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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-24
(45)【発行日】2023-04-03
(54)【発明の名称】基板処理方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20230327BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20230327BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20230327BHJP
   C23C 16/42 20060101ALN20230327BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/31 C
H05H1/46 M
C23C16/42
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018115553
(22)【出願日】2018-06-18
(65)【公開番号】P2019145761
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】10-2018-0020083
(32)【優先日】2018-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512144771
【氏名又は名称】エーエスエム アイピー ホールディング ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(72)【発明者】
【氏名】中野 昭典
(72)【発明者】
【氏名】野沢 俊久
(72)【発明者】
【氏名】中野 竜
【審査官】船越 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-228707(JP,A)
【文献】特開2016-178257(JP,A)
【文献】特開2008-244142(JP,A)
【文献】国際公開第2017/209901(WO,A2)
【文献】特開2003-158054(JP,A)
【文献】国際公開第2010/010706(WO,A1)
【文献】特表2007-531306(JP,A)
【文献】米国特許第09017481(US,B1)
【文献】特開2003-282533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/31
H05H 1/46
C23C 16/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理方法であって、
パターン構造を含む基板上にプラズマを印加するステップと、
プラズマ雰囲気下で、第1のトリミングガス及び第2のトリミングガスを独立に供給することによって、前記パターン構造をトリミングするステップと、
前記パターン構造がトリミングされた後に、前記パターン構造の側面及び上面に薄膜層を形成するステップと、
を備え、
前記パターン構造のトリミング中に、前記第1のトリミングガスは、反応空間に配置されたシャワーヘッドアセンブリに備えられる中央ガス入口を通じて、かつ前記シャワーヘッドアセンブリに設けられるガス流チャネルを介して供給され、前記第2のトリミングガスは、前記シャワーヘッドアセンブリにおいて前記中央ガス入口から離間して配置された別のガス入口を通じて、かつ前記ガス流チャネルを介して供給され、
前記ガス流チャネルは、前記シャワーヘッドアセンブリの中央から周辺に向かって一定の幅を有して円錐形状に延伸する、基板処理方法。
【請求項2】
前記パターン構造のトリミングにおいて、周辺部分における前記パターン構造のトリミング量は、前記第2のトリミングガスを用いて調整される、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記薄膜層を形成するステップは、
ソースガスを供給するステップと、
反応ガスを供給するステップと、を備え、
前記ソースガス及び前記反応ガスの少なくとも一方は、前記中央ガス入口及び前記別のガス入口を通じて供給される、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記基板の周辺部分に位置する前記薄膜層の部分の厚さは、前記別のガス入口を通じて供給される前記ソースガス及び前記反応ガスの少なくとも一方を用いることによって調整される、請求項3に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記第1のトリミングガス及び前記第2のトリミングガスの各々は、希釈ガス及び酸化剤ガスの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記パターン構造のトリミングにおいて、前記パターン構造の周辺部分のトリミング量は、前記希釈ガス又は前記酸化剤ガスの種類、濃度及び流量を含む要素の少なくとも1つに依存する、請求項5に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記パターン構造のトリミングにおいて、前記パターン構造の周辺部分のトリミング量は、前記希釈ガスと前記酸化剤ガスとの流量比に依存する、請求項5に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記基板のエッジ部分における前記パターン構造の一部は、前記中央ガス入口の周囲に配置された前記別のガス入口を通じて流れる酸化剤ガスによってトリミングされる、請求項5に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記基板のエッジ部分上の前記薄膜層の一部は、前記中央ガス入口の周囲に配置された前記別のガス入口を通じて流れるガスによって形成される、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記別のガス入口は、第1の別のガス入口及び第2の別のガス入口を含む、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項11】
酸化剤ガスは、前記第1の別のガス入口を通じて供給され、希釈ガスは、前記第2の別のガス入口を通じて供給される、請求項10に記載の基板処理方法。
【請求項12】
基板処理方法であって、
第1のパターン構造及び前記第1のパターン構造を取り囲む第2のパターン構造が形成された基板上にプラズマを印加するステップと、
プラズマ雰囲気下で、第1のトリミングガスを供給することによって、前記第1のパターン構造及び前記第2のパターン構造をトリミングするステップと、
前記第1のパターン構造及び前記第2のパターン構造をトリミングして、前記第1のパターン構造及び前記第2のパターン構造上に薄膜層をin-situで形成するステップと、
前記薄膜層をエッチングすることによって、前記第1のパターン構造及び前記第2のパターン構造の上面を露出するステップと、
前記薄膜層をマスクとして用いることによって、パターンニング処理を行うステップと、
を備え、
前記第1のパターン構造及び前記第2のパターン構造のトリミングにおいて、前記第2のパターン構造のトリミング量は、前記第1のトリミングガスに加えて第2のトリミングガスを独立に供給することによって制御され、
前記第1のトリミングガスは、反応空間に配置されたシャワーヘッドアセンブリに備えられる中央ガス入口を通じて、かつ前記シャワーヘッドアセンブリに設けられるガス流チャネルを介して供給され、前記第2のトリミングガスは、前記シャワーヘッドアセンブリにおいて前記中央ガス入口から離間して備えられる別のガス入口を通じて、かつ前記ガス流チャネルを介して供給され、
前記ガス流チャネルは、前記シャワーヘッドアセンブリの中央から周辺に向かって一定の幅を有して円錐形状に延伸する、基板処理方法。
【請求項13】
前記第1のパターン構造及び前記第2のパターン構造のトリミングにおいて、前記第2のパターン構造のトリミング量と前記第1のパターン構造のトリミング量との比は、0.5から1.5である、請求項12に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、大韓民国知的所有権庁に2018年2月20日に出願された韓国特許出願第10-2018-0020083号の利益を主張し、その開示は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0002】
1以上の実施形態は、基板処理方法及び装置に関し、より具体的には、薄膜層の特性を改善することができる基板処理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、半導体装置を製造する処理で要求される回路線幅が狭くなっている。狭い線幅を有する回路パターンを形成するために、原子層単位で薄膜を形成する技術は、ダブルパターニング技術又はクアドラプルパターニング技術と共に用いられている。例えば、米国特許第8,252,691号、第8,901,016号及び第9,171,716号は、原子層堆積(atomic layer deposition(ALD))処理によりマスク上に薄膜を形成するために用いられるスペーサ・ディファインド・ダブル・パターニング(spacer defined double patterning(SDDP))、及びスペーサとして薄膜を用いることによるダブルパターニング技術の適用を開示する。
【0004】
また、米国特許第6,911,399号、米国特許出願公開第2004/0018742号、第2015/0079311号及び第2015/0118846号は、マスク等のパターン構造上に薄膜を形成する前に実行されるトリミング技術を開示する。上記のトリミング技術は、回路パターンのクリティカルディメンション(critical dimensions(CD))の精密な制御に不可欠であるが、トリミングを行うために追加エッチング処理を伴わなければならない。また、関連する技術分野のトリミング技術によれば、トリミングは、基板全体に均一に実現されず、よって、クリティカルディメンション(CD)の均一性が保証されない。
【発明の概要】
【0005】
1以上の実施形態は、基板処理方法及び装置を含む。
【0006】
別の態様は、詳細な説明の一部において説明され、一部では、詳細な説明から明らかであろう、又は提示された実施形態の実施によって学習されてもよい。
【0007】
1以上の実施形態によれば、基板処理方法は、パターン構造を含む基板上にプラズマを印加するステップと、プラズマ雰囲気下で、第1のトリミングガス及び第2のトリミングガスを独立に供給することによって、前記パターン構造をトリミングするステップと、前記パターン構造がトリミングされた後に、前記パターン構造の側面及び上面に薄膜層を形成するステップと、を含み、前記パターン構造のトリミング中に、前記第1のトリミングガスは、ガス供給ユニットの中央ガス入口を通じて供給され、前記第2のトリミングガスは、前記ガス供給ユニットの前記中央ガス入口から離間して配置された別のガス入口を通じて供給される。
【0008】
前記パターン構造のトリミングにおいて、周辺部分における前記パターン構造のトリミング量は、前記第2のトリミングガスを用いて調整されてもよい。
【0009】
前記薄膜層を形成するステップは、ソースガスを供給するステップと、反応ガスを供給するステップと、を含み、前記ソースガス及び前記反応ガスの少なくとも一方は、前記中央ガス入口及び前記別のガス入口を通じて供給されてもよい。
【0010】
前記基板の周辺部分に位置する前記薄膜層の部分の厚さは、前記別のガス入口を通じて供給される前記ソースガス及び前記反応ガスの少なくとも一方を用いることによって調整されてもよい。
【0011】
前記第1のトリミングガス及び前記第2のトリミングガスの各々は、希釈ガス及び酸化剤ガスの少なくとも一方を含んでもよい。
【0012】
前記パターン構造のトリミングにおいて、前記パターン構造の周辺部分のトリミング量は、前記希釈ガス又は前記酸化剤ガスの種類、濃度及び流量を含む要素の少なくとも1つに依存してもよい。
【0013】
前記パターン構造のトリミングにおいて、前記パターン構造の周辺部分のトリミング量は、前記希釈ガスと前記酸化剤ガスとの流量比に依存してもよい。
【0014】
前記基板のエッジ部分における前記パターン構造の一部は、前記中央ガス入口の周囲に配置された前記別のガス入口を通じて流れる酸化剤ガスによってトリミングされてもよい。
【0015】
前記基板のエッジ部分上の前記薄膜層の一部は、前記中央ガス入口の周囲に配置された前記別のガス入口を通じて流れるガスによって形成されてもよい。
【0016】
前記別のガス入口は、第1の別のガス入口及び第2の別のガス入口を含んでもよい。
【0017】
酸化剤ガスは、前記第1の別のガス入口を通じて供給され、希釈ガスは、前記第2の別のガス入口を通じて供給されてもよい。
【0018】
1以上の実施形態によれば、基板処理方法は、第1のパターン構造及び前記第1のパターン構造を取り囲む第2のパターン構造が形成された基板上にプラズマを印加するステップと、プラズマ雰囲気下で、第1のトリミングガスを供給することによって、前記第1のパターン構造及び前記第2のパターン構造をトリミングするステップと、前記第1のパターン構造及び前記第2のパターン構造をトリミングして、前記第1のパターン構造及び前記第2のパターン構造上に薄膜層をin-situで形成するステップと、前記薄膜層をエッチングすることによって、前記第1のパターン構造及び前記第2のパターン構造の上面を露出するステップと、前記薄膜層をマスクとして用いることによって、パターンニング処理を行うステップと、を含み、前記第1のパターン構造及び前記第2のパターン構造のトリミングにおいて、前記第2のパターン構造のトリミング量は、前記第1のトリミングガスに加えて第2のトリミングガスを独立に供給することによって制御される。
【0019】
前記第1のパターン構造及び前記第2のパターン構造のトリミングにおいて、前記第2のパターン構造のトリミング量と前記第1のパターン構造のトリミング量との比は、0.5から1.5であってもよい。
【0020】
1以上の実施形態によれば、基板処理装置は、中央ガス入口及び前記中央ガス入口から離間して配置される別のガス入口を含むガスチャネルと、前記中央ガス入口及び前記別のガス入口に接続された複数の穴を含むシャワープレートと、を含み、ガス流チャネルは、前記ガスチャネルの下面及び前記シャワープレートの上面によって規定されるクリアランスを有して形成され、前記下面と前記上面とは、略平行である。
【0021】
反応空間における基板の処理は、前記別のガス入口を通じて前記ガス流チャネルへ供給される酸化剤ガス又は希釈ガスを用いて局所的に制御されてもよい。
【0022】
前記ガスチャネル及び前記シャワープレートは、前記クリアランスに対して互いに対向しており、前記ガスチャネルに対向する前記シャワープレートの表面は、円錐形状を有してもよい。
【0023】
前記別のガス入口は、中間ガス入口及び端部ガス入口の対のうちの少なくとも2つを含み、前記中間ガス入口及び前記端部ガス入口の1つの対と、前記中間ガス入口及び前記端部ガス入口の別の対とは、前記中央ガス入口に対して対称的に配置されてもよい。
【0024】
前記中間ガス入口及び前記端部ガス入口の対のうちの少なくとも2つは、180°又は120°の角度で互いに離間されるように配置されてもよい。
【0025】
前記基板処理装置は、前記中間ガス入口及び前記端部ガス入口の各対の間にシーリング部材を更に含んでもよい。
【0026】
環状溝は、前記ガスチャネルの下面に形成され、前記中間ガス入口及び前記端部ガス入口のうちの少なくとも1つは、前記環状溝を介して前記ガス流チャネルで繋がれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
これら及び/又は他の態様は、添付の図面と併せて、実施形態の以下の説明から明らかとなり、より明示的に理解されるであろう。
【0028】
図1図1は、本開示の実施形態に係る基板処理方法を説明するフローチャートである。
図2図2は、本開示の実施形態に係る基板処理方法を説明するフローチャートである。
図3図3は、本開示の実施形態に係る基板処理方法を説明するフローチャートである。
図4図4は、本開示の実施形態に係る基板処理方法を説明するフローチャートである。
図5図5は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の概略断面図である。
図6図6A及び6Bは、本開示の実施形態に係る、基板処理装置及び基板処理方法を説明する概略図である。
図7図7は、本開示の実施形態に係る、基板処理装置及び基板処理方法を説明する概略図である。
図8図8は、本開示の実施形態に係る、基板処理装置を用いることによって行われるトリミング処理を示す概略図である。
図9図9は、本開示の実施形態に係る、トリミング後に、in-situで堆積された低温原子層堆積(ALD)-SiOを形成する処理を示す概略図である。
図10図10から20は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の断面図及び平面図である。
図11図10から20は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の断面図及び平面図である。
図12図10から20は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の断面図及び平面図である。
図13図10から20は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の断面図及び平面図である。
図14図10から20は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の断面図及び平面図である。
図15図10から20は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の断面図及び平面図である。
図16図10から20は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の断面図及び平面図である。
図17図10から20は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の断面図及び平面図である。
図18図10から20は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の断面図及び平面図である。
図19図10から20は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の断面図及び平面図である。
図20図10から20は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の断面図及び平面図である。
図21図21から27は、本開示の実施形態に係る基板処理装置を用いることによって基板処理方法を行った結果を示す図である。
図22図21から27は、本開示の実施形態に係る基板処理装置を用いることによって基板処理方法を行った結果を示す図である。
図23図21から27は、本開示の実施形態に係る基板処理装置を用いることによって基板処理方法を行った結果を示す図である。
図24図21から27は、本開示の実施形態に係る基板処理装置を用いることによって基板処理方法を行った結果を示す図である。
図25図21から27は、本開示の実施形態に係る基板処理装置を用いることによって基板処理方法を行った結果を示す図である。
図26図21から27は、本開示の実施形態に係る基板処理装置を用いることによって基板処理方法を行った結果を示す図である。
図27図21から27は、本開示の実施形態に係る基板処理装置を用いることによって基板処理方法を行った結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施形態への詳細な参照がなされ、その実施例は、添付の図面に示され、同様の参照番号は、全体を通じて同様の要素を示す。これに関して、本実施形態は、異なる形態を有し、本明細書に述べられた説明に限定されると解釈されるべきではない。よって、実施形態は、本詳細な説明の態様を説明するために、図面を参照することによって、以下に説明されるに過ぎない。本明細書で用いられるように、用語「及び/又は」は、関連付け、列挙された項目の1以上の組み合わせのいずれか及び全てを含む。「~のうちの少なくとも1つ」等のような表現は、要素の一覧を前述するとき、要素の一覧全体を修正し、一覧の個々の要素を修正しない。
【0030】
以下には、本開示の1以上の実施形態が添付の図面を参照しながら説明される。
【0031】
本開示の実施形態は、本開示のより完全な態様を示すために当業者に提示され、以下の実施形態は、本開示の態様の範囲の形態で変更されるが、以下の実施形態に限定されない。むしろ、これらの実施形態は、本開示を更に強化し、本開示の態様を完全に当業者に示すために提供される。
【0032】
本明細書で用いられる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられ、本開示を限定することは意図されない。本明細書で用いられるように、単数形「一つ」及び「前記」は、他に明確な言及がない限り、複数形も含むことが意図される。用語「備える」及び/又は「含む」は、本明細書で用いられるとき、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を特定するが、1以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそのグループの存在又は追加を妨げるものではないことが更に理解されるであろう。本明細書で用いられるように、用語「及び/又は」は、関連付け、列挙された項目の1以上の組み合わせのいずれか及び全てを含む。
【0033】
用語「第1」、「第2」等は、各種要素、領域及び/又は区分を説明するために本明細書で用いられるが、これらの要素、領域及び/又は区分は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの要素は、ある要素、領域又は区分を別の要素、領域又は区分と区別するためにのみ用いられる。よって、以下に記載される第1の要素、領域又は区分は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、領域又は区分と称されることができる。
【0034】
本開示では、「ガス」は、蒸発した固体及び/又は液体を含んでもよく、単一のガス又はガスの混合物を含んでもよい。本開示では、ガス供給ユニットを通じて反応チャンバへ導入される処理ガスは、前駆体ガス及び添加ガスを含んでもよい。前駆体ガス及び添加ガスは、典型的には、混合ガスとして又は別々に反応空間へ導入される。前駆体ガスは、不活性ガス等のようなキャリアガスで導入される。添加ガスは、反応ガス及び不活性ガス等のような希釈ガスを含む。反応ガス及び希釈ガスは、混合物として又は別々に反応空間へ導入される。前駆体は、2以上の前駆体を含んでもよく、反応ガスは、2以上の反応ガスを含んでもよい。前駆体は、基板上に化学吸着されるガスであり、典型的には、誘電体層でのマトリックスの主構造を構成する半金属又は金属元素を含み、蓄積のための反応ガスは、ガスが基板上に原子層又はモノレイヤーで固定するために励起されるときに、基板上に化学吸着される前駆体と反応するガスである。「化学吸着」は、化学飽和吸着を指す。プロセスガス以外のガス、つまり、ガス供給ユニットを通過せずに導入されるガスは、反応空間をシーリングするために用いられ、不活性ガス等のシールガスを含む。一部の実施形態では、「膜」は、ターゲットとなる表面もしくは対象となる表面全体を覆うためにピンホールを有さずに実質的に厚さ方向に垂直な方向に連続して延びる層、又はターゲットとなる表面もしくは対象となる表面を単に覆う層を指す。一部の実施形態では、「層」は、表面上に形成される特定の厚さを有する構造又は膜の同義語又は非膜構造を指す。膜又は層は、特定の性質を有する別個の単一の膜もしくは層又は複数の膜もしくは層により構成されてもよく、隣接する膜又は層の間の境界は明確であってもよく、又は明確でなくてもよく、物理的、化学的及び/もしくは任意の他の特性、形成プロセスもしくは順序、並びに/又は隣接する膜もしくは層の機能もしくは目的に基づいて規定されてもよい。
【0035】
本開示では、表現「同一材料」は、主成分が同一であると解釈されるべきである。例えば、第1の層及び第2の層の両方が、同一材料から形成される窒化ケイ素層であるとき、第1の層は、SiN、SiN、Si及びSiからなる群から選択されてもよく、第2の層も上記の群から選択されてもよいが、第2の層の詳細な膜品質は、第1の層のものとは異なっていてもよい。
【0036】
更に、本開示において、任意の2つの数の変数は、その変数の実行可能な範囲を構成でき、実行可能な範囲は通常作業に基づいて決定でき、示された任意の範囲はエンドポイントを含んでいてもよく、又は除外していてもよい。更に、示された変数の任意の値(それらが「約」と共に示されているか否かに関わらず)は、正確な値又はおおよその値を指し、同値を含んでもよく、一部の実施形態において、平均値、中央値、代表値、多数値などを指してもよい。
【0037】
条件及び/又は構造が特定されていない本開示において、当業者は、通常の実験として、本開示を考慮してそのような条件及び/又は構造を容易に得ることができる。開示された実施形態の全てにおいて、一実施形態において使用されている任意の要素は、意図される目的のために本明細書に明確、必然的又は本質的に開示されている要素を含む、要素と等価の任意の要素と置き換えられてもよい。更に、本発明は装置及び方法に同様に適用されてもよい。
【0038】
以下には、実施形態を概略的に示す図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。図面では、例えば、製造技術及び/又は許容誤差に応じて、図示された形状の変形が期待される。よって、本開示の実施形態は、発明の詳細な説明に示された領域における特定の形状に限定されず、例えば、製造プロセス中に生じる形状の変化を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0039】
図1は、本開示の実施形態に係る基板処理方法を説明するフローチャートである。
【0040】
図1を参照すると、基板処理方法は、プラズマを印加すること(第1の動作、S110)と、パターン構造をトリミングすること(第2の動作、S120)と、パターン構造上の薄膜層を形成すること(第3の動作、S130)と、を含んでもよい。それに代えて、基板処理方法は、薄膜層からスペーサを形成すること(第4の動作、S140)と、マスクとしてスペーサを用いることによって基板をパターンニングすること(第5の動作、S150)と、を更に含んでもよい。
【0041】
初めに、パターン構造を含む基板上にプラズマを印加する動作(S110)が行われる。本明細書で規定されるパターン構造は、基板上に形成され、特定のパターンを有する、任意の種類の構造を示す。例えば、パターン構造は、各基板から突出する複数の部分が、側面及び上面を有し、所定の距離で互いに離間して配置される構造として規定されてもよい。パターン構造は、構造における回路の構造であってもよく、又は回路の構造を形成するための(つまり、後のパターニングのための)マスクであってもよい。パターン構造は、基板の中央に設けられた第1のパターン構造と、第1のパターン構造を取り囲むように設けられた第2のパターン構造と、を含んでもよい。
【0042】
それに代えて、図面には示されないが、不活性ガスを供給する動作及び/又は圧力を調整する動作は、反応空間において基板上にトリミング動作を十分に行うための前処理として行われてもよい。不活性ガスを供給する動作及び/又は圧力を調整する動作は、プラズマを印加する動作と同時に、又はプラズマを印加する動作の前に、行われてもよい。
【0043】
その後、プラズマ雰囲気下で、第1のトリミングガス及び第2のトリミングガスを反応空間へ独立に供給することによってパターン構造をトリミングする動作が行われる(S120)。第1のトリミングガス及び第2のトリミングガスは、互いに異なるチャネルを通じて供給されてもよく、第1のトリミングガス及び第2のトリミングガスの種類、濃度及び流量は、互いに独立に調整されてもよい。第1のトリミングガス及び第2のトリミングガスの各々は、希釈ガス及び酸化剤ガスの少なくとも一方を含んでもよい。実施形態では、パターン構造をトリミング(エッチング)するための任意の材料は、第1のトリミングガス及び/又は第2のトリミングガスとして用いられてもよい。
【0044】
、NO、NO、NO、CO、CO、O等は、酸化剤ガスとして用いられてもよい。N、Ar、He、H、Kr、Xe、Ne等は、希釈ガスとして用いられてもよい。しかし、酸化剤ガス以外のフッ化物(F)又は塩化物(Cl)を含むガスは、パターン構造をエッチングするために、本明細書で説明されるトリミングガスとして用いられてもよい。
【0045】
トリミング処理中に、第1のトリミングガスは、ガス供給ユニットの中央ガス入口を通じて反応空間へ供給され(S123)、第2のトリミングガスは、ガス供給ユニットの中央ガス入口から離間して配置される別のガス入口を通じて反応空間へ供給されてもよい(S125)。別のガス入口は、ガス供給ユニットの中央と端部との間に配置され、よって、別のガス入口は、周辺部分に配置されたパターン構造のトリミング量に影響を与える。
【0046】
例えば、ガス流チャネルは、ガスチャネルと、シャワープレートを含むガスユニットとの間に形成される。第1のトリミングガスは、ガス供給ユニットの中央ガス入口を通じてガス流チャネルへ供給され、第2のトリミングガスは、ガス供給ユニットの別のガス入口を通じてガス流チャネルへ供給されてもよい。パターン構造が、中央部分における第1のパターン構造(基板の中央に配置されたパターン構造)、及び第1のパターン構造を取り囲む第2のパターン構造(基板の周辺部分に配置されたパターン構造)を含むとき、第2のパターン構造のトリミング量は、第2のトリミングガスの供給を制御することによって調整されてもよい。
【0047】
トリミング量は、処理中に様々な要素を調整することによって制御されてもよい。例えば、基板の周辺部分に供給されるための別のガス入口へ供給されるトリミングガス(つまり、希釈ガス及び/又は酸化剤ガス)の種類、濃度及び流量を含む要素の少なくとも1つを調整することによって、周辺部分に配置されるパターン構造のトリミング量が調整されてもよい。別の実施形態では、パターン構造の周辺部分に位置付けられるパターン構造のトリミング量は、酸化剤ガスと希釈ガスとの流量比に依存してもよい。
【0048】
実施形態では、第2のトリミングガスを供給するための別のガス入口は、第1の別のガス入口(中間ガス入口)と、第2の別のガス入口(端部ガス入口)と、を含んでもよい。実施形態では、第1の別のガス入口(中間ガス入口)は、中央ガス入口と第2の別のガス入口(端部ガス入口)との間に配置される。例えば、酸化剤ガスは、第1の別のガス入口を介して供給されてもよく、希釈ガスは、第2の別のガス入口を介して供給されてもよい。別の実施形態では、希釈ガスは、第1の別のガス入口を介して供給されてもよく、酸化剤ガスは、第2の別のガス入口を介して供給されてもよい。別の実施形態では、第1の別のガス入口及び第2の別のガス入口は、同一種類のガス(酸化剤ガス及び/又は希釈ガス)を供給してもよい。これについての実施形態は、以下に説明される。
【0049】
<実施形態間での共通条件>
フォトレジスト膜パターンは、ウェーハ上に形成され、75℃のサセプタ温度でトリムされる。酸素がトリミングガスとして用いられ、窒素が希釈ガスとして用いられる。図22に示されるように、ウェーハは、直径300mmを有し、ウェーハの中央は、X軸及びY軸の開始点に配置され、アライメント基準点は、トリミング動作を行うためにY軸に配置され、その後、フォトレジスト膜パターンのトリミング量は、X軸方向に測定された。
【0050】
<関連技術に係る実施例(別のガス入口がない場合)>
トリミングガスが中央ガス入口を通じてのみ流れるので、高濃度のガスは、シャワープレートの中央及び端部の一方のみの上を流れる。また、酸化剤ガス及び希釈ガスがチャンバ内のみを流れるので、トリミング量を局所的に制御することが困難である。したがって、図23に示されるように、ウェーハ上のフォトレジスト膜パターンのトリミング量は、ウェーハのX軸を通じて均一ではなく、ボウル状のプロファイルであり、中央でのトリミング量は、エッジでのトリミング量よりも多い又は少ないことが観察された。
【0051】
<実施形態1-1>
ガス供給装置は、中央ガス入口及び別のガス入口を含むように設計され、別のガス入口は、第1の別のガス入口(中間ガス入口)と、第2の別のガス入口(端部ガス入口)と、を含むように設計された(図12参照)。中央ガス入口を通じて供給されるOガスの流量は、300sccmに設定された。中間ガス入口を通じて供給されるOガスの流量は、250sccmに設定され、端部ガス入口を通じて供給されるArガスの流量は、1450sccmに設定された。チャンバ内の圧力は、240Paであり、HRFは、25Wに設定された。この場合には、図24に示されるように、エッジにおけるトリミング量と中央におけるトリミング量との比は、1.1から1.2であるが、左エッジにおけるトリミング量と右エッジにおけるトリミング量との差(約0.5)が観察された。
【0052】
<実施形態1-2>
ガス供給装置は、中央ガス入口及び別のガス入口を含むように設計され、別のガス入口は、第1の別のガス入口(中間ガス入口)及び第2の別のガス入口(端部ガス入口)の2つの対を含むように設計された(図13参照)。また、上記の2つの対は、180°の角度で対称的に配置された。ガス供給装置における変化を除き、ウェーハ上のフォトレジスト膜は、実施形態1-1のものと同一の条件下でトリミングされた。図25に示されるように、実施形態1-1と比較するとき、エッジにおけるトリミング量と中央におけるトリミング量との比は、1.1であり、左エッジと右エッジのトリミング量は、互いにほぼ同一であった。
【0053】
<実施形態2>
実施形態2で用いられたガス供給装置は、実施形態1-2で用いられたものと同一であり、実施形態2は、Oガスが、中央ガス入口、中間ガス入口及び端部ガス入口を通じて供給された点で実施形態1-2とは異なっている。また、ガスの流量での条件は、ガスの種類に加えて、実施形態2でも変更された。中央ガス入口を通じて供給されるOガスの流量は、1920sccmに設定され、中間ガス入口を通じて供給されるOガスの流量は、40sccmに設定され、端部ガス入口を通じて供給されるOガスの流量は、40sccmに設定された。この場合には、図26に示されるように、エッジにおけるトリミング量と中央におけるトリミング量との比は、1であり、つまり、トリミング量は、互いに等しかった(図26の実施例2参照)。つまり、実施形態2の条件下で、トリミングは、ウェーハの中央及びエッジで均等に実現された。
【0054】
<実施形態3>
実施形態3は、Oガスが中央ガス入口を通じて供給され、Nガスが中央ガス入口及び端部ガス入口を通じて供給される点で実施形態2と異なる。また、ガスの流量での条件は、ガスの種類に加えて、実施形態3においても変更された。中央ガス入口を通じて供給されるOガスの流量は、1700sccmに設定され、中間ガス入口を通じて供給されるNガスの流量は、100sccmに設定され、端部ガス入口を通じて供給されるNガスの流量は、200sccmに設定された。この場合には、図26に示されるように、エッジにおけるトリミング量と中央におけるトリミング量との比は、0.9であり、これは、前述の実施形態と比べて中央でのトリミングよりもエッジでのトリミングが少ないことを示す(図26の実施例3参照)。
【0055】
上述されたように、別の第2のトリミングガスが、第1のトリミングガスから独立に供給されるので、パターン構造上の均一なトリミングが行われてもよい。
【0056】
本開示の実施形態が、中央ガス入口の周囲に提供される別のガス入口を通じて流れる酸化剤ガスを用いることによって、基板のエッジにおけるパターン構造のトリミングについて説明されるが、本開示の範囲は、これに限定されない。本開示は、第1のトリミングガスを供給するための中央入口とは異なる位置に別の入口を別途形成した後、第2のトリミングガスを別の入口へ独立に供給する技術に関し、上述されたように、トリミングは、第1及び第2のトリミングガスの種類及び/又は相対比(例えば、流量比)を調整することによって、パターン構造上で均等に行われてもよい。
【0057】
図1を再び参照すると、トリミングを行った後、薄膜層がパターン構造の側面及び上面に形成される(S130)。薄膜層の形成は、堆積処理を通じて行われてもよく、薄膜層の形成は、上記のトリミング動作によりin-situで行われてもよい(S120)。この場合には、残りのガスをパージする動作は、トリミング動作(S120)と薄膜層の形成(S130)との間に行われてもよい(図3のS330参照)。
【0058】
例えば、薄膜層の形成は、原子層堆積処理を用いることによって行われてもよい。この場合には、薄膜層の形成は、繰り返し行われる複数のサイクルを含んでもよく、1つのサイクルは、ソースガスを供給する動作と、反応ガスを供給する動作とを含む。残りのガスをパージする動作は、ソースガスを供給する動作と、反応ガスを供給する動作との間に、及びサイクルとサイクルとの間に、行われてもよい。
【0059】
本開示の実施形態によれば、ソースガス及び反応ガスの少なくとも一方は、中央ガス入口を通じて供給されてもよく、更に、中央ガス入口から離間して配置される別のガス入口を通じて供給されてもよい。したがって、基板の周辺部分に配置された薄膜層の堆積厚さは、別のガス入口を通じて供給されるソースガス及び反応ガスの少なくとも一方を用いることによって調整されてもよい。
【0060】
図2は、本開示の実施形態に係る基板処理方法を説明するフローチャートである。本実施形態に係る基板処理方法は、上述された実施形態に係る基板処理方法の変形例であってもよい。以下、実施形態の同一の要素についての説明は省略される。
【0061】
図2を参照すると、プラズマが印加され(S210)、基板上のパターン構造をトリミングするために、第1のトリミングガスは、プラズマ雰囲気下で供給される(S220)。より詳細には、基板は、第1のパターン構造及び第1のパターン構造を取り囲む第2のパターン構造を含んでもよい。つまり、パターン構造では、第1のパターン構造は、基板の中央に配置され、第2のパターン構造は、基板の周辺部分に配置されてもよい。
【0062】
トリミング処理(S220)中に、第1のトリミングガスは、第1のパターン構造及び第2のパターン構造をトリミングするために供給されてもよい。第1のトリミングガスは、例えば、ガス供給ユニットの中央に配置される中央ガス入口を通じて供給されてもよい(S223)。ガス供給ユニットは、例えば、シャワーヘッドアセンブリとして実装されてもよく、この場合には、中央ガス入口を通じて供給される第1のトリミングガスは、基板の中央及び周辺に向かって流れるように分配されてもよい。分配された第1のトリミングガスは、中央における第1のパターン構造と共に、周辺に配置される第2のパターン構造をトリミングしてもよい。
【0063】
トリミング処理(S220)中に、第1のトリミングガスに加えて、第2のトリミングガスは、独立に供給されてもよい。第2のトリミングガスは、例えば、ガス供給ユニットの周囲に配置された別のガス入口を通じて供給されてもよい(S225)。したがって、第2のパターン構造のトリミングは、第1のトリミングガスによって影響されるだけでなく、第2のトリミングガスによっても影響されてもよい。
【0064】
上述されたように、第2のトリミングガスの供給条件は、第2のパターン構造のトリミング量を制御するために独立に調整される。例えば、酸化剤ガスの流量は、別のガス入口を通じて第2のトリミングガスを供給するときに、増加され、その後、第2のパターン構造のトリミング量は、減少されてもよい。一方、希釈ガスの流量は、別のガス入口を通じて第2のトリミングガスを供給するときに、増加され、その後、第2のパターン構造のトリミング量は、減少されてもよい。第2のパターン構造のトリミング量と第1のパターン構造のトリミング量との比は、第2のトリミングガスを独立に供給することによって制御され、上記の比は、例えば、0.5から1.5であってもよい。
【0065】
一実施形態では、別のガス入口は、中間ガス入口及び端部ガス入口を含んでもよい。中間ガス入口は、中央ガス入口と端部ガス入口との間に配置されてもよい。酸化剤ガス及び/又は希釈ガスは、中間ガス入口を通じて供給され、端部ガス入口を通じて供給されてもよい(S228)。同一種類のガス又は異なる種類のガスは、中間ガス入口及び端部ガス入口を通じて供給されてもよい。
【0066】
その後、トリミングされたパターン構造に基づいて後処理が行われる(S230)。後処理の一例として、薄膜堆積処理(特に、トリミング処理と共にin-situで行われる薄膜処理)が行われてもよい。上記のように形成された薄膜層は、エッチブロック処理(パターン構造の側壁上のスペーサのみを残すために薄膜層をエッチングし、第1のパターン構造及び第2のパターン構造の上面が露出される処理)によりスペーサとなってもよい。その後、パターニング処理は、マスクとしてのスペーサになる薄膜層を用いることによって行われてもよい。
【0067】
薄膜堆積処理中に、堆積に要求されるガスは、中央ガス入口及び別のガス入口を通じて反応空間へ供給されてもよい。トリミング処理と同様に、基板のエッジの薄膜層(つまり、第2のパターン構造上の薄膜層)は、中央ガス入口の周囲に配置された別のガス入口を通じて流れるガスによって生成されてもよい。つまり、中央ガス入口を通じたガスの供給に加えて、別のガス入口を通じてガスを独立に供給することによって、基板の中央における堆積量と基板のエッジにおける堆積量との比が制御されてもよい。
【0068】
図3は、本開示の実施形態に係る基板処理方法を説明するフローチャートである。本実施形態に係る基板処理方法は、上述された実施形態に係る基板処理方法の変形例であってもよい。以下、実施形態の同一の要素についての説明は省略される。
【0069】
図3を参照すると、基板処理方法は、プラズマを印加する第1の動作(S310)と、第1のトリミングガス及び第2のトリミングガスを独立に供給する第2の動作(S320)と、トリミングガスをパージする第3の動作(S330)と、第1のソースガス及び第2のソースガスを独立に供給する第4の動作(S340)と、ソースガスをパージする第5の動作(S350)と、反応ガスを供給する第6の動作(S360)と、残りのガスをパージする第7の動作(S370)と、を含む。
【0070】
第1の動作S310から第7の動作S370は、同一チャンバ内で行われてもよい。また、第4の動作S340から第7の動作S370は、1つのサイクルとしてなされ、当該サイクルは、複数回行われてもよい。一実施形態では、第4の動作S340から第7の動作S370中に、パージガスは、反応空間へ連続的に供給されてもよい。
【0071】
第2の動作S320中に、第1のトリミングガスは、ガス供給ユニットの中央に設けられた中央ガス入口を通じて反応空間へ供給されてもよい。また、第2のトリミングガスは、ガス供給ユニットの中央と端部との間に設けられた別のガス入口を通じて反応空間へ供給されてもよい。別のガス入口を通じて供給される第2のトリミングガスの成分及び流量を調整することによって、トリミングされたパターン構造の均一性が変化してもよい。
【0072】
また、第4の動作S340中に、第1のソースガスは、ガス供給ユニットの中央に設けられた中央ガス入口を通じて反応空間へ供給される。また、第2のソースガスは、ガス供給ユニットの中央と端部との間に設けられた別のガス入口を通じて反応空間へ供給されてもよい。別のガス入口を通じて供給される第2のソースガスの成分及び流量を調整することによって、形成される薄膜の均一性が実現されてもよい。
【0073】
図4は、本開示の実施形態に係る基板処理方法を説明するフローチャートである。本実施形態に係る基板処理方法は、上述された実施形態に係る基板処理方法の変形例であってもよい。以下、実施形態の同一の要素についての説明は省略される。
【0074】
図4を参照すると、基板処理方法は、プラズマを印加する第1の動作(S410)と、第1のトリミングガス及び第2のトリミングガスを独立に供給する第2の動作(S420)と、トリミングガスをパージする第3の動作(S430)と、ソースガスを供給する第4の動作(S440)と、ソースガスをパージする第5の動作(S450)と、第1の反応ガス及び第2の反応ガスを独立に供給する第6の動作(S460)と、残りのガスをパージする第7の動作(S470)と、を含む。
【0075】
第2の動作420中に、第1のトリミングガスは、ガス供給ユニットの中央に設けられた中央ガス入口を通じて反応空間へ供給されてもよい。また、第2のトリミングガスは、ガス供給ユニットの中央と端部と間に設けられた別のガス入口を通じて反応空間へ供給されてもよい。別のガス入口を通じて供給される第2のトリミングガスの成分及び流量を調整することによって、トリミングされたパターン構造の均一性が実現されてもよい。
【0076】
また、第6の動作460中に、第1の反応ガスは、ガス供給ユニットの中央に設けられた中央ガス入口を通じて反応空間へ供給される。また、第2の反応ガスは、ガス供給ユニットの中央と端部と間に設けられた別のガス入口を通じて反応空間へ供給されてもよい。別のガス入口を通じて供給される第2の反応ガスの成分及び流量を調整することによって、形成される薄膜の均一性が実現されてもよい。
【0077】
一実施形態では、薄膜の均一性を更に改善するために、第1のソースガスは、ガス供給ユニットの中央に設けられた中央ガス入口を通じて反応空間へ供給されてもよく、第2のソースガスは、第4の動作S440中に、ガス供給ユニットの中央と端部との間に設けられた別のガス入口を通じて反応空間へ供給されてもよい。
【0078】
図5は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の概略断面図である。前述の実施形態に係る基板処理方法は、実施形態に係る基板処理装置を用いることによって行われてもよい。以下、実施形態の同一の要素についての説明は省略される。
【0079】
図5を参照すると、基板処理装置は、バリア壁510と、ガス供給ユニット520と、RF負荷530と、排気経路540と、を含んでもよい。本明細書に記載される基板処理装置の例は、半導体基板又はディスプレイ基板の堆積装置を含んでもよいが、本開示は、これに限定されない。基板処理装置は、薄膜を形成する材料の堆積を行うために必要ないずれかの種類の装置であってもよい。特に、本開示は、パターン構造上に薄膜を形成するための材料の堆積処理、及び同一チャンバ内の堆積前のパターン構造のトリミング処理を、in-situで行うことを可能にすることが留意されるべきである。
【0080】
バリア壁510は、リアクタの要素であってもよい。つまり、基板を処理(例えば、トリミング及び/又は堆積)するための反応空間は、バリア壁510によって形成されてもよい。例えば、バリア壁510は、リアクタの側壁及び/又は上部壁を含んでもよい。バリア壁510では、リアクタの上部壁部分は、ガス供給チャネル550を提供し、第1のトリミングガス、第2のトリミングガス、ソースガス、パージガス及び/又は反応ガスは、ガス供給チャネル550を通じて供給されてもよい。
【0081】
ガス供給ユニット520は、ガスチャネル525と、シャワープレート527と、を含んでもよい。ガスチャネル525は、その中央部分に中央ガス入口を含んでもよい。また、ガスチャネル525は、中央ガス入口から離間して配置される別のガス入口585及び587を含んでもよい。別のガス入口585及び587は、第1及び第2の別のガス入口585及び587を含んでもよい。第1の別のガス入口585は、中央ガス入口と第2の別のガス入口587との間に配置されてもよい。ガス供給ユニット520のシャワープレートは、中央ガス入口並びに別のガス入口585及び587と繋がれた複数の穴を含んでもよく、よって、ガスチャネル520の中央ガス入口を通じて供給されるガスは、複数の穴を介して分配され、反応空間へ供給されてもよい。
【0082】
ガス供給ユニット520は、ガス供給チャネル550に接続されてもよい。より詳細には、ガス供給ユニット520のガスチャネル525に設けられた中央ガス入口は、ガス供給チャネル550に接続されてもよい。ガス供給ユニット520は、リアクタに固定されてもよい。例えば、ガス供給ユニット520は、固定部材(図示せず)を介してバリア壁510上に固定されてもよい。ガス供給ユニット520は、反応空間560においてガスを処理対象へ供給するように構成されてもよい。例えば、ガス供給ユニット520は、シャワーヘッドアセンブリであってもよい。
【0083】
ガス供給チャネル550と繋がれたガス流チャネル570は、ガス供給ユニット520に形成されてもよい。ガス流チャネル570は、ガス供給ユニット520のガスチャネル525(上部部分)とガス供給ユニット520のシャワープレート527(下部部分)との間に形成されてもよい。図面ではガスチャネル525及びシャワープレート527が互いに隔てられた構造として示されているが、ガスチャネル525及びシャワープレート527は、互いに一体化されて形成されてもよい。
【0084】
一つの例示的な実施形態では、ガス流チャネル570は、中央からガス供給ユニット520の周辺に向かって一定の幅を有して延伸してもよい。つまり、ガスチャネル525の下面は、シャワープレート527の上面と平行であってもよい。したがって、ガス流チャネルは、ガスチャネル及びシャワープレートによって規定されるクリアランスを有して形成され、ガスチャネルとシャワープレートとは、略平行である。ガスチャネル525は、ガス供給チャネル550へ接続された中央入口を提供してもよい。中央入口は、ガス流チャネル570に接続されてもよく、よって、ガス流チャネル570は、中央入口を介してガス供給チャネル550へ接続されてもよい。
【0085】
ガスチャネル及びシャワープレートは、その間のクリアランスに対して互いに対向してもよい。一実施形態では、ガスチャネルに対向するシャワープレートの表面は、円錐形状を有してもよい。トリミング処理中の制御性能は、上記の構成、つまり、ガスチャネル(例えば、その下面)とシャワープレート(例えば、その上面)との間に略平行なクリアランスを有するガス流チャネル、並びに円錐形状を有するシャワープレート及びシャワープレートと対向するガスチャネルの構造により改善され、これは、後述される。
【0086】
ガス供給チャネル550は、バリア壁510で形成されてもよい。ガス供給チャネル550に加えて、第1のスルーホール580は、バリア壁510を少なくとも部分的に貫通してもよい。例えば、第1のスルーホール580は、バリア壁510において、リアクタの上部壁を貫通してもよい。一部の実施形態では、第1のスルーホール580は、ガス供給チャネル550のものよりも小さい直径を有してもよい。
【0087】
また、第2のスルーホール582は、バリア壁510を少なくとも部分的に貫通してもよい。例えば、第2のスルーホール582は、バリア壁510において、リアクタの上部壁を貫通してもよい。一部の実施形態では、第2のスルーホール582は、ガス供給チャネル550のものよりも小さい直径を有してもよい。第1のスルーホール580は、ガス供給チャネル550と第2のスルーホール582との間に配置されてもよい。
【0088】
第1の別のガス入口585は、ガス供給ユニット520を少なくとも部分的に貫通してもよい。例えば、第1の別のガス入口585は、ガス流チャネル570に接続されるガスチャネル525を貫通してもよい。したがって、第1のスルーホール580は、第1の別のガス入口585を介してガス流チャネル570と繋げられる。
【0089】
図面では、第1のスルーホール580が第1の別のガス入口585へ直接接続される構成であるが、本開示は、これに限定されない。バリア壁に設けられた第1のスルーホール580は、コネクタ(図示せず)を介して第1の別のガス入口585に接続され、当該コネクタは、ガス供給ユニット520に搭載されてもよい。
【0090】
第2の別のガス入口587は、ガス供給ユニット520を少なくとも部分的に貫通してもよい。例えば、第2の別のガス入口587は、ガス流チャネル570に接続されるガスチャネル525を貫通してもよい。よって、第2のスルーホール582は、第2の別のガス入口587を介してガス流チャネル570と繋げられてもよい。第1の別のガス入口585は、ガス供給チャネル550と第2の別のガス入口587との間に配置されてもよい。
【0091】
第1の別のガス入口585及び第2の別のガス入口587は、ガス流チャネル570の中央と端部との間に配置されてもよい。特に、第1の別のガス入口585及び第2の別のガス入口587は、ガス流チャネル570の端部から離間して配置されてもよい。第1の別のガス入口585及び第2の別のガス入口587の位置構成を通じて、基板の特定の部分(つまり、第1の別のガス入口585及び第2の別のガス入口587に対応する部分)上へのトリミング及び薄膜堆積が制御されてもよい。
【0092】
例えば、第1の別のガス入口585及び第2の別のガス入口587を通じて供給されるトリミングガスは、基板の中央と端部との間に配置されるパターン構造のトリミング量に影響を与える。トリミングガスが酸化剤ガスであるとき、基板の中央と端部との間に配置されるパターン構造の幅は、大幅に低減される(つまり、大幅にトリミングされる)。供給ガスが希釈ガスであるとき、基板の中央と端部との間に配置されるパターン構造の幅は、あまり低減されない(つまり、あまりトリミングされない)。
【0093】
また、第1の別のガス入口585及び第2の別のガス入口587を通じて供給されるガスは、基板の中央と端部との間の部分に堆積される薄膜の均一性に影響を与える。ガスがパージガスであるとき、基板の中央と端部との間の部分に堆積される薄膜の厚さが低減される。ガスが反応ガスであるとき、基板の中央と端部との間の部分に堆積される薄膜の厚さが増加される。
【0094】
本明細書では、第1の別のガス入口585及び第2の別のガス入口587は、それぞれ、中間ガス入口及び端部ガス入口と称される。中間ガス入口及び端部ガス入口は、一対として配置され、特に、中央ガス入口に対して対称的に配置される。すなわち、一対の中間ガス入口及び端部ガス入口並びに別の対の中間ガス入口及び端部ガス入口は、中央ガス入口に対して対称的に配置される。
【0095】
例えば、二対の中間ガス入口及び端部ガス入口は、180°の角度で隔てて配置されてもよい。別の例では、三対の中間ガス入口及び端部ガス入口は、120°の角度で隔てて配置されてもよい。
【0096】
一実施形態では、シーリング部材は、第1の別のガス入口585と第2の別のガス入口587との間に配置されてもよい。第1の別のガス入口585を通じて供給されるガスと第2の別のガス入口587を通じて供給されるガスとの混合は、シーリング部材によって防がれる。
【0097】
別の実施形態では、環状溝は、ガスチャネルの下面に形成されてもよい。第1の別のガス入口585及び/又は第2の別のガス入口587は、環状溝を介してガス流チャネルと繋げられてもよい。上記の構成を通じて、周辺方向におけるガス分配は均一となり、ウェーハにおけるトリミングプロファイルの偏りが改善される。これについては、後に詳述する。
【0098】
別の実施形態では、第1のバッファ空間590は、第1のスルーホール580と第1の別のガス入口585との間に更に設けられてもよい。第1のバッファ空間590は、第1の別のガス入口585に均等に供給される第1のスルーホール580を通じて供給されるガスを一時的に格納する。したがって、第1のバッファ空間590の直径又は幅は、第1のスルーホール580の直径又は幅よりも大きく、第1の別のガス入口585の直径又は幅よりも大きい。また、第1のバッファ空間590は、ガス供給チャネル550の中央から所定の距離で隔てられた外周に沿って形成されてもよい。
【0099】
また、第2のバッファ空間592は、第2のスルーホール582と第2の別のガス入口587との間に更に形成される。第2のバッファ空間592は、第2の別のガス入口587に均等に供給される第2のスルーホール582を通じて供給されるガスを一時的に格納する。したがって、第2のバッファ空間592の直径又は幅は、第2のスルーホール582の直径又は幅よりも大きく、第2の別のガス入口587の直径又は幅よりも大きい。また、第2のバッファ空間592は、ガス供給チャネル550の中央から所定の距離で隔てられた外周に沿って形成されてもよい。
【0100】
上述されたように、本開示は、基板へガスを均等に供給するガス供給ユニット520を提供し、特に、本開示は、基板の中央とエッジとの間の部分に薄膜のトリミング及び堆積をする際の均一性を改善するためのユニットを提供する。反応空間における基板上の処理は、別のガス入口585及び587を通じてガス流チャネルへ供給される酸化剤ガス又は希釈ガスによって局所的に制御されてもよい。
【0101】
シャワーヘッド構造は、一般的に、反応ガスが中央部分を介して供給され、端部を通じて排気される構造を採用するが、基板のエッジにおけるトリミング及び堆積量、並びに基板の中央におけるトリミング及び堆積量は、上記の構造により均等ではない。しかし、本開示によれば、別のガス供給経路は、反応空間560の中央と端部との間の部分に供給されるガスの流量を制御するために更に設けられる。上記のように制御される流量を有するガスは、反応空間560の周辺部分での促進効果又は遮断効果を導入し、よって、基板の周辺に供給されるガスの種類及び量が制御される。
【0102】
図6A、6B及び7は、本開示の実施形態に係る基板処理装置及び基板処理方法を説明する概略図である。本実施形態に係る基板処理方法及び装置は、上述された実施形態に係る基板処理方法及び装置の変形例であってもよい。以下、実施形態の同一の要素についての説明は省略される。
【0103】
上述されたように、本開示は、トリミング量を局所的に制御するために、装置においてガス流を精密に制御するためのものである。
【0104】
実施形態によれば、図6Aに示されるように、フォトレジスト(PR)層は、スピンコーティング処理を用いることによって基板上に配置され、所望の形状に処理(例えば、パターニング)される。その後、基板は、エッチングチャンバへ搬送され、トリミングは、エッチングチャンバ内のPR層で行われる。そして、基板は、堆積処理を行うために別の堆積チャンバへ搬送され、PR層上のSiO層を形成する処理は、別の堆積チャンバにおいて行われてもよい。その後、PR層の側面上のSiO層を分離するために、エッチバック処理がSiO層上に行われる。上記で分離されたSiO層は、後処理においてマスクとして用いられてもよい。
【0105】
別の実施形態によれば、図6Bに示されるように、PR層は、スピンコーティング処理を用いることによって基板上に配置され、所望の形状に処理される。その後、基板は、基板処理装置(例えば、原子層堆積(atomic layer deposition(ALD))装置)へ移動される。その後、プラズマトリミングは、酸化剤ガス及び不活性ガスの混合ガスを用いることによって行われる。PR層がプラズマトリミングを通じて所望の形状に処理されるとき、ガスの種類は、低温ALD-SiO層を形成する処理を連続的に行うために切り替えられる。
【0106】
低温ALD-SiO層が、レジスト層(例えば、フォトレジスト層)の適用後に形成されるとき、レジスト層は、エッチング処理によって所定の厚さに処理されるが、ALD-SiO層を形成するための装置に加えて、エッチング装置が必要であり、製造コストが増大する。これを解決するために、本開示の実施形態によれば、レジスト層は、トリミング処理によってエッチングされ、ALD-SiO層の形成は、図6Bに示されるのと同じチャンバ内でin-situで行われてもよく、よって、別のエッチング装置が必要なく、製造コストが低減される。
【0107】
トリミング及びin-situでの膜形成を行うことが可能な基板処理装置(特に、プラズマALD装置)が図7に示される。基板7は、事前に、100℃以下、例えば、75℃に設定された熱サセプタ5に搬送される。
【0108】
次に、不活性ガスは、ガス導入管1及びシャワーヘッド2を介して反応チャンバ3へ移送される。その後、反応チャンバ3における圧力は、圧力調整バルブ6によって、50から12000Pa、例えば、90から600Paに設定される。
【0109】
また、無線周波数(radio frequency(RF))パワー4は、所定の期間に接地される加熱サセプタ5とシャワーヘッド2との間に印加され、プラズマになる不活性ガスが基板7上に照射される。ここで、印加されるRFパワーは、0.12W/cmから0.29W/cm、例えば、0.12W/cmから0.22W/cmであってもよい。その後、印加されるRFパワーは、所望のRFパワーレベルに調整される。ここで、RFパワーは、0.028W/cmから0.15W/cm、例えば、0.028W/cmから0.085W/cmであってもよい。RFパワーを調整した後に、酸化剤ガスが導入され、プラズマトリミングが行われる。プラズマトリミングを行った後、ガスの種類が切り替えられ、低温ALD-SiO層が連続的に行われる。
【0110】
図8は、一連のトリミング処理を簡素に表す。つまり、圧力が調整され、不活性ガスが加えられ、第1の大きさのRFパワーが印加され、その後、酸化剤ガスが導入され、RFパワーが、第1の大きさよりも小さい第2の大きさに調整される。
【0111】
図9は、本開示の実施形態に係る、トリミング後に、堆積された低温原子層堆積(ALD)-SiOを形成する処理を示す概略図である。供給ステップでは、前駆体がチャンバ内へ導入され、前駆体分子は、加熱したサセプタ5上の基板7の表面に化学吸着される。パージステップでは、基板の表面以外の部分の不要な前駆体が除去され、基板の表面上の吸着された前駆体分子の分布が均一化される。その後、RF ONステップでは、RFパワー4が、所定の期間に接地される、加熱したサセプタ5とシャワーヘッド2との間に印加され、不活性ガス及び酸化剤ガスがプラズマとなり、基板7上にSiOを生成するために、基板に照射される。後のパージステップでは、膜形成処理中に生成された不要なガスは、次のサイクルを準備するために排気される。
【0112】
図10から20は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の断面図及び平面図である。実施形態に係る基板処理装置は、上述された実施に係る基板処理装置の変形例であってもよい。以下、実施形態の同一の要素についての説明は省略される。
【0113】
図10を参照すると、ガス供給ユニット1000が示され、ガス供給ユニット1000は、ガスチャネル1010及びシャワープレート1020を含み、ガスチャネル1010は、中央ガス入口に加えて、別のガス入口(例えば、中間ガス入口及び/又は端部ガス入口)を含む複数のガス流経路を含む。別のガス入口を採用することによって、ガスは、端部の周囲(図11参照)及び端部と中央との間の空間の周囲(図12参照)を更に流れ、よって、トリミング量の局所的な制御性能が改善される。
【0114】
例えば、トリミングガス及び/又は薄膜を形成するガスは、ガス供給ユニット1000上に設けられたコネクタCを通じて供給されてもよい。図5を参照して示される上記の実施形態では、別のガス入口に接続された第1のスルーホール(図5の580)は、基板処理装置のバリア壁に設けられるが、本実施形態によれば、第1の接続穴CH1は、ガス供給ユニット1000上のコネクタCに設けられる。コネクタCは、外側から別のガス入口へ供給されるガスを移送してもよい。
【0115】
第1のバッファ空間B1は、コネクタCの第1の接続穴CH1と別のガス入口との間に形成されてもよい。第1のバッファ空間B1の直径又は幅は、第1の接続穴CH1の直径又は幅よりも大きく、第1の別のガス入口585の直径又は幅よりも大きい。また、第1の接続穴CH1は、第1の上部接続穴H3及び第1の下部接続穴H1を含む。この場合には、第3のバッファ空間B3は、第1の上部接続穴H3と第1の下部接続穴H1との間に形成される。
【0116】
また、第2のバッファ空間B2は、コネクタCの第2の接続穴CH2と別のガス入口との間に形成されてもよい。第2のバッファ空間B2の直径又は幅は、第2の接続穴CH2の直径又は幅よりも大きく、第2の別のガス入口587の直径又は幅よりも大きい。また、第2の接続穴CH2は、第1の上部接続穴H4及び第1の下部接続穴H2を含む。この場合には、第4のバッファ空間B4は、第1の上部接続穴H4と第1の下部接続穴H2との間に形成される。
【0117】
また、図11及び12に示される実施形態では、ガスが一つの点で流れるのみであるため、ウェーハにおけるトリミングのプロファイルに偏りが生じ、これは、デバイス特性の低下を生じる。
【0118】
この観点では、本開示は、ガスが2以上の方向(図13及び14)に流れる構造を採用し、よって、当該構造は、トリミング装置におけるウェーハのプロファイルの偏りを是正するために、2以上の方向に流れるガスの流量を精密に制御する。
【0119】
ガス流量を精密に制御する方法として、ニードルバルブは、図15に示されるように、2以上の方向(又は3以上の方向)に流れるガスの流量を調整するために用いられる。ニードルバルブに代えて(又はニードルバルブに加えて)、マスフローコントローラ又はスプリッタが用いられてもよい。実施形態に係る基板処理方法は、図15の基板処理装置を用いることによって、以下に詳細に説明される。
【0120】
<実施形態4>
図15の基板処理装置を用いることによって、液体材料であるビスジエチルアミノシラン、酸素及びアルゴンガスを用いることによって図9に示されるALDサイクルを通じてSiOが堆積され、図27に示される結果が得られた。
【0121】
ここで、ウェーハ内のSiOのプロファイルが平坦であるとき(図27のMZS4_Flat参照)、サセプタの温度が75℃に設定され、チャンバ内の圧力が200Paであり、中央ガス入口を通じるOの流量が960sccmであり、Arガスの流量が4000sccmであり、ビスジエチルアミノシランも供給処理において流れた。中間ガス入口を通じるOガスは、20sccmの流量で流れ、端部ガス入口を通じるOガスは、20sccmの流量で流れた。また、HRFは350Wに設定された。
【0122】
ウェーハのプロファイルが、エッジハイ状態(図27のMZX4_Edge high参照)にあるとき、サセプタの温度は75℃であり、チャンバ内の圧力は200Paであり、中央ガス入口を通じるOガスの流量は120sccmであり、Arの流量は4000sccmであり、ビスジエチルアミノシランも供給処理において流れた。中間ガス入口を通じるOガスは、4sccmの流量で流れ、端部ガス入口を通じるOガスは、1800sccmの流量で流れた。また、HRFは350Wに設定された。
【0123】
また、ウェーハのプロファイルが、エッジロー状態(図27のMZS4_Edge Low参照)にあるとき、サセプタの温度は75℃であり、チャンバ内の圧力は250Paであり、中央ガス入口を通じるOガスの流量は120sccmであり、Arの流量は4000sccmであり、ビスジエチルアミノシランも供給処理において流れた。中間ガス入口を通じるArガスは、1800sccmの流量で流れ、端部ガス入口を通じるArガスは、1800sccmの流量で流れた。また、HRFは350Wに設定された。
【0124】
上述されたように、ガスは、互いに180°の角度で対向する位置から流れ、よって、ガスの流量は、精密に制御され、ウェーハ上のトリミング量は、是正され、ウェーハプロファイルが制御される。また、ALD-SiO堆積中に、ウェーハプロファイルが制御される。
【0125】
また、流量の精密な制御に加えて、ウェーハトリミングプロファイルにおける制御性能を改善するために、シーリング機構Sは、図16に示されるように、端部から流れるガスの混合、及び端部と中央との間に流れるガスの混合を防ぐために導入されてもよい。シーリング機構Sは、第1の接続穴CH1と第2の接続穴CH2との間に配置されてもよい。
【0126】
また、図17に示されるように、穴の数は、ウェーハ内のトリミングプロファイルの制御性能を改善するために、Aと表される部分で変更されてもよい。また、図18に示されるように、バッファ空間のサイズ及び/又は容量は、トリミングの制御性能を改善するためにBと表される部分で変更されてもよい。
【0127】
一実施形態では、図19に示されるように、ガスチャネルとシャワープレートとの間のクリアランスは、狭い幅を有し、略平行となるように設計され、よって、ウェーハにおけるトリミングプロファイルの制御性能は、大幅に改善される。これについて、図21は、図19の基板処理装置を用いることによるトリミング結果(図21のParallel参照)を、基板処理装置を用いることによるトリミング結果(図21のNon-Parallel参照)と比較した結果を示し、ガスチャネルとシャワープレートとの間のクリアランスの幅は、中央部分から周辺部分へ徐々に減少される。図21のトリミング結果(図21のParallel参照)に示されるように、トリミングの均一性を実現するために、ガス流チャネルは、中央からガス供給ユニットの周辺へ向かって延伸し、かつ一定の幅を有するように形成される(つまり、ガスチャネルの下面は、シャワープレートの上面と平行である)。
【0128】
また、図20に示されるように、環状溝は、端部における別のガス入口及び中央と端部との間の別のガス入口から、ガス流チャネルに接続された部分に設けられ、よって、ガスは、外周方向に均等に分配され、ウェーハ内のトリミングプロファイルにおける偏りが是正される。
【0129】
理解の便宜のため、添付の図面における各要素の形状は例示的なものである。また、上記の形状は、様々に変更されてもよい。
【0130】
本明細書に記載される実施形態は、記述的な意味のみにみなされるべきであり、限定的な目的のためにみなされるべきではないことが理解されるべきである。各実施形態の特徴又は態様の記載は、典型的には、他の実施形態における他の同様の特徴又は態様に利用可能であるとみなされるべきである。
【0131】
1以上の実施形態が図面を参照しながら説明されたが、特許請求の範囲によって規定される発明概念の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の各種変更がなされてもよいことが当業者によって理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
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図20
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