(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】エアロゾル供給装置及びそれを備えたエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20230324BHJP
A24F 40/30 20200101ALI20230324BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/30
(21)【出願番号】P 2021552963
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(86)【国際出願番号】 KR2020018255
(87)【国際公開番号】W WO2021157847
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2021-09-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0014349
(32)【優先日】2020-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、チョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】イ、チュ ファン
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-535982(JP,A)
【文献】特開2004-159675(JP,A)
【文献】実開昭52-049792(JP,U)
【文献】特表2017-515493(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02989912(EP,A1)
【文献】特表2019-524066(JP,A)
【文献】国際公開第2018/141466(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成源を収容し、前記エアロゾル生成源から生成されたエアロゾルを排出する排出孔を含むケースと、
前記ケースに対して回転可能に配置され、回転方向に沿って順次に位置する複数個のチャンバを含み、複数個の前記チャンバのそれぞれは、エアロゾルを通過させる媒質を収容する回転体と、
複数個の前記チャンバのうち、少なくとも1つの位置が前記排出孔の位置に対応するように前記ケースに対する前記回転体の回転位置を保持する位置制限器と、
前記排出孔を取り囲むように前記回転体と前記ケースとの間に配置され、前記排出孔に排出されたエアロゾルを前記チャンバのうち、少なくとも1つに伝達する伝達チャンバと、を含む、エアロゾル供給装置。
【請求項2】
前記位置制限器は、前記回転体と前記ケースのいずれか1つによって保持される突起と、前記回転体と前記ケースの他の1つに配置される複数個の溝と、を含み、複数個の前記溝は、前記突起に結合して前記回転体の回転位置を保持する、請求項1に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項3】
前記溝を含む前記回転体と前記ケースの他の1つは、前記溝間に形成されるカム面をさらに含み、前記カム面は、前記突起の運動を案内する、請求項2に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項4】
前記位置制限器は、前記回転体と前記ケースとの間に配置され、前記回転体が回動する間に前記回転体と前記ケースとの間で加圧されて弾性変形可能なバネをさらに含み、前記突起は、前記バネの一部である、請求項2に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項5】
前記バネは、円弧状を有し、
前記エアロゾル供給装置は、前記バネの端部を支持する端部支持部と、前記バネの外側の少なくとも一部を支持する外側支持部をさらに含む、請求項4に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項6】
前記ケースに連結されて前記回転体を回転可能に支持する回転軸をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項7】
前記回転体は、前記チャンバに収容された前記媒質を通過したエアロゾルを外部に排出する排出口を含むマウスピースと、前記排出口に向かう前記チャンバの端部を覆うように配置され、エアロゾルが通過する上部通孔を含む上板をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項8】
前記マウスピースと前記上板の縁部との間に位置する密封リングをさらに含む、請求項7に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項9】
前記回転体は、前記排出孔から伝達されたエアロゾルを複数個の前記チャンバの少なくとも1つに伝達するための下部通孔をさらに含む、請求項7に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項10】
前記ケースと前記回転体は、円筒状を有し、前記ケースと前記回転体との間に配置され、前記回転体の回転運動を案内する回転ガイドをさらに含む、請求項1に記載のエアロゾ
ル供給装置。
【請求項11】
前記回転体の複数個の前記チャンバそれぞれの前記媒質は、互いに異なる種類である、請求項1に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項12】
前記回転体は、複数個の前記チャンバに含まれた前記媒質の種類を示すように複数個の前記チャンバのそれぞれに対応して配置された複数個の標識をさらに含む、請求項
11に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項13】
エアロゾル生成源を収容し、前記エアロゾル生成源から生成されたエアロゾルを排出する排出孔を含むケースと、
前記ケースに対して回転可能に配置され、回転方向に沿って順次に位置する複数個のチャンバを含み、複数個の前記チャンバのそれぞれは、エアロゾルを通過させる媒質を収容する回転体と、
複数個の前記チャンバのうち、少なくとも1つの位置が前記排出孔の位置に対応するように前記ケースに対する前記回転体の回転位置を保持する位置制限器と、を含み、
前記回転体の複数個の前記チャンバそれぞれの前記媒質は、互いに異なる種類であり、
前記回転体と前記ケースとの間に配置され、前記回転体の回転位置によって、エアロゾルを通過させる複数個のチャンバのうち、少なくとも1つの前記媒質の種類を示す信号発生器をさらに含む、エアロゾル供給装置。
【請求項14】
請求項1~
13のうち、いずれか1項に記載のエアロゾル供給装置と、
前記エアロゾル供給装置の前記エアロゾル生成源からエアロゾルを生成して前記ケースに供給する霧化器と、を含む、エアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給装置及びそれを備えたエアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、媒質を含むチャンバが回転するので、携帯と使い勝手に優れるエアロゾル供給装置及びそれを備えたエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットを燃焼させてエアロゾルを供給する方法を代替するための技術の需要が増加している。例えば、液状や固状のエアロゾル生成物質からエアロゾルを生成するか、液状のエアロゾル生成物質から蒸気を生成した後、生成した蒸気に固状の香媒体を通過させることで、香味を有するエアロゾルを供給するなどの方法に関する研究が進められている。
【0003】
液状のエアロゾル生成物質と固状の香媒体をいずれも用いて香味を有するエアロゾルを供給するエアロゾル供給装置は、液状のエアロゾル生成物質を収容した液体カートリッジと蒸気に香味を与える香味剤カートリッジを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エアロゾル供給装置を使用するときには、一般的に1つの液体カートリッジを利用する間、複数個の香味剤カートリッジを消耗する。例えば、1つの液体カートリッジが通常のタバコ1箱分量のエアロゾルを生成可能であれば、1つの液体カートリッジを利用する間、例えば、3個ないし4個の香味剤カートリッジを交換せねばならない。したがって、エアロゾル供給装置のユーザは、別途の香味剤カートリッジを携帯し、寿命が終わった香味剤カートリッジを随時交換せねばならないので、エアロゾル供給装置の携帯と使用とに不都合があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、使用と携帯とが便利なエアロゾル供給装置及びそれを備えたエアロゾル生成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1以上の実施例によれば、エアロゾル供給装置が提供される。エアロゾル供給装置は、エアロゾル生成源を収容してエアロゾル生成源から生成されたエアロゾルを排出する排出孔を含むケースと、ケースに対して回転可能に配置され、回転方向に沿って順次に位置する複数個のチャンバを含み、複数個のチャンバそれぞれは、エアロゾルを通過させる媒質を収容する回転体と、複数個のチャンバのうち、少なくとも1つの位置が排出孔の位置に対応するようにケースに対する回転体の回転位置を保持する位置制限器と、を含む。
【0007】
一実施例によれば、位置制限器は、回転体とケースのいずれか1つによって保持される突起と、回転体とケースの他の1つに配置される複数個の溝を含み、複数個の溝は、突起に結合して回転体の回転位置を保持する。
【0008】
一実施例によれば、溝を含む回転体とケースの他の1つは、溝間に形成されるカム面をさらに含み、カム面は、突起の運動を案内する。
【0009】
一実施例によれば、位置制限器は、回転体とケースとの間に配置され、回転体が回動する間に回転体とケースとの間で加圧され、弾性変形可能なバネをさらに含み、突起は、バネの一部である。
【0010】
一実施例によれば、バネは、円弧状を有し、エアロゾル供給装置は、バネの端部を支持する端部支持部と、バネの外側の少なくとも一部を支持する外側支持部をさらに含む。
【0011】
一実施例によれば、エアロゾル供給装置は、ケースに連結されて回転体を回転可能に支持する回転軸をさらに含む。
【0012】
一実施例によれば、回転体は、チャンバに収容された媒質を通過したエアロゾルを外部に排出する排出口を含むマウスピースと、排出口に向かうチャンバの端部を覆うように配置されてエアロゾルが通過する上部通孔を含む上板と、をさらに含む。
【0013】
一実施例によれば、エアロゾル供給装置は、マウスピースと上板の縁部との間に位置する密封リングをさらに含むエアロゾル供給装置である。
【0014】
一実施例によれば、エアロゾル供給装置は、回転体は排出孔から伝達されたエアロゾルを複数個のチャンバの少なくとも1つに伝達するための下部通孔をさらに含む。
【0015】
一実施例によれば、エアロゾル供給装置は、排出孔を取り囲むように回転体とケースとの間に配置され、排出孔に排出されたエアロゾルをチャンバのうち、少なくとも1つに伝達する伝達チャンバをさらに含む。
【0016】
一実施例によれば、エアロゾル供給装置は、ケースと回転体との間に配置され、回転体の回転運動を案内する回転ガイドをさらに含み、ケースと回転体は、円筒状を有する。
【0017】
一実施例によれば、回転体の複数個のチャンバのそれぞれの媒質は、互いに異なる種類である。
【0018】
一実施例によれば、回転体は、複数個のチャンバに含まれた媒質の種類を示すように複数個のチャンバのそれぞれに対応して配置された複数個の標識をさらに含む。
【0019】
一実施例によれば、エアロゾル供給装置は、回転体とケースとの間に配置され、回転体の回転位置によって複数個のチャンバのうち、エアロゾルを通過させる複数個のチャンバのうち、少なくとも1つの媒質の種類を示す信号発生器をさらに含む。
【0020】
一実施例によれば、エアロゾル生成装置は、エアロゾル供給装置と、エアロゾル供給装置のエアロゾル生成源からエアロゾルを生成してケースに供給する霧化器を含む。
【発明の効果】
【0021】
本開示の実施例に係わるエアロゾル供給装置及びそれを備えたエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成源を収容したケースと媒質を収容した回転体が一体化された1つの装置として取り扱うことができ、携帯と使用とが簡便である。
【0022】
また、回転体を回転させ、エアロゾルの供給のために使用されるチャンバを選択可能なので、媒質用カートリッジを新たなカートリッジに交換せずとも、媒質を新たな媒質に交換することができる。
【0023】
また、回転体のチャンバは、互いに異なる種類の媒質を含み、ユーザは、所望の媒質を選択して多様な香味を有するエアロゾルを自由に満喫することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】一実施例に係わるエアロゾル供給装置及びエアロゾル生成装置の斜視図である。
【
図2】
図1に図示された実施例に係わるエアロゾル供給装置の要素の結合関係を概略的に示す分解図である。
【
図3】
図1に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の縦方向断面図である。
【
図4】
図1に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の一部分の横方向断面図である。
【
図5】
図1に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の他の一部分の横方向断面図である。
【
図6】
図1に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置のさらに他の一部分の横方向断面図である。
【
図7】他の実施例に係わるエアロゾル生成装置の縦方向断面図である。
【
図8】さらに他の実施例に係わるエアロゾル供給装置の縦方向断面図である。
【
図9】さらに他の実施例に係わるエアロゾル供給装置の一部要素の結合関係を概略的に示す分解図である。
【
図10】さらに他の実施例に係わるエアロゾル供給装置の一部分の横方向断面図である。
【
図11】
図1ないし
図10に図示された実施例に係わるエアロゾル供給装置を含むエアロゾル生成装置に適用可能な電力供給器と他の構成要素との連結関係を概略的に示すブロック図である。
【
図12】
図1ないし
図11に図示された実施例に係わるエアロゾル供給装置によるエアロゾル供給方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
様々な実施例を説明するために使用される用語は、本実施例における機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野に係わる技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによって異なってもいる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、様々な実施例を説明するために使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本実施例の全般にわたる内容とに基づいて定義されねばならない。
【0026】
ここで、使用される要素のリストの前に位置する「少なくとも1つの」のような表現は、要素の全体リストを修飾するものであり、リストの個別要素を修飾するものではない。例えば、「a、b、及びcの少なくとも1つ」は、単に「a」、単に「b」、単に「c」、「aとb」、「aとc」、「bとc」、または「a、b及びc」をいずれも含むと理解されねばならない。
【0027】
1つの要素や層が他の要素や層の「上に」、「上方に」、「上部に」、「連結された」、「結合された」と言及されるとき、1つの要素や層が他の要素や層のすぐ上に、上方に、上部に、連結されるか、または、結合されうる。逆に、1つの要素が他の要素や層の「直ぐ上に」、「直上に」、「直ぐ上部に」、「直接連結された」、または「直接結合された」と言及されるときには、中間に介在された要素や層が存在しない。全体として同じ番号は、同じ要素を指称する。
【0028】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味すると理解されるであろう。また、明細書に記載の「…部」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0029】
本開示において、「第1」、「第2」のような用語は、様々な要素を説明するために使用され、そのような要素は、前記用語によって制限されてはならない。前記用語は、ある要素を他の要素と区分するための目的だけに使用される。
【0030】
以下、添付図面に基づいて本開示の例示的実施例について技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本開示は、様々な異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0031】
以下、添付図面を参照して、実施例に係わるエアロゾル供給装置及びエアロゾル供給装置の構造と作用とを詳細に説明する。
【0032】
図1は、一実施例に係わるエアロゾル供給装置及びエアロゾル生成装置の斜視図である。
【0033】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置7は、エアロゾルをユーザに供給するためのエアロゾル供給装置5と、エアロゾル供給装置5と連結される下部ケース50を含む。
【0034】
エアロゾル供給装置5は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成源を収容するケース10と、ケース10に対して回転可能に配置される回転体20を含む。
【0035】
エアロゾル供給装置5のケース10は、下部ケース50に連結されて下部ケース50に内蔵された霧化器で生成されたエアロゾルを回転体20に伝達する機能を行うことができる。
【0036】
回転体20は、エアロゾルを通過させる媒質を含む回転ケース25と、回転ケース25の内部の媒質を通過したエアロゾルを外部に排出してユーザにエアロゾルを供給するための排出口26eを含むマウスピース26を含む。
【0037】
回転体20の回転ケース25は、回転ケース25の外側表面に複数個の標識91を含む。回転体20は、内部に複数個のチャンバを含み、回転ケース25の複数個の標識91のそれぞれは、チャンバのそれぞれに対応する位置に形成される。
【0038】
ケース10は、ケース10の外側表面に回転ケース25の標識91に係わる基準位置として用いられる基準標識92を含む。したがって、回転ケース25の標識91をケース10の基準標識92に整列させることで、チャンバのうち、少なくとも1つの位置をエアロゾルを排出するケース10の排出孔の位置に整列させうる。
【0039】
また、ユーザは、回転ケース25の標識91とケース10の基準標識92の位置を確認し、回転体20のチャンバのうち、現在エアロゾルを通過させるチャンバに係わる情報を獲得することができる。
【0040】
図2は、
図1に図示された実施例に係わるエアロゾル供給装置の要素の結合関係を概略的に示す分解図であり、
図3は、
図1に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の縦方向断面図である。
【0041】
図2及び
図3に図示された実施例に係わるエアロゾル供給装置5は、エアロゾル生成源を内部に収容し、エアロゾル生成源から生成されたエアロゾルをケース10の外部に排出するための排出孔11を含むケース10と、ケース10に対して回転可能に配置され、回転体20の回転方向に沿って順次に位置する複数個のチャンバ21と、チャンバ21のそれぞれに収容され、エアロゾルを通過させる媒質22を含む回転体20と、チャンバ21のうち、少なくとも1つの位置が排出孔11の位置に対応するようにケース10に対する回転体20の回転位置を保持する位置制限器30と、を含む。
【0042】
図1ないし
図3に図示された実施例では、エアロゾル供給装置5及びエアロゾル生成装置7の全体的な形状が円筒状を有する。しかし、本開示の実施例は、そのようなエアロゾル供給装置5及びエアロゾル生成装置7の形状によって制限されるものではない。例えば、ケース10と回転体20と下部ケース50の少なくとも1つの横方向断面形状は、多角形や楕円形などにも変形される。
【0043】
ケース10は、内部にエアロゾル生成源12を収容する。エアロゾル生成源12は、例えば、液状またはゲル(gel)状の物質でもある。具体的に、エアロゾル生成源12は、ケース10の内部に保持される間、液状であり、あるいはエアロゾル生成源12は、液状のスポンジや綿のような多孔性素材により、含浸された状態でケース10の内部に収容されうる。
【0044】
エアロゾル生成源12は、液体物質であり、例えば、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質や非タバコ物質を含んでもよい。
【0045】
エアロゾル生成源12は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。
【0046】
エアロゾル生成源12の香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物香成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。
【0047】
エアロゾル生成源12のビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それに制限されない。
【0048】
また、エアロゾル生成源12は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0049】
ケース10の下部に連結された下部ケース50の内部には、ケース10のエアロゾル生成源12を加熱してエアロゾルを生成する霧化器50aと、電力供給器70が設けられる。
【0050】
電力供給器70は、霧化器50aに電力を供給するバッテリのみを含んでもよいが、バッテリと共に、霧化器50aの作動を制御する制御用チップや制御用回路基板などを含んでもよい。
【0051】
霧化器50aは、ケース10からエアロゾル生成源12を吸収する多孔性板53と、多孔性板53に連結されてエアロゾル生成源12を吸収して保持する芯52と、芯52に巻かれているか、芯52と接触するか、芯52に隣接して配置され、エアロゾル生成源12を加熱してエアロゾルを発生させるヒータ51と、ヒータ51を取り囲み、エアロゾル生成のための雰囲気を組成するエアロゾル生成チャンバ50cを含む。
【0052】
霧化器50aは、エアロゾル生成物質の相(phase)を気相に変換してエアロゾル(aerosol)を発生させる機能を行う。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気とが混合された状態の気体を意味する。
【0053】
多孔性板53は、液体を通過させる微細孔を有する板(plate)や、液体を通過させるメッシュ(mesh)素材を含んでもよい。
【0054】
ヒータ51は、電力供給器70から供給された電気によって熱を発生させる電気抵抗性発熱体でもある。
【0055】
図3に図示された霧化器50aは、電気抵抗性発熱体を含むが、実施例は、そのような霧化器50aの構成によって制限されるものではない。霧化器50aは、例えば、超音波方式でエアロゾルを生成するか、誘導加熱方式でエアロゾルを生成する。
【0056】
エアロゾル生成チャンバ50cは、ヒータ51によって生成されたエアロゾルを下部ケース50の外部に排出するための孔50pと連結される。したがって、霧化器50aによって生成されたエアロゾルは、下部ケース50の孔50pを通じてケース10に伝達される。
【0057】
ケース10は、ケース10の延長方向に沿って延びてエアロゾルの流れを案内する通路11pを含む。通路11pの下部端部は、下部ケース50の孔50pと連結されて通路11pの上部端部は、ケース10の排出孔11と連結される。したがって、下部ケース50に供給されたエアロゾルは、ケース10の通路11pを通過した後、排出孔11を通じて回転体20の回転ケース25に伝達さらえる。
【0058】
回転体20は、中空円筒状を有する回転ケース25と、回転ケース25の内部に収容された媒質22を通過したエアロゾルをエアロゾル供給装置5の外部に排出する排出口26eを含むマウスピース26を含む。
【0059】
媒質22は、固状でもあり、例えば、粉末や小粒子の集合である顆粒(granule)を含んでもよい。
【0060】
媒質22は、例えば、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含むか、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質や、メントールまたは保湿剤などの加香物質や、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のうち、いずれか1つの成分や、それらの成分の混合物を含んでもよい。
【0061】
媒質22の香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物香成分などを含むが、それらに制限されるものではない。
【0062】
媒質22の香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。
【0063】
媒質22のビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それに制限されない。
【0064】
回転ケース25は、回転体20の回転方向に沿って順次に互いに離隔して位置する複数個のチャンバ21を含む。チャンバ21は、隔壁21wによって互いに独立して区画される。隔壁21wの内側端部は、回転ケース25の中心で出合い、隔壁21wの外側端部は、回転ケース25の内壁に連結される。
【0065】
図2及び
図3において、3個のチャンバ21が設けられた。しかし、本開示の実施例は、チャンバ21の個数によって制限されず、チャンバ21は、2個が設けられるか、または4個以上が設けられてもよい。
【0066】
回転ケース25は、円周方向に対する中心から回転ケース25の長手方向に沿って延びる長孔20cを含む。長孔20cには、ケース10の上側に突出して設けられた回転軸40が挿入される。
【0067】
回転軸40の下端は、ケース10に連結される。回転軸40は、ケース10から上側に突出して延び、回転軸40が回転ケース25の長孔20cに挿入される。回転軸40の下側端部は、ケース10に連結されており、ケース10が固定された状態で保持されれば、回転軸40もケース10に固定された状態で保持されるので、回転軸40が回転ケース25を回転可能に支持する。
【0068】
回転軸40の上側端部の外部表面には、溝40aが形成される。回転軸40に回転ケース25の長孔20cを結合すれば、回転軸40の上側端部が長孔20cから上側に向かって突出する。回転軸40の溝40aにワッシャ40bを締結すれば、回転ケース25は、回転軸40を中心に回動だけ可能であり、回転軸40の延長方向に向かう回転ケース25の動きが制限される。
【0069】
ユーザがエアロゾル生成装置7を使用するとき、片手でケース10を取り、他の手で回転体20を回転させれば、回転体20が回転軸40を中心にケース10に対して回転する。
【0070】
回転ケース25の上部には、チャンバ21のいずれか1つの媒質22を通過したエアロゾルを外部に排出する排出口26eを含むマウスピース26が結合される。回転ケース25の上部には、排出口26eに向かうチャンバ21の上側端部を覆う上板27(例えば、上端板)が配置される。上板27は、エアロゾルを通過させる上部通孔27pと、回転軸40の上側端部を通過させる中心通孔27cを含む。
【0071】
マウスピース26の内壁と上板27の外側縁部との間には、密封リング28が設けられる。上板27は、上部面から突出し、円周方向に延びる上部フランジ27aを含む。上部フランジ27aの外側に密封リング28が結合した状態で、回転ケース25の上部にマウスピース26を結合すれば、密封リング28が上部フランジ27aとマウスピース26の内壁面との間で圧縮される。密封リング28は、マウスピース26と回転ケース25の外側端との間の空間を密封して媒質22を通過したエアロゾルがマウスピース26の外側に分散されず、マウスピース26の排出口26eに集中されうる。
【0072】
上板27の上部面から突出した回転軸40の上部端部には、フローガイド29が結合される。フローガイド29は、下面に回転軸40の上部端部が挿入される結合孔29cを含む。
【0073】
フローガイド29は、マウスピース26の内部に配置されてチャンバ21の媒質22を通過したエアロゾルの流れをマウスピース26の排出口26eに誘導する機能を遂行する。フローガイド29は、チャンバ21を区画する隔壁21wのそれぞれに対応する羽根を含んでもよい。
【0074】
回転体20とケース10との間には、ケース10に対する回転体20の回転位置を保持するための位置制限器30が設けられる。位置制限器30は、回転体20のチャンバ21のうち、少なくとも1つの位置が排出孔11の位置に対応するようにケース10に対する回転体20の回転位置を保持することができる。
【0075】
図4は、
図1に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の一部分の横方向断面図である。
【0076】
位置制限器30は、回転体20とケース10のいずれか1つによって保持される突起31を含む。回転体20とケース10の他の1つに配置された溝32は、突起31に結合して回転体20の回転位置を保持する。
【0077】
図2及び
図4を参照すれば、回転体20とケース10との間にバネ33が設けられる。バネ33は、端部33eが開放される円弧状を有し、金属または弾性を有するゴムやプラスチックなどの素材によって製作されうる。突起31は、バネ33の一部でもあり、バネ33から外側に向かって突出して形成されうる。バネ33の端部33eは、ケース10の上部に配置された端部支持体41によって支持され、バネ33の突起31の外側の少なくとも一部は、ケース10の上部に配置された外側支持体42によって支持される。
【0078】
回転体20の内壁面には、突起31が挿入される複数個の溝32が設けられる。溝32は、回転体20の回転中心に対する円周方向に沿って互いに離隔して設けられる。溝32の間には、溝32を連結して突起31の運動を案内するカム面33cが設けられる。
【0079】
回転体20がケース10に対して回動するときには、突起31がカム面33cに沿って移動する。突起31がカム面33cに沿って移動するときには、バネ33の突起31がカム面33cに沿って加圧されることで、バネ33の全体形状が圧縮されるが、突起31の外側面が外側支持体42によって支持され、バネ33の端部33eが端部支持体41によって支持される間に、バネ33がケース10の外部に離脱せず、回転体20とケース10との間に安定して保持されうる。
【0080】
図4に図示されたように突起31が溝32のいずれか1つに結合すれば、突起31が溝32の1つに挿入されることで、圧縮されたバネ33の全体形状が元の形状に復帰する。突起31が溝32のいずれか1つに結合した状態では、バネ33の端部33eが端部支持体41によって支持された状態で突起31が溝32の1つに向かって弾性力を作用させるので、ケース10に対する回転体20の回転位置が
図4に図示された状態で保持されうる。
【0081】
図4に図示された状態で、ユーザがケース10に対して回転体20を回転させれば、突起31が溝32の1つから抜け出てカム面33cに沿って移動した後、隣接した溝32のうち、他の1つに突起31が結合されることで、ケース10に対する回転体20の変更された回転位置が保持されうる。
【0082】
図2を参照すれば、ケース10の上部と回転体20の回転ケース25との間には、排出孔11を取り囲む伝達チャンバ43が配置される。伝達チャンバ43は、伝達チャンバ43から外側に向かって突出する結合突起43aを含み、結合突起43aがケース10の上部に配置された端部支持体41に挿入されることで、伝達チャンバ43がケース10の上部に安定して結合される。
【0083】
伝達チャンバ43は、排出孔11と連結される伝達孔43pを含むので、排出孔11から排出されたエアロゾルが伝達孔43pを通じて伝達チャンバ43の内部に収容された後、伝達チャンバ43の内部のエアロゾルが回転ケース25のチャンバ21のうち、少なくとも1つに伝達されうる。したがって、伝達チャンバ43は、ケース10と回転体20との中間でエアロゾルの流れを緩衝し、エアロゾルを回転体20に伝達する機能を遂行する。
【0084】
伝達チャンバ43は、排出孔11を取り囲んでケース10と回転体20との間でエアロゾルが適正な圧力を形成するように、エアロゾルが留まる空間を提供することができる。したがって、ケース10の排出孔11から排出されたエアロゾルが伝達チャンバ43に進入して伝達チャンバ43で適正な圧力を形成し、緩衝された後に回転ケース25のチャンバ21に伝達されるので、ケース10から回転ケース25のチャンバ21の媒質22に向かうエアロゾルの流れが連続して円滑に形成されうる。
【0085】
ケース10と回転ケース25との間には、伝達チャンバ43を取り囲んでケース10と回転ケース25との結合部位に沿って円周方向に延びる下部密封リング43mが配置される。下部密封リング43mは、バネ33の突起31が移動する空間を提供するために、内側綿の一部が凹んでいる突起用溝43cを含む。
【0086】
下部密封リング43mと伝達チャンバ43は、回転ケース25の下部に密着された状態で回転ケース25と共に回転する。回転ケース25が回動する間に、下部密封リング43mがケース10と回転ケース25との間で密封機能を行うので、ケース10に対して回転ケース25が反復的に回動しても、エアロゾル供給装置5の内部の空間が外部から安全に密封されてエアロゾルが急冷されるか、エアロゾル供給装置5の内部の液体が外部に漏れることを遮断する。
【0087】
図5は、
図1に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の他の一部分の横方向断面図である。
【0088】
図3及び
図5を参照すれば、回転体20の回転ケース25は、回転ケース25の下側面にケース10の排出孔11と伝達チャンバ43を経て伝達されるエアロゾルを通過させる下部通孔20bを含む。下部通孔20bは、回転ケース25のチャンバ21と連結されるので、エアロゾルが下部通孔20bを通じてチャンバ21に進入した後、チャンバ21に収容された媒質22を通過する。
【0089】
図6は、
図1に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置のさらに他の一部分の横方向断面図である。
【0090】
ケース10から排出されて回転体20のチャンバ21に進入したエアロゾルは、チャンバ21に収容されている媒質22を通過する。媒質22は、エアロゾルに香味を与える。媒質22を通過して豊富な香味を含むエアロゾルは、回転ケース25のチャンバ21の上部に配置された上板27の上部通孔27pを通過した後、マウスピース26を通じてエアロゾル供給装置5の外部に排出される。
【0091】
上述したようなエアロゾル供給装置5及びそれを備えたエアロゾル生成装置7を使用するときには、ユーザがケース10に対して回転体20を回転させることで、回転体20のチャンバ21のうち、少なくとも1つの位置がケース10の排出孔11に対応する位置に置かれるように回転体20の回転位置を調整する。
【0092】
回転体20のチャンバ21のうち、少なくとも1つの位置がケース10の排出孔11の位置に対応する状態で、ユーザがマウスピース26を通じてエアロゾルを吸い込むことができる。
【0093】
エアロゾル供給装置5及びそれを備えたエアロゾル生成装置7は、エアロゾル生成源12を収容するケース10と媒質22を収容する回転体20とが一体化された1つの装置として取り扱われて携帯と使用とが簡便である。
【0094】
また、エアロゾル供給装置5のケース10が多量のエアロゾル生成源12を収容するように設計されても、回転体20を回転させてエアロゾル供給のために使用されるチャンバ21を選択可能なので、カートリッジを新たなカートリッジに交換せずとも、媒質22を新たな媒質に交換する効果が得られる。
【0095】
また、回転体20のチャンバ21は、互いに異なる種類の媒質22を含んでもよい。例えば、チャンバ21のそれぞれは、互いに異なる粒子サイズや、互いに異なる香味属性を有する媒質22を含んでもよい。チャンバ21は、互いに異なる種類の媒質22を含むならば、ユーザは、チャンバ21のうち、1つを選択し、所望の媒質22を選択可能なので、多様な香味を有するエアロゾルを自由に満喫することができる。
【0096】
回転体20のチャンバ21は、互いに異なる粒子サイズの媒質22を含む場合、上板27のエアロゾルを通過させる上部通孔27pと回転ケース25は、下側面に形成されてエアロゾルを通過させる下部通孔20bの少なくとも1つの大きさ媒質22の粒子サイズに対応するように調整されうる。すなわち、チャンバ21に含まれた媒質22の粒子サイズは、チャンバ21の間で互いに異なるので、チャンバ21のそれぞれに対応する下部通孔20bの直径を媒質22の粒子サイズよりも小さく設計し、媒質22の粒子サイズによる吸入抵抗の増加を考慮して、媒質22の粒子サイズによってチャンバ21のそれぞれに対応する上部通孔27pの直径を増加させうる。
【0097】
図7は、他の実施例に係わるエアロゾル生成装置の縦方向断面図である。
【0098】
図7に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の構成は、
図1及び
図6に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の構成と全体として類似しており、霧化器50aの設置位置が変形された。
【0099】
霧化器50aは、回転ケース25の下部に形成されたエアロゾル生成チャンバ50cと、エアロゾル生成チャンバ50cに配置されて回転ケース25からエアロゾル生成源12を吸収して保持する芯52と、芯52を加熱してエアロゾルを生成するヒータ51と、を含む。
【0100】
エアロゾル生成チャンバ50cは、ヒータ51によって生成されたエアロゾルの流れを案内する通路11pと連結される。通路11pの上部端部は、ケース10の排出孔11と連結される。したがって、霧化器50aで生成されたエアロゾルは、ケース10の通路11pを通過した後、排出孔11を通じて回転体20の回転ケース25に伝達される。
【0101】
ケース10の下部に連結された下部ケース50の内部には、霧化器50aに電力を供給する電力供給器70が設けられる。電力供給器70は、霧化器50aに電力を供給するバッテリのみを含んでもよいが、バッテリと共に、霧化器50aの作動を制御する制御用チップや制御用回路基板を含んでもよい。霧化器50aのヒータ51のヒータ端子50dは、電力供給器70の電気端子70dと電気的に接続されるので、電力供給器70がヒータ51に電気を供給する。
【0102】
図8は、さらに他の実施例に係わるエアロゾル供給装置の縦方向断面図である。
【0103】
図8に図示された実施例に係わるエアロゾル供給装置5は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成源12を収容するケース10と、ケース10に対して回転可能に配置される回転体20を含む。
【0104】
回転体20は、エアロゾルを通過させる媒質22を含む回転ケース25と、回転ケース25の内部の媒質を通過したエアロゾルを外部に排出する排出口26eを含むマウスピース26を含む。
【0105】
ケース10は、エアロゾル生成源12を内部に収容し、エアロゾル生成源12から生成されたエアロゾルを伝達する通路11pと、通路11pを通過したエアロゾルをケース10の外部に排出して回転体20に伝達するための排出孔11を含む。
【0106】
図1ないし
図6に図示された実施例のようにケース10に結合される下部ケースに霧化器が設けられてもよく、
図7に図示された実施例のようにケース10に霧化器が設けられてもよい。
【0107】
回転体20は、ケース10に対して回転可能に配置され、回転方向に沿って順次に位置する複数個のチャンバ21と、チャンバ21のそれぞれに収容されてエアロゾルを通過させる媒質22を含む。チャンバ21は、隔壁22wによって互いに独立して区画される。
【0108】
図1ないし
図7に図示された実施例と異なって、
図8に図示された実施例に係わるエアロゾル供給装置5は、回転体20を支持する回転軸を含まない。回転体20とケース10は、円筒状を有し、回転体20とケース10との間には、ケース10に対する回転体20の回転運動を案内する回転ガイド130が設けられる。
【0109】
回転ガイド130は、ケース10の外側面から突出し、ケース10の円周方向に沿って延びるレール131と、回転体20の内側面に回転体20の円周方向に沿って延び、レール131を収容して回転体20が回転運動を行う間、レール131を支持する円周溝132を含む。
【0110】
本開示の実施例は、
図8に図示された回転ガイド130の構成によって制限されるものではなく、例えば、円周溝132は、ケース10に設けられ、レール131は、回転体20に設けられてもよく、回転体20とケース10との間に追加的に設けられた弁を含んでもよい。
【0111】
回転体20は、エアロゾルを通過させる媒質22を収容するチャンバ21を含む回転ケース25を含み、回転ケース25に一体に形成され、媒質22を通過したエアロゾルを外部に排出する排出口26eを含むマウスピース26をさらに含む。
【0112】
図9は、さらに他の実施例に係わるエアロゾル供給装置の一部要素の結合関係を概略的に示す分解図である。
【0113】
図9に図示された実施例に係わるエアロゾル供給装置5は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成源を収容し、エアロゾルを排出する排出孔11を含むケース10と、ケース10に対して回転可能に配置され、媒質を収容することができる複数個のチャンバ21を含む回転体20を備える。
【0114】
図9では、ケース10と回転体20とを回転可能に連結する回転軸や回転ガイドなどの要素が省略されたが、
図1ないし
図8に図示された実施例に含まれた回転軸または回転ガイドなどの要素が、
図9に図示された実施例に係わるエアロゾル供給装置5に適用されうる。
【0115】
回転体20は、ケース10の外側表面に標識91を含む。ケース10は、外側表面に回転ケース25の標識91に係わる基準位置として用いられる基準標識92を含む。回転体20は、内部に複数個のチャンバ21を含み、回転体20の標識91は、チャンバのそれぞれに対応する位置に形成される。したがって、回転体20の標識91をケース10の基準標識92に整列させることで、チャンバ21のうち、少なくとも1つの位置をケース10の排出孔11の位置に整列させうる。
【0116】
また、ユーザは、回転体20の標識91とケース10の基準標識92の位置を確認し、回転体20のチャンバ21のうち、現在エアロゾルを通過させるチャンバに係わる情報を獲得することができる。
【0117】
回転体20は、回転体20の下部に突出した結合フランジ20xを含み、結合フランジ20xがケース10の上部の収容フランジ10yに挿入されることで、回転体20とケース10とが互いに結合される。
【0118】
回転体20とケース10との間には、信号発生器97が設けられる。信号発生器97は、回転体20の回転位置によってチャンバ21のうち、現在エアロゾルを通過させるチャンバに含まれた媒質の種類を示す。
【0119】
信号発生器97は、回転体20の結合フランジ20xに配置された発信器97aと、ケース10の収容フランジ10yに配置されて発信器97aを検知する受信器97bを含む。本開示の実施例は、発信器97aと受信器97bの配置位置や個数によって制限されず、例えば、発信器97aは、ケース10に配置され、受信器97bが回転体20に配置されうる。
【0120】
信号発生器97の発信器97aと受信器97bは、例えば、フォトカプラーのような光学式検知センサや、ホール効果を用いて磁力を検知する磁力センサや、電気抵抗の変化を検知する電気抵抗センサなどの1つ、またはそれらの組合わせによっても具現される。
【0121】
図10は、さらに他の実施例に係わるエアロゾル供給装置の一部横方向断面図である。
【0122】
図10に図示された実施例に係わるエアロゾル供給装置5は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成源を収容し、エアロゾルを排出する排出孔を含むケース10と、ケース10に対して回転可能に配置されて媒質22を収容するように隔壁21wによって区画された複数個のチャンバ21を含む回転体20を備える。
【0123】
エアロゾル供給装置5は、ケース10と回転体20との間に配置されてチャンバ21のうち、少なくとも1つの位置がケース10の排出孔の位置に対応するように、ケース10に対する回転体20の回転位置を保持する位置制限器230を含む。
【0124】
位置制限器230は、回転体20の外側表面に突出する位置保持突起231と、ケース10の内側表面に凹状に形成されて位置保持突起231を収容する位置保持溝232を含む。
【0125】
本開示の実施例は、位置制限器230の構成によって制限されず、例えば、位置保持突起231は、ケース10の内壁に設けられ、位置保持溝232は、回転体20の外壁に設けられてもよく、位置制限器は、ケース10と回転体20との間に設けられるバネのような追加的な要素を含んでもよい。
【0126】
また、
図4に図示された実施例と同様に、隣接した位置保持溝232を連結するケース10の内側壁面233に位置保持突起231の運動を案内するカム面を設けてもよい。
【0127】
図11は、
図1ないし
図10に図示された実施例に係わるエアロゾル供給装置を含むエアロゾル生成装置に適用可能な電力供給器と他の要素との連結関係を概略的に示すブロック図である。
【0128】
図11に図示された電力供給器70は、
図1に図示された下部ケースの内部に配置される回路基板、回路基板に付着した半導体チップ、または半導体チップや回路基板に搭載されたソフトウェアのいずれか1つ、またはそれらの組合わせによっても具現される。
【0129】
電力供給器70は、霧化器を駆動させる駆動器77を制御し、エアロゾルの生成量または温度などを制御する作動制御器71と、センサ受信器74と、ユーザに情報を提供する表示器96を制御する表示制御器75と、ユーザの入力動作を検知するボタンやタッチスクリーンやスイッチのようなユーザ入力器95からユーザ入力信号を受信するユーザ入力受信器76と、データを送受信する入力/出力制御器73と、信号発生器97から受信された信号に基づいて現在使用されている媒質(例えば、媒質22)の種類を判断する媒質判断器72を含む。
【0130】
センサ受信器74は、霧化器(例えば、霧化器50a)と関連した温度を検知する温度センサ79tと、ユーザがエアロゾルを吸い込むとき、発生する空気の圧力または速度の変化を検知するパフセンサ79pと、ケース(例えば、ケース10)に対する回転体(例えば、回転体20)の回転位置を検知するエアロゾル供給装置5の回転位置検知センサ(例えば、
図8に図示された信号発生器97)の信号を受信することができる。
【0131】
また、エアロゾル供給装置5は、媒質の種類に係わる情報や、霧化器の作動温度を制御するための温度プロファイルや、ユーザに係わる情報などを含む保存所78を含んでもよい。保存所78は、電力供給器70に含まれうる。実施例によれば、電力供給器70を「制御器(controller)」とも称し、電力供給器70は、電力供給器70の機能を行うようになされる少なくとも1つのプロセッサ(processor)を含んでもよい。
【0132】
エアロゾル生成装置が上述したような電力供給器70を含む場合、ユーザの吸入動作を検知することで、霧化器(例えば、霧化器50a)の作動を開始するか、霧化器の作動を停止する。また、電力供給器70が信号発生器97から印加された信号に基づいて現在使用される媒質の種類を判断し、霧化器の作動温度や作動時間などを媒質の種類に好適に制御することができる。
【0133】
図12は、
図1ないし
図11に図示された実施例に係わるエアロゾル供給装置によるエアロゾル供給方法を概略的に示すフローチャートである。
【0134】
図12に図示された実施例に係わるエアロゾル供給方法は、ユーザの吸入動作を検知する段階(S100)と、吸入動作が検知されたことを判断し、エアロゾル供給作動を開始する段階(S110)と、ケースに対する回転体の回転位置を検知する段階(S120)と、検知された回転体の回転位置の信号の良否を判断する段階(S130)と、回転体の回転位置の信号に基づいてエアロゾル供給のために現在使用されている媒質の種類を決定する段階(S140)と、決定された媒質の種類に基づいて、霧化器の動作のための目標温度と霧化器の加熱動作を制御するための加熱プロファイルの少なくとも1つを決定する段階(S150)と、目標温度または加熱プロファイルに基づいて霧化器を作動させる段階(S160)と、現在温度を検知して目標温度と比較する段階(S170)と、目標温度に到逹した場合、霧化器の作動を終了する段階と、を含む。
【0135】
上述したようなエアロゾル供給方法によれば、ケースに対する回転体の回転位置を検知してエアロゾルの供給のために現在使用される媒質の種類を決定することができるので、現在使用される媒質に好適に霧化器の作動を制御することができる。したがって、ユーザは、自由に媒質を選択することで、多様な香味属性を有するエアロゾルを満喫することができる。
【0136】
本開示の実施例に係わる技術の通常の技術者であれば、上述した特性の範囲から外れずとも、形式と詳細内容に多様な変化がなされるということを理解できるであろう。開示された方法は、説明的な観点によってのみ考慮されねばならず、制限解釈のための目的として考慮されてはならない。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本開示の実施例は、媒質を含むチャンバが回転するので、携帯と使い勝手に優れるエアロゾル供給装置及びそれを備えたエアロゾル生成装置に関するものである。