(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】無機質模様を呈する熱・衝撃に優れた家具用複合ガラス材
(51)【国際特許分類】
A47B 96/18 20060101AFI20230327BHJP
A47B 96/20 20060101ALI20230327BHJP
A47B 13/12 20060101ALI20230327BHJP
B32B 17/10 20060101ALI20230327BHJP
B32B 21/08 20060101ALI20230327BHJP
B32B 7/12 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
A47B96/18 D
A47B96/20 C
A47B96/18 H
A47B13/12
B32B17/10
B32B21/08 101
B32B7/12
(21)【出願番号】P 2021215567
(22)【出願日】2021-12-24
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2019-02-05
【審査請求日】2022-01-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】307006491
【氏名又は名称】株式会社 松田家具
(72)【発明者】
【氏名】松田 哲博
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 剛士
(72)【発明者】
【氏名】松尾 明日香
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-152763(JP,A)
【文献】実開平05-031937(JP,U)
【文献】特開2003-170533(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2011-0007962(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 96/18-96/20
A47B 13/08
A47B 13/12
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に無機質模様を描写・印刷した、ポリエステル樹脂フイルムの裏面をポリ塩化ビニル樹脂フイルムで補強した複合装飾シートを平面強化ガラス材の裏面に貼り合わせた無機質模様の装飾性ガラス体を形成して、前記装飾性ガラス体の裏面であるポリ塩化ビニル樹脂フイルム面に基盤木製板を均一にウレタン系接着剤によって貼り合わせた装飾性ガラス複合材で、上面から平面強化ガラス層と粘着層とポリエステル樹脂フイルム層とポリ塩化ビニル樹脂フイルム層と基盤木製板層との順に構成されていることを特徴とする無機質模様を呈する熱・衝撃に優れた家具用複合ガラス材。
【請求項2】
厚さ3~6mmの前記
平面強化ガラス材を、無機質模様を描写・印刷した厚さ50~200μmの前記無機質模様付きポリエステル樹脂フイルム
と、厚さ50~300μmの前記ポリ塩化ビニル樹脂フイルムと
からなる厚さ0.1~0.5mmの前記複合
装飾シート
に貼り合わせた、装飾性ガラス体
における前記ポリ塩化ビニル樹脂フイルムの面に、厚さ10~50mmの基盤木製板を
ウレタン系接着剤によって接着させている厚さ13~56mmの装飾性ガラス複合材
で
あって、前記装飾性ガラス複合材の表面ガラスの屈折効果による平面強化ガラス層の下部面の無機質模様を浮き立たせた特殊様相を呈するとともに、耐熱性と耐衝撃性を高めたテーブルの天板、又は食器棚のカウンターテーブル、又は家具の前板に使用されることを特徴とする請求項1に記載の無機質模様を呈する熱・衝撃に優れた家具用複合ガラス材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カウンター、テーブル、等の載置台の天板、或いは家具の装飾前板に使用される装飾性と機能性を持つ家具に使用できる無機質模様を呈する熱・衝撃に優れたガラス材料である家具用複合ガラス材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装飾テーブルの天板として、ガラス、大理石や御影石等の天然石材などの無機材を使用されることがある。その重厚感や高級感からテーブル、カウンター等の載置台の天板として、広く使用されている。また、ガラス、天然の石材を薄く切断したものは、光を透過させることができ、またガラス、大理石では美しい模様が浮きあがるため意匠性に優れ、天然の材料として広く使用されている。
【0003】
とくに無機質模様を呈するガラス複合材料として、テーブルやカウンター等の載置台の天板として使用したとしても、液体等が内部へと浸透することを防止するために、石材の表面を保護するガラスシートと、石材とガラスシートとを接着する透明接着層とを有する複合石材。石材の厚みが10mm以上であり、ガラスシートの厚みが1mm以下である複合石材であり、ガラスシート側の面が載置面となるように複合石材をテーブルやカウンター等の載置台の天板として使用する複合石材の使用方法に関する提案がある(特許文献1参照)。
【0004】
また合板で周囲の気温・湿度に対して安定し、合板の厚さの寸法精度は機械加工より優れている所を利用して、天板のこぼれ水が引き出しの中に入らないような組立式のテーブルの提供として、側板は基板、嵌合部、コマ、外板、内板に溝を設け、引き出し用のレールを接着して一体化し、側板の両端に脚をサラ頭木ネジで締結し、天板枠に嵌合部、コマのはめ込み用のホゾ穴を設け、天板枠にガラス天板の取付用の刻を設け、その外周にこぼれ水を溜める溜溝を設けているものが提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
ガラス板を天板に使ったテーブルの上に荷重が加わってもガラス板が壊れないように、下面に脚を取り付けた台枠の内部に底板を嵌入し、台枠の内面の下部に設けたリブで底板を支持させ、底板の上に多数の升を有する装飾性を示す格子枠を載せ、格子枠の上にガラス板を載せるようにした装飾性ガラス天板のテーブルが提案されている(特許文献3参照)。
【0006】
さらに重量感を持つが軽量性をもって、テーブル表面が鏡面で傷つかない硬度を示し、擦り傷がつき難い鏡面性表面を持つ広幅型天板台付き家具をして、広幅な天板を持つテーブル、カウンター等の家具であり、鏡面性を持つ熱硬化性樹脂の被覆化粧表面材と、表面材に対するアルミニウム板材と無垢板材とからなる角材状平面性維持具と、テーブル台、カウンター台の基本台座の提案を行っている(特許文献4参照)。
【0007】
またガラスから形成された上層が割れ難いキッチンカウンター及び厨房台として、下層と、接着層と、上層とを備えた複合材であって、下層は、鋼又はカーボンから形成されている。接着層は下層上に設けられており、上層にはガラス面から形成され、下面の全体が接着層を介して下層に接着されて、接着層の上面に模様や色彩を施した印刷されている天板が提案されている(特許文献5参照)。
【0008】
また設備台の美的外観および機能性の向上を図るために、透光性を有する天板とこの天板の下方側に設けられている光源とを備え、前記光源からの光が前記天板を透過されるもので、透光性を有する天板であるガラス板を挟んで模様、色彩のある化粧シートを取り付けている製品が提案されている(特許文献6参照)。
【0009】
一方装飾シートとしてポリエステルフィルムの裏面に、ガラス転移点が50~100℃の熱可塑性ポリウレタンと硬化剤を含有する溶剤溶液を塗布し乾燥して接着剤層が形成され、その接着剤層の上にポリ塩化ビニルペースト樹脂を塗布し加熱ゲル化してポリ塩化ビニル樹脂層を形成する鮮映性化粧シートの製造方法において、ポリエステルフィルムの裏面に印刷層を形成し、その印刷層の上に上記の接着剤層を形成して、更にポリ塩化ビニルペースト樹脂を塗布し加熱ゲル化して形成したポリ塩化ビニル樹脂層の上に軟質ポリ塩化ビニルフィルムを積層した積層化粧シートが提案されている(特許文献7参照)。
【0010】
テーブルの天板、或いは食器棚のカウンターテーブル、或いはキッチンテーブルの天板などの家具にガラス板が使用されているが、テーブルの天板として、装飾性の安全なガラスを使用して、液体の浸み込み、耐熱、強度、傷付きなどの防御が同時に施された装飾性表面で安全なガラス複合材料を使用されている家具のテーブル天板、或いは前板などでは、ほとんど存在していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2016-69260号公報
【文献】特開2005-305077号公報
【文献】実用新案登録第3048641号公報
【文献】実用新案登録第3212165号公報
【文献】特開2018-94153号公報
【文献】特開平5-245011号公報
【文献】特開2007-307897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記参考文献には、テーブルの天板、或いは食器棚のカウンターテーブル、或いはキッチンテーブルの天板などの家具にガラス板が使用されているが、それぞれ液体の浸透性防止と、透光性と、耐熱性、傷付きとをもたらす目的のために、家具の表面に取り付けている場合が多い。前記の性能をすべて備えていて、表面に特質な無機質表面状態を呈している装飾性無機質模様を貼り付けている安全なガラス複合材料で、今までにない特質な無機質表面模様を持つ家具を、最近の住宅の内装模様の状況から期待されることが多くなっている。
【0013】
本発明は、家具表面には無機材質は一般に使用されていない。天板表面に耐熱、強度、傷付きなどの防御が施された無機質性の装飾性表面ガラスを使用したテーブルには使用されているが無機材料の家具とは期待されていない。前述したような装飾性と機能性から無機材料の使用が期待されているが、従来技術的に問題を解決することはなされていない。熱・衝撃に優れたガラス材料である家具用複合ガラス材をテーブルやローボード等の載置台の天板として使用したものであって、天板に液体等が内部へと浸透、高温物での耐熱効果、重量物の衝撃などによる損傷すること、及び特殊な無機質の装飾性が取り入れられていない状況であった。これらの課題を解決する目的で、ローボード、テーブル等の載置台の天板、或いは家具の装飾前板に、装飾性と機能性を持つ無機質模様を呈する熱的、強度的に安全性を高めた家具に使用するガラス複合材を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決すべく創案された本発明は、平面強化ガラス材を、装飾性模様付きポリエステル樹脂フイルムとポリ塩化ビニル樹脂フイルムとからなる複合装飾シートに貼り合わせた装飾性ガラス体において、ポリエステル樹脂フイルムの表面に装飾性模様として無機質の表面状態模様を描写・印刷して、裏面にてポリ塩化ビニル樹脂フイルムで補強した複合装飾シートを平面強化ガラス材の裏面にウレタン系接着剤で接着している無機質模様の装飾性ガラス体を形成して、前記装飾性ガラス体の裏面であるポリ塩化ビニル樹脂フイルム面に基盤木製板を均一にウレタン系接着剤によって貼り合わせた装飾性ガラス複合材で、上面から平面強化ガラス層と粘着層とポリエステル樹脂フイルム層とポリ塩化ビニル樹脂フイルム層と基盤木製板層との順に構成されていることを特徴とする無機質模様を呈する熱・衝撃に優れた家具用複合ガラス材である。
【0015】
前記平面強化ガラス材の厚みは3~6mmで、厚さ50~200μm装飾性模様付きポリエステル樹脂フイルムと厚さ50~300μmのポリ塩化ビニル樹脂フイルムを貼り合わせた複合装飾シートであり、前記複合装飾シートの厚さ0.1~0.5mmを前記平面強化ガラス材に貼り合わせた、装飾性ガラス体と厚さ10~50mm基盤木製板にウレタン系接着剤によって接着させている。
前記ポリエステル樹脂フイルムは、平滑な表面に、種々の色彩をもつ意匠性表現を呈する無機質模様を鮮明にプリントしたフイルムであり、ポリ塩化ビニル樹脂フイルムの接着によって補強されている。
【0016】
ポリ塩化ビニル樹脂フイルムに意匠性表現を呈する模様を鮮明にプリントしたポリエステル樹脂フイルムを貼り合わせた上に、意匠性表現を呈する模様としてレンガ積み模様、ブロック積み模様、タイル張り模様、モルタル塗り模様、堆積岩、花崗岩、玄武岩、大理石それぞれの岩石模様、金属の表面状態模様、セラミック調模様、さび調模様であり、それらの模様から選ばれた無機質の表面状態模様を描写・印刷した複合装飾シートの表面に均一に粘着層になるウレタン系接着剤で被覆した上に、平面強化ガラス材を貼りつけた装飾性ガラス体を使用して、前記装飾性ガラス体を、基盤木製板に均一にウレタン系接着剤によって貼
り合わせた無機質模様を呈する熱・衝撃に優れた家具用複合ガラス材である。
【0017】
無機質表面状態を呈している無機質模様は、厚さ3~6mmの前記平面強化ガラス材の裏面に、複合装飾シートとしてレンガ積み模様、ブロック積み模様、タイル張り模様、モルタル塗り模様、堆積岩、花崗岩、玄武岩、大理石の岩石模様、金属の表面状態模様、セラミック調模様、さび調模様から選ばれた無機質の表面装飾性模様を描写・印刷した厚さ50~200μmのポリエステル樹脂フイルムに、厚さ50~300μmのポリ塩化ビニル樹脂フイルムを接着させた。
【0018】
無機質の表面装飾性模様として、レンガ積み模様、ブロック積み模様、タイル張り模様、モルタル塗り模様のそれぞれ意匠性表現を呈する模様、堆積岩、花崗岩、玄武岩、大理石の岩石の表現を呈する表面模様、特殊金属の表現を呈する表面状態模様、セラミック調模様、さび調模様から選ばれた無機質を表現された表面模様を、平滑表面上に立体感をもったUVプリントされた厚さ50~200μmのポリエステル樹脂フイルムは、厚さ50~300μmの前記ポリ塩化ビニル樹脂フイルムを接着させることによって補強されている。
【0019】
前記平面強化ガラス材は、硬質無機性ガラスの軟化温度の高いカリガラス、又は硼珪酸ガラスとを含有させて耐衝撃的効果をもたらし、3~6mmの厚さのガラスの屈折効果によってガラスの下部面の模様を特殊様相に呈している。
装飾性ガラス複合材におけるガラス材は、厚さ3~6mmの硬質無機性ガラスの軟化温度の高いケイ酸とアルミナとソダ灰にカリ成分を含有したカリ含有ガラス、又はケイ酸とアルミナとソダ灰にホウ素成分を含有した硼珪酸ガラスであって、耐熱性と耐衝撃性効果を高めて、厚さに対するガラスの屈折効果によるガラスの下部面の装飾性無機質模様を浮き立たせる特殊様相を呈するとともに、耐熱性と耐衝撃性を高めたテーブルの天板、食器棚のカウンターテーブル、或いは家具の前板として使用される。
【0020】
一般にガラスはSiO2、Al2O3、Na2Oの成分を含むことを言われている。化学強化ガラスを使用する場合については、ガラス組成として、質量%で、SiO2 50~80%、Al2O3 5~25%、B2O3 0~15%、Na2O 1~20%、K2O 0~10%の範囲で適宜含有するものが、強化ガラス板とされている。軟化温度を高かめたカリガラス、及び硼珪酸ガラスが存在している。ケイ酸とアルミナとソダ灰にカリ成分、或いはホウ素成分を含有するものが耐熱性と耐衝撃性を高めた強化ガラスになる。
【0021】
前記木質材は、積層合板、MDF,パチクルボード、合成板で、15~50mmの厚さであって、ガラス、装飾フイルムを固定、安定化させるために使用され、強度と重量、接着性に合わせて選択される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、家具には今までにない無機質材質とその模様を呈した天板、前板はほとんどなく、無機質の表面装飾性模様として、レンガ積み模様、ブロック積み模様、タイル張り模様、モルタル塗り模様の意匠性表現を呈する模様、堆積岩、花崗岩、玄武岩、大理石の岩石表面模様、金属の表面状態模様、セラミック調模様とさび調模様を呈する無機質を表現された無機質模様の表面を呈している。前記無機質模様を描写・印刷したポリエステル樹脂フイルムにポリ塩化ビニル樹脂フイルムを貼り合わせた複合装飾シートをウレタン系接着剤にて貼り合わせた前記平面強化ガラス材とからなる装飾性ガラス体を使用して、前記装飾性ガラス体の裏面に基盤木製板を貼り合わせている装飾性ガラス複合材で、前板、天板の表面性、装飾性を従来存在しない状態に浮き立たせた無機質を強調的に表現された無機質装飾性模様を呈している。家具のテーブルやローボード等の天板が主として使用でき、下部の無機質模様が従来ない装飾性ガラス体によって特殊様相を呈した。また前板、天板の表面性は200℃に対しても安定であり、さらに衝撃による模様の変化を示さず、強度、熱に安定な材料である。またこの材料は天板以外に建築用の壁材や間仕切り材にも適応できた。従来存在しない前板、天板の特殊模様の表面を表現した家具になっており、家具設置により特に室内に趣の高い雰囲気を醸し出すのに役立った。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】家具に使用できる無機質模様を呈する熱・衝撃に優れた
平面強化ガラス材であるテーブル用複合ガラス天板材の斜視図である。
【
図2】家具に使用できる無機質模様を呈する熱・衝撃に優れた
平面強化ガラス材である家具用複合ガラス材として使用したテーブル載置台の斜視図である。
【
図3】家具に使用できる無機質模様を呈する熱・衝撃に優れた
平面強化ガラス材である家具用複合ガラス材として使用したローボードの斜視図である。
【
図4】家具に使用できる無機質模様を呈する熱・衝撃に優れた
平面強化ガラス材である家具用複合ガラス材として使用した食器棚の斜視図である。
【
図5】家具に使用できる無機質模様を呈する熱・衝撃に優れたガラス材料である家具用複合ガラス材と、ポリエステル樹脂フイルムとポリ塩化ビニル樹脂フイルムとの複合装飾シートと、前記複合装飾シートを
平面強化ガラス材に貼り合わせた装飾性ガラス体の断面図、構成図である。
【
図6】家具に使用できる無機質模様を呈する熱・衝撃に優れた
平面強化ガラス材である家具用複合ガラス材の装飾性模様の種類の図である。A:セラミック調模様 B:レンガ積み立て模様 C:大理石模様 D:花崗岩模様
【
図7】家具に使用できる無機質模様を呈する熱・衝撃に優れた
平面強化ガラス材である家具用複合ガラス材の装飾性模様の熱変化を示す図である。
【
図8】家具に使用できる無機質模様を呈する熱・衝撃に優れた
平面強化ガラス材である家具用複合ガラス材の装飾性模様の衝撃変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
上記課題を解決すべく創案された本発明は、平面性強化ガラス材と、ポリエステル樹脂フイルムにポリ塩化ビニル樹脂フイルムを張り合わせた複合装飾シートを張った無機質模様を鮮明にした装飾性ガラス体であり、家具のテーブルやローボード等の天板に使用される。
【実施例1】
【0025】
図5に示すように、平面性強化ガラス材に、装飾性模様付きポリエステル樹脂フイルムとポリ塩化ビニル樹脂フイルムとからなる複合装飾シートを貼り合わせた装飾性ガラス体における前記複合装飾シートのポリ塩化ビニル樹脂フイルムの裏面に基盤木製板を接着させた、上面から平面強化ガラス層と粘着層とポリエステル樹脂フイルム層とポリ塩化ビニル樹脂フイルム層と基盤木製板層との順に構成する装飾性ガラス複合材になっており、装飾性無機質模様を描写・印刷したポリエステル樹脂フイルムにポリ塩化ビニル樹脂フイルムを貼り合わせた
複合装飾シートを粘着層にあたるウレタン系接着剤にて前記平面強化ガラス材に貼り合わせた無機質模様の装飾性ガラス体を使用して、前記
無機質模様の装飾性ガラス体のポリ塩化ビニル樹脂フイルム裏面に基盤木製板を貼り合わせて、
装飾性ガラス複合材になっている、家具に使用できる熱・衝撃に優れたガラス材料である無機質模様を呈した家具用複合ガラス材であった。
【0026】
装飾性ガラス複合材は、厚さ4mmの前記強化ガラスの裏面に、大理石の岩石模様における無機質の表面装飾性模様を描写・印刷した厚さ50μmのポリエステル樹脂フイルムに補強材としての100μmのポリ塩化ビニル樹脂フイルムを接着させた複合装飾シートを貼り合わせた無機質模様を表現した装飾性ガラス体と、固定材としての厚さ20mm基盤木製板とをウレタン系接着剤によって接合させた。装飾性ガラス複合材において大理石の岩石模様における表面装飾性模様が浮き立っており、実際の大理石を思い出す頑丈な材料となった。
【0027】
ポリエステル樹脂フイルムは、無機質の表面装飾性模様としてセラミック調模様とさび調模様を呈する無機質を表現された表面模様を、平滑表面上に立体感をもったUVプリントされた装飾フイルムシートにして、前記装飾フイルムシートに厚さ100μmの前記ポリ塩化ビニル樹脂フイルムを接着させることによって補強された。従来存在しない模様の表面を前板、戸板に表現した家具になっており、家具設置により特に室内に趣の高い雰囲気を醸し出すのに役立った。
【0028】
前記厚み4mmの平面強化ガラス材は、硬質無機性ガラスの軟化温度の高いカリ含有ガラスと硼珪酸ガラスであり、耐衝撃的効果を高めて、厚さに対するガラスの屈折効果によるガラスの下部面の装飾性無機質模様を浮き立たせる特殊様相を呈して、テーブルに使用された。この無機質材料の物性を測定した。測定は一般財団法人日本文化用品安全試験所にて、耐熱温度試験(100℃、1時間)と鋼球落下試験(1040gの鋼球を100cm上方自然落下)を行ったが、異常はなかった。特に前板、天板の表面性は200℃に対しても安定であり、さらに衝撃による模様の変化を示さず、強度、熱に安定な材料であった。
【実施例2】
【0029】
図2に示すように、
装飾性ガラス複合材は、厚さ4mmの前記
平面強化ガラス材の裏面に、堆積岩の岩石模様における無機質の表面装飾性模様を描写・印刷し厚さ50μmのポリエステル樹脂フイルムに補強材としての100μmのポリ塩化ビニル樹脂フイルムを接着させた複合装飾シートを貼り合わせた無機質模様を表現した
装飾性ガラス体であって、固定材としての厚さ30mm基盤木製板とをウレタン系接着剤によって接合させた。
【0030】
ポリエステル樹脂フイルムは、無機質の表面装飾性模様として、
図6に示すような、大理石の鉱物表面模様を呈する無機質を表現された表面模様を、平滑表面上に立体感をもったUVプリントされた
ポリエステル樹脂フイルムにして、前記
ポリエステル樹脂フイルムに厚さ100μmのポリ塩化ビニル樹脂フイルムを接着させることによって
補強した。無機質装飾性ガラス複合材において大理石の岩石模様における表面装飾性模様が浮き立っており、実際の大理石を思い出す頑丈な材料となった。
【0031】
前記ガラス材は、硬質無機性ガラスの軟化温度の高いカリガラスと硼珪酸ガラスとを含有させて耐衝撃的効果をもたらし、4mmの厚さのガラスの屈折効果によってガラスの下部面の模様を特殊様相に呈した。
【0032】
前記複合装飾シートの厚さ0.3mmを
前記平面強化ガラス材に貼り合わせた、装飾性ガラス体を、幅900mm長さ1800mm厚さ30mm基盤木製板に接着させて、前記木製材は、MDFで
図2に示すようにテーブルには厚さ30mmの無垢板で脚材を取り付けた。
【0033】
これらの試料で無機質模様を呈するガラス材料の熱変化、衝撃変化を明らかにした。
1)熱変化
サンプルとして縦横15cmの正方形の硬質無機性ガラスに堆積岩の岩石模様を呈する無機質を表現された表面模様を呈した材料サンプルであり、マッフル炉に入れて、200℃の温度を30分保持と300℃の温度を30分保持した。
図7に示すように、200℃においては、全く変化しなく、安定であり、天ぷら油の落下、或いは天ぷら鍋の接触では変化がなく、200℃程度の温度に対応できる天板であることが証明された。
2)衝撃変化
縦横15cmの正方形の硬質無機性ガラスに堆積岩の岩石模様を呈する無機質を表現された表面模様を呈した材料サンプルを試料として、万能試験機(押圧強度)にて支点間距離10cmで、試験速度10mm/minにて試験した。
その結果、
図8に示すように1.38KNの力で破壊して、模様の変化が起った。
すなわち、天板として1.3KNの力に耐えうる硬質無機性ガラスに堆積岩の岩石模様を呈する無機質を表現された表面模様を呈した材料の商品であり、強度的にも優れた商品であることが分った。
【実施例3】
【0034】
図3に示すように、
装飾性ガラス複合材は、厚さ5mmの前記
平面強化ガラス材の裏面に、さび調模様における無機質の表面装飾性模様を描写・印刷した100μmのポリエステル樹脂フイルムに厚さ100μmのポリ塩化ビニル樹脂フイルムを
接着させた複合装飾シートを貼り合わせた無機質模様を表現した
装飾性ガラス体であって、固定材としての厚さ20mm基盤木製板とをウレタン系接着剤によって接合させている。
【0035】
厚さ100μmの前記ポリエステル樹脂フイルムは、平滑な表面に、
図6に示すような色彩をもつ意匠性表現を呈する無機質模様を鮮明にプリントしたフイルムであり、
ポリ塩化ビニル樹脂フイルムの接着によって
補強され、この面が天板面に写った。家具には今までにない無機質模様を呈した天板、前板はほとんどなく、無機質の表面装飾性模様として、レンガ積み模様、ブロック積み模様、タイル張り模様、モルタル塗り模様の意匠性表現を呈する模様、堆積岩、花崗岩、玄武岩、大理石の岩石表面模様、金属の表面状態模様、セラミック調模様とさび調模様を呈する無機質を表現された無機質性装飾性模様の表面を呈した。
【0036】
前記
平面強化ガラス材は、硬質無機性ガラスの軟化温度の高いカリガラスと硼珪酸ガラスとを含有させて耐衝撃的効果をもたらし、3mmの厚さのガラスの屈折効果によってガラスの下部面の模様を特殊様相に呈している。このものを幅500mm。長さ1200mmのカウンターの天板に使用した。前記木質材は、積層合板30mmの厚さで
図3に示すようなローボードになった。結果として、実施例1と実施例2と同様な試験結果が得られた。
【実施例4】
【0037】
図4に示すように、
装飾性ガラス複合材は、厚さ5mmの前記
平面強化ガラス材の裏面に、モルタル塗り模様における無機質の表面装飾性模様を描写・印刷した厚さ50μmの
ポリエステル樹脂フイルムに無機質模様を立体的に補強した100μmのポリ塩化ビニル樹脂フイルムを接着させた複合装飾シートを貼り合わせた
装飾性ガラス体であって、固定材としての厚さ20mm基盤木製板とをウレタン系接着剤によって接合させた。
【0038】
厚さ50μmの前記ポリエステル樹脂フイルムは、平滑な表面に、
図6に示すような色彩をもつ意匠性表現を呈する
無機質模様を鮮明にプリントしたフイルムであり、
ポリ塩化ビニル樹脂フイルムの接着によって
補強された。この面が天板面に写った。
【0039】
前記平面強化ガラス材は、硬質無機性ガラスの軟化温度の高いカリガラスと硼珪酸ガラスとを含有させて耐衝撃的効果をもたらし、4mmの厚さのガラスの屈折効果によってガラスの下部面の模様を特殊様相に呈した。装飾性ガラス複合材においてモルタル模様における表面装飾性模様が浮き立っており、実際の大理石を思い出す頑丈な材料となった。
【0040】
前記
複合装飾シートの厚さ0.3mmを前記
平面強化ガラス材に貼り合わせた、装飾性ガラス体を、厚さ20mm基盤木製板に接着させて、前記
木製板は、MDFで
図4に示すように食器棚の前板として取り付けた。結果として、実施例1と実施例2と同様な試験結果が得られた。
【符号の説明】
【0041】
1 家具用複合ガラス材
2 平面強化ガラス材
3 複合装飾シート
4 ウレタン系接着剤
5 基盤木製板
6 粘着層
7 装飾性ガラス複合材
8 保護膜層
9 ポリエステル樹脂フイルム
10 ポリ塩化ビニル樹脂フイルム
11 テーブル
12 カウンター
13 扉
14 前板
15 装飾性ガラス体
16 装飾性ガラス複合材からなる天板
17 レンガ積み、ブロック積み、タイル張り、モルタル塗り模様
18 岩石模様
19 セラミック調、さび調
20 固定材
21 食器棚
22 ローボード
23 脚部