(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】複合アルミニウム合金形材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 70/68 20060101AFI20230324BHJP
E06B 1/32 20060101ALI20230324BHJP
B29C 63/48 20060101ALI20230324BHJP
B29C 70/52 20060101ALI20230324BHJP
B32B 15/08 20060101ALI20230324BHJP
B32B 7/12 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
B29C70/68
E06B1/32
B29C63/48
B29C70/52
B32B15/08 105Z
B32B7/12
(21)【出願番号】P 2022519847
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(86)【国際出願番号】 CN2020091390
(87)【国際公開番号】W WO2020259142
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-12-08
(31)【優先権主張番号】201910577807.4
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521537542
【氏名又は名称】広東▲キン▼銘格節能科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【氏名又は名称】田中 真理
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ、ジェンチン
【審査官】清水 研吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-172116(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104100173(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107313685(CN,A)
【文献】米国特許第09441412(US,B1)
【文献】国際公開第2011/154300(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合アルミニウム合金形材であって、外部の外部装飾形材、ポリウレタンエラストマー構造用接着剤及び内部の内枠形材を含み、前記外部装飾形材はポリウレタンエラストマーを介して内枠形材の外部に接続され、
前記内枠形材は連続ガラス繊維樹脂補強形材であって、アルカリフリーガラス繊維及びポリウレタン樹脂で構成され
る一体型部材であり、横断面が上下かつ左右対称に設置され、内部が中空であり、前記中空部分の横断面が「日」字状であり、上下2つの密閉空洞及び中間の補強断熱リブを含み、前記内枠形材の上下端外壁の左右両側に嵌着溝及び嵌接バンプが対称的に設置され、前記内枠形材の左右2つの外壁にT字型取付ストリップが対称的に設置され、前記内枠形材の上下2つの外壁の中心に係着窪みが設置され、
前記外部装飾形材はアルミニウム合金の装飾パネルであり、前記外部装飾形材の内側面には2つの嵌着接続部が左右対称に設置され、中心には、係着窪みの位置及び形状に適合する係着突起及び複数の嵌接突起が設置され、前記外部装飾形材の左右両側縁部には短い折曲縁が内側に向かって設置され、前記嵌着接続部の先端部に嵌着ブロックが設置され、前記嵌着ブロックは前記嵌着溝の形状に合わせて設置され、嵌着ブロックは嵌着溝内に嵌着し、
前記内枠形材の両面に前記外部装飾形材が組み立てられ、前記外部装飾形材と前記内枠形材との間に接着隙間が設けられ、前記接着隙間内にポリウレタンエラストマー構造用接着剤が設けられ、
前記内枠形材は70~85%重量部のアルカリフリーガラス繊維及び15~30%重量部のポリウレタン樹脂からなり、
前記ポリウレタンエラストマー構造用接着剤はポリエーテルポリオール混合物と、ジフェニルメタンジイソシアネートに基づく混合物とを混合したものであ
り、
前記ポリウレタン樹脂は成分A及び成分Bからなり、前記成分Aは、質量比が100:4~8である基材A及び添加剤Aからなり、前記基材Aは純度100%のポリメチレンポリフェニレンイソシアネート70~80部、純度38~50%のジフェニルメタン10~20部、及び4,4-ジイソシアネート5~10部で調製され、前記添加剤AはL-乳酸エチルであり、
成分Bは、40~60重量部のポリエーテルポリオール、28~40重量部のポリプロピレングリコール及び添加剤Bからなり、添加剤Bは充填剤、難燃剤、顔料ペースト、希釈剤又は紫外線吸収剤のうちの1つ又は複数の組み合わせであり、
前記成分A:成分Bの重量比は100:110~120である、
ことを特徴とする複合アルミニウム合金形材。
【請求項2】
前記係着突起の先端部は係着窪みに嵌着し且
つ接触され、嵌着ブロックの先端部は嵌着溝
に接触され、嵌接溝と嵌接バンプとは互いに嵌入するよう
に接触され、前記外部装飾形材内側面と嵌接バンプとの間に接着隙間が形成され、前記接着隙間内にポリウレタンエラストマー構造用接着剤
が設け
られる、ことを特徴とする請求項1に記載の複合アルミニウム合金形材。
【請求項3】
前記添加剤Bは1~3重量部のグリセリン、2~4重量部の難燃剤、3~5重量部の紫外線吸収剤、2~5重量部の顔料ペースト及び充填剤からなる、ことを特徴とする請求項
1に記載の複合アルミニウム合金形材。
【請求項4】
前記難燃剤は水酸化アルミニウムであり、紫外線吸収剤は2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンであり、充填剤はカオリン又はタルカムパウダーである、ことを特徴とする請求項
3に記載の複合アルミニウム合金形材。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の複合アルミニウム合金形材の製造方法であって、
押出工程を通じて、外部装飾形材及び内枠形材をそれぞれ製作し且つ成型するステップ1であって、前記内枠形材が、
まず、連続ガラス繊維をストリップ通し接着剤注入複合機の金型に通し、
次に、成分Aの各原料及び成分Bの各原料をそれぞれ均一に混合し、成分A及び成分Bをそれぞれストリップ通し接着剤注入複合機の接着剤注入タンクA及び接着剤注入タンクB内に加え、
最後に、ストリップ通し接着剤注入複合機を介して比率に応じて成分A及び成分Bを金型に注入し、ガラス繊維樹脂補強形材を製造するという方法で製作されるステップ1と、
内枠形材を空気圧クランプ機の材料タンク内に入れ、外部装飾形材を水平に配置し、左右2つの嵌着接続部の間に適量のポリウレタン接着剤を均一に注入するステップ2と、
空気圧クランプ機の材料タンク最下層の内枠形材が落下し、ステップ2で接着剤が注入された後の外部装飾形材と組み合わせ、内枠形材底部を2つの嵌着接続部の間に挿入するステップ3と、
内枠形材を下へ移動して、係着窪みに緊密に係着されるように係着突起の先端部を嵌着し、嵌接突起が内枠形材底面に緊密に接触するようにし、外部装飾形材内側と内枠形材下外壁との間に接着隙間が形成されると共に、前記外部装飾形材の2つの嵌着接続部の内側面と嵌接バンプとの間に接着隙間が形成され、嵌接バンプをポリウレタン接着剤に接触させるように、ポリウレタンエラストマー構造用接着剤を接着隙間内に充填するステップ4と、
嵌着ブロックの頂点を嵌着溝に緊密に接触させ、係着突起の先端部を係着窪みに嵌着し且つ緊密に係着させ、ポリウレタン接着剤が均一に2つの接着隙間を満たすように、断熱アルミニウム合金複合材料形材複合機における上下2つのプレスロールを用いて内側に向かって内枠形材及び外部装飾形材を圧延するステップ5と、
ステップ2~5を繰り返して操作し、内枠形材の他面に外部装飾形材を取り付け、内枠形材の上下側両方にも外部装飾形材を取り付け、当該複合材料製のドアと窓形材アセンブリの組み立てを完成するステップ6と、を含むことを特徴とす
る複合アルミニウム合金形材の製造方法。
【請求項6】
前記内枠形材の製作工程では、作業場温度18~35℃が求められ、接着剤注入タンクの温度を20~30℃に設定し、環境相対湿度を80%以下とする、ことを特徴とする請求項
5に記載の複合アルミニウム合金形材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複合アルミニウム合金形材及びその製造方法に関し、建物のドア・窓・カーテンウォール用の形材の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活水準の向上に伴い、中国では建築に関する環境保護及び省エネルギーの面での要求も高まりつつあり、エコロジー建築技術や新しい材料は普及し且つ幅広く適用され、エコロジー建築は建物のドアと窓に対して、大きな採光面積を求めると共に、より低い熱伝達係数及びより高い気密性を求め、したがって、断熱アルミニウム合金複合材料のドアと窓はニーズに応じて生まれ、ひいては普及し且つ幅広く適用されるようになった。断熱アルミニウム合金複合材料は、アルミニウム合金を中間から断ち切って、プラスチックを橋として、切断されたアルミニウム合金を一体に接合するものであり、周知のように、プラスチック材料は金属と比べて熱伝達が明らかに遅いため、熱が材料全体を通じて伝達されにくく、したがって、ドアと窓のフレームは断熱性能が向上する。断熱アルミニウム合金複合材料形材は、プラスチックの形材を利用して、室内外の二層のアルミニウム合金形材を分離したが1つの全体として緊密に接合し、新しい断熱型のアルミニウム合金形材を構成した。
【0003】
従来の断熱アルミニウム合金複合材料形材は、アルミニウム合金形材の間に2つのナイロン66断熱ストリップ形材を通し、2つの断熱ストリップ形材を介してアルミニウム合金形材を内外2つの部分に分けることで、アルミニウム合金の一部の熱伝達を遮断する。しかしながら、こういう従来型の断熱アルミニウム合金複合材料形材の構造はアルミニウム合金の金属体内における熱伝達の一部しか遮断できないうえ、防火性能を備えないのに対して、ガラス繊維樹脂を用いる形材は良好な断熱性能及び難燃性能を備えるが、こういう従来型の断熱アルミニウム合金複合材料形材は製造時に、アルミニウム合金形材及び断熱ストリップ形材を緊密かつ機械的に係着接合するものであり、このような方式で組み立てられた断熱アルミニウム合金複合材料のドアと窓は使用中に、温度変化による物質の膨張や収縮により、アルミニウム合金形材と断熱ストリップ形材との接合箇所に隙間が形成され、機械的接合強度を低下させ、水の滲みや空気が漏れる現象も発生しやすいため、防水性能が悪く、気密性が悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来技術の不足を克服し、複合アルミニウム合金形材及び製造方法を提供する。本形材は機械的接合強度が高く、製造及び組み立て操作が容易で素早く、より低い熱伝達係数、より高い気密性及び確実な難燃性能を備え、製造しやすく、製造コストが低い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の技術的解決手段によって実現される。
複合アルミニウム合金形材であって、外部の外部装飾形材、ポリウレタンエラストマー構造用接着剤及び内部の内枠形材を含み、前記外部装飾形材はポリウレタンエラストマーを介して内枠形材の外部に接続され、
前記内枠形材は連続ガラス繊維樹脂補強形材であって、アルカリフリーガラス繊維及びポリウレタン樹脂で構成される一体型部材であり、横断面が上下かつ左右対称に設置され、内部が中空であり、前記中空部分の横断面が「日」字状であり、上下2つの密閉空洞及び中間の補強断熱リブを含み、前記内枠形材の上下端外壁の左右両側に嵌着溝及び嵌接バンプが対称的に設置され、前記内枠形材の左右2つの外壁にT字型取付ストリップが対称的に設置され、前記内枠形材の上下2つの外壁の中心に係着窪みが設置され、
前記外部装飾形材はアルミニウム合金の装飾パネルであり、前記外部装飾形材の内側面には2つの嵌着接続部が左右対称に設置され、中心には係着窪みの位置及び形状に適合する係着突起及び複数の嵌接突起が設置され、前記外部装飾形材の左右両側縁部には短い折曲縁が内側に向かって設置され、前記嵌着接続部の先端部に嵌着ブロックが設置され、前記嵌着ブロックは前記嵌着溝の形状に合わせて設置され、嵌着ブロックは嵌着溝内に嵌着し、
前記内枠形材の両面に前記外部装飾形材が組み立てられ、前記外部装飾形材と前記内枠形材との間に接着隙間が設けられ、前記接着隙間内にポリウレタンエラストマー構造用接着剤が設けられ、
前記内枠形材は70~85%重量部のアルカリフリーガラス繊維及び15~30%重量部のポリウレタン樹脂からなり、
前記ポリウレタンエラストマー構造用接着剤はポリエーテルポリオール混合物と、ジフェニルメタンジイソシアネートに基づく混合物とを混合したものである。
【0006】
前記外部装飾形材は外面にねじを介して天然木又は人工装飾表層材料を接合することもでき、前記外部装飾形材の外壁に穴を空け、ねじの一端を表層材料に係着させ、他端を回転させて外部装飾形材及び内枠形材内に挿入し、それによって表層材料を外部装飾形材の外面に取り付ける。取り付けが容易で、接合強度が高く、異なるニーズを満たすことができる。
【0007】
前記内枠形材の両面に外部装飾形材を組み立てる工程は、
前記係着突起の先端部は係着窪みに嵌着し且つ緊密に接触しており、嵌着ブロックの先端部は嵌着溝に緊密に接触しており、嵌接溝と嵌接バンプとは互いに嵌入するように緊密に接触しており、前記外部装飾形材内側面と嵌接バンプとの間に接着隙間が形成され、前記接着隙間内にポリウレタンエラストマー構造用接着剤を設ける、という方法によって実現される。
【0008】
前記ポリウレタン樹脂は成分A及び成分Bからなり、前記成分Aは、質量比が100:4~8である基材A及び添加剤Aからなり、前記基材Aは純度100%のポリメチレンポリフェニレンイソシアネート70~80部、純度38~50%のジフェニルメタン10~20部、及び4,4-ジイソシアネート5~10部で調製され、前記添加剤AはL-乳酸エチルである。
成分Bは、40~60重量部のポリエーテルポリオール、28~40重量部のポリプロピレングリコール及び添加剤Bからなり、添加剤Bは充填剤、難燃剤、顔料ペースト、希釈剤又は紫外線吸収剤のうちの1つ又は複数の組み合わせである。
【0009】
前記成分A:成分Bの重量比は100:110~120である。
【0010】
前記添加剤Bは1~3重量部のグリセリン、2~4重量部の難燃剤、3~5重量部の紫外線吸収剤、2~5重量部の顔料ペースト及び充填剤からなる。
【0011】
前記難燃剤は水酸化アルミニウムであり、紫外線吸収剤は2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンであり、充填剤はカオリン又はタルカムパウダーである。
【0012】
前記複合アルミニウム合金形材の製造方法は、
押出工程を通じて、外部装飾形材及び内枠形材をそれぞれ製作し且つ成型するステップ1であって、前記内枠形材が
まず、連続ガラス繊維をストリップ通し接着剤注入複合機の金型に通し、
次に、成分Aの各原料及び成分Bの各原料をそれぞれ均一に混合し、成分A及び成分Bをそれぞれストリップ通し接着剤注入複合機の接着剤注入タンクA及び接着剤注入タンクB内に加え、
最後に、ストリップ通し接着剤注入複合機を介して比率に応じて成分A及び成分Bを金型に注入し、ガラス繊維樹脂補強形材を製造するという方法で製作されるステップ1と、
内枠形材を空気圧クランプ機の材料タンク内に入れ、外部装飾形材を水平に配置し、左右2つの嵌着接続部の間の接着隙間に適量のポリウレタン接着剤を均一に注入するステップ2と、
空気圧クランプ機の材料タンク最下層の内枠形材が落下し、ステップ2で接着剤が注入された後の外部装飾形材と組み合わせ、内枠形材底部を2つの嵌着接続部の間に挿入するステップ3と、
内枠形材を下へ移動して、嵌接突起が内枠形材底面に緊密に接触するようにし、外部装飾形材内側と内枠形材下外壁との間に接着隙間が形成されると共に、前記外部装飾形材の2つの嵌着接続部の内側面と嵌接バンプとの間に接着隙間が形成され、嵌接バンプをポリウレタン接着剤に接触させるように、ポリウレタンエラストマー構造用接着剤を接着隙間内に充填するステップ4と、
嵌着ブロックの頂点を嵌着溝に緊密に接触させ、係着突起の先端部を係着窪みに嵌着し且つ緊密に係着させ、ポリウレタン接着剤が均一に2つの接着隙間を満たすように、断熱アルミニウム合金複合材料形材複合機における上下2つのプレスロールを用いて内側に向かって内枠形材及び外部装飾形材を圧延するステップ5と、
ステップ2~5を繰り返して操作し、内枠形材の他面に外部装飾形材を取り付け、内枠形材の上下面両方にも外部装飾形材を取り付け、当該複合材料製のドアと窓形材アセンブリの組み立てを完成するステップ6と、を含む。
【0013】
前記内枠形材の製作工程では、作業場温度は18~35℃が求められ、接着剤注入タンクの温度を20~30℃に設定し、環境相対湿度を80%以下とする。
【発明の効果】
【0014】
従来技術と比べて、本発明は以下のような有益な効果を奏する。
本発明のアルミニウム合金形材は構造がシンプルで、複合組立の方法がシンプルで効果的であり、高い機械的接合強度を確保する前提で、製造操作が容易かつ迅速であり、煩雑な組み立て工程を必要とせず、乾燥凝固しやすいポリウレタン接着剤の組み立てに適し、組み立て効率が高く、必要とされる作業員が少なく、製造コストを大幅に削減する。
連続ガラス繊維樹脂補強形材の横断面が「日」字状を呈するので、密閉空洞が2つ形成され、熱伝達を効果的に遮断し且つ音を良好に遮断することができ、低い熱伝達係数及び高い気密性を備え、アルミニウム合金形材における熱の伝達と対流を効果的に遮断でき、アルミニウム合金形材の熱伝達性能を低下させ、アルミニウム合金形材の保温断熱性、遮音性及び防火難燃機能を向上させる。本発明は製造しやすく、製造コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】本発明の複合アルミニウム合金形材の製作工程の組み立てフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施例及び図面に合わせて本発明をさらに説明する。
【0017】
複合アルミニウム合金形材は、外部の外部装飾形材2、ポリウレタンエラストマー構造用接着剤及び内部の内枠形材1を含み、前記外部装飾形材2はポリウレタンエラストマーを介して内枠形材1の外部に接続され、
前記内枠形材1は連続ガラス繊維樹脂補強形材であって、アルカリフリーガラス繊維及びポリウレタン樹脂で構成される一体型部材であり、横断面が上下かつ左右対称に配置され、内部が中空であり、前記中空部分の横断面が「日」字状であり、上下2つの密閉空洞11及び中間の補強断熱リブ12を含み、前記内枠形材1の上下端外壁の左右両側に嵌着溝13及び嵌接バンプ14が対称的に設置され、前記内枠形材1の左右2つの外壁にT字型取付ストリップ15が対称的に設置され、前記内枠形材1の上下2つの外壁の中心に係着窪み18が設置され、
前記外部装飾形材2はアルミニウム合金の装飾パネルであり、前記外部装飾形材2の内側面には2つの嵌着接続部21が左右対称に設置され、中心には、係着窪み18の位置及び形状に適合する係着突起29が設置され、前記外部装飾形材の左右両側縁部には短い折曲縁23が内側に向かって設置され、前記外部装飾形材2は、内側面に複数の嵌接突起28がさらに設置され、先端部に嵌着ブロック24が設置され、前記嵌着ブロック24は前記嵌着溝13の形状に合わせて設置され、嵌着ブロック24は嵌着溝13内に嵌着し、前記嵌着ブロックは矩形又は三角形である。
【0018】
前記内枠形材1の両面に前記外部装飾形材2が組み立てられ、前記外部装飾形材と前記内枠形材との間に接着隙間30が設けられ、前記内枠形材の両面に外部装飾形材を組み立てる工程は、
前記係着突起29の先端部は係着窪み18に嵌着して緊密に接触しており、嵌着ブロック24の先端部は嵌着溝13に緊密に接触しており、嵌接突起28は内枠形材底面に緊密に接触しており、外部装飾形材の内側と内枠形材上下2つの外壁との間に接着隙間30が形成され、前記外部装飾形材2の2つの嵌着接続部21の内側面と嵌接バンプ14との間に接着隙間30が形成され、前記接着隙間30内にポリウレタンエラストマー構造用接着剤を設ける、という方法によって実現される。
【0019】
前記外部装飾形材はねじ6を介して天然木又は人工装飾表層材料5を外表面に接合することもでき、前記外部装飾形材の外壁に穴を空け、ねじ一端を表層材料に係着させ、他端を回転させて外部装飾形材及び内枠形材内に挿入し、それによって表層材料を外部装飾形材の外面に取り付ける。取り付けが容易で、接合強度が高く、異なるニーズを満たすことができる。
【0020】
前記形材構造では、アルミニウム合金製パネルと連続ガラス繊維樹脂補強形材との膨張係数の差異を克服するために、前記接着隙間内にポリウレタンエラストマー構造用接着剤が設けられ、それにより形材の気密性及び水密性を向上させ、異なる材料を複合した後に形材の機械的特性及び材料間の異なる膨張係数という難問を解決する。
【0021】
組み立て方法は以下のとおりである。
【0022】
図9に示すように、構造実施例2に記載の複合形材の製造方法は、以下のステップ1~ステップ6を含む。
【0023】
ステップ1において、押出工程を通じて、外部装飾形材及び内枠形材をそれぞれ製作し且つ成型する。
【0024】
前記外部装飾形材の製作成型はストリップ通し接着剤注入複合装置17を介して行われ、当該装置はアルミニウム形材の歯形成、両溝への接着剤注入、連続ガラス繊維樹脂補強形材及びアルミニウム形材を圧延して溝にくっ付けるなどの加工工程を実現することができ、構造接着剤を20分間初期凝結させた後に断熱アルミニウム合金複合材料形材複合機に移して複合工程を行う。
【0025】
前記内枠形材の製造方法は以下のとおりである。
連続ガラス繊維をストリップ通し接着剤注入複合機の金型に通し、
成分Aの各原料及び成分Bの各原料をそれぞれ均一に混合し、成分A及び成分Bをそれぞれ接着剤注入装置の接着剤注入タンクA及び接着剤注入タンクB内に加え、
接着剤注入装置を介して比率に応じて成分A及び成分Bを金型に注入し、ガラス繊維樹脂補強形材を製造し、前記成分A:成分Bの重量比は100:110~120である。
【0026】
用接着剤注入装置を用いて、混合されたポリウレタン樹脂を金型のキャビティ内に真空射出し且つ浸潤させ、一定の温度で一定の時間が経て硬化して成型した後に連続ガラス繊維樹脂補強形材が形成され、連続ガラス繊維樹脂補強形材は、引抜成形製造ラインに設置される2つの牽引ヘッドによって交互かつ持続的に引っ張られ、設定された長さに達すると、切断鋸を介してガラス繊維樹脂補強形材を切断すれば、次の工程の操作を行うことができる。
【0027】
前記内枠形材の製作工程では、作業場温度18~35℃が求められ、接着剤注入タンクの温度を20~30℃に設定し、環境相対湿度を80%以下とする。
【0028】
ステップ2において、内枠形材1を空気圧クランプ機の材料タンク19内に入れ、外部装飾形材2を水平に配置し、左右2つの嵌着接続部21の間に適量のポリウレタン接着剤を均一に注入する。
【0029】
ステップ3において、空気圧クランプ機材料タンク19の最下層の内枠形材1が落下し、ステップ2で接着剤が注入された後の外部装飾形材と組み合わせ、内枠形材底部を2つの嵌着接続部21の間に挿入する。
【0030】
ステップ4において、内枠形材1を下へ移動して、係着突起29の先端部が係着窪み18に係着するように嵌着し、嵌接突起28が内枠形材底面に緊密に接触するようにし、外部装飾形材内側と内枠形材下外壁との間に接着隙間が形成されると共に、前記外部装飾形材2の2つの嵌着接続部21の内側面と嵌接バンプ14との間に接着隙間30が形成され、嵌接バンプ14をポリウレタン接着剤に接触させるように、ポリウレタンエラストマー構造用接着剤を接着隙間内に充填する。
ステップ5において、嵌着ブロック24の頂点が嵌着溝13に緊密に接触し、係着突起29の先端部が係着窪み18に嵌着し且つ係着し、ポリウレタン接着剤が均一に2つの接着隙間を満たすように、断熱アルミニウム合金複合材料形材複合機における上下2つのプレスロール77を用いて内側に向かって内枠形材及び外部装飾形材を圧延する。
【0031】
ステップ6において、ステップ2~5を繰り返して操作し、内枠形材の他面に外部装飾形材を取り付け、内枠形材の上下側両方にも外部装飾形材を取り付け、当該複合材料製のドアと窓形材アセンブリの組み立てを完成する
【0032】
前記内枠形材は70~85%重量部のアルカリフリーガラス繊維及び15~30%重量部のポリウレタン樹脂からなり、
前記ポリウレタン樹脂はポリウレタン樹脂、不飽和プラスチック、フェノールホルムアルデヒドプラスチック、エポキシプラスチック、ポリプロピレンプラスチックのうちの1つである。
【0033】
前記ポリウレタンエラストマー構造用接着剤は、
ヒドロキシル価が30mgKOH/g以上、官能価が3~5、25℃以下の動的粘性係数が1000~3000mpaのポリエーテルポリオール混合物(-OH成分)である成分Aと、
ジフェニルメタンジイソシアネートに基づく混合物(-NCO成分)である成分Bと、を混合したものである。
前記ポリウレタンエラストマー構造用接着剤は、
製造時に、専用装置を用いて、100:88±3の比率に応じて、3500~4000回転/分の撹拌速度で成分Aと成分Bを混合するという方法で調製される。ポリウレタンエラストマー構造用接着剤は、2つの材料貯蔵タンク(材料貯蔵タンクは撹拌装置を備える)、混合比率を自動的に調整する接着剤混合装置、及び2つの撹拌ヘッドを有するストリップ通し接着剤注入複合機で実現する必要がある。
【0034】
前記ポリウレタン樹脂は成分A及び成分Bからなり、
前記成分Aは、質量比が100:4~8である基材A及び添加剤Aからなり、前記基材Aは純度100%のポリメチレンポリフェニレンイソシアネート70~80部、純度38~50%のジフェニルメタン10~20部、及び4,4-ジイソシアネート5~10部で調製され、前記添加剤AはL-乳酸エチルである。
成分Bは、40~60重量部のポリエーテルポリオール、28~40重量部のポリプロピレングリコール及び添加剤Bからなり、添加剤Bは充填剤、難燃剤、顔料ペースト、希釈剤又は紫外線吸収剤のうちの1つ又は複数の組み合わせである。
【0035】
前記添加剤Bは1~3重量部のグリセリン、2~4重量部の難燃剤、3~5重量部の紫外線吸収剤、2~5重量部の顔料ペースト及び充填剤からなる。
【0036】
前記難燃剤は水酸化アルミニウムであり、紫外線吸収剤は2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンであり、充填剤はカオリン又はタルカムパウダーである。
【0037】
(実施例1)
複合アルミニウム合金形材であって、外部の外部装飾形材2、ポリウレタンエラストマー構造用接着剤及び内部の内枠形材1を含み、前記内枠形材は70%重量部のアルカリフリーガラス繊維及び30%重量部のポリウレタン樹脂からなり、
前記ポリウレタン樹脂は成分A及び成分Bからなり、前記成分A:成分Bの重量比は100:110である。
【0038】
前記成分Aは、質量比が100:4である基材Aと添加剤Aからなり、前記基材Aは純度100%のポリメチレンポリフェニレンイソシアネート70部、純度38~50%のジフェニルメタン20部及び4,4-ジイソシアネート10部で調製され、前記添加剤AはL-乳酸エチルである。
成分Bは、40重量部のポリエーテルポリオール、40重量部のポリプロピレングリコール、3重量部のグリセリン、4重量部の難燃剤、5重量部の紫外線吸収剤、5重量部の顔料ペースト及び3重量部のカオリン充填剤からなる。
【0039】
前記難燃剤は水酸化アルミニウムであり、紫外線吸収剤は2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンである。
【0040】
前記ポリウレタンエラストマー構造用接着剤は甲:乙=100:88という質量比の成分甲と成分乙を混合したものであり、前記成分甲はポリエーテルポリオール混合物(-OH成分)であり、成分乙はジフェニルメタンジイソシアネートに基づく混合物(-NCO成分)である。
【0041】
(実施例2)
複合アルミニウム合金形材であって、外部の外部装飾形材2、ポリウレタンエラストマー構造用接着剤及び内部の内枠形材1を含み、前記内枠形材は85%重量部のアルカリフリーガラス繊維及び15%重量部のポリウレタン樹脂からなり、
前記ポリウレタン樹脂は成分A及び成分Bからなり、前記成分A:成分Bの重量比は100:120である。
【0042】
前記成分Aは、質量比が100:8である基材A及び添加剤Aからなり、前記基材Aは純度100%のポリメチレンポリフェニレンイソシアネート80部、純度38~50%のジフェニルメタン15部及び4,4-ジイソシアネート5部で調製され、前記添加剤AはL-乳酸エチルである。
成分Bは、60重量部のポリエーテルポリオール、28重量部のポリプロピレングリコール、1重量部のグリセリン、2重量部の難燃剤、3重量部の紫外線吸収剤、2重量部の顔料ペースト及び4重量部の充填剤からなる。
【0043】
前記難燃剤は水酸化アルミニウムであり、紫外線吸収剤は2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンであり、充填剤はタルカムパウダーである。
【0044】
前記ポリウレタンエラストマー構造用接着剤は甲:乙=100:85という質量比の成分甲と成分乙を混合したものであり、前記成分甲はポリエーテルポリオール混合物(-OH成分)であり、成分乙はジフェニルメタンジイソシアネートに基づく混合物(-NCO成分)である。
【0045】
(実施例3)
複合アルミニウム合金形材であって、外部の外部装飾形材2、ポリウレタンエラストマー構造用接着剤及び内部の内枠形材1を含み、前記内枠形材は75%重量部のアルカリフリーガラス繊維及び25%重量部のポリウレタン樹脂からなり、
前記ポリウレタン樹脂は成分A及び成分Bを含み、前記成分A:成分Bの重量比は100:112である。
【0046】
前記成分Aは、質量比が100:6である基材A及び添加剤Aからなり、前記基材Aは純度100%のポリメチレンポリフェニレンイソシアネート75部、純度38~50%のジフェニルメタン17部及び4,4-ジイソシアネート8部で調製され、前記添加剤AはL-乳酸エチルである。
成分Bは、45重量部のポリエーテルポリオール、38重量部のポリプロピレングリコール、2重量部のグリセリン、3重量部の難燃剤、4重量部の紫外線吸収剤、4重量部の顔料ペースト及び4重量部の充填剤からなる。
【0047】
前記難燃剤は水酸化アルミニウムであり、紫外線吸収剤は2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンであり、充填剤はカオリンである。
【0048】
前記ポリウレタンエラストマー構造用接着剤は甲:乙=100:91という質量比の成分甲と成分乙を混合したものであり、前記成分甲はポリエーテルポリオール混合物(-OH成分)であり、成分乙はジフェニルメタンジイソシアネートに基づく混合物(-NCO成分)である。
【0049】
(実施例4)
複合アルミニウム合金形材であって、外部の外部装飾形材2、ポリウレタンエラストマー構造用接着剤及び内部の内枠形材1を含み、前記内枠形材は80%重量部のアルカリフリーガラス繊維及び20%重量部のポリウレタン樹脂からなり、
前記ポリウレタン樹脂は成分A及び成分Bを含み、前記成分A:成分Bの重量比は100:115である。
【0050】
前記成分Aは、質量比が100:5である基材A及び添加剤Aからなり、前記基材Aは純度100%のポリメチレンポリフェニレンイソシアネート77部、純度38~50%のジフェニルメタン17部及び4,4-ジイソシアネート6部で調製され、前記添加剤AはL-乳酸エチルである。
成分Bは、50重量部のポリエーテルポリオール、40重量部のポリプロピレングリコール、1重量部のグリセリン、4重量部の難燃剤、5重量部の紫外線吸収剤からなる。
【0051】
前記難燃剤は水酸化アルミニウムであり、紫外線吸収剤は2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンである。
【0052】
前記ポリウレタンエラストマー構造用接着剤は甲:乙=100:89という質量比の成分甲と成分乙を混合したものであり、前記成分甲はポリエーテルポリオール混合物(-OH成分)であり、成分乙はジフェニルメタンジイソシアネートに基づく混合物(-NCO成分)である。
【0053】
(実施例5)
複合アルミニウム合金形材であって、外部の外部装飾形材2、ポリウレタンエラストマー構造用接着剤及び内部の内枠形材1からなり、前記内枠形材は75%重量部のアルカリフリーガラス繊維及び25%重量部のポリウレタン樹脂からなり、
前記ポリウレタン樹脂は成分A及び成分Bからなり、前記成分A:成分Bの重量比は100:118である。
【0054】
前記成分Aは、質量比が100:8である基材A及び添加剤Aからなり、前記基材Aは純度100%のポリメチレンポリフェニレンイソシアネート80部、純度38~50%のジフェニルメタン12部及び4,4-ジイソシアネート8部で調製され、前記添加剤AはL-乳酸エチルである。
成分Bは、55重量部のポリエーテルポリオール、35重量部のポリプロピレングリコール、3重量部のグリセリン、4重量部の紫外線吸収剤、2重量部の2充填剤からなる。
【0055】
前記紫外線吸収剤は2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンであり、充填剤はタルカムパウダーである。
【0056】
前記ポリウレタンエラストマー構造用接着剤は甲:乙=100:87という質量比の成分甲と成分乙を混合したものであり、前記成分甲はポリエーテルポリオール混合物(-OH成分)であり、成分乙はジフェニルメタンジイソシアネートに基づく混合物(-NCO成分)である。
【0057】
以上は本発明の基本原理、主な特徴及び本発明の利点を具体的且つ詳しく開示して説明したが、本発明の特許請求の範囲を制限するものと見なすべきではない。なお、当業者であれば、本発明の思想から逸脱することなく、いくつかの変形や改善を行うことができ、これら全ては本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0058】
1 内枠形材
2 外部装飾形材
5 表層材料
6 ねじ
11 密閉空洞
12 補強断熱リブ
13 嵌着溝
14 嵌接バンプ
15 T字型取付ストリップ
17 ストリップ通し接着剤注入複合装置
18 係着窪み
19 空気圧クランプ機材料タンク
21 嵌着接続部
24 嵌着ブロック
28 嵌接突起
29 係着突起
30 接着隙間
77 断熱アルミニウム合金複合材料形材複合機のプレスロール