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特許7250239出版物配達業務管理装置、出版物配達業務管理システム、出版物配達業務管理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】出版物配達業務管理装置、出版物配達業務管理システム、出版物配達業務管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20230101AFI20230327BHJP
【FI】
G06Q10/08
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018216869
(22)【出願日】2018-11-01
(65)【公開番号】P2020071849
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】518412221
【氏名又は名称】▲高▼橋 丈
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 丈
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-48047(JP,A)
【文献】特開2011-192151(JP,A)
【文献】特開2003-130670(JP,A)
【文献】特開2018-144965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも複数の出版物の配達エリアそれぞれを含む地域の地図情報を記憶する地図記憶部と、
複数の配達エリアそれぞれに対応する出版物の仮置き場所の位置情報を記憶する仮置き場所記憶部と、
前記複数の配達エリアそれぞれにおける前記出版物の配達経路を示す順路情報を記憶する順路情報記憶部と、
出版物の配達を行う複数の従業員それぞれの位置情報を取得する従業員位置情報取得部と
前記仮置き場所へ出版物を調達する第1搬送車両の位置情報を取得する第1搬送車両位置情報取得部と、
前記従業員位置情報取得部が取得した前記複数の従業員それぞれの位置情報と、前記仮置き場所の位置情報と、前記順路情報と、前記地図情報と、に基づいて、複数の従業員それぞれが前記仮置き場所へ到達するまでの第1到達時間を算出する第1到達時間算出部と、
前記第1搬送車両位置情報取得部が取得した前記第1搬送車両の位置情報と、前記仮置き場所の位置情報と、前記地図情報と、に基づいて、前記第1搬送車両が前記仮置き場所へ到達するまでの第2到達時間を算出する第2到達時間算出部と、
前記第1到達時間および前記第2到達時間に基づいて、前記複数の配達エリアそれぞれに対応する仮置き場所への巡回スケジュールを示すスケジュール情報を生成するスケジュール生成部と、
前記出版物を運搬する第2搬送車両の位置情報を取得する第2搬送車両位置情報取得部と、
前記複数の従業員それぞれに対応する第1到達時間のうち最短の第1到達時間である最短第1到達時間を特定する最短時間特定部と、
前記第2搬送車両位置情報取得部が取得した前記第2搬送車両の位置情報と、前記第1搬送車両の位置情報と、前記地図情報と、に基づいて、前記最短第1到達時間内に前記第1搬送車両と前記第2搬送車両との両方が到達できる合流地点が存在するか否かを判定する合流地点判定部と、を備え、
前記スケジュール生成部は、前記合流地点判定部により合流地点が存在すると判定されると、前記合流地点での前記第2搬送車両から前記第1搬送車両への前記出版物の移載時期と、前記第2搬送車両から移載された前記出版物の予め設定された店舗への配送時期と、を含めて、スケジュール情報を生成する、
出版物配達業務管理装置。
【請求項2】
少なくとも複数の出版物の配達エリアそれぞれを含む地域の地図情報を記憶する地図記憶部と、
複数の配達エリアそれぞれに対応する出版物の仮置き場所の位置情報を記憶する仮置き場所記憶部と、
前記複数の配達エリアそれぞれにおける前記出版物の配達経路を示す順路情報を記憶する順路情報記憶部と、
出版物の配達を行う複数の従業員それぞれの位置情報を取得する従業員位置情報取得部と
前記仮置き場所へ出版物を調達する第1搬送車両の位置情報を取得する第1搬送車両位置情報取得部と、
前記従業員位置情報取得部が取得した前記複数の従業員それぞれの位置情報と、前記仮置き場所の位置情報と、前記順路情報と、前記地図情報と、に基づいて、複数の従業員それぞれが前記仮置き場所へ到達するまでの第1到達時間を算出する第1到達時間算出部と、
前記第1搬送車両位置情報取得部が取得した前記第1搬送車両の位置情報と、前記仮置き場所の位置情報と、前記地図情報と、に基づいて、前記第1搬送車両が前記仮置き場所へ到達するまでの第2到達時間を算出する第2到達時間算出部と、
前記第1到達時間および前記第2到達時間に基づいて、前記複数の配達エリアそれぞれに対応する仮置き場所への巡回スケジュールを示すスケジュール情報を生成するスケジュール生成部と、
前記順路情報記憶部が記憶する前記順路情報と、前記複数の従業員それぞれの位置情報と、に基づいて、前記出版物の配達中の従業員が前記順路情報の示す前記配達経路から外れているか否かを判定する順路判定部と、
前記順路判定部により前記配達経路から外れていると判定されると、前記配達経路から外れている従業員の所持する端末装置へ、注意喚起情報を送信する注意喚起情報送信部と、を備える、
出版物配達業務管理装置。
【請求項3】
前記複数の配達エリアそれぞれにおける配達先の状況の変化に応じて、前記順路情報を配達先の状況に最適な順路を示す順路情報に更新する順路情報更新部を備える、
請求項2に記載の出版物配達業務管理装置。
【請求項4】
前記複数の従業員それぞれの位置情報を時刻情報に対応づけて記憶する従業員位置情報記憶部と、
前記複数の配達エリアそれぞれについて、出版物を配達すべき配達先の位置情報を記憶する配達先位置情報記憶部と、
前記複数の従業員それぞれの位置情報の履歴に基づいて、前記出版物を配達すべき配達先の位置とそれ以外の位置での前記複数の従業員それぞれの停止時間を特定する停止時間特定部と、
前記停止時間特定部により特定された各位置での停止時間に基づいて、前記出版物を配達すべき配達先へ前記出版物が配達されているか、および、前記出版物を配達する必要のない場所へ前記出版物が配達されているか、を判定する配達実績判定部と、を更に備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の出版物配達業務管理装置。
【請求項5】
出版物を配達すべき複数の配達エリアそれぞれにおいて、前記出版物の配達を行う複数の従業員それぞれが所持する端末装置と、
前記端末装置と通信可能な出版物配達業務管理装置と、を備え、
前記出版物配達業務管理装置は、
少なくとも前記複数の配達エリアそれぞれを含む地域の地図情報を記憶する地図記憶部と、
前記複数の配達エリアそれぞれに対応する出版物の仮置き場所を記憶する仮置き場所記憶部と、
前記複数の配達エリアそれぞれにおける前記出版物の配達経路を示す順路情報を記憶する順路情報記憶部と、
前記複数の従業員それぞれの位置情報を取得する従業員位置情報取得部と、
前記仮置き場所へ出版物を調達する第1搬送車両の位置情報を取得する第1搬送車両位置情報取得部と、
前記従業員位置情報取得部が取得した複数の従業員それぞれの位置情報と、前記仮置き場所の位置情報と、前記順路情報と、前記地図情報と、に基づいて、複数の従業員それぞれが前記仮置き場所へ到達するまでの第1到達時間を算出する第1到達時間算出部と、
前記第1搬送車両位置情報取得部が取得した前記第1搬送車両の位置情報および地図情報に基づいて、前記第1搬送車両が前記仮置き場所へ到達するまでの第2到達時間を算出する第2到達時間算出部と、
前記第1到達時間および前記第2到達時間に基づいて、前記複数の配達エリアそれぞれに対応する仮置き場所への巡回スケジュールを示すスケジュール情報を生成するスケジュール生成部と、を有し、
前記出版物配達業務管理装置は、
前記順路情報記憶部が記憶する前記順路情報と、前記複数の従業員それぞれの位置情報と、前記地図情報と、に基づいて、前記出版物の配達中の従業員が前記順路情報の示す前記配達経路から外れているか否かを判定する順路判定部と、
前記順路判定部により前記配達経路から外れていると判定されると、前記配達経路から外れている従業員の所持する端末装置へ、注意喚起情報を送信する注意喚起情報送信部と、を備える、
出版物配達業務管理システム。
【請求項6】
前記端末装置は、注意喚起情報を受信すると、音声で報知する、
請求項5に記載の出版物配達業務管理システム。
【請求項7】
出版物配達業務管理システムが、少なくとも複数の出版物の配達エリアそれぞれを含む地域の地図情報を記憶するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、複数の配達エリアそれぞれに対応する出版物の仮置き場所の位置情報を記憶するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、前記複数の配達エリアそれぞれにおける前記出版物の配達経路を示す順路情報を記憶するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、出版物の配達を行う複数の従業員それぞれの位置情報を取得するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、前記仮置き場所へ出版物を調達する第1搬送車両の位置情報を取得するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、前記複数の従業員それぞれの位置情報と、前記仮置き場所の位置情報と、前記順路情報と、前記地図情報と、に基づいて、複数の従業員それぞれが前記仮置き場所へ到達するまでの第1到達時間を算出するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、前記第1搬送車両の位置情報と、前記仮置き場所の位置情報と、前記地図情報と、に基づいて、前記第1搬送車両が前記仮置き場所へ到達するまでの第2到達時間を算出するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、前記第1到達時間および前記第2到達時間に基づいて、前記複数の配達エリアそれぞれに対応する仮置き場所への巡回スケジュールを示すスケジュール情報を生成するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、前記出版物を運搬する第2搬送車両の位置情報を取得するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、前記複数の従業員それぞれに対応する第1到達時間のうち最短の第1到達時間である最短第1到達時間を特定するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、取得した前記第2搬送車両の位置情報と、前記第1搬送車両の位置情報と、前記地図情報と、に基づいて、前記最短第1到達時間内に前記第1搬送車両と前記第2搬送車両との両方が到達できる合流地点が存在するか否かを判定するステップと、を含み、
前記出版物配達業務管理システムが、前記合流地点が存在すると判定されると、前記スケジュール情報を生成するステップにおいて、前記合流地点での前記第2搬送車両から前記第1搬送車両への前記出版物の移載時期と、前記第2搬送車両から移載された前記出版物の予め設定された店舗への配送時期と、を含めて、スケジュール情報を生成する、
出版物配達業務管理方法。
【請求項8】
出版物配達業務管理システムが、少なくとも複数の出版物の配達エリアそれぞれを含む地域の地図情報を記憶するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、複数の配達エリアそれぞれに対応する出版物の仮置き場所の位置情報を記憶するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、前記複数の配達エリアそれぞれにおける前記出版物の配達経路を示す順路情報を順路情報記憶部に記憶させるステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、出版物の配達を行う複数の従業員それぞれの位置情報を取得するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、前記仮置き場所へ出版物を調達する第1搬送車両の位置情報を取得するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、前記複数の従業員それぞれの位置情報と、前記仮置き場所の位置情報と、前記順路情報と、前記地図情報と、に基づいて、複数の従業員それぞれが前記仮置き場所へ到達するまでの第1到達時間を算出するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、前記第1搬送車両の位置情報と、前記仮置き場所の位置情報と、前記地図情報と、に基づいて、前記第1搬送車両が前記仮置き場所へ到達するまでの第2到達時間を算出するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、前記第1到達時間および前記第2到達時間に基づいて、前記複数の配達エリアそれぞれに対応する仮置き場所への巡回スケジュールを示すスケジュール情報を生成するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、前記順路情報記憶部が記憶する前記順路情報と、前記複数の従業員それぞれの位置情報と、に基づいて、前記出版物の配達中の従業員が前記順路情報の示す前記配達経路から外れているか否かを判定するステップと、
前記出版物配達業務管理システムが、前記配達経路から外れていると判定されると、前記配達経路から外れている従業員の所持する端末装置へ、注意喚起情報を送信するステップと、を含む、
出版物配達業務管理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
少なくとも複数の出版物の配達エリアそれぞれを含む地域の地図情報を記憶する地図記憶部、
複数の配達エリアそれぞれに対応する出版物の仮置き場所の位置情報を記憶する仮置き場所記憶部、
前記複数の配達エリアそれぞれにおける前記出版物の配達経路を示す順路情報を記憶する順路情報記憶部、
出版物の配達を行う複数の従業員それぞれの位置情報を取得する従業員位置情報取得部、
前記仮置き場所へ出版物を調達する第1搬送車両の位置情報を取得する第1搬送車両位置情報取得部、
前記従業員位置情報取得部が取得した複数の従業員それぞれの位置情報と、前記仮置き場所の位置情報と、前記順路情報と、前記地図情報と、に基づいて、複数の従業員それぞれが前記仮置き場所へ到達するまでの第1到達時間を算出する第1到達時間算出部、
前記第1搬送車両位置情報取得部が取得した前記第1搬送車両の位置情報と、前記仮置き場所の位置情報と、前記地図情報と、に基づいて、前記第1搬送車両が前記仮置き場所へ到達するまでの第2到達時間を算出する第2到達時間算出部、
前記第1到達時間および前記第2到達時間に基づいて、前記複数の配達エリアそれぞれに対応する仮置き場所への巡回スケジュールを示すスケジュール情報を生成するスケジュール生成部、
前記出版物を運搬する第2搬送車両の位置情報を取得する第2搬送車両位置情報取得部、
前記複数の従業員それぞれに対応する第1到達時間のうち最短の第1到達時間である最短第1到達時間を特定する最短時間特定部、
前記第2搬送車両位置情報取得部が取得した前記第2搬送車両の位置情報と、前記第1搬送車両の位置情報と、前記地図情報と、に基づいて、前記最短第1到達時間内に前記第1搬送車両と前記第2搬送車両との両方が到達できる合流地点が存在するか否かを判定する合流地点判定部、
として機能させるためのプログラムであって、
前記スケジュール生成部は、前記合流地点判定部により合流地点が存在すると判定されると、前記合流地点での前記第2搬送車両から前記第1搬送車両への前記出版物の移載時期と、前記第2搬送車両から移載された前記出版物の予め設定された店舗への配送時期と、を含めて、スケジュール情報を生成する、
プログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
少なくとも複数の出版物の配達エリアそれぞれを含む地域の地図情報を記憶する地図記憶部、
複数の配達エリアそれぞれに対応する出版物の仮置き場所の位置情報を記憶する仮置き場所記憶部、
前記複数の配達エリアそれぞれにおける前記出版物の配達経路を示す順路情報を記憶する順路情報記憶部、
出版物の配達を行う複数の従業員それぞれの位置情報を取得する従業員位置情報取得部、
前記仮置き場所へ出版物を調達する第1搬送車両の位置情報を取得する第1搬送車両位置情報取得部、
前記従業員位置情報取得部が取得した複数の従業員それぞれの位置情報と、前記仮置き場所の位置情報と、前記順路情報と、前記地図情報と、に基づいて、複数の従業員それぞれが前記仮置き場所へ到達するまでの第1到達時間を算出する第1到達時間算出部、
前記第1搬送車両位置情報取得部が取得した前記第1搬送車両の位置情報と、前記仮置き場所の位置情報と、前記地図情報と、に基づいて、前記第1搬送車両が前記仮置き場所へ到達するまでの第2到達時間を算出する第2到達時間算出部、
前記第1到達時間および前記第2到達時間に基づいて、前記複数の配達エリアそれぞれに対応する仮置き場所への巡回スケジュールを示すスケジュール情報を生成するスケジュール生成部、
前記順路情報記憶部が記憶する前記順路情報と、前記複数の従業員それぞれの位置情報と、に基づいて、前記出版物の配達中の従業員が前記順路情報の示す前記配達経路から外れているか否かを判定する順路判定部、
前記順路判定部により前記配達経路から外れていると判定されると、前記配達経路から外れている従業員の所持する端末装置へ、注意喚起情報を送信する注意喚起情報送信部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出版物配達業務管理装置、出版物配達業務管理システム、出版物配達業務管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
新聞配達のような巡回業務において巡回経路(配達経路)を提示することにより巡回業務の効率化を図ることができる巡回業務支援管理装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。従業員がベテランであると判別された場合には該巡回先記録情報から巡回を許可された巡回先の位置を抽出して詳細地図上に示した巡回先指示支援情報を出力し、従業員が新人で新聞配達に従事していると判別された場合にはベテランの従業員の過去の巡回経路を抽出した巡回経路指示支援情報を出力し、巡回先の位置以外で従業員が所定時間以上移動を停止していたことが検出された場合には注意喚起管理情報を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-59250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、新聞配達業務は、従業員がバイクや自転車のような二輪車に新聞を載せて各新聞の配達先へ届けるのが一般的である。ところが、二輪車は、新聞の積載量に限度がある。特に、広告冊子の数が多い日は、配達先の全ての新聞を一度に二輪車に積載するのは困難である。この場合、通常、巡回経路の途中に配達先の新聞を予め設定された量だけ仮置きしておくことが多い。そして、新聞配達を行う従業員は、出発時には配達先の一部に相当する量の新聞だけを積載し、仮置き場所で残りの配達先の新聞を補充しつつ配達を行う。ここで、仮置き場所への新聞の調達は、トラックにより行われる。
【0005】
ところが、複数の区域それぞれにおける配達の進捗状況は、新聞配達を行う従業員の経験年数、巡回経路の特徴、天候等によりばらつきが生じることが多い。この場合、二輪車が仮置き場所へ到達するタイミングとトラックにより仮置き場所へ新聞を調達するタイミングとがずれてしまう虞がある。この場合、新聞配達を行う従業員は、仮置き場所までの配達が終わって仮置き場所へ新聞を補充しに来たにもかかわらず、トラックによる新聞調達が追いつかず、待ち時間が発生してしまう虞がある。
【0006】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、出版物の配達業務の効率化を図ることができる出版物配達業務管理装置、出版物配達業務管理システム、出版物配達業務管理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を逹成するために、本発明に係る出版物配達業務管理装置は、
少なくとも複数の出版物の配達エリアそれぞれを含む地域の地図情報を記憶する地図記憶部と、
複数の配達エリアそれぞれに対応する出版物の仮置き場所を記憶する仮置き場所記憶部と、
出版物の配達を行う複数の従業員それぞれの位置情報を取得する従業員位置情報取得部と、
前記仮置き場所へ出版物を調達する第1搬送車両の位置情報を取得する第1搬送車両位置情報取得部と、
前記従業員位置情報取得部が取得した前記複数の従業員それぞれの位置情報と、前記仮置き場所の位置情報と、前記地図情報と、に基づいて、複数の従業員それぞれが前記仮置き場所へ到達するまでの第1到達時間を算出する第1到達時間算出部と、
前記第1搬送車両位置情報取得部が取得した前記第1搬送車両の位置情報および地図情報に基づいて、前記第1搬送車両が前記仮置き場所へ到達するまでの第2到達時間を算出する第2到達時間算出部と、
前記第1到達時間および前記第2到達時間に基づいて、前記複数の配達エリアそれぞれに対応する仮置き場所への巡回スケジュールを生成するスケジュール生成部と、
前記出版物を運搬する第2搬送車両の位置情報を取得する第2搬送車両位置情報取得部と、
前記複数の従業員それぞれに対応する第1到達時間のうち最短の第1到達時間である最短第1到達時間を特定する最短時間特定部と、
前記第2搬送車両位置情報取得部が取得した前記第2搬送車両の位置情報と、前記第1搬送車両の位置情報と、前記地図情報と、に基づいて、前記最短第1到達時間内に前記第1搬送車両と前記第2搬送車両との両方が到達できる合流地点が存在するか否かを判定する合流地点判定部と、を備え、
前記スケジュール生成部は、前記合流地点判定部により合流地点が存在すると判定されると、前記合流地点での前記第2搬送車両から前記第1搬送車両への前記出版物の移載時期と、前記第2搬送車両から移載された前記出版物の予め設定された店舗への配送時期と、を含めて、スケジュール情報を生成する
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スケジュール生成部が、第1到達時間および第2到達時間に基づいて、複数の配達エリアそれぞれに対応する仮置き場所への巡回スケジュールを示すスケジュール情報を生成する。これにより、従業員が仮置き場所へ到達するタイミングと第1搬送車両により仮置き場所へ出版物を調達するタイミングとのずれが低減されるので、出版物の配達業務におけるタイムロスが削減され、出版物の配達業務の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係る出版物配達業務管理システムを示す概略図である。
図2】(A)は実施の形態に係る従業員が所持する端末装置の構成を示すブロック図であり、(B)は実施の形態に係る第1トラックに搭載される端末装置の構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態に係る出版物配達業務管理装置の構成を示すブロック図である。
図4】(A)は実施の形態に係る位置データベースの内容を示す図であり、(B)は実施の形態に係るスケジュールデータベースの内容を示す図である。
図5】実施の形態に係る配達実績データベースの内容を示す図である。
図6】実施の形態に係る出版物配達業務管理システムの動作を示すシーケンス図である。
図7】実施の形態に係る出版物配達業務管理システムの動作を示すシーケンス図である。
図8】実施の形態に係る出版物配達業務管理装置が実行する出版物配達業務管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】実施の形態に係る出版物配達業務管理装置が実行する出版物配達業務管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態に係る出版物配達業務管理システムについて図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
本実施の形態に係る出版物配達業務管理システムは、複数の新聞の配達エリアそれぞれにおいて新聞の配達を行う複数の従業員それぞれが所持する端末装置と、仮置き場所へ出版物を調達する第1搬送車両である第1トラックに搭載される端末装置と、雑誌、書籍等の出版物を積載し予め設定された合流場所まで運搬する第2搬送車両である第2トラックに搭載される端末装置と、新聞、雑誌、書籍等の出版物の配達業務を管理する出版物配達業務管理装置と、を備える。ここで、出版物配達業務管理装置は、新聞を配達する複数の配達エリアを含む地域の地図情報を記憶する地図記憶部と、複数の配達エリアそれぞれに対応する新聞の仮置き場所を記憶する仮置き場所記憶部と、複数の従業員それぞれの位置情報を取得する従業員位置情報取得部と、仮置き場所へ新聞を調達する第1トラックの位置情報を取得する第1トラック位置情報取得部と、複数の従業員それぞれの位置情報および地図情報に基づいて、複数の従業員それぞれが仮置き場所へ到達するまでの第1到達時間を算出する第1到達時間算出部と、第1トラックの位置情報および地図情報に基づいて、第1トラックが仮置き場所へ到達するまでの第2到達時間を算出する第2到達時間算出部と、第1到達時間および第2到達時間に基づいて、複数の配達エリアそれぞれに対応する仮置き場所への巡回スケジュールを生成するスケジュール生成部と、を備える。
【0012】
出版物配達業務管理システムは、図1に示すように、複数の新聞配達エリアそれぞれで新聞配達を行う従業員P1、P2、P3、P4が所持有する端末装置2と、新聞販売店ST1が所有する第1トラックTR1に搭載された端末装置3と、雑誌、書籍等の出版物を運搬する第2トラックTR2に搭載された端末装置4と、新聞販売店に設置された出版物配達業務管理装置1と、を備える。そして、端末装置2、3、4と出版物配達業務管理装置1とは、互いにネットワークを介して接続されている。ネットワークには、LAN(Local Area Network)およびインターネットが含まれる。端末装置2、3、4は、例えばスマートフォンのような携帯電話機である。出版物配達業務管理装置1は、例えば通信機能を備えた汎用のパーソナルコンピュータである。
【0013】
ここで、この出版物配達業務管理システムを使用した出版物の配達業務の流れの概要について説明する。例えば、新聞販売店ST1が、新聞の購読者が居住する新聞の配達エリアA1、A2、A3、A4を管轄しているとする。この場合、従業員P1、P2、P3、P4は、それぞれ、自らが担当する配達エリアA1、A2、A3、A4において、バイクまたは自転車のような二輪車に新聞を載せて各新聞購読者のところへ予め設定された巡回経路に沿って配達する。ここで、従業員P1、P2、P3、P4による新聞配達は、配達エリアA1、A2、A3、A4において同時並行的に行われる。また、各配達エリアA1、A2、A3、A4には、巡回経路の途中に予め設定された量の新聞を仮置きしておく仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4が設けられている。
【0014】
そして、新聞販売店ST1が所有する第1トラックTR1は、仮置きするための新聞を積載して、配達エリアA1、A2、A3、A4それぞれの仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4を巡回して新聞を調達する。ここで、第1トラックTR1は、出版物配達業務管理装置1が生成するスケジュール情報に沿って仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4を巡回する第1搬送車両である。一方、各配達エリアA1、A2、A3、A4で新聞を配達する従業員は、出発時に配達エリアA1、A2、A3、A4に居住する新聞購読者の一部へ配達する量の新聞だけを積載して配達を行う。そして、従業員は、積載した新聞が残り少なくなると、仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4で残りの新聞購読者へ配達する新聞を補充してから残りの配達先C1、C2、C3、C4へ新聞を配達する。
【0015】
また、新聞販売店ST1は、前述のような各配達エリアA1、A2、A3、A4での新聞配達と並行して、仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4へ新聞を運搬するための第1トラックTR1を用いて、雑誌、書籍等の出版物を予め決められたコンビニエンスストアST2へ運搬する業務も行う。第1トラックTR1は、予め決められた合流地点LJ1において、物流会社の所有する第2トラックTR2から雑誌、書籍等の出版物を受け取り、受け取った出版物をコンビニエンスストアST2へ配達する。この第2トラックTR2は、雑誌、書籍等の出版物を発行する出版物卸売業者または印刷工場において出版物を多量に積んでから新聞販売店ST1が管轄する地域の第1トラックTR1との合流地点LJ1へ出版物を運搬する第2搬送車両である。また、合流地点LJ1およびコンビニエンスストアST2は、例えば配達エリアA1、A2、A3、A4の近所または配達エリアA1、A2、A3、A4内に位置する。そして、第1トラックTR1は、例えば、仮置き場所LA1、LA2、LA3を巡回した後、合流地点LJ1で出版物を受け取ってコンビニエンスストアST2へ配達した後、仮置き場所LA4へ向かう。
【0016】
本実施の形態に係る出版物配達業務管理システムでは、出版物配達業務管理装置1が、各従業員の各配達エリア内における位置を示す位置情報を取得し、その位置情報に基づいて、各従業員が仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4へ到達するまでの第1到達時間を算出する。また、出版物配達業務管理装置1は、第1トラックTR1の位置を示す位置情報を取得し、その位置情報に基づいて、第1トラックTR1が各仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4へ到達するまでの第2到達時間を算出する。そして、出版物配達業務管理装置1は、算出した第1到達時間および第2到達時間に基づいて、第1トラックTR1が仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4を巡回するスケジュールを示すスケジュール情報を生成する。ここで、出版物配達業務管理装置1は、第2トラックTR2との合流地点LJ1およびコンビニエンスストアST2への巡回時期を含めて、スケジュール情報を生成する。出版物配達業務管理装置1は、生成したスケジュール情報を、第1トラックTR1に搭載された端末装置3へ送信し、端末装置3は、出版物配達業務管理装置1から受信したスケジュール情報を第1トラックTR1の運転手へ通知する。そして、第1トラックTR1は、端末装置3から通知されるスケジュール情報に沿って、第1トラックTR1を仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4、合流地点LJ1およびコンビニエンスストアST2を巡回する。
【0017】
端末装置2は、図2(A)に示すように、CPU(Central Processing Unit)21と主記憶部22と補助記憶部23と入力部24と表示部25と通信部26とスピーカ27とGPS受信部28と各部を接続するバス29とを備える。また、端末装置3は、図2(B)に示すように、CPU31と主記憶部32と補助記憶部33と表示部35と通信部36とGPS受信部37と各部を接続するバス39とを備える。主記憶部22、32は、RAM(Random Access Memory)であり、CPU21、31の作業領域として使用される。補助記憶部23、33は、半導体メモリのような不揮発性メモリから構成され、端末装置2、3それぞれの各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部26、36は、ネットワークに接続される通信インタフェースを有する。GPS受信部28、37は、GPS信号を受信し、受信したGPS信号に含まれる測位情報を抽出してCPU21へ出力する。表示部25、35は、例えば液晶ディスプレイであり、CPU21、31から入力された各種情報を表示する。入力部24は、例えばタッチパネルであり、従業員P1、P2、P3、P4による操作を受け付けると、操作内容に応じた操作情報をCPU21へ出力する。
【0018】
図2(A)に示すように、CPU21は、補助記憶部23が記憶するプログラムを主記憶部22に読み込んで実行することにより、測位部211、位置情報送信部212、注意喚起情報受信部213、報知部214、配達実績情報取得部215および配達実績通知部216として機能する。測位部211は、GPS受信部28から入力される測位情報に基づいて、端末装置2の位置を測定する。位置情報送信部212は、測位部211が測定した端末装置2の位置、即ち、従業員P1、P2、P3、P4の位置を示す位置情報を、通信部26を介して出版物配達業務管理装置1へ送信する。注意喚起情報受信部213は、出版物配達業務管理装置1から端末装置2宛てに送信される注意喚起情報を、通信部26を介して受信する。ここで、「注意喚起情報」とは、端末装置2を所持する従業員P1、P2、P3、P4がその配達エリアに対応する配達経路から外れている場合に、その旨を従業員P1、P2、P3、P4に通知して従業員P1、P2、P3、P4の注意を喚起するための情報である。報知部214は、注意喚起情報受信部213が注意喚起情報を受信すると、端末装置2を所持する従業員P1、P2、P3、P4に対して配達経路から外れている旨を、スピーカ27を介して音声で通知する。ここで、スピーカ27からは、例えば「順路から外れています。」との音声が出力される。なお、報知部214は、従業員P1、P2、P3、P4が配達経路から外れている場合、その旨を通知する情報を表示部25に表示させるものであってもよい。
【0019】
配達実績情報取得部215は、従業員P1、P2、P3、P4が入力部24に対して表示部25に新聞の配達実績情報を表示させるための操作を行うと、それに応じて、配達実績要求情報を出版物配達業務管理装置1へ送信する。例えば、従業員P1、P2、P3、P4が、配達エリアA1、A2、A3、A4において新聞の配達を一通り終えた後に、新聞の配り忘れが無いか否かを確認する場合、入力部24に対して表示部25に新聞の配達実績情報を表示させるための操作を行う。そして、配達実績情報取得部215は、出版物配達業務管理装置1が配達実績要求情報に応じて送信する配達実績情報を取得する。配達実績通知部216は、配達実績情報取得部215が配達実績情報を取得すると、その配達実績情報を表示部25に表示させる。
【0020】
図2(B)に示すように、CPU31は、補助記憶部33が記憶するプログラムを主記憶部32に読み込んで実行することにより、測位部311、位置情報送信部312、スケジュール受信部313およびスケジュール通知部314として機能する。測位部311は、GPS受信部37から入力される測位情報に基づいて、第1トラックTR1に搭載された端末装置3の位置を測定する。また、補助記憶部33は、出版物配達業務管理装置1から取得したスケジュール情報を記憶するスケジュールDB331を有する。位置情報送信部312は、測位部311が測定した端末装置3の位置、即ち、第1トラックTR1の位置を示す位置情報を、通信部36を介して出版物配達業務管理装置1へ送信する、スケジュール受信部313は、出版物配達業務管理装置1から端末装置3宛てに送信されるスケジュール情報を、通信部36を介して受信する。ここで、「スケジュール情報」とは、端末装置3が搭載された第1トラックTR1の各仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4、合流地点LJ1およびコンビニエンスストアST2を巡回するときの経路を示す巡回経路情報と、巡回先への到達予定時刻を示す到達予定時刻情報と、を含む情報である。スケジュール受信部313は、受信したスケジュール情報をスケジュールDB331に記憶させる。スケジュール通知部314は、スケジュールDB331が記憶するスケジュール情報に含まれる巡回経路情報と到達予定時刻とを表示部35に表示させる。そして、第1トラックTR1の運転手は、端末装置3の表示部35に表示される巡回経路情報と到達予定時刻情報とを参照しながら、第1トラックTR1で各仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4、合流地点LJ1およびコンビニエンスストアST2を巡回する。
【0021】
端末装置4は、端末装置3と同様のハードウェア構成を有し、端末装置3と同様に、測位部(図示せず)と位置情報送信部(図示せず)とを有する。ここで、測位部は、GPS受信部から入力される測位情報に基づいて、第2トラックTR2に搭載された端末装置4の位置を測定する。位置情報送信部は、測位部が測定した端末装置4の位置、即ち、第2トラックTR2の位置を示す位置情報を、通信部を介して出版物配達業務管理装置1へ送信する。また、端末装置4は、出版物配達業務管理装置1から、第1トラックTR1との合流地点LJ1の位置を示す合流地点位置情報を受信すると、受信した合流地点位置情報を表示部(図示せず)に表示させる。
【0022】
出版物配達業務管理装置1は、図3に示すように、CPU11と主記憶部12と補助記憶部13と入力部14と通信部15とを備える。主記憶部12および補助記憶部13のハードウェア構成は、端末装置2、3の主記憶部22、32および補助記憶部23、33と同様である。補助記憶部13は、出版物配達業務管理装置1の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部15は、ネットワークに接続される通信インタフェースを有する。入力部14は、例えばキーボードであり、ユーザが入力する各種操作情報を受け付けて、受け付けた操作情報をCPU11へ出力する。
【0023】
出版物配達業務管理装置1では、CPU11が、補助記憶部13が記憶するプログラムを主記憶部12に読み込んで実行することにより、従業員位置情報取得部111、第1トラック位置情報取得部112、第1到達時間算出部113、第2到達時間算出部114、第2トラック位置情報取得部115、最短時間特定部116、合流地点判定部117、合流地点情報送信部118、スケジュール生成部119、スケジュール送信部120、順路判定部121、注意喚起情報送信部122、順路情報更新部123、停止時間特定部124、配達実績判定部125、および配達実績情報送信部126として機能する。また、補助記憶部13は、地図データベース(以下、「DB」と称する。)131と、仮置き場所DB132と、位置DB133と、スケジュールDB134と、配達先DB135と、速度DB136と、合流地点候補DB137と、店舗位置DB138と、配達順路DB139と、配達実績DB140と、を有する。地図DB131は、少なくとも配達エリアA1、A2、A3、A4を含む地域の地図情報を記憶する地図記憶部である。地図情報は、例えば道路情報、建物情報等の複数の情報を階層的に組み合わせてものである。また、地図情報は、対応する地図上の距離と、その地図で表されるエリアにおける実際の距離と、の対応関係を示す情報も含んでいる。
【0024】
仮置き場所DB132は、配達エリアA1、A2、A3、A4それぞれに対応する新聞の仮置き場所の位置情報を記憶する仮置き場所記憶部である。具体的には、仮置き場所DB132は、前述の地図情報中における各配達エリアA1、A2、A3、A4における仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4の位置情報を記憶する。ここで、仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4の位置情報は、地図情報が示す地図上における仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4の位置を示す座標として表される。
【0025】
位置DB133は、例えば図4(A)に示すように、従業員P1、P2、P3、P4毎に、従業員P1、P2、P3、P4の位置情報を、時刻情報に対応づけて記憶する従業員位置情報記憶部である。位置DB133では、各従業員P1、P2、P3、P4の位置情報および時刻情報が、各従業員P1、P2、P3、P4に付与された従業員識別情報IDW[i](i=0、1、2、・・・)で管理されている。ここで、従業員P1、P2、P3、P4の位置情報は、地図情報が示す地図上における従業員P1、P2、P3、P4が存在する場所の位置を示す座標として表される。
【0026】
図3に戻って、スケジュールDB134は、第1トラックTR1が、配達エリアA1、A2、A3、A4の仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4、合流地点LJ1およびコンビニエンスストアST2への巡回スケジュールを示すスケジュール情報を記憶する。スケジュールDB134は、例えば図4(B)に示すように、巡回先の位置情報と、各巡回先への到着予定時刻を示す到着予定時刻情報と、を互いに対応づけて記憶している。
【0027】
図3に戻って、配達先DB135は、各配達エリアA1、A2、A3、A4において従業員P1、P2、P3、P4が新聞を配達すべき配達先の位置情報を記憶する配達先位置情報記憶部である。ここで、配達先の位置情報は、地図情報が示す地図上における配達先の位置を示す座標として表される。
【0028】
速度DB136は、各従業員P1、P2、P3、P4の移動速度、第1トラックTR1の移動速度および第2トラックTR2の移動速度それぞれを示す速度情報を記憶する。合流地点候補DB137は、第1トラックTR1と第2トラックTR2とが合流する合流地点の候補となる場所の位置情報を記憶する。ここで、合流地点の候補となる場所の位置情報は、地図情報が示す地図上における合流地点の候補となる場所の位置を示す座標として表される。
【0029】
店舗位置DB138は、例えばコンビニエンスストアST2のような配達エリアA1、A2、A3、A4の近辺または配達エリアA1、A2、A3、A4内に位置する雑誌、書籍等の刊行物の配達先となる店舗の位置情報を記憶する。ここで、刊行物の配達先となる店舗の位置情報は、地図情報が示す地図上における刊行物の配達先となる店舗の位置を示す座標として表される。配達順路DB139は、各配達エリアA1、A2、A3、A4内における新聞の配達順路を示す順路情報を記憶する順路情報記憶部である。この順路情報は、例えば配達エリアA1、A2、A3、A4毎に、前述の地図情報が示す地図上における新聞を配達する配達経路を示す情報、即ち、地図上における配達経路に沿った複数の座標を示す情報を含んでいる。
【0030】
配達実績DB140は、例えば図5に示すように、各新聞の配達先について新聞が配達されているか否かを判定した結果を示す判定結果フラグ情報を、各配達先の識別情報IDD[j](j=0、1、2、・・・)に対応づけて記憶する。ここで、判定結果フラグ情報は、配達先へ新聞の配達が完了している場合、「F1(配達完了)」に設定され、配達先へ未だ新聞が配達されていない場合、「F2(未配達)」に設定される。そして、配達実績DB140は、新聞の配達先へ新聞が配達されているか否かの判定結果を示す情報が、配達エリアA1、A2、A3、A4に付与された配達エリア識別情報IDA[k](k=0、1、2、・・・)で管理されている。
【0031】
図3に戻って、従業員位置情報取得部111は、各配達エリアA1、A2、A3、A4において新聞の配達を行う従業員P1、P2、P3、P4それぞれの位置情報を、従業員P1、P2、P3、P4が所持する端末装置2から取得する。
【0032】
第1トラック位置情報取得部112は、第1トラックTR1に搭載された端末装置3から第1トラックTR1の位置情報を取得する第1搬送車両位置情報取得部である。
【0033】
第1到達時間算出部113は、従業員位置情報取得部111が取得した従業員P1、P2、P3、P4それぞれの位置情報と、仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4の位置情報と、配達順路DB139が記憶する順路情報と、地図DB131が記憶する地図情報と、に基づいて、従業員P1、P2、P3、P4それぞれが仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4へ到達するまでの第1到達時間を算出する。具体的には、第1到達時間算出部113は、従業員P1、P2、P3、P4の位置情報と、それに対応する配達エリアA1、A2、A3、A4における仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4の位置情報と、順路情報と、地図情報に含まれる道路情報と、から、従業員P1、P2、P3、P4の位置を示す座標から仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4の位置を示す座標に至るまでの配達経路を特定する。次に、第1到達時間算出部113は、特定した配達経路の長さを算出する。続いて、第1到達時間算出部113は、地図情報に基づいて、配達経路の実際の距離を算出する。そして、第1到達時間算出部113は、速度DB136から従業員P1、P2、P3、P4の速度情報を取得し、算出した距離を速度情報が示す移動速度で除することにより、第1到達時間を算出する。
【0034】
第2到達時間算出部114は、第1トラック位置情報取得部112が取得した第1トラックTR1の位置情報と、仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4の位置情報と、地図DB131が記憶する地図情報と、に基づいて、第1トラックTR1が仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4へ到達するまでの第2到達時間を算出する。具体的には、第2到達時間算出部114は、第1トラックTR1の位置情報と、配達エリアA1、A2、A3、A4における仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4の位置情報と、地図情報に含まれる道路情報と、から、第1トラックTR1の位置を示す座標から仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4の位置を示す座標に至るまでの経路を特定する。次に、第2到達時間算出部114は、特定した経路の長さを算出する。続いて、第2到達時間算出部114は、地図情報に基づいて、前述の経路の長さに相当する実際の距離を算出する。そして、第2到達時間算出部114は、速度DB136から第1トラックTR1の速度情報を取得し、算出した距離を速度情報が示す移動速度で除することにより、第2到達時間を算出する。
【0035】
第2トラック位置情報取得部115は、第2トラックTR2に搭載された端末装置4から第2トラックTR2の位置情報を取得する第2搬送車両位置情報取得部である。
【0036】
最短時間特定部116は、従業員P1、P2、P3、P4それぞれに対応する第1到達時間のうち最短の第1到達時間である最短第1到達時間を特定する。
【0037】
合流地点判定部117は、第2トラック位置情報取得部が取得した第2トラックTR2の位置情報と、第1トラックTR1の位置情報と、地図情報と、に基づいて、最短第1到達時間内に第1トラックTR1と第2トラックTR2との両方が到達できる合流地点が存在するか否かを判定する。合流地点判定部117は、合流地点候補DBから合流地点の候補場所それぞれの位置情報を取得し、取得した合流地点の候補場所の位置情報と、第1トラックTR1の位置情報と、地図DB131が記憶する地図情報と、に基づいて、第1トラックTR1が各合流地点の候補場所に到達するまでの時間に相当する第1候補場所到達時間を算出する。具体的には、合流地点判定部117は、第1トラックTR1の位置情報と、合流地点の候補場所の位置情報と、地図情報に含まれる道路情報と、から、第1トラックTR1の位置を示す座標から合流地点の候補場所の位置を示す座標それぞれに至るまでの経路を特定する。次に、合流地点判定部117は、特定した経路の長さを算出し、地図情報に基づいて、算出した経路の長さに相当する実際の距離を算出する。そして、合流地点判定部117は、速度DB136から第1トラックTR1の速度情報を取得し、算出した距離を速度情報が示す移動速度で除することにより、第1候補場所到達時間を算出する。
【0038】
また、合流地点判定部117は、取得した合流地点の候補場所の位置情報と、第2トラックTR2の位置情報と、地図DB131が記憶する地図情報と、に基づいて、第2トラックTR2が各合流地点の候補場所に到達するまでの時間に相当する第2候補場所到達時間を算出する。具体的には、合流地点判定部117は、第2トラックTR2の位置情報と、合流地点の候補場所の位置情報と、地図情報に含まれる道路情報と、から、第2トラックTR2の位置を示す座標から合流地点の候補場所の位置を示す座標それぞれに至るまでの経路を特定する。次に、合流地点判定部117は、特定した経路の長さを算出し、地図情報に基づいて、算出した経路の長さに相当する実際の距離を算出する。そして、合流地点判定部117は、速度DB136から第2トラックTR2の速度情報を取得し、算出した距離を速度情報が示す移動速度で除することにより、第2候補場所到達時間を算出する。そして、合流地点判定部117は、第1候補場所到達時間と第2候補場所到達時間とが最短第1到達時間以下となる合流地点の候補場所が存在する場合、最短第1到達時間内に第1トラックTR1と第2トラックTR2との両方が到達できる合流地点が存在すると判定する。そして、合流地点判定部117は、その合流地点の候補場所を合流地点情報送信部118とスケジュール生成部119とに通知する。
【0039】
合流地点情報送信部118は、合流地点判定部117から通知される合流地点の位置を示す合流地点位置情報を、第2トラックTR2に搭載された端末装置4宛てに送信する。
【0040】
スケジュール生成部119は、前述の第1到達時間および第2到達時間に基づいて、配達エリアA1、A2、A3、A4それぞれに対応する仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4への巡回スケジュールを示すスケジュール情報を生成する。スケジュール生成部119は、まず、従業員P1、P2、P3、P4が新聞販売店ST1を出発した時刻、新聞販売店ST1から配達エリアA1、A2、A3、A4に到達するまでの時間および前述の第1到達時間に基づいて、従業員P1、P2、P3、P4が仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4に到着する時刻である置き場所到着時刻を算出する。そして、スケジュール生成部119は、算出した仮置き場所到着時刻が早い配達エリアA1、A2、A3、A4ほど、早い時刻に仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4へ第1トラックTR1が到着するようにスケジュール情報を生成する。また、スケジュール生成部119は、合流地点判定部117により合流地点LJ1が存在すると判定されると、合流地点LJ1での第2トラックTR2から第1トラックTR1への出版物の移載時期と、第2トラックTR2から移載された出版物のコンビニエンスストアST2への配送時期と、を含めて、スケジュール情報を生成する。ここで、スケジュール生成部119は、店舗位置DB138からコンビニエンスストアST2の位置情報を取得し、取得したコンビニエンスストアST2の位置情報と合流地点LJ1の位置情報とに基づいて、出版物のコンビニエンスストアST2への配送時期を決定する。具体的には、スケジュール生成部119は、
また、スケジュール生成部119は、生成したスケジュール情報をスケジュールDB134に記憶させる。
【0041】
スケジュール送信部120は、スケジュールDB134からスケジュール情報を取得し、取得したスケジュール情報を、第1トラックTR1に搭載された端末装置3宛てに送信する。
【0042】
順路判定部121は、配達順路DB139が記憶する順路情報と、従業員P1、P2、P3、P4の位置情報と、に基づいて、配達エリアA1、A2、A3、A4において新聞配達中の従業員P1、P2、P3、P4が順路情報の示す配達経路から外れているか否かを判定する。具体的には、順路判定部121は、従業員P1、P2、P3、P4の地図上における座標が順路情報の示す配達経路に沿った複数の座標を含み複数の座標それぞれから予め設定された距離の範囲から外れると、従業員P1、P2、P3、P4が配達経路から外れたと判定する。
【0043】
注意喚起情報送信部122は、順路判定部121により従業員P1、P2、P3、P4が配達経路から外れていると判定されると、配達経路から外れている従業員P1、P2、P3、P4の所持する端末装置2へ、注意喚起情報を送信する。
【0044】
順路情報更新部123は、配達エリアA1、A2、A3、A4それぞれにおける配達先の状況の変化に応じて、順路情報を配達先の状況に最適な順路を示す順路情報に更新する。例えば、新聞販売店ST1の管理者が、入力部14を介して、配達エリアA1、A2、A3、A4における新たな新聞の配達先の住所を入力したとする。そうすると、順路情報更新部123は、まず、地図情報に基づいて、入力された新たな新聞の配達先の住所に対応する座標を特定し、新たな配達先の位置情報を生成する。次に、順路情報更新部123は、配達エリアA1、A2、A3、A4から既存の新聞の配達先の位置情報を取得し、取得した位置情報と、生成した新たな配達先の位置情報と、に基づいて、新たな配達経路を示す順路情報を生成する。そして、順路情報更新部123は、新たに生成した順路情報を用いて、予め配達順路DB139が記憶する順路情報を更新する。また、新聞販売店ST1の管理者が、入力部14を介して、配達エリアA1、A2、A3、A4における、配達先の住人の引っ越し、出張等により不在となる配達先の住所を入力したとする。そうすると、順路情報更新部123は、まず、地図情報に基づいて、入力された新たな新聞の配達先の住所に対応する座標を特定し、新たな配達先の位置情報を生成する。次に、順路情報更新部123は、配達エリアA1、A2、A3、A4から既存の新聞の配達先の位置情報を取得し、取得した位置情報と、生成した新たな配達先の位置情報と、に基づいて、新たな配達経路を示す順路情報を生成する。そして、順路情報更新部123は、新たに生成した順路情報を用いて、予め配達順路DB139が記憶する順路情報を更新する。
【0045】
停止時間特定部124は、位置DB133が記憶する従業員P1、P2、P3、P4の位置情報の履歴に基づいて、新聞を配達すべき配達先の位置とそれ以外の位置での従業員P1、P2、P3、P4の停止時間を特定する。停止時間特定部124は、従業員P1、P2、P3、P4が所持する端末装置2から、配達実績情報の送信を出版物配達業務管理装置1へ要求するための配達実績要求情報を受信した場合、従業員P1、P2、P3、P4の各位置での停止時間を特定する。
【0046】
配達実績判定部125は、停止時間特定部123により特定された各位置での停止時間に基づいて、新聞を配達すべき配達先へ新聞が配達されているか、および、新聞を配達する必要のない場所へ新聞が配達されているか、を判定する。具体的には、配達実績判定部125は、配達先のうち、停止時間が予め設定された基準時間以上である配達先について、従業員P1、P2、P3、P4が停止しており、配達先へ新聞を投函する作業を行っていると判断する。そして、配達実績判定部125は、配達実績DB140が記憶する、新聞を投函する作業を行っていると判断した配達先に対応する判定結果プラグ情報を「F1(配達完了)」に設定する。一方、配達実績判定部125は、配達先のうち、停止時間が予め設定された基準時間未満である配達先について、従業員P1、P2、P3、P4がその配達先を通り過ぎており、配達先へ新聞が投函されていないと判断する。そして、配達実績判定部125は、配達実績DB140が記憶する、新聞が投函されていないと判断した配達先に対応する判定結果プラグ情報を「F2(未配達)」に設定する。
【0047】
配達実績情報送信部126は、配達実績DB140が記憶する判定結果プラグ情報を含む配達実績情報を、従業員P1、P2、P3、P4の所持する端末装置2宛てに送信する。
【0048】
次に、本実施の形態に係る出版物配達業務管理システムの動作について図6および図7を参照しながら説明する。ここでは、従業員P1、P2、P3、P4が新聞販売店ST1を出発し、各配達エリアA1、A2、A3、A4で新聞の配達を行っている途中であるとする。
【0049】
まず、図6に示すように、従業員P1、P2、P3、P4が所持する端末装置2が、自装置の位置を測位する(ステップS1)。次に、端末装置2が自装置の位置を測位して得られる位置情報が、端末装置2から出版物配達業務管理装置1へ送信される(ステップS2)。続いて、出版物配達業務管理装置1が、配達順路DB139が記憶する順路情報と、従業員P1、P2、P3、P4の位置情報と、に基づいて、配達エリアA1、A2、A3、A4において新聞配達中の従業員P1、P2、P3、P4が順路情報の示す配達経路から外れていると判定したとする(ステップS3)。この場合、前述の注意喚起情報が、出版物配達業務管理装置1から配達経路から外れている従業員の所持する端末装置2へ送信される(ステップS4)。
【0050】
一方、端末装置2は、注意喚起情報を受信すると、その端末装置2を所持する従業員P1、P2、P3、P4に対して配達経路から外れている旨を通知する(ステップS5)。また、第1トラックTR1に搭載されている端末装置3が、自装置の位置を測位し(ステツプS6)、端末装置3が自装置の位置を測位して得られる位置情報が、端末装置3から出版物配達業務管理装置1へ送信される(ステップS7)。更に、第2トラックTR2に搭載されている端末装置4が、自装置の位置を測位し(ステップS8)、端末装置4が自装置の位置を測位して得られる位置情報が、端末装置4から出版物配達業務管理装置1へ送信される(ステップS9)。
【0051】
その後、出版物配達業務管理装置1は、従業員P1、P2、P3、P4それぞれの位置情報と、仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4の位置情報と、地図情報と、に基づいて、従業員P1、P2、P3、P4それぞれが仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4へ到達するまでの第1到達時間を算出する(ステップS10)。次に、出版物配達業務管理装置1は、第1トラックTR1の位置情報と、仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4の位置情報と、地図情報と、に基づいて、第1トラックTR1が仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4へ到達するまでの第2到達時間を算出する(ステップS11)。
【0052】
続いて、出版物配達業務管理装置1は、従業員P1、P2、P3、P4それぞれに対応する第1到達時間のうち最短の第1到達時間である最短第1到達時間を特定する(ステップS12)。
【0053】
その後、出版物配達業務管理装置1は、第2トラックTR2の位置情報と、第1トラックTR1の位置情報と、地図情報と、に基づいて、最短第1到達時間内に第1トラックTR1と第2トラックTR2との両方が到達できる合流地点LJ1が存在すると判定したとする(ステップS13)。この場合、その合流地点LJ1の位置を示す合流地点位置情報が、出版物配達業務管理装置1から第2トラックTR2に搭載された端末装置4宛てに送信される(ステップS14)。
【0054】
次に、出版物配達業務管理装置1は、前述の第1到達時間および第2到達時間に基づいて、スケジュール情報を生成する(ステップS16)。ここで、出版物配達業務管理装置1は、合流地点LJ1での第2トラックTR2から第1トラックTR1への出版物の移載時期および第2トラックTR2から移載された出版物のコンビニエンスストアST2への配送時期と、を含めて、スケジュール情報を生成する。続いて、生成されたスケジュール情報が、出版物配達業務管理装置1から第1トラックTR1に搭載された端末装置3へ送信される(ステップS17)。一方、端末装置3は、出版物配達業務管理装置1から受信したスケジュール情報を表示部35に表示させることにより、第1トラックTR1の巡回スケジュールを第1トラックTR1の運転手へ通知する(ステップS18)。
【0055】
その後、図7に示すように、従業員P1、P2、P3、P4が、配達エリアA1、A2、A3、A4での新聞の配達を完了し、新聞の配り忘れが無いか否かを確認するために入力部24に対して表示部25に新聞の配達実績情報を表示させるための操作を行ったとする。この場合、配達実績情報の送信を出版物配達業務管理装置1へ要求するための配達実績要求情報が、端末装置2から出版物配達業務管理装置1へ送信される(ステップS19)。
【0056】
一方、出版物配達業務管理装置1は、新聞を配達すべき配達先の位置とそれ以外の位置での従業員P1、P2、P3、P4の停止時間を特定する(ステップS20)。次に、出版物配達業務管理装置1は、各位置での停止時間に基づいて、新聞を配達すべき配達先へ新聞が配達されているか、および、新聞を配達する必要のない場所へ新聞が配達されているか、即ち、従業員P1、P2、P3、P4の配達実績を判定する(ステップS21)。これにより、従業員P1、P2、P3、P4の配達実績を示す配達実績情報が生成される。続いて、生成された配達実績情報が、出版物配達業務管理装置1から端末装置2へ送信される(ステップS22)。一方、端末装置2は、出版物配達業務管理装置1から配達実績情報を受信すると、その配達実績情報を表示部25に表示させる(ステップS23)。
【0057】
次に、本実施の形態に係る出版物配達業務管理装置1が実行する出版物配達業務管理処理について図8および図9を参照しながら説明する。この出版物配達業務管理処理は、例えば新聞販売店ST1の管理者が出版物配達業務管理装置1へ電源を投入したことを契機として開始される。
【0058】
まず、従業員位置情報取得部111は、図8に示すように、従業員P1、P2、P3、P4が所持する端末装置2から端末装置2の位置情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。従業員位置情報取得部111が、端末装置2から端末装置2の位置情報を取得していないと判定すると(ステップS101:No)、後述のステップS113の処理が実行される。
【0059】
一方、従業員位置情報取得部111は、端末装置2から端末装置2の位置情報を取得したと判定すると(ステップS101:Yes)、受信した端末装置2の位置情報を位置DB133に記憶させる(ステップS102)。
【0060】
次に、順路判定部121は、配達順路DB139が記憶する順路情報と、従業員P1、P2、P3、P4の位置情報と、に基づいて、配達エリアA1、A2、A3、A4において新聞配達中の従業員P1、P2、P3、P4が順路情報の示す配達経路から外れているか否かを判定する(ステップS103)。順路判定部121が、新聞配達中の従業員P1、P2、P3、P4が順路情報の示す配達経路から外れていないと判定すると(ステップS103:No)、後述のステップS105の処理が実行される。一方、順路判定部121が、新聞配達中の従業員P1、P2、P3、P4が順路情報の示す配達経路から外れていると判定したとする(ステップS103:Yes)。この場合、注意喚起情報送信部122が、配達経路から外れている従業員P1、P2、P3、P4の所持する端末装置2へ、注意喚起情報を送信する(ステップS104)。
【0061】
続いて、第1トラック位置情報取得部112が、第1トラックTR1に搭載された端末装置3から第1トラックTR1の位置情報を取得したと判定し、且つ、第2トラック位置情報取得部115が、第2トラックTR2に搭載された端末装置4から第2トラックTR2の位置情報を取得したと判定したか否かを判定する(ステップS105)。ここで、第1トラック位置情報取得部112が、第1トラックTR1の位置情報を取得していないと判定しているか、または、第2トラック位置情報取得部115が、第2トラックTR2の位置情報を取得していないと判定しているとする(ステップS105:No)。この場合、後述のステップS113の処理が実行される。
【0062】
一方、第1トラック位置情報取得部112が、第1トラックTR1に搭載された端末装置3から第1トラックTR1の位置情報を取得したと判定し、且つ、第2トラック位置情報取得部115が、第2トラックTR2に搭載された端末装置4から第2トラックTR2の位置情報を取得したと判定したとする(ステップS105:Yes)。この場合、第1到達時間算出部113は、従業員P1、P2、P3、P4それぞれの位置情報と、仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4の位置情報と、地図情報と、に基づいて、従業員P1、P2、P3、P4それぞれが仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4へ到達するまでの第1到達時間を算出する(ステップS106)。
【0063】
その後、第2到達時間算出部114は、第1トラックTR1の位置情報と、仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4の位置情報と、地図情報と、に基づいて、第1トラックTR1が仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4へ到達するまでの第2到達時間を算出する(ステップS107)。
【0064】
次に、最短時間特定部116は、従業員P1、P2、P3、P4それぞれに対応する第1到達時間のうち最短の第1到達時間である最短第1到達時間を特定する(ステップS108)。
【0065】
続いて、合流地点判定部117は、第2トラックTR2の位置情報と、第1トラックTR1の位置情報と、地図情報と、に基づいて、最短第1到達時間内に第1トラックTR1と第2トラックTR2との両方が到達できる合流地点が存在するか否かを判定する(ステップS109)。合流地点判定部117が、最短第1到達時間内に第1トラックTR1と第2トラックTR2との両方が到達できる合流地点が存在しないと判定すると(ステップS109:No)、後述するステップS111の処理が実行される。
【0066】
一方、合流地点判定部117が、最短第1到達時間内に第1トラックTR1と第2トラックTR2との両方が到達できる合流地点が存在すると判定したとする(ステップS109:No)。この場合、合流地点情報送信部118は、合流地点の位置を示す合流地点位置情報を、第2トラックTR2に搭載された端末装置4宛てに送信する。
【0067】
その後、スケジュール生成部119は、前述の第1到達時間および第2到達時間に基づいて、配達エリアA1、A2、A3、A4それぞれに対応する仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4への巡回スケジュールを示すスケジュール情報を生成する(ステップS111)。ここで、スケジュール生成部119は、合流地点判定部117により合流地点LJ1が存在すると判定された場合、合流地点LJ1での第2トラックTR2から第1トラックTR1への出版物の移載時期と、第2トラックTR2から移載された出版物のコンビニエンスストアST2への配送時期と、を含めて、スケジュール情報を生成する。
【0068】
次に、スケジュール送信部120は、スケジュール生成部119が生成したスケジュール情報を、第1トラックTR1に搭載された端末装置3宛てに送信する(ステップS112)。
【0069】
続いて、停止時間特定部124は、図9に示すように、従業員P1、P2、P3、P4の所持する端末装置2から各配達エリアA1、A2、A3、A4での配達実績を示す配達実績情報の送信を要求する配達実績要求情報を受信したか否かを判定する(ステップS113)。停止時間特定部124が、配達実績要求情報を受信しないと判定すると(ステップS113)、再び前述のステップS101の処理が実行される。
【0070】
一方、停止時間特定部124は、配達実績要求情報を受信したと判定すると(ステップS113)、位置DB133が記憶する従業員P1、P2、P3、P4の位置情報の履歴に基づいて、新聞を配達すべき配達先の位置とそれ以外の位置での従業員P1、P2、P3、P4の停止時間を特定する(ステップS114)。
【0071】
その後、配達実績判定部125は、停止時間特定部123により特定された各位置での停止時間に基づいて、各配達エリアA1、A2、A3、A4における配達実績を判定する(ステップS115)。即ち、配達実績判定部125は、各配達エリアA1、A2、A3、A4について、新聞を配達すべき配達先へ新聞が配達されているか、および、新聞を配達する必要のない場所へ新聞が配達されているか、を判定する。
【0072】
次に、配達実績情報送信部126は、配達実績判定部125による判定結果を示す判定結果フラグ情報を含む配達実績情報を、従業員P1、P2、P3、P4の所持する端末装置2宛てに送信する(ステップS116)。その後、再びステップS101の処理が実行される。
【0073】
以上説明したように、本実施の形態に係る出版物配達業務管理装置1によれば、スケジュール生成部119が、第1到達時間および第2到達時間に基づいて、配達エリアA1、A2、A3、A4それぞれに対応する仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4への巡回スケジュールを示すスケジュール情報を生成する。これにより、従業員P1、P2、P3、P4が仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4へ到達するタイミングと第1トラックTR1により仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4へ新聞を調達するタイミングとのずれが低減される。従って、新聞の配達業務におけるタイムロスが削減され、出版物の配達業務の効率化を図ることができる。
【0074】
また、本実施の形態に係る出版物配達業務管理装置1によれば、スケジュール生成部119が、合流地点判定部117により合流地点LJ1が存在すると判定されると、合流地点LJ1での第2トラックTR2から第1トラックTR1への出版物の移載時期と、第2トラックTR2から移載された出版物のコンビニエンスストアST2への配送時期と、を含めて、スケジュール情報を生成する。これにより、第1トラックTR1による仮置き場所LA1、LA2、LA3、LA4への新聞の調達とともに、第2トラックTR2から第1トラックTR1への出版物の移載も可能となる。従って、第1トラックTR1を新聞調達のみならず出版物のコンビニエンスストアST2への輸送にも適用することが可能となる。
【0075】
更に、本実施の形態に係る出版物配達業務管理装置1によれば、順路判定部121が、順路情報と、従業員P1、P2、P3、P4の位置情報と、に基づいて、新聞配達中の従業員P1、P2、P3、P4が配達経路から外れているか否かを判定する。そして、注意喚起情報送信部122が、順路判定部121により従業員P1、P2、P3、P4が配達経路から外れていると判定されると、配達経路から外れている従業員P1、P2、P3、P4の所持する端末装置2へ、注意喚起情報を送信する。また、本実施の形態に係る端末装置2は、注意喚起情報を受信すると、その旨を音声で従業員P1、P2、P3、P4へ通知する。これにより、新聞配達を行う従業員P1、P2、P3、P4は、配達経路から外れていることを早期に認識できるので、新聞配達における時間ロスが低減される。
【0076】
また、本実施の形態に係る出版物配達業務管理装置1によれば、配達実績判定部125が、各配達エリアA1、A2、A3、A4において、新聞を配達すべき配達先へ新聞が配達されているか、および、新聞を配達する必要のない場所へ新聞が配達されているか、を判定する。これにより、従業員P1、P2、P3、P4は、新聞の誤配を早期に発見して誤配を解消することができるので、新聞配達の正確性を高めることができる。
【0077】
更に、本実施の形態に係る出版物配達業務管理装置1によれば、順路情報更新部123が、配達エリアA1、A2、A3、A4それぞれにおける配達先の状況の変化に応じて、順路情報を配達先の状況に最適な順路を示す順路情報に更新する。これにより、従業員P1、P2、P3、P4は、配達先の状況に応じた適切な配達経路で新聞配達を行うことができるので、新聞配達の効率化が図られる。
【0078】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、第1トラックTR1の代わりに、ワンボックスカー、乗用車等の他の種類の第1搬送車両が採用されてもよい。
【0079】
また、本発明に係る出版物配達業務管理装置1の各種機能は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、ネットワークに接続されているコンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、コンピュータシステムが読み取り可能な非一時的な記録媒体(CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等)に格納して配布し、当該プログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行する出版物配達業務管理装置1を構成してもよい。
【0080】
また、コンピュータにプログラムを提供する方法は任意である。例えば、プログラムは、通信回線の掲示版(BBS(Bulletin Board System))にアップロードされ、通信回線を介してコンピュータに配信されてもよい。そして、コンピュータは、このプログラムを起動して、OS(Operating System)の制御の下、他のアプリケーションと同様に実行する。これにより、コンピュータは、上述の処理を実行する出版物配達業務管理装置1として機能する。
【0081】
以上、本発明の各実施の形態および変形例(なお書きに記載したものを含む。以下、同様。)について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態及び変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、新聞、書籍、雑誌等の出版物の配達業務への適用に好適である。
【符号の説明】
【0083】
1:出版物配達業務管理装置、2,3,4:端末装置、11,21,31:CPU、12,22,32:主記憶部、13,23,33:補助記憶部、14,24:入力部、15,26,36:通信部、25,35:表示部、27:スピーカ、28,37:GPS受信部、111:従業員位置情報取得部、112:第1トラック位置情報取得部、113:第1到達時間算出部、114:第2到達時間算出部、115:第2トラック位置情報取得部、116:最短時間特定部、117:合流地点判定部、118:合流地点情報送信部、119:スケジュール生成部、120:スケジュール送信部、121:順路判定部、122:注意喚起情報送信部、123:順路情報更新部、124:停止時間特定部、125:配達実績判定部、126:配達実績情報送信部、131:地図DB、132:仮置き場所DB、133:位置DB、134:スケジュールDB、135:配達先DB、136:速度DB、137:合流地点候補DB、138:店舗位置DB、139:配達順路DB、140:配達実績DB、211,311:測位部、212,312:位置情報送信部、213:注意喚起情報受信部、214:報知部、215:配達実績情報取得部、216:配達実績通知部、313:スケジュール受信部、314:スケジュール通知部、331:スケジュールDB、A1,A2,A3,A4:配達エリア、C1,C2,C3,C4:配達先、LA1,LA2,LA3,LA4:仮置き場所、LJ1:合流地点、P1,P2,P3,P4:従業員、ST1:新聞販売店、ST2:コンビニエンスストア、TR1:第1トラック、TR2:第2トラック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9