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特許7250341ゴム組成物、それを用いた老化防止ゴム製品および製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】ゴム組成物、それを用いた老化防止ゴム製品および製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/06 20060101AFI20230327BHJP
   C08L 23/16 20060101ALI20230327BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20230327BHJP
   C08K 5/14 20060101ALI20230327BHJP
   C08K 3/06 20060101ALI20230327BHJP
   C08L 91/00 20060101ALI20230327BHJP
   C08J 3/20 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
C08L23/06
C08L23/16
C08K3/013
C08K5/14
C08K3/06
C08L91/00
C08J3/20 D CES
【請求項の数】 46
(21)【出願番号】P 2019559143
(86)(22)【出願日】2018-01-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 CN2018072361
(87)【国際公開番号】W WO2018130192
(87)【国際公開日】2018-07-19
【審査請求日】2021-01-12
(31)【優先権主張番号】201810020850.6
(32)【優先日】2018-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710025140.8
(32)【優先日】2017-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519253823
【氏名又は名称】ハンジョウ シングル テクノロジーズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HANGZHOU XINGLU TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Patent Department,Room 102,BuildingNo.17,No.1,Jiaogong Road,Xihu District,Hangzhou,Zhejiang 310012,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】シュー,タオ
(72)【発明者】
【氏名】フー,ジー シェン
(72)【発明者】
【氏名】ウ,アン ヤン
【審査官】尾立 信広
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103980596(CN,A)
【文献】国際公開第2009/072553(WO,A1)
【文献】特表2020-505499(JP,A)
【文献】特表2020-507000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00-13/08
C08F 6/00-246/00
C08F 4/60-4/70
C08J 3/00-3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量部で、分岐ポリエチレンの含有量a:10≦a≦100部であり、エチレン-プロピレン共重合体(EPM)とエチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体(EPDM)の含有量b:0≦b≦90部(a+b=100)であるゴムマトリックスと、ゴムマトリックス100重量部に対して、架橋剤1.5~10部、補強充填剤30~200部、可塑剤5~250部を含む必須成分と、を含むゴム組成物であって、分岐ポリエチレンは、エチレンホモポリマーであって、分岐度が80~105分岐/1000炭素、重量平均分子量が25.0万~40.0万、ムーニー粘度ML(1+4)125℃が40~95であることを特徴とする、老化防止製品を製造するためのゴム組成物。
【請求項2】
前記ゴムマトリックス100重量部のうち、分岐ポリエチレンの含有量a:10≦a≦100部であり、EPMとEPDMの含有量b:0≦b≦90部(a+b=100)であり、分岐ポリエチレンは、エチレンホモポリマーであって、分岐度が82~102分岐/1000炭素であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
重量部で、分岐ポリエチレン100重量部を含むゴムマトリックスと、ゴムマトリックス100重量部に対して、架橋剤1.5~10部、補強充填剤30~200部、可塑剤8~150部を含む必須成分と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項4】
前記架橋剤は、過酸化物架橋剤および硫黄の少なくとも一つを含み、過酸化物架橋剤は、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert-ブチルクミルパーオキサイド、1,1-ジ-tert-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネートの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項5】
前記補強充填剤が、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク粉、焼成クレー、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウムの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項6】
前記可塑剤は、パインタール油、モーター油、ナフテン油、パラフィン油、クマロンステアリン酸、パラフィン、液体ポリイソブチレンの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項7】
ゴムマトリックス100重量部に対して、架橋助剤0.2~10部、安定剤0.5~3部、金属酸化物2~15部、加硫促進剤0~3部を含む補助成分をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項8】
前記架橋助剤は、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリアリルトリメリテート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、N,N’-ビスフルフリリデンアセトン、1,2-ポリブタジエン、p-キノンジオキシム、硫黄および不飽和カルボン酸金属塩の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項7に記載のゴム組成物。
【請求項9】
前記金属酸化物は、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、一酸化鉛、四酸化三鉛の少なくとも一つであることを特徴とする請求項7に記載のゴム組成物。
【請求項10】
前記安定剤は、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンポリマー、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、2-メルカプトベンズイミダゾールの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項7に記載のゴム組成物。
【請求項11】
前記加硫促進剤は、2-チオールベンゾチアゾール、ジベンゾチアゾールジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、ビスマレイミド、エチレンチオ尿素の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項7に記載のゴム組成物。
【請求項12】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、ゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置する工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
(2)放置後の混練ゴムを予熱された金型のキャビティ内に充填し、高温加圧加硫を行い、加硫が完了した後、離型して加硫ゴムを得る加硫工程と、
を含む請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物の加工方法。
【請求項13】
鋼板とゴムシート層とを含む橋用プレート型ゴムサポーターにおいて、ゴムシート層が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とする橋用プレート型ゴムサポーター。
【請求項14】
鋼板、テフロン(登録商標)板およびゴムシート層を含む橋用プレート型ゴムサポーターにおいて、ゴムシート層が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とする橋用プレート型ゴムサポーター。
【請求項15】
各層のゴムシートと鋼板およびテフロン(登録商標)板との間に接着剤を塗布し加圧加硫することによって全体として接着される請求項14に記載の橋用プレート型ゴムサポーターの製造方法であって、
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、ゴムシート層に用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行い、番号付け、再練り、カレンダー加工及びシート出しを行った後に、加硫プロセスのために所望の仕様の中間製品であるゴムシートに打ち抜く工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
(2)ゴムシートと表面処理されて接着剤が塗布された鋼板とテフロン(登録商標)板とを工程要求に応じて順次積層して成形した後、予熱された金型に装填してから、プレス加硫機に入れて加硫成形する加硫工程と、
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、ゴムサポーターの最終製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、最終製品を得る後処理工程と、
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項16】
ゴム支承板が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とする鉢型ゴムサポーター。
【請求項17】
上部支持板、ステンレス鋼板、テフロン(登録商標)板、中間鋼板、シールリング、ゴム支承板、下部支持板およびアンカーが組み立てられた請求項16に記載の鉢型ゴムサポーターの製造方法であって、
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、ゴム支承板に用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置し検出を行う工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
(2)ゴムシートを予熱された金型に装填した後、プレス加硫機に入れて加硫する加硫成形工程と、
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、ゴムサポーターの最終製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、ゴム支承板を得る後処理工程と、
(4)ゴム支承板と他の部品とを組み立てて鉢型ゴムサポーターを得る組立工程と、
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項18】
使用されるゴム伸縮体が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とする橋用ゴム伸縮装置。
【請求項19】
請求項18に記載の橋用ゴム伸縮装置の製造方法であって、
ゴム伸縮体を押出法によって製造し、
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行う工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
(2)押出加硫プロセスでは、真空押出機を好適に採用し、押出後、塩浴加硫プロセスにより、スプレー、浸漬、浸漬プレス、冷却して加硫ゴムを得る押出加硫工程と、
(3)そして、トリミングして検査し、最終製品を得る工程と、
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項20】
請求項18に記載の橋用ゴム伸縮装置の製造方法であって、
ゴム伸縮体をモールドプレス法によって製造し、
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置し検出を行い、再練りしてシート出しし、秤量して成形する工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練と成形工程と、
(2)成形された混練ゴムを金型に入れ、高温蒸気加硫プロセスによって加硫するモールドプレス加硫工程と、
(3)冷却してトリミングし、検査を行うことで、最終製品を得る工程と、
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項21】
ゴム伸縮体が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とするゴム鋼板複合型伸縮装置。
【請求項22】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行い、そして、再練りしてシート出しし、秤量して成形する工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練と成形工程と、
(2)ゴムシートと表面処理されて接着剤が塗布された鋼板とを工程要求に応じて貼合して成形した後、予熱された金型に装填してから、プレス加硫機に入れて加熱加圧し加硫を行う加硫工程と、
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、最終製品を得る後処理工程と、
を含むことを特徴とする請求項21に記載のゴム鋼板複合型伸縮装置の製造方法。
【請求項23】
使用されるゴム混合物が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とするゴム製軌道パッド。
【請求項24】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、放置し検出してから熱入れし、所望の厚さに応じてシート出しし、加硫プロセスのために所望の仕様形状に裁断する工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練と成形工程と、
(2)裁断されたゴム混合物を金型に入れ、金型をプレス加硫機に入れ、加熱加圧し加硫を行う加硫工程と、
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、最終製品を得る後処理工程と、
を含むことを特徴とする請求項23に記載のゴム製軌道パッドの製造方法。
【請求項25】
使用されるゴム混合物が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とするゴム製フェンダー。
【請求項26】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、ゴムシート層に用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後ゴムを排出させる工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
(2)混練ゴムをキャビティ内に投入し、次いで型閉じし、ゴム混合物を十分に流動させ、排気して型閉じし、加硫するモールドプレスと加硫工程と、
(3)金型を開き、製品を取り出し、トリミングし、検査して最終製品を得る工程と、
を含むことを特徴とする請求項25に記載のゴム製フェンダーの製造方法。
【請求項27】
使用されるゴム混合物が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とするゴム製止水ベルト。
【請求項28】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行い、そして、再練りしてシート出しし、秤量して成形する工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練と成形工程と、
(2)裁断されたゴム混合物を金型に入れ、金型をプレス加硫機に入れ、加熱加圧し加硫を行う加硫工程と、
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、最終製品を得る後処理工程と、
を含むことを特徴とする請求項27に記載のゴム製止水ベルトの製造方法。
【請求項29】
使用されるゴム混合物が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とするスチールエッジゴム製止水ベルト。
【請求項30】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行い、そして、再練りしてシート出しし、秤量して成形する工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練と成形工程と、
(2)ゴムシートと表面処理されて接着剤が塗布された薄鋼板とを工程要求に応じて貼合して成形した後、予熱された金型に装填してから、プレス加硫機に入れて高温高圧で加硫を行う加硫工程と、
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、最終製品を得る後処理工程と、
を含むことを特徴とする請求項29に記載のスチールエッジゴム製止水ベルトの製造方法。
【請求項31】
使用されるゴム混合物が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とする車両用衝撃吸収ベアリング。
【請求項32】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行い、そして、再練りしてシート出しし、秤量して成形する工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練と成形工程と、
(2)ゴムシートと表面処理されて接着剤が塗布された金属部品とを工程要求に応じて貼合して成形した後、予熱された金型に装填してから、プレス加硫機に入れて高温高圧で加硫を行う加硫工程と、
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、最終製品を得る後処理工程と、
を含むことを特徴とする請求項31に記載の車両用衝撃吸収ベアリングの製造方法。
【請求項33】
使用されるゴム混合物が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とするゴムローラ。
【請求項34】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行う工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
(2)混練ゴムをスクリュー押出機に投入し、プロセスに必要な厚さおよび幅のゴムシートを押出し、ゴムシートが均一になった後、回転ラッピング機を始動させ、ゴムシートを用意しておく金属ロールコアに巻き付け、ゴム被覆された片側の厚さが所定の厚さに達するまで層ごとに巻き付けてゴム被覆し、次にゴムの表面に2~3層のナイロン水布を巻き付けて、ゴム被覆済みのゴムローラを得る巻付とゴム被覆工程と、
(3)ゴム被覆済みのゴムローラを加硫缶に送り、扉を閉めた後、加硫缶に蒸気を導入して加硫し、蒸気の導入と同時に、圧縮空気弁を開き、缶内の圧力が0.5時間で4.5~5気圧になるように圧縮空気を導入する工程であって、
加硫は、最初に70~80℃に加熱し、2時間保温し、次に100~110℃に加熱し、0.5時間保温し、次に120~130℃に加熱し、0.5時間保温し、そして135~140℃に加熱し、8~10時間保温するという手順であり、加硫が終了し、排気バルブを開き、圧力を低下させ、圧力計の指針がゼロを示すと、安全ピンを開き、ピンホールから蒸気が排出されて流れると、加硫缶を半分開きし、温度を下げ、缶内の温度が60℃よりも低いまたは室温に相当する温度になると、ゴムローラを引き出す加硫缶による加硫工程と、
(4)加硫済みのゴムローラを旋盤で粗加工した後、グラインダーで仕上げ加工し、検査し、最終製品を得る後処理工程と、
を含むことを特徴とする請求項33に記載のゴムローラの製造方法。
【請求項35】
圧縮層および緩衝層を含む高温耐性Vリブドベルトにおいて、緩衝層のゴム混合物が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とする高温耐性Vリブドベルト。
【請求項36】
(1)緩衝層のゴム混合物の混練では、密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行う工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
(2)リバース成形法を採用し、まず、ブランク型を成形機に吊り上げ、金型を掃除し、少量のダスティング剤を塗布してから揮発させた後、Vリブドベルトの上布をブランク型に包んで貼り付け、次に緩衝層ゴム混合物を包んで貼り付け、ロープの張力を校正し、高強度層を平らかに巻き付けた後、緩衝ゴムを包んで貼り付け、最後に、リブゴムを成形工程に必要な外周長になるまで包んで貼り付けてベルトブランクを得る成形工程と、
(3)ゴムスリーブによる加硫プロセスを利用し、加硫缶にベルトブランクを送り加硫を行い、加硫温度を155~175℃、内圧0.45~0.55MPa、外圧1.0~1.2MPa、加硫時間25~30分とする加硫工程と、
(4)加硫が完了した後、冷却して離型し、ベルト筒を切断工程に送り、所望の幅に応じて切断し、裏面を研磨し、リッブを研磨し、トリミングしてから検査を経て、最終製品を得る後処理工程と、
を含むことを特徴とする請求項35に記載の高温耐性Vリブドベルトの製造方法。
【請求項37】
使用されるゴム混合物が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とするワイパー。
【請求項38】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行う工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
(2)混練ゴムをキャビティ内に注入し、高温高圧下で加硫成形する加硫工程と、
(3)加硫された製品を表面処理し、検査して最終製品を得る後処理工程と、
を含むことを特徴とする請求項37に記載のワイパーの製造方法。
【請求項39】
使用されるゴム混合物が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とするシールリング。
【請求項40】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、物性を検出し、ゴム混合物を再練りしてから、押出法により中間製品を得る工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練と成形工程と、
(2)温度155~170℃、加硫時間20~25分間とする一段階モールドプレス加硫を行い、そして、温度145~155℃、時間40~80分間とする二段階オーブン加硫を行う加硫工程と、
を含むことを特徴とする請求項39に記載のシールリングの製造方法。
【請求項41】
使用されるゴム混合物が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とする防水コイル。
【請求項42】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで十分に薄通しして混練し、均一に混合されたゴム混合物を得て、50℃以下に冷却してシート出しして積み上げる工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
(2)ゴム混合物シートが滑らかで均一になり、最初ロール状に形成されるまで、均一に混合されたゴム混合物をオープンロールで熱入れする熱入れ工程と、
(3)熱入れを経て最初ロール状に形成されたゴム混合物シートをカレンダーに入れ、最終製品の厚さの要求に応じてロールギャップを調整してカレンダー加工して、最終製品の厚さ仕様の要求を満たす中間製品であるコイルを得るカレンダー加工工程と、
(4)最終製品であるコイルの仕様長さの要求に応じて、仕切りライナー層を設け、そして中間製品であるコイルをロール状に巻き取る巻上工程と、
(5)ロール状にまとめられるコイルを加硫処理のために窒素充填加硫釜に入れ、加硫釜の温度を155~165℃、圧力を20~25MPaに制御し、加硫を25~30分間行う加硫工程と、
(6)加硫されたコイルを再度開き、仕切りライナー層を取り出した後、巻き戻して製品に包装する巻戻工程と、
を含むことを特徴とする請求項41に記載の防水コイルの製造方法。
【請求項43】
使用されるゴム混合物が請求項1~11のいずれかに記載のゴム組成物からなることを特徴とするシールストリップ。
【請求項44】
請求項43に記載のシールストリップの製造方法であって、モールドプレス加硫および段階加硫を用いて、
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行う工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
(2)検出に合格した混練ゴムを押出機で押出成形し、裁断してから加硫装置の金型に入れ、高温高圧下で一次加硫する工程と、
(3)加硫処理を経た製品をトリミングする工程と、
(4)トリミング後の製品を高温で二次加硫する工程と、
(5)製品を検査し、合格した後入庫する工程と、
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項45】
カーカスに用いられるゴム混合物が請求項1~11のいずれか一項に記載のゴム組成物からなることを特徴とするインナーチューブ。
【請求項46】
最初にゴムを混練し、濾過して放置し、押出機で押出し、プロセスに要求される長さに従って裁断し、エアバルブを貼り付け、スプライシングした後放置し、そして空気を充填して仕上げし、蒸気で加硫し、冷却した後検査し、トリミングすることで最終製品を得る工程を含むことを特徴とする請求項45に記載のインナーチューブの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムの技術分野に属し、具体的には、ゴム組成物および加工方法、並びに該ゴム組成物を用いた老化防止製品および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エチレンプロピレンゴム(EPR)は、優れた老化防止性および良好な圧縮永久歪み耐性を有するため、老化防止性および/または圧縮永久歪み耐性が高く要求される様々な用途において広く使用されている。硫黄加硫および過酸化物加硫は、EPRの2つの従来の加硫方法であり、より良好な老化防止性および圧縮永久歪み耐性を得るために、現在過酸化物架橋系が徐々に使用されている。しかしながら、過酸化物加硫によるEPRは、硫黄加硫によるEPRよりも機械的強度が低いことにより、実際の使用中に製品への損傷のリスクが高くなるので、EPRの老化防止性および機械的強度を同時に改善することは、緊急に解決すべき技術課題である。
【0003】
EPRは、飽和主鎖を持つ合成ゴムで、エチレン-プロピレン共重合体(EPM)とエチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体(EPDM)の2つに分類でき、どちらも老化防止性に優れている。EPR製品のうち、EPDMが通常使用されているが、EPDMは第三モノマーを含み、分子鎖が二重結合を含み、それに対して、EPMは、分子鎖が完全に飽和しているので、EPMはより優れた老化防止性を有する。従って、老化防止性が高く要求される場合には、EPMを併用することによってEPDMの老化防止性を改善することが一般的な技術方案である。しかしながら、EPMは、機械的強度が低いので、全体的な物理・機械的性質に影響を与える。
【0004】
EPMはエチレンとプロピレンの共重合体で、エチレンとα-オレフィンの共重合体に属する。エチレンとα-オレフィンの共重合体は、炭素/水素元素のみを含み、分子鎖が飽和しているポリマーであり、このような共重合体における通常の炭素原子のタイプは、一般に、第一級、第二級および第三級炭素に分類できる。第三級炭素原子は、最も水素が引き抜かれてラジカルを形成しやすいので、全炭素原子に占める第三級炭素原子の割合は、一般には、エチレンとα-オレフィンの共重合体の老化防止性に影響を及ぼす主な要因であると考えられる。この割合が低いほど、老化防止性が良くなる。この割合は、分岐度で表すことができ、例えば、プロピレン含有量が60重量%のEPMは、炭素数1000個あたりプロピレン単位を200個含有し、すなわち第三級炭素数200個またはメチル分岐鎖200個を含有すると計算することができるので、その分岐度は200分岐/1000炭素である。EPMは、一般的に、エチレン含有量が40~65重量%または40~60重量%であるので、その分岐度は一般に117~200分岐/1000炭素または133~200分岐/1000炭素の範囲にある。この分岐度は、他の一般的なエチレンとα-オレフィンの共重合体よりも高いと考えられる。
【0005】
従来技術において、一般的なエチレンとα-オレフィンの共重合体におけるα-オレフィンは、プロピレンに加えて、炭素原子数が4以上のα-オレフィンを選択してもよく、C4-C20のα-オレフィンから選択されてもよく、通常、1-ブテン、1-ヘキセンおよび1-オクテンから選択される。エチレンとα-オレフィンの共重合体は、分岐度が低すぎると、融点および結晶化度が高すぎてゴム成分としての使用に適しない一方、分岐度が高すぎると、α-オレフィンの含有量が多くなることによって、加工困難性および原材料費が高くなり、操作性および経済性が低くなる。従来技術において、エチレンと1-ブテンまたはエチレンと1-オクテンとを共重合して得られるポリオレフィンは、結晶化度および融点によってポリオレフィンプラストマーまたはポリオレフィンエラストマーと呼ばれることがある。ポリオレフィンエラストマーの一部の品番は、適度な結晶化度と融点を持つことから、EPRと良好に併用でき、しかも、分岐度が低いので、EPRの老化防止性を改善するのに望ましい材料と考えられ、ある程度でEPRの代わりに使用されることが可能である。エチレンと1-オクテンの共重合体は、エチレンと1-ブテンの共重合体と比べて、分子鎖が柔らかく、ゴム弾性と良好な物理・機械的性質を有するので、現在、一般的に、ゴム製品に通常に使用されるポリオレフィンエラストマーは、エチレンと1-オクテンの共重合体である。そのオクテンは一般に45重量%以下で、より一般的には40重量%以下であり、対応する分岐度は、一般に56分岐/1000炭素以下であり、より一般的に50分岐/1000炭素以下であり、EPMの分岐度よりもはるかに低い。したがって、エチレンと1-オクテンの共重合体は、非常に優れた老化防止性を備えるとともに、良好な物理・機械的性質を有する。
【0006】
一般的には、ゴムは、使用する前に架橋することが必要であり、EPRに通常に使用される架橋方式のうちエチレンとα-オレフィンの共重合体に適するものは、過酸化物架橋または放射線架橋であってもよく、それらの両方は、主に第三級炭素の水素原子が引き抜かれることによって、第三級炭素ラジカルを形成してから、ラジカル結合により炭素-炭素架橋を形成するが、エチレンと1-オクテンの共重合体(以下、単にPOEという)は第三級炭素原子が少なく、第三級炭素原子に結合している分岐鎖が長く、立体障害が大きく、ラジカル反応が起こりにくいことにより、架橋が困難となり、加工効率および製品性能に影響を及ぼし、例えば、圧縮永久歪み耐性が要求を満たし難いものである。
【0007】
このように、現在、EPRの老化防止性を改善することができるとともに、良好な物理・機械的性質および架橋性能を備えることができ、ゴム製品に必要な特定の機能的指標(例えば、圧縮永久歪み耐性など)に対し良好な性能を発揮する見込みがあるようなより好適な技術方案が必要である。
【発明の概要】
【0008】
従来技術における、硫黄加硫によるEPRが老化しやすく、過酸化物加硫によるEPRが、硫黄加硫によるEPRよりも引裂強さが低いという課題に対して、本発明は、新規なゴム組成物および加工方法を提供し、当該ゴム組成物によって老化防止ゴム製品を加工する応用および加工方法をさらに提供する。
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は、重量部で、分岐ポリエチレンの含有量a:0<a≦100部であり、EPRの含有量b:0≦b<100部であるゴムマトリックスと、ゴムマトリックス100重量部に対して、架橋剤1.5~10部、補強充填剤30~200部、可塑剤5~250部を含む必須成分と、を含むゴム組成物であって、分岐ポリエチレンの分岐度が50分岐/1000炭素以上、重量平均分子量が5万以上、ムーニー粘度ML(1+4)125℃が2以上であるゴム組成物を提供するという技術方案を採用する。
【0010】
従来技術における「分岐ポリエチレン」とは、分岐鎖を有するエチレンホモポリマーに加えて、例えばエチレン-α-オレフィン共重合体が多く用いられる分岐鎖を有する飽和ビニル共重合体をいい、POEであってもよい。POEは、物理・機械的性質および老化防止性が良好であるが、架橋性能が好ましくない。したがって、本発明でいう分岐ポリエチレンは、分岐エチレンホモポリマーとPOEの両方をともに含んでもよいが、分岐ポリエチレンを多く含み、あるいは分岐エチレンホモポリマーのみを含むことは、好適な選択である。本発明の好ましい技術方案は、分岐ポリエチレンは分岐エチレンホモポリマーのみを含むことである。
【0011】
本発明の技術方案についてのさらなる説明において、使用される分岐ポリエチレンは、特に断りがない限り、分岐エチレンホモポリマーである。
【0012】
本発明で用いられる分岐ポリエチレンは、分岐度が50分岐/1000炭素以上であるエチレンホモポリマーの一種であり、分岐ポリエチレン(Branched Polyethylene)または分岐PE(Branched PE)と呼ばれることができ、現在では、後期遷移金属触媒が、「チェーンウォーキングメカニズム」に基づいてエチレンの単独重合を触媒することで得ることは、その主な合成方法である。好ましい後期遷移金属触媒は(α-ジイミン)ニッケル/パラジウム触媒の1つであってもよい。そのチェーンウォーキングメカニズムは、後期遷移金属触媒、例えば、(α-ジイミン)ニッケル/パラジウム触媒は、オレフィンの重合を触媒する過程でβ-水素脱離反応および再挿入反応を起こしやすく、それによって分岐鎖が生じることを本質とする。このような分岐ポリエチレンの主鎖に基づく分岐鎖は、異なる炭素原子数、具体的には1~6個以上の炭素原子を有することができる。
【0013】
(α-ジイミン)ニッケル触媒は、(α-ジイミン)パラジウム触媒よりも製造コストが著しく低く、(α-ジイミン)ニッケル触媒は、エチレンの重合を触媒する速度が速く、活性が高く、工業的用途により適している。従って、本発明においては、(α-ジイミン)ニッケル触媒によりエチレンの重合を触媒して調製した分岐ポリエチレンが好ましい。
【0014】
本発明に用いられる分岐ポリエチレンは、分岐度が50~130分岐/1000炭素が好ましく、60~130分岐/1000炭素がより好ましく、60~116分岐/1000炭素がさらに好ましく、分岐度がPOEとEPMとの間にあることにより、従来技術とは異なる新しい技術方案を提供し、優れた老化防止性および良好な架橋性能を両立させることができる。
【0015】
架橋性能は、架橋密度および架橋速度などの要因を含み、加工過程におけるゴムマトリックスの架橋能力を具体的に表すものである。
【0016】
本発明に用いられる分岐ポリエチレンは、メチル基分岐含有量が40%以上または50%以上であり、EPMの構造とある程度の類似性を有することが好ましい。架橋能力に関しては、分岐度(第三級炭素原子の含有量)および第三級炭素原子の周辺の立体障害が、飽和ポリオレフィンの架橋能力に影響を及ぼす2つの主な要因である。本発明に用いられる分岐ポリエチレンは、EPMに対して分岐度が低く、また、分岐ポリエチレンは、炭素数が2以上の分岐鎖を有することから、本発明に用いられる分岐ポリエチレンの第三級炭素原子の周辺の立体障害が、理論的にはEPMよりも大きい。2つの要因を総合してみれば、本発明に用いられる分岐ポリエチレンの架橋能力はEPMよりも弱く、EPDMよりも一層弱いと判断できる。しかしながら、本発明に用いられる一部の分岐ポリエチレンの実際の架橋能力は、EPDMに近く、ひいてはEPDMと同等またはそれよりも優れるようになることができる。これは、本発明のゴム組成物は良好な老化防止性を得ることができるとともに、架橋能力を弱めることがなく、ひいては優れた架橋性能を有し、予想外の有益な効果を達成することができることを意味する。
【0017】
これは、たぶん、本発明の好ましい技術方案に用いられる分岐ポリエチレンに適当な数の二次分岐鎖構造が存在し得ると解釈されることができる。二次分岐鎖構造とは、分岐鎖にさらに分岐鎖が存在する構造をいう。この構造は、チェーンウォーキング中に「branch-on-branch」とも呼ばれ、二次分岐鎖の第三級炭素原子の周辺の立体障害が小さいため、架橋反応が一層起こりやすくなる。二次分岐鎖構造を有することは、本発明の好ましい技術方案で使用される分岐ポリエチレンと従来技術のEPMまたは通常のエチレン-α-オレフィン共重合体との目立った差異である。
【0018】
立体障害の小さい二次分岐鎖構造を使用することによって飽和ポリオレフィンエラストマーの架橋能力を改善することは、新しい技術方案である。本発明の技術方案では、ゴムマトリックスに二次分岐鎖構造を有するビニル共重合体または他の飽和炭化水素ポリマーが含まれる場合も、本発明の技術的保護の範囲内にあると考えられる。前記ビニル共重合体とは、エチレンと分岐鎖を有するα-オレフィンとの共重合体をいい、二次分岐鎖構造を有する。分岐鎖を有するα-オレフィンは、イソブチレン、3-メチル-1-ブチレン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、2-メチル-1-ヘプテン、3-メチル-1-ヘプテン、4-メチル-1-ヘプテン、5-メチル-1-ヘプテン、6-メチル-1-ヘプテンなどから選択でき、コモノマーは、通常の直鎖状α-オレフィンをさらに同時に含んでもよい。
【0019】
従来技術において、(α-ジイミン)ニッケル触媒によって調製された分岐ポリエチレンは、二次分岐鎖構造を持ち難く、少なくとも十分に識別されることが困難であると一般的に考えられる。本発明の技術方案は、分岐ポリエチレンの構造分析に新しいアイデアも提供する。
【0020】
EPRと比較すると、分岐ポリエチレンが適切な数の二次分岐鎖構造を有する場合、分岐ポリエチレンの架橋点は、過酸化物の架橋過程において主鎖の第三級炭素に生成してもよく、二次構造の分岐鎖の第三級炭素に生成してもよい。そのため、分岐ポリエチレンは、過酸化物の架橋によって形成されるゴム網状構造がEPRと比べて、主鎖間に豊富なC-C結合セグメントを有することによって、応力集中を効果的に回避でき、引裂強さを含むより良好な機械的性質を得るのに寄与する。一方、架橋性がより良好になることにより、架橋密度を効果的に高めることができ、また、分岐ポリエチレンは、分子量分布が2に近く、一般的なEPRよりも狭いので、より優れた圧縮永久歪み耐性が得られる見込みもある。
【0021】
さらなる技術方案では、前記ゴム組成物は、重量部で、分岐ポリエチレン100重量部を含むゴムマトリックスと、ゴムマトリックス100重量部に対して、架橋剤2~7部、補強充填剤30~200部、可塑剤8~150部を含む必須成分と、を含む。
【0022】
さらなる技術方案では、前記架橋剤は、過酸化物架橋剤および硫黄の少なくとも一つを含み、過酸化物架橋剤は、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert-ブチルクミルパーオキサイド、1,1-ジ-tert-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネートの少なくとも一つを含む。
【0023】
さらなる技術方案では、前記補強充填剤は、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク粉、焼成クレー、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウムの少なくとも一つを含む。
【0024】
さらなる技術方案では、前記可塑剤は、パインタール油、モーター油、ナフテン油、パラフィン油、クマロン、RX-80、ステアリン酸、パラフィン、液体ポリイソブチレン、脂肪酸誘導体、およびそれらの混合物の少なくとも一つを含む。可塑剤のさらに好ましい使用量は15~120重量部である。そのうち、ステアリン酸は、硫黄加硫ベースを主とするシステムにおいて活性剤として機能することもでき、いくつかの金属酸化物と可溶性塩を形成し、促進剤に対する金属酸化物の活性機能を増大させ得る。可塑剤を合理的に使用することにより、ゴム混合物の弾性およびプロセス操作に適した可塑性を高めることができる。粘性を上げるために、さらに、パインタール油、クマロン、RX-80、液体ポリイソブチレン等の増粘機能を有する助剤を好ましく用いることもできる。
【0025】
さらなる技術方案では、前記ゴム組成物は、ゴムマトリックス100重量部に対して、架橋助剤0.2~10部、安定剤0.5~3部、金属酸化物2~15部、加硫促進剤0~3部を含む補助成分をさらに含む。
【0026】
さらなる技術方案では、前記架橋助剤は、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリアリルトリメリテート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、N,N’-ビスフルフリリデンアセトン、1,2-ポリブタジエン、p-キノンジオキシム、硫黄および不飽和カルボン酸金属塩の少なくとも一つを含む。前記不飽和カルボン酸金属塩は、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、メタクリル酸マグネシウム、メタクリル酸カルシウム、およびメタクリル酸アルミニウムの少なくとも一つを含む。
【0027】
さらなる技術方案では、前記金属酸化物は、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、一酸化鉛、四酸化三鉛の少なくとも一つである。
【0028】
さらなる技術方案では、前記安定剤は、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンポリマー(RD)、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン(AW)、2-メルカプトベンズイミダゾール(MB)の少なくとも一つを含む。
【0029】
さらなる技術方案では、前記加硫促進剤は、2-チオールベンゾチアゾール、ジベンゾチアゾールジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、ビスマレイミド、エチレンチオ尿素の少なくとも一つを含む。
【0030】
さらなる技術方案では、用いられるEPMおよびEPDMは、ムーニー粘度ML(1+4)125℃が20~80であり、エチレンの含有量が45%~70%である。
【0031】
さらなる技術方案では、前記ゴムマトリックス100重量部のうち、エチレンホモポリマーであって、分岐度が60~130分岐/1000炭素、重量平均分子量が6.6万~51.8万、ムーニー粘度ML(1+4)125℃が6~102であることを特徴とする分岐ポリエチレンの含有量a:10≦a≦100部であり、EPMとEPDMの合計含有量b:0≦b≦90部である。
【0032】
さらなる技術方案では、前記ゴムマトリックス100重量部のうち、エチレンホモポリマーであって、分岐度が70~116分岐/1000炭素、重量平均分子量が20.1万~43.6万、ムーニー粘度ML(1+4)125℃が23~101である分岐ポリエチレンの含有量a:10≦a≦100部であり、EPMとEPDMの含有量b:0≦b≦90である。
【0033】
さらなる技術方案では、前記ゴムマトリックス100重量部のうち、エチレンホモポリマーであって、分岐度が80~105分岐/1000炭素、重量平均分子量が25.0万~40.0万、ムーニー粘度ML(1+4)125℃が40~95である分岐ポリエチレンの含有量a:10≦a≦100部であり、EPMとEPDMの含有量b:0≦b≦90部である。
【0034】
さらなる技術方案では、前記ゴムマトリックス100重量部のうち、エチレンホモポリマーであって、分岐度が80~105分岐/1000炭素、重量平均分子量が26.8万~35.6万、ムーニー粘度ML(1+4)125℃が42~80である分岐ポリエチレンの含有量a:10≦a≦100部であり、EPMとEPDMの含有量b:0≦b≦90部である。
【0035】
さらなる技術方案では、前記EPDMにおける第三モノマーは、好ましくはジエン系モノマーであり、具体的には、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ペンタジエン、2-メチル-1,4-ペンタジエン、3-メチル-1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、1,9-デカジエン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-ペンチレン-2-ノルボルネン、1,5-シクロオクタジエン、1,4-シクロオクタジエンなどから選択できる。特殊的には、EPRは、ジエン系モノマーを2種以上同時に含有し、例えば、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネンを同時に含有していてもよい。ジエン系モノマーの官能基は、過酸化物加硫において既存の架橋助剤と同じ役割を果たし、架橋効率を向上させることができる。これは、必要とされる架橋剤と架橋助剤の使用量及び残存量ならびにそれらの添加にかかるコストを減らすのに役立つ。EPRに占めるジエン系モノマーの割合は、1~14重量%が好ましく、3~10重量%がより好ましく、4~7重量%がさらに好ましい。
【0036】
本発明の実施形態では、ゴム混合物の粘性を改善するために、ゴム組成物は増粘剤をさらに含んでもよく、前記可塑剤のうちのパインタール油、クマロン樹脂、RX-80、および液体ポリイソブチレンは、増粘剤の機能を同時に有し、液体クマロン樹脂が固体クマロン樹脂よりも優れた増粘効果を有し、増粘剤は、さらに、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、水添ロジン、テルペン樹脂、アルキルフェノール樹脂、変性アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノール-アセチレン樹脂等の通常使用される増粘剤から選択されてもよい。増粘剤の使用量は、ゴムマトリックス100重量部に対して、通常30重量部以下であり、より好ましくは10重量部以下であり、さらに好ましくは5重量部以下である。
【0037】
本発明により提供されるゴム組成物に係る架橋剤、架橋助剤および加硫促進剤はすべて架橋系に属する。
【0038】
本発明のゴム組成物は、未架橋の混練ゴムの形態で存在してもよく、さらに架橋反応した後に、加硫したゴムの形態で存在してもよい。加硫したゴムは単に加硫ゴムと呼ぶこともできる。
【0039】
本発明は、
【0040】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、ゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置する工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
【0041】
(2)放置後の混練ゴムを予熱された金型のキャビティ内に充填し、高温加圧加硫を行い、加硫が完了した後、離型して加硫ゴムを得る工程であって、加硫ゴムの圧縮永久歪み耐性を改善するために、さらに二段階加硫プロセスを用いて加硫を行ってもよい加硫工程と、
を含む前記ゴム組成物の加工方法をさらに提供する。
【0042】
本発明は、鋼板とゴムシート層とを含む橋用プレート型ゴムサポーターにおいて、ゴムシート層が前記ゴム組成物からなる橋用プレート型ゴムサポーターをさらに提供する。
【0043】
本発明は、鋼板、テフロン(登録商標)板およびゴムシート層を含む橋用プレート型ゴムサポーターにおいて、ゴムシート層が前記ゴム組成物からなる橋用プレート型ゴムサポーターをさらに提供する。
【0044】
本発明は、各層のゴムシートと鋼板およびテフロン(登録商標)板との間に接着剤を塗布し加圧加硫することによって全体として接着される橋用プレート型ゴムサポーターの製造方法であって、
【0045】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、ゴムシート層に用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行い、番号付け、再練り、カレンダー加工及びシート出しを行った後に、加硫プロセスのために所望の仕様の中間製品であるゴムシートに打ち抜く工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
【0046】
(2)ゴムシートと表面処理されて接着剤が塗布された鋼板とテフロン(登録商標)板とを工程要求に応じて順次積層して成形した後、予熱された金型に装填してから、プレス加硫機に入れて加硫成形する加硫工程と、
【0047】
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、ゴムサポーターの最終製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、最終製品を得る後処理工程と、
を含む製造方法をさらに提供する。
【0048】
本発明は、ゴム支承板が前記ゴム組成物からなる鉢型ゴムサポーターをさらに提供する。
【0049】
本発明は、上部支持板、ステンレス鋼板、テフロン(登録商標)板、中間鋼板、シールリング、ゴム支承板、下部支持板およびアンカーが組み立てられた鉢型ゴムサポーターの製造方法であって、
【0050】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、ゴム支承板に用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置し検出を行う工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
【0051】
(2)ゴムシートを予熱された金型に装填した後、プレス加硫機に入れて加硫する加硫成形工程と、
【0052】
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、ゴムサポーターの最終製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、ゴム支承板を得る後処理工程と、
【0053】
(4)ゴム支承板と他の部品とを組み立てて鉢型ゴムサポーターを得る組立工程と、
を含む製造方法をさらに提供する。
【0054】
本発明は、ゴム伸縮体が前記ゴム組成物からなる橋用ゴム伸縮装置をさらに提供する。
【0055】
本発明は、橋用ゴム伸縮装置の製造方法であって、ゴム伸縮体を押出法によって製造し、
具体的には、
【0056】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行う工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
【0057】
(2)押出加硫プロセスでは、真空押出機を好適に採用し、押出後、塩浴加硫プロセスにより、スプレー、浸漬、浸漬プレス、冷却して加硫ゴムを得る押出加硫工程と、
【0058】
(3)そして、トリミングして検査し、最終製品を得る工程と、
を含む製造方法をさらに提供する。
【0059】
本発明は、橋用ゴム伸縮装置の製造方法であって、ゴム伸縮体をモールドプレス法によって製造し、具体的には、
【0060】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行い、そして、再練りしてシート出しし、秤量して成形する工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練と成形工程と、
【0061】
(2)成形された混練ゴムを金型に入れ、高温蒸気加硫プロセスによって加硫するモールドプレス加硫工程と、
【0062】
(3)冷却してトリミングし、検査を行うことで、最終製品を得る工程と、
を含む製造方法をさらに提供する。
【0063】
本発明は、ゴム伸縮体が前記ゴム組成物からなるゴム鋼板複合型伸縮装置をさらに提供する。
【0064】
本発明は、
【0065】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行い、そして、再練りしてシート出しし、秤量して成形する工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練と成形工程と、
【0066】
(2)ゴムシートと表面処理されて接着剤が塗布された鋼板とを工程要求に応じて貼合して成形した後、予熱された金型に装填してから、プレス加硫機に入れて加熱加圧し加硫を行う加硫工程と、
【0067】
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、最終製品を得る後処理工程と、
を含むゴム鋼板複合型伸縮装置の製造方法をさらに提供する。
【0068】
本発明は、使用されるゴム混合物が前記ゴム組成物からなるゴム製軌道パッドをさらに提供する。
【0069】
本発明は、
【0070】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、放置し検出してから熱入れし、所望の厚さに応じてシート出しし、加硫プロセスのために所望の仕様形状に裁断する工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練と成形工程と、
【0071】
(2)裁断されたゴム混合物を金型に入れ、金型をプレス加硫機に入れ、加熱加圧し加硫を行う加硫工程と、
【0072】
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、最終製品を得る後処理工程と、
を含むゴム製軌道パッドの製造方法をさらに提供する。
【0073】
本発明は、使用されるゴム混合物が前記ゴム組成物からなるゴム製フェンダーをさらに提供する。
【0074】
本発明は、
【0075】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させる工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
【0076】
(2)混練ゴムをキャビティ内に投入し、次いで型閉じし、ゴム混合物を十分に流動させ、排気して型閉じし、加硫するモールドプレスと加硫工程と、
【0077】
(3)金型を開き、製品を取り出し、トリミングし、検査して最終製品を得る工程と、
を含むゴム製フェンダーの製造方法をさらに提供する。
【0078】
本発明は、使用されるゴム混合物が前記ゴム組成物からなるゴム製止水ベルトをさらに提供する。
【0079】
本発明は、
【0080】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行い、そして、再練りしてシート出しし、秤量して成形する工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練と成形工程と、
【0081】
(2)裁断されたゴム混合物を金型に入れ、金型をプレス加硫機に入れ、加熱加圧し加硫を行う加硫工程と、
【0082】
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、最終製品を得る後処理工程と、
を含むゴム製止水ベルトの製造方法をさらに提供する。
【0083】
本発明は、使用されるゴム混合物が前記ゴム組成物からなるスチールエッジゴム製止水ベルトをさらに提供する。
【0084】
本発明は、
【0085】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行い、そして、再練りしてシート出しし、秤量して成形する工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練と成形工程と、
【0086】
(2)ゴムシートと表面処理されて接着剤が塗布された薄鋼板とを工程要求に応じて貼合して成形した後、予熱された金型に装填してから、プレス加硫機に入れて高温高圧で加硫を行う加硫工程と、
【0087】
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、最終製品を得る後処理工程と、
を含むスチールエッジゴム製止水ベルトの製造方法をさらに提供する。
【0088】
本発明は、使用されるゴム混合物が前記ゴム組成物からなる車両用衝撃吸収ベアリングをさらに提供する。
【0089】
本発明は、
【0090】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行い、そして、再練りしてシート出しし、秤量して成形する工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練と成形工程と、
【0091】
(2)ゴムシートと表面処理されて接着剤が塗布された金属部品とを工程要求に応じて貼合して成形した後、予熱された金型に装填してから、プレス加硫機に入れて高温高圧で加硫を行う加硫工程と、
【0092】
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、最終製品を得る後処理工程と、
を含む車両用衝撃吸収ベアリングの製造方法をさらに提供する。
【0093】
本発明は、使用されるゴム混合物が前記ゴム組成物からなるゴムローラをさらに提供する。
【0094】
本発明は、
【0095】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行う工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
【0096】
(2)混練ゴムをスクリュー押出機に投入し、プロセスに必要な厚さおよび幅のゴムシートを押出し、ゴムシートが均一になった後、回転ラッピング機を始動させ、ゴムシートを用意しておく金属ロールコアに巻き付け、ゴム被覆された片側の厚さが所定の厚さに達するまで層ごとに巻き付けてゴム被覆し、次にゴムの表面に2~3層のナイロン水布を巻き付けて、ゴム被覆済みのゴムローラを得る巻付とゴム被覆工程と、
【0097】
(3)ゴム被覆済みのゴムローラを加硫缶に送り、扉を閉めた後、加硫缶に蒸気を導入して加硫し、蒸気の導入と同時に、圧縮空気弁を開き、缶内の圧力が0.5時間で4.5~5気圧になるように圧縮空気を導入する工程であって、加硫は、最初に70~80℃に加熱し、2時間保温し、次に100~110℃に加熱し、0.5時間保温し、次に120~130℃に加熱し、0.5時間保温し、そして135~140℃に加熱し、8~10時間保温するという手順であり、加硫が終了し、排気バルブを開き、圧力を低下させ、圧力計の指針がゼロを示すと、安全ピンを開き、ピンホールから蒸気が排出されて流れると、加硫缶を半分開きし、温度を下げ、缶内の温度が60℃よりも低いまたは室温に相当する温度になると、ゴムローラを引き出す加硫缶による加硫工程と、
【0098】
(4)加硫済みのゴムローラを旋盤で粗加工した後、グラインダーで仕上げ加工し、検査し、最終製品を得る後処理工程と、
を含むゴムローラの製造方法をさらに提供する。
【0099】
本発明は、圧縮層および緩衝層を含む高温耐性Vリブドベルトにおいて、緩衝層のゴム混合物が前記ゴム組成物からなる高温耐性Vリブドベルトをさらに提供する。
【0100】
本発明は、
【0101】
(1)緩衝層のゴム混合物の混練では、密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行う工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
【0102】
(2)リバース成形法を採用し、まず、ブランク型を成形機に吊り上げ、金型を掃除し、少量のダスティング剤を塗布してから揮発させた後、Vリブドベルトの上布をブランク型に包んで貼り付け、次に緩衝層ゴム混合物を包んで貼り付け、ロープの張力を校正し、高強度層を平らかに巻き付けた後、緩衝ゴムを包んで貼り付け、最後に、リブゴムを成形工程に必要な外周長になるまで包んで貼り付けてベルトブランクを得る成形工程と、
【0103】
(3)ゴムスリーブによる加硫プロセスを利用し、加硫缶にベルトブランクを送り加硫を行い、加硫温度を155~175℃、内圧0.45~0.55MPa、外圧1.0~1.2MPa、加硫時間25~30分とする加硫工程と、
【0104】
(4)加硫が完了した後、冷却して離型し、ベルト筒を切断工程に送り、所望の幅に応じて切断する。裏面を研磨し、リッブを研磨し、トリミングしてから検査を経て、最終製品を得た後処理工程と、
を含む高温耐性Vリブドベルトの製造方法をさらに提供する。
【0105】
本発明は、使用されるゴム混合物が前記ゴム組成物からなるワイパーをさらに提供する。
【0106】
本発明は、
【0107】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行う工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
【0108】
(2)混練ゴムをキャビティ内に注入し、高温高圧下で加硫成形する加硫工程と、
【0109】
(3)加硫された製品を表面処理し、検査して最終製品を得る後処理工程と、
を含むワイパーの製造方法をさらに提供する。
【0110】
本発明は、使用されるゴム混合物が前記ゴム組成物からなるシールリングをさらに提供する。
【0111】
本発明は、
【0112】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、物性を検出し、ゴム混合物を再練りしてから、押出法により中間製品を得る工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練と成形工程と、
【0113】
(2)温度155~170℃、加硫時間20~25分間とする一段階モールドプレス加硫を行い、そして、温度145~155℃、時間40~80分間とする二段階オーブン加硫を行う加硫工程と、
を含むシールリングの製造方法をさらに提供する。
【0114】
本発明は、使用されるゴム混合物が前記ゴム組成物からなる防水コイルをさらに提供する。
【0115】
本発明は、
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで十分に薄通しして混練し、均一に混合されたゴム混合物を得て、50℃以下に冷却してシート出しして積み上げる工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
【0116】
(2)ゴム混合物シートが滑らかで均一になり、最初ロール状に形成されるまで、均一に混合されたゴム混合物をオープンロールで熱入れする熱入れ工程と、
【0117】
(3)熱入れを経て最初ロール状に形成されたゴム混合物シートをカレンダーに入れ、最終製品の厚さの要求に応じてロールギャップを調整してカレンダー加工して、最終製品の厚さ仕様の要求を満たす中間製品であるコイルを得るカレンダー加工工程と、
【0118】
(4)最終製品であるコイルの仕様長さの要求に応じて、仕切りライナー層を設け、そして中間製品であるコイルをロール状に巻き取る巻上工程と、
【0119】
(5)ロール状にまとめられるコイルを加硫処理のために窒素充填加硫釜に入れ、加硫釜の温度を155~165℃、圧力を20~25MPaに制御し、加硫を25~30分間行う加硫工程と、
【0120】
(6)加硫されたコイルを再度開き、仕切りライナー層を取り出した後、巻き戻して製品に包装する巻戻工程と、
を含む防水コイルの製造方法をさらに提供する。
【0121】
本発明は、使用されるゴム混合物が前記ゴム組成物からなるシールストリップをさらに提供する。本発明により提供されるゴム製シールストリップは、エンジン冷却システムのラジエータ用プレート型ゴム製シールストリップとして使用することができる。
【0122】
本発明は、モールドプレス加硫および段階加硫を用いる製造方法であって、
【0123】
(1)密閉式混練機の温度と回転子の回転数を設定し、用いられるゴム組成物中の架橋系以外の成分を順次に密閉式混練機に投入して混練した後、架橋系を添加し、混練後にゴムを排出させ、混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行う工程であって、架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよいゴム混練工程と、
【0124】
(2)検出に合格した混練ゴムを押出機で押出成形し、裁断してから加硫装置の金型に入れ、高温高圧下で一次加硫する工程であって、圧力は14~16MPaが好ましく、温度は170~185℃が好ましく、加硫時間は2~3分が好ましい工程と、
【0125】
(3)加硫処理を経た製品をトリミングする工程と、
【0126】
(4)トリミングされた製品を高温で二段階加硫する工程であって、温度は165~175℃が好ましく、時間は25~35分間が好ましい工程と、
【0127】
(5)製品を検査し、合格した後入庫する工程と、
を含むシールストリップの製造方法をさらに提供する。
【0128】
本発明は、カーカスに用いられるゴム混合物が前記ゴム組成物からなることを特徴とするインナーチューブをさらに提供する。
【0129】
本発明は、最初にゴムを混練し、濾過して放置し、押出機で押出し、プロセスに要求される長さに従って裁断し、エアバルブを貼り付け、スプライシングした後放置し、そして空気を充填して仕上げし、蒸気で加硫し、冷却した後検査し、トリミングすることで最終製品を得る工程を含むことを特徴とするインナーチューブの製造方法をさらに提供する。
【0130】
本発明の有益な効果は、EPRを分岐ポリエチレンで一部または全部置換する新規なゴム組成物を提供し、老化防止性および/または圧縮永久歪み耐性が高く要求されるゴム製品に応用し、過酸化物加硫系で良好な耐熱性、圧縮永久歪み耐性および機械的強度を同時に得ることができることである。その原理としては、分岐ポリエチレンは、分子構造が完全に飽和しており、熱老化防止性がEPMと類似しており、EPDMより優れており、過酸化物系で加硫することができ、また、分岐ポリエチレンの分子構造では分岐鎖を多く有し、分岐鎖の長さが一定の長さ分布を有するので、分岐ポリエチレンが適切な数の二次分岐構造を有する場合、分岐ポリエチレンの架橋点は、過酸化物架橋過程において主鎖の第三級炭素に生成してもよく、二次構造の分岐鎖の第三級炭素に生成してもよいため、分岐ポリエチレンは、過酸化物の架橋によって形成されるゴム網状構造がEPRと比べて、主鎖間に豊富なC-C結合セグメントを有し、硫黄加硫系におけるポリスルフィド結合分布と類似することによって、応力集中を効果的に回避でき、より良好な機械的性質を得るのに寄与する。
【0131】
圧縮永久歪み性は、ゴム混合物の分子量分布に関係しており、分子量分布の狭いゴムは、比較的低い圧縮永久歪みを有し、EPRの分子量分布は、ほとんど3~5であり、高くとも8~9まで達することができる。少数のEPRは、2に近い分子量分布を有し、加工が容易であるがコストが高い。分岐ポリエチレンの分子量分布は、通常2.5以下と狭く、通常のEPRの分子量分布よりも著しく小さい。したがって、本発明のゴム組成物は、加硫された後、より低い圧縮永久歪みを有する。
【発明を実施するための形態】
【0132】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するために提出されるものであるが、本発明の範囲を限定するためのものではない。当業者により発明の内容に基づく本発明に対するいくつかの非本質的な改良および調整は、依然として本発明の技術的保護の範囲内にあるものとする。
【0133】
本発明により提供されるゴム組成物の具体的な実施形態では、
重量部で、分岐ポリエチレンの含有量a:0<a≦100部であり、EPRの含有量b:0≦b<100部であるゴムマトリックスと、架橋剤1.5~10部、補強充填剤30~200部、可塑剤5~250部を含む必須成分と、を含むゴム組成物を提供する。分岐ポリエチレンの分岐度は50分岐/1000炭素以上で、重量平均分子量は5万以上で、ムーニー粘度ML(1+4)125℃は2以上である。
【0134】
好ましい実施形態では、前記ゴム組成物は、重量部で、分岐ポリエチレン100重量部を含むゴムマトリックスと、ゴムマトリックス100重量部に対して、架橋剤2~7部、補強充填剤30~200部、可塑剤8~150部を含む必須成分と、を含む。
【0135】
本実施形態において、架橋剤は、過酸化物架橋剤および硫黄の少なくとも一つを含み、過酸化物架橋剤は、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert-ブチルクミルパーオキサイド、1,1-ジ-tert-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネートの少なくとも一つを含む。補強充填剤は、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク粉、焼成クレー、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウムの少なくとも一つを含む。可塑剤は、パインタール油、モーター油、ナフテン油、パラフィン油、クマロン、RX-80、ステアリン酸、パラフィン、液体ポリイソブチレン、脂肪酸誘導体、およびそれらの混合物の少なくとも一つを含む。
【0136】
ゴム組成物は、架橋剤0.2~10部、安定剤0.5~3部、金属酸化物2~15部、加硫促進剤0~3部を含む補助成分をさらに含む。架橋助剤は、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリアリルトリメリテート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、N,N’-ビスフルフリリデンアセトン、1,2-ポリブタジエン、p-キノンジオキシム、硫黄、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、メタクリル酸マグネシウム、メタクリル酸カルシウムおよびメタクリル酸アルミニウムの少なくとも一つを含む。
【0137】
金属酸化物は、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、一酸化鉛、四酸化三鉛の少なくとも一つである。
【0138】
安定剤は、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンポリマー(RD)、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン(AW)、2-メルカプトベンズイミダゾール(MB)の少なくとも一つを含む。加硫促進剤は、2-チオールベンゾチアゾール、ジベンゾチアゾールジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、ビスマレイミド、エチレンチオ尿素の少なくとも一つを含む。
【0139】
架橋系は架橋剤を含み、架橋助剤および加硫促進剤の少なくとも一つをさらに含んでもよい。
【0140】
使用されるEPMのムーニー粘度ML(1+4)125℃は、20~50が好ましく、エチレンの含有量は45~60%が好ましい。
【0141】
使用されるEPDMのムーニー粘度ML(1+4)125℃は、20~100が好ましく、20~80がより好ましく、エチレンの含有量は、50%~75%が好ましく、第三モノマーは、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネンまたはジシクロペンタジエンであり、第三モノマーの含有量は1%~7%である。
【0142】
使用される分岐ポリエチレンは、(α-ジイミン)ニッケル触媒で触媒助剤の作用下でエチレンの単独重合を触媒することによって得られる。使用される(α-ジイミン)ニッケル触媒の構造、合成方法およびそれによる分岐ポリエチレンの調製方法は、先行技術に開示されており、CN102827312A、CN101812145A、CN101531725A、CN104926962A、US6103658、US6660677に記載される技術を使用することができるが、これらに限定されない。
【0143】
分岐ポリエチレンは、分岐度が60~130分岐/1000炭素、重量平均分子量が6.6万~51.8万、ムーニー粘度ML(1+4)125℃が6~102であることを特徴とする。分岐度は1H-NMRにより測定され、各分岐モル%は13C-NMRにより測定された。
【0144】
詳細は以下の表のとおりである。
【0145】
【表1】
【0146】
ゴム性能試験方法:
【0147】
1.硬さ試験:中国国家標準GB/T531.1-2008に従って、硬さ試験機で試験を行い、試験温度を室温とした。
【0148】
2、引張強さ、切断時伸び性能試験:中国国家標準GB/T528-2009に従って、電子引張試験機で試験を行い、引張速度を500mm/分、試験温度を23±2℃、サンプルを2型ダンベル状サンプルとした。
【0149】
3.引裂強さ試験:中国国家標準GB/T529-2008に従って、電子引張試験機で試験を行い、引張速度を500mm/分、試験温度を23±2℃、サンプルを直角形のサンプルとした。
【0150】
4.圧縮永久歪み試験:中国国家標準GB/T7759-1996に従って、圧縮永久歪み装置でB型試料で試験を行い、圧縮率を25%で、試験温度を70℃とした。
【0151】
5.ムーニー粘度試験:中国国家標準GB/T1232.1-2000に従って、ムーニー粘度計で試験を行い、試験温度を125℃とし、1分間予熱し、4分間試験を行った。
【0152】
6.熱空気老化加速試験:中国国家標準GB/T3512-2001に従って、熱老化試験チャンバーで行い、試験条件を150℃×72hとした。
【0153】
7.最適加硫時間Tc90試験:中国国家標準GB/T16584-1996に従って、ローターレス加硫機で行い、試験温度を160℃とした。
【0154】
以下、実施例1~29および比較例1~6の加硫条件は、同様に、温度:160℃、圧力:16MPa、時間Tc90+2minとした。
【0155】
以下、実施例に、本発明により提供されるゴム組成物を使用できる一部の応用分野を示し、ゴム組成物の加硫ゴム性能に試験・分析を行う。
【0156】
実施例1:
【0157】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-6であった。
【0158】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0159】
(1)混練:密閉式混合機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、EPDM50部および分岐ポリエチレン50部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 50部およびパラフィン油SUNPAR2280 5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部、架橋助剤であるメタクリル酸亜鉛5部および架橋助剤である硫黄0.2部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0160】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0161】
本実施例におけるゴム組成物は、橋用プレート型ベアリングのゴムシート層のゴム混合物に用いられることができる。
【0162】
実施例2:
【0163】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-6であった。
【0164】
ゴム組成物の加工工程は以下の通りである。
【0165】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 50部およびパラフィン油SUNPAR2280 5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部、架橋助剤であるメタクリル酸亜鉛5部および架橋助剤である硫黄0.2部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0166】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0167】
比較例1:
【0168】
加工工程は次のとおりである。
【0169】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、EPDM100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 50部およびパラフィン油SUNPAR2280 5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部、架橋助剤であるメタクリル酸亜鉛5部および架橋助剤である硫黄0.2部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0170】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0171】
実施例3:
【0172】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-5であった。
【0173】
ゴム組成物の加工工程は以下の通りである。
【0174】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、EPDM70部および分岐ポリエチレン30部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 65部およびパラフィン油SUNPAR2280 5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。
【0175】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0176】
実施例4:
【0177】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-5であった。
【0178】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0179】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、EPM20部、EPDM30部および分岐ポリエチレン50部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 65部およびパラフィン油SUNPAR2280 5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0180】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0181】
実施例5:
【0182】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-5であった。
【0183】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0184】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、EPDM30部および分岐ポリエチレン70部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 65部およびパラフィン油SUNPAR2280 5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0185】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0186】
比較例2:
【0187】
ゴムマトリックスとしてEPDMが用いられた。
【0188】
加工工程は次のとおりである。
【0189】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、EPDM100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 65部およびパラフィン油SUNPAR2280 5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0190】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0191】
実施例1~5及び比較例1、2の性能試験データは以下の表のとおりである。
【0192】
【表2】
【0193】
実施例6:
【0194】
押出法により製造された橋用ゴム伸縮装置は、そのゴム伸縮体がEPDMと分岐ポリエチレンをゴムマトリックスとして用いた。用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-10であった。
【0195】
ゴム伸縮体に用いられるゴム混合物の加工工程は以下のとおりである。
【0196】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、EPDM90部および分岐ポリエチレン10部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部、酸化カルシウム7部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN550 90部、炭酸カルシウム15部およびパラフィン油SUNPAR2280 60部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0197】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0198】
実施例7:
【0199】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-9であった。
【0200】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0201】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、EPDM70部および分岐ポリエチレン30部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部、酸化カルシウム7部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN550 90部、炭酸カルシウム15部およびパラフィン油SUNPAR2280 60部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0202】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0203】
実施例8:
【0204】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-5であった。
【0205】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0206】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部、酸化カルシウム7部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN550 90部、炭酸カルシウム15部およびパラフィン油SUNPAR2280 60部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0207】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0208】
比較例3:
【0209】
加工工程は次のとおりである。
【0210】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、EPDM100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部、酸化カルシウム7部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN550 90部、炭酸カルシウム15部およびパラフィン油SUNPAR2280 60部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0211】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0212】
実施例9:
【0213】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-4であった。
【0214】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0215】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、EPDM80部および分岐ポリエチレン20部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部および老化防止剤である2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンポリマー(RD)2部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 50部、炭酸カルシウム10部、パラフィン油SUNPAR2280 5部およびクマロン樹脂4部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0216】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0217】
実施例10:
【0218】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-4であった。
【0219】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0220】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、EPDM50部および分岐ポリエチレン50部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部および老化防止剤RD 2部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 50部、炭酸カルシウム10部、パラフィン油SUNPAR2280 5部およびクマロン樹脂4部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0221】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0222】
実施例11:
【0223】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-4であった。
【0224】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0225】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部および老化防止剤RD 2部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 50部、炭酸カルシウム10部、パラフィン油SUNPAR2280 5部およびクマロン樹脂4部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0226】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0227】
実施例12:
【0228】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-1およびPER-7であった。
【0229】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0230】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、PER-130部およびPER-770部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部および老化防止剤RD 2部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 50部、炭酸カルシウム10部、パラフィン油SUNPAR2280 5部およびクマロン樹脂4部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0231】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0232】
比較例4:
【0233】
加工工程は次のとおりである。
【0234】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、EPDM100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部および老化防止剤RD 2部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 50部、炭酸カルシウム10部、パラフィン油SUNPAR2280 5部およびクマロン樹脂4部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0235】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0236】
実施例6~12及び比較例3、4の性能試験データは以下の表のとおりである。
【0237】
【表3】
【0238】
実施例13:
【0239】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-8であった。
【0240】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0241】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、EPDM50部および分岐ポリエチレン50部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 75部および水添ロジン20部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3.5部、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド3部および架橋助剤であるp-キノンジオキシム1部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0242】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0243】
当該ゴム組成物は、ゴム製軌道パッドを製造するために用いられることができる。
【0244】
実施例14:
【0245】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-2およびPER-8であった。
【0246】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0247】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、PER-880部およびPER-220部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 75部および水添ロジン20部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3.5部、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド3部および架橋助剤であるp-キノンジオキシム1部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0248】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0249】
比較例5:
【0250】
加工工程は次のとおりである。
【0251】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、EPDM100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 75部および水添ロジン20部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3.5部、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド3部および架橋助剤であるp-キノンジオキシム1部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0252】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0253】
実施例15:
【0254】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-7であった。
【0255】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0256】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 125部、パラフィン油SUNPAR2280 80部およびポリエチレンワックス5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)4部および架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0257】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0258】
実施例16:
【0259】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-4であった。
【0260】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0261】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 45部、パラフィン油SUNPAR2280 5部およびクマロン樹脂3部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0262】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0263】
実施例17:
【0264】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-6であった。
【0265】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0266】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛10部、老化防止剤RD 1部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN550 80部およびパラフィン油SUNPAR2280 100部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(CZ)0.5部、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)1.25部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0267】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0268】
実施例18:
【0269】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-6であった。
【0270】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0271】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 65部およびパラフィン油SUNPAR2280 45部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤であるエチレングリコールジメタクリレート2部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0272】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0273】
実施例19:
【0274】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-3であった。
【0275】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0276】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN550 60部、炭酸カルシウム80部およびパラフィン油SUNPAR2280 120部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)1部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)0.3部、架橋助剤である硫黄0.5部、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(CZ)1部およびテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)0.8部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0277】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0278】
実施例20:
【0279】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-5であった。
【0280】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0281】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 50部、カーボンブラックN550 60部およびパラフィン油SUNPAR2280 240部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)8部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)2部および架橋助剤である1,2-ポリブタジエン8部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0282】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0283】
実施例13~20および比較例5の性能試験データは以下の表のとおりである。
【表4】
【0284】
実施例21:
【0285】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-4であった。
【0286】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0287】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部およびステアリン酸1部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いでカーボンブラックN550 30部およびパラフィン油SUNPAR2280 5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)4部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0288】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0289】
実施例22:
【0290】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-4であった。
【0291】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0292】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN550 120部、炭酸カルシウム80部およびパラフィン油SUNPAR2280 180部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)10部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)3部および架橋助剤である1,2-ポリブタジエン7部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0293】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0294】
実施例23:
【0295】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-7であった。
【0296】
ゴム組成物の加工工程は以下のとおりである。
【0297】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 30部、カーボンブラックN550 50部およびパラフィン油SUNPAR2280 5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3.5部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0298】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0299】
実施例24:
【0300】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-6であった。
【0301】
加工工程は次のとおりである。
【0302】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛6部、老化防止剤RD 2部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 55部、パラフィン油SUNPAR2280 5部およびクマロン樹脂5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)4部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1.5部、架橋助剤であるメタクリル酸亜鉛8部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0303】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0304】
実施例25:
【0305】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-5であった。
【0306】
加工工程は次のとおりである。
【0307】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN550 100部およびパラフィン油SUNPAR2280 75部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)2部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部および架橋助剤である硫黄0.2部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0308】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0309】
実施例26:
【0310】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-4であった。
【0311】
加工工程は次のとおりである。
【0312】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN550 50部およびポリエチレンワックス5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3.5部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0313】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0314】
実施例21~26の性能試験データは以下の表のとおりである。
【0315】
【表5】
【0316】
実施例27:
【0317】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-5であった。
【0318】
加工工程は次のとおりである。
【0319】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 70部、カーボンブラックN550 30部、パラフィン油SUNPAR2280 40部およびクマロン樹脂5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)4部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0320】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0321】
実施例28:
【0322】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-5であった。
【0323】
加工工程は次のとおりである。
【0324】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いでカーボンブラックN330 120部、タルク粉30部およびパラフィン油SUNPAR2280 105部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)5部および架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)2部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0325】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0326】
比較例6:
【0327】
加工工程は次のとおりである。
【0328】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、EPDM100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 70部、カーボンブラックN550 30部、パラフィン油SUNPAR2280 40部およびクマロン樹脂5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)4部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0329】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0330】
実施例27、28および比較例6の性能試験データは以下の表のとおりである。
【0331】
【表6】
【0332】
実施例29:
【0333】
用いられた分岐ポリエチレンの番号はPER-4であった。
【0334】
加工工程は次のとおりである。
【0335】
(1)混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 40部、硫酸バリウム60部、パラフィン油SUNPAR2280 10部およびポリエチレンワックス8部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)7部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度60℃のオープンロールで薄通しして、厚さが2.5mm程度のシートを得て20時間放置した。
【0336】
(2)加硫後、16時間放置してから、各試験を行った。
【0337】
本発明は、橋用ゴム伸縮装置、ゴム製軌道パッド、橋用プレート型ゴムサポーター、鉢型ゴムサポーター、ゴム鋼板複合型伸縮装置、ゴム製フェンダー、ゴム製止水ベルト、車両用衝撃吸収ベアリング、ゴムローラ、高温耐性Vリブドベルト、ワイパー、シールリング、防水コイルなどの製造加工のような前記ゴム組成物の様々な応用をさらに提供する。具体的な実施例は以下のとおりである。
【0338】
実施例30:
【0339】
橋用プレート型ゴムサポーターの加工工程は、以下のとおりである。
【0340】
当該橋用プレート型ゴムサポーターは、鋼板とゴムシート層とを含み、各層のゴムシートと鋼板との間に接着剤を塗布して加圧加硫することによって全体として接着されるものである。本実施例におけるゴムシート層に用いられるゴム組成物は、実施例2に記載の組成および配合割合で秤量し混練したものである。
【0341】
(1)ゴム混練工程:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 50部およびパラフィン油SUNPAR2280 5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部、架橋助剤であるメタクリル酸亜鉛5部および架橋助剤である硫黄0.2部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。オープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行った。番号付け、再練り、カレンダー加工及びシート出しを行った後に、加硫プロセスのために所望の仕様の中間製品であるゴムシートに打ち抜いた。
【0342】
(2)加硫工程:ゴムシートと、表面処理されて接着剤が塗布された鋼板とを工程要求に応じて順次積層して成形した後、予熱された金型に充填してから、プレス加硫機に入れて加硫した。加硫温度160℃、蒸気圧0.6MPa、時間25分間とした。
【0343】
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、ゴムサポーターの最終製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、最終製品を得た。
【0344】
実施例31:
【0345】
橋用プレート型ゴムサポーターの加工工程は、以下のとおりである。
【0346】
当該橋用プレート型ゴムサポーターは、鋼板、テフロン(登録商標)板およびゴムシート層を含み、各層のゴムシートと鋼板およびテフロン(登録商標)板との間に接着剤を塗布し加圧加硫することによって全体として接着されるものである。本実施例におけるゴムシート層に用いられるゴム組成物は、実施例2に記載の組成と配合割合で秤量し混練したものである。
【0347】
(1)ゴム混練工程:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、分岐ポリエチレンPER-6100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 50部およびパラフィン油SUNPAR2280 5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部、架橋助剤であるメタクリル酸亜鉛5部および架橋助剤である硫黄0.2部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。オープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行った。番号付け、再練り、カレンダー加工及びシート出しを行った後に、加硫プロセスのために所望の仕様の中間製品であるゴムシートに打ち抜いた。
【0348】
(2)加硫工程:ゴムシートと、表面処理されて接着剤が塗布された鋼板とテフロン(登録商標)板とを工程要求に応じて順次積層して成形した後、予熱された金型に充填してから、プレス加硫機に入れて加硫した。加硫温度160℃、蒸気圧0.6MPa、時間25分間とした。
【0349】
(3)後処理:加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、ゴムサポーターの最終製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、スパンの大きい構造に適した単純支持橋用ゴムサポーターを得た。
【0350】
実施例32:
【0351】
本実施例における鉢型ゴムサポーターは、上部支持板、ステンレス鋼板、テフロン(登録商標)板、中間鋼板、シールリング、ゴム支承板、下部支持板およびアンカーを含む。本実施例におけるゴム支承板は、実施例5と同様のゴム組成物を採用し、その加工工程は以下のとおりである。
【0352】
(1)ゴム混練工程:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、EPDM30部および分岐ポリエチレンPER-570部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 65部およびパラフィン油SUNPAR2280 5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。オープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行った。
【0353】
(2)加硫工程:モールドプレス加硫を採用し、加硫温度160℃、蒸気圧0.6MPa、加硫時間25分間としたとした。
【0354】
(3)冷却して放置し、トリミングして仕上げを行うことでゴム支承板を得た。
【0355】
ゴム支承板と他の部品とを組み立てて鉢型ゴムサポーターを得た。
【0356】
実施例33:
【0357】
橋用ゴム伸縮装置に用いられるゴム伸縮体は、押出法によって得られるものであり、具体的な工程は以下のとおりである。
【0358】
(1)混練:本実施例に記載のゴム伸縮体として実施例8に記載のゴム組成物を用い、密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、分岐ポリエチレンPER-5 100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部、酸化カルシウム7部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN550 90部、炭酸カルシウム15部およびパラフィン油SUNPAR2280 60部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。オープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行った。
【0359】
(2)押出と加硫:押出加硫プロセスでは、真空押出機を好適に採用し、押出機の温度をヘッド部90~100℃、スクリュー温度70~80℃に設定し、ヘッド部の圧力を15~20MPaに制御する必要がある。押出機の回転数を25~30rpmとし、塩浴加硫プロセスを採用し、スプレー部の温度250℃、浸漬部の温度220℃、浸漬プレス部の温度220℃、伝動速度35~45m/min、冷却部の温度25~30℃とした。
【0360】
(3)冷却してトリミングし、検査を行うことで、最終製品を得た。
【0361】
実施例34:
【0362】
橋用ゴム伸縮装置に用いられるゴム伸縮体は、モールドプレス法によって得られるものであり、具体的な工程は以下のとおりである。
【0363】
(1)混練と成形:本実施例に記載のゴム伸縮体として実施例11に記載のゴム組成物を用い、密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレンPER-4 100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部および老化防止剤RD 2部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 50部、炭酸カルシウム10部、パラフィン油SUNPAR2280 5部およびクマロン樹脂4部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。オープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行った。再練りしてシート出しし、秤量して成形した。
【0364】
(2)モールドプレス加硫:加硫温度160℃、蒸気圧0.6MPa、加硫時間25分間とした。
【0365】
(3)冷却してトリミングし、検査を行うことで、最終製品を得た。
【0366】
実施例35:
【0367】
ゴム鋼板複合型伸縮装置の加工工程は以下のとおりである。
【0368】
(1)混合と成形:ゴム部分として実施例11に記載のゴム組成物を用い、密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレンPER-4 100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部および老化防止剤RD 2部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 50部、炭酸カルシウム10部、パラフィン油SUNPAR2280 5部およびクマロン樹脂4部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。オープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、放置して検出を行った。再練りしてシート出しし、秤量して成形した。
【0369】
(2)加硫工程:ゴムシートと、表面処理されて接着剤が塗布された鋼板とを工程要求に応じて貼合して成形した後、予熱された金型に充填してから、プレス加硫機に入れて加硫した。加硫温度160℃、蒸気圧0.6MPa、時間25分間とした。
【0370】
(3)加硫が完了した後、金型を引き出して取り外し、ゴムサポーターの最終製品を取り出し、冷却し放置してトリミングすることで、最終製品を得た。
【0371】
実施例36:
【0372】
ゴム製軌道パッドの加工工程は以下のとおりである。
【0373】
(1)混練:実施例14に記載のゴム組成物を用い、密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、PER-880部およびPER-120部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 75部および水添ロジン20部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3.5部、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド3部および架橋助剤であるp-キノンジオキシム1部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。放置し検出してから熱入れし、所望の厚さに応じてシート出しし、加硫プロセスのために所望の仕様形状に裁断した。
【0374】
(2)モールドプレス加硫:加硫温度160℃、蒸気圧0.6MPa、時間25分間とした。
【0375】
(3)トリミングして、検査を行い、最終製品を得た。
【0376】
実施例37:
【0377】
ゴム製フェンダーの加工工程は以下のとおりである。
【0378】
(1)混練:実施例15に記載のゴム組成物を用い、密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレンPER-7 100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 125部、パラフィン油SUNPAR2280 80部およびポリエチレンワックス5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)4部および架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。
【0379】
(2)モールドプレスと加硫:混練ゴムをキャビティ内に投入し、次いで型閉じし、ゴム混合物を十分に流動させ、排気して型閉じし、加硫した。加硫温度160℃、時間25分間とした。
【0380】
(3)金型を開き、製品を取り出し、トリミングし、検査して最終製品を得た。
【0381】
実施例38:
【0382】
ゴム製止水ベルトの加工工程は以下のとおりである。
【0383】
(1)混練と成形:実施例16に記載のゴム組成物を用い、密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレンPER-4 100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 45部、パラフィン油SUNPAR2280 5部およびクマロン樹脂3部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。放置して検査を行い、再練りしてシート出しし、秤量して成形した。
【0384】
(2)モールドプレス加硫:加硫温度160℃、蒸気圧0.6MPa、時間25分間とした。
【0385】
(3)トリミングして仕上げし、検査を行い、最終製品を得た。
【0386】
実施例39:
【0387】
スチールエッジゴム製止水ベルトの加工工程は以下のとおりである。
【0388】
(1)ゴム部分の混練と成形:実施例16に記載のゴム組成物を用い、密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレンPER-4 100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 45部、パラフィン油SUNPAR2280 5部およびクマロン樹脂3部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。放置して検査を行い、再練りしてシート出しし、秤量して成形した。
【0389】
(2)加硫工程:ゴムシートと、表面処理されて接着剤が塗布された鋼板とを工程要求に応じて貼合して成形した後、予熱された金型に装填してから、プレス加硫機に入れて加硫した。加硫温度160℃、蒸気圧0.6MPa、時間25分間とした。
【0390】
(3)トリミングして仕上げし、検査を行い、最終製品を得た。
【0391】
実施例40:
【0392】
車両用衝撃吸収ベアリングの加工工程は以下のとおりである。
【0393】
(1)ゴム部分の混練と成形:実施例17に記載のゴム組成物を用い、密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレン100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛10部、酸化防止剤RD 1部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN550 80部およびパラフィン油SUNPAR2280 100部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(CZ)0.5部、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)1.25部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。放置して検査を行い、再練りしてシート出しし、秤量して成形した。
【0394】
(2)加硫工程:ゴム混合物と、表面処理されて接着剤が塗布された金属部品とを工程要求に応じて貼合して成形した後、予熱された金型に装填してから、プレス加硫機により加硫した。加硫温度160℃、蒸気圧0.6MPa、時間25分間とした。
【0395】
(3)トリミングして仕上げし、検査を行い、最終製品を得た。
【0396】
本実施例の衝撃吸収ベアリングは、エンジンや排気管などの高温部位に使用できる。
【0397】
実施例41:
【0398】
ゴムローラの製造加工工程は以下のとおりである。
【0399】
(1)混練:実施例18に記載のゴム組成物を用い、密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレンPER-6 100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 65部およびパラフィン油SUNPAR2280 45部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤であるエチレングリコールジメタクリレート2部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシート出しした後、24時間放置した。
【0400】
(2)巻付とゴム被覆:混練ゴムをスクリュー押出機に投入し、プロセスに必要な厚さおよび幅のゴムシートを押出し、ゴムシートが均一になった後、回転ラッピング機を始動させ、ゴムシートを用意しておく金属ロールコアに巻き付けた。ゴム被覆された片側の厚さが所定の厚さに達するまで層ごとに巻き付けてゴム被覆し、次にゴムの表面に2~3層のナイロン水布を巻き付け、ゴム被覆済みのゴムローラを得た。
【0401】
(3)加硫缶による加硫:ゴム被覆済みのゴムローラを加硫缶に送り、扉を閉めた後、加硫缶に蒸気を導入して加硫し、蒸気の導入と同時に、圧縮空気弁を開き、缶内の圧力が0.5時間で4.5~5気圧になるように圧縮空気を導入した。加硫の手順は、以下のとおりである。最初に70~80℃に加熱し、2時間保温し、次に100~110℃に加熱し、0.5時間保温し、次に120~130℃に加熱し、0.5時間保温し、そして135~140℃に加熱し、8~10時間保温した。加硫が終了し、排気バルブを開き、圧力を低下させ、圧力計の指針がゼロを示すと、安全ピンを開き、ピンホールから蒸気が排出されて流れると、加硫缶を半分開きし、温度を下げ、缶内の温度が60℃よりも低い又は室温に相当する温度になると、ゴムローラを引き出した。
【0402】
(4)加硫済みのゴムローラを旋盤で粗加工した後、グラインダーで仕上げ加工し、検査し、最終製品を得た。
【0403】
実施例42:
【0404】
本発明により提供されるゴム組成物を緩衝層に用いる高温耐性Vリブドベルトの製造加工工程は以下のとおりである。
【0405】
1、混練:
【0406】
(1)圧縮層のゴム混合物の混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、分岐ポリエチレンPER-5 100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛6部、ステアリン酸1部、老化防止剤RD 2部を添加して1分間混練した後、ゴム混合物にカーボンブラックN330 45部、パラフィン油SUNPAR2280 5部およびクマロン樹脂5部を添加して3分間混練した。その後、長さ1mmのナイロン短繊維60部を添加して2分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)4部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1.5部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをロール温度80℃のオープンロールで薄通しして、ロールギャップ0.5mmで7回薄通しして、短繊維を十分に配向させ、ロールギャップを大きくし、厚さが2.5mm程度のシートを得て、シートとして取り出して、20時間放置した。
【0407】
(2)緩衝層のゴム混合物の混練:密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレンPER-5 100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛6部、老化防止剤RD 2部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 55部、パラフィン油SUNPAR2280 5部およびクマロン樹脂5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)4部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1.5部、架橋助剤であるメタクリル酸亜鉛10部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。
【0408】
2、成形:リバース成形法を採用し、まず、ブランク型を成形機に吊り上げ、金型を掃除し、少量のダスティング剤を塗布してから揮発させた後、Vリブドベルトの上布をブランク型に包んで貼り付け、次に緩衝層ゴムを包んで貼り付け、ロープの張力を校正し、高強度層を平らかに巻き付けた後、緩衝ゴムを包んで貼り付け、最後に、リッブゴムを成形工程に必要な外周長になるまで包んで貼り付けてベルトブランクを得た。
【0409】
3、加硫:ベルトブランクを加硫部に送り加硫を行い、加硫温度160℃、内圧0.45~0.55MPa、外圧1.0~1.2MPa、加硫時間30分間とした。
【0410】
4、後処理:加硫が完了した後、冷却して離型し、ベルト筒を切断工程に送り、所望の幅に応じて切断した。裏面を研磨し、リッブを研磨し、トリミングしてから検査を経て、最終製品を得た。
【0411】
実施例43:
【0412】
ワイパーの製造加工工程は以下のとおりである。
【0413】
(1)混練:実施例25に記載のゴム組成物を用い、密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレンPER-5 100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 65部およびパラフィン油SUNPAR2280 45部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3部および架橋助剤であるエチレングリコールジメタクリレート2部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。混練ゴムをオープンロールで薄通ししてシート出しした後、24時間放置した。
【0414】
(2)混練ゴムをキャビティに注入し、160℃で25分間加硫して成形した。
【0415】
(3)加硫された製品を表面処理し、検査して最終製品を得た。
【0416】
実施例44:
【0417】
シールリングの加工工程は以下のとおりである。
【0418】
(1)混練:実施例26に記載のゴム組成物を用い、密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレンPER-4 100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN550 50部およびポリエチレンワックス5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)3.5部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部を添加して、2分間混練後にゴムを排出させた。オープンロールで薄通ししてシートとして取り出し、物性を検出し、ゴム混合物を再練りしてから、押出法により中間製品を得た。
【0419】
(2)加硫:温度160℃、加硫時間20分間とする一段階モールドプレス加硫を行い、そして、温度150℃、時間1時間とする二段階オーブン加硫を行った。
【0420】
(3)トリミングして、検査を行い、最終製品を得た。
【0421】
実施例45:
【0422】
防水コイルの加工工程は以下のとおりである。
【0423】
(1)混練:実施例27に記載のゴム組成物を用い、密閉式混練機の温度を90℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレンPER-5 100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN330 70部、カーボンブラックN550 30部、パラフィン油SUNPAR2280 40部およびクマロン樹脂5部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)4部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。ブロック状ゴム混合物をオープンロールに送り混練を行い、ロール温度を85~95℃、ロールギャップを1mm未満に制御し、ゴム混合物の表面が滑らかで均一になって光沢があるようになるまで4回以上薄通しした。その後、前の工程に戻ってさらに混練し、4回以上薄通ししてから、ロールギャップを8mm以下に調整し、3回混練し、均一に混合された厚さ8mm以下のゴム混合物を得た後、50℃以下に冷却してシート出しして、積み上げた。
【0424】
(2)熱入れ:ゴム混合物シートが滑らかで均一になり、最初ロール状に形成されるまで、均一に混合されたゴム混合物をオープンロールで熱入れし、ロール温度を85~95℃、ロールギャップを6mm以下に制御した。
【0425】
(3)カレンダー加工:熱入れを経て最初ロール状に形成されたゴム混合物シートをカレンダーに入れ、最終製品の厚さの要求に応じてロールギャップを調整してカレンダー加工して、最終製品の厚さ仕様の要求を満たす中間製品であるコイルを得た。
【0426】
(4)巻上:最終製品であるコイルの仕様長さの要求に応じて、仕切りライナー層を設け、そして中間製品であるコイルをロール状に巻き取った。
【0427】
(5)加硫:ロール状にまとめられるコイルを加硫処理のために窒素充填加硫釜に入れ、加硫釜の温度を155~165℃、圧力を20~25MPaに制御し、加硫を25~30分間行った。
【0428】
(6)巻戻:加硫されたコイルを再度開き、仕切りライナー層を取り出した後、巻き戻して製品に包装した。
【0429】
実施例46:
【0430】
エンジン冷却システムのラジエータ用プレート型ゴム製シールストリップは、モールドプレス加硫と段階加硫を用いたものであり、以下の工程を含む。
【0431】
(1)ゴム混練:密閉式混練機の温度を80℃、回転子の回転数を40rpmに設定し、分岐ポリエチレンPER-5 100部を添加して90秒間予備加圧して混練し、次いで酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部、老化防止剤RD 1部および脂肪酸誘導体混合物WB42 2部を添加して1分間混練した。カーボンブラックN550 60部、パラフィン油SUNPAR2280 25部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるビス(tert-ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン(BIPB)4部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)1部および架橋助剤である硫黄0.3部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。放置して検出を行った。
【0432】
(2)検出に合格した混練ゴムを押出機で押出成形し、裁断してから加硫装置の金型に入れ、加硫圧力15MPa、加硫温度180℃、加硫時間2.5分間とした。
【0433】
(3)加硫処理を経た製品をトリミングした。
【0434】
(4)トリミングされた製品を高温で二段階加硫した。温度170℃、時間30分間とした。
【0435】
(5)製品を検査し、合格した後入庫した。
【0436】
実施例47:
【0437】
インナーチューブの製造工程は以下のとおりである。
【0438】
(1)ゴム混練:密閉式混練機の温度を100℃、回転子の回転数を50rpmに設定し、分岐ポリエチレンPER-5 100部を添加して90秒間予備加圧混練した。酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部およびクマロン樹脂3部を添加して2分間混練した後、カーボンブラックN660 60部およびパラフィン油SUNPAR2280 20部を添加して3分間混練した。最後に、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)4部および架橋助剤であるN,N’-m-フェニレンビスマレイミド(HVA-2)2部を添加して、2分間混練した後にゴムを排出させた。ゴムを濾過した後混練ゴムをオープンロールで可塑化して薄通しし、20時間放置した。
【0439】
(2)押出:押出機の温度を85℃、ダイの温度を115℃とし、コンベアベルトの速度を押出速度と一致させた。エアバルブを取り付けた。
【0440】
(3)接合:スプライサーにより接合した後放置した。
【0441】
(4)空気充填・仕上げおよび加硫:まず、70%まで空気を充填し、15秒間停止した。次に、仕上げ寸法になるまで第2回の空気充填を行った。加硫温度180℃、蒸気圧0.9MPa、加硫時間8分間とした。加硫が完了した後、取り出して冷却した。
【0442】
(5)検査してトリミングすることで、インナーチューブの最終製品を得た。
【0443】
実施例48:
【0444】
橋用プレート型ゴムサポーターは、ゴム組成物中のゴムマトリックスが分岐ポリエチレンPER-12100部であり、他の成分および加工工程は実施形態30と同様であった。
【0445】
使用されるゴム組成物の混練ゴムをモールドプレス加硫することで試験サンプルを作製し、試験性能は以下のとおりであった。
【0446】
硬さ:65、引張強さ:27.3MPa、切断時伸び:442%、圧縮永久歪み(70℃×22時間):8%。
【0447】
実施例49:
【0448】
車両用衝撃吸収ベアリングは、ゴム組成物中のゴムマトリックスが分岐ポリエチレンPER-10 70部および分岐ポリエチレンPER-12 30部であり、他の成分および加工工程は実施例40と同様であった。
【0449】
使用されるゴム組成物の混練ゴムをモールドプレス加硫することで試験サンプルを作製し、試験性能は以下のとおりであった。
【0450】
硬さ:63、引張強さ:27.5MPa、切断時伸び:382%、圧縮永久歪み(70℃×22時間):9%。
【0451】
実施例50:
【0452】
ゴム製軌道パッドは、ゴム組成物中のゴムマトリックスが分岐ポリエチレンPER-11100部であり、他の成分および加工工程は実施例36と同様であった。
【0453】
使用されるゴム組成物の混練ゴムをモールドプレス加硫することで試験サンプルを作製し、試験性能は以下のとおりであった。
【0454】
硬さ:75、引張強さ:26.8MPa、切断時伸び:347%、圧縮永久歪み(70℃×22時間):9%。
【0455】
以上、比較によって、本発明のゴム組成物は、従来技術におけるEPRをマトリックスとするゴム組成物に比べて、総合的な物理的性能においてより優れており、低コストで老化防止ゴム製品の使用効果を著しく最適化し、老化防止ゴム製品の用途範囲を広げることができることが分かる。