(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】溶接台車
(51)【国際特許分類】
B23K 37/02 20060101AFI20230327BHJP
【FI】
B23K37/02 E
(21)【出願番号】P 2021154846
(22)【出願日】2021-08-19
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2021-03-19
【審査請求日】2021-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】521197704
【氏名又は名称】新谷 寿雄
(72)【発明者】
【氏名】新谷 寿雄
【審査官】黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-186991(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0339394(US,A1)
【文献】実開昭56-169973(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平面と垂直面を有する第1鋼材と、この第1鋼材の垂直面に沿った垂直面を有する第2鋼材の上部をすみ肉溶接する溶接台車であって、この溶接台車は前記第1鋼材でかつ、すみ肉溶接部分から離間した位置の水平面に沿って走行する駆動輪と前記第1鋼材および前記第2鋼材のそれぞれの垂直面を挟むように両側面に接する第1ガイドローラと第2ガイドローラが設けられており、この第1ガイドローラは前記すみ肉溶接部分近傍の第2鋼材の垂直面に接するとともに前記第2ガイドローラは前記第1ガイドローラから所定距離下方に離れた前記第1鋼材の下部の垂直面に接していることを特徴とする溶接台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四輪駆動小型溶接台車を二輪駆動のみと、第1,2、ガイドローラで走行自在に外部すみ肉溶接を行う小型の溶接台車である。
【背景技術】
【0002】
溶接台車が走行する水平設置面が四輪駆動の設置面以下の走行が出来ない為、フリーハンドでの溶接、または、ターニングやポジッショナーを設置し、溶接する鋼材本体を固縛して溶接施工していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フリーハンドでの溶接、または、ターニングやポジッショナーへの固縛は、物量許容範囲内、設置場所、方法など時間的、労働的負担が多く溶接鋼材本体の天地回転のみで溶接台車での溶接により労働的負担が少なく時間短縮が可能であり前述の欠点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、溶接トーチを搭載した水平面鋼材上部に設置された溶接台車が走行しながら溶接を行う溶接台車において、溶接台車に設けられた溶接トーチ側駆動輪2と、外側2個の第1ガイドローラと、溶接トーチ側駆動輪2の下内側アームに取付けられた第2ガイドローラで構成されている。前記駆動輪2が溶接台車自重で下方に押さえつけながら回転し、前記第1ガイドローラと、前記下内側アームに取付けられた第2ガイドローラで垂直面鋼材を挟み込み左右に走行するもので、台車自重のみの為、設置も安易である。
【発明の効果】
【0005】
上述の様に、2輪駆動の為接地面が小さく例えば約65mm以上の水平面巾と、例えば約65mm巾以上の垂直面の、範囲の自動溶接を可能にした。又アームに取付けられたフリーガイドローラだけでの外側すみ肉溶接が可能なため、アームを取り外すことにより、本来の内側すみ肉溶接も簡単明瞭である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の溶接台車と溶接部材の平面図(一部切欠図)である。
【
図2】溶接台車と溶接部材の正面図(一部切欠図)である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
支持ロッド9はオプション対応品を使用して、下内側アームに取付けられた第2ガイドローラのアーム、ブラケットは製作し溶接台車側部のM6のタップ穴にアームが上下調整出来る様に施工し、前述ガイドローラ用取付け穴も前後調整出来る様に施工する。
【実施例】
【0008】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。本発明は
第1鋼材Aと
第2鋼材Bとを溶接するための溶接台車1であって
第1鋼材Aは水平面4と垂直面4Aとを有するL字形とされている。一方
第2鋼材Bは前記
第1鋼材Aの垂直面4Aに沿う垂直面5を有している。この
第2鋼材Bは垂直面5よりも下側は真直ぐであったり、L字型に曲がったりするなど形状は種々考えられる。この
第1鋼材Aと、
第2鋼材Bとが溶接台車1の溶接トーチ3によって
第2鋼材Bの上端部と
第1鋼材Aの垂直面4Aの上部とが溶接Yされる(
図3参照)。尚。
第1鋼材Aと
第2鋼材Bとは、溶接トーチ3で溶接される前に仮溶接している。
【0009】
溶接台車1は、前記した第1鋼材Aの水平面4の上面を走行するための駆動輪2を備えている。また、この溶接台車1は、溶接台車1に、設けられた支持ロッド9に、前記第2鋼材Bの垂直面5に接して走行する第1ガイドローラ7が取り付けられている。
【0010】
さらに、溶接台車1には、前記第1鋼材Aの垂直面4Aに接して走行する第2ガイドローラ8がアーム6とブラケット10とを介して取り付けられている。これによって溶接台車1は駆動輪2と、第1ガイドローラ7と、第2ガイドローラ8とによって第1鋼材Aおよび第2鋼材B上を溶接しながら走行するようになる。
【符号の説明】
【0011】
1 溶接台車
2 駆動輪
3 半自動溶接トーチ
4 水平面
5 垂直面
6 アーム
7 第1ガイドローラ
8 第2ガイドローラ
)
9 支持ロッド
10 ブラケット