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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】ソファーベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 17/16 20060101AFI20230327BHJP
   A47C 13/00 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
A47C17/16 Z
A47C17/16 C
A47C13/00 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020005395
(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公開番号】P2021112284
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-06-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年5月1日ウェブサイト(http://kokj-c.com/kimura-samurai/2019/05/post-3.html)に掲載、令和1年10月10日ウェブサイト(http://kokj-c.com/kimura-samurai/2019/10/post-1.html)に掲載
(73)【特許権者】
【識別番号】599071946
【氏名又は名称】株式会社弘樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡
(72)【発明者】
【氏名】木村 弘樹
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-42261(JP,U)
【文献】実開昭57-15252(JP,U)
【文献】特開平10-229929(JP,A)
【文献】特開2004-173517(JP,A)
【文献】米国特許第4173045(US,A)
【文献】英国特許出願公開第2409972(GB,A)
【文献】独国特許出願公開第4344589(DE,A1)
【文献】米国特許第3555581(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/16
A47C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下面が平坦面に形成された四角ブロック状の第1本体片(11)と、第1本体片(11)の下面から下方に伸びる脚部(14)と、前後および左右寸法が第1本体片(11)の前後および左右寸法と同寸法に設定されるとともに、第1本体片(11)よりも上下方向の厚み寸法が小さく設定され、上下面が平坦面に形成された四角ブロック状の第2本体片(12)と、両本体片(11・12)を連結する蝶番部(13)とを備え、第1本体片(11)の上方に第2本体片(12)が重ねられる折り畳み姿勢と、両本体片(11・12)が広げられる展開姿勢との間で姿勢変位可能に構成された本体部(1)と、
上下方向の厚み寸法が同一に設定された2つの補助片(41・42)と、両補助片(41・42)を連結する蝶番部(43)とを備え、両補助片(41・42)が重ねられた折り畳み姿勢と、両補助片(41・42)が広げられる展開姿勢との間で姿勢変位可能に構成され、本体部(1)が折り畳み姿勢とされたときに第2本体片(12)の上方に折り畳み姿勢で載置され、或いは本体部(1)が展開姿勢とされたときに第2本体片(12)の下方に展開姿勢で載置される補助部(2)と、
を備え、
第1本体片(11)、第2本体片(12)、補助片(41・42)のそれぞれには弾性要素が内蔵されており、本体部(1)を展開姿勢としたうえで、第2本体片(12)と床面(F)との間に展開姿勢とした補助部(2)を設置することで、マットレスベッドとして使用可能であり、しかも本体部(1)を折り畳み姿勢としたうえで、本体部(1)の上に補助部(2)を背もたれ部として載置することで、ソファーとして使用可能となるように構成されており、
第1本体片(11)の厚み寸法(H1)と脚部(14)の高さ寸法(H2)との合計値と、第2本体片(12)の厚み寸法(H3)と展開姿勢としたときの補助部(2)の厚み寸法(H4)との合計値とが同寸法に設定にされており、
第1本体片(11)が、脚部(14)により支持されるフレーム(15)と、フレーム(15)の上に配置される第1マットレス(16)とを含み、
第1マットレス(16)と第2本体片(12)とは、前後方向および左右方向にマトリクス状に隣接配置された一群のポケットコイル(25・34)を有するスプリングユニット(26・30)を弾性要素として備え、
第1マットレス(16)のスプリングユニット(26)と、第2本体片(12)のスプリングユニット(30)とが、ポケットコイル(25・34)の個数、各ポケットコイル(25・34)の弾性、および厚み寸法が同一に設定された同一仕様のスプリングユニットで形成されていることを特徴とするソファーベッド。
【請求項2】
展開姿勢としたときの補助部(2)の前後および左右の寸法が、第2本体片(12)の前後および左右の寸法と同一寸法に設定されている、請求項1記載のソファーベッド。
【請求項3】
第1マットレス(16)と第2本体片(2)とは、それぞれのスプリングユニット(26・30)の上面に配置されるクッション材(17・31)を弾性要素として含み、
両クッション材(17・31)が、同一の素材および厚み寸法を有する同一仕様のクッション材で形成されている、請求項1または2に記載のソファーベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソファーおよびマットレスベッドとして利用できるソファーベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のソファーベッドの従来例としては特許文献1を挙げることができる。特許文献1のソファーベッドは、一対のクッション体2・3を連結して構成されたマット部4と、クッション体2・3のそれぞれの両端部に着脱自在に取付けられたヘッドボード5・5とを備える。一方のクッション体3の裏面には脚30が設けられており、他方のクッション体2の裏面には支持体6が枢着されている。両クッション体2・3の厚み寸法は同一寸法に設定されている。また、クッション体3側の脚30の高さ寸法と、クッション体2側の支持体6の厚み寸法とは、同寸法に設定されている。
【0003】
以上のような構成からなるソファーベッドによれば、両クッション体2・3を展開状態としたうえで、両クッション体2・3の一方の端部にヘッドボード5・5を並べて取付けることで、ソファーベッドをマットレスベッドとして使用することができる。このとき、両クッション体2・3の厚み寸法が同一寸法に設定されるとともに、脚30の高さ寸法と支持体6の厚み寸法とが同一寸法に設定されているため、両クッション体2・3の高さ位置を均一に揃えて、ベッド面をフラットにすることができる。
【0004】
また、一方のクッション体3の上に、他方のクッション体2を重ね、ヘッドボード5を下方側のクッション体3の両端部に取付けたうえで、支持体6を枢着部分を中心として引き起こし、対向したヘッドボード5のそれぞれの上縁隅部に位置する止具50に支持体6を立て掛けることで、ソファーベッドをソファーとして使用することができる。このとき、重ねられたクッション体2・3がシートクッションとなり、ヘッドボード5・5がアームレストとなり、ヘッドボード5・5間に架け渡された支持体6がシートバック(背もたれ部)となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実願昭61-138062号(実開昭63-42261号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、特許文献1のソファーベッドでは、脚30の高さ寸法と背もたれ部となる支持体6の厚み寸法とが同一寸法に設定されている。このため、背もたれ部となる支持体6の厚み寸法には限界があり、ソファーとして使用されたときの背もたれ部のクッション性の向上を図ることが容易でない。加えて、クッション体3の下面に脚30を備える構成を採った場合には、当該脚30を支持するためのフレームがクッション体3の下方に内蔵することが必要となるところ、特許文献1のようにクッション体2・3の厚み寸法が同一寸法に設定されている構成では、フレームを設けた分だけクッション体3のクッション性が損なわれるおそれがあり、両クッション体2・3を展開してソファーベッドをマットレスベッドとして使用するときに、両クッション体2・3のクッション性に差が生じて、寝心地が悪化しやすい。
【0007】
本発明は、蝶番部を中心にして連結された2つの本体片を有し、両本体片が広げられる展開姿勢と、両本体片が重ねられる折り畳み姿勢との間で姿勢変位可能に構成された本体部を有し、一方の本体片に脚部とこれを支持するフレームとが設けられており、ソファーおよびベッドとして利用できるソファーベッドにおいて、脚部の高さ寸法を大きくすることなく、背もたれ部となる補助部の厚み寸法を大きくして、背もたれ部のクッション性の向上を図ることができ、しかも一方の本体部のみにベッドフレームを内蔵させながら、両本体片のクッション性の均一化を図ることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のソファーベッドは、上下面が平坦面に形成された四角ブロック状の第1本体片11と、第1本体片11の下面から下方に伸びる脚部14と、前後および左右寸法が第1本体片11の前後および左右寸法と同寸法に設定されるとともに、第1本体片11よりも上下方向の厚み寸法が小さく設定され、上下面が平坦面に形成された四角ブロック状の第2本体片12と、両本体片11・12を連結する蝶番部13とを備え、第1本体片11の上方に第2本体片12が重ねられる折り畳み姿勢と、両本体片11・12が広げられる展開姿勢との間で姿勢変位可能に構成された本体部1と、上下方向の厚み寸法が同一に設定された2つの補助片41・42と、両補助片41・42を連結する蝶番部43とを備え、両補助片41・42が重ねられた折り畳み姿勢と、両補助片41・42が広げられる展開姿勢との間で姿勢変位可能に構成され、本体部1が折り畳み姿勢とされたときに第2本体片12の上方に折り畳み姿勢で載置され、或いは本体部1が展開姿勢とされたときに第2本体片12の下方に展開姿勢で載置される補助部2とを備える。第1本体片11、第2本体片12、補助片41・42のそれぞれには弾性要素が内蔵されており、本体部1を展開姿勢としたうえで、第2本体片12と床面Fとの間に展開姿勢とした補助部2を設置することで、マットレスベッドとして使用可能であり、しかも本体部1を折り畳み姿勢としたうえで、本体部1の上に補助部2を背もたれ部として載置することで、ソファーとして使用可能となるように構成されている。第1本体片11の厚み寸法(H1)と脚部14の高さ寸法(H2)との合計値と、第2本体片12の厚み寸法(H3)と展開姿勢としたときの補助部2の厚み寸法(H4)との合計値とが同寸法に設定にされている。第1本体片11は、脚部14により支持されるフレーム15と、フレーム15の上に配置される第1マットレス16とを含む。第1マットレス16と第2本体片12とは、前後方向および左右方向にマトリクス状に隣接配置された一群のポケットコイル25・34を有するスプリングユニット26・30を弾性要素として備える。そして、第1マットレス16のスプリングユニット26と、第2本体片12のスプリングユニット30とが、ポケットコイル25・34の個数、各ポケットコイル25・34の弾性、および厚み寸法が同一に設定された同一仕様のスプリングユニットで形成されていることを特徴とする。
【0009】
展開姿勢としたときの補助部2の前後および左右の寸法が、第2本体片12の前後および左右の寸法と同一寸法に設定されている。
【0010】
第1マットレス16と第2本体片2とは、それぞれのスプリングユニット26・30の上面に配置されるクッション材17・31を弾性要素として含む。両クッション材17・31は、同一の素材および厚み寸法を有する同一仕様のクッション材で形成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明のソファーベッドにおいては、本体部1を構成する第2本体片12の厚み寸法(H3)を第1本体片11の厚み寸法(H1)よりも小さくし、本体部1を両本体片11・12が広げられる展開姿勢としたうえで、第2本体片12と床面Fとの間に展開姿勢とした補助部2を設置することで、ソファーベッドがマットレスベッドとして使用されるように構成した。これによれば、本体部1を展開姿勢としたときにマットレスベッドのベッド面の高さ位置を揃えるためには、展開姿勢としたときの補助部2の厚み寸法(H4)を、脚部14の高さ寸法(H2)とするだけでは足りず、当該寸法(H2)に、第1本体片11の厚み寸法(H1)と第2本体片12の厚み寸法(H3)との差分とを加える必要がある。以上より、本発明によれば、脚部14の高さ寸法(H2)を大きくすることなく、展開姿勢としたときの補助部2の厚み寸法(H4)を大きくすることが可能である。さらに本発明によれば、ソファーとして使用されるときには、折り畳み姿勢とされた補助部2が背もたれ部として使用されることから、ソファーの背もたれ部の厚み寸法を各段に大きくすることができる。以上より、本発明によれば、背もたれ部となる補助部2(折り畳み姿勢とされた補助部2)のクッション性の向上を図ることができるので、ソファーとしての実用利便性に優れたソファーベッドを得ることができる。
【0012】
加えて、第1本体片11が、脚部14により支持されるフレーム15とフレーム15の上に配置される第1マットレス16とを含むものとされ、第1マットレス16のスプリングユニット26と、第2本体片12のスプリングユニット30とが、ポケットコイル25・34の個数、各ポケットコイル25・34の弾性、および厚み寸法が同一に設定された同一仕様のスプリングユニットで形成されていると、第1本体片11にフレーム15を内蔵させながら、両本体片11・12のクッション性の均一化を図ることができる。これにより、本体部1を展開姿勢としたときの両本体片11・12のクッション性を均一にすることができる。したがって、マットレスベッドとしての実用利便性に優れたソファーベッドを得ることができる。
【0013】
展開姿勢としたときの補助部2の前後および左右の寸法が、第2本体片12の前後および左右の寸法と同一寸法に設定されていると、マットレスベッドとしての使用時に、第2本体片12の下方に補助部2を展開姿勢で載置したときに、第2本体片12の周縁から補助部2が出っ張ることを防ぐことができる。これにより、マットレスベッドとして使用されるときに、第2本体片12の下面の全体を、展開姿勢とされた補助部2で支持することができるので、第2本体片12が不用意にぐらついたり、第2本体片12の一部が沈み込むようなことを抑えて、第2本体片12を安定的に支持することができる。また、第2本体片12の周縁から展開姿勢とされた補助部2が突出することを防ぐことができるので、マットレスベッドとして使用される際に、使用者が違和感を覚えることはない。
【0014】
第1マットレス16のスプリングユニット26の上に配置されるクッション材17と、第2本体片12のスプリングユニット30の上面に配置されるクッション材31とが、同一の素材および厚み寸法を有する同一仕様のクッション材で形成されていると、スプリングユニット26・30を同一仕様としたことと相俟って、さらに第1マットレス16と第2本体片12のクッション性の均一化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のソファーベッドをマットレスベッドとして使用したときの側面図である。
図2】ソファーベッドをマットレスベッドとして使用したときの斜視図である。
図3】本体部と補助部の姿勢変位を説明するための図である。
図4】ソファーベッドをソファーとして使用したときの斜視図である。
図5】ソファーベッドをソファーとして使用したときの別形態を示す斜視図である。
図6】ソファーベッドをソファーとして使用したときの縦断側面図である。
図7】ソファーベッドをマットレスベッドとして使用したときの平面図、正面図、底面図、背面図、および右側面図である。
図8】ソファーベッドをソファーとして使用したときの平面図、正面図、底面図、背面図、および右側面図である。
図9】ソファーベッドをソファーとして使用したときの別形態を示す平面図、正面図、底面図、背面図、および右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施例) 図1から図9に、本発明のソファーベッドの実施例を示す。本実施例における前後、左右、上下は、図1図2図4および図6に示す交差矢印と、矢印の近傍の前後、左右、上下の表記に従う。図3において、符号1は本体部を、符号2は本体部1と別体に構成された補助部を示しており、本実施例のソファーベッドは、これら本体部1と補助部2とを組み合わせることで、図4に示すようなソファーと、図2に示すようなマットレスベッドとの間で相互に変換可能に構成されている。なお、本実施例においては、原則として図1に示す姿勢状態を基準にして、本体部1と補助部2の前後面、左右面、上下面の各面を規定する。
【0017】
図3に示すように、本体部1は、上下面が平坦面に形成された前後一対の四角ブロック状の第1・第2本体片11・12と、両本体片11・12を連結する蝶番部13と、第1本体片11の下面に突設された脚部14とを備える。図1に示すように、第1本体片11は、脚部14に支持される中空箱状のフレーム15と、フレーム15の上方に配された第1マットレス16と、第1マットレス16の上面に配されたクッション材であるウレタンシート17と、第1マットレス16の下面に配されたフエルトシート18と、これらを覆う表装材19とで構成される。フレーム15は、下方側の底板21と、底板21の四周縁に立設された四枚の側板22と、側板22に上端に配された天板23とからなり、底板21の四隅には円柱形の脚部14が固定されている。フレーム15を構成する各板21・22・23および脚部14は木材からなる。脚部14は、円柱形のほか、円錐台形とすることができる。脚部14の床面Fと接する底面には、床面保護用のシート材や、滑り止め用のシート材などを配することができる。
【0018】
第1マットレス16は、前後方向および左右方向にマトリクス状に隣接配置された複数の鼓状のポケットコイル25を有するスプリングユニット26を弾性要素とするものであり、フエルトシート18を介してフレーム15の天板23上に載置されている。ウレタンシート17は、第1マットレス16と協働して弾性作用を発揮するものであり、第1マットレス16の上面に配置されている。第1本体片11を構成するフレーム15、フエルトシート18、第1マットレス16、およびウレタンシート17の前後および左右寸法は略同一寸法に設定されており、第1本体片11は全体として、平面視で略正方形の四角ブロック状に形成されている。第1本体片11の表面を覆う表装材19は布地で形成される。第1本体片11の上面と側面とを覆う表装材19Aと、第1本体片11の下面を覆う表装材19Bとは異なる素材で形成されている。
【0019】
第2本体片12は、弾性要素となるスプリングユニット30と、スプリングユニット30の上下面に配されたクッション材であるウレタンシート31・32と、これらスプリングユニット30とウレタンシート31・32とを覆う表装材33とで構成される。第2本体片12の前後および左右寸法は、第1本体片11の前後および左右寸法と同寸法に設定されている。第2本体片12の上下方向の厚み寸法(H3)は、第1本体片11の上下方向の厚み寸法(H1)よりも小さく設定されている。スプリングユニット30は、第1マットレス16と同様に、前後方向および左右方向にマトリクス状に隣接配置された複数の鼓状のポケットコイル34を備える。
【0020】
第2本体片12の上下面と側面とを覆う表装材33は、第1本体片11の上面と側面とを覆う表装材19(19A)と同じ素材で構成されている。第1本体片11の上面を覆う表装材19(19A)と、第2本体片12の上面を覆う表装材33(33A)とは一枚の布地で形成されており、両上面の境界部分に係る表装材が、第1本体片11と第2本体片12とを連結する蝶番部13とされている。
【0021】
以上のような構成からなる本体部1は、図3に示すように、蝶番部13を中心にして姿勢を変位させることができる。より詳しくは、本体部1は、図4図6に示すように、第1本体片11と第2本体片12とが重ねられる折り畳み姿勢と、図1図2に示すように、第1本体片11と第2本体片12とが前後方向に広げられる展開姿勢との間で、適宜に姿勢を変位させることができる。折り畳み姿勢においては、蝶番部13を挟んで相対する両本体片11・12の二つの面(上面)が重なり合う。展開姿勢においては、蝶番部13を挟んで相対する両本体片11・12の二つ面のそれぞれが上方に指向することとなる。
【0022】
図3に示すように、補助部2は、上下面が平坦面に形成された前後一対の第1・第2補助片41・42と、両補助片41・42を連結する蝶番部43とを備える。図1および図6に示すように、両補助片41・42は、ブロック状に形成されたウレタンブロック44・45と、これらウレタンブロック44・45を覆う表装材46・47とで構成される。両補助片41・42の厚み寸法(H4)は同一寸法に設定されており、図1に示すような展開姿勢としたとき、両補助片41・42の厚み寸法(H4)が補助部2の厚み寸法となる。
【0023】
図1において左側に位置する第1補助片41を構成するウレタンブロック44は、8つのコーナー部を有する四角ブロック状に形成されており、このウレタンブロック44をベースとする第1補助片41の外形形状も、同形状(四角ブロック状)に形成されている。図1において右側に位置する第2補助片42を構成するウレタンブロック45は、その内部において後側に位置する第1ウレタンブロック45Aと、前側に位置する第2ウレタンブロック45Bとに分割されている。第1ウレタンブロック45Aは、断面視で略四分円状に形成された左右方向に長いブロック状であり、第2ウレタンブロック45Bは、断面視で長方形状に形成された四角ブロック状に形成されている。これら第1・第2ウレタンブロック45A・45Bを内蔵する第2補助片42は、上面と後側面とに間に、後方向に向かって下り傾斜する湾曲面50を有する異形ブロック状に形成されている。第1補助片41のウレタンブロック44と、第2補助片42の第2ウレタンブロック45Bとは、同一のウレタンで形成されており、第2補助片42の第1ウレタンブロック45Aは、第2ウレタンブロック45Bよりも軟質のウレタンで形成されている。ここでは第1補助片41のウレタンブロック44と、第2補助片42の第2ウレタンブロック45Bとは、高反発弾性を備える高密度ウレタンで形成され、第2補助片42の第1ウレタンブロック45Aは、第2ウレタンブロック45Bよりも反発弾性が低く、且つ低密度なウレタンで形成される。
【0024】
第1補助片41の表装材46と第2補助片42の表装材47とは、同一の素材で形成されている。本実施例では、本体部1の表装材19(第1本体片11の上面を覆う表装材19A)と同一の素材で形成されている。第1補助片41の下面に位置する表装材46Aと、第2補助片42の下面に位置する表装材47Aとは、一枚の布地で形成されており、両下面の境界部に係る表装材を、第1補助片41と第2補助片42とを連結する蝶番部43としている。
【0025】
以上のような構成から補助部2は、図3に示すように蝶番部43を中心にして姿勢を変位させることができる。より詳しくは、補助部2は、図4図6に示すように、第1補助片41と第2補助片42とが重ねられる折り畳み姿勢と、図1図2に示すように、第1補助片41と第2補助片42とが前後方向に広げられる展開姿勢との間で、適宜に姿勢を変位させることができる。折り畳み姿勢においては、蝶番部43を挟んで相対する両補助片41・42の二つの面(下面)が重なり合う。展開姿勢においては、蝶番部43を挟んで相対する両補助片41・42の二つの面のそれぞれが下方に指向することとなる。
【0026】
以上のような構成からなるソファーベッドにおいては、図1および図2に示すように本体部1を展開姿勢としたうえで、本体部1の第2本体片12と床面Fとの間に展開姿勢とした補助部2を設置することで、このソファーベッドをマットレスベッドとして使用することができる。また、このマットレスベッドの状態から、本体部1の第1本体片11の上に第2本体片12を重ねて、図6に示すような折り畳み姿勢としたうえで、第2本体片12の上に補助部2を背もたれ部として載置することで、このソファーベッドをソファーとして使用することができる。このときの折り畳み姿勢とされた補助部の載置姿勢としては、図4に示すような横臥姿勢と図5に示すような立直姿勢との間で選択可能である。この補助部2の姿勢は使用者が希望する背もたれ部の高さや座面の広さに応じて適宜に選択されるが、いずれ姿勢においても、反発弾性が低くクッション性に富んだ第2補助片42の第1ウレタンブロック45Aを有する湾曲面50が後方上部(ソファーの正面側上部)に位置することとなるので、使用者の首まわりへの負担を軽減できる。なお、横伏姿勢においては、第1補助片41の上面(図1の展開姿勢における第1補助片41の上面)が、座面となる第2本体片12の下面(図1の展開姿勢における第2本体片12の下面)に接する状態となる。立直姿勢においては、第1補助片41の後面と第2補助片の前面(図1の展開姿勢における第1補助片41の後面と第2補助片の前面)が、座面となる第2本体片12の下面(図1の展開姿勢における第2本体片12の下面)に接する状態となる。
【0027】
マットレスベッドとして使用する際には、ベッド上面はフラットにすることが望ましい。そこで本実施例のソファーベッドにおいては、第1本体片11の厚み寸法(H1)と脚部14の高さ寸法(H2)との合計値と、第2本体片12の厚み寸法(H3)と展開姿勢としたときの補助部2の厚み寸法(H4)との合計値とが同寸法となるように設定し、すなわち「H1+H2=H3+H4」の関係式が満たされるようにし、これにより、ソファーベッドをマットレスベッドとして使用するときの第1本体片11の上面と第2本体片12の上面との間に段差が生じることを抑えている。また、本実施例のソファーベッドにおいては、第1マットレス16のスプリングユニット26と、第2本体片12のスプリングユニット30とを、ポケットコイル25・34の個数、各ポケットコイル25・34の弾性、および厚み寸法(T1、T2)が同一に設定された同一仕様のスプリングユニットで形成したので、第1本体片11にフレーム15を内蔵させて、両本体片11・12の厚み寸法が異なるものとしながら、両本体片11・12のクッション性の均一化を図ることができる。さらに、本実施例のソファーベッドにおいては、第1マットレス16のスプリングユニット26の上面に配置されるクッション材となるウレタンシート17と、第2本体片12のスプリングユニット30の上面に配置されるクッション材となるウレタンシート31とを、同一の素材および厚み寸法を有する同一仕様のクッション材で形成したので、先の第1マットレス16と第2本体片12のスプリングユニット26・30を同一仕様としたことと相俟って、さらに両本体片11・12のクッション性の均一化を図ることができる。
【0028】
加えて、本実施例のソファーベッドにおいては、第2本体片12の厚み寸法(H3)を第1本体片11の上下方向の厚み寸法(H1)よりも小さくしたので、第1本体片11の下方に脚部14を設けたことと相俟って、ソファーとして使用される際に背もたれ部となる補助部2の厚み寸法(H4)を大きくして、その分だけクッション性の向上を図ることができる。特に本実施例のソファーベッドでは、折り畳み姿勢とした補助部2をソファーの背もたれ部として使用するので、折り畳み姿勢とする分だけ補助部2の厚み寸法を大きくして、背もたれ部のクッション性の各段の向上を図ることができる。
【0029】
展開姿勢としたときの補助部2の前後および左右の寸法を、第2本体片12の前後および左右の寸法と同一寸法に設定したので、マットレスベッドとしての使用時に、第2本体片12の下方に補助部2を展開姿勢で載置したときに、第2本体片12の周縁から補助部2が出っ張ることを防ぐことができる。これにより、マットレスベッドとして使用されるときに、第2本体片12の下面の全体を、展開姿勢とされた補助部2で支持することができるので、第2本体片12が不用意にぐらついたり、第2本体片12の一部が沈み込むようなことを抑えて、第2本体片12を安定的に支持することができる。また、第2本体片12の周縁から展開姿勢とされた補助部2が突出することを防ぐことができるので、マットレスベッドとして使用される際に、使用者が違和感を覚えることもない。
【0030】
第1本体片11の厚み寸法(H1)は、15cm以上、25cm以下であることが望ましく、本実施例においては20cmに設定されている。脚部14の高さ寸法(H2)は、5cm以上、15cm以下であることが望ましく、本実施例においては10cmに設定されている。第1本体片11の厚み寸法(H1)と脚部14の高さ寸法(H2)との和で規定されるベッド面の高さ寸法(H1+H2)は、20cm以上、40cm以下であることが望ましく、本実施例においては30cmに設定されている。第2本体片12の厚み寸法は、第1本体片11の厚み寸法の0.5倍以上、0.7倍以下であることが望ましく、本実施例では、0.6倍(12cm)に設定されている。本実施例における展開姿勢における補助部2の厚み寸法(H4)は18cmに設定され、折り畳み姿勢における補助部2の厚み寸法は36cmに設定されている。本実施例における第1本体片11と第2本体片12の前後寸法はそれぞれ100cmに設定され、左右寸法はそれぞれ100cmに設定されている。本実施例における補助部2を構成する第1補助片41と第2補助片42の前後寸法はそれぞれ50cmに設定され、左右寸法はそれぞれ100cmに設定されている。ウレタンシート17、18、31の厚み寸法は2cm(20mm)に設定されている。上記の本実施例の寸法を備えるマットレスベッドの形態を図7に、ソファーベッドの形態を図8図9に示す。
【0031】
本発明におけるソファーベッドを構成する本体部1や補助部2の厚み寸法等は、上述した寸法に限られず、特に前後寸法や左右寸法は、大小に変更することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 本体部
2 補助部
11 第1本体片
12 第2本体片
13 蝶番部
14 脚部
15 フレーム
16 第1マットレス
17 クッション材(ウレタンシート)
25 ポケットコイル
26 スプリングユニット
30 スプリングユニット
31 クッション材(ウレタンシート)
34 ポケットコイル
41 補助片(第1補助片)
42 補助片(第2補助片)
43 蝶番部
F 床面
H1 第1本体片の厚み寸法
H2 脚部の高さ寸法
H3 第2本体片の厚み寸法
H4 展開姿勢としたときの補助部の厚み寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9