(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】充電切替装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20230324BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20230324BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02J7/02 G
H02J7/02 U
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2022164264
(22)【出願日】2022-10-12
【審査請求日】2022-10-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】316013758
【氏名又は名称】日本郵便メンテナンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】弁理士法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】今津 重文
【審査官】宮田 繁仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-069678(JP,A)
【文献】特開2012-191833(JP,A)
【文献】特開2019-032595(JP,A)
【文献】国際公開第2021/132695(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00-3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
H01M 10/42-10/48
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを装着し充電するための充電器を2個ずつ接続可能な2つのコンセントに対して、電源コンセントからの電流を導く2つの回路を開閉するための2つのスイッチと、
前記2つのコンセントに接続された充電器へ流れる電流を検知するための2つの電流検知器と、
前記2つの電流検知器の検知結果に基づき前記2つのコンセントについてバッテリの接続の有無及びバッテリの充電状況を判定し、前記2つのスイッチの動作を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記2つのコンセントに前記充電器を介して計2個以下のバッテリが接続された場合、前記2つのスイッチをオン状態とし、前記2つのコンセントに前記充電器を介して計3個以上のバッテリが接続された場合、前記2つのスイッチの一方をオフ状態にし、前記2つのスイッチの他方に接続されたバッテリの充電完了後に、前記一方をオン状態にすることを特徴とする充電切替装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記2つのコンセントに前記充電器を介して1個ずつバッテリが接続されており、前記2つのコンセントの一方に前記充電器を介して3個目のバッテリが接続された場合、前記2つのコンセントの他方に対応する前記スイッチをオフ状態にし、前記3個目のバッテリの充電完了後に、前記2つのコンセントの他方に対応する前記スイッチをオン状態にすることを特徴とする請求項1に記載の充電切替装置。
【請求項3】
前記2つのコンセントに前記充電器を介して接続されたバッテリの充電状況を示すための2つの第1ランプと、
前記2つのコンセントに前記充電器を介して接続されたバッテリの充電エラーを示すための2つの第2ランプと、を有し、
前記制御部は、前記2つの電流検知器の検知結果に基づき前記2つのコンセントについて前記バッテリの充電状況及び充電エラーの有無を判定し、判定結果に応じて前記2つの第1ランプと前記2つの第2ランプの動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の充電切替装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動バイクのバッテリの充電に好適な充電切替装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車(EV:Electric Vehicle)等の電動車両に備えられたバッテリを充電するための充電システムが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来の充電システムは、電動バイクのバッテリの充電に適したものでなく、大型であり、構成が複雑で高価であるという問題があった。
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、電動バイクのバッテリの充電に適し、構成が簡単で安価かつ小型の充電切替装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は、
バッテリを装着し充電するための充電器を2個ずつ接続可能な2つのコンセントに対して、電源コンセントからの電流を導く2つの回路を開閉するための2つのスイッチと、
前記2つのコンセントに接続された充電器へ流れる電流を検知するための2つの電流検知器と、
前記2つの電流検知器の検知結果に基づき前記2つのコンセントについてバッテリの接続の有無及びバッテリの充電状況を判定し、前記2つのスイッチの動作を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記2つのコンセントに前記充電器を介して計2個以下のバッテリが接続された場合、前記2つのスイッチをオン状態とし、前記2つのコンセントに前記充電器を介して計3個以上のバッテリが接続された場合、前記2つのスイッチの一方をオフ状態にし、前記2つのスイッチの他方に接続されたバッテリの充電完了後に、前記一方をオン状態にすることを特徴とする充電切替装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電動バイクのバッテリの充電に適し、構成が簡単で安価かつ小型の充電切替装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は本発明の実施形態に係る充電切替装置を示す図である。
【
図2】
図2は本発明の実施形態に係る充電切替装置の構成を示す図である。
【
図3】
図3は本発明の実施形態に係る充電切替装置のマイコン制御部によって実行される充電切替プログラムを示すフローチャートである。
【
図4】
図4(a)~
図4(d)は本発明の実施形態に係る充電切替装置で行われる充電切替動作の一例を示す概略図である。
【
図5】
図5(a)及び
図5(b)は第1変形例に係る充電切替装置で行われる充電切替動作の一例を示す概略図である。
【
図6】
図6(a)及び
図6(b)は第2変形例に係る充電切替装置で行われる充電切替動作の一例を示す概略図である。
【
図7】
図7は本発明の実施形態に係る充電切替装置を用いてバッテリを充電する際に充電器に流れる電流の値を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る充電切替装置を添付図面に基づいて説明する。
図1及び
図2に示す本実施形態に係る充電切替装置1は、立方体形状の筐体2内に、マイコン制御部3、第1、第2マグネットスイッチ(電磁接触器)4a、4b、第1、第2電流検知器5a、5b、ACアダプタ6、サーキットブレーカ7、漏電ブレーカ8を備えている(
図2参照)。
【0010】
図1に示すように、筐体2の前面には、各種ランプ9、表示リセットボタン10が備えられている。
筐体2の下方には、第1、第2コンセント11a、11bが備えられている。
【0011】
マイコン制御部3は、充電切替装置1における各種ランプ9や第1、第2マグネットスイッチ4a、4b等の各構成要素の動作を制御するものであり、演算等を行うCPUや後述する充電切替プログラムを記憶したメモリ等を基板上に備えてなる(いずれも不図示)。
【0012】
サーキットブレーカ7は、回路に過電流が流れた際にこれを検知して回路を遮断するものである。
漏電ブレーカ8は、回路に漏電が生じた際にこれを検知して回路を遮断するものである。
ACアダプタ6は、電源コンセント(交流電源)19からの交流電流を直流電流に変換してマイコン制御部3等へ供給するものである。
【0013】
第1、第2コンセント11a、11bは、一般的な構成のEV充電用コンセントであって、市販品を用いることができる。第1コンセント11aには、
図1に示すように、電動バイク(二輪車)のバッテリ12a~12dが装着された充電器13a~13dの充電ケーブル14a~14dが分岐ケーブル15a、15bを介して接続される。なお、以下簡単のため、第1コンセント11aに対して、バッテリ12a、12bが装着された充電器13a、13bの充電ケーブル14a、14bを分岐ケーブル15aを介して接続することを、単に「第1コンセント11aにバッテリ12a、12bを接続する」と言う。同様に、第2コンセント11bには、電動バイクの2つのバッテリ12c、12dが装着された充電器13c、13dの充電ケーブル14c、14dが分岐ケーブル15bを介して接続される。
【0014】
第1、第2マグネットスイッチ4a、4bは、マイコン制御部3からの指示に基づき、電源コンセント19からの電流を第1、第2コンセント11a、11bへ導く回路20a、20bを開閉して第1、第2コンセント11a、11bに接続されたバッテリ12a~12dの充電のオン/オフを行うスイッチである。
【0015】
第1、第2電流検知器5a、5bは、第1、第2コンセント11a、11bに接続された充電器13a~13dに流れる電流の値を常時検知するものである。第1、第2電流検知器5a、5bで検知された電流値に基づいて、マイコン制御部3は第1、第2コンセント11a、11bにバッテリ12a~12dが接続されているか否か、バッテリ12a~12dが充電中であるか又は充電完了しているかを判定することができる。
【0016】
詳細には、
図7に示すように、バッテリ12a~12dの充電中は充電器13a~13dに所定の電流が流れ、充電が完了する際には電流値が段階的に低下する。即ち、バッテリ12a~12dが満充電になる前に電流値が低下することを検知することによってバッテリ12a~12dの満充電と判定することができる。なお、バッテリ12a~12dの充電を強制的に中止した場合には電流値が急峻に低下する。
【0017】
各種ランプ9は、第1、第2通電中ランプ16a、16bと、第1、第2充電中/充電済みランプ17a、17bと、第1、第2充電異常発生中ランプ18a、18bとからなる。
【0018】
第1通電中ランプ16aは、電源コンセント19からの電流を第1コンセント11aへ導く回路20aが通電中であることを示すものである。詳しくは、第1通電中ランプ16aは、例えば緑色であり、点灯が通電中であることを示し、消灯が通電していないことを示す。
なお、第2通電中ランプ16bは、第1通電中ランプ16aと同様に、電源コンセント19からの電流を第2コンセント11bへ導く回路20bが通電中であることを示す。
【0019】
第1充電中/充電済みランプ17aは、第1コンセント11aに接続されたバッテリ12a、12bを充電中であること/充電が完了していることを示すものである。詳しくは、第1充電中/充電済みランプ17aは、例えばオレンジ色であり、点滅が充電中であることを示し、点灯が充電済みであることを示し、消灯が充電していないことを示す。
【0020】
より詳しくは、第1充電中/充電済みランプ17aは、バッテリ12a、12bがどの程度充電されているかに応じて点滅の速度が変わる、充電途中で第1コンセント11aからバッテリ12a、12bを外した際にも点灯する構成とすることが好ましい。
なお、第2充電中/充電済みランプ17bは、第1充電中/充電済みランプ17aと同様に、第2コンセント11bに接続されたバッテリ12c、12dを充電中であること/充電が完了していることを示す。
【0021】
第1充電異常発生中ランプ18aは、第1コンセント11aに接続されたバッテリ12a、12bの充電中に異常が生じたことを示すものである。詳しくは、第1充電異常発生中ランプ18aは、例えば赤色であり、点灯がバッテリ12a、12bの充電に異常が発生していることを示し、消灯がバッテリ12a、12bの充電に異常がないことを示す。
【0022】
より詳しくは、第1充電異常発生中ランプ18aは、バッテリ12a、12bの充電時間が通常よりも長い場合に点灯する構成とすることが好ましい。第1充電異常発生中ランプ18aが点灯した場合、使用者は充電器13a、13bに備えられた不図示の充電コントローラの表示部を確認する必要がある。使用者は充電コントローラの表示部で異常が見当たらない場合、バッテリ12a、12bが劣化した又は寿命が尽きたおそれがあると判断することができる。
なお、第2充電異常発生中ランプ18bは、第1充電異常発生中ランプ18aと同様に、第2コンセント11bに接続されたバッテリ12c、12dの充電中に異常が生じたことを示す。
【0023】
表示リセットボタン10は、使用者によって押されることにより、上述の各種ランプ9を全て消灯し、第1、第2マグネットスイッチ4a、4bをリセットするものである。
【0024】
上記構成の本実施形態に係る充電切替装置1では、マイコン制御部3が第1マグネットスイッチ4aをオン状態にすることにより、電源コンセント19からの電力が第1コンセント11aを経て充電器13a、13bへ導かれ、この電力に基づいて充電器13a、13bがバッテリ12a、12bを充電することができる。これと同様に、マイコン制御部3が第2マグネットスイッチ4bをオン状態にすることによりバッテリ12c、12dを充電することができる。
【0025】
ここで、本実施形態に係る充電切替装置1は、電源コンセント19の増設をせずに充電可能なバッテリの個数を増やすことを想定している。このため、15Aの電源コンセント(単相200V)19に対して充電切替装置1を2つ並列に接続して使用することを前提とし、各充電切替装置1に流れる電流を7Aとして回路設計されている。電動バイクのバッテリのアンペア容量は一般に約3.4Aであり、3個以上のバッテリを同時に充電しようとすれば、充電切替装置1のアンペア容量7Aを上回ってしまう。このため、充電切替装置1はバッテリを最大2個ずつ充電する構成としている。
【0026】
本実施形態に係る充電切替装置1は、電動バイクのバッテリを充電することを想定している。電動バイクには一般にバッテリが2個備えられ、充電切替装置1は
図3に示し、以下に述べる充電切替プログラムを実行することにより、電動バイク2台分のバッテリ即ち4個のバッテリを2個ずつ自動的に切り替えて充電することができる。
【0027】
充電切替装置1は、使用者が充電切替装置1の不図示の電源コードを電源コンセント19に接続することにより、マイコン制御部3のCPUがメモリに記憶されている充電切替プログラムを読み出し、以下のステップS1~S34を実行する(
図3を参照)。
【0028】
ステップS1:マイコン制御部3が各種ランプ9を全て所定時間点滅させる。
ステップS2:マイコン制御部3が第1、第2通電中ランプ16a、16bを点灯させる。
ステップS3:マイコン制御部3が、第1充電異常発生中ランプ(第1異常ランプ)18aが点灯又は点滅していないかどうか判定する。第1充電異常発生中ランプ18aが点灯又は点滅していない場合はステップS7へ進み、そうでない場合はステップS4へ進む。
【0029】
ステップS4:マイコン制御部3が、第2充電異常発生中ランプ(第2異常ランプ)18bが点灯又は点滅していないかどうか判定する。第2充電異常発生中ランプ18bが点灯又は点滅していない場合はステップS21へ進み、そうでない場合はステップS5へ進む。
ステップS5:マイコン制御部3が使用者によって表示リセットボタン10が押されているかどうか判定する。使用者によって表示リセットボタン10が押されている場合はステップS6へ進み、そうでない場合は本ステップS5を繰り返し実行する。
ステップS6:マイコン制御部3が各種ランプ9を全て消灯させる。
【0030】
ステップS7:マイコン制御部3が第1コンセント(第1EVコンセント)11aにバッテリが接続されているか否かを判定する。第1コンセント11aにバッテリが接続されている場合はステップS8へ進み、そうでない場合はステップS4へ進む。
ステップS8:マイコン制御部3が第1マグネットスイッチ(第1Mgスイッチ)4aがオン状態か判定する。第1マグネットスイッチ4aがオン状態の場合はステップS10へ進み、そうでない場合はステップS9へ進む。
【0031】
ステップS9:マイコン制御部3が第1マグネットスイッチ4aをオン状態にする。
ステップS10:マイコン制御部3が第1マグネットスイッチ4aをオン状態にしたまま第1充電中/充電済みランプ(第1充電中ランプ)17aを点滅させる。
【0032】
ステップS11:マイコン制御部3が第1電流検知器5aで検知される電流値が所定の正常値の範囲内であるか判定する。これにより、充電切替装置1における電源コンセント19からの電流を第1コンセント11aへ導く回路(第1コンセント11a側の回路)20aに異常が生じて第1コンセント11aに過剰に電力が供給されていないか確認することができる。第1電流検知器5aで検知される電流値が正常値の範囲内である場合はステップS13へ進み、そうでない場合即ち第1コンセント11aに過剰に電力が供給されている場合はステップS12へ進む。
【0033】
ステップS12:マイコン制御部3が第1充電異常発生中ランプ18aを点滅させ、第1マグネットスイッチ4aをオフ状態にしつつ第1充電中/充電済みランプ17aを消灯させる。
ステップS13:マイコン制御部3が第1コンセント11aに接続されているバッテリを充電した時間(充電時間)が所定時間を経過していないか判定する。ここで、本ステップS13の所定時間は、第1コンセント11aに接続されたバッテリを正常に充電した際にかかる時間に基づいて予め設定されたものであり、当該所定時間を充電時間が上回る場合、バッテリや充電器等に何らかの異常(例えばバッテリの劣化等)が生じていると判定することができる。充電時間が所定時間を上回っていない場合はステップS15へ進み、充電時間が所定時間を上回っている場合はステップS14へ進む。
【0034】
ステップS14:マイコン制御部3が第1充電異常発生中ランプ18aを点灯させ、第1マグネットスイッチ4aをオフ状態にしつつ第1充電中/充電済みランプ17aを消灯させる。
ステップS15:マイコン制御部3が第1電流検知器5aで検知される電流値が0になったかどうか判定する。第1電流検知器5aで検知される電流値が0の状態、即ち第1コンセント11aから充電器13a、13bに電力が供給されていない状態となるため、マイコン制御部3はバッテリが満充電の状態になったものと判定することができる。
【0035】
ステップS16:マイコン制御部3が第1電流検知器5aで検知される電流値が0になった時点、即ち第1コンセント11aに接続されたバッテリが満充電になった時点から所定時間が経過したか否かを判定する。ここで、本ステップS16の所定時間として例えば1又は2分が設定されている。前述のように第1電流検知器5aで検知される電流値が0の状態はバッテリが満充電の状態になったものと判定可能である。しかしながら、例えば使用者がバッテリを充電器13a、13bから一度取り外す等したことによりバッテリの充電が強制的に中断された場合や、バッテリの放熱のために急に電流値が下がった場合にも、第1電流検知器5aで検知される電流値は0になる。そこで、マイコン制御部3は第1電流検知器5aで電流値0を検知し、本ステップS16により充電が再開されることを所定時間だけ待った後に、バッテリが満充電の状態になったものと判定する構成としている。第1電流検知器5aで検知される電流値が0になった時点から所定時間が経過している場合はステップS17へ進み、そうでない場合はステップS15へ戻る。
【0036】
ステップS17:マイコン制御部3が第1充電中/充電済みランプ17aを点灯させる。
ステップS18:マイコン制御部3が第2マグネットスイッチ(第2Mgスイッチ)4bがオン状態か判定する、即ち第2コンセント(第2EVコンセント)11bに接続されたバッテリの充電が完了しているか判定する。第2コンセント11bに接続されたバッテリの充電が完了している場合はステップS19へ進み、そうでない場合はステップS4へ進む。
ステップS19:マイコン制御部3が使用者によって表示リセットボタン10が押されているかどうか判定する。使用者によって表示リセットボタン10が押されている場合はステップS20へ進み、そうでない場合は本ステップS19を繰り返し実行する。
【0037】
ステップS20:マイコン制御部3が第1充電中/充電済みランプ17aを消灯させ、ステップS2へ戻る。
ステップS21~S34:ステップS21~S34は、第2コンセント11bに接続されたバッテリを充電するためのステップであり、第1コンセント11aに接続されたバッテリを充電するためのステップである上述のステップS7~S20と同様であるため、説明を省略する。
【0038】
本実施形態に係る充電切替装置1は、上述の充電切替プログラムを実行することにより、
図4(a)~
図4(d)に示す充電切替動作を実現することができる。
図4(a)に示すように、第1、第2コンセント11a、11bにバッテリが2個ずつ接続された場合、第1コンセント11aに接続された2個のバッテリ12a、12bの充電が開始される。
【0039】
次いで、第1コンセント11aに接続された2個のバッテリ12a、12bの充電が完了すると、
図4(b)に示すように、第2コンセント11bに接続された2個のバッテリ12c、12dの充電が開始される。ここで、充電完了したバッテリ12a、12bは、充電器13a、13bに接続されたままでは自然放電により充電電圧が低下し、再度充電が必要な状態になってしまう。そこで、第1マグネットスイッチ4aをオン状態のままにすることによりバッテリ12a、12bの自然放電を防ぐことができる。
【0040】
次いで、
図4(c)に示すように、第2コンセント11bに接続された2個のバッテリ12c、12dの充電が完了すると、第1、第2マグネットスイッチ4a、4bは両方ともオン状態が維持される。前述した
図4(b)における第1マグネットスイッチ4aと同様の理由で第2マグネットスイッチ4bはオン状態のままである。
【0041】
最後に、
図4(d)に示すように、使用者によって第1、第2コンセント11a、11bからバッテリ12a~12dが取り外され、表示リセットボタン10が押されると、第1、第2充電中/充電済みランプ17a、17bは消灯されるが、第1、第2マグネットスイッチ4a、4bは両方ともオン状態が維持される。
【0042】
以上のように、本実施形態に係る充電切替装置1によれば、第1コンセント11aに接続されたバッテリ12a、12bを先に充電し、バッテリ12a、12bの充電完了後、第2コンセント11bに接続されたバッテリ12c、12dに自動的に切り替えて充電を行うことができる。即ち、使用者は充電切替装置1を用いることにより時間を無駄にすることなく4つのバッテリ12a~12dを充電することができる。
なお、充電切替装置1の上記充電切替プログラムは、例えば電気料金の安価な夜間にバッテリ12a~12dの充電を行うように、マイコン制御部3が所定時刻を待って充電を開始する構成としてもよい(オフピークタイマー)。
【0043】
本実施形態に係る充電切替装置1の使用者は、例えば電動バイクの乗車前日に第1、第2コンセント11a、11bにバッテリを接続して充電を開始し、夜間に各種ランプ9を見てバッテリの状態を確認する。そして使用者は翌朝、電動バイクの乗車前に各種ランプ9を最終確認する。使用者は各種ランプ9からバッテリの状態を以下のように判断することができる。
【0044】
第1通電中ランプ16aが点灯している場合
・第1コンセント11a側の回路20aが通電中である。
第1充電中/充電済みランプ17aが点滅している場合
・第1コンセント11aに接続されたバッテリを充電中である。
第1充電中/充電済みランプ17aが点灯している場合
・第1コンセント11aに接続されたバッテリが充電済みである。
【0045】
第1充電中/充電済みランプ17aが消灯している場合(下記のいずれか)
・第1コンセント11aにバッテリが前日から接続されていない。
・充電器13a、13bに備えられた充電コントローラの異常停止又は不良。
・バッテリが充電前に使用されておらず満充電である。
・表示リセットボタン10が既に押されている。
【0046】
第1充電異常発生中ランプ18aが消灯している場合
・第1コンセント11aに接続されたバッテリに充電エラーが生じていない。
第1充電異常発生中ランプ18aが点灯している場合(下記のいずれか)
・充電器13a、13bに備えられた充電コントローラの動作不良。
・バッテリの劣化又は不良。
なお、第1通電中ランプ16a、第1充電中/充電済みランプ17a及び第1充電異常発生中ランプ18aについて述べたが、第2通電中ランプ16b、第2充電中/充電済みランプ17b及び第2充電異常発生中ランプ18bについても同様である。
【0047】
以上に述べた本実施形態によれば、電動バイクのバッテリの充電に適した、具体的には電動バイクの複数のバッテリを自動的に切り替えて充電するための、構成が簡単で安価かつ小型の充電切替装置1を実現することができる。
なお、充電切替装置1は、電動バイクのバッテリに限られず、その他のバッテリの充電に用いることも勿論可能である。
【0048】
また、充電切替装置1は上記構成に限られず、第1コンセント11a、第1電流検知器5a、第1マグネットスイッチ4a、第1通電中ランプ16a、第1充電中/充電済みランプ17a及び第1充電異常発生中ランプ18aと同様の構成のコンセント、電流検知器、マグネットスイッチ、通電中ランプ、充電中/充電済みランプ及び充電異常発生中ランプを少なくとも1セット以上さらに備え、各コンセントにバッテリを最大2個ずつ接続し、計5個以上のバッテリを最大2個ずつ自動的に切り替えながら充電する構成としてもよい。
【0049】
(第1変形例)
充電切替装置1は、上記充電切替プログラムによる充電切替動作に限られず、
図5(a)及び
図5(b)に示し以下に述べる充電切替動作をマイコン制御部3が行う構成としてもよい。
図5(a)に示すように、第1、第2コンセント11a、11bにバッテリ12a、12cが1個ずつ接続された場合、マイコン制御部3は両方のバッテリ12a、12cを同時に充電する。
【0050】
この状態において、
図5(b)に示すように第1コンセント11aに2個目のバッテリ12bが接続された場合、マイコン制御部3は第2マグネットスイッチ4bをオフ状態にして第2コンセント11bに接続されたバッテリ12cの充電を中断し、第1コンセント11aに接続された2個のバッテリ12a、12bを優先して充電する。
【0051】
そして、第1コンセント11aに接続された2個のバッテリ12a、12bの充電完了後に、マイコン制御部3は第2マグネットスイッチ4bをオン状態にし、中断していた第2コンセント11bに接続されたバッテリ12cの充電を行う。
以上の充電切替動作により、第1、第2コンセント11a、11bのいずれの充電器13a~13dに、いつバッテリ12a~12dを接続しても全てのバッテリ12a~12dを適切に2個ずつ自動的に切り替えながら充電することができる。
【0052】
(第2変形例)
充電切替装置1は、上記構成に限られず、
図6(a)に示すように、第1、第2コンセント11a、11b、第1、第2電流検知器5a、5b及び第1、第2マグネットスイッチ4a、4bと同様の構成の第3、第4コンセント11c、11d、第3、第4電流検知器5c、5d及び第3、第4マグネットスイッチ4c、4dをさらに備え、第1~第4コンセント11a~11dにバッテリを1個ずつ接続する構成としてもよい。
【0053】
なお、本変形例の充電切替装置1は、第1、第2通電中ランプ16a、16b、第1、第2充電中/充電済みランプ17a、17b、第1、第2充電異常発生中ランプ18a、18bと同様の構成の第3、第4通電中ランプ、第3、第4充電中/充電済みランプ、第3、第4充電異常発生中ランプも備えるものとする。
【0054】
本変形例の充電切替装置1は、
図6(a)及び
図6(b)に示し以下に述べる充電切替動作をマイコン制御部3が行う構成とすることができる。
図6(a)に示すように、第1、第3コンセント11a、11cにバッテリ12a、12cが接続された場合、これをマイコン制御部3は第1、第3電流検知器5a、5cを用いて検知し、バッテリ12a、12cを両方とも充電する。
【0055】
この状態において、
図6(b)に示すように第2コンセント11bにバッテリ12bが接続された場合、マイコン制御部3は第2マグネットスイッチ4bをオフ状態にして第1、第3コンセント11a、11cに接続されたバッテリ12a、12cの充電を継続する。そしてこれらの充電完了後に、マイコン制御部3は第2マグネットスイッチ4bをオン状態にして第2コンセント11bに接続されたバッテリ12bの充電を行う。
【0056】
以上、本変形例の充電切替動作によれば、第1変形例では第2コンセント11bに接続されたバッテリ12bの充電を中断していたのに対し、本変形例では第1~第4コンセント11a~11dに、いつバッテリ12a~12dを接続しても、全てのバッテリ12a~12dを第1~第4コンセント11a~11dに接続した順で2個ずつ自動的に切り替えながら適切に充電することができる。
【0057】
以上に述べた各変形例によれば、上記実施形態と同様、電動バイクのバッテリの充電に適し、電動バイクの複数のバッテリを自動的に切り替えて充電するための、構成が簡単で安価かつ小型の充電切替装置を実現することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 充電切替装置
2 筐体
3 マイコン制御部
4a 第1マグネットスイッチ
4b 第2マグネットスイッチ
5a 第1電流検知器
5b 第2電流検知器
10 表示リセットボタン
11a 第1コンセント
11b 第2コンセント
12a~12d バッテリ
13a~13d 充電器
16a 第1通電中ランプ
16b 第2通電中ランプ
17a 第1充電中/充電済みランプ
17b 第2充電中/充電済みランプ
18a 第1充電異常発生中ランプ
18b 第2充電異常発生中ランプ
19 電源コンセント
【要約】
【課題】電動バイクのバッテリの充電に適し構成が簡単で安価かつ小型の充電切替装置を提供する。
【解決手段】バッテリを装着した充電器を2個ずつ接続可能なコンセント11a、11bに電源コンセントからの電流を導く2つの回路を開閉するスイッチ4a、4bと、コンセント11a、11bに接続された充電器へ流れる電流を検知する電流検知器5a、5bと、電流検知器5a、5bの検知結果に基づきコンセント11a、11bについてバッテリの接続の有無及び充電状況を判定しスイッチ4a、4bを制御する制御部3とを有し、制御部3はコンセント11a、11bに計2個以下のバッテリが接続された場合スイッチ4a、4bをオン状態とし、コンセント11a、11bに計3個以上のバッテリが接続された場合スイッチ4a、4bの一方をオフ状態にし他方に接続されたバッテリの充電完了後に前記一方をオン状態にする。
【選択図】
図2