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7250213血液の体外処理のための装置の体外血液回路をプライミングするための方法及び血液の体外治療のための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】血液の体外処理のための装置の体外血液回路をプライミングするための方法及び血液の体外治療のための装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/36 20060101AFI20230324BHJP
   A61M 1/16 20060101ALI20230324BHJP
   A61M 60/113 20210101ALI20230324BHJP
   A61M 60/37 20210101ALI20230324BHJP
   A61M 60/38 20210101ALI20230324BHJP
【FI】
A61M1/36 121
A61M1/16 107
A61M60/113
A61M60/37
A61M60/38
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022509722
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2020071518
(87)【国際公開番号】W WO2021032435
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】19192317.6
(32)【優先日】2019-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501473877
【氏名又は名称】ガンブロ・ルンディア・エービー
【氏名又は名称原語表記】GAMBRO LUNDIA AB
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プーシュリン, ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ベロット, ヴァレンティン
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-072489(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0143024(US,A1)
【文献】特表2008-534240(JP,A)
【文献】特開2016-209628(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0085952(US,A1)
【文献】特表2012-510860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/36
A61M 1/16
A61M 60/113
A61M 60/37
A61M 60/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液の体外治療のための装置の体外血液回路をプライミングするための方法であって、血液の体外治療のための前記装置は、
液治療ユニット(2)と、
前記血液治療ユニット(2)に結合された体外血液回路と、
前記体外血液回路のポンプ部分に結合されるように構成された血液ポンプ(11)と、
前記体外血液回路を流れる血液とガスを交換するために前記体外血液回路に動作可能に結合された膜ガス交換器(18)であって、前記膜ガス交換器(18)は、前記体外血液回路に液体連通する血液側と、ガス側とを含む、膜ガス交換器(18)と、を備え、
前記方法は、
‐前記体外血液回路及び前記膜ガス交換器(18)の前記血液側にプライミング液を供給することと、
‐前記膜ガス交換器(18)の血液出口(18d)での気泡の放出を抑制するように、前記体外血液回路及び前記膜ガス交換器(18)の前記血液側を流れる前記プライミング液に一時的な加圧ステップを生成することであって、前記一時的な加圧ステップを生成することは、前記プライミング液の流れ方向に関して前記膜ガス交換器(18)の下流に配置された前記体外血液回路の一部を一時的に制限又は閉塞することを含み、前記一時的な加圧ステップは、前記一時的な加圧ステップの前の適所にある圧力レジメンに対する圧力増加であり、前記加圧ステップ中の前記膜ガス交換器(18)における最高圧力(P max )が、100mmHgと1000mmHgとの間である、ことと、
‐プライミング中に、前記一時的な加圧ステップを時間間隔で繰り返すことと、を有する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、プライミング中に、周期的な間隔で、前記一時的な加圧ステップを時間間隔で繰り返すことを有する、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、前記加圧ステップの時間長(Δt)が、2秒と30秒との間である、方法。
【請求項4】
請求項1乃至の何れか1項に記載の方法であって、前記一時的な加圧ステップを生成することは、前記血液ポンプ(11)を動作させたままにすることと、前記プライミング液の流れ方向に関して前記膜ガス交換器(18)の下流に配置されたクランプ(9)を閉じることとを含む、方法。
【請求項5】
請求項1乃至の何れか1項に記載の方法であって、前記一時的な加圧ステップを生成することは、注入ライン(15)と、前記注入ライン(15)のポンプ部分に結合された、又は結合されるように構成された注入ポンプ(17)とを通じて作動され、前記一時的な加圧ステップを生成することは、
‐前記注入ライン(15)をプライミング液のソースに接続することと、
‐前記注入ポンプ(17)を作動させることと、を含み、
前記注入ライン(15)は、前記血液ポンプ(11)と返戻クランプとの間で、前記体外血液回路に接続される、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記注入ライン(15)は、前記血液ポンプと前記膜ガス交換器との間で、前記体外血液回路に接続される、方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の方法であって、前記注入ポンプ(17)が作動された場合に、前記血液ポンプ(11)が停止され、及び/又は前記体外血液回路上かつ前記プライミング液の前記流れ方向に関して前記膜ガス交換器の下流に配置された返戻クランプ又は弁が閉じられる、方法。
【請求項8】
請求項に記載の方法であって、前記一時的な加圧ステップを生成することは、前記体外血液回路上に配置された脱気チャンバ(8)と、前記脱気チャンバ(8)に接続された空気ポンプ(26)とを通じて作動され、前記プライミング液が前記脱気チャンバに到達した場合に、前記プライミング液における第1の一時的な加圧ステップが生成される、方法。
【請求項9】
請求項1乃至の何れか1項に記載の方法であって、プライミングの終了時かつ患者接続前に、前記体外血液回路及び前記膜ガス交換器(18)の前記血液側の圧力が、20mmHgと400mmHgとの間に保たれる、方法。
【請求項10】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法であって、プライミングの終了時かつ患者接続前に、前記体外血液回路及び前記膜ガス交換器(18)の前記血液側の圧力が、50mmHgと100mmHgとの間に保たれる、方法。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の方法であって、プライミングの終了時かつ患者接続前に、返血ライン上かつ前記膜ガス交換器(18)の下流に配置された返戻クランプ又は弁が閉じられたままにされる間に、前記血液ポンプ(11)が停止され、前記血液ポンプ(11)と前記返戻クランプ又は弁との間の血液回路部分が実質的に隔離され、前記血液回路部分に空気が入ることができず、前記血液回路部分内の圧力レジメンが実質的に一定に保たれる、方法。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1項に記載の方法であって、各加圧ステップの時間長(Δt)は、不変であるか、又は前記血液ポンプの下流で測定された前記体外血液回路内の圧力の関数であり、前記測定された圧力は、測定された返戻圧力、又は治療ユニット圧力、又は排出圧力、又はこれらの平均圧力である、方法。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1項に記載の方法であって、プライミング中、前記膜ガス交換器の前記ガス側を通ってガスが流れない、方法。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか1項に記載の方法であって、前記プライミング液を前記体外血液回路に供給する前に、
‐前記膜ガス交換器を、前記血液治療ユニットに隣接して、及び/又は前記血液治療ユニット(2)と同じ高さに配置すること、及び/又は
‐プライミング液源バッグを前記体外血液回路に接続すること、及び/又は
‐プライミング液廃棄バッグを前記体外血液回路に接続すること、を有する、方法。
【請求項15】
血液の体外治療のための装置であって、
液治療ユニット(2)と、
前記血液治療ユニット(2)に結合された体外血液回路と、
前記体外血液回路のポンプ部分に結合されるように構成された血液ポンプ(11)と、
前記体外血液回路を流れる血液とガスを交換するために前記体外血液回路に動作可能に結合された膜ガス交換器(18)と、
前記体外血液回路をプライミングするためのタスクの実行を命令するように構成された制御ユニット(10)と、を備え、前記タスクは、
‐前記体外血液回路及び前記膜ガス交換器(18)の前記血液側にプライミング液を供給するステップと、
‐前記膜ガス交換器(18)の血液出口(18d)での気泡の放出を抑制するように、前記体外血液回路及び前記膜ガス交換器(18)の前記血液側を流れる前記プライミング液に一時的な加圧ステップを生成するステップであって、前記一時的な加圧ステップを生成するために、前記タスクは、前記血液ポンプ(11)を動作させたままにすることと、前記プライミング液の流れ方向に関して前記膜ガス交換器(18)の下流に配置されたクランプを閉じることと、を含み、前記加圧ステップ中の前記膜ガス交換器(18)における最高圧力(P max )が、100mmHgと1000mmHgとの間である、ステップと、
‐プライミング中に、前記一時的な加圧ステップを繰り返すステップと、を含む、装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、前記タスクは、プライミング中に、周期的な間隔で、前記一時的な加圧ステップを繰り返すことを含む、装置。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の装置であって、前記膜ガス交換器(18)は、前記血液治療ユニット(2)に隣接して配置される、装置。
【請求項18】
請求項15乃至17の何れか1項に記載の装置であって、前記膜ガス交換器(18)は、前記血液治療ユニット(2)と実質的に同じ高さに配置され、プライミング液廃棄バッグ(24)は、前記膜ガス交換器(18)と実質的に同じ高さ又は前記膜ガス交換器(18)の下に配置される、装置。
【請求項19】
請求項15乃至18の何れか1項に記載の装置であって、使い捨てカートリッジ(27)を備え、前記使い捨てカートリッジ(27)は、前記膜ガス交換器(18)と、前記血液治療ユニット(2)と、前記体外血液回路の少なくとも一部と、を含む、装置。
【請求項20】
請求項15乃至19の何れか1項に記載の装置であって、
‐前記血液治療ユニット(2)の二次チャンバ(4)の入口に接続された一端を有し、未使用の処理液を前記二次チャンバへ運ぶように構成された透析ライン(14)と、
‐前記二次チャンバ(4)の出口に接続された一端を有し、前記二次チャンバから使用済液体を除去するように構成された使用済透析液ライン(12)と、
‐前記体外血液回路に接続可能なプライミング液源バッグ(23)と、
‐前記体外血液回路に接続可能なプライミング液廃棄バッグ(24)であって、前記膜ガス交換器と実質的に同じ高さ又は前記膜ガス交換器の下に配置されるプライミング液廃棄バッグ(24)と、を備える、装置。
【請求項21】
請求項15乃至20の何れか1項に記載の装置であって、前記膜ガス交換器(18)と、前記体外血液回路の少なくとも一部と、前記血液治療ユニット(2)とを保持するように構成された支持フレームを備え、前記膜ガス交換器は、前記血液治療ユニットに隣接して配置される、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液の体外治療のための装置の体外血液循環路をプライミングするための方法及びこのような方法を実施するように構成された血液の体外治療のための装置、特に、酸素化及び/又はCO2除去のための膜ガス交換器を備えた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液体外治療及び療法の分野では、体外膜酸素化(ECMO)及び/又は体外CO2除去(ECCO2R)のために膜ガス交換器が使用されている。当初は専用システムで使用されていたが、近年、体外CO2除去の発展により、持続的腎代替療法(CRRT)のための透析システムに膜ガス交換器が導入されている。CRRTシステムは、ECCO2R療法(スタンドアロンECCO2R)だけでなく、同じ血液回路又は他の治療法において組み合わされたCRRT及びECCO2R、例えば肝庇護及びECCO2R)を提供できる。
【0003】
血液の体外治療の分野では、血液透析治療において、血液中に存在する不純物及び望ましくない物質(尿素、クレアチニンなど)が血液から処理液への拡散移動によって移動しうるように、患者の血液及び血流とほぼ等張の処理液が血液透析器の個別の区画に循環される。処理液のイオン濃度は、患者の血液のイオン濃度を是正するために選択される。血液濾過透析による治療では、血液透析器の膜の血液側と処理液側との間に引き起こされる正の圧力差から生じる限外濾過による対流移動が、透析によって得られる拡散移動に加えられる。
【0004】
体外血液治療を実行する前に、装置の体外血液回路がプライミングされ、プライミング溶液、例えば生理食塩水を血液ラインに流す。体外血液回路をプライミングする目的は、血液ライン、膜ガス交換器、及び透析器から空気を除去すること、ならびに患者を接続する前に、残存する滅菌剤又は他の残留物の起こりうる断片を使い捨て要素から除去することである。
【0005】
これらの膜特性のために、膜ガス交換器は、後続の血液治療中の膜を通る空気の取り込み及び気泡の形成を抑制するために、プライミング中及びプライミング後に特定の予防措置を必要とする。
【0006】
例えば、回路圧力を大気圧よりも高く保つために、プライミング中にガス交換デバイスを返戻ラインの端部の下に配置し、治療中にガス交換デバイスを患者の下に配置することが知られている。
【0007】
このようにして、膜ガス交換器は自由に配置することができず、前記ガス交換器の低い位置は、ガス交換器をそのホルダにセットするために屈まなければならず、装置のユーザ・インタフェースで作業する際にそれを見ることができないユーザにとって不便である。
【0008】
特許文献1は、心肺バイパス処置において使用される血液潅流システムを記載する。システムは、組み合わされた酸素供給器及び熱交換器を含む。酸素供給器は、酸素供給器から静脈貯血槽への酸素供給器通気管ラインを有する。通気管ラインは通気弁を通り、通気弁は、酸素供給器から空気を除去するために、プライミング中に自動的に開かれる。この文献は、酸素供給器内のバッグから来るプライミング溶液を所定の値に加圧することによって、液体が所定の圧力で漏れやすい酸素供給器膜を横切るので、酸素供給器膜内の漏れを液体漏れ検出器で検出できることを開示する。
【0009】
特許文献2は、ガス・エンリッチ血液を準備及び送達するためのシステムを記載する。プライミング・モードでは、システムは、液体供給チャンバを生理溶液で満たし、ピストン・アセンブリを駆動して、溶液を加圧し、適切なレベルの液体に到達するまで、噴霧器チャンバ内に移送する。システムは、戻り管内の酸素エンリッチ血液を気泡について監視するために気泡センサと対話する気泡検出器を含む。
【0010】
特許文献3は、プライミング液容器と、プライミング圧縮器と、通気ユニットとを備える通気デバイス・セットを備えた(酸素供給器、血液ポンプを有する)酸素供給回路を記載する。回路は、プライミング液容器からのプライミング液で満たされ、酸素供給器は通気される。プライミング回路内の気泡を検知しているかどうかをセンサがチェックする。気泡が検出されたならば、血液ポンプは脈動モードで作動して、残留空気を酸素供給器に送達し、そこから残留空気を逃がすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許出願公開第2006/167400号明細書
【文献】欧州特許第1372759号明細書
【文献】国際公開第2017/190718号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述の先行技術文献は、プライミング中及びプライミング後の気泡の形成を抑制しないが、酸素供給器から、又は通気デバイス及び/又は気泡センサを通じて血液ラインから空気を排除する。
【0013】
したがって、本発明の目的は、膜ガス交換器の存在に起因する血液回路内の気泡の形成を正確に抑制するように構成された、体外血液回路をプライミングするための方法及び血液の体外治療のための装置を提供することである。
【0014】
特に、本発明の目的は、患者の治療中に、少なくともプライミング中及び場合によってはプライミング後の、膜ガス交換器の存在に起因する気泡の形成を抑制することである。
【0015】
さらに、本発明の目的は、追加の特有の構成要素/デバイスを必要としない、気泡形成を抑制するように構成された方法及び装置を提供することである。別の補助的な目的は、自由であり、オプションとしてユーザフレンドリな膜ガス交換器の位置決めを可能にする方法及び装置を提供することである。さらなる補助的な目的は、完全に自動化されてもよく、ユーザの介入を必要としなくてもよいプライミング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的の少なくとも1つは、添付の特許請求の範囲の1つ以上による、血液の体外治療のための装置の体外血液回路をプライミングするための方法、及び血液の体外治療のための装置によって実質的に達成される。本発明の態様による装置及び方法であって、上記目的の1つ以上を実現できる装置及び方法が以下に記載される。
【0017】
第1態様は、血液の体外治療のための装置の体外血液回路をプライミングするための方法であって、血液の体外治療のための前記装置は、
・オプションとして、血液治療ユニットと、
・前記血液治療ユニットにオプションとして結合された体外血液回路と、
・前記体外血液回路のポンプ部分に結合されるように構成された血液ポンプと、
・前記体外血液回路を流れる血液とガスを交換するために前記体外血液回路に動作可能に結合された膜ガス交換器であって、前記膜ガス交換器は、前記血液回路に液体連通する血液側と、ガス側とを含む、膜ガス交換器と、を備え、
前記方法は、
‐前記体外血液回路及び前記膜ガス交換器の前記血液側にプライミング液を供給することと、
‐前記膜ガス交換器の血液出口での気泡の放出を抑制するように、前記血液回路及び前記膜ガス交換器の前記血液側を流れる前記プライミング液に一時的な加圧ステップを生成することと、を有する、方法に関する。
【0018】
加圧ステップの効果(すなわち、膜ガス交換器の血液出口での気泡の放出を抑制すること)は、膜の疎水性細孔にいくらかの液体を押し込んでガス移動を減少させること、ならびに膜壁に蓄積されたマイクロ気泡を、膜を通して及びそれらが凝集してマクロ気泡になる前に除去することの結果として生じうる。後述の説明は、このような効果が再現可能な方法で調べられうることを示す。
【0019】
第1態様に従う第2態様において、前記方法は、プライミング中に、前記一時的な加圧ステップを繰り返すことを有する。
【0020】
上記態様の何れか1つに従う第3態様において、前記方法は、プライミング中に、時間間隔をおいて前記一時的な加圧ステップを繰り返すことを有する。
【0021】
上記態様の何れか1つに従う第4態様において、前記時間間隔は、周期的間隔である。
【0022】
上記態様3又は4の何れか1つに従う第5態様において、各時間間隔は、10秒から100秒の間であり、オプションとして20秒から80秒の間であり、オプションとして40秒から60秒の間である。
【0023】
上記態様の何れか1つに従う第6態様において、前記加圧ステップ又は1つ以上の加圧ステップ又は各加圧ステップの時間長は、不変であるか、又は前記血液回路内の測定された圧力の関数であり、オプションとして前記血液ポンプの下流で測定される。
【0024】
上記態様の何れか1つに従う第7態様において、前記測定された圧力は、測定された戻り圧力及び/又は治療ユニット圧力及び/又は流出圧力又はその平均圧力である。
【0025】
第6又は第7態様に従う第8態様において、前記時間長は、2秒と30秒との間であり、オプションとして5秒と10秒との間である。
【0026】
上記態様の何れか1つに従う第9態様において、前記加圧ステップ中の前記膜ガス交換器における最大圧力は、100mmHgと1000mmHgとの間であり、オプションとして400mmHgと600mmHgとの間である。
【0027】
上記態様の何れか1つに従う第10態様において、プライミング中に、前記膜ガス交換器の前記ガス側を通ってガスが流れない。
【0028】
上記態様の何れか1つに従う第11態様において、前記一時的な加圧ステップを生成することは、前記プライミング液の流れ方向に関して前記膜ガス交換器の下流に配置された前記血液回路の一部を一時的に制限することを含む。一時的な加圧ステップは、加圧ステップの前に適所にある圧力レジメンに対する圧力増加である。
【0029】
前述の態様1~10の何れか1つに従う第12態様において、前記一時的な加圧ステップを生成することは、前記プライミング液の流れ方向に関して前記膜ガス交換器の下流に配置された前記血液回路の一部を一時的に閉塞することを含む。
【0030】
前述の態様11又は12の何れか1つに従う第13態様において、前記一時的な加圧ステップを生成することは、前記血液回路の前記一部を一時的に制限又は閉塞しながら、前記血液ポンプを動作させたままにすることを含む。
【0031】
前述態様11、12、又は13の何れか1つに従う第14態様において、前記血液回路の前記一部を一時的に制限又は閉塞することは、前記プライミング液の前記流れ方向に関して前記血液回路上かつ前記膜ガス交換器の下流に配置されたクランプ又は弁を、オプションとして前記患者返血アクセスに対応して配置された返戻クランプを、少なくとも部分的に、オプションとして繰り返して、閉じることを含み、特に、前記返戻クランプは、脱気チャンバの下流及び/又は血液加温器の下流で返血ラインに作用する。
【0032】
上記態様の何れか1つに従う第15態様において、前記一時的な加圧ステップを生成することは、注入ラインと、前記注入ラインのポンプ部分に結合された又は結合されるように構成された注入ポンプとを介して作動される。前記注入ポンプは、前記増加された圧力が要求された場合に液体のポンピングを開始し、少なくとも前記加圧ステップの前記時間長の間、液体をポンピングする。
【0033】
上記態様の何れか1つに従う第16態様において、血液の体外治療のための前記装置は、注入ポンプを備える注入ラインを備え、前記一時的な加圧ステップを生成することは、
‐前記注入ラインをプライミング液のソースに接続することと、
‐前記注入ポンプを作動させることと、を含む。
【0034】
前述態様に従う第17の態様において、前記注入ラインは、前記血液ポンプと前記返戻クランプとの間、オプションとして前記血液ポンプと前記膜ガス交換器との間、オプションとして前記膜ガス交換器と前記返戻クランプとの間で、前記血液回路に接続される。
【0035】
前述の態様に従う第18態様において、前記注入ポンプが作動された場合に、前記血液ポンプが停止され、及び/又は前記血液回路上かつ前記プライミング液の前記流れ方向に関して前記膜ガス交換器の下流に配置された返戻クランプ又は弁が閉じられる。
【0036】
前述の態様の何れか1つに従う第19態様において、前記一時的な加圧ステップを生成することは、前記血液回路上に、オプションとして前記血液ポンプと前記返戻クランプとの間に配置された脱気チャンバと、前記脱気チャンバに接続された空気ポンプとを介して作動され、及び/又は前記一時的な加圧ステップを生成することは、前記血液回路上に配置された圧力ポッドと、前記圧力ポッドに接続された空気ポンプとを介して作動される。
【0037】
上記態様の何れか1つに従う第20態様において、血液の体外治療のための前記装置は、前記血液回路上に配置された少なくとも1つの圧力ポッドと、可撓性膜によって前記圧力ポッドの血液チャンバから分離された前記圧力ポッドのガス・チャンバに接続された少なくとも1つの空気ポンプとを備え、前記一時的な加圧ステップを生成することは、前記圧力ポッドの前記エア・チャンバ内に圧力パルスを生成するように前記空気ポンプを作動させることを含む。
【0038】
上記態様の何れか1つに従う第21態様において、前記プライミング液が前記膜ガス交換器の前記血液側を満たすと、前記プライミング液の第1の一時的な加圧ステップが生成される。
【0039】
上記態様の何れか1つに従う第22態様において、血液の体外治療のための前記装置は、血液回路上かつ前記プライミング液の前記流れ方向に関して及び治療中の血液の流れ方向に関して前記膜ガス交換器の下流に配置された脱気チャンバを備え、前記プライミング液が前記脱気チャンバに到達した場合に前記プライミング液中の第1の一時的な加圧ステップが生成される。
【0040】
上記態様の何れか1つに従う第23態様において、プライミングの終了時かつ患者接続前に、前記血液回路内及び前記膜ガス交換器の前記血液側内の圧力は、20mmHgと400mmHgとの間に、オプションとして50mmHgと100mmHgとの間に保たれる。
【0041】
上記態様の何れか1つに従う第24態様において、プライミングの終了時かつ患者接続前に、返血ライン上かつ前記膜ガス交換器の下流にに配置された返戻クランプ又は弁が閉じたままである間に、前記血液ポンプが停止される。血液ポンプと返戻クランプとの間の血液回路部分が実質的に隔離され、血液回路部分に空気が入ることができず、血液回路部分内の圧力レジメンが実質的に一定に保たれる。基本的に、血液側の過圧に起因して、空気はガス交換器の膜を通って入ることができない。
【0042】
上記態様の何れか1つに従う第25態様において、前記プライミング液を前記体外血液回路に供給する前に、前記血液治療ユニットの近く及び/又は前記血液治療ユニットと同じ高さに前記膜ガス交換器を配置することが想定される。
【0043】
上記態様の何れか1つに従う第26態様において、前記プライミング液を前記体外血液回路に供給する前に、プライミング液源バッグ、及びオプションとしてプライミング液廃棄バッグを前記体外血液回路に接続することが想定される。
【0044】
第27態様は、血液の体外治療のための装置であって、
オプションとして、血液治療ユニットと、
前記血液治療ユニットにオプションとして結合された体外血液回路と、
前記体外血液回路のポンプ部分に結合されるように構成された血液ポンプと、
前記体外血液回路を流れる血液とガスを交換するために前記体外血液回路に動作可能に結合された膜ガス交換器であって、オプションとして、前記膜ガス交換器は、前記ポンプ部分の下流に配置される、膜ガス交換器と、
オプションとして前述の態様の1つ以上の方法に従って、前記体外血液回路をプライミングするためのタスクの実行を命令するように構成された制御ユニットと、を備える装置に関する。
【0045】
前述の態様27に従う第28態様において、前記タスクは、
‐前記体外血液回路及び前記膜ガス交換器の血液側へプライミング液を供給するステップと、
‐前記膜ガス交換器の血液出口での気泡の放出を抑制するために、前記血液回路及び前記膜ガス交換器の前記血液側を流れる前記プライミング液に一時的な加圧ステップを生成するステップと、
‐オプションとして、プライミング中に、オプションとして定期的な間隔で、前記一時的な加圧ステップを繰り返すステップとを含む。
【0046】
一時的な加圧ステップは、膜ガス交換器の血液側内の圧力を増加させ、膜ガス交換器の血液側内のガス透過性膜のほとんどすべてのエリアが膜ガス交換器の空気側内のガス透過性膜の対応するエリアへの圧力よりも高い圧力を受けるので、空気がガス交換器の膜を通って入ることを抑制する。
【0047】
前述の態様27又は28の何れか1つに従う第29態様において、前記血液治療ユニットは、半透膜によって分離された一次チャンバ及び二次チャンバを有し、前記体外血液回路は、前記一次チャンバの入口に接続された脱血ラインと、前記一次チャンバの出口に接続された返血ラインとを備え、前記膜ガス交換器は、前記返血ライン上又は前記脱血ライン上に配置され、オプションとして、前記ポンプ部分は、前記脱血ラインの一部である。
【0048】
前述の態様29に従う第30態様において、前記装置は、
前記治療ユニットの二次チャンバの入口に接続された一端を有し、未使用の処理液を前記二次チャンバへ運ぶように構成された透析ラインと、
前記二次チャンバの出口に接続された一端を有し、前記二次チャンバから使用済液体を除去するように構成された使用済透析液ラインとを備える。
【0049】
前述の態様27~30の何れかに従う第31態様において、前記装置は、前記血液回路に接続された少なくとも1つの注入ラインと、前記注入ラインのポンプ部分に結合された又は結合されるように構成された少なくとも1つの注入ポンプとを備える。
【0050】
前述の態様に従う第32態様において、前記注入ラインは、前記血液ポンプと前記返戻クランプとの間、オプションとして前記膜ガス交換器と前記血液ポンプとの間、オプションとして前記治療ユニットと前記血液ポンプとの間で前記血液回路に接続される。
【0051】
前述の態様27~32の何れかに従う第33態様において、前記装置は、
前記血液回路上に配置された少なくとも1つの圧力ポッドであって、前記圧力ポッドは、ガス・チャンバと、前記血液回路に接続するための入口及び出口を有する液体/血液チャンバとを画定する中間可撓性膜を有する中空体を備える、圧力ポッドと、
前記圧力ポッドの前記ガス・チャンバに接続された少なくとも1つの空気ポンプと、及び/又は
前記血液回路上に、オプションとして前記プライミング液の前記流れ方向及び治療中の血液の流れ方向に関して前記膜ガス交換器の下流に配置された少なくとも1つの脱気チャンバと、
前記脱気チャンバ内のレベル調整を可能にするために、前記脱気チャンバに、オプションとして前記脱気チャンバの上部に接続された少なくとも1つの空気ポンプとを備える。
【0052】
前述の態様27~33の何れか1つに従う第34態様において、前記装置は、前記膜ガス交換器と、前記体外血液回路の少なくとも一部と、オプションとして前記血液治療ユニットとを保持するように構成された支持フレームを備える。
【0053】
前述の態様27~34の何れか1つに従う第35態様において、前記膜ガス交換器は、前記血液治療ユニットの近くに配置される。
【0054】
前述の態様27~35の何れか1つに従う第36態様において、前記膜ガス交換器は、前記血液治療ユニットと実質的に同じ高さに配置される。
【0055】
前述の態様27~36の何れか1つに従う第37態様において、前記装置は、使い捨てカートリッジを含み、前記使い捨てカートリッジは、前記血液治療ユニット、前記膜ガス交換器、及び前記体外血液回路の少なくとも一部を含む。特に、血液治療ユニット、膜ガス交換器、及び体外血液回路の一部は、使い捨てカートリッジに拘束される。
【0056】
使い捨てカートリッジは、血液の体外治療のための装置のキャビネットの前面パネルに使い捨てカートリッジを結合するための結合要素を含む。
【0057】
前述の態様27~37の何れか1つに従う第38態様において、前記装置は、前記体外血液回路に接続可能なプライミング液源バッグと、オプションとして、前記体外血液回路に接続可能なプライミング液廃棄バッグとを備える。
【0058】
前述の態様に従う第39態様のおいて、前記プライミング液源バッグは、前記脱血ライン及び/又は前記注入ラインに接続可能であり、オプションとして、前記プライミング液廃棄バッグは、前記返血ラインに接続可能である。
【0059】
態様34に従う場合の前述の態様38又は39に従う第40態様において、前記支持フレームは、前記プライミング液源バッグのための、及びオプションとして前記プライミング液廃棄バッグのための支持要素を備える。
【0060】
前述の態様38、39又は40の何れか1つに従う第41態様において、前記プライミング液源バッグ、及びオプションとして前記プライミング液廃棄バッグは、前記膜ガス交換器と実質的に同じ高さに、又は前記膜ガス交換器の下に配置される。
【0061】
前述の態様27~41の何れか1つに従う第42態様において、前記装置は、前記血液回路上、かつ前記プライミング液の前記流れ方向及び治療中の血液の流れ方向に関して前記膜ガス交換器の下流に配置された脱気チャンバを備え、前記タスクは、前記プライミング液が前記脱気チャンバに到達する場合に、前記プライミング液内に第1の一時的な加圧ステップを生成することを含む。
【0062】
前述の態様27~42の何れか1つに従う第43態様において、前記一時的な加圧ステップを生成するために、前記タスクは、前記血液ポンプを動作させたままにすることと、前記プライミング液の流れ方向に関して前記膜ガス交換器の下流に配置された前記血液回路の一部を、オプションとして、前記プライミング液の前記流れ方向に関して前記膜ガス交換器の下流に配置されたクランプ又は弁、オプションとして、返戻クランプを繰り返し閉じることによって、一時的に制限又は閉塞することを含む。
【0063】
態様31に従う場合の前述の態様27~42の何れか1つに従う第44態様において、前記一時的な加圧ステップを生成するために、前記タスクは、前記注入ラインを前記プライミング液源に接続することと、前記注入ポンプを、オプションとして間欠的に、作動させることとを含む。
【0064】
態様33に従う場合の前述の態様27~42の何れか1つに従う第45態様において、前記一時的な加圧ステップを生成するために、前記タスクは、前記圧力ポッドの前記空気チャンバ内及び/又は前記脱気チャンバ内に圧力パルスを生成するように、前記空気ポンプを作動させることを含む。
【0065】
前述の態様27~45の何れか1つに従う第46態様において、前記膜ガス交換器は、酸素供給器及び/又はCO2除去器である。
【0066】
前述の態様46の何れか1つに従う第47態様において、前記膜ガス交換器は、前記血液側とガス側とを分離するガス透過性膜を含む。
【0067】
前述の態様47に従う第48態様において、前記ガス透過性膜は、複数の中空糸を含む。
【図面の簡単な説明】
【0068】
本発明の態様は、非限定的な例として提供される添付の図面に示される。
図1】患者の治療中の血液の体外治療のための装置の概略図を示す。
図2】本発明の1つの態様に従うプライミング手順中の図1の装置を示す。
図3】血液の体外治療のための装置の代替の実施形態の概略図を示す。
図4】本発明の別の態様に従うプライミング手順中の図1の装置を示す。
図5図1及び図2の装置の取りうる実施形態を示す。
図6】本発明の実施形態に関連するプライミング中の圧力傾向を示すグラフである。
図7】本発明の方法の1つの実施形態のフローチャートである。
図8】プライミング中の圧力ピークの強度の強度とバブリング・フリー時間との相関を示すグラフである。
図9】プライミング中の加圧時間とバブリング・フリー時間との相関を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0069】
本発明の革新的な態様を実施しうる血液の体外治療のための装置1の非限定的な実施形態が、図1から図5に示される。以下の説明及び図1から図5において、同じ構成要素は同じ参照符号によって識別される。
【0070】
図1には、半透膜5によって分離された一次チャンバ3及び二次チャンバ4を有する(血液フィルタ、限外フィルタ、血液透析フィルタ、透析器、血漿フィルタ等のような)血液治療ユニット2を含む血液の体外治療のための装置1が示されており、治療に応じて、血液治療ユニット2の膜5は、異なる特性及び性能を有するように選択されてもよい。一次チャンバ3の入口に脱血ライン6が接続され、一次チャンバ3の出口に返血ライン7が接続されている。使用時に、脱血ライン6及び返血ライン7が、針又はカテーテル又は他のアクセス・デバイス(図示せず)に接続され、これは次いで、患者Pの血管系と液体連通して配置され、その結果、血液は、脱血ライン6を通じて抜き取られ、一次チャンバ3を通って流れ、その後、返血ライン7を通じて患者の血管系に戻されうる。返血ライン7上に、脱気チャンバ8のような空気分離器が存在してもよい。さらに、制御ユニット10によって制御される安全返戻クランプ9が、脱気チャンバ8の下流で返血ライン7上に存在してもよい。例えば、脱気チャンバ8に関連する、又は脱気チャンバ8と返戻クランプ9との間のライン7の一部に結合された気泡センサ8aが存在してもよい。存在するならば、気泡センサ8aは制御ユニット10に接続され、ある安全閾値を超える1つ以上の気泡が検出された場合に、制御ユニット10に返戻クランプ9を閉じさせるための信号を制御ユニット10へ送信する。血液ラインを通る血流は、脱血ライン6又は返血ライン7の何れかに作用する血液ポンプ11、例えば蠕動血液ポンプによって制御される。図1及び図2の実施形態は、抜き取りライン6のポンプ部分に結合された血液ポンプ11を示す。オペレータはユーザ・インタフェースを通じて血液流量QBの設定値を入力してもよく、制御ユニット10は治療中に、設定された血液流量QBに基づいて血液ポンプ11を制御するように構成される。制御ユニット10は、メモリ(又は複数のメモリ)を有するデジタル・プロセッサ(CPU)、アナログ・タイプ回路、又は1つ以上のデジタル処理ユニットと1つ以上のアナログ処理回路との組合せを備えてもよい。本明細書及び特許請求の範囲において、制御ユニット10はあるステップを実行するように「構成」又は「プログラム」されることが示される。これは実際には制御ユニット10を構成又はプログラムすることを可能にする任意の手段によって実現されてもよい。例えば、1つ以上のCPUを備える制御ユニット10の場合に、1つ以上のプログラムが適切なメモリに格納され、1つ以上のプログラムは、制御ユニット10によって実行された場合に、制御ユニット10に関連して説明及び/又は請求されるステップを制御ユニット10に実行させる命令を含む。これに代えて、制御ユニット10がアナログ・タイプであるならば、制御ユニット10の回路は、使用時に、本書に開示される制御ユニット10のステップを実行するような電気信号を処理するように構成された回路を含むように設計される。排液ライン、すなわち使用済透析液ライン12は、一端で、二次チャンバ4の出口に接続され、他端で、二次チャンバから抽出された液体を収集する排出導管又は排液容器でありうる廃棄物に接続される。排液ポンプ13は、排液ラインにわたる流量Qeffを調整するように、制御ユニット10の制御のもとで排液ライン12上で動作する。図1の装置は、未使用の透析液を二次チャンバ4に供給するために、液体入口に一端が接続され、治療ユニット2の二次チャンバ4の入口に他端が接続された透析ライン14を含む。図示しない透析液ポンプは、透析液容器から二次チャンバ4に流量Qdialで液体を供給するために、制御ユニット10の制御のもとで透析液ライン14上で動作する。
【0071】
図1の実施形態は、血液ポンプ11と治療ユニット2との間で脱血ライン6に接続された注入ライン15を示す。この注入ライン15は、注入ライン15の一端に接続された注入液容器16から置換液を供給する。注入ライン15の代わりに、又はそれに加えて、図1の装置は、返血ライン7に注入液容器を接続する希釈後液体ライン(図示せず)を含んでもよいことに留意されたい。さらに、注入ライン15を通る流量Qrepを調整するために、注入ポンプ17が注入ライン15上で動作する。2つの注入ライン(希釈前及び希釈後)の場合に、各注入ラインが、個別の注入ポンプを備えてもよいことに留意されたい。血液の体外治療のための装置1は、返血ライン7上に、すなわち、治療中の血液の流れ方向に関して治療ユニット2の下流に配置された膜ガス交換器18をさらに備える。膜ガス交換器18は、血液側とガス側とを分離するガス透過膜100を含む。治療ユニット2から来る返血ライン7の第1部分7aは、膜ガス交換器18の血液側の血液入口18cに接続され、針又はカテーテルに接続された返血ライン7の第2部分7bは、膜ガス交換器18の血液側の血液出口18dに接続される。膜ガス交換器18のガス側に、換気ガス(例えば、空気又は酸素)のための個別のガス入口18a及びガス出口18bが設けられる。
【0072】
膜ガス交換器18の内部構造は、それ自体、公知であってもよい。ガス透過膜100は、複数の中空糸を含んでもよい。換気ガス(例えば、酸素、空気)が中空糸の内側(ガス側)を通過している間に、血液は、拡散によるガス交換を達成するために、中空糸の周り(血液側)を通る。膜ガス交換器18は、体外血液回路を流れる血液とガスを交換するために、体外血液回路に動作可能に結合される。膜ガス交換器18は、酸素供給器又はCO2除去器であってもよい。例えば、ガス側から血液中に酸素が拡散し、廃棄のために血液側からガス中に二酸化炭素CO2が拡散する。図1の装置1は、スタンドアロンのCO2除去、ならびに透析及びCO2除去を同じ回路内で組み合わせて提供できる。
【0073】
図1及び図2に示される装置1には、制御ユニット10によって制御され、脱血ライン6上かつ血液ポンプ11の上流に存在する安全抜き取りクランプ19も設けられている。
【0074】
脱血ライン6、返血ライン7、処理ユニット2の第1チャンバ3、及び膜ガス交換器18の血液側は、装置1の体外血液回路の一部を形成する。廃液ライン12、透析液ライン14、処理ユニット2の液体チャンバ4は、装置1の液体回路の一部を形成する。注入ライン15は、返戻クランプ9と血液ポンプ11との間で血液回路に接続されている。図1及び図2において、注入ライン15は、血液ポンプ11と血液治療ユニット2との間で血液回路に接続されている。また、液体/血液圧力を監視するために、血液回路上及び液体回路上に圧力ポッドが存在してもよい。各圧力ポッドは、ガス・チャンバと、血液回路又は液体回路に接続するための入口及び出口を有する液体/血液チャンバとを画定する中間可撓性膜を有する中空体を備える。
【0075】
図1及び図2に示される装置1は、治療ユニット2の直ぐ上流で脱血ライン6上に配置された治療ユニット圧力ポッド20と、アクセス・デバイス及び患者Pの直ぐ下流で脱血ライン6上に配置されたアクセス圧力ポッド21と、治療ユニット2と排出ポンプ13との間で排出ライン12上に配置された排出圧力ポッド22とを備える。
【0076】
血液ポンプ11、排液ポンプ13、注入ポンプ17及び取りうる他のポンプ(図示せず)は、前記ポンプを制御する制御ユニット10に動作可能に接続される。制御ユニット10はまた、血液回路及び/又は液体回路上の(流量センサのような)センサに、特に圧力ポッド20、21、22及び気泡センサ8aに動作可能に接続される。また、制御ユニット10は、返戻クランプ9のようなクランプ及びバルブに動作可能に接続される。制御ユニット10はまた、図示されていないユーザ・インタフェース、例えばグラフィック・ユーザ・インタフェースに接続されており、これはオペレータの入力を受け取り、装置出力を表示する。例えば、グラフィック・ユーザ・インタフェースは、タッチ・スクリーン、表示スクリーン、及びユーザ入力を入力するためのハード・キー、又はそれらの組合せを含んでもよい。体外血液治療中に、制御ユニット10は、例えば、ユーザ・インタフェースを介して制御ユニット10に提供される処方箋によって要求されるように、予め定められた患者の液体除去が治療時間の経過中に確実に達成するために、少なくともポンプ11、13、17を制御するように構成される。オプションとして、膜ガス交換器18と脱気チャンバ8との間で返血ライン7上に血液加温装置33が配置されてもよい。図1及び図2の装置1は、ECCO2R療法と併用して、又は又はECCO2R療法単独で、持続的腎代替療法(CRRT)を提供するように構成される。
【0077】
制御ユニット10はまた、本発明の方法に従って、患者の治療前に体外血液回路をプライミングするためのタスクの実行を命令するように構成される。
【0078】
血液回路をプライミングするための図1の装置の構成が図2に示される。プライミング液源バッグ23(例えば、生理食塩水バッグ)が血液回路の抜き取りライン6に接続されている。プライミング液廃棄バッグ24が体外血液回路の返戻ライン7に接続されている。さらなるプライミング液源バッグ25が注入ライン15に接続されてもよい。治療ユニット圧力ポッド20のガス・チャンバに空気ポンプ26が接続されてもよい。また、脱気チャンバ8の上部に空気ポンプ26が接続されて、前記脱気チャンバ内のレベル調整を可能にしてもよい。図5は、図1及び図2の装置の取りうる実施形態を示し、体外血液治療ユニット2、膜ガス交換器18、及び体外血液回路の少なくとも一部は、支持フレーム28に取り付けられた使い捨てカートリッジ27の一部である。支持フレーム28は、地面に置かれるように構成された支持土台31を有する垂直材30によって支持されたケーシング29を備える。ケーシング29は、制御ユニット10、血液ポンプ11、返戻クランプ9、抜き取りクランプ19、圧力ポッド20、21に接続される圧力センサ等のような装置1の機械的及び/又は電子的デバイスを支持及び/又は収容する。ケーシング29は、カートリッジ27のためのキャリア(不可視)を含み、さらに、液体バッグを吊るすためのフックのような支持要素32が設けられている。図5は、プライミング液源バッグ23及びプライミング液廃棄バッグ24がケーシング29の下に吊り下げられたプライミング構成の装置1を示す。膜ガス交換器18は血液治療ユニット2に隣接し、血液治療ユニット2と実質的に同じ高さに配置される。プライミング液源バッグ23及びプライミング液廃棄バッグ24は、膜ガス交換器18の下に配置される。
【0079】
体外血液回路をプライミングするために、返戻クランプ9及び抜き取りクランプ19が開かれ、血液ポンプ11が作動されて、プライミング液源バッグ23からプライミング液廃棄バッグ24に向かってプライミング液が流れ、血液治療ユニット2の一次チャンバ3及び膜ガス交換器18の血液側を通って流れる。プライミング中、膜ガス交換器18のガス側を通ってガスが流れない。プライミング液が膜ガス交換器18の血液側を満たすと、オプションとしてプライミング液が脱気チャンバ8に到達すると、プライミング液及び膜ガス交換器18の血液側に一時的な加圧ステップを生成するために、血液ポンプ11が動作したままである間に、返戻クランプ9が閉じられ、再び開かれる。プライミングのための方法又はタスクの実施形態では、プライミング液及び膜ガス交換器18の血液側において複数の一時的な加圧ステップを生成するために、返戻クランプ9が繰り返し閉じて開かれる。1つ以上の加圧ステップの生成は、プライミング中に複数回繰り返されてもよい。これは、膜ガス交換器18の出口での気泡の放出を抑制する。加圧ステップの効果は、膜の疎水性細孔にいくらかの液体を押し込んでガス移動を減少させること、ならびに膜壁に蓄積されたマイクロ気泡を、膜を通して及びそれらが凝集してマクロセル気泡になる前に除去することの結果として生じうる。例えば、プライミング液が脱気チャンバ8に到達した場合に、周期的な時間間隔Tで返戻クランプ9を断続的に閉じることによって第1の一連の加圧ステップを作動させてもよい。1つ以上の加圧ステップ生成するために返戻クランプ9を閉じて開くことによって、プライミング液の流れ方向に関して膜ガス交換器18の下流に配置された血液回路の一部が閉塞される。この方法の変形例では、膜ガス交換器18の下流に配置された血液回路の一部を制限するために、返戻クランプ9が部分的に閉じられてもよい。1つ以上の加圧ステップを生成するための様々な実施形態によれば、プライミング液源バッグ23からのプライミング液が脱気チャンバ8に到達した後、血液ポンプ11が停止され、返戻クランプ9が閉じられ、注入ポンプ17が断続的に作動されて、プライミング液を、さらなるプライミング液源バッグ25から注入ライン15を通って体外血液回路内に送り込み、膜ガス交換器18内に前記1つ以上の加圧ステップを生成する。1つ以上の加圧ステップを生成するためのさらなる様々な実施形態によれば、プライミング液源バッグ23からのプライミング液が脱気チャンバ8に到達した後、血液ポンプが動作したままである間に、治療ユニット圧力ポッド20に接続された空気ポンプ26は、血液ポンプ11が停止され、返戻クランプ9が閉じられている間、治療ユニット圧力ポッド20の空気チャンバ内に圧力パルスを生成するために断続的に作動される。空気チャンバ内の圧力パルスは、中間可撓性膜を押して変形し、この中間可撓性膜は前記圧力パルスを、治療ユニット圧力ポッド20の血液チャンバ内及び血液治療回路内のプライミング液に伝達する。1つ以上の加圧ステップを生成するための様々な実施形態によれば、血液ポンプ11が停止され、返戻クランプ9が閉じられ、脱気チャンバ8に接続された空気ポンプ26が断続的に作動されて、脱気チャンバ8の上部に及び前記脱気チャンバ8の下部のプライミング液に圧力パルスを生成する。オプションとして、プライミングの終了時かつ患者接続の前に、返血ライン7上かつ膜ガス交換器18の下流に配置された返戻クランプ9は閉じらているままである間に、血液ポンプ11は依然として静止しているが、オプションとして、血液ポンプ11、注入ポンプ17、透析液ポンプ13、又は空気ポンプ26は、いくらかの正の圧力レベルを構築するように作動される。図5のように、膜ガス交換器18が血液治療ユニット2に隣接し、血液治療ユニット2と実質的に同じ高さに配置され、プライミング液源バッグ23、プライミング液廃棄バッグ24、及びオプションとして、さらなるプライミング液源バッグ25(図5には図示せず)が膜ガス交換器18の下に配置されても、気泡の形成が抑制される。したがって、膜ガス交換器18及びバッグの自由かつユーザ・フレンドリな配置が可能であり、プライミング中の気泡発生を制御するように設計された固有の構成要素は必要とされない。図3及び図4は、患者治療(図3)及びプライミング・シーケンス(図4)中の体外血液治療1の様々な実施形態を示す。図1及び図2の同じ要素には同じ参照番号が使用されている。図3及び図4の体外血液治療1は、血液治療ユニット2を備えておらず、膜ガス交換器18のみを備えている。膜ガス交換器18は、回路内の唯一のデバイスであり、装置1は、ECCO2R療法(スタンドアロンECCO2R)のみを提供するように構成される。体外血液回路のプライミング及び1つ以上の一時的な加圧ステップの生成は、図1及び図3の装置におけるように、膜ガス交換器18の上流に配置された圧力ポッド20に接続された返戻クランプ9及び/又は空気ポンプ26を通じて実現されてもよい。制御ユニット10は、1つ以上の加圧ステップ、及びオプションとして、各加圧ステップ又は各加圧ステップの時間長Δtを制御するように構成される。1つ以上の加圧ステップは、完全に自動化されてもよく、ユーザの介入を必要としなくてもよい。
【0080】
通常、蠕動ポンプは、プライミング中に血液ライン内のプライミング液を移動させることに留意されたい。明らかに、ぜん動ポンプは、それ自体の性質によって、平均圧力値の周りに振動圧力を発生させる。記載される加圧ステップは、加圧ステップの前に存在する平均圧力に対する血液ライン部分内の平均圧力の増加であることが意図される。図6を参照し、ここで、血液ポンプによって生成された平均圧力値の周りの振動圧力は、平均(average)/平均(mean)圧力を表す2つの平行な(細い)線に沿った圧力不規則性の形成ではほとんど見えない。下の線は、加圧ステップが発生していない場合の平均圧力であり、上の線は、加圧ステップ中の平均圧力値を表す。
【0081】
いくつかの実施形態によれば、時間長Δtは不変である。他の実施形態によれば、時間長Δtは、1つ以上のパラメータの関数である。例として、時間長Δtは、気泡センサ8aを通じて捕捉された測定返戻圧力、及び/又は治療ユニット圧力ポッド20を通じて捕捉された治療ユニット圧力、及び/又は排出圧力ポッド22を通じて捕捉された流出圧力の関数であってもよい。
【0082】
各加圧ステップの時間長ΔTは、2秒と30秒との間、オプションとして5秒と10秒との間であってもよく、1つの加圧ステップと後続のものとの間の各時間間隔Tは、10秒と100秒との間、オプションとして20秒と80秒との間、オプションとして40秒と60秒との間であってもよい。1つ以上の加圧ステップ中の膜ガス交換器18における最高圧Pmaxは、100mmHgと1000mmHgとの間、オプションとして、400mmHgと600mmHgとの間であってもよい。プライミング・シーケンスの終了時かつ患者接続の前に、血液回路内及び膜ガス交換器18の血液側内の圧力は、20mmHgと400mmHgとの間、オプションとして50mmHgと100mmHgとの間に保たれる。膜ガス交換器出口18dでの気泡形成に及ぼす最高圧力Pmax及び加圧ステップの時間長Δtの影響の解析が行われた。
【0083】
使用材料、サンプル、及びパラメータは以下であった。
‐PrisMax体外血液治療モニタ、
‐膜ガス交換器アームを備えたPrismaFlexセット・カートリッジ、
‐膜ガス交換器の3つのサンプルS1、S2及びS3、
‐データ・ロギング付き圧力センサ、
‐プライミング液としての生理食塩水、
‐室温、
‐プライミング廃棄物/収集バッグの不変の流量及び不変の位置。
【0084】
定義
bb:加圧ステップ後に膜ガス交換器出口18dに気泡が戻って見られるまでの時間(秒)、
max:加圧ステップを通じて記録されたmmHg単位の最大圧力又は圧力ピーク、
p:加圧ステップ中の圧力が+300mmHgを超える時間(秒)、
IntP:mmHg×sで表される加圧ステップ中の圧力‐時間信号の積分、
range:Pmaxの圧力レンジ(mmHg)。
【0085】
上述した時間長Δtは、Tp及びIntPに相関している。
【0086】
調査は2つのパートに分けられた。
【0087】
パート1
最高圧力PmaxがTbbに与える影響が調査された。
【0088】
以下の表1、表2及び表3は、すべての加圧ステップ/チャレンジを通じて記録されたTbb、Pmax及びPrangeを報告する。
【0089】
【表1-S1】
【表2-S2】
【表3-S3】
【0090】
コメント
試験された3つのファルコン・ガス交換器のそれぞれについて、ピーク圧力<200mmHgで4つのチャレンジ、200mmHg<ピーク圧力<400mmHgで4つのチャレンジ、400mmHg<ピーク圧力<700mmHgで4つのチャレンジが実行された。平均返戻圧力レベルはプライミング中に約-15mmHgであった(チャレンジ外)。表1、表2及び表3並びに図8は、加圧圧力が増加すると、気泡発生なし時間Tbbが増加することを示している。
【0091】
パート2
IntP及びTpがTbbに与える影響が調査された。
【0092】
以下の表4~表6は、すべての加圧チャレンジを通じて記録されたTbb、Ppeak及びPrangeパラメータについて報告する。
【0093】
チャレンジは、以下のように識別される:X_yで、X及びyは、試験された条件ID(A、B、C又はD)及び試験時系列順序にそれぞれ関連する。
【0094】
A~Dの試験条件は、加圧時間を基準にして参照される(Tpパラメータ参照)。
【0095】
【表4-S1】
【表5-S2】
【表6-S3】
【0096】
コメント
平均圧力レベルは、チャレンジなしの動作モード条件で約-27mmHgであり、これは、パートI試験に対してパートIIからのわずかに低いTbb値を説明できる。
【0097】
表4、表5及び表6並びに図9は、時間が約5秒(又はIntPが約4000mmHg×s)に到達した場合に一種の閾値の影響を伴う、加圧時間に対する気泡発生なし時間Tbbの依存性がほとんどないことを示している。
【0098】
この調査は、加圧ステップ中に到達した圧力レベルが、その後に気泡発生が阻害される時間を制御する主要な物理パラメータであることを実証した。
【0099】
プライミング・シーケンスの例
‐プライミング液源バッグ23(例えば、生理食塩水バッグ)を体外血液回路の抜き取りライン6に接続すること、
‐プライミング液廃棄バッグ24を体外血液回路の返戻ライン7に接続すること、
‐プライミングを開始するために、抜き取りクランプ19及び返戻クランプ9を開き、血液ポンプ11を作動させること、
‐プライミング液が脱気チャンバ8に到達した場合に、プライミング液及び膜ガス交換器(18)の血液側に圧力パルスを生成するために、周期的な時間間隔Tで返戻クランプ9を閉じて開くこと、
‐血液ポンプ(11)を停止し、返戻クランプ(9)を閉じ、返戻クランプ(9)を閉じたままにし、患者接続を待つこと。
【0100】
本発明は現在最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものに関連して説明されてきたが、本発明は開示された実施形態に限定されるべきではなく、反対に、添付の特許請求の範囲内に含まれる種々の変形態及び同等の構成を包含することが意図されることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9