記処理部は、
前記第1コンテンツを介して前記第2口座を用いる決済処理が許可された場合は、前記第2口座を用いて前記決済情報に基づく決済処理を実行する
ことを特徴とする請求項1から10のうちいずれか1つに記載の処理装置。
【請求項12】
前記第2口座を用いる決済処理を行うか否かを選択可能に提示する第2コンテンツを前記利用者に提供する第2提供部
をさらに有し、
前記処理部は、
前記第2コンテンツを介して前記第2口座を用いる決済処理を行うことが選択された場合は、前記第2口座を用いて前記決済情報に基づく決済処理を実行する
ことを特徴とする請求項1から11のうちいずれか1つに記載の処理装置。
【請求項13】
コンピュータが実行する処理方法であって、
利用者に関連付けられている口座を用いて行う所定の決済手段による決済に関する決済情報を受け付ける受付工程と、
前記受付工程により受け付けられた決済情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により所定の条件を満たすと判定された場合は、前記利用者が保有する第1口座とは異なる口座であって、前記利用者
の識別情報と紐付けられた他の利用者が保有する口座である第2口座を用いて、前記決済情報に基づく決済処理を実行する処理工程と
を含み、
前記判定工程は、過去に前記所定の条件を満たすと判定された決済情報と、前記受付工程により新たに受け付けられた決済情報との、当該紐付けに基づく類似度が所定の閾値以上である場合に、新たに受け付けられた決済情報が前記所定の条件を満たすと判定する
ことを特徴と
し、前記決済情報に基づいて、前記所定の決済手段による決済を実行することを特徴とする処理方法。
【請求項14】
利用者に関連付けられている口座を用いて行う所定の決済手段による決済に関する決済情報を受け付ける受付手順と、
前記受付手順により受け付けられた決済情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により所定の条件を満たすと判定された場合は、前記利用者が保有する第1口座とは異なる口座であって、前記利用者
の識別情報と紐付けられた他の利用者が保有する口座である第2口座を用いて、前記決済情報に基づく決済処理を実行する処理手順と
を
コンピュータに実行させ、
前記判定手順は、過去に前記所定の条件を満たすと判定された決済情報と、前記受付手順により新たに受け付けられた決済情報との、当該紐付けに基づく類似度が所定の閾値以上である場合に、新たに受け付けられた決済情報が前記所定の条件を満たすと判定する
ことをコンピュータに実行させ
、前記決済情報に基づいて、前記所定の決済手段による決済をコンピュータに実行させることを特徴とする処理プログラム。
【請求項15】
コンピュータが実行する処理方法であって、
利用者に関連付けられている口座を用いて行う所定の決済手段による決済において、
店舗が所有する店舗端末から、前記店舗を利用した利用者に係る利用者情報と、前記店舗に係る店舗識別情報と、決済内容とを示す決済情報を受け付ける受付工程と、
前記受付工程により受け付けられた決済情報が示す決済内容が所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により所定の条件が満たされると判定された場合は、前記利用者が保有する第1口座とは異なる口座であって、前記利用者
の識別情報と紐付けられた他の利用者が保有する口座である第2口座から前記店舗が保有する口座へと電子マネーを移動させることで、前記決済情報に基づく決済処理を実行する処理工程と
を含むことを特徴とする処理方法。
【請求項16】
利用者に関連付けられている口座を用いて行う所定の決済手段による決済において、
店舗が所有する店舗端末から、前記店舗を利用した利用者に係る利用者情報と、前記店舗に係る店舗識別情報と、決済内容とを示す決済情報を受け付ける受付手順と、
前記受付手順により受け付けられた決済情報が示す決済内容が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により所定の条件が満たされると判定された場合は、前記利用者が保有する第1口座とは異なる口座であって、前記利用者
の識別情報と紐付けられた他の利用者が保有する口座である第2口座から前記店舗が保有する口座へと電子マネーを移動させることで、前記決済情報に基づく決済処理を実行する処理手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする処理プログラム。
【請求項17】
コンピュータが実行する処理方法であって、
利用者に関連付けられている口座を用いて行う所定の決済手段による決済において、
利用者が所有する利用者端末から、前記利用者が利用した店舗に係る店舗情報と、前記利用者に係る利用者識別情報と、決済内容とを示す決済情報を受け付ける受付工程と、
前記受付工程により受け付けられた決済情報が示す決済内容が所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により所定の条件が満たされると判定された場合は、前記利用者が保有する第1口座とは異なる口座であって、前記利用者
の識別情報と紐付けられた他の利用者が保有する口座である第2口座から前記店舗が保有する口座へと電子マネーを移動させることで、前記決済情報に基づく決済処理を実行する処理工程と
を含むことを特徴とする処理方法。
【請求項18】
利用者に関連付けられている口座を用いて行う所定の決済手段による決済において、
利用者が所有する利用者端末から、前記利用者が利用した店舗に係る店舗情報と、前記利用者に係る利用者識別情報と、決済内容とを示す決済情報を受け付ける受付手順と、
前記受付手順により受け付けられた決済情報が示す決済内容が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により所定の条件が満たされると判定された場合は、前記利用者が保有する第1口座とは異なる口座であって、前記利用者
の識別情報と紐付けられた他の利用者が保有する口座である第2口座から前記店舗が保有する口座へと電子マネーを移動させることで、前記決済情報に基づく決済処理を実行する処理手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法及び処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の電子決済を支援するための各種のサービスを提供するための技術が知られている。このような技術の一例として、送信者が支払いを送信することを望むのが妥当であり得る支払いイベントを受信候補者が迎えるかを識別し、支払いイベントの検出に基づいて、特定の受信者を電子送金のためのリストの最上位にする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、決済を行おうとしている利用者を支援できるとは限らない。
【0005】
例えば、上記の従来技術では、受信候補者が、誕生日、結婚、記念日、学校の卒業を迎えたかを識別しているに過ぎず、決済を行おうとしている受信候補者に対し電子送金を行うことができないため、決済を行おうとしている利用者を支援できるとは限らない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、決済を行おうとしている利用者を支援できる処理装置、処理方法及び処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る処理装置は、利用者に関連付けられている口座を用いて行う所定の決済手段による決済に関する決済情報を受け付ける受付部と、前記受付部により受け付けられた決済情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部により所定の条件を満たすと判定された場合は、前記利用者が保有する第1口座とは異なる口座であって、前記利用者と紐付けられた他の利用者が保有する口座である第2口座を用いて、前記決済情報に基づく決済処理を実行する処理部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、決済を行おうとしている利用者を支援できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る決済サーバの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る口座データベースの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本願に係る処理装置、処理方法及び処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る処理装置、処理方法及び処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.実施形態〕
図1を用いて、本実施形態の処理装置等により実現される情報処理について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。なお、
図1では、本実施形態に係る処理装置の一例である決済サーバ10によって、実施形態に係る情報処理などが実現されるものとする。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、決済サーバ10と、利用者端末100と、店舗端末200とを含む。決済サーバ10、利用者端末100及び店舗端末200は、ネットワークN(例えば、
図2参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、
図1に示した情報処理システム1には、複数台の決済サーバ10、複数台の利用者端末100及び複数台の店舗端末200が含まれていてもよい。
【0013】
図1に示す決済サーバ10は、実施形態に係る情報処理を実行する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、決済サーバ10は、利用者端末100を用いる電子決済に関する電子決済サービスを提供する。例えば、決済サーバ10は、取引対象の提供者(事業者)や取引対象が提供される利用者の口座を管理しており、利用者からの決済要求に従って、口座間において電子マネーの移行等を行うことで、各種決済を実現する。なお、電子マネーとは、例えば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドル等の国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。
【0014】
図1に示す利用者端末100は、利用者によって利用される情報処理装置である。利用者端末100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。また、利用者端末100は、決済サーバ10によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、
図1に示す例では、利用者端末100がスマートフォンである場合を示す。
【0015】
なお、利用者端末100は、所定の情報処理を実現する制御情報を決済サーバ10から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語、Java(登録商標)等のプログラミング言語、HTML(HyperText Markup Language)等のマークアップ言語等により記述される。なお、決済サーバ10から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0016】
図1に示す店舗端末200は、利用者に取引対象を提供する店舗の店員等によって利用される情報処理装置である。店舗端末200は、例えば、POS(Point of Sales)端末や、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、携帯電話機、PDA等により実現される。また、店舗端末200は、決済サーバ10によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。
【0017】
なお、
図1に示す例では、店舗端末200が店舗に設置されたPOS端末であり、店舗において提供する商品に関する商品情報を管理するものとする。例えば、店舗端末200は、商品の価格を、商品に添付されるバーコードが示す情報(商品を識別するための識別情報(商品ID))に紐づけて管理する。
【0018】
〔1-1.利用者端末100を用いた決済について〕
ここで、決済サーバ10が実行する通知処理に先立ち、利用者端末100を用いた決済(電子決済)の一例について説明する。なお、以下の説明では、店舗Aに配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗Aを識別する店舗識別情報C1を示す2次元コードを用いて、利用者が利用者端末100を用いた決済を行う例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意の利用者が任意の利用者端末100を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報C1は、QRコードのみならず、バーコードや所定のマーク、番号等であってもよい。
【0019】
例えば、利用者が店舗Aにて各種の商品やサービスといった決済対象(取引対象)の利用や購入に伴う決済を行う場合、利用者は、利用者端末100に予めインストールされた、電子決済用のアプリケーション(以下、単に「決済アプリ」と記載する場合がある)を起動する。そして、利用者は、決済アプリを介して、店舗Aに設置された店舗識別情報C1を撮影する。このような場合、利用者端末100は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、利用者或いは店舗Aの店員から決済金額の入力を受け付ける。そして、利用者端末100は、利用者を識別する利用者識別情報と、店舗識別情報C1(若しくは、店舗識別情報C1が示す情報、すなわち、店舗A(若しくは店舗Aの事業者M1)を示す情報(例えば、店舗ID))と、決済金額とを示す決済情報を決済サーバ10へと送信する。
【0020】
このような場合、決済サーバ10は、利用者識別情報が示す利用者の口座から、店舗識別情報C1が示す店舗Aの口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。そして、決済サーバ10は、決済が完了した旨の通知を利用者端末100へと送信する。このような場合、利用者端末100は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる決済が行われた旨を通知する。
【0021】
なお、利用者端末100を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、利用者端末100を用いた決済は、店舗Aに設置された店舗端末200を用いたものであってもよい。例えば、利用者端末100は、利用者を識別するための利用者識別情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗Aに設置された店舗端末200は、利用者端末100に表示された利用者識別情報を読み取り、利用者識別情報(若しくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、利用者を示す情報(例えば、利用者ID))と、決済金額と、店舗Aを識別する情報とを示す決済情報を決済サーバ10へと送信する。このような場合、決済サーバ10は、利用者識別情報が示す利用者の口座から、店舗Aの口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させ、店舗Aの店舗端末200或いは利用者端末100に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知してもよい。
【0022】
また、利用者端末100を用いた決済は、利用者が予め電子マネーをチャージした口座から店舗Aの口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、利用者が予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、例えば、決済サーバ10は、店舗Aの口座に対して決済金額の電子マネーを移行させるとともに、利用者のクレジットカードの運用会社(カード会社)に対し、決済金額を請求してもよい。
【0023】
また、利用者端末100を用いた決済は、実店舗に対するものに限らず、例えば、決済サーバ10が提供する電子決済サービスと、任意のサービスとのAPI連携を通じたオンライン決済であってもよい。このような場合、例えば、利用者端末100は、利用者を識別する利用者識別情報と、サービスの提供者を識別する提供者識別情報と、当該サービスにおける取引対象の価格(決済金額)とを示す決済情報を決済サーバ10へと送信する。そして、決済サーバ10は、利用者識別情報が示す利用者の口座から、提供者識別情報が示す提供者の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させ、利用者端末100に対し決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知する。
【0024】
〔1-2.実施形態の概要について〕
ここで、従来、利用者の電子決済を支援するための各種のサービスを提供するための技術の一例として、送信者が支払いを送信することを望むのが妥当であり得る支払いイベントを受信候補者が迎えるかを識別し、支払いイベントの検出に基づいて、特定の受信者を電子送金のためのリストの最上位にする技術が提案されている。しかしながら、このような技術では、受信候補者が、誕生日、結婚、記念日、学校の卒業を迎えたかを識別しているに過ぎず、決済を行おうとしている受信候補者に対し電子送金を行うことができないため、決済を行おうとしている利用者を支援できるとは限らない。
【0025】
そこで、決済サーバ10は、実施形態に係る情報処理を実行する。以下、
図1を用いて、決済サーバ10が実行する情報処理について説明する。なお、以下の説明において、利用者端末100を利用する利用者に応じて、利用者端末100を利用者端末100-1~100-N(Nは任意の自然数)として説明する。例えば、利用者端末100-1は、利用者ID「UID#1」により識別される利用者(利用者U1)により使用される利用者端末100である。また、以下では、利用者端末100-1~100-Nについて、特に区別なく説明する場合には、利用者端末100と記載する。また、以下の説明では、利用者端末100を利用者と同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者U1を利用者端末100-1と読み替えることもできる。
【0026】
また、以下の説明では、店舗端末200が事業者M1により利用される例を示す。また、以下の説明では、店舗端末200を事業者M1と同一視する場合がある。すなわち、以下では、事業者M1を店舗端末200と読み替えることもできる。
【0027】
また、以下の説明では、利用者U1が子供であり、利用者U2が利用者U1の親であるものとする。また、以下の説明において、上述した決済アプリを用いる決済手法において利用する口座として、利用者U1が口座#1を保有し、利用者U2が口座#2を保有しているものとする。
【0028】
まず、決済サーバ10は、上述した決済アプリを用いる決済手法において、口座#2を用いた決済を他の利用者が行うことを許可する場合の条件を、利用者U2から受け付ける(ステップS1)。ここで、
図1の例において、決済サーバ10は、口座#2を用いる決済を利用者U1が行うことを許可する場合の条件#1を受け付けたものとする。具体的な例を挙げると、決済サーバ10は、利用者U1の利用者IDや、決済を行う時間帯、決済による支払先(店舗等)のカテゴリを示す情報、決済の対象である商品のカテゴリを示す情報を、条件#1として受け付ける。
【0029】
ここで、
図1の例において、利用者U1が、決済アプリを用いた決済を店舗Aに対して行うことを希望したものとする。この場合、店舗端末200は、利用者U1が購入を希望する商品の商品IDと、利用者U1の利用者識別情報(利用者ID)とを読み取る(ステップS2)。例えば、店舗端末200は、利用者U1が購入を希望する商品に添付されるバーコードが示す商品IDと、利用者端末100-1に表示される利用者U1の利用者IDとをバーコードリーダ等を用いて読み取る。
【0030】
続いて、決済サーバ10は、利用者U1の店舗Aに対する決済に関する決済情報を店舗端末200から受け付ける(ステップS3)。例えば、決済サーバ10は、店舗端末200が読み取った商品IDが示す商品に関する商品情報(例えば、カテゴリ)や、商品IDに紐付けられた価格の合計額(決済金額)、利用者U1の利用者ID、店舗Aの店舗ID、決済が行われる日時などを示す決済情報を取得する。
【0031】
続いて、決済サーバ10は、受け付けた決済情報が条件#1を満たすか否かを判定する(ステップS4)。例えば、決済サーバ10は、決済情報が示す利用者U1の利用者IDに基づいて条件#1を特定し、決済情報が条件#1を満たすか否かを判定する。
【0032】
ここで、
図1の例において、決済サーバ10が、決済情報が条件#1を満たすと判定したものとする。この場合、決済サーバ10は、口座#2を用いて、決済情報に基づく決済処理を実行する(ステップS5)。例えば、決済サーバ10は、口座#2から店舗Aの口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0033】
続いて、決済サーバ10は、決済が完了した旨の通知を利用者端末100-1に送信する(ステップS6)。例えば、決済サーバ10は、決済が完了した旨の通知を利用者端末100に送信し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、電子マネーによる決済が行われた旨を利用者U1に通知する。
【0034】
続いて、決済サーバ10は、口座#2を用いた決済処理が実行された旨の通知を利用者端末100-2に送信する(ステップS7)。例えば、決済サーバ10は、口座#2を用いて利用者U1の決済に関する決済処理が実行された旨のプッシュ通知を利用者端末100-2に表示させる。
【0035】
以上のように、実施形態に係る決済サーバ10は、親が設定した条件を満たす決済を子供が行う場合において、親の口座を用いた決済を行うことを許可する。これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、例えば、子供が通う学校や、子供の習い事などで要する備品を購入する場合において、親が備品を販売する店舗等に赴いて購入したり、備品を購入するための費用を親が子供に送金したりしなくとも、子供が自主的に備品を購入することを可能とする。すなわち、実施形態に係る決済サーバ10は、決済を行おうとしている利用者を支援できる。
【0036】
〔2.決済サーバの構成〕
次に、
図2を用いて、決済サーバ10の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る決済サーバの構成例を示す図である。
図2に示すように、決済サーバ10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0037】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末100、店舗端末200等との間で情報の送受信を行う。
【0038】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図2に示すように、記憶部30は、口座データベース31と、利用者情報データベース32とを有する。
【0039】
(口座データベース31について)
口座データベース31は、利用者や店舗(事業者)などが電子決済サービスにおいて所有する口座に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図3を用いて、口座データベース31が記憶する情報の一例を説明する。
図3は、実施形態に係る口座データベースの一例を示す図である。
図3の例において、口座データベース31は、「口座ID」、「所有者情報」、「口座残高」といった項目を有する。
【0040】
「口座ID」は、口座を識別するための識別情報を示す。「所有者情報」は、口座を所有(保有)する所有者に関する情報を示し、例えば、所有者を識別するための識別情報が格納される。「口座残高」は、口座の残高を示す。
【0041】
すなわち、
図3では、口座ID「AID#1」によって識別される口座の保有者の情報が「利用者#1」であり、口座残高が「7,800円」である例を示す。
【0042】
(利用者情報データベース32について)
利用者情報データベース32は、決済サーバ10が提供する電子決済サービスの利用者に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図4を用いて、利用者情報データベース32が記憶する情報の一例を説明する。
図4は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
図4の例において、利用者情報データベース32は、「利用者ID」、「紐付情報」、「条件情報」といった項目を有する。
【0043】
「利用者ID」は、利用者を識別するための識別情報を示す。「紐付情報」は、利用者IDが示す利用者と他の利用者(例えば、「条件情報」が示す利用者)との紐付けに関する情報を示し、例えば、他の利用者の利用者IDなどの情報が格納される。「条件情報」は、利用者と紐付けられた他の利用者の口座を用いた決済を行うことを許可する場合の条件を示し、例えば、当該他の利用者の利用者IDや、決済を行う時間帯、決済による支払先のカテゴリを示す情報、決済の対象である取引対象のカテゴリを示す情報などが格納される。
【0044】
すなわち、図4では、利用者ID「UID#1」によって識別される利用者の紐付情報が「紐付情報#1」、条件情報が「条件情報#1」である例を示す。
【0045】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、決済サーバ10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、
図2に示すように、受付部41と、判定部42と、提供部43と、決済処理部44と、通知部45とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0046】
(受付部41について)
受付部41は、利用者に関連付けられている口座を用いて行う所定の決済手段による決済に関する決済情報を受け付ける。例えば、
図1の例において、受付部41は、利用者U1の店舗Aに対する、利用者U1が保有する口座#1を用いる決済に関する決済情報を店舗端末200から受け付ける。なお、受付部41は、利用者U1に関連付けられた口座であれば、任意の口座(例えば、利用者U1とは異なる他の利用者が保有する口座)を用いる決済に関する決済情報を受け付けてもよい。
【0047】
また、受付部41は、利用者端末100から決済情報を受け付けてもよい。例えば、受付部41は、利用者端末100が読み取った店舗IDや、決済金額、利用者IDなどを示す決済情報を受け付ける。
【0048】
また、受付部41は、第1口座を用いて行う決済に関する決済情報を受け付けてもよい。例えば、
図1の例において、受付部41は、利用者U1が保有する口座#1決済に関する決済情報を店舗端末200から受け付ける。
【0049】
また、受付部41は、決済を行う日時を含む決済情報を受け付けてもよい。例えば、
図1の例において、受付部41は、決済が行われる日時を示す決済情報を受け付ける。
【0050】
また、受付部41は、決済による支払先を示す情報を含む決済情報を受け付けてもよい。例えば、
図1の例において、受付部41は、店舗Aの店舗IDを示す決済情報を受け付ける。
【0051】
また、受付部41は、決済の対象である取引対象を示す情報を含む決済情報を受け付けてもよい。例えば、
図1の例において、受付部41は、店舗端末200が読み取った商品IDが示す商品に関する商品情報を示す決済情報を受け付ける。
【0052】
(判定部42について)
判定部42は、受付部41により受け付けられた決済情報が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、
図1の例において、判定部42は、利用者情報データベース32を参照し、決済情報が条件#1を満たすか否かを判定する。
【0053】
また、判定部42は、他の利用者により設定された所定の条件を決済情報が満たすか否かを判定してもよい。例えば、
図1の例において、判定部42は、利用者U2から受け付けた条件#1を決済情報が満たすか否かを判定する。
【0054】
また、判定部42は、日時が所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。例えば、
図1の例において、判定部42は、利用者U1の店舗Aに対する決済が行われる日時が、条件#1が示す時間帯に含まれるか否かを判定し、含まれると判定した場合に決済情報が条件#1を満たすと判定する。具体的な例を挙げると、判定部42は、店舗Aに対する決済が行われる日時が、利用者U1の習い事の帰り道のいつもの時間帯に含まれるか否かを判定し、含まれると判定した場合に決済情報が条件#1を満たすと判定する。
【0055】
また、判定部42は、支払先が所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。例えば、
図1の例において、判定部42は、店舗Aが、条件#1が示す支払先のカテゴリに含まれるか否かを判定し、含まれると判定した場合に決済情報が条件#1を満たすと判定する。具体的な例を挙げると、判定部42は、店舗Aが、利用者U1の自宅から所定の範囲内に所在する店舗であって、所定のカテゴリに属する店舗(例えば、カテゴリ「文房具店」や「コンビニ」に属する店舗)や、利用者U1の通学路に所在する店舗、利用者U1が習い事に行くために利用する経路に所在する店舗であるか否かを判定し、店舗Aがこのような店舗である場合に、決済情報が条件#1を満たすと判定する。
【0056】
また、判定部42は、取引対象が所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。例えば、
図1の例において、判定部42は、決済の対象である商品が、条件#1が示す商品のカテゴリに含まれるか否かを判定し、含まれると判定した場合に決済情報が条件#1を満たすと判定する。具体的な例を挙げると、判定部42は、決済の対象である商品が、利用者U1の習い事で利用する備品(例えば、スイミングスクールで利用するゴーグル)のカテゴリに含まれるか否かを判定し、含まれると判定した場合に決済情報が条件#1を満たすと判定する。
【0057】
なお、決済情報が示す日時、支払先、並びに、取引対象に基づき、決済情報が所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。例えば、判定部42は、店舗に対する決済が行われる日時が利用者の習い事の帰り道のいつもの時間帯に含まれ、支払先の店舗が所定のカテゴリに属する店舗(例えば、スイミングスクール等の習い事の備品を販売する店舗)であり、且つ、決済の対象である商品が、習い事で利用する備品である場合に、決済情報が所定の条件を満たすと判定する。
【0058】
ここで、決済情報が所定の条件に完全に一致していなくとも、当該決済情報に基づき、決済を行う利用者が保有する第1口座とは異なる口座(後述の第2口座)を用いた決済処理を実行したい場合が考えられる。したがって、判定部42は、決済情報と、所定の条件との類似性に基づいて、決済情報が所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。例えば、判定部42は、過去に所定の条件を満たすと判定された決済情報と、受付部41により新たに受け付けられた決済情報との類似性を示すスコアが所定の閾値以上である場合に、新たに受け付けられた決済情報が所定の条件を満たすと判定する。具体的な例を挙げると、判定部42は、過去に所定の条件を満たすと判定された決済情報を学習したモデルであって、決済情報が入力された場合に所定の条件を満たすと判定された決済情報との類似性を示すスコアを出力するように学習されたモデルを用いて、新たに受け付けられた決済情報が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0059】
なお、モデルの学習には、任意の公知技術が適用可能であり、取得される情報に応じて適宜選択された学習手法が用いられてもよい。例えば、モデルの学習には、機械学習に関する種々の従来技術(例えば、SVM(Support Vector Machine)等の教師あり学習の機械学習に関する技術)を用いて行われてもよい。また、モデルの学習には、深層学習(ディープラーニング)の技術が用いられてもよい。例えば、モデルの学習には、RNN(Recurrent Neural Network)やCNN(Convolutional Neural Network)等の種々のディープラーニングの技術が用いられてもよい。
【0060】
(提供部43について)
ここで、所定の条件を満たすと判定された場合であっても、決済を行う利用者が保有する第1口座とは異なる口座(後述の第2口座)を保有する利用者の承認が得られてから決済処理を実行したい場合が考えられる。したがって、提供部43は、判定部42により決済情報が所定の条件を満たすと判定された場合に、第2口座を用いる決済処理の可否を選択可能に提示する第1コンテンツを他の利用者に提供する。例えば、提供部43は、プッシュ通知を介して、第2口座を用いる決済処理の可否を選択可能に提示するコンテンツを、第2口座を保有する利用者に提供する。
【0061】
なお、判定部42が、決済情報と、所定の条件との類似性に基づいて、決済情報が所定の条件を満たすと判定した場合、提供部43は、第2口座を用いる決済処理の可否を選択可能に提示するコンテンツを他の利用者に提供してもよい。
【0062】
さらに、決済を行う利用者が保有する第1口座とは異なる口座(後述の第2口座)を用いる決済を行うか否かの選択を、当該利用者から受け付けてから決済処理を実行したい場合が考えられる。したがって、提供部43は、判定部42により決済情報が所定の条件を満たすと判定された場合に、第2口座を用いる決済処理を行うか否かを選択可能に提示する第2コンテンツを利用者に提供してもよい。例えば、提供部43は、取引対象の価格等を入力するための画面や、これから行う決済に関する決済情報が所定の条件を満たす旨の判定結果を示す画面などにおいて表示されるコンテンツであって、第2口座を用いる決済処理を行うか否かを選択可能に提示するコンテンツを、第1口座を保有する利用者に提供する。
【0063】
(決済処理部44について)
決済処理部44は、受付部41が受け付けた決済情報に従い、決済処理を実行する。例えば、決済処理部44は、利用者IDが示す利用者の口座から、店舗IDが示す店舗の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0064】
また、決済処理部44は、判定部42により所定の条件を満たすと判定された場合は、利用者が保有する第1口座とは異なる口座であって、利用者と紐付けられた他の利用者が保有する口座である第2口座を用いて、決済情報に基づく決済処理を実行してもよい。例えば、
図1の例において、決済処理部44は、決済情報が条件#1を満たすと判定された場合、口座#2を用いて、決済情報に基づく決済処理を実行する。
【0065】
また、決済処理部44は、判定部42により決済情報が所定の条件を満たさないと判定された場合は、第1口座を用いて決済情報に基づく決済処理を実行してもよい。例えば、
図1を例にして説明すると、決済処理部44は、決済情報が条件#1を満たさないと判定された場合、口座#1を用いて、決済情報に基づく決済処理を実行する。
【0066】
また、決済処理部44は、第1コンテンツを介して第2口座を用いる決済処理が許可された場合は、第2口座を用いて決済情報に基づく決済処理を実行してもよい。例えば、提供部43により提供されたコンテンツを介して、第2口座を保有する利用者から決済処理を許可する旨が受け付けられた場合、決済処理部44は、第2口座を用いて決済情報に基づく決済処理を実行する。
【0067】
また、決済処理部44は、第2コンテンツを介して第2口座を用いる決済処理を行うことが選択された場合は、第2口座を用いて決済情報に基づく決済処理を実行してもよい。提供部43により提供されたコンテンツを介して、第2口座を用いる決済処理を行う旨が第1口座を保有する利用者から受け付けられた場合、決済処理部44は、第2口座を用いて決済情報に基づく決済処理を実行する。
【0068】
(通知部45について)
通知部45は、第2口座を用いて決済情報に基づく決済処理が実行された場合は、他の利用者に所定の通知を行う。例えば、
図1の例において、通知部45は、口座#2を用いて利用者U1の決済に関する決済処理が実行された旨のプッシュ通知を利用者端末100-2に表示させる。
【0069】
〔3.情報処理のフロー〕
図5を用いて、実施形態に係る決済サーバ10の情報処理の手順について説明する。
図5は、実施形態に係る情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0070】
図5に示すように、決済サーバ10は、利用者が保有する第1口座を用いて行う所定の決済手段による決済に関する決済情報を受け付ける(ステップS101)。続いて、決済サーバ10は、決済情報が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS102)。所定の条件を満たすと判定された場合(ステップS102;Yes)、決済サーバ10は、利用者と紐付けられた他の利用者が保有する口座であって、第1口座とは異なる口座である第2口座を用いて、決済情報に基づく決済処理を実行する(ステップS103)。続いて、決済サーバ10は、利用者と紐付けられた他の利用者に所定の通知を行い(ステップS104)、処理を終了する。
【0071】
一方、所定の条件を満たさないと判定された場合(ステップS102;No)、決済サーバ10は、第1口座を用いて決済情報に基づく決済処理を実行し(ステップS105)、処理を終了する。
【0072】
〔4.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0073】
〔4-1.利用者について〕
上述の実施形態において、利用者U1が子供であり、利用者U2が利用者U1の親である例を示したが、第1口座を保有する利用者と、第2口座を保有する利用者との関係性はこのような例に限定されず、任意の関係性であってよい。
【0074】
〔4-2.判定部42について〕
上述の実施形態において、判定部42が、決済を行う時間帯や、決済による支払先のカテゴリ、決済の対象である商品のカテゴリに関する条件を決済情報が満たすか否かを判定する例を示したが、判定部42の機能はこのような例に限定されない。例えば、判定部42は、所定の期間内における決済の上限回数を超えているか否かを判定してもよい。具体的な例を挙げると、第2口座を用いる決済の上限が1日1回までと設定されている場合、判定部42は、決済情報が所定の条件を満たし、且つ、当該決済情報に関する決済が、その日に最初に行われる第2口座を用いる決済である場合に、第2口座を用いて当該決済情報に基づく決済を行うことを許可すると判定する。そして、決済処理部44は、第2口座を用いて決済情報に基づく決済処理を実行する。
【0075】
また、例えば、判定部42は、決済情報が示す決済金額が上限額を超えているか否かを判定してもよい。具体的な例を挙げると、決済情報が所定の条件を満たし、且つ、当該決済情報が示す決済金額が上限額以下である場合、判定部42は、第2口座を用いて当該決済情報に基づく決済を行うことを許可すると判定する。そして、決済処理部44は、第2口座を用いて決済情報に基づく決済処理を実行する。
【0076】
なお、判定部42は、決済情報が示す決済金額と、所定の期間内において既に第2口座を用いて行われた決済の決済金額との合計額が、所定の期間内において利用可能な上限額を超えているか否かを判定してもよい。そして、合計額が上限額以下であると判定された場合、決済処理部44は、第2口座を用いて決済情報に基づく決済処理を実行してもよい。
【0077】
〔4-3.決済情報について〕
上述の実施形態において、決済サーバ10が、店舗端末200から決済の各種内容を示す決済情報を受け付ける(取得する)例を示したが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、決済サーバ10は、利用者端末100において商品情報の入力やバーコードの撮影を行うことで決済を行う場合、利用者端末100から決済情報を取得してもよい。
【0078】
また、例えば、決済サーバ10は、POSシステムを介した決済情報を取得してもよい。具体的な例を挙げると、決済サーバ10は、決済要求が行われた場合に、決済行為を一律に示す決済番号を店舗端末200に送信する。このような場合、店舗端末200は、購入された商品の価格や種別等を示す情報と、決済行為を一意に示す情報とを対応付けて所定の外部サーバに保持する。そして、決済サーバ10は、店舗端末200に送信した決済番号をキーとして、外部サーバから決済情報を取得してもよい。
【0079】
〔4-4.処理態様について〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文章中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0080】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0081】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0082】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る決済サーバ10は、受付部41と、判定部42と、提供部43と、決済処理部44と、通知部45とを有する。受付部41は、利用者に関連付けられている口座を用いて行う所定の決済手段による決済に関する決済情報を受け付ける。また、受付部41は、第1口座を用いて行う決済に関する前記決済情報を受け付ける。判定部42は、受付部41により受け付けられた決済情報が所定の条件を満たすか否かを判定する。提供部43は、判定部42により決済情報が所定の条件を満たすと判定された場合に、第2口座を用いる決済処理の可否を選択可能に提示する第1コンテンツを他の利用者に提供する。また、提供部43は、第2口座を用いる決済処理を行うか否かを選択可能に提示する第2コンテンツを利用者に提供する。決済処理部44は、判定部42により所定の条件を満たすと判定された場合は、利用者が保有する第1口座とは異なる口座であって、利用者と紐付けられた他の利用者が保有する口座である第2口座を用いて、決済情報に基づく決済処理を実行する。また、決済処理部44は、判定部42により決済情報が所定の条件を満たさないと判定された場合は、第1口座を用いて決済情報に基づく決済処理を実行する。また、決済処理部44は、第1コンテンツを介して第2口座を用いる決済処理が許可された場合は、第2口座を用いて決済情報に基づく決済処理を実行する。また、決済処理部44は、第2コンテンツを介して第2口座を用いる決済処理を行うことが選択された場合は、第2口座を用いて決済情報に基づく決済処理を実行する。通知部45は、第2口座を用いて決済情報に基づく決済処理が実行された場合は、他の利用者に所定の通知を行う。
【0083】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、子供が通う学校や、子供の習い事などで要する備品を購入する場合において、親が備品を販売する店舗等に赴いて購入したり、備品を購入するための費用を親が子供に送金したりしなくとも、子供が自主的に備品を購入することを可能とするため、決済を行おうとしている利用者を支援できる。
【0084】
また、実施形態に係る決済サーバ10において、例えば、受付部41は、決済を行う日時を含む決済情報を受け付ける。そして、判定部42は、日時が所定の条件を満たすか否かを判定する。また、受付部41は、決済による支払先を示す情報を含む決済情報を受け付ける。そして、判定部42は、支払先が所定の条件を満たすか否かを判定する。また、受付部41は、決済の対象である取引対象を示す情報を含む決済情報を受け付ける。そして、判定部42は、取引対象が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0085】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、各種の条件に基づいて、第2口座を用いて決済を行うか否かを判定することができるため、利便性を向上させることができる。
【0086】
また、実施形態に係る決済サーバ10において、例えば、判定部42は、他の利用者により設定された所定の条件を決済情報が満たすか否かを判定する。
【0087】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、第2口座を保有する利用者が任意に設定した条件に基づき、第2口座を用いて決済を行うか否かを判定することができるため、利便性を向上させることができる。
【0088】
また、実施形態に係る決済サーバ10において、例えば、判定部42は、決済情報と、所定の条件との類似性に基づいて、決済情報が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0089】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、決済情報が所定の条件に完全に一致していなくとも、当該決済情報に基づき、第2口座を用いた決済処理を実行することができるため、利便性を向上させることができる。
【0090】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る決済サーバ10は、例えば、
図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、決済サーバ10を例に挙げて説明する。
図6は、決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、ROM1200、RAM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0091】
CPU1100は、ROM1200又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1200は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0092】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0093】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0094】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1300を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1300上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0095】
例えば、コンピュータ1000が決済サーバ10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1300上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、決済サーバ10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0096】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0097】
また、上述した決済サーバ10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0098】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0099】
10 決済サーバ
20 通信部
30 記憶部
31 口座データベース
32 利用者情報データベース
40 制御部
41 受付部
42 判定部
43 提供部
44 決済処理部
45 通知部
100 利用者端末
200 店舗端末