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特許7250416ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法、システム、コンピュータ機器及び可読記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法、システム、コンピュータ機器及び可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/0896 20220101AFI20230327BHJP
   H04L 45/02 20220101ALI20230327BHJP
   H04L 41/12 20220101ALI20230327BHJP
【FI】
H04L41/0896
H04L45/02
H04L41/12
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022510088
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(86)【国際出願番号】 CN2020110193
(87)【国際公開番号】W WO2021032153
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-02-16
(31)【優先権主張番号】201910776147.2
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521389103
【氏名又は名称】杭州趣鏈科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HANGZHOU QULIAN TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 2001, Building A, Building 2, No.399, Danfeng Road, Binjiang District, Hangzhou, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】弁理士法人IP-FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】李 偉
(72)【発明者】
【氏名】邱 ▲い▼偉
(72)【発明者】
【氏名】胡 麦芳
(72)【発明者】
【氏名】黄 方蕾
(72)【発明者】
【氏名】張 帥
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-203885(JP,A)
【文献】特開2016-225729(JP,A)
【文献】特開2016-116024(JP,A)
【文献】特開2015-159486(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0123948(US,A1)
【文献】特開2018-137641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-13/18,41/00-49/9057,61/00-65/80,69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法であって、
S1:ユーザが入力したブロックチェーン中のすべてのホストのあるネットワークドメイン情報を受信し、該情報を用いてクロスドメイン転送にかかわるネットワークトポロジを生成し、前記ネットワークトポロジ中のノードは、ブロックチェーンネットワーク中のホストであり、2つのノード間の接続線は、対応する2台のホストが同一ネットワークドメインに存在することを表し、
S2:新規ネットワークトポロジの構築:
前記ネットワークトポロジ中のノード数をNと定義し、ブロードキャスト情報を送信するホストを主ノードとし、前記ネットワークトポロジ中の主ノード以外のその他のノードをすべて2つのノードに分割し、それぞれ対応ノードの入ノード及び対応ノードの出ノードと呼び、前記対応ノードの入ノードから前記対応ノードの出ノードへ容量がCの接続線を1本接続し、その後、オリジナルネットワークトポロジ中の2つのノード間の接続線を2本の有向接続線に分割し、方向はいずれもそのうち1つのオリジナルノードの出ノードからもう1つのノードの入ノードへとし、容量はいずれもN-1であり、主ノードがオリジナルネットワーク中でその他のノードとの間に接続線を有する場合、該接続線を主ノードから該ノードの入ノードへの容量がN-1の接続線に変換し、その後、1つのバーチャルノードを追加し、すべてのノードの出ノードから該バーチャルノードへの接続線を追加し、容量は1であり、これにより新規ネットワークトポロジを形成し、(前記C=(L+U)/2において、Lはエッジ容量の下界を表し、Uはエッジ容量の上界を表し、Lの初期値は0であり、Uの初期値はN-1である)
S3:Ford-Fulkerson最大フローアルゴリズムを使用して新規ネットワークトポロジ中の主ノードからバーチャルノードへの最大フロー量fを計算し、f=N-1である場合、U=Cを更新し、そうでなければ、L=Cを更新し、再度Cの値を計算し、
S4:U-L<<1である場合、C=Uとし、ノードの最小ネットワーク負荷として、引き続きS5を実行し、そうでなければ、S3に戻り、
S5:S4中のC値に基づき、新規ネットワークトポロジ中で容量が1の主ノードからバーチャルノードへの増加道検索をN-1回行い、検索パス中のバーチャルノードを除去し、入ノードと出ノードとを合併し、最終的パスを主ノードから目標ノードへのブロードキャスト情報のルーティングパスとし、
S6:主ノードがその他のドメイン中にある目標ノードに対して情報を送信する必要がある場合、主ノードは、パスを情報の尾部に付加し、パス中の最初のノードに対して該情報を送信し、パス中にあるノードが情報を受信した後、情報がパス情報を含むかどうかをチェックし、パス情報を含む場合、その中からパス中にある次のノードを探し出し、情報を次のノードに送信し、目標ノードが該情報を受信した場合、自らがパス中の最後のノードであることがわかり、これにより該情報内容を処理する
を含むことを特徴とする、ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法。
【請求項2】
S1中で、ネットワークドメイン情報を(ネットワークドメイン,IPアドレス)の形式で設定ファイル中に格納し、ノードのネットワークドメインに変化が生じた場合、設定ファイルを変更することにより更新を行うことを特徴とする請求項1に記載のブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法。
【請求項3】
前記S5で算出した転送パス格納形式は、ノード名:ノード名であることを特徴とする請求項1に記載のブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法。
【請求項4】
ブロックチェーン中のすべてのホストのあるネットワークドメイン情報を受信し、前記ネットワークドメイン情報に基づきクロスドメイン転送にかかわる第1のネットワークトポロジを生成し、(前記第1のネットワークトポロジ中のノードは、前記ブロックチェーン中のホストであり、2つのノード間の接続線は、対応する2台のホストが同一ネットワークドメイン中に存在することを表す)、
ブロードキャスト情報を送信するホストを主ノードとし、前記第1のネットワークトポロジ中の前記主ノード以外のその他のノードをすべて対応ノードの入ノードと対応ノードの出ノードとに分割し、前記対応ノードの入ノードから前記対応ノードの出ノードへ1本の接続線を接続し、
前記第1のネットワークトポロジ中の2つのノード間の接続線を2本の有向接続線に分割し、方向はいずれもそのうち1つのノードの出ノードからもう1つのノードの入ノードへとし、容量はいずれもN-1であり、前記主ノードが前記第1のネットワークトポロジ中でその他のノードとの間に接続線を有する場合、該接続線を主ノードから該ノードの入ノードへの容量がN-1の接続線に変換し、バーチャルノード及びすべてのノードの出ノードから前記バーチャルノードへの接続線を追加して(容量はすべて1である)第2のネットワークトポロジを形成し、
ノード間接続線の容量Cに基づき、前記第2のネットワークトポロジ中で容量が1の主ノードからバーチャルノードへの増加道検索をN-1回行って検索パスを得、(ここで、Nは前記第1のネットワークトポロジ中のノード数である)、前記検索パス中のバーチャルノードを除去し、前記対応ノードの入ノードと前記対応ノードの出ノードとを合併し、前記主ノードから目標ノードへのブロードキャスト情報としてのルーティングパスを得、
前記主ノードがその他のドメイン中にある目標ノードに対して情報を送信する必要がある場合、前記のルーティングパスに基づき前記情報を目標ノードに送信して処理する、
以上のステップを含むことを特徴とするブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法。
【請求項5】
前記C=(L+U)/2において、Lはエッジ容量の下界を表し、Uはエッジ容量の上界を表し、Lの初期値は0であり、Uの初期値はN-1であり、
前記のノード間接続線の容量Cに基づき前記第2のネットワークトポロジ中で容量が1の主ノードからバーチャルノードへの増加道検索をN-1回行う前に、さらに以下のステップ、すなわち、
前記第2のネットワークトポロジ中の前記主ノードから前記バーチャルノードへの最大フロー量fを得、f=N-1である場合、U=Cを更新し、そうでなければ、L=Cを更新し、再度C=(L+U)/2に基づきCの値を計算し、
U-L<<1である場合、C=Uとし、ノードの最小ネットワーク負荷とし、そうでなければ、前記第2のネットワークトポロジ中の前記主ノードから前記バーチャルノードへの最大フロー量fを得るステップを実行することを含むことを特徴とする請求項4に記載のブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法。
【請求項6】
前記のルーティングパスに基づき前記情報を目標ノードに送信して処理することは、
前記主ノードは、前記ルーティングパスを前記情報の尾部に付加し、前記ルーティングパス中の最初のノードに前記情報を送信し、
パス中にあるノードが前記情報を受信すると、該ノードは、前記情報がルーティングパスを含むかどうかをチェックし、含む場合は、その中から前記ルーティングパス中にある次のノードを取得し、前記情報を次のノードに送信し、
前記目標ノードが前記情報を受信し、前記目標ノードが、自らが前記ルーティングパス中の最後のノードであることを知ったときは、前記情報の内容を処理する、以上のステップを含むことを特徴とする請求項4に記載のブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法。
【請求項7】
情報を受信し、前記情報が請求項4に記載のルーティングパスを含むかどうかをチェックし、含む場合は、前記ルーティングパス中から、前記ルーティングパス中の現行ノードの次のノードを取得し、前記情報を次のノードに送信するステップを含むことを特徴とするブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法。
【請求項8】
情報を受信し、前記情報が請求項4に記載のルーティングパスを含むかどうかをチェックし、それを含み且つ現行ノードが前記ルーティングパス中の最後のノードである場合、前記情報の内容を処理するステップを含むことを特徴とするブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法。
【請求項9】
前記ネットワークドメイン情報を(ネットワークドメイン,IPアドレス)の形式で設定ファイル中に格納し、ノードのネットワークドメインに変化が生じた場合、設定ファイルを変更することにより更新を行うことを特徴とする請求項4ないし8のいずれかに記載のブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法。
【請求項10】
前記ルーティングパスの格納形式は、ノード名:ノード名であることを特徴とする請求項4ないし8のいずれかに記載のブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法。
【請求項11】
ブロックチェーン中のすべてのホストのあるネットワークドメイン情報を受信し、前記ネットワークドメイン情報に基づきクロスドメイン転送にかかわる第1のネットワークトポロジを生成する(前記第1のネットワークトポロジ中のノードは、前記ブロックチェーン中のホストであり、2つのノード間の接続線は、対応する2台のホストが同一ネットワークドメイン中に存在することを表す。)第1のトポロジ生成モジュールと、
ブロードキャスト情報を送信するホストを主ノードとし、前記第1のネットワークトポロジ中の前記主ノード以外のその他のノードをすべて対応ノードの入ノードと対応ノードの出ノードとに分割し、前記対応ノードの入ノードから前記対応ノードの出ノードへ1本の接続線を接続するノード分割モジュールと、
前記第1のネットワークトポロジ中の2つのノード間の接続線を2本の有向接続線に分割し、方向はいずれもそのうち1つのノードの出ノードからもう1つのノードの入ノードへとし、容量はいずれもN-1であり、前記主ノードが前記第1のネットワークトポロジ中でその他のノードとの間に接続線を有する場合、該接続線を主ノードから該ノードの入ノードへの容量がN-1の接続線に変換し、バーチャルノード及びすべてのノードの出ノードから前記バーチャルノードへの接続線を追加して(容量はすべて1である)第2のネットワークトポロジを形成する第2のトポロジ生成モジュールと、
ノード間接続線の容量Cに基づき、前記第2のネットワークトポロジ中で容量が1の主ノードからバーチャルノードへの増加道検索をN-1回行って検索パスを得、(ここで、Nは前記第1のネットワークトポロジ中のノード数である)、前記検索パス中のバーチャルノードを除去し、前記対応ノードの入ノードと前記対応ノードの出ノードとを合併し、前記主ノードから目標ノードへのブロードキャスト情報としてのルーティングパスを得るパス取得モジュールと、
前記主ノードがその他のドメイン中にある目標ノードに対して情報を送信する必要がある場合、前記のルーティングパスに基づき前記情報を目標ノードに送信して処理する情報送信モジュールと
を含むことを特徴とするブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化するシステム。
【請求項12】
コンピュータプログラムを格納したメモリとプロセッサとを含むコンピュータ機器であって、
前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1ないし10のいずれかに記載のブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法のステップを実現することを特徴とするコンピュータ機器。
【請求項13】
コンピュータプログラムを格納した可読記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、請求項1ないし10のいずれかに記載のブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法のステップを実現することを特徴とする可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2019年8月22日に出願した出願番号201910776147.2、発明の名称「ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法」の中国特許出願の優先権を請求し、そのすべての内容を引用することにより本願中に組み込む。
【技術分野】
【0002】
本願は、ブロックチェーン技術分野に関し、特にブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法、システム、コンピュータ機器及び可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
ブロックチェーンは、新型の分散型プロトコルであり、デジタル通貨取引その他のデータを安全に格納することができ、情報を偽造及び改ざんすることができない。ブロックチェーン上の取引確認は、ブロックチェーン上のすべてのノードが共同で成し遂げ、コンセンサスアルゴリズムによりその一致性を保証する。すべてのノードが同一台帳を保守することにより、ブロックチェーン中の情報は改ざんされ得ないことを保証することができ、ノードに不正があった場合でも、データの完全性を保つことができる。
【0004】
主ノードが取引を受信した場合、該取引情報をブロックチェーン中のその他すべてのノードにブロードキャストし、これにより取引の確認を共同で成し遂げる必要がある。ブロックチェーンは、同時に複数の機関に関わる可能性があり、同一機関のホストは、すべて同一ネットワークドメイン中にあるため、直接情報伝達を行うことができるが、異なる機関のホストは、しばしば同一ネットワークドメイン中になく、クロスドメインホストを介して情報を転送して初めて通信を行うことができる。クロスドメインホストは、同時に複数のネットワークドメインを配置している。各ネットワークドメインは、該ノードが該ネットワークドメイン中で使用する通信IPを明らかにする1つのIPアドレスを有する。
【0005】
現在、クロスドメイン転送については、主に静的クロスドメインホストを配置することにより実現し、これにより個別のクロスドメインホストネットワーク負荷が過重になり、それによって情報ブロードキャストの遅延が増大し、取引確認の効率に影響を及ぼし、ブロックチェーンが取引を処理する能力が低下する。
【発明の概要】
【0006】
本願の各種実施例に基づき、ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法を提供する。前記方法は、ステップS1~S6を含む。
【0007】
S1:ユーザが入力したブロックチェーン中のすべてのホストのあるネットワークドメイン情報を受信し、該情報を用いてクロスドメイン転送にかかわるネットワークトポロジを生成し、前記ネットワークトポロジ中のノードは、ブロックチェーンネットワーク中のホストであり、2つのノード間の接続線は、対応する2台のホストが同一ネットワークドメインに存在することを表す。
【0008】
S2:新規ネットワークトポロジを構築する。
前記ネットワークトポロジ中のノード数をNと定義し、ブロードキャスト情報を送信するホストを主ノードとし、前記ネットワークトポロジ中の主ノード以外のその他のノードをすべて2つのノードに分割し、それぞれ対応ノードの入ノード及び対応ノードの出ノードと呼び、前記対応ノードの入ノードから前記対応ノードの出ノードへ容量がCの接続線を1本接続し、その後、オリジナルネットワークトポロジ中の2つのノード間の接続線を2本の有向接続線に分割し、方向はいずれもそのうち1つのオリジナルノードの出ノードからもう1つのノードの入ノードへとし、容量はいずれもN-1であり、主ノードがオリジナルネットワーク中でその他のノードとの間に接続線を有する場合、該接続線を主ノードから該ノードの入ノードへの容量がN-1の接続線に変換し、その後、1つのバーチャルノードを追加し、すべてのノードの出ノードから該バーチャルノードへの接続線を追加し、容量は1であり、これにより新規ネットワークトポロジを形成し、前記C=(L+U)/2において、Lはエッジ容量の下界を表し、Uはエッジ容量の上界を表し、Lの初期値は0であり、Uの初期値はN-1である。
【0009】
S3:Ford-Fulkerson最大フローアルゴリズムを使用して新規ネットワークトポロジ中の主ノードからバーチャルノードへの最大フロー量fを計算し、f=N-1である場合、U=Cを更新し、そうでなければ、L=Cを更新し、再度Cの値を計算する。
【0010】
S4:U-L<<1である場合、C=Uとし、ノードの最小ネットワーク負荷として、引き続きS5を実行し、そうでなければ、S3に戻る。
【0011】
S5:S4中のC値に基づき、新規ネットワークトポロジ中で容量が1の主ノードからバーチャルノードへの増加道検索をN-1回行い、検索パス中のバーチャルノードを除去し、入ノードと出ノードとを合併し、最終的パスを主ノードから目標ノードへのブロードキャスト情報のルーティングパスとする。
【0012】
S6:主ノードがその他のドメイン中にある目標ノードに対して情報を送信する必要がある場合、主ノードは、パスを情報の尾部に付加し、パス中の最初のノードに対して該情報を送信し、パス中にあるノードが情報を受信した後、情報がパス情報を含むかどうかをチェックし、パス情報を含む場合、その中からパス中にある次のノードを探し出し、情報を次のノードに送信し、目標ノードが該情報を受信した場合、自らがパス中の最後のノードであることがわかり、これにより該情報内容を処理する。
【0013】
そのうち1つの実施例において、S1中で、ネットワークドメイン情報を(ネットワークドメイン,IPアドレス)の形式で設定ファイル中に格納する。ノードのネットワークドメインに変化が生じた場合、設定ファイルを変更することにより更新を行う。
【0014】
そのうち1つの実施例において、前記S5で算出した転送パス格納形式は、ノード名:ノード名である。
【0015】
本願の有益な効果は以下のとおりである。本願は、ブロックチェーンプラットフォームに応用され、主ノードがブロードキャスト情報をその他のブロックチェーンノードに送信する場合、一部のノードがクロスドメイン転送タスクを受けようとしたためにネットワーク負荷が過重になるようなことはなくなり、ネットワークビジー状態を軽減することができると同時に、クロスドメインブロードキャストの負荷を複数のクロスドメインノードに均等に分布させることにより、ブロックチェーンシステムの利用率を高め、ブロックチェーンが取引を処理する能力を高めることができる。
【0016】
本願の各種実施例に基づき、ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法をさらに提供し、以下のステップ、すなわち、
ブロックチェーン中のすべてのホストのあるネットワークドメイン情報を受信し、前記ネットワークドメイン情報に基づきクロスドメイン転送にかかわる第1のネットワークトポロジを生成し、(前記第1のネットワークトポロジ中のノードは、前記ブロックチェーン中のホストであり、2つのノード間の接続線は、対応する2台のホストが同一ネットワークドメイン中に存在することを表す)、
ブロードキャスト情報を送信するホストを主ノードとし、前記第1のネットワークトポロジ中の前記主ノード以外のその他のノードをすべて対応ノードの入ノードと対応ノードの出ノードとに分割し、前記対応ノードの入ノードから前記対応ノードの出ノードへ1本の接続線を接続し、
前記第1のネットワークトポロジ中の2つのノード間の接続線を2本の有向接続線に分割し、方向はいずれもそのうち1つのノードの出ノードからもう1つのノードの入ノードへとし、容量はいずれもN-1であり、前記主ノードが前記第1のネットワークトポロジ中でその他のノードとの間に接続線を有する場合、該接続線を主ノードから該ノードの入ノードへの容量がN-1の接続線に変換し、バーチャルノード及びすべてのノードの出ノードから前記バーチャルノードへの接続線を追加して(容量はすべて1である)第2のネットワークトポロジを形成し、
ノード間接続線の容量Cに基づき、前記第2のネットワークトポロジ中で容量が1の主ノードからバーチャルノードへの増加道検索をN-1回行って検索パスを得、(ここで、Nは前記第1のネットワークトポロジ中のノード数である)、前記検索パス中のバーチャルノードを除去し、前記対応ノードの入ノードと前記対応ノードの出ノードとを合併し、前記主ノードから目標ノードへのブロードキャスト情報としてのルーティングパスを得、
前記主ノードがその他のドメイン中にある目標ノードに対して情報を送信する必要がある場合、前記のルーティングパスに基づき前記情報を目標ノードに送信して処理することを含む。
【0017】
そのうち1つの実施例において、前記C=(L+U)/2において、Lはエッジ容量の下界を表し、Uはエッジ容量の上界を表し、Lの初期値は0であり、Uの初期値はN-1であり、
前記ノード間接続線の容量Cに基づき前記第2のネットワークトポロジ中で容量が1の主ノードからバーチャルノードへの増加道検索をN-1回行う前に、さらに以下のステップ、すなわち、
前記第2のネットワークトポロジ中の前記主ノードから前記バーチャルノードへの最大フロー量fを得、f=N-1である場合、U=Cを更新し、そうでなければ、L=Cを更新し、再度C=(L+U)/2に基づきCの値を計算し、
U-L<<1である場合、C=Uとし、ノードの最小ネットワーク負荷とし、そうでなければ、前記第2のネットワークトポロジ中の前記主ノードから前記バーチャルノードへの最大フロー量fを得るステップを実行することを含む。
【0018】
そのうち1つの実施例において、前記のルーティングパスに基づき前記情報を目標ノードに送信して処理する前記ステップは、以下のステップ、すなわち、
前記主ノードは、前記ルーティングパスを前記情報の尾部に付加し、前記ルーティングパス中の最初のノードに前記情報を送信し、
パス中にあるノードが前記情報を受信すると、該ノードは、前記情報がルーティングパスを含むかどうかをチェックし、含む場合は、その中から前記ルーティングパス中にある次のノードを取得し、前記情報を次のノードに送信し、
前記目標ノードが前記情報を受信し、前記目標ノードが、自らが前記ルーティングパス中の最後のノードであることを知ったときは、前記情報の内容を処理することを含む。
【0019】
本願の各種実施例に基づき、ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法をさらに提供し、以下のステップ、すなわち、
情報を受信し、前記情報が上記ルーティングパスを含むかどうかをチェックし、含む場合は、前記ルーティングパス中から、前記ルーティングパス中の現行ノードの次のノードを取得し、前記情報を次のノードに送信することを含む。
【0020】
本願の各種実施例に基づき、ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法をさらに提供し、以下のステップ、すなわち、
情報を受信し、前記情報が上記ルーティングパスを含むかどうかをチェックし、それを含み且つ現行ノードが前記ルーティングパス中の最後のノードである場合、前記情報の内容を処理することを含む。
【0021】
そのうち1つの実施例において、前記ネットワークドメイン情報を(ネットワークドメイン,IPアドレス)の形式で設定ファイル中に格納し、ノードのネットワークドメインに変化が生じた場合、設定ファイルを変更することにより更新を行う。
【0022】
そのうち1つの実施例において、前記ルーティングパスの格納形式は、ノード名:ノード名である。
【0023】
本願の各種実施例に基づき、ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化するシステムをさらに提供し、前記システムは、第1のトポロジ生成モジュールと、ノード分割モジュールと、第2のトポロジ生成モジュールと、パス取得モジュールと、情報送信モジュールとを含む。
【0024】
第1のトポロジ生成モジュールは、ブロックチェーン中のすべてのホストのあるネットワークドメイン情報を受信し、前記ネットワークドメイン情報に基づきクロスドメイン転送にかかわる第1のネットワークトポロジを生成するものである。(前記第1のネットワークトポロジ中のノードは、前記ブロックチェーン中のホストであり、2つのノード間の接続線は、対応する2台のホストが同一ネットワークドメイン中に存在することを表す。)
【0025】
ノード分割モジュールは、ブロードキャスト情報を送信するホストを主ノードとし、前記第1のネットワークトポロジ中の前記主ノード以外のその他のノードをすべて対応ノードの入ノードと対応ノードの出ノードとに分割し、前記対応ノードの入ノードから前記対応ノードの出ノードへ1本の接続線を接続するものである。
【0026】
第2のトポロジ生成モジュールは、
前記第1のネットワークトポロジ中の2つのノード間の接続線を2本の有向接続線に分割し、方向はいずれもそのうち1つのノードの出ノードからもう1つのノードの入ノードへとし、容量はいずれもN-1であり、前記主ノードが前記第1のネットワークトポロジ中でその他のノードとの間に接続線を有する場合、該接続線を主ノードから該ノードの入ノードへの容量がN-1の接続線に変換し、バーチャルノード及びすべてのノードの出ノードから前記バーチャルノードへの接続線を追加して(容量はすべて1である)第2のネットワークトポロジを形成するものである。
【0027】
パス取得モジュールは、ノード間接続線の容量Cに基づき、前記第2のネットワークトポロジ中で容量が1の主ノードからバーチャルノードへの増加道検索をN-1回行って検索パスを得、(ここで、Nは前記第1のネットワークトポロジ中のノード数である)、前記検索パス中のバーチャルノードを除去し、前記対応ノードの入ノードと前記対応ノードの出ノードとを合併し、前記主ノードから目標ノードへのブロードキャスト情報としてのルーティングパスを得るものである。
【0028】
情報送信モジュールは、前記主ノードがその他のドメイン中にある目標ノードに対して情報を送信する必要がある場合、前記のルーティングパスに基づき前記情報を目標ノードに送信して処理するものである。
【0029】
本願の各種実施例に基づき、メモリとプロセッサとを含むコンピュータ機器をさらに提供し、前記メモリは、コンピュータプログラムを格納し、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、上記ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法のステップを実現する。
【0030】
本願の各種実施例に基づき、コンピュータプログラムを格納したコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、上記ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法のステップを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
ここで公開した発明の実施例及び/又は例をよりしっかりと記述し、説明するため、1又は複数の図面を参考してもよい。図面を記述するための付加的な詳細又は例は、公開された発明、現在記述した実施例及び/又は例並びに現在理解されているこれらの発明の最適モデル中のいかなるものの範囲に対する制限であると考えてはならない。
【0032】
図1】本願実施例のクロスドメイン転送にかかわるネットワークトポグラフィーである。
図2】本願実施例のノード分割を行い、流量情報を追加して得られた新規ネットワークトポグラフィーである。
図3】本発明実施例のC=2の場合のAからEへの実行可能なフローを示す図である。
図4】本願実施例の主ノードAブロードキャスト情報からBCDノード選択へのパスを示す図である。
図5】本願実施例の主ノードAブロードキャスト情報からBCDEノード選択へのパスを示す図である。
図6】本願実施例のブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法のフローを示す図である。
図7】本願実施例のブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化するシステムの構造を示す図である。
図8】本願実施例のコンピュータ機器の内部構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本願を理解しやすく、本願の上記目的、特徴及び長所がさらに明確にわかりやすくなるように、以下では図面を結びつけて本願の具体的な実施形態について詳細な説明を行う。以下の記述では、本願を十分に理解するように多くの具体的な詳細を述べ、図面中には本願の好ましい実施形態を取り上げている。しかし、本願は、多くの異なる形式で実現することが可能で、本明細書に記述した実施形態に限られない。逆に、これらの実施形態を提供する目的は、本願の公開内容についての理解をより徹底し、全面的なものにすることである。本願は、ここでの記述とは異なる多くの形態で実施することが可能で、本分野当業者は、本願の主旨から逸脱しないで類似の改良を行うことができ、したがって、本願は、以下で公開する具体的な実施例に限られない。
【0034】
また、用語「第1」、「第2」は、記述を目的として用いたにすぎず、相対的重要性を示し若しくは暗示し、又は指示した技術的特徴の数を暗示するものと理解してはならない。これにより、「第1」、「第2」のある特徴を限定することは、少なくとも1つの該特徴を明示し又は暗示することができる。本願の記述において、「複数」とは、別途で明らかに具体的な限定がない限り、例えば2つ、3つ等、少なくとも2つを意味する。本願の記述において、「若干」とは、別途で明らかに具体的な限定がない限り、例えば1つ、2つ等、少なくとも1つを意味する。
【0035】
別途定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本願の技術分野に属する当業者が通常理解する意味と同一である。本明細書で使用する用語は、具体的な実施形態を記述することを目的としたものにすぎず、本願を制限することを意図したものではない。本明細書で使用する用語「及び/又は」は、1つ又は複数の挙げられた関連項目の任意のもの及びすべての組み合わせを含む。
【0036】
図1~4に示されたように、ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法において、具体的には以下ステップS1~S6を含む。
【0037】
S1:ユーザが入力したブロックチェーン中のすべてのホストのあるネットワークドメイン情報を受信し、該情報を用いてクロスドメイン転送にかかわるネットワークトポロジを生成し、前記ネットワークトポロジ中のノードは、ブロックチェーンネットワーク中のホストであり、2つのホスト間の接続線は、対応する2台のホストが同一ネットワークドメインに存在することを表す。
【0038】
S2:新規ネットワークトポロジを構築する。
【0039】
前記ネットワークトポロジ中のノード数をNとし、ブロードキャスト情報を送信するホストを主ノードとし、前記ネットワークトポロジ中の主ノード以外のその他のノードをすべて2つのノードに分割し、それぞれ対応ノードの入ノード及び対応ノードの出ノードと呼び、前記対応ノードの入ノードから前記対応ノードの出ノードへ容量がCの1本の接続線を接続し、その後、オリジナルネットワークトポロジ中の2つのノード間の接続線を2本の有向接続線に分割し、方向はいずれもそのうち1つのオリジナルノードの出ノードからもう1つのノードの入ノードへとし、容量はいずれもN-1であり、主ノードがオリジナルネットワーク中でその他のノードとの間に接続線を有する場合、該接続線を主ノードから該ノードの入ノードへの容量がN-1の接続線に変換し、その後、1つのバーチャルノードを追加し、すべてのノードの出ノードから該バーチャルノードへの接続線を追加し、容量は1であり、これにより新規ネットワークトポロジを形成し、前記C=(L+U)/2において、Lはエッジ容量の下界を表し、Uはエッジ容量の上界を表し、Lの初期値は0であり、Uの初期値はN-1である。
【0040】
S3:Ford-Fulkerson最大フローアルゴリズムを使用して新規ネットワークトポロジ中の主ノードからバーチャルノードへの最大フロー量fを計算し、f=N-1である場合、U=Cを更新し、そうでなければ、L=Cを更新し、再度Cの値を計算する。
【0041】
S4:U-L<<1である場合、C=Uとし、ノードの最小ネットワーク負荷とし、引き続きS5を実行し、そうでなければ、S3に戻る。
【0042】
S5:S4中のC値に基づき、新規ネットワークトポロジ中で容量が1の主ノードからバーチャルノードへの増加道検索をN-1回行い、検索パス中のバーチャルノードを除去し、入ノードと出ノードとを合併し、最終的パスを主ノードから目標ノードへのブロードキャスト情報のルーティングパスとする。
【0043】
S6:主ノードがその他のドメイン中にある目標ノードに対して情報を送信する必要がある場合、主ノードは、パスを情報の尾部に付加し、パス中の最初のノードに対して該情報を送信し、パス中にあるノードが情報を受信した後、情報がパス情報を含むかどうかをチェックし、パス情報を含む場合、その中からパス中にある次のノードを探し出し、情報を次のノードに送信し、目標ノードが該情報を受信した場合、自らがパス中の最後のノードであることがわかり、これにより該情報内容を処理する。
【0044】
前記S6において、転送パスを情報尾部に追加することにより、転送ノードを計算する必要はなく、情報を目標ノードに送信する場合、パス情報を調べ、情報を次の転送ノードに送信するだけでよい。こうすれば、中間ノードがパスを計算する負担を軽減することができる。
【0045】
好ましくは、S1において、ネットワークドメイン情報を(ネットワークドメイン,IPアドレス)の形式で設定ファイル中に格納する。ノードのネットワークドメインに変化が生じた場合、設定ファイルを変更することにより更新を行う。
【0046】
好ましくは、前記S5で算出した転送パス格納形式をノード名:ノード名とする。パス中のノードがIPアドレスを変更した場合、転送パスを修正する必要はなく、そのまま以前の転送パスを使用してパケットの転送を行う。
【0047】
図1に示されたオリジナルネットワークトポロジは、無向図であり、ここでノードA~Dは、ネットワーク中のホストを表し、Aは主ノードであり、ネットワークドメイン1にある。B、Cはクロスドメインホストであり、同時にネットワークドメイン1及び2にある。Dは一般ホストであり、ネットワークドメイン2にある。接続線は、対応する2台のホストが同一ドメインにあることを表し、直接IPアドレスにより接続することができ、図2に示されているのは新規ネットワークトポロジであり、新規ネットワークトポロジは有向図であって、図1図2を比べればわかるように、ノードBを2つのノードB’、B’’に分割している。B’及びB’’は、直接容量がC(値が3)の1本のエッジを接続する。図1中のAからBへのエッジは、AからB’への容量が3の有向エッジに変換される。図1中のCからBへのエッジは、C’’からB’へ及びB’’からC’への容量が3の2本の有向エッジに分割される。バーチャルノードEを追加し、B’’、C’’、D’’はすべてEとの間で容量が1の1本の有向エッジを接続する。
【0048】
図3は、C=2の場合の新規ネットワークトポグラフィー中のAからEへの最大フローを示す図を取り上げており、Ford-Fulkerson最大フローアルゴリズムを使用してAからEへの最大フロー量を3と計算し、太線で表した。C=1の場合、AからEへの最大フロー量を2と算出することができ、すなわち、Aは情報を同時にBCDの3つのノードにブロードキャストすることができない。このため、クロスドメインホストがブロードキャスト情報を処理する最小負荷は2である。
【0049】
図4は、AノードがBCDノードに対してクロスドメインブロードキャストを行って選択したパケット転送パスを取り上げている。AからBへ及びAからCへの情報は、直接ネットワークドメイン1を介して伝達され、AからDへの情報は、Bノードを介してクロスドメイン転送を行う。
【0050】
図5は、ネットワークドメイン2中にある新規ノードEをブロックチェーンに加えた後、Aが本方法により得た新規クロスドメインブロードキャスト転送パスを取り上げている。AからBへ及びAからCへの情報は、直接ネットワークドメイン1を介して伝達され、AからDへの情報は、Bノードを介してクロスドメイン転送を行い、AからEへの情報は、Cノードを介してクロスドメイン転送を行う。このとき、B、Cノードのネットワーク負荷はいずれも2であり、クロスドメインブロードキャストがもたらすネットワーク負荷を分担している。
【0051】
本発明をブロックチェーンプラットフォームに応用すれば、主ノードがブロードキャスト情報をその他のブロックチェーンノードに送信する場合、一部のノードがクロスドメイン転送タスクを受けようとしたためにネットワーク負荷が過重になり、性能ボトルネックになることがなくなり、同時に、クロスドメインブロードキャストの負荷を複数のクロスドメインノードに均等に分布させることにより、ブロックチェーンシステムの利用率を高めることができる。
【0052】
さらに、図6に示されたように、以下の手段を用いてブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法を実現することができ、ステップS110~S150を含む。
【0053】
S110:ブロックチェーン中のすべてのホストのあるネットワークドメイン情報を受信し、前記ネットワークドメイン情報に基づきクロスドメイン転送にかかわる第1のネットワークトポロジを生成し、前記第1のネットワークトポロジ中のノードは、前記ブロックチェーンネットワーク中のホストであり、2つのノード間の接続線は、対応する2台のホストが同一ネットワークドメイン中に存在することを表す。
【0054】
S120:ブロードキャスト情報を送信するホストを主ノードとし、前記第1のネットワークトポロジ中の前記主ノード以外のその他のノードをすべて対応ノードの入ノードと対応ノードの出ノードとに分割し、前記対応ノードの入ノードから前記対応ノードの出ノードへ1本の接続線を接続する。
【0055】
S130:前記第1のネットワークトポロジ中の2つのノード間の接続線を2本の有向接続線に分割し、方向はいずれもそのうち1つのノードの出ノードからもう1つのノードの入ノードへとし、容量はいずれもN-1であり、前記主ノードが前記第1のネットワークトポロジ中でその他のノードとの間に接続線を有する場合、該接続線を主ノードから該ノードの入ノードへの容量がN-1の接続線に変換し、バーチャルノード及びすべてのノードの出ノードから前記バーチャルノードへの接続線を追加して(容量はすべて1である)第2のネットワークトポロジを形成する。
【0056】
S140:ノード間接続線の容量Cに基づき、前記第2のネットワークトポロジ中で容量が1の主ノードからバーチャルノードへの増加道検索をN-1回行い、検索パスを得、ここで、Nは前記第1のネットワークトポロジ中のノード数であり、前記検索パス中のバーチャルノードを除去し、前記対応ノードの入ノードと前記対応ノードの出ノードとを合併し、前記主ノードから目標ノードへのブロードキャスト情報としてのルーティングパスを得る。
【0057】
S150:前記主ノードがその他のドメイン中にある目標ノードに対して情報を送信する必要がある場合、前記のルーティングパスに基づき前記情報を目標ノードに送信して処理する。
【0058】
一実施例において、前記C=(L+U)/2において、Lはエッジ容量の下界を表し、Uはエッジ容量の上界を表し、Lの初期値は0であり、Uの初期値はN-1であり、
ノード間接続線の容量Cに基づき前記第2のネットワークトポロジ中で容量が1の主ノードからバーチャルノードへの増加道検索をN-1回行う前記ステップの前に、さらに以下のステップ、すなわち、
前記第2のネットワークトポロジ中の前記主ノードから前記バーチャルノードへの最大フロー量fを得、f=N-1である場合、U=Cを更新し、そうでなければ、L=Cを更新し、再度C=(L+U)/2に基づきCの値を計算し、
U-L<<1である場合、C=Uとし、ノードの最小ネットワーク負荷とし、そうでなければ、前記第2のネットワークトポロジ中の前記主ノードから前記バーチャルノードへの最大フロー量fを得るステップを実行することを含む。
【0059】
一実施例において、前記のルーティングパスに基づき前記情報を目標ノードに送信して処理する前記ステップは、以下のステップ、すなわち、
前記主ノードは、前記ルーティングパスを前記情報の尾部に付加し、前記ルーティングパス中の最初のノードに対して前記情報を送信し、
パス中にあるノードが前記情報を受信した後、該ノードは、前記情報がルーティングパスを含むかどうかをチェックし、含む場合は、その中から前記ルーティングパス中にある次のノードを取得し、前記情報を次のノードに送信し、
前記目標ノードが前記情報を受信した場合、前記目標ノードが、自らが前記ルーティングパス中の最後のノードであることを知ったときは、前記情報の内容を処理することを含む。
【0060】
一実施例において、ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法を提供し、以下のステップ、すなわち、
情報を受信し、前記情報が上記ルーティングパスを含むかどうかをチェックし、それを含み且つ現行ノードが前記ルーティングパス中の最後のノードである場合、前記情報の内容を処理することを含む。
【0061】
本実施例において、ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法は、ブロックチェーン中の任意のノードによって実行し、情報を受信し、転送する作用を果たすことができる。
【0062】
一実施例において、ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法を提供し、以下のステップ、すなわち、
情報を受信し、前記情報が上記ルーティングパスを含むかどうかをチェックし、それを含み且つ現行ノードが前記ルーティングパス中の最後のノードである場合、前記情報の内容を処理することを含む。
【0063】
本実施例において、ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法は、ブロックチェーン中の任意のノードによって実行し、目標ノードとして、情報を受信し、処理する作用を果たすことができる。
【0064】
一実施例において、前記ネットワークドメイン情報を(ネットワークドメイン,IPアドレス)の形式で設定ファイル中に格納し、ノードのネットワークドメインに変化が生じた場合、設定ファイルを変更することにより更新を行う。
【0065】
一実施例において、前記ルーティングパスの格納形式は、ノード名:ノード名である。
【0066】
一実施例において、図7に示されたように、ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化するシステムを提供し、第1のトポロジ生成モジュール210と、ノード分割モジュール220と、第2のトポロジ生成モジュール230と、パス取得モジュール240と、情報送信モジュール250とを含む。
【0067】
第1のトポロジ生成モジュール210は、ブロックチェーン中のすべてのホストのあるネットワークドメイン情報を受信し、前記ネットワークドメイン情報に基づきクロスドメイン転送にかかわる第1のネットワークトポロジを生成するものである。(前記第1のネットワークトポロジ中のノードは、前記ブロックチェーン中のホストであり、2つのノード間の接続線は、対応する2台のホストが同一ネットワークドメイン中に存在することを表す。)
【0068】
ノード分割モジュール220は、ブロードキャスト情報を送信するホストを主ノードとし、前記第1のネットワークトポロジ中の前記主ノード以外のその他のノードをすべて対応ノードの入ノードと対応ノードの出ノードとに分割し、前記対応ノードの入ノードから前記対応ノードの出ノードへ1本の接続線を接続するものである。
【0069】
第2のトポロジ生成モジュール230は、前記第1のネットワークトポロジ中の2つのノード間の接続線を2本の有向接続線に分割し、方向はいずれもそのうち1つのノードの出ノードからもう1つのノードの入ノードへとし、容量はいずれもN-1であり、前記主ノードが前記第1のネットワークトポロジ中でその他のノードとの間に接続線を有する場合、該接続線を主ノードから該ノードの入ノードへの容量がN-1の接続線に変換し、バーチャルノード及びすべてのノードの出ノードから前記バーチャルノードへの接続線を追加して(容量はすべて1である)第2のネットワークトポロジを形成するものである。
【0070】
パス取得モジュール240は、ノード間接続線の容量Cに基づき、前記第2のネットワークトポロジ中で容量が1の主ノードからバーチャルノードへの増加道検索をN-1回行い、検索パスを得、ここで、Nは前記第1のネットワークトポロジ中のノード数であり、前記検索パス中のバーチャルノードを除去し、前記対応ノードの入ノードと前記対応ノードの出ノードとを合併し、前記主ノードから目標ノードへのブロードキャスト情報としてのルーティングパスを得るものである。
【0071】
情報送信モジュール250は、前記主ノードがその他のドメイン中にある目標ノードに対して情報を送信する必要がある場合、前記のルーティングパスに基づき前記情報を目標ノードに送信して処理するものである。
【0072】
一実施例において、前記C=(L+U)/2において、Lはエッジ容量の下界を表し、Uはエッジ容量の上界を表し、Lの初期値は0であり、Uの初期値はN-1であ李、
パス取得モジュール240はさらに、前記第2のネットワークトポロジ中の前記主ノードから前記バーチャルノードへの最大フロー量fを得、f=N-1である場合、U=Cを更新し、そうでなければ、L=Cを更新し、再度C=(L+U)/2に基づきCの値を計算し、U-L<<1である場合、C=Uとし、ノードの最小ネットワーク負荷とし、そうでなければ、改めて前記第2のネットワークトポロジ中の前記主ノードから前記バーチャルノードへの最大フロー量fを得るものである。
【0073】
一実施例において、情報送信モジュール250は、前記ルーティングパスを前記情報の尾部に付加し、前記主ノードを介して前記ルーティングパス中の最初のノードに対して前記情報を送信し、ルーティングパス中のノードを介して前記情報を受信し、前記情報がルーティングパスを含むかどうかをチェックし、含む場合、その中から前記ルーティングパス中にある次のノードを取得し、前記情報を次のノードに送信し、前記目標ノードを介して前記情報を受信し、前記目標ノードが前記ルーティングパス中の最後のノードであることが確定した場合、前記情報の内容を処理する。
【0074】
一実施例において、前記ネットワークドメイン情報を(ネットワークドメイン,IPアドレス)の形式で設定ファイル中に格納し、ノードのネットワークドメインに変化が生じた場合、設定ファイルを変更することにより更新を行う。
【0075】
一実施例において、前記ルーティングパスの格納形式は、ノード名:ノード名である。
【0076】
ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化するシステムの具体的限定に関しては、上記中のブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法の限定を参照してもよく、ここではこれ以上述べない。上記ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化するシステム中の各モジュールは、すべて又は一部をソフトウェア、ハードウェア及びその組み合わせにより実現することができる。上記各モジュールは、プロセッサが以上の各モジュールに対応する操作を呼び出して実行するように、ハードウェア形式でコンピュータ機器中のプロセッサ中にビルトインされ又はそれから独立していてよく、ソフトウェア形式でコンピュータ機器中のメモリ中に格納してもよい。
【0077】
一実施例において、コンピュータ機器を提供し、該コンピュータ機器は、端末であってよく、その内部構造図は、図8に示されたものであってよい。該コンピュータ機器は、システムバスを介して接続されたプロセッサと、メモリと、ネットワークインターフェースと、ディスプレイと、入力装置とを含む。ここで、該コンピュータ機器のプロセッサは、計算及び制御能力を提供するものである。該コンピュータ機器のメモリは、不揮発性記憶媒体、内部メモリを含む。該不揮発性記憶媒体は、OS(operating system)、及びコンピュータプログラムを格納している。該内部メモリは、不揮発性記憶媒体中のOS及びコンピュータプログラムの実行可能環境である。該コンピュータ機器のネットワークインターフェースは、外部の端末とネットワーク接続により通信するためのものである。該コンピュータプログラムがプロセッサで実行されることで、ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法を実現する。該コンピュータ機器のディスプレイは、液晶ディスプレイ又は電子インクディスプレイであってよく、該コンピュータ機器の入力装置は、ディスプレイを被覆するタッチレイヤであってよく、コンピュータ機器ハウジングに設置されたキー、トラックボール又はタッチパネルであってもよく、さらに外付けのキーボード、タッチパネル又はマウス等であってもよい。
【0078】
本分野当業者なら、図8に示した構造は本願手段に係る一部の構造のブロック図に過ぎず、本願手段を応用したコンピュータ機器に対する限定を構成しないことを理解することができる。具体的なコンピュータ機器は、図に示したより多くの若しくは少ない部品を含み、又は一部の部品を組み合わせ、又は異なる部品配置を有してよい。
【0079】
一実施例において、メモリとプロセッサとを含むコンピュータ機器を提供し、メモリ中にコンピュータプログラムを格納し、該プロセッサがコンピュータプログラムを実行すると、上記ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法のステップを実現する。
【0080】
一実施例において、コンピュータプログラムを格納したコンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、上記ブロックチェーンクロスドメインブロードキャストネットワーク負荷を均等化する方法のステップを実現する。
【0081】
本分野一般当業者なら、上記実施例方法中のすべて又は一部のフローの実現は、コンピュータプログラムにより関連するハードウェアに指令して成し遂げることができ、前記コンピュータプログラムは、不揮発性コンピュータ可読記憶媒体に格納してよく、該コンピュータプログラムを実行する場合、上記各方法に記載の実施例のフローを含んでもよいものと理解されるべきである。ここで、本願が提供する各実施例中で使用されるメモリ、ストレージ、データベースその他の媒体に対するいかなる引用も、すべて不揮発性及び/又は揮発性メモリを含んでよい。不揮発性メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)又はフラッシュメモリを含んでよい。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は外部高速バッファメモリを含んでよい。説明としてこれに限られないが、RAMは、静的RAM(SRAM)、動的RAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDRSDRAM)、強化型SDRAM(ESDRAM)、シンクリンク(Synchlink)DRAM(SLDRAM)、メモリバス(Rambus)ダイレクトRAM(RDRAM)、ダイレクトメモリバス動的RAM(DRDRAM)、メモリバス動的RAM(RDRAM)等さまざまな形式で得られる。
【0082】
以上に記載の実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせてよく、記述を簡潔にするため、上記実施例中の各技術的特徴のあり得る組み合わせをすべて記述したわけではない。しかしながら、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がないものでありさえすれば、すべて本明細書に記載の範囲であると考えるべきである。
【0083】
以上に記載の実施例は、本発明の数種の実施形態を表現したにすぎず、その記述は、具体的で詳細であるが、だからといって発明特許範囲に対する制限であると理解してはならない。本分野の一般当業者にとって、本発明の構想から逸脱しないことを前提として、若干の変形及び改良を行うこともでき、これらはすべて本発明の保護範囲に属することを指摘しておかなければならない。このため、本発明特許の保護範囲は、添付の請求項を基準とすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8