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特許7250387通信タグ付きフォトプレート及びその製造方法
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  • 特許-通信タグ付きフォトプレート及びその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】通信タグ付きフォトプレート及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 7/00 20060101AFI20230327BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230327BHJP
   B41J 2/21 20060101ALI20230327BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20230327BHJP
   B44C 5/04 20060101ALI20230327BHJP
   G09F 19/00 20060101ALI20230327BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20230327BHJP
   B42D 15/00 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
G09F7/00 Z
G06Q50/10
B41J2/21
B41J2/01 123
B41J2/01 129
B44C5/04 C
G09F19/00 Z
G09F3/00 M
B42D15/00 341Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022144217
(22)【出願日】2022-09-10
【審査請求日】2023-01-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514059600
【氏名又は名称】株式会社グランドアドレス
(74)【代理人】
【識別番号】110003546
【氏名又は名称】弁理士法人伊藤IP特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関 裕之
【審査官】富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3214683(JP,U)
【文献】特開2014-67981(JP,A)
【文献】特開2011-81568(JP,A)
【文献】特開2006-120062(JP,A)
【文献】特開2012-123171(JP,A)
【文献】特開2009-96553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G1/00-1/24
B41J2/01、2/165-2/20、
2/21-2/215
B42D1/00-25/485
G09F7/00-7/22
G06Q50/10
B44C5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の樹脂材料で形成された透明なプレートと、
前記プレートの一方の面に形成された画像形成層であって、紫外線硬化型のインクであるUVインクを使用したインクジェットプリンターで印刷されて形成された画像形成層と、
前記画像形成層に当接して配置された情報記録媒体であって、それに記録された情報を所定の情報端末を用いて非接触で取得可能に構成された情報記録媒体と、
を備え、
前記画像形成層は、所定の画像が描画されるように印刷された画像層と、前記画像層の裏打ち層として該画像層に重ねて白色に印刷された白色層と、前記画像層及び前記白色層を保護するようにこれらを覆って印刷された表面層と、を含んで構成され、
前記情報記録媒体は、前記白色層と前記表面層との間に挟み込まれて配置される、
通信タグ付きフォトプレート。
【請求項2】
前記表面層は、前記画像層に描画される前記画像とは異なる画像が描画されるように印刷される、
請求項1に記載の通信タグ付きフォトプレート。
【請求項3】
前記情報記録媒体には、前記画像層に描画された前記画像に関連する複数のデジタル画像が格納されたデジタルフォトアルバムへのリンク情報が記録される、
請求項1に記載の通信タグ付きフォトプレート。
【請求項4】
前記情報記録媒体には、前記画像層に描画された前記画像に関連する商品を紹介する所定のウェブサイトへのリンク情報が記録される、
請求項1に記載の通信タグ付きフォトプレート。
【請求項5】
前記ウェブサイトは、前記商品を紹介する動画サイト又は前記商品が掲載されたメニューサイトである、
請求項4に記載の通信タグ付きフォトプレート。
【請求項6】
前記情報記録媒体には、前記画像層に描画された前記画像に関連するイベントへの出欠を受付ける受付フォームへのリンク情報が記録される、
請求項1に記載の通信タグ付きフォトプレート。
【請求項7】
前記情報記録媒体には、ソーシャル・ネットワーキング・サービスに係るユーザ生成コンテンツであって、前記画像層に描画された前記画像に関連するユーザ生成コンテンツへのリンク情報が記録される、
請求項1に記載の通信タグ付きフォトプレート。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の通信タグ付きフォトプレートの製造方法であって、
前記プレートの一方の面に対して前記画像層を印刷する第1印刷ステップと、
紫外線硬化された前記画像層の上に前記白色層を重ねて印刷する第2印刷ステップと、
紫外線硬化された前記白色層の上に前記情報記録媒体を配置する配置ステップと、
前記画像層及び前記白色層及び前記情報記録媒体を覆うように前記表面層を印刷する第3印刷ステップと、
を有する、通信タグ付きフォトプレートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信タグ付きフォトプレート、及び通信タグ付きフォトプレートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、写真や絵画・イラストなどが、額縁に入れて飾られることが知られている。一方で、近年、人物・動物や風景、イラスト等のデータを、例えば、インクジェットプリントにより基材に定着させて製造されるフォトプレートが注目されている。また、サンドブラストやケミカルエッチングによって原画と同様の画像をガラス板やアクリル板などの透明板に描く方法も知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の厚みのある透明板に有色の画像を形成する装飾パネルにおいて、重ね合わされる透明板のうち最上部の透明板の画像が他の画像より深彫りされて形成された無着色または無採色の補色画像とされ、その補色画像に続く2番目の画像が黒色に着色した画像とされ、その黒色の画像に続けて他の画像が配列される技術が開示されている。これにより、装飾パネルにおいて、立体感のある画像を現出させることができる。
【0004】
また、デジタル画像は、ディスプレイ等の画像表示装置に表示され得る。そして、例えば、特許文献2には、通信機能付き画像表示装置が開示されている。この画像表示装置では、非接触ICタグと通信可能な通信手段が画像表示手段の周囲に設けられる。これによれば、ユーザは、画像表示手段の指示に従って、簡単な操作で通信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5394616号公報
【文献】特開2003-122283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フォトプレートや装飾パネルでは、従来からの写真や絵画・イラスト等とは違った趣向が得られる傾向にある。例えば、特許文献1に記載の技術によれば、装飾パネルにおいて立体感のある画像が現出されることで、興趣溢れるパネルが提供されるようにも思われる。しかしながら、この装飾パネルによってユーザに提供される情報は、あくまでそのパネルに表示されるアナログ情報のみであって、それ以上の情報量をユーザに提供することはできない。
【0007】
一方で、特許文献2に記載の技術によれば、通信により得られる情報を画像表示装置に表示させることができるため、該画像表示装置によって、より多くの情報をユーザに提供できるようにも思われる。しかしながら、この技術では、フォトプレートに描画される画像のようなアナログ情報から得られる趣向をユーザに提供することはできない。
【0008】
本開示の目的は、フォトプレートを利用するユーザが、そのプレートに表示されるアナログ情報だけでなく、それに関連するデジタル情報も併せて簡単に取得可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の通信タグ付きフォトプレートは、所定の樹脂材料で形成された透明なプレートと、前記プレートの一方の面に形成された画像形成層であって、紫外線硬化型のインクであるUVインクを使用したインクジェットプリンターで印刷されて形成された画像形成層と、前記画像形成層に当接して配置された情報記録媒体であって、それに記録された情報を所定の情報端末を用いて非接触で取得可能に構成された情報記録媒体と、を備える。そして、前記画像形成層は、所定の画像が描画されるように印刷された画像層と、前記画像層の裏打ち層として該画像層に重ねて白色に印刷された白色層と、前記画像層及び前記白色層を保護するようにこれらを覆って印刷された表面層と、を含んで構成され、前記情報記録媒体は、前記白色層と前記表面層との間に挟み込まれて配置される。
【0010】
ここで、上記の通信タグ付きフォトプレートでは、例えば、透明なアクリル樹脂で形成されたプレートの一方の面に、所定の画像がUV印刷される。そして、印刷された画像形成層の内部に情報記録媒体が配置されることになる。なお、この情報記録媒体とは、無線通信を利用して情報を伝達するRFID(Radio Frequency Identification)タグであって、例えば、近距離無線通信を行うNFC(Near Field Communication)タグである。そうすると、情報記録媒体がUVインクによって保護されることになるため、情報記録媒体について、優れた耐候性を実現することができる。更に、上記の構造によれば、一連の画像形成層をUV印刷する工程で、情報記録媒体を画像形成層の内部に固定することができるため、高い生産性で通信タグ付きフォトプレートを製造することができる。そして、上記の通信タグ付きフォトプレートでは、情報記録媒体からの情報によって、ユーザに対して、フォトプレートの画像層に描画されたアナログ情報以上の情報量を提供することができる。
【0011】
そして、上記の通信タグ付きフォトプレートにおいて、前記表面層は、前記画像層に描画される前記画像とは異なる画像が描画されるように印刷されてもよい。これによれば、フォトプレートの表と裏とで異なる画像を現出させることができ、興趣溢れるフォトプレートが提供され得る。
【0012】
また、本開示の通信タグ付きフォトプレートにおいて、前記情報記録媒体には、前記画像層に描画された前記画像に関連する複数のデジタル画像が格納されたデジタルフォトアルバムへのリンク情報が記録されてもよい。これにより、ユーザに対して、フォトプレートの画像層に描画された画像を表すデジタルデータに加えて、これに関連する複数の画像を表すデジタルデータを提供することができるため、フォトプレートの画像層に描画されたアナログ情報以上の情報量を提供することが可能になる。
【0013】
また、本開示の通信タグ付きフォトプレートにおいて、前記情報記録媒体には、前記画像層に描画された前記画像に関連する商品を紹介する所定のウェブサイトへのリンク情報が記録されてもよい。この場合、前記ウェブサイトは、前記商品を紹介する動画サイト又は前記商品が掲載されたメニューサイトであってもよい。これにより、ユーザに対して、フォトプレートの画像層に描画されたアナログ情報以上の情報量を提供することができる。そして、このような情報をユーザに提供する事業者にとっては、商品の魅力や詳細をユーザに発信することが可能になり、ユーザの購買意欲を更に高めることができる。また、前記情報記録媒体には、前記画像層に描画された前記画像に関連するイベントへの出欠を受付ける受付フォームへのリンク情報が記録されてもよい。
【0014】
また、本開示の通信タグ付きフォトプレートにおいて、前記情報記録媒体には、ソーシャル・ネットワーキング・サービスに係るユーザ生成コンテンツであって、前記画像層に描画された前記画像に関連するユーザ生成コンテンツへのリンク情報が記録されてもよい。これにより、ユーザは、フォトプレートの画像層に描画された自身の体験を簡単に社会に発信することができる。また、事業者にとっては、その商品等に関するユーザ体験を社会に発信することが可能になり、他のユーザの購買意欲を高めることができる。
【0015】
また、本開示は、通信タグ付きフォトプレートの製造方法の側面から捉えることもできる。すなわち、本開示の通信タグ付きフォトプレートの製造方法は、上記の通信タグ付きフォトプレートの製造方法であって、前記プレートの一方の面に対して前記画像層を印刷する第1印刷ステップと、紫外線硬化された前記画像層の上に前記白色層を重ねて印刷する第2印刷ステップと、紫外線硬化された前記白色層の上に前記情報記録媒体を配置する配置ステップと、前記画像層及び前記白色層及び前記情報記録媒体を覆うように前記表面層を印刷する第3印刷ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、フォトプレートを利用するユーザが、そのプレートに表示されるアナログ情報だけでなく、それに関連するデジタル情報も併せて簡単に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態における通信タグ付きフォトプレートの概略構成を示す図である。
図2】第1実施形態におけるフォトプレートを用いて、デジタル情報を取得する態様を説明するための図である。
図3】第1実施形態の変形例1におけるフォトプレートを用いて、デジタル情報を取得する態様を説明するための図である。
図4】第1実施形態の変形例2におけるフォトプレートを用いて、デジタル情報を取得する態様を説明するための図である。
図5】第2実施形態における通信タグ付きフォトプレートの製造方法の処理フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0019】
<第1実施形態>
第1実施形態における通信タグ付きフォトプレートの概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における通信タグ付きフォトプレートの概略構成を示す図である。本実施形態に係るフォトプレート1は、プレートに所定の画像が印刷されたフォトプレートである。
【0020】
ここで、フォトプレート1は、プレート2と、プレート2の一方の面に形成された画像形成層3と、画像形成層3に当接して配置された情報記録媒体4と、備える。
【0021】
プレート2は、所定の樹脂材料で形成された透明なプレートであって、本実施形態では、アクリル樹脂製の透明プレートである。そして、このプレート2には、上述したように、所定の画像が印刷される。そのため、本実施形態では、プレート2が長方形の平板形状に形成され、ユーザは、面2aの側から画像を鑑賞することができる。なお、後述するように、画像は、裏面2bの側に印刷される。
【0022】
画像形成層3は、プレート2の裏面2bに形成された層であって、紫外線硬化型のインクであるUVインクを使用したインクジェットプリンターで印刷されて形成される。つまり、画像形成層3は、プレート2の裏面2bにUV印刷された層である。
【0023】
そして、画像形成層3は、所定の画像が描画されるように印刷された画像層31と、画像層31の裏打ち層として該画像層31に重ねて白色に印刷された白色層32と、画像層31及び白色層32を保護するようにこれらを覆って印刷された表面層33と、を含んで構成される。フォトプレート1の斜視図を表す図1(a)に示されるように(説明のため、図1(a)では、各構成要素間の接続を展開して表示している。)、画像層31は、プレート2の裏面2bに直接UV印刷されて形成される。そして、プレート2の裏面2bにUV印刷された画像層31の上に、白色層32が重ねて印刷される。なお、紫外線硬化型のインクであるUVインクを使用したインクジェットプリンターによるUV印刷では、UVインクに紫外線を照射することで瞬時にインキ被膜を硬化させることができるため、紫外線硬化させた画像層31に連続して白色層32を重ねて印刷することができる。そして、このように画像層31の裏打ち層として白色層32が印刷されることで、画像層31によって描画される画像をより鮮明にすることができる。
【0024】
更に、このような画像層31および白色層32を覆うように、本実施形態では、白色層32の上に重ねて表面層33が印刷される。これにより、画像層31や白色層32が周囲との接触により損なわれてしまう事態が抑制され、画像層31によって描画される画像を鮮明に維持することができる。なお、表面層33は、例えば、白色のUVインクによって印刷され得る。また、ユーザは、プレート2の裏面2bの側に印刷された画像を、透明なプレート2の面2aの側から鑑賞することになるため、画像層31および白色層32は、表面層33だけでなくプレート2によっても保護されることになる。
【0025】
そして、以上に述べたような、プレート2に画像形成層3が印刷されたフォトプレートでは、ユーザに対して、従来からの写真や絵画・イラスト等とは違った趣向を与えることができる。しかしながら、このようなフォトプレートによってユーザに提供される情報は、あくまでその画像に関するアナログ情報のみであって、それ以上の情報量をユーザに提供することはできない。
【0026】
そこで、本開示人は鋭意検討を行った結果、情報記録媒体4を、白色層32と表面層33との間に挟み込んで配置することで、フォトプレートを利用するユーザが、そのプレートに表示されるアナログ情報だけでなく、それに関連するデジタル情報も併せて簡単に取得できることを見出した。更に、これによれば、情報記録媒体4が、上述したUVインクによって保護されることになるため、情報記録媒体4について、優れた耐候性を実現することができる。
【0027】
詳しくは、情報記録媒体4は、それに記録された情報を所定の情報端末を用いて非接触で取得可能に構成されたものであって、無線通信を利用して情報を伝達するRFID(Radio Frequency Identification)タグである。なお、本実施形態における情報記録媒体4は、近距離無線通信を行うNFC(Near Field Communication)タグである。
【0028】
そして、上記の情報記録媒体4は、図1(b)に示されるように(図1(b)は、図1(a)におけるview bからの投影図である。また、説明のため、図1(b)では、各構成要素間の接続を展開して表示している。)、UV印刷された白色層32の上に配置され、これらを覆うように更に表面層33がUV印刷される。
【0029】
そうすると、情報記録媒体4は、ユーザが画像を鑑賞するプレート2の面2aの側から見ると、白色層32の裏側に配置されることになるため、情報記録媒体4によって画像層31の画像が不鮮明になってしまう事態が抑制される。そして、NFCタグ(情報記録媒体4)は、水濡れ等してしまうと水分による通信波の減衰が大きくなり、正常な無線通信ができなくなる場合があるが、上記によれば、NFCタグが表面層33によって防水保護されることになるため、NFCタグと所定の情報端末との間の無線通信が良好に維持され得る。更に、上述したように、UV印刷される表面層33によって情報記録媒体4が保護されることによれば、一連の画像形成層3をUV印刷する工程で、情報記録媒体4を画像形成層3の内部に固定することができるため、高い生産性で通信タグ付きフォトプレートを製造することができる。
【0030】
なお、後述するように、NFCタグ(情報記録媒体4)は、プレート2の面2aの側から所定の情報端末によって読み取られる。したがって、NFCタグと情報端末との間の良好な近距離無線通信を実現するために、プレート2は、好ましくは10mm以下の厚さに形成される。
【0031】
また、情報記録媒体4は、例えば、図1(c)に示されるように(図1(c)は、図1(a)におけるview cからの投影図である。また、説明のため、図1(c)では、表面層33の図示を省略して表示している。)、複数の箇所に配置され得る。
【0032】
ここで、図2は、第1実施形態におけるフォトプレート1を用いて、デジタル情報を取得する態様を説明するための図である。本実施形態では、情報記録媒体4には、画像層31に描画された画像に関連する複数のデジタル画像が格納されたデジタルフォトアルバムへのリンク情報が記録される。
【0033】
例えば、図2(a)に示すように、フォトプレート1の画像層31には、ユーザが自動車を購入したときの納車式の画像が描画される。そして、この場合、NFCタグ(情報記録媒体4)は、人物の画像が描画された位置の裏側に配置され得る。そうすると、ユーザは、ユーザ端末400を人物画像にかざすことで、NFCタグ(情報記録媒体4)との間で無線通信を行うことができる。なお、ユーザ端末400は、フォトプレート1を利用するユーザが保有する電子機器であって、データの取得、生成、更新等の演算処理及び加工処理のための処理能力のあるコンピュータ機器であればどの様な電子機器でもよく、例えば、携帯端末、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブル端末等である。
【0034】
そして、ユーザ端末400は、図2(b)に示すように、ネットワーク200を介して、サーバ300と接続される。
【0035】
ネットワーク200は、例えば、IPネットワークであって、サーバ300とユーザ端末400との間を通信可能に接続する。ネットワーク200は、IPネットワークであれば、無線であっても有線であっても無線と有線の組み合わせであってもよく、例えば、無線による通信であれば、ユーザ端末400は、無線LANアクセスポイント(不図示)にアクセスし、LANやWANを介してサーバ300と通信してもよい。また、ネットワーク200は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網や、光回線、ADSL回線、衛星通信網などであってもよい。
【0036】
また、サーバ300は、データの取得、生成、更新等の演算処理及び加工処理のための処理能力のあるコンピュータ機器であればどの様な電子機器でもよく、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、メインフレーム、その他電子機器であってもよい。すなわち、サーバ300は、CPUやGPU等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等の補助記憶装置を有するコンピュータとして構成することができる。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、あるいは、CDやDVDのようなディスク記録媒体であってもよい。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納されている。
【0037】
そうすると、ユーザは、ユーザ端末400を用いて、NFCタグ(情報記録媒体4)に記録されたリンク情報に基づいて、サーバ300に記憶されたデジタルフォトアルバムにアクセスすることができる。なお、上記のリンク情報とは、サーバ300においてデジタルフォトアルバムが格納されているサイトへのリンク情報(例えば、ウェブアドレス)であって、ユーザ端末400とNFCタグ(情報記録媒体4)との間で無線通信が行われると、ユーザ端末400では、上記のサイトへ自動でアクセスされる。
【0038】
そして、ユーザ端末400において上記のサイトへアクセスされると、該ユーザ端末400には、フォトプレート1の画像層31に描画された画像に関連する複数のデジタル画像が格納されたデジタルフォトアルバムが表示されることになる。例えば、図2(b)に示すように、ユーザ端末400には、フォトプレート1の画像層31に描画された納車式の画像を表すデジタルデータに加えて、これに関連する複数の画像(例えば、納車式において撮影された全ての画像)を表すデジタルデータが表示され得る。これにより、ユーザに対して、フォトプレート1の画像層31に描画されたアナログ情報以上の情報量を提供することができる。
【0039】
これによれば、ユーザに対して、フォトプレート1に描画された画像によって、従来からの写真や絵画・イラスト等とは違った趣向を与えることができるだけでなく、そのアナログ情報に関連するデジタル情報も併せて簡単に提供することができる。
【0040】
なお、表面層33は、画像層31に描画される画像とは異なる画像が描画されるように印刷されてもよい。この場合、表面層33には、画像層31に描画された画像(例えば、納車式の画像)に関連する他の画像(例えば、納車された自動車の画像)が描画され得る。これによれば、フォトプレート1の表と裏とで異なる画像を現出させることができ、興趣溢れるフォトプレートが提供され得る。
【0041】
以上に述べたフォトプレート1によれば、フォトプレートを利用するユーザが、そのプレートに表示されるアナログ情報だけでなく、それに関連するデジタル情報も併せて簡単に取得することができる。
【0042】
<第1実施形態の変形例1>
第1実施形態の変形例1におけるフォトプレートについて、図3を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態の変形例1におけるフォトプレート1を用いて、デジタル情報を取得する態様を説明するための図である。
【0043】
上述した第1実施形態では、情報記録媒体4に、画像層31に描画された画像に関連する複数のデジタル画像が格納されたデジタルフォトアルバムへのリンク情報が記録される例について説明した。これに対して、本変形例では、情報記録媒体4に、画像層31に描画された画像に関連する商品を紹介する所定のウェブサイトへのリンク情報が記録される例について説明する。
【0044】
本変形例では、上述した第1実施形態と同様に、フォトプレート1の画像層31には、ユーザが自動車を購入したときの納車式の画像が描画される。そして、本変形例では、NFCタグ(情報記録媒体4)が、自動車の画像が描画された位置の裏側に配置され得る。そうすると、ユーザは、ユーザ端末400を自動車の画像にかざすことで、NFCタグ(情報記録媒体4)との間で無線通信を行うことができる。
【0045】
そして、ユーザは、ユーザ端末400を用いて、NFCタグ(情報記録媒体4)に記録されたリンク情報に基づいて、サーバ300に記憶された商品紹介サイトにアクセスすることができる。なお、上記のリンク情報とは、サーバ300において商品紹介サイトが格納されているサイトへのリンク情報(例えば、ウェブアドレス)である。
【0046】
そして、ユーザ端末400において上記のサイトへアクセスされると、該ユーザ端末400には、フォトプレート1の画像層31に描画された画像に関連する商品を紹介するウェブサイトが表示されることになる。例えば、図3(b)に示すように、ユーザ端末400には、フォトプレート1の画像層31に描画された自動車の画像を表すデジタルデータに加えて、これに関連する複数の画像(例えば、上記の自動車の魅力や詳細を紹介するための画像)を表すデジタルデータが表示され得る。これにより、ユーザに対して、フォトプレート1の画像層31に描画されたアナログ情報以上の情報量を提供することができる。また、このような情報をユーザに提供する事業者にとっては、商品の魅力や詳細をユーザに発信することが可能になり、ユーザの購買意欲を更に高めることができる。なお、上記のウェブサイトは、商品(自動車)を紹介する動画が掲載された動画サイトであってもよい。また、画像層31に描画された画像が飲食物等の商品である場合、上記のウェブサイトは、該商品(飲食物)が掲載されたメニューを表示するメニューサイトであってもよい。そして、このようなメニューサイトへのリンク情報が情報記録媒体4に記録されるフォトプレート1は、飲食店等で用いられ得る。
【0047】
更に、情報記録媒体4には、画像層31に描画された画像に関連するイベントへの出欠を受付ける受付フォームへのリンク情報が記録されてもよい。ここで、上記イベントは、例えば、結婚式である。この場合、ユーザは、ユーザ端末400を用いて、NFCタグ(情報記録媒体4)に記録されたリンク情報に基づいて、サーバ300に記憶された受付フォーム(例えば、出欠受付用のウェブサイト)にアクセスすることができる。そうすると、ユーザは、例えば、結婚式の詳細を案内するデジタル情報を参照しながら結婚式への出欠を受付フォームに簡単に入力することができる。
【0048】
そして、以上に述べたフォトプレート1によっても、フォトプレートを利用するユーザが、そのプレートに表示されるアナログ情報だけでなく、それに関連するデジタル情報も併せて簡単に取得することができる。
【0049】
<第1実施形態の変形例2>
第1実施形態の変形例2におけるフォトプレートについて、図4を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態の変形例2におけるフォトプレート1を用いて、デジタル情報を取得する態様を説明するための図である。
【0050】
上述した第1実施形態では、情報記録媒体4に、画像層31に描画された画像に関連する複数のデジタル画像が格納されたデジタルフォトアルバムへのリンク情報が記録される例について説明した。これに対して、本変形例では、情報記録媒体4に、ソーシャル・ネットワーキング・サービスに係るユーザ生成コンテンツであって、前記画像層に描画された前記画像に関連するユーザ生成コンテンツへのリンク情報が記録される例について説明する。
【0051】
近年、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末の普及に伴い、LINE(登録商標)、Twitter(登録商標)、Facebook(登録商標)、及びInstagram(登録商標)等のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が頻繁に利用されている。そして、ユーザは、このようなSNSを用いて、自身の体験を社会に発信することを望む傾向にある。そこで、本変形例では、サーバ300が、フォトプレート1に描画された画像やその画像に関連する情報を簡単にSNSに投稿することを可能にする。
【0052】
本変形例では、上述した第1実施形態と同様に、フォトプレート1の画像層31には、ユーザが自動車を購入したときの納車式の画像が描画される。そして、ユーザは、人物の画像が描画された位置の裏側、または自動車の画像が描画された位置の裏側に配置されたNFCタグ(情報記録媒体4)に対応する画像(人物または自動車)にユーザ端末400をかざすことで、NFCタグ(情報記録媒体4)との間で無線通信を行うことができる。
【0053】
そして、ユーザは、ユーザ端末400を用いて、NFCタグ(情報記録媒体4)に記録されたリンク情報に基づいて、例えば、ユーザ端末400に予めインストールされたTwitter(登録商標)のアプリを起動することができる。なお、上記のリンク情報とは、ユーザ端末400においてTwitter(登録商標)のアプリを起動させるとともに、Twitter(登録商標)への投稿コンテンツ(本開示のソーシャル・ネットワーキング・サービスに係るユーザ生成コンテンツ)を自動で生成する処理を実行するための指令へのリンク情報である。更に、このリンク情報には、サーバ300においてデジタルフォトアルバム(これは、フォトプレート1の画像層31に描画された画像に関連するものである。)が格納されているサイトへのリンク情報(例えば、ウェブアドレス)が含まれていて、上記の指令には、フォトプレート1の画像層31に描画された画像を表すデジタルデータを含んだ投稿コンテンツを生成することが含まれる。つまり、ユーザ端末400は、サーバ300から、フォトプレート1の画像層31に描画された画像を表すデジタルデータを取得し、それを含んだTwitter(登録商標)への投稿コンテンツを生成する。
【0054】
そうすると、ユーザ端末400には、図4(b)に示されるように、Twitter(登録商標)への投稿画面が表示される。この投稿画面には、上述したように、フォトプレート1の画像層31に描画された画像(つまり、ユーザが自動車を購入したときの納車式の画像)を表すデジタルデータが表示され、更に、ユーザがコメントを入力する入力フィールドSC41が表示される。
【0055】
また、上記の投稿画面には、ハッシュタグSC42が表示されてもよい。ここで、ハッシュタグは、Twitter(登録商標)でキーワードやトピックを分類するための任意の標識であって、本変形例では、ユーザ端末400が、このハッシュタグSC42に関する情報をサーバ300から取得することで、投稿画面に自動で付与され得る。ここで、サーバ300に記憶されたデジタルフォトアルバムには、フォトプレート1の画像層31に描画された画像について、それが撮影された場所や関連する組織、商品を表すデータが併せて記録される。例えば、ユーザが自動車を購入したときの納車式の画像については、その自動車を販売した販売店や自動車メーカー、その自動車の名称や型式等が併せて記録される。そうすると、上記の投稿画面には、ユーザが自動車を購入したときの納車式の画像を表すデジタルデータと併せて、その自動車を販売した販売店の名称やその自動車の名称や型式等が、ハッシュタグSC42として自動で付与され得る。これにより、ユーザは、自身の体験を簡単に社会に発信することができる。また、上記のハッシュタグに関連する事業者にとっては、その商品に関するユーザ体験を社会に発信することが可能になり、他のユーザの購買意欲を高めることができる。
【0056】
そして、以上に述べたフォトプレート1によっても、フォトプレートを利用するユーザが、そのプレートに表示されるアナログ情報だけでなく、それに関連するデジタル情報も併せて簡単に取得することができる。
【0057】
<第2実施形態>
第2実施形態について、図5に基づいて説明する。本実施形態は、上述した通信タグ付きフォトプレートの製造方法である。
【0058】
そして、図5は、本実施形態における通信タグ付きフォトプレートの製造方法の処理フローを示すフローチャートである。
【0059】
本フローでは、先ず、S101において、第1印刷ステップが実行される。S101の処理では、プレート2の裏面2bに対して画像層31がUV印刷される。
【0060】
次に、S102において、第2印刷ステップが実行される。S102の処理では、紫外線硬化された画像層31の上に白色層32が重ねてUV印刷される。
【0061】
次に、S103において、配置ステップが実行される。S103の処理では、紫外線硬化された白色層32の上に情報記録媒体4が配置される。
【0062】
次に、S104において、第3印刷ステップが実行される。S104の処理では、画像層31及び白色層32及び情報記録媒体4を覆うように表面層33がUV印刷される。
【0063】
以上に述べた製造方法によれば、ユーザが、プレートに表示されるアナログ情報だけでなく、それに関連するデジタル情報も併せて簡単に取得することができるフォトプレートについて、デジタル情報を提供し得る情報記録媒体4を、一連の画像形成層3をUV印刷する工程で該画像形成層3の内部に固定することができるため、高い生産性で通信タグ付きフォトプレートを製造することができる。
【符号の説明】
【0064】
1・・・・・フォトプレート
2・・・・・プレート
3・・・・・画像形成層
31・・・・画像層
32・・・・白色層
33・・・・表面層
4・・・・・情報記録媒体
【要約】
【課題】フォトプレートを利用するユーザが、そのプレートに表示されるアナログ情報だけでなく、それに関連するデジタル情報も併せて簡単に取得する。
【解決手段】本開示のフォトプレート1は、所定の樹脂材料で形成された透明なプレート2と、プレート2の一方の面2bにUVインクを使用したインクジェットプリンターで印刷されて形成された画像形成層3と、画像形成層3に当接して配置された情報記録媒体4と、を備える。そして、画像形成層3は、所定の画像が描画されるように印刷された画像層31と、画像層31の裏打ち層として該画像層に重ねて白色に印刷された白色層32と、画像層31及び白色層32を保護するようにこれらを覆って印刷された表面層33と、を含んで構成され、情報記録媒体4は、白色層32と表面層33との間に挟み込まれて配置される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5