(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】タンパク質症のバイオマーカーおよびその使用
(51)【国際特許分類】
G01N 33/92 20060101AFI20230324BHJP
A61K 31/40 20060101ALI20230324BHJP
A61K 31/439 20060101ALI20230324BHJP
A61K 31/445 20060101ALI20230324BHJP
A61K 38/43 20060101ALI20230324BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230324BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230324BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20230324BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
G01N33/92 Z
A61K31/40
A61K31/439
A61K31/445
A61K38/43
A61K45/00
A61P25/00
A61P25/16
A61P43/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021142850
(22)【出願日】2021-09-02
(62)【分割の表示】P 2018549853の分割
【原出願日】2017-03-24
【審査請求日】2021-09-09
(32)【優先日】2016-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500034653
【氏名又は名称】ジェンザイム・コーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】503146324
【氏名又は名称】ザ ブリガム アンド ウィメンズ ホスピタル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】The Brigham and Women’s Hospital, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】セルジオ・パブロ・サルディ
(72)【発明者】
【氏名】クレメンス・シャーザー
【審査官】大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-528219(JP,A)
【文献】特表2014-523881(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0029473(US,A1)
【文献】Michelle M. Mielke et al.,Plasma Ceramide and Glucosylceramide Metabolism Is Altered in Sporadic Parkinson's Disease and Associated with Cognitive Impairment: A Pilot Study,PLOS ONE,2013年,Vol.8, No.9,e73094
【文献】Arash Velayati et al.,The Role of Glucocerebrosidase Mutations in Parkinson Disease and Lewy Body Disorders,Curr Neurol Neurosci Rep.,2010年,Vol.10, No.3,pp.190-198.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48 - 33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体における
パーキンソン病をモニタリングする方法であって:
(a)第1の時点で、
パーキンソン病を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;
(b)(a)の第1の試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、
ジヘキソシルセラミドC24:1;
ジヘキソシルセラミドC24:0;
ジヘキソシルセラミドC23:0;
ジヘキソシルセラミドC22:0;
ジヘキソシルセラミドC20:0;
ジヘキソシルセラミドC18:0;
ジヘキソシルセラミドC16:0;
ラクトシルセラミドC24:1;
ラクトシルセラミドC24:0;
ラクトシルセラミドC23:0;
ラクトシルセラミドC22:0;
ラクトシルセラミドC20:0;
ラクトシルセラミドC18:0;
ラクトシルセラミドC16:0
;
セラミドC24:0;
セラミドC23:0
;
セラミドC14:0;
グロボトリアオシルセラミドC24:1;
グロボトリアオシルセラミドC24:0;
グロボトリアオシルセラミドC23:0;
グロボトリアオシルセラミドC22:0;
グロボトリアオシルセラミドC20:0;
グロボトリアオシルセラミドC18:0;
グロボトリアオシルセラミドC16:0
;
ガラクトシルセラミドC23:0
;
グルコシルセラミドC23:0
;および
グルコシルスフィンゴシン
からなる群から選択される、工程;
および
(c)第1の時点後の第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程
を含み、第1の時点の少なくとも1つのスフィンゴ脂質のレベルと比較して第2の時点の少なくとも1つのスフィンゴ脂質のレベルが上昇していないことは、被検体の
パーキンソン病が改善または静止している
ことを示す、
前記方法。
【請求項2】
工程(b)および(c)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0
、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0
、ガラクトシルセラミドC23:0、
およびグルコシルセラミドC23:
0からなる群から選択される少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
工程(b)および(c)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0
、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0
、ガラクトシルセラミドC23:0、
およびグルコシルセラミドC23:
0からなる群から選択される少なくとも2種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、2つのレベルのうち少なくとも1つが、第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない
ことは、被検体の
パーキンソン病が改善または静止している
ことを示す、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
両方のレベルが第1の時点と比較して第2の時点で上昇してい
ないことは、被検体の
パーキンソン病が改善または静止している
ことを示す、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
工程(b)および(c)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0
、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0
、ガラクトシルセラミドC23:0、
およびグルコシルセラミドC23:
0からなる群から選択される少なくとも3種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、3つのレベルのうち少なくとも1つが、第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない
ことは、被検体
のパーキンソン病が改善または静止していることを示す、請求項
3に記載の方法。
【請求項6】
3つ全てのレベルが第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない
こといは、被検体の
パーキンソン病が改善または静止している
ことを示す、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
被検体における
パーキンソン病をモニタリングする方法であって:
(a)第1の時点で、
パーキンソン病を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;
(b)(a)の第1の試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、
スフィンゴミエリンC24:1;
スフィンゴミエリンC24:0;
スフィンゴミエリンC23:0;
スフィンゴミエリンC22:0;
スフィンゴミエリンC20:0;
スフィンゴミエリンC18:0;および
スフィンゴミエリンC16:0
からなる群から選択される、工程;
および
(c)第1の時点後の第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程
を含み、第1の時点の少なくとも1つのスフィンゴ脂質のレベルと比較して第2の時点の少なくとも1つのスフィンゴ脂質のレベルが上昇していることは、被検体の
パーキンソン病が改善または静止している
ことを示す、
前記方法。
【請求項8】
被検体における
パーキンソン病をモニタリングする方法であって:
(a)第1の時点で、
パーキンソン病を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;
(b)工程(a)の第1の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つを決定する工程;
および
(c)第1の時点後の第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程
を含み、第2の時点の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ
のレベルが、第1の時点
のレベルと比較して上昇していない
ことは、被検体の
パーキンソン病が改善または静止している
ことを示す、
前記方法。
【請求項9】
工程(b)および(c)は、全ガラクトシルセラミドレベルおよび全グルコシルセラミドレベルの一方または両方を決定する工程を含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
工程(b)および(c)は、全ガラクトシルセラミドレベル
および全グルコシルセラミドレベルの一方または両方を決定する工程を含み、一方または両方が第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない
ことは、被検体の
パーキンソン病が改善または静止している
ことを示す、請求項
8に記載の方法。
【請求項11】
両方のレベルが第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない
ことが、被検体の
パーキンソン病が改善または静止している
ことを示す、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
被検体における
パーキンソン病をモニタリングする方法であって:
(a)第1の時点で、
パーキンソン病を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;
(b)工程(a)の第1の試料中の全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方を決定する工程;
および
(c)第1の時点後の第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程
を含み、第2の時点の全セラミドレベル
および全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方
のレベルが、第1の時点
のレベルと比較し
て上昇して
いることは、被検体の
パーキンソン病が改善または静止している
ことを示す、
前記方法。
【請求項13】
被検体における
パーキンソン病をモニタリングする方法であって:
(a)第1の時点で、
パーキンソン病を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;
(b)工程(a)の第1の試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程;
および
(c)第1の時点後の第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程
を含み、第2の時点のグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比が、第1の時点
のグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比と比較し
て上昇している
ことは、被検体の
パーキンソン病が改善または静止している
ことを示す、
前記方法。
【請求項14】
生体液は、血液、血清、血漿、または脳脊髄液を含む、請求項1~
13のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年3月25日に出願された米国特許仮出願第62/313,638号、および2016年8月9日に出願された米国特許仮出願第62/372,523号の優先権の利益を主張するものであり、参照によってそれぞれその全体を組み入れる。
【0002】
本発明は、分子医学および分子生物学の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
タンパク質症(プロテイノパチー、タンパク質コンフォメーション障害、またはタンパク質異常折りたたみ病としても知られる)は、タンパク質の異常なコンフォメーションおよび組織化により引き起こされる疾患のクラスである。このクラスの疾患として、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病およびクロイツフェルトヤコブ病を含む、40種類を超える障害が挙げられる。加齢、遺伝子突然変異、心臓血管疾患、教育、および脳損傷などの危険因子により、タンパク質症発症の可能性が高まることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、少なくとも部分的に、プロテイノパチーを有する被検体のスフィンゴ脂質レベルが上昇するという発見に基づいている。この発見に鑑みて、本明細書では、タンパク質症の処置の効能を決定する方法、被検体におけるタンパク質症を診断する方法、タンパク質症を発症する被検体の危険度を決定する方法、被検体におけるタンパク質症の段階を決定する方法、被検体におけるタンパク質症をモニタリングする方法、被検体に対するタンパク質症の処置を選択する方法、および被検体の生体液を含む試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定することを含む、臨床試験の被検体を選択する方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、タンパク質症を有する被検者におけるタンパク質症の処置の効能を決定する方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、ジヘキソシルセラミドC24:1;ジヘキソシルセラミドC24:0;ジヘキソシルセラミドC23:0;ジヘキソシルセラミドC22:0;ジヘキソシルセラミドC20:0;ジヘキソシルセラミドC18:0;ジヘキソシルセラミドC16:0;ラクトシルセラミドC24:1;ラクトシルセラミドC24:0;ラクトシルセラミドC23:0;ラクトシルセラミドC22:0;ラクトシルセラミドC20:0;ラクトシルセラミドC18:0;ラクトシルセラミドC16:0;セラミドC24:1;セラミドC24:0;セラミドC23:0;セラミドC22:0;セラミドC20:0;セラミドC18:0;セラミドC16:0;セラミドC14:0;グロボトリアオシルセラミドC24:1;グロボトリアオシルセラミドC24:0;グロボトリアオシルセラミドC23:0;グロボトリアオシルセラミドC22:0;グロボトリアオシルセラミドC20:0;グロボトリアオシルセラミドC18:0;グロボトリアオシルセラミドC16:0;ガラクトシルセラミドC24:1;ガラクトシルセラミドC24:0;ガラクトシルセラミドC23:0;ガラクトシルセラミドC22:0;ガラクトシルセラミドC20:0;ガラクトシルセラミドC18:0;ガラクトシルセラミドC16:0;グルコシルセラミドC24:1;グルコシルセラミドC24:0;グルコシルセラミドC23:0;グルコシルセラミドC22:0;グルコ
シルセラミドC20:0;グルコシルセラミドC18:0;グルコシルセラミドC16:0;およびグルコシルスフィンゴシンからなる群から選択される、工程;(c)タンパク質症に対する処置を被検体に投与する工程;(d)工程(c)の後に第2の時点で被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;ならびに(e)第1の時点と比較して第2の時点で少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが低下している場合に、投与処置が有効であると決定するか、投与処置が有効であるとして同定する工程を含む方法が提供される。
【0006】
これらの方法のいくつかの実施形態は:健常被検体に存在する少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルと比較しても、少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが低下している場合に、投与処置が有効であるとしてさらに同定する工程をさらに含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(d)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(d)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも2種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、第1の時点と比較して第2の時点で2つのレベルのうち少なくとも一方または両方が低下している場合に、投与処置が有効であるとして同定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(d)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも3種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、3つのレベルのうち少なくとも1つまたは3つ全てが、第1の時点と比較して第2の時点で低下している場合に、投与処置が有効であるとして同定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(d)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも4種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、4つのレベルのうち少なくとも1つまたは4つ全てが、第1の時点と比較して第2の時点で低下している場合に、投与処置が有効であるとして同定される。
【0007】
タンパク質症を有する被検者におけるタンパク質症の処置の効能を決定する方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、スフィンゴミエリンC24:1、スフィンゴミエリンC24:0、スフィンゴミエリンC23:0、スフィンゴミエリンC22:0、スフィンゴミエリンC20:0、スフィンゴミエリンC18:0、およびスフィンゴミエリンC16:0からなる群から選択される、工程;(c)タンパク質症に対する処置を被検体に投与する工程;(d)工程(c)の後に第2の時点で被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;および(e)少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが第1の時点と比較して第2の時点で上昇している場合に、投与処置が有効であるとして同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態において、本方法は:健常被検体に存在する少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルと比較しても、少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが上昇している場合に、投与処置が有効であるとしてさらに同定する工程をさらに含む。
【0008】
タンパク質症を有する被検者におけるタンパク質症の処置の効能を決定する方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つを決定する工程;(c)タンパク質症に対する処置を被検体に投与する工程;(d)工程(c)の後に第2の時点で被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;ならびに(e)全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つが、第1の時点と比較して第2の時点で低下している場合に、投与処置が有効であるとして同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態において、本方法は、全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つが健常被検体のレベルと比較しても低下している場合に、投与処置が有効であるとしてさらに同定する工程をさらに含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(d)は、全ガラクトシルセラミドレベルおよび全グルコシルセラミドレベルの一方または両方を決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(d)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの両方を決定する工程を含み、第1の時点と比較して第2の時点で、該レベルの一方または両方が低下している場合に、投与処置が有効であるとして同定される。
【0009】
本明細書では、タンパク質症を有する被検者におけるタンパク質症の処置の効能を決定する方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方を決定する工程;(c)タンパク質症に対する処置を被検体に投与する工程;(d)工程(c)の後に第2の時点で被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;ならびに(e)全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方が、第1の時点と比較して第2の時点で上昇している場合に、投与処置が有効であるとして同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態において、本方法は:全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方が、健常被
検体のレベルと比較しても上昇している場合に、投与処置が有効であるとしてさらに同定する工程をさらに含む。
【0010】
本明細書では、タンパク質症を有する被検者におけるタンパク質症の処置の効能を決定する方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程;(c)タンパク質症に対する処置を被検体に投与する工程;(d)工程(c)の後に第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;および(e)グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比が、第1の時点と比較して第2の時点で低下している場合に、投与処置が有効であるとして同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比が健常被検体の比と比較しても低下している場合に、投与処置が有効であるとして同定する工程をさらに含む。
【0011】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態において、被検者は、タンパク質症を有するとして以前に診断されている。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態において、第1の試料および第2の試料は、血液、血清、血漿、または脳脊髄液を含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態において、投与処置は、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤または組換え酵素の投与である。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤は、(i)エリグルスタット;(ii)ミグルスタット;(iii)キヌクリジン-3-イル(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバマート;(iv)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(v)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(4’-(2-メトキシエトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;ならびにこれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグの群から選択される。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、組換え酵素は、組換えグルコセレブロシダーゼ(例えば、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼ、またはタリグルセラーゼ)である。
【0012】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態は、(e)、(f)の後に、被検体に有効であるとして同定された投与処置の追加用量を投与する工程をさらに含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、有効であるとして同定された投与処置は、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤または組換え酵素であり、工程(f)において、被検体は、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤または組換え酵素の追加用量を投与される。これらの方法のいくつかの実施形態では、工程(f)において、被検体は、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤、例えば、エリグルスタット;ミグルスタット;キヌクリジン-3-イル(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;または(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(4’-(2-メトキシエトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;ならびに/またはそれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグの追加用量を投与される。これらの方法のいくつかの実施形態では、工程(f)において、被検体は、組換え酵素の追加用量を投与される。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、組換え酵素は、組換えグルコセレブロシダーゼ(例えば、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼ、またはタリグルセラーゼ)である。
【0013】
本明細書では、被検体におけるタンパク質症の診断方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、ジヘキソシルセラミドC24:1;ジヘキソシルセラミドC24:0;ジヘキソシルセラミドC23:0;ジヘキソシルセラミドC22:0;ジヘキソシルセラミドC20:0;ジヘキソシルセラミドC18:0;ジヘキソシルセラミドC16:0;ラクトシルセラミドC24:1;ラクトシルセラミドC24:0;ラクトシルセラミドC23:0;ラクトシルセラミドC22:0;ラクトシルセラミドC20:0;ラクトシルセラミドC18:0;ラクトシルセラミドC16:0;セラミドC24:1;セラミドC24:0;セラミドC23:0;セラミドC22:0;セラミドC20:0;セラミドC18:0;セラミドC16:0;セラミドC14:0;グロボトリアオシルセラミドC24:1;グロボトリアオシルセラミドC24:0;グロボトリアオシルセラミドC23:0;グロボトリアオシルセラミドC22:0;グロボトリアオシルセラミドC20:0;グロボトリアオシルセラミドC18:0;グロボトリアオシルセラミドC16:0;ガラクトシルセラミドC24:1;ガラクトシルセラミドC24:0;ガラクトシルセラミドC23:0;ガラクトシルセラミドC22:0;ガラクトシルセラミドC20:0;ガラクトシルセラミドC18:0;ガラクトシルセラミドC16:0;グルコシルセラミドC24:1;グルコシルセラミドC24:0;グルコシルセラミドC23:0;グルコシルセラミドC22:0;グルコシルセラミドC20:0;グルコシルセラミドC18:0;グルコシルセラミドC16:0;およびグルコシルスフィンゴシンからなる群から選択される、工程;ならびに(c)少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定する工程を含む方法が提供される。
【0014】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも2種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、2つのレベルのうち少なくとも1つが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定される。
【0015】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、両方のレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシ
ルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも3種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、3つのレベルのうち少なくとも1つが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定される。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、3つ全てのレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも4種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、4つのレベルのうち少なくとも1つが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、4つ全てのレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定される。
【0016】
被検体におけるタンパク質症の診断方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、スフィンゴミエリンC24:1、スフィンゴミエリンC24:0、スフィンゴミエリンC23:0、スフィンゴミエリンC22:0、スフィンゴミエリンC20:0、スフィンゴミエリンC18:0、およびスフィンゴミエリンC16:0からなる群から選択される、工程;ならびに(c)少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して低下している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定する工程を含む方法もまた提供される。
【0017】
本明細書では、被検体がタンパク質症を有しているとして診断する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つを決定する工程;ならびに(c)全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体がタンパク質症を有しているとして同定する工程を含む方法が提供される。
【0018】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルおよび全グルコシルセラミドレベルの一方または両方を決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの両方を決定する工程を含み、該レベルの一方または両方が、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定される。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、両方のレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定される。
【0019】
本明細書では、被検体がタンパク質症を有しているとして診断する方法であって:(a
)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方を決定する工程;ならびに(c)全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方が、対照レベルと比較して低下している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定する工程を含む方法が提供される。
【0020】
本明細書では、被検体がタンパク質症を有しているとして診断する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程;および(c)グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比が、対照比と比較して低下している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定する工程を含む方法が提供される。
【0021】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、試料は、血液、血清、血漿、または脳脊髄液を含む。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態は:被検体から得たゲノムDNAを含む試料におけるグルコセレブロシダーゼ(GBA)遺伝子の突然変異を検出する工程、およびGBA遺伝子の突然変異を有する被検体がタンパク質症を有しているとしてさらに同定する工程をさらに含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:V15L、C16S、Δ36T、F37V、E41K、G46E、R48W、L66P、K79N、A90T、S107L、N117D、I119T、R120W、R120Q、P122S、M123V、D127V、R131C、R131L、T134I、D140H、K156Q、P159T、P159L、R170C、R170P、P178S、P182L、N188S、G189V、A190T、A190E、G195W、L197F、K198E、G202R、M361I、F213I、F216Y、T231R、E233Stop、アミノ酸241と242との間のMの挿入、S237P、F251L、H255Q、D409H、R257Q、P266A、P266R、P266L、S271N、R285H、P289L、Y304C、Y304Stop、H311R、W312C、G325R、E326K、A341T、C342G、C342Y、V352L、R353G、G355D、R359Q、S364R、S364T、S366G、N370S、L371V、V375L、G377S、D380A、G389E、G390R、N392I、V394L、N396T、F397S、V398L、V398F、D399N、P401L、I402F、I402T、L444P、A456P、D409V、D409G、K413Q、Q414R、P415R、K425E、R433G、L444R、A446P、N462K、R463C、T491I、R496C、およびR496Hのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:S12I、アミノ酸13と14との間のSYの挿入、アミノ酸14におけるフレームシフト突然変異、L157Q、V460M、およびK416Qのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:K(-27)R、2(-4)X、G10S、V15M、C16S、D24N、G35S、S42N、T43I、R47X、R48W、R48Q、Q73X、K74X、V78A、M85T、L105R、S107L、F109V、E111K、G113E、G113A、I119S、V121A、P122L、M123T、T134P、Y135X、A136E、K157Q、K157N、I161N、I161S、H162P、R163X、Q169X、R170P、S173X、L174F、A176D、W179X、T180P、P182T、W184R、L185F、N188K、V191G、V191E、G195E、S196P、L197P、G202E、Y205C、W209R、A210V、Y212H、F213C、Y220C、E233X、E233D、G239V、G243V、Y244H、P245H、R257X、F259L、G265D、P266A、S271N、L279P、
R285C、K303I、Y304X、V305L、A309V、W312R、Y313H、D315H、A318D、P319A、T323I、L324P、G325W、R329C、F331S、L336P、C342R、W348G、G349K、Q350X、R353W、S356F、R359X、Y363C、S364N、S366N、S366T、T369M、N370K、W378G、W378X、D380N、D380H、W381X、N382K、L383R、L385P、P387L、E388X、P391L、W393R、W393L、V394L、R395C、R395P、V398I、D399Y、F411I、Y412H、Q414X、M416V、F417V、Y418C、R433S、H451R、L461P、N462S、R463P、D474Y、G478S、L480P、I489Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の挿入突然変異:84GG、122CC、c.153-154insTACAGC、155-156insACAGCT、D127X、500insT、c.8410842insTGA、1093-1094insG、1098insA、c.1122-1123insTG、c1326insT、c.1515_1516insAGTGAGGGCAAT、および1562-1585insのうち1つまたはそれ以上を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の欠失突然変異:c.42-65del24、72delC、203Cdel、del205-209ACCTT、c.222-224delTAC、del255-257GCG、c.330delA、344delA、c.533delC、534delT、595-596delCT、c.708delC、V214X、793delC、898delG、914Cdel、c.953delT、g5255delT、L354X、c.1214delGC、1324-1326delATT、c.1439-1445del7、1450del2、1447-1466del20 insTG、およびc.1510delT,C,Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下のスプライスジャンクション(splice junction)突然変異:IVS2+1G>A、IVS2+1G>T、IVS4+1G>A、IVS5+1G>T、g.4252C>G、g.4426A>G、IVS6-1G>C、g.5230G>A、IVS8+1、IVS8(-11delC)(-14T>A)、IVS9-3C>G、IVS10-1G>A R463Q、IVS10+2T>A、およびIVS10(+2)のうち1つまたはそれ以上である。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、IVS2+1突然変異を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:c.(-203)A>G+IVS4-2a>g、S448P、c.1379G>A c.1469A>G、g.7319T>C+g.7741T>C、c.203-204insC、RecTLのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、Rec1突然変異(L444P、A456P、およびV460M)を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。
【0022】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態は:酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち1種またはそれ以上のレベルをさらに検出する工程、ならびに酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち少なくとも1種のレベルが対照レベルと比較して低下している被検体が、タンパク質症を有しているとしてさらに同定する工程をさらに含む。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態は:工程(c)の後に:(d)タンパク質症を有しているとして同定された被検体に、タンパク質症に対する処置を投与する工程をさらに含む。
【0023】
これらの方法のいくつかの実施形態において、処置は、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤または組換え酵素を投与することである。これらの方法のいくつかの実施形態において、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤は、(i)エリグルスタット;(ii)ミグルスタット;(iii)キヌクリジン-3-イル(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(iv)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(v)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(4’-(2-メトキシエトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;ならびにこれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグからなる群から選択される。
【0024】
これらの方法のいくつかの実施形態において、処置は、組換え酵素を投与することを含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、組換え酵素は、組換えグルコセレブロシダーゼ、例えば、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼ、またはタリグルセラーゼである。
【0025】
本明細書では、被検体のタンパク質症発症の危険度を決定する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、ジヘキソシルセラミドC24:1;ジヘキソシルセラミドC24:0;ジヘキソシルセラミドC23:0;ジヘキソシルセラミドC22:0;ジヘキソシルセラミドC20:0;ジヘキソシルセラミドC18:0;ジヘキソシルセラミドC16:0;ラクトシルセラミドC24:1;ラクトシルセラミドC24:0;ラクトシルセラミドC23:0;ラクトシルセラミドC22:0;ラクトシルセラミドC20:0;ラクトシルセラミドC18:0;ラクトシルセラミドC16:0;セラミドC24:1;セラミドC24:0;セラミドC23:0;セラミドC22:0;セラミドC20:0;セラミドC18:0;セラミドC16:0;セラミドC14:0;グロボトリアオシルセラミドC24:1;グロボトリアオシルセラミドC24:0;グロボトリアオシルセラミドC23:0;グロボトリアオシルセラミドC22:0;グロボトリアオシルセラミドC20:0;グロボトリアオシルセラミドC18:0;グロボトリアオシルセラミドC16:0;ガラクトシルセラミドC24:1;ガラクトシルセラミドC24:0;ガラクトシルセラミドC23:0;ガラクトシルセラミドC22:0;ガラクトシルセラミドC20:0;ガラクトシルセラミドC18:0;ガラクトシルセラミドC16:0;グルコシルセラミドC24:1;グルコシルセラミドC24:0;グルコシルセラミドC23:0;グルコシルセラミドC22:0;グルコシルセラミドC20:0;グルコシルセラミドC18:0;グルコシルセラミドC16:0;およびグルコシルスフィンゴシンからなる群から選択される、工程;ならびに(c)少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して上昇している被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定する工程を含む方法が提供される。
【0026】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含む。
【0027】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも2種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、2つのレベルのうち少なくとも1つが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定される。
【0028】
これらの方法のいくつかの実施形態において、両方のレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定される。
【0029】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも3種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、3つのレベルのうち少なくとも1つが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定される。
【0030】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、3つ全てのレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定される。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも4種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、4つのレベルのうち少なくとも1つが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、4つ全てのレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定される。
【0031】
本明細書では、被検体のタンパク質症発症の危険度を決定する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、スフィンゴミエリンC24:1、スフィンゴミエリンC24:0、スフィンゴミエリンC23:0、スフィンゴミエリンC22:0、スフィンゴミエリンC20:0、スフィ
ンゴミエリンC18:0、およびスフィンゴミエリンC16:0からなる群から選択される、工程;ならびに(c)少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して低下している被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定する工程を含む方法が提供される。
【0032】
本明細書では、被検体のタンパク質症発症の危険度を決定する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つを決定する工程;(c)全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つのレベルが対照レベルと比較して上昇している被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定する工程を含む方法が提供される。
【0033】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの一方または両方を決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの両方を決定する工程を含み、該レベルの一方または両方が、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、両方のレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定される。
【0034】
本明細書では、被検体のタンパク質症発症の危険度を決定する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方を決定する工程;ならびに(c)全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方のレベルが、対照レベルと比較して低下している被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定する工程を含む方法が提供される。本明細書では、被検体のタンパク質症発症の危険度を決定する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程;および(c)グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比が、対照比と比較して上昇している被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定する工程を含む方法が提供される。
【0035】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、試料は、血液、血清、血漿、または脳脊髄液を含む。
【0036】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態は:被検体から得たゲノムDNAを含む試料におけるグルコセレブロシダーゼ(GBA)遺伝子の突然変異をさらに検出する工程、およびGBA遺伝子の突然変異を有する被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとしてさらに同定する工程をさらに含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:V15L、C16S、Δ36T、F37V、E41K、G46E、R48W、L66P、K79N、A90T、S107L、N117D、I119T、R120W、R120Q、P122S、M123V、D127V、R131C、R131L、T134I、D140H、K156Q、P159T、P159L、R170C、R170P、P178S、P182L、N188S、G189V、A190T、A190E、G195W、L197F、K198E、G202R、M361I、F213I、F216Y、T231R、E233Stop、アミノ酸241と242
との間のMの挿入、S237P、F251L、H255Q、D409H、R257Q、P266A、P266R、P266L、S271N、R285H、P289L、Y304C、Y304Stop、H311R、W312C、G325R、E326K、A341T、C342G、C342Y、V352L、R353G、G355D、R359Q、S364R、S364T、S366G、N370S、L371V、V375L、G377S、D380A、G389E、G390R、N392I、V394L、N396T、F397S、V398L、V398F、D399N、P401L、I402F、I402T、L444P、A456P、D409V、D409G、K413Q、Q414R、P415R、K425E、R433G、L444R、A446P、N462K、R463C、T491I、R496C、およびR496Hのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:S12I、アミノ酸13と14との間のSYの挿入、アミノ酸14におけるフレームシフト突然変異、L157Q、V460M、およびK416Qのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:K(-27)R、2(-4)X、G10S、V15M、C16S、D24N、G35S、S42N、T43I、R47X、R48W、R48Q、Q73X、K74X、V78A、M85T、L105R、S107L、F109V、E111K、G113E、G113A、I119S、V121A、P122L、M123T、T134P、Y135X、A136E、K157Q、K157N、I161N、I161S、H162P、R163X、Q169X、R170P、S173X、L174F、A176D、W179X、T180P、P182T、W184R、L185F、N188K、V191G、V191E、G195E、S196P、L197P、G202E、Y205C、W209R、A210V、Y212H、F213C、Y220C、E233X、E233D、G239V、G243V、Y244H、P245H、R257X、F259L、G265D、P266A、S271N、L279P、R285C、K303I、Y304X、V305L、A309V、W312R、Y313H、D315H、A318D、P319A、T323I、L324P、G325W、R329C、F331S、L336P、C342R、W348G、G349K、Q350X、R353W、S356F、R359X、Y363C、S364N、S366N、S366T、T369M、N370K、W378G、W378X、D380N、D380H、W381X、N382K、L383R、L385P、P387L、E388X、P391L、W393R、W393L、V394L、R395C、R395P、V398I、D399Y、F411I、Y412H、Q414X、M416V、F417V、Y418C、R433S、H451R、L461P、N462S、R463P、D474Y、G478S、L480P、I489Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の挿入突然変異:84GG、122CC、c.153-154insTACAGC、155-156insACAGCT、D127X、500insT、c.8410842insTGA、1093-1094insG、1098insA、c.1122-1123insTG、c1326insT、c.1515_1516insAGTGAGGGCAAT、および1562-1585insのうち1つまたはそれ以上を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の欠失突然変異:c.42-65del24、72delC、203Cdel、del205-209ACCTT、c.222-224delTAC、del255-257GCG、c.330delA、344delA、c.533delC、534delT、595-596delCT、c.708delC、V214X、793delC、898delG、914Cdel、c.953delT、g5255delT、L354X、c.1214delGC、1324-1326delATT、c.1439-1445del7、1450del2、1447-1466del20 insTG、およびc.1510delT,C,Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法の
いくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下のスプライスジャンクション(splice junction)突然変異:IVS2+1G>A、IVS2+1G>T、IVS4+1G>A、IVS5+1G>T、g.4252C>G、g.4426A>G、IVS6-1G>C、g.5230G>A、IVS8+1、IVS8(-11delC)(-14T>A)、IVS9-3C>G、IVS10-1G>A R463Q、IVS10+2T>A、およびIVS10(+2)のうち1つまたはそれ以上である。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、IVS2+1突然変異を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:c.(-203)A>G+IVS4-2a>g、S448P、c.1379G>A c.1469A>G、g.7319T>C+g.7741T>C、c.203-204insC、RecTLのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、Rec1突然変異(L444P、A456P、およびV460M)を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。
【0037】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態は:酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち1種またはそれ以上のレベルをさらに検出する工程、ならびに酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち少なくとも1種のレベルが対照レベルと比較して低下している被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとしてさらに同定する工程をさらに含む。これらの方法のいくつかの実施形態は、工程(c)の後に:(d)タンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定された被検体に、タンパク質症に対する処置を投与する工程をさらに含む。
【0038】
これらの方法のいくつかの実施形態において、処置は、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤または組換え酵素を投与することである。いくつかの実施形態において、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤は、(i)エリグルスタット;(ii)ミグルスタット;(iii)キヌクリジン-3-イル(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(iv)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(v)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(4’-(2-メトキシエトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;ならびにこれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグからなる群から選択される。
【0039】
これらの方法のいくつかの実施形態において、処置は、組換え酵素、例えば、組換えグルコセレブロシダーゼを投与することである。これらの方法のいくつかの実施形態において、組換えグルコセレブロシダーゼは、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼ、およびタリグルセラーゼからなる群から選択される。
【0040】
本明細書では、被検体のタンパク質症の段階を決定する方法であって:(a)タンパク質症を有すると疑われるかタンパク質症を有するとして同定された被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、ジヘキソシルセラミドC24:1;ジヘキソシルセラミドC24:0;ジヘキソシルセラミドC23:0;ジヘキソシルセラミドC22:0;ジヘキソシルセラミドC20:0;ジヘキソシルセラミドC18:0;ジヘキソシルセラミドC16:0;ラクトシルセラミドC24:1;ラクトシルセラミドC24:0;ラクトシルセラミドC23:0;ラクトシルセラミドC22:0;ラクトシルセラミドC20:0;ラクトシルセラミドC18:0;ラクトシル
セラミドC16:0;セラミドC24:1;セラミドC24:0;セラミドC23:0;セラミドC22:0;セラミドC20:0;セラミドC18:0;セラミドC16:0;セラミドC14:0;グロボトリアオシルセラミドC24:1;グロボトリアオシルセラミドC24:0;グロボトリアオシルセラミドC23:0;グロボトリアオシルセラミドC22:0;グロボトリアオシルセラミドC20:0;グロボトリアオシルセラミドC18:0;グロボトリアオシルセラミドC16:0;スフィンゴミエリンC24:1;スフィンゴミエリンC24:0;スフィンゴミエリンC23:0;スフィンゴミエリンC22:0;スフィンゴミエリンC20:0;スフィンゴミエリンC18:0;スフィンゴミエリンC16:0;ガラクトシルセラミドC24:1;ガラクトシルセラミドC24:0;ガラクトシルセラミドC23:0;ガラクトシルセラミドC22:0;ガラクトシルセラミドC20:0;ガラクトシルセラミドC18:0;ガラクトシルセラミドC16:0;グルコシルセラミドC24:1;グルコシルセラミドC24:0;グルコシルセラミドC23:0;グルコシルセラミドC22:0;グルコシルセラミドC20:0;グルコシルセラミドC18:0;グルコシルセラミドC16:0;およびグルコシルスフィンゴシンからなる群から選択される、工程;ならびに(c)少なくとも1つのレベルから被検体のタンパク質症の段階を決定する工程を含む方法が提供される。
【0041】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、スフィンゴミエリンC24:0、スフィンゴミエリンC24:1、スフィンゴミエリンC23:0、スフィンゴミエリンC22:0、スフィンゴミエリンC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含む。
【0042】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、スフィンゴミエリンC24:0、スフィンゴミエリンC24:1、スフィンゴミエリンC23:0、スフィンゴミエリンC22:0、スフィンゴミエリンC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも2種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、被検体のタンパク質症の段階が、2つのレベルのうち少なくとも1つから決定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、被検体のタンパク質症の段階が、両方のレベルから決定される。
【0043】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、スフィンゴミエリンC24:0、スフィンゴミエリンC24:1、スフィンゴミエリンC23:0、スフィンゴミエリンC22:0、スフィンゴミエリンC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラ
ミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも3種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、被検体のタンパク質症の段階が、3つのレベルのうち少なくとも1つから決定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、被検体のタンパク質症の段階が、3つ全てのレベルから決定される。
【0044】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、スフィンゴミエリンC24:0、スフィンゴミエリンC24:1、スフィンゴミエリンC23:0、スフィンゴミエリンC22:0、スフィンゴミエリンC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも4種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、被検体のタンパク質症の段階が、4つのレベルのうち少なくとも1つから決定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、被検体のタンパク質症の段階が、4つ全てのレベルから決定される。
【0045】
本明細書では、被検体のタンパク質症の段階を決定する方法であって:(a)タンパク質症を有すると疑われるかタンパク質症を有するとして同定された被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全セラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つを決定する工程;ならびに(c)全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全セラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つから被検体のタンパク質症の段階を決定する工程を含む方法が提供される。
【0046】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、工程(b)は、全セラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、および全グルコシルセラミドレベルのうち少なくとも1つを決定する工程を含む。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、工程(b)は、全セラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、および全グルコシルセラミドレベルのうち少なくとも2つを決定する工程を含み、被検体のタンパク質症の段階が、2つのレベルのうち少なくとも1つのレベルから決定される。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、被検体のタンパク質症の段階が、両方のレベルから決定される。
【0047】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全セラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、および全グルコシルセラミドレベルのうち少なくとも3つを決定する工程を含み、被検体のタンパク質症の段階が、3つのレベルのうち少なくとも1つから決定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、被検体のタンパク質症の段階が、3つ全てのレベルから決定される。
【0048】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、工程(b)は、全セラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、および全グルコシ
ルセラミドレベルを決定する工程を含み、被検体のタンパク質症の段階が、4つのレベルのうち少なくとも1つから決定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、被検体のタンパク質症の段階が、4つ全てのレベルから決定される。
【0049】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、試料は、血液、血清、血漿、または脳脊髄液を含む。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態は:工程(c)の後に:(d)タンパク質症の段階I、段階II、段階III、段階IV、または段階Vを有するとして同定された被検体に、それぞれタンパク質症の段階I、段階II、段階III、段階IV、または段階Vに対する処置を投与する工程をさらに含む。
【0050】
本明細書では、被検体におけるタンパク質症をモニタリングする方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、ジヘキソシルセラミドC24:1;ジヘキソシルセラミドC24:0;ジヘキソシルセラミドC23:0;ジヘキソシルセラミドC22:0;ジヘキソシルセラミドC20:0;ジヘキソシルセラミドC18:0;ジヘキソシルセラミドC16:0;ラクトシルセラミドC24:1;ラクトシルセラミドC24:0;ラクトシルセラミドC23:0;ラクトシルセラミドC22:0;ラクトシルセラミドC20:0;ラクトシルセラミドC18:0;ラクトシルセラミドC16:0;セラミドC24:1;セラミドC24:0;セラミドC23:0;セラミドC22:0;セラミドC20:0;セラミドC18:0;セラミドC16:0;セラミドC14:0;グロボトリアオシルセラミドC24:1;グロボトリアオシルセラミドC24:0;グロボトリアオシルセラミドC23:0;グロボトリアオシルセラミドC22:0;グロボトリアオシルセラミドC20:0;グロボトリアオシルセラミドC18:0;グロボトリアオシルセラミドC16:0;ガラクトシルセラミドC24:1;ガラクトシルセラミドC24:0;ガラクトシルセラミドC23:0;ガラクトシルセラミドC22:0;ガラクトシルセラミドC20:0;ガラクトシルセラミドC18:0;ガラクトシルセラミドC16:0;グルコシルセラミドC24:1;グルコシルセラミドC24:0;グルコシルセラミドC23:0;グルコシルセラミドC22:0;グルコシルセラミドC20:0;グルコシルセラミドC18:0;グルコシルセラミドC16:0;およびグルコシルスフィンゴシンからなる群から選択される、工程;(c)第1の時点後の第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;および(d)該レベルが、第1の時点のレベルと比較して第2の時点で上昇していない場合に、被検体のタンパク質症が改善または静止していると同定する工程を含む方法が提供される。
【0051】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(c)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含む。
【0052】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(c)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラク
トシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも2種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、2つのレベルのうち少なくとも1つが、第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない場合に、被検体のタンパク質症は改善または静止していると同定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、両方のレベルが第1の時点と比較して第2の時点で上昇している場合に、被検体のタンパク質症は改善または静止していると同定される。
【0053】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(c)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも3種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、3つのレベルのうち少なくとも1つが、第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない場合に、被検体のタンパク質症は改善または静止していると同定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、3つ全てのレベルが第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない場合に、被検体のタンパク質症は改善または静止していると同定される。
【0054】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(c)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも4種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、4つのレベルのうち少なくとも1つが、第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない場合に、被検体のタンパク質症は改善または静止していると同定される。
【0055】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、4つ全てのレベルが第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない場合に、被検体のタンパク質症は改善または静止していると同定される。
【0056】
本明細書では、被検体におけるタンパク質症をモニタリングする方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、スフィンゴミエリンC24:1;スフィンゴミエリンC24:0;スフィンゴミエリンC23:0;スフィンゴミエリンC22:0;スフィンゴミエリンC20:0;スフィンゴミエリンC18:0;およびスフィンゴミエリンC16:0からなる群から選択される、工程;(c)第1の時点後の第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;および(d)該レベルが、第1の時点のレベルと比較して第2の時点で上昇している場合に、被検体のタンパク質症が改善または静止していると同定する工程を
含む方法が提供される。
【0057】
本明細書では、被検体におけるタンパク質症をモニタリングする方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つを決定する工程;(c)第1の時点後の第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;および(d)全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つが、第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない場合に、被検体のタンパク質症が改善または静止していると同定する工程を含む方法が提供される。
【0058】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(c)は、全ガラクトシルセラミドレベルおよび全グルコシルセラミドレベルの一方または両方を決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(c)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの両方を決定する工程を含み、一方または両方が第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない場合に、被検体のタンパク質症は改善または静止していると同定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、両方のレベルが第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない場合に、被検体のタンパク質症は改善または静止していると同定される。
【0059】
本明細書では、被検体におけるタンパク質症をモニタリングする方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方を決定する工程;(c)第1の時点後の第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;ならびに(d)全セラミドレベルと全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方が、第1の時点と比較して第2の時点で上昇している場合に、被検体のタンパク質症が改善または静止していると同定する工程を含む方法が提供される。
【0060】
本明細書では、被検体におけるタンパク質症をモニタリングする方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程;(c)第1の時点後の第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;および(d)グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比が、第1の時点と比較して第2の時点で上昇している場合に、被検体のタンパク質症が改善または静止していると同定する工程を含む方法が提供される。
【0061】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、第1の試料および第2の試料は、血液、血漿、血清、または脳脊髄液を含む。
【0062】
本明細書では、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、ジヘキソシルセラミドC24:1;ジヘキソシルセラミドC24:0;ジヘキソシルセラミドC23:0;ジヘキソシルセラミドC22:0;ジヘキソシルセラミドC
20:0;ジヘキソシルセラミドC18:0;ジヘキソシルセラミドC16:0;ラクトシルセラミドC24:1;ラクトシルセラミドC24:0;ラクトシルセラミドC23:0;ラクトシルセラミドC22:0;ラクトシルセラミドC20:0;ラクトシルセラミドC18:0;ラクトシルセラミドC16:0;セラミドC24:1;セラミドC24:0;セラミドC23:0;セラミドC22:0;セラミドC20:0;セラミドC18:0;セラミドC16:0;セラミドC14:0;グロボトリアオシルセラミドC24:1;グロボトリアオシルセラミドC24:0;グロボトリアオシルセラミドC23:0;グロボトリアオシルセラミドC22:0;グロボトリアオシルセラミドC20:0;グロボトリアオシルセラミドC18:0;グロボトリアオシルセラミドC16:0;ガラクトシルセラミドC24:1;ガラクトシルセラミドC24:0;ガラクトシルセラミドC23:0;ガラクトシルセラミドC22:0;ガラクトシルセラミドC20:0;ガラクトシルセラミドC18:0;ガラクトシルセラミドC16:0;グルコシルセラミドC24:1;グルコシルセラミドC24:0;グルコシルセラミドC23:0;グルコシルセラミドC22:0;グルコシルセラミドC20:0;グルコシルセラミドC18:0;グルコシルセラミドC16:0;およびグルコシルスフィンゴシンからなる群から選択される、工程;ならびに(c)少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する工程を含む方法が提供される。
【0063】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含む。
【0064】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも2種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、2つのレベルのうち少なくとも1つが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置が選択される。これらの方法のいくつかの実施形態において、両方のレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置が選択される。
【0065】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも3種のスフィンゴ
脂質のレベルを検出する工程を含み、3つのレベルのうち少なくとも1つが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置が選択される。これらの方法のいくつかの実施形態において、3つ全てのレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置が選択される。
【0066】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも4種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、4つのレベルのうち少なくとも1つが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置が選択される。これらの方法のいくつかの実施形態において、4つ全てのレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置が選択される。
【0067】
本明細書では、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、スフィンゴミエリンC24:1;スフィンゴミエリンC24:0;スフィンゴミエリンC23:0;スフィンゴミエリンC22:0;スフィンゴミエリンC20:0;スフィンゴミエリンC18:0;およびスフィンゴミエリンC16:0からなる群から選択される、工程;ならびに(c)少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して低下している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する工程を含む方法が提供される。
【0068】
本明細書では、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つを決定する工程;(c)全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する工程を含む方法が提供される。
【0069】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの一方または両方を決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの両方を決定する工程を含み、該レベルの一方または両方が、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置が選択される。これらの方法のいくつかの実施形態において、両方のレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置が選択される。
【0070】
本明細書では、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方を決定する工程;(c
)全セラミドレベルと全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方が、対照レベルと比較して低下している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する工程を含む方法が提供される。
【0071】
本明細書では、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程;(c)グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比が、対照比と比較して低下している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する工程を含む方法が提供される。
【0072】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、試料は、血液、血清、血漿、または脳脊髄液を含む。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態は:被検体から得たゲノムDNAを含む試料におけるグルコセレブロシダーゼ(GBA)遺伝子の突然変異をさらに検出する工程、およびGBA遺伝子の突然変異を有する被検体についてタンパク質症に対する処置をさらに選択する工程をさらに含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:V15L、C16S、Δ36T、F37V、E41K、G46E、R48W、L66P、K79N、A90T、S107L、N117D、I119T、R120W、R120Q、P122S、M123V、D127V、R131C、R131L、T134I、D140H、K156Q、P159T、P159L、R170C、R170P、P178S、P182L、N188S、G189V、A190T、A190E、G195W、L197F、K198E、G202R、M361I、F213I、F216Y、T231R、E233Stop、アミノ酸241と242との間のMの挿入、S237P、F251L、H255Q、D409H、R257Q、P266A、P266R、P266L、S271N、R285H、P289L、Y304C、Y304Stop、H311R、W312C、G325R、E326K、A341T、C342G、C342Y、V352L、R353G、G355D、R359Q、S364R、S364T、S366G、N370S、L371V、V375L、G377S、D380A、G389E、G390R、N392I、V394L、N396T、F397S、V398L、V398F、D399N、P401L、I402F、I402T、L444P、A456P、D409V、D409G、K413Q、Q414R、P415R、K425E、R433G、L444R、A446P、N462K、R463C、T491I、R496C、およびR496Hのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:S12I、アミノ酸13と14との間のSYの挿入、アミノ酸14におけるフレームシフト突然変異、L157Q、V460M、およびK416Qのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:K(-27)R、2(-4)X、G10S、V15M、C16S、D24N、G35S、S42N、T43I、R47X、R48W、R48Q、Q73X、K74X、V78A、M85T、L105R、S107L、F109V、E111K、G113E、G113A、I119S、V121A、P122L、M123T、T134P、Y135X、A136E、K157Q、K157N、I161N、I161S、H162P、R163X、Q169X、R170P、S173X、L174F、A176D、W179X、T180P、P182T、W184R、L185F、N188K、V191G、V191E、G195E、S196P、L197P、G202E、Y205C、W209R、A210V、Y212H、F213C、Y220C、E233X、E233D、G239V、G243V、Y244H、P245H、R257X、F259L、G265D、P266A、S271N、L279P、R285C、K303I、Y304X、V305L、A309V、W312R、Y313H、D315H、A318D、P319A、T323I、L324P、G325
W、R329C、F331S、L336P、C342R、W348G、G349K、Q350X、R353W、S356F、R359X、Y363C、S364N、S366N、S366T、T369M、N370K、W378G、W378X、D380N、D380H、W381X、N382K、L383R、L385P、P387L、E388X、P391L、W393R、W393L、V394L、R395C、R395P、V398I、D399Y、F411I、Y412H、Q414X、M416V、F417V、Y418C、R433S、H451R、L461P、N462S、R463P、D474Y、G478S、L480P、I489Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の挿入突然変異:84GG、122CC、c.153-154insTACAGC、155-156insACAGCT、D127X、500insT、c.8410842insTGA、1093-1094insG、1098insA、c.1122-1123insTG、c1326insT、c.1515_1516insAGTGAGGGCAAT、および1562-1585insのうち1つまたはそれ以上を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の欠失突然変異:c.42-65del24、72delC、203Cdel、del205-209ACCTT、c.222-224delTAC、del255-257GCG、c.330delA、344delA、c.533delC、534delT、595-596delCT、c.708delC、V214X、793delC、898delG、914Cdel、c.953delT、g5255delT、L354X、c.1214delGC、1324-1326delATT、c.1439-1445del7、1450del2、1447-1466del20 insTG、およびc.1510delT,C,Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下のスプライスジャンクション(splice junction)突然変異:IVS2+1G>A、IVS2+1G>T、IVS4+1G>A、IVS5+1G>T、g.4252C>G、g.4426A>G、IVS6-1G>C、g.5230G>A、IVS8+1、IVS8(-11delC)(-14T>A)、IVS9-3C>G、IVS10-1G>A R463Q、IVS10+2T>A、およびIVS10(+2)のうち1つまたはそれ以上である。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、IVS2+1突然変異を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:c.(-203)A>G+IVS4-2a>g、S448P、c.1379G>A c.1469A>G、g.7319T>C+g.7741T>C、c.203-204insC、RecTLのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、Rec1突然変異(L444P、A456P、およびV460M)を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。
【0073】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態は:酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち1種またはそれ以上のレベルをさらに検出する工程、ならびに酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち少なくとも1種のレベルが対照レベルと比較して低下している被検体についてタンパク質症に対する処置をさらに選択する工程をさらに含む。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態は:工程(c)の後に:(d)選択された処置を被検体に投与する工程をさらに含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、選択される処置は、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤または組換え酵素である。これらの方法のいくつかの実施形態において、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤は、(i)エリグルスタット;(ii)ミグルスタット;(iii)キヌクリジン-3
-イル(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(iv)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(v)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(4’-(2-メトキシエトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4yl)プロパン-2-イル)カルバメート;ならびにこれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグからなる群から選択される。これらの方法のいくつかの実施形態において、処置は、組換え酵素を投与することである。これらの方法のいくつかの実施形態において、組換え酵素は、組換えグルコセレブロシダーゼ、例えば、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼ、またはタリグルセラーゼである。
【0074】
本明細書では、タンパク質症に対する処置の投与を含む臨床試験の被検体を選択する方法であって、(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、ジヘキソシルセラミドC24:1;ジヘキソシルセラミドC24:0;ジヘキソシルセラミドC23:0;ジヘキソシルセラミドC22:0;ジヘキソシルセラミドC20:0;ジヘキソシルセラミドC18:0;ジヘキソシルセラミドC16:0;ラクトシルセラミドC24:1;ラクトシルセラミドC24:0;ラクトシルセラミドC23:0;ラクトシルセラミドC22:0;ラクトシルセラミドC20:0;ラクトシルセラミドC18:0;ラクトシルセラミドC16:0;セラミドC24:1;セラミドC24:0;セラミドC23:0;セラミドC22:0;セラミドC20:0;セラミドC18:0;セラミドC16:0;セラミドC14:0;グロボトリアオシルセラミドC24:1;グロボトリアオシルセラミドC24:0;グロボトリアオシルセラミドC23:0;グロボトリアオシルセラミドC22:0;グロボトリアオシルセラミドC20:0;グロボトリアオシルセラミドC18:0;グロボトリアオシルセラミドC16:0;ガラクトシルセラミドC24:1;ガラクトシルセラミドC24:0;ガラクトシルセラミドC23:0;ガラクトシルセラミドC22:0;ガラクトシルセラミドC20:0;ガラクトシルセラミドC18:0;ガラクトシルセラミドC16:0;グルコシルセラミドC24:1;グルコシルセラミドC24:0;グルコシルセラミドC23:0;グルコシルセラミドC22:0;グルコシルセラミドC20:0;グルコシルセラミドC18:0;グルコシルセラミドC16:0;およびグルコシルスフィンゴシンからなる群から選択される、工程;ならびに(c)少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体を選択する工程を含む方法が提供される。
【0075】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含む。
【0076】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22
:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも2種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、2つのレベルのうち少なくとも1つが、対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体が選択される。これらの方法のいくつかの実施形態において、両方のレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体が選択される。
【0077】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも3種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、3つのレベルのうち少なくとも1つが、対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体が選択される。これらの方法のいくつかの実施形態において、3つ全てのレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体が選択される。
【0078】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0からなる群から選択される少なくとも4種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、4つのレベルのうち少なくとも1つが、対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体が選択される。これらの方法のいくつかの実施形態において、4つ全てのレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体が選択される。
【0079】
本明細書では、タンパク質症に対する処置の投与を含む臨床試験の被検体を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、スフィンゴミエリンC24:1;スフィンゴミエリンC24:0;スフィンゴミエリンC23:0;スフィンゴミエリンC22:0;スフィンゴミエリンC20:0;スフィンゴミエリンC18:0;およびスフィンゴミエリンC16:0からなる群から選択される、工程;ならびに(c)少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して低下している場合に、臨床試験に参加させるために被検体を選択する工程を含む方法が提供される。
【0080】
本明細書では、タンパク質症に対する処置の投与を含む臨床試験の被検体を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つを決定する工程;(c)全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホ
スファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つが、対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体を選択する工程を含む方法が提供される。
【0081】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルおよび全グルコシルセラミドレベルの一方または両方を決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの両方を決定する工程を含み、該レベルの一方または両方が、対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体が選択される。これらの方法のいくつかの実施形態において、両方のレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体が選択される。
【0082】
本明細書では、タンパク質症に対する処置の投与を含む臨床試験の被検体を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方を決定する工程;ならびに(c)全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方が、対照レベルと比較して低下している場合に、臨床試験に参加させるために被検体を選択する工程を含む方法が提供される。
【0083】
本明細書では、タンパク質症に対する処置の投与を含む臨床試験の被検体を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程;およびc)グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比が、対照比と比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体を選択する工程を含む方法が提供される。
【0084】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、試料は、血液、血清、血漿、または脳脊髄液を含む。
【0085】
これらの方法のいくつかの実施形態は:被検体から得たゲノムDNAを含む試料におけるグルコセレブロシダーゼ(GBA)遺伝子の突然変異をさらに検出する工程、および臨床試験に参加させるために、GBA遺伝子の突然変異を有する被検体をさらに選択する工程をさらに含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:V15L、C16S、Δ36T、F37V、E41K、G46E、R48W、L66P、K79N、A90T、S107L、N117D、I119T、R120W、R120Q、P122S、M123V、D127V、R131C、R131L、T134I、D140H、K156Q、P159T、P159L、R170C、R170P、P178S、P182L、N188S、G189V、A190T、A190E、G195W、L197F、K198E、G202R、M361I、F213I、F216Y、T231R、E233Stop、アミノ酸241と242との間のMの挿入、S237P、F251L、H255Q、D409H、R257Q、P266A、P266R、P266L、S271N、R285H、P289L、Y304C、Y304Stop、H311R、W312C、G325R、E326K、A341T、C342G、C342Y、V352L、R353G、G355D、R359Q、S364R、S364T、S366G、N370S、L371V、V375L、G377S、D380A、G389E、G390R、N392I、V394L、N396T、F397S、V398L、V398F、D399N、P401L、I402F、I402T、L444P、A456P、D409V、D409G、K413Q、Q414R、P415R、K425E、R433G、L444R、A446P、N462K、R463C、T491I、R496C、およびR496Hのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:S12I
、アミノ酸13と14との間のSYの挿入、アミノ酸14におけるフレームシフト突然変異、L157Q、V460M、およびK416Qのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:K(-27)R、2(-4)X、G10S、V15M、C16S、D24N、G35S、S42N、T43I、R47X、R48W、R48Q、Q73X、K74X、V78A、M85T、L105R、S107L、F109V、E111K、G113E、G113A、I119S、V121A、P122L、M123T、T134P、Y135X、A136E、K157Q、K157N、I161N、I161S、H162P、R163X、Q169X、R170P、S173X、L174F、A176D、W179X、T180P、P182T、W184R、L185F、N188K、V191G、V191E、G195E、S196P、L197P、G202E、Y205C、W209R、A210V、Y212H、F213C、Y220C、E233X、E233D、G239V、G243V、Y244H、P245H、R257X、F259L、G265D、P266A、S271N、L279P、R285C、K303I、Y304X、V305L、A309V、W312R、Y313H、D315H、A318D、P319A、T323I、L324P、G325W、R329C、F331S、L336P、C342R、W348G、G349K、Q350X、R353W、S356F、R359X、Y363C、S364N、S366N、S366T、T369M、N370K、W378G、W378X、D380N、D380H、W381X、N382K、L383R、L385P、P387L、E388X、P391L、W393R、W393L、V394L、R395C、R395P、V398I、D399Y、F411I、Y412H、Q414X、M416V、F417V、Y418C、R433S、H451R、L461P、N462S、R463P、D474Y、G478S、L480P、I489Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の挿入突然変異:84GG、122CC、c.153-154insTACAGC、155-156insACAGCT、D127X、500insT、c.8410842insTGA、1093-1094insG、1098insA、c.1122-1123insTG、c1326insT、c.1515_1516ins AGTGAGGGCAAT、および1562-1585insのうち1つまたはそれ以上を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の欠失突然変異:c.42-65del24、72delC、203Cdel、del205-209ACCTT、c.222-224delTAC、del255-257GCG、c.330delA、344delA、c.533delC、534delT、595-596delCT、c.708delC、V214X、793delC、898delG、914Cdel、c.953delT、g5255delT、L354X、c.1214delGC、1324-1326delATT、c.1439-1445del7、1450del2、1447-1466del20 insTG、およびc.1510delT,C,Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下のスプライスジャンクション(splice junction)突然変異:IVS2+1G>A、IVS2+1G>T、IVS4+1G>A、IVS5+1G>T、g.4252C>G、g.4426A>G、IVS6-1G>C、g.5230G>A、IVS8+1、IVS8(-11delC)(-14T>A)、IVS9-3C>G、IVS10-1G>A R463Q、IVS10+2T>A、およびIVS10(+2)のうち1つまたはそれ以上である。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、IVS2+1突然変異を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:c.(-203)A>G+IVS4-2a>g、S448P、c.1379G>A c.1469A>G、g.7319T>C+g.7741T>C、c.203-204insC、RecTLのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これら
の方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、Rec1突然変異(L444P、A456P、およびV460M)を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。
【0086】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態は:酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち1種またはそれ以上のレベルをさらに検出する工程、ならびに酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち少なくとも1種のレベルが対照レベルと比較して低下している被検体を、臨床試験に参加させるために、さらに選択する工程をさらに含む。
【0087】
これらの方法のいくつかの実施形態において、タンパク質症に対する処置は、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤または組換え酵素を投与することである。これらの方法のいくつかの実施形態において、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤は、(i)エリグルスタット;(ii)ミグルスタット;(iii)キヌクリジン-3-イル(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(iv)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(v)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(4’-(2-メトキシエトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;ならびにこれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグからなる群から選択される。
【0088】
これらの方法のいくつかの実施形態において、処置は、組換え酵素を投与することである。これらの方法のいくつかの実施形態において、組換え酵素は、組換えグルコセレブロシダーゼ、例えば、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼ、またはタリグルセラーゼである。
【0089】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、タンパク質症はシヌクレイノパチーである。これらの方法のいくつかの実施形態において、シヌクレイノパチーはパーキンソン病である。
【0090】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、タンパク質症は、軽度認知障害、アルツハイマー病、レヴィ小体認知症、多系統萎縮症、脳β-アミロイド血管症、網膜神経節細胞変性、プリオン病、タウ異常症、前頭側頭葉変性症、FTLD-FUS、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、家族性イギリス型認知症、家族性デンマーク型認知症、遺伝性脳出血アミロイドーシス、CADASIL、アレキサンダー病、セイピノパチー(seipinopathy)、家族性アミロイドニューロパチー、セルピノパチー(serpinopathy)、AL(L鎖)アミロイドーシス、AA(二次性)アミロイドーシス、II型糖尿病、大動脈中膜アミロイドーシス(aortic medial amyloidosis)、ApoAIアミロイドーシス、ApoAIIアミロイドーシス、ApoAIVアミロイドーシス、フィンランド型家族性アミロイドーシス(FAF)、リゾチームアミロイドーシス、フィブリノゲンアミロイドーシス、透析アミロイドーシス、封入体筋炎/ミオパチー、白内障、ロドプシン突然変異を伴う色素性網膜炎、甲状腺髄様癌、心房性アミロイドーシス、下垂体プロラクチノーマ、遺伝性格子状角膜ジストロフィー、皮膚苔癬アミロイドーシス、マロリー小体、角膜ラクトフェリンアミロイドーシス、肺胞タンパク症、歯原性(ピンボリー)腫瘍アミロイド、精嚢アミロイド、嚢胞性線維症、鎌状赤血球症、重症疾患ミオパチー(CIM)からなる群から選択される。
【0091】
本明細書で使用するとき、名詞の前の語「a」は、特定の名詞の1つまたはそれ以上を表す。例えば、「スフィンゴ脂質(a sphingolipid)」という語句は、「1種またはそれ以上のスフィンゴ脂質」を表す。
【0092】
用語「被検体」は、ヒト、家畜、および飼育動物、野生動物または愛玩動物、例えば、マウス、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ(例えば、競走馬)、高等霊長類を含む、哺乳綱の任意の構成群を含む、脊椎動物を意味する。いくつかの実施形態において、被検体はヒトである。
【0093】
用語「生物学的液体」は、哺乳動物被検体から得た任意の流体(例えば、血液、血漿、血清または他の血液画分、リンパ、尿、脳脊髄液、腹水、唾液、母乳、涙、膣帯下、羊水、洗浄液、精液、腺分泌液、滲出液、および嚢胞または糞便の内容物)を意味する。いくつかの実施形態において、生体液は、血液、血清または血漿である。いくつかの実施形態において、生体液は、脳脊髄液である。
【0094】
語句「脂質に関して試料を富化する」は、当該技術分野において公知であり、脂質の濃度を増加させるための試料の1つまたはそれ以上の操作を意味する。脂質に関して試料を富化する工程は、例えば、以下の工程:試料を遠心分離して特定の物質を除去する工程、および1種またはそれ以上の有機溶媒(例えば、実施例の節に記載した例示的溶媒のいずれか)を使用して脂質を抽出する工程のうち一方または両方を含む。脂質に関して試料を富化する例示的方法は本明細書に記載されており、追加の方法は当該技術分野において公知である。
【0095】
用語「薬学的に許容される賦形剤」は、リン酸緩衝生理食塩水溶液、水、およびエマルション、例えば油/水または水/油エマルション、および各種湿潤剤などの基剤を含む、標準的な製薬賦形剤のいずれかを包含する。医薬組成物としては、安定剤および保存剤も挙げることができる。基剤、安定化剤、および補助剤の例については、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第20版、Mack Publishing Co.、2000年)を参照されたい。
【0096】
用語「プロドラッグ」は、活性薬剤を放出するために生体内で自発的または酵素的な生体内変化を必要とする親薬物分子の薬理学的誘導体を意味する。例えば、プロドラッグは、特定の代謝条件下で開裂可能な基を有する、本明細書に記載のキヌクリジン化合物の変種または誘導体であり、開裂すると、本明細書に記載のキヌクリジン化合物、例えば式Iの化合物となる。このようなプロドラッグは、その後、生理学的条件下で加溶媒分解されるか、酵素分解されたときに、in vivoで薬学的に活性となる。本明細書におけるプロドラッグ化合物は、生物体内で活性薬物を放出するのに必要とされる生体内変化の数、および前駆体型形態中に存在する官能価の数に応じて、単一、二重、三重等と称されることがある。プロドラッグ形態は、哺乳類生物における溶解性、組織適合性、または遅延放出という利点を提供することができる(Bundgard、Design of Prodrugs、7~9、21~24頁、Elsevier、Amsterdam、1985年、およびSilverman、「The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action」、352~401頁、Academic Press、San Diego、Calif.、1992年)。
【0097】
当該技術分野で一般に知られているプロドラッグとしては、周知の酸誘導体、例えば、酸化合物と適切なアルコールとの反応によって製造されたエステル、酸化合物とアミンとの反応によって製造されたアミド、反応してアシル化塩基誘導体を形成するための塩基等が挙げられる。他のプロドラッグ誘導体は、生物学的利用率を高めるために、本明細書に開示された他の構成と組み合わされる。そのため、当業者であれば、例えば、遊離アミノ
またはヒドロキシ基を有する、本開示による特定の化合物がプロドラッグに変換されることを理解するであろう。プロドラッグとしては、ペプチド結合を介して、本開示の化合物の遊離アミノ、ヒドロキシもしくはカルボン酸基に共有結合した、アミノ酸残基、または2もしくはそれ以上(例えば、2、3もしくは4個)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖を有する化合物が挙げられる。アミノ酸残基としては、3文字の記号で一般的に指定される20種の天然起源アミノ酸が挙げられ、例えば、4-ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、デモシン(demosine)、イソデモシン(isodemosine)、3-メチルヒスチジン、ノルバリン(norvalin)、β-アラニン、γ-アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチンおよびメチオニンスルホンを含む、非天然起源アミノ酸も挙げられる。プロドラッグとしては、本明細書に開示した置換基のいずれかと共有結合した、カーボネート、カルバメート、アミド、またはアルキルエステル部分を有する化合物も挙げられる。
【0098】
用語「薬学的に許容される塩」は、実質的に望ましくない生物学的効果が結果的に生じることなしに、または医薬組成物に含有される他の任意の成分との間での有害な相互作用が結果的に生じることなしに、投与することができる、本開示の化合物の薬学的に許容される酸付加塩または薬学的に許容される塩基付加塩を意味する。
【0099】
「C1~6-アルキル」という用語は、1~6個の炭素原子および対応する数の水素原子から実質的になる、飽和直鎖または分枝鎖フリーラジカルを意味する。代表的なC1~6-アルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル等が挙げられる。他のC1~6-アルキル基は、本開示の利益に照らせば、当業者には明白であろう。用語「C1~3-アルキル」、「C1~4-アルキル」等は、同様の意味、すなわち、1~3(または4)個の炭素原子および対応する数の水素原子から実質的になる、飽和直鎖または分枝鎖フリーラジカルという意味を有する。
【0100】
用語「C2~6-アルケニル」は、2~6個の炭素原子および対応する数の水素原子から実質的になる、不飽和直鎖または分枝鎖フリーラジカルを意味し、該フリーラジカルは少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む。代表的なC2~6-アルケニル基としては、エテニル、プロパ-1-エニル、プロパ-2-エニル、イソプロペニル、ブタ-1-エニル、2-メチル-プロパ-1-エニル、2-メチル-プロパ-2-エニル等が挙げられる。他のC2~6-アルケニル基は、本開示の利益に照らせば、当業者には明白であろう。
【0101】
用語「C2~6-アルキニル」は、2~6個の炭素原子および対応する数の水素原子から実質的になる、不飽和直鎖または分枝鎖フリーラジカルを意味し、該フリーラジカルは少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む。代表的なC2~6-アルキニル基としては、エチニル、プロパ-1-イニル、プロパ-2-イニル、ブタ-1-イニル、3-メチル-ブタ-1-イニル等が挙げられる。他のC2~6-アルキニル基は、本開示の利益に照らせば、当業者には明白であろう。
【0102】
用語「C1~6-アルキルオキシ」は、1~6個の炭素原子(および対応する数の水素原子)ならびに酸素原子から実質的になる、飽和直鎖または分枝鎖フリーラジカルを意味する。C1~6-アルキルオキシ基は、酸素原子を介して結合する。代表的なC1~6-アルキルオキシ基としては、メチルオキシ、エチルオキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n-ブチルオキシ、イソブチルオキシ等が挙げられる。他のC1~6-アルキルオキシ基は、本開示の利益に照らせば、当業者には明白であろう。用語「C1~3-アルキルオキシ」、「C1~4-アルキルオキシ」等は、同様の意味、すなわち、1~3(または4)個の炭素原子(および対応する数の水素原子)ならびに酸素原子から実質的になる、飽和直鎖または分枝鎖フリーラジカルという意味を有し、ここで、該基は、酸
素原子を介して結合する。
【0103】
用語「C2~6-アルケニルオキシ」は、2~6個の炭素原子(および対応する数の水素原子)ならびに酸素原子から実質的になる、不飽和直鎖または分枝鎖フリーラジカルを意味し、該フリーラジカルは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む。C2~6-アルケニルオキシ基は、酸素原子を介して結合する。代表的なC2~6-アルケニルオキシ基は、エテニルオキシであり;他は、本開示の利益に照らせば、当業者には明白であろう。
【0104】
「C2~6-アルキニルオキシ」という用語は、2~6個の炭素原子(および対応する数の水素原子)ならびに酸素原子から実質的になる、不飽和直鎖または分枝鎖フリーラジカルを意味し、該フリーラジカルは、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む。C2~6-アルケニルオキシ基は、酸素原子を介して結合する。代表的なC2~6-アルケニルオキシ基は、エチニルオキシであり;他は、本開示の利益に照らせば、当業者には明白であろう。
【0105】
用語「ヘテロアリール」は、環を形成する5または6個の原子(すなわち、環原子)を有する芳香族フリーラジカルを意味し、ここで、環原子の1~5個は炭素であり、残りの1~5個の環原子(すなわち、ヘテロ環原子)は、窒素、硫黄および酸素からなる群から独立して選択される。代表的な5員ヘテロアリール基としては、フリル、チエニル、チアゾリル(例えば、チアゾール-2-イル)、ピラゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルが挙げられる。代表的な6員ヘテロアリール基としては、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、1,2,4-トリアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル等が挙げられる。他のヘテロアリール基は、本開示の利益に照らせば、当業者には明白であろう。一般に、ヘテロアリール基は、典型的に、炭素原子を介して主構造と結合する。しかし、当業者は、他の特定の原子、例えばヘテロ環原子が主構造と結合できることを理解するであろう。
【0106】
用語「アリール」は、環を形成する5または6個の原子(すなわち、環原子)を有する芳香族フリーラジカルを意味し、ここで、環原子の全てが炭素である。代表的なアリール基は、ベンジルである。
【0107】
用語「脂肪族」は、炭素および水素原子を含有する、例えば1~9個の炭素原子を含有する、非芳香族化合物を意味する。脂肪族化合物は、直鎖状または分枝鎖状であり、1つまたはそれ以上の環構造を含有することができ、1つまたはそれ以上の炭素-炭素二重結合を含有することができる(ただし、該化合物は、芳香族性を有する不飽和環構造を含有しない)。脂肪族化合物の例としては、エタン、プロピレン、シクロブタン、シクロヘキサジエン等が挙げられる。
【0108】
本明細書で使用するとき、用語「ハロ」および「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。これらの用語は、互換的に使用され、ハロゲンフリーラジカル基またはハロゲン原子自体を指すことがある。当業者であれば、この用語が本開示において使用される文脈に照らして、容易にどれのことであるか確認することができるだろう。
【0109】
用語「シアノ」は、三重結合を介して窒素原子と連結された炭素原子を有するフリーラジカルを意味する。シアノラジカルは、その炭素原子を介して結合する。
【0110】
用語「ニトロ」は、その窒素原子を介して結合するNO2ラジカルを意味する。
【0111】
本明細書で使用するとき、用語「ヒドロキシ」および「ヒドロキシル」は、その酸素原子を介して結合するOHラジカルを意味する。「チオ」という用語は、その硫黄原子を介して結合するSHラジカルを意味する。
【0112】
用語「アミノ」は、窒素原子および1または2個の水素原子を有するフリーラジカルを意味する。そのため、用語「アミノ」は、一般に、第一級および第二級アミンを指す。これに関して、本明細書および添付した特許請求の範囲において使用するとき、第三級アミンは、一般式RR’N-(式中、RおよびR’は、同一であっても同一でなくてもよい炭素ラジカルである。)によって表される。それにもかかわらず、用語「アミノ」は一般に、本明細書において、第一級、第二級、または第三級アミンを記載するために使用されることがあるが、当業者であれば、この用語が本開示において使用されている文脈に照らして、容易にどれのことであるか確認することができるだろう。
【0113】
用語「オキソ」は、二重結合を介して結合する酸素ラジカルを意味する。この酸素に結合する原子が炭素原子である場合、結合は、-(C=O)-として表され、ケトンと称されることがある、炭素-酸素二重結合である。
【0114】
別段の定義がない限り、本明細書において用いる技術用語および科学用語は全て、本発明が属する技術分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。方法および材料は、本発明において使用するために本明細書に記載されており;当該技術分野において公知である他の好適な方法および材料を使用することもできる。材料、方法、および実施例は、説明のみを目的としており、限定を意図したものではない。本明細書において言及されている全ての刊行物、特許出願、特許、配列、データベース項目、およびその他の参考文献は、参照によってその全体を組み入れる。矛盾がある場合、定義を含む本明細書が優先される。
【0115】
本発明の他の構成および利点は、以下の詳細な説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【
図1】生体液中のグルコシルセラミドレベルとスフィンゴミエリンレベルの組み合わせが、健常対照(HC)からPDを区別し、PDおよび健常対照の両方からGBA-PDを区別する、バイオマーカーとなることを表す図である。アスタリスクはp<0.01を表す。
【
図2】スフィンゴ脂質パネルの診断精度を表す図である。
図2Aは、PD診断に関するスフィンゴ脂質パネルの診断精度を示す。
図2Bは、GBA突然変異を有するPD患者の診断に関するスフィンゴ脂質パネルの診断精度を示す。
【
図3】これらのスフィンゴ脂質の組み合わせのパターンが、健常対照(HC)から、PD患者およびGBA突然変異(GBA-PD)を有するPD患者を区別する、「分子バーコード」としてどのように使用されるかを示すヒートマップ図である。(略語は実施例1に記載のもの)。
【
図4】散発性パーキンソン病(PD)を有する患者から、健常患者(HC)への、血漿中の特定のスフィンゴ脂質アイソフォームのレベルの倍率変化を示すグラフである。倍率変更はログスケールで表示されている。0.05未満のp値は、単一のアスタリスク(*)により示されている。0.01未満のp値は、二重アスタリスク(**)により示されている。(略語は実施例1に記載のもの)。
【
図5】GBA突然変異(GBA-PD)を伴う散発性パーキンソン病を有する患者から、健常患者(HC)への、血漿中の特定のスフィンゴ脂質アイソフォームのレベルの倍率変化を示すグラフである。倍率変更はログスケールで表示されている。0.05未満のp値は、単一のアスタリスク(*)により示されている。0.01未満のp値は、二重アスタリスク(**)により示されている。(略語は実施例1に記載のもの)。
【
図6】健常患者(HC)(n=59)および散発性パーキンソン病(PD)を有する患者(n=48)から得た脳脊髄液中の全セラミドレベルを示すグラフである。0.01未満のp値は、二重アスタリスク(**)により示されている。
【
図7】健常患者(HC)(円)、散発性パーキンソン病(PD)を有する患者(三角形)、GBA突然変異(GBA-PD)を伴うパーキンソン病を有する患者(四角形)における、最大8年間にわたる、C24-グルコセラミドのC24-スフィンゴミエリンに対する平均比を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0117】
本明細書では、タンパク質症の処置の効能を決定する方法、被検体におけるタンパク質症を診断する方法、タンパク質症を発症する被検体の危険度を決定する方法、被検体におけるタンパク質症の段階を決定する方法、被検体におけるタンパク質症をモニタリングする方法、被検体に対するタンパク質症の処置を選択する方法、および被検体の生体液を含む試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定することを含む、臨床試験の被検体を選択する方法が提供される。これらの方法の非限定的態様を以下に記載する。当該技術分野において理解されるように、以下に記載した各種態様は、限定なしに任意の組み合わせで使用することができる。
【0118】
タンパク質症
本明細書中に記載の方法は、被検体がタンパク質症を有しているとして同定または診断する工程をさらに含むことができる。本明細書では、被検体がタンパク質症を有しているとして診断する方法の非限定的例が提供され、以下に記載される。
【0119】
他の例では、被検体は、被検体における以下の症状のうち1つまたはそれ以上の症状:うつ病、甲状腺の問題、記憶喪失、集中の困難(difficulty concentrating)、計画の困難(difficulty planning)、問題解決の困難(difficulty problem solving)、作業完遂の困難(problems finishing tasks)、混乱、視覚および空間認識(space)の困難、言語の問題、アルコール過飲、ビタミン欠乏、活動的表現(animated expression)、休息時または伸びをした際の外肢の震え、手足または首の硬直、歩行の困難(difficulty walking)、平衡失調、および運動または感覚技能の喪失の観察または評価に基づいて、タンパク質症を有しているとして同定される。タンパク質症は、被検体において、精神状態検査、神経心理学的検査、脳画像調査(例えば、コンピュータ断層撮影、脳電図、磁気共鳴イメージング、超音波、単一光子放射コンピュータ断層撮影、陽電子放出断層撮影)、脳脊髄液タンパク質分析、プリオン検出のための扁桃または脳生検、および遺伝子検査を行うことによっても、診断可能である。
【0120】
アルツハイマー病の診断キットは市販されている。酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)については、例えば、アミロイド-βオリゴマーELISA(Biosensis;Thebarton、Australia)、タウタンパク質ELISA(Anogen;Mississauga、Ontario)、Aβ42N末端、C末端ELISA(Mississauga、Ontario)、およびβ-アミロイド(1-40)ELISA(AnaSpec;Fremont、CA)を含む、アルツハイマー病のタンパク質バイオマーカーが多数市販されている。
【0121】
遺伝学的検査はまた、被検体がアルツハイマー病を有するかどうか、またはアルツハイマー病を発症する危険度が高いかどうかを決定するために使用することもできる。例えば
、APOE-ε4遺伝子の1つまたは2つの対立遺伝子の検出を用いて、アルツハイマー病を有するかアルツハイマー病を発症する危険度が高い被検体を同定することができる(例えば、Kayaら、Turk.J.Med.Sci.、45巻:1057~1072頁、2015年を参照されたい)。
【0122】
パーキンソン病の診断キットは市販されている。酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)については、例えば、PARK7 ELISA(MyBioSource;San Diego、CA)、PARK2 ELISA(Fivephoton Biochemicals;San Diego、CA)、およびα-シヌクレインELISA(BioLegend;San Diego、CA)を含む、パーキンソン病のタンパク質バイオマーカーが多数市販されている。
【0123】
遺伝学的検査はまた、被検体がパーキンソン病を有するかどうか、またはパーキンソン病を発症する危険度が高いかどうかを決定するために使用することもできる。例えば、α-シヌクレイン、パーキン、DJ1、PINK1、LRRK2、VPS35、およびEIF4G1における突然変異の検出を用いて、パーキンソン病を有するかパーキンソン病発症の危険度が高い被検体を同定することができる(例えば、McInerney-Leoら、Mov.Disord.、20巻:1~10頁、2005年;Anfossiら、J.Alzheimers Dis.、38巻:351~357頁、2014年;Dhungelら、Neuron、85巻:76~87頁、2015年;およびDengら、Acta Neurol.Scand.、132巻:73~78、2015年を参照されたい)。
【0124】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の診断キットも市販されている。ELISAについては、例えば、TDP-43 ELISA(Proteintech;Rosemont、IL)、ALS2 ELISA(Antibodies-Online;Atlanta、GA)、およびシスタチンC ELISA(Boster;Pleasanton、CA)を含む、ALSのタンパク質マーカーが多数市販されている。遺伝学的検査はまた、被検体がALSを有するかどうか、またはALSを発症する危険度が高いかどうかを決定するために使用することもできる。例えば、SOD1遺伝子、ALS2遺伝子、SETX遺伝子、SPG11遺伝子、およびFUS遺伝子における突然変異の検出を用いて、ALSを有するかALS発症の危険度が高い被検体を同定することができる(例えば、Zouら、Amyotroph.Lateral Scler Frontotemporal Degener、17巻:249~252頁、2016年;およびEisenら、Amyotroph Lateral Scler、9巻:108~119頁、2008年を参照されたい)。
【0125】
タンパク質症を有する被検体は、本明細書において記載または提供されている方法のいずれか、または当該分野で公知の方法を用いて診断または同定することができる。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、被検体(例えば、タンパク質症を有する被検体またはタンパク質症を有するとして診断もしくは同定された被検体)は、子宮内に存在するか(例えば、14週、15週、17週、20週、25週、30週、もしくは35週超の在胎期間の胎児)、幼児、青年(13~18歳、例えば、13~15歳もしくは15~18歳)である場合、または成人(18歳超、例えば、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、もしくは95歳)である場合がある。本明細書に記載の方法のいずれかにおける被検体(例えば、タンパク質症を有する被検体)は、女性(例えば、妊娠女性)であっても男性であってもよい。タンパク質症を有する被検体は、既にタンパク質症に対する処置を受けていてもよい。他の実施例では、タンパク質症を有する被検体は、タンパク質症に対する処置を受けていなくてもよい。追加の実施例において、タンパク質症を有する被
検体は、以前にタンパク質症に対する処置を受けていてもよく、以前の処置は治療的に不成功であった(例えば、有害な負の副作用の発症をもたらした、および/またはタンパク質症発症率が低下しなかった)。タンパク質症を有する被検体は、臨床研究の参加者であってよい。
【0126】
タンパク質症は、例えば、シヌクレイノパチー(例えば、パーキンソン病)であってよい。タンパク質症の追加の非限定的例としては:軽度認知障害、アルツハイマー病、レヴィ小体認知症、多系統萎縮症、脳β-アミロイド血管症、網膜神経節細胞変性、プリオン病、タウ異常症、前頭側頭葉変性症(FTLD)、FTLD-FUS、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、家族性イギリス型認知症、家族性デンマーク型認知症、遺伝性脳出血アミロイドーシス、CADASIL、アレキサンダー病、セイピノパチー、家族性アミロイドニューロパチー、セルピノパチー、AL(L鎖)アミロイドーシス、AA(二次性)アミロイドーシス、II型糖尿病、大動脈中膜アミロイドーシス、ApoAIアミロイドーシス、ApoAIIアミロイドーシス、ApoAIVアミロイドーシス、フィンランド型家族性アミロイドーシス(FAF)、リゾチームアミロイドーシス、フィブリノゲンアミロイドーシス、透析アミロイドーシス、封入体筋炎/ミオパチー、白内障、ロドプシン突然変異を伴う色素性網膜炎、甲状腺髄様癌、心房性アミロイドーシス、下垂体プロラクチノーマ、遺伝性格子状角膜ジストロフィー、皮膚苔癬アミロイドーシス、マロリー小体、角膜ラクトフェリンアミロイドーシス、肺胞タンパク症、歯原性(ピンボリー)腫瘍アミロイド、精嚢アミロイド、嚢胞性線維症、鎌状赤血球症、重症疾患ミオパチー(CIM)が挙げられる。
【0127】
タンパク質症の重篤度は、例えば、被検体における症状の重篤度、数および/または頻度を決定することによって、決定することができる。他の例では、被検体におけるタンパク質症の重篤度は、当該技術分野で受け入れられている採点システムを用いて決定することができる。例えば、被検体におけるパーキンソン病の重篤度は、統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)を使用して決定することができ、被検体におけるアルツハイマー病の重篤度は、アルツハイマー病評定尺度(ADAS-Cog)を用いて決定することができ、被検体におけるALSの重篤度は、ALS機能評価尺度(ALSFRS)または改訂ALSFRS(ALSFRS-R)を使用して決定することができる。
【0128】
タンパク質症に対する処置
タンパク質症の処置のいくつかの例は、1種またはそれ以上のグルコシルセラミドシンターゼ阻害剤の投与である。グリコシルセラミドシンターゼ阻害剤の非限定的例としては:(i)エリグルスタット;(ii)ミグルスタット;(iii)キヌクリジン-3-イル(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(iv)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(v)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(4’-(2-メトキシエトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;ならびにこれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグが挙げられる。
【0129】
グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤の追加の例は、式I:
【化1】
の化合物、またはこれらの薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグであり、式中:
R
1は、水素;
ハロゲン、もしくはシアノ、ニトロ、ヒドロキシ、チオ、もしくはアミノ基;または
場合により、ハロゲン、およびシアノ、ニトロ、ヒドロキシ、チオ、もしくはアミノ基から独立に選択される1個もしくはそれ以上(例えば、1、2もしくは3個)の基により置換される、C
1~6-アルキル、C
2~6-アルケニル、C
2~6-アルキニル、C
1~6-アルキルオキシ、C
2~6-アルケニルオキシもしくはC
2~6-アルキニルオキシ基であり;
R
2およびR
3は、それぞれ独立して、場合により1個またはそれ以上の(例えば、1、2もしくは3個の)ハロゲンで置換される、C
1~3-アルキル基から選択されるか;
R
2またはR
3は一緒に、場合により1個またはそれ以上(例えば、1もしくは2個)のハロゲンで置換される、シクロプロピルまたはシクロブチル基を形成し;
R
4、R
5、およびR
6は、それぞれ独立して、水素;ハロゲン;ニトロ、ヒドロキシ、チオ、もしくはアミノ基;ならびに、場合により、ハロゲンから選択される1個またはそれ以上(例えば、1、2もしくは3個)の基により置換される、C
1~6-アルキルもしくはC
1~6-アルキルオキシ基;ヒドロキシもしくはシアノ基;およびC
1~6-アルキルオキシ基から選択され;かつ
Aは、5員もしくは6員のアリールもしくはヘテロアリール基である。
【0130】
いくつかの例において、式I、R1の化合物は、水素;ハロゲン;または場合により、ハロゲン;およびシアノ、ニトロ、ヒドロキシ、チオ、もしくはアミノ基から独立に選択される1個もしくは2個の基により置換される、C1~4-アルキルもしくはC1~4-アルキルオキシ基であってよい。式Iの化合物のいくつかの例において、R1は、水素;フッ素;または場合により、ハロゲン、もしくはヒドロキシ、チオ、もしくはアミノ基により置換される、メチルもしくはエチル基であってよい。式Iの化合物のいくつかの例において、R1は、水素;または場合により、1個もしくはそれ以上(例えば、1、2もしくは3個)のハロゲンにより置換される、メチル基であってよい。式Iの化合物のいくつかの例において、R1は、水素であってよい。式Iの化合物のいくつかの例において、R1は、キヌクリジン部分の窒素原子に結合していない。
【0131】
式Iの化合物のいくつかの例において、R2およびR3は、それぞれ独立して、場合により1個またはそれ以上のハロゲンにより置換される、C1~3-アルキル基から選択される。式Iの化合物のいくつかの例において、R2およびR3は、それぞれ独立して、場合により1個またはそれ以上のフッ素原子により置換される、メチルおよびエチル基から選択される。式Iの化合物のいくつかの例において、R2およびR3は、それぞれ、場合により1~3個のフッ素原子により置換される、メチル基である。式Iの化合物のいくつかの例において、R2およびR3の両方がメチル基であるか、R2およびR3が一緒にシクロプロピル基を形成する。式Iの化合物のいくつかの例において、R2およびR3の両方がメチル基である。
【0132】
式Iの化合物のいくつかの例において、R6は、水素である。式Iの化合物のいくつかの例において、R5およびR6は共に水素である。式Iの化合物のいくつかの例において、R4、R5、およびR6のうち少なくとも1つは水素ではない。式Iの化合物のいくつかの例において、R4は、ハロゲン;ならびに、場合により、ハロゲン;およびシアノまたはC1~3-アルキルオキシ基から選択される1個またはそれ以上の基により置換される、C1~3-アルキルまたはC1~3-アルキルオキシ基から選択される。式Iの化合物のいくつかの例において、R4は、ハロゲン;ならびに、場合により、ハロゲン;およびC1~3-アルキルオキシ基から選択される1個またはそれ以上の基により置換される、C1~3-アルキルまたはC1~3-アルキルオキシ基から選択される。式Iの化合物のいくつかの例において、R4は、フッ素;ならびに、場合により、ハロゲン;およびシアノまたはC1~3-アルキルオキシ基から選択される1個またはそれ以上の基により置換される、C1~3-アルキルオキシ基から選択される。式Iの化合物のいくつかの例において、R4は、フッ素;ならびに、場合により、ハロゲン;およびシアノまたはC1~3-アルキルオキシ基から選択される1個またはそれ以上の基により置換される、C1~3-アルキルオキシ基から選択され;R5およびR6は共に水素である。R5およびR6は共に水素である、式Iの化合物のいくつかの例において、R4は、フッ素または2-メトキシエトキシ基、例えばフッ素であってよい。
【0133】
R4、R5およびR6の全てが水素以外である(すなわち、R4、R5およびR6のそれぞれが水素ではない)、式Iの化合物のいくつかの例において、これら3つの基は、例えば(1位で結合しているA基に対して)2、4および6位で、ベンゼン環に結合していてもよい。R4、R5およびR6のうち1つのみが水素である、式Iの化合物のいくつかの例において、他の2つの基は、(1位で結合しているA基に対して)例えば2および3位、3および4位、または3位および5位で、例えば3位および5位で、ベンゼン環に結合していてもよい。R4、R5、およびR6のうち2つが水素である、式Iの化合物のいくつかの例において、他の基は、2、3または4位で、例えば4位で(すなわち、A基に対してパラ位で)、ベンゼン環に結合していてもよい。一実施形態において、R4は、ベンゼン環上でA基に対してパラ位の位置にある。
【0134】
式Iの化合物のいくつかの例において、Aは、6員アリール基または5員ヘテロアリール基であってよい。6員アリール基および5員ヘテロアリール基の非限定的例としては、ベンジル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルが挙げられる。一実施形態において、6員アリール基または5員ヘテロアリール基は、ベンジル、チエニル、チアゾリル、ピロリルおよびイミダゾリルから選択される。一実施形態において、6員アリール基または5員ヘテロアリール基は、ベンジルおよびチアゾリルから選択される。
【0135】
式Iの化合物のいくつかの例において、Aはベンジルであり、場合により、ハロゲン;およびヒドロキシ、チオ、アミノ、ニトロ、オキシまたはメチル基から独立に選択される1、2または3個の基により置換される。式Iの化合物のいくつかの例において、Aはベンジルであり、場合により、1または2個のハロゲンにより置換される。式Iの化合物のいくつかの例において、Aはベンジルであり、場合により、ハロゲン、例えばフッ素により置換される。式Iの化合物のいくつかの例において、Aは非置換ベンジル基である。
【0136】
Aが6員アリールまたはヘテロアリールである、式Iの化合物のいくつかの例において、結合基-C(R2R3)-および-(C6H2R4R5R6)は、1,2-、1,3-または1,4-の関係、すなわち互いに対してオルト、メタまたはパラの関係にあってよい。式Iの化合物のいくつかの例において、結合基-C(R2R3)-および-(C6H2R4R5R6)は、1,3-の関係にある。式Iの化合物のいくつかの例において、結
合基は、1,4-の関係にある。
【0137】
式Iの化合物のいくつかの例において、Aは、N、OおよびSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有する、5員ヘテロアリール基である。式Iの化合物のいくつかの例において、Aは、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する、5員ヘテロアリール基である。式Iの化合物のいくつかの例において、Aは、NおよびSから選択される2個のヘテロ原子を含有する、5員ヘテロアリール基である。式Iの化合物のいくつかの例において、Aは、2個のヘテロ原子を含有し、ここで、一方のヘテロ原子がNであり、他方のヘテロ原子がSである、5員ヘテロアリール基である。式Iの化合物のいくつかの例において、Aはチアゾリル基である。
【0138】
Aが5員ヘテロアリール基である、式Iの化合物のいくつかの例において、結合基-C(R2R3)-および-(C6H2R4R5R6)のうち少なくとも1つは、ヘテロアリール基の炭素原子に直接結合していてもよい。式Iの化合物のいくつかの例において、結合基-C(R2R3)-および-(C6H2R4R5R6)の両方は、ヘテロアリール基の炭素原子に直接結合している。式Iの化合物のいくつかの例において、結合基-C(R2R3)-および-(C6H2R4R5R6)は、互いに対して1,3-の関係にあり、例えば、これらの結合基は、間にある単一の原子、例えばヘテロ原子によって隔離された、ヘテロアリール基の炭素原子に直接結合している。Aがチアゾリル基である、式Iの化合物のいくつかの例において、結合基-C(R2R3)-および-(C6H2R4R5R6)は、それぞれ4位および2位で直接結合していてもよい。
【0139】
いくつかの例において、式Iの化合物は、式II:
【化2】
の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグであり、式中、R
4、R
5、R
6およびAは、本明細書に記載の通りである。
【0140】
いくつかの例において、式Iの化合物は、式III:
【化3】
の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグであり、式中、R
1~R
4、およびAは、本明細書に記載の通りである。
【0141】
いくつかの例において、式Iの化合物は、式IV:
【化4】
の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグであり、式中、R
4およびAは、本明細書に記載の通りである。
【0142】
式Iの化合物のいくつかの例において、R
4は、ハロゲン、例えばフッ素であってよい。したがって、式Iの化合物は、式V:
【化5】
の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグであってよく、式中、Aは、本明細書に記載の通りである。
【0143】
いくつかの例において、式Iの化合物は、式VI:
【化6】
の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグであってよく、式中、R
1~R
6は、本明細書に記載の通りである。
【0144】
いくつかの例において、式Iの化合物は、式VII:
【化7】
の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグであってよく、式中、R
1~R
6は、本明細書に記載の通りである。
【0145】
いくつかの例において、式Iの化合物は、式VIII:
【化8】
の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグであってよく、式中、R
1~R
6は、本明細書に記載の通りである。
【0146】
いくつかの例において、式Iの化合物は、式IX:
【化9】
の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグであってよく、式中、R
4は、本明細書に記載の通りである。
【0147】
式Iの化合物のいくつかの例において、R
4は、ハロゲン、例えばフッ素であってよい
。したがって、式Iの化合物は、式X:
【化10】
の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグであってよい。
【0148】
いくつかの例において、式Iの化合物は、式XI:
【化11】
の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグであってよく、式中、R
4は、本明細書に記載の通りである。
【0149】
式Iの化合物のいくつかの例において、R
4は、ハロゲン、例えばフッ素であってよい。したがって、式Iの化合物は、式XII:
【化12】
の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグであってよい。
【0150】
式Iの化合物の非限定的例は、化合物番号1~23:
【表1】
【表2】
ならびにこれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグである。グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤の追加の例は、当該技術分野において公知である。例えば、参照によってそれぞれその全体を本明細書に組み入れる、PCT/US2010/023080;PCT/US2013/058896;PCT/US2012/029417;PCT/US2014/069338;PCT/US2010/023168;PCT/US2014/056555;米国特許出願第13/652,016号;米国特許出願第11/077,556号;米国特許出願第10/839,497号;米国特許第9,126,993号;米国特許第8,309,593号;および米国特許第8,304,447号を参照されたい。
【0151】
タンパク質症に対する処置の追加の例は、1種またはそれ以上の組換え酵素の投与である。タンパク質症を処置するために使用することができる組換え酵素の非限定的例としては、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼ、およびタリグルセラーゼが挙げられる。タンパク質症を処置するために使用することができる組換えタンパク質および酵素の追加の非限定的例としては、α-ガラクトシダーゼA(α-gal A)、ヒトシトクロムP450酵素、IL-33およびネプリライシンが挙げられる(例えば、参照によってそれぞれその全体を本明細書に組み入れる、Blom,D.ら、Am.J.Hum.Genet.、72巻(1号):23~31頁、2003年;Blurton-Jones,M.ら、Stem Cell Research&Therapy、5巻:46頁、2014年;Coune,P.G.ら、Cold Spring Harb Perspect. Med..、2巻(4号):a009431頁、2012年;米国特許出願第10/096,723号;Fu,A.K.Yら、PNAS、2016年4月;Hidestrand Mら、Drug Metab Dispos.、29巻(11号):1480~4頁、2001年;Spencer B.ら、J.Biol.Chem.、289巻(25号):17917~17931頁、2014年を参照されたい)。タンパク質症に対する追加の処置は、当該技術分野において公知であり、例えば、RILUTEK(リルゾール)、ドネペジル(アリセプト)、ガランタミン(ラザダイン)、メマンチン(ナメンダ)、リバスチグミン(エクセロン)、バクロフェン、分岐鎖アミノ酸(BCAA)を含む栄養補助剤、フェニトイン、三環系抗うつ薬、抗うつ薬、細胞由来神経栄養因子、アマンタジン、ベンズトロピン、カルビドパ/レボドパ、セレギリン(エルデプリル)、ロチゴチン、エ
ンタカポン(コムタン)、ロピニロール(レキップ)、ラサジリン(アジレクト)、ブロモクリプチン(パーロデル)、カベルゴリン、トルカポン(タスマール)、およびプラミペキソール(ミラペックス)が挙げられる。
【0152】
スフィンゴ脂質
本明細書において提供されている方法のいくつかは、被検体(例えば本明細書に記載した被検体のいずれか、例えばタンパク質症を有する被検体)から得た生体液を含む試料(例えば、脂質に関して富化された被検体から得た生体液を含む試料)における、少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、または51種)のスフィンゴ脂質のレベルの決定を含み、該スフィンゴ脂質は、ジヘキソシルセラミドC24:1;ジヘキソシルセラミドC24:0;ジヘキソシルセラミドC23:0;ジヘキソシルセラミドC22:0;ジヘキソシルセラミドC20:0;ジヘキソシルセラミドC18:0;ジヘキソシルセラミドC16:0;ラクトシルセラミドC24:1;ラクトシルセラミドC24:0;ラクトシルセラミドC23:0;ラクトシルセラミドC22:0;ラクトシルセラミドC20:0;ラクトシルセラミドC18:0;ラクトシルセラミドC16:0;セラミドC24:1;セラミドC24:0;セラミドC23:0;セラミドC22:0;セラミドC20:0;セラミドC18:0;セラミドC16:0;セラミドC14:0;グロボトリアオシルセラミドC24:1;グロボトリアオシルセラミドC24:0;グロボトリアオシルセラミドC23:0;グロボトリアオシルセラミドC22:0;グロボトリアオシルセラミドC20:0;グロボトリアオシルセラミドC18:0;グロボトリアオシルセラミドC16:0;スフィンゴミエリンC24:1;スフィンゴミエリンC24:0;スフィンゴミエリンC23:0;スフィンゴミエリンC22:0;スフィンゴミエリンC20:0;スフィンゴミエリンC18:0;スフィンゴミエリンC16:0;ガラクトシルセラミドC24:1;ガラクトシルセラミドC24:0;ガラクトシルセラミドC23:0;ガラクトシルセラミドC22:0;ガラクトシルセラミドC20:0;ガラクトシルセラミドC18:0;ガラクトシルセラミドC16:0;グルコシルセラミドC24:1;グルコシルセラミドC24:0;グルコシルセラミドC23:0;グルコシルセラミドC22:0;グルコシルセラミドC20:0;グルコシルセラミドC18:0;グルコシルセラミドC16:0;およびグルコシルスフィンゴシンの群から選択される。本明細書において提供されている方法のいくつかは、被検体(例えば本明細書に記載した被検体のいずれか、例えばタンパク質症を有する被検体)から得た生体液を含む試料(例えば、脂質に関して富化された被検体から得た生体液を含む試料)における、全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全セラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、6、7、または8つ)の決定を含む。
【0153】
本明細書に記載したスフィンゴ脂質のレベルを決定するための方法は、当該技術分野において十分に理解されている。本明細書に記載したスフィンゴ脂質のいずれかのレベルを検出する方法は、検体検出の標準的および先進的な各種方法を用いて行うことができる。例えば、本明細書に記載のスフィンゴ脂質のいずれかのレベルは、クロマトグラフィー、クロマトグラフィー質量分析、蛍光測定アッセイ、および免疫化学的方法、例えば、薄層クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー質量分析(LC MS)、LC-MS/MS、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)/MS、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)/MS、HPLC/蛍光測定アッセイ、抗セラミド抗体等などの技術を使用して検出し定量することができる(例えば、参照によってそれぞれその全体を組み入れる、Butterら、J.Chromatogr.B Analyt.Technol
.Biomed.Life Sci.、824巻(1~2号):65~70頁、2005年;Cell Biolabs, INC.、「Product Manual:Sphingomyelin Assay Kit」、カタログ番号STA-601;Farwanahら、J.Chromatogr.B Analyt.Technol.Biomed.Life Sci.、877巻(27号):2976~82頁、2009年;Haynesら、J.Chromatogr.B Analyt.Technol.Biomed.Life Sci.、877巻(26号):2696~2708頁、2009年;Manoら、Anal.Biochem.、244巻(2号):291~300頁、1997年;Markham JE.、Methods Mol Biol.、1009巻:92~101、2013年;およびSchererら、J.Lipid Res.、51巻(7号):2001~2011頁、2010年に記載の方法を参照されたい)。
【0154】
いくつかの例において、被検体から得た試料(例えば、生体液を含む試料)は、試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが決定される前に、一定期間保存することができる(例えば、少なくとも1時間(例えば、少なくとも2、4、6、8、12、もしくは24時間、または少なくとも1、2、3、4、5、6、7、14、もしくは21日間)、例えば、約10℃、約0℃、約-20℃、約-40℃、約-70℃、または約-80℃の温度で保存することができる)。例えば、生体液を含み脂質に関して富化された試料は、試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが決定される前に、一定期間保存することができる(例えば、本明細書に記載の時間および/または温度のいずれかで保存することができる)。いくつかの例は、少なくとも1種のスフィンゴ脂質(例えば、本明細書に記載した任意のスフィンゴ脂質またはスフィンゴ脂質の任意の組み合わせ)のレベルが決定される前に、生体液を含有する試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。生体液を含有する試料を脂質に関して富化する方法の非限定的例が本明細書に記載されている。いくつかの例において、脂質に関して富化された生体液を含有する生体試料は、試料中の少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが決定される前に、一定期間保存される(例えば、本明細書に記載の時間および/または温度のいずれかで保存される)。
【0155】
本明細書に記載した、任意のスフィンゴ脂質のレベル、任意のパラメータ、またはスフィンゴ脂質もしくはパラメータの任意の組み合わせは、本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、試料(例えば、生体液を含有する試料または脂質に関して富化された生体液を含有する試料)中で決定することができる。
【0156】
本明細書に記載した、任意のスフィンゴ脂質のレベル、任意のパラメータ、またはスフィンゴ脂質もしくはパラメータの任意の組み合わせは、本明細書に記載した、任意のスフィンゴ脂質の対照レベル、任意のパラメータ、またはスフィンゴ脂質もしくはパラメータの任意の組み合わせと比較することができる。対照レベルは、例えば、タンパク質症の1つまたはそれ以上の症状を呈していない、かつ/もしくはタンパク質症を有しているとして診断されなかった、被検体から得た試料におけるレベル、健常被検体もしくは健常被検体の母集団から得た試料におけるレベル、または閾値レベル(例えば、それを上回った場合、被検体がタンパク質症を有しているかタンパク質症発症の危険度が高いことを示すレベル)であってよい。対照レベルは、例えば、タンパク質症の病歴を有しておらず、また、場合により、タンパク質症を有しているとして診断または同定された遺伝的に関係する家族成員がいない、被検体または被検体の母集団から得た試料におけるレベルであってよい。対照レベルは、例えば、測定レベルが閾値レベルを上回った場合に、被検体がタンパク質症を有しているかタンパク質症発症の危険度が高いことを示す閾値レベルであってよい。スフィンゴ脂質のいずれかの追加の例示的対照レベルが本明細書に記載されている。
【0157】
脂質に関する試料の富化
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態は、例えば、試料において、本明細書に記
載のスフィンゴ脂質のいずれかのうち少なくとも1種のレベルが決定される前に、生体液を含有する試料(例えば、本明細書に記載の生体液のいずれか)を脂質に関して富化する工程を含む。被検体から得た生体液を含む試料を脂質に関して富化するための方法は、例えば、下記の工程:試料を遠心分離して特定の物質を除去する工程、および1種またはそれ以上の有機溶媒(例えば、実施例の節に記載されているか、当該技術分野において公知である、例示的溶媒のいずれか)を使用して脂質を抽出する工程の一方または両方を含んでよい。脂質を抽出して試料を脂質に関して富化するために使用することができる1種またはそれ以上の有機溶媒の非限定的例としては:アセトニトリル、メタノール、および酢酸が挙げられる。いくつかの例において、被検体から得た生体液を含む試料の富化は、1種またはそれ以上の有機溶媒(例えば、任意の有機溶媒または本明細書に記載の有機溶媒の任意の組み合わせ)および水を含む抽出溶媒の使用を含んでもよい。いくつかの例において、被検体から得た生体液を含む試料の富化は、1種またはそれ以上の有機溶媒(例えば、任意の有機溶媒または本明細書に記載の有機溶媒の任意の組み合わせ)、水、および酢酸アンモニウムを含む抽出溶媒の使用を含んでもよい。被検体から得た生体液を含む試料を富化するために使用することができる抽出溶媒の非限定的具体例は、実施例の節に記載されている。当該技術分野において公知である通り、被検体から得た生体液を含む試料を脂質に関して富化する工程は、約10~約25℃、約22℃、約18℃、約16℃、約14℃、または約12℃;約12~約25℃、約22℃、約20℃、約18℃、約16℃、または約14℃;約14~約25℃、約22℃、約20℃、約18℃、または約16℃;約16~約25℃、約22℃、約20℃、または約18℃;約18~約25℃、約22℃、または約20℃;約20~約22℃または約25℃の温度で実行することができる。
【0158】
被検体から得た生体液を含む試料を脂質に関して富化するための例示的方法は、実施例にも記載されている。被検体から得た生体液を含む試料を脂質に関して富化するための追加の方法は、当該技術分野において公知となっている。
【0159】
タンパク質症の処置の効能を決定する方法
本明細書では、タンパク質症を有する被検者におけるタンパク質症に対する処置の効能を決定する方法が提供される。いくつかの例において、これらの方法は:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液(例えば、血清、血漿、血液、または脳脊髄液)を含む第1の試料を用意する工程;(b)(a)の試料における少なくとも1種(例えば、任意の組み合わせによる2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、ジヘキソシルセラミドC24:1;ジヘキソシルセラミドC24:0;ジヘキソシルセラミドC23:0;ジヘキソシルセラミドC22:0;ジヘキソシルセラミドC20:0;ジヘキソシルセラミドC18:0;ジヘキソシルセラミドC16:0;ラクトシルセラミドC24:1;ラクトシルセラミドC24:0;ラクトシルセラミドC23:0;ラクトシルセラミドC22:0;ラクトシルセラミドC20:0;ラクトシルセラミドC18:0;ラクトシルセラミドC16:0;セラミドC24:1;セラミドC24:0;セラミドC23:0;セラミドC22:0;セラミドC20:0;セラミドC18:0;セラミドC16:0;セラミドC14:0;グロボトリアオシルセラミドC24:1;グロボトリアオシルセラミドC24:0;グロボトリアオシルセラミドC23:0;グロボトリアオシルセラミドC22:0;グロボトリアオシルセラミドC20:0;グロボトリアオシルセラミドC18:0;グロボトリアオシルセラミドC16:0;ガラクトシルセラミドC24:1;ガラクトシルセラミドC24:0;ガラクトシルセラミドC23:0;ガラクトシルセラミドC22:0;ガラクトシルセラミドC20:0;ガラクトシルセラミドC18:0;ガラクトシルセラミドC16:0;グルコシルセラミドC24:1;グルコシルセラミドC24:0;グルコシ
ルセラミドC23:0;グルコシルセラミドC22:0;グルコシルセラミドC20:0;グルコシルセラミドC18:0;グルコシルセラミドC16:0;およびグルコシルスフィンゴシンの群から選択される、工程;(c)タンパク質症に対する処置を被検体に投与する工程;(d)工程(c)の後に第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;および(e)少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが第1の時点と比較して第2の時点で低下している場合に、投与処置が有効であるとして同定する工程を含む。いくつかの例において、本方法は:健常被検体または健常被検体の母集団に存在する少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルと比較しても、少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが低下している場合に、投与処置が有効であるとしてさらに同定する工程をさらに含む。いくつかの例において、本方法は:健常被検体もしくは健常被検体の母集団に存在する少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベル、タンパク質症の1つもしくはそれ以上の症状を呈していない、かつ/もしくはタンパク質症を有しているとして診断されなかった、被検体もしくは被検体の母集団から得た試料における、少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベル、少なくとも1種のスフィンゴ脂質の閾値レベル(例えば、それを上回った場合、被検体がタンパク質症を有することを示すレベル)、タンパク質症の病歴を有さない、および、また、場合により、タンパク質症を有しているとして診断もしくは同定された遺伝的に関係する家族成員がいない、被検体もしくは被検体の母集団における少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベル、測定レベルが閾値レベルを上回っている場合に被検体がタンパク質症を有していることを示す閾値レベル、または測定レベルが閾値レベルを下回っている場合に被検体のタンパク質症が有効に処置されたことを示す閾値レベルと比較しても、少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが低下している場合に、投与処置が有効であるとしてさらに同定する工程をさらに含む。本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は:少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0160】
いくつかの実施形態において、工程(b)および(d)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、\ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含む。
【0161】
いくつかの実施形態において、工程(b)および(d)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも2種(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、第1の時点と比較して第2の時点で2つのレベルのうち少なくとも一方または両方が低下している場合に、投与処置が有効であるとして同定される。
【0162】
いくつかの実施形態において、工程(b)および(d)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも3種(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、3つのレベルのうち少なくとも1つ、2つまたは3つ全てが、第1の時点と比較して第2の時点で低下している場合に、投与処置が有効であるとして同定される。
【0163】
いくつかの実施形態において、工程(b)および(d)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも4種(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、4つのレベルのうち少なくとも1つ、2つ、3つ、または4つ全てが、第1の時点と比較して第2の時点で低下している場合に、投与処置が有効であるとして同定される。
【0164】
タンパク質症を有する被検者におけるタンパク質症に対する処置の効能を決定する方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液(例えば、血清、血漿、血液、または脳脊髄液)を含む第1の試料を用意する工程;(b)(a)の試料における少なくとも1種(例えば、任意の組み合わせによる2、3、4、5、6、または7種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、スフィンゴミエリンC24:1;スフィンゴミエリンC24:0;スフィンゴミエリンC23:0;スフィンゴミエリンC22:0;スフィンゴミエリンC20:0;スフィンゴミエリンC18:0;およびスフィンゴミエリンC16:0の群から選択される、工程;(c)タンパク質症に対する処置を被検体に投与する工程;(d)工程(c)の後に第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;ならびに(e)少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、または7種)のスフィンゴ脂質のレベルが、第1の時点と比較して第2の時点で上昇している場合に、投与処置が有効であるとして同定する工程を含む方法もまた提供される。いくつかの例において、本方法は:健常被検体または健常被検体の母集団に存在する少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルと比較しても、少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが上昇している場合に、投与処置が有効であるとしてさらに同定する工程をさらに含む。いくつかの例において、本方法は:健常被検体もしくは健常被検体の母集団に存在する少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベル、タンパク質症の1つまたはそれ以上の症状を呈していない、かつ/もしくはタンパク質症を有しているとして診断されなかった、被検体もしくは被検体の母集団から得た試料における、少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベル、少なくとも1種のスフィンゴ脂質の閾値レベル(例えば、それを下回った場合、被検体がタンパク質症を有することを示すレベル)、タンパク質症の病歴を有さない、および、また、場合により、タンパク質症を有しているとして診断もしくは同定された遺伝的に関係する家族成員がいない、被検体もしくは被検体の母集団における少
なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベル、測定レベルが閾値レベルを下回っている場合に被検体がタンパク質症を有していることを示す閾値レベル、または測定レベルが閾値レベルを上回っている場合に被検体のタンパク質症が有効に処置されたことを示す閾値レベルと比較しても、少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルが上昇している場合に、投与処置が有効であるとしてさらに同定する工程をさらに含む。本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は、少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0165】
タンパク質症を有する被検者におけるタンパク質症の処置の効能を決定する方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、または6つ)を決定する工程;(c)タンパク質症に対する処置を被検体に投与する工程;(d)工程(c)の後に第2の時点で被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;ならびに(e)全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、または6つ)が、第1の時点と比較して第2の時点で低下している場合に、投与処置が有効であるとして同定する工程を含む方法もまた提供される。いくつかの例において、本方法は、全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、または6つ)が健常被検体または健常被検体の母集団のレベルと比較しても低下している場合に、投与処置が有効であるとして同定する工程をさらに含む。いくつかの例において、本方法は:健常被検体または健常被検体の母集団に存在する、全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、ならびに全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つのレベル、タンパク質症の1つもしくはそれ以上の症状を呈していない、かつ/もしくはタンパク質症を有していると診断されなかった、被検体または被検体の母集団から得た試料における、全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、ならびに全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つのレベル、全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、ならびに全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つの閾値レベル(例えば、それを上回った場合、被検体がタンパク質症を有することを示すレベル)、タンパク質症の病歴を有さない、および、また、場合により、タンパク質症を有していると診断または同定された遺伝的に関係する家族成員もいない、被検体もしくは被検体の母集団における、全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、ならびに全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つのレベル、測定レベルが閾値レベルを上回っている場合に被検体がタンパク質症を有していることを示す、全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、ならびに全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つの閾値レベル、または測定レベルが閾値レベルを下回っている場合に被検体のタンパク質症が有効に処置されたことを示す、全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、ならびに全ホ
スファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つの閾値レベルと比較しても、全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、ならびに全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つのレベルが低下している場合に、投与処置が有効であるとさらに同定する工程をさらに含む。これらの方法のいくつかの実施形態は、全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、ならびに全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つのレベルを決定する工程の前に、第1および第2の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0166】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(d)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの一方または両方を決定する工程を含む。いくつかの実施形態において、工程(b)および(d)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの両方を決定する工程を含み、第1の時点と比較して第2の時点で、該レベルの少なくとも一方または両方が低下している場合に、投与処置が有効であるとして同定される。
【0167】
タンパク質症を有する被検体におけるタンパク質症に対する処置の効能を決定する方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方を決定する工程;(c)タンパク質症に対する処置を被検体に投与する工程;(d)工程(c)の後に第2の時点で被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;ならびに(e)全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方が、第1の時点と比較して第2の時点で上昇している場合に、投与処置が有効であるとして同定する工程を含む方法もまた提供される。
【0168】
タンパク質症を有する被検者におけるタンパク質症の処置の効能を決定する方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程;(c)タンパク質症に対する処置を被検体に投与する工程;(d)工程(c)の後に第2の時点で被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;および(e)グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比が、第1の時点と比較して第2の時点で低下している場合に、投与処置が有効であるとして同定する工程を含む方法もまた提供される。
【0169】
これらの方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態において、被検体は、タンパク質症を有するとして以前に診断されている。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、第1の試料および第2の試料は、血液、血漿、血清、または脳脊髄液を含む。
【0170】
投与処置は、例えば、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤(例えば、本明細書に記載のグリコシルセラミドシンターゼ阻害剤のいずれか)または組換え酵素(例えば、本明細書に記載の組換え酵素のいずれか)の投与であってよい。グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤の非限定的例としては:(i)エリグルスタット;(ii)ミグルスタット;(iii)キヌクリジン-3-イル(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(iv)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(v)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(4’-(2-メトキシエトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;な
らびにこれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグが挙げられる。組換え酵素の非限定的例は、組換えグルコセレブロシダーゼ(例えば、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼ、またはタリグルセラーゼ)である。
【0171】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態は、(e)の後に:(f)被検体に有効であるとして同定された投与処置を追加的用量(複数可)で投与する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、有効であるとして同定された投与処置は、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤または組換え酵素であり、工程(f)において、被検体は、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤(例えば、本明細書に記載のグルコシルシンターゼ阻害剤のいずれか)または組換え酵素(例えば、本明細書に記載の組換え酵素のいずれか)の追加用量を投与される。例えば、工程(f)において、被検体は、(i)エリグルスタット;(ii)ミグルスタット;(iii)キヌクリジン-3-イル(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(iv)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(v)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(4’-(2-メトキシエトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;ならびにこれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグの群から選択されるグルコシルセラミドシンターゼ阻害剤の追加用量を投与される。これらの方法のいくつかの実施形態では、工程(f)において、被検体は、組換え酵素(例えば、組換えグルコセレブロシダーゼ、例えば、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼ、またはタリグルセラーゼ)の追加用量を投与される。
【0172】
本方法のいずれかのいくつかの実施形態は、タンパク質症を有する被検体を選択する工程、またはタンパク質症を有する被検体を診断する工程(例えば、本明細書に記載のタンパク質症を診断する例示的方法のいずれかを使用する工程)をさらに含む。これらの方法のいずれかにおける被検体は、本明細書に記載の被検体のいずれかであり得る。例えば、タンパク質症を有する被検体は、以前にタンパク質症に対する処置を投与されていてもよく、その処置は成功しなかった。本方法のいずれかのいくつかの実施形態は、被検体(例えば、タンパク質症を有する被検体)から第1および/または第2の試料を得る工程をさらに含む。
【0173】
いくつかの実施形態は、投与処置の同定された効能を、被検体の医療記録(例えば、コンピュータ可読媒体)に記録する工程をさらに含む。いくつかの例は、被検体、被検体の家族、および/または被検体のかかりつけ医もしくは主治医に、投与処置の同定された効能を知らせる工程をさらに含む。いくつかの実施形態は、有効であるとして同定された投与処置の補充の承認をさらに含む。
【0174】
第1の時点と第2の時点との間の時間差は、例えば、1~40週間、1~30週間、1~20週間、1~12週間、1~8週間、1~4週間、1~2週間、2~12週間、2~8週間、または2~4週間であってよい。
【0175】
タンパク質症の診断方法
被検体のタンパク質症の診断方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料における少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、ジヘキソシルセラミドC24:1;ジヘキソシルセラミドC24:0;ジヘキソシルセラミドC23:0;ジヘキソシルセラミドC22:0;ジヘキソシルセラミドC20:0;ジ
ヘキソシルセラミドC18:0;ジヘキソシルセラミドC16:0;ラクトシルセラミドC24:1;ラクトシルセラミドC24:0;ラクトシルセラミドC23:0;ラクトシルセラミドC22:0;ラクトシルセラミドC20:0;ラクトシルセラミドC18:0;ラクトシルセラミドC16:0;セラミドC24:1;セラミドC24:0;セラミドC23:0;セラミドC22:0;セラミドC20:0;セラミドC18:0;セラミドC16:0;セラミドC14:0;グロボトリアオシルセラミドC24:1;グロボトリアオシルセラミドC24:0;グロボトリアオシルセラミドC23:0;グロボトリアオシルセラミドC22:0;グロボトリアオシルセラミドC20:0;グロボトリアオシルセラミドC18:0;グロボトリアオシルセラミドC16:0;ガラクトシルセラミドC24:1;ガラクトシルセラミドC24:0;ガラクトシルセラミドC23:0;ガラクトシルセラミドC22:0;ガラクトシルセラミドC20:0;ガラクトシルセラミドC18:0;ガラクトシルセラミドC16:0;グルコシルセラミドC24:1;グルコシルセラミドC24:0;グルコシルセラミドC23:0;グルコシルセラミドC22:0;グルコシルセラミドC20:0;グルコシルセラミドC18:0;グルコシルセラミドC16:0;およびグルコシルスフィンゴシンの群から選択される、工程;ならびに(c)該少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44種)のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定する工程を含む方法も提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、前記少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0176】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0から選択される、少なくとも2種(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、2つのレベルのうち少なくとも一方または両方が、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定される。
【0177】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミ
ドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも3種(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、3つのレベルのうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全てが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも4種(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、4つのレベルのうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または4つ全てが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定される。
【0178】
被検体のタンパク質症の診断方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、または7種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、スフィンゴミエリンC24:1;スフィンゴミエリンC24:0;スフィンゴミエリンC23:0;スフィンゴミエリンC22:0;スフィンゴミエリンC20:0;スフィンゴミエリンC18:0;およびスフィンゴミエリンC16:0の群から選択される、工程;ならびに(c)少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、または7種)のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して低下している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定する工程を含む方法も提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、前記少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0179】
被検体がタンパク質症を有しているとして診断する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、または6個)を決定する工程;ならびに(c)全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、または6つ)が、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体がタンパク質症を有しているとして同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、(a)の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つのレベルを決定する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0180】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルおよび全グルコシルセラミドレベルの一方または両方を決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベル
と全グルコシルセラミドレベルの両方を決定する工程を含み、該レベルの少なくとも一方または両方が、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定される。
【0181】
被検体がタンパク質症を有しているとして診断する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方を決定する工程;ならびに(c)全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方が、対照レベルと比較して低下している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、(a)の試料中の全セラミドレベルと全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方のレベルを決定する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0182】
被検体がタンパク質症を有しているとして診断する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程;および(c)グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比が、対照比と比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症を有しているとして同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、(a)の試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0183】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態において、該試料は、血液、血清、血漿、または脳脊髄液を含む。本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は、被検体から得たゲノムDNAを含む試料におけるグルコセレブロシダーゼ(GBA)遺伝子の突然変異を検出する工程、およびGBA遺伝子の突然変異を有する被検体がタンパク質症を有しているとしてさらに同定する工程をさらに含む。GBA遺伝子の非限定的突然変異は、例えば、以下の突然変異:V15L、C16S、Δ36T、F37V、E41K、G46E、R48W、L66P、K79N、A90T、S107L、N117D、I119T、R120W、R120Q、P122S、M123V、D127V、R131C、R131L、T134I、D140H、K156Q、P159T、P159L、R170C、R170P、P178S、P182L、N188S、G189V、A190T、A190E、G195W、L197F、K198E、G202R、M361I、F213I、F216Y、T231R、E233Stop、アミノ酸241と242との間のMの挿入、S237P、F251L、H255Q、D409H、R257Q、P266A、P266R、P266L、S271N、R285H、P289L、Y304C、Y304Stop、H311R、W312C、G325R、E326K、A341T、C342G、C342Y、V352L、R353G、G355D、R359Q、S364R、S364T、S366G、N370S、L371V、V375L、G377S、D380A、G389E、G390R、N392I、V394L、N396T、F397S、V398L、V398F、D399N、P401L、I402F、I402T、L444P、A456P、D409V、D409G、K413Q、Q414R、P415R、K425E、R433G、L444R、A446P、N462K、R463C、T491I、R496C、およびR496Hのうち1つまたはそれ以上を有するGBAの発現をもたらすことがある。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:S12I、アミノ酸13と14との間のSYの挿入、アミノ酸14におけるフレームシフト突然変異、L157Q、V460M、およびK416Qのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:K(-27)R、2(-4)X、G10S、V15M、C16S、D24N、G35S、S42N、T43I、R
47X、R48W、R48Q、Q73X、K74X、V78A、M85T、L105R、S107L、F109V、E111K、G113E、G113A、I119S、V121A、P122L、M123T、T134P、Y135X、A136E、K157Q、K157N、I161N、I161S、H162P、R163X、Q169X、R170P、S173X、L174F、A176D、W179X、T180P、P182T、W184R、L185F、N188K、V191G、V191E、G195E、S196P、L197P、G202E、Y205C、W209R、A210V、Y212H、F213C、Y220C、E233X、E233D、G239V、G243V、Y244H、P245H、R257X、F259L、G265D、P266A、S271N、L279P、R285C、K303I、Y304X、V305L、A309V、W312R、Y313H、D315H、A318D、P319A、T323I、L324P、G325W、R329C、F331S、L336P、C342R、W348G、G349K、Q350X、R353W、S356F、R359X、Y363C、S364N、S366N、S366T、T369M、N370K、W378G、W378X、D380N、D380H、W381X、N382K、L383R、L385P、P387L、E388X、P391L、W393R、W393L、V394L、R395C、R395P、V398I、D399Y、F411I、Y412H、Q414X、M416V、F417V、Y418C、R433S、H451R、L461P、N462S、R463P、D474Y、G478S、L480P、I489Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の挿入突然変異:84GG、122CC、c.153-154insTACAGC、155-156insACAGCT、D127X、500insT、c.8410842insTGA、1093-1094insG、1098insA、c.1122-1123insTG、c1326insT、c.1515_1516ins AGTGAGGGCAAT、および1562-1585insのうち1つまたはそれ以上を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の欠失突然変異:c.42-65del24、72delC、203Cdel、del205-209ACCTT、c.222-224delTAC、del255-257GCG、c.330delA、344delA、c.533delC、534delT、595-596delCT、c.708delC、V214X、793delC、898delG、914Cdel、c.953delT、g5255delT、L354X、c.1214delGC、1324-1326delATT、c.1439-1445del7、1450del2、1447-1466del20 insTG、およびc.1510delT,C,Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下のスプライスジャンクション(splice junction)突然変異:IVS2+1G>A、IVS2+1G>T、IVS4+1G>A、IVS5+1G>T、g.4252C>G、g.4426A>G、IVS6-1G>C、g.5230G>A、IVS8+1、IVS8(-11delC)(-14T>A)、IVS9-3C>G、IVS10-1G>A R463Q、IVS10+2T>A、およびIVS10(+2)のうち1つまたはそれ以上である。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、IVS2+1突然変異を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:c.(-203)A>G+IVS4-2a>g、S448P、c.1379G>A c.1469A>G、g.7319T>C+g.7741T>C、c.203-204insC、RecTLのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、Rec1突然変異(L444P、A456P、およびV460M)を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。GBA遺伝子における突然変異の追加の例およびGBA遺伝子における突然変異の検出方法は、例えば、Beutlerら、Blood Cells, Molecules, and Diseases、35巻(2005年)、35
5~364頁;Gan-Orら、Neurology、70巻(24号):2277~83頁、2008年;Hruskaら、Human Mutation、29巻(5号)、567~583頁、2008年;およびTsuang D.ら、Neurology 6;79巻(19号):1944~1950頁、2012年に記載されている。
【0184】
GBA遺伝子における追加の例示的突然変異およびGBA遺伝子における突然変異を検出する例示的方法は、例えば、Hruskaら、Human Mutation、29巻(5号)、567~583頁、2008年;およびBeutlerら、Blood Cells, Molecules, and Diseases、35巻:355~364頁、2005年に記載されている。GBA遺伝子における突然変異を検出する方法の非限定的例としては、制限断片長多型(RFLP);増幅不応性突然変異系(ARMS)PCR;対立遺伝子特異的増幅(ASA);多重PCR;ネステッドPCR;逆転写酵素(RT)PCR;リアルタイムPCR;多重ライゲーション依存性プローブ増幅(multiplex ligation-dependent probe amplification)(MLPA);変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE);変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC);温度勾配ゲル電気泳動(TGGE);一本鎖高次構造多型(SSCP);ヘテロ二本鎖分析(HET);単一ヌクレオチドプライマー伸長(single nucleotide primer extension)(すなわち、ミニ配列決定);ミスマッチ化学分割(chemical cleavage of mismatch)(CCM);TaqManおよび分子ビーコン;酵素ミスマッチ切断(enzyme mismatch cleavage)(EMC);タンパク質短縮試験(protein truncation test)(PTT);オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(oligonucleotide ligation assay)(OLA);蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH);切断断片長多型(CFLP);ミスマッチ結合タンパク質(例えば、MutS);対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)ハイブリダイゼーション;重亜硫酸ナトリウムとの反応性の差(differential reactivity);塩基切除配列スキャニング(base excision sequencing scanning)(BESS);およびリボヌクレアーゼミスマッチ切断(ribonuclease mismatch cleavage)(例えば、NIRCA)の技術が挙げられる。GBA遺伝子における突然変異を検出するための追加の方法は、例えば、Mahdiehら、Iran J.Pediatr.、23巻(4号):375~388頁、2013年に記載されている。
【0185】
本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は、酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち1種またはそれ以上(例えば、2、3、4、5、または6種)のレベルを検出する工程、ならびに酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、または6種)のレベルが対照レベルと比較して低下している被検体がタンパク質症を有するとしてさらに同定する工程をさらに含む。生体液を含む試料中の酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのレベルを検出する例示的方法は、例えば、米国特許出願公開第2008/0248513号およびWO13/070953(共に参照によってその全体を本明細書に組み入れる。)に記載されている。生体液を含む試料中の酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのレベルを検出するためのキットも市販されている。
【0186】
本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は、被検体から得た生体試料(例えば、生体液を含む試料)中のアミロイドβ、タウタンパク質、Aβ42、PARK7、PARK2、TDP-43、ALS2、およびシスタチンCのうち1種またはそれ以上のレベルを検出する工程、ならびにアミロイドβ、タウタンパク質、Aβ42、PARK7、PARK2、TDP-43、ALS2、およびシスタチンCのうち少なくとも1種またはそれ以上のレベルが(対照レベル、例えば本明細書に記載の対照レベルのいずれかと比較して)上昇している被検体がタンパク質症を有するとしてさらに同定する工程をさらに含む。本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は、被検体から得たゲノムDNAを含む生体試料中のα-シヌクレイン、パーキン、DJ1、PINK1、LRRK2、VDS35、EIF4G1、SOD1、FUS、ALS2、SETX、およびSPG11からなる群から選択される1つまたはそれ以上の遺伝子における、タンパク質症に関連する突然変異を検出する工程、ならびにタンパク質症に関連する突然変異を有する被検体がタンパク質症を有しているとしてさらに同定する工程をさらに含む。本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は、被検体から得たゲノムDNAを含む生体試料におけるAPOE-ε4の1つまたは2つの対立遺伝子の存在を検出する工程、および被検体におけるATPOE-ε4の1つまたは2つの対立遺伝子を有する被検体がタンパク質症を有しているとしてさらに同定する工程をさらに含む。
【0187】
本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は、工程(c)の後に:(d)タンパク質症を有しているとして同定された被検体に、タンパク質症に対する処置を投与する工程をさらに含む。いくつかの例において、処置は、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤(例えば、本明細書に記載のグリコシルセラミドシンターゼ阻害剤のいずれか)または組換え酵素(例えば、組換えグルコセレブロシダーゼ、例えば、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼ、もしくはタリグルセラーゼ)を投与することである。いくつかの例において、処置は、(i)エリグルスタット;(ii)ミグルスタット;(iii)キヌクリジン-3-イル(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(iv)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(v)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(4’-(2-メトキシエトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;ならびにこれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグの群から選択される、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤を投与することである。
【0188】
これらの方法のいずれかにおいて、対照レベルは、例えば、タンパク質症の1つまたはそれ以上の症状を呈していない、かつ/もしくはタンパク質症を有しているとして診断されなかった、被検体におけるレベル、タンパク質症の病歴を有していない被検体におけるレベル、健常被検体もしくは健常被検体の母集団におけるレベル、または閾値レベル(例えば、それを上回った場合、被検体がタンパク質症を有しているかタンパク質症発症の危険度が高いことを示すレベル)であってよい。対照レベルは、例えば、タンパク質症の病歴を有しておらず、また、場合により、タンパク質症を有しているとして診断または同定された遺伝的に関係する家族成員がいない、被検体または被検体の母集団から得た試料におけるレベルであってよい。対照レベルは、例えば、測定レベルが閾値レベルを上回った場合に、被検体がタンパク質症を有しているかタンパク質症発症の危険度が高いことを示す閾値レベルであってよい。スフィンゴ脂質のいずれかの追加の例示的対照レベルが本明細書に記載されている。
【0189】
いくつかの実施形態は、被検体のタンパク質症の同定を、被検体の医療記録(例えば、コンピュータ可読媒体)に記録する工程をさらに含む。いくつかの例は、被検体、被検体の家族、および/または被検体のかかりつけ医もしくは主治医に、被検体におけるタンパ
ク質症の同定について通知する工程をさらに含む。いくつかの例は、被検体の保険者に、被検体におけるタンパク質症の同定について通知する工程をさらに含む。
【0190】
被検体のタンパク質症発症の危険度を決定する方法
被検体のタンパク質症発症の危険度を決定する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料における少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、ジヘキソシルセラミドC24:1;ジヘキソシルセラミドC24:0;ジヘキソシルセラミドC23:0;ジヘキソシルセラミドC22:0;ジヘキソシルセラミドC20:0;ジヘキソシルセラミドC18:0;ジヘキソシルセラミドC16:0;ラクトシルセラミドC24:1;ラクトシルセラミドC24:0;ラクトシルセラミドC23:0;ラクトシルセラミドC22:0;ラクトシルセラミドC20:0;ラクトシルセラミドC18:0;ラクトシルセラミドC16:0;セラミドC24:1;セラミドC24:0;セラミドC23:0;セラミドC22:0;セラミドC20:0;セラミドC18:0;セラミドC16:0;セラミドC14:0;グロボトリアオシルセラミドC24:1;グロボトリアオシルセラミドC24:0;グロボトリアオシルセラミドC23:0;グロボトリアオシルセラミドC22:0;グロボトリアオシルセラミドC20:0;グロボトリアオシルセラミドC18:0;グロボトリアオシルセラミドC16:0;ガラクトシルセラミドC24:1;ガラクトシルセラミドC24:0;ガラクトシルセラミドC23:0;ガラクトシルセラミドC22:0;ガラクトシルセラミドC20:0;ガラクトシルセラミドC18:0;ガラクトシルセラミドC16:0;グルコシルセラミドC24:1;グルコシルセラミドC24:0;グルコシルセラミドC23:0;グルコシルセラミドC22:0;グルコシルセラミドC20:0;グルコシルセラミドC18:0;グルコシルセラミドC16:0;およびグルコシルスフィンゴシンの群から選択される、工程;ならびに(c)少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44種)のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して上昇している被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、前記少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程の前に、(a)の試料を富化する工程をさらに含む。
【0191】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0
、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも2種(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、2つのレベルのうち少なくとも一方または両方が、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定される。
【0192】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも3種(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、3つのレベルのうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全てが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも4種(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、4つのレベルのうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または4つ全てが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定される。
【0193】
被検体のタンパク質症発症の危険度を決定する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、または7種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、スフィンゴミエリンC24:1;スフィンゴミエリンC24:0;スフィンゴミエリンC23:0;スフィンゴミエリンC22:0;スフィンゴミエリンC20:0;スフィンゴミエリンC18:0;およびスフィンゴミエリンC16:0からなる群から選択される、工程;ならびに(c)少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、または7種)のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して低下している被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、前記少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程の前に、(a)の試料を富化する工程をさらに含む。
【0194】
被検体のタンパク質症発症の危険度を決定する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、または6個)を決定する工程;なら
びに(c)全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、または6個)のレベルが対照レベルと比較して上昇している被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つのレベルを検出する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0195】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの一方または両方を決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの両方を決定する工程を含み、該レベルの少なくとも一方または両方が、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体はタンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定される。
【0196】
被検体のタンパク質症発症の危険度を決定する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方を決定する工程;ならびに(c)全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方のレベルが低下している被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方のレベルを検出する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0197】
被検体のタンパク質症発症の危険度を決定する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程;および(c)グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比が対照比と比較して増加している被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、(a)の試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0198】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態において、該試料は、血液、血清、血漿、または脳脊髄液を含む。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態は、被検体から得たゲノムDNAを含む試料中のグルコセレブロシダーゼ(GBA)遺伝子の突然変異を検出する工程、およびGBA遺伝子の突然変異を有する被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとしてさらに同定する工程をさらに含む。GBA遺伝子の非限定的突然変異は、例えば、以下の突然変異:V15L、C16S、Δ36T、F37V、E41K、G46E、R48W、L66P、K79N、A90T、S107L、N117D、I119T、R120W、R120Q、P122S、M123V、D127V、R131C、R131L、T134I、D140H、K156Q、P159T、P159L、R170C、R170P、P178S、P182L、N188S、G189V、A190T、A190E、G195W、L197F、K198E、G202R、M361I、F213I、F216Y、T231R、E233Stop、アミノ酸241と242との間のMの挿入、S237P、F251L、H255Q、D409H、R257Q、P266A、P266R、P266L、S271N、R285H、P289L、Y304C、Y304Stop、H311R、W312C、G325R、E326K、A341T、C34
2G、C342Y、V352L、R353G、G355D、R359Q、S364R、S364T、S366G、N370S、L371V、V375L、G377S、D380A、G389E、G390R、N392I、V394L、N396T、F397S、V398L、V398F、D399N、P401L、I402F、I402T、L444P、A456P、D409V、D409G、K413Q、Q414R、P415R、K425E、R433G、L444R、A446P、N462K、R463C、T491I、R496C、およびR496Hのうち1つまたはそれ以上を有するGBAタンパク質の発現をもたらすことがある。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:S12I、アミノ酸13と14との間のSYの挿入、アミノ酸14におけるフレームシフト突然変異、L157Q、V460M、およびK416Qのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:K(-27)R、2(-4)X、G10S、V15M、C16S、D24N、G35S、S42N、T43I、R47X、R48W、R48Q、Q73X、K74X、V78A、M85T、L105R、S107L、F109V、E111K、G113E、G113A、I119S、V121A、P122L、M123T、T134P、Y135X、A136E、K157Q、K157N、I161N、I161S、H162P、R163X、Q169X、R170P、S173X、L174F、A176D、W179X、T180P、P182T、W184R、L185F、N188K、V191G、V191E、G195E、S196P、L197P、G202E、Y205C、W209R、A210V、Y212H、F213C、Y220C、E233X、E233D、G239V、G243V、Y244H、P245H、R257X、F259L、G265D、P266A、S271N、L279P、R285C、K303I、Y304X、V305L、A309V、W312R、Y313H、D315H、A318D、P319A、T323I、L324P、G325W、R329C、F331S、L336P、C342R、W348G、G349K、Q350X、R353W、S356F、R359X、Y363C、S364N、S366N、S366T、T369M、N370K、W378G、W378X、D380N、D380H、W381X、N382K、L383R、L385P、P387L、E388X、P391L、W393R、W393L、V394L、R395C、R395P、V398I、D399Y、F411I、Y412H、Q414X、M416V、F417V、Y418C、R433S、H451R、L461P、N462S、R463P、D474Y、G478S、L480P、I489Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の挿入突然変異:84GG、122CC、c.153-154insTACAGC、155-156insACAGCT、D127X、500insT、c.8410842insTGA、1093-1094insG、1098insA、c.1122-1123insTG、c1326insT、c.1515_1516ins AGTGAGGGCAAT、および1562-1585insのうち1つまたはそれ以上を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の欠失突然変異:c.42-65del24、72delC、203Cdel、del205-209ACCTT、c.222-224delTAC、del255-257GCG、c.330delA、344delA、c.533delC、534delT、595-596delCT、c.708delC、V214X、793delC、898delG、914Cdel、c.953delT、g5255delT、L354X、c.1214delGC、1324-1326delATT、c.1439-1445del7、1450del2、1447-1466del20 insTG、およびc.1510delT,C,Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下のスプライスジャンクション(splice junction)突然変異:IVS2+1G>A、IVS2+1G>T、IVS4+1G>A、IVS5+1G>T、g.4252C>G、g.44
26A>G、IVS6-1G>C、g.5230G>A、IVS8+1、IVS8(-11delC)(-14T>A)、IVS9-3C>G、IVS10-1G>A R463Q、IVS10+2T>A、およびIVS10(+2)のうち1つまたはそれ以上である。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、IVS2+1突然変異を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:c.(-203)A>G+IVS4-2a>g、S448P、c.1379G>A c.1469A>G、g.7319T>C+g.7741T>C、c.203-204insC、RecTLのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、Rec1突然変異(L444P、A456P、およびV460M)を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。GBA遺伝子における突然変異の追加の例およびGBA遺伝子における突然変異の検出方法は、例えば、Beutlerら、Blood Cells, Molecules, and Diseases、35巻(2005年)、355~364頁;Gan-Orら、Neurology、70巻(24号):2277~83頁、2008年;Hruskaら、Human Mutation、29巻(5号)、567~583頁、2008年;およびTsuang D.ら、Neurology 6;79巻(19号):1944~1950頁、2012年に記載されている。
【0199】
GBA遺伝子における追加の例示的突然変異およびGBA遺伝子における突然変異を検出する例示的方法は、例えば、Hruskaら、Human Mutation、29巻(5号)、567~583頁、2008年;およびBeutlerら、Blood Cells, Molecules, and Diseases、35巻:355~364頁、2005年に記載されている。
【0200】
GBA遺伝子における突然変異を検出する方法の非限定的例としては、制限断片長多型(RFLP);増幅不応性突然変異系(ARMS)PCR;対立遺伝子特異的増幅(ASA);多重PCR;ネステッドPCR;逆転写酵素(RT)PCR;リアルタイムPCR;多重ライゲーション依存性プローブ増幅(MLPA);変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE);変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC);温度勾配ゲル電気泳動(TGGE);一本鎖高次構造多型(SSCP);ヘテロ二本鎖分析(HET);単一ヌクレオチドプライマー伸長(すなわち、ミニ配列決定);ミスマッチ化学分割(CCM);TaqManおよび分子ビーコン;酵素ミスマッチ切断(EMC);タンパク質短縮試験(PTT);オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA);蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH);切断断片長多型(CFLP);ミスマッチ結合タンパク質(例えば、MutS);対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)ハイブリダイゼーション;重亜硫酸ナトリウムとの反応性の差;塩基切除配列スキャニング(BESS);およびリボヌクレアーゼミスマッチ切断(例えば、NIRCA)の技術が挙げられる。GBA遺伝子における突然変異を検出するための追加の方法は、例えば、Mahdiehら、Iran J.Pediatr.、23巻(4号):375~388頁、2013年に記載されている。
【0201】
本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は、酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち1種またはそれ以上(例えば、2、3、4、5、または6種)のレベルを検出する工程、ならびに酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、または6種)のレベルが対照レベルと比較して低下している被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとして、さらに同定する工程をさらに含む。生体液を含む試料中の酸性β-グルコセレブロシダーゼ、
酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのレベルを検出する例示的方法は、例えば、米国特許出願公開第2008/0248513号およびWO13/070953(共に参照によってその全体を本明細書に組み入れる。)に記載されている。生体液を含む試料中の酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのレベルを検出するためのキットも市販されている。
【0202】
本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は、被検体から得た生体試料(例えば、生体液を含む試料)中のアミロイドβ、タウタンパク質、Aβ42、PARK7、PARK2、TDP-43、ALS2、およびシスタチンCのうち1種またはそれ以上のレベルを検出する工程、ならびにアミロイドβ、タウタンパク質、Aβ42、PARK7、PARK2、TDP-43、ALS2、およびシスタチンCのうち1種またはそれ以上のレベルが(対照レベル、例えば本明細書に記載の対照レベルのいずれかと比較して)上昇している被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとして、さらに同定する工程をさらに含む。本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は、被検体から得たゲノムDNAを含む生体試料中のα-シヌクレイン、パーキン、DJ1、PINK1、LRRK2、VDS35、EIF4G1、SOD1、FUS、ALS2、SETX、およびSPG11からなる群から選択される1つまたはそれ以上の遺伝子における、タンパク質症に関連する突然変異を検出する工程、ならびにタンパク質症に関連する突然変異を有する被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとして、さらに同定する工程、をさらに含む。本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は、被検体から得たゲノムDNAを含む生体試料におけるAPOE-ε4の1つまたは2つの対立遺伝子の存在を検出する工程、および被検体におけるAPOE-ε4の1つまたは2つの対立遺伝子を有する被検体を、タンパク質症発症の危険度が増大しているとして、さらに同定する工程をさらに含む。
【0203】
本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は、工程(c)の後に:(d)タンパク質症発症の危険度が増大しているとして同定された被検体に、タンパク質症に対する処置を投与する工程をさらに含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、処置は、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野において公知のグルコシルセラミドシンターゼ阻害剤のいずれか)または組換え酵素(例えば、組換えグルコセレブロシダーゼ、例えば、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼ、もしくはタリグルセラーゼ)を投与することである。いくつかの例において、処置は、(i)エリグルスタット;(ii)ミグルスタット;(iii)キヌクリジン-3-イル(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(iv)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(v)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(4’-(2-メトキシエトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;ならびにこれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグの群から選択される、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤を投与することである。
【0204】
これらの方法のいずれかにおいて、対照レベルは、例えば、タンパク質症の1つまたはそれ以上の症状を呈していない、かつ/もしくはタンパク質症を有しているとして診断されなかった、被検体におけるレベル、健常被検体もしくは健常被検体の母集団におけるレベル、閾値レベル(例えば、それを上回った場合、被検体がタンパク質症を有しているかタンパク質症発症の危険があることを示すレベル)、タンパク質症を発症する遺伝的危険度(例えば、高い遺伝的危険度)を有しているとして同定されていない被検体もしくは被検体の母集団におけるレベル、タンパク質症の病歴を有しておらず、場合により、タンパ
ク質症を有しているとして診断または同定された遺伝的に関係する家族成員がいない、被検体または被検体の母集団から得た試料におけるレベル、または測定レベルが閾値レベルを上回った場合に、被検体がタンパク質症を有しているかタンパク質症発症の危険度が高いことを示す閾値レベルであってよい。スフィンゴ脂質のいずれかの追加の例示的対照レベルが本明細書に記載されている。
【0205】
いくつかの実施形態は、被検体のタンパク質症発症の危険度を、被検体の医療記録(例えば、コンピュータ可読媒体)に記録する工程をさらに含む。いくつかの例は、被検体、被検体の家族、および/または被検体のかかりつけ医もしくは主治医に、被検体のタンパク質症発症の危険度について通知する工程をさらに含む。いくつかの例は、被検体の保険者に、被検体のタンパク質症発症の危険度について通知する工程をさらに含む。
【0206】
タンパク質症の段階を決定する方法
被検体におけるタンパク質症の段階を決定する方法であって:(a)タンパク質症を有すると疑われるかタンパク質症を有するとして同定された被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料における少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、または51種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、ジヘキソシルセラミドC24:1;ジヘキソシルセラミドC24:0;ジヘキソシルセラミドC23:0;ジヘキソシルセラミドC22:0;ジヘキソシルセラミドC20:0;ジヘキソシルセラミドC18:0;ジヘキソシルセラミドC16:0;ラクトシルセラミドC24:1;ラクトシルセラミドC24:0;ラクトシルセラミドC23:0;ラクトシルセラミドC22:0;ラクトシルセラミドC20:0;ラクトシルセラミドC18:0;ラクトシルセラミドC16:0;セラミドC24:1;セラミドC24:0;セラミドC23:0;セラミドC22:0;セラミドC20:0;セラミドC18:0;セラミドC16:0;セラミドC14:0;グロボトリアオシルセラミドC24:1;グロボトリアオシルセラミドC24:0;グロボトリアオシルセラミドC23:0;グロボトリアオシルセラミドC22:0;グロボトリアオシルセラミドC20:0;グロボトリアオシルセラミドC18:0;グロボトリアオシルセラミドC16:0;スフィンゴミエリンC24:1;スフィンゴミエリンC24:0;スフィンゴミエリンC23:0;スフィンゴミエリンC22:0;スフィンゴミエリンC20:0;スフィンゴミエリンC18:0;スフィンゴミエリンC16:0;ガラクトシルセラミドC24:1;ガラクトシルセラミドC24:0;ガラクトシルセラミドC23:0;ガラクトシルセラミドC22:0;ガラクトシルセラミドC20:0;ガラクトシルセラミドC18:0;ガラクトシルセラミドC16:0;グルコシルセラミドC24:1;グルコシルセラミドC24:0;グルコシルセラミドC23:0;グルコシルセラミドC22:0;グルコシルセラミドC20:0;グルコシルセラミドC18:0;グルコシルセラミドC16:0;およびグルコシルスフィンゴシンの群から選択される、工程;ならびに(c)少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、または51個)のレベルから、被検体におけるタンパク質症の段階を決定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、前記少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0207】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC
24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、スフィンゴミエリンC24:0、スフィンゴミエリンC24:1、スフィンゴミエリンC23:0、スフィンゴミエリンC22:0、スフィンゴミエリンC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、スフィンゴミエリンC24:0、スフィンゴミエリンC24:1、スフィンゴミエリンC23:0、スフィンゴミエリンC22:0、スフィンゴミエリンC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも2種(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、被検体のタンパク質症の段階が、2つのレベルのうち少なくとも一方または両方のレベルから決定される。
【0208】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、スフィンゴミエリンC24:0、スフィンゴミエリンC24:1、スフィンゴミエリンC23:0、スフィンゴミエリンC22:0、スフィンゴミエリンC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも3種(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22種)のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、被検体のタンパク質症の段階が、3つのレベルのうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全てから決定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、スフィンゴミエリンC24:0、スフィンゴミエリンC24:1、スフィンゴミエリンC23:0、スフィンゴミエリンC22:0、スフィンゴミエリンC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも4種(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22種)のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、被検体のタンパク質症の段階が、4つの
レベルのうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または4つ全てから決定される。
【0209】
被検体のタンパク質症の段階を決定する方法であって:(a)タンパク質症を有すると疑われるかタンパク質症を有するとして同定された被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全セラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、6、7、または8個)を決定する工程;ならびに(c)全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全セラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、6、7、または8個)から被検体のタンパク質症の段階を決定する工程を含む方法もまた提供される。いくつかの実施形態は、全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全セラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つを決定する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全セラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、および全グルコシルセラミドレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、または4個)を決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全セラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、および全グルコシルセラミドレベルのうち少なくとも2つ(例えば、3または4個)を決定する工程を含み、被検体のタンパク質症の段階が、2つのレベルのうち少なくとも一方または両方から決定される。
【0210】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全セラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、および全グルコシルセラミドレベルのうち少なくとも3つ(例えば、4個)を決定する工程を含み、被検体のタンパク質症の段階が、3つのレベルのうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全てから決定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全セラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、および全グルコシルセラミドレベルを決定する工程を含み、被検体のタンパク質症の段階が、4つのレベルのうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または4つ全てから決定される。
【0211】
これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、段階を決定する工程は、少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベル、または全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全セラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つを、それぞれ、少なくとも1種のスフィンゴ脂質の対照レベル、または全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全セラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つの対照レベルと比較する工程を含んでよい。対照レベルは、例えば、測定レベルが閾値レベルを上回っている場合に、被検体が特定段階のタンパク質症を有することを示す閾値レベルであってよい。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態において、対照レベルは、特定段階のタンパク質症を有するとして診断または同定された被検体から得た試料におけるレベルであってよい。いく
つかの例において、対照レベルは、特定段階のタンパク質症を有するとして診断または同定された被検体もしくは被検体の母集団に存在する、少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルまたは全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全セラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つに相当する範囲のレベルであってよい。
【0212】
これらの方法のいくつかの実施形態において、試料は、血液、血清、血漿、または脳脊髄液を含む。これらの方法のいくつかの実施形態は、工程(c)の後に:(d)タンパク質症の段階I、段階II、段階III、段階IV、または段階Vを有するとして同定された被検体に、それぞれタンパク質症の段階I、段階II、段階III、段階IV、または段階Vに対する処置を投与する工程をさらに含む。
【0213】
パーキンソン病の前期段階(例えば、段階I、IIおよび/またはIII)の処置の非限定的例としては、例えば、ラサギリン、モノアミン酸化酵素B(MAO-B)阻害剤、ドーパミンアゴニスト、および(カルビドパなどのデカルボキシラーゼ阻害剤を含有する)レボドパのうち1種またはそれ以上が挙げられる。パーキンソン病の後期段階(例えば、段階IVおよび/またはV)の処置の非限定的例としては、入院もしくはホスピスケア、および/またはパーキンソン病の前期段階で投与されたラサギリン、モノアミン酸化酵素B(MAO-B)阻害剤、ドーパミンアゴニスト、および(カルビドパなどのデカルボキシラーゼ阻害剤と併用する)レボドパのうち1種またはそれ以上の投与量もしくは頻度の増加が挙げられる。いくつかの例では、パーキンソン病の後期段階(例えば、段階IVおよび/またはV)の処置は、(場合によりカルビドパと併用する)レボドパを含まない。
【0214】
アルツハイマー病の前期段階(例えば、段階I、II、IIIおよび/またはIV)の処置の非限定的例としては:例えば、コリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジル(アリセプト)、リバスチグミン(エクセロン)、およびガランタミン(ラザダイン))の1種またはそれ以上が挙げられる。アルツハイマー病の中程度から重度の段階(例えば、段階V、VIまたはVII)の処置の非限定的例としては、例えば、メマンチン(ナメンダ)またはメマンチン(ナメンダ)およびドネペジル(アリセプト)の組み合わせが挙げられる。
【0215】
ALSの前期段階(例えば、段階I、IIおよび/またはIII)の処置の非限定的例としては、例えば、リルゾール(Rilutek)、バクロフェン(リオレサール)、NSAID(例えば、イブプロフェン)、ロラゼパム(アチバン)、アミトリプチリン、オキシブチニン、オメプラゾール、プロクロルペラジン、およびジフェニルヒドラジンが挙げられる。ALSの後期段階(例えば、段階IV、V、および/またはVI)の処置の非限定的例としては、例えば、機械的換気および/もしくは気管切開、ならびに/または前期段階のALSを有する被検体に投与されるはずの用量と比較して、リルゾール(Rilutek)、バクロフェン(リオレサール)、NSAID(例えば、イブプロフェン)、ロラゼパム(アチバン)、アミトリプチリン、オキシブチニン、オメプラゾール、プロクロルペラジン、およびジフェニルヒドラジンの1種またはそれ以上の用量を増加させることが挙げられる。
【0216】
タンパク質症をモニタリングする方法
被検体のタンパク質症をモニタリングする方法は:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)(a)の試料における少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、2
6、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、ジヘキソシルセラミドC24:1;ジヘキソシルセラミドC24:0;ジヘキソシルセラミドC23:0;ジヘキソシルセラミドC22:0;ジヘキソシルセラミドC20:0;ジヘキソシルセラミドC18:0;ジヘキソシルセラミドC16:0;ラクトシルセラミドC24:1;ラクトシルセラミドC24:0;ラクトシルセラミドC23:0;ラクトシルセラミドC22:0;ラクトシルセラミドC20:0;ラクトシルセラミドC18:0;ラクトシルセラミドC16:0;セラミドC24:1;セラミドC24:0;セラミドC23:0;セラミドC22:0;セラミドC20:0;セラミドC18:0;セラミドC16:0;セラミドC14:0;グロボトリアオシルセラミドC24:1;グロボトリアオシルセラミドC24:0;グロボトリアオシルセラミドC23:0;グロボトリアオシルセラミドC22:0;グロボトリアオシルセラミドC20:0;グロボトリアオシルセラミドC18:0;グロボトリアオシルセラミドC16:0;ガラクトシルセラミドC24:1;ガラクトシルセラミドC24:0;ガラクトシルセラミドC23:0;ガラクトシルセラミドC22:0;ガラクトシルセラミドC20:0;ガラクトシルセラミドC18:0;ガラクトシルセラミドC16:0;グルコシルセラミドC24:1;グルコシルセラミドC24:0;グルコシルセラミドC23:0;グルコシルセラミドC22:0;グルコシルセラミドC20:0;グルコシルセラミドC18:0;グルコシルセラミドC16:0;およびグルコシルスフィンゴシンの群から選択される、工程;(c)第1の時点後の第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;および(d)該レベルが、第1の時点のレベルと比較して第2の時点で上昇していない場合に、被検体のタンパク質症が改善または静止していると同定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態は、前記少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程の前に、第1または第2の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0217】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(c)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(c)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも2種(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、2つのレベルのうち少なくとも一方または両方が、第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない場合に、被検体のタンパク質症は改善または静止していると同定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(c)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミ
ドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも3種(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、3つのレベルのうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全てが、第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない場合に、被検体のタンパク質症は改善または静止していると同定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(c)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも4種(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、4つのレベルのうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または4つ全てが、第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない場合に、被検体のタンパク質症は改善または静止していると同定される。
【0218】
被検体のタンパク質症をモニタリングする方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、または7種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、スフィンゴミエリンC24:1、スフィンゴミエリンC24:0、スフィンゴミエリンC23:0、スフィンゴミエリンC22:0、スフィンゴミエリンC20:0、スフィンゴミエリンC18:0、およびスフィンゴミエリンC16:0の群から選択される、工程;(c)第1の時点後の第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;および(d)該レベルが、第1の時点のレベルと比較して第2の時点で上昇している場合に、被検体のタンパク質症が改善または静止していると同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、前記少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程の前に、第1または第2の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0219】
被検体のタンパク質症をモニタリングする方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、または6個)を決定する工程;(c)第1の時点後の第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;ならびに(d)全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、または6個)が、第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない(例えば、該レベルが、第1の時点でのレベルと同一または実質的に同一であるか、第1の時点でのレベルと比較して増加していない)場合に、被検体のタンパク質症が改善または静止していると同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、全ジ
ヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、ならびに全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つのレベルを決定する工程の前に、第1および第2の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0220】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(c)は、全ガラクトシルセラミドレベルおよび全グルコシルセラミドレベルの一方または両方を決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(c)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの両方を決定する工程を含み、該レベルの少なくとも一方または両方が、第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない場合に、被検体のタンパク質症は改善または静止していると同定される。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)および(c)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの両方を決定する工程を含み、該レベルの一方または両方が、第1の時点と比較して第2の時点で上昇していない場合に、被検体のタンパク質症は改善または静止していると同定される。
【0221】
被検体のタンパク質症をモニタリングする方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方を決定する工程;(c)第1の時点後の第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;ならびに(d)全セラミドレベルと全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方が、第1の時点と比較して第2の時点で上昇している(例えば、該レベルは、第1の時点でのレベルと同一または実質的に同一であるか、第1の時点でのレベルと比較して増加している)場合に、被検体のタンパク質症が改善または静止していると同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方のレベルを決定する前に、第1および第2の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0222】
被検体のタンパク質症をモニタリングする方法であって:(a)第1の時点で、タンパク質症を有する被検体から得た生体液を含む第1の試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程;(c)第1の時点後の第2の時点で、被検体から得た生体液を含む第2の試料を用意し、第2の試料に対して工程(b)を実行する工程;および(d)グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比が、第1の時点と比較して第2の時点で低下している(例えば、該レベルは、第1の時点でのレベルと同一または実質的に同一であるか、第1の時点でのレベルと比較して増加している)場合に、被検体のタンパク質症が改善または静止していると同定する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方のレベルを決定する前に、第1および第2の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態において、第1の試料および第2の試料は、血液、血漿、血液、または脳脊髄(cerebrosprinal)液を含む。
【0223】
いくつかの実施形態は、(d)の後に:(e)タンパク質症は改善または静止していると同定された被検体に、同じ処置(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野において公知のタンパク質症の例示的処置のいずれか)を投与する工程をさらに含む。例えば、(e)における投与は、例えば、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤(例えば、本明細書に記載のグリコシルセラミドシンターゼ阻害剤のいずれか)または組換え酵素(例えば、本明細書に記載の組換え酵素のいずれか)の投与であってよい。グルコシルセラミドシ
ンターゼ阻害剤の非限定的例としては:(i)エリグルスタット;(ii)ミグルスタット;(iii)キヌクリジン-3-イル(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(iv)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(v)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(4’-(2-メトキシエトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;ならびにこれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグが挙げられる。組換え酵素の非限定的例は、組換えグルコセレブロシダーゼ(例えば、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼ、またはタリグルセラーゼ)である。
【0224】
本方法のいずれかのいくつかの実施形態は、(工程(a)の前に)、タンパク質症を有する被検体を選択する工程または被検体がタンパク質症を有しているとして診断する工程(例えば、本明細書に記載のタンパク質症を診断する例示的方法のいずれかを使用する工程)をさらに含む。これらの方法のいずれかにおける被検体は、本明細書に記載の被検体のいずれかであり得る。本方法のいずれかのいくつかの実施形態は、タンパク質症を有する被検体から第1および/または第2の試料を得る工程をさらに含む。
【0225】
いくつかの実施形態は、被検体のタンパク質症の改善または静止状態を、被検体の医療記録(例えば、コンピュータ可読媒体)に記録する工程をさらに含む。いくつかの例は、被検体、被検体の家族、および/または被検体のかかりつけ医もしくは主治医に、被検体のタンパク質症の改善または静止状態について通知する工程をさらに含む。いくつかの実施形態は、被検体のタンパク質症は改善または静止していると同定されたときに、第1の時点と第2の時点との間に被検体に投与される処置の補充の承認をさらに含む。いくつかの実施形態は、被検体のタンパク質症は改善または静止しているという同定に基づいて、入院施設(例えば、病院)から被検体を退院させることを含む。
【0226】
第1の時点と第2の時点との間の時間差は、例えば、1~40週間、1~30週間、1~20週間、1~12週間、1~8週間、1~4週間、1~2週間、2~12週間、2~8週間、または2~4週間であってよい。
【0227】
本方法のいずれかのいくつかの実施形態において、タンパク質症のモニタリングは、少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルまたは全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つを、対照レベルと比較する工程を含んでもよい。対照レベルは、例えば、特定段階のタンパク質症(例えば、段階I、段階II、段階III、または段階IVのタンパク質症、例えば、本明細書に記載したタンパク質症のいずれか)を有する被検体または被検体の母集団から得た試料におけるレベルであってよい。いくつかの例において、対照レベルは、特定段階のタンパク質症(例えば、段階I、段階II、段階III、または段階IVのタンパク質症)を有するとして決定または同定された被検体もしくは被検体の母集団に存在する、少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベル、または全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つに相当する範囲のレベルであってよい。
【0228】
被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する工程
本明細書では、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料における少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、
28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、ジヘキソシルセラミドC24:1;ジヘキソシルセラミドC24:0;ジヘキソシルセラミドC23:0;ジヘキソシルセラミドC22:0;ジヘキソシルセラミドC20:0;ジヘキソシルセラミドC18:0;ジヘキソシルセラミドC16:0;ラクトシルセラミドC24:1;ラクトシルセラミドC24:0;ラクトシルセラミドC23:0;ラクトシルセラミドC22:0;ラクトシルセラミドC20:0;ラクトシルセラミドC18:0;ラクトシルセラミドC16:0;セラミドC24:1;セラミドC24:0;セラミドC23:0;セラミドC22:0;セラミドC20:0;セラミドC18:0;セラミドC16:0;セラミドC14:0;グロボトリアオシルセラミドC24:1;グロボトリアオシルセラミドC24:0;グロボトリアオシルセラミドC23:0;グロボトリアオシルセラミドC22:0;グロボトリアオシルセラミドC20:0;グロボトリアオシルセラミドC18:0;グロボトリアオシルセラミドC16:0;ガラクトシルセラミドC24:1;ガラクトシルセラミドC24:0;ガラクトシルセラミドC23:0;ガラクトシルセラミドC22:0;ガラクトシルセラミドC20:0;ガラクトシルセラミドC18:0;ガラクトシルセラミドC16:0;グルコシルセラミドC24:1;グルコシルセラミドC24:0;グルコシルセラミドC23:0;グルコシルセラミドC22:0;グルコシルセラミドC20:0;グルコシルセラミドC18:0;グルコシルセラミドC16:0;およびグルコシルスフィンゴシンの群から選択される、工程;ならびに(c)該少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44種)のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する工程を含む方法もまた提供される。いくつかの実施形態は、前記少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0229】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、または7種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも2種(例えば、3、4、5、6、または7種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、2つのレベルのうち少なくとも一方または両方が、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置が選択される。
【0230】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC
24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも3種(例えば、4、5、6、または7種)のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、3つのレベルのうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全てが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置が選択される。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも4種(例えば、5、6、または7種)のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、4つのレベルのうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または4つ全てが、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置が選択される。
【0231】
本明細書では、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、または7種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、スフィンゴミエリンC24:1;スフィンゴミエリンC24:0;スフィンゴミエリンC23:0;スフィンゴミエリンC22:0;スフィンゴミエリンC20:0;スフィンゴミエリンC18:0;およびスフィンゴミエリンC16:0の群から選択される、工程;ならびに(c)少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、または7種)のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して低下している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する工程を含む方法もまた提供される。いくつかの実施形態は、前記少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0232】
本明細書では、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、または6個)を決定する工程;(c)全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、または6個)が、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つのレベルを決定する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0233】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの一方または両方を決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの両方を決定する工程を含み、該レベルの一方または両方が、対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置が選択される。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルおよび全グルコシルセラミドレベルを決定する工程を含み、両方のレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置が選択される。
【0234】
本明細書では、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方を決定する工程;ならびに(c)全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方が、対照レベルと比較して低下している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、全セラミドレベルと全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方のレベルを決定する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0235】
本明細書では、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程;および(c)グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比が、対照比と比較して増大している場合に、被検体についてタンパク質症に対する処置を選択する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態において、該試料は、血液、血清、血漿、または脳脊髄液を含む。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態は、被検体から得たゲノムDNAを含む試料におけるグルコセレブロシダーゼ(GBA)遺伝子の突然変異を検出する工程、およびGBA遺伝子の突然変異を有する被検体についてタンパク質症に対する処置をさらに選択する工程をさらに含む。GBA遺伝子の非限定的突然変異は、例えば、以下の突然変異:V15L、C16S、Δ36T、F37V、E41K、G46E、R48W、L66P、K79N、A90T、S107L、N117D、I119T、R120W、R120Q、P122S、M123V、D127V、R131C、R131L、T134I、D140H、K156Q、P159T、P159L、R170C、R170P、P178S、P182L、N188S、G189V、A190T、A190E、G195W、L197F、K198E、G202R、M361I、F213I、F216Y、T231R、E233Stop、アミノ酸241と242との間のMの挿入、S237P、F251L、H255Q、D409H、R257Q、P266A、P266R、P266L、S271N、R285H、P289L、Y304C、Y304Stop、H311R、W312C、G325R、E326K、A341T、C342G、C342Y、V352L、R353G、G355D、R359Q、S364R、S364T、S366G、N370S、L371V、V375L、G377S、D380A、G389E、G390R、N392I、V394L、N396T、F397S、V398L、V398F、D399N、P401L、I402F、I402T、L444P、A456P、D409V、D409G、K413Q、Q414R、P415R、K425E、R433G、L444R、A446P、N462K、R463C、T491I、R496C、およびR496Hのうち1つまたはそれ以上を有するGBAの発現をもたらすことがある。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:S12I、アミノ酸
13と14との間のSYの挿入、アミノ酸14におけるフレームシフト突然変異、L157Q、V460M、およびK416Qのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:K(-27)R、2(-4)X、G10S、V15M、C16S、D24N、G35S、S42N、T43I、R47X、R48W、R48Q、Q73X、K74X、V78A、M85T、L105R、S107L、F109V、E111K、G113E、G113A、I119S、V121A、P122L、M123T、T134P、Y135X、A136E、K157Q、K157N、I161N、I161S、H162P、R163X、Q169X、R170P、S173X、L174F、A176D、W179X、T180P、P182T、W184R、L185F、N188K、V191G、V191E、G195E、S196P、L197P、G202E、Y205C、W209R、A210V、Y212H、F213C、Y220C、E233X、E233D、G239V、G243V、Y244H、P245H、R257X、F259L、G265D、P266A、S271N、L279P、R285C、K303I、Y304X、V305L、A309V、W312R、Y313H、D315H、A318D、P319A、T323I、L324P、G325W、R329C、F331S、L336P、C342R、W348G、G349K、Q350X、R353W、S356F、R359X、Y363C、S364N、S366N、S366T、T369M、N370K、W378G、W378X、D380N、D380H、W381X、N382K、L383R、L385P、P387L、E388X、P391L、W393R、W393L、V394L、R395C、R395P、V398I、D399Y、F411I、Y412H、Q414X、M416V、F417V、Y418C、R433S、H451R、L461P、N462S、R463P、D474Y、G478S、L480P、I489Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の挿入突然変異:84GG、122CC、c.153-154insTACAGC、155-156insACAGCT、D127X、500insT、c.8410842insTGA、1093-1094insG、1098insA、c.1122-1123insTG、c1326insT、c.1515_1516ins AGTGAGGGCAAT、および1562-1585insのうち1つまたはそれ以上を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の欠失突然変異:c.42-65del24、72delC、203Cdel、del205-209ACCTT、c.222-224delTAC、del255-257GCG、c.330delA、344delA、c.533delC、534delT、595-596delCT、c.708delC、V214X、793delC、898delG、914Cdel、c.953delT、g5255delT、L354X、c.1214delGC、1324-1326delATT、c.1439-1445del7、1450del2、1447-1466del20 insTG、およびc.1510delT,C,Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下のスプライスジャンクション(splice junction)突然変異:IVS2+1G>A、IVS2+1G>T、IVS4+1G>A、IVS5+1G>T、g.4252C>G、g.4426A>G、IVS6-1G>C、g.5230G>A、IVS8+1、IVS8(-11delC)(-14T>A)、IVS9-3C>G、IVS10-1G>A R463Q、IVS10+2T>A、およびIVS10(+2)のうち1つまたはそれ以上である。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、IVS2+1突然変異を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:c.(-203)A>G+IVS4-2a>g、S448P、c.1379G>A c.1469A>G、g.7319T>C+g.7741T>C、c.203-204insC、RecTLのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のい
くつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、Rec1突然変異(L444P、A456P、およびV460M)を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。GBA遺伝子における突然変異の追加の例およびGBA遺伝子における突然変異の検出方法は、例えば、Beutlerら、Blood Cells, Molecules, and Diseases、35巻(2005年)、355~364頁;Gan-Orら、Neurology、70巻(24号):2277~83頁、2008年;Hruskaら、Human Mutation、29巻(5号)、567~583頁、2008年;およびTsuang D.ら、Neurology 6;79巻(19号):1944~1950頁、2012年に記載されている。
【0236】
GBA遺伝子における追加の例示的突然変異およびGBA遺伝子における突然変異を検出する例示的方法は、例えば、Hruskaら、Human Mutation、29巻(5号)、567~583頁、2008年;およびBeutlerら、Blood Cells, Molecules, and Diseases、35巻:355~364頁、2005年に記載されている。GBA遺伝子における突然変異を検出する方法の非限定的例としては、制限断片長多型(RFLP);増幅不応性突然変異系(ARMS)PCR;対立遺伝子特異的増幅(ASA);多重PCR;ネステッドPCR;逆転写酵素(RT)PCR;リアルタイムPCR;多重ライゲーション依存性プローブ増幅(MLPA);変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE);変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC);温度勾配ゲル電気泳動(TGGE);一本鎖高次構造多型(SSCP);ヘテロ二本鎖分析(HET);単一ヌクレオチドプライマー伸長(すなわち、ミニ配列決定);ミスマッチ化学分割(CCM);TaqManおよび分子ビーコン;酵素ミスマッチ切断(EMC);タンパク質短縮試験(PTT);オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA);蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH);切断断片長多型(CFLP);ミスマッチ結合タンパク質(例えば、MutS);対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)ハイブリダイゼーション;重亜硫酸ナトリウムとの反応性の差;塩基切除配列スキャニング(BESS);およびリボヌクレアーゼミスマッチ切断(例えば、NIRCA)の技術が挙げられる。GBA遺伝子における突然変異を検出するための追加の方法は、例えば、Mahdiehら、Iran J.Pediatr.、23巻(4号):375~388頁、2013年に記載されている。
【0237】
本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は、酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち1種またはそれ以上(例えば、2、3、4、5、または6種)のレベルを検出する工程、ならびに酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、または6種)のレベルが対照レベルと比較して低下している被検体についてタンパク質症に対する処置をさらに選択する工程をさらに含む。生体液を含む試料中の酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのレベルを検出する例示的方法は、例えば、米国特許出願公開第2008/0248513号およびWO13/070953(共に参照によってその全体を本明細書に組み入れる。)に記載されている。生体液を含む試料中の酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのレベルを検出するためのキットも市販されている。
【0238】
本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は、工程(c)の後に:(d)選択された処置を被検体に投与する工程をさらに含む。いくつかの例において、選
択される処置は、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野において公知のグルコシルセラミドシンターゼ阻害剤のいずれか)または組換え酵素(例えば、組換えグルコセレブロシダーゼ、例えば、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼ、もしくはタリグルセラーゼ)である。これらの方法のいくつかの実施形態において、選択される処置は、(i)エリグルスタット;(ii)ミグルスタット;(iii)キヌクリジン-3-イル(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(iv)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(v)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(4’-(2-メトキシエトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;ならびにこれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグの群から選択される、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤である。
【0239】
これらの方法のいずれかにおいて、対照レベルは、例えば、タンパク質症の1つまたはそれ以上の症状を呈していない、かつ/もしくはタンパク質症を有しているとして診断されなかった、被検体におけるレベル、タンパク質症の病歴を有していない被検体におけるレベル、健常被検体もしくは健常被検体の母集団におけるレベル、または閾値レベル(例えば、それを上回った場合、被検体がタンパク質症を有しているかタンパク質症発症の危険度が高いことを示すレベル)であってよい。対照レベルは、例えば、タンパク質症の病歴を有しておらず、場合により、タンパク質症を有しているとして診断または同定された遺伝的に関係する家族成員がいない、被検体または被検体の母集団から得た試料におけるレベルであってよい。対照レベルは、例えば、測定レベルが閾値レベルを上回った場合に、被検体がタンパク質症を有しているかタンパク質症発症の危険度が高いことを示す閾値レベルであってよい。スフィンゴ脂質のいずれかの追加の例示的対照レベルが本明細書に記載されている。
【0240】
臨床試験の被検体を選択する方法
タンパク質症に対する処置の投与を含む臨床試験の被検体を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料における少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、ジヘキソシルセラミドC24:1;ジヘキソシルセラミドC24:0;ジヘキソシルセラミドC23:0;ジヘキソシルセラミドC22:0;ジヘキソシルセラミドC20:0;ジヘキソシルセラミドC18:0;ジヘキソシルセラミドC16:0;ラクトシルセラミドC24:1;ラクトシルセラミドC24:0;ラクトシルセラミドC23:0;ラクトシルセラミドC22:0;ラクトシルセラミドC20:0;ラクトシルセラミドC18:0;ラクトシルセラミドC16:0;セラミドC24:1;セラミドC24:0;セラミドC23:0;セラミドC22:0;セラミドC20:0;セラミドC18:0;セラミドC16:0;セラミドC14:0;グロボトリアオシルセラミドC24:1;グロボトリアオシルセラミドC24:0;グロボトリアオシルセラミドC23:0;グロボトリアオシルセラミドC22:0;グロボトリアオシルセラミドC20:0;グロボトリアオシルセラミドC18:0;グロボトリアオシルセラミドC16:0;ガラクトシルセラミドC24:1;ガラクトシルセラミドC24:0;ガラクトシルセラミドC23:0;ガラクトシルセラミドC22:0;ガラクトシルセラミドC20:0;ガラクトシルセラミドC18:0;ガラクトシルセラミドC16:0;グルコシルセラミドC24:1;グルコシルセラミドC24:0;グルコシルセラミドC23:0;グルコシルセラミドC22:0;グルコシルセラミドC20:0;グルコシルセラミドC18:0;グルコシルセラミドC16:0;およびグルコシルスフィンゴシンの群から
選択される、工程;ならびに(c)該少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44種)のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体を選択する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、前記少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0241】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも2種(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程を含み、2つのレベルのうち少なくとも一方または両方が、対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体が選択される。
【0242】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0、グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも3種(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、3つのレベルのうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全てが、対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体が選択される。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(c)は、ジヘキソシルセラミドC24:1、ジヘキソシルセラミドC24:0、ジヘキソシルセラミドC20:0、セラミドC24:0、セラミドC23:0、グロボトリアオシルセラミドC24:1、グロボトリアオシルセラミドC16:0、ガラクトシルセラミドC24:0、ガラクトシルセラミドC23:0、ガラクトシルセラミドC16:0、グルコシルセラミドC24:1、グルコシルセラミドC24:0、グルコシルセラミドC23:0、グルコシルセラミドC22:0 グルコシルセラミドC20:0、グルコシルセラミドC18:0、およびグルコシルセラミドC16:0の群から選択される、少なくとも4種(例
えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17種)のスフィンゴ脂質のレベルを検出する工程を含み、4つのレベルのうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または4つ全てが、対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体が選択される。
【0243】
タンパク質症に対する処置の投与を含む臨床試験の被検体を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)(a)の試料中の少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、または7種)のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程であって、該少なくとも1種のスフィンゴ脂質が、スフィンゴミエリンC24:1;スフィンゴミエリンC24:0;スフィンゴミエリンC23:0;スフィンゴミエリンC22:0;スフィンゴミエリンC20:0;スフィンゴミエリンC18:0;およびスフィンゴミエリンC16:0の群から選択される、工程;ならびに(c)少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、6、または7個)のスフィンゴ脂質のレベルが対照レベルと比較して低下している場合に、臨床試験に参加させるために被検体を選択する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、前記少なくとも1種のスフィンゴ脂質のレベルを決定する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0244】
タンパク質症に対する処置の投与を含む臨床試験の被検体を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、または6個)を決定する工程;(c)全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、または6個)が、対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体を選択する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つのレベルを検出する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0245】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの一方または両方を決定する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルと全グルコシルセラミドレベルの両方を決定する工程を含み、該レベルの一方または両方が、対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体が選択される。
【0246】
これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルおよび全グルコシルセラミドレベルの両方を決定する工程を含み、該レベルの一方または両方が、対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体が選択される。これらの方法のいくつかの実施形態において、工程(b)は、全ガラクトシルセラミドレベルおよび全グルコシルセラミドレベルの両方を決定する工程を含み、該レベルの両方が、対照レベルと比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体が選択される。
【0247】
タンパク質症に対する処置の投与を含む臨床試験の被検体を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料中の全セ
ラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方を決定する工程;ならびに(c)全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方が対照レベルと比較して低下している場合に、臨床試験に参加させるために被検体を選択する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、全セラミドレベルおよび全スフィンゴミエリンレベルの一方または両方のレベルを検出する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。
【0248】
タンパク質症に対する処置の投与を含む臨床試験の被検体を選択する方法であって:(a)被検体から得た生体液を含む試料を用意する工程;(b)工程(a)の試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程;および(c)グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比が、対照比と比較して上昇している場合に、臨床試験に参加させるために被検体を選択する工程を含む方法もまた提供される。これらの方法のいくつかの実施形態は、グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定する工程の前に、(a)の試料を脂質に関して富化する工程をさらに含む。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態において、該試料は、血液、血清、血漿、または脳脊髄液を含む。いくつかの実施形態は、被検体から得たゲノムDNAを含む試料中のグルコセレブロシダーゼ(GBA)遺伝子の突然変異を検出する工程、および臨床試験に参加させるために、GBA遺伝子の突然変異を有する被検体をさらに選択する工程をさらに含む。GBA遺伝子の非限定的突然変異は、例えば、以下の突然変異:V15L、C16S、Δ36T、F37V、E41K、G46E、R48W、L66P、K79N、A90T、S107L、N117D、I119T、R120W、R120Q、P122S、M123V、D127V、R131C、R131L、T134I、D140H、K156Q、P159T、P159L、R170C、R170P、P178S、P182L、N188S、G189V、A190T、A190E、G195W、L197F、K198E、G202R、M361I、F213I、F216Y、T231R、E233Stop、アミノ酸241と242との間のMの挿入、S237P、F251L、H255Q、D409H、R257Q、P266A、P266R、P266L、S271N、R285H、P289L、Y304C、Y304Stop、H311R、W312C、G325R、E326K、A341T、C342G、C342Y、V352L、R353G、G355D、R359Q、S364R、S364T、S366G、N370S、L371V、V375L、G377S、D380A、G389E、G390R、N392I、V394L、N396T、F397S、V398L、V398F、D399N、P401L、I402F、I402T、L444P、A456P、D409V、D409G、K413Q、Q414R、P415R、K425E、R433G、L444R、A446P、N462K、R463C、T491I、R496C、およびR496Hのうち1つまたはそれ以上を有するGBAタンパク質の発現をもたらすことがある。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:S12I、アミノ酸13と14との間のSYの挿入、アミノ酸14におけるフレームシフト突然変異、L157Q、V460M、およびK416Qのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:K(-27)R、2(-4)X、G10S、V15M、C16S、D24N、G35S、S42N、T43I、R47X、R48W、R48Q、Q73X、K74X、V78A、M85T、L105R、S107L、F109V、E111K、G113E、G113A、I119S、V121A、P122L、M123T、T134P、Y135X、A136E、K157Q、K157N、I161N、I161S、H162P、R163X、Q169X、R170P、S173X、L174F、A176D、W179X、T180P、P182T、W184R、L185F、N188K、V191G、V191E、G195E、S196P、L197P、G202E、Y205C、W209R、A210V、Y212H、F213C、Y220C、E233X、E233D、G239V、G243V、
Y244H、P245H、R257X、F259L、G265D、P266A、S271N、L279P、R285C、K303I、Y304X、V305L、A309V、W312R、Y313H、D315H、A318D、P319A、T323I、L324P、G325W、R329C、F331S、L336P、C342R、W348G、G349K、Q350X、R353W、S356F、R359X、Y363C、S364N、S366N、S366T、T369M、N370K、W378G、W378X、D380N、D380H、W381X、N382K、L383R、L385P、P387L、E388X、P391L、W393R、W393L、V394L、R395C、R395P、V398I、D399Y、F411I、Y412H、Q414X、M416V、F417V、Y418C、R433S、H451R、L461P、N462S、R463P、D474Y、G478S、L480P、I489Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の挿入突然変異:84GG、122CC、c.153-154insTACAGC、155-156insACAGCT、D127X、500insT、c.8410842insTGA、1093-1094insG、1098insA、c.1122-1123insTG、c1326insT、c.1515_1516ins AGTGAGGGCAAT、および1562-1585insのうち1つまたはそれ以上を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の欠失突然変異:c.42-65del24、72delC、203Cdel、del205-209ACCTT、c.222-224delTAC、del255-257GCG、c.330delA、344delA、c.533delC、534delT、595-596delCT、c.708delC、V214X、793delC、898delG、914Cdel、c.953delT、g5255delT、L354X、c.1214delGC、1324-1326delATT、c.1439-1445del7、1450del2、1447-1466del20 insTG、およびc.1510delT,C,Tのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下のスプライスジャンクション(splice junction)突然変異:IVS2+1G>A、IVS2+1G>T、IVS4+1G>A、IVS5+1G>T、g.4252C>G、g.4426A>G、IVS6-1G>C、g.5230G>A、IVS8+1、IVS8(-11delC)(-14T>A)、IVS9-3C>G、IVS10-1G>A R463Q、IVS10+2T>A、およびIVS10(+2)のうち1つまたはそれ以上である。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、IVS2+1突然変異を含む。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、以下の突然変異:c.(-203)A>G+IVS4-2a>g、S448P、c.1379G>A c.1469A>G、g.7319T>C+g.7741T>C、c.203-204insC、RecTLのうち1つまたはそれ以上を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。これらの方法のいくつかの実施形態において、GBA遺伝子の突然変異は、Rec1突然変異(L444P、A456P、およびV460M)を有する、GBAタンパク質の発現をもたらす。GBA遺伝子における突然変異の追加の例およびGBA遺伝子における突然変異の検出方法は、例えば、Beutlerら、Blood Cells, Molecules, and Diseases、35巻(2005年)、355~364頁;Gan-Orら、Neurology、70巻(24号):2277~83頁、2008年;Hruskaら、Human Mutation、29巻(5号)、567~583頁、2008年;およびTsuang D.ら、Neurology 6;79巻(19号):1944~1950頁、2012年に記載されている。
【0249】
GBA遺伝子における追加の例示的突然変異およびGBA遺伝子における突然変異を検出する例示的方法は、例えば、Hruskaら、Human Mutation、29巻
(5号)、567~583頁、2008年;およびBeutlerら、Blood Cells, Molecules, and Diseases、35巻:355~364頁、2005年に記載されている。GBA遺伝子における突然変異を検出する方法の非限定的例としては、制限断片長多型(RFLP);増幅不応性突然変異系(ARMS)PCR;対立遺伝子特異的増幅(ASA);多重PCR;ネステッドPCR;逆転写酵素(RT)PCR;リアルタイムPCR;多重ライゲーション依存性プローブ増幅(MLPA);変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE);変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC);温度勾配ゲル電気泳動(TGGE);一本鎖高次構造多型(SSCP);ヘテロ二本鎖分析(HET);単一ヌクレオチドプライマー伸長(すなわち、ミニ配列決定);ミスマッチ化学分割(CCM);TaqManおよび分子ビーコン;酵素ミスマッチ切断(EMC);タンパク質短縮試験(PTT);オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA);蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH);切断断片長多型(CFLP);ミスマッチ結合タンパク質(例えば、MutS);対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)ハイブリダイゼーション;重亜硫酸ナトリウムとの反応性の差;塩基切除配列スキャニング(BESS);およびリボヌクレアーゼミスマッチ切断(例えば、NIRCA)の技術が挙げられる。GBA遺伝子における突然変異を検出するための追加の方法は、例えば、Mahdiehら、Iran J.Pediatr.、23巻(4号):375~388頁、2013年に記載されている。
【0250】
本明細書に記載の方法のいずれかにおけるいくつかの実施形態は、酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち1種またはそれ以上(例えば、2、3、4、5、または6種)のレベルを検出する工程、ならびに酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのうち少なくとも1種(例えば、2、3、4、5、または6種)のレベルが対照レベルと比較して低下している被検体を、臨床試験に参加させるために、さらに選択する工程をさらに含む。生体液を含む試料中の酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのレベルを検出する例示的方法は、例えば、米国特許出願公開第2008/0248513号およびWO13/070953(共に参照によってその全体を本明細書に組み入れる。)に記載されている。生体液を含む試料中の酸性β-グルコセレブロシダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、酸性α-グルコシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、およびα-L-イズロニダーゼのレベルを検出するためのキットも市販されている。
【0251】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態において、タンパク質症に対する処置は、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野において公知のグルコシルセラミドシンターゼ阻害剤のいずれか)または組換え酵素(例えば、組換えグルコセレブロシダーゼ、例えば、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼ、もしくはタリグルセラーゼ)を投与することである。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態において、タンパク質症に対する処置は、(i)エリグルスタット;(ii)ミグルスタット;(iii)キヌクリジン-3-イル(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(iv)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;(v)(S)-キヌクリジン-3-イル(2-(4’-(2-メトキシエトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート;ならびにこれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグからなる群から選択される、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤を投与することである。
【0252】
これらの方法のいずれかにおいて、対照レベルは、例えば、タンパク質症の1つまたはそれ以上の症状を呈していない、かつ/もしくはタンパク質症を有しているとして診断されなかった、被検体におけるレベル、タンパク質症の病歴を有していない被検体におけるレベル、健常被検体もしくは健常被検体の母集団におけるレベル、または閾値レベル(例えば、それを上回った場合、被検体がタンパク質症を有しているかタンパク質症発症の危険度が高いことを示すレベル)であってよい。対照レベルは、例えば、タンパク質症の病歴を有しておらず、また、場合により、タンパク質症を有しているとして診断または同定された遺伝的に関係する家族成員がいない、被検体または被検体の母集団から得た試料におけるレベルであってよい。対照レベルは、例えば、測定レベルが閾値レベルを上回った場合に、被検体がタンパク質症を有しているかタンパク質症発症の危険度が高いことを示す閾値レベルであってよい。スフィンゴ脂質のいずれかの追加の例示的対照レベルが本明細書に記載されている。
【0253】
キット
本明細書では、試料を脂質に関して富化する際に使用するための(例えば、被検体から得た生体液を含む試料から脂質を抽出する工程で使用するための)1種またはそれ以上の有機溶媒(例えば、本明細書に記載の有機溶媒のいずれか)を含むキットもまた提供される。キットのいくつかの例は、場合により、(LC-MS-MS分析において対照として使用するための)所定の濃度の1種またはそれ以上のリン脂質を含む対照試料をさらに含み得る。キットのいくつかの例はまた、場合により、プロテイノパチーを有する被検体から得た試料をさらに含み得る。キットのいくつかの例は、本明細書に記載の方法のいずれかを実施するための説明書をさらに含み得る。
【0254】
本明細書中に記載される対照試料は、少なくとも1種のスフィンゴ脂質の対照レベルまたは本明細書に記載の全ジヘキソシルセラミドレベル、全ラクトシルセラミドレベル、全セラミドレベル、全グロボトリアオシルセラミドレベル、全スフィンゴミエリンレベル、全ガラクトシルセラミドレベル、全グルコシルセラミドレベル、および全ホスファチジルコリンレベルのうち少なくとも1つのいずれかを含む試料であってよい。
【0255】
本発明について以下の実施例にさらに記載するが、これらの実施例は、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0256】
実施例1 タンパク質症を有する被検体から得た試料中のスフィンゴ脂質の検出
健常被検体およびパーキンソン病を有する被検体由来の試料中のスフィンゴ脂質のレベルを決定するために一連の実験を行った。
【0257】
材料および方法
採血および血漿処理
標準的な静脈切開手順を用いて、パープルトップEDTA-BDバキュテナーチューブ(BD Franklin Lakes、NJ)に、末梢静脈血を採取した。冷却による血小板の活性化を避けるために、室温(25℃)にて2,000rcfで5分間、チューブを遠心分離した。凍結融解サイクルを短縮するために、遠心分離の直後に、ローリテンションピペットチップを用いて、1.5mLチューブ(Fisher Scientific、CA)に、ローリテンションで500μLアリコートとして血漿を分取した。アリコートにバーコードを付けて電子的に追跡し、採血の4時間以内にすぐに使用できるように-80℃で保存した。全ての試料の品質管理を目的として、採血の時間、静脈切開前の最後の食事の時間、遠心分離までの時間、および凍結までの時間をモニタリングした。
【0258】
腰椎穿刺採取
非侵襲的手法を用いて腰椎穿刺(LP)を行った。脳脊髄液(CSF)を室温で2つの10mLシリンジに採取し、20mLを1つの50mLファルコンチューブに移し、3~4回反転させて緩やかに混合した。CSFを直ちに室温にて400gで10分間遠心分離し、直ちに、予め冷却していたシリコーン処理ポリプロピレンアリコットチューブに分取し、直ちにドライアイス上で凍結し、次いでLPの2時間以内に-80℃で凍結保存した。
【0259】
脂質検出
生物流体(例えば、血漿、血清、脳脊髄液、尿等)中に以下の脂質を検出した。
【0260】
略語 名称
TotalDiHexCer 全ジヘキソシルセラミド
DiHexCer_C24.1 ジヘキソシルセラミドC24:1
DiHexCer_C24 ジヘキソシルセラミドC24:0
DiHexCer_C23 ジヘキソシルセラミドC23:0
DiHexCer_C20 ジヘキソシルセラミドC22:0
DiHexCer_C18 ジヘキソシルセラミドC20:0
DiHexCer_C16 ジヘキソシルセラミドC18:0
DiHexCe_C22 ジヘキソシルセラミドC16:0
TotalGL2 全ラクトシルセラミド
GL2_C24.1 ラクトシルセラミドC24:1
GL2_C24 ラクトシルセラミドC24:0
GL2_C23 ラクトシルセラミドC23:0
GL2_C22 ラクトシルセラミドC22:0
GL2_C20 ラクトシルセラミドC20:0
GL2_C18 ラクトシルセラミドC18:0
GL2_C16 ラクトシルセラミドC16:0
TotalCer 全セラミド
Cer_C24.1 セラミドC24:1
Cer_C24 セラミドC24:0
Cer_C23 セラミドC23:0
Cer_C22 セラミドC22:0
Cer_C20 セラミドC20:0
Cer_C18 セラミドC18:0
Cer_C16 セラミドC16:0
Cer_C14 セラミドC14:0
TotalGL3 全グロボトリアオシルセラミド
GL3_C24.1 グロボトリアオシルセラミドC24:1
GL3_C24 グロボトリアオシルセラミドC24:0
GL3_C23 グロボトリアオシルセラミドC23:0
GL3_C22 グロボトリアオシルセラミドC22:0
GL3_C20 グロボトリアオシルセラミドC20:0
GL3_C18 グロボトリアオシルセラミドC18:0
GL3_C16 グロボトリアオシルセラミドC16:0
TotalSM 全スフィンゴミエリン
SM_C24.1 スフィンゴミエリンC24:1
SM_C24 スフィンゴミエリンC24:0
SM_C23 スフィンゴミエリンC23:0
SM_C22 スフィンゴミエリンC22:0
SM_C20 スフィンゴミエリンC20:0
SM_C18 スフィンゴミエリンC18:0
SM_C16 スフィンゴミエリンC16:0
TotalGalCer 全ガラクトシルセラミド
GalCer_C24.1 ガラクトシルセラミドC24:1
GalCer_C24 ガラクトシルセラミドC24:0
GalCer_C23 ガラクトシルセラミドC23:0
GalCer_C22 ガラクトシルセラミドC22:0
GalCer_C20 ガラクトシルセラミドC20:0
GalCer_C18 ガラクトシルセラミドC18:0
GalCer_C16 ガラクトシルセラミドC16:0
TotalGL1 全グルコシルセラミド
GL1_C24.1 グルコシルセラミドC24:1
GL1_C24 グルコシルセラミドC24:0
GL1_C23 グルコシルセラミドC23:0
GL1_C22 グルコシルセラミドC22:0
GL1_C20 グルコシルセラミドC20:0
GL1_C18 グルコシルセラミドC18:0
GL1_C16 グルコシルセラミドC16:0
Lyso_GL1 グルコシルスフィンゴシン
TotalPC 全ホスファチジルコリン
【0261】
LC/MS/MS
液体クロマトグラフィーおよびタンデム型質量分析(LC/MS/MS)によりスフィンゴ脂質の定量分析を行った。要約すると、ヒト血漿またはCSFの各種アリコートを、以下の通り、1mLの有機溶媒混合物で抽出した。
【0262】
グルコシルセラミド(GL1)分析のために、1mlの90%移動相A(MPA)および10%移動相B(MPB)を用いて、10μlのホモジネートを抽出した。MPAは、96:2:1:1のアセトニトリル/メタノール/酢酸/水(v/v/v/v)、MPBは、98:1:1のメタノール/酢酸/水(v/v/v)からなり;両方の溶液は5mM酢酸アンモニウムを含有していた。試料をVX-2500チューブボルテクサー(VWR
International、LLC)上に5分間置き、次いで8,400rpmで4分間、遠心機(Beckman Coulter、Inc.)にかけた。得られた上清を分析のためにHPLCバイアルに移した。Waters社製Acquity UPLCおよびAtlantis HILICシリカカラム(2.1mm×150mm、3μm粒子、Waters Corp.、Milford、MA)を用いて、GL1およびガラクトシルセラミド(GalCer)を分離し、MRMモードのAPI5000三連四重極型質量分析計(Applied Biosystems、Foster City、CA)により分析した。
【0263】
LysoGL1分析のために、30μlのヒト血漿を1mlの50%のMPAおよび50%のMPBで抽出した。抽出後、上清をHPLCバイアルに移した。Agilent 1290 Infinity LCシステムおよびWaters BEH HILICカラム(2.1mm×100mm、1.7μm粒子)を使用して、LysoGL1およびプシコシンを分離し、MRMモードのAgilent 6490三連四重極型質量分析計(Agilent Technologies、Santa Clara、 CA)により分析した。lysoGL1およびシコシンの分離に使用した移動相は、pH9.0の95:5アセトニトリル/200mM酢酸アンモニウム(v/v)および95:5メタノール/200mM酢酸アンモニウム(v/v)から構成された。
【0264】
ラクトシルセラミド(GL2)、ジヘキソシルセラミド(DiHexCer)、およびトリヘキソシルセラミド(GL3)分析のために、30μlのヒト血漿を1mlの50%のMPAおよび50%のMPBで抽出した。抽出後、上清をHPLCバイアルに移した。Waters社製Acquity UPLCおよびBEH HILICカラム(2.1mm×100mm、1.7μm粒子、Waters Corp.、Milford、MA)を用いて、GL2およびDiHexCerを分離し、MRMモードのAPI5000三連四重極型質量分析計(Applied Biosystems、Foster City、CA)により分析した。Waters社製Acquity UPLCおよびBEH HILICカラム(2.1mm×100mm、1.7μm粒子、Waters Corp.、Milford、MA)を用いて、GL3も分析し、MRMモードのAPI5000三連四重極型質量分析計(Applied Biosystems、Foster City、CA)により分析した。
【0265】
ホスファチジルコリン(PC)およびスフィンゴミエリン(SM)分析のために、GL1分析用の抽出物10μlを600μlのMPAに希釈し、Waters社製Acquity UPLC(Waters Corp.、Milford、MA)およびLuna HILICカラム(2.0mmx100mm、3μm粒子、Phenomenex、Torrance、CA)を使用して分析し、前駆体モードのAPI4000三連四重極型質量分析計(Applied Biosystems、Foster City、CA)により分析した。
【0266】
セラミド(Cer)分析のために、30μlのヒト血漿を1mlの85:10:5=メタノール:アセトニトリル:水(v/v/v)で抽出した。抽出後、上清をHPLCバイアルに移した。Waters社製Acquity UPLCおよびBEH C8カラム(2.1mm×100mm、1.7μm粒子、Waters Corp.、Milford、MA)を用いて、Cerを分析し、MRMモードのAPI5000三連四重極型質量分析計(Applied Biosystems、Foster City、CA)により分析した。
【0267】
GL1、GalCer、GL2、およびGL3標準をMatreya, LLC(Pleasant Gap、PA)から購入し、lysoGL1、プシコシンおよびCer標準をAvanti Polar Lipids, Inc.(Alabaster、AL)から購入した。
【0268】
結果
これらの脂質の存在量、例えば、1)これらのスフィンゴ脂質のいずれかのレベルを単独で;もしくは2)他のスフィンゴ脂質のレベルと組み合わせて;および/もしくは3)生体液中で測定される加水分解スフィンゴ脂質の合成を担う酵素の活性度と組み合わせて;ならびに/または4)グルコセレブロシダーゼ(GBA)遺伝子における突然変異の存在を、個々に比較分析した。
【0269】
図1に示すように、生体液中のグルコシルセラミドレベルとスフィンゴミエリンレベルの組み合わせにより、健常対照試料(HC)からPD試料を区別するバイオマーカーが得られた。加えて、上記組み合わせにより、PDおよび健常対照試料の両方から、GBA遺伝子(GBA-PD)の突然変異に関連する疾患を区別するためのバイオマーカーが得られた(
図1)。
【0270】
スフィンゴ脂質パネルを使用してPDを診断する場合およびGBA突然変異を伴うPDを診断する場合の診断精度を
図2に示す。
図3に示すヒートマップは、これらのスフィンゴ脂質の組み合わせの単純なパターンと複雑なパターンの両方を示している。これらのパターンは、PDを有する患者とGBA突然変異(GBA-PD)を伴うPDを有する患者を健常対照(HC)から区別するための「分子バーコード」として使用することができる。(
図3の略称は上記に示されている。)
【0271】
実施例2 健常患者およびパーキンソン病患者から得た試料中の特定のスフィンゴ脂質のレベル
特定のスフィンゴ脂質アイソフォームのレベルを、実施例1に記載の健常対照ならびに散発性パーキンソン病患者およびGBAに突然変異を有するパーキンソン病患者から得た血漿試料において決定した。データは、散発性パーキンソン病を有する患者およびGBA突然変異を伴うパーキンソン病を有する患者の両方において、健常対照と比較して、特定のいくつかのスフィンゴ脂質アイソフォームのレベルが異なっている(上昇または低下している)ことを示している(
図4および
図5)。散発性パーキンソン病患者およびGBA変異を有するパーキンソン病患者において、健常対照と比較して、特定のスフィンゴミエリンが減少している(それぞれ
図4および
図5)ことに留意されたい。
【0272】
健常対照またはパーキンソン病を有する患者のいずれかから得た脳脊髄液中の全セラミドレベルを決定するために、別個の実験を行った。実施例1に記載したように、全セラミドのレベルを決定した。データは、パーキンソン病を有する患者の脳脊髄液中の全セラミドのレベルが、年齢および性別が一致する健常対照の脳脊髄液中の全セラミドのレベルと比較して低下している(
図6)ことを示している
【0273】
GBA突然変異を伴わないパーキンソン病患者(散発性パーキンソン病)、GBA突然変異を有するパーキンソン病患者、および対照被検体から得た血漿試料における、グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を決定するために、8年間にわたり、さらなる研究を行った。各血漿試料におけるグルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比を、実施例1に記載したように決定した。データは、グルコシルセラミドC24:0のスフィンゴミエリンC24:0に対する比が、GBA突然変異を有するパーキンソン病患者またはGBA突然変異を有さないパーキンソン病患者の血漿試料において上昇している(
図7)ことを示している。これらのデータは、患者のパーキンソン病の診断、モニタリングおよび追跡のために、特定のスフィンゴ脂質アイソフォームを使用できることを示している。
【0274】
他の実施形態
本発明はその詳細な説明と共に記載されているが、前述の説明は、添付した特許請求の範囲によって定義される、本発明の範囲を例示することを意図したものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではないと理解すべきである。他の態様、利点、および改変は、以下の請求項の範囲内にある。